JPH09511650A - 植物リゾホスファチド酸アシルトランスフェラーゼ - Google Patents

植物リゾホスファチド酸アシルトランスフェラーゼ

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JPH09511650A JP7526379A JP52637995A JPH09511650A JP H09511650 A JPH09511650 A JP H09511650A JP 7526379 A JP7526379 A JP 7526379A JP 52637995 A JP52637995 A JP 52637995A JP H09511650 A JPH09511650 A JP H09511650A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、植物LPAATs、このようなタンパク質を同定するための手段、このようなタンパク質に関連するアミノ酸及び核酸配列、並びにこのような植物LPAATsを獲得し、製造し、そして/又は使用するための方法に関する。精製、特に、植物膜の取り出し、そして他の植物タンパク質からの実質的な分離、そして上記植物LPAATの使用であって、バイオテクノロジー用途のための遺伝子単離におけるツールとしてのそのタンパク質の使用を含むものも、提供する。さらに、LPAATタンパク質領域をコーディングする核酸配列を提供し、そして植物からのLPAAT遺伝子の単離のための及び植物トリグリセリド組成の修正のためのこのような配列の使用についても記載する。

Description

【発明の詳細な説明】 植物リゾホスファチド酸アシルトランスフェラーゼ 本願は、1994年10月21日出願された出願逐次番号第08/327,451号の一部継続、 及び1994年6月6日に出願された出願逐次番号第08/254,404号の一部継続、及び 1994年4月21日に出願された出願逐次番号第08/231,196号の一部継続、及び1994 年4月6日に出願された出願逐次番号第08/224,625号の一部継続である。技術分野 本発明は、タンパク質調製物、アミノ酸及び核酸配列及び構造物、並びにそれ に関する方法に関する。 導入背景 生合成又は天然の植物源から、脂肪酸組成物を獲得し又は操作するための改良 された手段についての必要性が在る。例えば、新規の油製品、合成トリアシルグ リセロール(トリグリセリド)の改良された源、商業的油の他の源、例えば、熱 帯油(すなわち、パームイニ油及びココナッツ油)、及び天然源から微量に見い 出される植物油は、さまざまな産業及び食品用途のために望ましい。 このため、植物及びバクテリアにおけるトリアシルグリセロール(TAG)生合成 系が研究されてきた。保存トリグリセリド(“油”)を蓄積する植物種組織の細 胞質膜中、そのトリグリセリド分子のsn−2位における脂肪アシル基が、リゾホ スファチド酸アシルトランスフェラーゼ(lysophosphatidic acid acyltransfera se)又はLPAA Tとしても知られる、酵素1−アシルグリセロール−3−ホスフェート・アシル トランスフェラーゼ(E.C.2.3.1.51)の作用を介して取り込まれてい る。種組織からの単離膜中でのLPAATの働きの検査により、LPAATの特異性は、対 応の保存油のsn−2位に見られる脂肪酸基の種類に従って種から種へ変化するこ とが示された。例えば、中鎖脂肪酸を含む油を蓄積する、Cuphea種の種において は、中鎖アシル−CoA及びリゾホスファチド酸(LPA)基質を利用するであろうLPAA T活性を立証することができる。反対に、その中で、その油がより長い鎖長の脂 肪酸を含む、ナタネ胚の膜からのLPAAT活性は、これらの中鎖基質を、かなり容 易には使用せず、そして長鎖不飽和脂肪酸を優先的に使用する。同様に、メド− フォーム(meadow foam)植物(limnanthes alba)は、全ての3つのsn位にエルカ酸 (22:1)を含む油を蓄積し、そして22:1−CoAと22:1−LPAを使用すること ができる種LPAAT活性をもつ、一方、これらの脂肪酸を蓄積しないナタネは、こ のような22:1−利用LPAATをほとんど又は全くもたない。 sn−1とsn−3のアシル化に責任を負う酵素を用いた同様の研究は、それらが 、その基質鎖長に関しかなり選択性が低いことを示す。従って、所定の植物にお ける特定の保存トリグリセリドについて、その油のsn-2位にある脂肪アシル基 のタイプは、そのアシル−ドナー基質、すなわち、アシル−CoAsに関するLPAAT の特異性により主に決定される。さらに、アシル−CoAsへのLPAATの選択性は、 そのアクセプター基質すなわち、1−アシルグリセロール−3−ホスフェート又 はリゾホスファチド酸(LPA)分子のsn−1位に既に付着したアシル基の性質によ っても影響される。 (LPAATとしても知られる)リゾホスファチド酸アシルトランスフェラーゼの 特徴付けは、植物FAS系のさらなる研究のために、そ して新規及び/又は他の油源の開発のために有用である。植物機構の研究は、ト リグリセリド及び油の全脂肪アシル組成を、さらに強化し、制御し、修飾し又は その他の方法で変更するための手段を提供することができる。さらに、植物にお けるトリグリセリドの天然の生産に決定的な因子の顕出であって、そのような因 子の精製及びその系の効率を高める元素及び/又は補因子の特徴付けを含むもの が、望まれる。特に興味のあるものは、遺伝子工学における適用のために有用で あることができるタンパク質をコーディングする遺伝子の核酸配列である。文献 ナタネ(rapeseed)膜中のアシルトランスフェラーゼ特異性の公表された特徴 付けは、アシル基の区別が主にsn−2アシル化において生じることを報告する( Oo et al.,Plant Physlol.(1989)91:1288-1295;Bernerth et al,Plant S ci.(1990)67:21-28)。 Coleman(Mol.Gen.Genet.(1992)232:295-303)は、LPAATをコーディン グする大腸菌(E.coli)遺伝子(pls C)の特徴付けについて報告する。E.Coli LP AATは、脂肪アシル・ドナー基質としてアシル−CoA又はアシル−ACPのいずれか を利用することができる。 Hares & Frentzen Cplanta(1991)185:124-131)は、エンドウマメ・シュー ト中の小胞体からの長鎖を好むLPAATの可溶化及び部分精製について報告する。 報告されるところによる可溶化は、高速遠心分離によりLPAATを沈降させること ができないことのみに基づく。 Wolter et al.(Fat Sci.Technol.(199)93:288-290)は、 そのグリセロール骨格のsn−2位へのエルカ酸のアシル化を触媒するリナンセス ・ドウグラシイ(Limnanthes douglasii)アシルトランスフェラーゼを精製する ことに失敗したことを報告し、そして微生物内でのcDNA発現に基づく遺伝子単離 の仮定的な方法を提案する。 Nagiec et al.(J.Biol.Chem.(1993)268:22156-22163)は、酵母から のSLC1(スフィンゴリピド補償)遺伝子のクローニングについて報告し、そして E.coliのLPAATタンパク質に対するそのコードされたタンパク質の相同性につい て報告する。 Taylor et al(in“Seed Oils for the Future”,ed.Mackenzie & Taylor( 1992)AOCS Press)は、いくつかの植物種からのLPAATsについての18:1−CoA とC22:1−CoA基質についてのアシル−特異性について報告し、そしてビー・ ナパス(B.napus)LPAATの精製への試みについて討議する。 Slabas et al.(Ch.5,pages 81-95(1993)in Seed Storage Compounds:B iosynthesis,Interactions,and Manipulation,ed Shewry & Stobart,Claren don Press)は、植物LPAATタンパク質を精製する試みについて討議し、そしてLPA ATを均質まで精製する試みの全てが失敗したことに注目すべきである。pls Cに おけるE.coli突然変異の相補性によりコーンLPAAT遺伝子をクローン化する試み についても討議している。 Oo et al,(Plant Physiol.(1989)91:1288-1295)は、パーム内乳(endo s perm)、メイズ胚盤(scutellum)、及びナタネ子葉の膜調製物中のLPAAT特異性の 特徴付けを報告する。 Cao et al.(Plant Physiol.(1990)94:1199-1206)は、メドーフォーム 、キンレンカ(nastu rtium)、パーム、ヒマシ、大豆、メイズ及びナタネの成熟 種子中のLPAAT活性の特徴付けについて報 告する。LPAAT活性は、22:1と18:1LPA及びアシル−CoA基質に関して特徴付 けられた。 Laurent及びHuang(Plant Physiol.(1992)99:1711-1715)は、12:0と22: 1アシル−CoA基質を、LPAのsn−2位に転移させることができるパームとメド− フォーム中のLPAATsが、油蓄積種子組織に拘束されていることを報告する。 Bator et al.(Phyto chemistry(1990)31:2973-2976)は、クフェア・プロ カンベン(Cuphea procumbens)及びシー・ライチ(C.wrighti)からの、LPAATを 含むTAG生合成酵素の基質特異性について報告する。 Bafor et al.(Biochem.J.(1990)272:31-38)は、クフェア・ランセオ ラタ(Cuphea lanceolata)胚中のTAG生合成の調節に対する研究結果を報告する。 発達している子葉からのミクロソーム調製物中のLPAAT活性についての検定結果 を提供する。 Frentzen et al.(Eur.J.Biochem.(1990)187:389-402)は、ポテト塊 基及びエンドウマメ葉中のミトコンドリアのLPAAT活性の特徴付けについて報告 する。 Congress on Plant Lipids,Paris,July 1,1994においてHanke & Frentzen は、31KDaの有効なタンパク質をコーディングするメドーフォームの1030塩基対 のクローンの獲得について報告した。配列は示されていないが、彼らは、E.col i pls Cに対する“実質的な”類似性を示し、そしてこの適合は、推定酵母LPAAT よりも良いものであったことを示した。このクローンは、報告によると、E.col i LPAAT突然変異体との相補性試験における発達中の種子のcDNAライブラリーか ら得られた。それらのクローンが、アシル・ドナーとして18:1 CoAよりも22: 1 CoAについてより高い好みを示したこと、そしてノーザン分析が、葉中ではな くメドーフォームの胚中 で発現を示したことも報告された。 Brown & Slabasは、the 4th International Congress of Plant Molecular B iology,Amsterdam,June 19,1994において、E.coli LPAAT突然変異を相補す るためにメイズ胚培養cDNAを使用して得られたメイズLPAATであると報告された 部分アミノ酸配列を示した。このタンパク質の分子量は、E.coli pls Cと酵母A Tとの相同性をもって約45KDaにあると報告された。また、メイズ2−アシルトラ ンスフェラーゼのcDNA配列として同定された配列を与える、1994年6月23日に公 開されたWO94/13814を参照のこと。 図面の簡単な説明 図1は、ココナッツ中鎖LPAAT活性に対する大豆リン脂質濃度の効果を示す(S 3の調製物の検定)。 図2は、Sephacryl S400カラム上でのゲッケイジュ(bay)P2調製物のクロマ トグラフィーの結果を示す。 図3は、Frentzen et al.に従って調製され、そしてSephacrylS400カラム上 でクロマトグラフィーにかけられたbay上清画分の結果を示す。 図4は、Superose 6カラム上でのbay S3調製物のクロマトグラフィーの結果を 示す。 図5は、S3調製物中のココナッツ中鎖LPAAT活性の収率により測定されるとき の、CHAPS濃度及び洗剤/タンパク質(D/P)比による可溶化の効果の立証を 提供する。 図6は、赤120アガロース上でのココナッツS3調製物のクロマトグラフィーを 示す。 図7は、ヒドロキシアパタイトのカラム上の赤120カラムからのココナッツ中 鎖LPAAT活性のクロマトグラフィーの結果を示す。 図8は、12:0−CoAクロマトグラフィー・カラムを通過した部分精製ココナ ッツ中鎖LPAAT調製物の結果を示す。 図9は、リン脂質の存在中での12:0−CoAカラム上での部分精製、PL−活性 化ココナッツ中鎖LPAAT調製物のクロマトグラフィーの結果を提供する。 図10は、PCRにより得られたココナッツLPAATコーディング配列を含む、クロー ン、23−2のDNA配列及び翻訳されたアミノ酸配列を提供する。 図11は、PCRにより得られたココナッツLPAATコーディング配列を含む、クロー ン、23−4のDNA配列及び翻訳されたアミノ酸配列を提供する。 図12は、PCRにより得られたココナッツLPAATコーディング配列を含むクローン 、10−1のDNA配列及び翻訳されたアミノ酸配列を提供する。 図13は、全体長ココナッツLPAATクローンCOLP4(pCGN 5503)のDNA配列及び翻 訳されたアミノ酸配列を提供する。 図14は、PCRにより得られたメド−フォームLPAATコーディング配列を含む、ク ローン、MeadLPAAT 15のDNA配列及び翻訳されたアミノ酸配列を提供する。 図15は、PCRにより得られたメド−フォームLPAATコーディング配列を含む、ク ローン、MeadLPAAT 20のDNA配列及び翻訳されたアミノ酸配列を提供する。 図16は、クローンCOLP4,MeadLPAAT 15及びMeadLPAAT 20の翻訳されたアミノ 酸配列の比較を示す。 図17は、メド−フォームLPAAT cDNAクローンMelp2のDNA配列及び翻訳された アミノ酸配列を提供する。 図18は、メド−フォームLPAAT cDNAクローンMelp4のDNA配列及 び翻訳されたアミノ酸配列を提供する。 本発明の要約 本発明は、(リゾホスファチド酸又はLPAともいわれる)1−アシルグリセ ロール−3−ホスフェート及びアシル−CoA基質から1,2−ジアシルグリセロ ール−3−ホスフェートの生産を触媒する植物タンパク質に関する。こようなタ ンパク質は、本明細書中、1−アシルグリセロール−3−ホスフェート・アシル トランスフェラーゼ(E.C.2.3.1.51)又はLPAATsといわれる。特に、 本発明のLPAATタンパク質は、アシル−CoAドナー基質に対する優先的な活性を示 し、かつ、アシル−ACPドナー基質に対して活性をほとんど又は全く示さない。 本発明により、それらの生来の植物宿主の細胞質膜から実質的に精製された植 物LPAATタンパク質の新たなクラスが、今般、優先的な基質活性に関して特徴付 けされることができる。特に、中鎖アシル−CoA基質に対して優先的な活性をも つ植物LPAAT酵素の精製が提供される。 本発明の中鎖を好むLPAATは、そのLPAアクセプター基質がそのsn-1位におい て中鎖アシル基(例えば、C12:0)を含むか又はそのsn−1位に長鎖アシル基 (例えば、C18:1)を含むかどうかに拘らず、中鎖アシル−CoAドナー基質に ついての好みを示す。ココナッツ内乳中鎖アシル−CoAを好むLPAAT酵素が本明細 書中に例示される。ラウロイル−CoAが、そのアクセプター基質が1−ラウロイ ルグリセロール−3−ホスフェート又は1−オレオイルグリセロール−3−ホス フェートのいずれかであるとき、好ましいドナー基質である。さらに、このココ ナッツLPAATも、より長い鎖長(C16又はC18)の基質に比較して、他の中鎖ア シル−CoA基質、特に 、C10又はC14の炭素鎖をもつものに対して優先的な活性を示す。 例示したココナッツLPAATは、膜から精製され(すなわち、可溶化され)、そ してその可溶化されたLPAAT調製物が、LPAAT活性に関連するタンパク質を同定す るためにさまざまなクロマトグラフィー分析に供される。このやり方で、約27〜 29KDaの分子量をもつタンパク質が、LPAAT活性に関連するものとして同定される 。さらなる精製方法、例えば、カラム・クロマトグラフィー及びポリアクリルア ミド・ゲル電気泳動が、アミノ酸配列分析のために十分に精製されたLPAATタン パク質を得るために利用される。 結果として、LPAATペプチド配列が決定され、そして非植物LPAATs(E.coli p ls C遺伝子及び推定酵母AT)に相同な配列をもつLPAATペプチド断片が、発見さ れる。LPAATペプチド配列は、さまざまな合成オリゴヌクレオチドの設計におけ る鋳型として使用され、そしてその後、ココナッツLPAATタンパク質の全部又は 1部をコーディングする核酸配列を得るために使用される。 LPAAT PCR産物配列を、本願において提供し、そしてその配列をも本明細書中 に提供するココナッツLPAATをコーディングするcDNAクローンを得るために使用 する。そのように得られたココナッツLPAATコーディング配列を使用して、アシ ル−CoAドナー基質(例えば、8:0,10:0,14:0,22:1等)に関して異 なる特異性をもつLPAATタンパク質をコードする他の植物LPAAT遺伝子を単離する こともできる。例えば、このココナッツ配列を使用して、メド−フォームLPAAT クローンの配列が、今般、提供される。ココナッツとメド−フォームLPAAT配列 の比較は、他の源からのLPAAT遺伝子の同定にさらに有用である追加の保存アミ ノ酸配列を提供する。 従って、本発明は、植物LPAATペプチド及びそれらのペプチドの対応アミノ酸 配列、並びに植物及び非植物LPAAT遺伝子配列の分析 及び回収のためのLPAATコーディング配列を含むオリゴヌクレオチドの調製にお けるこれらのペプチド配列の使用を包含する。この植物LPAATコーディング配列 は、意図された用途に依存して全体又は部分配列をコードすることができる。そ のゲノム配列、又はcDNA配列の全部又は一部が意図される。 特に興味があるのは、植物LPAAT配列の転写又は転写及び翻訳(発現)を提供 する組換えDNA構築物である。特に、植物宿主細胞内での転写又は転写及び翻訳 をすることができる構築物が、好ましい。いくつかの用途のためには、植物LPAA Tにおける還元が望ましいかもしれない。従って、組換え構築物は、アンチ−セ ンスの配列の発現のために逆方向においてその植物LPAAT配列をもつように設計 されることができ、又は、“トランスウィッチ(transwitch)”としても知られ る同時抑制(co-suppression)構築物の使用が有用であることもできる。このよ うな構築物は、植物種子組織中で優先的に発現される遺伝子から得られた転写開 始領域を含むさまざまな調節領域を含むことができる。いくつかの用途のために 、LPAATコーディング配列と共にか又は異種配列の転写及び翻訳を指令するため かのいずれかにおいてLPAAT遺伝子の転写及び翻訳開始領域を使用することが望 ましくあることができる。 さらに異なる態様においては、本発明は、その細胞内での構築物の発現を介し ての宿主細胞又はその子孫内での植物LPAATの製造方法に関する。植物LPAATコー ディング配列の生産の結果としての植物LPAATを含む細胞も本発明において企図 される。 さらに、本発明は、特に、植物油種(oilseed)穀物の種子油中のトリグリセリ ド分子のsn−2位における脂肪アシル基の組成の修飾のための植物LPAATをコー ディングするDNA配列の使用方法に関する。このような修飾トリグリセリドをも つ植物細胞も、本発明にお いて企図される。特に興味があるのは、その種子油中に中鎖脂肪酸を作り出すよ うに操作されたアブナラ属(Brassica)植物における中鎖を好むLPAAT配列の使 用である。このような植物においては、約50molパーセントまでのラウレートが 、その種子トリグリセリド中に蓄積する。しかしながら、このラウレートのほと んどは、より長い鎖長のアシル−CoA基質についてのBrassica LPAATの特異性の ためにそのsn−1及びsn−3位においてエステル化されている。このような植物 の種子内での中鎖を好むLPAATタンパク質の発現により、そのTAGにおいて67モル ・パーセントを上廻るラウレートをもつBrassica種子油を得ることができる。 また、特に興味があるのは、高エルカ酸植物、例えば、高エルカ酸ナタネ(hi gh erucic acid rapeseed(HEAR))油変種におけるトリ−エルシン(tri-erucin )の生産、又は、植物TAGのsn-2位にエルカ脂肪酸を含む植物のエルカ酸組成を さらに減少させることである。例えば、HEAR油変種の種子中でのひじょうに長い 鎖を好むLPAATタンパク質の発現により、そのTAG中66モルパーセントを上廻るエ ルシンをもつBrassica種子油を得ることができる。 また、本発明においては、本発の植物LPAAT配列及びタンパク質の発現により 得られた修飾植物、種子及び油も考慮される。 本発明の詳細な説明 本発明に係る植物LPAATは、植物酵素反応条件下、1−アシルグリセロール− 3−ホスフェート及びアシル−CoA基質からの1,2−ジアシルグリセロール− 3−ホスフェートの生産を触媒する能力を示す、植物源から得られたアミノ酸、 例えば、タンパク質ポリペプチド又はペプチドのいずれかの配列を含む。“酵素 反応条件”とは、その酵素が働くことを許容するであろう環境において利用され ることができるいずれかの必要条件(すなわち、温度、pH、阻害物質の欠如のよ うな要因)を意味する。 特別な鎖長の脂肪アシル−CoA基質に対する植物LPAATの優先的な活性は、異な る鎖長のアシル−CoAドナー基質当りに得られる1,2−ジアシルグリセロール −3−ホスフェート生産量の比較に基づいて決定される。いくつかの場合には、 そのsn−1位におけるアシル基の鎖長は、所定の鎖長のアシル−CoAドナーを利 用するLPAATの能力にも影響を及ぼすことができる。本発明において特に興味が あるのは、ココナッツ未熟内乳組織中の中鎖アシル−CoAを好むLPAAT及び発達中 のメド−フォーム胚組織中で活性なひじょうに長い鎖のアシル−CoAを好むLPAAT である。 中鎖アシル−CoAを好むとは、その酵素調製物が、そのアクセプターLPA基質の sn−1位にあるアシル基の鎖長に拘らず、異なるアシル炭素長のアシル−CoA基 質について、中鎖、すなわち、C8,C10,C12又はC14アシル−CoAドナー基質 についての好みを示すことを意味する。長鎖アシル−CoAとは、その酵素調製物 が、異なるアシル炭素長のアシル−CoA基質について、長鎖、すなわち、C16及 びC18のドナー基質についての好みを示すことを意味する。そして同様に、ひじ ょうに長い鎖のアシル−CoAを好むLPAATは、ひじょうに長い鎖、すなわち、C20 ,C22そしてそれ以上のドナー基質についての好みを示すであろう。より小さい 大きさをもついくぶんかの活性も、他の鎖長の脂肪アシル基質に対して観察され ることができることに留意すべきである。すなわち、その特異性は、実質的であ るが、絶対的なものであることはできない。例えば、例示されたココナッツLPAA Tは、そのアクセプター基質がラウロイル−LPAであるときC12アシル−CoAドナ ー基質について強い好みを示すだけでなく、そのアシル基が16又は18炭素をもつ より長い鎖の基質に 比較してC10及びC14基質に対して有意に高い活性をもつ。アクセプター基質が 、18:1−LPAであるとき、そのココナッツLPAATは、ほとんど等しい速度におい てC12及びC14基質を使用し、そして未だ、利用可能なより長い鎖のアシル−Co A基質について上記の及びC10の基質を好む。 他の植物LPAATタンパク質は、1以上の中鎖、長鎖又はひじょうに長い鎖のア シル−CoA基質に対して優先活性を示すこともできるが、その好み(優先性)は 、特別の、例えば、中鎖、アシル基がLPAドナー基質のsn−1位に存在する場合 にのみ遭遇することができる。このようなLPAATsは、このような基質についての 選択的な好みと考えられる。 上記のように、本発明に係る植物LPAATは、脂肪アシル−CoA基質に対して活性 を示し、そして脂肪アシル−ACP基質に対してほとんど又は全く活性をもたない であろう。従って、本発明に係るLPAATは、アシル−ACPとアシル−CoA基質の両 方に対して活性を示す植物葉緑体LPAATsから区別されることができる。 本発明に係るアシル−CoA LPAATsは、さまざまな植物組織内の細胞質膜中に存 在する。特に興味があるのは、未熟種子組織の小胞体内のTAG生合成経路に関連 するようなLPAATsである。このようなLPAATsを含む未熟種子組織は、特定の植物 種におけるTAG生合成の位置に依存して、胚組織又は内乳組織を含むことができ る。ココナッツにおいては、例えば、LPAAT活性は、その内乳組織、TAG生合成の 部位内に主に検出される。カリフォルニアbayの種子においては、未熟胚子葉が 、LPAAT活性の良好な源を提供し、そしてBrassicaの種子においては、実質的なL PAAT活性は、未熟胚内にもある。 今日まで研究された植物小胞体(endoplasmic reticulum)LPAAT酵素は、膜タ ンパク質であることが判明している。従って、LPAAT 活性についてさらに研究するため、そして特に、クロマトグラフィー法によりこ のようなタンパク質の精製調製物を作り出すために、可溶化形態にある、すなわ ち、その細胞質膜環境から分離された酵素を得ることが必要である。 “可溶化”とは、それが、その後膜会合でない酵素に典型的なやり方で振る舞 うような方法で、その膜からそのLPAAT酵素を抽出することをいう。膜は、そのL PAATタンパク質を同じくその中に存在する他のタンパク質に有効にリンクしてい るので、可溶化は、以下の実施例において記載するようにそのLPAATタンパク質 の同定及び精製にとって本質的な要求である。LPAAT活性の可溶化についてのテ ストにおいて、以下実施例においてより詳細に記載するように、3つの異なる可 溶化の指標が、考慮される。 1)LPAAT活性は、ひじょうに高い速度の遠心分離によって沈降されない。 2)LPAAT活性は、それがあたかも膜会合でない酵素に典型的な生来の分子量 をもつようにサイズ排除クロマトグラフィー・カラム上で移動する。 3)LPAAT調製物中に存在するタンパク質は、カラム・クロマトグラフィーに より互いに少なくとも部分的に分離されることができる。 上記の基準のいずれかに個々に適用することができる有効な他の解釈のために 、LPAAT可溶化を確認するためには3つの基準の全てが満たされることを確認す る必要がある。例えば、ひじょうに高い重力における沈澱の失敗をもつ第1の基 準は、それがひじょうに遅く沈澱するように、可溶化のために使用された溶液の 密度が可溶化されていない膜の密度に類似したものである場合に、誤認されるこ とができるであろう。この状況は、以下の実施例中に説明されるが 、その中には、この基準単独に頼った公表された可溶化手順が、細胞質膜から実 質的に分離されたLPAATを得るために不適切であることが示される。可溶化活性 がその元の膜よりもサイズ排除カラムを通ってより速く移動するような、第2基 準は、それを通るそれらの移動が遅いように、その膜自体が、洗剤に晒された後 にそのカラムに弱く結合する場合には、約束されることができる。可溶化された タンパク質がクロマトグラフィーにより分離可能であるような、第3の基準は、 人工産物又は予想外の状況によりほとんど約束されないようである。しかしなが ら、膜は、タンパク質のさまざまな凝集体が放出されるような可溶化手順により 部分的に解離されることができる可能性がある。このような凝集体はその後に、 互いにクロマトグラフィーにより分離されることができるであろう。従って、3 つの基準の全ての満足が、LPAAT可溶化が達成されることを確認するために必要 である。 1M NaCl,2.25%(w/v)CHAPS洗剤48/1を含む溶液中のココナッツLPAAT の可溶化、及び48/1(w/w)の洗剤/タンパク質化が、以下の実施例中に記 載されている。同様に、カリフォルニアbayからのLPAAT活性が、1M NaCl,4% (w/v)CHAPS洗浄を含む可溶化溶液、及び58/1(w/w)の洗剤/タンパ ク質を使用して可溶化される。植物LPAATsの可溶化は、上記の可溶化基準の各々 の立証により確認される。 さらに、可溶化されたLPAAT活性の研究において、以下の実施例中に詳細に説 明するように、可溶化されたLPAATが、LPAAT活性を再構成するように、濃縮され たリン脂質の添加だけによって検定されることができるであろうことが発見され た。特に、LPAAT活性に対するリン脂質の同時作用は、そのリン脂質がその検定 手順の開始においてその可溶化LPAATサンプルに添加されるとき最大であり、 その後、残りの検定成分の添加によりそのバッファー中の高CHAPS及び塩濃度が 希釈される。可溶化溶液の希釈後のリン脂質の添加は、LPAAT活性の検出におい てほとんど又は全く増加をもたらさない。このリン脂質刺激効果は、このリン脂 質が可溶化バッファー単独のサンプルに添加される場合にも見られ、その後に、 残りの検定成分による希釈、そしてその可溶化されたLPAATサンプルのその後の 添加が行われる。 ココナッツ内乳LPAATの可溶化調製物は、LPAATタンパク質の同定及び部分精製 のためのさまざまなクロマトグラフィー実験において利用される。このやり方で 、約27〜29KDaの分子量をもつタンパク質が、LPAAT活性に関連するものとして同 定される。以下の実施例中により詳細に記載するように、この29KDaのタンパク 質は、赤120アガロース及びヒドロキシアパタイトのカラム上でのクロマトグラ フィーにより部分的に精製される。次に、このタンパク質は、ゲル電気泳動によ り実質的に精製された形態において、そしてニトロセルロースへのその部分的に 精製されたLPAAT調製物のブロッティングにより得られる。この27〜29KDaタンパ ク質は、その同定されたバンドを含むニトロセルロース・フィルターのその部分 を切り出すことにより回収される。 精製されたタンパク質を、アミノ酸配列の決定における使用のためのペプチド を作り出すためにさまざまな酵素を用いて消化する。このやり方で得られたトリ プチック・ペプチドのアミノ酸配列は、E.coli pls C遺伝子によりコードされ たLPAATタンパク質と、相同性をもつ領域を共有することが立証される。E.coli とココナッツLPAATsにより共有されるこの同一領域は、SLC1遺伝子によりコード される酵母アシルトランスフェラーゼ・タンパク質にも見い出される。 従って、本明細書中に記載する27〜29KDaタンパク質のトリプチック・ペプチ ドは、中鎖アシル−CoAを好むココナッツLPAATの一部を提示する。他のココナッ ツLPAATペプチドが、同様に得られ、そしてそのアミノ酸配列が、提供される。 ココナッツ又は他のLPAAT遺伝子をコードする核酸配列を得るためのLPAATペプ チドからのアミノ酸配列の使用が、本明細書中に記載される。例えば、LPAATペ プチド配列に対応する合成オリゴヌクレオチドが調製される。これらのオリゴヌ クレオチドは、LPAAT遺伝子の部分的DNA配列を得るために、ポリメラーゼ連鎖反 応(PCR)技術におけるプライマーとして使用される。そのように得られた部分 的配列は、その後、着目のココナッツ又は他の組織から調製された遺伝子ライブ ラリーからのLPAATクローンを得るためにプローブとして使用される。低縮重の オリゴヌクレオチドが特定のLPAATペプチドから調製されることができる別法と して、このようなプローブは、LPAAT遺伝子配列のための遺伝子ライブラリーを スクリーニングするために直接的に使用されることができる。特に、ファージ・ ベクター内でのcDNAライブラリーのスクリーニングは、低レベルの背景ハイブリ ダイゼーションのためにこのような方法において有用である。このやり方で得ら れたLPAATペプチド・コーディング配列のDNA配列を、本明細書中に提供する。 本発明の植物又は他のLPAATの核酸配列は、ゲノムDNA,cDNA,mRNAから得られ たDNA又はRNA配列であることができ、全部又は一部合成されることができる。こ れらの遺伝子配列は、例えば、適当な源からゲノムDNAを単離し、そしてポリメ ラーゼ連鎖反応(PCR)を使用して着目の配列を増幅し、そしてクローニングす ることにより、クローン化されることができる。 あるいは、特に、植物に好ましい配列を提供することが望ましい 場合、全部又は一部のいずれかにおいて、合成されることができる。従って、( その遺伝子のその部分がLPAATタンパク質をコードする)所望の構造遺伝子の全 部又は一部が、選択された宿主に好まれるコドンを使用して合成されることがで きる。宿主に好まれるコドンは、例えば、望ましい宿主種内で発現されるタンパ ク質において最も頻繁に使用されるコドンから、決定されることができる。 当業者は、抗体調製物、核酸プローブ(DNA及びRNA)その他が、調製され、そし てさまざまな植物及び他の源から“相同”又は“関連”LPAATsをスクリーニング 及び回収するために使用されることができる。相同配列は、配列の同一性が存在 するときに見られ、これは、配列情報、核酸又はアミノ酸の比較に基づき、又は 既知のLPAATと候補源との間のハイブリダイゼーション反応を通して決定される ことができる。保存的変更、例えば、Glu/Asp,Val/Ile,Ser/Thr,Arg/Lys及び Glu/Asnは、配列相同性の測定においても考慮されることができる。アミノ酸配 列は、2つの完全成熟タンパク質間に25%程の同一性により、相同性であると考 えられる。(一般的に、Doolittle,R.F.,OF URFS and ORFS(University Sci ence Books,CA,1986)を参照のこと。)。 従って、他の植物LPAATsは、本明細書中に、特別に例示されたココナッツ・タ ンパク質調製物及び提供された配列、例えば、本明細書中に記載するメド−フォ ームLPAATから得られることができる。双子葉植物であるメド−フォームLPAAT配 列及び単子葉植物であるココナッツとLPAAT配列が、植物界におけるLPAATsに代 表的な高保存アミノ酸配列を同定するために使用されることができる。このよう な領域は、以下のペプチド:LLPWPY,GNLYGH,RIDRSNP,KNLSLI,LPIVPM,FPEGT RS,GRLLPFKKGF,LTGTHLAWRK及びPITVKYを含む。これらの配列をコードする縮重 オリゴヌクレオチド及びPCR技術を使 用して、いずれかの植物種からのLPAAT、及び特にいずれかの細胞質アシル−CoA 活性及びアシル−ACP不活性LPAATsが得られることができる。 さらに、E.coli、ココナッツ及びメド−フォームからのLPAATsが、その領域 が酵母からの推定LPAATタンパク質内でも保存されるような、保存アミノ酸配列 の領域をもつ、ことが今般発見された。従って、他の生物、例えば、動物からLP AATコーディング配列を単離するために、このような保存領域からプローブを設 計することができる。このようなLPAATコーディング配列は、本明細書中に記載 された用途において、特に、そのsn−2位に特別の脂肪アシル基をもつTAGの製 造のための遺伝子操作技術においても利用されることができる。例えば、動物LP AATは、幼児形式のために有用なTAGの源を提供するためにそのsn−2位に長鎖飽 和脂肪アシル基、例えば、18:0をもつ油を製造するために植物遺伝子操作にお いて利用されることができる。 さらに、ある者は、例示される植物LPAATsから及びこのような例示された配列 の使用を通じて得られるLPAATsからの合成タンパク質モデリングのための修飾ア ミノ酸配列及び出発材料を含む、天然及び合成LPAATsを得ることができることは 自明であろう。修飾アミノ酸配列は、このような配列が部分的に又は全体的に合 成されたかどうかに拘らず、突然変異され、切断され、増加されるなどされた配 列を含む。そのタンパク質又は配列を得るために使用される方法に拘らず、植物 調製物から実際に精製され、あるいは、それと同一であり又はそれと同一のタン パク質をコードする配列は、等しく、天然由来と考えられる。 典型的には、核酸プローブの使用から得られることができるLPAAT配列は、そ の標的LPAAT配列とプローブとして使用されるそのコ ーディング配列との間に60〜70%の配列同一性を示すであろう。しかしながら、 50〜60%程の低い配列同一性をもつ長い配列を得ることもできる。この核酸プロ ーブは、その核酸配列の長い断片であることができ、又はより短い、オリゴヌク レオチド・プローブであることもできる。長い核酸断片がプローブとして使用さ れるとき(約100塩基対よりも大きい)とき、ある者は、プローブとして使用さ れる配列から20〜50%の偏差(すなわち、50〜80%の配列同一性)をもつ標的サ ンプルから配列を得るために低いストリンジェンシーにおいてスクリーニングす ることができる。オリゴヌクレオチド・プローブは、LPAAT酵素をコーディング する核酸配列全体よりもかなり短いものであることができるが、少なくとも10、 好ましくは、少なくとも約15、そしてより好ましくは、少なくとも約20ヌクレオ チドでなければならない。より高程度の配列同一性が、より短い領域がより長い 領域に対して使用されるときに、望ましい。従って、他の関連のLPAAT遺伝子を 検出し、そして回収するためのオリゴヌクレオチド・プローブを設計するために 高く保存されたアミノ酸配列の領域を同定することが望ましくあることができる 。より短いプローブは、特に高く保存された配列が同定されることができるとき 、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)のために特に有用である(Gould,et al.,PNAS U SA(1989)86:1934-1938参照)。 他の植物LPAATsの単離に加えて、他の関連のアシルトランスフェラーゼ・タン パク質のための遺伝子を、ココナッツLPAAT及び関連核酸配列からの配列情報を 使用して得ることもできる。例えば、色素体のLPAAT、ミトコンドリアのLPAAT、 リゾホスホスファチジルコリン・アシルトランスフェラーゼ(LPCAT)、リゾホス ホスファチジルセリン・アシルトランスフェラーゼ(LPSAT)、リゾホスホスファ チジルエタノールアミン・アシルトランスフェラーゼ(LPEAT)、 及びリゾホスホスファチジルイノシトール・アシルトランスフェラーゼ(LPIAT) を含む他のアシルトランスフェラーゼ酵素が、植物脂質生合成に関係する。これ らの酵素は、リゾホスホリピドのsn−2位を含む全てのアシルトランスフェラー ゼ反応を触媒し、そしてこれらの配列をコーディングする遺伝子は、本発明に係 る植物アシル−CoA LPAAT配列及びそれから得られることができるものに関係付 けられることもできる。 関連遺伝子が所定の配列とのハイブリダイゼーションにより単離されることが できるかどうかを決定するために、その配列は、典型的には放射能を使用する検 出を許容するために標識される。但し、他の方法を利用することもできる。標識 されたプローブを、ハイブリダイゼーション溶液に添加し、そして所望の核酸を 含むフィルターと共にインキュベートし、例えば、ノーザン又はサザン・ブロッ ト、あるいは、スクリーニングされるべきcDNA又はゲノム・クローンを含むフィ ルターと共にインキュベートする。ハイブリダイゼーション及び洗浄条件は、着 目の配列へのそのプローブのハイブリダイゼーションを最適化するように変化さ れることができる。より低い温度及びより高い塩濃度は、より遠方に関連する配 列のハイブリダイゼーションを許容する(低ストリンジェンシー)。背景ハイブ リダイゼーションが低ストリンジェンシー条件下での問題である場合、その温度 は、そのハイブリダイゼーション又は洗浄段階のいずれかにおいて高められるこ とができ、そして/又はその塩含量は、特定のハイブリダイゼーション配列の検 出を改善するために下げられることができる。ハイブリダイゼーション及び洗浄 温度は、Beltz,et al.(Methods in Enzymology(1983)100:266-285)中に討 議されるようにそのプローブの推定融点に基づいて調節されることができる。特 に、このようなスクリーニング方法が、プローブとし てLPAAT遺伝子配列を使用して単離されることができる関連LPAAT又は他のアシル ・トランスフェラーゼ遺伝子を同定するために、さまざまな植物種の種子組織か らmRNA調製物をスクリーニングするために使用されることができる。有用なプロ ーブ及び適当なハイブリダイゼーション及び洗浄条件が上記のように同定されれ ば、cDNA又はゲノム・ライブラリーを、標識された配列を使用してスクリーニン グし、そして追加の植物LPAAT遺伝子を得る。PCRにおいて有用であることが判明 した1の技術、メド−フォームLPAATの増幅は、ココナッツ・プライマーの組合 せを使用するとき、そのDNAを変性させ、そして約65℃まで速やかにその温度を 下げ、そしてその後、そのアニーリング温度(40〜50℃)までその温度をゆっく りと下げることであった。 免疫学的スクリーニングのために、ココナッツLPAATタンパク質に対する抗体 を、その精製されたタンパク質をウサギ又はマウスに注射することにより調製す ることができ、このような抗体の産生方法は本分野においてよく知られている。 モノクローナル又はポリクローナル抗体のいずれをも産生することができるが、 典型的には、ポリクローナル抗体が、遺伝子単離のために有用である。ウェスタ ン分析は、ココナッツLPAATに対する抗体との交差反応により決定されるように 、関連タンパク質が、所望の植物種の粗抽出物中に存在することを決定するため に行われることができる。交差反応性が観察されるとき、関連タンパク質をコー ディングする遺伝子が、所望の植物種を提示する発現ライブラリーをスクリーニ ングすることにより単離される。発現ライブラリーは、Maniatis,et al.(Mol ecular Cloning:A Laboratory Manual,Second Edition(1989)Cold Spring H arbor Laboratory,Cold Spring Harbor,New York)中に記載されるように、ラ ムダgt11を含むさまざまな商業的に入手 可能なベクターで構築されることができる。 全ての植物は、膜リン脂質の生産においてLPAATタンパク質を利用し、そして それ故、所定の植物種のいずれも、追加のLPAATタンパク質の源として考えられ ることができる。それらの種子油中にかなりの中鎖脂肪酸をもつ植物が、TAGのs n−2位に中鎖脂肪酸を取り込むことができる植物LPAATsを得るための好ましい 候補である。クフェア(Cuphea)属内のいくつかの種、例えば、プロカンベン( procumbens)、ルテア(lutea)、フーケリアナ(hookeriana)、ヒソピフォリア (hyssopifolia)、ライチ(wrightii)、及びインフラタ(inflata)を含むも のは、トリグリセリドを蓄積する。中鎖脂肪酸の他の天然植物源は、クスノキ科 (Lsuraceae)の種子である。例示されたカリフォルニア・ベイ(ウンベルラリア・ カリフォルニカ(Umbellularia califarnica))、ピサ(Pisa)(アクチノドフン・ フーケリ(Actinodophne hookeri))、ゲッケイジュ(Sweet Bay)(ロウラスノビ リス(Laurus nobilis))及びシナモナム・カンフォーラ(Cinnamomum camphora) (カンファー)が、中鎖脂肪酸を蓄積する。他の植物源は、ニレ科(Ulmaceae) 、ヤシ科(Palmae)、ニクズク科(Myristiceae)、ニガキ科(Simarubaceae)、 ボチシアセアエ(Vochysiaceae)、及びサルバドラセアエ(Salvadoraceae)を含 む。 保存TAG中に異常な長鎖脂肪酸を取り込む植物種からのLPAATsも、特に重要で ある。例えば、キンレンカ(nasturtium)及びメド−フォームは、その種子TAG 中に22:1アシル基を含み、そしてメド−フォームは、そのsn−2位に22:1( エルカ)脂肪アシル基を取り込むことができるLPAATを含むことが示された。こ のような活性をもつLPAATは、“トリ−エルカ”アブラナ油の製造において利用 されることができ、これは、今日、不飽和脂肪酸、例えば、18:1 と18:2に対するアブラナ種子LPAATの選択性に因らないことが判明している。 実際、そのトリグリセリドの分析は、22:1がそのトリグリセリドのsn−2位か ら除外されていることを示す。これは、66モル・パーセントに、ナタネ油の理論 的最大エルカ酸含量を限定する。 さらに、他の異常な脂肪酸を含む植物からのLPAAT酵素が、重量であり、そし てさまざまな植物種におけるこれらの異常な脂肪酸を含むTAGの製造のために利 用されることができる。この点で重要なのは、アセチレン性脂肪酸、例えば、ク レピス・フォエティダ(Crepis foetida)からのクレペニン酸(crepenyuic acid );シクロペンテン置換基をもつ脂肪酸、例えば、イイギリ科(Flacourtiaceae )の種からのゴルリン酸(gorlic acid);シクロプロパン脂肪酸、例えば、ベル ノニア・ガラメンシス(Vernonia galamensis)からのベルノリン酸(vernolic ac id);ヒドロキシル化脂肪酸、例えば、リシナス・コミュニス(Ricinus commun is)からのリシノール酸;フラン含有脂肪酸、例えば、エクソカルパス・クプレ シフォルミス(Exocarpus cupressifornis)由来のもの;いくつかの異常官能基 をもつ脂肪酸、例えば、サピウム・セビフェラム(Sapium sebiferum)からのも のであって多数の2重結合及び分子内エステル官能基を含むもの;異常な2重結 合置換をもつ脂肪酸、例えば、セリ科(Umbelliferae)、ウコギ科(Araliaceae )、及びギャリヤセアエ(Garryaceae)の中のいくつかの種からのペトロセリン 酸(petroselinic acid);及び2重結合を含む中鎖脂肪酸、例えば、クロモジ( Lindera)種からのもの、の製造に関連するLPAATsである。 さまざまな源からの植物LPAATsが、多種多様なインビボ用途における植物脂質 生合成のTAG生合成事件を調べるために使用されることができることにも留意す べきである。全ての植物が共通の代謝経 路を介して脂質を合成するようであるので、ある植物LPAATの研究及び/又は異 種植物宿主への適用は、さまざまな種において容易に達成されることができる。 他の用途においては、植物LPAATは、その生産を強化し、そして/又はインビト ロにおいて生産され又は合成されたTAGの組成を修飾するために、そのLPAATの生 来の植物源から、外れて、使用されることができる。 植物又は他のLPAATタンパク質に関連する核酸配列は多くの用途をもつであろ う。例えば、組換え構築物であってプローブとして使用されることができ、又は 、その酵素の容易な源を作り出し、そして/又はその中にあるトリグリセリドの 組成を修飾するためにその宿主細胞内でLPAATタンパク質の発現を提供するであ ろうものが、調製されることができる。他の有用な用途は、インビトロ又はイン ビボのいずれにおいても、その宿主細胞が植物宿主細胞であるときに見られるこ とができる。例えば、植物TAG生合成経路に利用されることができる対応の中鎮 又はひじょうに長い鎖を好むLPAATの量を増加させることにより、それぞれ、中 鎖脂肪酸又はひじょうに長い鎖の脂肪酸の増加されたパーセンテージが、そのTA G中に得られることができる。同様のやり方で、いくつかの用途においては、ア ンチ−センス技術により植物細胞内で内因的に発現されるLPAATの量を減少させ ることが望ましいかもしれない。例えば、そのsn−2位に中鎖又は異常に長い鎖 の脂肪アシル基を転移させるために挿入された外来LPAATのためにより多くの機 会を与えるために、生来のアブラナの長鎖を好むLPAATの減少された発現が望ま しいかもしれない。 従って、その意図された用途に依存して、それらの構築物は、LPAATタンパク 質の全体又はその一部をコードする配列を含むことができる。例えば、所定のLP AATタンパク質のアンチセンス阻害が望 ましい場合、LPAAT配列の全体は必要でない。さらに、LPAAT構築物がプローブと しての使用を意図される場合、LPAATコーディング配列の特定の部分、例えば、 高保存LPAAT領域をコードすることが発見された配列だけを含む構築物を調製す ることが有利であることができる。 先に討議したように、本発明に係る植物又は他のLPAATをコーディングする核 酸配列は、ゲノム、cDNA又はmRNA配列を含むことができる。“コーディング”と は、その配列が、センス又はアンチ・センス方向のいずれかにおいて、特定のア ミノ酸配列に対応することを意味する。“染色体外”とは、その配列が、それが 自然に会合するところの染色体の植物ゲノム外側にあることを意味する。“組換 え体”とは、その配列が、突然変異誘発、制限酵素その他を介しての操作を通じ て遺伝子操作された修飾を含むことを意味する。 cDNA配列は、プロセッシング前配列、例えば、所定の器官又は膜位置へのLPAA Tタンパク質(例えば、ミトコンドリアのLPAAT)のデリバリーを容易にするための 転移ペプチド配列又は標的化配列を含んでも含まなくてもよい。いずれかのこの ような前駆体LPAAT DNA配列の使用が、植物細胞発現における使用のために好ま しい。ゲノムLPAAT配列は、転写及び翻訳開始領域、イントロン、及び/又は植 物LPAATの転写終結領域を含むことができ、それらの配列は、そのLPAAT構造遺伝 子を含む又は含まない、さまざまなDNA構築物内で使用されることができる。従 って、本発明の植物LPAATに対応する核酸配列は、特定の器官又は膜位置へのタ ンパク質デリバリーを指令するために有用なシグナル配列、有用な組織及びタイ ミング特性をもつ5′上流非コーディング調節領域(プロモーター)、転写及び 翻訳調節領域として有用な下流の非コーディング調節領域、を提供することもで き、そしてその遺伝子の他の特徴に洞察を与える ことができる。 一旦、所望の植物又は他のLPAAT核酸配列が得られれば、それは、さまざまな 方法で操作されることができる。その配列が非コーディング・フランキング領域 を含む場合、それらのフランキング領域は、切除、突然変異誘発等に供されるこ とができる。従って、トランジション、トランスバージョン、欠失、及び挿入が 、その天然配列上で行われることができる。さらに、この配列の全部又は一部が 合成されることができる。その構造遺伝子中、1以上のコドンが、修飾アミノ酸 配列を提供するために修飾されることができ、又は1以上のコドン突然変異が、 便利な制限酵素部位あるいは構築又は発現に関連する他の目的を提供するために 、導入されることができる。この構造遺伝子は、1以上の便利な制限酵素部位を 導入するための合成アダプター、リンカーその他を使用することにより、さらに 修飾されることができる。 本発明の植物又は他のLPAATをコーディングする核酸又はアミノ酸配列を、さ まざまな方法で、他の非−生来の、又は“異種の”配列と組み合せることができ る。“異種の”配列とは、生来の(又は野生型の)LPAATに結合することが天然 には見られないいずれかの配列であって、例えば、天然には共に結合して見られ ない同一の植物からの核酸配列の組合せを含むものを意味する。 本発明の植物又は他のLPAATをコーディングするDNA配列は、そのLPAATと通常 会合する遺伝子配列の全部又は一部と共に、使用されることができる。その構成 部分においては、LPAATをコーディングするLPAATは、転写の5′〜3′方向にお いて、宿主細胞内での転写及び翻訳を促進することができる転写開始制御領域、 植物LPAATをコーディングするDNA配列並びに転写及び翻訳終結領域をもつ、DNA 構築物内で併合される。 有効な宿主細胞は、原核と真核細胞の両方を含む。宿主細胞は、その意図され た用途に依存して、単細胞であっても又は多細胞の分化又は未分化生物内にあっ てもよい。本発明の細胞は、野生型細胞に対して外来のLPAATをその中に存在さ せることにより、例えば、その宿主種に対して生来でない植物LPAATをコーディ ングする組換え核酸構築物をその中に持つことにより、区別されることができる 。 その宿主に依存して、それらの調節領域は、ウィルス、プラスミド又は染色体 遺伝子その他からの領域を含んで、変化するであろう。原核又は真核生物、特に 単細胞宿主内での発現のために、多種多様の構成的又は調節性プロモーターを使 用することができる。微生物内での発現は、その植物酵素の容易な源を提供する ことができる。記載された転写開始領域の中には、バクテリア及び酵母宿主、例 えば、大腸菌(E.coli)、枯草菌(B.subtilis)、酵母菌(Saccharomyces cereui siae)からの領域であって、ベータ・ガラクトシダーゼ、T7ポリメラーゼ、トリ プトファンEその他のような遺伝子を含むものがある。 好ましい態様においては、これらの構築物は、植物LPAATの修飾された生産を 提供し、そしてたぶん、その脂肪酸組成の修飾を提供する、植物内で機能的な調 節領域を含むであろう。植物LPAAT又はその機能性断片をコーディングするオー ブン・リーディング・フレームは、その5′末端において、転写開始調節領域に 連結されることができるであろう。LPAATタンパク質の発現が植物宿主内で望ま れるような態様においては、全体植物LPAAT遺伝子の全部又は一部の使用が望ま しい;すなわち、その構造遺伝子配列及び3′下流の非コーディング領域と共に その5′上流非コーディング領域(プロモーター)の全部又は一部を、使用する ことができる。 異なるプロモーター、例えば、着目の植物宿主に対して生来のプロモーター又 は修飾プロモーター、すなわち、1の遺伝子源由来の転写開始領域及び異なる遺 伝子源由来の翻訳開始領域をもつものが望ましい場合、多種多様な構成的又は調 節性の、例えば、誘導性の上記構造遺伝子機能の転写を提供する、多数の転写開 始領域を利用することができる。このような構造遺伝子に対応する転写/翻訳開 始領域は、その対応の開始コドンに対して5′上流直近にある。植物のために使 用される転写開始領域の中には、T−DNA構造遺伝子、例えば、ノパリン及びマ ンノピン合成のためのものに関連する領域、CaMVからの19S及び35Sプロモータ ー、及び他の植物遺伝子、例えば、ナピン、ACP,SSU,PG、ゼイン、ファゼオリ ンE(phaseolin E)、その他から5′上流の領域がある。強化されたプロモータ ー、例えば、ダブル35Sも、LPAAT配列の発現のために利用することができる。 5′上流の非コーディング領域が種子の成熟の間に調節される他の遺伝子から得 られるときにおける適用のためには、植物胚組織内で優先的に発現されるもの、 例えば、ACP及びナピン由来転写開始制御領域が、望ましい。このような“種子 −特異的プロモーター”は、1988年1月25日に出願された米国逐次番号第07/147 ,781号(現在の、1990年7月9日に出願された米国逐次番号第07/550,804号)、 及び、名称“Novel Sequences Preferentially Expressed In Early Seed Devel opment and Methods Related Thereto”をもつ1990年3月16日又はその前後に出 願された米国逐次番号第07/494,722号(これらの文献を引用により本明細書中に 取り込む)の教示に従って得られ、そして使用されることができる。種子組織内 で優先的に発現される、すなわち、他の植物部分においては検出されることがで きない転写開始領域は、その遺伝子産物の破壊的又は悪影響を最小値するための 、TAG修飾のために望ましいと考えられ る。 調節的転写終結領域は、本発明に係るDNA構築物内にも提供されることができ る。転写終結領域は、植物LPAATをコーディングするDNA配列又は異なる遺伝子源 由来の便利な転写終結領域、例えば、その転写開始領域と天然に会合している転 写終結領域により提供されることができる。この転写終結領域が異なる遺伝子源 由来である場合、それは、その終結領域が由来する構造遺伝子に対して3′側の 少なくとも約0.5kb、好ましくは、約1−3kbの配列を含むであろう。 その増加し又は減少した発現のための着目のDNA配列として植物LPAATをもつ植 物発現又は転写構築物は、多種多様な植物(plant life)、特に、食用及び工業 用途のための植物油の生産に関係する植物と共に使用されることができる。最も 特に好ましいのは、温帯油種子穀物である。重要な植物は、非限定的に、ナタネ (Canola及び高エルカ酸変種)、ヒマワリ、サフラワー、綿、大豆、ピーナッツ 、ココナッツ及び油パーム、並びにコーンを含む。宿主細胞内に組換え構築物を 導入する方法に依存して、他のDNA配列が必要とされるかもしれない。重要には 、本発明が、双子葉及び単子葉種に適用され、そして新規の及び/又は改良され た形質転換及び調節技術に容易に適用されることができるであろう。 特に重要なのは、操作された種の非操作植物の種子中のTAGが天然にはその特 定の脂肪酸を含まない場合、植物種子油中に特定の脂肪酸を作り出すために遺伝 子操作された植物内での植物LPAAT構築物の使用である。例えば、その種子油中 に、中鎖脂肪酸、及び特にラウレート(12:0)を作り出すように遺伝子操作さ れたアブラナ植物においては、sn−2アシル化における欠陥が、発見された。( WO92/20326参照)。例えば、その種子油脂肪アシル基の40%が、長 鎖(主に18:1)型から12:0に変更されている植物からの油中、sn−1及びsn −3位における12:0の強化(合計平均)は、約50%であり、そしてsn−2位に おける12:0、強化は、約12%である。さらに、逆相HPLCによる無傷のトリグリ セリド種の分離後、そのトリグリセリド分子のたった1%が、トリ12:0である と推定され、一方、3つのsn位の全てにおけるランダム・アシル化からの統計的 に推定される割合は、7%であろう。従って、このようなC12産生アブラナ植物 中のラウロイル−CoAを好む植物LPAATの発現は、sn−2位への12:0脂肪アシル 基の強化された取り込みに望ましいものである。 従って、ココナッツの中鎖を好むLPAATが、ナタネにおける保存油中へのラウ レートの取り込みを強化するために使用されることができる。さらに、Brassica (ナタネ)及び他の油種子穀物植物における他の中鎖脂肪酸アシル基を含むTAG の生産も望ましい。(例えば、WO92/20236,WO94/10288及び1995年2月2日に出 願された同時係属出願USSN08/383,756を参照のこと。)。ココナッツLPAATは、 他の中鎖長、特に、C10及びC14を利用するためのかなりの能力をもつため、そ れは、植物TAG中へのこれらの脂肪酸の取り込みを強化するための潜在能力をも もつ。さらに、3つのsn位の全てにおいてより短い鎖の脂肪アシル基をもつTAGs は、さまざまの医療用途のために望ましいものである。このようなTAG分子は、 油種子穀物植物内での適当なアシル−ACPチオエステラーゼ及びLPAAT遺伝子の発 現により得られることができる。 同様に、LPA基質のsn−2位へ中鎖脂肪アシル基を転移することができるいず れかのLPAATの発現も、中鎖脂肪酸を含むように操作された穀物種における適用 のために望ましい。中鎖利用の能力が存在する限り、優先的な活性は必要でない 。 本発明のLPAATタンパク質のためのさらなる植物遺伝子操作の適用は、TAG分子 上の特定の位置に取り込まれた望ましい脂肪アシル基をもつTAG分子を含む構造 植物脂質の調製におけるそれらの使用を含む。例えば、アブラナ植物においては 、TAGのsn−2位は、主に不飽和の脂肪アシル基を含む。ある適用においては、s n−2位に飽和脂肪酸をもつことが望ましくあることができ、そしてそれ故、異 なる植物源からのLPAATが、例えば、16:0又は18:0アシル−CoA基質に対する 活性をもつものして同定されることができ、そしてBrassicaの形質転換のために 使用されることができる。 さらに、それらの種子油中に高レベルのエルカ酸(22:1)を含むアブラナ植 物(高エルカ酸ナタネ又はHEAR)においては、そのTAG分子のsn−2位には、ほ とんど又は全く22:1がない。その3つのTAG sn位の全てに22:1をもつ“トリ −エルカ”HEAR植物も望ましい。このような種子油は、例えば、HEAR植物におけ るC22:1活性LPAATの発現により得られることができる。このようなLPAATをコ ーディングする遺伝子は、その種子が3つのsn位の全てにおいてエルカ酸(22: 1)を含む油を蓄積する、植物、例えば、メド−フォーム(meadow foam)(リ ムナンセス・アルバ(Limnanthes alba)から得られることができるであろう。 このようなトランスジェニック植物の獲得における形質転換の方法は、本発明 にとって決定的でなく、そして植物形質転換のさまざまな方法を、現在利用する ことができる。さらに、最新の方法が穀物を形質転換させるために利用されるこ とができるようになったので、それらも、以下に、直接的に適用されることがで きる。例えば、アグロバクテリウム(Agrobacterium)感染に天然に感受性である 多くの植物種が、アグロバクテリウム仲介形質転換の3分割又はバイナリー・ベ クター法を介して首尾よく形質転換されることができ る。多くの場合、その構築物をT−DNAにより片側又は両側に境界をもつように すること、特に、左及び右境界、より特に、右境界をもつようにすることが望ま しいであろう。それは、その構築物が形質転換の方法としてアグロバクテリウム ・チュームファシエンス(A.tumefaciens)又はエー・リゾゲネス(A.rhizogen es)を使用するとき、特に有用である。但し、そのT−DNA境界は、他の形質転換 方法と共に利用されることができる。さらに、マイクロインジェクション、DNA 粒子銃、及びエレクトロポレーションの技術であって、さまざまな単子葉及び双 子葉植物種の形質転換を許容するものが開発された。 通常、宿主内での発現のために必要な調節領域をもち、そして形質転換体細胞 の選択を提供する構造遺伝子が、本DNA構築物に含まれるであろう。この遺伝子 は、細胞毒性剤、例えば、抗生物質、重金属、毒素等に対する耐性、栄養要求性 宿主に原栄養性を提供する相補、ウィルス免疫性その他を提供することができる 。異なる宿主種の数に依存して、その発現構築物又はその成分が導入され、選択 のための異なる条件がその異なる宿主のために使用される場合、1以上のマーカ ーが使用されることができる。 アグロバクテリウムが植物細胞形質転換のために使用される場合、そのアグロ バクテリウム宿主内に存在するT−DNAあるいはTi−又はRi−プラスミドとの相 同的組換えのためにそのアグロバクテリウム宿主内に導入されることができるベ クター基を、使用することができる。組換えのためのT−DNAを含むTi−又はRi −プラスミドは、(嬰瘤(コブgall)形成を引き起こすことができるように)武 装化され又はコブ形成を引き起こすことができないように)非武装化されること ができ、そのrir遺伝子がその形質転換されたアグロバクテリウム宿主内に存在 する限り、後者は透過性である。この武 装化されたプラスミドは、正常な植物細胞とコブの混合物を与えることができる 。 アグロバクテリウムが宿主植物細胞を形質転換させるための媒体として使用さ れるようないくつかの場合においては、そのT−DNA境界領域(単数又は複数) と境界を接する発現又は転写構築物が、大腸菌(E.coli)及びアグロバクテリウ ム内で複製されることができる広い宿主レンジのベクター内に挿入されるであろ うし、広い宿主レンジのベクターが上記文献中に記載されている。一般的に、使 用されるのは、pRK2又はその誘導体である。例えば、Ditta,et al.,(Proc. Nat.Acad.Sci.U.S.A.(1980)77:7347-7351)及びEPA 0 120 515(これら を、引用により本明細書中に取り込む。)を参照のこと。あるいは、ある者は、 別々の複製配列、その中の1がE.coli内でそのベクターを安定化し、そして他 のものがアグロバクテリウム内で安定化させるものを含むベクター内に、植物細 胞内で発現されるべき配列を挿入することができる。例えは、McBride及びSumme rfelt(Plant Mol.Biol.(1990)14:269-276)を参照のこと。ここでは、pRi H RI(Jouanin,et al.,Mol.Gen.Genet.(1985)201:370-374)複製起点が使 用され、そして宿主アグロバクテリウム細胞内での植物発現ベクターの追加の安 定性を提供する。 上記発現構築物及びT−DNAは、1以上のマーカーであって形質転換されたア グロバクテリウム及び形質転換された植物細胞の選択を許容するもの含むであろ う。多数のマーカー、例えば、クロラムフェニコール、カナマイシン、アミノグ リコシドG418、ハイグロマイシンその他に対する耐性が、植物細胞を用いた使用 のために開発されてきた。使用される特定のマーカーは、本発明にとって本質的 でなく、その特定の宿主及び構築のやり方に依存して1又は他のマ ーカーが好まれる。 アグロバクテリウムを使用する植物細胞の形質転換のために、外植体が、形質 転換のために十分な時間にわたり、形質転換されたアグロバクテリウムと併合さ れ、そしてインキュベートされ、そのバクテリアが殺され、そしてその植物細胞 が、適当な選択培地中で培養されることができる。一旦、カルスが形成されると 、シュート形成が、知られた方法に従って適当な植物ホルモンを使用することに より促進されることができ、そしてそのシュートが、植物の再生のための根付け 培地に移される。次に、これらの植物を結実まで成長させ、そしてその種子を、 反復世代を確立し、そして植物油を単離するために使用する。 本発明をこれまで概説してきたが、本発明は、説明だけの目的をもって含まれ 、そして本発明を限定することを意図されていない以下の実施例を参照して、よ り容易に理解されるであろう。 実施例 実施例1 LPAAT活性についてのアッセイ A.無細胞ホモジェネート及び膜調製物中のLPAAT活性についてのアッセイ LPAAT活性について検定するために、サンプルを、バッファー溶液中、リゾホ スファチド酸(LPA)及びアシル−補酵素A(acyl−CoA)基質と共にインキュベート する。上記2基質のアシル置換基を、測定される酵素の特異性に対応するように 選ぶ。テストされるべきLPAATのタイプに依存して、例えば、中鎖基質について の好みをもつLPAATの活性を測定するために、ラウロイル−LPA(ラウロイル・リ ゾホスファチド酸)及びラウロイル−CoAを使用することができ、長鎖アシル基 を好むLPAATの活性を測定するためには、オレオイル−LPA及びオレオイル−CoA を使用することができ、ひじょうに 長い鎖の基質を好むLPAATの活性を測定するために、エルシル−LPA(erucyl-LPA) 及びエルシル−CoAを使用する、以下同様、これができる。1の基質のアシル基 が、形成された生成物を検出するために放射標準される。以下の実施例中、アシ ルCoA基質のアシル置換体は、そのカルボキシル基において14Cで放射標識され る。LPAAT活性は、そのアシル−CoA“ドナー”基質からそのLPA“アクセプター ”基質へのこのアシル基の移転をもたらし、これは、後者をその生成物、ホスフ ァチド酸(PA)に変換する。LPAAT活性は、所定の検出時間内で検出された放射 性生成物の量として測定される。PA生成物は、その分子の中央の炭素原子におけ る転移された放射標識アシル基の結果として放射性であり、そして形成されたPA の量は、そのPA画分の放射能を計測することにより、測定されることができる。 この計測のために、PAは、溶媒分画により、又は薄層クロマトグラフィー(TLC) により、そのアシル−CoA基質から、まず、分離される。 アシル〔1−14C〕−CoA基質は、商業的供給者、例えば、Amersham(Arlingto n Heights,IL)から購入されることができる。アシル〔1−14C〕−CoA基質で あって商業的供給者から購入されることができないもの(例えば、ラウロイル〔 1−14C〕−CoA又はエルシル〔1−14C〕−CoA)は、Taylor et al.(Analyt .Biochem.(1990)184:311-316)の方法を使用して酵素により合成されること ができる。上記合成において使用される〔1−14C〕脂肪酸は、典型的には、20 Ci/molの比放射能をもつ。この放射標識されたアシル−CoA基質は、使用前に12 .5μMに希釈され、そして3mM酢酸ナトリウム(pH4.8)中に保存される。オレオ イル−LPAは、商業的な供給源から得られ、ラウロイル−LPA又はエルシル−LPA 基質は、商業的に入手可能なラウロイル−リゾホスファチジルコリンから 塩素を解裂させるためのホスホリパーゼDの使用に基づく、Ichihara et al.(E ur.J.Biochem.(1987)167:339-3457)、又はCaoet al(Plant Phys.(1990 )94:1199-1206)の方法を使用して酵素により合成されることができる。 LPAAT活性について検定されるべき20μlのサンプルを、4ml、スクリュー− キャップ・バイアル内で217.5μlの検定成分混合物と混合する。この混合物の 成分を、以下に記載するように基質の添加後、最終の250μl検定系が:100mM H EPES-NaOH(pH7.5)(HEPES=N−〔2−ヒドロキシエチル〕ピペラジン−N′ 〔2−エタンスルホン酸〕)、200mM NaCl,4%グリセロール(v/v)、10mM EDTA(エチレンジアミンテトラ酢酸、2ナトリウム塩)、5mMβ−ME(β−メ ルカプトエタノール)を含むであろうように、調整する。次にLPA基質を添加し て(2.5μl)、20μMの最終濃度を提供する。非酵素的背景“活性”を測定する ための対照サンプルを、上記LPAATサンプル又はLPAを省くことにより調製するこ とができる。この検定インキュベーションを、その最終濃度が5μMになるよう に10μlの、12.5mM放射標識アシル−CoA溶液を添加することにより開始する。 アシル−CoA濃度が12.5mMから僅かに変化する場合、それに従って、その10μl 容量を、5μM最終濃度を達成するために変更し、そしてその容量変更は、その 全容量及び全濃度が変化しないようにその検定混合物の水分含量を調整すること により合わされる。インキュベーションは、20〜30分間、30℃における水浴内で 行われる。 検定を止めるために、0.25mlの、0.2M H3PO4中1M KClを、バイアルに添加 する。この時点で、1mg/mlにおける40μl BSA(ウシ血清アルブミン、画分V )を、その後、クロロホルム/メタノール(2:1,v/v)中の(分配を容易 にするための“担体”と して作用する)67μg/ml非標識PAの溶液0.75mlを添加する。PAアシル基の鎖長 を、検定基質において使用されるものに対応するように選ぶ。これらの成分の十 分な混合の間、LPAAT反応の放射標識されたPA生成物は、その有機相中に、そし てその未反応アシル−CoA及びLPAから離れて分配される。このバイアルを、低速 において短時間遠心分離して、有機(下)と水(上)相の分離を容易にする。こ の水相を次に除去し、そして廃棄する。有機相中に抽出された全放射能を、液体 シンチレーションの計数により測定し;その有機相の100μlサンプルを、20ml のシンチレーション・バイアルに移し、そして乾燥に供し、そしてシンチレーシ ョン液(3〜5ml)を、そのバイアルに添加する。このサンプルの放射能を、“ マイナス−酵素”又は“マイナス−LPA”放射能を差し引いた後、LPAAT−触媒反 応において形成されたPAの量、そしてそれ故、LPAAT活性の量の凡その指標とし て採用する。 上記測定は、有機抽出物中の非−PA放射能の存在のために概算である。この非 −PA放射能は、(その調製において使用される元の放射性脂肪酸中の不純物に起 因する)アシル−CoA中の特定の不純物と一緒に有機相内への少量の放射標識さ れたアシル−CoA基質の分配から生じ、そしていずれかの遊離の脂肪酸は生じる かもしれないアシル−CoAの加水分解から生じる。 LPAAT活性のより正確な推定は、TLCによるこれらの汚染物からのPA生成物の分 離により得られることができる。残った有機相を、シリカTLCプレートに適用す る。上行クロマトグラフィーを、溶媒混合物クロロホルム/ピリジン/88%ギ酸 (50:30:7,v/v)を使用して50分間行う。このプレートを乾燥させた後、 放射能の分布を、可視化し、そしてAMBIS放射分析画像形成装置(AMBIS System Inc.,San Diego,California)を使用して定量する。標準脂質 成分の事前適用から、PAのRfは既知である。PAスポットに会合する放射能を、 そのプレート上にロードされた検定サンプルの全放射能のパーセンテージとして 、表す。この比は、PA生成物を表すシンチレーション・カウントの比率の指標を 提供し、そしてそのカウントを補正して、その検定において形成された全PA放射 能を得るために使用されることができる。 所定のLPAAT酵素源について、LPAAT活性に対するインキュベーション時間及び サンプル濃度の効果を、その検定結果(PA放射能)がLPAAT活性の線形計測を提 供するような条件を規定するために、決定する。次に、その後の検定を、上記の 決定された限界内で行う。 B.可溶化後のLPAAT活性についてのアッセイ 以下に記載するような植物膜からのLPAATタンパク質の可溶化の後、上記検定 条件の修飾が、最大LPAAT活性を検出するために必要とされる。これは、その可 溶化されたLPAATが少なくとも1のカラム上でクロマトグラフィーにかけられた 後に、特に重要である。この検定についての重要な修飾は、その検定手順の開始 における、ガラス・バイアル内の20μlのLPAAT−含有サンプルへの1μlの濃 リン脂質(PL)溶液の添加である。可溶化されたLPAAT調製物中の、高濃度のCHA PS(少なくとも1w/v%)及びNaCl(典型的には、0.5M以上)は、上記リン脂 質の分散を助ける。リン脂質溶液は、均質な懸濁液が得られるまで、0.5(w/ v)%のCHAPS(3−〔(3−クロラミドプロピル)−ジメチルアンモニオ〕−1 −プロパン−スルホネート)中50mg/mlにおける粗大豆リン脂質(大豆からのL −ホスファチジルコリン、Sigma Chemical Company,St.Louisから得られた“T ype IVs”)を音波処理することにより得られる。合成リン脂質(単独又は組合 せにおけるホスファチジル・コリン、 イノシトール、又はエタノールアミン)、及び七面鳥卵黄リン脂質調製物は、粗 大豆材料を超える有意な改善を提供しない。 アシル−CoA基質を除く、(上記のような)残りの検定成分を次に、219μlの 混合物として添加する。この添加により、CHAPSとNaClを、酵素活性を妨害しな いが、その溶液が、そのリン脂質が分散されたままであることを示す濁ったよう にならないレベルまで、希釈する。放射標識されたアシル−CoA(10μl、又は先 に示したような適当に調整した容量)を添加して、LPAAT−触媒反応を開始させ、 そして検定手順の残りを、上記のように行う。 上記の検定におけるリン脂質の添加タイミングの効果を、以下の表1中に示す : これらの結果は、リン脂質の刺激作用は、それらが他の検定成分の添加による CHAPS及びNaCl濃度の希釈に先立って、その検定手順の開始においてLPAAT調製物 に添加されるときに、最大であることを示す。この希釈後、又は分配混合物(ク ロロホルム/メタノール、等)の添加直前のリン脂質の添加は、より有効性が低 く又は無効である。 リン脂質添加の上記順番がLPAAT酵素又はリン脂質にとって、より重要である かどうかを決定するために、精製されたLPAAT調製物(赤120アガロース及びヒド ロキシアパタイト・カラム、以下の実施例5、上で順番に精製されたS3調製物) が、インキュベーション の開始直前に添加されるような第2の実験を行う。この実験においては、リン脂 質を、まず、可溶化バッファーと混合し、そしてその後、LPAAT活性の添加前に 検定成分で希釈する。 これらの結果は、インキュベーションの直前のLPAAT調製物の添加により得ら れた活性が、それらのリン脂質が検定の開始に添加されたときに得られたものと 同一であることを示す。それ故、高CHAPS及びNaCl濃度にそれらを晒すことにお ける、リン脂質の処理は、LPAATのそれらの活性化を得るために決定的である。 その最終LPAAT活性は、使用されるリン脂質濃度に依存し、20μgリン脂質/検 定まで増加され、そして20〜50μgリン脂質/検定の間変化せずに残る。リン脂 質濃度に対するこの依存性は、S3濃度から独立している。これらの観察を、図1 中に要約する。 可溶化され、そしてカラム−クロマトグラフィーにかけられたココナッツLPAA T調製物に関連する以下の実施例1においては、その検定データは、大豆リン脂 質の使用を含む本修飾検定法を参照する。 最大活性を得るためにこの方法で可溶化されたbayの長鎖LPAATを活性化するこ とはできず;リン脂質がそのbay検定に含まれるとき、別の反応が生じ、18:1 −CoAからTLCによりLPAAT生成物(PA)から区別されることができる、他の生成 物に放射標識されたアシル基を逸脱させる。 実施例2 LPAAT活性をもつ無細胞ホモジェネート及び膜画物の調製 A.ココナッツLPAAT ココナッツ(ココス・ヌシフェラ(Cocos nucifera))を、地域のスーパーマーケ ット・ストアから得る。LPAAT活性の最大収率のために、ひじょうに薄い茶色又 は白い内果皮(外側の“外皮(shell) ”)をもつ“緑”という未熟ココナッツを使用する。ココナッツの内果皮を、突 き刺し、そして内部中空内の“乳(milk)”液体を、排出させ、そして廃棄する 。次に、このココナッツを、その内果皮の内側にライニングする白い内乳組織を 切開し、そして採取することができるように、断片まで割る。内乳と内果皮の間 の茶色の種皮(testa)を除去し、そして廃棄し、そして内乳を、液体窒素中に沈 めることにより冷凍し、そして将来の使用のために−70℃において保存する。以 下に記載するような典型的な調製においては、24gの組織を、処理する。個々の ココナッツは、内乳の成熟度、そしてそれ故、得ることができるLPAATの収量に 関してかなり変動することができるので、この内乳は、24gの規模の調製を開始 する前に、そのLPAAT含量を評価するためにサンプル採取されることができる。 このようなサンプリングは、直径約1インチの、その内果皮内の孔を切断するこ とにより、達成されることができる。得られた内乳のディスクは、その種皮及び 内果皮から切開され、そして以下に記載するように処理される。但し、16mlの抽 出バッファーを、2gの粉末内乳サンプルの分析のために使用する。 冷凍されたココナッツ内乳組織を、えきたい窒素中で、スチールの乳鉢及び乳 棒内での衝撃粉砕により粉末にする。24gの組織からの粉末を、0〜4℃におけ る144mlの抽出バッファーに添加し、そしてその混合物を、ポリトロン(Polytro n)組織ホモジェナイザーとブレンドして、無細胞ホモジェネートを作る。抽出 バッファーは、50mM HEPES-NaOH(pH7.5),3M NaCl,10mM EDTA,10mM DIECA( ジエチルジチオカルバミン酸、ナトリウム塩)、100μM Pefabloc(Sigma Chem ical Co.又はBoehringer Mannheimから入手可能なプロテアーゼ阻害剤)、1μ Mロイペプチン(leupeptin)、0.1μMペプスタチンA(pepstatin A)、5mM β −MEを含む。その後 の段階の全てを、4℃において行う。 このホモジェネートを、抽出バッファーで水和した4層のチーズクロスを通し て濾過する。残った固形物を、そのチーズクロス内に包み、そしてそのチーズク ロスを、より多くの液体を抽出するためにしぼる。次にこのチーズクロスを広げ 、その固形物を、48mlの抽出バッファーで水和させ、そしてそのチーズクロスを 再びしぼる。得られた濾液を、30分間、12,000×gにおいて遠心分離する。得ら れたサンプルは、両方廃棄される浮かんだ脂肪の浮葉(fat pad)及びペレット、 並びに上清画分(S1)を含む。この上清画分を、抽出バッファーで水和されてい るミラクロス(Miracloth)(Calbiochem;La Jolla,CA)を使用して、残りの固 形物を除去するために濾過する。次に、このS1画分を、バッファーを一回交換し て、4リッターの透析バッファー(50mM HEPES−NaOH pH7.5,1M NaCl,5mM β−ME)に対して一夜透析する。12,000〜14,000の分子量カットオフをもつ透析 膜を使用する。次に、透析されたS1材料(DS1)を、30分間12,000×gにおいて 遠心分離し、そしてその上清画分を、バッファーで水和させたミラクロスを通し て再び濾過する。 次にDS1上清を、2時間、100,000×gにおいて遠心分離する。得られたサン プルは、亜細胞(sub cellular)膜を含むペレット化された画分(P2)、並びに 廃棄される上清画分を含む。残りの上清画分を、その遠心分離管から排液し、そ して紙ティシューによりこすることによりそのP2画分から除去する。 P2バッファー(100mM HEPES−NaOH(pH7.5),200mM NaCl,20%グリセロール( w/v)、10mM EDTA,5mM β−ME)を、この混合物が研磨用ガラス・ホモジ ェナイザーに移され、そしてホモジェナイズされるとき、そのホモジェネートの 全容量が2.5mlになるであろうように、P2ペレットに添加する。このP2ホモジェ ネートを、ア リコートに分割し、液体窒素中で冷凍し、そして将来の使用のために−70℃にお いて保存する。 B.カリフォルニア・ゲッケイジュ(California bay)LPAAT 発育中のCalifornia bay(ウンベルラリア・カリフォルニカ(Umbellularia cal ifornica))種子の未熟子葉からのP2膜ホモジェネートを、以下に注記することを 除き、本質的に上記のように調製する。これらの種子を、切開し、そして薄緑の 子葉を取り出し、液体窒素中で冷凍し、そして−70℃において保存する。冷凍ba y組織を、上記のように液体窒素中で粉砕する。典型的には、20gの粉末胚組織 を、200mlの最終容量における修飾抽出バッファー(100mM HEPES−NaOH pH7.5, 3M NaCl,10mM DIECA,100μM PMSF(フェニルメチルスルホニル・フルオ リド)、1μMロイペプチン、0.1μMペプスタチンA)を用いてホモジェナイズ する。このホモジェネートを、15分間、10,000×gにおいて遠心分離し、浮かん だ脂肪の浮葉及びペレットであって両者廃棄されるもの、並びに上清画分(S1) を得る。 このS1画分を、90分間100,000×gにおいて遠心分離し、上清画分とペレット (P2)を得る。亜細胞膜を含むP2ペレットを、約30mlの修飾抽出バッファー中に 再懸濁させ、そして90分間、100,000×gにおいて再び遠心分離する。得られた ペレット(P3)を、約2mlの修飾P2バッファー(100mM HEPES−NaOH(pH7.5),200 mM NaCl,5%グリセロール(w/v)、10mM EDTA)中に再懸濁させる。次にこ の懸濁液を、アリコートに分割し、液体窒素中で冷凍し、そして将来の使用のた めに−70℃で保存する。 C.ナタネ LPAAT 発育中のナタネ(ブラシカ・ナプス(Brassica napus))種子の未熟胚からのP2膜 ホモジェネートを、以下に注意することを除き、本 質的に上記のように調製する。未熟Brassica種子を、生育チャンバー及び温室内 で栽培した植物から収穫する。この胚を、未熟種子から切開し、そして液体窒素 中で冷凍する。約1.66gのBrassica胚を、冷却した乳鉢及び乳棒を使用して8ml の修飾抽出バッファー中で粉砕する。少ない出発組織を使用するので、このホモ ジェネートはチーズクロスを通して濾過しないが、50分間、100,000×gにおい て遠心分離する。次にこの上清画分(S1)を、2時間、100,000×gにおいて遠 心分離し、そして得られた膜含有P2ペレットを、0.25ml修飾P2バッファー中に再 懸濁し、液体窒素中で冷凍し、そして将来の使用のために−70℃で保存する。 実施例3 無細胞ホモジェネート及びP2膜調製物中のLPAAT活性の特徴付け A.酵素活性 ココナッツ、ゲッケイジュ、及びナタネの無細胞ホモジェネート及びP2膜調製 物の全てが、実施例1A中に記載したアッセイにより測定されるようなLPAAT活性 を示す。LPAAT活性は、検定インキュベーション時間に依存し、そして酵素触媒 について予想されるような、基質及びP2調製物の濃度に伴って変化する。PAとの その反応生成物との同一性の確認は、(商業的に入手可能な、例えば、ガラガラ ヘビ(Crotalus atrox)毒から精製された)ホスホリパーゼA2と共にその生成物 をインキュベートすることにより得られることができる。放射能は、TLC上遊離 の脂肪酸として移動する形態に変換される。ホスホリパーゼA2がPAのsn−2ヒド ロキシル置換基における脂肪アシル基を除去するので、この結果は、この放射性 LPAAT生成物が、sn−2位において放射標識されたPAであることと矛盾しない。 B.基質特異性 トリアシルグリセロール(種子油)生合成に関係するLPAAT活性 は、(ときどき“ミクロソーム”といわれる)細胞質の小胞体膜に会合しており 、ドナー基質としてアシル−ACPsよりもアシル−CoAsを好む。アシル−ACPとア シル−CoA基質の両方を利用することができる機能的に類似の酵素が、植物色素 体中に存在する(Harwood,in Crit.Rev.Plant Sci.(1989),vol.8,pp.1 −43)。このココナッツP2調製物は、12:0−CoAの代わりにLPAATドナー基質と して12:0−ACPを利用しないであろう。これは、ココナッツP2調製物が、種子 油生合成に適当なLPAATの細胞質型を含むことを示している。同一の検定が、12 :0−ACPがP2調製物により加水分解されないことを示し、これは、ココナッツL PAATによる12:0−ACP利用の欠如が加水分解による12:0−ACPの消費の結果で はないことを立証する。同様に、上記ゲッケイジュP2調製物は、18:0−CoAの 代わりにLPAATドナー基質として18:1−ACPを有意に利用しないであろう。従っ て、このゲッケイジュP2調製物も、種子油生合成に適当なLPAATの小胞体型を含 む。 リゾホスファチジルコリン(LPC)アシルトランスフェラーゼ(LPCAT)は、保存油 の代わりに膜脂質(ホスファチジルコリン及びその誘導体)の生合成に関連する 、LPAATに類似する酵素である。LPAAT検定において測定される活性が真のLPAAT ではないが、むしろLPAAT基質に対するLPCATの無効作用である可能性が、LPCAT の直接検定によりテストされることができる。例えば、12:0−CoA+12:0−A CPの基質組合せを用いたココナッツP2調製物のLPAAT活性は、容易に計測される ことができ、一方、基質12:0−CoA+12:0−LPCを用いた同一調製物のLPCAT 活性は、検出されることができない。これは、計測された中鎖LPAAT活性が、LPA AT酵素に因り、そしてLPCATの無効な副反応に因らないことを示している。基質 の全てが、18:1アシル基をもつとき、LPAAT及びLPCATアッセイ (P2調製物)における活性は、かなりの大きさをもつ。長鎖基質に対する活性は 、LPA及びLPCアクセプター基質を使用することができる単一のマシルトランスフ ェラーゼ酵素、又は共に存在する別個の“長鎖”LPAAT及びLPCAT酵素のいずれか を表すことができる。 C.鎖長特異性 P2膜調製物のLPAAT活性を、ドナー及びアクセプター基質についての鎖長の好 みに関してさらに特徴付けする。以下の表2は、ココナッツ、ゲッケイジュ、及 びナタネからのP2膜調製物のLPAAT活性の結果を表す。LPAAT活性は、そのアクセ プター基質を12:0−LPAに一定に保って、さまざまなアシル−CoAドナー基質を 使用して計測する。 ココナッツLPAAT活性は、12:0含有ドナー基質についての劇的な好みを示し 、そしてまた追加の中鎖ドナー・アシル−CoA基質(10:0−及び14:0−含有 アシル−CoA基質)を容易に利用する。 ゲッケイジュLPAAT活性は、12:0−LPAがアクセプター基質であるとき、中鎖ア シル−CoA基質(8:0−,10:0−及び12:0−含有)についての好みを示す 。ナタネLPAATは、先の特徴付けと同意して、12:0−LPAがアクセプターである とき、18:1ドナーを好む。 同様のアシル−CoAの好みが、そのアクセプター基質として18:1−LPAを用い てココナッツLPAAT活性を検定したときに観察される。しかしながら、12:0−L PAと18:1−LPAについての基質動態における差異のために、単一のアシル−CoA ドナー基質を使用する異なるアクセクター基質についてのLPAAT活性の直接的な 比較を、行うことは困難である。 以下の実施例中、“中鎖”LPAATとは、12:0−CoA及び12:0−LPA基質を用 いて検定された活性をいい、そして“長鎖”LPAATとは、18:1−CoA及び18:1 −LPA基質を用いて検定された活性をいう。 D.他の特性 ゲッケイジュP2膜調製物を使用して、多くの洗剤が、そのアッセイに含まれる とき阻害性であることが判明した。例えば、ゲッケイジュP2調製物における長鎖 LPAAT活性(基質として18:1−CoA及び18:1−LPA)は、0.1%(全ての濃度をw /vとして表す)オクチル・グルコシド、0.002% SDS(ドデシル硫酸ナトリウ ム)、0.005% Zwittergent 3−14(Calbiochem),1% Tween20又はBrij 35 ,0.03% Triton X100、及び0.1%デオキシコール酸ナトリウムにより完全に阻害 される。これよりも高濃度にP2調製物を晒すことは、酵素−プラス−洗剤混合物 が、許容されるレベルまでその洗剤濃度を減少させるために、検定前に希釈され る限り、酵素活性の永久損失を伴わずに可能である。例えば、ゲッケイジュP2調 製物 は、その調製物が下記洗剤濃度を(それぞれ、0.025,0.01,0.002と0.05%まで )減少させるために検定前に希釈される限り、活性の完全な損失を伴わずに、1. 25% Brij35,0.5%オクチル・グルコシド、0.1% TritonX-100、又は2.5% Twe en20への1時間の暴露に供されることができる。 以下の実施例中に記載するような、可溶化のために使用される洗剤CHAPSは、0 .1(w/v)%を上廻る濃度におけるココナッツ中鎖LPAAT検定において阻害性 である。従って、CHAPS−可溶化LPAATは、0.1%以下にCHAPS濃度を減少させるた めに希釈後に検定されなければならない。より高いCHAPS濃度、例えば、0.5(w /v)%にココナッツP2調製物を事前に暴露することは、その希釈が検定前に行 われる限り、ほんの部分的なLPAAT活性の損失(本実施例においては50%)をも って可能である。本検定において許容されることかできるよりも高い洗剤濃度の 許容性の上記現象は、可溶化条件についてのスクリーニングのための基礎を提供 する。 ココナッツP2中鎖LPAAT活性は、その検定系中の0.1mMのCoA,2mMアデノシン −5′−3リン酸、又は60μMリゾホスファチジルコリンにより影響されない。 ゲッケイジュP2調製物の長鎖LPAAT活性は、検定におけるpHに伴って変化し、p H6〜10の間で検出可能であり、pH7〜9の間で高く、そしてpH8において最大 である。ココナッツP2調製物の中鎖LPAAT活性も、その検定が、(0.5のpH増加に おいて)pH 6.5〜8.5の間にレンジにあるとき僅かな変化を示し、そしてpH8.0に ついて僅かな好みが在る。 実施例4 LPAAT活性の可溶化 A.ココナッツ中鎖及びゲッケイジュ長鎖LPAATs 全ての段階を、0〜4℃において行う。冷凍ココナッツP2調製物 を解凍し、そして0.94mg/ml P2タンパク質のタンパク質濃度を達成するように 一定容量のP2バッファー中で希釈する。タンパク質濃度を、ウシ血清アルブミン 標準に対するCoomassie染料染色により測定する。次に、P2膜懸濁液を、等容量 の可溶化バッファー(50mM HEPES−NaOH pH7.5,1.87M NaCl,20(w/v)% グリセロール、4.5(w/v)CHAPS,100μM Pefabloc,1μMロイペプシン 、1μMペプスタチンA、及び5mM β−ME)で希釈し、1M NaCl,2.25(w /v)%洗剤、及び0.47mg/mlタンパク質の最終濃度をもたらす。これらの成分 濃度、及び得られた48/1(w/v)の洗剤/タンパク質化が、最適な可溶化の ために重要である。次に、この調製物を、場合により、緩やかに撹拌しながら30 分間氷上でインキュベートし、その後、2時間252,000×gにおいて遠心分離す る。得られた上清画分(S3)を、バッファー−水和のミラクロスを通して濾過し 、そして次に、ほんの僅かな活性損失を伴って(−70)冷凍保存することができ る。場合により、それは、冷凍−解凍に介在せずにクロマトグラフィー・カラム に適用される。 ゲッケイジュP2膜サンプル中のゲッケイジュ長鎖LPAAT活性が、同じやり方で 可溶化され、その可溶化バッファーCHAPSとNaCl濃度は、それぞれ、4(w/v )%と1Mであり、そして洗剤/タンパク質比は、58/1(w/v)である。 洗剤BIGCHAP(N,N−ビス〔3−D−グルコンアミドプロピル〕−コーラミド )が、最終混合物中のBIGCHAP濃度が4(w/v)%であり、そしてP2調製物の大 きな部分が、洗剤/タンパク質比が変化ないように使用される限り、ゲッケイジ ュ−又はココナッツLPAATのいずれかの可溶化においてCHAPSの代わりに用いられ ることもできる。 B.可溶化についての証拠 “可溶化”とは、それがその後に、膜会合ではない酵素に典型的なやり方で振 舞うような方法で、P2調製物中に存在する膜からLPAAT酵素を抽出することをい う。LPAAT活性の可溶化についてのテストにおいて、以下の可溶化の指標を考慮 する: 1)LPAAT活性は、P2膜を沈降させるために使用されるものと同じか又はより 大きな重力の高速遠心分離により沈降されない。 2)LPAAT活性は、あたかもそれが、膜会合でない酵素に典型的な生来の分子 量をもつように、サイズ排除クロマトグラフィー・カラム上で移動する。 3)LPAAT調製物中に存在するタンパク質は、カラム・クロマトグラフィーに より互いに少なくとも部分的に分離されることができるであろう。 LPAAT活性をもつココナッツ及びゲッケイジュS3サンプルの調製は、元のP2材 料を調製するために使用された(100,000×g)よりもかなり大きな重力(252,000 ×g)における遠心分離を含む。LPAAT活性の(79%までの)実質的な部分が、 得られた上清画分(S3調製物)中にあり、これにより、可溶化の第1の指標が満 たされる。 図2〜4は、適用されるLPAAT調製物の組成に適当なオン−カラム条件を使用 した、ゲッケイジュ長鎖LPAAT活性のサイズ排除クロマトグラフィーを示す。最 初のグラフ(図2)中に示すように、ゲッケイジュP2調製物のLPAAT活性は、極 めて高い分子量をもつ溶質のやり方で、Sephacryl S400サイズ排除カラムを通過 する。カラムを換算するための高分子量染料の使用は(“ブルー・デキストラン ”と記された点線により示されたピーク)、P2 LPAAT活性が、カラムの細孔ビー ズ内に入らずに、すなわち、“排除”又は“空隙”容量内を、移動することを示 す。これは、膜断片と会合した酵素活性に典型的である。第2のグラフ(図3) は、Hares and Frentzen( Planta(1991)185:124-131)により公表された、エンドラマメ・シュートLPAAT のための“可溶化”手順に従って、P2材料から調製したゲッケイジュ長鎖LPAAT のSephacryl S400の振舞いを示す。この手順は、遠心分離に基づく第1の指標に 従ってゲッケイジュ胚LPAATを可溶化する。しかしながら、それは、サイズ排除 カラム上で低分子量のタンパク質としてのクロマトグラフィーを与える有意なLP AAT活性を導かない。活性のほとんどは、膜断片に特徴的なひじょうに高い分子 量をもってそのカラムから溶出し続ける。この観察は、遠心分離の基準単独は、 可溶化のための不十分な証拠であることを説明するのに役立つ。 反対に、ゲッケイジュS3調製物のLPAAT活性は、図4中に示すように、サイズ 排除カラムを通ってより遅く移動し、そしてより大きな容量のバッファーが通過 した後に現れる。(図示実施例中、Superose6カラムが、12〜200KDaレンジ内の タンパク質のより細かな分離を可能にするために、使用される。)この振舞いは 、膜断片を会合しない、そのタンパク質分子が遊離溶液中にある酵素に典型的で ある。(グラフ上点線により示される)テスト目的のために使用されるさまざま な酵素の溶出容量から、そのカラムを換算し、そしてS3調製物のLPAAT活性があ たかもそれが80KDaの凡その分子量をもつ球状タンパク質であるかのように振舞 うと結論付けることができる。膜に会合しないほとんどの酵素が20〜100KDaのレ ンジ内の分子量を有するので、この“見掛け分子量”は、LPAATが可溶化されて いるという結論と矛盾しない。酷似した結果が、その見掛け分子量が44〜50KDa と推定されることを除き、(中鎖活性を検定する)ココナッツS3調製物を用いて 得られる。 SDS−PAGE(ポリアクリルアミド・ゲル電気泳動)によるココナッツ調製物の このようなサイズ排除クロマトグラフィーからの溶出 画分のタンパク質組成の検査は、多くのタンパク質が存在することを示す。しか しながら、画分がLPAAT活性ピークの1端から他まで調べられるとき、その組成 は変化する。このようなタンパク質分画は、P2膜がそれらの個々の脂質及びタン パク質構成成分に分散されない、すなわち、可溶化されない場合には、不可能で あろう。タンパク質分離のさらなる証拠が、精製についての章における以下の実 施例におけるように、S3調製物への他のタイプのクロマトグラフィーの適用から 得られる。さらに、追加のクロマトグラフィーにより、LPAAT酵素のための候補 タンパク質として個々のタンパク質を認識することができる。この観察は、LPAA Tタンパク質それ自体が、その可溶化手順においてその膜から解離されたものの 中にあるという証拠を提供する。 C.可溶化ココナッツLPAATの特性 可溶化手順の、CHAPS及びNaCl濃度、及び洗剤/タンパク質化(D/P,w/ w)を変化させることは、P2調製物からP3調製物への(すなわち、上記遠心分離 基準により規定される可溶化に基づく)ココナッツ中鎖LPAAT活性の変換の程度 を変化させることをもたらす。図5は、(1M NaClにおける)CHAPS濃度及び 洗剤/タンパク質化(D/P,w/w)の効果を要約する。1M未満に可溶化Na Cl濃度を低下させることは、S3 LPAAT活性の形成を減少させる(図中にデータを 示さず)。日常的な可溶化条件は、最大効果(2.25w/v%)、及び最大有効D /P比(48/1 w/w)について最小CHAPS濃度を選択することにより選ばれ る。 基質特異性の再検査は、可溶化及びリン脂質活性化後、ココナッツLPAAT(S3調 製物)が、元のP2活性と同一の、中鎖アシル−CoAsについてのみ好みをもつこと を示す。また、アクセプター基質としての妥当な、12:0−LPA及び18:1−LPA の使用が保存される。異 なるアシル−CoA基質を使用する、可溶化(S3調製物)及びPLsによる再活性化後 のココナッツ中鎖LPAAT活性の検定は、以下の結果を提供する(表3)。これら の検定の全てにおいて、アクセプター基質は、12:0−LPAである。 P2膜活性と上記結果を比較すると、PL−再活性化、可溶化(S3)活性が中鎖ア シル−CoAsについての好みを保持していることがわかる。 10mMまでのEDTA濃度の増加は、ココナッツS3調製物のLPAAT活性に影響を及ぼ さない。1mM Mg2+,Mn2+、又はCa2+の添加も、有意な効果をもたないが、その 活性は、これらのイオンが10mMにおいて添加される場合、50%以上程減少される 。検定系からのβ−MEの省略は、約50%未満のLPAAT活性をもたらし、そして5m Mを上廻る濃度も、活性を減少させる。7.7から6.5への検定pHの低下は、約20% のLPAAT活性の損失をもたらす。8.0までのpHの上昇は、ひじょうに僅かな活性の 増加をもたらし、これは、そのpHがさらに8.5まで上昇するとき、再び減少する 。それ故、最適pHは8.0であるが、 アシル−CoAsの非酵素的加水分解を最小化するために7.5が日常的に使用される 。NaClの検定濃度が100mMと200mMの間出変化するとき、活性における僅かな変化 が在るが、活性は、そのNaCl濃度が200mMを上廻って上昇するとき急激に低下す る。活性は、5%と15%(w/v)の間の検定におけるグリセロール濃度におけ る変化に対して鈍感である。 NaClを除去するためのココナッツS3調製物の一夜の透析は、LPAAT活性の半分 の損失をもたらす。サイズ排除カラムを使用した当量のNaClの除去は、全活性損 失をもたらす。4℃における保存の間のココナッツS3調製物の安定性は、一旦、 それがリン脂質で活性化されると、かなり改善される。 実施例5 ココナッツ中鎖LPAATの精製 ココナッツS3調製物の全タンパク質含量に対するLPAAT活性の実質的な精製は 、以下のような、赤120アガロース及びヒドロキシアパタイトのカラム上での逐 次的クロマトグラフィーにより得られることができる。以下の段階は、LPAAT活 性の最適回収のために0〜4℃において行われる。 A.赤120アガロース(Red 120 Agarose)クロマトグラフィー S3調製物を、他の条件の全てを同一にしながら、1.125(w/v)%までCHAPS濃 度を減少させ、0.5MまでNaCl濃度を減少させるために希釈される。それを、次 に、50mM HEPES−NaCl pH7.5,20(w/v)%グリセロール、1(w/v)%CH APS,0.5M NaCl,5mM β−MEを含むランニング・バッファー中で前平衡され た赤120アガロース(Sigma Chemical Co.,St.Louis)の2.5cm(直径)×2cmカ ラムに0.5ml/分において適用する。3ml容量の画分を採取する。図6中に示す ように、LPAAT活性は、(Coomassie染料方法により検定された)かなりの非−LP AATタンパク質を通過させながら 、そのカラムにより保持される。 LPAAT活性は、NaCl濃度が2.5Mに調整されたランニング・バッファーを適用す ることにより溶出される。タンパク質の鋭いピークは、その溶出された活性を同 伴する。この手順からのLPAAT活性の回収は、典型的には、100%に近く、そして 、典型的には、ココナッツLPAAT S3調製物の85%が除去される。 B.ヒドロキシルアパタイト・クロマトグラフィー 2.5M NaClを含むバッファー中の、上記赤カラムからのLPAAT−活性画分を、 プールし、そして50mM HEPES−NaOH pH7.5,20(w/v)グリセロール、1(w /v)% CHAPS,1M NaCl,5mMβ−MEを含むランニング・バッファーにより 前平衡化された1.5cm(直径)×5.7cm HA(ヒドロキシルアパタイト(hydroxyla patite))に適用する。流速を再び0.5ml/分とし、そして2ml容量の画分を採 取する。そのサンプル中の本質的に全てのタンパク質及びLPAAT活性が、上記カ ラムに結合される。LPAAT活性及び結合タンパク質は、上記ランニング・バッフ ァー中の線形、0〜100mMホスフェート濃度勾配による溶出により実質的に分離 される。これらの結果を図7に示す。 このカラム上の活性の回収は、典型的には、60〜70%である。LPAAT活性画分 をプールし、そして液体窒素中で冷凍した後−70℃で保存する。この活性プール は、さらなる精製実験のための出発材料を形成する。サイズ排除クロマトグラフ ィーによるこの調製物の分析は、LPAAT活性が、未だ、あたかも44〜50KDaの見掛 け分子量の球状タンパク質であるように、振舞うことを示す。これは、上記赤及 びHAカラムを通しての部分的精製が、LPAATと、それ自体又はその調製物中の他 のタンパク質との有意な会合のいずれをもしたらさず、そしてそのLPAATタンパ ク質の可溶化された状態を危険にさら さないことを示す。 この2−カラム手順の典型的な適用においては、最終ココナッツLPAAT調製物 は、S1活性の17%及びS1タンパク質のたった0.4%を含む。これは、S1調製物に 対してLPAATの40倍の精製を表す。 上記赤+HAカラム・シーケンスからのココナッツLPAAT活性は、未だ、ドナー 基質として18:1−CoAよりも12:0−CoAを好み、そして未だ、アクセプター基 質として12:0−LPA及び18:1−LPAを利用するであろう。それは、未だ、検定 NaCl濃度が200mMを超えて上昇するときに、減少し、そして最小損失を伴って冷 凍及び解凍を許容する。 実施例6 ココナッツLPAATタンパク質の同定 A.ヒドロキシルアパタイト・カラムからのLPAATのSDS PAGE分析 HAカラムから得られたLPAAT調製物のタンパク質組成を、SDS−PAGEにより分析 する。SDS−PAGEによるP2,S3、又は部分的に精製されたS3調製物のタンパク質 組成の可視化は、サンプルが、ゲルへのローディング前にSDS含有PAGEサンプル ・バッファー中で煮沸されないことを要求する。SDS−PAGE分析は、濃縮されたL PAAT調製物中の多数のタンパク質種の存在を現す。このタンパク質組成は、S1調 製物のものに比べて単純化されているけれども、LPAAT活性に対応するタンパク 質(単数又は複数)を同定するために追加のクロマトグラフィーが必要である。 B.12:0−CoAマトリックス上でのLPAATクロマトグラフィー 残ったタンパク質の有用な分離は、固定化12:0−CoA基質(非標識)を含ん で成るマトリックス上でのクロマトグラフィーにより得られる。このカラム・マ トリックスは、6−アミノヘキサン酸Sepharose 4Bの遊離カルボキシル基に12: 0−CoAのCoA部分のアミノ基を付着させることにより調製される。このSepharos e誘導体、 カップリング手順、及び他の必要な試薬は、Sigma Chemical Company(St.Louis )から得られる。3.9mg/湿ビーズ容量mlのカップリング12:0−CoAの密度を達 成することができる。1cm直径カラムであって、2mlの12:0−CoAマトリック スを含み、そして50mM HEPES−NaOH pH7.5,20(w/v)%グリセロール、1( w/v)%CHAPS,0.4M NaCl,5mM β−MEを含むランニング・バッファーで 、0.2〜0.5ml/分において平衡化した。 上記赤及びHAカラムからのクロマトグラフィーにより調製されたLPAAT調製物 を、NaClを欠くランニング・バッファーで希釈し、そのNaCl濃度を0.4Mまで下 げ、そして上記12:0−CoAカラムに適用する。2ml容量の画分を採取する。図 8中に示すように、少量のLPAAT活性が、ローディング段階の間に現れる。しか しながら、LPAAT活性の大部分は、そのカラムに結合されており、そしてランニ ング・バッファー中での線形0.4〜2M NaCl勾配の適用により、その後に溶出 されることができる。典型的には、ロードされた活性の50〜60%が、このNaCl− 溶出ピーク中に回収される。この実験が、12:0−CoAを欠く6−アミノヘキサ ン酸Sepharose 4B支持体を用いて繰り返される場合、その活性のほとんどが、ロ ーディング溶出液中に現れる。 C.12:0−CoAカラムからのLPAATのSDS PAGE分析 SDS−PAGEによる12:0−CoAカラムから溶出された画分の分析及び銀染色は、 タンパク質のかなりの分離が達成されたことを示す。ローディング及び洗浄画分 7と10(図8)は、ロードされたサンプルに比較して複雑なタンパク質組成物を 含む。塩溶出画分29〜36(図8)は、2つの顕著な成分バンド及び6〜7のより 量の少ないものにより示されるように、より簡単なタンパク質組成物を含む。い くつかのひじょうに微量の成分も、このサンプル中に検出される ことができる。このような材料のタンパク質組成は、1のココナッツ調製物から 他のものへ、いくぶん変化するが、12:0−CoAカラムを用いて得られたかなり の精製は、再現性のあるものである。さらに、SDS−ポリアクリルアミド・ゲル 上、27〜29KDaの凡その分子量をもつ(すなわち、31KDaのマーカーのタンパク質 よりもゲル中を僅かに速く移動する)タンパク質に対応するバンド又はバンド対 は、画分32と33中、強度において最も顕著である。また、これらの画分は、最大 LPAAT活性を含む。27〜29KDaバンドは、一貫して、調べられたさまざまなココナ ッツ12:0−CoAカラム・サンプル中でのLPAAT活性と共に走る。これは、27〜29 KDaタンパク質(以下“29KDa”タンパク質又は候補タンパク質ともいう)は、LP AAT酵素に一致するという強い証拠である。画分29〜36中の他のタンパク質は、L PAAT活性のピークにおけるものではないような画分中に最も豊富であり、そして それ故、LPAATをほとんど提示しないようである。 D.12:0−CoAマトリックス上での活性化されたLPAATのクロマトグラフィー 上記12:0−CoAクロマトグラフィー方法の修飾において、LPAATは、そのカラ ム上へのローディングに先立つリン脂質の添加により活性化される。さらに、上 記ランニング・バッファーは、リン脂質を含むように修飾される。これらの修飾 により、LPAATは、その実験を通じて活性化形態で維持される。 修飾されたランニング・バッファーを調製するために、380μlの、リン脂質 の洗剤溶液(修飾検定のために記載するような0.5(w/v)%CHAPS中50mg/ml )を、9.5mlのHAカラム・ランニング・バッファーと混合し、そして次にこの混 合物を、50mM HEPES−NaOH pH7.5,20(w/v)%グリセロール、0.44M NaCl ,5mM β −MEを含んで成る90ml CHAPS不含バッファーの添加により希釈する。これは、そ れぞれ、0.1(w/v)%と0.5Mの最終CHAPSとNaCl濃度、並びに可溶化LPAATの 検定のために記載したようなリン脂質濃度をもたらす。酵素希釈バッファーは、 同じやり方でリン脂質を用いて調製されるが、その最終CHAPS及びNaCl濃度は、 それぞれ、0.1(w/v)%と0.46Mである。この希釈バッファーは、12:0−C oAカラム上へのローディングに先立って、HAカラムからのLPAATサンプルを10倍 に希釈するために使用される。 リン脂質の存在中で適用されるとき、少量のLPAAT活性だけが、カラムにより 保持されることに失敗する。次にこの活性は、そのカラムがランニング・バッフ ァーにより洗浄されるとき、低速で溶出されることができる(図9)。ランニン グ・バッファー中の0.1mM12:0−LPA 15mlの適用は、LPAAT活性の単一の大き なピークの溶出をもたらす。2.5M NaClのその後の適用は、追加の検出可能なL PAATを溶出させることができない。 LPAATがローディング前にリン脂質により活性化されず、そしてそのカラムが 先に記載したようなやり方でリン脂質含有バッファーと共に走らされない場合、 12:0−LPA又は18:1−LPAによる12:0−CoAカラムからLPAATを溶出する試み は、不成功であり(又は、ひじょうに小さなピークの活性だけを提供する)。こ れは、LPAATが、それがリン脂質により活性化されるとき、カラムに異なって結 合し、そしてこの結合が、LPAATタンパク質の触媒部位によるそのカラムの12: 0−CoA部分の認識に基づくということを示唆する。次に12:0−LPA溶出は、同 様に、LPAAT触媒部位による12:0−LPA基質の認識から生じるであろう。これら の結合及び溶出現象は、触媒部位に基づく場合、LPAATについて特異的であり、 そしてかなりの精製の見通しを提供することが予測されるであろう。 E.活性化12:0−CoAカラムからのLPAATのSDS PAGE分析 (銀染色を伴う)SDS−PAGEによる溶出された画分の検査は、さまざまなタン パク質が、ローディング溶出液、LPAAT−活性画分、及び2.5M NaCl溶出液中に 存在することを示す。有意に染色された29KDaのLPAAT候補タンパク質は、いくつ かの弱く染色されたタンパク質バンドと共に、LPAAT−活性画分中に見られる。2 9KDaタンパク質は、LPAAT非活性画分中に検出されない。これらの結果は、29KDa タンパク質がココナッツLPAATを提示するという追加の証拠を提供する。 F.追加のクロマトグラフィー分析 多くの他のクロマトグラフィー・カラムが、上記赤+HAカラム配列からの活性 LPAAT調製物中に存在するタンパク質を分離するそれらの能力についてテストさ れることができる。この点で有用であるカラムは、Pharmacia“Mono Q”アニオ ン交換基、Merckチオフィリック(thiophilic)アガロース、サイズ排除カラム 、及びブルー4アガロースを含む。これらのクロマトグラフィー分析の全てにお いて、LPAAT活性は、上記カラムにより保持され、そして約29KDaのSDS−PAGE上 の見掛け分子量をもつタンパク質又はタンパク質対を常に伴って、さまざまな方 法で溶出されることができる。 従って、このクロマトグラフィーによる証拠は、LPAAT活性と、SDS−PAGE上約 29KDaの見掛け分子量をもって移動するタンパク質(単数又は複数)との間の関 係を立証する。この分子量は、サイズ排除クロマトグラフィーにより得られた生 来の酵素についての44〜50KDaの推定値に一致しないけれども、SDS−PAGE上での 変性タンパク質の分子量と、その生来の状態における対応タンパク質の分子量と の間のこのような差異は、一般的である。これらの差異は、生来の状態における ダイマー、テトロマー等へのそのタンパク質分子 の会合、又は、可溶化の間の、限定された数の洗剤分子等の結合から生じること ができる。 実施例7 LPAATアミノ酸配列の決定 A.膜へのLPAATの転移 LPAATは、SDS−PAGE後のニトロセルロース又はPVDF膜への上記赤及びHAカラム ・クロマトグラフィー精製から得られたLPAAT調製物の転移によるアミノ酸配列 の決定における使用のために、さらに精製されることができる。例えば、トリプ ティック消化におけるさらなる使用のために、LPAATタンパク質をニトロセルロ ースに移す。PVDF膜、例えば、Pro Blott CApplied Biosystems;Foster City, CA)及びImmobilon-P(Millipore;Bedford,MA)は、さまざまな方法において優 先的に利用される。例えば、Pro Blottへの転移は、N−末端配列決定方法のた めに有用である。臭化シアン消化からのペプチドの生成のためには、Immobilon −Pが好ましい。 1.ニトロセルロースへのブロッティング:タンパク質がニトロセルロースに エレクトロブロットされるとき、そのブロッティング時間は、典型的には、5〜 20%メタノール中、25mM Tris(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン)、192 mMグリシンのようなバッファー中、1〜5時間である。エレクトロブロッティン グ後、膜を、2分間、1(w/v)%酢酸中の0.1(w/v)%Ponceaus中で染 色し、そして、各交換について2分間、0.1(v/v)%酢酸の2〜3回交換に おいて脱色する。次にこれらの膜を−20℃において、ヒート−シールされたプラ スチック・バッグ内で湿ったまま保存する。時間が許せば、ブロットは冷凍され ないが、以下に記載するようなアミノ酸の決定のためのペプチドを創出のための 消化のために直ちに使用される。 2.PVDFへのブロッティング:タンパク質がImmobilon P PVDF にエレクトロブロットされるとき、そのブロッティング時間は、一般に、20(v /v)%メタノール中25mMトリス/192mMグリシンのようなバッファー中、約1 〜2時間である。PVDFへのエレクトロブロッティング後、膜を、5分間、50(v /v)%メタノール/10(v/v)%酢酸中0.1(w/v)%Coomassie Blue中 で染色し、そして各交換について2分間、50(v/v)%メタノール/10(v/ v)%酢酸の2〜3回の交換において染料除去・脱色(destain)した。PVDF膜 を次に30分間風乾に供し、そして次に−20℃においてヒート・シールされたプラ スチック・バッグ内で乾燥して保存した。PVDF膜、例えば、Pro Blottにブロッ トされたタンパク質を、無傷のタンパク質のN−末端配列を決定するために直接 、使用することができる。Pro Blottにタンパク質をエレクトロブロッティング するためのプロトコールを、以下に記載する。 B.プロテアーゼ消化及びペプチドの分離 ニトロセルロースにブロットされたLPAATタンパク質を、配列決定のためのペ プチドを得るために、プロテアーゼによる消化に供されることができる。使用す る方法は、Aehersold,et al.(PNAS(1987)84:6970)のものである。 LPAAT調製物を、上記のようにニトロセルロースに移す。 上記29KDaタンパク質を提示するバンド、そしてまた、対照として使用される べき等量のブランクのニトロセルロースを、そのニトロセルロース膜から切り出 す。100mM酢酸中0.5%ポリビニルピロリドン(PVP−40,Aldrich,Milwaukee,WI )の1.0mlアリコートを、その膜片に添加し、そしてその混合物を37℃において30 分間インキュベートする。PVP−40を完全に除去するために、ニトロセルロース 片を、分光光度計上214nmにおいてその洗浄水の吸光度をチェックしながら、HPL Cグレードの水で洗浄する(6×3ml)。バンド が、PVP−40処理及び洗浄後まで、小片に切断されない場合、PVP−40は、より容 易に除去されることができる。 PVP−40処理後、膜片を、消化前に小さなチップ(〜1mm×1mm)にミンチす る。次に、このタンパク質を、トリプシン消化バッファー(100mM重炭酸ナトリウ ムpH8.2)中に懸濁させる。アセトニトリルを、5〜10(v/v)%の濃度まで消 化混合物に添加する。トリプシンを、消化バッファー中で希釈し、そして1:10 (w/w)のプロテアーゼ対タンパク質の比において、消化混合物に添加する。 消化物を、37℃において18〜24時間インキュベートする。 一夜のインキュベーション後、消化反応を、10μlの、10(v/v)%トリフ ルオロ酢酸(TFA)又は1μlの、100%TFAの添加により停止させる。消化混合物 中のペプチドを、Applied Biosystems(Foster City,CA)Model 130高性能液体 クロマトグラフィー(HPLC)内に収められたVydac逆相C18カラム(2.1mm×150m m)上で分離する。ペプチドを溶離させるために使用した移動相は:バッファーA :0.1mMリン酸ナトリウム、pH2.2;バッファーB:0.1mMリン酸ナトリウム、pH2 .2中70%アセトニトリル、である。50ml/分の流速における、2時間にわたる10 〜55%バッファーB,5分間にわたる55〜75%バッファーB、及び15分間にわた る75%バッファーBのイソクラティックの3段階グラジエントを使用する。ペプ チドを214nmにおいて検出し、手で集め、そして−20℃で保存する。 他のプロテアーゼを、適当な消化バッファー、例えば、エンドプロティナーゼ glu Cバッファー(25mM炭酸アンモニウム/1mM EDTA,pH7.8)、又はエンドプ ロティナーゼAsp−Nバッファー(0.05M重炭酸ナトリウム、pH7.8)中でLPAATタ ンパク質を消化するために使用することもできる。さらに、バッファー条件、例 えば、温度は、変化してもよく、例えば、エンドプロティナーゼglu C消化は 、室温において行われる。しかしながら、消化、ペプチド分離及び精製のための プロトコールは、トリプシンによる消化のために実質的に先に記載したようなも のである。 C.臭化シアン解裂及びペプチドの分離 臭化シアン解裂を、Promega,Inc.(Madison,WI)からのProbe-Desigu Pept ide Separation Sytem Technical Manual中に記載された方法論を使用してLPAAT タンパク質上で行うことができる。このLPAATタンパク質調製物を、上記のよう にPVDF膜にブロットする。移された29KDaバンドを含む膜の部分を、そのブロッ トから切断し、70(v/v)%ギ酸中の臭化シアンの溶液中に入れ、そして室温 において一夜インキュベートする。このインキュベーション後、臭化シアン溶液 を除去し、プールし、そしてReacti-Vap Evaporator(Pierce,Rockford,IL)を 使用して連続窒素流下で乾燥させ、又はSpeed−Vacを使用して蒸発させる。PVDF からの臭化シアン・ペプチドの追加の溶出を、ペプチド溶出溶媒、例えば、70( v/v)%イソプロパノール、0.2(v/v)%トリフルオロ酢酸、0.1mMリシン 、及び0.1mMチオグリコール酸を使用して、完全な除去を保証するように行うこ とができる。次に、この溶出溶媒を除去し、そして乾燥臭化シアン溶液を含む管 に移し、そして上記のように乾燥させる。この溶出手順を、新たな溶出溶媒を用 いて繰り返すことができる。50μlのHPLCグレードの水を次に、上記乾燥ペプチ ドに添加し、そしてその水を、Speed−Vac(Savant,Inc.,Farmingdale,NY) 内での蒸発により除去する。 agow(Anal,Biochem.(1987)166:368-379)により記載されたものに類似のト リス/トリシンSDS−PAGE系を使用して分離する。ゲルを、約1.5時間又はそのト ラッキング染料がそのゲルの底端から 走り出始めるまで125〜150ボルトの一定電圧において走らせる。ゲルを、転移前 15〜30分間転移バッファー(125mMトリス、50mMグリシン、10(v/v)%メタノ ール)中に前含浸されることができる。ゲルを、50ボルトの一定電圧において2 時間Pro Blott配列決定膜(Applied Biosystems,Foster City,CA)にブロットす る。これらの膜を、Coomassieブルー(50(v/v)%メタノール/10(v/v )%酢酸中0.1%)で染色し、そして3×2分間50(v/v)%メタノール/10 (v/v)%酢酸中染料除去する。膜を、−20℃において保存乾燥される前30〜 45分間風乾する。 Pro Blott上にブロットされたペプチドは、ポリブレン−コートされたガラス 繊維フィルターの付加を伴わずにタンパク質配列のシーケンサー・カートリッジ に直接的にロードされることができる。ペプチドを、Applied Biosystemsにより 供給された、僅かに修飾された反応サイクル、BLOT−1を使用して配列決定する 。また、溶液S3(塩化ブチル)を、S1とS2(n−ヘプタンと酢酸エチル)の50: 50混合物で置換する。これらの2つの修飾を、Pro Blottにブロットされたサン プルを配列決定するときに使用する。 D.タンパク質及びペプチドのN−末端配列決定 配列決定を、Applied Biosystems 477A Pulsed-Liquid Phase Protein Sequen cer上でのエドマン(Edman)分解により行い;このシーケンサーにより作られたフ ェニルチオヒダントイン(PTH)アミノ酸を、オンラインApplied Biosystems 120A PTH Analyzerにより分析する。データを収集し、そしてApple Macintoshのため のApplied Biosystemsモデル610Aデータ分析システムを使用して保存し、そして また、PE NELSON,Inc.(Cupertino,CA)からのACCESS* CHROMソフトウェアを 使用してDigital Microvax上に保存する。配列データを、PTHアナライザーから の入力を受容する。チャート・レコ ーダーから読み、そしてモデル610Aソフトウェアから得られた定量的データを用 いて確認する。 HPLCからのピークとして得られたペプチド・サンプルについて、そのサンプル を、前洗浄したポリブレン・コートされたガラス繊維フィルター(Applied Biosy stems,Foster City,CA)上にロードする。還元され、そしてアルキル化されて いるペプチドについて、各シーケンサー・サイクルからのPTH−アミノ酸生成物 材料の一部を、液体シンチレーション・カウンター内でカウントする。Immobilo n−Pにエレクトロブロットされたタンパク質サンプルについて、着目のバンド を切り出し、そして次に、上記のように前洗浄されたポリブレン・コートされた ガラス繊維フィルター上に置き、そしてその反応カートリッジを、製造者の取扱 い説明書に従ってアセンブルする。Pro Blottにエレクトロブロットされたタン パク質サンプルについては、ガラス繊維フィルターは必要でない。 少量のサンプル(5〜30pモル)からタンパク質配列を得るために、上記477A 変換サイクル、S4B溶媒、及び120Aアナライザー・プログラムを、Tempst and Ri viere(Anal.Biochem.(1989)183:290)により記載されたように修飾する。 上記のようにトリプシン消化により29KDa LPAATから生じたペプチドのアミノ 酸配列は、以下のようなものである: SQ1256(配列番号:1) NLSLIIFPEGTr SQ1262(配列番号:2) YFSPIK SQ1282(配列番号:3) VRPAPITVK 上記のようなAspN消化により29KDa LPAATから生じたペプチドのアミノ酸配列 は、以下のようなものである: SQ1271(配列番号:4) TGTHLa SQ1272(配列番号:5) VEMIHaly SQ1276(配列番号:6) slrvrpapitvk SQ1281(配列番号:7) FSPIKT アミノ酸配列を、1文字コードを使用して表す。小文字により表わされるアミ ノ酸は、低程度の信頼性をもって同定された残基を表す。 E.アシルトランスフェラーゼ・タンパク質に対するLPAATペプチドのホモロジ 上記LPAATトリプチック・ペプチドSQ1256のアミノ酸配列を、コンピューター 支援ホモロジー・サーチによりコンピューター・データ・バンク内の既知タンパ ク質配列と比較する。有意なホモロジーが、上記LPAATペプチドと、大腸菌(E. coli)pls C遺伝子によりコードされるLPAATとの間に見い出される。12アミノ酸 ココナッツLPAATトリプチック・ペプチドの6アミノ酸ストレッチは、E.coli L PAAT(Coleman et al.,上掲)のアミノ酸145〜150に対し同一適合である。さら に、この同一の保存された6アミノ酸配列は、SLC1遺伝子によりコードされる酵 母アシルトランスフェラーゼ・タンパク質のアミノ酸154〜159にもある。E.col i pls Cと酵母SLC1遺伝子生成物とのホモロジーをもつ追加の領域が、実施例9 に記載されたLPAAT PCR配列の核酸配列の翻訳により決定されるようなココナッ ツLPAATアミノ酸配列にある。 実施例8 cDNAライブラリーの調製 A.全RNA調製物 この手順は、Webb and Knapp(D.M.Webb and S.J.Knapp,(1990)Plant Molec.Reporter,8,180-185)のDNA単離プロトコールの改作である。以下の記 載は、1g新鮮重量のココナッツ組織の使用を想定する。(LPAAT精製のために 記載したような“緑”ココナッツからの)冷凍未熟内乳組織を、液体窒素下の粉 砕により粉末と する。この粉末を、0.2g不溶性ポリビニルポリピロリドンと一緒に10ml RECバ ッファー(50mMトリス−HCl,pH9,0.8M NaCl,10mM EDTA,0.5w/v% CTA B(セチルトリメチル−アンモニウム・ブロミド))に添加し、そして室温にお いて粉砕する。このホモジェネートを、5分間12,000×gにおいて遠心分離して 、不溶性材料をペレット化する。得られた上清画分を、3mlフェノール/クロロ ホルム調製物(フェノール飽和水/クロロホルム、1/1 v/v、固体トリス 塩基を用いてpH7に設定)中にミラクロスを通して濾過する。相分離を容易にす るための上記のような短時間の遠心分離の後、その上相を取り出し、そしてその 下相を捨てる。上相を、クロロホルムを用いて再び分配し、そしてその上相を再 び回収する。 次にRNAを、1容量のエタノールの添加により沈澱させ、そして上述のように 短時間の遠心分離により集める。RNAペレットを、1mlオートクレーブ処理0.05 (w/v)%DEPC(ジエチルピロカーボネート)中に再溶解させ、そして1mlの 、4M酢酸カリウム(pH5)、0.05(w/v)%DEPCの添加及び2時間の氷上で のインキュベーションにより、再沈澱させる。短時間の遠心分離により集めた後 、RNAペレットを0.4ml 0.05(w/v)%DEPC中に再溶解し、そして上記のよう にフェノール/クロロホルムでもう一回抽出する。十分な3M酢酸カリウム(pH 5)、0.05(w/v)%DEPCを添加して、その混合物を酢酸中で0.3Mにし、そ の後、そのRNAを沈澱させるために2容量のエタノールを添加する。この最終RNA 沈澱物を0.1ml 0.05(w/v)%DEPC中に溶解し、そして冷凍保存する。 メド−フォーム、又は他の植物組織についての全RNA調製物が望ましいとき、 上記のWebb and Knappプロトコールを、以下のように修飾する。まず、メド−フ ォームからの冷凍発育中種子組織(受粉 後13〜20回目)を使用する。10ml RECバッファーは、上記のものと同じであるが 、0.1% β−メルカプトエタノールを添加する。遠心分離後、得られた上清画 分をクロロホルムで抽出する。 次にRNAを、1容量のRECPバッファー(50mMトリス−HCl,pH9,10mM EDTA,0 .5w/v% CTAB,0.1% β−メルカプトエタノール)の添加により沈澱させ 、そして上述のように短時間の遠心分離により集める。このRNAペレットを、1m l 0.4M NaCl中に再溶解し、0.5mlフェノール/クロロホルム(1:1)で抽出 し、そして2mlエタノールの添加により再沈澱させる。短時間の遠心分離により 集めた後、そのRNAペレットを0.4ml H2O中に溶解する。場合により、100mgの全R NAを、製造者のプロトコールに従ってRNeasyセルロース・カラム(Qiagen,Inc .Chatsworth,CA.)上で精製することができる。 B.cDNAライブラリーの構築 cDNAライブラリーを、Shratagene's(San Diego,CA)“UniZap”システムを 使用して構築する。ココナッツcDNAライブラリーを調製するとき、以下の修飾が 有用である。40μgの、ココナッツ内乳からの全RNAを、以下のように50μl反 応容量において逆転写する:H2O中のRNAを20分間65℃に加熱し、そして氷上で冷 却する。第1ストランド合成を、600U“Superscript”逆転写酵素の置換、“Su perscript”第1ストランド・バッファー、及びDTT、これらの全てはBRL(Bethes da,MD)により供給される、を用いてStratageneにより推奨されるように行う。 この反応混合物を、45分間60℃においてインキュベートする。ライブラリー合成 における残りの段階を、Stratagene“UniZap”プロトコールにおいて推奨される ように行う。この手順により得られる未増幅cDNAライブラリーは、1.25kbの平均 挿入サイズをもつ1.4×106クローンを含む。 メド−フォームcDNAライブラリーが調製されるとき、40μgの、メド−フォー ム内乳からの全RNAを、50μl反応容量において逆転写し、ここで、H2O中のDNA を、20分間65℃において加熱し、そして氷上で冷却する。第1ストランド合成を 、Stratageneにより推奨されるように行う。但し、唯一の他の修正は、その反応 混合物が45℃においてインキュベートされるということである。 実施例9 LPAAT−コーディング配列の単離 LPAATペプチドをコーディングするDNA配列を、LPAATペプチド配列から設計さ れた合成オリゴヌクレオチドを使用して着目のLPAAT含有植物源から得る。LPAAT 核酸配列を、プライマーとしてオリゴヌクレオチドを使用したポリメラーゼ連鎖 反応(PCR)によるDNAの増幅により、あるいは、そのオリゴヌクレオチド又はプロ ーブとしての使用のための先に単離された配列を放射標識することによりcDNA又 はゲノムDNAライブラリーをスクリーニングすることにより、得ることができる 。 A.合成オリゴヌクレオチド 一般的に、mRNAから逆転写された1本鎖DNA鋳型からのPCRプライマーとしての 使用のために、LPAATペプチド・コーディング配列に対応するセンス方向配列を 含むオリゴヌクレオチドが合成される。これらのオリゴヌクレオチドは、センス 鎖DNAを作るために“前進(forward)”増幅反応のためのプライマーとして使用さ れる。 非コーディングDNA鎖の増幅にのための“後退(reverse)”反応のために、PCR のためのDNA鋳型を調製するために使用されたプライマーの一部分に同一である ように、オリゴヌクレオチドが、設計されることができる。あるいは、LPAATペ プチド・コーディング配列に相補的な配列を含むオリゴヌクレオチドを、上記の ような“前進”LPAATオリゴヌクレオチド・プライマーとの組合せにおいて使 用されることができる。 LPAATペプチド配列が、多数の異なるコドンによりコードされることができる アミノ酸を含む場合、この前進又は後退プライマーは、“縮重(degenerate)” オリゴヌクレオチドである、すなわち、1の特定のペプチド領域について可能性 のあるコーディング配列の全部又はいくつかの混合物を含む、ことができる。こ のような混合物中に存在する異なるオリゴヌクレオチドの数を減少させるために 、RCRプライマーのための合成オリゴヌクレオチドを調製するときに、最少数の 可能性のあるコーディング配列をもつペプチド領域を選ぶことが好ましい。同様 に、合成オリゴヌクレオチドが、LPAAT配列のためのライブラリーを直接的にス クリーニングするために使用される場合、低縮重オリゴヌクレオチドが、好まし い。 LPAATコーディング配列に加えて、PCRにおけるプライマーのためのオリゴヌク レオチドは、便利なプラスミド・ベクター内へのPCR生成物のクローニングを助 ける追加の非−LPAAT配列を含むであろう。この非−LPAAT配列は、さまざまなプ ラスミド内へのPCR断片をクローン化するために使用されることができる制限消 化部位のためのものであることができ、又は特定の商業的に入手可能なベクター 内にクローニングするために有用な配列を含むように設計されることができる。 例えば、以下に記載する合成オリゴヌクレオチドは、PCR生成物の方向性クロー ニング(Nisson et al.(1991)PCR Meth.and Appl.1:120-123)のためのUD G(ウラシルDNAグリコシラーゼ)を利用する、CLONEAMPTMシステム(GIBCO BRL;G aithers burg,MD)を使用したクローニングのために有用な配列を含む。 以下のものが、LPAAT配列を得るために使用されることができる合成オリゴヌ クレオチドの配列である。このオリゴヌクレオチド名は、実施例7D中に列記する ような特定のLPAATペプチド断片数を反 映する。オリゴヌクレオチド名内の文字“F”は、PCR前進反応プライマーを表 す。文字“R”は、PCR後退反応プライマーを表す。文字“P”は、cDNA又はゲ ノム・ライブラリー・スクリーニングにおけるプローブとしての使用のために放 射標識されるべきオリゴヌクレオチドを表す。PCRプライマーの下線部分は、LPA ATペプチドのコーディング配列を示す。 オリゴヌクレオチド、TSYNを、PCR鋳型としての使用のための1本鎖DNAを調製 するために、ポリ(A)+又は全RNAからの逆転写のために使用する。mRNAポリ (A)尾への結合のためのポリ(T)領域に加えて、オリゴヌクレオチドは、Hi ndIII,PstI及びSstIのための制限酵素消化配列を含む。 オリゴヌクレオチド、5’RACEAMPは、LPAATコーディング配列のアンチセンス 鎖の増幅のためのPCRの後退反応において有用である。PCRのための鋳型がmRNAか ら逆転写された1本鎖DNAである場合、その後退反応は、最初の前進反応の完結 までには生じないであろうことに留意すべきである。第1ストランド反応は、セ ンス・ストランド鋳型の製造をもたらし、これは次に、後退プライマーからのア ンチセンスDNAストランドの増幅において使用されることがで きる。TSYN(制限酵素消化領域)との同一性を有する領域に加えて、5’RACEAM Pは、上記CLONEAMPTMクローニング・システム内で使用される5’CAUストレッチ を含む。5’RACEAMPの配列は、以下のようなものである: LPAAT配列を得るために有用であることができる追加の配列を、以下に記載す る。これらのプライマーは、ココナッツ、E.coliと酵母LPAATsの間に観察され た配列ホモロジーに基づきメド−フォームLPAAT配列を回収する経過において開 発された: ココナッツとメドーフォームLPAATクローンとの比較は、これらの2つのタン パク質の間で同一である6以上のアミノ酸のストレッチを含むいくつかの領域が 、他の植物種からのLPAATをコーディングするcDNAクローンをPCR増幅するために 使用するための縮重オリゴヌクレオチドの設計に好適である。ココナッツとメド −フォームは、その開花植物の異なるクラス(単子葉対双子葉)由来であるので 、これらの種の間に保存されるペプチド種は、全ての植物の間で保存されるよう である。これらの保存領域をコードするオリゴヌクレオチドは、E.coli、酵母 、とココナッツのホモロジーが失敗する場合においてLPAATコーディングDNA配列 のPCR増幅を許容するであろう。既に配列決定されたタンパク質のc−末端領域 において、以下のペプチド配列が、縮重オリゴヌクレオチドの設計に好適である : FPEGTRS(添付配列のアミノ酸 202−208) GRLLPFKKGF(添付配列のアミノ酸 211−220) LTGTHLAWRK(添付配列のアミノ酸 236−245) PITVKY(添付配列のアミノ酸 254−269) いずれかの6以上の連続アミノ酸を、17以上のヌクレオチドのオリゴヌクレオ チドを設計するために使用することができる。メドーフォームLPAATのn−末端 部分のタンパク質配列が決定されるとき、縮重オリゴヌクレオチド設計に好適な より多くのペプチド配列が決定されるであろう。PCR生成物のクローニングを容 易にするために、DNA配列、例えば、CAUCAUCAUCAUGAATCAAGCTTが、前進プライマ ーの5’末端に付加されることができ、そしてCUACUACUACUAGGATCCGTCGACが、後 退プライマーの5’末端に付加されることができる。 上記オリゴヌクレオチドのためのヌクレオチド塩基コードは、以下のようなも のである: A=アデニン T=チミン Y=シトシン又はチミン C=シトシン U=ウラシル R=アデニン又はグアニン G=グアニン I=イノシン O=イノシン又はシトシン H=アデニン、シトシン又はチミン N=アデニン、シトシン、グアニン又はチミン W=アデニン又はチミン S=グアニン又はシトシン B=グアニン、シトシン又はチミン K=グアニン又はチミン M=アデニン又はシトシン B.PCR反応 ポリ(A)+RNAを、実施例8中に記載するようなココナッツ組 織から調製した全RNAから単離する。1本鎖cDNAを、Superscript逆転写酵素(BRL )及びオリゴヌクレオチド・プライマーとしてTSYNを使用した逆転写によりポリ (A)+又は全RNAから調製する。反応を製造者の指示に従って行う。但し、そ の反応を、37℃ではなく45℃で走らせる。ココナッツ1本鎖cDNAを、以下に述べ るようにPCR反応1−9において使用する。 PCRを、鋳型として逆転写された1本鎖cDNAを使用してPerkin Elmer Eetus Ge ne Amp PCR System 9600 PCR装置内で行う。商業的に入手可能なPCR反応及び最 適化試薬を製造者の取扱説明書に従って使用する。上記合成オリゴヌクレオチド を使用する以下の反応を走らせる: PCR反応において生成されたDNA断片を、pAMP1(CLONEAMPTMシステム;GIBCO B RL)内にクローン化する。クローン化された断片の DNA配列を、そのクローン化された断片がLPAATペプチドをコードしていることを 確認するために、決定する。 反応7からの2つのココナッツPCR生成物、23−2と23−4、及び反応6から の1つのココナッツPCR生成物、10−1の配列を、DNA配列及び翻訳されたアミノ 酸配列の分析によりLPAATペプチドをコーディングするものとして確認する。こ れらの反応物の配列を、図10〜12中に提供する。反応13からの2つの他のPCR生 成物、Mead LPAAT 15とMead LPAAT 20の配列も、DNA配列(図14と15)及び翻訳 されたアミノ酸分析(図16)によりLPAATペプチドをコーディングするものとし て確認する。 図10中、オリゴヌクレオチドSQ1256−1とSQ1272−R1を用いたPCRにより得ら れたクローン23−2のDNA及び翻訳されたアミノ酸配列を示す。2つの異なるリ ーディング・フレームの部分内のDNA配列の翻訳が、上記PCRプライマー内にコー ドされた予想されたココナッツLPAATペプチドを位置決めするために必要である 。ヌクレオチド13−30の翻訳された配列は、前進プライマーによりコードされた トリプチック・ペプチドSQ1256(配列番号:1)のアミノ酸5−10に対応する。 ヌクレオチド245−259は、後退プライマーによりコードされたAspNペプチドSQ12 72(配列番号:5)のアミノ酸1−5に対応する。ヌクレオチド32−259の翻訳 は、追加のLPAATペプチド配列に対応する。例えば、ヌクレオチド32−37は、SQ1 256のアミノ酸5−10をコーディングする配列からの異なる翻訳フレーム内にあ るけれども、SQ1256のアミノ酸11−12をコードする。この情報から、及びクロー ン23−4の配列(図11)との比較により、LPAATコーディング配列内に存在しな い追加のヌクレオチドが、ポリメラーゼ連鎖反応の間にLPAATコーディング配列 内に取り込まれたようである(最も可能性の高いのは、ヌクレオチド27−30内の 余分なグ アニンである。)。 前進及び後退プライマーからの予想されたLPAATアミノ酸配列に加えて、23− 2翻訳配列が、他のLPAATペプチド配列に対応する。ヌクレオチド125−142は、A spNペプチドSQ1271(配列番号:4)をコードし;ヌクレオチド155−190は、Asp NペプチドSQ1276(配列番号:6)及びトリプチック・ペプチドSQ1282(配列番 号:3)をコードし(SQ1282は、SQ1276のアミノ酸4−12と同一である。);そ してヌクレオチド191−211は、AspNペプチドSQ1281(配列番号:7)及びトリプ チック・ペプチドSQ1262(配列番号:2)をコードする。 より大きな反応7のPCR生成物の第2ココナッツ・クローン、23−4のDNA配列 を、図11に示す。この配列中、SQ1256ペプチドの最後の2つのアミノ酸は、(そ のPCRプライマーによりコードされた)アミノ酸5−10と共にフレーム内でコー ドされる。23−4挿入物(約360塩基対)と23−2生成物(約270塩基対)の間の サイズにおける差異は、明らかに、23−4配列内の非プロセッシング・イントロ ン(図11のヌクレオチド70−157における未翻訳配列)の存在に因る。イントロ ンの存在は、1本鎖cDNA PCR鋳型を生成するために使用される(ポリ(A)+と は反対の)全RNA内の非プロセッシングLPAAT RNAに因るようである。 イントロンとPCRプライマー領域を除き、23−2と23−4内の挿入物のLPAAT配 列は、1のヌクレオチド、すなわち、チミンである、23−2のヌクレオチド90、 及びシトシンである、23−4の対応ヌクレオチド177以外の全てで、適合する。 このヌクレオチドの差異も、23−2と23−4の翻訳されたアミノ酸配列内の差異 をもたらす。ロイシンは、23−2内のヌクレオチド89−91によりコードされ、そ してプロリンは、23−4の対応ヌクレオチド176−178によりコ ードされる。 対応6のクローン化されたPCR生成物、10−1内での約220塩基対挿入物のDNA 配列を、図12に提供する。そのPCRプライマー領域を除き、このクローンのLPAAT コーディング配列は、上記共有領域内の23−4のものと同一である。 反応10−13については、以下の手順に従った: メド−フォーム、キンレンカ(rasturitium)、及びアブラナ(Brassica)RNAs を、RNeasyカラム(Qiagen Inc.,Chatsworth,CA)上で精製した。2.5μgの精製 RNAを、製造者のプロトコールに従って、Superscript逆転写酵素(Gibco/BRL,Be thesda,MD)を使用した20μl第1ストランドcDNA反応において使用した。第1 ストランドcDNA合成の後、この反応物の容量を、20μlの水の添加により40μl に増加させ、そして取り込まれなかったヌクレオチド及び小さなcDNA合成生成物 を、Micro Spin S-400スピン・カラム(Pharmacia Inc.,Piscatamay,NJ)上で その生成物を精製することにより除去した。PCRを、1μlの精製された第1ス トランドcDNA、先に示したプライマーの組合せの中のいくつか、及び製造者(Per kin Elmer,Foster City,CA)により特定された他の標準的な反応成分を含む50 μl反応物中で行った。PCR反応を、Perkin Elmer PCR熱サイクラー(モデル960 0)内で行った。反応物を、5分間96℃に加熱し、5分間72℃に低下させ(この 時間内に、Taqポリメラーゼを添加する。);反応温度を、10分間の期間にわた り50℃まで低げ、そして5分間72℃に上げる。この後、94℃15秒間、65℃までの 急激な温度低下、3分間の傾斜時間による50℃までの遅い温度低下、及び72℃60 秒間の、35サイクルを行った。PCR生成物を、アガロース・ゲル電気泳動により 分析した。スミアー(Smears)を、そのスミアーに対して可視化されることがで きる別個のサイズのバンドとの全反 応において可視化した。プライマーF4と5’RACEampを使用して、アブラナ、キ ンレンカ、及びメド−フォームcDNAを含む反応物は、約350ヌクレオチド及び550 ヌクレオチドの可視化されたバンドをもっていた。これは、それらのPCR反応物 が、多数のサイズのPCR生成物を作り出したことを示している。 図14と15のそれぞれにおいて、オリゴヌクレオチドF4と5’RACEAMPを用いたP CRにより得られたクローンMead LPAAT 15とクローンMead LPAAT 20のDNAと翻訳 されたアミノ酸配列を示す。ヌクレオチド11−28の翻訳された配列は、前進プラ イマーによりコードされたアミノ酸に対応する。ヌクレオチド489−517は、クロ ーンMead LPAAT 15の及びクローンMead LPAAT 20のヌクレオチド485−508の後退 プライマーに対応する。ヌクレオチド11−313の翻訳は、LPAATコーディング配列 に対応する。 C.ライブラリー・スクリーニング 1.プローブとしての合成オリゴヌクレオチド:オリゴヌクレオチド・プロー ブ、例えば、SQ1272−P1又はSQ1272−P2を用いたライブラリー・スクリーニング に有用なハイブリダイゼーション溶液は、Jacobs,et al.,(Nacl.Acid Res. (1988)16:4637-4650)により記載されたような、テトラアルキルアンモニウ ム塩溶液を含む。また、適当なハイブリダイゼーション条件、例えば、ハイブリ ダイゼーション及び洗浄温度は、酵素源、すなわち、ココナッツ内乳からのRNA を含むRNAブロットのノーザン分析により決定されることができる。次に、オリ ゴヌクレオチドを、放射標識し、そしてLPAATペプチドをコーディングする配列 を含むクローンを同定するために、上記のココナッツcDNAライブラリーからの、 又はココナッツのゲノムライブラリーからの、クローンとハイブリダイズするこ とができる。 2.プローブとしてのPCR生成物:また、上記のようなPCRにより得られたLPAA T DNA断片を、放射標識し、そしてココナッツ又は他の植物LPAATクローン(Mani atis、上掲)のためのプローブとして使用することができる。例えば、ココナッ ツLPAATクローンを得るために、LPAATコーディング領域を含むクローン23−2の 約280塩基対断片を、XbaIとSalIによる23−2の消化及び得られた約280塩基対 断片の単離により得る。この断片を、ランダム標識付けキット(Stratagene;La Jolla,CA)を使用したランダム・プライミングにより放射標識する。VniZapファ ージ内のココナッツ内乳cDNAライブラリーの約240,000プラークを、プレートし 、ナイロン膜フィルター上に拾い上げ、そして標識されたLPAAT 23−2断片とハ イブリダイズする。ハイブリダイゼーションを、50%ホルムアミド、5倍SSC( 1倍SSC=0.15M NaCl;0.015Mクエン酸Na)、0.1% SDS,0.1mg/mlサケ精 子DNA,10倍Denhardt's溶液を含むハイブリダイゼーション溶液中42℃において 行う。これらのフィルターを、1倍SSC,0.1%SDS中室温において30分間洗浄し 、その後、37℃において同一溶液中2回30分間洗浄を行う。全部で32のハイブリ ダイジング・プラークを、同定する。同定されたプラークを、再プレートし、そ して放射標識されたプラークとのハイブリダイゼーションを、LPAAT含有ファー ジの30の精製カルチャーを得るために繰り返す。LPAAT cDNA断片を、製造者(St ratagene)の指示に従ってUniZapファージ・ベクターから切除する。簡単に言え ば、pBluescript SK−(Stratagene)ファージミド・ベクター内でサブクローン を作り出すための、自動切除及び切除されたcDNAの再循環化をもたらすヘルパー ・ファージ系を使用する。LPAATサブクローンを、さまざまな挿入物の長さを決 定するためにさらに分析し、そして3’非コーディング配列を得て、LPAATクロ ーンのクラスの数を決定 するために分析する。 さまざまなサイズのcDNAクローンが得られるけれども、これらのクローンの26 の3’部分のDNA配列分析は、それらが、同一の遺伝子由来であることを示す。 これらのクローンは、5’と3’末端の両方における配列の長さにおいて変化す る。3’末端における変化は、1以上のポリアデニレーション部位が使用される ことを示す。完全長クローンCOLP4(pCGN5503)のDNA配列及び翻訳されたアミノ酸 配列を、図13に提供する。COLP4の翻訳されたLPAATの計算された分子質量は、約 38.4KDであり、そして推定された等電点は、9.79である。計算された分子質量は 、SDS−PAGEから観察された27〜29KD値と矛盾しない。 COLP4と同じ5’配列をもつ2つの追加のクローンについても調べた。これら のクローンのそれぞれが、LPAATコーディング領域内での欠失を含んでいた。ク ローンCOLP25においては、99塩基対の領域(図13の塩基721−819)が欠失された。 翻訳のための適当なフレームは、維持され、33アミノ酸LPAATペプチド領域を欠 く翻訳されたタンパク質をもたらす。クローンCOLP10においては、49塩基対(図1 3の塩基820−868)が欠失され、そしてLPAATリーディング・フレームが維持され ない。 メドーフォーム・クローンを得るために、上記と類似の手順を使用する。 LPAATコーディング領域を含むクローンMead LPAAT 15とMead LPAAT 20の約510 塩基対断片を、EcoRIとPstIによるそれらのクローンの消化及び得られた約510 塩基対断片の単離により得る。この断片を、ランダム標識付けキット(Pharmaci a,Piscatamay,N.J.)を使用したランダム・プライミングにより放射標識する 。VniZapファージ内のメド−フォーム内乳cDNAライブラリーの約240,000 プラークを、プレートし、ナイロン膜フィルター上に拾い上げ、そして標識され たLPAAT断片とハイブリダイズする。ハイブリダイゼーションを、30%ホルムア ミド、5倍SSC(1倍SSC=0.15M NaCl;0.015Mクエン酸Na)、0.1% SDS,0 .1mg/mlサケ精子DNA,10倍Denhardt's溶液を含むハイブリダイゼーション溶液 中37℃において行う。これらのフィルターを、55℃において、1倍SSC,0.5%SD S中完全に洗浄する。全部で41のハイブリダイジング・プラークを、同定する。 上記のように、同定されたプラークを、再プレートし、そして放射標識されたプ ラークとのハイブリダイゼーションを、LPAAT含有ファージの精製されたカルチ ャーを得るために繰り返す。LPAAT cDNA断片を、製造者(Stratagene)の指示に 従ってUniZapファージ・ベクターから切除し、そしてさらに、さまざまな挿入物 の長さを決定するためにさらに分析する。5’及び3’非コーディング配列を得 て、LPAATクローンのクラスの数を決定するために分析する。 14のcDNAsの5’末端の配列は、いくつかのヌクレオチドの差異を示した。完 全長クローン、Melp2を、構築物調製のために選択した。Melp4は、MELP2から の最大の差異をもつクローンであり、そしてそのクローン全体について、配列決 定した。それは、3’末端において43ヌクレオチド対短かく(異なるポリアデニ レーション部位をもち)、そして全く、完全長のクローンではない。両クローン 内にある領域内に、4アミノ酸の変更をもたらす、21のヌクレオチドの差異があ る。 DNA配列決定は、メド−フォームcDNAからのPCRにより単離された2つのクロー ンが、ココナッツLPAATに対するホモロジーをもつタンパク質をコードすること を示した。これらのクローンは、約510のヌクレオチド長であり、そしてメド− フォームLPAATのc−末 端102アミノ酸をコードするDNA配列を含む。2つのクローンの長さにおける僅か な差異は、そのクローン内に含まれた異なる長さのポリA尾に因る。そのDNA配 列の最初の27ヌクレオチド内の、上記2つのクローン間の差異は、PCR反応にお いて使用されるプライマーの縮重の性質から生じ、そしてクローン化された遺伝 子の配列内の真の差異を表わさない。MEAD LPAAT 20も、ポリA尾内のG(MEAD L PAAT 20のヌクレオチド494)の存在によってMEAD LPAAT 15と相違する。このGは 、おそらく、PCR増幅の人工産物である。なぜなら、これは、Aである5’RACEA MPプライマーの一部だからである。上記クローン間の上述の差異にも拘らず、そ れらの配列が約2%偏位することを示す2つのクローン間の10ヌクレオチドの差 異が存在する。これらの2つのクローンによりコードされたアミノ酸配列は、2 アミノ酸程相違し、これも、それらのタンパク質が、約2%程相違することを示 す。ココナッツ・クローンとメド−フォームLPAAT PCRクローンの比較は、メド −フォームとココナッツの間で、71/102アミノ酸が同一である(70%同一性、 添付配列番号のこと。)ことを示す。これは、このメド−フォーム・クローンが LPAATをコードしているという強い証拠を提供する。 メド−フォームLPAAT cDNAクローンMELP2とMELP4のDNA配列及び翻訳された アミノ酸配列を、図17と18に提供する。Melp2の翻訳されたアミノ酸配列は、コ コナッツLPAATに対する約63%のアミノ酸配列の同一性(281アミノ酸中105の差異 )を示す。少なくとも6つの連続アミノ酸にわたる100%の配列同一性をもつアミ ノ酸領域の数は、ココナッツとメド−フォームLPAATについてのコーディング配 列全体の比較により発見される。これらの領域は、LLPWPY,GNLYGH,RIDRSNP,K NLSLI,LPIVPM,FPEGTRS,GRLLPFKKGF,LTGTHLAWRK、及びPITVKYを含む。これら のアミノ酸配列は、追加の植物種か らのLPAATコーディング配列の単離のための追加のプローブ及び/又はPCRプライ マーを調製するために使用されることができる。 構築物の調製を容易にするために、LPAAT cDNAクローンMELP2のコーディング 領域は、以下のリゴヌクレオチド・プライマーを使用してPCR増幅される: プライマー5867は、ATG翻訳開始コドンの上流直近にSalIクローニング部位を 導入し、そしてプライマー5868は、MELP2 cDNAの翻訳終結コドンに対し3’側 の直近にBamHIとSalIクローニング部位を導入する。このPCR生成物をpAMP1(B RL/GIBCO)内にクローン化して、pCGN 7685を得て、そして突然変異がPCRにより 導入されなかったことを確認するために配列決定する。 実施例10 大腸菌(E.coli)内でのLPAATの発現 LPAATクローンを、E.coli内で発現させて、抗体産生及びLPAAT活性の発現の 確認のための便利なタンパク質源を提供することができる。例えば、pCGN 5503 (COLP4)からのココナッツLPAAT cDNA挿入物を、図13中に示す配列のヌクレオ チド259−261におけるATG開始コドンの上流直近にSalI制限酵素部位を挿入し、 そして図13中に示す配列のヌクレオチド1183−1185におけるTAA終結コドンの下 流直近にBamHI部位を挿入するために、PCRにより突然変異誘発する。LPAATコー ディング配列を、SalI/BamHI断片として、商業的クローニング・ベクター、C lone Amp(BRL)内にクローン化し、そして得られた構築物をpCGN 5504と命名し た。 pCGN 5504内のLPAATコーディング領域を、SalI/BamHI断片として大腸菌(E .coll)発現ベクターpCGN 7645内に移入して、T7プロモーターからのLPAATの発 現のためのpCGN 5505を得る。pCGN 7645を、XbaI/BamHI消化pET 3A(Rosenberg et al.(1987)Gene 56:125-13 5)内にシャイン−ダルガルノ(Shine-Delgarno)配列及びSalI,BamHI及びPst I制限酵素部位を含む合成オリゴヌクレオチド・リンカーをクローニングするこ とにより、構築した。このオリゴヌクレオチド・リンカーの配列は、以下のとお りである: LPAAT構築物pCGN 5505を含むE.coli BL21(DE3)細胞を、37℃において培養 し、ペレット化し、そして50mM HEPES,1M NaCl,10mM EDTA,100μM Pefabl oc(Boehringer Marunheim),1μMロイペプシン、0.1μMペプスタチンA,5m M β−メルカプトエタノール、pH7.5中に再懸濁させ、そして音波処理により破 裂する。これらのサンプルを、15分間12,000gにおいて遠心分離にかける。得ら れた上清画分を134,000gにおいて2時間遠心分離し、そしてペレット化された 膜を、50mM HEPES,200mM NaCl,20(w/v)%グリセロール、5mM β−メル カプトエタノール、pH7.5中に懸濁させる。膜画分を、実施例1中に記載したよ うに、12:0 LPA及び各種アシル−CoA種とのアシル−CoA基質特異性について検 定する。E.coliのカルチャーからの及び未熟ココナッツ内乳からの膜調製物を 、可溶化された酵素の前検定条件を刺激するために大豆リン脂質と併合し、そし てバッファーA中の1M NaCl中で希釈する。 ココナッツcDNAを発現する細胞は、18:1−CoAを好んだ対照E.coliよりも、 中鎖基質、特に、12:1−CoAに対し、より高い活性を示した。E.coli発現酵素 のLPAAT活性も、アシル−CoA対アシル−ACP基質について特異的であることが示 された。ココナッツLPAATは、10:1−,12:0−及び14:0−CoA基質と最も活 性で あり、18:0−CoAが、その次に利用され、そしていくつかの微小な活性が8: 0−CoAについて検出されることができた。E.coli背景が、pCGN 5505カルチャ ーから差引かれるとき、得られた特性は、未熟ココナッツ内乳の膜画物から得ら れたものにひじょうに類似する。 上記の技術は、メド−フォーム・クローンの発現のためにも使用されることが できる。実施例8Bに従ってライブラリーから単離された完全長クローンは、活性 について直接的に検定されることができる。なぜなら、そのLPAATが、lacZをも つ融合タンパク質として、あるいは、Coleman(Mol.Gen.Genet.(1992)232 :295-303)により記載されたようなLPAAT欠陥E.coli株内で発現されるからであ る。 実施例11 植物形質転換のための構築物 植物形質転換における使用のためのDNA構築物を調製する。TAGの修飾のための 植物油種子穀物内での発現における使用のために、LPAATコーディング配列を、 植物種子組織内での優先的発現を提供する調節領域を含む発現カセット内に挿入 されることができる。それからこのような発現カセットが調製されることができ るところの遺伝子の例は、種子ACP,Brassica種子からのBce4遺伝子、及びBrass icaナピン遺伝子を含む。例えば、植物種子組織内での遺伝子の発現における使 用のための討議発現カセットについて、Kridl et al.(in Control of Plant G ene Expression(1993)Chapter 30,pages 481−498,ed.D.P.S.Verma,CR C Press)を参照のこと。 A.ナピン発現構築物 ワックス・シンターゼ又はレダクターゼ遺伝子構築物の発現のために使用され ることができる、ナピン発現カセット、pCGN 1808は、引用により本明細書中に 取り込む、Kridl et al.(Seed Science Research(1991)1:209-219)中に記載されている。 あるいは、pCGN 1808は、バイナリー・ベクター、例えば、pCGN 1557(McBrid e and Summerfelt、上掲)への、抗生物質耐性マーカーではなく発現配列だけの 動きを許容するためにフランキング制限酵素部位を含むように修飾されることが できる。KpnI,NotI及びHindIII制限酵素部位を含む合成オリゴヌクレオチドを 、アニールし、そしてたった1つのHindIII部位が回収されるように、pCGN 180 8のユニークHindIII部位においてライゲートする。得られたプラスミド、pCGN 3200は、配列分析により確認されるように、ナピン3’−調節配列の3’−末端 において、ユニークHindIII,NotI及びKpnI制限酵素部位を含む。 ナピン発現カセットの大部分を、HindIII及びSacIによる消化及びHindIII及 びSacI消化pIC19R(Marsh,et al.(1984)Gene 32:481-485)へのライゲーシ ョンによりpCGN 3200からサブクローン化してpCGN 3212を作る。ナピン・プロモ ーター領域の極限5'−配列を、鋳型としてpCGN 3200及びSacI部位に隣接する2 つのプライマーを使用するPCR並びにナピン5'−プロモーターとpCGN 1808構築物 からのpCGN 3200のpUC骨格との接続により再構築する。前進プライマーは、Cla I,HindIII,NotI及びKpnI制限酵素部位並びに(EcoRI部位からの)ナピン5' −配列のヌクレオチド408−423を含み、そして後退プライマーは、その5'−プロ モーター内にユニークSacI部位を含むナピン配列718−739に対する相補物を含 む。PCRを、製造者は、取扱い説明書に従ってPerkin Elmer/Cetus熱サイクラー を使用して行った。PCR断片を、ブラント末端断片としてpUC8(Vieira and Mess ing(1982)Gene 19:259-268)内にサブクローン化し、そしてHincIIで消化して pCGN 3217を得る。ナピン挿入物を横切るpCGN 3217の配列は、不適当なヌクレオ チドが PCRにより全く導入されなかったことを立証する。pCGN 3217内のナピン5−配列 を、ClaI及びSacIによる消化及びClaI及びSacIにより消化されたpCGN 3212 へのライゲーションによるナピン発現カセットの残りにライゲートする。得られ た発現カセットpCGN3221を、HindIIIで消化し、そしてナピン発現配列をゲル精 製し、そしてHindIIIで消化したpIC20H(Marsh,上掲)にライゲートする。最終 的な発現カセットは、pCGN 3223であり、これは、pCGN 1808内にあるものと本質 的に同一の1,725のナピン5’及び1,265の3’調節配列を、アンピシリン耐性背 景内に含む。これらの調節領域は、HindIII,NotI及びKpnI制限酵素部位に隣接 し、そしてユニークSalI,BglII,PstI及びXhoIクローニング部位は、その5’ と3’非コーディング領域の間に位置し、そして着目のLPAAT遺伝子を挿入する ために使用されることができる。 例えば、ココナッツLPAATコーディング領域の全体を含むpCGN 5504のSalI/B amHI断片が、ナピン・プロモーターの制御下センス配列の転写のために置かれ たココナッツLPAATコーディング配列をもつ発現構築物pCGN 5509を提供するため に、SalI/BglII消化pCGN 3223内にライゲートされる。 植物種子内でのメド−フォームLPAATの発現のために、pCGN 7685を、SalI及 びBamHIで消化し、そして得られたLPAATコーディング断片を、SalI及びBglII で消化されたpCGN 3223内にクローン化してpCGN 7692を得る。 B.オレオジン(Oleosin)発現構築物 オレオジン遺伝子からの5’及び3’領域の制御下での転写のための配列のク ローニングのためのカセットを、以下のとおりに調製することができる。Brassi ca・napusオレオジン遺伝子の配列は、Lee and Huang(Plant Phys.(1991)96 :1395-1397)により報告さ れた。この公表された配列に対するプライマーを、ブラシカ・ナプス変種ウェス ター(Brassica napus cv.Westar)からのオレオジン遺伝子の5’及び3’調節 領域を得るためにPCR反応において使用する。2つのPCR反応、オレオジン遺伝子 のためのATG開始コドンの上流直近の約950ヌクレオチドを増幅するためのもの、 及びオレオジン遺伝子のためのTAA終結コドンを含み、かつ、その下流の約600塩 基対をPCR増幅するためのもの、を行った。これらのPCR生成物を、製造者のプロ トコールに従ってブラスミド・ベクターpAMP1(BRL)内にクローン化して、オ レオジン5’フランキング領域を含むプラスミドpCGN 7629及びその3’フラン キング領域を含むpCGN 7630を得る。これらのPCRプライマーは、その発現カセッ ト内に5’と3’フランキング領域を一緒にクローニングするのに便利な制限酵 素部位を含んでいた。pCGN 7629からの5’フランキング領域を含むPstI断片を 、PstI消化pCGN 7630内にクローン化して、プラスミドpCGN 7634を得る。オレ オジン発現カセット全体を含むpCGN 7634からのBssHII(New England BloLabs)断 片を、BssHII消化pBCSK+(Stratagene)内にクローン化して、プラスミドpCGN763 6としてオレオジン・カセットを提供する。このオレオジン・カセットには、Bss HII,KpnI及びXbaI制限酵素部位が隣接し、そしてその5’と3’オレオジン領 域間に着目のDNA配列の挿入のためのSalI,BamHI及びPstI部位を含む。 例えば、LPAATコーディング領域全体を含むpCGN 5504のSalI/BamHI断片を 、SalI/BamHI消化pCGN 7636内にライゲートして、オレオジン・プロモーター の調節下でのセンス配列の転写のために置かれたココナッツLPAATコーディング 配列をもつ発現構築物pCGN 5508を提供する。 C.植物アグロバクテリウム、仲介植物形質転換のためのバイナリ ー構築物 植物形質転換のための構築物を、McBride et al.(上掲)により記載された ようなバイナリー・ベクター上の便利なクローニング部位内へのLPAAT配列を含 む発現カセットの移入により、調製する。 追加のバイナリー・ベクターを、以下の制限酵素消化部位:Asp718/AscI/P acI/XbaI/BamHI/SwaI/Sse 8387(PstI)/HindIIIを含むリンカー領域 によりpCGN 1587とpCGN 1559リンカー領域を置換することにより、pCGN 1578,p CGN 1559及びMcBride et al.(上掲)により記載された他のベクターから調製 する。これは、pCGN 1578 PASS又はpCGN 1559 PASS、並びに同様に命名された他 の修飾ベクターをもたらす。AscI,PacI,SwaI及びSse 8387は、8塩基の制 限酵素認識部位をもつ。これらの酵素は、New England BioLabs:AscI,PacI ;Boehringer Manheim:SwaI及びTakara(Japan):Sse 8387から入手可能であ る。 次にバイナリー構築物が、トランスジェニック植物の調製における使用のため に、Holsters et al.(Mol.Gen.Genet.(1978)163:181-187)の方法に従っ て、適当なアグロバクテリウム株、例えば、EHA 101(Hoodet al.(1986)J.Bac terlol.168:1291-1301)の細胞内に形質転換される。 ナピン5’/ココナッツLPAAT/ナピン3’構築物による形質転換のためのバ イナリー構築物を、HindIII消化pCGN 1578 PASS内にpCGN 5509の約3.9KbのHindI II断片をクローニングすることにより調製して、pCGN 5511を得る。 オレオジン5’/ココナッツLPAAT/オレオジン3’構築物による形質転換の ためのバイナリー構築物を、AscI消化pCGN 1578内にpCGN 5508の約2.6kbのBssH II断片をクローニングすることにより調製して、pCGN 5510を得る。 ナピン5’/メド−フォームLPAAT/ナピン3’構築物による形質転換による バイナリー構築物を、HindIII消化pCGN 1559 PASS内にナピン/メド−フォームL PAAT遺伝子融合物を含むpCGN 7692のHindIII断片をクローニングすることにより 調製してpCGN 7695を得る。 実施例12 LPAAT構築物による形質転換 表現型の変更を行うための配列の転写又は転写及び翻訳を得るために植物宿主 のゲノム内に着目のDNA配列を挿入するために、さまざまな方法が開発されてき た。 トランスジェニックBrassica植物(例えば、変種212/86又は低リノレン変種 )を、Radke et al.(Theor.Appl.Genet.(1988)75:685-694;Plant Cell Reports(1992)11:499-505)により記載されたようにアグロバクテリウム仲介 形質転換により得る。トランスジェニックなアラビドプシス・タリアナ(Arabid opsis thaliana)植物を、Valverkens et al.,(Proc.Nat.Acad.Sci.(1988)8 5:5536-5540)により記載されたように仲介形質転換により得ることができる。 他の植物種は、関連技術を使用して同様に形質転換されることができる。ひじょ うに長い鎖の脂肪酸を含むトリグリセリドが着目されるとき、高エルカ酸ナタネ (HEAR)変種の使用が、特に有用であろう。このようなHEAR油変種の例は、Rest enである。 あるいは、Klein et al.(Bio Technology 10:286-291)により記載されるよ うなマイクロプロジェクタイル・ボンバードメント法を、本明細書中に記載する ウィルス単一サブユニットのRNAポリメラーゼ発現構築物を含んで成る核形質転 換植物を得るために、使用することもできる。 Sn−2以内への中鎖脂肪酸の取り込みによるTAGの修飾のために、かなりのレ ベルの中鎖脂肪酸を含む植物の形質転換が望ましい。 このような植物は、中鎖脂肪アシル−ACPに対する優先的な活性をもつアシル−A CPチオエステラーゼによる形質転換により得られることができる。(WO92/20236 及びWO94/10288を参照のこと)。 Sn−2位内へのひじょうに長い鎖の脂肪酸の取り込みによるTAGの修飾のため に、かなりのレベルのひじょうに長い鎖の脂肪酸をもつ植物の形質転換が望まし い。このような植物は、ひじょうに長い、高エルカ酸ナタネ(HEAR)変種、又は ひじょうに長い鎖の脂肪酸の生産を提供するひじょうに長い鎖のアシル−CoAシ ンターゼにより形質転換された植物を含む。(1994年6月23日に出願された同時 係属中のUSSN 08/265,047及び1994年11月30日に出願されたPCT VS94/13686を参 照のこと。)。 実施例13 トランスジェニック植物の分析 LPAAT構築物を含むトランスジェニック植物からの種を、実施例1に記載した ようにLPAAT活性について検定する。LPAAT発現について陽性でると同定された植 物を、高レベルの所望の脂肪酸を含む植物と異系交配(out-crossed)することが できる。例えば、トリーラウリン油が望ましい場合、ある者は、高レベルのC12 脂肪酸をもつ植物と上記LPAAT発現性植物を交配させることができる。増加され たC12レベルは、California bayからのC12を好むアシル−ACPチオエステラー ゼの発現の結果として作り出されることができる(WO92/20236及びWO94/10288) 。このやり方で、LPAAT活性についてのC12アシル−CoAドナー基質の容易な源が 、提供される。 A.トランスジェニック植物内でのLPAAT活性 膜画分を、以下のようにLPAATの種子発現のための構築物を含むトランスジェ ニック植物の未熟種子から調製する。約0.5−1g(新鮮重量)の未熟種子を、0 .1M HEPES−HCl pH7.5,3M NaCl,10mM DIECA,0.1mM Pefabloc,1μMロイペ プチ、1μMペプスタチ ン‘A’(最後の4成分を使用直前に添加する)を含む5ml抽出バッファーと共 に氷冷乳鉢内で粉砕する。少量の砂を、粉砕のために含めることができる。次に このサンプルを、約50分間10,000rpmにおいて遠心分離する。 遠心分離から生じた脂肪乳き葉を、捨て、そしてその上清画分を、2時間36,0 00rpmにおいて再遠心分離する。得られたペレットを、250μl“P2”バッファー (50mM HEPES−HCl pH7.5,1M NaCl,20v/v%グリセロール、5mM 2−メル カプトエタノール(ME))中に再懸濁する。再懸濁されたP2調製物を直ちに検定す るか又は−70℃における保存のために液体窒素中で冷凍し、そしてその後に検定 するかのいずれかとする。 先に冷凍される場合、P2調製物を、再ホモジェナイズし、そして氷上に維持す る。各ガラス検定バイアル内に、50μlの“5倍”検定バッファー(0.5M HEPES −HCl pH7.5,25v/v%グリセロール、50mM EDTA,10μl 5M NaCl,122μl H2 O,2.5μl 2mM 12:0−LPA又は18:1−LPA)及び5μlアシル−放射標識 (実施例1参照)12:0−CoA又は18:1−CoAを、それぞれ添加する。反応を、50 μlの希釈P2調製サンプルの添加により開始する。 最初の検定のために、10倍のP2希釈を使用し、そしてその反応を、30℃におい て30分間走らせた。これらの反応を、0.2M H3PO4中1M KClの250μlの添加に より停止させる。次に以下のものを上記反応混合物に添加する:40μl 1mg/ml BSA,750μl CH3Cl3/CH3OH(2/1 v/v)、及び50μg非標識ホスファチ ド酸担体(CHCl3/CH3OH,2/1 v/v中1mg/ml)。(ホスファチド酸は、 理想的には、その検定において使用される基質に従って12:0又は18:1アシル 基をもつが、それらが異なる場合にも満足な結果を得ることができる。)これら のサンプルを、完全に混合し、そして 短時間遠心分離して層分離させる。その上層を捨て、そしてその下層の100μl サンプルを、TLCプレート(シリカ“G”)に適用し又はシンチレーション・バ イアル内に入れる。シンチレーション計数のために、その溶媒を、シンチラント の添加前に温風流を用いて蒸発させる。 TLCを、上行溶媒としてクロロホルム/ピリジン/ギ酸(50/30/7又は50/2 5/7,v/v)を用いて行う。放射性ゾーンを可視化し、そして放射クロマト グラム・スキャナー(Ambis inc.)を使用して乾燥プレート上で定量する。TLC 上のホスファチデート生成物の放射能は、全レーンの放射能のパーセンテージと して表され、そして次にこの比を、このシンチレーション計数データからの実際 の生成物の放射能を計算するために使用する。 これらの検定の結果を、以下の表4中に表す。 LPAAT活性についての検定を、12:0−LPA+12:0−CoA、及 び18:1−LPA+18:1−CoAの基質組合せを用いて行った。両タイプの活性は、 LPA基質の存在に依存することが示された。12:0基質対を用いた活性を、18: 1基質対を用いた活性に対して表した。この比は、典型的には、対照種子につい て0.5であり(導入されたココナッツLPAAT遺伝子は全無なく)、そしてココナッ ツLPAAT遺伝子により形質転換された植物の種子について実質的により高かった( しばしば、>2.0)。この比における増加は、18:1基質を超える12:0基質につ いてのLPAAT活性の増加された好みの、そしてそれ故、トランスジェニック植物 内でのココナッツの12:0を好むLPAAT活性の発現の、指標のようなものである 。 12:0対18:1基質に対する活性の比較についてのこの検定のさらなる調査は 、“P2”調製物の濃度に対する計測された活性の僅かな依存性の存在を示した。 対照と形質転換体調製物の基質の好みにおける差異を同定するために有用である けれども、その検定は、低レベルの活性をもつものから、高い中鎖LPAAT活性を もつ種子を区別しなかった。なぜなら、その反応は、30分間のインキュベーショ ン期間末端で完結まで走ったからである。本検定の時間経過及び調製物依存性を 、詳細に、そして以下のように修正した検定において調べた。P2調製物を20倍及 び40倍に希釈し、そしてその反応時間を10分間に短縮した。反応は、時間に対し ほぼ線形であり、活性における10分間の酵素濃度は1500cpmを超えず、そしてそ れ故、1500又は<1500cmpのPA生成物(TLC−補正シンチレーション・カウント)を 提供する希釈からの結果を、LPAAT活性を表すものとして採用する。P2調製物を 、解凍し、そして上記条件下、新鮮重量に基づきトランスジェニック植物におけ る中鎖LPAAT酵素活性を比較するために上記12:0基質だけを使用して、再検定 した。これらの検定の結果を以下の表5に表す。 上記結果は、ココナッツ中鎖LPAATが発現されることによって提供された変化 活性レベルをもつトランスジェニックBrassica植物を得ることができることを立 証する。 B.LPAAT活性の基質特異性 対照P2調製物及びLPAAT−形質転換系5511−5の詳細なアシル−CoA鎖長特異性 分析を、元の30分間の反応時間を使用して、上記のように測定した。この分析の ためのアシル−CoA基質は、メタノール中に存在し、そしてそれ故、本検定も、 以下の修正をもっていた。この検定バイアル内に入れられた第1溶液は、5μM の最終検定濃度に必要な各放射標識されたアシル−CoAの容量であった。このメ タノールを、窒素流を用いて蒸発させ、そして残りの検定成分を、1250μlの“ 5倍”バッファー、250μl 5M NaCl,63μl 2mM 12:0−LPA,3825μl H2O、及び2−メトキシエタノール中の125mg/ ml溶液としての25μlの粗大豆リン脂質を調製混合物215μlとして添加する。 バイアル壁からアシル−CoAを最溶解させるための混合の後、この反応を、25μ lの、5倍希釈のP2調製物の添加により開始し、そして上記のように続ける。本 分析において使用されたアシル−CoAは、8:0,10:0,12:0,14:0,16 :0,18:0、及び18:1であった。これらの検定におけるアクセプター基質は 12:0−LPAであった。これらの検定の結果を、以下の表6に表す。 形質転換体5511−5についての特異性特性は、対照ナタネLPAAT活性の上に載 せられたココナッツ中鎖LPAAT活性について予想されるようなものである。 C.中鎖LPAATと中鎖アシル−ACPチオエステラーゼ遺伝子を併合するための育種 sn−2位に取り込まれた12:0アシル基のかなりのレベルをもつTAGを含むト ランスジェニックBrassica種子を作出するために、上 記CGNE 5511 トランスジェニック植物(雌)と、pCGN 3828(ナピン5’/ゲッ ケイジュ・チオエステラーゼ/ナピン3’;WO92/20236参照)による形質転換の 結果としてゲッケイジュ12:0アシル−ACPチオエステラーゼ(雄)を発現する トランスジェニックBrassica植物との間で、交配を行う。pCGN 3828植物からの 種子は、典型的には、主にsn−1及びsn−3位において種子中に約50%ラウレー トを含む。 D.TAGのsn−2脂肪アシル組成の分析 トランスジェニック種子油の脂肪酸組成に対する発現されたLPAATの効果を同 定するために、抽出された油の脂肪酸組成を、Browse et al.(Anal.Biochem .(1986)152:141-145)により記載された酸メタノール分解により測定する。 さらに、例えば、トリ−ラウリン又はトリ−エルカ、トリグリセリドのパーセン テージを測定するための個々のトリグリセリド・タイプの分析を、Jeffrey et a l.(JAOCS(1991)68:289-293)又はNikolova−Damyanova et al.(JAOCS(1990 )67:503-507)により記載されたようなHPLC分離により行うことができる。 TAGのsn−2及びsn1+3位のアシル組成の分析を、リパーゼ消化プロトコー ル(BrocKerhoff(1975)Meth.Enzymol.35:315-325)を使用して行うことが できる。理想的には、このプロトコールにより、このリパーゼは、そのsn−2位 からでなく、そのsn−1及びsn−3位から脂肪酸を解裂する。従って、得られた モノ−グリセリド中の脂肪酸は、そのsn−2位内のものであると推定される。し かしながら、この方法によるより短い鎖の脂肪酸をもつTAGを試験するための先 の試み(Entressangles et al.(1964)Biochim Biophys.Acta 84:140-148)は 、そのsn−2位に位置するより短い鎖の脂肪酸が、このような消化の間に急速に 加水分解され、これを、そ の著者は、ジグリセリド及びモノグリセリド内の外側の位置に向う内部のより短 い鎖の脂肪酸の自然転移の結果であると報告していることに留意すべきである。 従って、成熟トランスジェニック及び対照種子から蒸留された油が、アシル転 移を最小化するために、Brockerhoff et al.(上掲)から修正されたリパーゼ 消化プロトコールに供される。これは、sn−2とsn−1+3併合位置のアシル組 成を区別する。この修正は、簡単には、以下のようなものである:pHを中性に下 げ、反応時間を短くし、サンプルを、その後、酸性pHにおいて維持し、そして消 化生成物を、ホウ酸−含浸TLCプレート上でクロマトグラフィーにかける。次に クロマトグラフィーにかけた生成物を溶出し、そして上記のように脂肪酸メチル ・エステルとして分析する。このやり方で、sn−2位内の脂肪酸、例えば、中鎖 C12又はC14脂肪酸又は長鎖C22:1脂肪酸のパーセンテージを、測定する。修 正された手順を、立体化学的に規定された飽和TAGsを使用して確認し、そして以 下のように行う。 一般的に、リパーゼ手順においては、ポジティブ−ディスプレースメント・ピ ペッター(positive-displacement pipetors)だけが使用される。なぜなら、油 及び有機溶媒は、ネガティブ−ディスプレースメント・ピペッターによっては容 易にデリバリーされることができないからである。さらに、サンプルを単に乾燥 までもっていくために溶媒を蒸発させるとき、注意しなければならない。C10又 はより短いアシル基が存在するとき、共に乾燥を回避しなければならない。脂肪 酸汚染に寄与することができるプラスチック容器又はキッチンのガラス容器は、 回避されるべきである。ガラス容器は、適宜、クロロホルム/メタノール2/1 (v/v)により前もって濯がれることができる。 15mlのスクリュー・キャプ(テフロン・ライナー)バイアル内で、2ml 0.1M トリス−HCl,pH7.0,0.2ml 2.2w/v% CaCl2,0.5ml 0.05w/v% 胆汁 酸塩(Sigma)、及び10μl(固体の場合10μg)の油又はTAGサンプルを添加する 。短時間超音波浴内で音波処理して少なくともいくつかの油を分散させる。この 懸濁液は、数分後に雲様外観になるはずである。 リパーゼ、例えば、リゾプス・アリガス(Rhizopus arrhizus)リパーゼ(Sigma ,L4384)の活性懸濁液を使用してリパーゼ希釈物を調製し、そして氷上に保つ (4℃)。(懸濁液が凍結する場合、活性が失われるであろう。)。酵素バッチ は、その全体手順において水との懸濁液の各種希釈物をテストし、不飽和脂肪酸 を含む油を使用し、そしてヨウ素染色によるシステム1TLC(以下参照)により 消化の程度を可視化することにより、チェックされることができる。正しい希釈 は、TAGの約50%の消化をもたらすはずである。(さらなる消化リスクは、MAG生 成物に対する攻撃を増加させる。)。典型的には、約600,000ユニット/mlまで の水によるSigmaリゾプス・アリザス・リパーゼの希釈は、適当な濃度を与える 。 各々の反応を、別個に走らせる。反応を開始させるために100μlの水希釈リ パーゼを添加し、バイアルに蓋をし、そして直ちに1.5分間連続撹拌混合を開始 する。層化を防ぐようにこの混合の間数回この撹拌を実施し、そして中断する。 白い沈澱物が、1.5分間の“インキュベーション”の間に形成されなければなら ない。この沈澱物は、放出された脂肪酸のカルシウム塩を含んで成り、そして反 応が進行している指標である。 1.5分間の混合インキュベーションの終わりに、0.5ml 6M HClを添加し、そ して短時間混合することによりその反応を止める。直ちに、2.6mlのクロロホル ム/メタノール2/1 v/vを添加し 、十分に振とうし、そして氷上に置く、一方、他のリパーゼ消化を行う。白い沈 澱物がこのとき、完全に再溶解されるであろうこと留意すべきである。 氷から上記バイアルの全てを取り出し、もう1回よく混合し、層をはっきりさ せるために短時間回転させる。消化生成物は、下層中に存在する。パスツール・ ピペットを使用して、その下層を新たな15mlバイアルに取り出す。元の消化混合 物を、1.6ml生クロロホルムで再抽出し、よく混合し、回転させ、そしてこの下 層を先に取り出したものと併合する。この併合下層、有機層を、N2下、乾燥ま でブローし、そして同時にサンプルがひじょうに冷たくなることを防ぐために十 分に加熱する。 アシル転移のためのTLCプレートは蛍光指示薬を全く含まず、そしてホウ酸に より事前ロードされた500μm調製用sil−Gである。この事前ローディングは、 少なくとも90分間1/1 v/vアセトニトリル/メタノール中5w/v%ホウ 酸の上行移動により行われる。プレートされたものを、乾燥させ、使用されるま で室温において保存する。加熱“活性化”は、湿気のある気候において必要であ ることができる。 2つの溶媒系、両者、その溶媒がプレートの上に達しない場合でさえ正確に1 時間でそのプレートを上行するものが好適である。なぜなら、より長いランは、 それらの溶媒のかなりの揮発性のために減少された分離をもたらすからである。 系1−n−ヘキサン/ジエチル・エーテル/酢酸、 70/30/1 v/v 系2−ジエチル・エーテル/酢酸、100/1 v/v 系1を、それがTAG,DAG、脂肪酸、及びMAGの回収を許容するので、リパーゼ 反応を評価し、そしてモニターするために使用する。 系2は、日常的使用のために使用されることができ、そしてsn−2測定に必要な MAG生成物の最高の純度を生じさせる。 プレートをスポットする前に、2つのサンプル(右と左)が適用されることが できるように鉛筆で中央に印を付ける。(サンプル・クロマトグラフィーを、ホ ウ酸ローディングと同一方向で行う。)。また、端効果を除去するために各側か ら0.5cmの層を除去し、そしてローディング・ガイドとしてその底部から2cm上 に線を引く。100μlクロロホルム/メタノール2/1(v/v)中に各乾燥サ ンプルを再溶解し、そして半プレート上のローディング線に沿って適用する。各 回100μlクロロホルム/メタノール2/1(v/v)でバイアルを2回濯ぎ、 そしてサンプルの上にロードする。そのローディング領域を風乾させ、そして溶 媒を走らせる。プレートを、フード内で風乾させる。 生成物のsn−1とsn−3分析のための最小アシル再配置を確保するために、こ の手順は、リパーゼ反応の開始からの中断を伴わずに行われなければならない。 TLCプレートを、ローダミン(Rhodamine)スプレー、アセトン中〜1w/v%Rh odamineで可視化する。これらのプレートを、それらが全体として中程度のピン ク色になるまで、スプレーし、数分間乾燥させ、そしてUV光下で見る。脂質は、 オレンジ色の背景上に黄色に蛍光を発する。所望のゾーンを、鉛筆で線で囲まれ る。系2を使用するとき、MAGゾーンは、日常的には、プレートの上50〜75%の 距離にあり、生成物の残りは、その上部にある。このMAG領域は、いくつかの鎖 長の分離のために多数のゾーンで現われることができるが、単一の全体ゾーンと しての切除のために線で囲まなければならない。 これらのゾーンは、きれいな紙の上にこそげられ、そして大きな スクリュー−キャップ(テフロン・ライナー)試験管に移される。10mlのクロロ ホルム/メタノール2/1(v/v)を添加し、振とうし、そして少なくとも1 時間放置する。ワットマン(Whatman)紙を通して100mlロータリー・エバポレーシ ョン・フラスコ内に直接的に濾過する。各回、5mlクロロホルム/メタノール2 /1(v/v)により、上記フィルターを通して2回試験管を濯ぐ。(ローダミ ン染料は、脂質と共に同時溶出し、そしてそれが残存するであろとき、脂肪酸メ チル・エステル(FAMES)の最終ヘキサン抽出まで上記手順を通じてそれらと行動 を共にするであろう。)。室温又は30℃までロータリー・エバポレーター処理し て、約100μlに容量を減少させる。そのフラスコの100μlクロロホルム/メタ ノール2/1(v/v)濯ぎ2回を伴って、15mlスクリュー・キャップ・バイア ルに移し、そしてN2下乾燥近付までブローする。 ほとんど乾燥したサンプルに、2mlの新たに調製した、メタノール中5(w/ v)%硫酸を添加する。比較的新しいメタノールであって多くの水を吸収する機 会をもたなかったものを、使用すべきである。また、0.5mg/ml TAGにおいて所 望の内部標準(例えば、トリ−17:0等)を含む1mlのトルエンを、これらのサ ンプルに添加する。最初の2分間の後に蓋を締め、そして約15分間後に再び締め て、2時間90℃においてインキュベートする。これらのバイアルが冷えた後、2 mlの0.9w/v% NaCl及び0.5mlのn−ヘキサンを添加する。完全に混合し、層 分離まで数分間放置し、そして上記g.c.バイアル内にその上層をサンプリン グする。脂肪酸組成を、Browse et al.(Anal.Blochem.(1986)152:141-14 5)により記載されたような脂肪酸メチルエステル(FAME)についての分析によ り測定する。 MAGゾーンの組成を、元の油又はTAGサンプルのsn−2における 組成として採用する。第1(sn−1及び−3)位置における平均組成を、各アシ ル基の%に基づき、式(3TAG−MAG)/2を用いて計算する。(例:50mol% 12 :0全体及びsn−2における5mol% 12:0を含む油は、第1位において、145 /2=72.5 mol% 12:0の平均をもつ。)。 以下のデータ(表7A)を、pCGN 3828形質転換ブラシカ・ナプス(Brassica na pus)植物からの花粉との、図示した5511形質転換ブラシカ・ナプス植物との支 配から生じた20の(プールされた)成熟種子のヘキサン抽出油を用いて得た。 (0=18:1,La=12:0,“R”立体配座は、sn-1におけるユニークなアシル をもち、“S”立体配座は、sn−3においてユニークなアシルをもつ。) 上記データは、中鎖LPAAT活性の結果としてsn−2位内に12:0が取り込まれ ていることを立証する。上記手順は、典型的には、ラウレート産生系統23−198( 導入されたLPAATは無い)又はsn−2に12:0を全くもたない標準TAGについて、 そのリパーゼの不完全な特異性のために、2−5モル%の値を与える。5511−8 分離種子内のsn−2における高レベルの12:0は、5511−4及び5511−6支配の 親に対するこのLPAAT親の高い酵素活性、及び5511−8種子の半種子脂肪酸分析 において観察された油の変更された18:2及び18:3含量と矛盾しない。これら のF1種子中の油の平均ラウレート含量は、上記支配の結果としてBTE遺伝子の分 離のためにそのBTE発現親のものよりも低い。 他の5511トランスジェニック植物と中鎖チオエステラーゼ酵素を発現する植物 の間の支配から生じた種子は、そのsn−2位内に一定レンジのレベルの中鎖脂肪 酸をもたらすことができる。例えば、トランスジェニック植物5511−1,5511− 3、及び5511−9は、5511−8と比べて増加された中鎖LPAAT活性をもち、そし てそれ故、そのsn−2位内により高い比率の中鎖脂肪酸をもつトランスジェニッ ク植物種子を導くことができる。 さらに、トランスジェニック植物種子中のC14脂肪酸の増加された生産のため に、中鎖LPAAT発現植物を、植物種子中のC14脂肪酸の増加された生産を提供す るアシル−ACPチオエステラーゼを発現する植物と支配させることができる。こ のような植物及びこのような植物を作出するために使用されることができる構築 物は、1995年2月2日に出願された同時係属中出願USSN 08/383,756中に記載さ れている。 上記実施例中、植物種子組織からのLPAAT活性の可溶化及び特性を記載する。 プロトコールは、ココナッツ内乳から実質的に精製された中鎖アシル−CoAを好 むLPAATを得るために提供される。このタンパク質のさまざまな特性であって、 それに関連するアミノ酸及び核酸配列を獲得し、そして使用するための方法を含 むものについて、記載する。ココナッツ及びメド−フォームLPAATタンパク質に 対応する核酸及びアミノ酸配列を、提供し、そして宿主細胞内でのLPAATの発現 のための構築物について記載する。従って、本発明を通じて、ある者は、さまざ まな源からの及びさまざまな用途のためのLPAATsをコードするアミノ酸及び核酸 配列を得ることができる。これらのLPAAT配列は、次に、記載するような変更さ れたトリアシルグリセリドを得るためにトランスジェニック植物内で発現される ことができる。 本明細書中に掲げた全ての刊行物及び特許出願は、本発明の属する分野におけ る熟練者の水準を示す。全刊行物及び特許出願を、あたかも各々の個々の刊行物 又は特許出願が特別に、かつ、個々に、引用により本明細書中に取り込まれるこ とを意図されるのと同程度に、引用により本明細書中に取り込む。 これまで本発明を、理解の明確さの目的をもって説明及び実施例を用いていく ぶん詳細に記載してきたけれども、特定の変更及び修正が添付クレームの範囲内 で行われることができることは、自明であろう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 08/254,404 (32)優先日 1994年6月6日 (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 08/327,451 (32)優先日 1994年10月21日 (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),CA,JP,US (72)発明者 ネルセン,ジャネット アメリカ合衆国,カリフォルニア 95616, デイビス,チェストナット アベニュ 1019 (72)発明者 ラッスナー,マイケル アメリカ合衆国,カリフォルニア 95616, デイビス,ファルコン 721

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.植物1−アシルグリセロール−3−ホスフェート・アシルトランスフェラ ーゼであって: (i)その植物の細胞質膜から遊離しており; (ii)アシル−ACPドナー基質に比べてアシル−CoAドナー基質に対する優先的 な活性をもち;そして (iii)以下のペプチド:(a)FPEGTRS,(b)GRLLPFKKGF,(c)LTGTHLAW 及び(d)PITVKYを含んで成るアミノ酸配列をもつ、 を特徴とするもの。 2.請求項1に記載のアシルトランスフェラーゼであって: (i)1−ラウロイルグリセロール−3−ホスフェート及びラウロイル−CoA からの1,2−ジラウロイルグリセロール−3−ホスフェートの生産を触媒する ことができ;そして (ii)ラウロイル−ACP基質に比べてラウロイル−CoA基質に対する優先的な活 性をもつ、 を特徴とするもの。 3.請求項2に記載のアシルトランスフェラーゼであって、その植物がココナ ッツであるもの。 4.請求項1に記載のアシルトランスフェラーゼであって、その植物がメド− フォーム(meadow foam)であるもの。 5.その第1DNA配列に対し異種の第2DNA配列に連結された、植物1−アシル グリセロール−3−ホスフェート・アシルトランスフェラーゼ・ペプチドをコー ディングする第1DNA配列を含んで成るDNA構築物であって、その第1DNA配列が : (A)以下の段階: (i)ポリメラーゼ連鎖反応条件下、(a)配列番号:1として 表されるペプチドの6連続アミノ酸をコーディングするオリゴヌクレオチドと( b)植物1−アシルグリセロール−3−ホスフェート・アシルトランスフェラー ゼ源からのDNA、とを接触させ; (ii)植物1−アシルグリセロール−3−ホスフェート・アシルトランスフェ ラーゼ・ペプチドをコードするDNAを回収する; を含んで成る増幅反応;又は (B)LLPWPY,GNLYGH,RIDRSNP,KNLSLI,LPIVPM,FPEGTRS,GRLLPFKKGF,LTGT HLAWRK、及びPITVKYから成る群から選ばれた、植物1−アシルグリセロール−3 −ホスフェート・アシルトランスフェラーゼ・ペプチドの少なくとも5連続アミ ノ酸をコーディングする核酸プローブを用いた植物遺伝子ライブラリーのスクリ ーニング、により得られる、 ことを特徴とするDNA構築物。 6.請求項5に記載のDNA構築物であって、配列番号:1として表されるペプチ ドのその6連続アミノ酸が、FPEGTRであるもの。 7.請求項5に記載のDNA構築物であって、その第1DNA配列が、その5’→3 ’プライマーがFPEGTRSをコードし、そしてその3’→5’プライマーが5’RAC Eampであるプライマーの組合せにより増幅されることができるもの。 8.植物1−アシルグリセロール−3−ホスフェート・アシルトランスフェラ ーゼ・タンパク質の少なくとも8の連続アミノ酸をコーディングする配列を含む 、請求項5に記載のDNA構築物。 9.請求項5に記載のDNA構築物であって、活性な植物1−アシルグリセロー ル−3−ホスフェート・アシルトランスフェラーゼをコーディングするDNA配列 が回収されるもの。 10.請求項5に記載のDNA構築物であって、その植物がココナッツであり、そ してその1−アシルグリセロール−3−ホスフェート ・アシルトランスフェラーゼ源が未熟内乳であるもの。 11.請求項5に記載のDNA構築物であって、その植物がメドーフォームであり 、そしてその1−アシルグリセロール−3−ホスフェート・アシルトランスフェ ラーゼ源が未熟胚であるもの。 12.転写の5’から3’への方向においてDNA配列、すなわち、宿主細胞内で 機能的な転写及び翻訳調節開始領域、植物1−アシルグリセロール−3−ホスフ ェート・アシルトランスフェラーゼをコーディングするDNA配列、及びその細胞 内で機能的な転写終結調節領域、を含んで成るキメラ遺伝子であって、上記調節 領域の中の少なくとも1が上記DNA配列に対して異種であり又は上記DNA配列の中 の少なくとも1が上記細胞に対して異種であり、そして上記植物1−アシルグリ セロール−3−ホスフェート・アシルトランスフェラーゼコーディング配列が: (A)以下の段階: (i)ポリメラーゼ連鎖反応条件下、(a)配列番号:1として表されるペプ チドの6連続アミノ酸をコーディングするオリゴヌクレオチドと(b)植物1− アシルグリセロール−3−ホスフェート・アシルトランスフェラーゼ源からのDN A、とを接触させ; (ii)植物1−アシルグリセロール−3−ホスフェート・アシルトランスフェ ラーゼ・ペプチドをコードするDNAを回収する; を含んで成る増幅反応;及び(ii)において回収されたDNA配列により、植物1 −アシルグリセロール−3−ホスフェート・アシルトランスフェラーゼ源から単 離されたcDNA又はゲノムDNAライブラリーをプロービングし;又は (B)図10〜18の中のいずれか1の中に示すアシルトランスフェラーゼ・コーデ ィング配列の少なくとも15の連続ヌクレオチドを含む核酸プローブを用いた植物 遺伝子ライブラリーのスクリーニング、 により得られ、 上記プロービング又は上記スクリーニングが、活性な植物1−アシルグリセロ ール−3−ホスフェート・アシルトランスフェラーゼが回収されるような条件下 で行われる、 ことを特徴とするキメラ遺伝子。 13.請求項12に記載のキメラ遺伝子であって、配列番号1として表されるペプ チドのその6連続アミノ酸が、FPEGTRであるもの。 14.請求項12に記載のキメラ遺伝子であって、その第1DNA配列が、その5’ →3’プライマーがFPEGTRSをコードし、そしてその3’→5’プライマーが5 ’RACEampであるプライマーの組合せにより増幅されることができるもの。 15.植物1−アシルグリセロール−3−ホスフェート・アシルトランスフェラ ーゼ・タンパク質の少なくとも8の連続アミノ酸をコーディングする配列を含む 、請求項12に記載のキメラ遺伝子。 16.請求項12に記載のキメラ遺伝子であって、その植物がメドーフォームであ り、そしてその1−アシルグリセロール−3−ホスフェート・アシルトランスフ ェラーゼ源が未熟胚であるもの。 17.請求項12に記載のキメラ遺伝子であって、その宿主細胞が植物細胞である もの。 18.請求項17に記載のキメラ遺伝子であって、その転写開始領域が、植物種子 組織内で優先的に発現される遺伝子由来であるもの。 19.請求項12に記載のキメラ遺伝子であって、その植物アシルトランスフェラ ーゼ源が、ココナッツ内乳組織及びメド−フォーム胚組織から成る群から選ばれ るもの。 20.請求項12に記載のキメラ遺伝子であって、その植物1−アシルグリセロー ル−3−ホスフェート・アシルトランスフェラーゼ・タンパク質が、より長い鎖 のアシル−CoA基質に比べて中鎖に対し て優先的に活性であるもの。 21.請求項12に記載のキメラ遺伝子であって、そのアシルトランスフェラーゼ 配列が、アンチセンス方向にあるもの。 22.請求項12に記載の構築物を含む細胞。 23.請求項17に記載の構築物を含む植物細胞。 24.請求項23に記載の植物細胞を含む植物。 25.請求項24に記載の植物であって、その植物が、アブラナ(Brassica)植物 であるもの。 26.細胞内での植物1−アシルグリセロール−3−ホスフェート・アシルトラ ンスフェラーゼの製造方法であって、 請求項12に記載のDNA構築物を用いて細胞を形質転換し、そして その細胞を成長させて、多量の上記植物1−アシルグリセロール−3−ホスフ ェート・アシルトランスフェラーゼを作り出す、 ことを特徴とする方法。 27.植物種子中のトリグリセリドの脂肪アシル組成を修正する方法であって、 植物を結実まで成長させ、その植物が、その植物の種子内で外来植物1−アシ ルグリセロール−3−ホスフェート・アシルトランスフェラーゼ・タンパク質の 発現を提供するDNA構築物を含む、 ことを特徴とする方法。 28.請求項27に記載の方法であって、その植物が、さらに、その植物の種子内 での中鎖を好むアシル−ACPチオエステラーゼの発現を提供するDNA構築物を含む 、 ことを特徴とする方法。 29.請求項27に記載の方法であって、その中鎖アシル−ACPチオエステラーゼ が、C12アシル−ACP基質に対して優先的活性を示す、 ことを特徴とする方法。 30.請求項28に記載の方法であって、その植物種子が、対照植物の、そのトリ グリセリドのsn−2位内の中鎖脂肪酸の比率に比べて、増加された比率の、その グリセリドのsn−2位内の中鎖脂肪アシル基を含み、その対照植物が、その植物 の種子内での中鎖アシル−ACPチオエステラーゼの発現のためのDNA構築物を含み 、そしてその対照植物が、中鎖脂肪酸に対する優先的な活性をもつ1−アシルグ リセロール−3−ホスフェート・アシルトランスフェラーゼ・タンパク質を欠い ている、 ことを特徴とする方法。 31.請求項30に記載の方法であって、その植物種子中のそのトリグリセリドの sn−2位内の中鎖脂肪酸の比率が、少なくとも10%であるような方法。 32.請求項30に記載の方法であって、その植物種子中のそのトリグリセリドの sn−2位内の中鎖脂肪酸の比率が、少なくとも20%であるような方法。 33.請求項30に記載の方法であって、その植物種子中のそのトリグリセリドの sn−2位内の中鎖脂肪酸の比率が、少なくとも25%であるような方法。
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