JPH09509010A - 熱的に誘起された複屈折によるレーザビームの減偏光を最小化する装置 - Google Patents
熱的に誘起された複屈折によるレーザビームの減偏光を最小化する装置Info
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Abstract
(57)【要約】
励起レベルの広い範囲にわたってロッド形状の利得媒質内の熱的に誘起された複屈折によるレーザビームの減偏光を最小化する。利得媒質(14)を通過した後、ビームの偏光は90度回転されて(46)、同一のまたは実質的に同一の利得媒質に戻るように指向される。その構成によると、第1通過の間に放射状に偏光されたビームの部分を第2通過の間に正接方向に偏光して元の偏光を回復する。補正を最大化するために、リレーイメージ装置(34)を用いて、第1通過の間にビームが励起されているときに利得媒質にビームのイメージを発生し、そしてそのイメージを第2通過の間に利得媒質に投射する。リレーイメージの倍率は実際のイメージに関して1対1である。単一の倍率のリレーイメージを用いることによって、ビームの寸法及びそのビーム内の光線の角度・位置を変化する熱負荷で保護する。
Description
【発明の詳細な説明】
熱的に誘起された複屈折によるレーザビームの減偏光を最小化する装置技術分野
本願発明は、ロッド状の利得媒質内の熱的に誘起された複屈折によるレーザビ
ームの減偏光を最小化する装置に関する。この装置は、特に、高出力、高い繰返
し率の固体(ソリッドステート)位相共役増幅器の性能を改善するために有効で
ある。技術的背景
高出力、高い繰返し率の固体パルスレーザ増幅器を開発することにかなりの関
心があった。それらの装置においては、低出力のパルスを発生するために小さな
主レーザ発信器を用いている。望ましくは、そのパルスは単一の縦および横モー
ドを持つ。そのパルスは増幅器セルに向けられ、そのセルはNd:YAGロッド
のような、ソリッドステート利得媒質を含む。そのソリッドステート利得媒質は
一般的にはフラッシュランプによって励起されるが、最近はダイオードレーザが
励起源として用いられている。主レーザからのパルスは利得媒質に蓄積されたエ
ネルギーによって増幅される。
高出力増幅器の開発を制限していた1つの問題は、利得媒質がロッドの温度を
高めるようなかなりの熱量を発生するという点にある。そのレーザロッドは一般
的に外側から冷却されており、それはロッド内の半径方向温度傾きにつながる。
ポンプ出力が高まると不均一な温度分布が、熱的に誘起された歪曲を生じさせる
ことがあり、それはビームの波面を歪曲させてレーザの性能を低下させる。
そのような波面の歪曲を除きまたは補正するために、さまざまなアプローチが
提案された。1または2以上の見込みのありそうなアプローチが、ブルーセルバ
ック(Bruesselbach)に1988年3月29日に付与された米国特許第4,734,911号に
説明されており、また、関連文献の「位相共役、反転レーザ収差」(Phase Conju
gation: Reversing Laser Aberrrations)Photonics sepectra、95頁、1986年
8月にも説明されている。そのアプローチにおいては、位相共役ミラーの特性を
用いてビームの波面を反転することができるので、それが利得媒質に送ら
れて戻されると、その歪みを補正することができる。(「誘発ブリュアン散乱(S
timulated Brillouin Scattering)を介する位相共役を持つNd:YAG発振器
/増幅器の特性」、カール(Carr)およびハナ(Hanna)、応用物理B、36、83
−92(1985年)も参照のこと)
図1は従来の固体増幅器10の簡略化した概略図を示しており、それは上掲の
文献に説明されているようなタイプの位相共役ミラーを用いている。図1に示さ
れているように、低出力ぱるすが小さな主発振器12によって発生されている。
その出力パルスは増幅器利得媒質14に結合される。その利得媒質はフラッシュ
ランプ16によって励起される。上述の通り、利得媒質の熱的負荷はビーム内の
同位相波面の歪曲を作る。
その歪曲波が従来の反射器を用いる利得媒質に反射して戻るとすると、同位相
波面の歪曲は結晶中の熱的に誘起された応力によってさらに高められることにな
る。これに対し、波面が位相共役ミラー18(PCM)によって反射される場合
には、その歪曲は反転されることになる。その反転された歪曲を利得媒質を通過
させて戻すことによって、その歪曲を補正することができる。1/4波長板20
をミラー18と媒質14との間に設けてビームの偏光を回転させ、これにより、
偏光スプリッター22を用いてそれを増幅器の外側に結合させることができる。
図1に示す配置に用いることができる位相共役ミラーには様々な種類がある。
上掲のブルーセルバック(Bruesselbach)の特許には、誘発ブリュアン散乱(Stimu
lated Brillouin Scattering)(SBS)または誘発ラマン散乱(Raman Scatteri
ng)(SRS)のような誘発散乱型の媒質を用いることが示唆されている。フレ
オン(Freon)が充填された密閉透明チューブは一般的なSBS素子を形成する。
ブルーセルバックにより説明されたアプローチは、減速繰り返し率、その結果
増幅器の中庸熱負荷を満足させたようである。特に、ブルーセルバックは彼の装
置が最大約10Hzまで作動可能であったことを示唆している。装置を100H
zの繰り返し率またはそれより高い繰り返し率で作動することが望ましい。繰り
返し率がそのレベルまで高まる場合には、利得媒質に結合されたポンプ出力の量
が十分に大きくなる。その状況においては、熱的に誘起された応力が、ビーム
内に強い減偏光を誘起する程度の複屈折を作る。実際には、50%より大きな減
偏光率はキロワット型のフラッシュランプ出力を持つと期待できる。その減偏光
率はビームの全エネルギーによって分割された不要な(直交)偏光のエネルギー
として定義される。
残念ながら、ビームの同相波面を反転するための位相共役ミラーの性能(位相
共役ミラーの忠実度として定義される)は入射ビームの偏光純度に依存する。従
って、ビームが少しの大きな程度まで減偏光されると、実の同相波面反転はSB
Sセルに基づく単純な位相共役ミラーでは達成されない。利得媒質に戻る歪曲さ
れた同相波面がその媒質から出てくるものとは同一ではない場合には、その歪曲
は十分には補正されず、その結果装置の性能が低下する。
従って、本願発明の目的は、熱的に誘起された応力複屈折によって作られた減
偏光効果を最小化するアプローチを提供する点にある。
本願発明の他の目的は、減偏光効果が最小化されて、同相波面を補正すること
ができるような装置を提供する点にある。
本願発明の別の目的は、利得媒質の減偏光効果を最小化する増幅装置を提供す
る点にある。
さらに本願発明の他の目的は、性能を低下させることなく、100Hzより大
きな繰り返し率で作動することができる固体レーザ増幅器を提供する点にある。
本願発明のさらに別の目的は、大きな調整を必要とすることなく、繰り返し率
および熱負荷の全体の範囲にわたって有効に作動することができる固体レーザ増
幅器を提供する点にある。発明の概要
それらのおよび他の目的に従い、本願発明は、熱的に誘起された複屈折によっ
て作られた減偏光効果を最小化するためのアプローチを提供する。そのアプロー
チは特に増幅装置において有効であり、その装置は、最大の忠実度のための強偏
光ビームを必要とする位相共役ミラーを含む。
本願発明によると、リレーイメージ手段を用いてロッド状の利得媒質内のビー
ムのイメージを同一のまたは実質的に同一の利得媒質に戻す。そのリレーイメー
ジ手段はビーム内の光線の角度および位置を維持するように配置されている。加
えて、リレーイメージ手段の全体的な倍率は1対1となるように決められており
、それにより、中継されたイメージの寸法は元のイメージと同じである。再びイ
メージ化される前に、ビームの偏光は90ど回転される。この構成により、第1
通過の間で放射偏光されたビームのモードの一部が第2通過の間に接線方向に偏
光されて、最初の偏光状態を実質的に回復することができる。
90度の偏光回転の後にビームをロッドを2度通過させることによって熱的複
屈折を補正するという発想は知られている。例えば、ダブル・シー・スコット(W
.C.Scot)の「Nd:YAGレーザにおける複屈折補正およびTEM00モード増強
」(Birefringence Copensation and TEM00Mode Enhancement in a Nd:YAG Lase
)応用物理報告(Applied Physics Letters)、18巻、No.1、3−4頁(19
71年);ダブル・コークナー(W.Koechner)の「固体レーザ・技術」Springer-V
erlag、ニューヨーク、1976年、200および355乃至365頁、並びに
カントルスキー(Kantorski)に1990年8月14日に付与され、本願の出願人
に譲渡された米国特許第4,949,358号を参照されたい。しかし、それら
の従来の文献のいずれにも、単一の倍率を用いてビームをイメージ化するために
リレーイメージ手段を用い、これにより、そのビームの写像を利得媒質に戻して
補正を最大化するということは開示されていない。
本願発明の他の観点においては、イメージはさらに利得媒質の第2の通過の前
に反転される。空間的に不均一な利得分布の効果が例えばロッドが一方の側から
ポンピングされるときに生じることがあるが、その構成により、それを補正する
ことができる。
本願発明の増幅装置においては、ビームの偏光がリレーイメージ技術を用いて
補正された後に、そのビームは位相共役反射器に向けられる。その位相共役反射
器はそのビームの位相を反転するように機能する。ビームの減偏光は最小化され
ているので、位相共役反射器の忠実度を高く、さらに、歪曲の位相反転の質は良
好である。ビームが増幅器セルを2度通過するときには、位相歪曲は実質的に取
り除かれて、装置の性能を改善することができる。
実験によると、ここで説明する減偏光効果は、リレーイメージ装置装置の代わ
りに、固定負レンズまたは非イメージ化望遠鏡を用いることによって、低から中
間までの範囲の繰り返し率および中庸熱負荷で補正することができる。しかし、
それらの従来のアプローチを用いる補正は、熱負荷の狭い範囲内のみで有効で、
繰り返し率の機敏さを示すことはできない。これに対し、ここで説明するリレー
イメージ装置によると、全範囲にわたる繰り返し率および出力負荷において作動
することができる。
本願発明の別の目的および利点は図面に関連する以下の詳細な説明から明らか
になるであろう。図面の簡単な説明
図1は従来の位相共役増幅器の概略図である。
図2は本願発明に係る偏光補正方法を用いる位相共役増幅器の概略図である。
図3は、本願発明に係る補正方法を実行する4通過位相共役増幅器の望ましい
実施例の概略図である。
図4は、本願発明に係る補正方法を実行する2通過位相共役増幅器の望ましい
実施例の概略図である。
図5はリレーイメージ装置の倍率が図4に示す増幅器のために変えられるにつ
れて発生する減偏光の変化を示すグラフである。
図6はビームが図4に示す増幅器内の利得媒質を横切るときのそのビームの移
動プロフィールのプロットである。望ましい実施例の詳細な説明
図2に戻ると、そこにはここで目的とする偏光方法を利用する位相共役レーザ
増幅器30の簡略化した概略図を示す。図1の実施例の場合のように、主発振器
12からの出力パルスはロッド形状の増幅器利得媒質14に結合される。フラッ
シュランプ16によってロッド内に発生される熱のために、熱的に誘起された応
力が複屈折を作り、それは入力レーザビームを減偏光する。
本願発明によると、熱的複屈折の減偏光効果は、リレーイメージ手段つまり望
遠鏡34を用いることによって最小化され、これにより、ビームの実像が発生さ
れ、それは次に利得媒質に向けて戻される。特に、イメージ手段の光学的特性は
、ビームの実像が寸法、角度および位置において再生成されて利得媒質を2度通
過するように選択される。リレーイメージ装置34は、その結果を達成すること
が
できるので、利得媒質内の変化する熱レンズによって生じる焦点の広がりとは無
関係に選択される。
リレーイメージの概念は従来は他の目的のために用いられていた。例えば、ハ
ント(Hunt)他の「ローパス空間フィルタリングおよびリレーイメージ化を介して
の自己集束の抑制」(Suppression of Self-Focusing through Low-Pass Spatial
Filtering and Relay Imaging)応用光学、第17巻、No.13、2053頁
、1978年7月1日を参照のこと。リレーイメージは、異なる倍率およびスペ
ーシングを持つ様々な多数の光学レンズ素子またはミラーを用いて作ることがで
きる。本願明細書のこの目的のために、項リレーレンズ装置(term relay lens s
ystem)は、光を集束するのに適した公知のいずれかの光学素子を含むようにされ
ている。図2示すような最も簡略化した配置は2つの同一のレンズ36および3
8を含む。それらのレンズの各々が焦点距離Fを持つと仮定すると、それらは2
Fの距離だけ離されていることになる。さらに、利得媒質14内のイメージ(物
体平面)と反射器(イメージ面)との間の距離Dは1対1の倍率を発生するよう
に4Fに等しくなる。その結果、リレーレンズの配置の最も基本的な等式は、
D=4F (1)
となる。そのレンズ対は利得媒質と反射器44との間に中心を置く必要はない。
ビームはレンズ36および38の間の点Pで集束される。さらに、ビームの中
間イメージが利得媒質14の長手軸線方向中央に存在するときに、そのイメージ
は反射器44に形成される。その中間イメージの倍率は1対1になる必要はない
。その中間イメージはそれからリレーレンズ組立体34と通って戻るように再び
向けられ、利得媒質14に戻されて再生成される。その時点では、その中継され
たイメージの寸法は元のイメージと同じでなければならない。上述の通り、その
イメージ面内の光線の角度及び位置は、媒質を通る第1通過の間その媒質を横切
る光線のと同一でなければならない。
減偏光の補正は、ビームが利得媒質に再び入る前に、90度そのビームの偏光
を回転することによって達成される。このような偏光回転を行うのに用いること
ができる光学素子は多数存在する。図2に示す配置においては、ファラデー旋光
器(Faraday rotator)46が用いられている。そのファラデー旋光器46はビー
ムの偏光をそこを通過する第1通過の際に45度回転するように機能する。旋光
器46はビームを戻り経路上でさらに45度回転する。
上述の通り、偏光を90度回転することによって、ロッドを通る第1通過の間
の放射偏光されたビームの成分が、第2通過の間に接線方向に偏光される。リレ
ーイメージ装置を用いことによって、両方向に進む光線の一致が最大化されて最
大の補正を達成することができるようになる。上述の通り、その結果は媒質内の
異なる熱レンズ効果を作る変わる熱負荷で達成することができる。
ビームが利得媒質を2度通過してしまうと、それは偏光器50、方向回転ミラ
ー52によって位相共役反射器18に向けられる。反射器18は上述のように機
能し、利得媒質内で作られた歪曲を持つビームの同位相波面を反転する。その構
成では、ビームの偏光は実質的に残ってしまうので、偏光器は位相共役レグ(pha
se conjugate leg)への有効カップラーとして機能する。さらに、高い偏光純度
により、反射器18の忠実度が高い状態に維持され、これにより、ビームが利得
媒質に戻るときに位相波面の歪曲がかなり修正されることが確実となる。その構
成では、ビームがその後利得媒質14を2回またはそれ以上通過する。ビームの
偏光はファラデー回転子によって2度回転されるので、それは偏光器50を通過
して偏光器56によって増幅器の外側に反射される。
本願発明に係る偏光補正装置は、ロッド形状の光学素子が存在すればどのよう
な状況でも用いることができると思われ、そのロッド形状の光学素子本来的に非
複屈折かまたは非複屈折に適応するものであるが、熱負荷の下に置かれると応力
複屈折を表すものである。本願発明は特にNd:YAG、Nd:YSGG及びN
d:ガラスまたは希土酸化物のドーピングされたYAGもしくはガラスのような
利得媒質における偏光補正に適すると思われる。以下に説明するように、リレー
イメージ装置を利用する本願発明に係る補正方法は、従来の応力複屈折補正方法
と同様に、ビームを、2つの異なるが実質的には同一のロッドを通過させること
によっても実行することができる。
図3及び図4は、本願発明の減偏光方法を用いる2つの別の位相共役増幅器構
造を示す概略図である。図3は図2に似た4通過構成を示す。図4は2通過構成
を示しており、そこでは、2つの別々の固体ロッドが用いられ、一方のロッドが
他方のロッドによって引き起こされた減偏光効果を補正するために用いられる。
最初に図3に示された増幅器110に戻ると、主発振器112がダイオードポ
ンピングされた固体レーザによって構成されている。その望ましい実施例におい
ては、発振器の共振器はリングの形状である。そのリングは2つの端部ミラーに
よって構成されるとともに、利得媒体、この場合にはNd:YAG、の端部の角
度付けされた反射表面を提供することによって画定される。この構成は、本願の
出願人に譲渡され、ここに参考として組み入れる1991年10月1日付けの米
国特許第5,052,815号に非常に詳細に明確にされている。音響光学変調
器(AO変調器)がQスイッチパルスを形成するために用いられる。そのAO変
調器は優先的損失を1方向に与えて、発振器112が単一方向に作動するような
光学的ダイオードとして作動する。単一周波数動作は、そのリング幾何学的形状
と通じて、さらに、Qスイッチを開く前のわずかなしきい値を越えて発振器を作
動することによって達成される。後者の予励特徴は、低出力の単一周波数ビーム
を用いてQスイッチレーザを促進する点にある。このように単一周波数動作を生
じさせる方法は、ブロムリー(Bromley)及びハンナ(Hanna)の「音響光学変調器を
用いるダイオードレーザのポンピングされたNd:YAGリングレーザの単一周
波数Qスイッチング作動」(Single Frequency Q-switched Operation of a Diod
e-Laser Pumped Nd:YAG Ring Laser Using an Acousto-Optic Modulator)光学通
信、16、378−380頁、1991年、に説明されている。単一方向作動の
理論はリード(Reed)及びバイスケル(Bischel)の「リングレーザにおける単一方
向装置としての音響光学変調器」光学通信、17、691−693頁、1992
年、に説明されている。
小さなリング構造により、発振器は約10ナノ秒の長さのQスイッチパルス出
力を発生することができる。そのパルスは1.06ミクロンの波長の25マイク
ロジュールのエネルギーを持つ。出力ビーム114は水平方向に直線偏光され、
約0.1mmのビーム直径を持つガウス形状である。
出力ビーム114はレンズ116及び118を用いて0.1mmのビーム直径か
ら拡大される。そのビームは次に8mmの開口122を持つプレー120を通過し
て1/e2の直径で切り取られる。その8mmの直径のビームは偏光ビームスプ
リッター126を通過してファラデー旋光器130に入り、そこでは、ビームの
偏光状態を45度回転させる。ファラデー旋光器130及び偏光器126の組合
せは光アイソレータとして機能して、反射光が再び発振器112に入ること及び
単一周波数作動を妨げることを排除し、また、以下に説明するように、戻り増幅
器ビームをレーザ増幅器連鎖から外れるように結合する手段を提供する。前進す
るビームは1/2波長板132を通過して偏光状態を水平面まで戻るように回転
する。
そのビームは次に真空空間フィルター組立体136を通過し、その組立体はレ
ンズ138及び140(それぞれ14.5cm及び10cmの焦点距離のもの)と開
口144(約380−400ミクロンの直径)を持つプレート142とを備える
。空間フィルター136は多数の機能を実行する。第1に、そのフィルターは、
ビームの直径を8mmから5.5mmに減少させるように機能する。上流では直径8m
mのビームはファラデー旋光器のような光学素子への損傷を最小化することが望
ましい。小さな下流での5.5mm直径によると、ビームは切り取られることなく
Nd:YAGロッド150の6.35mm(1/4インチ)の開口に結合すること
ができる。空間フィルター136は開口122のイメージをNd:YAGロッド
150の前表面152に中継するようにも機能し、これにより、増幅プロセスに
とって可能な限り「トップハット」(tophat)に近いようなビームプロフィールを
提供する。さらに、空間フィルター136は、出力ビームの軸線の近くまたは軸
線上の疑似逆反射から生じる光学的ダメージから高利得増幅器を保護する。その
空間フィルターは、開口122によって作られたビームのハードエッジも取り除
いて、高利得増幅器内の構成素子への光学的ダメージの可能性を減少させる。最
後に、空間フィルターは、増幅器の光学的ビーム経路内の開口でのわずかな切り
取りの結果存在する出力ビームの近視野ビームプロフィールから回折リングを除
去する。
その空間フィルターを出た後、ビーム114はミラー160及び162によっ
て向きが変えられ、増幅器セル164に向けられる。セル164はNd:YAG
ロッド150を含み、それは単一フラッシュランプ166によってポンピングさ
れる。別な例としては、ダイオードレーザを光学ポンピング源としてフラッシュ
ランプの代わりに用いることができる。Nd:YAGまたは同様な材料のため、
フラッシュランプのパルスは300マイクロ秒の長さである。フラッシュランプ
がトリガされると、ロッドの利得が確立される。150を越える単一通過の利得
がその増幅器セルに対し示された。フラッシュランプパルスの終りには主発振器
112からのパルスがトリガされ、増幅器に蓄積されたエネルギー(最大500m
J)を、以下に説明するように、それの4通過の間に取り出すことができる。主発
振器パルスの先端は優先的に増幅されるので、また、SBSの反射力の力学のた
めに、パルス幅は約4ナノ秒まで短縮される。
上述の通り、100Hzを越える繰り返し率でこのレーザを作動させることが
望ましい。このレベルでは、平均出力の約4キロワットがフラッシュランプ16
6によって消費される。この量の出力ではロッド150内にかなりの熱応力複屈
折を発生させ、それは波面を歪曲するとともにビームを減偏光する。
図2に示すのと同様な方法において、ロッドを出る減偏光ビームはリレーレン
ズ組立体170を通過する。このリレーレンズ組立体は2つの同一のレンズ17
2、174を備える。それらのレンズの典型的な焦点距離は15cmで30cm離さ
れている。それらのレンズは真空にされているセル176の端部に密閉的に取り
付けられている。ビームはセル内に焦点を結ぶので、その焦点を真空内に配置し
て空気が分解しないようにすることが望ましい。リレーレンズ組立体170は、
Nd:YAGロッド150の中央の平面の中間イメージをポロプリズム180の
平面に出力する。
リレーレンズ組立体の出力は波長板182を通過して、ポロプリズム180に
よって反射される。別の例では、等価な光学的構成のミラー及びファラデー旋光
器を用いることができる。ポロプリズム/波長板(またはファラデー旋光器/ミ
ラー)の主な機能はビームを逆反射するとともにそのビームの任意の偏光状態を
90度回転することにある。波長板と組合せてポロプリズムを用いて偏光状態を
90度回転させることは当業者に知られている技術である(ジェイ・リチャーズ
(J.Richards)の「偏光結合レーザにおける複屈折補正」(Birefringence compens
ation in polarization coupled lasers)応用光学、第26巻、No.13、2
514−2517頁及びそこでの参考文献を参照のこと)。反射された
ビームは、レンズ組立体170によって再びポロプリズム180の平面からロッ
ド150の中央に向けて中継イメージ化される。第1通過の際のロッドのイメー
ジとその中継されたイメージとの間の倍率は1対1である。中継されたイメージ
のその単一の倍率により、ロッド内での第1及び第2通過光線の最大の一致が確
実になる。我々はそのロッドが良好な減偏光補正を得るための重要な素子である
ことを発見した。
反射ビームの偏光状態が、90度回転されてリレーイメージ化することなく同
一の(または等しくポンピングされた)利得媒質を戻って通過する場合には、第
2の通過の出力ビームは、我々の研究所で確認したように、3.5kwポンピング
レベルで15%の減偏光率を持つことができる。しかし、リレーイメージ化の技
術を用いて、我々は、3.5kwポンピングレベルで1.3%より小さな出力ビー
ムの減偏光率を確認することができた。その減偏光率は平均的ポンピング出力の
2kwでは0.4%より小さな値になる。偏光率のこれくらいの大きさの改善は、
われわれが、リレーイメージ化技術を用いて第1及び第2通過の光線をできる限
り接近するように整合したという事実によるものである。偏光比率が1%程度ま
たはそれより小さいという事実は位相共役レーザ装置の良好な作動のためには重
要なことである。
ポロプリズム反射器の二次的な機能は、ロッドを通る第1及び第2通過と第3
及び第4通過との間でビームのイメージを反転することにある。イメージ反転を
用いると、いくつかの追加的な及び驚くべき結果を得る。より詳しく述べると、
多くの増幅器構造においては、単一のフラッシュランプは利得媒質の片側に配置
されている。この構成では、利得媒質の一方の側が他方の側より過酷にポンピン
グされる傾向があり、これは、ビーム内に強度の不均一または非対象分布を作る
。ビームのイメージが媒質を通過する第2通過時に反転されると、より小さい程
度に増幅されたビームの部分が、より大きな利得の領域を通過するので、2重通
過ビームの放射強度は均一になる。
後者に至る及び後者自体の結果は予測できたが、ビームがロッドの本質的に同
一の領域を通過し、これにより、第1通過の際に複屈折により生じた減偏光が第
2の通過の際に補正されることは重要であるので、そのような幾何学的構成を現
在の構成に利用することができる、ということは明らかではなかった。媒質の一
方の側が他方よりも過酷にポンピングされていることがわかっていたので、熱的
に誘起された複屈折が媒質の両側において似ているであろうということは明らか
ではなかった。実際、エネルギーをビームに移動するための利得分布には不均一
さが存在するが、それにもかかわらず、熱的に誘起された応力複屈折の分布には
実質的に放射状の均一性が存在する。その応力複屈折の放射状均一性は、その応
力複屈折は最初から最後までずっと作られ、ポンピング構造よりも冷却構造に依
存する定常状態現象であるという事実によると考えられる。これに対し、非均一
のポンピングエネルギー分布は、媒質が励起状態にあるときの短い間だけに存在
する。従って、イメージを反転することにより、確実に、望ましい高レベルの偏
光補正を維持する間にビームの強度をより放射状に均一にすることが可能になる
。
ビーム経路の他の部分は図2に示すものと似ている。特に、ビーム114はス
プリッター186及び反射器188によって向きを変えられてレンズ189によ
って位相共役ミラー190(PCM)に集束される。位相共役ミラー190はS
BSセルからなる。その望ましい実施例においては、SBSセルは二硫化炭素(c
arbon disulfide)が充填された透明の長いチューブによって形成される。上述の
通り、PCM190はビームの波面を反転して、ビームがロッド150に戻るよ
うに通過したときにその波面歪曲が補正される用に機能する。そのビームはロッ
ド150、リレーレンズ組立体170及び反射戻しプリズム180を通過して戻
る。ロッドの4番目の通過は、ロッドの3番目の通過により誘起された減偏光を
補正する。上述の通り、ポロプリズムはビームのイメージを反転して放射状強度
をより均一にする。
ビームが4度ロッドを通過すると、それは偏光器186を通過して反射器16
2および160によって向きを変えられ、空間フィルター136、波長板132
およびファラデー旋光器130を通過する。波長板132およびファラデー旋光
器130の組合せは、偏光を90度回転させ、そしてビームが偏光器126によ
って4通過増幅器ビームラインの外側に結合される。偏光器126、ファラデー
旋光器130および波長板132の組合せは、1000:1より大きな減衰率を
持つアイソレータとして機能して発振器112へのフィードバックを
最小化する。
上述の装置を用いて、我々は、近回折限界フラットトップビームプロフィール
(near diffraction-limited flat-topped beam profile)において100Hzの
繰り返し率で平均出力の40ワットより大きなものを達成した。レーザライン幅
の詳細な測定は実行しなかったが、そのライン幅は変換限界であったと信ずる。
フレオン(Freon)113をSBS媒質として用いたときに、約500ピコ秒の立上が
り時間の鋭利な先端を持った約3−4ナノ秒FWHMのパルス長さが観察された
。システム減偏光はフラッシュランプへの平均出力の必要な2.8kwに対する
1%より小さかった。平均出力作動はファラデー旋光器130の表面上の光学コ
ーティングの損傷によって限定された。
図3に示す構成はシステムの繰り返し率を最大化する一方、8mmのビーム直径
内に400mJより小さなパルスエネルギーを維持するためには最適である。パ
ルスごとに高エネルギーが望まれる場合には、図4に示す装置210、つまり、
2つの別々のロッドを利用する装置が望ましい。
図4に戻ると、主発振器112がパルス化出力ビーム214を発生するために
提供されている。ビーム214はレンズ216、半波長板218およびファラデ
ー旋光器220を通過する。ビームは次にレンズ222および開口226を持つ
プレーと224を通過する。図3の素子のように、レンズ216、222および
開口226は組立体としてビーム直径を拡大して次に1/e2直径でビームを切
り取るように機能する。半波長板218およびファラデー旋光器220は図3に
示す実施例と同様な方法により光学アイソレータとして機能する。
ビームはそれから反射器228および230によって向きが変えられ、偏光器
232を通過して真空空間フィルター組立体236に入る。図3の実施例と同様
に、空間フィルター組立体は一対のレンズ238および240と開口244を持
つ内部板242とを通過する。その空間フィルターは上述と同様に機能する。
図4の実施例においては、増幅器ヘッド246が一対のレーザロッド248及
び250を備えている。両方のロッドとも同一のフラッシュランプ252によっ
て励起される。各ロッド248または250の両端部は約2.3度の角度でくさ
びにされている。ロッドは、それらのくさびが反対になっていて入射面が水平方
向になるようにセル246に取り付けられている。光線が各ロッドの中心を通る
ように導かれて反射器26に向かって伝達されると、それはロッド表面で屈折し
てセル246から約25cmの点で交差する。その交差点は反射器260用の位置
を形成する。
ロッド248及び250は概略同一で、単一のロッドの場合に対し上述したよ
うに、適当な減偏光補正を保証しなければならない。その要求は、ロッドは実質
的に同一の寸法を持つとともに実質的に同一の不純物濃度を持つということを保
証することに限定されると思われる。同一結晶ボウル(boule)の同一の領域から
2つのロッドを取り出すこと、または同一のボウルからロッドを選択することの
ような同一性を保証するためにより長いものにする必要はないと思われる。
ビームが第1ロッド248を通過して出た後、それは曲面反射器260によっ
て第2のロッド250に戻るように向けられる。レンズ対262及び264並び
に曲面反射器260は本願発明のリレーイメージング組立体を構成する。前述の
実施例の場合と同様に、リレーレンズ組立体または望遠鏡は、ビームがロッド2
48の長手軸線方向中心に存在するときに、そのビームのロッド250内のイメ
ージを作るように機能する。ロッド248の中心にある面はレンズ262によっ
て拡大されて反射器260に中間イメージを形成する。反射器260での面はそ
の後再びイメージ化されて(そして正確に元の寸法まで縮小されて)、レンズ2
64及び反射器260を用いてロッド250の中心の面に入る。レンズ262及
び264の典型的な焦点距離は7cmで、ミラー260の典型的な曲率半径は10
cmである。それらのレンズとミラーとの間の空間は約17cmである。その空間は
、ビームがポンピングされていないロッドの条件でのロッド250に入る場合に
そのビームに約1m(膨脹の)曲率半径を与えるように構成されている。これに
より、部分的に補正されるポンピング条件でのロッドによる熱レンズ化が可能に
なる。
リレーイメージングによって、ビームがロッド248及び250の間で2度焦
点に達することができる。それらの2つの焦点は真空セル270内に形成されて
空気の分解を防ぐ。そのリレーイメージング組立体は図3に示すポロプリズムに
関連して説明したように、空間利得プロフィールの合成平滑化されたイメージ反
転も作る。
ロッド250に入る前に、ビームの偏光状態は旋光器(光回転子)272を用
いて90度回転される。それらのロッドが上記の通り実質的に同一である場合に
は、ロッド248によって誘起されたビームの偏光はロッド250のビームの通
過によって補正される。この構成のため、我々は、ロッド250の出口の減偏光
率はランプへの4.0kwの出力の0.4%より小さいことを確認した。そのポン
ピング出力では、単一ロッドの減偏光は本願発明に係るリレーイメージング技術
を用いない限り50%を越えないであろう。
ロッド250を出るビームは1/4波長板274を通過し、次にレンズ276
によって位相共役反射器278に集束される。PCM278は上述のように二硫
化炭素(carbon disulfide)から作ることができる。図4に示す構成においては、
減偏光補正は、1/4波長板276を用いて増幅装置を通過する第2通過に対し
90度偏光状態を回転することができ、さらに、偏光器232がビームを戻りビ
ーム経路の外側に結合することができる程度完全である。
上述の実施例と同様に、位相共役反射器278はビームの波面を反転する。そ
のビームは次に増幅器セル246に戻され、そこでは、それはロッド250、旋
光器272及びリレーレンズ264、262を通過する。それからそのビームは
ロッド248を通過し、そこでは、ロッド250の通過により誘起されたビーム
の偏光が補正される。
ビームは次に偏光器232に向けられ、そこで、それは増幅器の外側に反射さ
れる。増幅された出力パルスは直接用いられるかまたは二倍器290または三倍
器292のような様々な非線形素子を通過する。
上述の通り、リレーイメージ装置は、1対1の倍率を持つように構成されるこ
とが重要であり、それにより、リレーされたイメージが最初の通過に関するロッ
ド内のビームの寸法と同一となる。図5は、その関係が観察されない場合に減偏
光レベルがどのように劇的に増加することができるのかを示す。そのデータは図
4に示す構成を持つ増幅器から得た。
図5は、水平軸線が倍率(1対1を表す1.00を持つ)のレベルに対応する
。垂直軸線は倍率が変化した場合に生じる減偏光のパーセンテージに対応する。
曲
線Aは利得媒質の単一の通過の後の減偏光の測定値である。曲線Bは、利得媒質
を2度通過した後に生じる装置の減偏光のより重要なパラメータを示す。
明らかであるが、装置の減偏光は、倍率が実質的に1対1の場合に最小になる
。1対1倍率レベルが約6パーセントだけ変化すると(例えば、0.94)、装
置の減偏光は約1パーセントから4パーセントまで上がる。従って、倍率の10
パーセントより小さな変化は減偏光を4倍することができる。
減偏光を最小化する際の最も重要な要因は倍率レベルのこの1対1制御である
ことがわかっている。増幅器が一定の出力レベルで作動したとすると、リレーイ
メージ装置を用いることなくこの1対1の倍率を作ることは可能である。しかし
、リレーイメージ装置は、入力パワーの広いダイナミックレンジにわたって望ま
しい1対1の倍率レベルを維持するためには理想的である。
この目標を達成するためにリレーイメージ装置の素子の設計には十分な融通性
が存在する。しかし、性能を最適化するためには、ある基準を考慮すべきである
。例えば、低い繰り返し率及び出力レベルでは、ロッドに形成された正熱レンズ
は小さい。リレーイメージ装置は十分な負の集光力を追加して、ビーム出力のい
ずれも低負荷条件のロッドの開口によって切り取られないようにすべきである。
図6は図4の実施例の2つのロッド248及び250の横断ビームプロフィール
の図である。明らかに、低出力では、ビーム214はロッドを出た後に直ぐに広
がる。これに対し、最大出力負荷ではビームは狭まる。しかし、ロッド内では、
ビームプロフィールはいずれの負荷条件でも非常に似ている点に注意すべきであ
る。ビーム発散はロッドの異なる外側であるという事実は位相共役反射器によっ
て修正することができる。
その構造は100Hzの繰り返し率での4.0kwのランプの平均ポンピング出
力の0.5%より小さな増幅出力ビームの減偏光率を達成できることが確認でき
ている。そのポンピングレベルでは、平均出力の約45ワットを増幅器から取り
出すことができる。レーザの平均出力は、ランプへの平均出力を増加することに
よって、100Hzで約40Wまで増加することができる。現時点では、100
Hzでのその装置の平均出力は、高出力レベルでのロッド248の出力表面のコ
ーティングの破滅的な光学的ダメージのために、約65ワットまでに制限され
る。この光学的ダメージは、10Hzの繰り返し率では、または同一のなめらか
さレベルを経験するレンズ240上では観察されない。しかし、コーティング技
術の改善はその限界を取り除くであろう。出力ビームは非常に副次的な回折特徴
だけを持つ近回折限界のトップハットプロフィールを有する。そのビームプロフ
ィールは、繰り返し率(ランプへの平均出力負荷)の変化とともにかなり変化す
るというわけではない。二硫化炭素を用いると、時間の経過のパルス幅は約5−
6ナノ秒の持続時間で、平滑プロフィールを持ち、さらに、約1ナノ秒の立上が
り時間の急峻な端部を持つ。パルス線幅はそのパルス形状の変換限界となると思
われる。
その実施例を用いると、低繰り返し率で増幅器から取り出された最大の単一パ
ルスエネルギーは、約55ジュールのフラッシュランプ入力エネルギーに対し1
ジュールであった。一度装置を高出力繰り返し率で最適化すると、その結果を得
るために光学素子への調節は不要であった。他のすべての光学パラメータは上述
のものと実質的に同じままである。
リレーイメージ装置の光学素子の選択には融通がきくが、リレーイメージを作
るのに用いた光学素子の間の空間は補正ビームの減変更の最小化の重要な基準と
なる。図3及び図4に示されたより複雑な配置においては、リレーイメージ化を
達成するために2つのことなる構造が用いられている。図3の4通過増幅器の例
では、図2に示されたものと同様な2レンズ構造が用いられている。しかし、ポ
ロプリズム180でのロッド152の中心の中間イメージは約2の係数倍拡大さ
れており、これにより、ポロプリズムへの光学的損傷が最小化される。(上述の
ように、中間イメージは、イメージがロッドに戻る前に縮小される限り1より大
きな倍率を持つことができる。)M倍拡大された中間イメージを配置する一般的
な問題に関し、物体平面(ロッドの中心)とイメージ面(ポロプリズム180の
位置)との間の空間Dは、以下の式から算出することができる。
D=(M+1)[(M+1)f−(M−1)D1] (2)
ここで、fはレンズ172の焦点距離、(M×f)はレンズ174の焦点距離
、D1は物体平面からレンズ172までの距離、(M+1)fはレンズ172及
び174の空間である。中間イメージの倍率が1対1である場合には、中間イメ
ー
ジの位置は式(1)で上述したのと同じである。式(2)は空気(約1の屈折率
を持つ)内のイメージ面の位置を修正するものである。図3に示す実施例におい
ては、ロッド152の中心は、約1.72の屈折率を持つNd:YAG結晶の約
6.4cmを通過してポロプリズム180にイメージ化される。イメージ面の正確
な位置は当業者に公知のABCDマトリクスを用いて容易に計算することができ
る。
図4に示す2通過増幅器の実施例は、異なるリレーイメージか構造を利用する
。一般的に、無数のレンズまたは曲面ミラーを用いてどのような距離でもイメー
ジをリレーすることができる。図4の2レンズ、1ミラーの構成は3レンズ構成
と等価である。式(3)は物体平面と3レンズを含むリレーレンズ組立体に関す
るイメージ面との間の距離Dを与え、3レンズの内の2つは同一で、イメージの
倍率は単一である。
D=4f0+4f1+(f1 2/f0) (3)
ここで、f1は同一レンズ(図4の262及び264のようなもの)の焦点距
離、f0は第3のレンズつまりミラー(例えば、図4のミラー260)の焦点距
離であり、そのミラーは各レンズからのf1+2f0の距離で、2つの同一レンズ
(レンズ262及び264)の間に配置されている。上述のように、物体平面が
屈折率が互いに異なる光学的物質(例えばNd:YAGロッド)を通過してイメ
ージ化されると、イメージ面の正確な位置を当業者は容易に計算することができ
る。また、レンズまたはミラーの任意の数に関する式(3)の一般化も当業者に
よって計算することができる。
リレーイメージ組立体内の素子の注意深い調整及び配置は減偏光率を最小化す
るためには重要である。実際には、反復整合工程を用いて位相共役ミラー278
に入る増幅器発振器ビームの減偏光率を最小化する。図4を参照すると、減偏光
率はロッド250の後で計測される。最小値はレンズ262ごとのロッドからの
軸線距離が変化するときにわかるが、レンズ264の水平及び垂直位置は反復さ
れる。減偏光率におけるその最小値は典型的には100Hzの繰り返し率での3
.5kwのフラッシュポンプのポンピング出力の0.5%より小さい。1%より
小さな減偏光率を達成することは、図3及び4に示す増幅器システムに対して観
察
されるように、位相共役ミラーによる反射に続いて良好な位相前面再構成を得る
ためには重要である。
本願発明を望ましい実施例に関連して説明したが、請求の範囲で画定される本
願発明の範囲及び意図を逸脱することなく当業者によって様々な変更及び修正を
行うことができる。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 ニーガス、ダニエル・ケイ
アメリカ合衆国、カリフォルニア州
94020、ラ・ホンダ、ルート 3、ボック
ス 20
(72)発明者 フランジニアス、ジョージ
アメリカ合衆国、カリフォルニア州
94544、ヘイワード、オカーラ・ストリー
ト 2571
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 レーザビームがロッド形状の光学素子を通過する際に、該光学素子で熱的に 誘起された複屈折によって引き起こされるレーザビームの減偏光効果を最小にす るための装置であって、 前記光学素子を通過するビームをイメージ化するリレーイメージ手段であっ て、前記イメージが該光学素子にまたは実質的に同一の光学素子である他の光学 素子に戻るように向けられ、その間、前記ビームの位相及び前記イメージ内の前 記ビームの光線の角度・位置を維持し、該リレーイメージ手段の倍率が実質的に 1対1であるリレーイメージ手段と、 前記ビームが前記光学素子または前記他の光学素子に戻るように向けられる 前に、前記ビームの偏光を90度回転し、これにより、熱的に誘起された複屈折 を補正し、前記ビームの減偏光を最小化する回転手段とを備える装置。 2 請求項1の装置において、さらに、前記ビームが前記光学素子または前記他 の光学素子に戻るように向けられる前に、前記ビームを反転する手段を備える装 置。 3 レーザビームがロッド形状の光学素子を通過する際に、該光学素子で熱的に 誘起された複屈折によって引き起こされるレーザビームの減偏光効果を最小にす るための装置であって、 前記光学素子からでたビームを前記光学素子に戻るように反射するために配 置された反射手段と、 前記光学素子と前記反射手段との間に配置されたリレーイメージ手段であっ て、前記ビームの位相及び前記イメージ内の前記ビームの光線の角度・位置を維 持する間に、光学素子への戻りビームを再イメージ化し、該リレーイメージ手段 の倍率が実質的に1対1であるリレーイメージ手段と、 前記反射手段と前記光学素子との間に配置されて前記ビームの偏光を90度 回転し、これにより、前記ビームが前記光学素子を通過するときに作られるビー ムの減偏光を、前記ビームが前記光学素子を通過して戻るように反射されたとき に補正する回転手段とを備える装置。 4 レーザビームが第1及び第2の実質的に同一のロッド形状の光学素子を通過 する際に、該光学素子に熱的に誘起された複屈折によって引き起こされるレーザ ビームの減偏光効果を最小にするための装置であって、 前記光学素子の間に配置されていて前記第1光学素子を通過したビームを前 記第2光学素子に再イメージ化し、その間、前記ビームの位相及び前記イメージ 内の前記ビームの光線の角度・位置を維持するリレーイメージ手段であって、該 リレーイメージ手段の倍率が実質的に1対1であるリレーイメージ手段と、 前記光学素子の間に配置されて前記ビームの偏光を90度回転し、これによ り、前記ビームが前記第1光学素子を通過するときに作られるビームの減偏光を 、前記ビームが前記第2光学素子を通過するときに補正する回転手段とを備える 装置。 5 少なくとも1つのロッド形状の利得媒質を含む増幅手段と、 励起パラメータの範囲にわたって前記利得媒質を励起する手段であって、前 記励起が前記利得媒質の熱的複屈折効果の範囲も生成する励起手段と、 パルスレーザビームを発生する手段と、 反射ビームの波面を反転する位相共役反射手段と、 前記増幅器手段を通過するように前記パルスレーザビームを指向して前記パ ルスを増幅する指向手段であって、前記増幅されたパルスが前記位相共役反射器 に指向され、前記位相共役反射パルスが前記利得媒質を通って戻るように指向さ れ、これにより、前記パルスがさらに増幅され、さらに収差が修正される指向手 段と、 前記利得媒質の熱的な複屈折効果が変わるために前記増幅手段に発生するビ ームの減偏光を最小化する補正手段であって、前記利得媒質を通過するビームを イメージ化するリレーイメージ手段を含み、前記イメージが前記利得媒質にまた は他の実質的同一の利得媒質に戻るように指向され、その間、前記ビームの位相 及び前記イメージ内の前記ビームの光線の角度・位置を維持し、前記リレーイメ ージ手段の倍率が実質的に1対1であり、該補正手段がさらに前記ビームの偏光 を90度回転する手段を有し、これにより、熱的に誘起された複屈折を補正し、 さらに、前記ビームの減偏光を最小化して励起レベルの範囲にわたって前記位相 共役反射器の忠実度を最大化する補正手段とを備えるレーザ 増幅装置。
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