JPH09508908A - 免疫抑制化合物およびその調製法 - Google Patents

免疫抑制化合物およびその調製法

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JPH09508908A JP7521465A JP52146595A JPH09508908A JP H09508908 A JPH09508908 A JP H09508908A JP 7521465 A JP7521465 A JP 7521465A JP 52146595 A JP52146595 A JP 52146595A JP H09508908 A JPH09508908 A JP H09508908A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は哺乳動物における免疫抑制効果を有する化合物に関する。とりわけ、本発明は哺乳動物である受容体における同種異系移植拒絶反応を抑制するタンパク質を提供する。該タンパク質は肝臓移植後の被験者の血清において存在する約10kD、約40kD、または約87kDの分子量から選択された分子量を有するものであるか、または肝臓移植後のラットの血清に存在する10kD、40kD、87kDのタンパク質のホモログである。本発明はまた、免疫抑制タンパク質を同定する方法、免疫抑制タンパク質を調製する方法、免疫抑制タンパク質を含む組成物および哺乳動物である移植片受容体における同種異系移植拒絶反応を抑制する方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】 免疫抑制化合物およびその調製法 本発明は哺乳動物における移植された組織の拒絶反応を防止する化合物、該化 合物を単離する方法および哺乳動物における移植された組織の拒絶反応を防止す る方法に関する。背景技術 臓器移植、とりわけ腎臓移植は日常的な外科的手法になっている。しかしなが ら、受容体の免疫系によって移植された臓器の拒絶反応のため、心臓、肺、膵臓 または下部腸のような臓器の移植は稀にしか行われていない。腎臓移植において も拒絶反応は同様に問題である。 移植前に必要不可欠であるのは、供与体の組織的適合性複合体と受容体のそれ が同一である可能性のある供与体のスクリーニングである。しかしながら、一卵 性双胎を除けば同一の組織的適合性複合体を有する供与体をみつけるのは事実上 不可能である。それゆえ、移植された臓器が受容体の免疫系によって拒絶されな いために免疫抑制剤に頼らざるを得ない。 臓器移植に関して使用に適した免疫抑制化合物には、6−メルカプトプリンの ようなプリン類縁体、プレドニゾンおよびプレドニゾロンのようなコルチコステ ロイド、抗リンパ球グロブリン、サイクロスポリンAのようなある種の抗生物質 およびIL−2レセプターに特異的なモノクローナル抗体が含まれる。上記化合 物は全て、普遍的に免疫抑制効果を発揮するという不利点を有する。従って、全 ての組織が迅速な細胞分裂が起こる場合に損傷を受ける。 公知の免疫抑制化合物もまた好ましくない副作用を有する。これは特に、最も 広く使用されている免疫抑制剤サイクロスポリンAにあてはまる。サイクロスポ リンA療法を受けた移植受容体は、療法開始から30年以内にきまって癌を発症 する。 サイクロスポリンAのような化合物による免疫抑制の他の主要な不利点は、治 療費の点である。現存する免疫抑制剤による免疫抑制療法は、移植受容体の生涯 を通じて維持されなければならない。現在のところサイクロスポリンA療法の費 用は、1患者につき1カ月約1,000ドルかかる。 従って、受容体に移植された臓器の拒絶反応を抑制するのに使用でき、臓器移 植に関して現在使用されている免疫抑制剤の不利点を有さない化合物が早急に必 要である。このような化合物の好ましい特性は以下のとおりである:(i)臓器 拒絶の抑制剤として相対的な特異性を示すが一般的な免疫抑制剤としては限られ た活性を示す、(ii)細胞毒性または発ガン性のような好ましくない副作用がな い;および(iii)比較的低い費用であるかまたは該化合物による長期間の療法 を不要とする生物学的活性を有する。発明の概要 本発明は、哺乳動物である受容体における同種異系移植拒絶反応(allograft rejection)を抑制する化合物を提供し、移植された臓器の拒絶反応を防ぐのに 現在使用されている化合物の不利点を克服する物質である。 さらに本発明は、哺乳動物である被験者における同種異系移植拒絶反応を抑制 する化合物を同定する方法、このような化合物を単離する方法および同種異系移 植拒絶反応を抑制する方法を提供する。 1つの態様において、本発明は哺乳動物である受容体における同種異系移植拒絶 反応を抑制するタンパク質を提供する。該タンパク質は肝臓移植後の被験者の血 清に存在し、約10kD、約40kD、または約87kDの分子量から選択され る分子量を有するものまたは肝臓移植後のラットの血清に存在する10kD、4 0kD、または87kDのタンパク質のホモログである。 好ましいタンパク質は同所性肝臓移植後または以下のN−末端アミノ酸配列を 有する再移植ラットの血清に存在するタンパク質である: VHGADAETAIVNGXI (配列番号:1) XSLAATHMHGN (配列番号:2) XEDINFQAFVEPHV (配列番号:3) 他の態様において、本発明は免疫抑制タンパク質の同定方法を提供する。該方 法は以下の工程からなる: i)肝臓移植後の被験者から血清サンプルを得る; ii)該血清サンプルを分離技術にかける; iii)(i)から得た血清サンプルにおける分離されたタンパク質と正常被験者 からの血清サンプルにおける分離されたタンパク質とを比較する;および iv)肝臓移植に応じて血清に現れるタンパク質を同定する。 さらに他の態様においては、本発明は、哺乳動物である受容体における同種異 系移植拒絶反応を抑制するタンパク質を調製する方法を提供する。該方法は以下 の工程からなる: i)肝臓移植手術後、通常は血清に存在しないタンパク質、すなわち約10kD 、約40kD、または約87kDの分子量を有するタンパク質から選択される分 子量を有するものまたは肝臓移植後のラットの血清に存在する10kD、40k D、または87kDのタンパク質のホモログであるタンパク質を血清が含んでい るときに、被験者から血清サンプルを得る; ii)工程(i)から得た血清を少なくとも1つのタンパク質分離技術にかける; および iii)該分離されたタンパク質から10kD、40kD、または87kDのタン パク質またホモログを単離する。 さらに他の態様においては、本発明は哺乳動物における同種異系移植拒絶反応 を抑制する方法、免疫抑制タンパク質または断片またはその化学的誘導体、また は該タンパク質または断片またはその誘導体からなる医薬組成物を投与すること からなる方法を提供する。該タンパク質は肝臓移植後の被験者の血清において存 在し、約10kD、約40kD、または約87kDの分子量から選択される分子 量を有するものまたは肝臓移植後のラットの血清に存在する10kD、40kD 、または87kDのタンパク質のホモログである。図面の簡単な説明 図1は、同所性肝臓移植(OLT)および同所性肝臓再移植(re−OLT) 後のラットから採取された血清サンプルの分析を示す。以下のサンプルが分析さ れた;レーンA、PVG正常血清;レーンB〜D、移植21日後のOLT血清; レーンE、移植1日後のre−OLT血清;レーンF、移植7日後のre−OL T血清;レーンG〜I、移植21日後のre−OLT血清。 図2は、同所性肝臓移植(OLT)後のラットから採取された血清サンプルの 分析を示す。以下のサンプルが分析された:レーンA、DA正常血清;レーンB 、PVG正常血清;レーンC、移植30日後のOLT血清;レーンD、移植63 日後のOLT血清;レーンE、移植107日後のOLT血清;およびレーンF、 移植63日後のHHT血清。本発明を実施するための最良の形態およびその他の形態 ここに列挙する略語は以下の記述および請求項を通じて使用される: HHT 異所性心臓移植 MHC 主要組織適合性複合体 MLR リンパ球混合反応 OLT 同所性肝臓移植 PAGE ポリアクリルアミドゲル電気泳動 re−OLT 同所性肝臓再移植 使用されるアミノ酸1文字コードはThe Biochemical Journal 219、3 45−373(1984)に記載されているIUPAC−IUB基準に従ってい る。 臨床的、実験的肝臓移植が開始されて以来、肝臓移植は他の臓器の移植に比較 して独特であると一般的に知られている。1960年代にブタにおける肝臓移植 片が拒絶されず、免疫抑制なしに寛容が誘導されると報告された。しかしながら 、ブタは異系交配ゆえ該実験の結果は確固たるものではないとしてこの発見の意 義に関し多くの異議が唱えられた。 1977年以来、本発明者および協力者らはラットを使用して肝臓の非拒絶反 応現象を研究し、世界で初めてラットにおける同所性肝臓移植(現在では世界的 に標準モデルとして使用されている)のための技術を開発した。PVG(RT1c )へのDA(MHCハプロタイプ:RT1a)のように供与体および受容体ラッ ト系統のある組み合わせにおいては、肝臓移植片はいかなる免疫抑制剤を使用し なくても受け入れられる。全身的な非応答状態は、同じ供与体タイプの皮膚、心 臓、 腎臓、膵臓または小腸のような他の臓器の移植片が永久的に受け入れられる状態 において引き起こされる。これらの「他の臓器」の全ては通常、全く免疫抑制剤 が使用されない場合には拒絶される。第三者(WAG)心臓移植片はほんの僅か 生存時間に増加があったのみで拒絶された(鎌田(N.Kamada)およびDGD 書、Transplantation 38、217−221[1984]の表1参照)。 同じ組み合わせにおいて、DA皮膚移植片によって敏感にされたPVG受容体 は、移植片の第2番目に設定された動力学を有するDA肝臓を拒絶しなかった。 該肝臓移植片は単に拒絶しなかったのみならず、免疫受容体に特徴的な供与体の 移植片に対する応答性が高められた状態を、寛容動物に特徴的な非応答状態に変 えた。 このような免疫抑制効果は肝臓移植されたラットからの血清を使用して移すこ とができる(OLT血清)。DA心臓移植片は、心臓移植と同時に、肝臓移植ラ ットからの血清1mlを静脈注射されたPVG受容体に移植され、生存し続けた 。第三者の(WAG)心臓移植片では効果は高められなかった:すなわち、該血 清効果は系統特異的であった(ヤマグチ(A.Yamaguchi)および鎌田のImmun ology72 79[1991]の表2参照)。 驚いたことに、本発明者らは同種異系移植拒絶反応を抑制する肝臓移植後の被 験者の血清に化合物が存在することを見い出した。免疫抑制化合物の同定 同種異系移植拒絶反応のサプレッサーとしての活性を有する新規化合物は以下 の肝臓移植の被験者から採取した血清サンプルの分析によって同定することがで きる。有利には、該分析は同所性肝臓移植(OLT)または同所性肝臓再移植( re−OLT)被験者からの血清を使用して行われる。公知の生化学的分析方法 を使用することができる。なるべく、タンパク質の分子量を分析する方法が採用 される。典型的には、該分子量分析はSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動 (SDS−PAGE)によって行われる。ゲル内のタンパク質のバンドは染色に よって典型的に検出される。バンドはまた、対象の該タンパク質に対する抗体を 使用することによって免疫学的に検出することができる。 血清サンプルは移植後様々な時間に採取される。典型的には、サンプルは1〜 約100日の間に採取される。サンプルの分析および正常供与体からのサンプル と受容動物と、または特定の供与体と移植前の受容体からのサンプルとの比較に より移植後の血清に独特であるタンパク質の同定ができる。該免疫抑制化合物の精製および特徴付け 同種異系移植拒絶反応のサプレッサーとしての活性を有する新規なタンパク質 は公知タンパク質の精製方法および複数の異なる方法を組み合わせて使用するこ とによって精製することができる。有利には、分子量に基づいて分離する方法が 採用される。適切な分子量分離方法は純PAGEである。 該タンパク質のラージスケールの精製は、アフィニティークロマトグラフィー によると便利である。好ましいアフィニティーレセプターは該タンパク質に対す る抗体である。該抗体はポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体であり得 る。 該精製されたタンパク質はアミノ酸シークエンシング、質量分析(mass spect roscopy)、等電点フォーカシングを含む標準的生化学技術によって特徴付ける ことができる。便利なことに該精製されたタンパク質は、該タンパク質に対する 抗体を調製するのに使用することができる。該タンパク質は免疫抑制タンパク質 であるので、その断片は免疫原として典型的に使用される。該断片は、該タンパ ク質の加水分解または化学的分解によってまたはペプチドの化学的合成によって 製造することができる。有利には、該断片は抗体を生成する担体タンパク質に結 合される。 イン・ビトロおよびイン・ビボ技術が該タンパク質の生物学的活性を確立する のに使用することができる。好ましいイン・ビトロ技術は混合リンパ球反応(M LR)である。典型的なイン・ビボ技術は皮膚移植である。 イン・ビボのモデルは、実験動物における異所性心臓移植(HHT)に基づく 。完全な異質遺伝子型の組み合わせにおいて、該異所的に移植された心臓は拒絶 され拍動を停止するであろう(ラットにおいてこれは7〜9日後に起こる)。H HT動物における拒絶反応の抑制は該免疫抑制化合物の効能、最適用量および投 与 方法を評価するのに使用することができる。 他のイン・ビボのモデルはOLTに依存する。OLTは既知のリジェクターで ある受容体系統と共に供与体動物を使用することによって行われる。この組み合 わせにおいて、受容体は生存しないであろう(ラットにおいてDA供与体のLE WOLT受容体は急性拒絶反応から12日以内に死亡するであろう)。このOL T動物における拒絶反応の抑制もまた該免疫抑制化合物の活性を評価するために 使用することができる。新規化合物の治療学的な使用 本発明の新規タンパク質化合物は、ヒトを含む哺乳動物被験者において移植さ れた臓器の拒絶反応のサプレッサーとして使用することができる可能性を有する 。本発明の範囲には、該タンパク質単独の使用または他の免疫抑制化合物と組み 合わせての使用が含まれる。本発明はまた、製薬的に許容し得る担体、希釈剤お よび/またはアジュバントと共に新規タンパク質を含む医薬組成物をも含む。 免疫抑制活性を保持している該タンパク質の断片、および化学的に修飾された タンパク質および断片は本発明の範囲に含まれる。 該タンパク質または該タンパク質を含む組成物は例によって、10μg/kg/ 日にて静脈内ルートによって投与される。 本発明をより完全に理解するために、以下に、実施例を示すが、本発明はこれ らに限定されるものではない。実施例1 OLTおよびre−OLTラット血清における免疫抑制化合物の同定 ラットの該OLT技術は鎌田およびカルン〔N.Kamada & R.Y.Calne ,Transplantation 28、47(1979)〕に記載されており、その全内容 をここに参照用に引用する。要約すれば、最初の吻合を受容体のSVCに供与体 の上肝静脈(suprahepatic vena cava)(SVC)が吻合されるところで行い、 その後第2番目の吻合を供与体のSVCが受容体の横隔膜部位に吻合されるとこ ろで行う。re−OLTにおいて、被験者は異質遺伝子型間肝臓移植を受けた少 し後に同質遺伝子型間の肝臓を移植される。 以下の各8〜16週齢のラットを鎌田の「エクスペリメンタル・ラット・リバ ー・トランスプランテーション(Experimental rat liver transplantation) 」に記載されているような外科手術にて、OLT、re−OLTまたはHHTに 使用した(CRC Press 1988):DA(MHCハプロタイプ、RT1a );PVG(MHCハプロタイプ、RT1c);およびルイス(Lewis)(MH Cハプロタイプ、RT11)、(アニマル・リソースィズ・センター(Animal Resources Centre)、パース、オーストラリア)。OLTは免疫抑制剤を使用 しないでDAをPVGに組み合わせて行い、DAをルイスに組み合わすのは免疫 抑制剤サイクロスポリンA(サンド(Sandoz)バーゼル(Basle)、スイス) を1日に10mg/kgの濃度にて使用して行った。HHTは前記のとおりサイ クロスポリンを使用してDAをPVGに組み合わせて行った。re−OLTに関 しては、PVGの肝臓は、DAをPVGに組み合わせたOLTの2日後のPVG ラットに移植した。 107日までの様々な時点でOLTラット(DA−PVG)から血液サンプル 1mlを採取した。血清を3,000gの遠心によって分離し、使用まで−20 ℃にて保存した。血清サンプルは、PVGおよびDAラットからの正常血清と同 様に二重脱イオン水によって1:20に希釈した。re−OLT手術において血 液サンプル(DA−PVG/PVG−PVG)を1、3、7、10および21日 で採取し、上記に概説した通り処理した。HHTラットからのサンプル(DA− PVG+Cys−A)をOLTサンプルと同時期に採取し、鉗子で挟み、ついで 鉗子を外すやり方によるPVGラットからの血液と同じ方法で処理した。ついで 、これら希釈された血清サンプルの5μlをラエムリ(Laemmli)サンプルバッ ファー(ラエムリ Nature 227、680[1970])に添加し、4−2 0%の濃度勾配SDS−PAGEゲル上で分離し、クーマッシー(Coomassie) R−250(バイオ−ラド(Bio−Rad)、リッチモンド、カリフォルニア、米 国)によって染色した。さらに、前もって染色した低分子量標準品(バイオ−ラ ド)も、対象のタンパク質の分子量を推定するために流した。 図1に示されるゲルの分析から、同質遺伝子型のPVG肝臓で置換された少し 後のラット血清において10kDのタンパク質および87kDのタンパク質が存 在するということがわかる。87kDのバンドの位置は図1の上の矢印によって 、一方10kDのバンドは下の矢印によって示されている。 該10kDのタンパク質は正常供与体DAの血清または正常受容体PVGの血 清に存在しない。該タンパク質は移植21日後のOLTの血清において非常に低 濃度で存在する。該タンパク質はまた、移植30〜60日後のOLTの血清にお いて検出された(データ示さず)。 該87kDタンパク質は、正常供与体DAの血清または正常受容体PVGの血 清に存在しない。該タンパク質はOLTの血清において検出されなかった。 図2のデータは40kDのタンパク質および37kDのタンパク質がOLT6 0日後に希釈された血清において高濃度で存在することを示している。これらの タンパク質は早くもOLT40日後に検出することができるが、OLT107日 後には検出されなかった。図2における40kDおよび37kDのタンパク質の バンドの位置は矢印によって示す。 該タンパク質は、正常PVGまたはDA血清またはOLT60日後にHHTを 受けたラットにおいてのいずれにも見られなかった(図2)。該タンパク質はま た、同時に免疫抑制剤サイクロスポリンを使用してDAをルイスに組み合わせた OLT血清または、OLTクランピングが行われたが肝臓移植が行われなかった PVGラットからの血清においても検出されなかった(データ示さず)。該タン パク質は同一のN−末端を有するが、MLRアッセイは該37kDタンパク質は 免疫抑制的ではないということを示した(データ示さず)。実施例2 該タンパク質の精製および部分的な配列決定 4−20%のゲル(本来のPAGE)を対象の3つのタンパク質を含む血清の 多くの部位を分離するのに使用した。該ゲルの各1つのレーンを特にその対象の タンパク質の位置を同定するのに染色し、対応するバンドをアクリルアミドマト リックスから切り出し、タンパク質を揮発性アンモニウム重炭酸イオンバッファ ーを使用して電気溶出(electroeluted)した。タンパク質はすべての汚染物質 を除去するためにHPLCで精製した。該HPLCによって精製された物質をつ いでスピード・バック・コンセントレーター(Speed Vac Concentrator)( サバント・インストルメンツ(Savant Instruments))において濃縮(lyopho lyized)し、HPLC級二重脱イオン水または組織培養培地のいずれかに再懸濁 した。組織培養培地サンプルをさらにRPMIに対する透析にかけた。さらに、 ラットアルブミンをイン・ビトロMLRにおいてコントロールとして使用する場 合と同様の方法にて精製した。 re−OLT 21日後の非希釈血清の1mlは,精製された10kDのタン パク質の0.005mgを産生し、OLT60日後の非希釈血清の1mlは精製 された40kDのタンパク質の0.12mgを精製し、re−OLT 21日後の 非希釈血清の1mlは精製された87kDのタンパク質の0.03mgを産生し た。 配列決定に関しては、HPLCによって精製されたタンパク質をトリス−トリ シン(TRIS−tricine)ゲル上で分離し、「プロテイン・ブロッティング( Protein Brotting)社報番号1721号、バイオ・ラド・コーポレーション( 1992)および「プロテインズ−チップス・アンド・テクノロジーズ(Prote ins−Tips and Technologies)」、プロメガ(Promega)・コーポレーション (1993)に記載の方法を使用してPVDFメンブレンの電気泳動的に移した 。シークエンシングはアプライド・バイオシステムズ473プロテインシークエ ネイター(Applied Biosystems 473 Protein Sequenater)をエドマン( Edman)化学を使用して行った。 各タンパク質のアミノ末端での最初の11〜15残基にわたる配列を以下のよ うに決定した: 10kD VHGADAETAIVNGXI 40kD XSLAATHMHGN 87kD XEDINFQAFVEPHV 該10kD、40kDおよび87kDタンパク質をそれぞれ「KX−4」、「 KX−5」および「KX−2」と命名した。実施例3 免疫抑制タンパク質に対するポリクローナル抗体の製造 ペプチド20mgを該KX−4、KX−5およびKX−2のN−末端配列の各 々に基づいて合成した。該ペプチド5mgをジフテリア毒素(DT)にコンジュ ゲートし、さらに5mgをウシ血清アルブミン(BSA)にコンジュゲートした 。ウサギにフロインド完全アジュバント(Freund's complete adjuvant)(F CA)に加えたDT−ペプチドを100−200μgの用量で接種し、ついで、 フロインド不完全アジュバント(Freund's incomplete adjuvant)(IFA) 中の同用量のもので、2週間毎に総計6週間にわたって追加免疫した。ついで、 該抗体力価をELISAによって測定した。実施例4 KX−4の免疫抑制活性 該MLRアッセイは確立された手法に従って行った。正常PVGからの脾臓リ ンパ球、X線照射(2,000R)DA、LEWまたはBN細胞をそれぞれレス ポンダーおよびスティミュレーターとして使用した。96ウエル丸底(round-bo ttmed)マイクロカルチャープレート(コーニング(Corning)、ニューヨーク 、ニューヨーク)にて総容量200μlで等数(各5×105細胞)を3日間培 養した。回収の20時間前に、該培養物に0.5μCiの[3H]−チミジンを添 加した。該培養培地はRPMI−1640(ギブコ(Gibco)、グランド・アイ ランド(Grand Island))からなり、これは100単位/mlのベンジルペニ シリン、10μg/mlのストレプトマイシン、10mMのN−2−ヒドロキシ メチルピペランジン−N'−2−エタンスルホン酸、50μMのピルビン酸ナト リウム(ギブコ)、25μMの2−メルカプトエタノール(ギブコ)および10 %ウシ胎仔血清を含む。様々な濃度の精製されたタンパク質をMLRウエルに添 加した。正常PVGラットアルブミンをコントロールにて使用した。取り込まれ た放射能をシンチレーションカウンター(1295−004ベータプレート96 ウエルハーベスター(Beta plate 96 well harvester)、ワラック(Wallac ))にて計測した。取り込まれた[3H]−チミジンを決定し、抑制パ ーセントを、[1−{(付加された移植片の血清または精製されたタンパク質で の培養のc.p.m−レスポンダー細胞のみでの培養のc.p.m)/(付加された 正常血清またはラットアルブミンでの培養のc.p.m−レスポンダー細胞のみで の培養のc.p.m)}]×100(%)として算出した。 表1のデータから、KX−4タンパク質は強い免疫抑制効果を有することがわ かった:各ウエルにおける0.5μgは62%の抑制率を示した。該タンパク質 は低濃度においては供与体特異的であるが高濃度においては非特異的になる。実施例5 KX−5およびKX−2の免疫抑制活性 該KX−5およびKX−2の免疫抑制活性は、上記実施例4におけるKX−4 について詳述したと同様にして試験した。該KX−5の結果は以下の表IIおよび IIIに、KX−2の結果は表IVに示す。 表IIおよびIIIのデータからKX−5タンパク質は供与体非特異的であるが容 量依存性の免疫抑制活性を有することがわかった。 表IVのデータからKX−2タンパク質は容量依存性であるが供与体非特異的で ある免疫抑制活性を有することがわかった。 実施例6 KX−5のイン・ビボ試験 免疫抑制剤としてのKX−5の効果をさらにHHTモデルを使用してイン・ビ ボで試験した。心臓はDAまたはBN系ラット(供与体)から得て、PVG系受 容体の頸部に移植した。採用された移植技術はエクスペリメンタル・ラット・リ バー・トランスプランテーション(鎌田編、CRCプレス1988)に記載され ており、ここに参照のために引用する。 実験動物はコントロール群および試験群とに分けた。コントロール群は無処置 かまたは内部脂質1mlを筋肉内に投与した。試験群の動物には、エーテル麻酔 下で心臓移植直後に精製されたKX−5(実施例2参照)を1回300μgの用 量で筋肉内投与した。 該イン・ビボ実験の結果は以下表Vに示す。 グループ2の動物の結果は明らかにKX−5タンパク質が心臓移植片の生存に 著しい効果を有することを示している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 PM3920 (32)優先日 1994年2月16日 (33)優先権主張国 オーストラリア(AU) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG), AM,AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,C H,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB ,GE,HU,JP,KE,KG,KP,KR,KZ, LK,LR,LT,LU,LV,MD,MG,MN,M W,MX,NL,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SI,SK,TJ,TT,UA,UG, US,UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.哺乳動物である受容体における同種異系移植拒絶反応を抑制し、肝臓移植後 の被験者の血清に存在し約10kD、約40kD、または約87kDの分子量か ら選択される分子量を有するタンパク質または、肝臓移植後のラットの血清に存 在する10kD、40kD、または87kDのタンパク質のホモログであるタン パク質。 2.該タンパク質が同所性肝臓移植後または同所性肝臓移植被験者の血清に存在 する請求項1に記載のタンパク質。 3.該被験者がラットである請求項2のタンパク質。 4.該タンパク質が約10kDの分子量および配列番号:1に一致するN−末端 アミノ酸配列を有する請求項3のタンパク質。 5.該タンパク質が約40kDの分子量および配列番号:2に一致するN−末端 アミノ酸配列を有する請求項3のタンパク質。 6.該タンパク質が約87kDの分子量および配列番号:3に一致するN−末端 アミノ酸配列を有する請求項3に記載のタンパク質。 7.i)肝臓移植後の被験者から血清サンプルを得て; ii)該血清サンプルを分離技術にかけ; iii)(i)で得た血清サンプルにおいて分離されたタンパク質と正常被験者か らの血清サンプルにおいて分離されたタンパク質とを比較し;および iv)肝臓移植に応じて血清内に現れるタンパク質を同定する 工程からなることを特徴とする免疫抑制タンパク質を同定する方法。 8.該工程(i)の血清サンプルが同所性肝臓移植または同所性肝臓再移植被験 者から得られる請求項7の方法。 9.該分離技術がSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動である請求項7の方 法。 10.i)通常は血清に存在しないタンパク質、すなわち、約10kD、約40 kD、または約87kDの分子量から選択される分子量を有するタンパク質また は、肝臓移植後のラットの血清に存在する10kD、40kD、または87kD のタンパク質のホモログであるタンパク質から選択されるタンパク質を血清が含 んでいる手術後の間に、肝臓移植後の被験者から血清サンプルを得る; ii)工程(i)で得た血清を少なくとも1つのタンパク質分離技術にかける;お よび iii)該分離されたタンパク質から10kD、40kD、または87kDのタン パク質またはホモログを単離する 工程からなることを特徴とする哺乳動物である受容体における同種異系移植拒絶 反応を抑制するタンパク質の調製法。 11.少なくとも1つの分離技術が純ポリアクリルアミドゲル電気泳動、アフィ ニティークロマトグラフィーまたは高性能液体クロマトグラフィーから選択され るものである請求項10の方法。 12.製薬学的に許容し得る担体希釈液および/または補薬と、肝臓移植後の被 験者の血清に存在し、約10kD、約40kD、または約87kDの分子量から 選択される分子量を有するタンパク質または肝臓移植後のラットの血清に存在す る10kD、40kD、または87kDのタンパク質のホモログであるタンパク 質からなる少なくとも1つの免疫抑制タンパク質またはその断片またはその化学 的誘導体を含有することを特徴とする医薬組成物。 13.該タンパク質が肝臓移植後のラットの血清に存在し、約10kDの分子量 を有し、配列番号:1に一致するN−末端アミノ酸配列を有するものである請求 項12の組成物。 14.該タンパク質が肝臓移植後のラットの血清に存在し、約40kDの分子量 を有し、配列番号:2に一致するN−末端アミノ酸配列を有するものである請求 項12の組成物。 15.該タンパク質が肝臓移植後のラットの血清に存在し、約87kDの分子量 を有し、配列番号:3に一致するN−末端アミノ酸配列を有するものである請求 項12の組成物。 16.肝臓移植後の被験者の血清に存在し、約10kD、約40kD、または約 87kDの分子量から選択される分子量を有するものまたは、肝臓移植後のラッ トの血清に存在する10kD、40kD、または87kDのタンパク質のホモロ グであるタンパク質からなる免疫抑制タンパク質またはその断片またはその化学 的誘導体、または該タンパク質またはその断片またその化学的誘導体を含有する 医薬組成物を、受容体に投与することを特徴とする哺乳動物における同種異系移 植片拒絶反応を抑制する方法。 17.該タンパク質が肝臓移植後のラットの血清に存在し、約10kDの分子量 を有し、配列番号:1に一致するN−末端アミノ酸配列を有するものである請求 項16の方法。 18.該タンパク質が肝臓移植後のラットの血清に存在し、約40kDの分子量 を有し、配列番号:2に一致するN−末端アミノ酸配列を有するものである請求 項16の方法。 19.該タンパク質が肝臓移植後のラットの血清に存在し、約87kDの分子量 を有し、配列番号:3に一致するN−末端アミノ酸配列を有するものである請求 項16の方法。 20.該哺乳動物である受容体がヒトである請求項16の方法。
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