【発明の詳細な説明】
アレルギー治療用合成ペプチドベース免疫原
関連出願の相互参照
これは、1991年1月4日に出願し、現在放棄されている出願番号第07/
637,364号の一部継続出願であった、1992年3月6日に出願し、現在
放棄されている係属中の出願番号第07/847,745号の一部継続出願であ
る1993年5月10日に出願した係属中の出願番号第08/060,798号
の継続出願である1994年3月28日に出願した係属中の出願番号第08/2
18,461号の一部継続出願である。
発明の分野
本発明は、ヒトIgE重鎖のε−鎖のCH4ドメイン上のエフェクター部位に
対する高力価抗体の、ヒトを含む健康な哺乳動物における産生を誘発するための
免疫原としての直鎖状形態または放射状分枝鎖状多量体形態の合成ペプチドの組
成物の使用、およびアレルギーの治療のための免疫治療を提供するためのワクチ
ンとしての該組成物の使用に関する。
発明の背景
今世紀の初期以来知られており実践されている、喘息および枯草熱などのIg
E媒介アレルギー反応の予防のための免疫治療は、漸増量のアレルゲンを患者に
投与して、アレルゲンへの次回の曝露の影響を軽減する除感作または感受性減退
によるものであった(1)。かかるアレルゲンベース免疫治療法の限界は、関係す
るアレルゲンの同定の困難さを含んでおり、アレルゲンが同定される場合、同定
されたアレルゲンの使用によってしばしば副作用が生じた(2)。
アレルギーの免荷のための他の治療は、アレルギー反応の原因である細胞性事
象のカスケードを遮断する薬物を用いる。これらの薬物としては、抗ヒスタミン
、鬱血除去薬、およびβ2作動薬、およびコルチコステロイドが挙げられる。抗
ヒスタミン、鬱血除去薬、およびβ2作動薬は、アレルギー性カスケードにおけ
る
IgEの下流の事象に作用し、アレルギー症状だけを扱う待期療法となる。予防
療法は、IgE媒介アレルギー反応の開始に近い細胞性事象に対して作用しなけ
ればならない。これらの待期療法は、短期かつ部分的な免荷を提供する。さらに
また、症状の免荷は、しばしば、逆の副作用を伴い、例えば、抗ヒスタミンは、
不眠状態(restlessness)または嗜眠状態を生じ、β2作動薬は、しばしば、喘
息患者における増加した罹患率に関係していた。
コルチコステロイドは、有用な免疫抑制薬であり、アレルギー症状の治療に非
常に有効である。しかしながら、それらは、逆のホルモン活性を刺激し、望まし
くない広範囲の免疫抑制を生じる。
公知の治療薬の短所を回避するために、IgEを標的とする選択的抑制によっ
てアレルギー反応を予防するのがより望ましい。これは、不都合な除感作法によ
って行われるようなIgE合成を抑制すること、または、過敏症の化学的媒介物
の随伴性放出によるマスト細胞および好塩基球の脱顆粒を刺激するプロセスを遮
断することのいずれかによって行われる。
より基本的なレベルで、スタンワース(Stanworth)ら(3-7)および他(8-13)は
、マスト細胞および好塩基球の免疫学的誘発性(trigerring)について分子的基
礎を解明しようとする試みにおいて、細胞シグナルプロセスにおける細胞親和性
ペプチドの役割を研究するために、合成IgEε鎖ペプチドおよび対応する抗体
を用いた。
過去20年間にわたって研究された多くのIgEペプチド(第1表)のうち、
ヒトε鎖のFc CH4ドメイン内の有効なエフェクター部位(Lys497−Phe506
、第2表において二重下線によって示されている)は、デカペプチドであった。
それは、構造/活性研究のために合成され使用された(3)。このIgE CH4ド
メイン誘導テカペプチドは、IgE媒介マスト細胞誘発性プロセスに似ている非
細胞溶解方法における単離されたラット腹膜マスト細胞からの投与量依存性ヒス
タミン放出を活性化する能力を有することが判明した(4)。このペプチドエフェ
クター部位のための正確な構造要求は、ε鎖デカペプチドの複数の合成類似体を
用いて構造−活性研究を介して導き出された(3,4,5)。
ε鎖関連「ペプチド−担体タンパクコンジュゲート」を用いて免疫化により誘
導された抗IgE CH4ペプチド抗体もまた、阻害活性を観察することによって
、IgE感作細胞の脱顆粒についての構造作用研究のために用いられた(5,11,12)
。
IgE媒介感受性を有する患者に免疫治療を提供するためにペプチドベースの
ワクチンを用いることの可能性は、スタンワース(Stanworth)ら(14,15)によ
って示唆された。彼は、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)または精
製ツベルクリンタンパク分画(PPD)などの「担体タンパク」にコンジュゲー
トしたLys−Thr−Lys−Gly−Ser−Gly−Phe−Phe−Val−Phe−NH2 ( 3)
(配列番号1)の配列を有する予め同定されたε鎖デカペプチドを用い、「ペ
プチド−担体タンパク」コンジュゲートがデカペプチド特異性抗体を誘発したこ
とが判明した。例えば、平均よりも良好な抗ペプチド力価に基づいて選択された
ウサギ抗ペプチド血清は、力価依存形態でラット腹膜マスト細胞からのデカペプ
チド誘発ヒスタミン放出を軽減した。この阻害活性は、さらに、ラット受身皮膚
アナフィラキシー(PCA)モデル系におけるin ivo試験によって確認された。
このウサギ抗ペプチド血清のアナフィラキシーに対する効果は、アレルゲンによ
るアナフィラキシー抗原投与前の多アレルゲン投与(multiple allergen applic
ation)によって予め感作されたラットに投与した場合、青色になる領域の測定
によって、および、色強度の評価によって評価された。
同一の研究において、かかる「デカペプチド−タンパク担体コンジュゲート」
を含有する免疫原を用いてラットにおいて得られた結果は、それらのアレルギー
治療用ワクチンとして使用についての可能性の予備的指摘を与えた。
しかしながら、このストラテジーは、かなりの困難に出会った。このプロトタ
イプ「デカペプチド−タンパク担体コンジュゲート」ワクチンの主な欠点として
は、至適よりも小さい免疫刺激能ならびに担体タンパクのあまり定義されていな
い組成物およびコンジュゲーション反応の不均一性に由来する製造の困難さが挙
げられる。かかるペプチド−タンパクコンジュゲートによって生じた抗血清が、
しばしば、標的−ペプチドよりも多くの、キーホールリンペットヘモシアニン(
KLH)などのタンパク担体上のエピトープで指向される抗体を含有する。
小さなペプチドが不充分な免疫原であることは、当業者に知られている。小さ
なペプチドを免疫原性にするために、通常、化学的コンジュゲーションによって
、または、遺伝子融合によって、該ペプチドを大きな担体タンパクに結合させる
。しかしながら、これらのプロセスは、一般に、ペプチドの予測できない構造変
化を生じる。さらに、免疫反応は、しばしば、免疫優性担体に誤誘導される。結
果として、アレルギーからの長期持続性(long-lasting)免荷を与える有効なワ
クチンの開発は、さらなる免疫原設計を待っている。
第2表では、ラットIgEε鎖(16)およびマウスε鎖(17)のCH2−CH4ド
メインについてのアミノ酸配列をヒトε鎖(18)についてのアミノ酸配列と並べて
(配列番号2〜4)、予め報告されたIgE関連ペプチドフラグメントについて
のガイドを提供する。ヒトIgEε重鎖において、252位のQの次のLがオリ
ジナルIgE骨髄腫ND配列には存在しないことが示される。ダッシュで示され
るギャップは、ホモロジーを最大にするように導入した。相同残基位置のマッチ
を四角で囲んだ。第2表では、構造的活性について研究したε配列上の位置(第
1表)に下線を引く。ヒトIgE CH4ドメインにおける構造的に活性なIgE
CH4デカペプチド配列には、二重下線を引く(配列番号1)。表中で用いるア
ミノ酸コードは、以下のとおりである:A、アラニン;R、アルギニン;N、ア
スパラギン;D、アスパラギン酸;C、システイン;Q、グルタミン;E、グル
タミン酸;G、グリシン;H、ヒスチジン;I、イソロイシン;L、ロイシン;
K、リシン;M、メチオニン;F、フェニルアラニン;P、プロリン;S、セリ
ン;T、トレオニン;W、トリプトファン;Y、チロシン;V、バリン。
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発明の目的
放射状分枝鎖状形態または直鎖状Tヘルパーエピトープ含有形態で化学的に合
成されたIgEε鎖ベースペプチド免疫原の一のグループを用いて、ヒトを含む
哺乳動物に導入する場合、ヒトε鎖のCH4ドメインのデカペプチドエフェクタ
ー部位に対する高力価抗体を誘発することが本発明の目的である。
他の目的は、ヒトを含む哺乳動物に導入する場合、ヒトIgE CH4上のエフ
ェクター部位に対して有効な高力価抗体の産生を刺激するであろう特定の配向に
おいて無差別(promiscuous)ヒトヘルパーT細胞エピトープを含有するペプチ
ドに結合したヒトIgE重鎖CH4ドメイン(IgE CH4)から得られた特定
のアミノ酸配列を有する最適なペプチド免疫原を設計することである。これらの
抗体は、マスト細胞活性化を阻害し、アレルギー症状の原因であるヒスタミンな
どの化学的媒介物質の放出を減少させ、IgE媒介受身皮膚アナフィラキシー(
PCA)反応を抑制し、Bリンパ球によるアレルゲン誘発IgE産生を抑制する
べきである。
さらなる目的は、分枝鎖状多量体免疫原または直鎖状免疫原を含有する組成物
を用いる有効なIgEε鎖ペプチドベースワクチンを研究して、アレルギー性反
応の治療のための免疫治療を提供することである。
発明の概要
本発明によると、ペプチド免疫原は、固相合成法によって調製される。該ペプ
チド免疫原は、10アミノ酸IgE CH4ペプチド(配列番号1)またはその免
疫原性類似体を含有する一連の放射状分枝鎖状多量体ペプチド;IgE CH4ペ
プチド(配列番号1)またはその免疫原性類似体をヘルパーT細胞エピトープ(
Th エピトープ)と一緒に含有する一連の分枝鎖状多量体ペプチド;およびIg
E CH4ペプチド(配列番号1)またはその免疫原性類似体をヘルパーT細胞
エピトープ(Th エピトープ)の一部と一緒に含有する一連の直鎖状単量体ペプ
チドからなる。IgE CH4ペプチドは、IgE重鎖のFc領域、すなわちε鎖C
H4ドメイン(IgE CH4)から得られる。ペプチド免疫原の3つのシリーズ
のうち、直鎖状ペプチドが好ましい。これらのペプチドを含有する組成物を用
いて、健康な哺乳動物、例えば、モルモット、ラットおよびヒトを免疫化して、
IgE CH4エフェクター部位(配列番号1)に対して特異的であり、かつ、無
関係な抗体を含まない高力価抗血清の産生を誘発する。
本発明によると、キー免疫原として合成ペプチドを含有するワクチンは、適正
なアジュバントおよび/またはデリバリー賦形剤の存在下、分枝鎖状多量体ペプ
チドまたは直鎖状ペプチドの有効量を用いても調製される。かかるワクチン組成
物は、スタンワース(Stanworth)ら(14)によって現在用いられているペプチド
一担体タンパクコンジュゲートのものよりも集中した抗IgEペプチド反応を誘
発し、かくして、アレルギーの治療のための良好な免疫治療を提供すると思われ
る。
発明の詳細な説明
本発明は、IgE媒介アレルギー疾患の治療のための、ヒトを含む健康な哺乳
動物におけるヒトIgEε重鎖のCH4ドメイン(配列番号1)上のエフェクタ
一部位に対する高力価抗体の産生のためのペプチドベース免疫原の新規なグルー
プの使用に関する。
一般に、IgE依存性過敏症の直接の結果であるアレルギー症状は、マスト細
胞および好塩基球によって放出された化学的媒介物質によって生じる。表面結合
IgEで感作されたマスト細胞または好塩基球が、表面結合IgEが特異的である
アレルゲンに結合する場合、放出が誘発される。誘発は、アレルゲンの、抗原−
抗体型相互作用における表面結合IgEのFab'部分への結合によって行われる。
アレルゲン/抗体結合は、二価の表面結合IgEを架橋し、細胞表面上の高親和
性Fc受容体との直接接触におけるIgEの領域であるIgEの遠位Fc領域の構造
変化を誘発する。今なお正確に理解されていないメカニズムによって、構造変化
は、結果として生じる細胞によるヒスタミンを含む媒介物質の放出を伴って細胞
−IgE−アレルゲン複合体を活性化する。IgE上のエフェクター部位は、誘発
事象に関係すると思われる。かかる「エフェクター部位」に対して指向する特異
的抗IgE抗体の存在は、能動または受身免疫化のいずれかを介して、IgE「エ
フェクター」部位および細胞表面の間の相互作用を妨害することによってアレル
ギー反応に罹っている宿主において細胞活性化プロセスの阻害を導く。
特異的抗IgE抗体の使用によるかかる介入、すなわち、一種の免疫治療は、
宿主自身の部位特異的抗IgE抗体の宿主による産生を誘発するために、IgEに
対する特異的「部位特異的」抗体による予防的処置により受身的に、または、よ
り好ましくは、部位特異的ペプチド免疫原からなるワクチンを宿主に投与するこ
とにより能動的に行うことができる。活性免疫化は、より有効かつ長期持続性の
保護を提供すると思われる。
機能的活性について研究された循環IgEのFc領域由来の部位のうち、IgE
分子のCH4ドメイン上の領域(Lys497−Phe506)は、マスト細胞および好塩
基球の誘発に関係する構造エフェクターと同定された(3-8,14)。第1表および第
2表で下線を引いた領域を参照。配列Lys−Thr−Lys−Gly−Ser−Gly−P
he−Phe−Val−Phe−NH2(配列番号1)を有するこの部位から誘導された
デカペプチドは、このエフェクター部位の構造に近いことが判明した。これは、
免疫学的誘発プロセス(4)に類似している方法でラットのマスト細胞からの用量
依存性ヒスタミン放出を誘発するデカペプチドの能力によって証明される。
スタンワース(Stanworth)ら(14,15)は、免疫原として、担体タンパク、キ
ーホールリンペットヘモシアニン(KLH)に結合したIgE CH4デカペプチ
ドを用いることによって、実験的ワクチンの使用によるIgE媒介アレルギー反
応を有する患者に免疫治療を与えることの可能性を示した。かかる免疫化により
得られた動物免疫血清は、スタンワース(Stanworth)ら(14,15)によって、力
価依存性形態でラット腹膜マスト細胞からのデカペプチド誘発ヒスタミン放出を
適度に減少させることが判明した。得られた免疫血清による阻害活性は、さらに
、多アレルゲン適用の条件下、in vivo受身皮膚アナフィラキシー(PCA)に
よって確認された。
スタンワース(Stanworth)らによって研究されたプロトタイプ「IgE CH
4ペプチド」ワクチンの主な欠点は、ほとんど全ての自己抗原に本質的に関連す
る問題であるその弱い免疫原性である。
本発明では、合成免疫刺激素子が特異的配向でIgEのCH4デカペプチド
(配列番号1)に結合されて、その結果、IgE上のこのエフェクター部位に指
向される有効な抗体が遺伝的に異なる宿主個体群において広範囲に生じることが
できる特異的免疫原を提供することである。次いで、これらの抗体は、マスト細
胞および好塩基球上のIgEの刺激作用を遮断し、かくして、IgE媒介アレルギ
ー疾患を予防するための有効な処置を生じる。
本発明のペプチド免疫原は、IgEのFc領域の標的アミノ酸配列(配列番号1
)との血清学的交差反応性を有する抗体を誘発する能力を有し、一方、実質的に
非細胞毒性ヒスタミン放出を媒介する能力を有する。
初回量、例えば、免疫原0.2〜2.5mg;好ましくは、1mgが、次いで、反復
(ブースター)量が、注射、好ましくは、筋肉内注射により投与されるべきであ
る。投与量は、患者の年齢、体重および全身の健康状態に依存し、治療分野でよ
く知られている。
活性な免疫化について、本明細書で引用する「免疫原」なる用語は、IgE C
H4デカペプチド(配列番号1)に対する抗体を誘発する能力を有する合成ペプ
チドに関しており、この抗体は、IgE媒介好塩基球およびマスト細胞脱顆粒の
抑制を導く。本発明の免疫原は、多量体ペプチドまたは分枝鎖状リシルコアマト
リックス構造を有するその類似体を含んだ。
これらの分枝鎖状多量体ペプチドは、宿主動物における免疫反応を独立して誘
発する能力を有する。IgE CH4デカペプチド(配列番号1)の類似体として
は、スタンワース(Stanworth)ら(3.4,5)によって開示された合成ペプチド類
似体が挙げられる(出典明示により本明細書の一部とする)。好適であるために
は、免疫原の分子量は、5,000より高くあるべきであり、好ましくは、10,
000より高くあるべきである。ペプチドについての反復枝単位は、4以上であ
るべきである。
リシンなどの二官能性アミノ酸、次いで、GlyまたはAlaなどの好ましい非チ
ャージ側鎖を有するアミノ酸への結合は、コアマトリックス構造の作製に有用で
ある。2つのジ−Boc−リシンカップリングサイクル間の1つの付加的カップリ
ングサイクルにおいてアミノ酸を挿入することによって、該アミノ酸は、最適な
提
供に必要な構造を得るために最大の自由を許すようにペプチド枝の間でスペーサ
ーとして作用する。
本発明の免疫原は、無差別ヘルパーT細胞エピトープ(Th エピトープ)を含
有する直鎖状ペプチドも含んでいた。これらのTh エピトープは、有効な抗体反
応を引き起こすために、スペーサーを用いてかまたは用いずに、デカペプチドエ
フェクター配列(配列番号1)に所定の形態で共有結合して、デカペプチドのN
末端に隣接させた。該免疫原は、また、例えば、細菌エルシニア・エスピーピー
(Yersinia spp)由来のインベーシンタンパクのドメインに対応する免疫刺激
配列からなってもよい。インベーシンドメインは、スペーサーを介してThエピ
トープに結合されてもよい。
本発明の「免疫原」は、無関係の抗体の発生を最小にし、かくして、アレルギ
ーの治療のための免疫治療プロセスを複雑にする望ましくない副作用を生じずに
、「標的配列」に対するより集中した免疫反応、すなわち、所望のIgE CH4
交差反応性を誘発する(配列番号1)。短いペプチド抗原は、通常、T細胞依存
性抗原である。すなわち、Tヘルパーエピトープの存在は、短い「標的」ペプチ
ド免疫原性にするために必要とされる。短いIgE CH4デカペプチド(配列番
号1)またはその免疫原性類似体は、Tヘルパー細胞エピトープを含有しない。
分枝鎖状多量体免疫原および短いIgE CH4デカペプチドからなる直鎖状免疫
原は、人工的なビルトイン機能性ヘルパーT細胞エピトープを提供するように設
計される。
本発明のペプチド免疫原は、下記式:
(A)n−(Th)m−(B)o−(IgE CH4ペプチド)p
[式中、
Aは、アミノ酸、α−NH2、脂肪酸、脂肪酸の誘導体、または、インベーシ
ンドメインであり;
Bは、アミノ酸であり;
Thは、ヘルパーT細胞エピトープまたはその免疫増強類似体またはセグメン
トであり;
IgE CH4ペプチドは、Lys−Thr−Lys−Gly−Ser−Gly−Phe−Phe
−Val−Phe(配列番号1)またはその免疫原性類似体であり;
nは、1〜10であり;
mは、1〜4であり;
oは、0〜10であり;
pは、1〜3である]
で示される。
本発明のペプチド免疫原は、約20〜約100アミノ酸残基、好ましくは、約
20〜約50アミノ酸残基、より好ましくは、約20〜約35アミノ酸残基から
なる。
Aがアミノ酸である場合、非天然であっても天然アミノ酸であってもよい。非
天然アミノ酸としては、限定されないが、β−アラニン、オルチニン、ノルロイ
シン、ノルバリン、ヒドロキシプロリン、チロキシン、γ−アミノ酪酸、ホモセ
リン、シトルリンなどが挙げられる。天然アミノ酸としては、アラニン、アルギ
ニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン
、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェ
ニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシンおよ
びバリンが挙げられる。さらにまた、nが1よりも大きく、2つ以上のAがアミ
ノ酸である場合、各アミノ酸は、独立して、同一または異なってもよい。
Aが、例えば、ステアリン酸もしくはパルミチン酸などの脂肪酸またはトリパ
ルミトイルシステイン(Pam3Cys)基などの脂肪酸誘導体である場合、それは
、Thエピトープの免疫刺激特性を増強することによってアジュバントとして作
用する(20)。Aが脂肪酸またはその誘導体である場合、通常、ペプチドのアミノ
末端に位置する。さらにまた、Aの1つが脂肪酸である場合、本発明で有用な脂
肪酸は、飽和であっても不飽和であってもよい8〜24個の炭素原子の炭化水素
鎖を有する。
Aがインベーシンドメインである場合、それは、エルシニア(Yersinia)種
のインベーシンタンパク由来の免疫刺激エピトープである。この免疫刺激特性は
、
このインベーシンドメインの、T細胞上に存在するβ1インテグリン(integrin
)分子と相互作用する能力により生じる。β1インテグリンと相互作用すること
が判明したインベーシンドメインに対する特異的配列はブレット(Brett)ら(1 9)
によって開示されている。好ましい具体例では、無差別Thエピトープへの結
合のためのインベーシンドメイン(Inv)は、以下の配列:
を有するか、または、別のエルシニア(Yersinia)種インベーシンタンパクに
おける対応する領域からのその免疫刺激性類似体である。かかる類似体は、置換
、欠失または挿入を含有して、株−株変異に適応させてもよい。ただし、該類似
体は、免疫刺激特性を維持している。
1つの具体例では、nは、4であり、Aは、α−NH2、リシン、リシンおよ
びリシン(この順序で)である。別の具体例では、nは、1であり、Aは、α−
NH2である。別の具体例では、nは、4であり、Aは、α−NH2、インベーシ
ンドメイン(Inv)、グリシンおよびグリシン(この順序で)である。
Bは、前記の天然または非天然アミノ酸からなる。各Bは、独立して、同一で
あっても異なってもよい。Bがリシンである場合、分枝鎖状ポリマーを形成する
ことができる。例えば、oが7であり、7個のB全てがリシンである場合、分枝
鎖状Kコア(K4K2K)は、リシル側鎖ε−アミノ基を保護せずにペプチド合成
を行った場合に形成される。Kコアを有するペプチドは、8つの枝を有しており
、各枝は、同一であり、「(A)n−(Th)m−」または「(ビルトイン(built-in)
−Thを有するIgE CH4ペプチド)−」と表される。さらに、Bのアミノ酸は
、可撓性ヒンジ、またはスペーサーを形成して、ThエピトープおよびIgE C
H4デカペプチドまたはその類似体への免疫反応を増強することができる。可撓
性ヒンジをコードする配列の例は、免疫グロブリン重鎖ヒンジ領域において見る
ことができる。可撓性ヒンジ配列は、しばしば、プロリンに富んでいる。1つの
特に有用な可撓性ヒンジは、配列Pro−Pro−Xaa−Pro−Xaa−Pro(配列番
号24)で表される(ここで、Xaaは、アミノ酸、好ましくは、アスパラギン酸
で
ある)。免疫原性は、無差別ThエピトープおよびIgE CH4デカペプチドまた
はその類似体の間のスペーサー残基(例えば、Gly−Gly)の付加を介して改良
することもできる。ThエピトープをB細胞エピトープ(すなわち、IgE CH
4デカペプチド部位またはその類似体)から物理的に分離することに加えて、グ
リシン残基は、Thエピトープの、IgE CH4デカペプチド(配列番号1)ま
たはその類似体との結合によって生じた人工的二次構造を中断することができ、
これにより、Tおよび/またはB細胞反応の間の妨害を排除することができる。
かくして、ヘルパー細胞および抗体誘発ドメインの間の構造的分離は、与えられ
た免疫原ならびに適切なThおよびB細胞の間のより有効な相互作用を可能にす
る。
Thは、天然または非天然アミノ酸からなるThエピトープである。Thは、連
続または不連続エピトープからなってもよい;Thのアミノ酸は、いずれも、必
ずしもエピトープの一部であるとは限らない。類似体およびセグメントを含む、
本発明に適切なエピトープは、IgE CH4デカペプチド(配列番号1)または
その類似体に対する免疫反応を増強または刺激する能力を有する。免疫優性およ
び無差別であるエピトープは、動物およびヒト個体群において、広範囲に発散性
のMHCタイプ(21-23)と高く広範囲に反応する。本発明に適切なThは、約10
〜約50アミノ酸、好ましくは、約10〜約30アミノ酸を有する。複数のTh
エピトープが存在する場合(すなわち、m>2)、各Thエピトープは、独立し
て、同一であっても異なってもよい。
エピトープ類似体は、Thエピトープにおける1〜約10アミノ酸残基の置換
、付加、欠失および挿入を含む。該セグメントは、IgE CH4デカペプチド(
配列番号1)またはその類似体に対する免疫反応を増強または刺激するのに充分
であるThエピトープの隣接部分である。
本発明のエピトープ
としては、B型肝炎表面およびコア抗原ヘルパーT細胞エピトープ(HBsThお
よびHBcTh)、百日咳毒素ヘルパーT細胞エピトープ(PT Th)、破傷風毒
素ヘルパーT細胞エピトープ(TT Th)、麻疹ウイルスFタンパクヘルパーT
細
胞エピトープ(MVf Th)、クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomati
s)主要外膜タンパクヘルパーT細胞エピトープ(CT Th)、ジフテリア毒素
ヘルパーT細胞エピトープ(DT Th)、プラスモディウム・ファルシパルム(
Plasmodium falciparum)サーカムスポロゾイト(circumsporozoite)ヘルパー
T細胞エピトープ(PF Th)、スキストソーマ・マンソニ(Schistosoma man
soni)トリオースリン酸イソメラーゼヘルパーT細胞エピトープ(SM Th)、
エシェリキア・コリ(Escherichia coli)TraTヘルパーT細胞エピトープ(
TraT Th)ならびにこれらのThエピトープのいずれかの免疫増強類似体およ
びセグメントが挙げられる。Thエピトープ配列の例としては、以下のものが挙
げられる:
および
好ましくは、Thエピトープは、HBsTh、PT1Th、PT2Th、TT1Th、
TT3Th、またはMVF1Thである。
式(A)n−(Th)m−(B)o−(IgE CH4ペプチド)で示される本発明の単量体
直鎖状ペプチドにおいて、Thエピトープは、スペーサーBを介してIgE CH
4デカペプチド(配列番号1)のN末端に共有結合する。IgE CH4ペプチド
は、Lys−Thr−Lys−Gly−Ser−Gly−Phe−Phe−Val−Phe(配列番号
1)、デカペプチドである。IgE CH4ペプチドの代わりに免疫原性類似体を
用いてもよい。その免疫原性類似体は、1〜約4アミノ酸残基の置換、付加、欠
失または挿入を含んでもよい。ただし、該類似体は、IgE CH4デカペプチド
(配列番号1)と交差反応性の免疫反応を誘発する能力を有する。置換、付加お
よび挿入は、本明細書で定義したような天然または非天然アミノ酸により作製さ
れてもよい。IgE CH4ペプチド(配列番号1)の免疫原性類似体は、スタン
ワース(Stanworth)ら(3,4,5)によって定義されており、出典明示により本明
細書の一部とする。
したがって、本発明の好ましいペプチド免疫原は、IgE CH4デカペプチド
(配列番号1)またはその免疫原性類似体およびThを含有する単量体ペプチド
である。さらに詳しくは、好ましいペプチド免疫原は、IgE CH4(配列番号
1)またはその免疫原性類似体;スペーサー(例えば、Gly−Gly);HBsTh
、PT1Th、PT2Th、TT1Th、TT3Th、およびMVF1Th(各々、配列番
号5、6、11、7、10、61)からなる群から選択されるThエピトープ;
ならびに所望によりInvドメイン(配列番号25)を含有する直鎖構造のもので
ある。好ましいペプチド免疫原組成物は、例えば、ペプチドNo.19−23およ
び28を含む(第5表および第6表、配列番号51−55、62)。
本発明のペプチド免疫原は、当業者によく知られている化学合成によって作製
されてもよい。例えば、グラント(Grant)編、シンセティック・ペプタイディ
ス(Synthetic Peptides)(24)を参照。したがって、ペプチド免疫原は、アプ
ライド・バイオシステムズ・ペプタイド・シンセサイザー・モデル(Applied
Biosystems Peptide Synthesizer Model)430Aまたは431での側鎖保
護アミノ酸を用いてt−BocまたはF−moc化学によって保護されたα−NH2を
用いる固相合成法の自動化メリフィールド(Merrifield)法を用いて合成され
てもよい。ペプチド枝を合成するKコア部分を合成するために、t−Bocリシン
の代わりにジ−α,ε(t−Boc)リシン残基を2,4−ジクロロベンジル保護ε−
アミノ酸と一緒に用いる。
Aが脂肪酸である場合、よく知られているカルボジイミド法によって樹脂結合
ペプチドのN末端に容易に付加される。Pam3Cysを付加するために、リポアミ
ノ酸S−[2,3−ビス(パルミトイルオキシ)−(2R)−プロピル−N−パルミト
イル−(R)−システイン(Pam3Cys)を化学的に合成する。次いで、Pam3Cys
を、最終カップリング工程でPam3Cys−OHを用いる固相合成法によってペプ
チドのN末端にカップリングさせて、リポアミノ酸を樹脂結合ペプチド鎖に結合
させる。
最後の結合したリポペプチド生成物の溶解性を改良するために、固相ペプチド
をN末端でさらなるセリンおよびリシン残基で伸長させることができる。
所望のペプチド免疫原の組み立てを完了した後、標準的な方法で樹脂を処理し
て、樹脂からペプチドを切り離し、アミノ酸鎖上の官能基を脱保護する。遊離ペ
プチドをHPLCによって精製し、生化学的に、例えば、アミノ酸分析法または
配列決定法によって、特徴付けする。ペプチドについての精製および特徴付け法
は、当業者によく知られている。
本発明の直鎖状Th−IgE CH4デカペプチド構築物を得るための他の化学
的手段としては、「チオエーテル」連結基の形成を介するハロアセチル化された
システイニルペプチドのライゲーションが挙げられる。例えば、システインは、
Th含有ペプチドのC末端に付加することができ、システインのチオール基を用
いて、IgE CH4デカペプチド(配列番号1)またはその免疫原性類似体のN
末端に結合したリシン残基のNαクロロアセチル修飾またはマレイミド誘導α−
またはε−NH2基などの求電子基への共有結合を形成することができる。
本発明のペプチドは、重合することもできる。重合は、例えば、慣用の方法を
用いてグルタルアルデヒドとリシン残基の−NH2基との間の反応によって行う
ことができる。直鎖状「A−Th−スペーサー−IgE CH4」ペプチド構築物
(例えば、ペプチドNo.19−23および28、配列番号51−55および6
2)は、直鎖状「A−Th−スペーサー−IgE CH4」構築物のN末端に付加
されたさらなるシステインの利用によって重合または共重合されてもよい。No.
19−23末端システインのチオール基は、分枝鎖状ポリ−リシルコア分子(例
えば、K2K、K4K2K、K8K4K2K)のN末端に結合するリシン残基のハロク
ロロアセチル修飾またはマレイミド誘導α−またはε−NH2基との「チオエー
トル」結合の形成のために用いられる。
別法としては、よく知られている組換えDNA法によって、長い直鎖状ペプチ
ド免疫原を合成してもよい。DNA法についての標準的なマニュアルは、本発明
のペプチドを生成するための詳細なプロトコールを提供する。本発明のペプチド
をコードする遺伝子を構築するために、好ましくは遺伝子を発現するであろう微
生物に対して最適化されたコドン使用法を用いて、アミノ酸配列を核酸配列に逆
翻訳する。次に、典型的には、所望によりペプチドおよび調節因子をコードする
重複オリゴヌクレオチドを合成することによって、合成遺伝子を作製する。該合
成遺伝子を好適なクローニングベクターに挿入し、組換え体を得、特徴付けを行
う。次いで、選択された発現系および宿主に適切な好適な条件下、ペプチドを発
現させる。該ペプチドを、標準的な方法によって、精製し、特徴付けを行う。
本発明のペプチド免疫原の効力は、実施例に示すように、免疫原を動物に注射
し、次いで、IgE CH4デカペプチド(配列番号1)またはその免疫原性類似
体に対する体液性免疫反応をモニターすることによって確立してもよい。好適な
動物としては、マウス、ラット、ウサギ、モルモット、ブタ、ヤギ、ヒツジなど
が挙げられる。
本発明の別の態様は、医薬的に許容されるデリバリー系中有効量の本発明のペ
プチド免疫原の1種類以上からなるワクチン組成物を提供するものである。かか
るワクチン組成物は、アレルギー性鼻炎を含むアトピー反応の予防、食物アレル
ギー、喘息、アナフィラキシー、およびウイルス誘発性喘息などの他のIgE媒
介過敏性反応の予防のために用いられる。
したがって、本発明のペプチド免疫原は、アジュバント、医薬的に許容される
担体またはワクチン組成物において慣用的に与えられる他の成分を用いて、ワク
チン組成物として製剤化することができる。かかる製剤は、当業者によって容易
に決定され、該製剤としては、即時放出用および/または持続放出用、ならびに
全身系免疫性の誘発および/または局所性粘膜免疫性の誘発のための製剤が挙げ
られ、これは、例えば、微粒子による免疫原エントラップメントによって行われ
る。該製剤は、ミョウバン、フロイント不完全アジュバント、リポシン、サポニ
ン、スクワレン、L121、エムルシゲンおよびISA 720などのアジュバ
ントまたは乳化剤を含んでもよい。
本発明のワクチンは、皮下、経口、筋肉内、または他の非経口もしくは腸経路
を含む好都合な経路によって投与される。単回投与薬または多投与薬として投与
される。免疫化スケジュールは、当業者によって容易に決定される。
本発明のワクチン組成物は、IgE CH4デカペプチドまたはその免疫原性類
似体を含む1種類以上の合成ペプチド免疫原の有効量および医薬的に許容される
担体を含有する。投与単位形態は、体重kg当たり各ペプチド約0.5μg〜約1mg
を含有するように製剤化される。多投与薬においてデリバリーされる場合、該有
効量は、好都合には、単位投与形態当たり適切な量を含有するように分割される
。
本発明のワクチン組成物は、より一般の人々において免疫効力を増強し、かく
して、IgE CH4デカペプチドに対する良好な免疫原を提供するために2種類
以上の課題のペプチド免疫原のカクテルを含有するように製剤化されてもよい。
例えば、ペプチドNo.19、20、21、23および4のカクテルは、有用であ
る。該組成物は、ビルトインアジュバントを提供するためにリポペプチドからな
るように製剤化されてもよい。合成IgE CH4デカペプチド含有免疫原に対す
る免疫反応は、オハーガン(O'Hagan)ら(25)によって開示されたタイプの生
物分解性微粒子中または該微粒子上でのエントラップメントを介するデリバリー
によって改良してもよい。該免疫原は、共有結合されたPam3Cysを含むアジュ
バントを用いるかまたは用いずに被包化してもよく、かかる微粒子は、フロイン
ト不完全アジュバントまたはミョウバンなどの免疫刺激性アジュバントを有して
もよい。該微粒子は、局所性粘膜免疫性を含む、免疫原に対する免疫反応の効力
を増すように機能する。かかる局所性免疫性は、例えば、粘膜性局所性アレルギ
ー反応のため、特に望ましい。微粒子形態におけるワクチン組成物は、持続性ま
たは周期性反応のための時間制御した放出を与えるように、経口投与用および局
所投与用に製剤化されてもよい(25-26)。
以下に特定のペプチド免疫原の実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明の
範囲を限定するために用いるものではない。
実施例1
八量体ペプチド免疫原の合成
以下の多量体ペプチドを合成した:
ペプチドNo.1
ペプチドNo.2
多量体ペプチドの合成は、低分子量マトリックスコアが分枝鎖状多量体ペプチ
ド抗原系の形成の基礎であるので、供給すべき三官能性アミノ酸の制限された連
続伸長(sequential propagation)によって進行する。三官能性アミノ酸、すな
わち、Boc−Lys(Boc)、またはジ−(Boc)−Lysは、Nα−およびNε−アミ
ノ酸基が共に反応性末端として利用可能であるので、最も適切である。かくして
、ジ−(Boc)−Lysの連続伸長は、2n個の反応末端を生じるであろう。
例えば、ジ−(Boc)−Lysの固相樹脂上への最初のカップリングにより、2つ
の反応性アミノ末端が生じて、2つのペプチド鎖を結合する。したがって、ジ−
(Boc)−Lysを用いる第2、第3および第4段階の連続生成により、各々、多量
体ペプチド鎖抗原を結合するための四価、八価および十六価の末端が生じるであ
ろう。かかる多量体ペプチドは、免疫原として有用である。免疫原として用いる
ために、前記の分枝鎖状八量体ペプチドNo.1および2を合成した。該分枝鎖状
抗原は、コアマトリックスの周囲が均一なペプチド−抗原の高密度層によって囲
まれた小さなヘプタリシルコアを含有する。このデザインは、多くの不確定形態
でPPDまたはKLHなどの大きなタンパク担体および該タンパク担体の表面に
ランダムに分布した小さなペプチド抗原を含有する慣用のペプチド−担体コンジ
ュゲート抗原とは異なる。
八量体ペプチド免疫原の合成は、Boc−アミノ酸樹脂結合ベンズヒドリルアミ
ドおよびtBoc−化学の組合せを用いる。例えば、バイオサーチ(Biosearch)
9500装置で特別低い充填量の0.14mmol/g MBHA(4−メチルベンズ
ヒドリルアミン)樹脂にジ−t−Boc Lysをカップリングさせることによって8
−分枝鎖状ヘプタリシルコア樹脂を調製した。各々についてジ−(Boc)−Lysの
2つのカップリングサイクルに続いて、DMFジメチルホルムアミド中0.3M
アセチルイミダゾールを用いる2つのキャッピング反応を行った。
最初のジ−(NH2)Lys−樹脂にさらに2つのジ−(Boc)−Lysカップリング
を付加した。次いで、ニンヒドリン試験によって合成八量体樹脂の置換レベルを
測定し、理論的カップリング収量に基づいて適切なレベルの遊離−NH2基を有
することが判明し、次いで、標準的なt−Boc法に従って、八量体ペプチド免疫
原の合成のために用いた。
N−αアミノ酸の保護のために酸性不安定なtert−ブチルオキシカルボニル(
t−Boc)を用いた。以下の官能性側鎖保護基:Thr、Ser、GluおよびTyrに
ついてはO−ベンジル;ArgについてはNα−トシル;HisについてはBOM、
すなわち、BOC−Nim−ベンジルオキシメチル、LysについてはNε−ジクロ
ロベンジルオキシカルボニル;CysについてはS−4−メチルベンジル−;Asp
についてはO−シクロヘキシルおよびTrpについてはCHOを用いた。
ペプチドNo.1およびNo.2の配列(配列番号23、13)によって指示され
るように、C−末端からN−末端にペプチドNo.1およびNo.2の連続するアミ
ノ酸を付加した。ペプチドNo.1およびペプチドNo.2について得られた八量体
ペプチジル樹脂を、10%v/vアニソールの存在下、0℃で1時間、無水HF
によって切断した。放出された多量体抗原を酢酸で抽出し、エーテルで2回洗浄
し、凍結乾燥させた。凍結乾燥した多量体ペプチトを免疫原として用いた。
実施例2
アジュバントとしてCFAおよびIFAを用いる分枝鎖状八量体ペプチド免疫 原による能動免疫化
(a)免疫化方法
以下のプロトコールに従って、モルモットのグループ(グループ当たりN=3
)を、2つのIgE CH4関連多量体ペプチド免疫原(ペプチドNo.1および
2)の各々、ならびにKLHにコンジュゲートしたペプチドNo.3(配列番号1
)を用いて免疫化した:ペプチドベース免疫原またはコンジュゲート(100μ
g/mL)を同量のフロイント完全アジュバント(CFA)で乳化した混合物(2
00μL)を各動物に皮下注射した。次いで、21日目、42日目および63日
目に、フロイント不完全アジュバント(IFA)と混合したペプチドベース免疫
原の皮下注射を繰り返し行った。
(b)抗IgE CH4関連ペプチド反応を測定することによるモルモット免疫 血清のアッセイ
対応する免疫原で被覆した96ウエルの平底マイクロタイタープレートを用い
て、ELISA(酵素結合免疫吸着検定法)によって抗ペプチド抗体活性を測定
する。5μg/mLのペプチド免疫原溶液のアリクウォット(100μL)を37
℃で1時間インキュベートした。該プレートを、3%ゼラチン/PBS溶液と一
緒に37℃で1時間さらにインキュベートすることによってブロックした。次い
で、ブロックしたプレートを乾燥させ、アッセイのために用いた。試験モルモッ
ト血清のアリクウォット(100μL)を、試料希釈緩衝液中1:10希釈で始
め、その後、10倍連続希釈で、ペプチド被覆プレートに添加した。該プレート
を37℃で1時間インキュベートした。対照として正常なモルモット血清を用い
た。
た。ホースラディッシュペルオキシダーゼ標識ヤギ抗モルモット抗体100μL
をコンジュゲート希釈緩衝液(0.5M NaClおよび正常なヤギ血清を含有する
リン酸緩衝液)中1:1,000の希釈で添加した。該プレートを37℃で1時
間インキュベートした後、前記に従って洗浄した。次いで、o−フェニレンジア
ミン基質溶液のアリクウォット(100μL)を添加した。5〜15分間、発色
させた後、2N H2SO450μLの添加により酵素的着色反応を停止させた。
プレート測定器で各ウエルの内容物のA492nmを測定した。
共に分枝鎖状多量体形態の免疫原であるペプチドNo.1およびその非常に関連
した誘導体ペプチドNo.2は、ELISA阻害アッセイを介して、IgE CH4
標的配列(配列番号1)に対して特異的な抗体を誘発するのに有効であることが
判明した。対照免疫原である単量体ペプチドNo.3(IgE CH4デカペプチド
配列番号1)のKLHコンジュゲートと比較した場合、結果は、これらの2つの
多量体ペプチド抗原がKLHコンジュゲートよりも高レベルの抗体力価を生じた
ことを示した。
これらの免疫化実験の好結果は、ペプチド配列のC末端でのGly−Lys−Met
の挿入(配列番号23および13、ペプチドNo.1および2を参照)の結果と
して多量体系におけるThエピトープの発生を示し、免疫系への有効な提供のた
めのある配向の重要さを示した。他の実験では、単に、他の配向においてIgE
CH4デカペプチド(配列番号1)またはその複数の反復体を含有する8−また
は16−分枝鎖状IgEペプチド免疫原を作製するだけでは、抗IgE CH4反
応の誘発に有効ではなかったことが示された。実際、合計19個の分枝鎖状多量
体構築物のうち、ペプチドNo.1および2は、増強された免疫原性を示す唯一の
ものである。これに関して、多量体ペプチドNo.1および2を用いて観察された
高い免疫原性は、実験を必要とし、当業者によって予想されなかった。
さらに、得られた結果は、短いIgE CH4セグメント間に取り込まれたスペ
ーサー配列、すなわち、Gly−Pro−Glyが、サブユニット配列によって与えら
れたエピトープの自由な提供を必要とすることを示す。分枝鎖状リシンコア樹脂
への連結前のC末端でのスペーサー、すなわち、Gly−Lys−Metの挿入は、多
量体分枝鎖状IgE CH4デカペプチド(配列番号1)合成構築物の免疫原性の
ために必要であることも判明した。
実施例3
直鎖状免疫原(配列番号15−22)によるラットの免疫化
A.免疫原の調製: アプライド・バイオシステムズ・ペプタイド・シンセサ
イザー・モデル(Applied Biosystems Peptide Synthesizer Model)43
0Aまたは431で製造者の指示に従ってF−moc化学を用いて固相合成法によ
ってペプチド免疫原A〜H(第3表)を合成する。該ペプチドを完全に組み立て
た後、該樹脂を、標準的な方法に従って処理して、樹脂からペプチドを切断し、
アミノ酸側鎖上の官能基を脱保護する。アミノ末端からカルボキシル末端までの
ペプチド免疫原の構造は、以下のとおりである:ペプチド免疫原Aは、3つのド
メイン:3つのリシン残基(3K)、B型肝炎表面抗原ヘルパーT細胞エピトー
プ(HBsThエピトープ)およびIgE CH4ペプチドを有する直鎖状ペプチド
である。かくして、ペプチド免疫原Aは、3K−HBsTh−IgE CH4ペプチ
ドと示される。ペプチド免疫原Aについて、および、ペプチド免疫原B〜Hにつ
いての実際の配列を第5表に示す(配列番号15−22)。
0、2および5週間目の免疫化について、各ペプチド免疫原を溶解させ、アジ
ュバント溶液(フロイント完全アジュバント、フロイント不完全アジュバント、
または0.2%ミョウバン)と合し、最終濃度0.5mg/mlとする。該溶液を、使
用するまで4℃で貯蔵し、注射の3〜5分前に渦巻撹拌する。各ラットに注射当
たり100μgを投与する。
B.免疫化スケジュールおよび血清回収:
スプレーグ・ドーリー種ラット(n=5)を皮下的に(s.c.)免疫化する。
2週間目および5週間目にブースター注射をs.c.投与する。3週目、6週目、
7週目および11週目に血液を回収する。
0.9%NaCl中1:10に希釈したペントバルビタールナトリウム(64.8
mg/mL;アンソニー・プロダクツ・カンパニー(Anthony Products Co.)、カ
リフォルニア州アッカディア)1mLの腹腔内注射によりラットを麻酔した後、
中尾動脈(middle caudal artery)からの血液回収を行う。尾部を48℃±0.
5℃の水に2分間維持し、ペーパータオルで迅速にマッサージする(すなわち、
搾取する)。すぐに、23ゲージの針を装着した5mLの注射器中に血液を回収す
る。典型的には、2〜2.5mLの血液を得る。3000rpmで25分間の遠心に
より、血清を回収する。該血清を300μL容量ずつのアリクウォットにし、E
LISAアッセイのために用いるまで冷凍貯蔵する。
実施例4
直鎖状免疫原(配列番号37−50)によるラットの免疫化
A−Th−GG−IgE CH4[ここで、Aは、NH2−、Lys−Lys(2K)、
Lys−Lys−Lys(3K)またはインベーシンドメイン(Inv)(配列番号25
)のいずれであってもよく、Thは、Tヘルパーペプチドであり、GGは、Gly
−Glyスペーサーであり、IgE CH4は、標的デカペプチド(配列番号1)で
ある]と示される直鎖状ペプチド免疫原を実施例3の記載に従って合成する。こ
れらのペプチド免疫原を第4表においてペプチド免疫原No.4−17(配列番号
37−50)として示す。合成され、切断されたペプチドを用いてラットを免疫
化して、効力について試験する。
以下に概略記載する実験的免疫化プロトコールによって、5匹のラットのグル
ープについて効力を評価する。
実験計画:
免疫原: ペプチドNo.4−17(試行当たり1)
投与量: 免疫化当たり100μg
経路: 筋肉内
アジュバント: フロイント完全/不完全
投与計画: 0週目(FCA)、3および6週目(IFA)
採取計画: 0、3、6、8、10週目
種: スプレーグ・ドーリー種ラット
グループサイズ: 5
アッセイ: 抗ペプチド活性についてのELISA、固相免疫吸着剤は
、IgE CH4デカペプチド配列(配列番号1)の単量体
ペプチドNo.3。
血液を回収し、血清に処理し、貯蔵した後、トレーサーとしてヤギ抗モルモッ
トIgGの代わりにホースラディッシュペルオキシダーゼ標識ヤギ抗ラットIgG
抗体を用いる以外は実施例2の記載に従って、ELISAにより力価測定する。
実施例5
直鎖状免疫原(配列番号51−56、62)および逆極性の直鎖状免疫原(配 列番号57−60)によるラットの免疫化
実施例3の記載に従って、第5表に示すペプチド免疫原No.18−23(配列
番号51−56)を合成した。ペプチド免疫原No.18−23についての式は、
A−Th-GG−IgE CH4[式中、Aは、N末端、Lys−Lys(2K)、Lys−
Lys−Lys(3K)、またはスペーサーGGによってTh配列と分離されたインベ
ーシンドメイン(Inv)(配列番号25)であり;Thは、HBsTh、PT1Th、
PT2Th、MVF1Th、またはTT3Thからなる群から選択され;GGは、Gly
−Glyスペーサーであり;IgECH4は、IgE CH4デカペプチド(配列番
号1)である]で表される。
ペプチドNo.18−23と同一の方法で、第5表においてペプチドNo.24−
27としても示される配列番号57−60のペプチド免疫原を合成した。これら
のペプチドは、IgECH4−GG−Thと表される。これらのペプチドは、デカ
ペプチド/Th極性が逆転した、すなわち、IgE CH4デカペプチド(配列番
号1)がN末端にあり、ThがC末端に配置された以外は、IgE CH4デカペ
プチドに関してペプチドNo.19、20、21、23(第5表)、スペーサーおよ
びTh配列と等価である。
これらのペプチド免疫原を用いて、効力の比較および証明のために、以下の実
験プロトコールの記載に従って、ラットを免疫化した。
実験計画:
免疫原: ペプチドNo.18−28(クループ当たり1)
(配列番号51−60および62)
投与量: 免疫化当たり100μg
経路: 筋肉内
アジュバント: プチドNo.18−27についてフロイント完全/不完全、
ペプチドNo.28について0.4%ミョウバン
投与計画: ペプチドNo.8−27について0週目(FCA)、3およ
び6週目(IFA)、ペプチドNo.28について0、3お
よび6週目ミョウバン
採取計画: 0、3、6、8、10週
種: スプレーグ・ドーリー種ラット
グループサイズ: ペプチドNo.27−28について5、ペプチドNo.28に
ついて4
アッセイ: 抗ペプチド活性についてのELISA、固相基質は、ペプ
チドNo.3(配列番号1)
血液を回収し、血清に処理し、貯蔵した後、トレーサーとしてヤギ抗モルモット
IgGの代わりにホースラディッシュペルオキシダーゼ標識ヤギ抗ラットIgG抗
体を用いる以外は実施例2の記載に従って、ELISAにより力価測定した。全
ての血清を抗ペプチドELISAによってアッセイし、1:100希釈で>0.
2のA492nm値を与えたこれらの試料を血清陽性として記録した。
ペプチド免疫原No.18−28(配列番号51−60および62)の免疫効力
を抗ペプチドELISAによって評価し、実験的免疫化に応じて、6および8週
目でIgE CH4ペプチドNo.3について血清陽性反応性(すなわち、1:10
0希釈でA 492nm>0.2)に転換した4または5の各グループにおけるラットの
数として第6表に示す。
極性Th−GG−IgECH4のこの実施例のペプチド免疫原(ペプチドNo.1
8−23および28、配列番号51−56および62)は、IgE CH4デカペ
プチド(ペプチドNo.3、配列番号1)に対する抗体の誘導について有意な効力
を示した。この極性のペプチド免疫原(ペプチドNo.18−23、28)で免疫
化された6グループのラット全てが対照と比較して血清陽性への有意な転換を示
した。グループについての血清転換罹患率は、6週目までに1/5から5/5に
変化し、血清転換罹患率は、免疫原の第3投与に応じて、6週目および8週目の
間に増加し続けた。HBsThペプチド配列を含有するペプチド免疫原No.18、
MVF1Thペプチドを有するペプチド免疫原No.19およびPT1Thペプチド配
列を含有するペプチドNo.28は、8週目までに、各々、4/5、5/5および
4/4の血清転換罹患率を有する最も有効なものであった。ペプチド免疫原No.
21および22(配列番号54、55)の免疫原性の比較は、Invドメインペプ
チドが8週目までPT2Th含有ペプチドの免疫刺激能について有意な改良を提供
したことを示す(第6表)。
対照的に、逆Th極性を有する類似のペプチド免疫原(ペプチド免疫原No.2
4−27、配列番号57−60)は、ラットの血清転換について有意な免疫効力
を示さない。この低い免疫効力は、Th−GG−IgECH4アミノからカルボキ
シル末端への極性が本発明の直鎖状ペプチド免疫原の免疫原性にとって決定的で
あることを示す。標的ペプチドおよびThの一の方向についての他の方向に優る
効力の決定は、当業者に予想できなかったことであり、意外なことである。
実施例6
直鎖状免疫原のカクテルは、応答性個体群をさらに広げる
IgE CH4デカペプチドおよびThを含有する多くの異なる直鎖状構築物(
実施例3〜5)の相対的な効力を確立することにより、カクテルワクチン組成物
を製剤化するための有用なペプチド免疫原の選択が可能になる。麻疹ウイルス
Fタンパク、破傷風毒素および百日咳毒素由来の免疫優性無差別(promiscuous
)Thペプチトを有する個々のTh−GG−IgECH4構築物(ペプチトNo.1
9−23)は、実施例5の研究によって、IgECH4デカペプチド(配列番号
1)への抗体反応を誘発することにおいて有効であることが証明された。これら
の直鎖状ペプチドの混合物を含有する組成物は、遺伝的に多様な個体群において
望ましい最大免疫原性を提供し得る。
好ましい「A−Th−GG−IgECH4」極性を有する合成ペプチド、ペプチ
ト免疫原No.19、20、21、23(第5表)およびペプチド免疫原No.4(
第4表、実施例4)の混合物を含有するように製剤化されたかかる組成物の免疫
効力を、実施例5に記載のプロトコールによってラットにおいて評価した。ラッ
ト5匹からなる1グループにおける各動物を5つのペプチドの等モル製剤の10
0μg投与量、すなわち、各ペプチド20μgで免疫化した。5週目および8週目
までに血清陽性反応性に転換したラットの数は、両方の時間間隔で5のうち5(
すなわち、100%)であった。
該結果は、本発明のペプチド免疫原のカクテルからなるワクチンが改良された
免疫原性を提供することを示す。個々の有効なペプチドからなるカクテルなどの
この混合物についての効力は、遺伝的に多様なヒト個体群における免疫治療的抗
体反応を誘発することも示す。
実施例7
有効な直鎖状免疫原のカクテルによる免疫化
IgE CH4デカペプチドおよびThを含有する多くの異なる直鎖状構築物(
実施例3〜5)の相対的な効力を確立することにより、免疫原のカクテルのため
に有用なペプチドの選択が可能になる。免疫原カクテルにおけるGly−Glyスペ
ーサーならびに麻疹ウイルスFタンパク、B型肝炎表面抗原、破傷風毒素および
百日咳毒素由来の無差別Thペプチドを有する個々の構築物は、有効であること
が示される(第6表)。証明された効力を有する特定の極性を有するこれらの直鎖
状ペプチド免疫原の混合物は、かくして、遺伝的に多様な個体群における最大免
疫原性を提供し得る。以下のプロトコールは、好ましい「A−Th−GG−
IgECH4」構築物を含有する合成ペプチド免疫原の混合物として製剤化され
る本発明の組成物についての効力を示すように設計された。
実験計画:
免疫原: (1)カクテル1:ペプチドNo.18、19、20
(2)カクテル2:ペプチトNo.18、19、22
(3)陽性対照−ペプチド3のKLHコンジュゲート
(ラットのグループ当たり1つの免疫原)
投与量: 免疫化当たりペプチド100μgまたは33.3μgと同等
の各合成ペプチドまたはIgE CH4等価物のモル等量
経路: 筋肉内
アジュバント: (1)フロイント完全/不完全
(2)0.4%ミョウバン(水酸化アルミニウム)
(グループ当たり免疫原当たりいずれか1つのアジュバン
ト)
投与計画: 0週目、2および4週目
(CFA/IFAグループには、0週目にCFAを投与し
、2および4週目にIFAを投与する。ミョウバングルー
プには、3回の投与全て、ミョウバン製剤を投与する)
採取計画: 0、3、6および8週目
種: スプレーグ・ドーリー種ラット/グループ
グループサイズ: 5、6グループ
アッセイ: 抗ペプチド活性についてのELISA、固相免疫吸着剤は
、ペプチドNo.3(配列番号1)である。
血液を回収し、血清に処理し、貯蔵した後、実施例5の記載に従って、ELI
SAにより力価測定した。
この実験は、従来技術(14,15)の公知の免疫原と比較して本発明の免疫原の改
良された性能を示すように計画される。結果は、各々、3つのThペプチドを含
有する有効なペプチド免疫原の2つの混合物の評価のために有用であり、免疫刺
激性Invドメインの有用性(カクテル2は、Invを含有し、カクテル1は、含有
しない)および本発明のワクチン組成物におけるアジュバントであるミョウバン
の効力を示す。
実施例8
免疫原のカクテルを用いる臨床試験
IgE CH4デカペプチドおよびThを含有する多くの異なる直鎖状構築物(
実施例3〜5)の相対的な効力を確立することにより、免疫原のカクテルのため
の代表的なペプチドの選択が可能になる。免疫原カクテルにおけるGly−Glyス
ペーサーならびに麻疹ウイルスF、B型肝炎表面抗原、破傷風毒素および百日咳
毒素由来のThペプチド配列を有する個々の構築物は、有効性を示すものであり(
第6表)、複数のヒトHLA DR抗原について無差別であり、その結果、遺伝的
に多様なヒト個体群における最大免疫原性を提供する。さらにまた、これらのT
hペプチドは、子供のワクチンから誘導されるので、幼少時のワクチン投与は、
免疫化されたヒト個体群における有効なTh記憶源である。かくして、子供のワ
クチンは、かかるThペプチドの混合物からなる抗アレルギーワクチンに対する
増強した免疫効力を提供するための効力を有する。以下の臨床プロトコールは、
広く許容されるアジュバントであるミョウバンにおけるかかる直鎖状「A−Th
−スペーサー−IgECH4デカペプチド」ペプチド免疫原の混合物として製剤
化された本発明の組成物についての効力を示すように計画された。
実験計画:
対象: 枯草熱患者
季節および期間: 枯草熱季節、8週間
グループ: 4グループ、1グループ/免疫原/投与
グループ当たりN=15、12には、免疫原を投与し、3
には、プラシーボを投与する。
免疫原: カクテル1:ペプチドNo.18、19、20、23
アジュバント: 0.2%ミョウバン
投与量: 投与当たりペプチド500μgまたは125μgと同等の各
合成ペプチドのモル等量
経路: 筋肉内
投与計画: 0週目、および4週目
評価計画: 0、4および6週目
血液を回収し、血清に処理し、貯蔵した後、実施例5の記載に従って、ELIS
Aにより力価測定した。
皮膚反応試験、枯草熱薬の患者使用の速度、アレルギー症状および副作用につ
いての患者の身体的試験、ならびに患者と面接して該生成物の使用の効果の主観
的な評価を得ることによって、ワクチン組成物「カクテル1」の効力および安全
性を血清学的に評価する。血清学的評価としては、抗ペプチド力価についての前
記ELISA、ならびにヒスタミンレベルの低下を測定するためおよび該生成物
がヒスタミン放出を誘発しないことを確認するための標準的な自動化分光蛍光測
定アッセイが挙げられる。皮膚試験は、アレルゲンの標準溶液を皮膚の上層に注
射する経皮試験である。アレルゲンに対する反応において生成された典型的な「
膨疹および潮紅」の領域を測定することによって、アレルゲンに対する反応を定
量化する。予想される結果は、研究の最後のアレルギー症状の有意な改善を含み
、本発明のワクチン組成物によって誘発されたヒスタミン放出の証拠を含まない
。
この実験は、本発明の臨床効力を示すように計画される。結果は、医薬的に許
容されるアジュバントであるミョウバンで製剤化された4つのThペプチド配列
を含有する「A−Th−スペーサー−IgE CH4デカペプチド」免疫原の混合
物の評価を提供する。
実施例9
in vitroアッセイは、IgE CH4デカペプチド特異的抗体の効力を示す
IgE CH4デカペプチド免疫原による免疫化によって誘発された抗体のin v
itro評価について、よく知られているヒスタミン放出アッセイにおいて受身感作
されたヒト好塩基球を用いる。ボランティアの静脈血からヒト好塩基球を調製し
、次いで、BPO−HSA特異的IgEに対する過免疫グロブリン血
(hyperimmunoglobulemic)ドナーの血液から調製するベンジルペニシロイル−
ヒト血清アルブミンコンジュゲート(BPO−HSA)に対して特異的なIgE
で受身感作する。感作された好塩基球によるヒスタミン放出は、BPO−HSA
またはIgE CH4ペプチドNo.3(配列番号1)の投与によって行われる。ヒ
スタミン放出を誘発するための薬剤の添加前、好塩基球をIgE CH4デカペプ
チド(配列番号1)に対する抗血清または前免疫対照血清の連続希釈と合わせる
。自動化蛍光法によってヒスタミン放出について試料を分析する。自発的放出を
両方から引いた後、試料の全好塩基ヒスタミン含量の割合から、ヒスタミン放出
のパーセンテージを算出する(27)。実験的抗血清のヒスタミン放出阻害能は、in
vitro効力の性能である。
このアッセイにより、濃度依存法におけるIgE CH4ペプチドNo.3(配列
番号1)のヒスタミン放出誘発能を示した。第7表に示される結果は、IgE C
H4ペプチドNo.3(配列番号1)がヒト好塩基球によるヒト放出を誘発し、配
列番号1および対応するヒトアレルギー反応についての抗体の関係を確認するた
めに供された。
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フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),AU,CA,CN,JP,U
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