【発明の詳細な説明】
フッ素化方法
本発明は芳香族化合物のフッ素化方法に関する。
フッ素化剤としてフッ素ガスを使用する芳香族化合物のフッ素化方法は公知で
あるが、フッ素は酸化性が強いので、芳香族化合物が分解して、所望生成物の収
率が低くなる。不活性ガス(例えば窒素)によるフッ素ガスの希釈はヨーロッパ
特許出願公開第0512715号に記載されており、ここではフッ素の酸化作用
が抑制されて、1個のフッ素原子を良好な収率で芳香族化合物内に導入すること
ができる。ポリフルオロ芳香族化合物の公知の製造方法は、結果的に分解産物の
生成が増加するより過酷なフッ素化条件を用いることからなるか、又は芳香族化
合物をフッ素化剤(例えば三フッ化コバルト)とハロゲン交換又は反応させるこ
とからなる。
アセトニトリル中である種の芳香族化合物を直接フッ素化することは公知であ
るが、一般には低い反応温度が必要とされるために不都合である。溶媒と反応す
るとタールが生成し得るので、アセトニトリルのような溶媒中でフッ素化する場
合には別の問題が生ずる。
本発明の目的は、1個以上のフッ素原子を良好な総収率
で芳香族化合物内に選択的に導入して特定のフッ素化化合物を製造するためのフ
ッ素化方法を提供することである。この方法は、容易に得られる温度で実施する
ことができ、フッ素と溶媒との反応も最小限に抑えられる。
本発明に従って、酸媒質中の芳香族化合物をフッ素ガスと反応させて1個以上
のフッ素原子を二置換芳香族化合物内に選択的に導入する方法を提供する。該方
法は酸媒質の誘電率が少なくとも20であり且つpHが3未満であることを特徴
とする。
本発明の方法は、1個以上のフッ素原子を良好な総収率で芳香族化合物内に選
択的に導入するコスト的に有効な手段となる。
芳香族化合物は、1個〜5個の置換基で置換されていてもよいベンゼンである
ことが好ましい。適切な置換基は独立して、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、
−CN、−OH、−NO2、−N(アルキル)2、−NHCOアルキル、−COO
アルキル、−COOH、−COアルキル、−CON(アルキル)2、−COY、
−CY1 3及び−SO2Y2(ここでYは−H、−F、−Cl、−Brであり、Y1
は−F又は−Clであり、Y2は−F、−Cl、−Br、−
N(アルキル)2である)の中から選択され得る。これらの置換基のいずれの場
合も、アルキルは好ましくはC1-4−アルキルであり、アルコキシは好ましくは
C1-4−アルコキシであり、ハロゲンは好ましくは−F、−Cl又は−Brであ
る。
芳香族化合物の好ましい置換基は、−CN、−OH、−NO2、−NHCOC
H3、−OCH3、−COOCH3、−COOH、−COCH3、−CH3、−Cl
、−Br、−F及びこれらの組み合わせの中から選択される。芳香族化合物は1
位と4位又は1位と2位が二置換していることが好ましく、1位と4位が二置換
していれば更に好ましい。
芳香族化合物が二置換している場合、1位は好ましくはメタ基によって占めら
れ、2位又は4位は好ましくはオルト/パラ基によって占められる。
本発明の好ましい実施態様では、芳香族化合物は式(1):
(式中、
R1はメタ基であり、
X1、X3及びX5はそれぞれ独立して、−H、−F又はオルト/パラ基であり、
X2及びX4はそれぞれ独立して、−H、ハロゲンであり、
但しX1、X2、X3、X4、X5の少なくとも1個は−Hである)で表される。
R1で表されるメタ基は好ましくは、−Br、−Cl、−F、−NO2、−CN
、−COY、−CY1 3及び−SO2Y2(ここでYは−H、−F、−Cl、−Br
、−C1-4−アルキル、−OH又は−OC1-4−アルキルであり、Y1は−F又は
−Clであり、Y2は−F、−Cl、−Br、−NH2、−NH(C1-4−アルキ
ル)及び−NH(C1- 4
−アルキル)2である)の中から選択される。
X1、X3及びX5によって表されるオルト/パラ基は好ましくは、−OH、−
OC1-6−アルキル、C1-6−アルキル及び−NHCOC1-6−アルキルの中から
選択される。
X2及びX4によって表される基の一つがハロゲンの場合、好ましくは−F又は
−Clであり、これらの基のいずれかがアルキル、アルコキシ、−NH(アルキ
ル)又は−N(アルキル)2である場合、各アルキル又はアルコキシが1〜6個
の炭素原子を含んでいることが好ましい。
式(1)の化合物は好ましくはR1がメタ基、X1、X3及びX5の一つがオルト
/パラ基又は−F、X2及びX4が水素である化合物であり、R1がメタ基、X3が
オルト/パラ基又は−F、X1、X2、X4及びX5が水素である化合物が更に好ま
しい。
式(1)の特に好ましい化合物は、R1が−CN、−NO2、−COOCH3、
−COOH、−COCH3、−Br、−Cl及び−Fの中から選択され、X3が−
OH、−OCH3、−CH3、−NHCOCH3及び−Fの中から選択され、X1、
X2、X4及びX5が水素である化合物である。
酸媒質の誘電率は好ましくは20〜90、更に好ましくは30〜90、特に5
0〜90である。酸媒質のpHは好ましくは3未満、更に好ましくは2未満、特
に1未満である。
酸媒質は蟻酸、硫酸及び発煙硫酸の中から選択することが好ましい。酸媒質が
蟻酸又は硫酸の場合、水を、好ましくは5〜0%の水を、更に好ましくは2〜0
%の水を、特に1〜0%の水を含み得る。酸媒質が発煙硫酸の場合、好ましくは
1〜30%が、更に好ましくは20〜30%が発煙硫酸である。不活性希釈剤、
特に「ARKLONE」P(ARKLONEはICI PLCの商標である)の
ようなフッ素化溶媒が酸媒質中に存在し得、このような溶媒は実質的に水を含ん
でいてはならない。酸媒質は好ましくは硫酸又は蟻酸、更に好ましくは95〜1
00%が硫酸又は蟻酸、更に好ましくは98〜100%が蟻酸、特に99〜10
0%が蟻酸である。
多数のフッ素原子を芳香族化合物内に導入すべき場合、98〜100%の硫酸
、又は特に98〜100%の蟻酸を酸媒質として使用すれば有利である。何故な
らば、このような酸によって、式(1)の芳香族化合物を高い転化率で
ジ、トリ、テトラ及びペンタフッ素化誘導体に変換することができるからである
。
本方法は、10℃〜90℃の温度で、好ましくは10℃〜40℃の温度で、特
に10℃〜20℃で実施することができる。
フッ素ガスを使用前に窒素又はヘリウムのような不活性ガスと混合して希釈す
ることが好ましい。不活性ガス中のフッ素濃度は好ましくは1〜50容量%であ
り、更に好ましくは2〜25容量%であり、特に5〜15容量%である。
フッ素対芳香族化合物の比率は広範囲で変動し得るが、フッ素対芳香族化合物
のモル比は必要とされるフッ素化度に依存して1.2:1〜6:1が好ましい。
フッ素対芳香族化合物の比率を高くして使用すると、多数のフッ素原子が芳香族
化合物内に導入されて、ポリフッ素化生成物を生じる。
フッ素化が実質的に終了すると、反応混合物を窒素でパージして残留フッ素及
びフッ化水素を除去し、次いで過剰水で希釈し、適切な溶媒中に抽出し、次いで
蒸留することによりフッ素化生成物を単離することができる。フッ素化生成物は
分別蒸留又は結晶化により適切な溶媒から分離す
ることができる。
上述の処理条件下では、1個以上のフッ素原子が芳香族化合物内に導入された
生成物の混合物が得られる。例えば、4−フルオロ安息香酸が芳香族化合物であ
り、98%硫酸を酸媒質として使用する場合、得られる生成物の混合物には2,
4−及び3,4−ジフルオロ、2,4,5−、2,3,4−及び3,4,5−ト
リフルオロ、2,3,4,5−テトラフルオロ、及び2,3,4、5、6−ペン
タフルオロ安息香酸が含まれる。
このように、本発明の方法は、他の方法による製造が困難であるか又は製造で
きたとしても収率の低いモノ及びポリフッ素化芳香族化合物の好都合な合成方法
となり、不用のフッ素化タールや他の副産物の廃棄の必要が最小限になる。モノ
及びポリフッ素化生成物は農薬や医薬品の製造の合成中間体として使用される。
以下の実施例で本発明を更に詳しく説明する。
酸媒質の代わりに有機溶媒(アセトニトリル)を用いて得られる効果を示すた
めに比較例(例A)を記載する。この場合、僅か1個のフッ素原子が比較的低い
収率で出発材料内に導入される。反応混合物からは、これ以上フッ素化
された芳香族化合物を単離することはできなかった。実施例1 4−シアノフェノールのフッ素化
4−シアノフェノール(11.9g,0.1mol)及び98%蟻酸(200
cm3)を導入した攪拌反応容器を窒素でパージし、10℃に冷却した。窒素で
10%に希釈したフッ素(0.2mol)を約6時間かけて冷却攪拌溶液に通し
た。容器を窒素でパージし、室温に暖めた。反応混合物を水に注入し、ジエチル
エーテルで抽出した。抽出物を乾燥し、溶媒を蒸留により除去すると黄褐色固体
(12.4g)が残った。粗生成物(3.9g)を減圧下で短経路(Short
path)蒸留すると、オフホワイトの固体(3.4g)が得られた。これを
nmr及びGC分析すると3種の主要化合物を含むことが判明した。この混合物
は、4−シアノ−2−フルオロフェノール(δF−134.7ppm[d6−Me2
CO])及び4−シアノ−2,6−ジフルオロフェノール(δF−131.0p
pm[d6−Me2CO])をそれぞれ64%及び10%の収率で含み、転化率が
84%であることが判明した。(注:本実施例及び他の全ての実施例の化学シフ
トはCFCl3に対す
るものであった。)実施例2 4−ニトロフェノールのフッ素化
実施例1に記載したのと同様の方法により、窒素で10%に希釈した0.2m
olのフッ素を、4−ニトロフェノール(0.1mol)の98%蟻酸溶液に1
0℃で4.5時間かけて通した。反応混合物を水に注入し、ジエチルエーテルで
抽出した。エーテル溶液を乾燥し、回転蒸発器を用いて溶媒を除去して褐色液体
を残した。これを短経路蒸留装置に移して、減圧下で蒸留すると、淡黄色結晶(
12.9g)が得られた。GC/MS及び19Fnmr(CDCl3)分析により
、これらが主に未反応の出発材料:2−フルオロ−4−ニトロフェノール(M+
157,δF−137.5ppm,収率70%)及び2,6−ジフルオロニトロ
フェノール(M+175,δF−131.7ppm,収率7%)であることが判明
した。転化率は75%であった。実施例3 4−ニトロアセトアニリドのフッ素化
実施例1の記載の方法により4−ニトロアセトアニリドをフッ素化して、2−
フルオロ−4−ニトロアセトアニリ
ド(M+198,δF−125.8ppm[CDCl3],収率60%)及び2,
6−ジフルオロ−4−ニトロアセトアニリド(δF−112.8ppm[CDC
l3],収率8%)を得た。転化率100%。実施例4 4−メトキシ安息香酸メチルのフッ素化
実施例1の記載の方法により4−メトキシ安息香酸メチルをフッ素化して、3
−フルオロ−4−メトキシ安息香酸メチル(M+184,δF−135.3ppm
[CDCl3],収率50%)及び3,5−ジフルオロ−4−メトキシ安息香酸
メチル(M+202,δF−128.3ppm[CDCl3],収率10%)を得
た。転化率90%。実施例5 4−メトキシベンゾニトリルのフッ素化
実施例1の記載の方法により4−メトキシベンゾニトリルをフッ素化して、3
−フルオロ−4−メトキシベンゾニトリル(δF−125.8ppm[CDCl3
],収率35%)及び3,5−ジフルオロ−4−メトキシベンゾニトリル(δF−
132.5ppm[CDCl3],収率10%)を得た。転化率90%。実施例6 4−ヒドロキシアセトフェノンのフッ素化
実施例1の記載の方法により4−ヒドロキシアセトフェノンをフッ素化して、
3−フルオロ−4−ヒドロキシアセトフェノン(δF−133.1ppm[d6−
Me2CO],収率40%)及び3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシアセトフ
ェノン(δF−132.9ppm[d6−Me2CO],収率7%)を得た。転化
率83%。実施例7 4−ヒドロキシ安息香酸メチルのフッ素化
実施例1の記載の方法により4−ヒドロキシ安息香酸メチルをフッ素化して、
3−フルオロ−4−ヒドロキシ安息香酸メチル(δF−133.2ppm[d6−
Me2CO],収率30%)及び3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシ安息香酸
メチル(δF−129.1ppm[d6−Me2CO],収率17%)を得た。転
化率100%。実施例8 4−ニトロトルエンのフッ素化
実施例1の記載の方法により4−ニトロトルエンをフッ素化して、2−フルオ
ロ−4−ニトロトルエン(M+15
5,δF−113.4ppm[CDCl3],収率50%)及び痕跡量の2,6−
ジフルオロ−4−ニトロトルエン(M+173,δF−110.2ppm[CDC
l3])を得た。転化率63%。実施例9 4−ニトロアニソールのフッ素化
実施例1の記載の方法により4−ニトロアニソールをフッ素化して、2−フル
オロ−4−ニトロアニソール(M+171,δF−131.6ppm[CDCl3
],収率50%)及び2,6−ジフルオロ−4−ニトロアニソール(M+189,
δF−125.1ppm[CDCl3],収率20%)を得た。転化率60%。実施例10 4−シアノトルエンのフッ素化
実施例1の記載の方法によりp−トルニトリルをフッ素化して、4−シアノ−
2−フルオロトルエン(M+135,δF−114.5ppm[CDCl3],収
率60%)及び4−シアノ−2,6−ジフルオロトルエン(M+153,δF−1
11.1ppm[CDCl3],収率2%)を得た。転化率86%。実施例11 4−クロロアニソールのフッ素化
実施例1の記載の方法により4−クロロアニソールをフッ素化して、4−クロ
ロ−2−フルオロアニソール(M+160,δF−132.7ppm[CDCl3
],収率50%)及び4−クロロ−2,6−ジフルオロアニソール(M+178,
δF−127.1ppm[CDCl3],収率7%)を得た。転化率80%。4−フルオロ安息香酸のフッ素化
以下の各実施例では、まずフルオロ安息香酸とポリフルオロ安息香酸との混合
物の19Fnmrスペクトルを真正試料のスペクトルと比較して、混合物を分析し
た。カルボン酸をビス(トリメチルシリル)アセトアミド(BSA)で処理して
より揮発性のシリルエステルに変換し、次いでg.c./質量分析により上記混
合物中の成分のより正確な定量分析を行った。従って、記載する質量分析データ
は対応するシリルエステルに関する。実施例12 蟻酸(基質対フッ素比1:1.6)
ソーダ石灰を充填した乾燥管を備えたフッ素化装置内に、
98%蟻酸(200cm3)中に4−フルオロ安息香酸(11.5g,82.1
mmol)を含む溶液を導入した。次いで、穴の細いPTFE管を用いて、10
%窒素混合物としてのフッ素ガス(133mmol)を約60cm3/分-1で攪
拌溶液に通した。この混合物を過剰水(1000cm3)に加えて、得られた固
体生成物を真空濾去した。次いで、濾液をジクロロメタン(3×50cm3)で
抽出した。乾燥後(MgSO4)、ジクロロメタンを真空除去してオフホワイト
の固体(10.5g)を得た。
得られた固体をフルオロベンゼン(7.3g,50.1mmol)の外部標準
に対して19Fnmrで分析すると、4−フルオロ安息香酸からの転化率が32%
であることが判明した。生成物は4−フルオロ安息香酸(7.8g),δF−1
04.2,電子衝撃,m/z212(M+,3.2%),197(−CH3,10
0%);3,4−ジフルオロ安息香酸(2.7g),δF−128.7及び−1
36.5,電子衝撃,m/z230(M+,2.4%),215(−CH3,10
0%)、並びに非同定物質(0.1g)を含んでいた。実施例13 蟻酸(基質対フッ素比1:2)
ソーダ石灰を充填した乾燥管を備えたフッ素化装置内に、98%蟻酸(200
cm3)中に4−フルオロ安息香酸(11.5g,82.1mmol)を含む溶
液を導入した。次いで、穴の細いPTFE管を用いて、10%窒素混合物として
のフッ素ガス(165mmol)を約60cm3/分-1で攪拌溶液に通した。こ
の混合物を過剰水(1000cm3)に加えて、得られた固体生成物を真空濾去
した。次いで、濾液をジクロロメタン(3×50cm3)で抽出した。乾燥後(
MgSO4)、ジクロロメタンを真空除去してオフホワイトの固体(8.8g)
を得た。
得られた固体をフルオロベンゼン(10.2g,69.9mmol)の外部標準
に対して19Fnmrで分析すると、4−フルオロ安息香酸からの転化率が51.
5%であることが判明した。生成物は4−フルオロ安息香酸(5.6g),δF
−104.2,電子衝撃,m/z212(M+,3.24%),197(−CH3
,100%);3,4−ジフルオロ安息香酸(2.8g),δF−128.7及
び−136.5,電子衝撃,m/z230(M+,2.40%),215(−C
H3,100%)、並びに非同定物質(0.
4g)を含んでいた。実施例14 蟻酸(基質対フッ素比1:3)
ソーダ石灰を充填した乾燥管を備えたフッ素化装置内に、98%蟻酸(200
cm3)中に4−フルオロ安息香酸(4.0g,28.2mmol)を含む溶液
を導入した。次いで、穴の細いPTFE管を用いて、10%窒素混合物としての
フッ素ガス(82.5mmol)を約60cm3/分-1で攪拌溶液に通した。こ
の混合物を過剰水(1000cm3)に加えて、得られた固体生成物を真空濾去
した。次いで、濾液をジクロロメタン(3×50cm3)で抽出した。乾燥後(
MgSO4)、ジクロロメタンを真空除去してオフホワイトの固体(3.1g)
を得た。
得られた固体をトリフルオロトルエン(1.7g,11.6mmol)の外部
標準に対して19Fnmrで分析すると、4−フルオロ安息香酸からの転化率が
65.3%であることが判明した。生成物は4−フルオロ安息香酸(1.4g)
,δF−104.2,電子衝撃,m/z212(M+,3.2%),197(−C
H3,100%);3,4−ジフルオロ安息香酸(1.6g),δF−128.7
及び−136.5,
電子衝撃,m/z230(M+,2.4%),215(−CH3,100%)、並
びに非同定物質(0.2g)を含んでいた。実施例15 蟻酸(基質対フッ素比1:4)
ソーダ石灰を充填した乾燥管を備えたフッ素化装置内に、98%蟻酸(200
cm3)中に4−フルオロ安息香酸(6.0g,42.9mmol)を含む溶液
を導入した。次いで、穴の細いPTFE管を用いて、10%窒素混合物としての
フッ素ガス(165mmol)を約60cm3/分-1で攪拌溶液に通した。この
混合物を過剰水(1000cm3)に加えて、得られた固体生成物を真空濾去し
た。次いで、濾液をジクロロメタン(3×50cm3)で抽出した。乾燥後(M
gSO4)、ジクロロメタンを真空除去して白色固体(5.3g)を得た。
得られた固体をトリフルオロトルエン(5.7g,38.9mmol)の外部標
準に対して19Fnmrで分析すると、4−フルオロ安息香酸からの転化率が79
.2%であることが判明した。生成物は4−フルオロ安息香酸(1.2g),δF
−104.2,電子衝撃,m/z212(M+,3.2%),
197(−CH3,100%);3,4−ジフルオロ安息香酸(3.5g),δF
−128.7及び−136.5,電子衝撃,m/z230(M+,2.4%),
215(−CH3,100%);2,4,5−トリフルオロ安息香酸(0.2g
),δF−108.2,−123.4及び−141.3,電子衝撃,m/z24
8(M+,1.2%),233(−CH3,100%);2,3,4−トリフルオ
ロ安息香酸(0.1g),δF−124.4,−128.7及び−158.7,
電子衝撃,m/z233(−CH3,5.1%);3,4,5−トリフルオロ安
息香酸(0.2g),δF−132.6及び−151.3,電子衝撃,m/z2
48(M+,1.5%),233(−CH3,94.6%)、並びに非同定物質(
0.3g)を含んでいた。実施例16 硫酸(98%)(基質対フッ素比1:1.6)
ソーダ石灰を充填した乾燥管を備えたフッ素化装置内に、98%硫酸(150
cm3)中に4−フルオロ安息香酸(14.4g,42.9mmol)を含む溶
液を導入した。次いで、穴の細いPTFE管を用いて、10%窒素混合物として
のフッ素元素(165mmol)を約60cm3/分- 1
で攪拌溶液に通した。得られた混合物を過剰水(1000cm3)に加えて処理
し、得られた固体生成物を真空濾去した。次いで、濾液をジクロロメタン(3×
50cm3)で抽出した。乾燥後(MgSO4)、ジクロロメタンを真空除去して
白色固体(11.6g)を得た。
得られた固体をトリフルオロトルエン(mmol)の外部標準に対して19Fn
mrで分析すると、4−フルオロ安息香酸からの転化率が82.6%であること
が判明した。生成物は4−フルオロ安息香酸(2.5g),δF−104.2,
電子衝撃,m/z212(M+,3.28%),197(−CH3,100%);
3,4−ジフルオロ安息香酸(6.8g),δF−128.7及び−136.5
,電子衝撃,m/z230(M+,2.76%),215(−CH3,100%)
;2,4,5−トリフルオロ安息香酸(1.3g),δF−108.2,−12
3.3及び−141.2,電子衝撃,m/z248(M+,1.09%),23
3(−CH3,100%);2,3,4−トリフルオロ安息香酸(0.6g),
δF−124.3,−128.7及び−158.6,電子衝撃,m/z248(
M+,2.29%),233(−CH3,93.90%);3,4,
5−トリフルオロ安息香酸(0.3g),δF−132.6及び−151.2,
電子衝撃,m/z248(M+,1.31%),233(−CH3,100%)、
並びに非同定物質(0.2g)を含んでいた。実施例17 硫酸(98%)(基質対フッ素比1:2)
ソーダ石灰を充填した乾燥管を備えたフッ素化装置内に、98%硫酸(150
cm3)中に4−フルオロ安息香酸(11.5g,82.5mmol)を含む溶
液を導入した。次いで、穴の細いPTFE管を用いて、10%窒素混合物として
のフッ素元素(165mmol)を約60cm3/分-1で攪拌溶液に通した。得
られた混合物を過剰水(1000cm3)に加えて処理し、得られた固体生成物
を真空濾去した。次いで、濾液をジクロロメタン(3×50cm3)で抽出した
。乾燥後(MgSO4)、ジクロロメタンを真空除去して白色固体(10.6g
)を得た。
得られた固体をトリフルオロトルエン(3.2g,21.8mmol)の外部
標準に対して19Fnmrで分析すると、4−フルオロ安息香酸からの転化率が8
4.8%であることが判明した。生成物は4−フルオロ安息香酸(1.8g),
δF−104.2,電子衝撃,m/z212(M+,3.3%),197(−CH3
,100%);3,4−ジフルオロ安息香酸(6.2g),δF−128.7及
び−136.5,電子衝撃,m/z230(M+,2.8%),215(−CH3
,100%);2,4,5−トリフルオロ安息香酸(0.8g),δF−108
.2,−123.3及び−141.2,電子衝撃,m/z248(M+,1.1
%),233(−CH3,100%);2,3,4−トリフルオロ安息香酸(0
.4g),δF−124.3,−128.7及び−158.6,電子衝撃,m/
z248(M+,2.3%),233(−CH3,93.9%);3,4,5−ト
リフルオロ安息香酸(0.4g),δF−132.6及び−151.2,電子衝
撃,m/z248(M+,1.3%),233(−CH3,100%);2,3,
4,5−テトラフルオロ安息香酸(0.7g),δF−133.3,−137.
9,−142.7及び−151.2,電子衝撃,m/z266(M+,0.5%
),251(−CH3,60.3%)、並びに非同定物質(0.4g)を含んで
いた。実施例18 硫酸(98%)(基質対フッ素比1:3)
ソーダ石灰を充填した乾燥管を備えたフッ素化装置内に、98%硫酸(150
cm3)中に4−フルオロ安息香酸(7.7g,55.0mmol)を含む溶液
を導入した。次いで、穴の細いPTFE管を用いて、10%窒素混合物としての
フッ素元素(165mmol)を約60cm3/分-1で攪拌溶液に通した。得ら
れた混合物を過剰水(1000cm3)に加えて処理し、得られた固体生成物を
真空濾去した。次いで、濾液をジクロロメタン(3×50cm3)で抽出した。
乾燥後(MgSO4)、ジクロロメタンを真空除去して白色固体(5.9g)を
得た。
得られた固体をトリフルオロトルエン(3.6g,24.9mmol)の外部標
準に対して19Fnmrで分析すると、4−フルオロ安息香酸からの転化率が92
.3%であることが判明した。生成物は4−フルオロ安息香酸(0.6g),δF
−104.2,電子衝撃,m/z212(M+,3.28%),197(−CH3
,100%);3,4−ジフルオロ安息香酸(3.4g),δF−128.7及
び−136.5,電子衝撃,m/z230(M+,2.8%),215(−CH3
,100%);2,4,5−トリフルオロ安息香酸(0.6g),δF−108
.2,−123.3
及び−141.2,電子衝撃,m/z248(M+,1.1%),233(−C
H3,100%);2,3,4−トリフルオロ安息香酸(0.2g),δF−12
4.3,−128.7及び−158.6,電子衝撃,m/z248(M+,2.
3%),233(−CH3,93.9%);3,4,5−トリフルオロ安息香酸
(0.5g),δF−132.6及び−151.2,電子衝撃,m/z248(
M+,1.3%),233(−CH3,100%);2,3,4,5−テトラフル
オロ安息香酸(0.3g),δF−133.3,−137.9,−142.7及
び−151.2,電子衝撃,m/z266(M+,0.5%),251(−CH3
,60.3%)、並びに非同定物質(0.3g)を含んでいた。比較例A アセトニトリル中4−フルオロ安息香酸のフッ素化
ソーダ石灰を充填した管を備えたフッ素化装置内に、アセトニトリル(80c
m3)中に4−フルオロ安息香酸(1.6g,11.3mmol)を含む溶液を
導入した。次いで、穴の細いPTFE管を用いて、10%窒素混合物としてのフ
ッ素ガス(35mmol)を約4.0cm3/分-1で2
5℃の攪拌溶液に通した。この混合物を過剰水(500cm3)に加え、次いで
ジクロロメタン(3×25cm3)で抽出した。乾燥後(MgSO4)、ジクロロ
メタンを真空除去すると、褐色固体(1.6g)が残った。
この生成物をビストリメチルシリルアセトアミドと反応させてシリルエステル
誘導体を製造した後に、この固体をフルオロベンゼン(0.2g,3.9mmo
l)の外部標準に対して19Fnmrで分析すると、4−フルオロ安息香酸からの
転化率が85%であることが判明した。この生成物は4−フルオロ安息香酸,δF
−104.4,電子衝撃,m/z212(M+,3.5%),197(−CH3
,100%);3,4−ジフルオロ安息香酸,66%.δF−128.8及び−
136.7,電子衝撃,m/z230(M+,2.6%),215(−CH3,1
00%)、比率は33%対66%、並びに非同定物質を含んでいた。実施例19 蟻酸中4−フルオロ安息香酸のフッ素化
ソーダ石灰を充填した管を備えたフッ素化装置内に、98%蟻酸(80cm3
)中に4−フルオロ安息香酸(1.6g,11.3mmol)を含む溶液を導入
した。次いで、
穴の細いPTFE管を用いて、10%窒素混合物としてのフッ素ガス(35mm
ol)を約4.0cm3/分-1で25℃の攪拌溶液に通した。この混合物を過剰
水(500cm3)に加え、次いでジクロロメタン(3×25cm3)で抽出した
。乾燥後(MgSO4)、ジクロロメタンを真空除去してオフホワイトの固体(
0.7g)を残した。
この生成物をビストリメチルシリルアセトアミドと反応させてシリルエステル
誘導体を製造した後に、固体をフルオロベンゼン(0.2g,3.9mmol)
の外部標準に対して19Fnmrで分析すると、4−フルオロ安息香酸からの転化
率が98%であることが判明した。生成物は4−フルオロ安息香酸,δF−10
4.2,電子衝撃,m/z212(M+,3.2%),197(−CH3,100
%);3,4−ジフルオロ安息香酸,δF−128.7及び−135.5,電子
衝撃,m/z230(M+,2.4%),215(−CH3,100%);2,4
,5−トリフルオロ安息香酸,δF−108.2,−123.4及び−141.
3,電子衝撃,m/z248(M+,1.2%),233(−CH3,100%)
;2,3,4−トリフルオロ安息香酸,δF−124.4,−128.7及び−
158.
7,電子衝撃,m/z233(−CH3,5.1%)、及び3,4,5−トリフ
ルオロ安息香酸,δF−132.6及び−151.3,電子衝撃,m/z248
(M+,1.5%),233(−CH3,94.6%)、比率は8%:73%:8
%:4%:7%、並びに非同定物質を含んでいた。実施例20 硫酸(98%)中4−フルオロ安息香酸のフッ素化
ソーダ石灰を充填した管を備えたフッ素化装置内に、98%硫酸(80cm3
)中に4−フルオロ安息香酸(1.6g,11.3mmol)を含む溶液を導入
した。次いで、穴の細いPTFE管を用いて、10%窒素混合物としてのフッ素
ガス(35mmol)を約4.0cm3/分-1で25℃の攪拌溶液に通した。こ
の混合物を過剰水(500cm3)に加え、次いでジクロロメタン(3×25c
m3)で抽出した。乾燥後(MgSO4)、ジクロロメタンを真空除去すると、オ
フホワイトの固体(1.3g)が残った。
生成物をビストリメチルシリルアセトアミドと反応させてシリルエステル誘導
体を製造した後に、固体をフルオロベンゼン(0.2g,2.3mmol)の外
部標準に対し
て19Fnmrで分析すると、4−フルオロ安息香酸からの転化率が97%である
ことが判明した。生成物は4−フルオロ安息香酸,δF−104.2,電子衝撃
,m/z212(M+,3.3%),197(−CH3,100%);2,4−ジ
フルオロ安息香酸,δF−97.6,−100.0;3,4−ジフルオロ安息香
酸,δF−128.7及び−136.5,電子衝撃,m/z230(M+,2.8
%),215(−CH3,100%);2,4,5−トリフルオロ安息香酸,δF
−108.2,−123.3及び−141.2,電子衝撃,m/z248(M+
,1.1%),233(−CH3,100%);2,3,4−トリフルオロ安息
香酸,δF−124.3,−128.7及び−158.6,電子衝撃,m/z2
48(−CH3,2.3%);3,4,5−トリフルオロ安息香酸,δF−132
.6及び−151.2,電子衝撃,m/z248(M+,1.3%),233(
−CH3,100%);2,3,4,5−テトラフルオロ安息香酸,δF−133
.3,−137.9,−142.7及び−151.2,電子衝撃,m/z266
(M+,0.5%),251(−CH3,60.3%);2,3,4,5,6−ペ
ンタフルオロ安息香酸,δF−136.9,
−146.8及び−158.6,電子衝撃,m/z269(−CH3,0.9%
)、比率は6%:2%:61%:9%:6%:9%:6%:1%、並びに非同定
物質を含んでいた。実施例21
ッ素化
ソーダ石灰を充填した管を備えたフッ素化装置内に、30%発煙硫酸(80c
m3)中に4−フルオロ安息香酸(1.6g,11.3mmol)を含む溶液を
導入した。次いで、穴の細いPTFE管を用いて、10%窒素混合物としてのフ
ッ素ガス(35mmol)を約4.0cm3/分-1で25℃の攪拌溶液に通した
。この混合物を過剰水(500cm3)に加え、次いでジクロロメタン(3×2
5cm3)で抽出した。乾燥後(MgSO4)、ジクロロメタンを真空除去すると
、白色固体(1.3g)が残った。
生成物をビストリメチルシリルアセトアミドと反応させてシリルエステル誘導
体を製造した後に、固体をフルオロベンゼン(0.4g,4.6mmol)の外
部標準に対して19Fnmrで分析すると、4−フルオロ安息香酸からの転化率が
88%であることが判明した。生成物は4−フル
オロ安息香酸,δF−104.3,電子衝撃,m/z212(M+,3.4%),
197(−CH3,100%);3,4−ジフルオロ安息香酸,δF−128.9
及び−136.5,電子衝撃,m/z230(M+,2.6%),215(−C
H3,100%);2,4,5−トリフルオロ安息香酸,δF−108.2,−1
23.3及び−141.2,電子衝撃,m/z248(M+,1.3%),23
3(−CH3,100%);2,3,4−トリフルオロ安息香酸,δF−124.
3,−128.7及び−158.6,電子衝撃,m/z248(−CH3,2.
5%),233(−CH3,93.2%);3,4,5−トリフルオロ安息香酸
,δF−132.7及び−151.5,電子衝撃,m/z248(M+,1.2%
),233(−CH3,94.3%);2,3,4,5−テトラフルオロ安息香
酸,δF−133.3,−137.9,−142.7及び−151.2,電子衝
撃,m/z251(−CH3,60.3%);2,3,4,5,6−ペンタフル
オロ安息香酸,δF−136.9,−146.8及び−158.6、比率は24
%:55%:5%:4%:8%:3%:1%、並びに非同定物質を含んでいた。
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(51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI
C07C 67/287 9279−4H C07C 67/287
69/76 9279−4H 69/76 Z
69/84 9279−4H 69/84
69/92 9279−4H 69/92
201/12 9450−4H 201/12
205/12 9450−4H 205/12
205/26 9450−4H 205/26
231/12 9547−4H 231/12
233/15 9547−4H 233/15
255/50 8927−4H 255/50
255/53 8927−4H 255/53
255/54 8927−4H 255/54
(72)発明者 ハツチンソン,ジヨン
イギリス国、ダーラム・デイー・エイチ・
1・3・エル・イー、サウス・ロード、ユ
ニバーシテイ・オブ・ダーラム、ビー・エ
ヌ・エフ・エル・リサーチ・ユニツト、デ
パートメント・オブ・ケミストリー(番地
なし)
(72)発明者 スキナー,クリストフアー・ジヨン
イギリス国、ダーラム・デイー・エイチ・
1・3・エル・イー、サウス・ロード、ユ
ニバーシテイ・オブ・ダーラム、ビー・エ
ヌ・エフ・エル・リサーチ・ユニツト、デ
パートメント・オブ・ケミストリー(番地
なし)
(72)発明者 トムソン,ジユリー
イギリス国、ダーラム・デイー・エイチ・
1・3・エル・イー、サウス・ロード、ユ
ニバーシテイ・オブ・ダーラム、ビー・エ
ヌ・エフ・エル・リサーチ・ユニツト、デ
パートメント・オブ・ケミストリー(番地
なし)