JPH09508010A - 生物学的改善に基づく酵素 - Google Patents

生物学的改善に基づく酵素

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JPH09508010A JP7518735A JP51873595A JPH09508010A JP H09508010 A JPH09508010 A JP H09508010A JP 7518735 A JP7518735 A JP 7518735A JP 51873595 A JP51873595 A JP 51873595A JP H09508010 A JPH09508010 A JP H09508010A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、オルガノホスファート耐性L.cuprina由来のE3エステラーゼを提供する。また、本発明は、前記E3エステラーゼをコードするDNA配列、およびこのDNA配列で形質転換された細胞を提供する。さらに本発明は、生物学的改善剤として前記酵素および形質転換された細胞を用いることに関する。

Description

【発明の詳細な説明】 生物学的改善に基づく酵素 本発明は、オルガノホスファート(organophosphate)および/またはカルバマ ート(carbamate)殺虫剤残留分を加水分解し得る酵素に関する。特に、Luci lia cuprinaのオルガノホスファート耐性株から精製したエステラー ゼ酵素、およびこの酵素をコードする単離されたDNA分子に関する。 オルガノホスファートおよびカルバマート殺虫剤の残留分は、環境および産物 の望ましくない汚染物である。特に敏感な領域は、家畜の水供給の汚染、肉およ び園芸産物の輸出品における許容レベル以上の残留分、およびラノリン等の健康 産物の汚染を含む。それゆえ、生物学的改善方法は、上記の殺虫剤の残留分の除 去および低減のために必要である。提供された方法の一つは、殺虫剤の残留分を 固定または分解することのできる酵素の使用を含む。このような酵素は、例えば 、汚染水が通過するバイオリアクター内;汚染された牧草および水供給への流出 に係る問題を減少するためにヒツジまたはウシの洗剤中;液体排水、ウールグリ ースおよびラノリンの汚染を減少するためにウール洗浄工程において;もしくは 、残留分のレベルおよび内在する時間を減少するために果物および野菜の収穫後 駆除の洗浄溶液中において、用いることができる。殺虫剤残留分を分解するのに 適切な酵素は、エステラーゼを含む。このエステラーゼは、比較的特異的であり 、急速に殺虫剤残留分を加水分解するものが好ましい。 昆虫のエステラーゼは、生殖行為、フェロモンおよびホルモン代謝、消化、神 経伝達、および殺虫剤、特にオルガノホスファート類(OP)の作用並びに耐性 に関与している。エステラーゼ類を含む昆虫におけるOP耐性の3つの異なるメ カニズムが提供されている。このようなメカニズムの一つは、エステラーゼの構 造に、OP類を分解する能力を増強し得るような変化を含む。このメカニズムは 、イエバエ、Musca domesticaおよびLucilia cupri naに提案されている。提案された構造変化は、α-ナフチルアセタートおよび その関連エステル類等の合成基質に対する活性の低下をもたらすと考えられてい る 。例えば、L.curinaのエステラーゼE3は、今日までに調べられた全て のOP耐性株において、α-およびβ-ナフチルアセタートを基質として利用する 能力を失っている。しかしながら、α-およびβ-ナフチルアセタート基質を利用 する能力の欠失に伴って、OP敏感性E3エステラーゼでは不可能であるが、O P耐性E3エステラーゼでは、OP類を非毒性産物へと加水分解できるようにな るらしい。しかして、L.cuprinaのOP耐性株のE3エステラーゼは、 オルガノホスファートおよび/またはカルバマートの触媒的生物学的改善として の開発に適切な酵素とすることができる。 本発明者らは、L.cuprinaのE3エステラーゼを精製する方法を開発 した。ホモジネートを用いたアッセイから得られた動力学的データは、L.cu prinaのOP耐性株のE3エステラーゼが、半最適(suboptimal)条件下でさ えも、急速にOPを加水分解することを示唆した(ほとんどの生物学的改善の適 用に一般的)。さらに、本発明者らは、L.cuprinaのOP敏感性および 耐性株由来のE3エステラーゼをコードする遺伝子を単離し、Drosophi la melanogasterにこの遺伝子の相同染色体を同定した。 従って、第一の態様では、本発明は、実質的に精製された形態のLucili a cuprinaのオルガノホスファート耐性株のE3エステラーゼである。 好ましくは、E3エステラーゼは、der−S、Inverell 22、L andillo 103およびSunbury 5.2からなる群から選択された 同位染色体OP耐性L.cuprina株の一つに由来するものである。 第二の態様では、本発明は、Lucilia cuprina E3エステラー ゼまたはオルガノホスファートおよび/またはカルバマート殺虫剤残留分を加水 分解することができる前記エステラーゼの一部をコードするヌクレオチド配列を 含む単離されたDNA分子を提供する。 好ましくは、単離されたDNA分子は、L.cuprinaのOP耐性株(上 記の株等)に由来するE3エステルまたはその一部をコードするヌクレオチド配 列を含む。さらに好ましくは、単離されたDNA分子は、L.cuprinaの OP耐性株に由来する表1に示したヌクレオチド配列を実質的に含む。 また、本発明者らは、D.melanogasterにおけるこの遺伝子の相 同染色体も同定した。この相同染色体は、生物化学、生理学および遺伝的特徴を 、L.cuprinaのE3エステラーゼと共有するエステラーゼEST23を コードする。D.melanogasetr EST23は、E3のように、p H6.8で陽極へゆっくりと移動する膜結合型α-エステラーゼである。両方の 酵素は、短い酸性側鎖を備えた基質に対して類似したin vitro反応傾向を有する 。さらに、これらは両方とも、パラオキソン(paraoxon)による阻害に対して非常 に敏感であるが、エゼリンスルファートによる阻害に対しては敏感ではない。各 酵素の活性は、発達時期に早期のピークを迎え、成長した段階で再びピークを迎 える。両方の酵素は、オスの生殖システム並びに幼生および成体の消化組織に見 られ、後者はオルガノホスファート耐性におけるこれらの酵素の役割と一致して いる。微細構造欠失マッピング(Fine structure deficiency mapping)により、 EST23がクロモソーム3の右腕の細胞学的領域84D3からE1−2に位置 づけられた(Spackman,M.E.,Oakeshott,J.G.,Smyth,K-A,Medveczky,K.M .およびRussell,R.J.(1994)Biochemical Genetics 32: 39-62)。 また、E3コード配列の相同染色体が、他の昆虫、特に他の双翅目の種のゲノ ムに存在するかもしれない。しかして、本発明はこれらの相同染色体も含むと解 するべきである。 本発明の第二の態様に係る単離されたDNA分子は、適切な発現ベクターにク ローン化され、このエステラーゼを発現するために原核または真核宿主細胞中に 移入することができる。特に適切なシステムは、バキュロウイルス(baculovirus )ベクターおよび昆虫細胞系統を含む。 本発明はさらに、第一の態様に係るエステラーゼ、あるいは第二の態様に係る 単離されたDNA分子にコードされたエステラーゼの使用を含む、汚染試料また は汚染物質におけるオルガノホスファートおよび/またはカルバマート殺虫剤残 留分の濃度を除去または低減する方法に関する。 また、エステラーゼそのものを生物学的改善剤として用いるための選択肢とし て、この生物学的改善剤が、エステラーゼをコードするDNAで形質転換された 生物体であってもよい。このような変形では、このエステラーゼを発現するよう に形質転換された生物体が、生物学的改善剤として用いられる。 さらに、本発明の酵素は、オルガノホスファートおよびエステラーゼ阻害剤の 並びの間の耐性ブレーカーを同定するin vitroアッセイに用いることもできる。 本発明の酵素を用いることにより、酵素活性に対する耐性についてオルガノホス ファートを調べることができる。このようなオルガノホスファートは、耐性が関 係するような状況で用いることができる。 本発明の性質がより明瞭に理解されるように、その好ましい形態を以下の非限 定的な例と関連付けて記載する。 実施例1:Lucilia cuprinaにおけるパラオキソンのエステラー ゼ加水分解によるジエチルホスファートの同定 パラオキソンのエステラーゼ加水分解によるジエチルホスファートを、内標準 として特別に合成したジエチル-210リン酸を用いて、キャピラリーガスクロマ トグラフィー/化学イオン化質量分析によって正確に調べた。 耐性および敏感なL.cuprinaホモジネートの試料を、一定時間(任意 (q.v.))パラオキソンとインキュベートし、さらなる代謝を抑制するためにスナ ップ凍結(snap-frozen)した。既知の量の内標準を各試料に添加し、タンパクを 変性し、かつ残留パラオキソンを含む親油成分を除去するためにジクロロメタン (100μl)を添加してボルテックスで混合することによって2度抽出した。 水相を分離し、窒素気流下で蒸発・乾燥させた。この残留分を75μlのアセト ニトリルで15分間ボルテックス混合し、100μlのガラスコニカルバイアル に移して、再び窒素気流下で乾燥するまで蒸発させた。この残留分を30μlの アセトニトリルに取り込み、5μlのN-メチル-N-tert-ブチルジメチルシリル =トリフルオロアセトアミドを添加した。フタをしたバイアルを30分間室温( 25℃)でボルテックス混合し、この溶液をペンタン(20μl)で抽出した。 分離したペンタン相をアセトニトリル(10μl)で一度洗浄し、質量分析の前 まで−20℃で保存した。4mの保持ギャップを前もって行った5%フェニルメ チルシリコーンカラム(DB5、0.32mm IDで30m、1.0μmの相 厚)に30℃で冷却カラム注入(cool on-column injection)を用いて、直接的に 組み合わされたHewlett Packard 5790ガスクロマトグラフィーの方法によって、 試料を 質量分析(VG70−70)に取り込んだ。シリル化ジエチルリン酸およびその 内標準を温度プログラミング中に溶出し、試薬プラズマ(reagent plasma)として アンモニアを使用した陽イオン化学イオン化によって生成した各イオン(M+H )+の選択イオン観察により質量分析器における定量分析のために調べた。 Lucilia株の粗雑なホモジネートによるパラオキソン分解のGC/MS アッセイの結果は、二つの重要な工程を示唆する。第一に、パラオキソンからジ エチルホスファート(DEP)とパラ−ニトロフェノール分子への加水分解が急 速に起こる。アッセイの最初の内は、敏感な株(約0.95nmol LBB1 01)より耐性株(Inverell 22で約1.3nmol)のホモジネー トによって顕著に多くのDEPが産生された。これらの株のそれぞれは、4番目 のクロモソームに同位染色体(iso-chromosomal)であり、耐性付与酵素E3の副 対立遺伝子(alternate alleles)にホモ接合である。しかして、加水分解におけ る差異は、その座位における違いの指標である。 第二の、驚くべき結果は、アッセイ測定物である遊離DEPが、E3によって パラオキソンから放出された後に急速に減少あるいは酵素的に改変されることで ある。この活性は、この実験の進行中の遊離DEP量の絶え間ない減少によって 示される。この活性は、E3による加水分解ほどはっきりと早いものではないが 、パラオキソンの加水分解にも関わらず溶液からDEPを除去し続けることにお いてより安定である。この活性は、実際にはホモジネート中の不均一タンパクへ のDEPの非特異的結合であることは、煮沸されたコントロールからのDEPの 欠失によって示唆され、そこでは非酵素的活性が予想される。加水分解を観察す る力が不均一タンパクに対するDEPの結合で妥協されるほど、加水分解が予想 よりはるかに急速であることは事実である。 実施例2: OP敏感Lucilia cuprinaのエステラーゼ3(E3 )の精製E3のホモジナイゼーション、分画遠心分離および可溶化 出発物質は、予め凍結された成熟した200gのL.cuprinaである。 ふるいにかけて頭部を除去し、胸部および腹部を残した。これをSorvall ブレンダーで氷上で分画バッファー(50mM Tris/HClバッファー、 pH7.5、25mM KCl、5mM 酢酸マグネシウム、350mMスクロー ス、0.5mM フェニルチオ尿素)にホモジナイズした。このホモジネートを ガーゼで濾過して遠心(15000g、30分間)することにより清澄させた。 このホモジネートを再度遠心(120000g、70分間)し、このペレットを 、1mM EDTAおよび0.05%(v/v)Triton X−100を含む 100mM イミダゾール/HCl(pH7.0)に再懸濁した。この懸濁物を 凍結して(−20℃、オーバーナイト)、E3を可溶化するために解かした。不 溶性物質を遠心によって除去し(15000g、30分間)、濾過(0.45μ m)した。クロマトグラフィー工程 3種のクロマトグラフィー精製工程を、バッファー流速および勾配を調節する Pharmacia FPLCシステムを用いて行った。第一に、0.1% v/ v Triton X−100、10% v/v グリセロールを含む20mMイミ ダゾール/HCl(pH7.0)で平衡化したDEAE−セファロースを用いて アニオン交換を行い、0−1M NaClを含有する前記溶液の勾配を用いてE 3を溶出した。E3含有画分を集めて、平衡化したSuperdex 200( Pharmacia)カラムを用いてゲル濾過を行い、0.1% v/v Tri ton X−100および10% v/v グリセロールを含む50mM イミダゾ ール/HCl(pH7.0)で溶出した。E3含有画分を集めて、第二のアニオ ン交換分離を、最初のアニオン交換分離と同じバッファーでMono Qカラム (強力なアニオン交換、Pharmacia)を用いて行った。電気泳動工程 最後のクロマトグラフィー分離のE3含有画分を濃縮して、非変性ポリアクリ ルアミドゲル電気泳動(PAGE)(HughesとRaftos.1985)を行った。E3活 性を含むゲルの領域を切り出した。変性PAGE(Laemmli,1970)による分離 および全タンパク質の銀染色(Biorad Silver Stain kit)により、E3を含む 非変性ゲルの領域に70kDaの単一のポリペプチドが存在することがわかった 。 上記プロトコールの修飾では、選択的沈降工程をE3の可溶化後に添加する。 不溶性物質を上述のように遠心して除去し、等体積の16%ポリエチレングリコ ール(PEG、平均分子量=2000)を10%グリセロールを含む10mM イミダゾール/HCl(pH7.0)に添加する。この溶液を氷上で1時間イン キュベートして遠心する(10000g、15分間)。 8%PEG沈殿物を、10%グリセロールを含む約20mlの10mM イミ ダゾール/HCl(pH7.0)に再懸濁して、等電点電気泳動(IEF)を行 う。IEFは、Bioradの“Rotofor”装置を用いて行う。3mlの 両性電解質(ファーマライト(Pharmalyte)pH4−6.5、Pharmacia)および 10%のグリセロールを、部分精製されたE3に添加して、Rotoforフォ ーカシングチャンバーの体積の50mlまで全量を調節した。フォーカシングチ ャンバーの温度が約2℃になるまで、−8℃の不凍液をこの装置に循環させる。 試料を4時間12ワットで焦点に集めるが、この間の電圧は約300から900 ボルトまで上げられる。20個の2.5ml固分が回収され、E3が焦点的に集 められ、約pH4.9で沈殿することがわかった。E3含有画分を集め、遠心す る(10000g、15分間)。このペレットを、Triton X−100を 含まないバッファーに最初に再懸濁して遠心(10000g、15分間)した後 、1%のTriton X−100を含む同じバッファーに再懸濁して遠心した 。最後の遠心で得られた上清をアニオン交換クロマトグラフィーのために維持す る。 アニオン交換クロマトグラフィーを、Mono Qカラムを用いて上記のよう に行い、DEAEカラムは省略する。さらに、上記ゲル濾過工程(例えば、Ph armacia Superose 6カラムを使用)および電気泳動を、この工 程で必要としてもよい。 実施例3:OP敏感性L.cuprinaE3をコードする遺伝子の単離および クローニング L.cuprinaのE3遺伝子は、古典的な遺伝子技術を用いてクロモソー ム4にマップされており(Raftos D.A.,Pesticide Biochemistry and Physiolo gy Vol.26: 302,1986)、D.melanogasterにおけるE3の有望 な相同染色体EST23は、クロモソーム3の右腕であって、主要なα-カルボ キシルエステラーゼ、EST9をコードする遺伝子の近傍にマップされている。 D.melanogasterのクロモソーム3Rは、L.cuprinaのク ロモソーム4に相同である。EST9遺伝子は、以前に細胞学的領域84D3− 5にマップされている。微細構造欠失マッピングの実験は、EST23を細胞学 的領域84D3からE1−2に局在化するために用いられ、この領域はEST9 を包含している(Spackmanら.1994)。 L.cuprinaからE3遺伝子をクローン化するために、D.melan ogasterに利用できる分子遺伝学的技術を用いて、E3相同染色体をクロ ーン化して、これらのクローンをL.cuprina遺伝子自身を単離するため のプローブとして用いることにした。 生産性を試す経路は、クロモソーム3Rの84D3−10領域の300kbの DNAを含有するイースト人工クロモソーム(YAC)クローン(DY219と 呼ばれる)を用いた(Ajioka,J.W.,Smoller,D.A.,Jones,R.W.,Carulli,J .P.,Vallek,A.E.C.,Garza,D.,Link,A.J.,Duncan,I.W.およびHartl,D.L .,Chromosoma 100: 495,1991)。 これにより、10のエステラーゼ遺伝子を定める、共通エステラーゼオリゴヌ クレオチドプローブに相同な11領域を含む90kbのDNAが単離された。 相同なL.cuprinaエステラーゼ遺伝子をクローン化するために、クラ スター特異的エステラーゼプライマーを合成し、PCR反応で用いて、L.cu prinaのゲノムDNAおよびcDNAの両方から関連遺伝子を増幅した。反 応は、標準的な条件下で行われた。 PCR条件: 97℃ 35秒 45℃ 2分 60℃ 2分 3サイクル 97℃ 35秒 50℃ 2分 72℃ 1分 27−37サイクル 反応産物をアガロースゲル電気泳動で視覚化した。 ゲノムDNAからの2つのプライマー反応に独特なバンドを、ゲル精製して、 さらに30回の増幅を行った。次いで、得られたバンドをゲル精製し、クローン 化し、配列決定した。ゲノムDNAから誘導されたバンドは大きさが種々に異な り、この差は、恐らくプライマーの全部で4つの可能な組み合わせの間の二つの 可能な部位におけるイントロンの存在によるものであろう。得られた4つの主な バンドをクローン化して配列決定し、どれもエステラーゼをコードする配列を含 むことが示された。 後期幼生脂肪体(E3タンパクに富むことが知られている)から誘導されたc DNAを、PCR反応の鋳型として選択した。候補のエステラーゼ断片を、D. melanogaster配列データから予想される特有の大きさから直接的に 同定できることを除いて、この組織のcDNAライブラリーから巨大なDNAを 調製し、PCR反応をゲノムDNAに関して行った。 要約すると、5つのエステラーゼ増幅産物(amplicons)をL.cuprin a ゲノムDNAから単離した。この中の一つ(LcαE7)は、幼生脂肪体cDN Aからも単離され、D.melanogasterクラスターの遺伝子DmαE 7と直接的な相同性を示した。ノーザンブロット解析により、E3酵素活性を示 す時期と同じライフステージで発現されることが示されたことから、このL.c uprinaクラスターメンバー(LcαE7)を遺伝子E3の候補として選択 した。 一つのcDNAを幼生脂肪体cDNAライブラリーからクローン化し、さらに 6つのcDNAをさなぎのcDNAライブラリーからクローン化した。さなぎの cDNAの一つは恐らく全長であり、そのため完全に配列決定した。表1は、O P敏感性E3(クローンLc743)のDNAおよび推測されるアミノ酸配列を 示し、表2は、D.melanogaster DmαE7とLcαE7(クロ ーンLc743)との間の推測されるアミノ酸の類似性のレベルを示す。 さなぎのLcαE7のcDNAは、昆虫細胞ラインに移入されたバキュロウイ ルスベクターを用いて発現されている(方法の詳細については以下を参照)。こ の発現産物をPAGEで泳動し、α-およびβ-ナフチルアセタートで強力に染色 した。この結果により、LcαE7が敏感なE3エステラーゼをコードすること が確実なものとなった。 実施例4:LcαE7(E3)のOP耐性対立遺伝子の配列 a)LcαE7(E3)のOP耐性対立遺伝子のクローニング RT−PCR(逆転写酵素PCR)を、4番目のクロモソームにホモ接合であ るL.cuprinaのディアジノン耐性株(Llandillo 103)のLcαE7の cDNA対立遺伝子をクローン化するために用いた。 方法: Llandillo 103株の成体を、3日間加齢した後に収集し、−70 ℃に保存した。RNAをChigwinらが変更したプロトコールを用いて調製した(C higwin,J.M.,Przybyla,A.E.,MacDonald,R.J.& Rutter,W.J.,1979,Bioc hemistry 18,5294)。約100体の成体を、Sorvall Omnimixブ レンダーを用いて15mlの溶液D(4Mグアニジニウムチオシアナート、25 mMクエン酸ナトリウム、pH7.0、0.5%サルコシル(sarkosyl)、0.1 M β-メルカプトエタノール)中に完全にホモジェナイズした。得られたホモジ ネートをガラスウールを通して濾過し、その6mlを5mlの4.8MCsCl の上層に積層し、SW41超遠心チューブ中で10mM EDTA、pH8とし た。これらをSW41ローターで、15℃、16時間、35000rpmで回転 させた。上清を除き、RNAペレットを400μlのDEPC処理H2O中に再 度懸濁した。このRNAを800μlのエタノールと10μlの4M NaCl を加えて沈殿させ、−20℃でエタノールで保存した。使用の前にRNAペレッ トを75%のエタノールで洗浄し、空気乾燥してから、DEPC処理H2Oに再 度懸濁した。 オリゴdTセルロースにおける親和性クロマトグラフィーを用いて、500μ gの全RNAからポリA+RNAを調製した(Pharmacia; Sambrook,J.,Fritsc h,E.F.,& Maniatis,T.,1989,Molecular Cloning: A Laboratory Manual,2 nd Edition,Cold Spring Harbor Laboratory Press,USA)。得られたmRNA (1−5μg)を再度沈殿させ、洗浄し、20μlのDEPC処理H2Oに再懸 濁した。オリゴdT開始cDNAを、製造者の指示通り20μl反応容量中で、 逆 転写酵素(Superscript II,BRL)を用いて1μgのmRNAから作製した。L cαE7遺伝子(クローンLc743)のコード領域の5’末端(Lc743 5’:5’atgaatttcaacgttagtttgatgga3’)と相 補的3’末端(Lc743 3’:5’ctaaaataaatctctatg tttttcaaac3’)から設計されたプライマーを用いたPCR反応の鋳 型として、200ngのcDNAを使用した。反応は、プルーフリーディングU lTma熱安定性ポリメラーゼ(Perkin-Elmer)を使用し、500pモルの各プ ライマー、40μMの各dNTP、10mM Tris−HCl,pH8.8、 10mM KCl、0.002% Tween20(v/v)、2mM MgCl2 、および200ngの鋳型を含むものであった。2滴のミネラルオイルを、各5 0μlの反応液の上に積層した。6ユニットのUlTma酵素を、97℃、5分 間の“ホットスタート(hot start)”後に添加し、97℃で35秒、60℃で1 分、および72℃で2分のサイクルを40サイクル行った。最後のサイクルとし て72℃で8分を含んだ。1.7kbの主な生成物をゲル濾過して、通常のクロ ーニング技術(Sambrook,J.,Fritsch,E.F.,& Maniatis,T.,1989,Molecul ar Cloning: A Laboratory Manual,2nd Edition,Cold Spring Harbor Laborat ory Press,USA)を用いてpBSK-プラスミドベクター(Stratagene)のEc oRV切断部位にクローン化した。自己連結ベクターを切断するために、連結反 応中に10ユニットの制限酵素EcoRVを入れた。 b)LcαE7(E3)のOP耐性対立遺伝子の配列 配列決定用に4つのクローンを選択したが(Lc7L103 A−D)、その 内の3つは独立したPCR反応から誘導されたものである。一組の12個の21 マー配列決定プライマー(以下に示す配列)を、現在のLcαE7配列から設計 した: これらのプライマーを、上記末端プライマーLc743 5’とLc743 3 ’と併せて、染料終結配列反応(dye-terminator sequencing reaction)(ABI )に用いた。この反応は、各反応ごとに50pモルのプライマーを用い、96℃ で3分の“ホットスタート”を含み、各配列決定反応が30サイクルで終了する こと以外は、製造者の説明に従って、Corbett Researchキャピ ラリー温度循環装置で25μlキャピラリーチューブ内で行われた。また、染料 プライマー反応を、同じ鋳型DNAを用いてABIプロトコールに沿って、AB I M13順方向プライマーおよび逆方向プライマーを用いた全部で4つのクロ ーンに行った。配列決定反応は、製造者の指示に沿ってABI 370A自動配 列決定装置で電気泳動によって決定された。これによって、両方の鎖が完全に配 列決定された。結果: 表1は、LcαE7の対照敏感クローン(Lc743)と比較した4つの耐性 クローン(Lc7L103A−D)のヌクレオチド配列を示す。OP耐性Lcα E7対立遺伝子の共通配列が決定された(Lc7L103con)。耐性クロー ン間の差異は、UlTmaポリメラーゼによって取り込まれた誤りであると推量 された。 c)種々のLcαE7対立遺伝子のオキシアニオンホール(oxyanion hole)領域 の配列 敏感配列(Lc743)と耐性Llandillo 103共通配列(Lc7 L103con)とを比較した場合に、発現されない13の差異と置換を起こす 5つの差異が同定された。置換を起こす5つの差異の位置は、二つのタンパクの 一次アミノ酸配列を並べることにより、シビレエイ(electric ray)Torped o californica由来のアセチルコリンエステラーゼ(AChE; Sussman ,J.S.,Harel,M.,Frolov,F.,Ocfner,C.,Goldman,A.,Toker,L.およびS ilman,I.,1991,Science 253,872)の一次アミノ酸配列の相同位置にマップ され た。相同アミノ酸は、T.californica AChEの3次元モデルに 注目された。唯一の置換部位の差が、酵素の活性部位領域(オキシアニオンホー ル)における変化、すなわちヌクレオチド411位におけるグリシンからアスパ ラギン酸への置換を引き起こした(表1)。方法: このヌクレオチド位置は、クロモソームIVにホモ接合であり、ディアジノン耐 性状態が既知である株の範囲を超えて調べられた。ゲノムDNAは、Davis,L.G .,Dibner,M.D.,およびBatley,J.F.,(1986.Basic Methods in Molecular Bi ology,Elsavier Science Publ.Co.,New York,Section 5.3)の方法を用いて 卵から、あるいはC−TAB法(Crozier,Y.C.,Koulianos,S.& Crozier,R .H.,1991,Experientia 47,968-969)を用いて成体のハエから調製した。次 いで、1μgの試料を、100pモルのプライマー7F1および7R4を用いた PCR反応における鋳型として用いた。また、反応には、0.2mMの各dNT P、10mM Tris−HCl,pH8.3、50mM KCl、1.5mM MgCl2が含まれた。二滴のミネラルオイルを、50μlの各反応液上に積層 した。2.5ユニットのTaqポリメラーゼを、97℃で3分の“ホットスター ト”後に添加して、55℃のアニーリング温度を保った。72℃における最初の 延長を2分間保った。この後、97℃で35秒、55℃で1分、および72℃で 1分のサイクルを34回行った。72℃で9分の最後の延長が含まれた。約1k bの単一産物が生成された。製造者の指示に従って、これをQIAクイックスピ ンカラム(QIAquick spin columns)(Qiagen)を用いて配列決定用に精製 した。1μgの鋳型を、上述したように7R2プライマーを使用する染料終結配 列決定反応に用いた。結果: アッセイした14株の内、7つ全てのディアジノン敏感株(LS2、Llan dillo 104、LBB101および4つのマラチオン耐性株、der−R 、 Woodside5.2、Hampton Hill 6.1、Hampton Hill 6.2)はヌクレオチド411位にGを備えているが、6つ全てのデ ィアジノン耐性株(Llandillo 103、Gunning 107、de r−S、Q4、Sunbury5.2、Strathfieldsaye 4. 1)はこの位置にAを備えており、アミノ酸137位におけるGlyからAsp への置換を引き起こす。 実施例4:E3酵素の加水分解活性 a)LcαE7対立遺伝子のin vitro発現 方法: LcαE7の敏感(クローンLc743)および耐性(クローンLc7L10 3D)対立遺伝子をバキュロウイルス・トランスファー・ベクター、Bacpa c 8(Clonetech)、ポリヘドリン(polyhedrin)プロモーターの3’ にクローン化した。King,L.A.& Possee,R.D.(The Baculovirus Expression S ystem: A Laboratory Guide,Chapman & Hall,London,1992)に基づいて、ポリ ブレン(Sigma)を用いたリポフェクション法(lipofection method)によって移 入(トランスフェクション)を行った。1μgの得られた各作製物と、制限酵素 BSU 361(Progema)で切断することによって直線化された200ngのB acpac6バキュロウイルスDNA(Clonetech)を、0.5%ポリ ブレン(Sigma)を含むhepes緩衝生理食塩水の溶液で、室温で10分 間インキュベートした。次いで、この溶液を、1.5mlのGrace液(Grac e's medium)中の104Sf9(Spodoptera frugiperda) 細胞を2時間前に予め播いた6穴組織培養プレートの一つのウェルに移入するた めに用いた(King,L.A.& Possee,R.D,The Baculovirus Expression System: A Laboratory Guide,Chapman & Hall,London,1992)。12時間後、この培 地を除去し、10%DMSOにして、5分間細胞上に戻した。次いで、10%胎 児性子ウシ血清を含む3mlのGrace培地で置換した。生成物とポリブレン 、直線 状ウイルスとポリブレン、およびポリブレンのみのコントロールを、平行してト ランスフェクション(移入)した。このトランスフェクションを注入から4−5 日後に回収し、この細胞を500gで5分間遠心して単離した。得られた上清の 一定分量を、次のクロルフェンビンホス(chlorfenvinphos)加水分解アッセイ研 究用に直ちに氷上に保存するか、あるいはビリオン貯蔵物として−20℃で冷凍 した。 b)OP加水分解の放射分割アッセイ(radiometric partition assay)方法: 酵素試料を、最終体積が25μlとなるように、0.1Mイミダゾール−HC 1バッファー,pH7.0(“イミダゾールバッファー”)に希釈した。反応は 、エタノール中の7.5mM貯蔵溶液からイミダゾールバッファーに希釈した2 5μlの[14C−エチル]−クロルフェンビンホス(CFVP、306.5MB q/ミリモル、Internationale Isotope Munchen)の添加によつて開始された。 クロルフェンビンホスの終濃度は、慣例的なアッセイでは典型的に50〜75μ Mとされるが、動力学的なパラメーターを調べるにはこれよりさらに低くするこ とができる。この反応は、30℃でインキュベートされ、300μlのジクロロ メタンおよび10μMのジエチルホスファート(Eastman Kodak)を含む150 μlのイミダゾールバッファーを添加して激しくボルテックス混合することによ って停止される。この反応液を遠心して相分離させ、上側の150μlの水相を シンチレーション計測して、CFVPの加水分解によって生じた14C−ジエチル ホスファートの量を調べた。煮沸した酵素とのインキュベーションも、CFVP の非酵素的加水分解の対照として行われた。結果: (i) 全体的なハエのホモジネート: 50μMのCFVPを用いて、全体的な ハエのホモジネートに対してアッセイを行った。L.cuprinaのOP耐性 株(RM2−6[der−S])から誘導されたホモジネートは、7.7pmo l/分/mgタンパクの加水分解の初期速度を示した。煮沸された対照は、0. 48pmol/分/mgタンパクの速度でCFVPを加水分解した。OP敏感株 (LS2)から誘導されたホモジネートは、煮沸された対照と同じ速度で加水分 解を行い、OP敏感L.cuprinaにおけるCFVP加水分解酵素活性の欠 失を示している。 予備的な動力学的実験により、耐性株から誘導されたホモジネートによるCF VPの加水分解に関して、約13pmol/分/mgタンパクのVmaxが示され た。 (ii)in vitroで発現されたLcαE7(E3):OP敏感対立遺伝 子(Lc743)から発現された酵素は、CFVPの加水分解を全く示さなかっ た。しかしながら、この酵素は、α-ナフトールアセタート(αNA)を加水分 解することができた。これとは対照的に、OP耐性対立遺伝子(Lc7L103 D)を発現する細胞は、CFVPを約2.0nmol/分/mgタンパクのVma x で加水分解したが、αNA加水分解活性をほとんど上昇しなかった。 予備的な動力学的実験により、CFVP加水分解酵素のKm値は、RM2−6 ホモジネートとLc7L103D対立遺伝子を発現する細胞の両方において約1 6μMであることが示された。 c)マラチオン加水分解の放射分割アッセイ方法: マラチオンカルボキシルエステラーゼ(MCE)活性を、Ziegler,R.,Whyar d,S.,Downe,A.E.R.,Wyatt,G.R.& Walker,V.K.,(Pesticide Biochem istry and Physiology 28: 279,1987)の分割方法を用いて、Whyard,S.,Russe ll,R.J.& Walker,V.K.(Biochemical Genetics 32: 9,1994)によって調節 されたようにしてアッセイした。組換えバキュロウイルスを含む細胞培養液の上 清(60μl)(対照も同様)を、複製ミクロフュージ(microfuge)チューブの 15μlの希釈バッファー(10mMイミダゾール−HCl、pH7.0)に添 加 した。[14C]−マラチオン[Amersham; 103mCi/mmole,280nCi,スクシナート 分子のメチレン炭素の両方がラベルされており、ラベルされていないマラチオン の添加によって37.5μMに調製されている(99%;Riedel-de-Haen Ag., Seelze,Germany]を含む75μlの希釈バッファーの添加によって、反応を開 始した。このアッセイ混合物を25℃で1時間インキュベートし、300μlの 希釈バッファーを添加し、未分解のマラチオンを900μlのクロロホルムで3 回抽出した。300μlの水相におけるマラチオンのカルボン酸濃度を、液体シ ンチレーションで調べた。細胞の上清におけるタンパク濃度を、Bradford,M., Analytical Biochemistry 72: 248(1976)の方法で、子ウシ血清アルブミンを標 準として用いて調べた。マラチオンの非酵素的分解および/または細胞から産生 された酵素による分解は、非組換えバキュロウイルスで感染した細胞の上清の活 性を差し引くことによって修正される。結果: OP敏感対立遺伝子Lc473を発現する細胞の上清によるマラチオン加水分 解の初速度は、4μMのマラチオンの初濃度から3.3pmole/分/μlで あった。しかしながら、この酵素は、4μMのマラチオンの存在において、約2 0分の半減期を備えたマラチオンによって阻害される。このことは、タイムイン ターバル後に加水分解された14C−マラチオンの量を調べること、並びに、種々 の時間で非放射線標識マラチオンで酵素の予備インキュベーション後のα-NA 加水分解の速度を検出することの両方によって示される。マラチオンの非存在下 では、少なくとも20時間、上記条件下で酵素活性のほんのわずかな欠失のみが あった。より速い加水分解は、より高濃度のマラチオンで起こるが、上記アッセ イは、酵素の阻害を考慮に入れなかった。また、マラチオン加水分解(0.5p mole/分/μl)は、D.melanogaster相同染色体DmaE7 を発現する細胞の上清にも検出された。 OP耐性対立遺伝子LcαE7、Lc7L103Dから発現された酵素を、マ ラチオン加水分解に関して調べなかったが、これは、一般的なOP類に耐性な株 がマラチオンに敏感であるためである(Smyth,K-A.,Boyce,T.M.,Russell, R.JおよびOakeshott,J.G.,in preparation)。それゆえ、LcαE7(E3 )のOP耐性型は、マラチオンを加水分解するとは考えられない。 実施例5:LcαE7(E3)遺伝子の近くにおけるL.cuprinaの制限 断片長さ多型性(Restriction Fragment Length Polymorphism(RFLP))分析 いくつかの代表的なLcαE7の各対立遺伝子クラスの正確な遺伝子制限マッ プを作製し、かつ、耐性を診断するための制限パターンのマップを調べる努力を 行った。このデータは、L.cuprinaのフィールド株間のOP耐性対立遺 伝子を早く調べるための基礎を形成する。方法: L.cuprinaの4番目のクロモソームを、フィールドおよび実験集団か ら単離し、交雑手段を介してホモ接合体を形成した。野生で捕獲された個体また は研究室のハエを、Bal IVに関してヘテロ接合のハエとつがわせた。Ba l IVは、ヘテロ接合体に共に見られる場合に、このクロモソームと野生型ク ロモソームとの間の組換えを抑制するために、優性のホモ接合の致死変異Sh( 短く剛毛(short setae))、劣性マーカーgl(ゴールデンハルター(golden hal teres))および多数の反転(番号6、8および12)を含む4番目のクロモソー ムである。F1世代の単一のSh/+のハエは、再度Bal IVと交雑され、 この交雑によるSh/+のハエを自殖(selfed)して、4番目のクロモソームにホ モ接合である系統を生じる。 致死量反応は、成長したハエの胸部に対して、アセトン中のディアジノンの1 μlの増加濃度を典型的に適用することによって調べた。 L.G.Davis,M.D.Dibner,およびJ.F.Batleyの方法によって各株の卵か ら全DNAを単離した(1986.Basic Methods in Molecular Biology,Elsavier Science Publ.Co.,New York,Section 5.3)。制限酵素地図を、製造元の推 奨に従って、制限酵素を用いて、DNAの一回および二回の分解によって作製し た。分解されたDNAを、0.5X TBE pH8.0中の0.8%アガロー スゲ ルで電気泳動して、0.25MのHCl中で7分間、酸性脱プリンした後、D.F .Westneat,W.A.Noon,H.K.ReeveおよびC.F.Aquadroの方法(1988.Nucl eic Acid Research,16,4161)で帯電していないナイロン膜(Genescreen)に 移した。この膜を、60℃オーバーナイトで、Westneatら(1988)のハイブリダイ ゼーション溶液の鋳型としてLcαE7 cDNAを用いて、ランダム・プライ ムド・エクステンション(A.P.FeinbergとB.Vogelstein,1983.Analytical Biochemistry 132,6-13)を介して32PラベルしたDNAでプローブした。この 膜を、40mM リン酸バッファー,pH7.2、1mM EDTA、1%SDS で、室温で5分間2度洗浄し、次いでオートラジオグラフィーの前に15分間5 5℃で2度洗浄した。結果: これまでに調べられた全ての系統を通じて、7つの制限酵素を用いて、Lcα E7に関して3つの異なるハプロタイプクラスが見出された(表3)。ハプロタ イプ間の差異は、制限部位の増加および欠如の両方の結果によるものであり、断 片の大きさの変化は、DNA配列の挿入または欠失の結果によるものである。挿 入および欠失の変化は、敏感な(ハプロタイプA)クラス内にのみ見られる(表 3)。この大きさの変化以外では、LcαE7対立遺伝子の各クラス内には、明 らかな配列の変化はほとんどない。 制限部位の差異の組み合わせ、並びに明らかな挿入および欠失によって得られ た断片の大きさの差異を通して、ハプロタイプは、ここに集められたデータを用 いてディアジノン耐性状態を予想するために用いることができる。特に、ほとん どのハプロタイプでは、EcoRI制限断片の大きさが、耐性状態の診断に役立 つようであり、フィールドでの耐性レベルのアッセイにも使用できる。 各ハプロタイプクラス内に見られる一般的に少量の変化のために、別のクラス のcDNA配列データに見出された制限部位もしくは配列の差異は、ディアジノ ン耐性の診断としての価値を有するだろう。しかしながら、オキシアニオンホー ル変異(ヌクレオチド411位におけるグリシンからアスパラギン酸への変異) の存在は、これらの制限部位で限定されたようなハプロタイプクラスと完全には 適合しない。特に、敏感な系統Flinders Island B5.2aおよ び耐性の系統Gunning 107のクロモソームは、RFLPレベルでは同 じに見えるが、オキシアニオンホール配列において異なる。しかしながら、この 差異そのものは、411位において変異配列(GGTGAn8)を認識するが敏 感配列(GGTGG...)を認識しない酵素Hph Iを用いた制限切断を介 して、二つの対立遺伝子を区別するために用いることができる。 当業者には明白であるように、本発明者らは、耐性E3エステラーゼを実質的 に純粋な形態で得ることができるプロトコールを開発した。このようにして精製 された酵素は、この耐性酵素をコードするヌクレオチド配列を得るための手段を プローブするのにも用いることができる。さらに、本発明者らは、耐性E3をコ ードするcDNA配列を解明した。本発明者らは、オルガノホスファート耐性を スクリーニングする遺伝的試験も開発した。 広く記載された本発明の精神または範囲から離れることなく、特別な実施態様 に示したようにして、多数の変化および/または修飾を本発明に加えてもよいこ とは、当業者には十分に理解されるだろう。それゆえ、ここに示した実施態様は 、全ての態様において、例証的であり、かつ制限的でないものと解されるべきで ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI C12Q 1/68 9282−4B C12N 5/00 B (C12N 9/18 C12R 1:91) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ),AM, AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE ,HU,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK, LR,LT,LU,LV,MD,MG,MN,MW,M X,NL,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD ,SE,SI,SK,TJ,TT,UA,US,UZ, VN (72)発明者 ニューコウム,リチャード デイヴィッド オーストラリア国 ニュー サウス ウェ ールズ サトン ガンダルー ロード ア ールエムビー 1725 (72)発明者 ロビン,ジェフリー チャールズ ドゥ ケテヴィル オーストラリア国 オーストラリアン キ ャピタル テリトリー 2614 アランダ ガンダラ ストリート 10 (72)発明者 ボイス,トーマス マーク オーストラリア国 オーストラリアン キ ャピタル テリトリー 2614 クック ワ イバリーナ グロウヴ 25 (72)発明者 キャンベル,ピーター マルコム オーストラリア国 オーストラリアン キ ャピタル テリトリー 2614 クック ワ イバリーナ グロウヴ 25 (72)発明者 パーカー,アンソニー ジェラルド アメリカ合衆国 カリフォルニア 95616 デイヴィス ジェイ ストリート 1005 アパートメント 374 (72)発明者 オウクショット,ジョン グラハム オーストラリア国 オーストラリアン キ ャピタル テリトリー 2903 ワンニアサ サリヴァン クレセント 28 (72)発明者 スミス,ケリー−アン オーストラリア国 オーストラリアン キ ャピタル テリトリー 2614 クック ワ イバリーナ グロウヴ 3

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 実質的に純粋な形態のLucilia cuprinaのE3エステラー ゼ。 2. der−S、Inverell 22、Landillo 103およびS unbury 5.2からなる群から選択された同位染色体OP耐性L.cup rina株の一つに由来する、請求項1記載のE3エステラーゼ。 3. Lucilia cuprina E3エステラーゼ、もしくは、オルガノ ホスファートおよび/またはカルバマート殺虫剤残留分を加水分解する前記E3 エステラーゼの一部をコードするヌクレオチド配列を含む単離されたDNA分子 。 4. L.cuprinaのOP耐性株に由来するE3エステラーゼまたはその 一部をコードするヌクレオチド配列を含む、請求項3記載の単離されたDNA分 子。 5. 実質的に表3に示すヌクレオチド配列を含む、請求項3または4に記載の 単離されたDNA分子。 6. 請求項3ないし5のいずれか一項に記載のDNA分子で形質転換された、 E3エステラーゼを発現する細胞。 7. 原核細胞もしくは昆虫細胞である、請求項6記載の細胞。 8. 請求項6または7記載の細胞から産生されたE3エステラーゼ。 9. 汚染試料もしくは汚染物質を、請求項1または2記載のE3エステラーゼ もしくは請求項3ないし5のいずれか一項記載のDNA分子にコードされたE3 エステラーゼと接触することを備えた、汚染試料もしくは汚染物質におけるオル ガノホスファートおよび/またはカルバマート殺虫剤残留分の濃度を除去および 低減する方法。 10. 汚染試料もしくは汚染物質を、請求項6または7に記載された細胞と接 触することを備えた、汚染試料もしくは汚染物質におけるオルガノホスファート および/またはカルバマート殺虫剤残留分の濃度を除去および低減する方法。 11. LcαE7に関してL.cuprina株の遺伝子型を分析することを 含む、オルガノホスファートに対するL.cuprina株の敏感性を評価する 方法。 12. 前記分析が、制限断片長さ多型性によるものである請求項11記載の方 法。
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