JPH09510603A - Hiv−1エンベロープ糖タンパクに媒介された膜融合の共鳴エネルギートランスファーに基づく試験を用いるための方法、およびこれを実施するためのキット - Google Patents

Hiv−1エンベロープ糖タンパクに媒介された膜融合の共鳴エネルギートランスファーに基づく試験を用いるための方法、およびこれを実施するためのキット

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JPH09510603A JP7516982A JP51698295A JPH09510603A JP H09510603 A JPH09510603 A JP H09510603A JP 7516982 A JP7516982 A JP 7516982A JP 51698295 A JP51698295 A JP 51698295A JP H09510603 A JPH09510603 A JP H09510603A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、或る薬剤が、CD4+細胞とHIV−1エンベロープ糖タンパク+細胞との融合を阻害し又は特異的に阻害することができるか否かを決定するための方法を提供する。本発明はまた、或る薬剤がHIV−1によるCD4+細胞の感染を特異的に阻害できるか否かを決定する方法を提供する。本発明はまた、抗体含有サンプルが、CD4+細胞とHIV−1エンベロープ糖タンパク+細胞との融合を阻害し又は特異的に阻害する能力を、定量的に測定する方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 HIV−1エンベロープ糖タンパクに媒介された膜融合の 共鳴エネルギートランスファーに基づく試験を用いるための方法、 およびこれを実施するためのキット 〔発明の背景〕 本出願の全体を通して、様々な文献が参照される。これらの文献の開示は、本 発明が属する技術をさらに完全に記述するために本出願に参考として編入される 。 HIVは、表面CD4を発現するヘルパーTリンパ球および単球/マクロファージ− 細胞に主に感染して免疫機能を次第に喪失させ、その結果ヒト後天性免疫不全症 候群(AID)が発生する。HIV複製サイクルの初期相は、HIV外面のエンベロープ糖 タンパクgp120と細胞レセプターCD4の間の高い親和性による相互作用に関係し ている(Klatzmann,D.R.et al.,Immunodef.Rev.2,43-66(1990))。HIVが細胞表面 へ付着するのに続いて、ウィルスおよび標的細胞膜が融合し、その結果ウィルス ゲノムが細胞質へ導入される。幾つかの系統の証拠は、ウィルス感染性にはこの 相互作用が必要とされることを示している。インビトロで、CD4をコードする機 能的cDNAを、通常はCD4を発現しないヒト細胞へ導入することは、そうしなけれ ば耐性であるこれらの細胞をHIVに感染しやすくするのに十分である(Maddon,P.J .et al,Cell 47,333-348(1986))。 HIVgp120とCD4との間の相互作用の特性決定は、両方の分子をコードするcDN Aクローンの単離により促進された(Maddon,P.J.et al.,Cell 42,93-104(1985)、 Wain-Hobson,S.et al.,Cell40,9-17(1985))。CD4は、免疫グロブリン遺伝子上科 の仲間である非多型性の、系統限定された細胞表面糖タンパクである。完全長さ および短縮長さの両方の、可溶性形CD4(sCD4)の高レベルの発現が、安定な発 現システムにおいて記載されている。多量の精製したsCD4が入手可能になったた め、この複合糖タンパクの構造を詳細に理解することができるようになった。成 熟CD4は相対的分子量55,000を有し、V1-V4で表される4個のタンデム型免疫グロ ブリン様領域を含むアミノ末端のアミノ酸372個の細胞外ドメインと、これに続 く23個のアミノ酸のトランスメンブランドメイン、および38個 のアミノ酸の細胞質セグメントとからなる。短縮型のsCD4タンパクを用いた実験 は、HIVgp120に対する高い親和性結合の決定因子がアミノ末端免疫グロブリン 様領域V1に存在することを示している(Arthos,J.et al.,Cell,57,469-481(1989 ))。V1の突然変異分析は、免疫グロブリンの第二の相補性決定領域(CDR2)と構 造的に類似の領域を含む別のgp120結合部位( 成熟CD4 タンパクの残基38-52) を明確にしている(Arthos,J.et al.,Cell,57,469-481(1989))。 HIV-1エンベロープ遺伝子envはエンベロープ糖タンパク前駆体、即ちgp160 をコードし、該前駆体は原形質膜へ移動する前に細胞プロテアーゼにより分解さ れて、gp120およびgp41を生ずるする。膜間(membrane-spanning)糖タンパク gp41は、純粋な細胞外糖タンパクであるgp120と非共有結合している。成熟 gp120分子は高度にグリコシル化され(略24個のN-結合オリゴ糖)、9個の鎖内 部ジスルフィド結合を有する略480個のアミノ酸残基を含み(Leonard C.K.et al. ,J.Biol.Chem.265,10373-10382(1990))、二量体または多量体分子としてウィル ス膜から突出している(Earl,P.L.et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.87,648-652 (1990))。 HIV-1gp120の突然変異研究によって、分子の重要な機能的領域が詳細に描写 されている。gp41と相互作用するgp120の領域は、主にN末端およびC末端 に位置する(Helseth E.et al.,J.Virol.65,2119-2123(1991))。gp120におけ る主な株特異的中和エピトープは、32-34アミノ酸残基の第三可変ループ(ここ ではV3ループという)に位置し、この可変ループはgp120配列の中心付近に存 在している(Bolognesi,D.P.et al.,TIBTech 8,40-45(1990))。CD4結合部位はg p120の不連続領域に位置し、該不連続領域はgp120の第二、第三、または第四 の保存された領域(C2,C3およびC4領域)における高度に保存された又は不変のア ミノ酸残基を含んでいる(Olshevsky,U.et al.,J.Virol.64,5701-5707(1990))。 gp120内のこれらの保存された残基により形成された小さなポケットが、突然 変異分析によりgp120との相互作用に重要であると定義された領域、即ちCD4の CDR2ループを収容するのであろうと考えられている(Arthos,J et al.,Cell,57,4 69-481(1989))。 HIV-1gp120の細胞表面CD4への結合に続いて、ウィルスと標的細胞膜が 融合し、その結果ウィルスキャプシドが標的細胞の細胞質内に導入される(Maddo n P.J.et al.,Cell 54:865(1988))。今までの証拠の殆どは、HIV-1融合がpH依存 性であり、細胞表面で生じることを示唆する。HIV-1融合タンパクは、エンベロ ープ糖タンパクのトランスメンブレン成分であるgp41である。このタンパクは 、アミノ末端に疎水性融合ペプチドを有し、このペプチドにおける突然変異は融 合を阻害する(Kowalski,M.et al.,Science 237:1351(1987))。gp41に加えて 、最近の観察によれば、gp120が付着におけるその機能とは別に膜融合に重要 な役割を果たすことが示唆される。たとえば、gp120における基本的中和エピ トープ(V3ループ)に対する抗体は、付着を阻害することなく感染をブロックす ることができる(Skinner,M.A.et al.,J.Viol.62:4195(1988))。さらに、この ループの先端における突然変異は、突然変異したgp120/gp41分子を発現す るHela-CD4細胞における合胞体形成(syncytium formation)を減少するかまたは 防止する(Freed,E.O.et al.,J.Viol.65:190(1991))。 幾つかの系統の証拠は、CD4およびgp120/gp41に加えて、分子をHIV-1に 誘発されえた膜融合に関連させたことである。たとえば、最近の研究は、ヒト細 胞が非-霊長目細胞に存在しない、HIV-1融合に必要なアクセサリー分子を含むか もしれないことを示唆している(Dragic T.et al., J.Virol.66:4794(1992))。 このアクセサリー分子の性質は知られていない。幾つかの研究では、これが細胞 表面プロテアーゼであろうと仮定している(Hattori,T.et al.,Febs.Lett.248:4 8(1989))が、これはまだ確認されなければならない事項である。 HIV-1ウィルス粒子と宿主細胞の原形質膜との融合は、多くの点で、CD4を発現 する非感染細胞とgp120/gp41を発現するHIV-1感染細胞との融合に似ている 。このような細胞−細胞融合は、多核巨大細胞または合胞体の形成、即ち、細胞 表面で融合する多くのウイルスで観察される現象をもたらす。HIV-1に誘発され る膜融合の最近の知見の多くは、合胞体形成の研究から導き出される。たとえば 、この方法を用いて、他の全てのウィルスタンパクの不存在下では、膜における HIV-1gp120/gp41の発現が、CD4+膜との融合を起こすのに必要かつ十分であ ることが示された(Lifson,J.D.et al.,Nature 323:725(1986))。 細胞とウィルス粒子との融合に比較して、HIV-1により誘導される合胞体形成 は、さらに別の工程を含むように思える。最初に、gp120/gp41を有する膜 はCD4を有する膜と融合する。これは、限定した部位で膜をつなぎ合わせ、そし て膜結合色素を一つの細胞から他の細胞へ流れさせる迅速で可逆的なプロセスで ある(Dimitrov,D.et al.,AIDS Res.Human Retrovimses 7:799(1991))。この工 程は、多分、ウィルス粒子のCD4細胞への付着およびこれらの間の融合に似てい る。細胞融合における第二の段階は、細胞が非可逆的に融合して合胞体を形成す ることである。このプロセスの効率は、細胞付着分子たとえばICAM-1およびLFA- 1の相互作用により上昇するが、これらの分子が合胞体形成の進行に絶対必要と いうわけではない(Golding,H.et al.,AIDS Res.Human Retroviruses 8:1593(19 92))。 上記で検討したものを含めて、HIV-1融合の研究の殆どは、形質転換したヒトT 細胞ラインで広範囲に増殖されたHIV-1株で行われたものである。実験適合株と して知られているこれらの株は、HIV-1感染個体から得られるウィルスの一次ま たは臨床的単離物とは幾つかの重要な特性において異なっている(O'Brien,W.A.e t al.,Nature 348:69(1990))。これらの差の幾つかの例を以下の表に挙げる。 これらの差は、ウィルスタンパク、特にエンベロープ糖タンパクの一次配列に おける差を反映する。いくつかの場合、HIV-1の一次単離物および実験適合株の 異なった向性は、gp120における領域、たとえばV3ループに位置づけられる (O'Brien W.A.et al.,Nature 348:69(1990))。異なったV3ループがT細胞ライン または単球における異なったアクセサリー分子と相互作用し、これにより向性を 媒介することが可能である。 HIV-1エンベロープに媒介された細胞融合は、HIV-1感染の初期段階のモデルで あり、HIV-1付着および融合を妨げる抗ウィルス分子の分析として使用すること ができる(Sodroski,J.et al.,Nature 322-470(1986)、Lifson,J.D.et al.,Natur e323:725(1986))。さらに、HIV-1に誘起された細胞融合は、HIV-1感染の病因に 対する潜在的メカニズムとしてそれ自身重要である。これが感染細胞から非感染 細胞へのHIV-1の移動形態であり(Gupta,P.et al.,J.Virol.63:2361(1989)、Sa to,H.et al.,Virology 186:712(1992))、このメカニズムは感染した個体の身体 中にHIV-1が広がることの一因であろう。細胞融合はまた、HIV-1に誘起される細 胞死の直接のメカニズムでもある(Sodroski J.et al.,Nature 322:470(1986)、L ifson,J.D.et al.,Nature 323:725(1986))。合胞体は、たとえばAIDSによる痴呆 症候群のような精神的合併症に罹っている、AIDS患者の脳において普通にインビ ボで見られる(Pumarola-Sune,T.et al.,Ann.Neurol.21:490(1987))。さらに、 合胞体はHIV-1感染個体の脾臓においても観察された(Byrnes,R.K.et al.,JAMA 250:1313(1983))。細胞融合はAIDSに繋がる病因過程の特徴であるCD4-Tリンパ 球の欠失に重要な役割を果たすかもしれない(Haseltine W.A.,AIDS and the ne w viruses,Dalgleish,A.G.およびWeiss,R.A.編(1990))。 この点において、無症状HIV-1感染個体からのHIV-1単離物が、合胞体細胞を生 じることなくインビトロでしばしば細胞に感染するということは重要かもしれな い。対照的に、ARCおよびAIDSを有する患者からの臨床的単離物は、一般的に、 非常に伝染性が強い合胞体誘起性株である(Tersmette,M.et al., J.Virol.62:20 26(1988))。さらに、病気が進行しそして症状が表れると、これらはしばしば非 合胞体誘起性(NSI)から合胞体誘起性(SI)の単離物へスイッチする(Tersmette M. et al.,J.Virol.63:2118(1989)、Cheng-Mayer,C.et al.,Science240:80(1988)) 。これらの株に感染した細胞が、他の幾つかの紡錘形(fusogenic)ウィルスで類 推されるように、細胞融合を起こすのに十分なレベルのgp120/gp41を発現 しない可能性があるとはいえ、なぜ幾つかのHIV-1菌株が合胞体を誘導し ないのか明らかでない。しかしながら、このNSIからSIHIV-1菌株への転換は、HI V-1感染の臨床的進行に影響すると考えられる。何人かの被験者における天然に 存在する抗合胞体抗体の存在は、これら被験者におけるHIV-1関連疾病の発症を 遅らせるであろう(Brenner,T.J.et al., Lancet 337:1001(1991))。 HIV-1エンベロープ糖タンパクに媒介された膜融合の測定方法の発展は、HIV-1 感染のメカニズムを解明して、HIV-1エンベロープ糖タンパクに媒介された細胞 融合を変える薬剤の同定を可能にすることにおいて重要な役割を果たす。現在、 この融合を測定するための幾つかの可能性のある方法が存在する。 第一は、HIV-1エンベロープ糖タンパクに媒介された細胞融合の分析であり、 この融合は細胞間の蛍光染料の移動を測定することにより顕微鏡的に測定される (Demitrov D.S.,AIDS Res.Human Retroviruses 7:799-805(1991))。この技術は 、蛍光強度ではなく色素分布を測定するものであり、そのため蛍光光度計を使用 して行うことはできない。分析は容易には自動化されないであろうし、またHIV- 1エンベロープ糖タンパクを安定的に発現する細胞を用いて行われていはいない 。 第二は、(a)gp120/gp41に加えてHIV-1tat 遺伝子生成物を安定的に発現 する細胞、および(b)HIV-1 LTRプロモーターの調節下にβ-ガラクトシダーゼ遺 伝子からなる構築物を含むCD4細胞との間で測定されたHIV-1エンベロープ仲介細 胞融合の分析である。これらの細胞が融合すると、β-ガラクトシダーゼが発現 し、これを好適な可溶性または不溶性発色基質を用いて測定することができる(D ragic T.et al.,Journal of Virology 66:4794(1992))。この分析は、実施する のに少なくとも1日かかり、たとえば一次マクロファージ細胞のような新規標的 細胞に簡単に適合することはできない。この分析はまた、リアルタイムで細胞融 合を測定せず、従って融合カイネティックスを分析するのに容易に使用されない 。 最後に、第三は、HIV-1ウィルス粒子の細胞への融合のための、蛍光脱消光分 析である(Sinangil,F.et al,FEBS Letters 239:88-92(1988))。この分析は、 精製したHIV-1ウィルス粒子の使用を必要とし、HIV-1ウィルス粒子の精製および 分析は、封じ込め設備内で実施されなければならない。臨床的ウィルス単離物の 十分量を簡単に単離して分析を行うことは難しいかもしれない。さらに、この分 析は、安 定してHIV-1エンベロープ糖タンパクおよびCD4を発現する細胞を用いたRET分析 よりも複雑で再現性が低い。 本発明の方法は、HIV-1エンベロープ糖タンパク仲介膜融合を測定するための 前記した方法に固有の問題を解決する、共鳴エネルギートランスファー(RET)を 基本とする分析を使用する。特に、本発明の方法は、迅速で且つ再現性があり、 様々な細胞型に適合し、そして比較的安全で自動化することのできるRET分析を 採用する。 〔発明の概要〕 本発明は、或る薬剤が、CD4+細胞とHIV−1エンベロープ糖タンパク+細 胞との融合を特異的に阻害できるか否かを決定する方法であって: (a)前記 薬剤の不存在下ではCD4+細胞とHIV−1エンベロープ糖タンパク+細胞との 融合を可能とする条件において、適切な量の前記薬剤を含むサンプルを、適切な 量のCD4+細胞および適切な量のHIV−1エンベローブ糖タンパク+細胞と接 触させる工程であって、その際に、CD4+細胞およびHIV−1エンベロープ 糖タンパク+細胞の細胞膜を、第一染料および第二染料で夫々ラベルしておく( 該第一染料および第二染料が同じ膜内に並置されたときにのみ、両者間での共鳴 エネルギーのトランスファーが生じる)工程と; (b)適切な時間が経過した 後に、得られたサンプルのパーセント共鳴エネルギートランスファー値を測定す る工程と; (c)こうして測定されたパーセント共鳴エネルギートランスファ ー値を既知の標準と比較して、前記薬剤が、CD4+細胞とHIV−1エンベロ ープ糖タンパクf細胞との融合を阻害できるか否かを決定する工程と; (d) 前記薬剤の不存在下では非HIV−1エンベロープ糖タンパクに媒介された第一 対照細胞および第二対照細胞の融合を可能にする条件において、前記薬剤が、第 一対照細胞と第二対照細胞との融合を阻害するか否かを決定し、前記薬剤がCD 4+細胞とHIV−1エンベロープ糖タンパク+細胞との融合を特異的に阻害でき るか否かを決定する工程とを具備した方法を提供する。 本発明はまた、或る薬剤が、CD4+細胞のHIV−1による感染を特異的に 阻害できるか否かを決定する方法であって: 本発明の方法により、前記薬剤が 、 CD4+細胞とHIV−1エンベロープ糖タンパク+細胞との融合を特異的に阻害 できるか否かを決定し、これによって前記薬剤がCD4+細胞のHIV−1によ る感染を特異的に阻害できるか否かを決定することを具備した方法を提供する。 本発明は更に、或る薬剤が、CD4+細胞とHIV−1エンベロープ糖タンパ ク+細胞との融合を特異的に阻害できるか否かを決定する方法であって: (a )前記薬剤の不存在下ではCD4+細胞とHIV−1エンベロープ糖タンパク+細 胞との融合を可能とする条件において、適切な量の前記薬剤を含むサンプルを、 適切な量のCD4+細胞および適切な量のHIV−1エンベロープ糖タンパク+細 胞と接触させる工程であって、その際に、CD4+細胞およびHIV−1エンベ ロープ糖タンパク+細胞の細胞膜を、第一染料および第二染料で夫々ラベルして おく(該第一染料および第二染料が同じ膜内に並置されたときにのみ、両者間で の共鳴エネルギーのトランスファーが生じる)工程と; (b)適切な時間が経 過した後に、得られたサンプルのパーセント共鳴エネルギートランスファー値を 測定する工程と; (c)こうして測定されたパーセント共鳴エネルギートラン スファー値を既知の標準と比較して、前記薬剤が、CD4+細胞とHIV−1エ ンベロープ糖タンパク+細胞との融合を阻害できるか否かを決定する工程とを具 備した方法を提供する。 本発明はまた、上記の方法によって決定された薬剤を提供する。 本発明は更に、或る抗体含有サンプルの、CD4+細胞とHIV−1エンベロ ープ糖タンパク+細胞との融合を特異的に阻害する能力を定量的に測定する方法 であって: (a)前記抗体含有サンプルの不存在下ではCD4+細胞とHIV −1エンベロープ糖タンパク+細胞との融合を可能とする条件において、適切な 量の前記抗体含有サンプルを、適切な量のCD4+細胞および適切な量のHIV −1エンベロープ糖タンパク+細胞と接触させる工程であって、その際に、CD 4+細胞およびHIV−1エンベロープ糖タンパク+細胞の細胞膜を、第一染料お よび第二染料で夫々ラベルしておく(該第一染料および第二染料が同じ膜内に並 置されたときにのみ、両者間での共鳴エネルギーのトランスファーが生じる)工 程と; (b)適切な時間が経過した後に、得られたサンプルのパーセント共鳴 エネルギートランスファー値を測定する工程と; (c)こうして測定された パーセント共鳴エネルギートランスファー値を既知の標準と比較して、前記抗体 含有サンプルの、CD4+細胞とHIV−1エンベロープ糖タンパク+細胞との融 合を阻害できる能力を定量的に測定する工程と; (d)前記薬剤の不存在下で は非HIV−1エンベロープ糖タンパクに媒介された第一対照細胞および第二対 照細胞の融合を可能にする条件において、前記抗体含有サンプルが、第一対照細 胞と第二対照細胞との融合を阻害するか否かを決定し、前記抗体含有サンプルの 、CD4+細胞とHIV−1エンベロープ糖タンパク+細胞との融合を特異的に阻 害できる能力を定量的に決定する工程とを具備した方法を提供する。 本発明は更に、或る抗体含有サンプルの、CD4+細胞とHIV−1エンベロ ープ糖タンパク+細胞との融合を特異的に阻害する能力を定量的に測定する方法 であって: (a)前記抗体含有サンプルの不存在下ではCD4+細胞とHIV −1エンベロープ糖タンパク+細胞との融合を可能とする条件において、適切な 量の前記抗体含有サンプルを、適切な量のCD4+細胞および適切な量のHIV −1エンベロープ糖タンパク+細胞と接触させる工程であって、その際に、CD 4+細胞およびHIV−1エンベロープ糖タンパク+細胞の細胞膜を、第一染料お よび第二染料で夫々ラベルしておく(該第一染料および第二染料が同じ膜内に並 置されたときにのみ、両者間での共鳴エネルギーのトランスファーが生じる)工 程と; (b)適切な時間が経過した後に、得られたサンプルのパーセント共鳴 エネルギートランスファー値を測定する工程と; (c)こうして測定されたパ ーセント共鳴エネルギートランスファー値を既知の標準と比較して、前記抗体含 有サンプルの、CD4+細胞とHIV−1エンベロープ糖タンパク+細胞との融合 を阻害できる能力を定量的に決定する工程とを具備した方法を提供する。 本発明は更に、HIV−1に感染した患者におけるHIV−1感染の段階また は臨床的予後を決定する方法であって: (a)HIV−1に感染した患者から 抗体含有サンプルを得る工程と; (b)こうして得られた抗体含有サンプルの 、CD4+細胞とHIV−1エンベロープ糖タンパク+細胞との融合を阻害する能 力を、本発明の方法によって定量的に決定する工程と; (c)こうして決定さ れた、CD4+細胞とHIV−1エンベロープ糖タンパク+細胞との融合を阻害す る前記抗体含有サンプルの能力を、既知の段階のHIV−1感染または既知の臨 床的予後を有するHIV−1感染患者から得た抗体含有サンプルの同様の能力と 比較して、前記HIV−1感染患者におけるHIV−1感染の段階または臨床的 予後を決定する工程とを具備した方法を提供する。 本発明は更に、ワクチン接種されたHIV−1非感染患者における抗HIV− 1ワクチン接種の効果を決定する方法であって: (a)ワクチン接種されたH IV−1非感染患者から抗体含有サンプルを取得する工程と; (b)こうして 取得した抗体含有サンプルの、CD4+細胞とHIV−1エンベロープ糖タンパ ク+細胞との融合を阻害する能力を、本発明の方法によって定量的に測定する工 程と; (c)こうして測定された、CD4+細胞とHIV−1エンベロープ糖 タンパク+細胞との融合を阻害する前記抗体含有サンプルの能力を、前記抗HI V−1ワクチン接種が既知の効果を有しているワクチン接種されたHIV−1非 感染患者から取得した抗体含有サンプルの同様の能力と比較して、前記ワクチン 接種されたHIV−1非感染患者における前記抗HIV−1ワクチン接種の効果 を決定する工程とを具備した方法を提供する。 本発明は更に、或る薬剤が、CD4+細胞とHIV−1エンベロープ糖タンパ ク+細胞との融合を特異的に阻害することができるか否かを決定するためのキッ トであって:別々の区画内に、(a)細胞膜が第一染料でラベルされた適切な量 のCD4+細胞と; (b)細胞膜が第二染料でラベルされた適切な量のHIV −1エンベロープ糖タンパク+細胞であって、該HIV−1エンベロープ糖タン パク+細胞は、前記薬剤が存在しない適切な条件下で、(a)の前記CD4+細胞 と融合することができ、また前記第一および第二の染料は、同一の膜内に並置さ れたときにのみ両者間での共鳴エネルギーをトランスファーさせるような細胞と ; (c)細胞膜が前記第一染料でラベルされた適切な量の第一対照細胞と; (d)細胞膜が前記第二染料でラベルされた適切な量の第二対照細胞であって、 該第二対照細胞は、前記薬剤が存在しない適切な条件下で、(c)の前記第一対 照細胞と共に非HIV−1エンベロープ糖タンパクに媒介された融合を行うこと ができる細胞とを具備したキットを提供する。 本発明は更に、或る薬剤が、CD4+細胞とHIV−1エンベロープ糖タンパ ク+細胞との融合を特異的に阻害することができるか否かを決定するためのキッ トであって:別々の区画内に、(a)細胞膜が第一染料でラベルされた適切な量 のCD4+細胞と; (b)細胞膜が第二染料でラベルされた適切な量のHIV −1エンベロープ糖タンパクf細胞であって、該HIV−1エンベロープ糖タン パク+細胞は、前記薬剤が存在しない適切な条件下で、(a)の前記CD4+細胞 と融合することができ、また前記第一および第二の染料は、同一の膜内に並置さ れたときにのみ両者間での共鳴エネルギーをトランスファーさせるような細胞と を具備したキットを提供する。 本発明は更に、或るHIV−1単離体が合胞体誘起性であるか否かを決定する 方法であって: (a)細胞膜が第一染料でラベルされた、HIV−1単離体エ ンベロープ糖タンパク+細胞のサンプルを取得する工程と; (b)適切な量の 該サンプルを、CD4+細胞と合胞体誘起性HIV−1株エンベロープ糖タンパ ク+細胞とを融合させる条件下で、適切な量のCD4+細胞と接触させる工程であ って、前記CD4+細胞は第二染料でラベルされており、該第二染料は第一染料 および第二染料が同一の膜内に並置される時にのみ、前記第一染料との間で共鳴 エネルギーのトランスファーを行う工程と; (c)適切な時間が経過した後に 、得られたサンプルのパーセント共鳴エネルギートランスファー値を測定する工 程と; (d)こうして測定されたパーセント共鳴エネルギートランスファー値 を既知の標準と比較して、前記HIV−1単離体が合胞体誘起性であるか否かを 決定する工程とを具備した方法を提供する。 最後に、本発明は、HIV−1感染患者におけるHIV−1感染の段階を決定 する方法であって、本発明の方法を用いて、前記HIV−1感染患者が感染して いるHIV−1単離体が合胞体誘起性であるか否かを決定することにより、前記 HIV−1感染患者におけるHIV−1感染の段階を決定することを具備した方 法を提供する。 〔図面の簡単な説明〕 図 1: RET試験によって測定された、Hela−env+細胞とHeLa− CD4+細胞との融合の時間経過。 図 2: REFを用いて測定された、OKT4aによるHela−env+細胞 とHeLa−CD4+細胞との融合のブロッキング。 図 3: REFを用いて測定された、sCD4による160G7細胞とC816 6細胞との融合のブロッキング。 図 4: OKT4aを用いた二つの方法により、Hela−env+細胞とHe La−CD4+細胞との融合を阻害するブロッキング実験の結果の比較 分析。 〔発明の詳細な説明] pMA243と命名されたプラスミドは、特許手続上の微生物の寄託の国際的 承認に関するブタペスト条約の規定に従い、これを満たすために、ATCC受付 番号第75626号の下に、20852メリーランド州ロックウィルパークロー ンドライブ12301に所在のアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション (ATCC)に寄託された。このプラスミドpMA243は、1993年12月 16日にATCCに寄託された。 本発明は、或る薬剤が、CD4+細胞とHIV−1エンベロープ糖タンパク+細 胞との融合を特異的に阻害できるか否かを決定する方法であって: (a)前記 薬剤の不存在下ではCD4+細胞とHIV−1エンベロープ糖タンパク+細胞との 融合を可能とする条件において、適切な量の前記薬剤を含むサンプルを、適切な 量のCD4+細胞および適切な量のHIV−1エンベロープ糖タンパク+細胞と接 触させる工程であって、その際に、CD4+細胞およびHIV−1エンベロープ 糖タンパク+細胞の細胞膜を、第一染料および第二染料で夫々ラベルしておく( 該第一染料および第二染料が同じ膜内に並置されたときにのみ、両者間での共鳴 エネルギーのトランスファーが生じる)工程と; (b)適切な時間が経過した 後に、得られたサンプルのパーセント共鳴エネルギートランスファー値を測定す る工程と; (c)こうして測定されたパーセント共鳴エネルギートランス ファー値を既知の標準と比較して、前記薬剤が、CD4+細胞とHIV−1エン ベロープ糖タンパク+細胞との融合を阻害できるか否かを決定する工程と; ( d)前記薬剤の不存在下では非HIV−1エンベロープ糖タンパクに媒介された 第一対照細胞および第二対照細胞の融合を可能にする条件において、前記薬剤が 、第一対照細胞と第二対照細胞との融合を阻害するか否かを決定し、前記薬剤が CD4+細胞とHIV−1エンベロープ糖タンパク+細胞との融合を特異的に阻害 できるか否かを決定する工程とを具備した方法を提供する。 本発明は、CD4+細胞とHIV−1エンベロープ糖タンパク+細胞との融合を 特異的に阻害できることが上記方法を用いて決定される薬剤を提供する。 ここで用いる「薬剤」の用語には、タンパク部分および非タンパク部分の両者 が含まれる。一つの態様において、この薬剤は低分子である。他の態様において 、この薬剤はタンパクである。このタンパクは、一例を挙げれば、HIV−1エ ンベロープ糖タンパク(例えばgp120)の一部に向けられた抗体であり得る 。この薬剤は、低分子化合物のライブラリーまたは植物若しくは他の生物からの 抽出物のライブラリーに由来するものであり得る。 ここで用いる「CD4+細胞とHIV−1エンベロープ糖タンパク+細胞との融 合を特異的に阻害できる」との語句は、(a)CD4+細胞とHIV−1エンベ ロープ糖タンパク+細胞との融合速度を少なくとも5%だけ低下させることがで きるが、非CD4/HIV−1エンベロープ糖タンパクに媒介された細胞膜融合 の速度を低下させることができないこと、または(b)融合が終了するまでに生 じるCD4+細胞膜とHIV−1エンベロープ糖タンパク+細胞膜との全融合量を 、少なくとも5%だけ低下させることができるが、融合が終了するまでに生じる 非CD4/HIV−1エンベロープ糖タンパクに媒介された細胞膜融合の全量を 低下させることができないことを意味する。ここで用いる「細胞膜融合の速度」 とは、単位時間当たりに融合した細胞膜の全量を意味する。ここで用いる「融合 の終点」とは、CD4+細胞膜とHIV−1エンベロープ糖タンパク+細胞膜との 間で生じ得る全ての融合が生じてしまった時点を意味する。 本発明の方法の一例を以下に記載する。既知量のCD4+細胞を、下記の薬剤 が存在しなければ単位時間当たりY量の細胞膜の融合を可能にする条件下におい て、ある薬剤と共に既知量のHIV−1エンベロープ糖タンパク+細胞と接触さ せる(Yは、CD4+細胞膜およびHIV−1エンベロープ糖タンパク+細胞膜の 合計量、例えば、0.5×YのCD4+細胞膜+0.5×YのHIV−1エンベ ロープ糖タンパク+細胞膜に等しい)。前記薬剤の存在下において、単位時間当 たり0.2×Y量の細胞膜が融合する。前記薬剤は、非CD4/HIV−1エン ベロープ糖タンパクに媒介された細胞膜融合の速度を低下させないことが示され る。従って、前記薬剤は、CD4+細胞とHIV−1エンベロープ糖タンパク+細 胞との融合を特異的に阻害する。 ここで用いる「CD4+細胞膜とHIV−1エンベロープ糖タンパク+細胞膜と の融合」とは、CD4+細胞とHIV−1エンベロープ糖タンパク+細胞とが疎水 的に結合および一体化して、両細胞膜の成分を含むハイブリッド膜を形成するこ とを意味し、CD4/HIV−1エンベロープ糖タンパクに媒介された両者間の 融合を意味しない。 ここで用いる「CD4」の用語には、(a)天然のCD4タンパクと、(b) 膜結合CD4ベースのタンパクとが含まれる。ここで用いる「膜結合CD4べー スのタンパク」とは、天然のCD4がHIV−1gp120エンベロープ糖タン パクと複合体を形成するために必要とされるCD4の少なくとも一部を含んだ、 天然のCD4以外の何れかの膜結合タンパクを意味する。一つの態様において、 このCD4ベースのタンパクは、非CD4タンパクの一部を含んでいる。該CD 4ベースのタンパクが非CD4タンパクの一部を含んでいれば、天然のCD4が HIV−1gp120エンベロープ糖タンパクと複合体を形成するために必要と される天然のCD4の一部は、天然のCD4における+1〜約+179のアミノ 酸配列を有する部分である。 ここで用いる「細胞」の語には、例えばHeLa細胞のような生物学的細胞、 および例えば脂質小胞(例えば燐脂質小胞)のような非生物学的細胞が含まれる 。 ここで用いる「CD4+細胞」とは、その細胞膜の表面に固定されたCD4を 有する細胞であって、HIV−1エンベロープ糖タンパク+細胞と特異的に結合 して、これと融合することができる細胞である。好ましい態様において、適切な CD4+細胞はCD4+HeLa細胞である。 ここで用いる「HIV−1エンベロープ糖タンパク+細胞」とは、CD4+細胞 に特異的に結合して、これと融合するように、その細胞膜の表面に固定されたH IV−1エンベロープ糖タンパクを有する細胞である。一つの態様において、こ のHIV−1エンベロープ糖タンパク。細胞は、HIV−1エンベロープ糖タン パク+HeLa細胞である。他の態様において、該HIV−1エンベロープ糖タ ンパク+細胞はHIV−1である。 夫々のHIV−1単離体は、限られた数のCD+細胞タイプに対して向性であ る。従って、本発明において、「CD4+細胞とHIV−1エンベロープ糖タン パク+細胞との融合」とは、CD4+細胞と、HIV−1エンベロープ糖タンパク+ 細胞(そのHIV−1エンベロープ糖タンパクは、CD4+細胞に対して向性の HIV−1単離体に由来するエンベロープ糖タンパクに対応する)との融合を意 味する。例えば、HIV−1単離体であるJR−FL、JR−CSFおよびBa Lは、CD4+一次ヒトマクロファージに対して向性であり、HIV−1単離体 であるLAIおよびIIIBはヒトCD4+Tリンパ球細胞ラインおよびHeLa− CD4細胞に対して向性であり、またHIV−1単離体であるMNおよびSF− 2は、ヒトCD4+Tリンパ球細胞ラインに対して向性である。例えば、HIV −1単離体であるJR−FL、JR−CSF、BaL、LAI、IIIB、MNお よびSF−2はまた、上記に列挙したもの以外のCD4+細胞タイプに対しても 向性である。 薬剤、CD4+細胞およびHIV−1エンベロープ糖タンパク+細胞の適切な量 は、当業者に周知の方法によって決定すればよい。 前記薬剤の不存在下において、CD4+細胞とHIV−1エンベロープ糖タン パク+細胞との融合を可能にする条件は、当業者に周知である。 ここで用いる場合、染料で「ラベルされた」細胞とは、その細胞膜中に一体化 された染料を有する細胞、即ち、その細胞膜の脂質分子と混合された色素分子を 有する細胞を意味する。 共鳴エネルギートランスファーは次のように定義される。即ち、励起スペクト ルおよび発光スペクトルが夫々Ex1およびEm1である色素D1と、励起スペ クトルおよび発光スペクトルが夫々Ex2およびEm2である色素D2とが並 置されており、(a)Em1がEm2よりも高い平均周波数を有し、(b)Em 1とEx2とが重なっている場合についていえば、共鳴エネルギートランスファ ーとは、Em1およびEx2の重なり範囲内の周波数における、D1からD2へ の電磁気的エネルギーのトランスファーである。この共鳴エネルギートランスフ ァーは、(a)Ex1スペクトル内の周波数でのD1の電磁気的励起からもたら され、(b)Em2スペクトル内の周波数でのD2からの電磁気的エネルギーの 放出を起こさせる。従って、D1とD2との間の共鳴エネルギーのトランスファ ーは、Ex1内の周波数での電磁気的エネルギーでD1を励起し、続いて放出さ れるEm2内の波長の電磁気的エネルギーを測定することによって検出すること ができる。このEm2内の波長での電磁気的エネルギーの放出は、D1およびD 2の間の共鳴エネルギーのトランスファーが生じたことを示している。 第一色素および第二色素は、それらが相互に適切に短い距離で同じ脂質膜内に 存在すれば、「同一の膜内に並置されている」。この適切に短い距離は、当業者 が容易に決定できるであろう。 本発明において、パーセント共鳴エネルギートランスファー値の測定は、当業 者に周知の方法に従って行うことができる。一つの態様において、パーセント共 鳴エネルギートランスファー値は、(1)Em2内の周波数におけるD1および D2からの全放出から、Ex1内の周波数での励起およびEm2内の周波数での 放出に続いて生じる直接のD1放出およびD2放出に起因した電磁気的エネルギ ー放出を差し引くことによって、共鳴エネルギートランスファー値(RET)を 決定することと(ここで、D1放出およびD2放出は、夫々の色素でラベルされ た細胞に起因する電磁気的エネルギー放出を別々に測定することによって測定さ れる)、(2)上記のステップ(1)で得た共鳴エネルギートランスファー値を 、Em2内の周波数での全D2放出で除算することにより、パーセント共鳴エネ ルギートランスファー値(%RET値)を決定することとによって決定される。 適切な時間(その経過後に、得られたサンプルの共鳴エネルギートランスファ ー値が測定される)は、当業者に周知の方法に従って決定すればよい。 既知の標準とは、CD4+細胞、HIV−1エンベロープ糖タンパク+細胞、お よびそれらの融合を阻害する既知の能力をもった薬剤を用いて得られた、パーセ ント共鳴エネルギートランスファー値である。 本発明において、前記の第一対照細胞および第二対照細胞は、HIV−1エン ベロープ糖タンパクに媒介された融合を阻害できる薬剤の存在下および不存在下 の両方において、非HIV−1エンベロープ糖タンパクに媒介された融合を介し て相互に融合することができ、またHIV−1エンベロープ糖タンパクに媒介さ れた融合を介しては融合することができない。このような細胞は当業者に周知で あり、例えばHeLa細胞が含まれる。HeLa細胞は、ポリエチレングリコー ル1000または仙台ウイルスと共に37℃でインキュベートすることにより、相互 の融合が誘発され得る。HeLa細胞の融合を誘発するこれらの方法は、当業者 に周知である。 一つの態様において、前記薬剤は抗体である。本発明において用いる「抗体」 の用語には、天然に存在する抗体および天然に存在しない抗体の両者が含まれる が、特に限定されない。より詳細にいえば、「抗体」の用語にはポリクローナル 抗体およびモノクローナル抗体、並びにそれらの抗原結合性フラグメントが含ま れる。更に、「抗体」の用語には、キメラ抗体、全体が合成物からなる抗体、お よびこれらの抗原結合性フラグメントが含まれる。 一つの態様において、前記の第一色素はローダミン部分を含む分子であり、第 二色素はフルオレセイン部分を含有する分子である。ローダミン部分を含む分子 およびフルオレセイン部分を含む分子は、当業者に周知である。 好ましい態様において、前記のローダミン部分を含む分子はオクタデシルロー ダミンB塩化物であり、前記のフルオレセイン部分を含む分子はフルオレセイン オクタデシルエステルである。 他の態様において、前記の第一色素はフルオレセイン部分を含む分子であり、 前記の第二色素はローダミン部分を含む分子である。 一つの態様において、前記のCD4+細胞は、CD4+HeLa細胞である。他 の態様において、前記のHIV−1エンベロープ糖タンパク+細胞は、HIV− 1LAIgp120/gp41+HeLa細胞である。HIV−1LAIは、フィトヘ マグルチニン(PHA)刺激された抹消血液リンパ球(PBLs)および固定化 ヒトT細胞ラインに対して向性を有する、実験室的に採用される株である。 本発明はまた、成る薬剤が、CD4+細胞のHIV−1による感染を特異的に 阻害できるか否かを決定する方法であって: 本発明の方法により、前記薬剤が 、CD4+細胞とHIV−1エンベロープ糖タンパク+細胞との融合を特異的に阻 害できるか否かを決定し、これによって前記薬剤がCD4+細胞のHIV−1に よる感染を特異的に阻害できるか否かを決定することを具備した方法を提供する 。 本発明は更に、或る薬剤が、CD4+細胞とHIV−1エンベロープ糖タンパ ク+細胞との融合を特異的に阻害できるか否かを決定する方法であって: (a )前記薬剤の不存在下ではCD4+細胞とHIV−1エンベロープ糖タンパク+細 胞との融合を可能とする条件において、適切な量の前記薬剤を含むサンプルを、 適切な量のCD4+細胞および適切な量のHIV−1エンベロープ糖タンパク+細 胞と接触させる工程であって、その際に、CD4+細胞およびHIV−1エンベ ロープ糖タンパク+細胞の細胞膜を、第一染料および第二染料で夫々ラベルして おく(該第一染料および第二染料が同じ膜内に並置されたときにのみ、両者間で の共鳴エネルギーのトランスファーが生じる)工程と; (b)適切な時間が経 過した後に、得られたサンプルのパーセント共鳴エネルギートランスファー値を 測定する工程と; (c)こうして測定されたパーセント共鳴エネルキートラン スファー値を既知の標準と比較して、前記薬剤が、CD4+細胞とHIV−1エ ンベロープ糖タンパク+細胞との融合を阻害できるか否かを決定する工程とを具 備した方法を提供する。 ここで用いるとき、「CD4+細胞とHIV−1エンベロープ糖タンパク+細胞 との融合を特異的に阻害できる」とは、(a)CD4+細胞膜とHIV−1エン ベロープ糖タンパク+細胞膜との融合速度を少なくとも5%だけ低下させること ができること、または(b)融合が終了するまでに生じるCD4+細胞膜とHI V−1エンベロープ糖タンパク+細胞膜との全融合量を、少なくとも5%だけ低 下させることができることを意味する。CD4+細胞とHIV−1エンベロープ 糖タンパク+細胞との融合を阻害できる薬剤はまた、非CD4/HIV−1エン ベロープ糖タンパクに媒介された細胞膜融合の速度をも低下させることができる 。 本発明はまた、上記の方法を用いて、CD4+細胞とHIV−1エンベロープ 糖タンパク+細胞との融合を阻害できると決定された薬剤を提供する。 一つの実施例において、前記の第一色素はローダミン部分を含む分子であり、 前記の第二色素はフルオレセイン部分を含む分子である。 好ましい態様において、前記のローダミン部分を含む分子はオクタデシルロー ダミンB塩化物であり、前記のフルオレセイン部分を含む分子はフルオレセイン オクタデシルエステルである。 他の態様において、前記の第一色素はフルオレセイン部分を含む分子であり、 前記の第二色素はローダミン部分を含む分子である。 一つの態様において、前記のCD4+細胞は、CD4+HeLa細胞である。本 発明の他の態様において、前記のHIV−1エンベロープ糖タンパク+細胞は、 HIV−1LAIgp120/gp41+HeLa細胞である。 本発明は更に、或る抗体含有サンプルの、CD4+細胞とHIV−1エンベロ ープ糖タンパク+細胞との融合を特異的に阻害する能力を定量的に測定する方法 であって: (a)前記抗体含有サンプルの不存在下ではCD4+細胞とHIV −1エンベロープ糖タンパク+細胞との融合を可能とする条件において、適切な 量の前記抗体含有サンプルを、適切な量のCD4+細胞および適切な量のHIV −1エンベロープ糖タンパク+細胞と接触させる工程であって、その際に、CD 4+細胞およびHIV−1エンベロープ糖タンパク+細胞の細胞膜を、第一染料お よび第二染料で夫々ラベルしておく(該第一染料および第二染料が同じ膜内に並 置されたときにのみ、両者間での共鳴エネルギーのトランスファーが生じる)工 程と; (b)適切な時間が経過した後に、得られたサンプルのパーセント共鳴 エネルギートランスファー値を測定する工程と; (c)こうして測定されたパ ーセント共鳴エネルギートランスファー値を既知の標準と比較して、前記抗体含 有サンプルの、CD4+細胞とHIV−1エンベロープ糖タンパク+細胞との融合 を阻害できる能力を定量的に測定する工程と; (d)前記薬剤の不存在下では 非HIV−1エンベロープ糖タンパクに媒介された第一対照細胞および第二対照 細胞の融合を可能にする条件において、前記抗体含有サンプルが、第一対照細胞 と第二対照細胞との融合を阻害するか否かを決定し、前記抗体含有サンプルの、 CD4+細胞とHIV−1エンベロープ糖タンパク+細胞との融合を特異的に阻害 できる能力を定量的に決定する工程とを具備した方法を提供する。 前記抗体含有サンプルは、如何なる抗体含有サンプルであってもよい。一つの 態様において、この抗体含有サンプルは血清サンプルである。他の態様において 、前記の抗体含有サンプルはIgGプレパレーションである。抗体含有サンプル を得る方法は、当業者に周知である。 一つの態様において、前記の第一色素はローダミン部分を含む分子であり、前 記第二色素はフルオレセイン部分を含む分子である。 好ましい態様において、前記のローダミン部分を含む分子はオクタデシルロー ダミンB塩化物であり、前記のフルオレセイン部分を含む分子はフルオレセイン オクタデシルエステルである。 他の態様において、前記の第一色素はフルオレセイン部分を含む分子であり、 前記の第二色素はローダミン部分を含む分子である。 一つの態様において、前記のCD4+細胞は、CD4+HeLa細胞である。本 発明の他の態様において、前記のHIV−1エンベロープ糖タンパク+細胞は、 HIV−1LAIgp120/gp41+HeLa細胞である。 本発明は更に、或る抗体含有サンプルの、CD4+細胞とHIV−1エンベロ ープ糖タンパク+細胞との融合を特異的に阻害する能力を定量的に測定する方法 であって: (a)前記抗体含有サンプルの不存在下ではCD4+細胞とHIV −1エンベロープ糖タンパク+細胞との融合を可能とする条件において、適切な 量の前記抗体含有サンプルを、適切な量のCD4+細胞および適切な量のHIV −1エンベロープ糖タンパク+細胞と接触させる工程であって、その際に、CD 4+細胞およびHIV−1エンベロープ糖タンパク+細胞の細胞膜を、第一染料お よび第二染料で夫々ラベルしておく(該第一染料および第二染料が同じ膜内に並 置されたときにのみ、両者間での共鳴エネルギーのトランスファーが生じる)工 程と; (b)適切な時間が経過した後に、得られたサンプルのパーセント共鳴 エネルギートランスファー値を測定する工程と; (c)こうして測定されたパ ーセント共鳴エネルギートランスファー値を既知の標準と比較して、前記抗体含 有サンプルの、CD4+細胞とHIV−1エンベロープ糖タンパク+細胞との融合 を阻害できる能力を定量的に決定する工程とを具備した方法を提供する。 一つの態様において、前記の第一色素はローダミン部分を含む分子であり、前 記第二色素はフルオレセイン部分を含む分子である。 好ましい態様において、前記のローダミン部分を含む分子はオクタデシルロー ダミンB塩化物であり、前記のフルオレセイン部分を含む分子はフルオレセイン オクタデシルエステルである。 他の態様において、前記の第一色素はフルオレセイン部分を含む分子であり、 前記の第二色素はローダミン部分を含む分子である。 一つの態様において、前記のCD4+細胞は、CD4+HeLa細胞である。本 発明の他の態様において、前記のHIV−1エンベロープ糖タンパク+細胞は、 HIV−1LAIgp120/gp41+HeLa細胞である。 本発明は更に、HIV−1に感染した患者におけるHIV−1感染の段階また は臨床的予後を決定する方法であって: (a)HIV−1に感染した患者から 抗体含有サンプルを得る工程と; (b)こうして得られた抗体含有サンプルの 、CD4+細胞とHIV−1エンベロープ糖タンパク+細胞との融合を阻害する能 力を、本発明の方法によって定量的に決定する工程と; (c)こうして決定さ れた、CD4+細胞とHIV−1エンベロープ糖タンパク+細胞との融合を阻害す る前記抗体含有サンプルの能力を、既知の段階のHIV−1感染または既知の臨 床的予後を有するHIV−1感染患者から得た抗体含有サンプルの同様の能力と 比較して、前記HIV−1感染患者におけるHIV−1感染の段階または臨床的 予後を決定する工程とを具備した方法を提供する。 ここで用いる「HIV−1感染患者」の用語は、その患者自身の細胞の少なく とも一つがHIV−1に侵されている患者を意味する。好ましい態様において、 該患者はヒトである。 本発明は更に、ワクチン接種されたHIV−1非感染患者における抗HIV− 1ワクチン接種の効果を決定する方法であって: (a)ワクチン接種されたH IV−1非感染患者から抗体含有サンプルを取得する工程と; (b)こうして 取得した抗体含有サンプルの、CD4+細胞とHIV−1エンベロープ糖タンパ ク+細胞との融合を阻害する能力を、本発明の方法によって定量的に測定する工 程と; (c)こうして測定された、CD4+細胞とHIV−1エンベロープ糖 タンパク+細胞との融合を阻害する前記抗体含有サンプルの能力を、前記抗HI V−1ワクチン接種が既知の効果を有しているワクチン接種されたHIV−1非 感染患者から取得した抗体含有サンプルの同様の能力と比較して、前記ワクチン 接種されたHIV−1非感染患者における前記抗HIV−1ワクチン接種の効果 を決定する工程とを具備した方法を提供する。 ここで用いる「抗HIV−1ワクチン接種」の用語は、ワクチン接種された患 者による抗体(HIV−1表面エンベロープ糖タンパクに存在するエピトープに 特異的に結合できる抗体)の産生を誘起することを目的としたワクチンを、患者 に対して投与することを意味する。一般に、ワクチンは当業者に周知であり、抗 原(例えばタンパク)およびアジュバントを含んでいる。 ここで用いる「抗HIV−1ワクチン接種の効果」とは、当該ワクチン接種お よびその後のワクチン接種(即ち、免疫化)によって、ワクチン接種された患者 におけるHIV−1中和性抗体の力価が増大する程度を意味する。換言すれば、 抗HIV−1ワクチン接種の効果が高いほど、ワクチン接種された患者における HIV−1中和性抗体の力価は高くなる。 ここで用いる「非HIV−1感染患者」の用語は、HIV−1に侵された自分 自身の細胞を何ら有していない患者を意味する。好ましい態様において、この患 者はヒトである。 本発明は更に、或る薬剤が、CD4+細胞とHIV−1エンベロープ糖タンパ ク+細胞との融合を特異的に阻害することができるか否かを決定するためのキッ トであって:別々の区画内に、(a)細胞膜が第一染料でラベルされた適切な量 のCD4+細胞と; (b)細胞膜が第二染料でラベルされた適切な量のHIV −1エンベロープ糖タンパク+細胞であって、該HIV−1エンベロープ糖タン パク+細胞は、前記薬剤が存在しない適切な条件下で、(a)の前記CD4+細胞 と融合することができ、また前記第一および第二の染料は、同一の膜内に並置さ れたときにのみ両者間での共鳴エネルギーをトランスファーさせるような細胞と ; (c)細胞膜が前記第一染料でラベルされた適切な量の第一対照細胞と; (d)細胞膜が前記第二染料でラベルされた適切な量の第二対照細胞であって、 該第二対照細胞は、前記薬剤が存在しない適切な条件下において、(c)の前記 第一対照細胞と共に非HIV−1エンベロープ糖タンパクに媒介された融合を行 うことができる細胞とを具備したキットを提供する。 本発明のキットは、更に、追加の緩衝液を具備していてもよい。更にまた、前 記の細胞類は乾燥されたものでもよく、或いは液体またはゲル中に懸濁されたも のでもよい。 細胞の適切な量とは、当業者が、過度の実験をすることなく、薬剤がCD4+ 細胞とHIV−1エンベロープ糖タンパク+細胞との融合を特異的に阻害するこ とができるか否かを決定できる量である。このような量は、当業者に周知の方法 によって容易に決定することができる。 一つの態様において、前記の第一色素はローダミン部分を含む分子であり、前 記第二色素はフルオレセイン部分を含む分子である。 好ましい態様において、前記のローダミン部分を含む分子はオクタデシルロー ダミンB塩化物であり、前記のフルオレセイン部分を含む分子はフルオレセイン オクタデシルエステルである。 他の態様において、前記の第一色素はフルオレセイン部分を含む分子であり、 前記の第二色素はローダミン部分を含む分子である。 一つの態様において、前記のCD4+細胞は、CD4+HeLa細胞である。本 発明の他の態様において、前記のHIV−1エンベロープ糖タンパク+細胞は、 HIV−1LAIgp120/gp41+HeLa細胞である。 本発明は更に、或る薬剤が、CD4+細胞とHIV−1エンベロープ糖タンパ ク+細胞との融合を特異的に阻害することができるか否かを決定するためのキッ トであって:別々の区画内に、(a)細胞膜が第一染料でラベルされた適切な量 のCD4+細胞と; (b)細胞膜が第二染料でラベルされた適切な量のHIV −1エンベロープ糖タンパク+細胞であって、該HIV−1エンベロープ糖タン パク+細胞は、前記薬剤が存在しない適切な条件下において(a)の前記CD4+ 細胞と融合することができ、また前記第一および第二の染料は、同一の膜内に並 置されたときにのみ両者間での共鳴エネルギーをトランスファーさせるような細 胞とを具備したキットを提供する。 本発明のキットは、更に、追加の緩衝液を具備していてもよい。更にまた、前 記の細胞類は乾燥されたものでもよく、或いは液体またはゲル担体中に懸濁され たものでもよい。 細胞の適切な量とは、当業者が、過度の実験をすることなく、薬剤がCD4+ 細胞とHIV−1エンベロープ糖タンパク+細胞との融合を特異的に阻害するこ とができるか否かを決定できる量である。このような量は、当業者に周知の方法 によって容易に決定することができる。 一つの態様において、前記の第一色素はローダミン部分を含む分子であり、前 記第二色素はフルオレセイン部分を含む分子である。 好ましい態様において、前記のローダミン部分を含む分子はオクタデシルロー ダミンB塩化物であり、前記のフルオレセイン部分を含む分子はフルオレセイン オクタデシルエステルである。 他の態様において、前記の第一色素はフルオレセイン部分を含む分子であり、 前記の第二色素はローダミン部分を含む分子である。 一つの態様において、前記のCD4+細胞は、CD4+HeLa細胞である。本 発明の他の態様において、前記のHIV−1エンベロープ糖タンパク+細胞は、 HIV−1LAIgp120/gp41+HeLa細胞である。 本発明は更に、或るHIV−1単離体が合胞体誘起性であるか否かを決定する 方法であって: (a)細胞膜が第一染料でラベルされた、HIV−1単離体エ ンベロープ糖タンパク+細胞のサンプルを取得する工程と; (b)適切な量の 該サンプルを、CD4+細胞と合胞体誘起性HIV−1株エンベロープ糖タンパ ク+細胞とを融合させる条件下で、適切な量のCD4+細胞と接触させる工程であ って、前記CD4+細胞は第二染料でラベルされており、該第二染料は第一染料 および第二染料が同一の膜内に並置される時にのみ、前記第一染料との間で共鳴 エネルギーのトランスファーを行う工程と; (c)適切な時間が経過した後に 、得られたサンプルのパーセント共鳴エネルギートランスファー値を測定する工 程と; (d)こうして測定されたパーセント共鳴エネルギートランスファー値 を既知の標準と比較して、前記HIV−1単離体が合胞体誘起性であるか否かを 決定する工程とを具備した方法を提供する。 ここで用いる「合胞体有機性の」の用語は、適切な条件下で多くのCD4+細 胞と接触したときに、合胞体(HIV−1エンベロープ当タンパクに媒介された 細胞融合から生じた多核細胞)を形成できることを意味する。 HIV−1単離体エンベロープ糖タンパク+細胞のサンプルの取得は、当業者 に周知の方法に従って行えばよい。 HIV−1単離体エンベロープ糖タンパク+細胞は、HIV−1単離体エンベ ロープ糖タンパク+細胞を含むことが知られている、HIV感染患者の血液また は他の何れかの体液から取得することができる。或いは、HIV−1単離体エン ベロープ糖タンパク+細胞は、HIV−1単離体またはHIV−1単離体感染細 胞を含む血液または他の何れかの体液と共に、イン・ビトロで細胞を培養し、こ れによって製造されたHIV−1単離体エンベロープ糖タンパク+細胞を回収す ることによって得ることができる。 サンプルおよび細胞の適切な量は、当業者に周知の方法によって決定すればよ い。 一つの態様において、前記の第一色素はローダミン部分を含む分子であり、前 記第二色素はフルオレセイン部分を含む分子である。 好ましい態様において、前記のローダミン部分を含む分子はオクタデシルロー ダミンB塩化物であり、前記のフルオレセイン部分を含む分子はフルオレセイン オクタデシルエステルである。 他の態様において、前記の第一色素はフルオレセイン部分を含む分子であり、 前記の第二色素はローダミン部分を含む分子である。 一つの態様において、前記のCD4+細胞は、CD4+HeLa細胞である。 本発明は更に、HIV−1感染患者におけるHIV−1感染の段階を決定する 方法であって、本発明の方法を用いて、前記HIV−1感染患者が感染している HIV−1単離体が合胞体誘起性であるか否かを決定することにより、前記HI V−1感染患者におけるHIV−1感染の段階を決定することを具備した方法を 提供する。 最後に、本発明は、CD4+細胞とHIV−1エンベロープ糖タンパク+細胞と の融合を定量的に測定する方法であって: (a)CD4+細胞のサンプルとH IV−1エンベロープ糖タンパク+細胞とを、それらの融合を可能とする条件下 で接触させる工程であって、その際に、CD4+細胞およびHIV−1エンベロ 一プ糖タンパク+細胞の細胞膜を、第一染料および第二染料で夫々ラベルしてお く(該第一染料および第二染料が同じ膜内に並置されたときにのみ、両者間での 共鳴エネルギーのトランスファーが生じる)工程と; (b)適切な時間が経過 した後に、得られたサンプルのパーセント共鳴エネルギートランスファー値を測 定する工程と; (c)こうして測定されたパーセント共鳴エネルギートランス ファー値を既知の標準と比較して、CD4+細胞とHIV−1エンベロープ糖タ ンパク+細胞との融合を定量的に測定する工程とを具備した方法を提供する。 本発明は、以下の実験の詳細を参照することによって、より良く理解されるで あろう。しかし、ここで詳述される特定の実験は、後述の請求範囲で更に完全に 記述する発明の単なる例示に過ぎないことを、当業者は容易に承認するであろう 。 〔実験の詳細〕A: 背景 本発明のRETに基づく融合分析では、HIV−1エンベロープ糖タンパク( gp120/gp41)を発現する細胞とCD4を発現する細胞との間の融合を測定す る。このような細胞−細胞融合が、多核細胞またはシンシチア(合胞体)の産生 を導くようだ。HIV−1のホスト細胞への付着または融合を阻止する分子はま た、合胞体形成も阻止する。合胞体分析は、ウイルスまたは抗ウイルス分子を検 出するために多くの実験室で使用されてきており、また一般には視覚的読み出し を備えている。分析を開発するに当たっては、gp120/gp41またはCD 4を安定的に発現する永久細胞系が使用された。 共鳴エネルギー・トランスファー技術は、ウイルスまたはポリエチレン・グリ コールによって誘導された有核細胞の融合を初めとして、様々な膜融合研究に使 用されてきた。しかしながら、HIV−1エンベロープ糖タンパクに媒介される 膜融合を研究するために使用された前例はない。この技術には、一方の融合相手 (例えば、gp120/gp41発現細胞系)をオクタドデシル・フルオレスセイン(F 18)等の蛍光染料で標識し、他方の相手(例えば、CD4発現細胞系)をオク タドデシル・ローダミン(R18)等の染料で標識することが包含される。染料 は、一方(F18)の発光スペクトラムが他方(R18)の励起スペクトラムと オーバーラップするように選ばれる。細胞を融合させると、F18とR18は緊 密に連携され、F18を刺激すると結果として共鳴エネルギーがR18にトラン スファーされて、R18の発光波長において発光するようになる。蛍光のオクタ デシル・バージョンは、下記の標識プロトコールを使用して自発的に細胞の原形 質膜中に介入する。B: テストされた細胞 (1) HIV−1IIIBgp120/gp41(160G7)を発現するチャイニーズ・ ハムスター卵胞(CHO)細胞系と、CD4(C8166)を発現するヒトTリ ンパ球細胞系が混合された。CD4+細胞は、商業的に入手可能である。160 G7細胞は、MRC AIDS対策プログラム(英国)で得られる。C8166 細胞は、MRC AIDS対策プログラム(英国)およびNIH AIDS研究お よび関連薬プログラム(Bethesda,Maryland)で得られる。160G7細胞およ びC8166細胞は、融合して多核合胞体を形成する事が以前に実証されている 。この分析では、合胞体分析で、低倍率顕微鏡の助けを借りて合胞体を視覚によ り計測する事が必要である。この分析は、CD4系分子の様な阻止剤を分析する 事、およびgp120およびgp41に向けた中和抗体を分析する事に適してい る。 (2)HIV−1LAIgp120/gp41(HeLa−env)を発現する ヒト上皮癌腫(HeLa)細胞およびCD4(HeLa−CD4+)を発現する HeLa細胞もまた使用された。HeLa−CD4+細胞は、MRC AIDS対 策プログラム(英国)およびNIH AIDS研究および関連薬プログラム(Beth esda,Maryland)で得られる。HeLa-env+細胞は、160G7細胞を発現 するよりもはるかに高いレベルのgp120/gp41を発現する。これは、1 60G7細胞ではなく、HeLa−env+細胞の表面で、抗gp120抗体を 使用したフローサイトメトリーによりgp120が容易に検出できることによっ ても実証される。HeLa−env+細胞がC8166およびHeLa−CD4+ 細胞と簡単に融合し、合胞体を形成する事は、視覚分析で実証されている。 HeLa−env+細胞は、例えば、HeLa細胞をpMA243のようなe nv+をコードするプラスミドで燐酸カルシウム沈澱法を使用してトランスフェ クトし、続いて2μMのメトトレキセートでトランスフェクト物を選択して得ら れ る。プラスミドpMA243は、HIV−1 LTRの制御下にある全ての遺伝 子について、選択可能標識DHFRに加え、HIVLAI遺伝子env,tat ,revおよびvpuを発現するようにデザインされている(Dragic,T.,et al., J.Virol.66:4794-4802(1992))。DHFRは、突然変異体ジヒドロ葉酸リダク ターゼ遺伝子であり、メトトレキセートに対する親和性は低い。pMA243に おいて、DHFR遺伝子は、このベクター中には欠けているHIV−1 ne f遺伝子を通常コードするmRNAのスプライスされた転写物から発現される。 tat、rev遺伝子をコードするHIV−1は、env遺伝子を高レベルに発 現させるために必要である。プラスミドpMA243はまた、アンピシリン耐性 標識およびバクテリアの複製起点をコードする。C: キュベット分析法 細胞標識条件は、先の研究に使用された条件を変更して用いた。以前の研究で は、RETを使用して、ポリエチレン・グリコールに誘導される細胞融合がモニ ターされていた(Wanda,P.E.,and Smitah,J.D.,J.Histochem.Cytochem.30:1297(1 982))。F18(フルオレセイン・オクタデシル・エステル、Molecular Probes Euge ne,Oregon.Catalog No.F3857)またはR18(オクタデシル・ロダミンB、塩酸 塩;Molecular Probes,catalog No.0246)をエタノール中に,5〜10mg/m lで溶解し、適切な成長培地で約1000倍に希釈した。506nmでのF18 のODが0.34となるように、また565nmでのR18のODが1.04と なるように、該培地中での濃度を正確に調整した。細胞の単層を適切な培地で、 一晩インキュベートし、洗浄し、計測した。それぞれのタイプ各100、000 細胞を、24ウエル組織培養プレートのウエル中に一緒に混合した。混合後、間 隔をおいて細胞をEDTAで除去し、洗浄し、フルオロメータ・キュベット中に 入れた。パーキンーエルマーLS50フルオロメータを使用して、3組の励起波 長および発光波長(下記表を参照)における蛍光を測定した。 RET値は、上記に述べたようにして計算されるが、全R18蛍光によって割 算すると、%RET値が得られる。最初の実験の結果では、RETが上記に掲載 した両細胞の組み合わせを使用して測定される事が示された。エンベロープ糖タ ンパク発現細胞がF18で標識され、CD4発現細胞がR18で標識された場合 には、エンベロープ糖タンパク発現細胞がR18で標識され、CD4発現細胞が F18で標識された場合よりも大きなシグナルが発生した。D: キュベット分析法を使用したコントロール細胞系による RETの経時研究および実験結果 経時実験は、HeLa−env++HeLaーCD4+の組み合わせで実行され た(図1)。コントロール細胞系、即ち、HeLa−△env+を使用した。H eLa−Δenv+細胞は、env遺伝子のgp120コード領域中に400塩 基対の欠損を持つHIV−1エンベロープ糖タンパクを発現する。これらの細胞 は、CD4+ヒト細胞と融合しない。 この結果は、融合がRET分析によって2時間で測定できるが、1時間では測 定されない事を実証するものであり、蛍光顕微鏡を使用してのHIV−1エンベ ローブに媒介される細胞融合の今までの研究と一致する。4時間目には、大量の 細胞融合が視覚による培養検査によって明らかになり、この時点では、いくつか の実験において再現可能なRET値がもたらされた。別の実験において、160 G7細胞とC8166細胞を組み合わせると、約4時間で再現可能な最大のRE T値が得られたが、HeLa−env+およびHeLaCD4+を使用して得られ た値よりは低い値であった(データ表示せず)。この差は、たぶん160G7細 胞に比較して、HeLa−env+細胞でのgp120/gp41の発現がはる かに高いレベルにある事に起因する。 前の研究に基づいて、融合する事が知られていない細胞を組み合わせて、多く のコントロール実験が行なわれた。これらの組み合わせには、HeLa細胞とH eLaCD4+細胞との組み合わせ、またはHeLa−env+細胞とCHO−C D4またはヒトグリオーマ細胞系U87.MG−CD4との組み合わせがある。 CHO−CD4細胞は、他の非霊長類細胞のように、HIV−1 gp120/gp4 1を発現する細胞と融合しない。U87・MG−CD4細胞は、HIV−1エン ベローブ糖タンパク発現細胞とは融合しない、わずかなCD4+ヒト細胞系のひ とつである。これらの細胞の組み合わせで得られたRET値(データ表示せず) は、一般に、コントロールHeLa−△env++HeLa−CD4+(図1)を 使用したRET値と同じであった。E: キュベット分析法を使用した阻害剤よるRET実験結果 次いで、sCD4(gp120/gp41-細胞と相互作用する)またはネズ ミMAb OKT4a(CD4+細胞と相互作用する)が、RET(図2および3 )を阻害するか否かが決定された。これらの両分子は、HIV−1感染および合 胞体形成を阻害する事が知られている。パーセント阻害は、阻害剤非存在下にお ける4時間での%RETで割った、阻害剤の各濃度における%RETとして計算 された。 図2および3に示すように、RETによって測定したところ、sCD4もOK T4aも共に融合を阻止する。50%阻害に必要なこれらの薬剤の濃度は、他の 分析を使用して測定された濃度と同一である。例えば、160G7およびC81 66間の融合のsCD4阻害IC50は、RET分析を使用して測定すると約4μ g/mlであったのに比べ、視覚的合胞体分析(即ち、低倍率の顕微鏡を使用し て視覚的に合胞体を定量する合胞体形成阻害の測定分析)により、同じ細胞の組 み合わせを使用して測定すると、5.5μg/mlであった。要約すると、これ らの結果は、RET法を使用して、HIV−1エンベロープに媒介される細胞融 合を速くかつ再現可能な方法で測定できる事を実証している。より慣用的に行わ れる視覚的合胞体分析で得られるデータと比べると、これらの結果は非常によく 一致している。F: キュベット分析法を使用したIKT4による コントロールブロッキング実験 OKT4による%RET阻害を調べるために、コントロール実験が実施された 。OKT4はマウス・モノクローナル抗体であり、CD4に結合するが、CD4 −gp120の相互作用、HIV−1感染、またはHIVに誘導される細胞融合 を阻害しない。キュベット法およびHeLa−env++HeLa−Cd4+の組 み合わせを使用すると、OKT4は、0.2μg/mlまたは2.0μg/ml においてRETの0%の阻害を示したのに比較して、同様の実験において、OK T4aは、0.2μg/mlで65%阻害を示した。これらの結果は、RETに よって測定されるHIV−1エンベロープに媒介された膜融合の阻害が、HIV に媒介された細胞融合およびHIV−1感染を阻害する薬剤に特異的であること を示している。G: プレート・リーダー分析を使用したRET分析の自動化 蛍光プレート・リーダーを使用してRET分析を行なった。この方法は、必要 な操作(特に、キュベット中で蛍光を測定するために細胞を除去する必要性)を 減らす事ができるという利点をもつ。プレート・リーダーは、多ウエル組織培養 プレート中で細胞の蛍光を直接測定する。更に、分析読み取りの速度も劇的(約 100倍)に上昇する。ミリポア社の「サイトフロア(Cytofluor)」をこの実験 では使用した。これは、多くの異なる細胞を基にした蛍光分析に使用されて来た 専用のプレート・リーダーであり、24ウエルおよび96ウエル組織培養プレー トをはじめとするプレート・フォーマット列での使用に適している。サイトフロ アはまた、速度およびIBMソフトウエア分析プログラムとの適合性という大き な利点をもつ。 この結果では、該分析が24または96ウエル組織培養プレート中で蛍光プレ ート・リーダーを使用して簡単に実行される事が示されている。 一つの態様において、該分析をルーチンベースで行なう場合には、二種類の測 定が行われる。第一は、RETが、標識された細胞と候補阻害剤を混合した後に 、単一時間点で測定される。第二は、該分析が、阻害剤の存在下または非存在下 で、細胞融合率の変化を測定するのに適用される。RET分析の利点のひとつは 、融合をリアルタイムで測定するので、動力学的分析が可能となることである。 単一時間点でのプレート・リーダー分析を使用し、RETを測定する方法は、 例えば下記に提示される。この分析では、96ウエルの平底組織培養プレートが 使用される。 本方法は、上記に記載のキュベット法を改変したものである。 単一時間点プレート・リーダー分析法の例: 1. 染料を調整する: R18:100%エタノール中に10mg/ml (HeLa−CD4+細胞用) F18:100%エタノール中に50mg/ml (HeLa−env+細胞用) 2. 染料を適切な濃度まで、10%牛胎児血清を含む細胞培養培地中に加え、 吸光度測定によって測定すると、 F18+培地:506nmにおいて0.34 R18+培地:565nmにおいて0.52 3. 培地+染料を適切な細胞に上記に提示したように加えて、一晩インキュベ ーションして、細胞を染色する。 4. 細胞を洗浄し、計測する。 5. 各ウエルにつき各ライン20、000細胞をプレートアウトし、幾つかの ウエルはひとつまたは別の細胞系を別々に持ち、他のウエルは両細胞系をもち、 更に別のウエルには、様々な濃度の抗体または他の阻害剤が、両細胞系に加えて 添加されている。 6. 4時間後、培地を取り除き、全ウエルをPBSで3回洗浄(細胞はウエル 中に接着して残る)せよ。200μlのPBSを各ウエルに添加せよ。下記に掲 載したフィルターの組み合わせを持つミリポア・サイトフロア・プレートリーダ ーを使用してウエル中の蛍光を読む。 F18 励起450nm、 発光530nm(X) R18 励起530nm、 発光590nm(Y) F18+R18 励起450nm 発光590nm(Z) 発光値X,YおよびZ(上記記載)は、各細胞の組み合わせについて記録 される。 A) HeLa−env++HeLa−CD4+ B) HeLa−env+単独 C) HeLa−CD4+単独 例えば、HeLa−env+細胞単独についてのF18読みがBxで与えられる とすると、%RETは、下記の式を使用して計算される 同様の結果が、キュベット法およびプレート・リーダー法を使用して、%RE T阻害を比較する実験により得られた。例えば、図4は、細胞の混合後4時間目 に両方法によって測定された%RETにおける減少として測定された、HeLa −env+およびHeLa−CD4+細胞間の融合の、モノクローナル抗CD4抗 体、OKT4aによる阻害を図示している。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.或る薬剤が、CD4+細胞とHIV−1エンベロープ糖タンパク+細胞との 融合を特異的に阻害できるか否かを決定する方法であって: (a)前記薬剤の不存在下ではCD4+細胞とHIV−1エンベロープ糖タン パク+細胞との融合を可能とする条件において、適切な量の前記薬剤を含むサン プルを、適切な量のCD4+細胞および適切な量のHIV−1エンベロープ糖タ ンパク+細胞と接触させる工程であって、その際に、CD4+細胞およびHIV− 1エンベロープ糖タンパク+細胞の細胞膜を、第一染料および第二染料で夫々ラ ベルしておく(該第一染料および第二染料が同じ膜内に並置されたときにのみ、 両者間での共鳴エネルギーのトランスファーが生じる)工程と; (b)適切な時間が経過した後に、得られたサンプルのパーセント共鳴エネル ギートランスファー値を測定する工程と; (c)こうして測定されたパーセント共鳴エネルギートランスファー値を既知 の標準と比較して、前記薬剤が、CD4+細胞とHIV−1エンベロープ糖タン パク+細胞との融合を阻害できるか否かを決定する工程と; (d)前記薬剤の不存在下では非HIV−1エンベロープ糖タンパクに媒介さ れた第一対照細胞および第二対照細胞の融合を可能にする条件において、前記薬 剤が、第一対照細胞と第二対照細胞との融合を阻害するか否かを決定し、前記薬 剤がCD4+細胞とHIV−1エンベロープ糖タンパク+細胞との融合を特異的に 阻害できるか否かを決定する工程とを具備した方法。 2.請求項1に記載の方法であって、前記薬剤が抗体である方法。 3.或る薬剤が、CD4+細胞のHIV−1による感染を特異的に阻害できる か否かを決定する方法であって: 請求項1の方法により、前記薬剤が、CD4+ 細胞とHIV−1エンベロープ糖タンパク+細胞との融合を特異的に阻害できる か否かを決定し、これによって前記薬剤がCD4+細胞のHIV−1による感染 を特異的に阻害できるか否かを決定することを具備した方法。 4.或る薬剤が、CD4+細胞とHIV−1エンベロープ糖タンパク+細胞との 融合を特異的に阻害できるか否かを決定する方法であって: (a)前記薬剤の不存在下ではCD4+細胞とHIV−1エンベロープ糖タン パク+細胞との融合を可能とする条件において、適切な量の前記薬剤を含むサン プルを、適切な量のCD4+細胞および適切な量のHIV−1エンベロープ糖タ ンパク+細胞と接触させる工程であって、その際に、CD4+細胞およびHIV− 1エンベロープ糖タンパク+細胞の細胞膜を、第一染料および第二染料で夫々ラ ベルしておく(該第一染料および第二染料が同じ膜内に並置されたときにのみ、 両者間での共鳴エネルギーのトランスファーが生じる)工程と; (b)適切な時間が経過した後に、得られたサンプルのパーセント共鳴エネル ギートランスファー値を測定する工程と; (c)こうして測定されたパーセント共鳴エネルギートランスファー値を既知 の標準と比較して、前記薬剤が、CD4+細胞とHIV−1エンベロープ糖タン パク+細胞との融合を阻害できるか否かを決定する工程とを具備した方法。 5.或る抗体含有サンプルの、CD4+細胞とHIV−1エンベロープ糖タン パク+細胞との融合を特異的に阻害する能力を定量的に測定する方法であって: (a)前記抗体含有サンプルの不存在下ではCD4+細胞とHIV−1エンベ ロープ糖タンパク+細胞との融合を可能とする条件において、適切な量の前記抗 体含有サンプルを、適切な量のCD4+細胞および適切な量のHIV−1エンベ ロープ糖タンパク+細胞と接触させる工程であって、その際に、CD4+細胞およ びHIV−1エンベロープ糖タンパク+細胞の細胞膜を、第一染料および第二染 料で夫々ラベルしておく(該第一染料および第二染料が同じ膜内に並置されたと きにのみ、両者間での共鳴エネルギーのトランスファーが生じる)工程と; (b)適切な時間が経過した後に、得られたサンプルのパーセント共鳴エネル ギートランスファー値を測定する工程と; (c)こうして測定されたパーセント共鳴エネルギートランスファー値を既知 の標準と比較して、前記抗体含有サンプルの、CD4+細胞とHIV−1エンベ ロープ糖タンパク+細胞との融合を阻害できる能力を定量的に測定する工程と; (d)前記薬剤の不存在下では非HIV−1エンベロープ糖タンパクに媒介さ れた第一対照細胞および第二対照細胞の融合を可能にする条件において、前記抗 体含有サンプルが、第一対照細胞と第二対照細胞との融合を阻害するか否かを決 定し、前記抗体含有サンプルの、CD4+細胞とHIV−1エンベロープ糖タン パク+細胞との融合を特異的に阻害できる能力を定量的に決定する工程とを具備 した方法。 6.或る抗体含有サンプルの、CD4+細胞とHIV−1エンベロープ糖タン パク+細胞との融合を特異的に阻害する能力を定量的に測定する方法であって: (a)前記抗体含有サンプルの不存在下ではCD4+細胞とHIV−1エンベ ロープ糖タンパク+細胞との融合を可能とする条件において、適切な量の前記抗 体含有サンプルを、適切な量のCD4+細胞および適切な量のHIV−1エンベ ロープ糖タンパク+細胞と接触させる工程であって、その際に、CD4+細胞およ びHIV−1エンベロープ糖タンパク+細胞の細胞膜を、第一染料および第二染 料で夫々ラベルしておく(該第一染料および第二染料が同じ膜内に並置されたと きにのみ、両者間での共鳴エネルギーのトランスファーが生じる)工程と; (b)適切な時間が経過した後に、得られたサンプルのパーセント共鳴エネル ギートランスファー値を測定する工程と; (c)こうして測定されたパーセント共鳴エネルギートランスファー値を既知 の標準と比較して、前記抗体含有サンプルの、CD4+細胞とHIV−1エンベ ロープ糖タンパク+細胞との融合を阻害できる能力を定量的に決定する工程とを 具備した方法。 7.HIV−1に感染した患者におけるHIV−1感染の段階または臨床的予 後を決定する方法であって: (a)HIV−1に感染した患者から抗体含有サンプルを得る工程と; (b)こうして得られた抗体含有サンプルの、CD4+細胞とHIV−1エン ベロープ糖タンパク+細胞との融合を阻害する能力を、請求項6の方法によって 定量的に決定する工程と; (c)こうして決定された、CD4+細胞とHIV−1エンベロープ糖タンパ ク+細胞との融合を阻害する前記抗体含有サンプルの能力を、既知の段階のHI V−1感染または既知の臨床的予後を有するHIV−1感染患者から得た抗体含 有サンプルの同様の能力と比較して、前記HIV−1感染患者におけるHIV− 1感染の段階または臨床的予後を決定する工程とを具備した方法を。 8.ワクチン接種されたHIV−1非感染患者における抗HIV−1ワクチン 接種の効果を決定する方法であって: (a)ワクチン接種されたHIV−1非感染患者から抗体含有サンプルを取得 する工程と; (b)こうして取得した抗体含有サンプルの、CD4+細胞とHIV−1エン ベロープ糖タンパク+細胞との融合を阻害する能力を、請求項6の方法によって 定量的に測定する工程と; (c)こうして測定された、CD4+細胞とHIV−1エンベロープ糖タンパ ク+細胞との融合を阻害する前記抗体含有サンプルの能力を、前記抗HIV−1 ワクチン接種が既知の効果を有しているワクチン接種されたHIV−1非感染患 者から取得した抗体含有サンプルの同様の能力と比較して、前記ワクチン接種さ れたHIV−1非感染患者における前記抗HIV−1ワクチン接種の効果を決定 する工程とを具備した方法。 9.或る薬剤が、CD4+細胞とHIV−1エンベロープ糖タンパク+細胞との 融合を特異的に阻害することができるか否かを決定するためのキットであって: 別々の区画内に、 (a)細胞膜が第一染料でラベルされた適切な量のCD4+細胞と; (b)細胞膜が第二染料でラベルされた適切な量のHIV−1エンベロープ糖 タンパク+細胞であって、該HIV−1エンベロープ糖タンパク+細胞は、前記薬 剤が存在しない適切な条件下で、(a)の前記CD4+細胞と融合することがで き、また前記第一および第二の染料は、同一の膜内に並置されたときにのみ両者 間での共鳴エネルギーをトランスファーさせるような細胞と; (c)細胞膜が前記第一染料でラベルされた適切な量の第一対照細胞と; (d)細胞膜が前記第二染料でラベルされた適切な量の第二対照細胞であって 、該第二対照細胞は、前記薬剤が存在しない適切な条件下で、(c)の前記第一 対照細胞と共に非HIV−1エンベロープ糖タンパクに媒介された融合を行うこ とができる細胞とを具備したキット。 10.或る薬剤が、CD4+細胞とHIV−1エンベロープ糖タンパク+細胞と の融合を特異的に阻害することができるか否かを決定するためのキットであって :別々の区画内に、 (a)細胞膜が第一染料でラベルされた適切な量のCD4+細胞と; (b)細胞膜が第二染料でラベルされた適切な量のHIV−1エンベロープ糖 タンパク+細胞であって、該HIV−1エンベロープ糖タンパク+細胞は、前記薬 剤が存在しない適切な条件下で、(a)の前記CD4+細胞と融合することがで き、また前記第一および第二の染料は、同一の膜内に並置されたときにのみ両者 間での共鳴エネルギーをトランスファーさせるような細胞とを具備したキット。 11.成るHIV−1単離体が合胞体誘起性であるか否かを決定する方法であ って: (a)細胞膜が第一染料でラベルされた、HIV−1単離体エンベロープ糖タ ンパク+細胞のサンプルを取得する工程と; (b)適切な量の該サンプルを、CD4+細胞と合胞体誘起性HIV−1株エ ンベロープ糖タンパク+細胞とを融合させる条件下で、適切な量のCD4+細胞と 接触させる工程であって、前記CD4+細胞は第二染料でラベルされており、該 第二染料は第一染料および第二染料が同一の膜内に並置される時にのみ、前記第 一染料との間で共鳴エネルギーのトランスファーを行う工程と; (c)適切な時間が経過した後に、得られたサンプルのパーセント共鳴エネル ギートランスファー値を測定する工程と; (d)こうして測定されたパーセント共鳴エネルギートランスファー値を既知 の標準と比較して、前記HIV−1単離体が合胞体誘起性であるか否かを決定す る工程とを具備した方法。 12.HIV−1感染患者におけるHIV−1感染の段階を決定する方法であ って、請求項11の方法を用いて、前記HIV−1感染患者が感染しているHI V−1単離体が合胞体誘起性であるか否かを決定することにより、前記HIV− 1感染患者におけるHIV−1感染の段階を決定することを具備した方法。 13.請求項1、4、5、6、9、10または11に記載の方法であって、前 記の第一色素はローダミン部分を含む分子であり、第二色素はフルオレセイン部 分を含有する分子である方法。 14.請求項13に記載の方法であって、前記のローダミン部分を含む分子は オクタデシルローダミンB塩化物であり、前記のフルオレセイン部分を含む分子 はフルオレセインオクタデシルエステルである方法。 15.請求項1、4、5、6、9、10または11に記載の方法であって、前 記の第一色素はフルオレセイン部分を含む分子であり、第二色素はローダミン部 分を含有する分子である方法。 16.請求項1、4、5、6、9、10または11に記載の方法であって、前 記CD4+細胞はCD4+HeLa細胞である方法。 17.請求項1、4、5、6、9または10に記載の方法であって、前記HI V−1エンベロープ糖タンパク+細胞は、HIV−1LAIgp120/gp41+ HeLa細胞である方法。 18.CD4+細胞とHIV−1エンベロープ糖タンパク+細胞との融合を特異 的に阻害することができることが、請求項1の方法を用いて決定された薬剤。 19.CD4+細胞とHIV−1エンベロープ糖タンパク+細胞との融合を特異 的に阻害することができることが、請求項4の方法を用いて決定された薬剤。
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