JPH09509697A - プラチナ濃縮ケイ素変性耐蝕性アルミニウム被覆 - Google Patents

プラチナ濃縮ケイ素変性耐蝕性アルミニウム被覆

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Abstract

(57)【要約】 電解付着による如くして、白金で合金基体の表面を最初濃縮すること、次いで白金濃縮基体中に、溶融状態からアルミニウム及びケイ素を同時に拡散させることを含む方法によって、ニッケル基合金の酸化及び腐蝕抵抗を増強する。本発明は更に増強された酸化及び腐蝕抵抗を有する被覆及び被覆基体を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 プラチナ濃縮ケイ素変性耐蝕性アルミニウム被覆発明の背景 本発明は、白金で濃縮されているニッケル合金面中にケイ素及びアルミニウム を同時に混入して、ケイ素又は白金の何れか単独の添加によって達成できる熱腐 蝕及び酸化に対する抵抗よりも著しく改良された抵抗を有するすばらしい保護被 覆を作ることにある。被覆は、性能に害を与える基体元素特に耐火金属を比較的 含有しない白金及びニッケルアルミナイド相を含有し、前記元素は、被覆層の全 体的な耐蝕性に寄与するケイ化物化合物内に濃縮されている。 運転中、ガスタービンの熱い断面(又は電力タービン断面)中の成分は、12 00℃にも達しうる温度に曝される。これらの成分は、特に高温用のため作られ たニッケル及びコバルト基合金から作られるのが代表的である。たとえそうであ っても、かかる高温で作動するために曝されたとき、これらの耐熱性材料は、自 然な形、金属酸化物及び/又は硫化物に戻り始める。ニッケル及びコバルトは堅 く接着しない。熱サイクル中に、それらは表面に亀裂を生じ、かつ剥脱し、周囲 雰囲気に更に基体を露出させる。この方法で酸化荒れを生じ、最後にはこれらの 合金から作られた非保護部分を使い尽す(図1参照)。 ナトリウム、塩素及び硫黄は、運転環境中で劣化を促進する。約540℃より 上で、ナトリウムは硫黄含有化合物と反応して金属部品上で凝縮する溶融硫酸塩 を形成し、ニッケル及びコバルト酸化物のゆるく接着したフィルムを溶 解し、基体を攻撃する(図2参照)。 高温スーパーアロイの化学は、高温強度に対して初めは最良であった。ニッケ ル基合金の高温強度を増強するため、モリブデン、タングステン及びバナジンの 如き耐火元素が加えられた。しかしながら、これらの同じ耐火元素が、合金強度 に対して有利であるが、高温耐蝕性を著しく低下させることが時がたつにつれて 明らかになって来た。合金耐蝕性に有利な効果を有するクロムの濃度を増大させ ることによって腐蝕性環境で使用するため合金化学を変性することが必要になっ て来た。しかしながら、クロムはニッケル基スーパーアロイの高温強度を低下さ せる。 ガスタービンエンジンで実用化され、当業者に広く知られているニッケル及び コバルトスーパーアロイの酸化抵抗及び熱耐蝕性を増強させるための一つの手段 は、部品の表面中にアルミニウムを合金化することである。アルミニウムはニッ ケル及びコバルトの両方で安定な金属間化合物を形成する。これらの相中でのア ルミニウム濃度が充分に高いとき、高温で形成する酸化物スケールはもはやゆる く接着する基体金属酸化物でなく、強靭で堅く接着するアルミナ(Al23)の 保護層である(図3参照)。 Watchtell 等のUS−P3257230及びBoone 等のUS−P354434 8は、中でもパックアルミニウム化として知られる方法でアルミニウム蒸気から 金属間アルミナイドのこれらの保護層を形成する方法を記載している。アルミニ ウム又はアルミニウム合金粉末を活性剤として知られるハロゲン化物化合物及び 不活性粉末(通常アルミナ )と混合する。充分に高温(650℃以上)に加熱したとき、ハロゲン化物はア ルミニウムと反応してガス状ハロゲン化アルミニウムを形成する。これらの蒸気 は金属面上で凝縮し、ここでそれらは元素状アルミニウムに還元される。これら のアルミニウム原子は基体中に拡散して保護金属間アルミナイド相、例えばニッ ケル合金基体上でのNiAl及びNi2Al3及びコバルト合金上でのCoAl及 びCo2Al5を形成する。 JosephのUS−P3102044には、金属間アルミナイドの保護層が、どの ようにして部品の表面上で金属充填被覆を液相反応から作ることができるかを記 載している。スラリーアルミニウム化として知られるこの方法においては、アル ミニウム金属の層をハードウエア上に付着させ、次いで部品を保護雰囲気中で加 熱する。温度がアルミニウムの溶融温度(660℃)を越えたとき、表面上のア ルミニウム金属は溶融し、基体と反応する。NiAlは直接的に形成し、高アル ミニウム含有率金属間化合物の形成を避ける。 航空機工業で使用される一つの工業的スラリーアルミニウム化被覆法は、金属 充填スラリー又はペイントの熱スプレー又は適用によって拡散前にアルミニウム を表面上に付着させることを特記している。使用される一つのスラリーは、Alle n のUS−P3248251に記載されている如きアルミニウム充填クロメート 及び/又はホスフェートスラリーである。このスラリーは、クロメート及びホス フェートの酸性水基溶液中のアルミニウム粉末からなる。スラ リーは、ブラシ又は通常のスプレー法によって適用できる。約260℃〜540 ℃(500°F〜1000°F)の温度で加熱したとき、バインダーがガス状固 体に変換し、これが金属粉末粒子を相互にそして基体に結合する。 スラリー被覆スーパーアロイ部品を約980℃(1800°F)の温度に加熱 したとき、アルミニウム粉末は溶融し、部品中に拡散し、保護アルミナイド、即 ちニッケル合金上のNiAl及びコバルト合金上のCoAlを作る。セラミック バインダーは処理温度で安定であるため、アルミニウム粉末は、拡散が進行する に従って基体に対して堅く保持される。 Deadmore等のUS−P4310574には、アルミニウム化中に表面中にケイ 素を同時に混入することによって、アルミナイドの熱耐蝕性を増強する手段が記 載されている。この特許において、ケイ素充填有機スラリーを部品上にスプレー し、次いでこれをアルミニウムと活性剤のパック混合物中に置いている。加熱中 に、表面上で凝縮するアルミニウムは、それが基体中に拡散するとき、それと共 にケイ素を運ぶ。形成するケイ素濃縮アルミナイドは、ケイ素を用いないアルミ ナイドよりも、1093℃(2000°F)で酸化に対して抵抗を有していた。 Deadmore等のUS−P4310574より前であるアルミナイド被覆にケイ素 を加える別の手段は、同時に溶融してアルミニウム及びケイ素を表面中に合金化 することである。商標名SermaLoy J(米国、ペンシルバニア州LimerickのSerm atech International)で市場で入手できるアル ミニウム及びケイ素充填スラリーは、長年の間、欠陥を補修し、パックアルミナ イド及びMCrAlYオーバレイ被覆で被覆した部品を修正している。SermaLoy (登録商標)Jスラリーにおいては、アルミニウム及びケイ素粉末を、Allen の US−P3248251に記載された種類のクロメート/ホスフェートバインダ ー中に分散させている。 SermaLoy(登録商標)Jスラリー被覆組成物は、使用に供するとき、バインダ ーとしての無機塩の酸性水溶液中にケイ素及びアルミニウム元素状金属粉末を含 有する。スラリーの全金属粉末含有量の約15重量%がケイ素粉末である。しか しながら大体の重量%でスラリーの全体的組成は、 Al粉末 35% Si粉末 6% 水 47% バインダー塩(水に溶解した) 12% である。 組成物を作る好ましい型式は、金属粉末構成成分を予備混合し、別にバインダ ー溶液を作り、次いで粉末を溶液中に混合することにある。組成物を作るための 他の方法も容易に考えることができる。 このバインダーは、拡散温度に加熱中、金属表面と接触状態にある金属顔料を 保持する固体マトリックスに硬化するため選択する。又拡散が完了した後、表面 にゆるく接着するだけである残渣を生ぜしめるよう拡散中不安定であるように選 択する。 SermaLoy(登録商標)Jスラリーで被覆したニッケル合金を870℃(160 0°F)に加熱したとき、スラリー中のアルミニウム粉末は溶融し、ケイ素粉末 はこの溶融アルミニウム中に溶解し、両種が基体中に拡散し、合金を作る。 生ずる金属間化合物相は、これら金属の内方への拡散によって形成される。拡 散は、基体中の元素に対する拡散種の異なる親和力によって偏る。ニッケル合金 について、アルミニウムはニッケルと反応するが、一方ケイ素はクロム及び他の 耐火元素に偏析する。結果は、ベータ相ニッケルアルミナイド(NiAl)及び クロムケイ化物(CrxSiy)の複合被覆である。Waspaloy(登録商標)ニッケ ルスーパーアロイ基体上のこの複合被覆の独特の層状構造を図4に示す。この構 造内のニッケル、クロム、ケイ素、アルミニウム及びコバルト相の層形成を図5 a〜図5eに電子顕微鏡写真で示す。 エンジン実験及び研究室試験は、このアルミナイド−ケイ化物被覆が、この方 法でケイ素で変性しなかったアルミナイドよりも熱腐蝕及び硫化に対する抵抗を 有することを確認している。これらのスラリーアルミナイド中のケイ化物は、溶 融サルフェートによる侵害に対し特に抵抗性を有し、従って層が熱腐蝕に対する バリヤーとして作用する(図4参照)。 しかしながらケイ素変性スラリーアルミナイド被覆の耐蝕性は下にある基体金 属のクロム含有量に依存することが判った。研究室のバーナーリグ試験において 、約16%の クロムを含有するIN738上のケイ素変性被覆の性能は、約10%のクロムを 含有するニッケル合金であるIN100の性能よりも著しく良好である。SermaL oy(登録商標)J被覆の熱腐蝕寿命は、IN738で試験したとき300〜35 0時間/ミル(12〜14時間/μm)であった。被覆の腐蝕寿命はIN100 で僅かに150〜200時間/ミル(6〜8時間/μm)にすぎなかった。 Bungardt等(US−P3677789及び3819338)は、拡散したアル ミナイドの熱腐蝕及び酸化抵抗は、白金族の金属を導入することによって増強で きることを示している。少なくとも3〜7μmの白金をニッケル面上に電着する 。アルミニウム層は、約1100℃の温度でパックアルミニウム化によって基体 中に拡散して、表面上に保護拡散層を形成する。白金被覆面をパックでアルミニ ウム化したとき、形成する金属間化合物アルミナイドの部分はニッケル−アルミ ナイド以外の白金−アルミナイド(PtAl及びPtAl2)である。かかる白 金及びニッケルアルミナイドの混合物上に形成する酸化アルミニウムスケールは 、ニッケルアルミナイド単独上に形成するスケールよりも丈夫でかつより良い接 着性である。 前記Bungardtの特許以外では、白金アルミナイドで、高温被覆中ニッケルアル ミナイドにいくらかの部分を置換することによって期待される性能改良に依存し ていた。例えばStueber 等(US−P3999956及び4070507)は、 白金の利点はアルミナイド中にロジウムを導入することによって同様に増強でき ることを示している。 Panzera 等(US−P3979273)は、これらの利点を、Y,Zr又はHf の如き活性元素で白金の薄い付着物を合金化することによって実験できる方法を 発表している。Shankar 等(US−P4526814)は、アルミニウム化する 前にニッケル表面にクロム及び白金を拡散することによって形成した保護アルミ ナイドを発表している。クロムはニッケルアルミナイド層の耐蝕性を改良し、こ れによって白金変性アルミナイドの全体的な性能を実質的に改良している。 Creech等(US−P5057196)は、白金変性アルミナイド被覆の機械的 性質を改良するための方法を発表している。それらの方法において、白金−ケイ 素合金粉末は表面上に電気泳動的に付着され、次いで合金粉末を溶融するのに充 分な温度に加熱され、ニッケル基体中への白金及びケイ素の拡散が開始される。 続いて、アルミニウム−クロム粉末はこの白金−ケイ素−ニッケル合金層を通っ て拡散してアルミナイド被覆を作る。この特許は、白金との共拡散による被覆中 へのケイ素の導入が、ケイ素を用いないかかる被覆よりも延性を改良することを 示している。 拡散アルミナイド被覆法の進歩及び改良にも拘らず、この種の従来の被覆の高 温腐蝕性能は、一般に基体合金化学によって影響を受ける。高温腐蝕抵抗のため 最適にされた合金基体(即ち高クロム含有率)上に適用された拡散アルミナイド 被覆は、劣った高温腐蝕抵抗を有する合金基体(即ち低クロム含有率)上に適用 された同じ被覆より著しく良好な性能を有するであろう。この従来からの固有の 制限 は、海洋発電機及び海洋ガスタービンの如き高温腐蝕が一般に生ずる用途から、 多少の差はあれ高価な合金の利用(相当する低クロム含有率)を抑制している。 興味ある背景技術の論文には次のものがある。ケイ素基被覆の利点は、米国、 カリホルニア州サンディエゴにおいて1981年3月2日〜6日に開催されたNa tional Association of Corrosion Engineers でのF.Fitzer 及びJ.Schlictin g の論文Coatings Containing Chromium,Aluminum and Siliconに発表され、Hi gh Tenperature Corrosion(Robert A.Rapp編)の604〜614頁に発表され ている。ローターブレード材料及び被覆の試験の詳細は、Engine Experience of Turbine Materials and Coatings(1982年)の表題のR.N.Davis 及びC. E.Grinell の論文が、the American Society of Mechanical Engineers(AS ME)に発表されている。又Proceedings of the Electrochemical Society,Vo l 77−1からの、G.William Goward による論文、Protective Coatings For High Temperature Alloys State of Technology;1969年5月5日及び6日 のスイス国Zurichでのthe Steel Strengthening Mechanisms Symposiumで提出さ れたR.F.Deckerの論文Strengthening Mechanisms in Nickel−Base Superallo ys;及び米国ニュージャージー州のSaddleBrook のInternational Nickel,Inc. の刊行物、High Temperature High Strength Nickel Base Alloys を参照された い。これらの刊行物全てを引用してここに組入れる。発明の概要 本発明によれば、基体の酸化及び腐蝕抵抗を増強するため、ニッケル基合金基 体の表面を被覆する方法を提供する。本発明の方法においては、ニッケル基合金 基体の表面を、最初表面上に白金の層を付着させ、次いで白金被覆面を加熱して 白金を基体中に拡散させることによって白金を濃縮(enrich)させる。次いでア ルミニウム及びケイ素を、溶融状態から白金濃縮基体中に同時に拡散させる。こ の被覆法は、ニッケル基合金基体上に白金濃縮し、ケイ素変性した腐蝕及び酸化 抵抗アルミナイド被覆を形成する。 本発明は又ニッケル基合金基体のための新規な白金濃縮ケイ素変性アルミナイ ド被覆も提供する。本発明の好ましい実施態様において、被覆は、少なくとも三 つの区別しうる層の形でニッケルアルミナイドの連続体(continuum)を含有す る。被覆の表面層は、ニッケルアルミナイド中の白金アルミナイド及び耐火ケイ 化物相の分散分布を含む。表面層の下は、第二層であり、これはニッケルアルミ ナイド中の耐火ケイ化物相の分散分布を有し、表面層と比較したとき白金アルミ ナイド相を比較的含有しない。第二層の下には第三層があり、これは表面層と比 較したとき、白金アルミナイド相及び耐火ケイ化物相の両方を比較的含有しない 。この被覆は酸化及び熱腐蝕条件に対する改良された抵抗を提供する。 本発明は更に、本発明の白金濃縮ケイ素変性被覆で被覆した耐火物含有ニッケ ル基スーパーアロイ部品を提供する。 本発明の被覆法及び被覆は、ニッケル基合金に対するの と同じ方法で、改良された酸化及び腐蝕抵抗を提供するためコバルト基合金にも 適用できる。図面の簡単な説明 本発明の実施例及びその背景を、添付図面を参照して説明する: 図1は、非保護スーパーアロイ表面を清浄な燃焼ガスに曝露したとき何が生ず るかを示す図解図である。 図2は、非保護スーパーアロイ表面を、熱腐蝕/硫化条件下で海洋環境でしば しば見出される塩素及び硫黄を含有する汚染物を含有する燃焼ガスに曝露したと き何が生ずるかを示す図解図である。 図3は、アルミナ、Al23の高度接着性保護層を有し、拡散したアルミナイ ド被覆を形成するためアルミニウム化された代表的なスーパーアロイ基体を示す 図解図である。 図4は、Waspaloy(登録商標)ニッケル合金上のケイ素変性スラリーアルミナ イド(登録商標SermaLoy J)の顕微鏡写真である。 図5a〜図5eは、図4で示された被覆微細構造中のそれぞれ元素ニッケル、 アルミニウム、クロム、ケイ素及びコバルトの分布を示す電子マイクロプローブ 図である。 図6は、本発明により作ったIN100上の白金濃縮ケイ素変性スラリーアル ミナイド被覆(500倍の倍率で酸エッチングして示した)の顕微鏡写真である 。被覆の外側第三の層(帯域A)で、PtAl2(白又は明るいエッチング相) 及びTi,W,Mo及びVのケイ化物(暗い相) がNiAl(灰色)マトリックス中に分散している。この層の下にはNiAl中 に分散したケイ化物からなる帯域(B)がある。基体近くの明るいエッチング材 料のバンド(帯域C)はPt又はSi濃縮相を比較的含まぬNiAlからなる。 図7は、図6で示した本発明の被覆中のケイ素(Si)の分布の電子マイクロ プローブトレースを示す。 図8は、図6で示した本発明の被覆中のクロム(Cr)の分布の電子マイクロ プローブトレースを示す。 図9は、図6で示した本発明の被覆中のチタン(Ti)の分布の電子マイクロ プローブトレースを示す。 図10は、図6で示した本発明の被覆中のバナジン(V)の分布の電子マイク ロプローブトレースを示す。 図11は、図6で示した本発明の被覆中のモリブデン(Mo)の分布の電子マ イクロプローブトレースを示す。発明の詳述 本発明の被覆は、白金濃縮拡散アルミナイド中の白金の利点と、ケイ素変性ス ラリーアルミナイド中で生ずるケイ化物の利点とを組合せている。二つの機構の 相乗効果は、それぞれ何れかの方法又は被覆よりもすぐれた保護を有する被覆を 作る。 本発明の被覆の好ましい実施態様において、アルミニウム粉末及びケイ素粉末 を含有するスラリーは、白金で濃縮されているニッケル合金の表面中に拡散する 。スラリーは非反応性雰囲気中で660℃(1220°F)より上で拡散され、 このときアルミニウム粉末は溶融し、ケイ素を溶 解する。この溶融スラリーから基体中に拡散するアルミニウムは、ニッケル及び 白金と反応して、非常に安定であり、熱腐蝕に対して抵抗性であることが知られ ているニッケルと白金との金属間化合物アルミナイド(NiAl及びPtAl2 )を形成する。 溶融したスラリーからそれが拡散するに従って、ケイ素が、ニッケル合金中の 耐火物金属、例えばクロム、モリブデン、バナジン、チタン及びタングステンと 反応して安定なケイ化物を形成する。本発明のための耐火物元素の中に含まれる ものに、ニオブ、タンタル、ハフニウム、及びレニウムがある。これらの元素は ニッケルスーパーアロイを強化するために加える。しかしながらこれらの耐火物 金属の幾つか、特にタングステン、バナジン及びモリブデンは熱腐蝕に対する合 金の抵抗を低下させる。耐火物金属酸化物は、形成したとき膨張し、保護アルミ ナスケールを粉砕する。更にこれらの元素は熱腐蝕の自己生長形を作ることがで きる。 しかしながら、ケイ素は、白金及びニッケルアルミナイド相からこれらの強化 元素をスカベンジし、それらを安定な腐蝕抵抗ケイ化物に導入する。このアルミ ナイド相の清浄化は、本発明の被覆上の保護スケールの接着を増強する。更に形 成する腐蝕抵抗ケイ化物は、熱腐蝕に対する抵抗を増強する。 図6は、IN100ニッケル基合金上の本発明の被覆の代表的な微細構造を示 す。図6における構造の電子プローブマイクロアナリシスは、PtAl2として 同定された相 がNiAlマトリックス全体に分散されていることを示す。PtAl2の不連続 分布は保護アルミナイドにおいて望ましいことが当業者に知られている。ケイ素 、クロム及び他の耐火物金属の分布のマイクロアナリシス(図7〜図11)は、 被覆微細構造内でのCr,Ti,V及びMoとSiとの密な関係(affiliation )を証明している。 本発明の被覆の熱腐蝕及び酸化抵抗は、層化されたクロムケイ化物の形成にの み依存しているのではないため、その性能は、他のケイ素変性スラリーアルミナ イドの性能と同様の基体のクロム含有率によって決まるのではない。被覆層中の 白金及びニッケルアルミナイドからの有害な耐火物元素をスカベンジすることは 、低クロム合金上で形成するクロムケイ化物の低い集団より多くを相殺する。 従って本発明の被覆の酸化及び腐蝕抵抗は、ケイ素との同時反応なしに白金ア ルミナイド中で実現するよりも上に増強される。同様に本発明の被覆の酸化及び 熱腐蝕に対する抵抗は、白金の添加をしないアルミニウム−ケイ素スラリーアル ミナイド中で実現する抵抗より上に増強される。 ニッケル合金の白金濃縮は、部品の表面に白金の層を最初電気分解的に付着さ せることによって達成することは本発明の範囲内である。この層は約1〜約15 μmの平均厚さでの範囲で均一に密で良く接着させるべきである。白金の高い費 用のため、腐蝕抵抗に所望される改良を与えながら、白金被覆の厚さを最小にす るのが好ましい。被覆の厚さのための好ましい範囲は約3〜約7μm、特に約3 〜約5μmである。本発明の更に別の観点は、良好な被覆が、 白金の厚さが約1〜約2μmという小さいとき得られることにある。白金めっき は、続いて白金を表面中に合金化するのに充分な温度及び時間で、好ましくは約 20分以上約1000℃(1835°F)以上の時間と温度で拡散させるべきで ある。 又白金及び/又は白金合金粉末を含有するスラリーの好適な拡散熱処理によっ て、好適量の白金を付着できることも本発明の範囲内である。白金は又、低融点 白金濃縮合金粉末の電気泳動付着又はスラリーからの一次的液相付着によって導 入することもできる。 本発明の被覆の一実施態様は、好適なバインダー中にアルミニウム及びケイ素 を含有するスラリーを、白金で濃縮されたニッケル合金中に拡散することである 。スラリーは、バインダー液体中に元素の形で金属粉末を含有する。このスラリ ーの金属粉末成分は、アルミニウム及びケイ素の粉末を含有する。金属ケイ素粉 末の濃度は、スラリー中のアルミニウム及びケイ素の合計重量の約2〜約40% の範囲であることができ、特に良好な結果は約3〜約25%の範囲、約5〜約2 0%の範囲及び約10〜約15%の範囲を用いると得られた。 スラリーは、硬化後アルミニウム及びケイ素の有効量が付着するのに充分な厚 さに白金濃縮基体に適用する。約15〜約25mg/cm2のスラリーの厚さが 、約30〜約60μmの最終被覆厚さを生ぜしめ本発明の方法において有効であ ることが判った。スラリーの全固体含有率が約60重量%であるとき、基体に約 15〜約18mg/cm2 のスラリーを適用することにより良好な結果が得られ、約50〜約60μmの最 終被覆厚さを生ぜしめる。 最終被覆は約10〜約100μmの範囲の厚さであることができる。より薄い 被覆は所望の腐蝕抵抗を提供できない。より厚い被覆も使用できるが、かかる被 覆の追加の費用は、腐蝕抵抗での更なる改良を何ももたらすことができない。 所望によって、スラリー中に、Cr,Ti,Ta及びBを含む他の元素状金属 粉末成分を加えることができる。若し存在させるときには、Crは、スラリー中 の金属粉末構成成分の全重量の0〜約20重量%、特に約2.5〜約20重量% 、更に特に約3〜約10重量%で存在させるのが好ましい。組成物中に存在させ るとき、好ましくはTiは、スラリー中の金属粉末構成成分の全重量の0〜約1 0重量%、特に約2〜約5重量%であり、Taは0〜約10重量%、特に約2〜 約5重量%であり、硼素は0〜約2.5重量%、特に約0.5〜約2重量%、更 に特に約0.5〜約1重量%である。Ti及びTaは一緒に存在させるのが好ま しい。 上述したことから、本発明によれば、スラリーの金属粉末の最高アルミニウム 含有率は、他の金属元素の前述した最少量で、約98%であることが判るであろ う。同様に、最少アルミニウム含有率は、Al含有率の40%をSiが占めるも のとして、そして他の金属元素の前述した最大量で、約34.1%である。前記 上限及び下限を外れた金属量を有する組成は、所望の性質を有する被覆を形成し ない 傾向がある。特にスラリー中のアルミニウム含有率が少なくなればなる程、被覆 溶融物中でアルミニウムを有し、拡散を容易にすることを困難にする。従って前 述した如きアルミニウム含有率の範囲を維持することが好ましい。 金属成分は粉末粒子の形であるのが好ましく、これはできる限り微細であるべ きである。粉末粒子は、平均直径で、約50μm未満であるのが好ましく、約2 0μm未満であるのが更に好ましく、約10μm未満であるのが最も好ましい。 アルミニウム−ケイ素共晶合金粉末(例えばAl−11.8%Si)を、ケイ 素の全百分率が上述した限界内で保たれるならば、スラリーのアルミニウム及び ケイ素金属成分の全部又はいくらかの代りにすることができることも本発明の範 囲内である。 本発明によるアルミニウム及びケイ素成分のため使用するバインダーは、金属 種を金属面に拡散させるために要する温度に曝露したとき、硬化及び/又は揮発 をし、形成される被覆上に残渣を残さず、又は好都合に除去される大部分が無機 の残渣を残さない液体、好ましくは水性液体である。 かかるバインダーは知られている。それらは酸性、中性又は塩基性pHを有し うる。それらは溶媒又は水を基本にすることができる。それらは有機種(例えば ニトロセルロース又は同等の重合体)、無機チキソトロピーズル又はUS−P4 537632,US−P4606967及びUS−P4863516(Mosser等 の)に記載されているクロ メート、ホスフェート、モリブデート又はタングステート溶液であることができ る、これらはここに引用して組入れる。バインダーは又水溶性塩基性シリケート の群の一つであることもできる、これらは化学的結合水を失うことによって堅く 接着したガラス状固体に硬化する。 白金濃縮面上に液体をスプレー、浸漬又はブラッシングすることによって、ア ルミニウム及びケイ素粉末、又はそれらの合金粉末のスラリーを付着させること も本発明の範囲内である。或いは、粉末は、好適なビヒクル中の金属成分の懸濁 液から電気泳動法によって付着させることもできる。金属粒子は、それらが衝突 したとき変形し、堅く保持されるならば、火炎又はプラズマで軟化した粒子を高 速度で面に投射する熱スプレー法によって、化学バインダーを必要とせずに付着 させることも意図している。或いはアルミニウム及びケイ素又はそれらの合金の 層は、物理的蒸着(PVD)又はイオン蒸着(IVD)で作ることができる。 アルミニウム濃縮層は約660℃より上の拡散温度に非反応性雰囲気中で加熱 する、この温度はアルミニウム粉末を溶融するのに充分であり、ひいてはケイ素 及び他の金属粉末を溶解できる。ニッケル基合金に対しては、この拡散温度は、 約870℃(1600°F)より上に固定すべきである。拡散を行うことのでき る好適な非反応性雰囲気には、真空及び不活性又は還元性雰囲気を含む。乾燥ア ルゴン、水素、解離アンモニア又はアルゴンと水素の混合物が、非反応性雰囲気 として使用するのに好適なガスの代表例 である。 アルミニウム及びケイ素は、PCT出願No.PCT/US93/04507( 国際公開番号WO93/23247で公開された)に記載されたアルミニウム及 びケイ素を付着させるための多重拡散法によって白金濃縮面に適用してもよいこ とも本発明の範囲内である、これは引用してここに組入れる。多重拡散法におい ては、アルミニウム及びケイ素を含む被覆材料をスーパーアロイ基体に適用し、 拡散熱処理し、次いで適用及び拡散工程を少なくとも一回以上繰返す。本発明に よれば、スーパーアロイ基体は、多重拡散法でアルミニウム及びケイ素の適用前 に先ず白金濃縮する。 下記実施例は本発明の例示であり、限定する意図はない。 下記実施例において、高クロム含有率(>12%)ニッケル基スーパーアロイ の例としてIN738合金を使用し、低クロム含有率(<12%)ニッケル基合 金の例としてIN100合金を使用する。これらの合金に対する公称組成は下記 の通りである: 実施例 1 研究室試験で、本発明の白金濃縮、ケイ素変性アルミナイドの熱腐蝕抵抗を、 白金又はケイ素単独で変性及び/又は濃縮した保護アルミナイドの熱腐蝕抵抗と 比較した。被覆は、IN738ニッケル基スーパーアロイから作った長さ65m m、直径6.5mmの試験ピンの三つの群に適用した。群1A :IN738ピンの幾つかの上に保護被覆を作るため本発明の方法を使用 した。これらのピンは15分間343℃(650°F)で加熱して熱的に脱グリ ースした。次いでピンを吸引キャビネート中で4psiで120アルミナグリッ トでグリットブラストした。残りのグリットは超 音波洗浄で除去した。部品を乾燥し、次に白金の3〜5μmで電気めっきした。 めっきしたピンを、4時間1080℃で<10-4気圧の真空中で加熱して白金を ニッケル合金中に拡散させた。 水性の酸性クロメート/ホスフェート溶液中のアルミニウム及びケイ素粉末の スラリーの薄い湿潤被覆を、めっきし拡散したピン上にスプレーした。スラリー は下記成分からなっていた: 成 分 水 95.0ml リン酸 31.5g クロム酸 9.0g 酸化マグネシウム 7.3g アルミニウム粉末(直径<5μm) 82.0g ケイ素粉末(−325メッシュ) 14.5g このスラリーは重量で約60%の固体であり、ケイ素は全固体の約10%を含 み、又はアルミニウム及びケイ素粉末の合計量の約15%を含んでいた。スラリ ーの噴霧被覆を80℃(175°F)で15分間乾燥し、次いで350℃(65 0°F)で30分硬化した。スラリーは660℃(1220°F)以下で加熱し 、硬化法を促進できた、硬化はアルミニウムの溶融温度以下であった。より低い 硬化温度も使用できるが、長い硬化時間を必要とする。 ピンを冷却した後、スラリーの第二の被覆を、第一の場合と同様にして表面に スプレーし、乾燥し、硬化した。この方法を、各ピンにスラリーの15〜18m g/cm2が 適用される迄繰返した。次にピンを<10-4気圧の真空で2時間885℃で熱処 理した。部品を冷却した後、非拡散被覆残渣を、加圧ブラストキャビネット中で 8〜10psiで90/120ピンアルミナで各ピンを軽くブラストして除去し た。形成した白金濃縮ケイ素−アルミナイド被覆は約60μmの厚さであった。 スラリーの金属成分に粉末Cr2.5%を混合して同様の被覆を作ることがで きる、これらの百分率はスラリー中の金属粉末構成成分の合計重量に対する重量 %である。同様に、2%のTa及び2%のTiの組合せを用い、共に粉末として 加えてスラリーを作ることができる。本発明の別の例として、0.5%の硼素を スラリーの金属成分と混合できる。群1B :同じIN738ピンの第二群をスラリーケイ素−アルミナイドで被覆し た。これらのピンは343℃で15分間加熱して脱グリースし、次いで吸引キャ ビネット中で40psiで90/120アルミナグリットでグリットブラストし た。群1Aで使用したのと同じアルミニウム充填及びケイ素充填クロメート/ホ スフェートスラリーの薄い湿潤被覆をブラストしたピン上に噴霧した。各スラリ ーの被覆を15分間80℃で乾燥し、次いで350℃で30分間硬化した。この 方法を、各ピンにスラリーの18〜23mg/cm2が適用されるまで繰返した 。次にピンを<10-4気圧の真空中で2時間885℃で加熱し、複合アルミナイ ド/ケイ化物被覆を形成した。部品を冷却後、非拡散残渣を、各ピンを加圧ブラ ストキャビネット中で8〜10 psiで90/120グリットアルミナで各ピンを軽くブラストして除去した。 形成したケイ素変性アルミナイド被覆は約75μmの厚さであった。群1C :IN738ピンの第三群を、白金濃縮パックアルミナイドで被覆した。 1,1,1−トリクロロエタンの熱蒸気で脱グリースした後、これらのピンを加 圧キャビネット中で15psiで320アルミナグリットでグリットブラストし た。残存グリットは超音波洗浄によって除去し、次いでピンを3〜5μmの白金 で電気めっきした。めっきしたピンを4時間1080℃で<10-4気圧の真空で 加熱し、白金をニッケル合金中に拡散させた。 次にピンを、アルミニウム12%のケイ素合金粉末、120メッシュの高純度 酸化アルミニウムグリット、及び粉末にした塩化アンモニウム活性剤の混合物中 にパックした。その中に埋めたピンを有する混合物を、約2時間700〜750 ℃に加熱してPtAl2/Ni2Al3表面層を作った。次いでピンをパック混合 物から取出し、不活性雰囲気中で4時間1080℃で拡散熱処理し、白金アルミ ナイド及びニッケルアルミナイド相を含有する代表的な白金アルミナイド被覆を 形成した。被覆は80〜90μmの厚さであった。 各種被覆システムによって与えられた相対保護を比較するため、三つの群の各 々からの試料ピンを、バーナーリグ中に置いた。この装置中で、ピンを、空気/ プロパンバーナーを用い120秒間875〜900℃に加熱し、その温度で10 分間保ち、次いで水中2%の硫酸ナトリウムのス プレーによって急冷した。スプレーする時間は、1時間について、各平方cm上 に硫酸塩の0.150〜0.200mgが付着するよう調整した。これらの操作 条件は、ピン上に高温熱腐蝕侵害を作る(タイプI)のに充分であった。 この熱腐蝕雰囲気中で500〜750時間後、侵害の程度を金属組織学によっ て測定した。各ピンを最高の腐蝕の場所で選択した。腐蝕の侵入の深さを、研磨 した横断面から直接測定した。 群1Bからのピン(ケイ素変性スラリーアルミナイドで被覆した)は、この研 究室リグ試験で、300〜350時間/ミル(12〜14時間/μm)の平均率 での腐蝕を受けた。白金濃縮パックアルミナイドで被覆したピン(群1C)は、 200〜250時間/ミル(8〜10時間/μm)の平均率で高温腐蝕侵害を受 けた。本発明の方法によって作った白金濃縮ケイ素変性スラリーアルミナイドに よって保護したピン(群1A)は、500〜750時間/ミル(20〜30時間 /μm)の平均率で高温腐蝕侵害を受けた。これらの結果は、本発明の被覆で保 護した部分の作動寿命が、白金又はケイ素単独で変性したアルミナイドによって 保護された部分のそれの2〜3倍でありうることを示している。 実施例 2 試験は、本発明の白金濃縮ケイ素変性アルミナイドの例の一つの熱腐蝕抵抗が 、ニッケル合金基体の組成と全く無関係であることを証明した。長さ65mm、 直径6.5 mmの試験ピンを、高クロム含有率(>12%)ニッケル基スーパーアロイIN 738、及び低クロム含有率(<12%)ニッケル基合金IN100から作った 。各合金のピンを、885℃でスラリーを拡散して形成した本発明の白金濃縮ケ イ素−アルミナイド又はケイ素変性スラリーアルミナイドの何れかで被覆した。 四つの群の各々からのピンを次に実施例1で記載した研究室バーナー試験リグで 高温熱腐蝕に曝露した。群2A :IN738のバーナーリグピンを、実施例1の群1Bに記載したのと同 じ方法でアルミニウムーケイ素スラリーの15〜18mg/cm2で被覆し、8 85℃で真空中で拡散させた。群2B :IN100のバーナーリグピンを、実施例1の群1Bで行ったのと同様 にしてアルミニウム−ケイ素スラリーの15〜18mg/cm2で被覆し、88 5℃で真空中で拡散させた。群2C :IN738のバーナーリグピンを、実施例1の群Aにおけるものと同様 の方法で処理した。ピンを白金の3〜5μmの層でめっきし、<10-4気圧の真 空中で4時間1080℃で熱処理した。実施例1で記載した如くアルミニウム− ケイ素スラリーの15〜18mg/cm2で被覆した後、ピンを<10-4気圧の 真空中で2時間885℃で拡散させた。群2D :IN100のバーナーリグピンを、前記群2Cについて記載したのと同 じ方法で本発明の保護被覆で被覆した。ピンを白金の3〜5μmの層でめっきし 、<10-4気 圧の真空中で4時間1080℃で熱処理した。次にピンを実施例1における種類 のアルミニウム−ケイ素スラリーの15〜18mg/cm2で被覆し、<10-4 気圧の真空中で2時間885℃で拡散させた。 これら四つの群のピンの全ての上の保護被覆の厚さは50〜60μmの範囲で あった。各群からの試料を、実施例1に記載した研究室バーナーリグ中で高温熱 腐蝕に曝露した。その場合における如く、侵害の程度を、試験終了時に金属組織 学で測定した。各ピンを最高腐蝕の場所で分別した。腐蝕侵入の深さを、研磨し た横断面から直接測定した。この分析の結果を表1に示す。 本発明の被覆(群2C及び2D)は、白金濃縮しなかったケイ素変性アルミナ イド(群2A及び2B)で示したのより熱腐蝕侵害に対し、大なる抵抗を示した 。低及び高クロム合金(例えば群2Aのピンと群2Bのピン)上のケイ素変性ス ラリーアルミナイドの相対性能の比較は、その被 覆に対して、腐蝕抵抗が、基体のクロム含有率の非常に大きな作用にあることを 証明している。しかしながら、本発明の被覆の性能は、基体組成に全く無関係で あった。2時間885℃でAl/Siスラリーを拡散することによって作った本 発明の被覆の熱腐蝕抵抗は、被覆を高クロム合金IN738(群2C)に又は低 クロム合金IN100(群2D)の何れに適用しても同じであった。 実施例 3 本発明の被覆の例を、1000℃より上の温度で、アルミニウム/ケイ素スラ リーを白金濃縮ニッケル合金面中に拡散することによって作った。試験は、低ア ルミニウム化温度で作ったものと同様(実施例における如く)、この白金濃縮ケ イ素変性アルミナイドの熱腐蝕抵抗がニッケル合金基体と無関係であることを証 明した。 IN738(16%クロム)及びIN100(10%クロム)ニッケル基スー パーアロイから作った長さ65mm、直径6.5mmの試験ピンを、1050℃ でスラリーを拡散して形成した、本発明の白金濃縮ケイ素アルミナイド又はケイ 素変性スラリーアルミナイドで被覆した。次いで四つの群の各々からのピンを、 実施例1に記載したのと同じ高温熱腐蝕試験に曝露した。群3A :IN738のバーナーリグピンを、実施例1に記載した種類のアルミニ ウム−ケイ素スラリーの15〜18mg/cm2で被覆し、<10-4気圧の真空 中で2時間1050℃で拡散させた。群3B :IN100のバーナーリグピンを、実施例1に記 載した種類のアルミニウム−ケイ素スラリーの15〜18mg/cm2で被覆し 、<10-4気圧の真空で2時間1050℃で拡散させた。群3C :IN738のバーナーリグピンを白金の3〜5μm層でめっきし、これ を<10-4気圧の真空で4時間1080℃でニッケル合金中に拡散させた。次に ピンを実施例1に記載したアルミニウム−ケイ素スラリーの15〜18mg/c m2で被覆した。実施例2に記載したものとは異なる本発明の被覆の一例を、ス ラリーを<10-4気圧の真空で2時間1050℃で白金濃縮面中に拡散すること によって作った。群3D :本発明の被覆の一例を、本発明の群3Cに対して使用したのと同じ方法 でIN100から作ったバーナーリグピンに適用した。ピンを3〜5μmの白金 層でめっきし、これを<10-4気圧の真空中で4時間1080℃で拡散させた。 次にピンを実施例1に記載したアルミニウム−ケイ素スラリーの15〜18mg /cm2で被覆し、<10-4気圧の真空で2時間1050℃で拡散させた。 これら四つの群中のピンの全ての上の保護被覆の厚さは50〜60μmの範囲 であった。各群からの試料を、実施例1に記載した研究室バーナーリグ中で高温 熱腐蝕(HTHC)に曝露した。その場合における如く、侵害の程度を試験の終 りに金属組織学によって測定した。各ピンを最高腐蝕の場所で分別した。腐蝕の 侵入の深さを研磨した横断面から直接測定した。この分析の結果を表2に示す。 1050℃でスラリーアルミニウム化によって作った本発明の被覆は、白金で 濃縮しなかったケイ素変性アルミナイドで作ったもの(群3A及び3B)よりも 熱腐蝕侵害に対して大なる抵抗を示した。ケイ素のみで変性し、低及び高クロム 合金上でこの高温で拡散したスラリーアルミナイドの相対性能の比較(例えば群 3Aのピンと群3Bのピンとの)は、その被覆に対して、腐蝕抵抗が基体のクロ ム含有率によって非常に作用されることを証明している。しかしながら、2時間 1050℃でAl/Siスラリーを拡散することによって作った本発明の被覆の 熱腐蝕抵抗は、被覆を高クロム合金IN738(群3C)に適用しても、或いは 低クロム合金IN100(群3D)に適用しても同じであった。この挙動は、非 常に低温でスラリーアルミニウム化によってクロム含有率を変化させたニッケル 合金上に本発明の被覆を作った前記実施例2において証明されたのと同じである 。 実施例 4 IN100のバーナーリグ試料を白金の1〜1.5μmで電気めっきし、<1 0-4気圧の真空で4時間1080℃で拡散させた。これらの白金濃縮ピンを、ア ルミニウム−ケイ素スラリーで被覆し、885℃で拡散させて本発明の保護被覆 の一例を作った。IN100のピンの第二のセットを、実施例2の群2Cに記載 した本発明の被覆の例を用いて、即ち3〜5μmの厚さで被覆した。これら二つ のセットの試料についての被覆間の唯一の相違は、処理中適用した白金めっきの 厚さであった。 本発明の白金濃縮ケイ素変性アルミナイドの二つの例で被覆したこれらのピン を、実施例1,2及び3に記載した如きHTHC試験に曝露した。500時間後 、試料を分別し、研磨して高温熱腐蝕侵害の深さを測定した。腐蝕侵害の平均率 は、両被覆に対して500時間/ミル(20時間/μm)より大であることが測 定された。一つの被覆は他 的に同じであった。 実施例 5 IN738のピンを前記実施例1におけるのと同様に白金でめっきし、拡散さ せた。これらのピンを下記スラリーで被覆した: 60ml 水 2.5g コロイドシリカ 0.5g コロイドアルミナ 20g アルミニウム粉末(<325メッシュ) 2g ケイ素粉末(<200メッシュ) コロイド状酸化物を攪拌によって水中に分散させ、次いでアルミニウム及びケ イ素粉末を加えて、ブラシによって又はスプレーによって部品に適用できるスラ リーを形成した。本実施例において、このスラリーの20〜25mgを、ニッケ ル合金面の各1cm2に適用した。次にピンに、精製したアルゴンガスの不活性 雰囲気中で2時間885℃で拡散させた。冷却したとき、非拡散残渣は、吸引ブ ラストキャビネット中で20psiで120グリットアルミナで表面を軽くブラ ストして除去した。形成した被覆は50〜60μmの厚さであり、実施例1の群 1Aに記載したクロメート/ホスフェートスラリーによって作ったものと同じ構 造組織を有していた。 アルミニウム及びケイ素粉末を、同量の共融合金粉末で置換したとき匹敵する 被覆を生ぜしめることができる。 実施例 6 IN738のピンを前記実施例1におけるのと同じく白金でめっきし、拡散さ せた。次にこれらのピンを、下記二つの成分を完全に混合して組合せて作ったス ラリーで被覆した: パート1 470ml CibaのAraldite GY600(ビスフェノールエポキシ) 365g キシレン 83g プロピレングリコールメチルエーテルアセテート 1400g Valimet Al/ 11.8% Si 共融合金粉末(−325メッシュ) 10g Bentone 親有機性クレー 3g Troythix 42BA 増粘剤 パート2 615ml Ciba HZ 815 × -70(ポリアミド硬化剤) パート1の成分を一緒に完全に混合した後、パート1及び2を混合して濃稠ス ラリーを作った。この有機スラリーの約20mgを、白金濃縮ニッケル合金面の 各1cm2上にブラシで適用した。次に試料を精製アルゴンガスの不活性雰囲気 中で2時間885℃で拡散させた。冷却したとき、非拡散残渣を、吸引ブラスト キャビネット中で20psiで120グリットアルミナで表面を軽くブラストす ることによって除去した。形成した被覆は30〜40μmの厚さを有し、実施例 1の群1Aに記載したクロメート/ホスフェートスラリーで作ったものと同じ構 造組織を有していた。 実施例 7 本実施例は本発明の被覆によって提供された改良された酸化抵抗を証明する。 IN738ピンを、白金めっき層を厚さ3〜5μmの代りに1.5〜2μmとし て、前記群3Cについて記載した本発明の例に従って被覆した。このピンを、ケ イ素変性アルミナイドで被覆したIN738ピンであった群3Aからのピンと共 に、約1100℃(2000°F)のピン温度を生ぜしめる空気−プロパンバー ナーにそれらを曝露してサイクル酸化抵抗について試験した。 各サイクルは10分間バーナーに曝露し、次いで10分間空気中で冷却すること からなっていた。560時間後群3Aからのピンを取り出し、1020時間後白 金濃縮ケイ素変性アルミナイドからのピンを取り出した。ピンは最高侵害の場所 でのものであり、残る被覆の厚さを金属組織的に測定した。群3Aケイ素アルミ ナイド被覆の凹み率は、約200時間/ミル(8時間/μm)であった、一方白 金濃縮ケイ素変性アルミナイド被覆の凹み率は約500時間/ミル(20時間/ μm)であった。 上述した実施例はニッケル基合金を含む試料を用いて行った。本発明の被覆及 び被覆法は、ニッケル基合金に対するのと同じ方法で、コバルト基合金にも適用 でき、改良された酸化及び腐蝕抵抗を提供できる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.ニッケル基合金基体の表面の腐蝕抵抗を増強する方法において、 (A)表面上に白金の層を付着させ、次いで白金被覆表面を加熱して白金を基体中 に拡散させることによって白金で基体の表面を濃縮し、 (B)次いで白金濃縮した基体中に、アルミニウム及びケイ素を溶融状態で同時に 拡散させ、 かくしてニッケル基合金基体上に白金濃縮ケイ素変性腐蝕抵抗アルミナイド被覆 を形成することを特徴とする方法。 2.白金を電気分解付着によって表面上に付着させる請求の範囲第1項記載の 方法。 3.白金を、金属白金又は白金合金粉末又はそれらの組合せを含有するスラリ ーの拡散熱処理によって表面上に付着させる請求の範囲第1項記載の方法。 4.白金を、スラリーからの一時的液体相付着によって表面上に付着させる請 求の範囲第1項記載の方法。 5.白金を、低融点白金濃縮合金粉末の電気泳動付着によって表面上に付着さ せる請求の範囲第1項の方法。 6.白金の付着層が、約1〜15μmの厚さである請求の範囲第2項記載の方 法。 7.白金の付着層が、約3〜7μmの厚さである請求の範囲第6項記載の方法 。 8.白金の付着層が、約3〜5μmの厚さである請求の範囲第7項記載の方法 。 9.白金の付着層が、約1〜2μmの厚さである請求の 範囲第6項記載の方法。 10.白金を、少なくとも約20分間、少なくとも約1000℃の温度に加熱す ることによって基体中に拡散させる請求の範囲第1項記載の方法。 11.バインダー及び元素状アルミニウム及びケイ素粉末、アルミニウム−ケイ 素共融合金粉末、又はそれらの組合せを含有するスラリーからアルミニウム及び ケイ素を、白金濃縮面上に同時に付着させ、ケイ素の量がケイ素及びアルミニウ ムの合計重量の約2〜40%である請求の範囲第1項記載の方法。 12.ケイ素の前記量が、約3〜25%である請求の範囲第11項記載の方法。 13.ケイ素の前記量が、約5〜20%である請求の範囲第12項記載の方法。 14.ケイ素の前記量が、約10〜15%である請求の範囲第13項記載の方法 。 15.約15〜約25mg/cm2のスラリーを、基体の表面に適用する請求の 範囲第11項記載の方法。 16.形成されたアルミナイド被覆が、約50〜約60μmの厚さである請求の 範囲第11項記載の方法。 17.スラリーが、アルミニウム−ケイ素共融粉末を含有する請求の範囲第11 項記載の方法。 18.前記共融粉末が、ケイ素約11.8重量%である請求の範囲第17項記載 の方法。 19.形成されたアルミナイド粉末が、約30〜約40μmの厚さである請求の 範囲第18項記載の方法。 20.スラリーが、スラリー中の金属粉末構成成分の合計重量を基準にした重量 百分率で、0〜約20%のクロムを、元素状金属粉末の形で更に含有する請求の 範囲第11項記載の方法。 21.電気泳動に好適なビヒクル中のケイ素及びアルミニウム元素状粒子の懸濁 液から電気泳動法によって、白金濃縮表面上にアルミニウム及びケイ素を付着さ せる請求の範囲第1項記載の方法。 22.白金濃縮表面上に、直接ケイ素及びアルミニウムの元素状粒子を熱スプレ ーすることによって前記表面上にアルミニウム及びケイ素を付着させる請求の範 囲第1項記載の方法。 23.物理的蒸着又はイオン蒸着によって白金濃縮表面上にアルミニウム又はケ イ素を付着させる請求の範囲第1項記載の方法。 24.アルミニウム及びケイ素を、非反応性雰囲気中で約660℃より上の温度 に加熱することによって表面中に導入する請求の範囲第1項記載の方法。 25.前記温度が、約870℃より上である請求の範囲第24項記載の方法。 26.前記温度が、約1050℃以上である請求の範囲第25項記載の方法。 27.白金濃縮表面を有するニッケル基合金基体の表面の腐蝕抵抗を増強する方 法において、白金濃縮表面上に元素状アルミニウム及びケイ素を付着させ、次い で非反応性雰囲気中で表面を加熱してアルミニウム及びケイ素を基体中 に拡散させることによって基体中にアルミニウム及びケイ素を導入することを特 徴とする方法。 28.バインダー及び元素状アルミニウム及びケイ素粉末、アルミニウム−ケイ 素共融合金粉末又はそれらの組合せを含有するスラリーから、白金濃縮表面上に アルミニウム及びケイ素を同時に付着させ、ケイ素の量がケイ素及びアルミニウ ムの合計重量の約2〜40%である請求の範囲第27項記載の方法。 29.ケイ素の前記量が、約3〜25%である請求の範囲第27項記載の方法。 30.約15〜約25mg/cm2のスラリーを、基体の表面に適用する請求の 範囲第27項記載の方法。 31.形成されたアルミナイド被覆が、約50〜約60μmの厚さである請求の 範囲第27項記載の方法。 32.スラリーが、アルミニウム−ケイ素共融粉末を含有する請求の範囲第27 項記載の方法。 33.前記共融粉末が、ケイ素約11.8重量%である請求の範囲第32項記載 の方法。 34.形成されたアルミナイド被覆が、約30〜約40μmの厚さである請求の 範囲第33項記載の方法。 35.スラリーが、スラリー中の金属粉末構成成分の合計重量を基準にした重量 百分率で、0〜約20%のクロムを、元素状金属粉末の形で更に含有する請求の 範囲第27項記載の方法。 36.アルミニウム及びケイ素を、非反応性雰囲気中で約660℃より上の温度 に加熱することによって表面中に導 入する請求の範囲第28項記載の方法。 37.前記温度が、約870℃より上である請求の範囲第36項記載の方法。 38.前記温度が、約1050℃以上である請求の範囲第37項記載の方法。 39.耐火物含有ニッケル基スーパーアロイ基体上の白金濃縮ケイ素変性アルミ ナイド被覆において、被覆が、少なくとも三つの区別しうる層の形でニッケルア ルミナイドの連続体を含有し、前記層が、表面層全体に白金アルミナイド及び耐 火ケイ化物相の分散分布を含む表面層、耐火ケイ化物相及び表面層と比較したと き白金アルミナイド相を相対的に含有しない分散分布を有する、前記表面層の下 の第二層、及び表面層と比較したとき白金アルミナイド及び耐火ケイ化物相を相 対的に含有しない、前記第二層の下の第三層を含有し、被覆が熱腐蝕条件に対し て改良された抵抗を有することを特徴とする被覆。 40.被覆が、約30〜60μmの厚さである請求の範囲第39項記載の被覆。 41.被覆が、約50〜60μmの厚さである請求の範囲第40項記載の被覆。 42.請求の範囲第39項、第40項又は第41項記載の白金濃縮ケイ素変性被 覆で被覆された耐火物含有ニッケル基スーパーアロイ部品であり、前記被覆部品 が熱腐蝕条件に対する改良された抵抗を有することを特徴とする部品。 43.耐火物含有耐熱性ニッケルスーパーアロイ基体のための拡散熱処理した白 金濃縮ケイ素変性アルミナイド被覆 であり、被覆が、連続するニッケルのアルミナイド相を含み、かつ下記複数の帯 域を深さ方向で有する被覆: 白金アルミナイド及び耐火ケイ化物相の分散分布を含む表面帯域; 表面帯域と比較したとき白金アルミナイド相を相対的に含まず、耐火ケイ化物 相の分散分布を有する第二帯域; 表面帯域と比較したとき白金アルミナイド及び耐火ケイ化物相を相対的に含ま ぬ第三帯域; 前記被覆基体は熱腐蝕条件に対して改良された抵抗を有する。
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