JPH09509180A - 新規な細胞毒性マクロライド、海産海綿からのそれらの単離、および抗腫瘍剤としてのそれらの用途 - Google Patents

新規な細胞毒性マクロライド、海産海綿からのそれらの単離、および抗腫瘍剤としてのそれらの用途

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JPH09509180A JP7521928A JP52192895A JPH09509180A JP H09509180 A JPH09509180 A JP H09509180A JP 7521928 A JP7521928 A JP 7521928A JP 52192895 A JP52192895 A JP 52192895A JP H09509180 A JPH09509180 A JP H09509180A
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Abstract

(57)【要約】 化学式(I)で示される新規マクロライド化合物、すなわちラソノライドAを海産海綿から単離した。本化合物、該化合物の誘導体、および該化合物またはその誘導体を含む組成物は、抗腫瘍剤として、および生化学的手段として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】 新規な細胞毒性マクロライド、海産海綿からのそれらの単離、および抗腫瘍剤と してのそれらの用途 発明の背景 少なからぬ研究や資源が、腫瘍学と、化学療法を含む抗腫瘍手段とに傾注され ている。腫瘍の増殖を阻害、緩和または制御するのを助けるある種の方法および 化学組成物が開発されているが、新たな方法および抗腫瘍化学組成物も必要とさ れている。いくつかの天然の生成物や生物は、非常に多様な有用な生物学的活性 を有する化学分子の潜在的な源泉であることが見出されている。海産生物は、様 々な生物学的活性を有する化合物の発見の源泉であった。そのような発明につい て発行された米国特許のいくつかは、下記のとおりである:抗ウイルス活性を有 するジデムニン類に対する米国特許第4,548,814号明細書は、海産被嚢類から単 離され;米国特許第4,729,996号明細書は、海産海綿のテイカキシネラ・モルケ ラ(Teichaxinella morchella)およびプチロカウリス・ワルペルシ(Ptilocaul is walpersi)から単離された、抗腫瘍特性を有する化合物を開示し;米国特許 第4,808,590号明細書は、海産海綿のテオネラ(Theonella)の一種から単離され た、抗ウイルス、抗腫瘍および抗真菌特性を有する化合物を開示し:米国特許第 4,737,510号明細書は、カリブ海海綿のアゲラス・コニフェリン(Agelas conife rin)から単離された、抗ウイルスおよび抗菌特性を有する化合物を開示してい る。明らかに、海産海綿は、生物学的化合物の源泉であることが証明され、海産 海綿に由来する有機化合物を開示する、P.J.Scheuer(編)、「Marine Natural Products,Chemical and Biological Perspectives」、Academic Press社、米国 、ニューヨーク、1978〜1983ページ、第1〜5巻;D.J.Faulkner、Natural Pro ducts Reports、第1巻、551〜598ページ(1984年);同、Natural Products Re ports、第3巻、1〜33ページ(1986年);同、Natural Products Reports、第 4巻、539〜576ページ(1987年);同、J.Am.Chem.Soc.、第107巻、4796 〜4798ページ(1985年)をはじめとする多くの出版物が発行されている。 本発明は、海綿を資源材料として利用して、当技術分野においてこれまで開示 されていない一群の生物学的活性化合物を用いる技術、および抗腫瘍剤として役 立つこれらの化合物を含む新規薬学的組成物を提供している。本発明のその他の 利点、および適用可能性のそれ以上の範囲は、本明細書中に記載される詳細な説 明から明らかになると思われる。しかし、この詳細な説明は、本発明の好適な実 施態様を示すが、そのような説明から、本発明の本旨および範囲内での様々な変 化および変更が明らかになると思われることから、例示のためにのみ示されるに すぎないことを理解しなければならない。 発明の簡単な概要 本発明は、新規化合物であるマクロライド、およびこれらの化合物に対する利 用方法に関する。本マクロライド、すなわち化合物(I)〜(VIII)についての 構造を下記に示す。該マクロライド化合物は、生物学的活性を有し、細胞増殖を 制御するのに効果的であり得る。本明細書中に具体的に例示したのは、ラソノラ イドAであって、フォルセピア(Forcepia)属の海綿から単離された。ラソノラ イドAは、本明細書中で下記に開示した化合物(I)[式中、R1はOHであり 、R2はCH2OHである]の特定の誘導体である。ラソノライドAの構造は、下 記の化学式で示される: ラソノライドAは腫瘍細胞の増殖を阻害することが見出された。したがって、 この化合物ならびにその誘導体および類似体は、動物および人間の癌の治療に役 立つ。 本発明の化合物は、癌および正常細胞など、細胞の細胞骨格上の変化の様々な 面を決定する際の生化学的プローブとしても用いることができ、したがって、植 物、動物および人間のある種の疾病の研究における重要な手段としても役立ち得 る。 図面の簡単な説明 図1は、ラソノライドAを調製するための図式を示す。 発明の詳細な開示 本発明は、海産海綿から単離できる新規な化合物に関する。この化合物の類似 体および誘導体も、記載かつ請求される。これらの化合物は、抗腫瘍活性を保有 することが示された。したがって、本発明は、該化合物自体はもとより、これら の化合物を含有する薬学的組成物にも関する。該新規組成物を投与する方法もま た、開示され、請求の範囲に含まれる。これらの化合物の類似体および誘導体は 、公知の手順によって製造できる。親化合物は、下記のとおり、海産海綿から単 離できる。 天然の産物であるラソノライドAの単離を、溶媒分配の手法を用いて実施し、 その後クロマトグラフィーを用いて行った。該新規化合物の最終的精製は、析出 によるか、または高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いることによっ て、達成できる。ラソノライドAの構造は、主としてその1Hおよび13CNMR のデータに基づいて決定したが、これは、下記の化学式で表される: 本発明の好適な実施態様は、ラソノライドAであって、化合物(I): [式中、特定のラソノライドA化合物についてのRという基は、下記のように定 義される:R1=HおよびOH、そしてR2=CH2OH]という構造を含む。 ラソノライドAのその他の実施態様または類似体は、R1=O、またはHおよ びOH、またはHおよびOR(ここで、RはH、アシル、アルキルもしくはフェ ニルである);そして R2=アルキル、H、CH2OH、CH2OR、CHO、 COOH、COOR’またはCOO−X+(ここで、X=H、Na、K、アミン 、または他の1価のカチオン性分子、R=アシル、アルキルまたはフェニル、そ してR’=アルキルまたはフェニル)である構造を含む。 本発明の他の化合物は、化合物(II)〜(VIII)で表される。具体的には、化 合物(II)は、構造: [式中、R1=H、アルキル、CH2OR、CHO、COOR’またはCOO−X+ 、ここで、XはH、Na、K、アミン、または他の1価のカチオン性分子であ り、RはH、アシル、アルキルまたはフェニルであり、そしてR’はH、アルキ ル、フェニルである]を有する。化合物(II)の構造による好適な化合物は、R1 =CH2OHのものである。 化合物(III)は構造: [式中、R1=O、またはHおよびOH、またはHおよびOR;R2はH、アルキ ル、CH2OR、CHO、COOR’またはCOO−X+であり、ここで、XはH 、Na、K、アミン、または他の1価のカチオン性分子であり、RはH、アシル 、アルキルまたはフェニルであり、そしてR’はH、アルキルまたはフェニルで ある]を有する。化合物(III)の構造による好適な化合物は、R1=HおよびO H、そしてR2=CH2OHのものである。 化合物(IV)は、構造: [式中、RはH、アルキル、CH2OR’、CHO、COOR”またはCOO− X+であり、ここで、XはH、Na、K、アミン、または他の1価のカチオン性 分子であり、R’はH、アシル、アルキルまたはフェニルであり、そしてR”は H、アルキルまたはフェニルである]を有する。化合物(IV)の構造による好適 な化合物は、R=CH2OHのものである。 化合物(V)は、構造: [式中、R1=H、RまたはX、ここで、XはNa、K、アミン、または他の1 価のカチオン性分子であり、RはH、アシル、アルキルまたはフェニルであり; R2=O、またはHおよびOH、またはHおよびOR、ここでRはH、アシル、 アルキルまたはフェニルであり;そしてR3=H、アルキル、CH2OR、CHO 、COOR’またはCOO−X+、ここで、XはH、Na、K、アミン、または 他の1価のカチオン性分子であり、RはH、アシル、アルキルまたはフェニルで あり、そしてR’はアルキルまたはフェニルである]を有する。 化合物(VI)は、構造: [式中、R1=H、RまたはX、ここで、XはNa、K、アミン、または他の1 価のカチオン性分子であり、そしてRはアルキルまたはフェニルであり;R2= O、またはHおよびOH、またはHおよびOR、ここでRはH、アシル、アルキ ルまたはフェニルであり;R3=H、アルキル、CH2OH、CH2OR、CHO 、COOH、COOR’またはCOO−X+、ここで、XはNa、K、アミン、 または他の1価のカチオン性分子であり、Rはアシル、アルキルまたはフェニル であり、そしてR’はアルキルまたはフェニルである]を有する。 化合物(VII)は、構造: [式中、R1=H、RまたはX、ここで、XはNa、K、アミン、または他の1 価のカチオン性分子であり、そしてRはアルキルまたはフェニルであり;R2= O、またはHおよびOH、またはOR、ここでRはH、アシル、アルキルまたは フェニルであり;R3=H、アルキル、CH2OH、CH2OR、CHO、COO H、COOR’、COO−X+、ここで、XはNa、Kまたはアミンであり、R はアシル、アルキルまたはフェニルであり、そしてR’はアルキルまたはフェニ ルである]を有する。 化合物(VIII)は、構造: [式中、R1=H、RまたはX、ここで、XはNa、K、アミン、または他の1 価のカチオン性分子であり、そしてRはアルキルまたはフェニルであり;R2= O、HおよびOH、HまたはOR、ここでRはH、アシル、アルキルまたはフェ ニルであり;そしてR3=H、アルキル、CH2OH、CH2OR、CHO、CO OH、COOR’、COO−X+、ここで、XはNa、Kまたはアミンであり、 Rはアシル、アルキルまたはフェニルであり、そしてR’はアルキルまたはフェ ニルである]を有する。 ラソノライドAのすべての態様および誘導体は、当業者には周知である標準的 反応および手順を用いることによって、調製できる。例えば、Rをアセチル(A c)基で置き換えることによって調製されるラソノライドAの誘導体は、標準的 なアセチル化反応を介して達成できる。具体的な反応を、より詳細に下記に説明 する。実施例6−化合物の類似体および変化形を参照されたい。 化合物ラソノライドAは、従来、天然資源から単離されたことがなかった。本 化合物は、フォルセピア(Forcepia)属の海綿から単離することが可能である。 フォルセピア(Forcepia)に加え、他の海綿も、本化合物(I)〜(VIII)の資 源として用い得る。これら他の海綿は、アカルヌス(Acarnus)、リソデンドリ クス(Lissodendoryx)、ヘミテダニア(Hemitedania)、テダニア(Tedania) などを包含する。本発明の化合物は、その誘導体も含め、抗腫瘍特性を有する。 したがって、それらは、癌をはじめとする多数の疾病の治療に用いることができ る。その上、本化合物は、生化学的プローブとして用い得る、すなわち、植物、 動物および人間の細胞の細胞骨格構造の研究における有用な手段であり得る。 以下は、本発明を実施するための、最良の形態を含む手順を例示する実施例で ある。これらの実施例は、本発明を限定するものとして解されてはならない。特 に指示されない限り、百分率はすべて、重量%であり、溶媒の混合比率はすべて 、体積による。実施例1−海産海綿の同定および所在 目的とする海綿、すなわちフォルセピア(Forcepia)の一種(多骨海綿目、ミ キシラ(Myxilla)科)は、英領バージン諸島、グアナ(Guana)島のイーストポ イント(East Point)北方、グランド・グット(Grand Ghut)、ノース・ショア (North Shore)の沖合い(北緯18度29.13分、西経64度37.65分)の19.2m (63フィート)の深さで採集できる。採集部位の地形は、滑らかな舗石状の岩 および砂である。該海綿は、色彩が赤橙色で、形状が球形である。フォルセピア (Forcepia)のこの種は、?トリラビス(?trilabis)種として同定された。R.W .M.Van Soest、「Marine sponges from Curacao and other Caribbean localit ies,Part III.Poecilosclerida」、Stud.Fauna Curacao Cavibb.Isl.、第66 巻、第199号、1〜167ページ(1984年)を参照されたい。該海綿は、下記のよう に分類されている: 門: 海綿動物 綱: 普通海綿類 目: 多骨海綿類 科: ミキシリデ(Myxillidae) 属: フォルセピア(Forcepia) 種: ?トリラビス(?trilabis)実施例2−ラソノライドAの単離 本化合物、すなわちラソノライドAを得るため、本化合物の原料海綿、すなわ ちフォルセピア・?トリラビス(Forcepia ?trilabis)をミキサー中で摩砕し、 エタノール200mlで3回抽出した。抽出時間は、それぞれ約8、15および8 時間であった。摩砕した海綿からエタノール抽出物をデカントし、重力濾過し、 併合し、減圧下で濃縮して、未精製エタノール抽出物を得た。次いで、この抽出 物を、等積の水と酢酸エチルとの間で溶媒分配した。酢酸エチル分配分を減圧下 で濃縮し、ヘプタンと10%メタノール水溶液との間で、更に溶媒分配した。水 性部分には、総含水量を40%にするのに充分な水を加えた。次いで40%メタ ノール水溶液分画を塩化メチレンで分配した。次いで、塩化メチレン分配分を減 圧下で濃縮し、メタノール/水1:1、メタノール/水80:20、および10 0%メタノールの溶媒勾配を用いて、逆相ODSゲルを充填した真空フラッシュ カラム(VFC)を流下させることによって、更に精製した。次いで、メタノー ル/水80:20から得られた分画を、順相シリカゲルの半分取用カラム、およ び溶出溶媒として酢酸エチル/ヘプタン70:30を用いたHPLCによって精 製した。これによって、純粋なラソノライドAを得た。単離手順の略図による表 示を図1に示す。本化合物の類似体および誘導体は、実質的に同様の抽出および 精製手法を用いて得ることができる。 生物活性化合物であるラソノライドAは、生物中に存在する主な細胞毒性化合 物であり、海綿の湿潤重量に対して約0.05%の収率で、純粋形態で単離でき る。大規模単離は、水抽出物(メタノール抽出物を水/酢酸エチルで分配した後 に得ることができる)に対するRP−18真空液体クロマトグラフィーに続く、 分取カラムでのRP−18のHPLCによって実施できる。この工程に必要な材 料はすべて、当業者に容易に入手可能である。実施例3−化合物の特性 ラソノライドAの特性は、NMR分光分析によって決定した。これらのデータ の結果を下記の表1に示す。 実施例4−抗腫瘍活性 P388マウス白血病細胞およびA549ヒト肺癌細胞に対する毒性について 、ならびにプロテインキナーゼC(PKC)およびEL−4細胞接着の活性化に 付随するシグナル導入経路を攪乱できる能力について、ラソノライドAを試験し た。 A.細胞株の維持: P388マウス白血病細胞は、米国メリーランド州ベセ スダ(Bethesda)、米国国立癌研究所のJ.メイオ(J.Mayo)博士から入手した 。A549細胞およびEL−4.IL−2細胞(TIB)は、米国メリーランド 州ロックビル(Rockville)、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション (American Type Culture Collection)から入手した。P388細胞は、10% ウマ血清を補充したロスウェル・パーク・メモリアル・インスティテュート(Ro swell Park Memorial Institute)培地1640号(RPMI−1640)中で 維持し、プラスチック組織培養フラスコ中で培養し、恒温器内で、5%CO2を 含む湿潤な空気中で37℃に保った。A549細胞は、RPMI−1640中で 同様に維持したが、10%ウシ胎児血清を補充した。P388およびA549細 胞の無抗生物質保存株を、新鮮な増殖培地への希釈によって、2〜5日間隔で1 05細胞/mlに継代培養した。EL−4細胞も同様に維持したが、10体積%の 加熱不活化ウシ胎児血清、100U/mlのペニシリン、100μg/mlのストレ プトマイシン、6μg/mlのL−グルタミンおよび5x10-3モルの2−メルカ プトエタノールを補充した(TCM)(Grand Island Biologicals社、米国ニュ ーヨーク州Grand Island)。 細胞は、3〜4日ごとに植え継いだ。トリパンブルー除去によって生存率を決 定し、常に80%を上回った。接着検定には、凍結保存株の15継代以内の細胞 を用いた。ホルボール−12−ミリステート−13−アセテート(PMA)およ び4α−ホルボール−12−ミリステート−13−アセテート(4α−PMA) は、LC Services Corporation社(米国マサチューセッツ州Woburn)から入手し た。PMAおよび4α−PMAの原液は、DMSO中で調製し、使用の前に−7 0℃で貯蔵した。 B.手順: P388細胞に対する薬剤の増殖阻害効果を評価するために、薬 物を含まぬ培地、あるいは未精製抽出物を1:500の最終希釈で、または中間 体ならびに純粋な化合物を10.0、1.0、0.10および0.010μg/m lで含有する培地に、1x105細胞/mlの培養株200μlを確立した(96穴 組織培養プレート、デンマーク国Nunc社)。すべての希釈に用いた溶媒は、エタ ノールであって、これはすべてのプレートから減圧下で除去した。48時間接触 させた後、下記のとおり、臭化3−[4,5−ジメチルチアゾール−2−イル] −2,5−ジフェニルテトラゾリウム(MTT)を用いて、P388細胞を計数 した。 A549細胞に対するラソノライドAまたはその類似体の増殖阻害効果を評価 するために、微量滴定プレートのウエル中に、培地に対して1.5x105細胞 /mlの最終濃度で細胞を単層培養株として確立してから24時間後に、化合物と 接触させた。100μlの体積の培地を各培養ウエルから除去し、100μlの体 積の、薬物を含まぬ培地、または未精製抽出物を1:500の最終希釈で、もし くは中間体および純粋な化合物を10.0、1.0、0.10および0.010 μg/mlで含有する培地で置き換えた。プレートを37℃で72時間インキュベ ートし、下記のとおり、MTTを用いて細胞を計数した。 細胞増殖に対するラソノライドAまたはその類似体の効果を定量するために、 5mg/mlのMTTを含有する暖めた増殖培地75μlを各ウエルに加えた。培養 物を恒温器に戻し、90分間静置した。還元されたホルマザンの形成を分光測光 によって定量するため、プレートを遠心分離し(900xg、5分間)、培養液 を吸引によって除去し、各ウエルごとに200μlの酸性化イソプロパノール( イソプロパノール1Lあたり2mlの濃塩酸)を加えた。得られた溶液の吸光度を 、プレートリーダー(MR700Microplate Reader、Dynatech Laboratories社 、米国バージニア州Chantilly)で570nmで測定した。試験ウエルの吸光度を 、薬物を含まぬウエルの吸光度で除し、未処理培養物の吸光度の50%を与える 化合物の濃度(IC50)を、ロジット変換したデータの線形回帰によって決定し た。P388やA549の細胞数とホルマザン生産との間の線形関係が、この研 究で観察された細胞密度の範囲にわたって見出された。 EL−4細胞に対する本化合物の効果を評価するために、96穴の平底の微量 滴定試験プレートで37℃で、EL−4細胞(2.5x105/ウエル)を三重 の濃度の海綿代謝生成物とともに、PMA(16ナノモルの最終濃度)の存在下 (プレート1)または非存在下(プレート2)で培養した。試験化合物をTCM で、EtOHの最終濃度が1.25%を超えないようにして希釈した。対照は、 単独でインキュベートした細胞(負の対照)と、PMAとともにインキュベート した細胞(正の対照)とで構成した。PMAの不在下でEL−4.IL−2細胞 および同一希釈の化合物からなる追加の対照プレート(プレート3)は、細胞毒 性のプレートとして役立て、下記のような接着には処理しなかったが、EL−4 .IL−2細胞に対する化合物の細胞毒性効果の可能性を監視するのに用いた。 インキュベートの時間は37℃で1時間であった。インキュベートの期間後に、 プレート1および2を下記のとおり処理した:プレートをキャッチトレーに振り 入れ、プレートをペーパータオル上に反転して置いて、残留する排水ウエルを排 水かつ吸い取ることによって、各ウエルの内容物を除去した。各ウエルに、10 0μlという体積のTCMを室温で加え、5にセットした回転プラットホーム攪 拌器(Mini-Orbital Shaker、BELLCO Biotechnology社、米国ニュージャージー 州Vineland)にプレートを4分間載せた。次いで、プレートを180°回転させ 、更に4分間の攪拌に付した。プレートを取り出し、その内容物を、記載したと おりに再度除去し、吸い取り、各ウエルにTCMを加え、回転攪拌器にプレート を載せた。この工程を、更に2回の洗浄周期について繰り返した。 ウエルの内容物を除去した後、200μlという体積のTCMおよびMTT溶 液(TCM中に2mg/ml)75μlを全プレートの各ウエルに加えた。プレート を37℃で更に4時間インキュベートした。インキュベートした後、プレート1 および2の内容物を、プレートをシンクに振り入れ、ペーパータオルに吸い取る ことによって、再度除去した。プレート3は、遠心分離し、同様に吸い取った。 次いで、全プレートの各ウエルに、体積200μlのiPrOHを加えて、形成 されたホルマザンの結晶を溶解した。プレートリーダー(Microplate Autoreade r,Model EL-311、BIO-TEK Instruments,Inc.社、米国バーモント州Winooski )を用いて、570nmでプレートを読み取った。三重のウエルの各セットについ ての吸光度を平均化し、標準誤差を決定した。各試験ウエルの平均吸光度および 標準誤差をプロットすることによって、結果をグラフで表した。結果を下記のよ うに解釈した: PKCのアゴニスト(接着の誘発剤):、単独でインキュベートした細胞(負 の対照)の吸光度より高い、接着した細胞によって代謝されたMTTの吸光度に よって証拠付けられるとおり、化合物は、PMAの不在下(プレート2)でEL −4.IL−2細胞の接着を誘発する。 PKCのアンタゴニスト(接着の阻害剤):MTTの吸光度が皆無であること によって証拠付けられるとおり、化合物は、PMAの不在下(プレート2)でE L−4.IL−2細胞の接着を誘発しない。MTTの吸光度が皆無であることに よって証拠付けられるとおり、化合物は、PMAの存在下(プレート1)でEL −4.IL−2細胞の接着を阻害する。化合物は、プレート3によって測定され たとおり、細胞毒性をもたない。 C.結果:A549、P388およびEL−4の接着検定の結果を、下記の表 2に示す。精製されたラソノライドA(バイアル10319番)は、マウス白血 病細胞に対して強い阻害特性を有し、0.01μg/ml未満のIC50を有するこ とが判明した。ラソノライドAは、培養されたヒト肺癌細胞(A549)に対し て0.04μg/mlのIC50を有することも判明した。EL−4接着検定を用い ても、阻害はラソノライドAについて強力であった。精製された化合物は、EL −4の接着によって、0.019のIC50を有することが示された。化合物ラソ ノライドA、またはそれに由来する組成物は、人間または動物において、腫瘍を 阻害するのに用いることができる。 実施例6−化合物の類似体および変化形 新規化合物、すなわちラソノライドAの修飾は、当業者によって容易に実施で きる。 本願で用いられるように、「類似体」、「変化形」および「誘導体」という用 語は、もう一つの化合物と実質的に同じであるが、例えば、追加のアミノ酸また は側鎖基を加えることによって、修飾されていた可能性がある化合物を意味する 。本願で用いられるように、「類似体」、「変化形」および「誘導体」という用 語は、もう一つの化合物と実質的に同じであるが、該化合物中の一定の個所での 原子または分子の置換を有する化合物を意味してもよい。 記載のとおり、該化合物の好適な実施態様は、ラソノライドAであって、R1 =OHであり、R2=CH2OHである上記の構造を有する。しかし、この好適な 実施態様の類似体または誘導体は、一般的に公知である標準的反応を用いて、容 易に調製できる。これらの標準的反応は、メチル化、アセチル化および酸性化反 応を包含するが、これらに限られない。ここに具体的に例示した誘導体および類 似体は、下記のとおりに調製できる。 1.メチル化:標準的なメチル化の手順を用いて、ラソノライドAをメチル化 できる。例えば、ラソノライドAのメタノール溶液と反応させたメチル化試薬、 例えば硫酸ジメチルは、R1=CH3である上記の構造を生じる。 2.アセチル化:標準的なアセチル化反応を用いて、アセチル(Ac)基をラ ソノライドAに付加できる。アセチル化は、遊離ヒドロキシル基が分子上に存在 する位置で生じ得る。例えば、ラソノライドAのアセチル化は、過剰な無水酢酸 およびピリジン(1:2)を用いて実施でき、R1およびR2=CH2COO−で ある化合物(I)として上記に示した構造を生じることになる。この構造は、上 記のとおり、標準的なメチル化の手順によって更にメチル化でき、R1およびR2 =CH2COOCH3である上記の構造を生じることになる。 本発明は、具体的に例示した化合物および他の組成物について示した、具体的 な構造を包含する。本発明は、更に、該構造の類似体、変化形および誘導体はも とより、該誘導体の類似体および変化形も包含する。これらの類似体、変化形お よび誘導体は、該類似体、変化形または誘導体が、最初に例示した化合物と実質 的に同じ適切な生物学的活性を保持する限り、本発明内に包含される。例えば、 原子または分子的置換を行なうことは、充分に当業者の技量の範囲内にある。こ れらの置換が適切な生物学的または化学的活性を実質的に変更しない程度にまで であるならば、得られる化合物は、本発明の範囲内に属する。「適切な生物学的 または化学的活性」という用語は、ある化合物の特定の適用のための問題の活性 を意味する。例えば、ラソノライドAの一つより多くの用途を本明細暑中で考察 する。これらの用途は、細胞骨格の構造の研究における生化学的プローブとして のその適用を包含する。ラソノライドAをこれらの方面に用いようとするならば 、「類似体」とは、生化学的プローブとして用い得る化合物の可能性を実質的に 変えることなく、(例えば分子的置換によって)ラソノライドAが修飾された化 合物を意味することになるであろう。分子的置換は、本発明の主題の範囲内にあ る変更の形式の一例にすぎない。実施例7−配合および投与 本発明の化合物は、様々な非治療的および治療的目的に役立つ。試験から、本 発明の化合物は、生化学的プローブに、および腫瘍増殖の制御に効果的であるの が明らかである。この新規化合物、およびそれらを含有する組成物の治療への適 用は、当業者には現在および将来的に公知である、適切ないかなる治療方法およ び手法によっても達成されるものと想定できる。更に、本発明の化合物は、他の 有用な化合物および組成物の製造のための出発材料または中間体としての用途を 有する。 上記の指示での宿主への投与用量は、感染の正体、関係する宿主の類型、その 年齢、体重、健康、存在するならば、併用する処置の種類、処置の頻度、および 治療比率に左右されることになる。 本発明の化合物は、薬剤学的に有用な組成物を調製するための公知の方法に従 って配合できる。配合物は、当業者には周知であって、容易に入手できる、多数 の資料に詳細に記載されている。例えば、E.W.マーチン(E.W.Martin)による 「レミントンの薬剤学(Remington's Pharmaceutical Science)」は、本発明と 関連して用い得る配合物を記載している。一般に、本発明の組成物は、有効量の 生物活性化合物を、該組成物の効果的な投与を促すのに適した担体と組合せるよ うに配合されることになる。 本明細書に開示された実施例および態様は、例示目的のためであるにすぎず、 それらを勘案しての様々な変更または変化が当業者には示唆されると思われ、か つ本願の本旨および範囲、ならびに添付された請求の範囲内に包含されるべきで あることが理解されなければならない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ロングレイ ロス イー. アメリカ合衆国 フロリダ州 ベロ ビー チ 22ンド アベニュー 156 (72)発明者 マッコネル オリバー ジェイ. アメリカ合衆国 フロリダ州 ベロ ビー チ シルバー パーム ドライブ 4007 (72)発明者 ポンポーニ シャーリー エイ. アメリカ合衆国 フロリダ州 フォート ピアース パパイヤ ドライブ 5710

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.化合物(I)、化合物(II)、化合物(III)、化合物(IV)、化合物(V )、化合物(VI)、化合物(VII)、化合物(VIII)、またはそれらの類似体、 誘導体、もしくは塩よりなる群から選ばれるマクロライド化合物。 2.化合物が化合物(I)である請求の範囲1記載のマクロライド化合物。 3.化合物がラソノライドAである請求の範囲1記載のマクロライド化合物。 4.癌細胞の増殖を阻害するための薬学的組成物であって、適切な薬剤学的担体 、およびマクロライド化合物、またはそれらの類似体、誘導体もしくは塩を含み 、該マクロライド化合物が、化合物(I)、化合物(II)、化合物(III)、化 合物(IV)、化合物(V)、化合物(VI)、化合物(VII)または化合物(VIII )よりなる群から選ばれる薬学的組成物。 5.化合物が化合物(I)である請求の範囲4記載の薬学的組成物。 6.化合物がラソノライドAである請求の範囲4記載の薬学的組成物。 7.人間または動物を宿主とする癌細胞を治療する方法であって、該人間または 動物に、癌細胞阻害量のマクロライド化合物、またはそれらの類似体、誘導体、 もしくは塩を投与することを含み、該マクロライド化合物が、化合物(I)、化 合物(II)、化合物(III)、化合物(IV)、化合物(V)、化合物(VI)、化 合物(VII)または化合物(VIII)よりなる群から選ばれる方法。 8.化合物が化合物(I)である請求の範囲7記載の方法。 9.化合物がラソノライドAである請求の範囲7記載の方法。 10.マクロライド化合物を得る方法であって、 (a)アカルヌス(Acarnus)、フォルセピア(Forcepia)、ヘミテダニア(H emitedania)、リソデンドリクス(Lissodendoryx)およびテダニア(Tedania) よりなる群から選ばれる海産生物を提供し、 (b)マクロライドを有機溶媒へと分配し、 (c)マクロライドをクロマトグラフィーによって単離すること を含む方法。 11.マクロライド化合物が、化合物(I)、化合物(II)、化合物(III)、 化合物(IV)、化合物(V)、化合物(VI)、化合物(VII)および化合物(VI II)よりなる群から選ばれる請求の範囲10記載の方法。 12.マクロライドが化合物(I)である請求の範囲10記載の方法。 13.化合物がラソノライドAである請求の範囲10記載の方法。 14.海産生物がフォルセピア(Forcepia)である請求の範囲10記載の方法。
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