【発明の詳細な説明】
E型肝炎ウィルスの検出のためのモザイク・ポリペプチド及び方法
発明の背景
発明の分野
本発明は、被験体における抗−E型肝炎ウィルス活性(anti-hepatitis E viru
s activity)の検出のための方法及び組成物に関する。本組成物は、E型肝炎ウ
ィルスのモザイク・ポリペプチドをコードする核酸及びE型肝炎ウィルスのモザ
イク・ポリペプチドを含む。本法は、本発明のモザイク・ポリペプチドを使用し
たE型肝炎ウィルス感染の血清診断を含む。
背景技術
E型肝炎(Hepatitis E virus(HEV))は、経口伝染非−A、非−B型肝炎(ente
rically transmitted non-A,non-B hepatitis(ET-NANB))の最近発見された剤
である。この疾患は、多くの開発途上国において重要な問題として残っている。
肝炎ウィルスの他の剤とは異なり、HEV感染は、しばしば、感染した妊婦におい
て高い死亡率に関連する。
最初に報告されたET−NANB肝炎の発生は、1955年にインドのNew Delhiで発生
した。しかしながら、IgM抗−A型肝炎ウィルスについての血清学的テストが、
その原因としてA型肝炎を除外するために利用できるようになった後にのみ、こ
れは、ET−NANB肝炎としてひじょうに広く発生していると認識された。この時以
降、ET−NANB感染の流行は、多くの国で報告されてきた。
最近まで、ET−NANB肝炎発生の診断は、A型肝炎ウィルス(hepa
titis A virus(HAV))とB型肝炎ウィルス(HBV)の血清学的マーカーの非存在にの
み基づくことができた。その後、ET−NANB肝炎の検出のための特異的なテストは
、免疫電子顕微鏡(immune electron microscopy(IEM))に基づくものであった
。ここでは、急性感染個体からの小量の便懸濁液が急性−又は回後期の血清と共
にインキュベートされ、そして電子顕微鏡により検査される(Bradley et al.PN
AS USA 1987;84:6277-6281,1987)。IEMは、このように、抗体の源として急性
及び回後期の血清を使用して27−32nmのウィルス−様粒子を同定した。しかしな
がら、ほとんどの臨床的試料はIEMを使用して可視化するのに十分なウィルス−
様粒子を含んでいないので、この方法は、臨床的又は免学的分析のために有用で
はない。
3つのオープン・リーディング・フレーム(open reading frames(ORF))が同定
された(Tam et al.Virology,185:120-131,1991)。2つのタイプに共通なH
EV エピトープが、ORF2とORF3によりコードされたタンパク質のC−末端におい
て同定された(Reyes et al.Gastroenterologia Japonica 26.(suppl.3):
142-147,1991b;Ichikawa et al.Immunol.35:535-543,1991)。これらの
エピトープは、ベーターガラクトシダーゼ又グルタチオン−S−トランスとの大
きなハイブリッド・タンパク質として発現され、そして実験的に感染されたカニ
クイザル(cynomologus macaques)Reyes et al.,in“Viral hepatitis C,D,
E”,T.Shilcata,R.H.Purcell,T.Uchida(Eds.)Elsevier Science Publi
shers,NY,pp.237-245,1991a)又はヒト(Goldsmith et al.,Lancet 339:3
28-331,1992)から得られた急性及び回後期の血清からの抗体により酵素免疫検
定において認識された。これらのハイブリッド・タンパク質は、タンパク質のキ
メラ部分が折り畳み、そしてそれ故
、抗体認識に悪影響を及ぼすことができるという欠点をもつ。さらに、個体は、
そのキメラ配列に対して発現された抗体をもつことができ、偽陽性診断をもたら
す。
Reyes et al.(in“Viral hapatitis C,D,E”,T.Shikata,R.H.Purcel
l,T.Uchida(Eds.)Elsevier Science Publishers,NY,pp.237-2415,1991
)は、そのBurma株のHEVゲノムから得られたDNAの発現により得られる、ORF3に
よりコードされたタンパク質のC−末端領域の短い断片が、HEVのMexico株によ
り感染されたカニクイザルからの血清と反応しなかったことを立証した。反対に
、Mexico株から得られた発現組換え体タンパク質は、HEVのBurma株により感染さ
れたサルからの血清と反応しなかった(Yarbough et al.J.Virol.65:5790-5
797,1991)。ORF3のC−末端領域における2つの株の配列比較は、78%の相同
性を現す(Yarbough et al.,1991)。従って、被験体の、株−特異的免疫応答は
、利用可能な技術を使用する偽陰性診断をもたらすことができる。
天然のプロトタイプ抗原の抗原反応性を保持するモザイク・タンパク質の構築
のための戦略が、最近、B型肝炎表面抗原(hepatitis B surface antigen(HBs
Ag)に通用された(Kumar et al.Gene 110:137-144,1992)。このタンパク質は
、Pres−タンパク質と、HBsAgコンホメーション抗原決定基“a”をモデリング
する短い領域からの2つの抗原性エピトープから成っていた。これらのエピトー
プの抗原特性は、短い合成ペプチドを用いて首尾よくモデル化されることができ
る。人工HBAタンパク質も、導入されたHBsAg抗原性エピトープの免疫反応性を保
持していた。
最近、HCV 抗原が、タンパク質の3つの大きなセグメント(266,363、及び11
5mers)を1つのポリペプチド鎖に継ぎ合わせることにより構築された(Chien et
al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89
:10011-10015(1992))。これらは、担体タンパク質による小さな抗原性として活
性な領域の首尾よい発現の文献中の例でもある。これらの抗原は、感受性を欠い
ている。
上記HEVペプチド又は組換え抗原のいずれも、HEV感染の診断のための感高のよ
く、かつ、特異的な手段を提供しない。従って、感度の欠如及び従来の利用可能
なテストの実施の困難性のために、HEV感染のための迅速で、簡単で、そして高
感度かつ特異的な診断テストについての必要性が存在する。
本発明は、ORF2タンパク質からの、そして互いに併合されたHEV BurmeseとMex
ican株のORF3タンパク質からの抗原性エピトープのモザイクを含む人工ポリペプ
チドにより上記要求を満足させる。この“モザイク(mosaic)”タンパク質は、
抗−HEV活性の検出のための診断テストのために価値のある試薬である。
発明の要約
配列番号:2として配列表中に規定するアミノ酸配列から本質的に成るモザイ
クE型肝炎ウィルス(HEV)ポリペプチドをコードする核酸を提供する。本核酸に
よりコードされるモザイク・ポリペプチドは、HEV感染に対する応答において被
験体内で作られるHEV抗体について高感度であり、そして特異的である。E型肝
炎ウィルスの5,6,23,24,28及び29のエピトープをコードし、そして生来の
E型肝炎ウィルスにおけるエピトープ−コーディング核酸の間にある核酸を実質
的に欠いている核酸をも、提供する。
上記モザイク・ポリペプチド−コーディング核酸とストリンジェント条件下で
選択的にハイブリダイズし、そして配列番号:1と少なくとも70%の配列相同性
をもつ単離核酸をも、提供する。少なくとも80%,90%及び95%の配列同一性を
もつような核酸をも、提供
する。
配列番号:1として配列表中に規定したヌクレオチド配列から成る核酸により
コードされるポリペプチドを、提供する。本選択的ハイブリダイジング核酸、及
びHEVのペプチド5,6,23,24,28及び29のエピトープをコードし、そしてこ
のエピトープ−コーディング核酸の間にある核酸を実質的を欠いている核酸によ
りコードされるポリペプチドをも、提供する。
発明の詳細な説明
核酸
配列番号:2として配列表に規定するアミノ酸配列から本質的に成るモザイク
E型肝炎ウィルス(HEV)をコードする核酸を提供する。本核酸によりコードされ
るモザイク・ポリペプチドは、HEV感染に対する応答において被験者内で作られ
るHEV抗体について高感度かつ特異的である。本発明のモザイクE型肝炎ウィル
ス(HEV)ポリペプチドをコードする核酸の特定の例は、配列番号:1として配列
表中に規定したヌクレオチド配列から成る。しかしながら、このモザイク・ポリ
ペプチドが、その遺伝子コードの縮重のために、多くの核酸によりコードされる
ことができることは明らかである。
上記モザイク・ポリペプチド−コーディング核酸とストリンジェント条件下で
選択的にハイブリダイズし、そして配列番号:1と少なくとも70%の配列同一性
をもつ単離核酸を、提供する。また、少なくとも80%,90%及び95%の配列同一
性をもつ核酸も提供する。それ故、2本鎖形態にあるとき、選択的にハイブリダ
イジングする上記核酸は、サンプル中の抗−HEVを検出するために使用されるこ
とができるユニークな抗原性タンパク質をコードする。このような核酸は、その
選択的にハイブリダイズする性質により、ストリンジ
ェント条件下、生来のHEV配列とハイブリダイズしないであろう。“単離された
”とは、他の天然のHEVの核酸のあるものから分離されていることを意味する。
“ストリンジェント条件”とは、ハイブリダイゼーションのプロトコールにお
いて使用される洗浄条件をいう。一般的に、この洗浄条件は、できるだけストリ
ンジェントでなければならない(すなわち、温度と塩濃度の組合せが、その変性
温度が研究下のハイブリッドの計算Tmよりも約5〜20℃低いものであるように選
ばれなければならない)。この温度と塩条件は、フィルター上に固定された参照
DNAのサンプルが着目のプローブとハイブリダイズされ、そして次に異なるスト
リンジェンシーの条件下で洗浄されるような予備的実験において経験的に決定さ
れることができる。
本発明の核酸は、配列番号:1の核酸によりコードされるエピトープの全てよ
りも少ないものについてのコーディング配列を含むことができる。例えば、E型
肝炎ウィルスのペプチド5,6,22,23,24,28及び29に対応するエピトープを
コードし、そして生来のE型肝炎ウィルスにおけるエピトープ−コーディング核
酸の間にある核酸を実質的に欠く核酸を、提供する。この核酸は、先に特定した
ものに加えてペプチド13,33,12,40に対応するエピトープの1以上をコードす
ることもできる。このような核酸が、その遺伝子コードの縮重のために、例示し
た核酸からの配列において実質的に相違し、そして未だ本発明のHEVモザイク・
タンパク質をコードすることができることは明らかである。
より特に、以下のペプチド内に含まれるエピトープをコードする核酸を、本発
明のモザイク・ポリペプチドを生成するために使用することかできる:5,6,
22,23,24,28及び29;5,6,22,23,24,28,29及び13;5,6,22,23,
24,28,29及び33;5,6
,22,23,24,28,29及び12;5,6,22,23,24,28,29及び40;5,6,22
,23,24,28,29,13及び33;5,6,22,23,24,28,29,13及び12;5,6
,22,23,24,28,29,13及び40;5,6,22,23,24,28,29,13,33及び12
;5,6,22,23,24,28,29,13,33,12及び40;5,6,22,23,24,28,
29,13,12及び40;5,6,22,23,24,28,29,13,33及び40。これらのペプ
チドを表1と2に示す。これらの表中に見られるように、これらのペプチドのい
くつかは、隣接ペプチドの配列と重複する配列を含む。モザイク・ポリペプチド
内で一緒に使用されるとき、それらのエピトープは、連結アミノ酸を除き、一般
的に、連続しており、そしてその重複配列を、二重にしない。
上記エピトープ・コーディング配列の編成は、配列番号:1により例示される
ようなものであることができる。これらの核酸においては、ストリンジェント条
件下での選択的ハイブリダイゼーションを得ることができる。
あるいは、モザイク・ポリペプチドは、HEVエピトープ・コーディング核酸の
異なる編成をもつ核酸によりコードされることができる。例えば、本発明のモザ
イク・ポリペプチドにおいては、ペプチド22と23に対応するエピトープ(単複)
は、そのタンパク質のC−末端に、位置することができる。これらのエピトープ
は、コンホメーション依存性であり、そしてそれ故、その生来のHEV ORF2内の順
番をより密に真似る順番において位置するとき、より良い抗原として作用するで
あろう。
核酸は、ポリペプチドのエピトープ領域にリンクするアミノ酸をコードする配
列を含むことができる。これらのリンキング・アミノ酸の目的は、モデリングを
最大化し、そしてテストされているサンプル中に存在する抗体にそのエピトープ
を晒すようなやり方でその
モザイク・ポリペプチドの折り畳みを許容することである。このような核酸は、
ダリシン・リンカー(配列番号:1)をコードすることができ、これらのリンカ
ーは、セリンとグリシンの両方並びにそのエピトープの適当な折り畳み及び提示
を許容するために決定される他のアミノ酸を含んで成ることができる。このリン
キング領域のサイズは、本モザイク・ポリペプチドのモデリング機能により課さ
れる限定内で変動することができ、一般的には、2〜6アミノ酸のレンジにある
。
上記核酸のいずれかの特徴は、核酸が、血清中のHEV抗体を検出することがで
きるモザイク・ポリペプチドをコードしているということである。この核酸によ
りコードされる特定のモザイク・ポリペプチドは、従来のHEV診断アッセイ又は
実施中に教示されるアッセイによる、配列番号:2により例示されるモザイク・
ポリペプチドに比較して、その有効性を決定するためにテストされることができ
る。
モザイク・ポリペプチド
配列番号:1として配列表中に規定されるアミノ酸配列から本質的に成るHEV
モザイク・ポリペプチドを、提供する。本選択的ハイブリダイジング核酸により
コードされるポリペプチドをも、提供する。このポリペプチドは、実施例中にさ
らに記載するように、HEVオープン・リーディング・フレーム(ORF)2によりコ
ードされるタンパク質からの3つの抗原性として活性な優性領域のモザイクであ
って、1がBurma HEV株のORF3によりコードされるタンパク質からの抗原性とし
て活性な領域であり、そして1がMexico HEV株のORF3によりコードされるタンパ
ク質からの抗原性として活性な領域であるもの、を含むことができる。
(配列番号:2に示す)本HEVモザイク・ポリペプチドの例は、
血清中での抗−HEV活性の検出に必要であることが示された短い抗原性として活
性な領域だけを含む(Yarbough et al.J.Virol.65:5790-5797,1992;Favor
ov et al.J.Virol.Meth.(in press)1993;Khudyakov et al.Virol.194
:89-96,1993;Dawson et al.J.Virol.Meth.38:175-186,1992;Goldsmit
h et al.Lancet 229:328-331,1992)。本モザイク・ポリペプチドは、長いエ
ピトープ間の診断的に無関係な配列を含まない。むしろ、このポリペプチドは、
比較的独立した小さな抗原性ドメインから成る。このようなデザインは、そのタ
ンパク質の全体構造及びサイズに対して有意な影響を及ぼさずに、追加の抗原性
領域又は同一の抗原性領域のいくつかのコピーの導入により他のHEV特異的モザ
イク・タンパク質の生成を許容する。
E型肝炎ウィルスのペプチド5,6,22,23,24,28及び29を含んで成り、そ
して生来のE型肝炎ウィルスにおける対応のエピトープの間にあるアミノ酸を実
質的に欠いているHEVモザイク・ポリペプチドを、提供する。HEVモザイク・ポリ
ペプチドは、ペプチド13,33,12,40の1以上、又はこれらの特定されたものに
加えてその対応エピトープをも含んで成ることができる。これらのエピトープの
編成(arrangement)は、配列番号:2により例示されるようなものであることが
できる。あるいは、モザイク・ポリペプチドは、HEVエピトープの異なる編成を
もつことができる。本発明のHEVモザイク・ポリペプチドのいずれかの重要な特
徴は、そのモザイク・ポリペプチドが、血清又は他の体液又は組織中でHEV抗体
を検出することができるということである。
他のHEVモザイク・ポリペプチドは、配列番号:2中に開示したエピトープの
サブセットをコードする先に記載した選択的ハイブリダイジング核酸を使用して
、本明細書中に記載するように構築され
る。本診断方法におけるそれらの有効性は、実施例中に提供されるように確認さ
れる。他のHEVモザイク・ポリペプチドは、本発明により提供される他のHEV免疫
優性エピトープを使用して、本明細書中に記載するように構築される。
本モザイク・ポリペプチドは、組換え体ベクター及び宿主内の核酸を使用して
以下に記載するように又はペプチド合成法を用いた直接合成により、合成される
ことができる。直接合成を使用する場合、さまざまなリンキング分子であって、
そのモザイク・タンパク質の特異性又は感受性に担当の悪影響を及ぼさないリン
キング分子のアミノ酸又は他の種を含むものを、そのモザイク・ポリペプチドの
エピトープ領域を結合するために使用することができる。
ベクター及び宿主
本発明に係るモザイク・ポリペプチド・コーディング核酸及び選択的ハイブリ
ダイジング核酸の両方が、核酸の発現に好適なベクター内に存在することができ
る。ベクター内の核酸は、その核酸の発現に好適な宿主内に存在することができ
る。本HEVモザイク・ポリペプチドの例は、実施例中にさらに記載するようにグ
ルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)又はベーターガラクトシダーゼとのキ
メラとして大腸菌(E.coli)内で発現された。
抗原の発現に有用であると当業者に知られた多くの大腸菌(E.coli)発現ベク
ターが存在する。使用に好適な他の微生物宿主は、バチルス属(bacilli)、例え
ば、バチルス・スブチラス(Bacillus subtilus)、及び他の腸内細菌、例えば、
サルモネラ(Salmonella)、セラティア(Serratia)、及びさまざまなシュード
モナス(Pseudomonas)種を含む。これらの原核生物宿主においては、ある者は、
その宿主細胞と和合性の発現制御配列(例えば、複製起点)を典型的には含むで
あろう発現ベクターを作ることもできる。さらに、い
ずれかの数の、さまざまなよく知られたプロモーター、例えば、ラクトース・プ
ロモーター系、トリプトファン(Trp)プロモーター系、ベーター・ラクタマーゼ
・プロモーター系、又はラムダ・ファージからのプロモーター系が存在するであ
ろう。これらのプロモーターは、典型的には、例えば、転写及び翻訳の開始及び
終了のために、場合によりオペレーター配列により発現を制御するであろうし、
そしてリボソーム結合部位配列をもつであろう。必要な場合には、アミノ末端メ
チオニンが、その抗原の5′及びフレーム内にMetコドンを挿入することにより
提供されることができる。また、その抗原のカルボキシ−末端伸長が、標準的な
オリゴヌクレオチド突然変異誘発手順を使用して除去されることができる。
さらに、酵母発現を使用することができる。酵母発現系にはいくつかの利点が
在る。第1に、酵母分泌系内で作られたタンパク質が正確なジスルフィド対合を
示すという証拠が存在する。第2に、翻訳後糖添加が酵母分泌系により効率的に
行われる。(MFα−1遺伝子によりコードされる)サッカロミセス・セレビシエ
(Saccharomyces cerevisiae)のプレープロ−アルファー因子リーダー領域が、
酵母からタンパク質分泌を指令するために日常的に、使用される(Brake et al.
,1984)。プレープロ−アルファー因子のリーダー領域は、シグナル・ペプチド
及びKEX2遺伝子によりコードされる酵母プロテアーゼのための認識配列を含むプ
ロ−セグメントを含み:この酵素は、Lys−Argジペプチド解裂−シグナル配列の
カルボキシル側上でその前駆体タンパク質を解裂する。この抗原コーディング配
列は、上記プレープロ−アルファー因子リーダー領域にフレーム内融合されるこ
とができる。この構築物は次に、強い転写プロモーター、例えば、アルコール・
デヒドロゲナーゼIプロモーター又は解糖プロモーターの制御下に置かれる。こ
の抗原コーディング配列
の後に翻訳終結コドンがあり、その後に転写終結シグナルがある。あるいは、抗
原コーディング配列は、第2のコーディング配列に、例えば、アフィニティー・
クロマトグラフィーによる融合タンパク質の精製を容易にするために使用される
Sj26又はβ−ガラクトシダーゼに融合されることができる。この融合タンパク質
の成分を分離するためのプロテアーゼ解裂部位の挿入が、酵母内での発現のため
に使用される構築物に利用されることができる。
哺乳類細胞は、重要な翻訳後修飾、例えば、折り畳み及びシステイン対合、複
雑な炭水化物構造物の付加、及び活性タンパク質の分泌を好む環境においてタン
パク質の分泌を許容する。哺乳類細胞内での抗原の発現に有用なベクターは、強
力なウィルス・プロモーターとポリアデニレーション・シグナルの間の抗原コー
ディング配列の挿入を特徴とする。これらのベクターは、選択マーカーとしての
使用のためにゲンタマイシン又はメトトレキセート耐性のいずれかを付与する遺
伝子を含むことができる。抗原及び免疫反応性断片コーディング配列は、メトト
レキセート耐性−コーディングベクターを使用してチャイニーズ・ハムスター卵
巣細胞系内に導入されることができる。形質転換された細胞内のベクターDNAの
存在は、サザン分析により確認されることができ、そして抗原コーディング配列
に対応するRNAの生産は、ノーザン分析により確認されることができる。無傷の
ヒト・タンパク質を分泌することができる多数の他の好適な宿主セルラインが、
本分野において開発されており、そしてCHOセルライン、HeLaセルライン、骨髄
腫セルライン、Jurkat細胞等を含む。これらの細胞のための発現ベクターは、発
現制御配列、例えば、複製起点、プロモーター、エンハンサー、及び必要な情報
処理部位、例えば、リボソーム結合部位、RNAスプライス部位、ポリアデニレー
ション部位、及び転写ターミネーター配列を含むこと
ができる。好ましい発現制御配列は、免疫グロブリン遺伝子、SV40、アデノウィ
ルス、ウシ乳頭腫ウィルス、等から得られるプロモーターである。着目のDNAセ
グメントを含むベクターは、よく知られた方法によりその宿主細胞内に伝達され
ることができるが、それは、細胞宿主のタイプに依存して変化する。例えば、塩
化カルシウム・トランスフェクションが、原核生物細胞のために一般的に使用さ
れる。一方、リン酸カルシウム処理又はエレクトロポレーションが、他の細胞宿
主のために使用されることができる。
ヒト・ガンマ−インターフェロン、組織プラスミノーゲン活性化物質、血液凝
固第VIII因子、B型肝炎ウィルス表面抗原、プロテアーゼNexinl、及びエオシン
好性白血球主要塩基性タンパク質の発現のために開発されたものに類似する、哺
乳類細胞内での抗原の発現のための他のベクターを、使用することができる。さ
らに、これらのベクターは、哺乳類細胞(例えば、COS7)内での挿入DNAの発現
のために利用されることができるCMVプロモーター配列及びポリアデニレーショ
ン・シグナルを含むことができる。
変異体ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、コードされたポリペプ
チド生成物が作られるように、そのコーディング配列の転写を容易にする配列(
転写配列)及びその翻訳を容易にする配列を含む。このようなポリヌクレオチド
の構築は、本分野においてよく知られている。このようなポリヌクレオチドは、
プロモーター、転写終結部位(真核発現宿主におけるポリアデニレーション部位
)、リボソーム結合部位、そして、場合により真核発現宿主内での使用のための
エンハンサー、そして、場合により、ベクターの複製に必要な配列を含むことが
できる。
これらの配列が発現制御配列に作用可能な状態で連結され、すなわち、その機
能を保証するように位置決めされた後に、DNA配列は
、宿主内で発現されることができる。これらの発現ベクターは、典型的には、エ
ピソーム又は宿主染色体DNAの組み込み部分のいずれかとして複製されることが
できる。一般的には、発現ベクターは、所望のDNA配列により形質転換された細
胞の検出及び/又は分泌を許容するための、選択マーカー、例えば、テトラサイ
クリン耐性又はハイグロマイシン耐性を含むことができる(例えば、米国特許第
4,704,362号参照)。
診断方法
本発明は、被験体におけるE型肝炎ウィルス感染の検出方法であって、(a)
配列番号:1の核酸によりコードされるモザイク・ポリペプチドの一定量と、そ
の被験体からの抗体−含有サンプルとを接触させ、そして(b)そのポリペプチ
ドとサンプル中の抗体との抗体認識反応であって、E型肝炎ウィルス感染の存在
を示すものを検出する、段階を含んで成る方法を提供する。
被験体におけるE型肝炎ウィルスの他の検出方法は、(a)本発明の選択的ハ
イブリダイジング核酸によりコードされるポリペプチドの一定量と、その被験体
からの抗体−含有サンプルとを接触させ、そして(b)そのポリペプチドとその
サンプル中の抗体との抗体認識反応であって、E型肝炎ウィルス感染の存在を示
すものを検出する、段階を含んで成る。
本明細書中に教示される診断方法においては、モザイク・ポリペプチドの量は
、HEV抗体が存在する場合、検出可能な抗体認識反応をもたらすであろうような
量であろう。本モザイク・ポリペプチドは、基質に結合され、そして液体サンプ
ル、例えば血液、血清、尿又は唾液により接触されることができる。このやり方
で、HEVに特異的な抗体(第1抗体)は、上記結合抗原と特異的に反応するであ
ろう。その後、検出可能な部分に結合し、又はそれにより標識され
た第2抗体が、第1抗体の検出を強化するために添加されることができる。一般
的に、上記又は反応した抗体と非特異的に反応性である第2抗体又は他のリガン
ドが、上記第2抗体上の多数の部位と反応するその能力について選択されるであ
ろう。従って、例えば、第2抗体のいくつかの分子は、それぞれの第1抗体と反
応することができ、これはその第1抗体をより検出可能にする。
検出可能な部分は、沈澱又は色の変化の肉眼検出、顕微鏡による視覚的検出、
又は分光光度計による自動検出、放射能計計測その他を許容するであろう。検出
可能な部分の例は、(蛍光顕微鏡のための)フルオレセイン及びローダミン、(
光学又は電子顕微鏡のいずれか及び生物化学的検出のための)西洋ワサビ・ペル
オキシダーゼ、(光学又は電子顕微鏡のための)ビオチン−ストレプトアビジン
及び(色変化の生物化学的検出のための)アルカリ性ホスファターゼを含む。
本発明のHEVモザイク・ポリペプチド(実施例中に記載する、GST及びベータ・
ガラクトシダーゼ・キメラ)は、実施例中にさらに記載するようなヒト抗−HEV
陽性及び陰性血清のパネルを使用して分析された。得られたデータは、HEV感染
の診断のための方法における本モザイク・タンパク質の使用を立証する。
本発明のモザイク・ポリペプチドは、そのモザイク・ポリペプチドの免疫原性
量及び医薬として許容される担体を含んで成るワクチンの構築においで使用され
ることができる。このワクチンは、例えば、多価ワクチン中の、他の抗原に対す
る抗体と潜在的に交差反応性であることもできる。このワクチンは、次に、HEV
感染の防止方法において使用されることができる。
抗原の免疫原性量は、標準的な手順を使用して決定されることができる。簡単
に言えば、各種濃度の推定の特異的免疫反応性エピト
ープを調製し、動物に投与し、そして各濃度に対する動物の免疫学的応答(例え
ば、抗体の産生)を測定する。
本発明のワクチン中の医薬として許容される担体は、生理食塩水又は他の好適
な担体を含んで成ることができる(Arnon,R.(Ed.)Synthetic Vaccines I:83
-92,CRC Press,Inc.,Boca Raton,Florida,1987)。アジュバントも本ワク
チンの担体の一部であることができ、この場合において、それは、使用される抗
原、投与方法及び被験体に基づく標準的な基準により選択されることができる(A
rnon,R.(Ed.),1987)。投与方法は、その使用される特定のワクチン及びそれ
が投与される被験体に依存して、経口又は舌下手段による又は注射による、もの
であることができる。
以下の実施例は、本発明を限定することでなく、説明することを意図する。記
載したプロトコールは使用されることができるであろうものの典型であるが、当
業者に知られた他の手順を使用することもできる。
実施例
合成オリゴデオキシヌクレオチド
オリゴデオキシヌクレオチドを、自動合成装置(Applied Biosystems Model 48
0A)を用いて合成し、そしてTBEバッファー(0.045M Tris−ポレート、0.001M
EDTA,pH8.3)中7M尿素を含む1%PAGE中での電気泳動により精製した。オリ
ゴデオキシヌクレオチ
ドを、製造者のプロトコールに従ってモデル230A装置(Applied Biosystem,Fos
ter City,CA)を用いた電気溶出によりゲルから回収された。
合成遺伝子アセンブリー
モザイク・タンパク質をコードする合成遺伝子を、3つのサブ断片からアセン
ブルした。これらのサブ断片の中の2を、各々4つのオリゴデオキシヌクレオチ
ドからPCRにより合成した。オリゴヌクレオチドを、各反応において10と100pmol
の間の最終濃度において使用した。第3のサブ断片を、反応当り、100pmolの濃
度においてたった2のオリゴヌクレオチドを使用して合成した。全てのサブ断片
を、その反応混合物に適当なオリゴヌクレオチドを添加することにより合成し、
その後、30サイクルのPCRを以下のように行った:94℃45秒間、65℃20秒間、及
び72℃1分間。合成サブ断片を、各断片の末端に位置する認識部位をもつ適当な
制限エンドヌクレアーゼにより処理し、そして次に、3つのサブ断片の全て、50
mM Tris−HCl,pH7.5,10mM MgCl2,1mM DTT,1mM ATP、及び10ユニットのDN
Aリガーゼ(Pharmacia,Piscatamay,NJ)を含む溶液10μl中で6時間にわたりラ
イゲートした。1μlのリガーゼ反応溶液を、PCRにより断片を増幅して、上記
のPCR条件を用いて、そしてプライマーとして2つの末端オリゴヌクレオチドを
用いて完全長DNAを提供するために使用した。増幅された完全長DNAを、DEAE手順
によりアガロース・ゲルから回収し、そして制限エンドヌクレアーゼにより処理
して、その合成遺伝子の構造を確認した。
HEVのBurmese及びMexican株の両方における免疫反応性エピトープを含むORF2
とORF3タンパク質の全ての領域が、人工モザイク・タンパク質内に含まれていた
。それぞれの抗原性領域が、3つの連続グリシン残基(配列番号:1)により互
いに分離された。
プラスミド構築
プラスミド内への合成断片の挿入に好適な制限エンドヌクレアーゼ認識を得る
ために、断片を、特別にデザインされた制限部位をもつプライマーの対を使用し
てPCRにより再増幅した。ベクターpGEX−2T(Pharmacia Biotech Inc.,Piscata
way,NJ)による上記断片のクローニングのために、BamHI−及びEcoRI−部位
をもつ合成DNAを、提供した。ベクターPAX−4a+(United States Biochemical
Co.,Clereland,Ohio)による断片のクローニングのために、EcoRI−及びSal
I−部位をもつDNA DNA断片を提供した。
pGEX−2T内への合成DNA断片の挿入により得られた最初のプラスミドを、pMEG
330と名付けた。pMEG 330は、グルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)により
提示されるN−末端部分及び人工モザイク・タンパク質により提示されるC−末
端半分をもつ融合タンパク質をコードする遺伝子を含む。
アセンブルされた遺伝子の忠実度(fidelity)を分析するために、そのクロー
ン化された合成DNA断片の1次を、プライマーとしてのオリゴデオキシヌクレオ
チドの追加のセットを使用して決定した。予想外に、その合成遺伝子内の欠失で
あって、グリシン・スペーサー及びHEV Burma−特異的ORF3抗原性エピトープの
一部の除去をもたらしたものが発見された。この欠失は、翻訳の期を変化させな
かったが、13アミノ酸短いタンパク質の発現をもたらした。合成遺伝子の構造を
矯正するために、XhoI−t Sau 96A−部位の間に位置するDNA断片を、再アセン
ブルし、そして配列を確認した後、プラスミドpMEG 330の欠失含有領域を矯正さ
れたDNA断片により置換した。得られたプラスミドpMEG 330−45は、元々デザイ
ンされた構造の人工モザイク・タンパク質をコードする合成遺伝子を含む。
さらに、矯正された合成遺伝子を、ベクターp4a−2X内に挿入し
、プラスミドpMEL 301を得た。このプラスミドは、ベーターガラクトシダーゼに
より提示されたN−末端部分及びHEVモザイク・タンパク質により提示されたC
−末端部分をもつ融合タンパク質をコードしている。それぞれのプラスミドにつ
いて、クローン化された合成モザイク遺伝子の配列を、ポリメラーゼ連鎖ターミ
ネーター法により確認した。
モザイク・ポリペプチド発現及び精製
融合タンパク質を発現させるために、大腸菌(E.coli)JM109コンピテント細
胞(Invitrogen,Co.,San Diego,CA)を、プラスミドpMG 330−45及びpMEL 30
1により形質転換した。細胞を、600nmにおける光学密度が0.6に等しくなるまで1
00μg/mlのアンピシリンを含むLB培地中で増殖させ、その後、その融合タンパ
ク質の発現を制御するプロモーターを、1mMの最終濃度におけるイソプロピル−
ベータ−D−チオガラクト−ピラノシド(IPTG)の添加により活性化した。37℃
において4〜6時間増殖させた後、それらの細胞を収穫し、そして溶解物を調製
した。
pMEG 330−45によりコードされたグルタチオンS−トランスフェラーゼ−HEV
モザイク融合タンパク質(GST−HE)を、グルタチオン−Shepharose 4Bカラム(Pha
rmacia KLB Biotechnology,Piscataway,NJ)を用いたアフィニティー・クロマ
トグラフィー(Smith,D.B.and Johnson,K.S.,Gene 67:37-40,1988)に
より精製した。
合成ペプチド
ペプチドを、製造者のプロトコールに従って、ACT Model MPS 350多ペプチド
合成装置(Advanced Chemtech,Louisville,KY)上でFMOC−化学(Barany and Mer
rifield,1980)により合成した。アミノ酸分析、高性能液体クロマトグラフィー
、及びキャピラリー電気
泳動による特徴付けの後、ペプチドを、商業的に入手可能な結合(conjugation)
キット(Pierce,Rockfold,IL)を使用してウシ血清アルブミン(BSA)又はKeyho
le limpetヘモシアニン(KLH)への結合のために直接、使用した。これらの合成ペ
プチドを、モルモットを免疫感作して、その後のテストにおける使用のための抗
−ペプチド血清を得るために使用した。
モルモット抗−合成ペプチド血清
結合合成ペプチドを、CYTREX Titer−Maxアジュバントと混合し、そしてモル
モットに4部位において皮下注射した。各部位に、8−18μgの結合ペプチドを
含む約50μlの混合物を注射した。2週間後、これらの動物をブーストした。こ
れらの動物を、4週間後に採血した。
ヒト血清
1987年にメキシコにおいて(n=5)、1988年にSomaliaにおいて(n=10)
、1990年にTadjikistanにおいて(n=11)、及び1991にKenyaにおいて(n=23
)発生したHEVからの血清を、Hepatitis Branch,National Center for Infecti
ous Disease,Centers for Disease control and Prevention,Atlanta,GA及び
D.I.Ivanovsky Institute of Virology,Moscow,Russiaに寄託されたコレク
ションからランダムに選択した。正常血液ドナーから、A型肝炎、B型肝炎及び
C型肝炎ウィルスに感染したヒトから得られた血清試料を、全世界のHEV非伝染
領域から集め、そして陰性対照として使用した。
モザイク・タンパク質における抗原性エピトープの適正なモデリング
プラスミドpMEG 330−45及びpMEL 301により形質転換させた大腸菌(E.coli)
細胞は、それぞれ、約45KDaと125KDaの予想分子量を
もつポリペプチドを作り出す。本モザイク・タンパク質内に含まれた各HEV−特
異的抗原性領域の存在を確認するために、これらのタンパク質を、対応の合成ペ
プチドによるモルモットの免疫感作により得られた血清を用いてウェスタン・ブ
ロット検定及び酵素免疫検定により分析した。
ウェスタン・ブロット検定
溶解物のアリコートを、ウェスタン・ブロット(Harlow,E.,Lane,D.(1988
)Antibodies.A laboratory manual.Cold Spring Harbor,NY,pp.471-510)
により分析した。固定化されたタンパク質を含むニトロセルロース・フィルター
を、0.5%Triton X−100,1%ゼラチン、及び1%ウシ血清アルプミンを含む50
mM Tris−HCl,pH7.5(NET)中100倍希釈したモルモット抗−合成ペプチド血清又
はヒト血清と共に20℃において2時間インキュベートした。これらのフィルター
を、NETで3回洗浄し、そして次に、NET中1:5000に希釈された西洋ワサビ・ペ
ルオキシダーゼに結合されたアフィニティー・クロマトグラフィー精製抗−ヒト
IgG又は抗−モルモットIgG(Boehringer Mannheim,Germany)と共に1時間インキ
ュベートした。洗浄後、ジアミノベンジジン(Sigma,St.Lous,MO)及び過酸化
水素を、上記反応を進めるために使用した。
アミノ酸394−470位におけるHEV ORF2抗原性領域の同定のために、アミノ酸41
4−433位における配列を含んで成るペプチド33(Khudyakov et al.Virol.198:
390-393,1994)に対して、及びアミノ酸442−460位における配列を含んで成るペ
プチド13(Khudyakov et al.1993)に対して得られた血清を使用した。アミノ酸5
62−580位におけるORF2抗原性領域の免疫反応性を、モルモット抗−ペプチド40
血清(Khudyakov et al.,1994)を用いて確認した。アミノ酸631−660位におけ
るORF2領域を、ペプチド23(641−660ア
ミノ酸)に対するモルモット血清(Khudyakov et al.1993)により同定した。ORF3
抗原性領域を、Burmese株について抗−ペプチド5(91−110アミノ酸)及び抗−
ペプチド6(105−123アミノ酸)血清及びMexican株について抗−ペプチド29(10
5−123アミノ酸)血清(Khudyakov et al.1993)を使用して検出した。このウェス
タン・ブロット検定の結果は、そのモザイク・タンパク質内でデザインされた全
てのHEV−特異的抗原性領域の存在及び免疫反応性をはっきりと示している。
確認的ウェスタン・ブロット検出を、Favorov et al.(1992)に従って行っ
た。ORF2によりコードされたHEVタンパク質の異なる断片を含む精製された不溶
性trpE融合タンパク質C2及びC2−1(Purdy et al.,1992)が、Dr.M.Purdy,
Hepatitis Branch,Centers for Disease Control and Prevention,Atlanta,G
eorgiaにより好意により提供された。
抗−HEVのためのEIA
エピトープ特異的抗体に対する人工HEV−特異的モザイク・タンパク質内に含
まれた各抗原性領域のアクセス可能性についてさらに確認するために、プラスミ
ドpMEG 330−45によりコードされたGST−融合タンパク質を、アフィニティー精
製し(材料及び方法参照)、そしてマイクロタイター・ウェルの表面上に受動的
に吸着された。ウェスタン・ブロット検定において使用されたモルモット抗−ペ
プチド血清を、EIAフォーマットにおいても使用した。比較のために、その対応
合成ペプチド及びペプチド結合物をも、EIAにおいて使用した。
5μg/mlの濃度におけるアフィニティー精製GST−HEタンパク質(110μl)を
、マイクロタイター・ウェル(Immulou II,Dynatech Laboratories,Inc.)に吸
着させた。ヒト及びモルモット血清を
、0.1% Tween20及び10%正常ヤギ血清を含む0.1Mホスフェード−バッファー生
理食塩水、pH7.5中で1:100に希釈した。マイクロタイター・プレートのウェル
の表面に吸着された組換えタンパク質に対する抗体の結合を、西洋ワサビ・ペル
オキシダーゼに結合したヒト又はモルモットIgGに対するアフィニティー精製抗
体(Company)を用いて同定した。P/N比として表されるカットオフ(cut off)は
、陰性対照の平均プラスその平均を3標準偏差(SD)上廻るものとして統計的に
確立し、そして2.1に等しいものであった。ここで、Pは、抗−HEV陽性試料の49
0nmにおける光学密度の値を表し、そしてNは、陰性対照の上記光学密度の値を
表す。典型的には、陰性対照についての光学密度の値は、0.05±0.001であった
。
全ての抗−ペプチド血清が、上記モザイク・タンパク質と免疫反応した。この
観察は、抗−合成ペプチド抗体に対する人工タンパク質内に含まれた全HEV−特
異的抗原性領域のアクセス可能性を立証する。免疫反応性の程度は、そのエピト
ープ及び抗−ペプチド血清に依存して変動することができた。例えば、HEV ORF2
タンパク質のC−末端領域からのエピトープは、他の抗原性領域に比べて対応の
抗−ペプチド血清とのより低い抗原反応性を示した。他方において、合成ペプチ
ド28と29(表1)から得られた抗−ペプチド血清は、その対応合成ペプチドとに
よるよりも、Mexican株のORF3タンパク質のC−末端部分から得られたモザイク
・ポリペプチドの領域と、より免疫反応性であった。この観察は、その天然抗原
又は合成ペプチドと比べて、抗−ペプチド抗体の異なる免疫学的反応性又は異な
る程度の抗原性エピトープ・モデリングに起因することができる。Mexican HEV
ORF3タンパク質のC−末端抗原性エピトープは、これらのエピトープがその天然
抗原において提示されるやり方を真似る人工モザイク・タンパク質のC−末端に
位置し;一方、HEV ORF2タ
ンパク質のC−末端領域は、それらのエピトープがその天然抗原において見られ
るやり方とは異なり、その人工モザイク・タンパク質に終結せずに(non-termin
ally)位置する。天然抗原とモザイク・タンパク質内でのこれらのエピトープの
位置の相違は、それらの免疫反応特性に影響を及ぼすことができる。それにも拘
らず、我々の実験において観察されたように異なるHEV−特異的抗原性エピトー
プの抗原反応性は、そのモザイク・タンパク質内に含まれたエピトープが免疫反
応性のやり方でモデル化されることを立証する。
合成ペプチド又はBSAに結合させたペプチドを使用したEIAを、本質的に先に記
載したように行った。但し、プレートを、他に記載されるように(Khudyakov et
.,1993;Favorov et al.,1994)ウェル当り5μgのペプチド又は0.5μgのペ
プチド結合体によりコートした。典型的には、陰性対照についての光学密度は、
0.02±0.002であった。
モザイク・ポリペプチドの診断適格(Diagnostic relerance)
モザイク・タンパク質の診断能力を確認するために、我々は、全世界の異なる
領域内でのHEV発生から得たヒト血清のパネルを使用した。正常血液ドナーから
、及び全世界の非伝染領域からのA型肝炎、B型肝炎、及びC型肝炎ウィルスに
対する抗体について血清学的に陽性であるヒトから得た30血清試料のパネルを、
陰性対照として使用した。全試料の抗−HEV状態を、ウェスタン・ブロット検定(
Favorov et al.1992)及び最近開発された合成ペプチド−EIA(Favorov et al 19
93)により予備的に測定した。HEV発生から得られた全30血清試料は、HEV−特異
的IgG抗体を含むことが判明した。これらの血清は、GST−モザイク・タンパク質
との強いIgG免疫反応性をも立証された。モザイク・タンパク質と免疫反応性で
ある抗−HEV陽性血清についてのP/N比のレンジは、2.1−500であっ
た。統計的な分析を、抗−HEV EIAについて上述したように行った。いくつかの
抗−HEV陽性試料は、1:50000を超えるタイターをもっていた。
HEV−特異的配列の一部の欠失を含むプラスミドpMEG 330によりコードされる
タンパク質についても分析した。この欠失誘導体モザイク・タンパク質が、その
完全長タンパク質に比較してかなり弱い抗原反応性を示したことは注目に値する
。この欠失含有タンパク質の抗原反応性は、85−95℃において2分間のその精製
タンパク質の熱変性により、いくぶん改善された。驚ろくべきことき、熱変性は
、その正しい配列を含むタンパク質の抗原特性を低下させた。これらの2つのタ
ンパク質の抗原特性におけるこの不一致は、その欠失により直接的に影響されな
いそれらのHEV−特異的エピトープの巨大構造のモデリングにおける差異を反映
することができる。
これらの結果は、1のポリペプチド鎖内の多くの異なるエピトープ領域の組合
せが必ずしも、適正に折り畳まれたモザイク・タンパク質をもたらすことを期待
されることができないということを示している。例えば、Burmese HEV株のORF3
抗原性領域内のたった5つのアミノ酸の小さな欠失を含むHEVモザイク・タンパ
ク質が、その抗原全体の抗原特性を劇的に減少させた。この結果は、モザイク・
タンパク質内の抗原性エピトープの適正なモデリングが、その2次及び3次構造
に対する注意を要求することができ、そしてそれらの相対的な有効性を決定する
ための人工抗原のいくつかの変異体についての日常的な構造及びテストを要求す
ることができるということを示唆している。
交差反応性エピトープの排除
感染剤に特異的な抗体の3−4%が、いくつかの宿主特異的タンパク質をも認
識することができることが知られている。このような
抗体の交差反応性についての多くの例が在り、そしてこの現象は、部分的に、偽
陽性結果の原因であることができる。合成ペプチドを使用する我々の実験におい
ては、我々は、先に、HEV非感染領域から得られた血清の約10%と免疫反応性で
あり、そしてウェスタン・ブロット検定と合成ペプチド−EIAの両方により抗−H
EV活性を欠いていることが示された。ORF2によりコードされるタンパク質のアミ
ノ酸515−530位における領域(Khudyakov et al.1994)を同定している。このデ
ータは、この領域が、ORF2タンパク質の非特異的反応性に貢献することができる
ことを示唆している。免疫診断試薬として使用されたタンパク質からのこれらの
領域の排除は、これらの試薬の特異性を改良し、そしてより特異的な診断テスト
をもたらした。
株依存性免疫反応性の適応
HEVモザイク・ポリペプチドは、2つの公知のHEV株に属する2つの異なるHEV
タンパク質からの抗原性エピトープを、1つのポリペプチド内で、接続する。HE
Vのために、ORF3タンパク質の強い株依存性の免疫反応性が、HEV感染カニクイザ
ルを使用した実験においても観察されている(Yarbough et al.1991)。この厳
格な株特異性はヒト血清を用いて確認されなかったけれども(Khudyakov et al.
1993)、我々は、全世界の異なる部分からの血清試料(Khudyakov et al.1993)と
のこれらのペプチドの抗原反応性に対する、ORF3タンパク質のC−末端領域から
得られた合成ペプチドの1次構造のいくつかの影響を観察した。この観察のサポ
ートにおいて、ORF3タンパク質内の厳密なBurmese又はMexican株−特異的エピト
ープ(Khudyakov et al.J.Gen.Virol.75,1994)の存在を立証するデータが
得られた。さらに、両HEV株から得られたペプチドの組合せが、これらのペプチ
ドの各々単独よりも抗−HEV陽性血清(Khud
yakov et al.1993)のより大きなパーセンテージを検出した。
まとめると、これらのデータは、上記2つのHEV株からの抗原が、血清中の抗
−HEV活性の検出のためのテストの開発のために使用されなければならないとい
うことを示唆している。しかしながら、これらのエピトープだけの適用は、HEV
感染の全てのケースの検出のためには十分ではなく(KhudyaKov et al.1993)、
そしてORF2タンパク質からの追加のエピトープがその全体的な感度を改良するた
めに使用されなければならない(Farokov et al.1993)。
本明細書の全体にわたり、さまざまな刊行物を引用する。これらの刊行物の開
示を、ここで、全体として、本発明の属する分野の技術水準をより十分に説明す
るために本明細書中に、引用により取り込む。
【手続補正書】特許法第184条の8
【提出日】1996年2月21日
【補正内容】
請求の範囲
1.配列番号:2のアミノ酸配列をもつポリペプチドをコードする核酸。
2.配列番号:1のヌクレオチド配列をもつ、請求項1に記載の核酸。
3.配列番号:1と少なくとも70%の配列同一性をもち、かつ配列番号:2の
アミノ酸配列をもつポリペプチドと同じ機能をもつポリペプチドをコードする、
核酸。
4.その発現に好適な形態にある、先の請求項のいずれか1項に記載の核酸を
含んで成るベクター。
5.その発現に好適な形態にある、請求項1〜3のいずれか1項に記載の核酸
を含んで成る宿主。
6.配列番号:2のアミノ酸配列をもつポリペプチド。
7.請求項3に記載の核酸によりコードされたポリペプチド。
8.配列番号:3、4、7、8、9及び10のいずれかのアミノ酸配列を含んで
成り、その生来のE型肝炎ウイルス内の配列のアミノ酸の間にあるアミノ酸を実
質的に欠いている、モザイク・ポリペプチド。
9.被験体におけるE型肝炎ウイルス感染の検出方法であって:
a.その被験体からの抗体含有サンプルを、請求項6〜8のいずれかに記載
のポリペプチドと接触させ;そして
b.そのポリペプチドとサンプル中の抗体との抗体認識反応であってE型肝
炎感染の存在を示すものを検出する、を含んで成る方法。
10.E型肝炎ウイルスによる感染に対する免疫感作における使用のための医薬
の製造のための、請求項6〜8のいずれか1項に記載
のポリペプチドの使用。
11.E型肝炎ウイルスによる感染に対して被験体を免疫感作させる方法であっ
て、その被験体を免疫感作するのに有効な量の請求項6〜8のいずれか1項に記
載のポリペプチドを投与することを含んで成る方法。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI
(C12N 1/21
C12R 1:19)
(C12P 21/02
C12R 1:19)
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG),
AM,AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,C
H,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB
,GE,HU,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,
LK,LR,LT,LU,LV,MD,MG,MN,M
W,MX,NL,NO,NZ,PL,PT,RO,RU
,SD,SE,SI,SK,TJ,TT,UA,UZ,
VN
(72)発明者 キュドヤコフ,ユリー イー.
アメリカ合衆国,ジョージア 30329,ア
トランタ,ドゥルイド バレー ドライブ
1402−エフ
(72)発明者 ファボロフ,マイケル オー.
アメリカ合衆国,ジョージア 30329,ア
トランタ,ドゥルイド バレー ドライブ
1405−エフ