【発明の詳細な説明】
係留手段
本発明は、水の上に浮かぶ船のための係留に関する。
従来の係留は、ベースを有し、そのベースが海底に固定され、所定長さの鎖あ
るいはそれに類するものの一端が係留装置に固定され、その鎖の自由端が係留ラ
インに固定され、必要であれば、船の係留ラインに装着するために、鎖の自由端
がブイにより水面上に支持してある。船の係留ラインをケーブルに装着すれば、
ベースと鎖とは、係留装置から船が引き離されるように移動することを防止する
ように作用する。鎖の機能は、水の状態の結果により船が係留装置から離れる方
向に移動することにより生成される内部負荷を提供し、ベースによる抵抗に加え
て、船により加えられる力に対する反力を提供することである。船により与えら
れる負荷が増大するにつれて、鎖が海底から持ち上げられる。船により最大負荷
が印加された場合には、鎖は海底から自由状態に持ち上げられ、鎖の負荷は、ベ
ースに対して十分に印加される。このような装置は、アンカーロープの一端に装
着してある所定長さの鎖を具備する従来のアンカーの場合でも関連しており、そ
の鎖は、係留状態で船により印加される負荷の少なくとも幾分かを吸収するよう
に作用し、いくらかの内部負荷を吸収するように作用する。
上述した装置の困難性は、極限状態下での船の自由な動きを許容するために係
留装置間で提供されるように要求される空間の量に関連する。そのような係留は
、風や潮や波の変化の結果、係留装置回りに船が振れ動くという困難性を生成し
、係留中に鎖が海底の上を引き吊り回されることになる。係留ベース回りの海底
の侵食は、鎖が引き吊り回される範囲に存在する、いくつかの海草、珊瑚および
その他の海中生物を破壊するように作用する。この侵食はまた、海底の継続的な
攪乱を引き起こし、その攪乱のために、海底に存在していた沈澱物、栄養分およ
び汚染物の水中への浮遊を引き起こすことになる。
本発明の目的は、係留手段へ印加される内部負荷を吸収することができ、しか
も、極限状態下での係留された船の動きの結果、係留手段へ印加される負荷を許
容することができ、しかも、係留装置回りの範囲における海底の攪乱の度合を低
減することができる係留手段を提供することである。
本明細書において、「海底」の語は、全ての水環境での全ての水中の底部を含
むような意味である。
本発明の一形態として、海底に位置するベースに対して装着するように適合さ
れた滑車と、船の係留ラインに一端が接続され、前記滑車に受けられるケーブル
と、係留のために予想される負荷を許容するために十分な浮力を持ち、前記ケー
ブルの他端に装着される第1ブイとを有する係留手段が提供される。
好ましい態様としては、前記滑車とケーブルの一端との間のケーブルには、第
2ブイが装着してある。
好ましい態様としては、前記第1ブイは、前記ケーブルに対して連続的に装着
された複数の浮力要素を有する。さらに、少なくともいくつかの浮力要素の浮力
は、前記滑車から離れるに従い増大するようになっていることが好ましい。
好ましい態様としては、前記ケーブルの他端に固定してあるロッド要素上に前
記浮力要素が支持してある。このロッド要素の長さは、浮力要素を組み合わせた
長さよりも大きく、浮力要素がロッド要素に沿って滑動自在であり、その一つの
第1浮力要素がロッド要素に沿った滑動移動の範囲が制限されていることが好ま
しい。
さらに好ましい態様としては、前記第2ブイが、ケーブルに沿って支持された
複数の浮力部材を有する。さらに好ましい態様としては、その浮力部材は、相互
に離間して配置され、各浮力部材の中間に位置するケーブルに重りが装着してあ
る。
本発明は、以下の特定の実施例の観点から、より十分に理解されるであろう。
その説明は、添付図面を参照にして行われる。
図1は第1ブイが断面に現れるところの本発明の実施例に係る係留手段の非装
着モードの概略図、
図2は係留された船に装着されたときの第1ブイの正面図、
図3は第2実施例の概略図、
図4は保持ラインを示す第3実施例の部分概略図、
図5は第2ブイの変形例を持つ第4実施例の概略図である。
本実施例に係る係留手段は、ベース11に装着されるように意図してあり、ベ
ース11は、海底に設置してある。ベースは、十分な質量を持つ適切な手段から
成り、たとえば従来からのアンカーであっても良く、それには所定の長さのアン
カー鎖が装着してあり、係留手段がアンカーから離れた鎖の端部に装備してある
。
実施例に係る係留手段は、滑車12を有し、その滑車12は、ベース11とケ
ーブル13とに装着してあり、ケーブル13は滑車を通して受けられている。滑
車12は、軸支または回り継手を介してベース11に装着してある。ケーブルの
一端は、目14の様に形成してあり、そこに船の係留ラインの装着が容易になる
ようにしてある。ケーブル13の他端は、第1ブイ15を有し、そこに固定して
ある。
第1ブイ15は、目を持つ拡径されたロッド16を有し、ケーブル13の他端
に固定してあるその下方端部に装着してある回り継手17に連結してある。ロッ
ド16の他端には、環状停止板18が具備してある。ロッド要素16は、一対の
浮力要素19,20を滑動自在に支持し、浮力要素は、ロッド16に沿って直列
に並んで装着してある。ロッド16の長さは、浮力要素19,20を組み合わせ
た長さよりも長くしてあり、しかも、これら浮力要素は、ロッド16に沿って滑
動が可能になっている。第2停止板22が、第1および第2浮力要素19,20
のそれぞれ中間位置のロッドに装着してあり、第1浮力要素19がロッド16に
沿って滑動する度合を制限するように作用する。第1浮力要素19は、筒状形状
を有する。
第2ブイ23は、滑車12と目14との中間位置のケーブルに装着してある。
第2ブイ23は、ロッド形状となるように成形してあり、その内部にロッドを持
ち、ロッドがブイの内部を延び、ケーブル13に対して両端が固定されるように
なっている。第2ブイ23は、第1ブイ15よりも浮力が小さくなっている。そ
の結果、無負荷状態では、第2ブイは水没し、滑車12と第1ブイ15との間で
のケーブル部分に高い位置に位置する。
使用に際して、船の係留用轡がケーブル13の目14に固定された場合に、ケ
ーブル13に最初に印加される負荷は、第2ブイ23と第1浮力要素19とによ
り最初に消散されるであろう。この消散は、第2ブイがケーブル13に近い垂直
位置から引き離す方向に引っ張られ、そして水中下に引っ張られることにより達
成される。さらに、第1浮力要素もまた、制限された限度まで水中下に引き込ま
れるであろう。係留ラインにより加えられる負荷が増大するにつれて、滑車12
と目14との間のケーブル部分は真っ直ぐになろうとする傾向にある。第1要素
19の水没の結果、第1ブイ15により作用する相殺力は増大するであろう。い
ったん第1浮力要素19が完全に水没すると、その浮力要素により作用する相殺
力は一定を保持し、相殺力のさらなる増大は、第1ブイの第2浮力要素20によ
り達成されるであろう。さらなる相殺力は、第1停止板18が第2浮力要素20
の上面に係合する程度までロッドが下方移動し、それによって、第2浮力要素を
水中下に引き込むことになる時にのみ実現されるであろう。
第1ブイにより供給される浮力の度合は、最も最悪の状態下で特別に係留され
る際に要求される予想負荷を許容できるために十分であり、その極限状態の結果
、第1ブイが完全に水没する。そのような状態の事象では、滑車に係合させるよ
うに、しかも第1ブイに対するケーブルの装着を実現するための回り継手および
目の組立体へのダメージを防止するように、ロッド要素16との接合部近くのケ
ーブル13に沿って適切な停止部材が装着されても良い。
干潮状態では、第1ブイは水の表面に浮かんでおり、第2ブイ23が沈没して
滑車12と第1ブイ15との間のケーブル13の近くに位置するであろう。満潮
状態では、第1ブイ15がブイ23を滑車13の近くに引っ張るように動作する
であろう。
上述した実施例の作用は、従来からの係留ラインおよび鎖により従来から適用
されているものと同じ係留ラインを通しての懸垂策を提供するが、本発明では、
係留システムと海底との間が非接触である。このことは、海底の侵食がないこと
と、係留付近での海底生育物の破壊もないことになり、その結果、係留の動作に
よっては、海底から水中への、沈澱物、栄養物および汚染物の導入もないことに
なる。
第1ブイ15を構成する浮力要素の数は、浮力の度合を増減するために変化さ
せても良い。また、この係留手段に装着される係留された船によりケーブル13
に作用する負荷に対する第1ブイ15により印加される相殺力の非線形増大を実
現するような形状を含む如何様な形状にも、浮力要素の形状は改変され得る。
第3実施例によれば、第2ブイ23は、ケーブル13に沿って列状に配置され
た多数の浮力部材を有しても良く、それらは表面に浮かぶことができるようにな
っている。その結果、係留ラインからケーブル13に負荷が加わる際に、それら
の浮力要素のそれぞれは、順次沈んでいき、船により加えられる負荷に適合する
反力の漸次増大を実現させる。第2ブイのこのような変形例は、図5に示され、
図5において、浮力部材25は、ケーブル13に沿って所定間隔で位置し、そし
て、重り26が各浮力部材25のそれぞれの間の途中位置でケーブルに装着して
ある。無負荷状態では、重り26により作用する付勢力は、浮力部材25を相互
に近接させる位置関係に引っ張るように作用する。係留された船によりケーブル
13に対して何らかの負荷が作用した場合には、第2浮力部材が沈み込む前に、
最初に、第2浮力部材25相互を分離させるように、重りにより加えられた付勢
力を相殺させるように作用する。
各実施例において、ケーブル13は、あるブイあるいはその他のブイからケー
ブルを外し、滑車を介してケーブルを引っ張ることにより、海中生育物の清掃が
容易である。
悪天候下では、係留能力を増大させるために、第1ブイには、その他の付加的
な浮力要素を加えても良い。
従来例に係る係留に対し、上述した実施例の浮力係留手段を比較すれば、次に
示す利点が提供される。
1.海底上部で、係留ラインの全ての吊り下げ組立体を保持するように作用す
る第1ブイに対して、第2ブイにより相殺力が提供される。その結果、係留の回
りで、何等の部品も放射移動しない。このことは、海草へのダメージを最小限に
すると共に、海底の沈澱物への妨害も最小限にするように作用する。
第1実施例の変形例であり、図3に示す第2実施例によれば、第2ブイ23と
ケーブルの一端との間のケーブル13の部分が、剛性または半剛性ロッド30に
より置き換えられてあり、そのロッド30は、その外端部に目14を有すると共
に、フロート31を有し、目14が水面上に保持され、係留の取り替えが容易に
なっている。
図4に示す第3実施例では、第1および第2実施例の係留手段に、保持ライン
32が具備してあり、その保持ライン32が、滑車上または好ましくはベース1
1上に具備された目33と、第2ブイ23の下方端部との間に固定してある。保
持ライン32は、最悪の状態で第1ブイ15が完全に沈み込むことを保持ライン
により防止できるように、所定の長さを有している。保持ライン32には、その
中間長さ位置に、小さなフロート34を具備してあり、それが弛んでいる時に、
海底および滑車から離れるように、保持ラインを支持するようになっている。
2.第1ブイは、それに加わるどの様な負荷に対しても継続的な反力を生成す
るように作用し、係留された船が最大限に揺れ動いて、係留ラインおよびケーブ
ル13が十分に引っ張られた場合にのみ、第1ブイの全浮力により打ち勝つよう
に成っている。
3.係留された船により生成される内部力および負荷が減少するにつれて、第
2ブイにより供給される反力は、第2ブイを第1ブイの近くの位置に向かう位置
へ移動させるように作用し、したかって船の揺れ空間を回復させるように、中心
合わせ効果を奏する。
4.本実施例の係留手段は、重い鎖を用いた従来のものよりも軽量である。
5.本実施例は、従来のものに比べ、要求される接合部分が少なく、摩耗部分
も少ない。
本発明の範囲は、上述した実施例の特定の範囲に限定されるものではないこと
が理解されるであろう。また、海底または海の状態に関する上述の全ての引用は
、海以外のその他の水環境に対しても適用されることができることが理解される
であろう。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項
【提出日】1995年11月14日
【補正内容】
(第2頁〜第4頁の差替え)
係留ベース回りの海底の侵食は、鎖が引き吊り回される範囲に存在する、いくつ
かの海草、珊瑚およびその他の海中生物を破壊するように作用する。この侵食は
また、海底の継続的な攪乱を引き起こし、その攪乱のために、海底に存在してい
た沈澱物、栄養分および汚染物の水中への浮遊を引き起こすことになる。
本発明の目的は、係留装置へ印加される内部負荷を吸収することかでき、しか
も、極限状態下での係留された船の動きの結果、係留装置へ印加される負荷を許
容することができ、しかも、係留装置回りの範囲における海底の攪乱の度合を低
減することができる係留装置を提供することである。
本明細書において、「海底」の語は、全ての水環境での全ての水中の底部を含
むような意味である。発明の開示
本発明によれば、浮遊する船を係留するための係留装置が提供され、その係留
装置は、
海底に位置するベースに対して固定するように適合された滑車組立体と、
前記滑車組立体に受けられたケーブルと、
前記滑車組立体の一方の側から延びるケーブルの第1長さ部に接続され、ケー
ブルへの無負荷状態では、水面上に浮かぶように適合してある第1浮力部材と、
前記滑車組立体の他方の側から延びるケーブルの第2長さ部に接続され、前記
第1浮力部材よりも小さな浮力を持つ第2浮力部材であって、ケーブルへの無負
荷状態では、前記ケーブルの第1長さ部に近い位置で第2浮力部材が水面下に沈
み込み、ケーブルの第1および第2長さ部が共に実質的に垂直方向を維持し、緊
張状態と成るように適合してある第2浮力部材とを有し、
使用に際し、前記第2浮力部材に船の係留ラインが接続された場合に、船の動
きにより生じて係留装置に伝達される係留エネルギーが、ケーブルの第1長さ部
に近い垂直位置から第2浮力部材が引き離される方向に動く際の抵抗と、ケーブ
ルにより第1浮力部材が滑車組立体方向に引き込まれる際の浮力との組合せによ
り吸収されることができるように構成してある。
好ましい態様としては、前記第1浮力部材は、前記ケーブルに対して連続的に
装着された複数の浮力要素を有する。さらに、少なくともいくつかの浮力要素の
浮力は、前記滑車から離れるに従い増大するようになっていることが好ましい。
好ましい態様としては、前記ケーブルの他端に固定してあるロッド要素上に前
記浮力要素が支持してある。このロッド要素の長さは、浮力要素を組み合わせた
長さよりも大きく、浮力要素がロッド要素に沿って滑動自在であり、その一つの
第1浮力要素がロッド要素に沿った滑動移動の範囲が制限されていることが好ま
しい。
さらに好ましい態様としては、前記第2浮力部材が、ケーブルに沿って支持さ
れた複数の浮力部材を有する。さらに好ましい態様としては、その浮力部材は、
相互に離間して配置され、各浮力部材の中間に位置するケーブルに重りが装着し
てある。図面の簡単な説明
本発明は、以下に示す単なる例示ではあるが好ましい実施例に係る係留装置の
詳細な説明の観点から、より十分に理解されるであろう。その説明は、添付図面
を参照にして行われる。
図1は第1ブイが断面に現れるところの本発明の第1実施例に係る係留装置の
非装着モードの概略図、
図2は係留された船に装着されたときの第1ブイの正面図、
図3は第2実施例の概略図、
図4は保持ラインを示す第3実施例の部分概略図、
図5は第2ブイの変形例を持つ第4実施例に係る係留装置の概略図である。発明を実施するための最良の態様
第1実施例に係る係留装置は、ベース11に装着されるように意図してあり、
ベース11は、海底に位置してある。ベースは、十分な質量を持つ適切な手段か
ら成り、たとえば従来からのアンカーであっても良く、それには所定の長さのア
ンカー鎖が装着してあり、係留装置がアンカーから離れた鎖の端部に装備してあ
る。
本実施例に係る係留装置は、滑車12を有し、その滑車12は、ベース11と
ケーブル13とに取り付けてあり、ケーブル13は滑車を通して受けられている
。滑車12は、軸支または回り継手を介してベース11に装着してある。ケーブ
ルの一端は、目14の様に形成してあり、そこに船の係留ラインの装着が容易に
なるようにしてある。ケーブル13の他端は、第1ブイ15を有し、そこに固定
してある。
第1ブイ15は、目を持つ拡径されたロッド16を有し、ケーブル13の他端
に固定してあるその下方端部に装着してある回り継手17に連結してある。ロッ
ド16の他端には、環状停止板18が具備してある。ロッド要素16は、一対の
浮力要素19,20を滑動自在に支持し、浮力要素は、ロッド16に沿って直列
に並んで装着してある。ロッド16の長さは、浮力要素19,20を組み合わせ
た長さよりも長くしてあり、しかも、これら浮力要素は、ロッド16に沿って滑
動が可能になっている。第2停止板22が、第1および第2浮力要素19,20
のそれぞれ中間位置のロッドに装着してあり、第1浮力要素19がロッド16に
沿って滑動する度合を制限するように作用する。第1浮力要素19は、筒状形状
を有する。
(第7〜12頁の差替え)
変形例に係る装置では、第2ブイ23は、ケーブル13に沿って列状に配置さ
れた多数の浮力部材を有しても良く、それらは表面に浮かぶことができるように
なっている。その結果、係留ラインからケーブル13に負荷が加わる際に、それ
らの浮力要素のそれぞれは、順次沈んでいき、船により加えられる負荷に適合す
る反力の漸次増大を実現させる。第2ブイのこのような変形例は、図5に示され
、図5において、浮力部材25は、ケーブル13に沿って所定間隔で位置し、そ
して、重り26が各浮力部材25のそれぞれの間の途中位置でケーブルに装着し
てある。無負荷状態では、重り26により作用する付勢力は、浮力部材25を相
互に近接させる位置関係に引っ張るように作用する。係留された船によりケーブ
ル13に対して何らかの負荷が作用した場合には、第2浮力部材が沈み込む前に
、最初に、第2浮力部材25相互を分離させるように、重りにより加えられた付
勢力を相殺させるように作用する。
第1実施例の変形例であり、図3に示す第2実施例によれば、第2ブイ23と
ケーブルの一端との間のケーブル13の部分が、剛性または半剛性ロッド30に
より置き換えられてあり、そのロッド30は、その外端部に目14を有すると共
に、フロート31を有し、目14が水面上に保持され、係留の取り替えが容易に
なっている。
図4に示す第3実施例では、第1および第2実施例の係留装置に、保持ライン
32が具備してあり、その保持ライン32が、滑車上または好ましくはベース1
1上に具備された目33と、第2ブイ23の下方端部との間に固定してある。保
持ライン32は、最悪の状態で第1ブイ15が完全に沈み込むことを保持ライン
により防止できるように、所定の長さを有している。保持ライン32には、その
中間長さ位置に、小さなフロート34を具備してあり、それが弛んでいる時に、
海底および滑車から離れるように、保持ラインを支持するようになっている。そ
の保持ライン32は、また、係留ケーブル13が疲労や摩耗により機能しなくな
ったときの安全ワイヤとしても機能する。
各実施例において、ケーブル13は、あるブイあるいはその他のブイからケー
ブルを外し、滑車組立体を介してケーブルを引っ張ることにより、海中生育物の
清掃が容易である。
図4に最もよく示されるように、滑車組立体の好ましい実施例は、第1および
第2板34間に回転自在に装着された溝付プーリーあるいはスリーブ12を有す
る。第1および第2アーム38,40が、滑車組立体に接続され、それらの自由
端にブロック42がそれぞれ具備してある。係留ケーブル13が、第1アーム3
8上のブロック42内の孔を通して貫通してあり、次に滑車の回りを通過し、第
2アーム40上のブロック42内の孔を介して引き上げられている。
悪天候下では、係留能力を増大させるために、第1ブイには、その他の付加的
な浮力要素を加えても良い。
従来例に係る係留に対し、上述した実施例の浮力係留装置を比較すれば、次に
示す利点が提供される。
1.海底上部で、係留ラインの全ての吊り下げ組立体を保持するように作用す
る第1ブイに対して、第2ブイにより相殺力が提供される。その結果、係留の回
りで、何等の部品も放射移動しない。このことは、海草へのダメージを最小限に
すると共に、海底の沈澱物への妨害も最小限にするように作用する。
2.第1ブイは、それに加わるどの様な負荷に対しても継続的な反力を生成す
るように作用する。第1ブイの全浮力に打ち勝ち、係留ラインとケーブル13が
十分に引っ張られた時にのみ、係留された船が最大限に揺れ動くであろう。
3.係留された船により生成される内部力および負荷が減少するにつれて、第
2ブイにより供給される反力は、第2ブイを第1ブイの近くの位置に向けて移動
させるように作用し、したがって船の揺れ空間を回復させるように、中心合わせ
効果を奏する。
4.上述した実施例の係留装置は、重い鎖を用いた従来のものよりも軽量であ
る。
5.本装置は、従来のものに比べ、要求される接合部分が少なく、摩耗部分も
少ない。
6.第2ブイの長手形状および浮力は、係留ケーブルのもつれを抑制するよう
に動作する。
本発明の範囲は、上述した実施例の特定の範囲に限定されるものではないこと
が理解されるであろう。また、海底または海の状態に関する上述の全ての引用は
、海以外のその他の水環境に対しても適用されることができることが理解される
であろう。
請求の範囲
1.海底に位置するベースに対して固定するように適合された滑車組立
体と、
前記滑車組立体に受けられたケーブルと、
前記滑車組立体の一方の側から延びるケーブルの第1長さ部に接続され、ケー
ブルへの無負荷状態では、水面上に浮かぶように適合してある第1浮力部材と、
前記滑車組立体の他方の側から延びるケーブルの第2長さ部に接続され、前記
第1浮力部材よりも小さな浮力を持つ第2浮力部材であって、ケーブルへの無負
荷状態では、前記ケーブルの第1長さ部に近い位置で第2浮力部材が水面下に沈
み込み、ケーブルの第1および第2長さ部が共に実質的に垂直方向を維持し、緊
張状態と成るように適合してある第2浮力部材とを有し、
使用に際し、前記第2浮力部材に船の係留ラインが接続された場合に、船の動
きにより生じて係留装置に伝達される係留エネルギーが、ケーブルの第1長さ部
に近い垂直位置から第2浮力部材が引き離される方向に動く際の抵抗と、ケーブ
ルにより第1浮力部材が滑車組立体方向に引き込まれる際の浮力との組合せによ
り吸収されることができるように構成してある係留装置。
2.第2浮力部材が、長手形状にしてあり、その浮力部材の両端がケー
ブルに接続され、ケーブルの長手方向一部を構成するようにしてある請求項1に
記載の係留装置。
3.前記第1浮力部材が、その浮力部材の下端から上端の間で、横断面
積が増大する少なくとも一部分を有する形状を持つ先行する請求項1〜2のいず
れかに記載の係留装置。
4.第1浮力部材が、前記ケーブルに対して連続的に装着された複数の
第1浮力要素を有する先行する請求項1〜3のいずれかに記載の係留装置。
5.近接するいずれか一対の第1浮力要素のうち、上方に位置する第1
浮力要素が、その下方に位置する近接する第1浮力要素よりも大きな体積を持つ
請求項4に記載の係留装置。
6.第1浮力要素が、前記ケーブルの第1長さ部に接続されたロッド要
素に支持してある請求項5に記載の係留装置。
7.前記ロッド要素の長さは、複数の第1浮力要素の組み合わせた長さ
よりも大きく、そして、第1浮力要素が前記ロッド要素に沿って滑動自在となっ
ている請求項6に記載の係留装置。
8.最も下方に位置する前記第1浮力要素の滑動移動の度合が、その他
の第1要素の滑動移動の度合よりも小さくしてある請求項7に記載の係留装置。
9.滑車が、滑車組立体の一部を構成する第1板および第2板の間で回
転自在に装着してあり、前記滑車組立体が回り継手を介してベースに回転自在に
装着してある請求項1に記載の係留装置。
10.前記第2浮力部材にロッド状要素が接続され、そのロッド状要素
が、フロートにより支持されて、係留ラインの接続のために、一端を水面上に維
持するように適合してある先行する全ての請求項1〜9のいずれかに記載の係留
装置。
11.保持ラインが、前記ベースと第2浮力部材との間に固定され、前
記第1浮力部材が前記滑車に噛み込むまで引き込まれることを防止するために十
分な長さを前記保持ラインが持つ、先行する全ての請求項1〜10のいずれかに
記載の係留装置。
12.前記保持ラインが、前記第1浮力部材を完全に水中へ沈み込ませ
ることを防止するために十分な長さを有する請求項11に記載の係留装置。
【図4】
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ),AM,
AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C
N,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE
,HU,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK,
LR,LT,LU,LV,MD,MG,MN,MW,N
L,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE
,SI,SK,TJ,TT,UA,US,UZ,VN