【発明の詳細な説明】
17β−アリール−4−アザ−ステロイド誘導体 発明の分野
本発明は、作用機作が5α−レダクターゼの阻害、より詳細には5α−レダク
ターゼアイソザイム1型の阻害による、治療薬として広く薬理学的に有用である
新規化合物、新規組成物、それらの使用方法及びそれらの製造方法を提供する。発明の背景
にきび、脂漏症、女性多毛症、女性及び男性型禿頭症(female and male patt
ern baldness)を含むアンドロゲン性脱毛症(androgenic alopecia)並びに良
性前立腺過形成などのある種の望ましくない生理的症状は、代謝系に於けるテス
トステロン(“T”)又は同様の男性化ホルモンの過度の蓄積が原因の過アンド
ロゲン刺激の結果である。アンドロゲン性脱毛症(androgenic alopecia)はま
たandrogenetic alopeciaともいわれる。過アンドロゲンの望ましくない結果を
抑える化学療法剤を提供する初期の試みによって、それら自身の望ましくないホ
ルモン活性を有する幾つかの抗アンドロゲンステロイドが発見された。例えば、
エストロゲンは、アンドロゲンの作用を抑
えるだけでなく、女性化作用も有する。非ステロイドの抗アンドロゲン剤もまた
開発された。例えば、4′−ニトロ−3′−トリフルオロメチル−イソブチルア
ニリドである。Neriら、Endocrinol.1972,91(2)を参照せよ。しかし、これら
のものは、ホルモン作用はないけれど、レセプター部位ですべての天然のアンド
ロゲンと拮抗し、そのため男性、又は女性体内の男性胎児を女性化する傾向及び
/又は精巣の過刺激の原因となるフィードバック作用を開始させる傾向をもつ。
いくつかの標的器官、例えば前立腺に於けるアンドロゲン活性の主要な仲介物
質は、5α−ジヒドロテストステロン(“DHT”)であり、それは、テストス
テロンをDHTに変換する5α−レダクターゼの作用で、標的器官で局所的に生
成される。5α−レダクターゼの阻害は、これらの器官における過アンドロゲン
刺激の症状を妨ぐか軽くするのに役立つであろう。特に、両者ともMerck & Co,
,Inc.に譲渡された1983年3月22日発行の米国特許第4,377,584号及び1988年7
月26日発行の米国特許第4,760,071号を参照せよ。皮膚組織、特に頭皮組織にお
いて相互作用する第2の5α−レダクターゼアイソザイムが存在することが現在
知られている。例えば、G.Harrisら、Proc.
Natl.Acad.Sci.USA,Vol.89,pp.10787-10791(1992年11月)を参照せよ。主
に皮膚組織で相互作用するアイソザイムは慣用的に5α−レダクターゼ1(又は
5α−レダクターゼ1型)と命名されている一方、主に前立腺組織で相互作用す
るアイソザイムは5α−レダクターゼ2(又は5α−レダクターゼ2型)と命名
されている。
5α−レダクターゼ及びそのアイソザイムはテストステロンをDHTに変換す
るので、アイソザイムのどちらか一方又は両者の阻害は、DHTによって仲介さ
れる異常や病気を軽減するのに役立つであろう。本発明は、5α−レダクターゼ
1型の阻害剤としして活性のある新規化合物を提供することによってこの問題を
扱う。発明の概要
本発明の新規化合物は、構造式Iの化合物、
もしくはその医薬上許容可能な塩又はそのエステルであり、5α−レダクターゼ
、特に5α−レダクターゼ1型の阻害剤である。式Iの化合物は、にきび、脂漏
症、女性及び男性型禿頭症を含むアンドロゲン性脱毛症、女性多毛症、良性前立
腺過形成などの過アンドロゲン状態の経口、全身、非経口又は局所的治療、前立
腺ガンの予防と治療、及び前立腺炎の治療に有用である。更に、C16−C17
結合が二重結合である式Iの化合物は、C16−C17結合が飽和である化合物
の調製において中間体として有用である。
それ故、本発明の目的は、5α−レダクターゼ1型の阻害に十分な活性を有す
る化合物を提供することである。本発明の更なる目的は、にきび、脂漏症、アン
ドロゲン性脱毛症、男性型禿頭症、女性多毛症、良性前立腺過形成などの過アン
ドロゲン状態の治療、及び前立腺ガンの予防と治療、前立腺炎の治療のために、
式Iの化合物を使用する方法を提供することである。本発明の更なる目的は、式
Iの化合物の医薬組成物を提供することである。本発明の別の目的は、他の活性
ある薬剤、例えばフィナステライド(finasteride)などの5α−レダクターゼ2
型阻害剤、又はミノキシジル(minoxidil)などのカリウムチャンネルオープナー(
opener)、又はレチノイン酸もしくはその誘
導体と組合せて式Iの化合物を提供することである。このような組合せは一つ以
上の上記治療方法又は医薬組成物に有用であろう。発明の詳細な説明
本発明の新規化合物は、式Iの構造式の化合物、
もしくはその医薬上許容可能な塩、又はそのエステルである。
式中、“- - -”で表わしたC1−C2結合及びC16−C17結合は各々独
立に単結合または二重結合を表わす;
R1とR2は以下のものから独立に選択される:
1)−H、
2)−CH3及び
3)−CH2CH3;
R3は以下のものから選択される:
1)−H及び
2)−CH3;及びC16−C17が飽和結合のときR3はβ−配置である;
R4,R5及びR6は以下のものから独立に選択される:
1)−H、
2)−C1-8アルキルであって非置換又は−OHで置換、
3)−C1-3ペルフルオロアルキル、
4)ハロ、
5)−OR7、但しR7は
a)−H、
b)−C1-8アルキル、
c)−C1-6アルキルカルボニル、
d)−C1-6アルキルスルホニル、又は
e)−C1-6アルコキシカルボニル、
6)−NHR7、
7)−NO2、
8)−S(C1-6アルキルカルボニル)、
9)−S(O)nC1-8アルキル、但しnは0、1又は2、
10)−CO2R8、但しR8は
a)−H又は
b)−C1-8アルキル、
11)−C(O)R8、
12)−C(O)N(R8)2、
13)−CN、
14)−C(R8)2OR7、
15)−C(R8)2NR7、
16)−C(R8)2S(C1-8アルキル)、
17)−C(R8)2S(C1-6アルキルカルボニル)、及び
18)フェニルであって、非置換又は以下のものから選択される1〜3個の置換
基を有する:
a)−OH、
b)ハロ、
c)C1-3アルキル、及び
d)C1-3アルコキシ;又は
R4とR5、又はR5とR6は隣接する炭素原子上にあって、一緒になってそれらが
結合するフェニルと共にナフチル又はインダニル基を形成してもよい;及びC1
6−C17結合が飽和結合ならば、17位置換基はβ−配置である。
置換基及び/又は可変基の組合せは、このような組合せで安定な化合物になる
ときのみ許される。
本発明の一つの実施態様は、構造式IIを有する式Iの化合物、
もしくはその医薬上許容できる塩又はそのエステルである。
上記実施態様の一つのクラスは、式IIIの化合物、
もしくはその医薬上許容できる塩又はそのエステルである。式中、
R1は−H又は−CH3;及び
R2は−CH3又は−CH2−CH3;及び
R4とR5は式Iで前述のように定義した通りである。
本発明の第二の実施態様は、構造式IVを有する式Iの化合物、
もしくはその医薬上許容できる塩又はそのエステルである。
この第二の実施態様の一つのクラスは、式Vの化合物、
もしくはその医薬上許容できる塩又はそのエステルである。式中、
R1は−H又は−CH3;及び
R2は−CH3又は−CH2CH3;及び
R4とR5は式Iにおいて前述したように定義される。
本発明の一つのサブクラスにおいて、式III又は式Vの化合物は更に以下のも
のに限定される。
R1は−H又は−CH3;
R2は−CH3;及び
R4とR5は以下のものから独立に選択される:
a)−H、
b)−OH、
c)−CH3、
d)−OCH3、
e)−S(O)n−CH3、
f)−CF3、
g)ハロ、
h)−CHO、
i)−CN、
j)−NHR7、又は
R4とR5は隣接する炭素原子上にあって、一緒になって、それらが結合するフ
ェニルと共にナフチル基を形成する。
本発明の第二のサブクラスにおいて、式III又は式Vの化合物は更に以下のも
のに限定される:
C1−C2は単結合;R1は−H又は−CH3;及びR2は−CH3。
上記第二のサブクラスにおいて、式III又は式Vの化合物は更にまた以下のも
のに限定される:
R4とR5は以下のものから独立に選択される:
a)−H、
b)−OH、
c)−CH3、
d)−OCH3、
e)−S(O)n−CH3、
f)−CF3、
g)ハロ、
h)−CHO、
i)−CN、
j)−NHR7、又は
R4とR5は隣接する炭素原子上にあって、一緒になって、それらが結合するフ
ェニルと共にナフチル基を形成する。
上記第二のサブクラスの化合物の例は、以下の表にあるものである。
更に、本発明の新規化合物は、以下の実施例及び以下の表I及びIIに記載され
ているもの、及び対応するアナログを含むが、それらに限定されない。上記化合
物において、C1−C2結合
は適宜飽和又は不飽和である。
本明細書で使用する“アルキル”は特定の数の炭素原子を有する分岐鎖及び直
鎖の両方の飽和脂肪族炭化水素基を含むように意図している。例えばメチル(M
e)、エチル(Et)、プロピル、ブチル、イソ−プロピル(i−Pr)、イソ
−ブチル(i−Bu)、sec−ブチル(s−Bu)、tert−ブチル(t−
Bu)、シクロプロピル、シクロペンチル及びシクロヘキシルである。“アルキ
ルオキシ”(即ち“アルコキシ”)は、指定した数の炭素原子を有し酸素を介し
て結合したアルキル基を表わす。例えば、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ
、イソ−プロポキシ、n−ブトキシ,イソ−ブトキシ、sec−ブトキシ、t−
ブトキシなどである。
ハロ又はハロゲンという用語はフルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードを含むよ
うに意味する。
特記されていなければ、C16−C17が飽和であるとき、17位置換基と1
6位置換基はβ−配置であると仮定されている。
本発明の範囲には、塩基性又は酸性基がその構造に存在する場合式Iの化合物
の医薬上許容できる塩も含まれる。酸性置換
基、即ち−COOHが存在するとき、投与形態として使用するためにアンモニウ
ム、ナトリウム、カリウム、カルシウム塩などを形成することができる。アミノ
などの塩基性基が存在するとき、酸性塩、即ち塩酸塩、臭化水素酸塩、酢酸塩、
パモエート(pamoate)などが投与形態として使用できる。
また、−COOH基が存在している場合、医薬上許容できるエステル、例えば
酢酸エステル、マレイン酸エステル、ピバロイルオキシメチルなどを使用できる
。これらのエステルは、持続放出又はプロドラッグ処方のために使用する場合、
溶解性又は加水分解特性を改変することで当業者に公知である。
代表的な塩は以下の塩を含む。アセテート、ラクトビオネート、ベンゼンスル
ホネート、ラウレート、ベンゾエート、マレート、ビカーボネート、マレエート
、ビサルフェート、マンデレート、ビタートレート、メシレート、ボレート、メ
チルブロミド、ブロミド、メチルニトレート、カルシウムエデテート、メチルサ
ルフェート、カムシレート、ムケート、カーボネート、ナプシレート、クロリド
、ニトレート、クラブラネート、N−メチルグルカミン、シトレート、アンモニ
ウム塩、ジヒドロクロリド、オレエート、エデテート、オキサレート、エディシ
レ
ート、パモエート(エンボネート)、エストレート、パルミテート、エシレート
、パントテネート、フマレート、ホスフェート/ジホスフェート、グルセプテー
ト、ポリガラクツロネート、グルコネート、サリチレート、グルタメート、ステ
アレート、グリコリルアルサニレート、サルフェート、ヘキシルレゾルシネート
、サブアセテート、ヒドラバミン、スクシネート、ヒドロブロミド、タンネート
、ヒドロクロリド、タートレート、ヒドロキシナフトエート、テオクレート、ヨ
ーダイド、トシレート、イソチオネート、トリエトヨーダイド(triethiodide)
及びバレレート。
本発明の化合物はキラルである。更に、本発明の化合物の結晶形のいくつかは
多形相として存在でき、それ自体本発明に含まれるように意図されている。更に
、本発明の化合物のいくつかは、水又は普通の有機溶媒と溶媒和物を形成しても
よい。このような溶媒和物は本発明の範囲内に含まれる。
“治療上有効量”という用語は、研究者、獣医、医師又は他の臨床家によって
求められている、組織、システム、動物又はヒトの生物学的又は医学的反応を発
揮する薬剤又は医薬の量を意味し、その反応は治療される病気の症状の軽減を含
む。哺乳
動物という用語はヒトを含む。
本発明は、アンドロゲン性脱毛症、男性型禿頭症、にきび、脂漏症及び女性多
毛症を含む過アンドロゲン状態を、式Iの新規化合物を単独で、又は5α−レダ
クターゼ2阻害剤及び/又はカリウムチャンネルオープナーと組合せて、経口、
全身、非経口又は局所的投与により治療する方法を提供する目的を有する。“ア
ンドロゲン性脱毛症の治療”という用語は、アンドロゲン性脱毛症を阻止する及
び/又は逆行させること、及び毛の成長の促進を含むように意図されている。本
発明は、式Iの新規化合物を単独で又は5α−レダクターゼ2阻害剤と組合せて
経口、全身又は非経口投与によって良性前立腺過形成、前立腺炎を治療する方法
、及び前立腺ガンを治療及び/又は予防する方法を提供するという更なる目的を
有する。
本発明はまた、本発明の新規な治療方法において使用するための適当な局所、
経口、全身及び非経口用医薬組成物を提供する目的を有する。上記異常状態の治
療において使用するための活性成分として本発明の化合物を含む組成物を、全身
的投与用の普通の賦形剤中の多様な治療用投与形態で投与できる。例えば、錠剤
、カプセル(各々は時間指定型放出組成物及び持続型
放出組成物を含む)、ピル、粉末、顆粒、エリキシル剤、チンキ剤、溶液、懸濁
液、シロップ及びエマルションなどの経口投与形態又は注射によって、該化合物
は投与され得る。同様に、該化合物はまた、静脈内(濃縮塊(bolus)及び点滴
)、腹腔内、皮下、密封もしくは非密封で局所的、又は筋肉内形態で投与され得
る。すべての上記使用形態は製薬業者に周知である。所望の化合物の効果的であ
るが、非毒性量を、抗アンドロゲン剤として使用できる。
製品の一日当たりの投与量は、一日当たりヒト成人で0.01〜1000mgの広範囲で
変更できる。経口投与の場合、治療すべき患者に対し投与量を症状に合わせて調
整して、活性成分の0.01,0.05,0.1,0.5,1.0,2.5,5.0,10.0,15.0,25.0
,50.0mgを含む錠剤の形態で該組成物を提供するのが好ましい。有効量の薬剤は
普通、一日当たり、体重1kg当たり約0.0002〜約50mgの投与レベルで投与される
。より詳細には、一日当たり、体重1kg当たり約0.001〜7mgの範囲である。
本発明の化合物は一日一回投与でき、又は一日分の総投与量が一日二回、三回
又は四回に分けて投与できるので好都合である。更に、本発明の化合物は、適当
な鼻内用の賦形剤の局所的
使用により鼻内形態で、又は経皮的皮膚パッチの形態を使用して経皮ルートで投
与され得る。これらは当業者に周知である。経皮デリバリーシステムの形態で投
与する場合には、投与は勿論、投与治療中間欠的というよりむしろ持続的であろ
う。
アンドロゲン性脱毛症、男性型禿頭症、にきび、脂漏症、女性多毛症の治療の
場合、本発明の化合物は、局所的投与に適合した医薬上許容可能な担体と組合せ
て活性化合物を含む医薬組成物として投与できる。局所用医薬組成物は、例えば
皮膚への適用に適した溶液、クリーム、軟膏、ゲル、ローション、シャンプー、
又はエーロゾル組成物の形であり得る。本発明の化合物を含むこれらの局所用医
薬組成物は通常、医薬上許容可能な賦形剤と混和して活性化合物を約0.005〜5
重量%含む。
にきび、アンドロゲン性脱毛症、男性型禿頭症、脂漏症、女性多毛症、良性前
立腺過形成、前立腺炎の治療、及び前立腺ガンの予防及び/又は治療の場合、本
発明の化合物は、経口用、全身用又は非経口用の単一の医薬投与組成物の形で、
治療上有効量の、フィナステライドなどの別の5α−レダクターゼ阻害剤、又は
2型活性もしくは両方のアイソザイムへの二重活性を有する他の5α−レダクタ
ーゼ阻害化合物と組合せ得る。あ
るいは、式Iの化合物と他の5α−レダクターゼ阻害剤が、別々の経口用、全身
用、又は非経口投与組成物の形で投与される組合せ治療を使用できる。また、に
きび、アンドロゲン性脱毛症、男性型禿頭症、脂漏症および女性多毛症の皮膚・
頭皮関連の疾病の場合、本発明の化合物とフィナステライドなどの別の5α−レ
ダクターゼ阻害剤が、局所投与のために処方され得る。例えば、式Iの化合物と
フィナステライドは単一の経口用又は局所用投与組成物の形で投与できるし、又
は各活性剤は別々の投与組成物として投与できる。例えば、別々の経口用投与組
成物で、又は式Iの化合物の局所用投与組成物と組合せて、フィナステライドの
経口用投与組成物として投与できる。例えば、5α−レダクターゼ阻害剤の投与
と組成物を記載している米国特許第4,377,584号及び第4,760,071号を参照せよ。
更に、治療上有効量の、ミノキシジル、クロマカリン、ピナシジルなどのカリ
ウムチャンネルオープナー、S−トリアジン、チアン−1−オキシド、ベンゾピ
ラン及びピリジノピラン誘導体より成るクラスから選択される化合物、又はそれ
らの医薬上許容可能な塩と組合せての本発明の化合物の投与は、男性型禿頭症を
含むアンドロゲン性脱毛症の治療に使用され得る。更に、
治療には、本発明の化合物及びミノキシジルなどのカリウムチャンネルオープナ
ーと組合せて、フィナステライドなどの5,α−レダクターゼ2型阻害剤、又は
1型・2型の二重阻害剤投与が含まれ得る。複数の活性剤が単一の局所用投与組
成物として投与され得るし、又は各々の活性薬剤が別々の投与組成物として投与
され得る。例えば、別々の局所用投与組成物として、又は例えばミノキシジルの
局所用投与組成物と組合せて式Iの化合物の経口用投与組成物として、又は例え
ばミノキシジルの局所用投与組成物と組合せて、式Iの化合物と別の5α−レダ
クターゼ阻害剤の単一の経口用投与組成物として投与され得る。カルシウムチャ
ンネルオープナーの投与と組成物について、米国特許第4,596,812号、第4,139,6
19号及び1992年2月20日公開の国際公開第92/02225号を参照せよ。
更に、にきびの治療の場合、治療上有効量のレチノイン酸、又はその誘導体、
例えばそのエステルもしくはアミド誘導体(例えばトレチノイン又はイソトレチ
ノイン)と組合せて、治療上有効量の式Iの化合物を投与して、組合せ治療を行
ない得る。
又、良性前立腺過形成の治療の場合、式Iの化合物と例えば
フィナステライドなどの5α−レダクターゼ2型阻害剤と例えばテラゾシン、ド
キサゾシン、プラゾシン、ブナゾシン、インドラミン、アルフゾシンなどのα−
1アドレナリンレセプターアンタゴニストの投与を含む組合せ治療を行ない得る
。より詳細には、組合せ治療は、式Iの化合物と例えばフィナステライドなどの
5α−レダクターゼ2型阻害剤とα−1cアドレナリンレセプターアンタゴニス
トを投与することを含み得る。α−1cアドレナリンレセプターアンタゴニスト
として有用な化合物はPCT/US93/09187(1994年4月14日公開の国際公開9
4/08040)に記載の方法により同定できる。
二つ以上の活性剤が別々の投与組成物の中にある場合、該活性剤による組合せ
治療について、活性剤は同時に投与され得るし、又はそれらは各々別々の時に時
間をずらして投与され得る。
本発明の化合物を利用する投与法は、患者のタイプ、種、年齢、体重、性別及
び医学的状態を含む種々の因子、治療されるべき症状のひどさ、投与経路、患者
の腎臓と肝臓の機能および使用される特定の化合物によって選択される。通常の
技術をもっ医師又は獣医は、病気の進行を予防、反撃又は阻止するのに要求され
る薬剤の有効量を決定し、処方することが容易にでき
る。毒性なくして効力を発揮する範囲内の薬剤の濃度を達成するのに最適な正確
さには、標的部位への薬剤の到達のキネティックスに基づいた処方を必要とする
。このことは、薬剤の分配、平衡及び除去を配慮することを含む。
本発明の方法において、本明細書で詳細に記載した化合物は活性成分を形成す
ることができ、投与の意図した形態(即ち、口内錠、カプセル、エリキシル剤、
シロップなど)に関して適当に選択された、そして普通の医薬実務に一致してい
る適当な医薬希釈剤、賦形剤又は担体(まとめて本明細書では“担体”物質と呼
ぶ)と混和して投与されるのが典型的である。
例えば、錠剤又はカプセルの形態での経口投与の場合、活性ある薬剤成分は、
エタノール、グリセロール、水などの経口の非毒性の医薬上許容可能な不活性担
体と組合せ得る。更に、所望される時、又は必要な時には、適当な結合剤、潤滑
剤、崩壊剤及び着色剤も混合物に加えることができる。適当な結合剤は、でんぷ
ん、ゼラチン、グルコース又はβ−ラクトースなどの天然の糖、トウモロコシ甘
味料(corn sweetener)、アラビアゴム、トラガカントゴム又はアルギン酸ナト
リウムなどの天然及び合成ゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレング
リコール、ワックスなどを含むが、上記に制限されない。投与形態で使用される
潤滑剤は、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグ
ネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどを含むが
、上記に制限されない。崩壊剤は、でんぷん、メチルセルロース、寒天、ベント
ナイト、キサンタンゴム(xanthan gum)などを含むが、上記に制限されない。
液体剤は、例えばトラガカントゴム、アラビアゴム、メチルセルロースなどの
合成及び天然のゴムなどの適当に風味をつけた懸濁剤又は分散剤中で形成される
。使用され得る他の分散剤はグリセリンなどを含む。非経口投与の場合、滅菌し
た懸濁液及び溶液が望ましい。静脈投与が望ましい場合、一般的に、適当な保存
剤を含む等張調製物が使用される。
活性ある薬剤成分を含む局所用調製物は、例えば、アルコール溶液、局所用ク
レンザー、クレンジングクリーム、スキンゲル、スキンローション及びクリーム
又はゲル組成物のシャンプーを形成するために、例えばアルコール、アロエ ベ
ラ ゲル(aloe vera gel)、アラントイン(allantoin)、グリセリン、ビタミ
ンA及びEオイル、鉱物油、PPG2ミリスチルプ
ロピオネートなどの当業界周知の種々の担体物質と混和され得る。例えば、欧州
特許第0285382号参照。
本発明の化合物はまた、小さな単ラメラ小胞、大きな単ラメラ小胞、多ラメラ
小胞などのリポソームデリバリーシステムの形態で投与され得る。リポソームは
、コレステロール、ステアリルアミン又はホスファチジルコリンなどの多数のリ
ン脂質から形成され得る。
本発明の化合物は、薬剤の制御された放出を達成するのに有用な一群の生分解
性ポリマーと組合せ得る。生分解性ポリマーは、例えばポリ乳酸、ポリエプシロ
ンカプトラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール
、ポリジヒドロピラン、ポリシアノアクリレート及びヒドロゲルの架橋された又
は両親媒性のブロックコポリマーである。
本発明の化合物は、容易に入手できる出発物質、試薬及び通常の合成方法を用
いて、以下のスキーム及び実施例又はそれらの変法に従って容易に調製できる。
これらの反応で、それ自体当業者に公知の変法を使用することはまた可能である
が、詳細には述べない。実施例は、いかなる場合でも本発明の範囲を制限するよ
うには意図されないし、そういうものと解釈されるべ
きではない。更に、以下の実施例で記載された化合物は、発明と考えられる唯一
の属概念(genus)を形成するものと解釈されるべきでないし、化合物又はそれ
らの部分のいかなる組合せも、それ自体一つの属を形成し得る。以下の調製方法
の条件と方法の公知の変法は、これらの化合物を調製するために使用できるとい
うことを当業者は容易に理解するであろう。
スキームIの出発物質1は、対応する3,17−ジオンを、実施例1、ステップ
Aで記載したように、カリウムヘキサメチルジシラジド(カリウムビス(トリメ
チルシリル)アミドとしても知られる)とN−フェニルトリフルオロメタン−ス
ルホンイミドで処理して、又はR1がHである出発物質の場合は、実施例14で記
載したようにトリフルオロメタンスルホン酸無水物で処理して容易に調製される
。
スキームIの次のステップ、即ち1とアリールボロン酸を触媒的カップリング
させて2を生成させるステップは、本発明の新規なプロセスの態様である。この
プロセスにおいては、ベンゼン又はトルエンなどの芳香族溶媒とC1-3アルカノ
ール、特にエタノールの混合物中で、アリールボロン酸、テトラキス−(トリフ
ェニルホスフィン)パラジウム、塩化リチウム及び17−トリフルオロメタンス
ルホニルオキシ化合物1の混合物を炭酸ナトリウム水溶液と共に還流する。
本発明の別の新規なプロセスの態様は、C1-3低級アルカノール、特にエタノ
ール中で、炭素上のパラジウムなどの貴金属触媒での、Δ1(もし存在すれば)
とΔ16二重結合の触媒的還元である。この反応は室温、常圧で容易に進行するが
、約10℃
の低温と還流温度の高温を使用できる。同様に、約25 psiまでの高圧を使用でき
る。
特定のΔ16化合物は触媒的水素化に抵抗し、又は望ましくない副生成物を与え
る。これらの場合のいくつかで、イオン性還元は所望の物質を与える。イオン性
還元の例が、実施例4に記載されている。
この態様の第3の新規なプロセス、即ち、4をアリール化して5を得て、次に3
に還元するプロセスは、非プロトン性溶媒中で約−100〜約−60℃、特に約−7
8℃で、アンドロスタン−3,17−ジオンをアリールリチウムで処理して17−ヒ
ドロキシ−17−アリール中間体5を得ることを含む。
酢酸又はプロピオン酸などの有機カルボン酸中で、常温常圧で、又はその付近
で、パラジウムなどの貴金属触媒による還元で、17−OH基を除去する。
上記の新規プロセスで使用されるアリールボロン酸は一般に市販されている。
市販されていないものは、以下の実施例3で実質的に記載された方法で調製でき
る。
出発物質3,17−ジオンは当業界公知の方法で調製できる。例えば、化合物15
は、スキーム2で例示された以下の方法により調製できる。
JACS,Vol.70,p.3872(1948)に記載の方法により、6をイソアミルアルコール
中で還流下2時間、パラホルムアルデヒドと乾燥ジメチルアミン塩酸塩とマンニ
ッヒ(Mannich)反応を介して反応させて、16−ジメチルアミノメチル誘導体7
を生成さ
せる。次に、JACS,77,p.5677(1955)に記載の方法により水蒸気蒸留によって、
これを処理し、20−メチレンアナログ8を生成させる。メタノール溶媒中、室温
で水素風船型フラスコ(balloon)圧下で、約5〜10分間、10% Pd/C触媒を使用
して、C−16のα面から選択的に8を触媒的に水素化して主に16β−メチル誘導
体9を生成させる。2〜4時間還流下で、乾燥トルエン溶媒中、アルミニウムイ
ソプロポキシド、シクロヘキサノンを使用して、オッペナウアー酸化条件下に9
を処理し、共沸により水を取り除き、クロマトグラフィー分離後4−エン−3−
オン誘導体10を得る。10の3−及び17−ケト基を、トルエン中の25% DIBAL(水
素化ジイソブチルアルミニウム)で処理して還元し、次に、0℃で約6時間アセ
トンと2−プロパノールを用いて、3−オールの3−オンへのin situオッペナ
ウアー酸化を行ない、11を生成させる(Berichte,Vol.109,p2954,(1976)を
も参照)。過ヨウ素酸ナトリウム、過マンガン酸カリウム、炭酸ナトリウム、水
、t−ブタノールの混合物により、1時間還流し、11を酸化してセコ酸(seco a
cid)12を生成させる(J.Med.Chem,,Vol.27,p.1690,(1984)をも参照)。
次に、セコ酸12を180℃、8時間、エチレングリコール
中のメチルアミン塩酸塩と酢酸ナトリウムで処理して、4−N−メチルアナログ13
を生成させる。5−エン13を、水素雰囲気下60℃で氷酢酸中のPtO2触媒を
用いて、触媒的に水素化し、17β−ヒドロキシ−5αアナログ14を生成させる。
塩化メチレン中のTPAP(過ルテニウム酸テトラプロピルアンモウム)、N−
メチルモルホリン−N−オキシド、4Å分子篩(molecular sieve)の混合物を
用いて、0℃、約1時間、17−ヒドロキシ化合物14を酸化して、17−ケト化合物15
を生成させる。
出発物質4−アザ−4−メチル−5α−アンドロスタン−3,17−ジオンは、
Rasmussonら、J,Med.Chem.,27,p.1690-1701(1984)に記載の方法により、調
製できる。他の4−アザ−5α−アンドロスタン−3,17−ジオン出発物質の合
成は下記の実施例15,16に記載されている。
以下の実施例のすべての温度はセッ氏温度である。本明細書で使用するいくつ
かの略語は以下のようである。“BSTFA”はビス(トリメチルシリル)トリ
フルオロアセトアミド、“DDQ”は2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1
,4−ベンゾキノン、“DMF”はジメチルホルムアミド、“EtOAc”は酢
酸エチル、“TBDMS”はt−ブチルジ
メチルシリル、“Tf”は−SO2CF3、“TFA”はトリフルオロ酢酸、“T
HF”はテトラヒドロフランである。トリフル酸(triflic acid)はトリフルオ
ロメタンスルホン酸である。実施例1
4,7β−ジメチル−17β−フェニル−4−アザ−5α−アンドロスタ−3− オンの調製 ステップA
: 4,7β−ジメチル−17−(トリフルオロメチ
ルスルホニルオキシ)−4−アザ−5α−アン
ドロスタ−16−エン−3−オンの調製
テトラヒドロフラン(THF)10ml中の4,7β−ジメチル−4−アザ−5α
−アンドロスタン−3,17−ジオン 1.0g(3.15mmol)の溶液を、トルエン中
のカリウムヘキサメチルジシラジドの0.5M溶液7.3mlを用いて0℃で滴下して処
理した。30分後、0℃で混合物をN−フェニル−トリフルオロメタンスルホンイ
ミド1.35gを用いて処理し、得られた清澄溶液を30分間撹拌した。塩化アンモニ
ウム水溶液と酢酸エチルを加え、よく混合した。有機層を、1NHCl、水、1
N NaHCO3、飽和NaCl溶液でそれぞれ洗浄した。有機層を乾燥し、濃
縮
し、粗生成物を得た。5:1のヘキサン:イソプロパノールで溶出したシリカゲ
ルクロマトグラフィーにより、重い油状物として、標記化合物を得た。それは、
5℃での保存でゆっくり結晶化した。ステップB
: 4,7β−ジメチル−17−フェニル−4−アザ
−5α−アンドロスタ−16−エン−3−オンの
調製
トルエン7mlとエタノール3ml中で、フェニルボロン酸(111mg,0.91mmol,
2当量)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(26.3mg,0.02
mmol,0.05当量)、塩化リチウム(77mg,1.8mmol,4当量)、4,7β−ジメ
チル−17−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−4−アザ−5α−アンドロス
タ−16−エン−3−オン(204mg,0.45mmol,1.0当量)を混合した。2M炭酸ナ
トリウム水溶液(1ml,2mmol)を加え、混合物を加熱還流した。出発物質であ
るステロイドが消費された時点で、混合物を室温に冷却し、酢酸エチルと水で希
釈し、相を分離した。有機相を再度、炭酸ナトリウム希釈水溶液、飽和NH4C
l水溶液で洗浄した。有機相を乾燥し、真空濃縮した。混合物を、ヘキサン:ア
セトン4:1を溶
出液とするSiO2(10g)上のクロマトグラフィーで精製し、油状物質として
所望の生成物を得た。ステップC
: 4,7βジメチル−17β−フェニル−4−アザ
−5α−アンドロスタン−3−オンの調製
4,7β−ジメチル−17−フェニル−4−アザ−5α−アンドロスタ−16−エ
ン−3−オン(113mg)を、活性炭上の10%パラジウム48mgと共に、エタノール1
0ml中に溶解した。フラスコを3回、真空脱気し水素を流入させ、出発物質が消
費されるまで、やや水素圧下室温で強く撹拌した。(水素圧は装着した風船型フ
ラスコで維持する。)溶液をセライトで濾過し、真空濃縮した。5:1のヘキサ
ン:イソプロパノールを用いてシリカゲル12gから溶出後、標記化合物をエチル
エーテルからの結晶化により単離し、標記化合物を得た。実施例2 ステップA
: 17β−ヒドロキシ−17α−フェニル−4−アザ
−5α−アンドロスタン−3−オンの調製
テトラヒドロフラン265ml中の4−アザ−5α−アンドロスタン−3,17−ジ
オン(2.0g)の撹拌された室温の懸濁液に、シクロヘキサン/エーテル(70:3
0)中の1.8Mフェニルリチ
ウム3.7mlを加えた。45分間撹拌した後、反応混合物をアセトン−ドライアイス
浴中で冷やし、更なるフェニルリチウム溶液22.4mlを加えた。温度を−78℃に6
時間、それから−30℃に16時間保った。溶液を−10℃に温め、10%NH4Cl水
溶液の添加で反応を止めた。有機層を分離し、水層の抽出に使用した酢酸エチル
層と併せた。有機層を水で洗浄し、乾燥し、濃縮し、粗生成物を得た。9:1の
酢酸エチル/メタノールを溶出液としたシリカゲル(固体体積340ml)上のクロ
マトグラフィーにより、純粋の標記生成物を含む初期の画分を得た。それに続く
画分は、出発物質と標記化合物の混合物を含み、それから更なる生成物を再クロ
マトグラフィーで得ることができた。ステップB
: 17β−フェニル−4−アザ−5α−アンドロス
タン−3−オンの調製
氷酢酸3.0ml中の17β−ヒドロキシ−17α−フェニル−4−アザ−5α−アン
ドロスタン−3−オン(93mg)と30%Pd/C触媒(100mg)の混合物を、60℃
、風船型フラスコ圧の水素ガス下、5.5時間撹拌した。触媒を除去し、溶液をゴ
ム状残渣が得られるまで濃縮した。酢酸エチルからの結晶化により標記生成物を
得た。母液は更なる所望生成物を含んでいた。それは、
9:1のジクロロメタン/イソプロパノールを溶出液としたシリカゲルのHPL
Cで回収することができた。実施例3
2−メトキシフェニルボロン酸の調製
窒素下、テトラヒドロフラン50ml中の2−ヨードアニソール(2.85ml,5.6g
)の撹拌冷(−78℃)溶液に、ヘキサン中の2,5Mn−ブチルリチウム10.0mlを
加えた。15分後、ホウ酸トリイソプロピル(3.38ml,4.7g)を加え、反応液を
室温にし、1.5時間室温に維持した。混合物を、過剰の2N塩酸に注ぎ、ジエチ
ルエーテルを加えた。得られた混合物を30分間強く撹拌し、相を分離した。エー
テル層を、重亜硫酸ナトリウム水溶液で無色になるまで洗浄し、それから飽和塩
化ナトリウム溶液で洗浄し、次に硫酸マグネシウムで乾燥した。エーテル層の濃
縮により、粗ボロン酸を得、それはエーテルから結晶化し、標記生成物を得た。実施例4
4−メチル−17β−(4−メチルチオフェニル)−4−アザ−5α−アンドロ スタン−3−オンの調製
ジクロロメタン5.0ml中の4−メチル−17β−(4−メチル
チオフェニル)−4−アザ−5α−アンドロスタ−16−エン−3−オン(50.6mg
)とトリエチルシラン0.17mlの溶液を、トリフルオロ酢酸300μlを室温で滴下
して処理し、16時間放置した。更なるジクロロメタンと15mlの飽和NaHCO3
水溶液を撹拌しながら加えた。有機層を処理し、残渣を得た。その残渣は酢酸エ
チルから結晶化し、標記生成物を得た。実施例5
17β−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−4−(2,4−ジメトキシベン ジル)−7β−メチル−4−アザ−5−アンドロステン−3−オン(B)の調製
セコ酸(A)(300gm)をキシレン8,699ml中に溶解し、この溶液に2,4−ジ
メトキシベンジルアミン塩酸塩173.1gmと酢
酸ナトリウム69.14gmを加えた。反応液を加熱還流し、7時間維持した。反応液
を水7.5lで希釈し、層を分離し、水相をEtOAcで一度抽出した。併せた有
機層を飽和ブライン(brine)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、硫酸ナ
トリウム/炭で濾過し、蒸発させ、黒ずんだ油状物を得た。
CH2Cl2中に充填され、20%EtOAc/ヘキサンで溶出したシリカゲル5.
0kg上でのクロマトグラフィーにより、標記化合物を得た。実施例6
17β−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−4−(2,4−ジメトキシベン ジル)−7β−メチル−4−アザ−5α−アンドロスタン−3−オン(C)の調 製
ステロイド(B)(227.9gm)を酢酸2,125mlに溶解し、酸化白金24.5gmを加え、
混合物を室温で一晩、40psiで水素化した。反応液をソルカフロック(solka flo
ck)で濾過し、蒸発させ、油状物を得て、それを酢酸エチルに溶かした。容液を
2度飽和ブラインで洗浄し硫酸マグネシウムで乾燥させ、硫酸ナトリウムで濾過
し、蒸発させ、濃い油状物を得た。TLC(薄層クロマトグラフィー)とプロト
ンNMRによると、出発物質の約25%が残っている。同じ条件で、水素化を繰り
返した。処理後、生成物のプロトンNMRは所望の構造(C)と一致した。実施例7
4−(2,4−ジメトキシベンジル)−17β−ヒドロキシ−7β−メチル−4 −アザ−5α−アンドロスタン−3−オン(D)の調製
ステロイド(C)(190.8gm)をアセトニトリル3.482mlに溶解し、48%HF水
溶液174.1mlで処理し、室温で一晩撹拌した。反応を10%炭酸ナトリウム200mlで
止め、濃縮してアセトニトリルを除去した。分離した生成物を酢酸エチル中に入
れ、飽和ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、硫酸ナトリウムで濾
過し、蒸発させ、白色固体を得た。プロトンNMRは所望の構造(D)に一致し
た。実施例8
4−(2,4−ジメトキシベンジル)−7β−メチル−4−アザ−5α−アン ドロスタン−3,17−ジオン(E)の調製
ヒドロキシステロイド(D)(135gm)を塩化メチレン1,621mlに溶解し、粉末
篩(powdered sieve)135gmで処理し、5℃に冷やし、4−メチルモルホリンN
−オキシド51.9gm、次に過ルテニウム酸テトラプロピルアンモニウム 5.0gmで
処理した。反応液を23℃に温め、2.5時間撹拌した。反応液を、濾液が無色にな
るまで、シリカゲル1000mlに通して塩化メチレンで溶出した。蒸発させると白色
泡状物が残った。塩化メチレン中で充填された10/1比のシリカゲル上のクロマト
グラフィーと50%EtOAc/ヘキサンでの溶出で先導スポットを取り除き、次
に100%EtOAcで生成物(E)を得た。プロトンNMRは所望の構造に一致
した。実施例9
17−トリフルオロメタンスルホネート−4−(2,4−ジメトキシベンジル) −7β−メチル−4−アザ−5α−アンドロスタ−16−エン−3−オン(F)の 合成
−78℃でのTHF(40ml)中の4−(2,4−ジメトキシベンジル)−7β−
メチル−4−アザ−5α−アンドロスタン−3,17−ジオン(4g,8.75mmol)
の溶液に、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド溶液(1.0M溶液の17.5m
l,17.5mmol)をゆっくりと滴下して加えた。反応混合液を15分間撹拌した後、
THF(10ml)中の2−[N,N−ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミ
ノ]−5−クロロピリジン(6.84g,17.4mmol)の溶液を加えた。反応混合液を
更に−78°で3時間
撹拌し、反応を塩化アンモニウム水溶液で止めた。反応混合液を真空濃縮し、酢
酸エチルと水との間で分配した。有機層をNaOH水溶液、ブラインで洗浄し、
乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲル上でのクロマトグラフィーで精製し(5
%アセトン/塩化メチレン)、標記生成物を得た。質量スペクトル(MS)M+
計算値585;観測値586(m+1)。1
H NMR(400MHz,CDCl3,キーピーク)0.89(d,C-7),0.91(C-19
),0.94(C-18),3.07(dd,C-5H),3.77,3,79(OMe),4.41,4.83(CH2Ph),5.52(C
-16H),6.4,6.99(Ar)。実施例10
17−(4−メトキシフェニル)−4−(2,4−ジメトキシベンジル)−7β −メチル−4−アザ−5α−アンドロスタ−16−エン−3−オン(G)の合成
トルエン/エタノール(7:3,40ml)中のトリフラート(F)(1.178g,
2mmol)の溶液に、Pd(PPh3)4(155.4mg,0.1mmol)、LiCl(339.12mg
,8mmol)、4−メトキシフェニルボロン酸(492mg,3.5mmol)、2M炭酸ナトリ
ウム水溶液4mlを加えた。反応混合液を120°(浴温)で1.5時間撹拌後、反応混
合物を23°に冷やし、酢酸エチルで希釈し、有機層をNH4Cl水溶液、ブライ
ンで洗浄し、乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲル上でのクロマトグラフィー(
塩化メチレン中5%アセトン)により精製し、標記生成物を得た。質量スペクト
ル(MS)M+計算値543;観測値544(m+1)。1
H NMR(400MHz,CDCl3,キーピーク)0.94(C-19),0.949(C-7
,d,J=6.02),0.995(C-18),3.1(C-5),3.79及び3.796(OMe),4.48及び4.85(CH2
Ph),5.76(t,16-H),6.44,6.84,7.01,7.26(Ar)。実施例11
17β−(4−メトキシフェニル)−4−(2,4−ジメトキシベンジル)−7 β−メチル−4−アザ−5α−アンドロスタン−3−オン(H)の合成
エタノール(100ml)中の17−(4−メトキシフェニル)−4−(2,4−ジメ
トキシベンジル)−7β−メチル−4−アザ−5α−アンドロスタ−16−エン−
3−オン(G)(750mg,1.38mol)の溶液に、5%Pd/C(150mg)を加えた。
反応混合液を脱気しH2を流入させた(3回)。反応混合液をH2雰囲
気下、24時間撹拌後、反応混合液に窒素を流入させ、濾過し、濃縮して、生成物
を得た。質量スペクトル(MS)M+計算値545;観測値546(m+1)。1
H NMR(400MHz,CDCl3,キーピーク)0.45(c-18),0.88(C-19)
,0.96(C-7),2.51(t,C-17H),3.1(C-5),3.78,3.79,3.80(OMe),4.43,4,85
(CH2Ph),6.54,6.82,7.06,7.1(Ar)。実施例12
17β−(4−メトキシフェニル)−7β−メチル−4−アザ−5α−アンドロ スタン−3−オン(i)の合成
塩化メチレン(15ml)中の17β−(4−メトキシフェニル)−4−(2,4−
ジメトキシベンジル)−7β−メチル−4−
アザ−5α−アンドロスタン−3−オン(H)(725mg,1.33mmol)の溶液にT
FA(4ml)を加えた。反応混合液を8時間、23°で撹拌後、炭酸ナトリウム水
溶液を添加して反応を止め、反応液を塩化メチレンと炭酸ナトリウム水溶液の間
で分配した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲ
ル(塩化メチレン中10%アセトン)で精製し、純粋な生成物を得た。質量スペ
クトル(MS)M+計算値395;観測値396(m+1)。実施例13
17β−(4−メトキシフェニル)−7β−メチル−4−アザ−5α−アンドロ スタ−1−エン−3−オン(J)の合成
トルエン(3ml)中の17β−(4−メトキシフェニル)−7
β−メチル−4−アザ−5α−アンドロスタン−3−オン(i)(150mg,0.379m
mol)の溶液に、BSTFA(388mg,1.51mmol)、トリフィル酸(trifilic acid)
(1滴)、DDQ(97.38mg,0.429mmol)を加えた。反応混合液を24時間、23°で
撹拌後、アセト酢酸メチル(4.98mg,0.0429mmol)を加え、反応混合液を23°で
1時間、120℃(浴温)で24時間撹拌した。反応混合液を室温に冷やし、酢酸エ
チルで希釈し、炭酸ナトリウム水溶液、重亜硫酸ナトリウム水溶液で洗浄し、乾
燥し、真空濃縮した。残渣を、溶媒として5%イソプロパノール/n−ヘキサン
を使用して、HPLC(シリカゲル、半分取用カラム)により精製し、標記化合
物を得た。
質量スペクトル(MS)M+計算値393;観測値394(m+1)。実施例14
17−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−4−アザ−5α−アンドロス タ−16−エン−3−オンの調製
トリフルオロメタンスルホン酸無水物(80μl,0.47mmol)を25℃で、塩化メ
チレン2.5ml中の4−アザ−5α−アンドロスタン−3,17−ジオン145.2mgの溶
液に加えた。20時間後、
混合液を撹拌しながら、飽和炭酸水素ナトリウム溶液に加えた。層を分離し、水
層を塩化メチレンで洗浄した。併せた有機層を水で洗浄し、乾燥し、次に濃縮し
て粗生成物を得た。この物質を、6−250μ8″×8″シリカゲルプレート上で
、ヘキサン:アセトン(1:1)で2度溶出してクロマトグラフィーを行なった
。中央の主要化合物を単離した。それは標記化合物に対応した。より速く及びよ
り遅く溶出する成分はビス−トリフラート化生成物と出発物質に対応した。実施例15
4−アザ−4,7β−ジメチル−5α−アンドロスタン−3,17−ジオンの調 製 ステツプ1
: 3−アセトキシ−アンドロスタ−5−エン−17
−オールの合成
エタノール3ml中の3−アセトキシ−アンドロスタ−5−エン−17−オン100m
g(0.303mmol)の−10℃の溶液に、撹拌しながらホウ水素化ナトリウム22.9mg(
0.606mmol)を加えた。反応混合液を1時間30分撹拌後、混合液を水10mlで希釈
し、エタノール溶媒を真空除去し、残渣を酢酸エチルで抽出した。有機層を炭酸
ナトリウム水溶液、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム
で乾燥し、濃縮し、粗標記化合物残渣を得た。プロトンNMRは帰属構造に一致
した。ステップ2
: 3−アセトキシ−アンドロスタ−5−エン−17
−オール,17−t−ブチルジメチルシリルエー
テルの合成
ジメチルホルムアミド50ml中の、前記合成から得られたアンドロスタン−17−
オール4.5g(13.55mmol)の23℃の溶液に、イミダゾール2.76g(40−65mmol)
、次いで塩化t−ブチルジメチルシリル3.063g(20.32mmol)を加えた。反応混
合液を撹拌すると、固体が沈殿し始めた。更にDMFを20ml加え、混合液を更に
一晩撹拌した。混合液を水1lに注ぎ、固体を濾過し、水で洗浄した。固体を酢
酸エチルに溶解し、有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮
し、シリルで保護された17−オールの標記化合物を得た。プロトンNMRは帰属
構造と一致した。ステップ3
: 7−オン−17β−オール,17−t−ブチルジメ
チルシリルエーテル
アセトニトリル100ml中、前記合成で得られたTBDMSで保護された17−オ
ール5.6g(12.55mmol)の23℃の溶液に、90
%t−ブチルハイドロジェンペルオキシド3.958g(43.92mol)とクロムヘキサカ
ルボニル138mgを加えた。混合液を窒素下24時間還流後、反応混合液を水1lに
注ぎ、固体を濾過し、残渣を水500mlで洗浄し、残渣を塩化メチレン350mlに溶解
した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し、粗物質を
得た。薄層クロマトグラフィー(シリカゲル上3:1ヘキサン/酢酸エチル)は
出発物質の存在を示した。7%酢酸エチル/ヘキサンを溶出液として、シリカゲ
ル上のカラムクロマトグラフィーにより該固体を精製し、標記化合物を得た。プ
ロトンNMRは帰属構造に一致した。ステップ4
: 3,7−ジヒドロキシ−7−メチル−アンドロ
スタ−5−エン−17β−オール,17−t−ブチ
ルジメチルシリルエーテルの合成
乾燥テトラヒドロフラン中の、前記合成から得られた生成物440mg(0.956mmol
)の0℃の溶液に、塩化メチルマグネシウムを5−10分かけて滴下して加えた。
次に反応混合物を室温で24時間撹拌し、それから飽和塩化アンモニウム水溶液に
注いだ。THF溶媒を真空除去し、水相を酢酸エチルで抽出した。有機層をブラ
インで洗浄し、乾燥し、濃縮し、粗生成物を得た。プ
ロトンNMRは標記化合物の帰属構造に一致した。標記化合物を更に精製しない
で、次のステップで使用した。ステップ5
: 7−メチル−アンドロスタ−4,6−ジエン−
3−オン−17β−オール,17−t−ブチルジメ
チルシリルエーテルの合成
前記グリニャール生成物3.5g(7.142mmol)をトルエン50ml/シクロヘキサノ
ン50mlに溶解し、溶媒20mlを真空蒸留して取り除いた。この溶液に、アルミニウ
ムイソプロポキシド4.54gを加え、反応混合液を一晩即ち15時間還流した。混合
液を冷やし、酢酸エチルで希釈し、酒石酸ナトリウムカリウム、ブラインで洗浄
し、有機層を真空濃縮し、残渣を水蒸気蒸留した。残渣を酢酸エチルで抽出し、
ブラインで洗浄し、乾燥し、5%EtOAc/ヘキサンを溶出液としてシリカゲ
ル上のカラムクロマトグラフィーで精製し、標記化合物を得た。ステップ6
: 7β−メチル−アンドロスタ−5−エン−3−
オン−17β−オール,t−ブチルジメチルシリ
ルエーテルの合成
アンモニア5.5ml、THF1ml、トルエン1ml中の、前記合成生成物370mgの溶
液に、小片の金属リチウム50mgを加えた。
青色溶液を2時間撹拌後、THF2ml中の1,2−ジブロモメタンの溶液を加え
た。−78℃で10分間溶液を撹拌後、塩化アンモニウム250mgを加え、混合液を10
分間撹拌した。過剰のアンモニアを窒素蒸気下、蒸発によって除去した。反応混
合液をブラインで希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、
乾燥し、濃縮し、粗物質を得た。それをそのまま次の合成で使用した。ステップ7
: 7β−メチル−アンドロスタ−4−エン−3−
オン−17β−オール,t−ブチルジメチルシリ
ルエーテルの合成
THF4ml中、前記合成生成物432mgの溶液に、DBU(1,8−ジアザビシ
クロ[5,4,0]ウンデカ−7−エン)150μlを窒素下撹拌しながら加えた
。混合液を1.5時間還流し、次に冷やし、塩化アンモニウム溶液で希釈した。溶
媒THFを真空除去し、残渣を酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄
し、乾燥し、減圧濃縮し、粗物質を得た。標記生成物を、溶出液として10%Et
OAc/ヘキサンを用いて、シリカゲル上のクロマトグラフィーにより精製した
。ステップ8
: 17β−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−
7β−メチル−5−オキソ−A−ノル−3,5
−セコアンドロスタン−3−オイックアシドの
合成
t−ブチルアルコール15ml中、前記合成生成物884mgの80℃の溶液に、水1.5ml
中の炭酸ナトリウム248mgを加え、次いで水8ml中の過ヨウ素酸ナトリウム 2.2
73gと過マンガン酸カリウム16.8mgの混合物を15〜20分間かけて滴下して加えた
。反応混合液を80℃、2時間加熱し、冷やし、濾過し、残渣を水で洗浄し、次に
抽出液を真空濃縮した。抽出液を塩酸水溶液で酸性化し、酢酸エチルで抽出し、
有機層を亜硫酸水素ナトリウム水溶液、ブラインで洗浄し、乾燥し、濃縮し、粗
物質9を得た。プロトンNMRは帰属構造と一致した。ステップ9
: 4,7β−ジメチル−4−アザ−アンドロスタ
−5−エン−3−オン−17β−オール,t−ブ
チルジメチルシリルエーテルの合成
エチレングリコール5ml中の前記合成生成物840mgの溶液に、酢酸ナトリウム1
.5gとメチルアミン塩酸塩737mgを加えた。反応混合液を180℃で4時間撹拌後、
混合液を冷やし、水で希
釈し、酢酸エチルで抽出し、乾燥し、濃縮して、粗標記化合物を得た。プロトン
NMRは帰属構造に一致した。ステップ10
: 4,7β−ジメチル−4−アザ−アンドロスタ
−5−エン−3−オン−17β−オールの合成
アセトニトリル20ml中の前記実施例の生成物700mgの0℃の溶液に、HF水溶
液500μlを加えた。反応混合液を1時間撹拌後、HFを炭酸ナトリウム水溶液
で中和し、水で希釈し、アセトニトリルを真空除去し、残渣を酢酸エチルで抽出
した。有機層を乾燥し、濃縮し、粗標記化合物を得た。それを、3:1クロロホ
ルム/アセトンを使用してシリカゲルの分取用クロマトグラフィーで更に精製し
た。ステップ11
: 4,7β−ジメチル−4−アザ−アンドロスタ
ン−3−オン−17β−オールの合成
酢酸10ml中の前記合成生成物350mgの溶液に、二酸化白金100mgを加え、得られ
た混合液を脱気し水素を流入させた。反応液を、室温で、水素圧40Psigで一晩振
盪した。溶液を濾過し、濃縮した。残渣を酢酸エチルで処理し、次に有機層を真
空濃縮し、酢酸エチルで希釈し、NaHCO3水溶液、ブラインで洗浄し、乾燥
し、濃縮し、標記化合物を得た。質量スペクト
ル:320(M+1)。ステップ12
: 4−アザ−4,7β−ジメチル−5α−アンド
ロスタン−3,17−ジオンの合成
前記合成生成物1.013g(3.176mmol)を塩化メチレン6mlと共に、乾燥フラス
コに入れた。粉末4Å分子篩1.6g、N−メチルモルホリン−N−オキシド(N
MO)0.558g(4.76mmol)、次に過ルテニウム酸テトラプロピルアンモニウム(
TPAP)55mg(0.159mmol)を加えた。反応液を2時間撹拌し、酢酸エチル150ml
で希釈し、濾過した。濾液を蒸発乾固し、粗生成物を得て、それをEtOAcか
ら再結晶化し、純粋生成物を得た。融点135−138℃。元素分析C20H31NO2、
分子量=317.48として計算。計算値:C,75.67;H,9.84;N4.41。実測値:
C,75.16;H,10.22;N,4.13。質量スペクトル318(M+1)。実施例16
ステップ1: 16−メチレン−4,7β−ジメチル−4−アザ
−5α−アンドロスタン−3,17−ジオンの合
成
DMSO(ジメチルスルホキシド)(20ml)中の4−アザ−4,7β−ジメチ
ル−5α−アンドロスタン−3,17−ジオン(1g,3.15mmol)の溶液に、トリ
フルオロ酢酸N−メチルアニリニウム(2.088g,9.45mmol)とパラホルムアルデ
ヒド(850mg,28.35mmol)を加えた。反応混合液を2時間、110℃(浴温)で撹拌
後、反応混合液を冷やし、更なるトリフルオロ酢酸N−メチルアニリニウム(2.0
88g,9.45mmol)とパラホルムアルデヒド(850mg,28.35mmol)を加え、反応液を110
℃で更に二時間撹拌した。反応混合液を冷やし、トリフルオロ酢酸N−メチルア
ニリニウム(1.044g,4.72mmol)とパラホルムアルデヒド(425mg,14.16mmol)を加え
、反応混合液を2時間 110℃で撹拌後、反応混合液を冷やし、水で希釈し、酢酸
エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥し、濃縮した。溶媒として
10%アセトン/塩化メチレンを使用して、シリカゲルでのカラムクロマトグラフ
ィーにより残渣を精製し、標記化合物を得た。1
H NMR(400MHz,CDCl3,ppm,キーピーク)0.88及び0.91(C
-18,C-19),1.11(d,C-7),2.92(4N-CH3),3.05(dd,C-5),5.39及び6.08(16-C
H2)。
ステップ2: 4,7β,16β−トリメチル−4−アザ−5α
−アンドロスタン−3,17−ジオンの合成
メタノール(50ml)中の16−メチレン−4,7β−ジメチル
−4−アザ−5α−アンドロスタン−3,17−ジオン(925mg,2,81mmol)の溶液
に、10%Pd/C(100mg)を加えた。反応混合液を脱気し水素を流入させた(3
回)。反応混合液を室温で、一晩撹拌後、反応液に窒素を流入させ、濾過した。
残渣をメタノールで洗浄し、併せた有機抽出液を真空濃縮し、標記生成物を得た
。1
H NMR(400MHz,CDCl3,ppm,キーピーク)0.84及び0.86(C
-18及びC-19),1.11(d,C-7),1.18(d,C-16),2.92(4N-Me),3.04(dd,C-5)。実施例17
4,7β−ジメチル−17−(3−メトキシフェニル)−4−アザ−5α−アン ドロスタン−3−オンの調製
4,7β−ジメチル−17−(3−メトキシフェニル)−4−アザ−5α−アン
ドロスタ−16−エン−3−オン(32.7mg,0.08mmol)を、活性炭上の10%パラジウ
ム(4.7mg,15重量%)と共に、エタノール(3ml)に溶解した。フラスコを3回
、真空脱気し水素を流入させ、出発物質が消費されるまで、室温でやや水素圧下
で強く撹拌した。(水素圧を装着した風船型フラスコで維持した。)還元の進行
を、CH3CN:THF:
H2O(85:5:10)を溶出液として、E.Merck 5μ RP−18カラムでのH
PLCでモニターした。反応は2時間で完了した。溶液をセライトで濾過し、真
空濃縮した。生成物をエーテルから結晶化により単離し、標記化合物を得た。
前述の実施例で実質的に記載した方法を使用して、表I,IIに示す以下の化合
物を合成した。表IIIの化合物は、本発明の化合物の調製で使用した中間体であ
る。“Me”はメチル、“Ph”はフェニル、“Et”はエチル、“Ac”はC
H3C(O)−を表わす。
プロトン核磁気共鳴(NMR)スペクトルを、400MHz、外界温度、CDC
l3中で行なった。但し星印で示した化合物では、D6−アセトンを使用した。ピ
ーク値をppmで表わす。“ene”はC16−C17の二重結合を表わし、“ane”は
単結合を表わす。
生物学的アッセイ ヒト前立腺及び頭皮5α−レダクターゼの調製
ヒト組織の試料をフリーザーミルを用いて粉砕し、Potter−Elvehjemホモジナ
イザーを用いて、40mMリン酸カリウム(pH 6.5)、5mM硫酸マグネシウム、
25mM塩化カリウム、1mMフッ化フェニルメチルスルホニル、1mMジチオト
レイトール(DTT)、0.25Mスクロース中でホモジナイズした。ホモジネート
を 1,500×g、15分間遠心して、粗核ペレット(crude nuclear pellet)を調
製した。粗核ペレットを2回洗い、2倍量の緩衝液に再懸濁した。再懸濁ペレッ
トにグリセロールを最終濃度20%になるまで加えた。その酵素懸濁液を分注して
−80℃で凍らせた。前立腺及び頭皮レダクターゼは、上記条件下で保存されると
少なくとも4ケ月安定であった。5α−レダクターゼアッセイ
5α−レダクターゼ1型用の反応混合物は、最終容量100μlで、40mMリン
酸カリウム(pH 6.5)、5mM[7−3H]−テストステロン、1mMジチオト
レイトール、500μMNADPHを含んでいた。5α−レダクターゼ2型用の反
応混合物は、最終容量100μlで、40mMクエン酸ナトリウム(pH
5.5)、0.3mM[7−3H]−テストステロン、1mMジチオトレイトール、500
μM NADPHを含んでいた。典型的には、前立腺ホモジネート50〜100μg
又は頭皮ホモジネート75〜200μgを添加してアッセイを開始し、37℃でインキ
ュベートした。10〜50分後、DHTとTを各々10μg含む70%シクロヘキサン:
30%酢酸エチルの混合液250μlによって抽出することで反応を止めた。水層及
び有機層をEppendorfミクロフュージ(microfuge)で14,000 rpmの遠心で分離し
た。有機層を正常相のHPLC(1ml/分、70%シクロヘキサン:30%酢酸エチ
ルで平衡化した10cm Whatman partisil 5シリカカラム;保持時間:DHT,6.8
-7.2分;アンドロスタンジオール、7.6-8.0分;T,9.1-9,7分)にかけた。HP
LC系は、Hitachi Model 655α オートサンプラー、Applied Biosystems Mode
l 757 variable UV ディテクター、Radiomatic Model A120ラジオアクティビテ
ィ アナライザーを装着したWaters Model 680グラジエント システムからなっ
た。TからDHTへの変換は、HPLC流出液を同量のFlo Scint l(Radiomatic
)と混合し、放射活性フロー検出器を用いてモニターした。上記条件下で、DH
Tの生成は、少なくとも25分間は直線性を有し
た。ヒト前立腺及び頭皮調製物を用いて観察されたステロイドは、T、DHT、
アンドロスタンジオールだけであった。阻害研究
化合物を100%エタノールに溶解した。基質であるテストステロンの添加によ
る開始の前に、試験化合物を酵素(5α−レダクターゼ1型又は2型)と共にプ
レインキュベート(pre-incubate)した。IC50値は、テストステロンからジヒ
ドロテストステロンへの酵素変換を対照の50%減少させるのに必要な阻害剤濃度
を表わす。IC50値は、阻害剤濃度が0.1〜1000nMの6点滴定で測定された。
本発明の代表的化合物の5α−レダクターゼ1型と2型阻害を上記アッセイで試
験した。
本明細書で5α−レダクターゼ2阻害剤という化合物は、IC50値が約100n
M以下である、前記アッセイで5α−レダクターゼ2アイソザイム阻害を示す化
合物である。
表IとIIに記載された化合物を5α−レダクターゼ1型と2型阻害に関して上
記アッセイで試験した。それらは1型アイソザイム阻害のIC50値が約100nM
以下であることが知見された。式IIの範囲内に入る表IとIIの化合物は1型アイ
ソザイム阻害のIC50値が約50nM以下であることが知見された。二重
の阻害活性を示す本発明の試験化合物は更に、2型アイソザイム阻害のIC50が
約200nM以下であった。
式IIの範囲内の試験化合物は、5α−レダクターゼ2型アッセイに於けるより
も1型アッセイに於いて少なくとも約5倍活性が高く、大部分は1型アッセイに
於いて少なくとも10倍活性が高く、それにより1型選択的阻害剤としてそれらの
有用性が証明された。式IVの範囲内の試験化合物の大部分は2型アッセイに於け
るよりも、1型アッセイで少なくとも約5倍活性が高かった。ヒト皮膚乳頭細胞アッセイ
皮膚乳頭は各々の毛包の底部にある一つの小群の細胞であり、これらの細胞は
毛の成長の基礎を形成する幹細胞であるあと現在では考えられている。これらの
細胞は5α−レダクターゼ活性を有することが示されており、そのためこれらの
細胞培養系で5α−レダクターゼ阻害剤を試験することができる。
単離培養皮膚乳頭細胞は、Messenger,A.G.,“The Culture of Dermal Papil
la Cells From Human Hair Follicles,”Br.J.Dermatol.,110: 685-689(1984)
及びItami,S.ら、“5α‐Reductase Activity In Cultured Human Dermal Pa
pilla
Cells From Beard Compared With Reticular Dermal Fibroblasts,”J.Invest
.Dermatol,,94: 150-152(1990)に記載の方法により調製される。異なる2人の
ヒトのひげ皮膚乳頭細胞と後頭部頭皮の毛を本研究で用いた。すべての実験を4
〜6ケ月サブカルチャー後の集密状態で行なう。集密化した単層を2度リン酸塩
緩衝化生理食塩水ですすぎ、ゴム製のポリスマンで皿からかき取り、遠心管に集
めた。細胞懸濁液を1,500 rpmで10分間、4℃で遠心した。250mMスクロース、
1mM MgCl2、2mM CaCl2を含む20mMトリス−HCl緩衝液(pH
7.5)中に4℃で、ペレットを振盪し、25ゲージ注射針に10回通して、再懸濁し
た。粗ホモジネートを更に、テフロン−ガラスホモジナイザーでホモジナイズし
、それを細胞ホモジネートとして使用する。5α−レダクターゼの細胞レベル以
下の局在下の研究のために、細胞ホモジネートを800×gで10分間遠心し、粗核
ペレットを得る。得られる上清を10,000×gで15分間遠心し、粗ミトコンドリア
ペレットを得る。上清を100,000×g、60分間遠心し、ミクロゾームペレットと
サイトゾルを得る。各々の粒状の分画を2度洗い、緩衝液に再懸濁する。
標準インキュベーション混合液は、最終容量100mlで50nM[3H]−テストス
テロン、1mM NADPH、100mMクエン酸ナトリウム(pH 5.5)又は 100
mMトリス−HCl(pH 7.5)、細胞ホモジネート50mlからなる。各々の試験管
は細胞タンパク質50〜100mgを含む。インキュベーショを37℃、30分行なう。こ
のインキュベーションの間、反応は時間に比例する。最適pHの研究のため、ク
エン酸緩衝液はpH 4.5〜6.5、トリス−HCl緩衝液はpH 7.0〜9.0で使用する。
タンパク質含量はLowryら、“Protein Measurement With The Folin Phenol Rea
gent,”J.Biol.Chem.,193: 265-275(1951)に記載の方法により測定する。
インキュベーション後、各々のキャリアーステロイド110mgを含む4倍量のク
ロロホルム−メタノール(2/1:V/V)を加えて、反応を止める。抽出されたステロ
イドは、Gomezら、“In Vitro Metabolism Of Testosterone-4-14C and D-andro
stene-3,17-dione-4-14C In Human Skin.,”Biochem.,7: 24-32(1968)で前に
記載されたように、薄層クロマトグラフィーにより分析され、各ステロイドの純
度は再結晶化法より決定される。5α−レダクターゼの活性は、形成されたジヒ
ドロテストステ
ロン、アンドロスタンジオール、アンドロスタンジオンの合計で表わされる。[1
,2-3H]−テストステロン(55.2 Ci/mmol)はNew England Nuclear Corporatio
n(Boston,MA)から得られる。非標識ステロイドはSigma Chemical Company(St.
Louis,MO)から購入できる。ウシ胎児血清はHazleton(Lenaxa,Kansas)から得ら
れる。他の全ての化学試薬は試薬グレードである。
毛髪の成長の検出に使用できる方法論の一例を以下に記載する。毛髪の成長の検出のための低倍率写真法及び全体的写真法
A.低倍率写真法
位置:IDカード
毛髪カウントターゲット区域
備品:フィルム:同一の感光乳剤ロット番号のKodak−
T−max 24露出(exposure)
カメラ:Nikon N−6000
レンズ:Nikkor 60 mm f2.8
フラッシュ:Nikon SB−21Bマクロフラッシュ
装置:登録装置写真方法
これらの臨床用写真に於いて、許される唯一の変数は毛髪のカウントである。
フィルム感光乳剤、照明、枠組、露出、リプロダクション(reproduction)比は
一定に保つ。
1.患者の毛髪カウント区域は、次のように調製する:
研究の始めに、頭頂部はげスポットの中心のまん前のはげ区域の先端部に、市
販のいれずみ器(tattooing machine)を用いて、又は手で(針とインキ)、小
さな(約1mm)一つの点でいれずみ(tattoo)をする。はげ区域の先端で、いれ
ずみを中心として、約1平方インチの区域を短く刈る(約2mm)。カットされた
毛髪を写真に撮られる区域からテープを用いて取り除く。圧縮空気及び/又はエ
タノールで拭くこともまた、カットされた毛髪の除去を容易にするために使用さ
れ得る。
2.倍率:装備された各レンズは一定のリプロダクション比1:1.2を有する。
口径:各写真をf/22で撮る。
フィルム:T−Max100(24露出)を使用する。
3.患者の毛髪カウントターゲット区域。3種の露出(−2/3,
0,+2/3 f−ストップ)
訓練された技術員が写真プリントの上に透明板を置き、フェルトチップペンを
用いて、各々の目で見える毛髪の上に黒い点で印をつける。次に、点の画かれた
地図のような透明板を、コンピューターの助けでイメージ解析を用いてカウント
する。
写真は、時間に無関係にするために、研究部位に対応する無作為数、ビジット
ナンバー(visit number)、患者割り当てナンバー(allocation number)でコ
ード化される。6ケ月で、ベースラインと6ケ月写真をカウントし、中間分析と
してデータを分析する。12ケ月で、ベースライン、6ケ月写真、12ケ月写真をカ
ウントし、データの第1の終点を分析する。
毛髪成長の検出の方法はまた、Olsen,E.A.とDeLong,E,,J.American Acad
emy of Dermatology,Vol.23,p.470(1990)に記載されている。
B.全体的写真法
位置:カラーカード/患者Id
全体的写真
備品:フィルム:同一の感光乳剤ロット番号のKodachrome
KR-64 24露出
カメラ:Nikon N−6000
レンズ:Nikkor 60 mm f2.8
フラッシュ:Nikon SB−23写真方法
これらの臨床用写真において、許される唯一の変数は、全体的区域の外観であ
る。区域に無関係のもの(衣服、家具、壁など)はどんなものでも、写真撮影さ
れるフィールドから除去する。
1.患者は、毛髪を刈る前に頭を固定して(装備された定位型(stereotact
ic)装置により決定)、全体的写真を撮られる。患者の頭髪は、はげ区域が不明
確にならないように一定の位置に定める。
2.倍率:装備された各レンズは一定のリプロダクション比1:6を有する
。
口径:各写真をf/11で撮る。
フィルム:Kodachrome(24露出)を使用する。
3.患者の全体的写真。0調整での3種の露出。
特定の実施態様に関して本発明を記載し説明したが、当業者
は、本発明の思想と範囲内で種々の変更、改変、置換がなされ得ることを理解す
るであろう。例えば、前述した本発明の化合物の適応症に関して治療される哺乳
動物の応答に変異がある結果として、本明細書で前述した特定の投与以外の効果
的投与が適用できる。同様に、観察された特定の薬理学的反応は、選択される特
定の活性化合物により、又は医薬上の担体が存在するかどうかにより、同様に、
使用される組成の型と投与法により異なり得る。結果における、このような予期
される変異又は差異が、本発明の目的と実施に合致すると考えられる。それ故、
本発明は請求の範囲の記載により規定されるものであり、またこのような請求の
範囲は合理的な限り広く解釈されるものと考えられたい。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG),
AM,AU,BB,BG,BR,BY,CA,CN,C
Z,EE,FI,GE,HU,IS,JP,KG,KR
,KZ,LK,LR,LT,LV,MD,MG,MN,
MX,NO,NZ,PL,RO,RU,SG,SI,S
K,TJ,TT,UA,US,UZ
(72)発明者 ラスムソン,ゲーリー・エイチ
アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージイ・
07065、ローウエイ、イースト・リンカー
ン・アベニユー・126
(72)発明者 スタインバーグ,ネイサン・ジー
アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージイ・
07065、ローウエイ、イースト・リンカー
ン・アベニユー・126