JPH09509131A - ガラス製造用工具 - Google Patents

ガラス製造用工具

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JPH09509131A
JPH09509131A JP7515983A JP51598395A JPH09509131A JP H09509131 A JPH09509131 A JP H09509131A JP 7515983 A JP7515983 A JP 7515983A JP 51598395 A JP51598395 A JP 51598395A JP H09509131 A JPH09509131 A JP H09509131A
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マントイラー,タピオ
レウカラ,パウリ
ティアイネン,ツオモ
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カルフラン ラシ オサケ ユキチュア
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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Abstract

(57)【要約】 ガラス成形型、プランジャーのようなガラス製造で用いるための工具で、その工具の表面の少なくとも一部分に適当な被覆方法により形成された層が与えられており、然も、その層は主にマンガン含有ニッケルアルミ化物からなり、その強度特性が室温から少なくとも450℃までの温度の関数として増大する工具。マンガン含有ニッケルアルミ化物の固有の特徴は、工具の表面に形成される酸化物層が、その層の最初の形成後、実質的に増大せず、表面層の表面の品質が、表面の機械加工後の品質と比較して、溶融ガラスの影響化でガラス成形型の操作温度で改良され、即ち、前記化合物が自己研磨特性を有することである。

Description

【発明の詳細な説明】 ガラス製造用工具 本発明は、ガラス成形型、プランジャー等のようなガラス製造で用いるための 工具に関し、その表面の少なくとも一部分が熱的スプレー、例えば、プラズマス プレー、爆発スプレー(detonation spraying)、極超音波火炎スプレー、スパ ッタリング、又は他の適当な被覆方法により形成された層が与えられており、そ の工具全体又は一部分が、適当な方法を用いて表面層と同じ材料から作られてお り、工具の表面層が少なくとも一種類の金属間化合物を含有し、その強度特性が 室温から少なくとも450℃の温度までの関数として増大している工具に関する 。 例えば、瓶のようなガラス容器を大量生産する場合、溶融ガラスを適当な成形 型によって生成物へ形成するが、その場合、溶融ガラスはプランジャー又はガス の加圧と減圧の併用により成形し、次にガラスを固化させてその成形物とする。 溶融ガラスの成形過程は、幾つかの段階から構成することができる。第一段階で は、溶融ガラスを成形型の表面上で移動させることができなければならず、その 際、溶融ガラスと成形型の間の摩擦力により生成物の品質が決定される。大きな 摩擦力は、型中のあらゆる場所で同時にガラスが固化しないことを意味し、それ によって生成物ガラスが波打ち、微細な亀裂を含むようになる。原理的に、溶融 ガラスの温度を増大して粘度を低下させ、溶融ガラスの流動性を増大させること により、その問題を回避することができる。温度を上昇させることに伴う問題は 、高い温度では溶融ガラスが型の表面に粘着し始めることである。今日、ガラス の製造中、型の温度は約500℃であり、それによって鋳鉄型を使用することが できるようになる。摩擦を低下し、生成物の品質を改良するために、今日成形型 は黒鉛系ペイントを塗り、黒鉛グリースで潤滑されている。ペイントの耐久性は 約2〜8時間であり、型は約15分毎に潤滑しなければならない。潤滑はかなり の煙と匂いの発生を伴う。高速度の製造が目的である場合、別の重要な因子は、 溶融ガラスから型へ、そして更に冷却用媒体へ行く熱伝導である。溶融ガラスと 型との間の伝導抵抗が出来るだけ小さくなることが希望の高速度製造には要求さ れ る。 ガラスから冷却用空気へ熱が連続的に移動する場合、通過すべき最低の関門は 、型から空気への熱伝導である。ガラス内では熱対流抵抗が比較的大きく、成形 工程では、最終的吹き付けまでガラスを成形粘度に維持しなければならない。ガ ラス冷却の観点から、成形型材料を変えることは余り効果的な対策ではない。ガ ラスと型との間の転移領域内の熱抵抗は、型そのものの内部よりも大きい。それ は、表面の凹凸及び型とガラスとの間に残留する空気によるものである。熱伝導 は時間の関数としてかなり変化する。接触が始まった時には、熱伝導は非常に効 果的に行われるが、温度勾配が減少し、ガラス内部の熱対流により熱の流れが制 約されるようになると、急速に遅くなる。型の外側表面の温度は、通常時間の関 数としては変化しない。通常のガラス容器製品の肉厚は、その容器の大きさとは 無関係に2〜3mmの程度である。容器の重量対その外側表面の面積の比も同じ 程度である。 型の外側では、熱伝導は主に対流によって行われ、即ち、冷却用空気の速度を 増大するか、又は羽根によって熱伝導領域を広げることによって、冷却を改善す ることが可能である。更に一層効果的な冷却は、空気の代わりに冷却用水又は霧 を用いることにより達成することができる。それにも拘わらず、機械及び型の錆 が起きることにより新しい問題を生じている。これらの問題は、型のための適当 な材料を選択するか、又は存在する表面を適当な材料で被覆することにより解決 することができるが、これらの解決法はかなりの資本を必要とする。 冷却効果が、型の外側で増大する場合、型の内側と外側との間に大きな温度勾 配を生ずる。空気冷却を用いると、型の外側の温度は、著しく低下することはな く、そのため型の内部温度は高くなる。これは、一層熱伝導性の材料で型材料を 置き換えることにより回避することができる。しかし、これも同じくコスト効果 性に反するものである。 前に述べたように、型とガラスとの間には空気による気孔が残留する。型とガ ラスとの間の気孔の量は、表面の均一性、接触温度、型材料、及びガラスの性質 に依存する。ガラスが型と接触している時、熱は対流により伝達され、気孔中で は熱は輻射線と空気による対流によって伝達される。どの様式の熱伝導でも、熱 伝導面積に正比例し、それのため熱伝導面積の変化は熱移動に影響を与える。最 も効果的な熱伝導平坦性である、約20μmの比較的粗い表面が用いられた場合 、比較的多量の微細亀裂が最終製品の表面に生ずるであろう。従って、最終成形 型表面上にできるだけ平坦な表面を得ることができるようにすることが望ましく 、それによって良好な熱伝導密度及び微細亀裂の最少化の両方が達成される。接 触温度を上昇させることも熱伝導を改良し(一層柔らかいガラスが型表面のどの ような凹凸でも満たす)、同時に、表面の微細亀裂の量が減少する。温度を上昇 させると、ガラスは型の表面に粘着する傾向を持つ。粘着温度に影響を与える因 子は、成形型の材料、ガラスの粘度、型表面の均一性、及びガラスの成形型に対 する圧力である。 異なった型材料の粘着傾向は、夫々の材料の表面張力に依存する。金属の表面 張力は1.7〜1.0×10-2N/cm程度である。表面の凹凸は熱伝導により 粘着に影響を与える。即ち、適当に粗い表面に対してはガラスはその表面が不均 一に冷却し、これらの冷却点が型にガラスが粘着するのを防ぐ。しかし、上で述 べたように、それらは同時にガラスの表面に微細な亀裂を生ずる。 本発明は、上述の欠点を出来るだけ少なくし、部分的にそれらを除くことさえ でき、製造中のガラス製品の冷却を制御する能力を増大することの外、製品の表 面品質を改良することにより製品の強度特性を向上させることに関する。 このことは、表面層が少なくとも一種類の金属間化合物からなる工具で、その 特徴が、工具の表面に形成された酸化物層が、その最初の形成後、実質的に増大 しないと言うことにある工具によって達成される。 本文中、用語「機械加工(machining)」は、ガラス成形型の表面の最終仕上 げを達成するのに必要な全ての処理を記述するのに用いられている。それにより 、例えば、全ての異なった研磨方法が、本文中の用語「機械加工」の中に入る。 上記問題の解決法を求めた研究を始めた時、一つの当然行われた別の方法は、 工具材料を適当な被覆材料で被覆するか、特別な用途の場合、全工具又はその一 部分をその被覆材料から製造することであった。工具全体又はその一部分を、或 る限定された用途では、例えば、容易に部分的に成形型に適用するやり方で、被 覆と同じ材料から製造した場合、望ましくない粘着問題及び被覆材料の剥離を回 避することができる。 異なった被覆材料を評価した時、最初の材料は、当然異なったセラミック被覆 材料及び商業的に広く用いられている幾つかの超合金被覆であった。セラミック 化合物の欠点は、例えば多孔質で、熱伝導性がよくないことである。また、熱衝 撃の許容性が悪いことは、これらの被覆の一般的欠点である。これらの被覆の別 の欠点は、機械加工を行いにくいことであり、これらの被覆の特別な欠点は、型 の表面を容易に研磨することができないことである。 種々のニッケル−、又はコバルト−系超合金は、試験で良好な、むしろ予想さ れる結果を与えた。例えば、得られる最終生成物の性質は、ガラス製造のための かなり改良された工具について希望を起こさせる程のものではなかった。つまり そのような単なる被覆は、現在の課題に対する良好な解決法を与えるものではな かった。 被覆実験で、それ自体知られているが、依然として構造材料としては比較的新 しい或る材料、即ち金属間化合物で実験を行い、それらの材料が予想外の利点を 与えた。構造材料として金属間化合物を用いることは、その化合物が脆いため、 今までは価値のあるものとは見られていなかった。金属間化合物が構造目的に対 し利用できると言うこと、即ち、被覆及び固体材料の両方として利用できること が分かったのは、硼素のような或る添加物が抗張力を増大する効果が認められて からのことである。 実験中観察された全く思いがけないことは、或る金属間化合物がガラスに対し 極めて高い粘着温度を有すると言うことである。金属間化合物のあるものの典型 的な特徴は、温度を室温から高温へ上昇させた時、それらの強度特性が或る限界 まで増大すると言うことである。例えば、硬度は、室温から500℃まで移行す る間に倍になることがある。或る金属間化合物は、適当な合金化を行なった後、 約800℃の温度までもそれらの強度特性を増大することができる。 室温では、これらの変性化合物は比較的柔らかく、従って加工及び研磨し易く 、それらは、ガラス製造成形型のための材料を選択する時の本質的に重要な因子 である。金属間化合物の固有の特徴は、それらの熱伝導度が良好なことである。 型の基本的材料、通常鋳鉄を金属間化合物で被覆し、次に注意深く研磨すると、 ガ ラス製品に形成される微細亀裂をかなり減少することができる。それにも拘わら ず、或る臨界的段階では、工具の一部分、例えば型の一部分又は型全体を、被覆 と同じ材料であるが、固体材料として製造するように準備する方がよい。それに より剥離の危険又は粘着の問題を回避することができる。適当な被覆材料を用い ることにより、被覆は固体材料表面の一部分又は被覆された層でもよく、ガラス 製品の肉厚を減少させることができ、それによって従来の方法によって一層厚い 肉厚を有するガラス容器と同じ良好な強度を有する一層軽いガラス容器を製造す ることができる。良好な機械加工性が、増大した強度、それによって硬度、即ち 室温から通常の操作温度、例えば500〜650℃の温度上昇でも増大した全耐 久性と一緒になっている場合、この種の材料がガラス製造工具の表面材料として 使用するのに極めて適していることが明らかになった。 適当な金属間化合物の強度は、室温から少なくとも450℃の温度まで増大す る。これらの化合物の性質は、それらを適当に合金化し、それによってそれらの 室温抗張力特性がかなり改良され、且つ(又は)強度特性の増大が約800℃ま で継続させることができるようになることにより改良することができる。これら 合金化用元素には、硼素(室温抗張力特性を増大する)及びハフニウム(強度特 性の改良を一層高い温度まで継続させる)が含まれる。鉄、チタン、マンガン、 ジルコニウム、セリウム及びニオブを、金属間化合物の諸性質を改良するための 合金化用元素として用いることができる。 成形型のようなガラス製造工具の表面の品質は、新しい時、即ち上で定義した ように機械加工した直後は、その最良の状態にある。溶融ガラスが工具の表面に 付着する傾向は、型の表面が適当に酸化されている場合に最も小さくなる。それ にも拘わらず、溶融ガラスが型表面に粘着しないようにするためには、既知のガ ラス工具表面及び(又は)被覆材料を用いて製造中、種々の潤滑剤を規則的に用 いなければならない。この酸化物層の最適厚さは、慣用的被覆を用いた製造では 約24時間で達成される。この後、その酸化物層は厚さが増大して脆くなると共 に、更に製造している間に表面から剥離する傾向を示す。厚さの増大は酸化物層 を通って酸素が金属の方へ拡散すること、及び酸化物層を通って金属が外側表面 の方へ拡散することによる。 このように、酸化物層は製造中剥離する傾向を有し、その薄片がガラスの表面 に付着し、それによってガラス表面の品質を劣化し、それによってガラスの強度 を低下する。これらの薄片は酸化物の緩んだ層及び製造中に用いた潤滑剤の両方 によって形成される。従って、例えばサンドブラストにより型を周期的に清浄に し、不規則に粘着した潤滑剤及び酸化物層を除去する必要がある。サンドブラス トの後、型を再び用いる前に型の表面を研磨することが必要なことは当然である 。これにより最初の位置へ戻り、最終的に型を取り替える必要が起きるまで、同 じ工程を続けて行くことができる。 ガラス瓶成形型の表面層を形成する金属間化合物として種々のアルミ化物を用 いた試験操作では、特にマンガン含有ニッケルアルミ化物に関して驚異的な事実 が認められた。 そのような成形型をガラス瓶製造に用いた場合、ガラス成形型のプランジャー の表面の品質が、約半時間の製造操作の後、改良され始めたことが全く思いがけ なく観察された。製造を中止した時、型の表面は使用していない時即ち、型製造 直後よりも一層よく研磨された状態になっていることが観察された。従って、こ のことは、瓶の表面の品質、従ってそれらの強度特性、特にそれらの衝撃強度も 、予想されるように低下する代わりに、製造操作中に向上したことを意味してい る。表面層を形成する酸化物層も非常に緻密で薄いので、その最初の形成に続く 直径の実質的な増大はなかった。この自然に研磨及び酸化される表面層は、マン ガン及びアルミニウムの混合物酸化物を実質的に含んでいた。 Ni3(Al+Mn)+Bの型の化合物であるこれらのニッケルアルミ化物は 、それらの特異な自己研磨特性及びそれによって生ずる利点により、既知の表面 被覆材料の残りのものよりも、表面及び(又は)表面被覆材料として一層よいこ とが容易に判明した。全ての従来既知の表面被覆材料の特徴は、型を交換しなけ ればならなくなるまで、表面の品質が出発点から確実に低下することである。ま た、酸化物層の剥離及び潤滑を一定して行う必要性は、既知の表面及び(又は) 表面被覆材料に関連した不利な特徴を更に大きくしている。 本発明による表面材料は、ガラスの粘着温度を最適鋳鉄に対し典型的な値、5 00〜540℃から上昇させることができ、その間、製品の良好な表面特性を与 えるガラス成形型の非常に良好な表面品質を達成しながら、550〜630℃の 温度まで上昇させることができる。表面特性は、製造の初期段階中でも向上した 。本発明による解決法を用いることにより、慣用的表面及び(又は)被覆材料に 関連して見られていた表面の有害な薄片化は回避することができる。本発明によ り、潤滑剤の消費は、同じ操作温度で、既知の表面及び(又は)被覆材料の消費 と比較して実質的に減少している。 工具の表面の性質(薄さ、緻密な酸化物層、及び自己研磨性)のこの改良の正 確な原因はまだ判明していないが、本発明による表面及び(又は)被覆材料の化 学的及び物理的性質によって起こされる相互活性度のためであり、ガラス成形型 の操作温度が比較的高いこと及び溶融ガラスの化学的及び機械的性質の両方に関 連していると思われる。 被覆は、プラズマスプレー、爆発スプレー、超音波火炎スプレー、スパッタリ ング又は他の適当な方法のような種々の方法により形成することができる。固体 材料から型を製造するための種々の既知の方法も用いることができる。 本発明による解決法は、請求の範囲に規定した本発明の範囲内で適用すること ができる。
【手続補正書】特許法第184条の8 【提出日】1996年2月26日 【補正内容】 明細書 ガラス製造用工具 本発明は、ガラス成形型、プランジャー等のようなガラス製造で用いるための 工具で、その工具の表面の少なくとも一部分が、プラズマスプレー、爆発スプレ ー(detonation spraying)、極超音波火炎スプレー、又はスパッタリングのよ うな適当な被覆方法により表面層で被覆されているか、又はその工具全体又は一 部分が、適当な方法により表面層と同じ材料から製造されており、工具の表面層 が少なくとも一種類の金属間化合物を含有する工具に関する。本発明は、そのよ うな工具の製造方法にも関する。 例えば、瓶のようなガラス容器を大量生産する場合、溶融ガラスを適当な成形 型によって生成物へ形成するが、その場合、溶融ガラスはプランジャー又はガス の加圧と減圧の併用により成形し、次にガラスを固化させてその成形物とする。 溶融ガラスの成形過程は、幾つかの段階から構成することができる。第一段階で は、溶融ガラスを成形型の表面上で移動させることができなければならず、その 際、溶融ガラスと成形型の間の摩擦力により生成物の品質が決定される。大きな 摩擦力は、型中のあらゆる場所で同時にガラスが固化しないことを意味し、それ によって生成物ガラスが波打ち、微細な亀裂を含むようになる。原理的に、溶融 ガラスの温度を増大して粘度を低下させ、溶融ガラスの流動性を増大させること により、その問題を回避することができる。温度を上昇させることに伴う問題は 、高い温度では溶融ガラスが型の表面に粘着し始めることである。今日、ガラス の製造中、型の温度は約500℃であり、それによって鋳鉄型を使用することが できるようになる。摩擦を低下し、生成物の品質を改良するために、今日成形型 は黒鉛系ペイントを塗り、黒鉛グリースで潤滑されている。ペイントの耐久性は 約2〜8時間であり、型は約15分毎に潤滑しなければならない。潤滑はかなり の煙と匂いの発生を伴う。高速度の製造が目的である場合、別の重要な因子は、 溶融ガラスから型へ、そして更に冷却用媒体へ行く熱伝導である。溶融ガラスと 型との間の伝導抵抗が出来るだけ小さくなることが希望の高速度製造には要求さ れ る。 ガラスから冷却用空気へ熱が連続的に移動する場合、通過すべき最低の関門は 、型から空気への熱伝導である。ガラス内では熱対流抵抗が比較的大きく、成形 工程では、最終的吹き付けまでガラスを成形粘度に維持しなければならない。ガ ラス冷却の観点から、成形型材料を変えることは余り効果的な対策ではない。ガ ラスと型との間の転移領域内の熱抵抗は、型そのものの内部よりも大きい。それ は、表面の凹凸及び型とガラスとの間に残留する空気によるものである。熱伝導 は時間の関数としてかなり変化する。接触が始まった時には、熱伝導は非常に効 果的に行われるが、温度勾配が減少し、ガラス内部の熱対流により熱の流れが制 約されるようになると、急速に遅くなる。型の外側表面の温度は、通常時間の関 数としては変化しない。通常のガラス容器製品の肉厚は、その容器の大きさとは 無関係に2〜3mmの程度である。容器の重量対その外側表面の面積の比も同じ 程度である。 型の外側では、熱伝導は主に対流によって行われ、即ち、冷却用空気の速度を 増大するか、又は羽根によって熱伝導領域を広げることによって、冷却を改善す ることが可能である。更に一層効果的な冷却は、空気の代わりに冷却用水又は霧 を用いることにより達成することができる。それにも拘わらず、機械及び型の錆 が起きることにより新しい問題を生じている。これらの問題は、型のための適当 な材料を選択するか、又は存在する表面を適当な材料で被覆することにより解決 することができるが、これらの解決法はかなりの資本を必要とする。 冷却効果が、型の外側で増大する場合、型の内側と外側との間に大きな温度勾 配を生ずる。空気冷却を用いると、型の外側の温度は、著しく低下することはな く、そのため型の内部温度は高くなる。これは、一層熱伝導性の材料で型材料を 置き換えることにより回避することができる。しかし、これも同じくコスト効果 性に反するものである。 前に述べたように、型とガラスとの間には空気による気孔が残留する。型とガ ラスとの間の気孔の量は、表面の均一性、接触温度、型材料、及びガラスの性質 に依存する。ガラスが型と接触している時、熱は対流により伝達され、気孔中で は熱は輻射線と空気による対流によって伝達される。どの様式の熱伝導でも、熱 伝導面積に正比例し、それのため熱伝導面積の変化は熱移動に影響を与える。最 も効果的な熱伝導平坦性である、約20μmの比較的粗い表面が用いられた場合 、比較的多量の微細亀裂が最終製品の表面に生ずるであろう。従って、最終成形 型表面上にできるだけ平坦な表面を得ることができるようにすることが望ましく 、それによって良好な熱伝導密度及び微細亀裂の最少化の両方が達成される。接 触温度を上昇させることも熱伝導を改良し(一層柔らかいガラスが型表面のどの ような凹凸でも満たす)、同時に、表面の微細亀裂の量が減少する。温度を上昇 させると、ガラスは型の表面に粘着する傾向を持つ。粘着温度に影響を与える因 子は、成形型の材料、ガラスの粘度、型表面の均一性、及びガラスの成形型に対 する圧力である。 異なった型材料の粘着傾向は、夫々の材料の表面張力に依存する。金属の表面 張力は1.7〜1.0×10-2N/cm程度である。表面の凹凸は熱伝導により 粘着に影響を与える。即ち、適当に粗い表面に対してはガラスはその表面が不均 一に冷却し、これらの冷却点が型にガラスが粘着するのを防ぐ。しかし、上で述 べたように、それらは同時にガラスの表面に微細な亀裂を生ずる。 本発明は、上述の欠点を出来るだけ少なくし、部分的にそれらを除くことさえ でき、製造中のガラス製品の冷却を制御する能力を増大することの外、製品の表 面品質を改良することにより製品の強度特性を向上させることに関する。 これは、工具の表面層が、室温から少なくとも450℃の温度まで温度の関数 としてこの化合物の強度特性及び硬度が増大する特徴を有するマンガン含有ニッ ケルアルミ化物から主になり、その表面層が薄くて緻密な酸化物層を有し、然も 、その酸化物層が工具表面を溶融ガラスで処理することによりそのガラス成形型 の操作温度で工具表面に形成され、それによって工具の表面層の品質が、その表 面の機械加工後の品質と比較して、溶融ガラスの影響化で改良されるような工具 によって達成される。 本発明のガラス製造で用いられる工具の製造方法は、マンガン含有ニッケルア ルミ化物で、この化合物の強度特性及び硬度が室温から少なくとも450℃の温 度で温度の関数として増大する特徴を有するアルミ化物から主になる表面層を、 ガラス成形型の操作温度で溶融ガラスによって処理し、それによって薄くて緻密 な酸化物層を工具の表面に形成し、それによって工具の表面層の品質が、その表 面の機械加工後の品質と比較して、溶融ガラスの影響化で改良されることにより 達成される。 本文中、用語「機械加工(machining)」は、ガラス成形型の表面の最終仕上 げを達成するのに必要な全ての処理を記述するのに用いられている。それにより 、例えば、全ての異なった研磨方法が、本文中の用語「機械加工」の中に入る。 上記問題の解決法を求めた研究を始めた時、一つの当然行われた別の方法は、 工具材料を適当な被覆材料で被覆するか、特別な用途の場合、全工具又はその一 部分をその被覆材料から製造することであった。工具全体又はその一部分を、或 る限定された用途では、例えば、容易に部分的に成形型に適用するやり方で、被 覆と同じ材料から製造した場合、望ましくない粘着問題及び被覆材料の剥離を回 避することができる。 異なった被覆材料を評価した時、最初の材料は、当然異なったセラミック被覆 材料及び商業的に広く用いられている幾つかの超合金被覆であった。セラミック 化合物の欠点は、例えば多孔質で、熱伝導性がよくないことである。また、熱衝 撃の許容性が悪いことは、これらの被覆の一般的欠点である。これらの被覆の別 の欠点は、機械加工を行いにくいことであり、これらの被覆の特別な欠点は、型 の表面を容易に研磨することができないことである。 種々のニッケル−、又はコバルト−系超合金は、試験で良好な、むしろ予想さ れる結果を与えた。例えば、得られる最終生成物の性質は、ガラス製造のための かなり改良された工具について希望を起こさせる程のものではなかった。つまり そのような単なる被覆は、現在の課題に対する良好な解決法を与えるものではな かった。 被覆実験で、それ自体知られているが、依然として構造材料としては比較的新 しい或る材料、即ち金属間化合物で実験を行い、それらの材料が予想外の利点を 与えた。構造材料として金属間化合物を用いることは、その化合物が脆いため、 今までは価値のあるものとは見られていなかった。金属間化合物が構造目的に対 し利用できると言うこと、即ち、被覆及び固体材料の両方として利用できること が分かったのは、硼素のような或る添加物が抗張力を増大する効果が認められて からのことである。 実験中観察された全く思いがけないことは、或る金属間化合物がガラスに対し 極めて高い粘着温度を有すると言うことである。金属間化合物のあるものの典型 的な特徴は、温度を室温から高温へ上昇させた時、それらの強度特性が或る限界 まで増大すると言うことである。例えば、硬度は、室温から500℃まで移行す る間に倍になることがある。或る金属間化合物は、適当な合金化を行なった後、 約800℃の温度までもそれらの強度特性を増大することができる。 室温では、これらの変性化合物は比較的柔らかく、従って加工及び研磨し易く 、それらは、ガラス製造成形型のための材料を選択する時の本質的に重要な因子 である。金属間化合物の固有の特徴は、それらの熱伝導度が良好なことである。 型の基本的材料、通常鋳鉄を金属間化合物で被覆し、次に注意深く研磨すると、 ガラス製品に形成される微細亀裂をかなり減少することができる。それにも拘わ らず、或る臨界的段階では、工具の一部分、例えば型の一部分又は型全体を、被 覆と同じ材料であるが、固体材料として製造するように準備する方がよい。それ により剥離の危険又は粘着の問題を回避することができる。適当な被覆材料を用 いることにより、被覆は固体材料表面の一部分又は被覆された層でもよく、ガラ ス製品の肉厚を減少させることができ、それによって従来の方法によって一層厚 い肉厚を有するガラス容器と同じ良好な強度を有する一層軽いガラス容器を製造 することができる。良好な機械加工性が、増大した強度、それによって硬度、即 ち室温から通常の操作温度、例えば500〜650℃の温度上昇でも増大した全 耐久性と一緒になっている場合、この種の材料がガラス製造工具の表面材料とし て使用するのに極めて適していることが明らかになった。 適当な金属間化合物の強度は、室温から少なくとも450℃の温度まで増大す る。これらの化合物の性質は、それらを適当に合金化し、それによってそれらの 室温抗張力特性がかなり改良され、且つ(又は)強度特性の増大が約800℃ま で継続させることができるようになることにより改良することができる。これら 合金化用元素には、硼素(室温抗張力特性を増大する)及びハフニウム(強度特 性の改良を一層高い温度まで継続させる)が含まれる。鉄、チタン、マンガン、 ジルコニウム、セリウム及びニオブを、金属間化合物の諸性質を改良するための 合金化用元素として用いることができる。 成形型のようなガラス製造工具の表面の品質は、新しい時、即ち上で定義した ように機械加工した直後は、その最良の状態にある。溶融ガラスが工具の表面に 付着する傾向は、型の表面が適当に酸化されている場合に最も小さくなる。それ にも拘わらず、溶融ガラスが型表面に粘着しないようにするためには、既知のガ ラス工具表面及び(又は)被覆材料を用いて製造中、種々の潤滑剤を規則的に用 いなければならない。この酸化物層の最適厚さは、慣用的被覆を用いた製造では 約24時間で達成される。この後、その酸化物層は厚さが増大して脆くなると共 に、更に製造している間に表面から剥離する傾向を示す。厚さの増大は酸化物層 を通って酸素が金属の方へ拡散すること、及び酸化物層を通って金属が外側表面 の方へ拡散することによる。 このように、酸化物層は製造中剥離する傾向を有し、その薄片がガラスの表面 に付着し、それによってガラス表面の品質を劣化し、それによってガラスの強度 を低下する。これらの薄片は酸化物の緩んだ層及び製造中に用いた潤滑剤の両方 によって形成される。従って、例えばサンドブラストにより型を周期的に清浄に し、不規則に粘着した潤滑剤及び酸化物層を除去する必要がある。サンドブラス トの後、型を再び用いる前に型の表面を研磨することが必要なことは当然である 。これにより最初の位置へ戻り、最終的に型を取り替える必要が起きるまで、同 じ工程を続けて行くことができる。 ガラス瓶成形型の表面層を形成する金属間化合物として種々のアルミ化物を用 いた試験操作では、特にマンガン含有ニッケルアルミ化物に関して驚異的な事実 が認められた。 そのような成形型をガラス瓶製造に用いた場合、ガラス成形型のプランジャー の表面の品質が、約半時間の製造操作の後、改良され始めたことが全く思いがけ なく観察された。製造を中止した時、型の表面は使用していない時即ち、型製造 直後よりも一層よく研磨された状態になっていることが観察された。従って、こ のことは、瓶の表面の品質、従ってそれらの強度特性、特にそれらの衝撃強度も 、予想されるように低下する代わりに、製造操作中に向上したことを意味してい る。表面層を形成する酸化物層も非常に緻密で薄いので、その最初の形成に続く 直径 の実質的な増大はなかった。この自然に研磨及び酸化される表面層は、マンガン 及びアルミニウムの混合物酸化物を実質的に含んでいた。 Ni3(Al+Mn)+Bの型の化合物であるこれらのニッケルアルミ化物は 、それらの特異な自己研磨特性及びそれによって生ずる利点により、既知の表面 被覆材料の残りのものよりも、表面及び(又は)表面被覆材料として一層よいこ とが容易に判明した。全ての従来既知の表面被覆材料の特徴は、型を交換しなけ ればならなくなるまで、表面の品質が出発点から確実に低下することである。ま た、酸化物層の剥離及び潤滑を一定して行う必要性は、既知の表面及び(又は) 表面被覆材料に関連した不利な特徴を更に大きくしている。 本発明による表面材料は、ガラスの粘着温度を最適鋳鉄に対し典型的な値、5 00〜540℃から上昇させることができ、その間、製品の良好な表面特性を与 えるガラス成形型の非常に良好な表面品質を達成しながら、550〜630℃の 温度まで上昇させることができる。表面特性は、製造の初期段階中でも向上した 。本発明による解決法を用いることにより、慣用的表面及び(又は)被覆材料に 関連して見られていた表面の有害な薄片化は回避することができる。本発明によ り、潤滑剤の消費は、同じ操作温度で、既知の表面及び(又は)被覆材料の消費 と比較して実質的に減少している。 工具の表面の性質(薄さ、緻密な酸化物層、及び自己研磨性)のこの改良の正 確な原因はまだ判明していないが、本発明による表面及び(又は)被覆材料の化 学的及び物理的性質によって起こされる相互活性度のためであり、ガラス成形型 の操作温度が比較的高いこと及び溶融ガラスの化学的及び機械的性質の両方に関 連していると思われる。 被覆は、プラズマスプレー、爆発スプレー、超音波火炎スプレー、スパッタリ ング又は他の適当な方法のような種々の方法により形成することができる。固体 材料から型を製造するための種々の既知の方法も用いることができる。 本発明による解決法は、請求の範囲に規定した本発明の範囲内で適用すること ができる。 請求の範囲 1.ガラス成形型、プランジャー等のようなガラス製造で用いるための工具で 、その工具の表面の少なくとも一部分がプラズマスプレー、爆発スプレー、極超 音波火炎スプレー、又はスパッタリングのような適当な被覆方法により表面層で 被覆されているか、又はその工具全体又はその一部分が、適当な方法により表面 層と同じ材料から作られており、工具の表面層が少なくとも一種類の金属間化合 物を含有し、前記表面層が、 − マンガン含有ニッケルアルミ化物で、この化合物の強度特性及び硬度が室 温から少なくとも450℃の温度まで温度の関数として増大する特徴を有するア ルミ化物から主になり、そして − 薄くて緻密な酸化物層で、その酸化物層が工具表面を溶融ガラスで処理す ることにより、ガラス成形型の操作温度で工具表面に形成される酸化物層を有し 、それによって工具の表面層の品質が、その品質の機械加工後の品質と比較して 、溶融ガラスの影響化で改善されている、 ことを特徴とする工具。 2.表面層が主にNi3(Al+Mn)+Bの型のニッケルアルミ化物からな る、請求項1又は2に記載の工具。 3.ガラス成形型、プランジャー等のようなガラス製造で用いるための工具で 、その工具の表面の少なくとも一部分がプラズマスプレー、爆発スプレー、極超 音波火炎スプレー、又はスパッタリングのような適当な被覆方法により表面層で 被覆されているか、又はその工具全体又はその一部分が、適当な方法により表面 層と同じ材料から作られており、工具の表面層が少なくとも一種類の金属間化合 物を含有する工具の製造方法において、マンガン含有ニッケルアルミ化物で、こ の化合物の強度特性及び硬度が室温から少なくとも450℃の温度までの温度の 関数として増大する特徴を有するアルミ化物から主になる表面層を、ガラス成形 型の操作温度で溶融ガラスによって処理し、それによって工具の表面に薄くて緻 密な酸化物層を形成し、それによって工具の表面層の品質が、その表面の機械加 工後の品質と比較して、溶融ガラスの影響化で改善されることを特徴とする工具 製 造方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ティアイネン,ツオモ フィンランド国 エフアイエヌ − 33101 タムペレ,ティーティーケイケイ, ピー.オー.ボックス 527

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.ガラス成形型、プランジャー等のようなガラス製造で用いるための工具で 、その工具の表面の少なくとも一部分が熱的スプレー、例えば、プラズマスプレ ー、爆発スプレー、極超音波火炎スプレー、スパッタリング、又は他の適当な被 覆方法により表面層で被覆されているか、又はその工具全体又はその一部分が、 適当な方法により表面層と同じ材料から作られており、工具の表面層が少なくと も一種類の金属間化合物から主になり、その強度特性が室温から少なくとも45 0℃の温度までの温度の関数として増大する工具において、前記化合物の固有の 特徴が、前記工具の表面に形成される酸化物層が、その最初の形成後、実質的に 増大しないことを特徴とする工具。 2.金属間化合物の別の固有の特徴が、工具の表面層の品質が、その表面の機 械加工後の品質に比較して、溶融ガラスの影響化で改良される、即ち前記化合物 が自己研磨特性を有する、請求項1記載の工具。 3.表面層が、主にマンガン含有ニッケルアルミ化物からなる、請求項1又は 2に記載の工具。 4.工具の自己研磨及び酸化される表面層が、アルミニウム及びマンガンの混 合酸化物から実質的になり、それによって工具の表面に形成される酸化物層が非 常に緻密で、操作中、表面の所謂薄片化に対し抵抗性を有する、請求項1〜3の いずれか1項に記載の工具。 5.表面層が主にNi3(Al+Mn)+Bの型のニッケルアルミ化物からな る、請求項4に記載の工具。
JP7515983A 1993-12-08 1994-12-05 ガラス製造用工具 Pending JPH09509131A (ja)

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