JPH09511656A - ヒト心筋ミオグロビンに対するモノクローナル抗体 - Google Patents
ヒト心筋ミオグロビンに対するモノクローナル抗体Info
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Abstract
(57)【要約】
他の分子に対する分子の結合の結果生じた立体構造変化を受けたヒト心筋ミオグロビンに高親和性を有するモノクローナル抗体を記載する。このモノクローナル抗体は心筋ミオグロビンの血液、血清または血漿レベルを同定するために、急速フォーマット二重抗体免疫測定系において使用することができる。そのような免疫測定系は心筋の壊死および梗塞を診断し、定量化するために使用することができる。
Description
【発明の詳細な説明】
ヒト心筋ミオグロビンに対するモノクローナル抗体
発明の分野
本発明はヒト心筋ミオグロビンに特異的に結合を示すモノクローナル抗体に関
する。特に詳しくは、本発明は分子が他の分子に結合した結果起こった立体構造
の変化によりのみ露出されるミオグロビン分子のエピトープを認識するモノクロ
ーナル抗体に関する。本発明はまた、ハイブリドーマ細胞株、5Mb-64と称する
、およびそれにより産生されるモノクローナル抗体に関する。さらに本発明は、
ミオグロビンの血液、血清あるいは血漿レベルで検出するためのサンドイッチ法
における抗体としての、ハイブリドーマ細胞株5Mb-64から得られるモノクロー
ナル抗体を使用した診断システムに関する。本抗体は迅速な定型的測定システム
において特に有用である。
背景および先行技術
ミオグロビンは骨格筋および心筋における主要なタンパク質の一つである。こ
の酸素結合ヘムタンパク質は 17.8kDaと報告されている分子量を有する単一ポ
リペプチド鎖からなりたっている。ミオグロビンの三次構造は広範に研究されて
おり、主鎖の75%はアルファらせん構造内に折りたたまれている、と報告されて
いる。(Edmundson A.B.,Biochem Prep.1968; 12,41-52; Kagen L.J.(1973)
In: F.Borek (Ed),Myoglobin,Biochemical,Physiological and Clinical A
spects,Columbia University Press,
NewYork)。
その精密な生理的機能は議論のあるところではあるが、酸素に可逆的に結合す
る作用は筋肉細胞に酸素を運搬する役割を反映していることが知られている。正
常人の血液中のミオグロビンレベルは0から70ng/mlである。
筋肉が障害を受けると、心筋および骨格筋のミオグロビンの血清レベルは劇的
に上昇する。その小さな分子のサイズを反映して、ミオグロビンはリンパ系のプ
ロセッシングを受けないで脈管系に移行することができる。ある種の健康障害お
よび/または疾病において、血清ミオグロビンが上昇することが知られている。
この上昇は、障害を受けたまたは壊死した筋肉細胞からミオグロビンが遊離する
ことによると考えられている。
急性心筋梗塞(AMI)は毎年多くの人がり患しており、その多くは救命に間
に合うように診断や治療ができなかったために死亡している。もし、正確なAM
Iの診断と適切な治療介入が胸痛の発症後最初の6時間以内に行われていれば、
生存の可能性は大きく増えることが研究の結果示されている。それゆえ、医学研
究者の最終の目標はこのような条件で早期の指標を同定するような分析系を開発
することにある。MI患者において、血液、血清および血漿の心筋ミオグロビン
レベルは胸痛の発作後30分より早く正常より高くなっていることが知られている
。事実、いく人かのMI患者において、心筋のミオグロビンレベルはMIの経過
中にわたって正常人のそれの10倍も増加している。ミオグロビンは循環系の中に
一時的に遊離されるものとされている。MI患者におい
て、ミオグロビンレベルは胸痛の発作後、2時間以内に正常値以上になり、6-
9時間で最大血清レベルに達し、そして24ないし36時間に正常値に戻る(vaidya
H.C.,Laboratory Medicine,1992; 23:306-310)。それゆえ、心筋のミオグロ
ビンの急速な遊離をモニタリングすることはMIの指示標として使用することが
できる。
病状の初期の段階(6時間以下)のMI患者は非常にしばしばストレプトキナ
ーゼあるいはTPA(組織プラスミノーゲンアクチベーター)を投与する再灌流
処置を受けている。これらの血栓溶解剤は閉塞した血管において血流が復活する
ように作用する。ミオグロビンは再灌流が成功した後およそ45分で最高になるか
ら、ミオグロビンの連続した測定はそのような治療のモニタリングにおいて有用
であることが証明されたのである(Ellis A.K.,et al.,Circulation,1985; 7
2:639-647)。
いくつかのミオグロビン検出法が確立されているが、しかし各方法には臨床応
用に直接影響する限度がある。ミオグロビン検出法の非侵襲法に対する要望は25
年以上も前に実現した、そして開発された初期の検査はラジオイムノアッセイで
あった(stone M.J.,et al.,J.Clin.Invest.,1975; 56:1334-1339)。これら
の測定法では、血清試料は放射性同位元素で標識したミオグロビンおよび抗ミオ
グロビンポリクローナル抗体と結合された。抗体はそして第2の放射性同位元素
で標識したポリクローナル抗体と沈澱する。試料中のミオグロビンの濃度は沈澱
した放射能の量の逆数を基にして計算される。この方法は非常に熟練した技術者
を必
要とするので限定的であり、大変時間を要し、放射線の危険性があった。
ミオグロビン検出のラテックス凝集法は、ラテックス粒子上に不溶化された、
ミオグロビンに対するモノクローナル抗体を利用している(Chappelle J.P.,et
al.Clin.Chim.Acta,1985; 145:143-150)。これらのモノクローナル抗体は
血清ミオグロビンと結合し、凝集体を形成する。凝集の定量化はミオグロビン濃
度に比例する。この測定はRIAよりもより速くそして実用的であるが、しかし
半定性的結果が得られるのみである。この方法は最近、比濁分析法(Turbitimer
,Behring,ドイツ国,Tuengler P.,et al.,Behring Inst.Mitt.,1988; 82:
282-308)および免疫比濁法(NA Latex Myoqlobin,Behring,ドイツ国,massoubr
e,C.,Clin.Chim.Acta.1991; 201:223-230)。これらの方法の両者とも測定
内部および測定相互間の測定変位が低いと報告されている。これらの方法は、し
かし、限度がある、なぜなら分析時間が必要とされるし、不十分な特異性があり
、高価な分析機械を必要とするからである。
それゆえに、心筋障害(例えば心筋梗塞)の患者における血液、血清または血
漿のミオグロビンレベルを測定する免疫システムの試薬として使用される、ヒト
ミオグロビンに対する高い親和性と特異性を示すモノクローナル抗体に対する要
望が残されている。そのようなイムノアッセイシステムは、米国特許第5,290,67
8号に開示されている高速判定手順に従って心筋壊死および梗塞を診断ならびに
測定するために使用することができる。
発明の要約
本発明においては、公知技術の欠点について、ヒト心筋ミオグロビンに対し特
異性と高い親和性を有するモノクローナル抗体を提供することによって、対処し
ている。特に本発明は、ミオグロビン分子が他の分子、例えば抗体、と結合する
ことによって立体構造的変化を受けた結果としてのみ露出されるヒト心筋ミオグ
ロビンの独特のエピトープまたは領域を認識するモノクローナル抗体に関する。
このモノクローナル抗体はヒトの血液、血清または血漿中のミオグロビンタンパ
ク質の迅速かつ特異的同定において使用することができる。
従って、本発明によれば、ミオグロビン分子が他の分子に結合して立体構造変
化を受けた結果としてのみ露出される、ヒト心筋ミオグロビンのエピトープを認
識する、モノクローナル抗体が提供される。
更に本発明によれば、該モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞株
が提供される。この実施態様としては、ハイブリドーマ細胞株は5Mb-64であり
、American Type Culture Collectionに、寄託番号HB11708として1994年8月25
日に寄託された。
更に本発明の実施態様によれば、Amerrcan Type Culture Collection に、寄
託番号HB11708として寄託されている、ハイブリドーマ細胞株5Mb-64から産生
されるモノクローナル抗体を使用して試料中のミオグロビンを検出する方法が提
供される。そのような方法は、試料を抗ミオグロビンウサギポリクローナル抗
体と接触させポリクローナル抗体ミオグロビン複合体を産生し;複合体をモノク
ローナル抗体と接触させポリクローナル抗体・ミオグロビン・モノクローナル抗
体複合体を産生し;そしてポリクローナル抗体・ミオグロビン・モノクローナル
抗体複合体を検出することよりなる。
図面の簡単な説明
第1図は半サンドイッチ法における5Mb-64抗体の3つの異なった純度のロッ
トの滴定を示す。ここにおいて、ミオグロビンはポリスチレンプレート上に直接
被覆されている。
第2図は捕捉体としてウサギ抗ミオグロビン抗体を、検出体として5Mb-64を
使用したミオグロビンイムノアッセイにおける5Mb-64の活性を示す。
第3図はBIAcoreを使用した会合/解離曲線を示す。
第4図(A)はα-ヒトミオグロビンモノクローナル抗体5Mb-64のSDS-P
AGE、(C)は5Mb-64のミオグロビンに対する免疫特異性を示す、ヒトミオ
グロビンα−ヒトミオグロビンモノクローナル抗体5Mb-64と5Mb-64のウエスタ
ンブロット、(B)はクロセインスカーレット染色等電点電気泳動により決定さ
れたpI値6.6。
第5図は5Mb-64抗体と心筋および非心筋タンパク質のパネルとの交又反応性
がないことを示す。
第6図はBIAcoreの慨要であって:(a)5Mb-64はミオグロビンのみと会
合する、抗体は抗原の18RUsのみと結合する、
(b)抗体が5Mb-64に提示される前にウサギポリクローナル抗体に結合するMb
に提示されたとき5Mb-64(154RUs)の活性が増強される。
発明の詳細な説明
本発明のモノクローナルは、ヒト心筋ミオグロビンに対する特異性、感受性お
よび高い親和性によって診断学的価値の点において公知の抗体と区別することが
できる。
診断イムノアッセイにおいて高感度を達成するために使われる抗体は抗原に対
する高い親和性および良好な結合動態を有していなければならない。モノクロー
ナル抗体と抗原の至適相互作用が感度の必要なレベルを達成するのに必須である
から、選択する系は測定の成功に決定的である。
しかし、モノクローナル抗体の免疫活性は基質(matrix)に結合(coupled)
したときや、標識分子に結合(conjugate)したときに劇的に変化し得るもので
ある。同様に、抗体とその相当する抗原の間に生じる結合は事実立体構造の変化
あるいは化学量論的再配列された抗原を生じ得る。この立体構造の変化は抗原に
結合するための第2の抗体の能力に大きく影響する。この化学量論的障害あるい
は増強は、それが同定されたとき、測定の感度の成功、不成功に大きく影響する
(Johne B.,et al.,J.Immunol.Methods,1993,160:191-198)。本発明のモ
ノクローナル抗体は、他の分子に対して結合することの結果として、もし分子の
構造が変化したならば、抗体、ミオグロビン、のみに結合することがで
きたのであった。本発明の実施例によれば、この立体構造変化は、ミオグロビン
がポリスチレンプレートあるいは抗ミオグロビンウサギポリクロナール抗体への
結合に起因することができる。本発明のモノクローナル抗体の免疫活性は、ミオ
グロビンが始めに抗ウサギポリクローナル抗体に結合したときに増強された。
通常のELISAにおいては、捕捉抗体はマイクロタイタープレート、または他の
固体支持マトリックス上に被覆される。この固体支持捕捉抗体複合体に対して抗
原が加えられ、そこに標識された検出抗体が加えられる。検出抗体上の標識分子
が抗体−抗原相互作用を可視化する。それゆえ、本実施態様においては、本発明
のモノクローナル抗体は検出抗体であり、それは最初の抗体(捕捉抗体)に対す
る分子の結合に由来する分子内における立体構造変化の結果としてのみ露出され
る、ミオグロビンのエピトープを認識する。本実施態様においては、抗ミオグロ
ビンウサギポリクロナール抗体が、ミオグロビン分子がポリクロナール抗体に結
合したとき、ミオグロビン分子の立体構造変化を引き起こす。ミオグロビンに対
してつくられるポリクロナール抗体は公知の方法により調製することができる。
典型的な方法では、5ないし6匹の大動物が使われ、例えばウサギ、ヒツジまたは
ヤギに、ウサギの場合は足跳あるいは筋肉内に複数箇所、総量0.25ないし0.5ml
をフロインド完全アジュバント1ないし5mgと共に、注射する。小動物、例えば
マウスおよびモルモットでは、ミクログラム量(0.02ないし2.0ml中1ないし100
μg)を足蹠に皮下注射または腹腔内注射する。動物は免疫後約3週間から毎週4
ないし6週間採血
する。血清を分離し、抗体の産生を検査する。ウサギおよび大動物では後足の血
管あるいは頚静脈穿刺によって採血する。マウス血清は血液の眼窩後の穿刺によ
り得ることができる。必要により、追加抗原注射を行う。一般に高い親和性の抗
体は抗原の低投与量で免疫したときに得られ、ウサギにおける最良の血清は免疫
後約3ないし5月で得ることができる。
抗体−抗原相互作用を評価あるいは解析する方法はいくつかある。最も一般的
に使用され受け入れられている方法は半サンドイッチELISA(固相酵素免疫
測定法)、全サンドイッチELISAおよびイムノブロットである。最近、新し
い分析機器が導入され、研究者は抗体−抗原会合を実際的で有用な時間枠内で観
察することができるようになった。BIAcoreTMシステム(Biospecific Intera
ction Analysis System,Pharmacia Biosensor,Piscataway,N.J.)は表面プラ
ズモン共鳴(Surface Plasmon Resonance,(SPR))の量子力学的現象を使って生
体分子の相互作用を検出あるいは解析するバイオセンサーである。生体反応体(
例えば、抗体あるいは抗原)は金/ガラスセンサーチップインターフェースの表
面にあるデキストランマトリックスに共有的に接触している。センサーチップの
表面の反対側に向けた近赤外線が反射され、そして、それは次に共鳴角として知
られる特定の角度で反射光に強度傾斜を生じ、金膜上に一過性の波を誘導する。
もしセンサーチップ表面の反射係数が変化すると(例えば、抗体に抗原が結合す
ることによって)、共鳴角度に変化が生じる。この角度変化は測定可能であり、
共鳴単位(resonance Units,RUs)で表わされる、ちな
みに1000RUsは表面タンパク質1ng/mm2の変化に相当する。これらの変化は生
体反応(この場合は抗体と抗原)の会合や解離を描く感度図(sensogram)に記
録される。
本発明のモノクローナル抗体は通常の方法、一般的にはKohlersおよびMilstei
nの方法(Nature 256,495-497,1975; Eur.J.Immunol.6,511-519,1976)により
調製される。この方法によると、組織培養に適合したマウスミエローマ細胞を、
単一抗体分子を大量に産生するハイブリッド細胞を得るために、免疫マウスから
得た抗体産生細胞に融合させる。一般的に、抗体産生細胞は動物、例えばマウス
、ラット、ウサギ、ヒツジ、ウマまたはウシを抗原で免疫することによって調製
される。懸濁液中の抗原の免疫スケジュールおよび濃度は適当に準俯された抗体
産生細胞の有用な量が得られるようにすればよい。これら抗体産生細胞は脾臓細
胞、胸腺細胞、リンパ節細胞および/または末梢血リンパ球のいずれかである。
抗体産生細胞は次にミエローマ細胞、種々の動物例えばマウス、ラット、ウサ
ギおよびヒト由来の細胞株が使用可能である、と適当な融合促進剤を用いて融合
される。多くのマウスミエローマ細胞が知られており、一般に学術団体や種々の
寄託機関、例えばAmerican Type Culture Collection,Rockville,Marylandか
ら入手可能である。使用されるミエローマ細胞株は好ましくは培地感受性であれ
ばよい、そうすれば未融合ミエローマ細胞は選択培地中で生存できないで、ハイ
ブリッド細胞は生存できる。最も普通に使用される細胞株は8アザグアニン抵抗
性細胞株であり、酵素ヒ
ポキサンチン−グアニン−ホスホリボシルートランスフェラーゼを欠如している
ので、HAT(ヒポキサンチン−アミノプテリン−チミジン)培地により保持さ
れない。一般的に、細胞株は、また好ましくは、 「非分泌型」がよく、それは
抗体を産生しない。好ましい融合促進剤は平均分子量約1000から4000を有するポ
リエチレングリコールである。その他の融合促進剤例えばポリビニルアルコール
、ウイルスあるいは電場もまた使用可能である。
固定化細胞(ハイブリドーマ)は正確な特異性の抗体を分泌するものを選別し
なければならない。始めの選別は一般的に固相酵素免疫測定法(ELISA)で
行われる。特に、ハイブリドーマ培養上清が、前以て抗原、この場合ミオグロビ
ン、で被覆されたミクロタイタープレートに加えられる。培養上清からの結合特
異抗体は標識第2抗体、例えば、市販品のペルオキシダーゼ標識ヤギ抗マウスI
gGを使用して検出できる。抗原に対し陽性の培養物は特定の希釈法によりクロ
ーニングに付される。第2のハイブリドーマ培養は上記したようにして再選別さ
れ、更に陽性の培養をBIAcoreシステム(Pharmacia Biosensor AB,Uppsala
,スエーデン国)を用いて試験する。培養は抗体が抗原を結合しているかどうか
、および抗原結合の動態状態を評価する。これらの結果を基にして選択した培養
を更に培養の安定性およびクローン性が得られるまでクローニングを行う。ハイ
ブリダイゼーション直後、融合産物は約80染色体を有しており、これらの細胞は
分裂を行うので、それらの染色体のいくつかを不規則に失っていく。クローニン
グ処理はこれら抗体産生のための染色体コーディングを保持し
ている細胞を選択するためである。クローニング処理は、ハイブリドーマの「安
定性」の指標である特異性抗体の産生を、特定集団が100%示すまで繰り返され
る。さらに、ハイブリドーマ培養ウエルはしばしば複数のコロニーを有している
が、それらのいくつかは抗体非産生である。クローニング処理は単一細胞から誘
導された陽性のハイブリッドの選択を可能にする。
本発明のモノクローナル抗体はバイオリアクターを使用しても、あるいは腹水
からでも産生され得、両者の方法は公知である。
本発明のモノクローナル抗体はミオグロビンの血液、血清あるいは血漿レベル
を検出するための免疫測定系として使用することができる。
現時点のイムノアッセイは分析体の存在を検出するために2抗体法を利用して
いる。これらの技術は "Basic Principals of Antigen-Antibody Reaction" Elv
in A.Labat,(Methods in Enzymology,70,3-70,1980)に総説がある。そのよ
うなシステムはしばしば分析体の存在を急速に検出するのに適しているから高速
フォーマットシステム(fast format systems)と称される。このシステムは抗
体と分析体との間の高い親和性を必要とする。本発明の一実施態様によれば、心
筋ミオグロビンの存在は、各々ミオグロビンに特異性のある、そして少なくとも
心筋ミオグロビンに対し特異性のある一つの抗体の、一対の抗体を使用して、検
出される。該一対の抗体の一つは、ここにおいて「検出抗体」と称し、該一対の
抗体の他の一つは、ここにおいて「捕捉抗体」と称する。本発明のモノクローナ
ル抗体は検出抗体として使用可能で
あり、ミオグロビンは既に捕捉抗体に結合されている。本発明の一実施態様では
生体体液試料中の心筋ミオグロビンを検出するために二抗体サンドイッチ法が使
用される。この方法では、分析物(心筋ミオグロビン)は検出抗体と捕捉抗体の
間にサンドイッチされ、捕捉抗体は固体支持体上に不可逆的に固定化されている
。検出抗体は、抗体−分析物−抗原サンドイッチの存在、即ち分析物の存在を同
定するために、検出可能な標識を含んでいる。
通常の固体支持体の初期の形はプレート、管あるいはビーズであり、これらは
ラジオイムノアッセイおよび酵素免疫測定法の分野で公知である。最近では、多
くの多孔性物質、例えばナイロン、ニトロセルロース、セルロースアセテート、
ガラス繊維およびその他の多孔性ポリマーが固体支持体として使われている。
本発明の一実施態様では流動−通過型免疫測定法(flow-through type immuno
assay)装置を使用している。Valkirsら(米国特許第4,632,901号)は、抗原分
析物に特異的な、多孔性膜またはフィルター、これには液体試料が加えられる、
に結合した抗体からなる装置を開示している。液体が膜を通って流れるので、標
的の分析物は抗体に結合する。試料の添加は標識抗体の添加に続いて行われる。
標識抗体の可視検出は試料中の標的分折物の存在の支持となる。
他の流動-通過型装置の例はKromerら(ヨーロッパ特許第0229359号)に開示さ
れている。これにはマトリックスの下に位置する反応マトリックスに対する、運
搬試薬の溶解速度を制御するための水可溶性ポリマー中に分散された試薬または
その成分で
飽和された、マトリックスからなる試薬運搬システムが記載されている。
移動型測定においては、膜は測定に必要な試薬で浸漬されている。分析物検出
領域は、分析物が結合し、測定指示が読まれる。例えば、Tomeら(米国特許第4,
366,241号)、およびzuk(ヨーロッパ特許第0143574号)を見よ。移動型測定装
置は通常着色試薬に付属した試薬が取り込まれており、更に物質を加えなくても
測定結果の可視検出が可能である。例えば、Bernstein(米国特許第4.770,853号
)、Mayら(WO88/08534)およびChingら(ヨーロッパ特許第0299428号)を見
よ。本発明のモノクローナル抗体はこれらの全ての流動−通過型装置において使
用可能である。
直接標識は本発明によって使用することができる標識の一例である。直接標識
は、その自然の状態で、実体が肉眼あるいは光学フィルターおよび/または蛍光
を促進する紫外線などの刺激によって、見ることができるものとして定義される
。本発明において使用することができる着色標識の例としては、金属ゾル粒子、
例えばLeuveringにより記載された金ゾル粒子(米国特許第4,313,734号):Grib
nauら(米国特許第4,373,932号)およびMayら(WO88/08534)により記載され
た色素ゾル粒子; May、上記、Snyder(ヨーロッパ特許第0280559号および第0281
327号);またはCampbellらによって記載されたリポソームにカプセル化された
色素(米国特許第4,703,017号)がある。その他の直接標識は放射性ヌクレオチ
ド、蛍光体あるいはルミネセンスを含む。これら直接標識装置に加えるに、酵素
からなる間接標識も本発明において
使用することができる。種々の型の酵素結合イムノアッセイは公知である、例え
ばアルカリ性ホスファターゼと西洋ワサビパーオキシダーゼ、リゾチーム、グル
コース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ、乳酸脱水素酵素、これらおよびその他は
Eva Envall により Enzyme Immunoassay ELISA and EMIT in Methods in Enzymo
logy,70.419-439,1980 および米国特許第4,857,453号において詳細に記載され
ている。
本発明のモノクローナル抗体を使用して、心筋ミオグロビンの検出に使用する
ことのできる生体診断装置のその他の例は、米国特許第4,906,439号および第4,9
18,025号においてG.Grenner,P.B.Diagnostics Systems,Inc.により記載され
たものを含む。
本発明の一実施態様においては、患者から血液を引き抜くのに使用される通常
の血液試料チューブを診断試験に使用する。このチューブの内壁はモノクローナ
ルまたはポリクローナル抗体の担体として作用し、測定し得る信号を産出するた
めに必要な検出用試薬を必要とする。この実施態様において、捕捉抗体は試験管
の壁に固定化されている。患者から試料を採取した後、使用者は試料を単にチュ
ーブ内で検出抗体と振盪することにより、検出抗体は血中の心筋ミオグロビンと
反応する。この例において、本発明のモノクローナル抗体は検出抗体である。赤
血球細胞を除去した試料を使う必要があるが、それにより赤血球細胞は分析結果
に影響しない。もし分析物が血液中に存在すれば、捕捉抗体と、直接検出のため
の適当な標識を含むか、あるいは間接測定における試薬と反応する検出抗体の間
にサンドイッチされる。固体支持体
(試験管)は次いで非結合標識物質を除くために洗滌される。この方法では、種
々の固体支持体を使用することができる、例えば試験管壁、プラスチックキャッ
プ、ビーズ、プラスチックボールおよびミクロタイタープレート、紙およびガラ
ス繊維を含むシリンダー。
現時点で使用し得る、多くの試料を同時に高速フォーマットアッセイができる
幾種類かの自動測定装置がある。これらの自動測定装置は連続/ランダムアクセ
ス測定装置を含む。そのようなシステムの例は、PB Diagnostic Systems,Inc.
のopusTMおよびAbbott Laboratories of North Chicago,Illinoisにより1988年
に導入されたIMXTMAnalyzerがある。一般的に、試験検液の試料は試料容器に供
給され、測定試験要素への試料のピペッティング、培養および得られた信号の読
みを含む全ての操作工程が自動的に行われる。自動化測定システムは一般的に、
試験行程の一段階を行う夫々の一連のワークステーションを含む。測定要素は一
つのワークステーションから次へ種々の手段、例えば連続的に試験段階が完成す
るように回転ラック(Carousel)や移動棚により運搬される。測定要素は試薬貯
蔵受け器、混合液、希釈試料等を含む。測定要素はまた試験液の前以て定められ
た量を投与できる開口部、そしてもし必要ならば多孔性物に必要な他の試薬を含
む。試料要素は、行程の結果として得られた信号、典型的には多孔性物に存在す
る試薬中での蛍光または色調の変化を、例えば分光学的または蛍光光度計、これ
らは測定系に含まれているが、で読み取ることができるような窓を含む。
PB Diagnositic Systems,Inc.の自動測定機は米国特許第5,051,237号;第5,1
38,868号;第5,141,871号および第5,147,609号に記載されている。
IMX Analyzerの記載はFiore,M.et al.,Clinical Chemistry,35,No.9,19
88の "Abott IMX Automated Bench Top Immunoachemistry Analyzer System" に
含まれている。更にこれら分析器の例は米国特許第4,956,148号「自動棚および
使い捨て試料カートリッジ」C.J.Grandone、1990年9月1日、Abbott Laboratorie
sに譲渡、これにはAbbott IMXTMsystemに関して使用される複数の反応セルを運
ぶ回転ラックが記載されている。更なる改良はカナダ特許出願第2,069,531号、C
hadwick M.Dunn et al.Abbott Laboratories に譲渡、に記載されている。こ
れには、先行特許出願に記載されている免疫化学分析系が、現時点で得られる装
置を使って一回の行程操作で3ないし4分析物を試験する能力があることを記載
している。上記したカナダ特願に記載されたシステムは使用者が3つの別々の分
析を行うよりも3つの小単位の測定をまとめて行うことができる。本発明のモノ
クローナル抗体はこれらの自動化分析器において使用することができる。
本発明のモノクローナル抗体が使用可能な更に別の免疫化学分析システムはバ
イオセンサーあるいは光学免疫センサーシステムである。一般的に、光学バイオ
センサーは、光学原理を使って定量的に問題とする化学的あるいは生化学的濃度
または活性を電気信号に変換する装置である。これらのシステムは4つの主なカ
テゴリーに群分けできる:反射技術:表面プラズモン共鳴;光ファ
イバー技術および集積光学装置。反射技術は楕円偏光法、多重積分反射分光法(
multiple integral reflection spectroscopy)および蛍光キャピラリー充填装
置(fluorescent capillary fill devices)を含む。光ファイバー技術は一過性
フィールド蛍光(evanescent field fluorescence)、光ファイバー毛管(optic
al fiber capillary tube)、および光ファイバー蛍光センサーを含む。集積光
学装置はプラナー・エバンセント・フィールドフルオレッセンス(planer evane
scent field fluorescence)、インプット・グレーディング・カプラー・イムノ
センサー(input grading coupler immunosensor)、Mach-Zehnder干渉計、Hart
man干渉計および示差干渉計センサー(diference interferometer sensors)を
含む。これらの光学イムノセンサーの例は一般的にG.A.Robins(Advances in B
iosensors),vol.1,pp.229-256,1991の総説に記載されている。これらの装置
のより特定の記載は例えば米国特許第4,810,658号;第4,978,503号;第5,186,897
号;R.A.Brady et al.(phil.Trans.R.Soc.Land.B316,143-160,1987)および
G.A.Robinson et al.,(in Sensors and Actuators,Elsevier,1992)に記載
されている。
本発明の一実施態様においては、心筋ミオグロビンは血液、血清または血漿の
試料で、本発明のモノクローナル抗体を使用して、検出部および捕捉部を有する
フィルター膜または固体支持体からなる装置において検出される。検出部はミオ
グロビンと反応する抗体(検出抗体)を含んでいる。検出抗体は固体支持体上に
可逆的に固相化されており、使用時に試料と共に移動する。検出抗体
は、例えば公知技術に記載され、上記で論じたような、放射性ヌクレオチド、酵
素、蛍光体、ルミネセントあるいは色素体で、標識されていることが好ましい。
捕捉部は固体支持体に不可逆的に固相化された捕捉抗体からなっている。抗体、
捕捉および検出抗体、および必要な試薬は、既に論じた流動−通過型免疫測定装
置で開示したような、標準的既知技術を用いて固体支持体上に固相化されている
。一般的に、抗体は非極性タンパク質と非極性支持マトリックスの間の疎水性反
応の結果として、固体支持体上に吸収される。
本発明のこの実施態様においては、もし心筋ミオグロビンが試料中に存在する
ならば、検出部の検出抗体と反応し、捕捉部のフィルター膜の方に移動し、そこ
で分析物は捕捉抗体と結合する。かくして、心筋ミオグロビンは捕捉抗体と適当
な標識を有する検出抗体の間にサンドイッチされる。
本発明のこの実施例において、もし検出抗体が色素標識または色素標識を生じ
る酵素で標識されていれば、患者の血液は赤血球を除去するため最初遠心または
前ろ過を行うことにより、赤血球の色が色素標識を妨害することはない。もし、
放射性標識または蛍光標識が使われるならば、前ろ過または遠心は不要である。
この実施態様において、試料は最初検出抗体を含んでいるから、本発明のモノク
ローナル抗体は捕捉抗体であり、ウサギポリクロナール抗体は検出抗体である。
この免疫測定システムは一般的に米国特許5、290、678に記載されている。本
発明のモノクローナル抗体は心筋ミオグロビンに
高い親和性と特異性があるから本システムにおいて特に有用である。
以下の詳細な実施例は更に本発明を説明するものであるが、制限的に解釈され
るべきではない。
実施例
実施例1: ヒト心筋ミオグロビンに対する
モノクローナル抗体の調製
免疫処置
ヒト心筋ミオグロビンは以下の方法によりヒト心室から精製された。ヒト心臓
のホモジネートを始め(NH4)2SO4沈澱(40%)次いで6000×gで20分間4℃
にて遠心分離した。上清を更に1M酢酸で沈澱させ、得られた上清を12,000×g
(20分間4℃)で遠心分離して集めた。上清のpHを7.0に調節し、更に(NH4)2
SO4分画(80%飽和)した。得られた上清を50mMリン酸-ホウ酸緩衝液pH8.0
に対して透析した。ミオグロビンはBio-Gel P-60カラム(Bio-Rad,Hercules,C
alifornia,Cat.#150-4160)で粗製まで精製した。ミオグロビンは更にAffi-Blu
e Bio-Gel Affinity Column(Bio-Rad,Hercules,California,Cat.#153-7302
)で均一に精製した。
Balb/cマウス、系統H-dハプロタイプ、Charles River Canada,St.Contant
,Quebec,Canada,雌、7-9週令、に、首の基にミオグロビンとフロインド完
全アジュバント1:1の混合物50μgを初期免疫として皮下に投与した。二次免
疫として、4週間後にミ
オグロビンとフロインド不完全アジュバント1:1の混合物50μgを腹腔内(i.p
.)投与した。4週間後、更にリン酸生理食塩緩街液(PBSpH7.4)のミオグ
ロビン100μgを第3回追加免疫としてi.p.投与した。融合の4日前、更にPBS
pH7.4、のミオグロビン100μgをi.p.投与した。マウスを屠殺し、脾臓を摘出し
た。
ハイブリドーマと抗体の調製
5Mb-64のハイブリドーマ細胞株を、免疫したBalb/cマウスの脾臓から得た免
疫細胞とSp2/0ネズミミエローマ細胞を融合させて、Fuller S.A.,Takahashi M.
,and Hurrell J.G.R.,(Preparation of Monoclonal Antibodies; In Ausubel
F.,Brent B.,Kingston R.,et al.eds.,Current Protocls in Molecular B
iology,New York: Green Publishing Associates,1987: Unit 11)の記載に従
って製造した。得られた融合細胞はHAT選択培地に懸濁し、Fullerら(上記文
献を見よ)により記載された支持細胞PEC(腹腔滲出細胞)を前以て植えた96
ウエルプレートに蒔いた。新鮮なHAT培地を7目目に加え、9日目に培地の50
%を除き新鮮なHAT培地で置き換えた。
ハイブリドーマ培養をミオグロビンに高度に免疫活性な抗体の産生で選別した
。これは間接ELISAにより残りの培養上清を分析することにより行った。ポ
リスチレン製96ウエルミクロタイタープレート(Immunolon-4,Dynatech Labs,
Chantilly,VA)を100mM炭酸/重炭酸緩衝液、pH9.6のヒト心筋ミオグロビン
2μg/mlで4℃にて一夜被覆した。過剰の結合部位はリン酸緩衝
生理食塩液(PBS)のウシ血清アルブミン(BSA)でブロックした。プレー
トはPBS/0.05%Tween-20で4回洗滌した。ハイブリドーマ培養上清をウエ
ルに加え(100μl)、1時間37℃にて炭酸ガスインキュベーター中でインキュベ
ートした。プレートはPBS/Tween-20(pH7.2)で4回洗滌した。ウエルはヤ
ギおよび抗マウスIgG Fc-HRP(Jackson ImmunoResearch Lab,Inc.,west
Grove,penn.)100μlを0.5μg/mlで37℃にて60分間インキュベートした。プ
レートはPBS/Tween-20(pH7.2)で4回洗滌した。基質溶液(0.5mg/mlの
O−フェニレンジアミン、OPD(sigma Chemicals,St.Louis Missouri)、お
よび0.1Mクエン酸リン酸緩衝液中0.03%H2O2pH5.0)を100μl/ウエル加え
、暗所で30分間展開させた。反応は4N H2SO425μl/ウエルを加え停止させ
た。プレートはBIORAD Microplate Reader(Bio-Rad,Hercules,California)
で490nmで読んだ。
特定の細胞株、5Mb-64(マウス#5,マイクロタイター ウエル#64)を単離
した。これは上記したシステムで使用した培養上清のO.D.≧2.0を示す非常に
免疫活性な細胞株であった。免疫活性は種々のクローニングおよび選別の段階で
高い再現性および一貫性を保持していた。例えば、第1図は、ミオグロビンが直
接ポリスチレンプレートに被覆されている半サンドイッチアッセイにおける、5
Mb-64抗体の3つの異なった適定を示す。この細胞株は、抗体捕捉体(固相化ま
たはアンカー抗体)としてウサギポリクローナル抗体、および抗原検出体(標識
またはタグ抗体)として5Mb-64、およびその反対、を用いて完全サンドイッチ
ELISAアッヤイで試験した。
このアッセイにおいて、5Mb-64を捕捉抗体として使用したとき活性は観察さ
れず、ミオグロビンの結合も記録されなかった。しかし、抗体を逆にすると、即
ちウサギポリクローナル捕捉体および5Mb-64検出体感度は0.5ng/ml以下が達成
された、第2図を見よ。このハイブリドーマ細胞株はAmerican Type Culture Co
llection に1994年8月25日寄託番号HB11708で寄託された。
上記で記載したように、プリスタン0.5mlで前処置したBalb/cマウスにリン酸
緩街生理食塩液(PBS)、pH7.4、0.5ml中1-5×106クローン化ハイブリドー
マ細胞を腹腔内に投与した。およそ2週間後、腹水を採取し、モノクローナル抗
体を、公知の方法で、プロテインAまたはプロテインGでアフィニティ精製した
。本発明の精製モノクローナル抗体を種々の免疫化学的研究に使用した。
Fullerらの記載した方法(上記を見よ)を使用して測定した、5Mb-64ハイブ
リドーマ細胞株のいくつかの性質は以下の通りである。
(1) 細胞倍加時間 12.06時間
(2) 生産された平均腹水ml 3-5ml/マウス
(3) 抗体の平均収量 1.2mg/ml腹水
(4) 安定性 25継代以上
実施例2: 物理化学的性状
抗体クラスおよびサブクラス
抗体クラスおよびサブクラスをELISAで市販キット(Bio-Rad,Hercules
California,Cat.#172-2055)により製造者の記載方法に従って決定した。細胞
株5Mb-64はこの測定系でIgGl、χイソタイプと決定された。
等電点(pI)
等電点はModel III Mini IEF細胞(Bio-Rad,Hercules California,Cat.
#170-2975)により製造者の記載方法に従って決定した。細胞株5Mb-64のpIは6
.6と決定された。
速度定数および親和定数
A) 会合速度定数(ka)
会合速度またはモノクローナルおよびその抗原が結合する速度はBIAcoreで
生じる結合曲線を用いて決定することができる。システムは表面プラズモン共鳴
、これはガラス支持体上の薄い金膜の表面の光学的性質の変化を検出する。詳細
な理論的背景および製造者はR.Karlsson,et al.(J.Immunol.Methods,145,22
9,1991)により記載されている。
カイネティクスランは以下によりなされた:一定濃度、10mM Hepes,0.15M
NaCl,3.4mMエチレンジアミンテトラ酢酸二ナトリウム塩、0.05%サーファク
タント20(HBS、pH7.4)中30μg/ml、のモノクローナル抗体を、ウサギ抗
マウスIgGFc(
Jackson ImmunoResearch lab,Inc.)が固相化されているセンサー表面に作用さ
せる。抗原、ミオグロビン、を、1.25μg/mlから20μg/mlの範囲の濃度で結合
モノクローナル抗体に作用させる。ランは25℃、流速5μl/分で6分間(30μl注
入)、全24点報告、で行った。抗原の注入が完成した後、抗体から抗原の解離を
18報告点をモニターした。ランの後、表面を1分間かけて、1Mギ酸を注入して(
5μl注入)再生した。機器のソフトウエアでプロッティングプログラム(Micros
oft Excel)に直接使用できるdRA/dtおよびRA値を出した。
5つの異なった抗原の濃度におけるグラフdR/dt対Rをプロットすることによ
り、そして次にこれらラインの傾斜対抗原の濃度をプロットすることにより、こ
の第2のグラフの傾斜は会合速度定数ka(M-1,s-1)となる。
ここで、 dR/dtは抗原抗体複合体の生成速度、即ち結合曲線の微分係数:およ
び
RはBIAcoreにより共鳴単位で測定された抗原/抗体複合体。
B) 解離速度定数(kd)
解離速度またはモノクローナルおよびその抗原が解離する速度はBIAcoreで
生じる解離曲線を用いて決定することができる。反応対時間曲線における降下の
対数の傾斜をプロットし決定することによって、解離速度定数kd(s-1)を測る
ことができる。
C) 親和または平衡定数(KaまたはKd)
親和または平衡定数は会合と解離速度定数の比である。
ここに、 Ka=ka/kd
Kd=kd/ka
典型的な会合と解離曲線は第3図に示す。
親和定数は2つの方法で決定された。実験は抗原のみを使用し、またウサギ抗
ミオグロビンポリクローナル抗体に結合した抗原を使用して行われた。これらの
結果は表1に示す。
前に論じたように、本発明のモノクローナル抗体を結合ミオグロビンに対し直
接試験するとき結合は観察されない。しかし本発明のモノクローナル抗体を、ウ
サギポリクローナル抗体に既に結合したミオグロビンに対し試験するとき結合は
起こる。
実施例3:抗原特異性
5Mb-64抗体の特異性を、公知の方法、例えばTsang,V.C.W.et al.Methods
in Enzymol.Vol.92,377,1983に記載された方法を用いてイムノブロットによび
評価した。精製ヒト心筋ミオグロビンをSDS-PAGEゲルで電気泳動し、ニ
トロセルロースに転移した。ニトロセルロースを、非特異的結合をブロックする
ためにTween-20(TTBS),pH7.5、入りのTrisで緩衝した生理食塩水中5
%スキムミルク溶液でインキュベートした。これに次いでTTBS中5Mb-64モ
ノクローナル1ないし10μg/mlを1時間インキュベートした。ニトロセルロース
をTTBS,pH7.4で洗滌し、西洋ワサビパーオキシダーゼ(HRP)で標識し
たヤギ抗マウスIgG(Bio-Rad,Hercules,California,Cat.#170-6516)でイ
ンキュベートした。HRP結合抗体は、前に記載したように、4−クロロ−1−ナ
フトール色展開試薬でインキュベートすることによって可視化した。色展開は蒸
留水で洗滌することによって停止した。イムノブロットを第4図に示す。これは
明らかにミオグロビンの単一タンパクバンドに対する5Mb-64の免疫特異性を示
している。
5Mb-64の特異性を確認するために、この抗体を心筋および非心筋タンパク質
のパネルと共に固相ELISAテストに使用した。これらのタンパク質は、既に
記したように、2μg/mlでポリスチレンELISAプレートに被覆した。モノ
クローナル抗体をこれらの抗体に対して、濃度4μg/mlから0.004μg/mlまでの
範囲で、50%ずつの段階で下げていき、テストした。結合抗体はヤギ
抗マウスFc抗体(Jackson ImmunoResearch Lab,Inc.)0.5μg/mlで検出し、既
に記したように、OPD基質を用いて可視化した。結果は第5図に示す。モノク
ローナル抗体5Mb-64はミオグロビンを除き試験したいかなるタンパク質との交
又反応しなかった。
実施例4: 生体試料中の心筋ミオグロビンの検出
血液中のミオグロビンの正常レベルとして、血清または血漿では70ng/mlであ
るが、本発明測定では血清ミオグロビンレベル80ng/mlまたはそれ以上が検出さ
れる。これは検出抗体としてウサギポリクロナール抗体を使用し、捕捉抗体とし
て5Mb-64を使用することにより達成された。5Mb-64モノクローナルはミオグロ
ビンが他の抗体と結合したとき最も効率的にミオグロビンを認識する独特の可能
性を演じる。前記したように、BIAcoreシステムを使用して、この反応を非常
に明瞭に観察できる。5Mb-64モノクローナル抗体をセンサーチップに共有結合
させ、フリーのヒト心筋ミオグロビンを導入すると、非常に小さな(18RU)の
抗原結合が観察された。しかし、抗原をウサギポリクロナール抗体と前混合した
ミオグロビンを存在させると、抗原会合は5倍以上増加した。それゆえ、5Mb-6
4は他の分子、例えば、他の抗体と結合した結果立体構造変化が起こった結果と
してのみ露出されたミオグロビン分子のエピトープを認識するように思える。(
第6図を見よ)。
更に、結合動態の解析および親和定数の決定(表1)は、測定できないような
遊離ミオグロビンの低い親和性を5Mb-64が有し
ていることを示している。抗体結合ミオグロビンの露出したエピトープに対する
5Mb-64の親和性は3.01×106M-1であった。
モノクローナルおよびポリクロナール抗体のパネルでの広範な組み合わせの実
験で、至適感度、特異性および必要時間(即ち、2-3秒)を達成する抗体の最も
感度のよい組み合わせは、抗ミオグロビンウサギポリクロナール抗体と5Mb-64
であることが示された。従って、5Mb-64は、ミオグロビンが他の分子、例えば
、抗ミオグロビンウサギポリクロナール抗体、との結合により生じる立体構造変
化の結果としてのみ露出されたミオグロビン分子上のエピトープまたは抗原決定
基を認識する。5Mb-64抗体のイムノアッセイはこの立体構造変化により劇的に
増強される。
この実施例においては、ハイブリドーマ細胞株5Mb-64により産生されるモノ
クローナル抗体は、二抗体サンドイッチアッセイを基にした流動通過アッセイシ
ステム(flow through assay system)における捕捉抗体として使用された。
患者血清の試料(50μlから150μl)を試料口から測定系に加える、試料口は
標識抗ミオグロビンウサギポリクロナール検出抗体を含む試薬パッドと液体で連
絡している。もし、試料の量が小さければ試料を加えた後にキャリアー液が加え
られる。キャリアー液は適当な緩衝液である;例えばリン酸緩衝液、生理食塩水
、Tris-HClまたは水である。もし、試料が心筋ミオグロビンを含むならば、
試薬パッド内の検出抗体と結合する。検出抗体は可逆的に固相化され、試料と共
に移動する。試料は試薬パッドから流出しフィルター膜へと続く、その上には本
発明のモノクローナル抗
体が不可逆的に固相化されている(捕捉抗体)。標識検出抗体-心筋ミオグロビ
ン複合体は、もし存在するなら、フィルター膜上の捕捉抗体と結合する。分析物
、それは標識された検出抗体により標識されている、の存在は捕捉抗体の場所に
配置され、それは一般的に測定系の標示窓の位置に一致している。
ここに挙げた全ての文献は引用文献として取り入れられる。
本開示は本発明の好ましい実施態様を記載し例示しているが、本発明はこれら
の特定の実施態様に限定されないと解釈されるべきである。多くの変形や修飾は
当業者によって行われる。本発明の定義のために、付録する請求範囲が参照され
る。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI
// C12N 15/02 9282−4B C12N 15/00 C
(72)発明者 ジャックオースキー,ジョージ
カナダ国、エル0エヌ 1ケイ0 オンタ
リオ、イングレウッド、マックロウリン
ロード 16098番地、アール.アール.シ
ャープ1
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1. American Type Culture Collectionに寄託番号HB11708として寄託され た、ハイブリドーマ細胞株5Mb-64。 2. American Type Culture Collectionに寄託番号HB11708として寄託され た、ハイブリドーマ細胞株5Mb-64により製造されるモノクローナル抗体。 3. American Type Culture Collectionに寄託番号HB11708として寄託され た、ハイブリドーマ細胞株5Mb-64により製造されるモノクローナル抗体を使用 して試料中のミオグロビンを検出する方法であって、試料を抗ミオグロビンウサ ギポリクローナル抗体と接触させ、ポリクローナル抗体−ミオグロビン複合体を 産生させ;複合体をモノクローナル抗体と接触させてポリクローナル抗体−ミオ グロビン−モノクローナル抗体複合体を産生させ;そしてポリクローナル抗体− ミオグロビン−モノクローナル抗体複合体を検出する、ことよりなる方法。
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