JPH09512706A - KitリガンドおよびFLT−3/FLK−2リガンドの共有結合二量体 - Google Patents

KitリガンドおよびFLT−3/FLK−2リガンドの共有結合二量体

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JPH09512706A
JPH09512706A JP7525269A JP52526995A JPH09512706A JP H09512706 A JPH09512706 A JP H09512706A JP 7525269 A JP7525269 A JP 7525269A JP 52526995 A JP52526995 A JP 52526995A JP H09512706 A JPH09512706 A JP H09512706A
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カール エイチ. ノッカ,
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Abstract

(57)【要約】 c-kitプロトオンコジーンについてのリガンドであるKLの改変された形態が調製されている。ここでは、タンパク質が分子間共有結合により安定化されている。タンパク質は、変性剤中で溶解され、そしてジスルフィド結合された二量体を生じる条件下で再フォールディングされる組換えタンパク質の発現により調製され得る。実施例は、このジスルフィド結合されたシステイン二量体kitリガンド(KL-CD)の精製および特徴づけを示す。このKL-CDは、少なくとも1つの分子間ジスルフィド結合を含み、そして、インビトロアッセイにおいて測定されるように、細胞増殖を促進するにおいて天然の非共有結合的に連結されたKLよりも少なくとも10倍大きい活性を有する。図は、MO7e細胞株における、マウスKL-NC融合、マウスKL-CD融合、マウスKL-Ig融合、およびヒトKL-Ig融合の増殖活性を示す。

Description

【発明の詳細な説明】 kitリガンドおよびFLT-3/FLK-2リガンドの共有結合二量体 発明の背景 kitリガンド(KL)は、細胞型の類別では成長分化因子であり、c-kitプロトオ ンコジーンに対するリガンドであることが公知である。KLは最初種々の生物学的 活性に基づいて同定され、それゆえ、Andersonら(1990)Cell 63,235-243;Hu ang,E.ら(1990)Cell 63,225-233;Martinら(1990)Cell 63,203-211;Nock aら(1990)EMBO J. 9,3287-3294;Williamsら(1990)Cell 63,167-174;Zse boら(1990)Cell 63,195-201;Zsebo,K.M.ら(1990)Cell 63,213-214に記載 されるように、KLをコードするマウスにおける遺伝子座の認識において、幹細胞 因子、マスト細胞成長因子、そしてより最近ではSteel因子を含む異なる名前に よって、言及されている。 KLが種々の細胞型の増殖を促進する能力は、KLが、増強された造血の回復が有 益である種々の臨床徴候において、治療薬として有用であることを示す。例えば 、deVriesら(1991)J.Exp.Med. 173,1205;McKnieceら(1991)Exp.Hematol. 19 ,226-231;Metcalfら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88,6239-6243;Nockaら( 1990)EMBO J 9, 3287-3294によって報告されるように、KLは、未熟造血幹細胞 および前駆細胞の生存および増殖を刺激する。従って、KLは、Gillisの米国特許 第5,199,942号において提案されているように、移植前のドナーの骨髄由来の幹 細胞および前駆細胞のエクソビボ拡張に使用され得る。KLはまた、Nockaら(199 0)により報告されるように、赤血球系前駆細胞に作用し、エリトロポエチンと の組合わせでそれらの分化を駆動する。この特性は、Alterら(1992)Blood 80 ,3000-3008に記載されるように、ダイアモンドブラックファン症候群を有する 患者に関連するような貧血を処置する点でKLを有用にさせる。KLはまた、巨核球 前駆細胞に対する強い成長因子であり、そしてBriddell(1991),Blood 78, 904- 911により報告されるように、IL-6のような後期作用性血小板新生因子との組合 せで巨核球の分化を刺激する。従って、KLは血小板減少患者における巨核球増殖 および血小板生産を刺激することにおいて有用であり得た(Andrewsら、(19 92)Blood 80,920-927;Huntら、(1992)Blood 80,904-911)。KLはまた、Andrew sら(1992)Blood 80,920-927:Molineuxら(1991)Blood 78,961;Andrewsら (1992)Blood 80,2715;Briddellら(1993)Blood 82,1720-1723に報告され るように、骨髄から末梢血への幹細胞の動員における強いサイトカインであり、 そしてG-CSFとの組合せで他の処置を介する動員よりも、有意に多くの前駆細胞 を生じることが示されている。最初に動員され、次いで末梢血から採集される幹 細胞および前駆細胞は、Juttnerら(1992)Int.J.Cell Cloning 10,160により 、単独かまたは骨髄移植と組み合わせるかのいすれかで放射線療法/化学療法後 の造血の回復を加速するために有用であることが示されている。 KLはそれ自身を潜在的に有用な治療薬にする多くの特性を有するが、KLはまた 、Colemanら(1993)J.Immunol. 150,556-562;Columboら(1992)J.Immunol. 149 ,599-608;およびNakajimaら(1992)Biochem.Biophys.Res.Comm. 183,107 6-1083で観察されたように、マスト細胞感作因子および分泌促進物質として作用 し得、局在的な組織の炎症のみならず、より危険なことに全身性の過敏症を導き 得るマスト細胞由来前炎症性メディエーターの放出を促進する。KLのマスト細胞 活性化の特性は天然のKLの治療の可能性を制限することが示されている。化学療 法を受ける患者へのAmgenのKL投与の第一期臨床試行において、顕著な数の患者 がKL治療に応じて過敏症の症状の発現を経験し、KL処置をやめるように指示を受 けた。Crawfordら(1993)Proc.Am.Soc.Clin.Oncol. 12,135;Demetriら(1993 )Proc.Am.Soc.Clin.Oncol. 12,142。低用量(25μg/kg/日未満)のKLを受けた 患者では、最小限の副作用が現れた;しかし、この用量の範囲では、KL単独では 造血の回復または末梢血前駆細胞の動員の点から見るとほとんど有益性を提供し ない。 KLおよびそれに結合するレセプターであるプロトオンコジーンc-kitは、血小 板由来増殖因子(PDGF)ファミリーのメンバーであると考えられている。このフ ァミリーのメンバーはいくつかの共通の特徴を有しており、この特徴には、リガ ンドの構造(Nockaら(1990);Flanaganら(1991)Cell 64,1125-1135;Huang ら(1992);Bazan(1991)Cell 65,9-10;Huangら(1990)に記載されている )、およびレセプターの構造および作用機構(Williamsら(1989)Science2 43 ,1564-70に記載されている)が包含される。 KLの合成および発現はPDGFファミリーの他のメンバー(特に、コロニー刺激因 子-1(CSF-1またはマクロファージ-CSF(M-CSF)Kawasaki、E.S.ら(1985)Sci ence230,291-296;Wong,G.G.ら、(1987)Science 235,1504-1508)およびFlt -3/Flt-2レセプターに対する最近同定されたリガンド(Lymanら(1993)Cell 75 , 1157-1167)に類似している。M-CSFは、膜貫通タンパク質をコードする多数の mRNA転写産物から合成されるが、mRNA転写産物は、1つのタンパク質分解性切断 部位の欠損に起因する優勢な細胞表面結合CSF-1分子、または可溶性のタンパク 質分解的に切断されたCSF-1のいずれかを導く。Rettenmeier,C.W.,Roussel,M.F .(1988)Mol.Cell.Biol. 8,5026-5034。同様に、Andersonら(1990)、Flanag anら(1991)、およびHuangら(1992)により報告されるように、代替のmRNAス プライシングに起因して生じる少なくとも2つの天然に存在するKL形態が存在す る。両形態とも最初に膜貫通タンパク質として合成される。最も豊富な形態(KL -1)は、タンパク質分解性切断部位をアミノ酸164-165で有し(Martinら(1990) )、容易に切断されて30〜35kDaの可溶性のタンパク質のサブユニットを生じる (Huangら(1992))45kDaのタンパク質を生じさせる。第2の形態のKL(KL-2)は 、タンパク質分解性切断部位をコードする第6エキソンが、スプライスされてい るメッセージに由来する(Andersonら(1990);Flanagan,J.G.ら(1991))。こ の部位を有さない場合、やや効果の低いタンパク質分解性部位が使用され、そし てKL-2の大部分が細胞表面タンパク質として残存する(Flanaganら(1991):Hu angら(1992))。 KLは分子間ジスルフィド結合を含まない;単離される場合、二量体として存在 するが、この単位は、単に非共有結合的な相互作用により互いに保持されている (Nockaら(1990);Arakawa,(1991)J.Biol.Chem. 266,18942-18948。したが って、ゲル濾過クロマトグラフィーにより分析すると、可溶性KL(KL-1)は、グ リコシル化された場合は約60kDaの二量体として移動し、またはグリコシル化さ れない場合は40kDaの二量体として移動する。しかし、還元条件または非還元条 件下でSDS-PAGEにより分析する場合、天然のKLは単量体の見かけの分子量(グリ コシル化された場合、30kDaと35kDaとの間、またはグリコシル化されない場合、 18kDaと20kDaとの間)で移動する。膜結合KLであるKL-2が二量体の状態で存在す るかどうかは知られていない。 Immunex CorporationによるPCT/US91/04274、およびAmgen,Inc.によるPCT/US 90/05548において開示されているように、ヒト、マウス、およびラットのKLをコ ードするcDNAがクローン化され、そして哺乳動物、酵母、および細菌細胞で発現 されている。組換えKLタンパク質は、適切な種の天然に存在するKLに匹敵する生 物学的活性を有する。タンパク質は、ImmunexおよびAmgenにより記載されるよう に、アミノ酸残基4および89ならびに残基43および138のシステイン間で鎖内ジ スルフィド結合を有することが示されている。Amgenにより記載されるように、 ヒトKLがE.coliにおいて不溶性タンパク質として発現され、再フォールディング されて活性なタンパク質となった場合、タンパク質の優勢な形態は、非還元条件 下で測定されたように18,000Daと20,000Daとの間の分子量を有する正確に酸化さ れたタンパク質であった。37,000Daタンパク質もまた、非還元条件下で観察され た:しかし、生物学的活性の言及はされなかった。Immunexにより報告されてい るように、アミノ酸138に対して切断された変異体、最初の2つのアミノ酸がN 末端から除去された変異体、そして5番目のグリコシル化部位が欠損された変異 体は、全て活性であった。 ヒトおよびゲッ歯動物調製物に由来する組換えKLは、種々のインビトロでの造 血アッセイにおいて評価される場合、天然の分子と同じくらい有効であることが 見出されている。Luら(1991)J.Biol.Chem. 266,8102-8107;Martinら(1990); McKnieceら(1991)。組換えKLの治療可能性がいくつかの前臨床動物モデルにお けるその有効性により示唆された。例えば、Molineuxら(1991);Bodineら(19 93)Blood 82,445-455により報告されているように、100および200μg/kg/日の 投与量でKLをゲッ歯動物へ投与すると、血小板、網状赤血球、および白血球の有 意な増加を導き、そして循環前駆細胞の数の劇的な増加を導いた。Andrewsら(1 991)Blood 78,1975-1980により報告されるように、霊長類の研究では造血系に 対してKLの同様の効果が示された。ヒヒにおける重要な研究はKLの用量応答性効 果を示した:この効果は、後期の臨床試行において見られる効果を反映する;An drewsら(1992)Blood 82,920-927により記載されるように、KLは、10と 25μg/kg/日との間の投与量では造血系に対してほとんど効果を示さなかったが 、100と200μg/kg/日との間では有意な効果を示した。さらに、Zseboら(1992)Blood 89,9464-9468に記載されるように、マウス照射モデルにおいて、KLで前 処置をすると、未処置の動物においては致死的である線量の放射線照射に曝され たほとんどの動物を救命した。 動物モデルは造血の刺激におけるKLの効果を示唆したが、化学療法を受けた患 者において骨髄から末梢血への幹細胞および骨髄系前駆細胞の動員を促進するKL の能力について臨床試行で評価する場合、Crawfordら(1993);Demetriら(199 3)により報告されるように、過敏症の症状の発現または局在した組織炎症とし て現れる有意な毒性が、KLに応じて多くの患者に生じた。この毒性はKLのマスト 細胞感作-脱顆粒活性が原因であり、50μg/kg/日以上の投与量(有効な幹細胞動 員に必要とされる投与量よりも低い)で生じた。したがって、天然のKLは好まし くない「P:A」(細胞増殖:マスト細胞活性化)比を有すると考えられ得る。 レセプターFLT-3/FLK-2(「FL」)のリガンドは、KLと多くの生化学的機能特 性を共有する(Lymanら(1993))。KLと同様に、FLの天然に存在する形態は、非共 有結合的に結合した二量体として存在する。また、FLは切断事象を受けて可溶性 タンパク質を生じる膜貫通タンパク質として合成される。FLのレセプターは、マ ウスにおいて未熟造血前駆細胞/幹細胞上で発現されることが最初に見出された (W.Matthewら Cell65,1143-52頁(1991)。したがって、KLと同様に、FLは、 特に他のサイトカインと組み合わせて、初期前駆細胞を刺激するにおいて活性で あり、そして幹細胞に対して直接の効果を有する可能性を有する。しかし、KLと は異なり、FLは赤血球系前駆細胞では活性ではない(Hannumら、Nature368,64 3-48頁(1994))。しかし、GM-CSFと共同作用して顆粒球およびマクロファージの コロニー増殖を増強する。 FLはマスト細胞上でいかなる活性をも有することは報告されておらず、それゆ え臨床設定において使用される場合、マスト細胞関連性の副作用を引き起こすこ とは予想されていない。このFLの比活性は、増殖アッセイおよびコロニー形成ア ッセイの両方においてどちらかといえば低く、そして天然のKLの活性に匹敵する (Lymanら、Blood,83,2795-801頁(1994))。天然のFLの非共有結合的な性質お よびFLとKLとの間の全体の構造類似性のために、FLの共有結合二量体はまた、増 加した増殖活性を有すると期待される。 したがって、本発明の目的は、インビトロにおいて、細胞増殖の仲介において 増加された効力を示すがマスト細胞の感作を促進するその能力を増加しない、改 変された形態のKLを提供することである。 本発明のさらなる目的は、天然のKLよりも低いマスト細胞活性化に起因する毒 性で造血回復または幹細胞/前駆細胞動員を刺激し得る、より好ましいP:A比を 有する改変KLを作製および使用する方法を提供することである。 発明の要旨 本発明は、改変された、生物学的に活性なkitリガンドおよびFLT-3/FLK-2リガ ンドを提供し、これらは分子間共有結合架橋により二量体化される。これらの二 量体は、それらの天然に存在する非共有結合的に二量体化した相対物に比べて驚 くほど増加した細胞増殖活性を有する。さらに、本発明のkitリガンド二量体は 、天然に存在する相対物より有意に大きなマスト細胞脱顆粒活性を有さない。こ れらの特性は、本発明の二量体を治療設定においてより有用にする。 本発明はまた、本発明の種々の二量体を産生するのに有用である組換えDNA分 子、ならびにそれらのDNA分子で形質転換またはトランスフェクトされた宿主細 胞を提供する。 本発明はさらに、種々の組換え発現産物から開示の二量体を産生するための方 法を提供する。 最後に、本発明は、薬学的組成物、および細胞増殖(特に、造血細胞)の刺激 のために、そしてkitリガンド二量体の場合、治療用量の共有結合kitリガンドま たは非共有結合kitリガンドのいずれかで処置される患者においてマスト細胞を 脱感作するために、これらの二量体を利用する方法を提供する。 図面の簡単な説明 図1は、ヒト(配列番号2)、マウス(配列番号4)、およびラット種(配列 番号5)に由来する、kitリガンド)の可溶性形態のアミノ酸配列(アミノ酸1 〜165のアラインメントである。 図2Aは、第一C18カラムからの溶出プロフィールである;ここで、非共有結 合で結合されたmKL(KL-NC)が約38%のn-プロパノールで溶出し、KL-CDは約45% のn-プロパノールで溶出し、そして生物学的に活性なKL-CDピーク後に、極めて 低い活性を有するKL-CDの異なる形態を含有する第3のピークが溶出する。 図2Bは、図2Aに示したC18カラムから溶出されたKL-CDおよびKL-NCの、還 元条件または非還元条件下でのSDS-PAGEの写真である。 図2Cは、細胞株MO7eの増殖を促進する能力により測定された、図2Aのピー クA(黒四角)、ピークB(白四角)、およびピークC(黒菱形)についてのKL 生物活性(トリチウム取り込みCPM 対 添加した画分nL)のグラフである。 図3Aは、2MグアニジンHClの存在下または非存在下でKL-NCから再フォールデ ィングされたKL-CDおよびKL-NCのSDS-PAGEの写真である。 図3Bは、図3Aに示した再フォールディングされた物質のC18逆相クロマト グラフィー分離のクロマトグラムである。 図3Cは、図3bに示したクロマトグラムに由来する画分のKL生物活性のグラ フである。 図4は、精製KL-NC(白四角)、KL-CD(黒菱形)、およびヒトKL(黒四角)に 応じるMO7eの増殖を示すKLの生物活性のグラフである。 図5は、抗-TNPおよびTNP-BSAの存在下での、精製KL-NC(白四角)およびKL-C D(黒四角)によるマスト細胞脱顆粒の増強のグラフである。 図6は、KLに関する、マスト細胞脱顆粒(抗原単独を上回る放出%)の増強対 時間(分)のグラフである。 図7は、抗原単独(黒棒)、または前もってKLに曝露した(白棒)後に抗原を 用いたマスト細胞脱顆粒の脱感作の棒グラフである。 図8は、骨髄細胞のコロニー上の、KL-NC(波線)およびKL-CD(実線)のコロ ニー形成単位-顆粒球/マクロファージ活性のグラフである。 図9は、マウスKL-NC(菱形)、マウスKL-CD(四角)、マウスKL-Ig融合(三 角)、およびヒトKL-Ig融合(x)のMO7e細胞株における増殖活性のグラフであ る。 図10は、マスト細胞のIgE誘導脱顆粒の感作に対するKL-Ig(三角)、KL-CD( 四角)、およびKL-NC(菱形)の効果のグラフである。 図11は、エンドプロテイナーゼAsp-Nで切断された還元型および非還元型のKL- NC(パネルAおよびB)、活性KL-CD(パネルCおよびD)、および不活性KL-CD (パネルEおよびF)のHPLCプロフィールを示す。 図12は、還元および再フォールディング前または後の組換えヒトKLのHPLCプロ フィール(パネルA)、それらのHPLC分離由来の種々の画分のMO7e増殖刺激活性 (パネルB)、および種々のHPLC画分のSDS-PAGE(パネルC)を示す。 図13は、KL-NCまたはKL-CDの皮下注射により誘導される髄から脾臓への前駆細 胞の細胞動員および拡張を比較したグラフである。 図14は、KL-NCまたはKL-CDの連続した注入により誘導される髄から脾臓(あや め引きされた棒)および末梢血(黒棒)への前駆細胞の細胞動員および拡張を比 較したグラフである。 図15は、KL-NCまたはKL-Igにより誘導される髄から脾臓(あやめ引きされた棒 )および末梢血(黒棒)への前駆細胞の細胞動員および拡張を比較したグラフで ある。 発明の詳細な説明 本明細書に記載されるように、共有結合的に架橋された生物学的に活性なkit リガンド二量体を調製することが可能であり、これはマスト細胞の脱顆粒活性の 増加を伴わずに細胞の増殖を刺激するその能力において、天然のKLよりも顕著に 活性であることが見出された。 本明細書で使用する用語「共有結合的に架橋された生物学的に活性なkitリガ ンドの二量体」は、2つの単量体からなる分子をいい、各単量体はkitリガンド アミノ酸を含有しており、少なくとも1つの鎖内分子結合(好ましくは、ジスル フィド結合)を介して互いに共有結合され、この鎖内分子結合は、第一の単量体 におけるアミノ酸の側基を、第二の単量体におけるアミノ酸の側基に結合してい る。この用語はまた、一方の単量体のC末端および別の単量体のN末端に結合す るアミノ酸の領域を介して互いに接続された上記の2つの単量体を含む分子も包 含する。この用語により含まれるこれらの全ての分子が、c-kitに結合し得、そ して本明細書中に記載されるアッセイにおいて細胞増殖を促進し得る。 用語「kitリガンドアミノ酸」は、任意の種由来の天然に存在するリガンドの 少なくともアミノ酸1〜138をいい、および保存的アミノ酸置換により、4つま での余分なシステインの付加により、4つまでのアミノ酸がシステインで置換さ れることにより、1つまたは2つのシステインが他のアミノ酸(好ましくはセリ ン)で置換されることにより、または1つまたは2つのシステインの欠失により 特徴づけられるその変異体をいう。 以下の図は、本発明に従って共有結合的に架橋された二量体のそれらのタイプ のそれぞれの例である。 上記の初めの2つの改変KLは、本明細書中で一般にKL-CD(KL-共有結合二量体 )という。非共有結合的に結合されたKLを本明細書中でKL-NCという。最後の2 つの改変KLは、本明細書中で一般的にKL-(X)といい、ここでは(X)は、非KLアミ ノ酸配列の供給源の略記である(例えば、KL-Ig)。 同様に、本発明は、生物学的に活性な共有結合的に架橋されたFLT-3/FLK-2リ ガンドの二量体を提供する。この二量体は上記のkitリガンド二量体と同一であ るが、kitリガンドアミノ酸について置換されたFLT-3/FLK-2リガンドアミノ酸を 含む。本発明に含まれない二量体は、非FLT-3/FLK-2リガンドアミノ酸のような 免疫グロブリンアミノ酸を含む二量体である。このような分子は以前に国際特許 出願第WO94/28391号において記載されている。 本明細書で使用される用語「FLT-3/FLK-2リガンドアミノ酸」は、FLT-3または FLK-2と呼ばれるレセプターに結合する任意の天然に存在する分子の少なくとも アミノ酸1〜135、および保存的アミノ酸置換により、4つまでの余分なシステ インの付加により、4つまでのアミノ酸がシステインで置換されることにより、 1つまたは2つのシステインが他のアミノ酸(好ましくはセリン)で置換される ことにより、または1つまたは2つのシステインの欠失により特徴づけられるそ の変異体を意味する。kitリガンドのヌクレオチドおよびアミノ酸配列 マウスkitリガンドのヌクレオチド配列を配列番号3に示す;対応するアミノ 酸配列を配列番号4に示す。ヒトkitリガンドのヌクレオチド配列を配列番号1 に示す;対応するアミノ酸配列を配列番号2に示す。 異なる種由来のKL間において、図1に示すように一次配列レベル(特に、シス テイン残基の数および位置)でかなりの保存がある。ヒト(配列番号2)、マウ ス(配列番号4)、およびラット(配列番号5)分子は、アミノ酸レベルで高度 に保存されており、ヒトとマウスとの間で、ヒトとラットとの間で、およびマウ スとラットとの間でそれぞれ79%、80%、および92%の同一性を有する。さらに、 システインの数および位置は絶対的に保存されている。したがって、マウスKL-C DおよびヒトCDについて実施例において見られる結果は、他の哺乳動物種のKLに 対する推定の基礎になり得る。 完全長のKLをコードするヌクレオチド配列を利用する必要はなく、実際に好ま しくない;好ましい実施態様において、配列は、KLの可溶性部分(少なくとも初 めの138アミノ酸、より好ましくは初めの162アミノ酸、164アミノ酸、または165 アミノ酸)のみをコードする。配列アラインメントを用いるアミノ酸配列の相違 、ならびに構造、電荷、および化学的性質の類似性に基づく保存的置換、付加、 および欠失は、機能的に等価なKL(他に特に記載がない限り、本明細書中でKLと いう)を生じさせるために行われ得る。 1.少なくとも1つの鎖内ジスルフィドの代わりに少なくとも1つの鎖間ジスル フィド結合を有するKL-CDの形成。 本出願の実施例1に記載されるKL-CDの好ましい形態は、KL-NCにおいて見出さ れる少なくとも1つの分子内ジスルフィド結合の代わりに、少なくとも1つの分 子間ジスルフィド結合を含有する。このKL-CDの形態は、多くの異なるタイプの 細胞の増殖を支持するその能力において、KL-NCよりも10倍強いことが示されて いる。しかし、KLのマスト細胞感作/活性化特性はKL-CD分子において増加され ない。 KL-CDは、適切な原核生物発現系または真核生物発現系(例えば、E.coli)に おけるKLをコードするヌクレオチド配列の発現、続いて尿素中での脱フォールデ ィング、および約8と約9との間のpHを有する塩基性緩衝液中での再フォールデ ィングにより得られ得る。 本発明の二量体を形成するために使用され得る天然に存在するkitリガンドア ミノ酸のみからなるポリペプチド以外のポリペプチドが、下記に記載される。 2.天然に存在するKLにおける4つのシステインのうちの1つの欠失。 変異KL二量体はまた、1つだけの鎖内ジスルフィド結合が存在する場合は、KL -CDにおける鎖内ジスルフィド結合に必要とされず、かつ生物学的活性に必要不 可欠でもないシステイン残基の1つを欠失させることにより、上記のように形成 され得る。 実施例1に記載され、実施例8においてそのジスルフィド結合によって特徴づ けられたKL-CDの生物学的に活性な形態は、各KL単量体における1つの分子内ジ スルフィド結合、および他の2つのシステイン残基を結合する分子間ジスルフィ ド結合からなり得る。KLのシステイン残基の1つ(特に実施例1に記載するKL-C D分子における分子間ジスルフィド結合に関与するシステイン)をセリンのよう な別のアミノ酸に変異させた結果、2つの単量体における同じシステイン残基間 て鎖間ジスルフィドを有し、および2つの単量体のそれぞれにおいて1つの鎖内 ジスルフィドを有する分子の形成が生じ得る。1つの分子内ジスルフィド結合の みがこのような変異から形成され得るので、この変異は、実施例1において見ら れる活性KL-CDの産量に比べて非常に多くの活性KL-CD様分子の産量を生じ得る。 詳細には、所望の生物学的特性を有するKLの共有結合二量体は、他の4つのシ ステイン(4、43、89、および138)のうち1つ、最も好ましくは43または138を 、別のアミノ酸(好ましくはセリン)と置換することにより形成され得る。4つ のシステインのうち任意の3つを有するKLは折り畳まれて、4つのシステインを 有するKLから形成されるKL-CDと類似または異なる特性を有するKL-CDとなる。 上記の変異KLのホモ二量体に加えて、本発明はまた、変異KLのヘテロ二量体も 包含する。より詳細には、本発明は、KLの2つの異なるサブユニットの組み合わ せにより形成されるジスルフィド結合された二量体を包含し、それぞれのサブユ ニットでは異なるシステインが別のアミノ酸(好ましくはセリン)により置き換 えられている。ヘテロ二量体を形成する単量体中のシステイン置換は、好ましく は、通常、分子内ジスルフィド結合に関与する特定のシステインを生じ、分子間 ジスルフィド結合を形成させる。例えば、正常な分子内結合がCys43とCys138と の間で形成されるので、好ましいヘテロ二量体は、Cys43がセリンで置換された 1つの単量体(配列番号34)、およびCys138がセリンで置換された1つの単量体 (配列番号36)からなる。別の好ましいヘテロ二量体はCys4→Ser単量体およびC ys89→Ser単量体からなる。 2つのヘテロ単量体の二量体化は多くの技術によって達成され得る。例えば、 単量体は細菌において別々に発現され、KL-CDについて利用されるのと同じ方法 により単離され、尿素またはグアニジンで変性され、次いで互いに合わされ、そ して標準的な条件下で復元させ、ジスルフィド結合を形成させる。一方のヘテロ 単量体と他方のヘテロ単量体との比率は、ジスルフィド結合された活性な二量体 の最適な形成を達成するように変化され得る。この最適な割合を決定することは 、HPLC、生物学的活性、および還元条件および非還元条件下の両方でのSDS-PAGE により、再フォールディングされた物質をアッセイすることにより達成され得る 。所望の分子内ジスルフィド結合が形成されていることの確認は、二量体のジス ルフィド結合されたペプチドフラグメントをマッピングすることにより得られ得 る。 これらのヘテロ二量体を形成する代替方法は、同じ宿主における同じまたは異 なるベクター内での2つのヘテロ単量体の共発現である。このことは、ベクター (1つまたは複数)を用いる任意の適切な宿主細胞の連続トランスフェクション または同時トランスフェクションによって達成され得、各ベクターは選択マーカ ーを含む。多数のベクターを使用する場合、異なる選択マーカーをそれぞれのベ クターに対して使用する。哺乳動物宿主を使用する場合、単量体は、適切なCys 置換を含有するKLの少なくともアミノ酸1〜138に融合されるシグナルペプチド の使用により発現され得る。あるいは、天然の膜貫通ドメインおよび適切なCys 置換を含む完全長のKLが、発現され得る。この後者の構築物は二量体の形成、正 確なプロセシング、および細胞を通る細胞表面への輸送を容易にし得る。次いで ヘテロ二量体は、内因性のプロテアーゼによりプロセスされ、そして細胞外培地 中に放出される。 3.天然に存在するKLへの1つ以上のシステインの付加 付加的な鎖内ジスルフィド結合または鎖間ジスルフィド結合の形成を可能にす るために、1つ以上のシステインがKLに付加され得る。例えば、5番目のまたは さらなるシステインがcDNAに導入され得、2つの天然の鎖内ジスルフィド結合に 加えて鎖間ジスルフィド結合の形成を容易にし得る。この鎖間ジスルフィド結合 はM-CSFの領域に相似なKLの領域内に配置され得る。M-CSFは、2つの単量体中の アミノ酸31のシステイン間で形成される鎖間ジスルフィドを含み、これは2つの 単量体が並列される領域内にある。したがって、KLのアミノ酸18〜30内のアミノ 酸残基のシステインへの変異は、実施例1に記載するKL-CDの特性に類似する特 性を有するKL-CDの形成を生じることが期待される。より詳細には、別のシステ インのような1つの付加アミノ酸が、残基25と26との間に導入され得る。なぜな ら、これらの残基は、KLおよびM-CSFの配列を並べるために単一のアミノ酸「ス ペース」が間に入らなくてはならないからである。(Bazan,F.(1991)Cell 65, 9-10)。あるいは、分子間ジスルフィド結合を生じるように設計された付加シ ステインの位置は、実施例8に記載されるKL-CD中のジスルフィド対の解明によ って決定され得る。 より好ましくは、別のシステインがアミノ酸26でCys→Tyr置換によりKLに付加 されるか、またはTyr26とMet27との間にシステインを挿入することにより付加さ れる。最も好ましくは、これらの付加システイン含有単量体は、配列番号18およ び配列番号20により表される。 4.KL融合タンパク質二量体の形成 増加された生物学的活性を有するKLの共有結合二量体またはより高度な多量体 は、非KLアミノ酸配列およびKLアミノ酸配列を含む単量体の融合によって生成さ れ得る。各単量体中の非KLアミノ酸配列は、好ましくは互いに鎖間共有結合相互 作用を形成し、したがって、鎖間架橋が各単量体中のKLアミノ酸配列間で生じる 必要性がなくなる。これらの共有結合二量体は本出願に記載する他の共有結合二 量体に類似する活性を示す。好ましくは、非KLアミノ酸配列は、免疫グロブリン 、ClqまたはC4bp結合タンパク質に由来する。最も好ましくは、非KLアミノ酸配 列は、免疫グロブリンに由来する。 この例は、Lindsley,P.S.ら(1991)J.Exp.Med. 174,561-569に記載されるよ うに、多くのタンパク質を二量体分子として発現するために使用されている免疫 グロブリン(Ig)Fcドメイン融合タンパク質を有する。 KL融合タンパク質はまた、エクソビボ細胞培養における使用のためにも生成さ れ得、ここではKL融合タンパク質が固体基材に固定化される。これは、プロテイ ンAビーズに結合させたKL-Fc融合タンパク質の使用によって達成され得る。こ れはまた、KLがコラーゲンビーズまたはコートされた基材に結合し得るように、 KLに直接的にまたはFcブリッジを介してコラーゲン結合ドメインを付加すること によっても達成され得る。 タンパク質の細胞外部分をC4b結合タンパク質(C4bp)の幹領域と組み込むキ メラ融合タンパク質として宿主細胞表面において発現される可溶性の二量体タン パク質を作製する方法は、米国特許出願第08/118,366号(1993年8月8日出願) に記載されており、その教示内容は本明細書中に参考として援用されている。タ ンパク質は多量体表面タンパク質から切断され、可溶性タンパク質を生じ得る。 二量体タンパク質はまた、PCT/US92/01867に記載されるように(これらの教示内 容は本明細書中に参考として援用される)、KL cDNAアミノ酸1〜164または165 の細胞外領域および脂質アンカー(ホスホリパーゼの切断部位)をコードする配 列に隣接して胎盤アルカリホスファターゼ(PAP)をコードする遺伝子のセグメ ントを組み込んで、プラスミドベクターの発現により生成され得る。 本発明の範囲内の融合二量体の別のタイプは、式KL-リンカー-KLを含むタンパ ク質であり、ここで、「KL」は、kitリガンドアミノ酸であり、「リンカー」は 、2つのkit単量体間で共有結合架橋として作用する3個と50個との間のアミノ 酸群である。このkitリガンド二量体は、鎖間共有結合の形成を必要とせずに組 換え系において直接発現され得る。 この構築物におけるリンカーは、タンパク質分解に耐性であり、そして最終産 物の集合を減少するアミノ酸の任意の組み合わせを包含し得る。これらの特性を 有するアミノ酸の組み合わせの選択は、当業者の範囲内であり、そしてWO94/125 20において記載されている。好ましくは、これらのリンカーは配列Gly-Gly-Gly- Gly-Serの1〜9個の繰り返し単位を含む(例えば、配列番号32のアミノ酸168-1 72、173-177、178-182、および183-187)。 5.化学的に結合されたKL二量体の形成 ペプチドまたはジスルフィド結合形成に関係なく、単量体間の共有結合を形成 する化学的方法もまた、KL二量体を作製するために使用され得る。例えば遊離ア ミノ基を介してタンパク質を架橋する利用可能な種々の市販の二価性試薬を用い る方法が、利用され得る。Pierce Chemical Co.からの試薬DSSは、この目的のた めに適切であり、そしてその使用は当業者に周知である。あるいは、試薬BASED (Pierce)は、非特異的に反応する光反応性の架橋剤であり、そしてKL-NCの二 量体の界面近くで架橋するために有用であり得る。 a.KL-CDの発現および単離 ある実施態様に従って、二量体は、(a)適切な宿主細胞を、kitリガンドア ミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする核酸配列により特徴づけられる組み 換えDNA分子で、形質転換またはトランスフェクトする工程;(b)上記ポリペプ チドの発現を引き起こす条件下で、上記宿主細胞をインキュベートする工程;( c)上記ポリペプチドを、上記kitリガンドアミノ酸を含まない混入ポリペプチド から単離する工程;(d)上記単離されたポリペプチド分子の少なくとも一部分を 、共有結合的に架橋されたkitリガンドの二量体に転化するために、必要に 応じて架橋手段を用いる工程;および(e)上記共有結合的に架橋されたkitリ ガンドの二量体をkitリガンドの単量体形態およびkitリガンドの不活性二量体か ら分離する工程により作製される。好ましくは、本方法は、配列番号1、3、7 、11、13、17、19、27、31、33、または35から選択される核酸配列を用いる。 kitリガンドアミノ酸含有単量体が自発的に共有結合二量体を形成しない場合 、架橋手段の選択的な使用が必要である。この工程は、二量体が、天然に二量体 を形成する非kitリガンドアミノ酸配列を付加的に含む(例えば、Ig融合タンパ ク質を有する)場合、または翻訳産物が、互いにペプチドリンカーを介して融合 されるkitリガンドアミノ酸配列の2つの単量体を含む単鎖ポリペプチドである 場合を除いては、通常必要である。 任意の周知の架橋プロトコルが、架橋手段を行うために用いられ得る。これら は、化学的架橋、ジスルフィド架橋のインビトロでの形成、公知の二価性架橋剤 の使用などを包含する。これらの技術の多くは、本出願の実施例において詳細に 記載される。好ましくは、架橋手段は、鎖内ジスルフィド結合または他の天然に 存在する結合の切断を引き起こす条件下で発現産物を変性した後、鎖間共有結合 の形成を促進する条件下で発現産物を再フォールディングすることを包含する。 好ましい変性条件は、尿素(好ましくは4M〜12M、最も好ましくは6M)におけ る可溶化;または少量(1mM未満)のグルタチオン(還元型または酸化型の両方 、好ましくは4:1の比率)の存在下でのグアニジン(好ましくは2M)におけ る可溶化を包含する。好ましい再フォールディング条件は、中性緩衝液(例えば 、Trisまたはリン酸緩衝化生理食塩水(PBS))に対する透析を用いる。 哺乳動物および他の真核生物種における発現によるKL-CDの形成は、実施例1 に示される。タンパク質はまた、哺乳動物、酵母、または昆虫細胞において発現 され得、次いで精製され、続いて変性および再フォールディングされて、分子間 ジスルフィド結合の形成を容易にする。いくつかの場合において、鎖内および/ または鎖間ジスルフィド形成を妨害する糖を切断するために、エンドグリコシダ ーゼおよび他の酵素を用いて糖を除去することが所望であり得る。 KL-CDは原核発現系および真核発現系において発現され得る。以下は原核系に おいて使用され得る発現ベクターの例である。 pPL発現系列は、λファージの強PLプロモーターを使用し、そして多くの原核 発現系において発現され得る(Reed,Cell25,713-719(1991)、Simatakeお よびRosenberg,Naure292,128-132(1981)、Mottら、Proc.Natl.Acad.Sci.U SA82,88-92(1991))。 pOX発現系列は、Vireoscillaヘモグロビン遺伝子の酸素依存性プロモーターを 使用し、E.coliで発現される(Khoslaら、Bio Technology 8,554-558(1990)) 。 pKK223-3は、E.coliのトリプトファンオペロンのプロモーターとラクトースオ ペロンのプロモーターとの間の融合に由来するハイブリッドプロモーターを使用 する(BrosiusおよびHoly、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81 6929-6933(1984))。 以下は真核発現系における発現のために使用され得る発現ベクターの例である 。 pMSGはマウス乳癌ウイルス長末端反復配列(MMTV)由来のプロモーターを使用 する。pMSGに適切な宿主細胞は、チャイニーズハムスター卵巣細胞、Hela細胞、 およびマウスLktネガティブ細胞である(Lee,F.ら、Nature 294,28-232(1981)) 。 pSVLは、SV40後期プロモーターを使用する。適切な宿主細胞は、高レベルの一 時的発現のためのCOS細胞である(Spragueら、J.Virol. 45,773-781(1983);Ge mpletonおよびEckhart,Mol.Cell.Biol. 4,817-821(1984))。 pRSVは、ラウス肉腫ウイルスプロモーターを使用する。適切な宿主細胞はマウ ス線維芽細胞、リンパ芽球細胞、およびCOS細胞である(Gormanら、Science 221, 551-553(1983))。 pBPVは、ウシパピローマウイルス由来のDNAウイルスベクターである。これは マウス乳癌細胞(C127)において安定に発現される(Zinら、Cell 34,865-879(1 983);Saraverら、Mol.Cell.Biol. 1,486-496(1981);Saraverら、Proc.Natl .Acad.Sci.,USA 79,7147-7151(1982);Lawら、Mol.Cell.Biol. 3,2110-211 5(1983))。 バキュロウイルス発現ベクターは、昆虫細胞(例えばS19)において安定に発 現される(LuckowおよびSummers,Bio Thechnology6,47-55(1988);Miller, L.K.,Ann.Rev.Microbiology, 42,177-199(1988))。 トランスジェニック動物を作製する方法は周知である。KLをコードするDNAは 、 トランスフェクションを用いて培養中の細胞に導入され得るか、またはKLを発現 するトランスジェニック動物を生成するために胚に導入され得る。当該分野で公 知のように、トランスフェクションは、エレクトロポレーション、リン酸カルシ ウム沈澱、リポフェクチンに基づく手順、またはマイクロインジェクションによ り、あるいは「遺伝子銃(gene gun)」の使用によって達成され得る。それぞれ の場合において、KLをコードするcDNAは、遺伝子操作された細胞における効率の 良い発現のための要素をコードするプラスミドに基づくベクターにサブクローン 化される。プラスミドに基づくベクターは、好ましくは、真核細胞において細胞 障害性アミノグリコシドG418を用いて安定なトランスフェクト体を選択するため のネオマイシン遺伝子、および細菌においてプラスミドを選択するためのアンピ シリン遺伝子のようなマーカーを含む。好ましい実施態様において、KLは可溶性 形態で発現される;最も好ましい実施態様において、KLは、カゼインプロモータ ーのような組織特異的タンパク質を用いて発現され、可能性のある副作用を防止 し、そして回収可能な量を増加する。 内皮細胞に好ましい感染は、KLの遺伝子配列をレトロウイルスベクターに組み 込むことにより達成される。このような組み込みについて、当該分野において種 々の手順が公知である。当該分野において広く使用されているこのような手順の 1つは、Kohnら、1987「哺乳動物細胞へのレトロウイルス介在遺伝子トランスフ ァー」Blood Cells 13:285-298に記載されるように、欠損マウスレトロウイル ス、レトロウイルスをパッケージングするためにPsi-2細胞、および標的ドナー 細胞を感染するにおいて使用される感染性の両種性ウイルスを調製するために両 種性パッケージング細胞株Psi-AMを用いる。あるいは、欠損Moloneyマウスレト ロウイルスよりも、Hantzopoulosら、1989「レトロウイルスベクターの転写単位 外部へのアデノシンデアミナーゼミニ遺伝子のトランスファーにおける改良され た遺伝子発現」Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:3519-3523により記載されるよう な、自己不活性化および二重コピータイプのレトロウイルスが使用され得る。 KLタンパク質を発現するトランスジェニック動物を作製するための種々の方法 が当業者に公知である。特に有用な動物の例は、マウス、ラット、ウサギ、ブタ 、ヒツジ、およびウシを包含し、これらの全てにおいて標準的な技術を用いてト ラ ンスジェニックが作製されている。トランスジェニック動物を作製する最も周知 の方法は、雌ドナーの過排卵、卵の外科的摘出、および胚の前核への遺伝物質の 注入により、これらは、Wagnerの米国特許第4,873,191号により教示されており 、その教示内容は本明細書中に参考として援用される。別の一般的に使用される 技術は、胚幹細胞(ES細胞)の遺伝子操作を包含する。ES細胞は、例えば、Robe rtson,E.J.「胚由来幹細胞株」:Teratocarcinomas and embryonic stem cells :A practical approach E.J.Robertson編 71-112(Oxford,Whashington,D.C. :IRL Press,1987)において記載されるように増殖する。遺伝物質は、例えば、 McMahon,A.P.およびBradley,A.Cell 62,1073-1085(1991)の方法に従ってエレ クトロポレーションにより胚幹細胞に導入される。コロニーを選択の6日目〜9 日目に、96ウェルディシュまたは24ウェルディシュ(Coster)に選び取り、そし て拡大し、サザンブロット分析のためにDNAを単離するために使用する。キメラ なマウスが、Bradley「キメラマウスの生成および分析」Teratocarcinomas and embryonic stem cells:A practical approach E.J.Robertson編 113-151頁(Oxf ord-Whashington,D.C.:IRL Press,1987)(その教示内容は本明細書中に参考 として援用される)において記載されるように生成される。遺伝物質は胎盤胞中 に注入される。これらの移植された妊娠した雌から、キメラが子孫から選択され 、ドナー動物として使用するための生殖系キメラを生成するために繁殖させられ る。 好ましい実施態様に従って、本発明は、インビボで本発明のkitリガンド二量 体を形成する、非kitリガンドアミノ酸配列に融合されたkitリガンドアミノ酸配 列を含む融合タンパク質をコードする核酸配列により特徴づけられる組換えDNA 分子を提供する。 b.KL-CDの特性 実施例1において、アミノ酸1〜164(配列番号3のアミノ酸1-164)およびE. coliにおける合成に必要な付加N末端メチオニンをコードするマウスKLの短縮形 態を発現させた。この形態は、マウスKL-1の天然の可溶性形態に対応する。この 方法においで、KLは不溶性形態で細菌内で合成され、そして蓄積される。KL-CD は、変性剤(尿素)を用いるタンパク質の可溶化、および変性剤の除去(TrisTM H Cl、pH8〜9のような緩衝液への透析による)による生物学的に活性なタンパク 質への再フォールディングにより得られる。再フォールディングの間、鎖内ジス ルフィド結合および鎖間ジスルフィド結合の両方が形成され、その結果、細胞増 殖を促進し得る2つのタイプのKL(KL-NCおよびKL-CD)が生じる。さらに、生物 学的に不活性なKL-CDが形成される。この3つの形態のKLは、C18逆相HPLCのよう な高分離度クロマトグラフィー法を用いて、互いに、そして混入するE.coliタン パク質から分離され得る。 3つのシステインを有するKL-cDNAまたは4つより多いシステインを有するKL- cDNA に由来するKL-CDの真核細胞における発現は、適切なシステイン変異を伴っ て、完全長KL cDNA(KL-1、Huangら、1992)の発現により容易にされ得る、ここ ではKL二量体は、まず最初に膜中に結合し、次いで天然のタンパク質分解性切断 部位での切断を介して放出される。 実施例1に記載されるマウスKL-NCは、おそらく、ラットおよびヒトのKLにお いて見出される同じジスルフィド結合を含む(4-89、43-138)。タンパク質分 解性の消化および得られるペプチドのHPLC精製に関わるペプチドマッピング研究 (実施例8に記載)は、実際にジスルフィド結合ペプチドを含む異なる2つのピ ークを示した。実施例8に詳細に記載するように、活性なKL-CD分子は、還元条 件および非還元条件下の両方で、KL-NCと同様のペプチドマップを有する。この ことは、活性なKL-CDおよびKL-NCがジスルフィド結合において同じシステイン対 形成を含むことを示している。したがって、KL-CDの活性な形態において、KL-NC において通常見出される分子内ジスルフィド結合の少なくとも1つが、同じシス テイン残基に関わるが分子内の代わりに分子間で対を形成するジスルフィド結合 で置換されている。不活性なKL-CD分子は、非還元条件で分析した場合、KL-NCお よび活性なKL-CDの両方と異なるペプチドマップを有する。それゆえ、このKL-CD の不活性な形態は、そのジスルフィド結合に関与するシステインの異なる組み合 わせを含み、あまり生物学的活性を有さない分子を生じる。 c.KL関連性タンパク質の共有結合二量体 KLの共有結合二量体の形成についての上記のアプローチはまた、他の非スルフ ィド結合された多量体タンパク質の共有結合二量体の形成に適用され得る。特に 、 FLの共有結合二量体は、増加された活性を有することが期待される。なぜなら、 その非共有結合の性質および全体の構造がKLに類似するからである。マウスFLT- 3リガンドのアミノ酸配列はLymanら(1993)Cell 1157-1167により報告されるよう に、配列番号6に示される。完全長cDNAは真核細胞において特定のベクターを用 いて発現され得、そしてCV-1細胞において可溶性タンパク質が、内因性プロテア ーゼを介するタンパク質分解性切断の後に回収され得る。あるいは、FLT-3/FLK- 2リガンドの可溶性の形態が、cDNAのフラグメント(例えば、アミノ酸1〜135ま たは1〜163)の発現により、真核細胞または原核細胞から単離され得る。119位 、124位、および130位でのシステインもまた、他のアミノ酸(好ましくはセリン )により置換され得る。KLおよび融合タンパク質で特定した同じ領域における付 加的なシステインのような他の改変もまた、ジスルフィド結合されたFLT-3/FLK- 2リガンドを生成するために使用され得る。 FLT-3/FLK-2リガンドの共有結合二量体の形成は、KLの生物学的特性に類似す る所望の生物学的特性(骨髄サブ集団の増殖の刺激における増加された効力、お よび増加された安定性を含む)を有することが期待される。FLT-3/FLK-2リガン ドの生物学的に活性な、ジスルフィド結合された共有結合二量体は、9つのシス テインを含むマウス型を用いるよりも、6つのシステイン残基を含むヒト型を用 いてより容易に得られ得る。KLを用いるように、FLT-3/FLK-2リガンドの共有結 合二量体は、アミノ酸31の領域におけるシステインの付加によって、融合タンパ ク質を介して変性および再フォールディングすることにより、または化学的架橋 手段により形成され得る。 d.KL-CDの生物学的活性および適用 天然のKLは多くの生物学的活性を有し、種々の造血細胞の増殖および分化、な らびにマスト細胞の活性化に影響する。天然のKLのマスト細胞を活性化する特性 は治療薬としての有用性を制限するが、KL-CDは、天然のKLについて本来意図さ れた適用に対してKL-CDを有用にする特性を有する。実施例3に記載するように 、マウスKL-CDは、2つの異なるヒト細胞株の増殖を刺激するにおいて、マウスK L-NCおよびヒトKL-NCよりも少なくとも10倍有効であり、マウスマスト細胞の増 殖を刺激するにおいてマウスKL-NCよりも10倍有効である。しかし、KL-CDは、Ig E 依存性脱顆粒のためにマスト細胞を感作するにおいてマウスKL-NCと同程度しか 有効ではない。したがって、KL-CDについてのP:A比率はKL-NCのP:A比率よりも10 倍より多いことが望ましい。KL-CDのマスト細胞感作の活性化とは対照的に、増 殖刺激における特異な増加は最も重要である。なぜならKLで誘導される過敏症は 、マスト細胞に対するその作用におそらく起因するからである。 細胞増殖は促進するがマスト細胞の脱顆粒は促進しないKL-CDの選択性は、治 療薬として特に有用であるジスルフィド結合形態を作製し得る。なぜなら、投与 量が、所望の増殖事象を促進するがマスト細胞脱顆粒で誘導される過敏症を防ぐ ように設定され得るからである。例えば、KL-CDはKL-NCよりも細胞の増殖を促進 するにおいて10倍有効であるので、KL-CDの10μg/kg/日の用量はKL-NCの100μg/ kg/日用量(この用量は十分に造血回復を刺激した)と同じくらい有効である。K L-CDは、マスト細胞脱顆粒を促進するにおいてKL-NCに等しく有効であるので、K L-CDの10μg/kg/日の用量は、数名の患者においてマスト細胞関連性副作用を生 じた25μg/kg/日の用量を下回り、そして多くの患者において重篤なマスト細胞 関連性作用を生じた100μg/kg/日のKL-NCの用量を十分に下回る。 KL-CDは、以前に文献中に記載され、そして発明の背景において概説されるよ うな、化学療法/放射線療法後の造血回復または骨髄(造血細胞)移植を刺激す るために使用され得る。このことは、単一の薬剤としてか、または他のサイトカ イン(例えば、好中球回復のためのG-CSFまたはGM-CSF、あるいはIL-6または血 小板回復を促進する他の因子)と組み合わせて使用されるKLを用いて達成され得 る。KL-CDはまた、ダイアモンドブラックファン症候群に関連した貧血、化学療 法または放射線療法またはウイルスの感染によって引き起こされる貧血、あるい は再生不能貧血のような特定の貧血を処置するのにより効果的であり得る。二量 体はまた、単独で、あるいはG-CSFのような他のサイトカインまたは化学療法と 組み合わせて、幹細胞の骨髄から末梢血への動員にも有用である。KL-CDはその 毒性により制限されるKL-NCと同じ用量で使用されるので、細胞増殖を促進する において増強されたその有効性に起因して、KL-CDはKL-NCよりも前述の適用にお いて有意により効果的である。 培養におけるマスト細胞のKLへの短期間の曝露は、マスト細胞の感作(すなわ ち増強されたIgE依存性マスト細胞脱顆粒)を生じ、これらの細胞のKLへの長時 間の曝露は感作効果の脱感作を生じる。このことは、患者を毒性レベルより低い レベルのKL-CDで処置することにより、KLのマスト細胞を活性化する効果に対し て患者は脱感作され得ることを示唆している。次いで、高レベルのKL-CDまたはK L-NCのその後の処置は、マスト細胞関連性の毒性を引き起こさずに増強された造 血回復を提供し得る。造血回復のレベルは、毒性レベルより低いレベルで使用さ れるKL-CDについて観察されるよりも大きな造血回復レベルであり得る。要約す ると、KL-CDまたはKL-NCは、KLについてより高い毒性レベルを確立するための脱 感作プロトコルにおいて有用である。 KL-CDはまたエクソビボでの適用についてもまた有用性を有する。KL-CDの特異 な増殖/マスト細胞活性化特性は、エクソビボの使用についてはあまり重要では ないが、その増加された生物学的活性が、造血細胞の培養においてKL-CDを有用 にする。KLは、移植のための幹細胞および前駆細胞のエクソビボ拡張について、 単独で、または好ましくは他のサイトカイン(例えば、IL-1、IL-3、IL-6、IL-1 1、G-CSF、GM-CSF、LIF、FLT-3/FLK-2リガンドおよびそれらの組み合わせ)と組 み合わせて有効である。KL-CDが未熟な幹細胞/前駆細胞の増殖を刺激する能力 は、遺伝子治療のために造血細胞に遺伝子を形質導入することを包含するプロト コルにおいてKLを特に有用にする。KL-CDは、これらのエクソビボ適用のためにK L-NCに比べて低い投与量で使用され得る。KL-CDはまた、KL-NCに比べて造血細胞 拡張における質的相違を生じ得、おそらく特定のタイプの前駆細胞の選択的な拡 張を生じる。 KL-CDはまた、KL-NCよりも有意により安定である。KL-CDの増加された安定性 は、37℃で数日から数週間インキュベートする場合、1ng/mlと100ng/mlとの間 の低濃度で特に明らかである。これらの濃度では、活性の有意な消失が組換えKL -NCについて観察される。 KL-NCに対してKL-CDのより大きな安定性は、エクソビボでの適用において、KL -CDの有用性を増強し得る。KL-NCはインビトロで特性を表し、このことは、おそ らくより低いタンパク質濃度での二量体から単量体への解離に起因するか、また は応答細胞による分子のインターナリゼーションおよび分解に起因する、分子の 固有の不安定性を示唆する。このことは、KLをマスト細胞培養物に毎日繰り返し 与えることが、1週間に2〜3回与えるよりも有意に良い増殖を与えることによ り例証される。この明らかな不安定性を克服するために共有結合的に結合された KL二量体を使用すること、そして長期の細胞培養を維持するために有意に低い濃 度の可溶性KL-CDを用いさせることが可能であり得る。 要約すると、KL-CDは、KLに関する発表データから推定されるように細胞培養 培地への添加物として、または患者への投与のために薬学的に受容可能なキャリ アと組み合わせて利用され得る。薬学的キャリアの例は、希釈剤(例えば、生理 食塩水およびリン酸緩衝化生理食塩水)、添加物(例えば、保存剤)、界面活性 剤、可溶化剤、抗酸化剤、pH緩衝液、および塩類、ならびに代替のキャリア形態 (例えば、ポリマー、リポソーム、ミセル、および小胞)を包含する。これらは 、特定の条件における改良(例えば、血小板数の増加)を生じるために有効な量 で患者に投与される。処置は、単独かまたは造血活性を有することが示された他 の化合物(エリトロポエチン、G-CSF、GM-CSF、インターロイキン1-11、IGF-I、 FLT-3/FLK-2リガンド、またはLIFを含む)を組み合わせるかのいずれかであり得 る。 上記の共有結合二量体に加えて、増加された生物学的活性を有する安定化され た二量体もまた、非共有結合手段によって、安定なヘテロ多量体またはホモ多量 体を容易に形成するドメインと融合することにより生成され得る。1つの例は、 ロイシンジッパードメインを含む別のタンパク質と自己会合するいわゆる「ロイ シンジッパー」ドメインの使用である。このような二量体もまた本発明の範囲内 である。 実施例1:天然のKL配列由来の共有結合二量体kitリガンド(KL-CD)の精製および 特徴付け アミノ酸1〜164(配列番号3のアミノ酸1〜164)およびN末端メチオニンを コードする短縮型マウスKL cDNAを完全長cDNAからサブクローン化した。この短 縮型cDNAの終点は、可溶性の形態に生じる天然の膜貫通型分子のタンパク質分解 性切断部位に基づいて選択された(Huangら,1992)。短縮型KL cDNAを発現ベクタ ーにクローン化し、λファージの初期遺伝子プロモーターPLの制御下においた (Lambda II,Hendrix,Roberts,Stahl,Weisberg編,Cold Spring Harbor Labo ratory,Cold Spring Harbor,NY(1983))。このプロモーターは、変異型λファ ージCl遺伝子により温度感受性の様式で調節されており、この遺伝子もまた、発 現ベクターに存在している。短縮型cDNAを、E.coli DH5-a株(BRL-GIBCO)におい て発現させた。E.coliにおける高レベルの発現に代表されるように、短縮型KLは 細菌内の封入体に不溶性の形態で蓄積した。 KLを発現するE.coliの培養物2リットルを採集し、細胞を超音波処理により溶 解し、そして不溶性のKLを含有する封入体を10,000×gでの遠心分離により単離 した。封入体は、20mM Tris HCl(pH8.5)、200mM NaCl、1mM EDTA中に再懸濁す ることにより洗浄し、そして再遠心分離した。封入体は、6M尿素中で、4℃に て1時間インキュベーションすることにより可溶化し、次いで、遠心分離により 不溶性の物質を除去した。mKLを含有する封入体の可溶化後、タンパク質を20mM Tris(pH8.0)に対して4℃にて48時間から72時間透析した。不溶性の物質を10,00 0×gでの遠心分離により除去し、そしてタンパク質を0.1M酢酸アンモニウム(pH6 .0)および25%n-プロパノールで平衡化したVydakTMC18 1×25cm HPLCカラムに 適用した。カラムを平衡化緩衝液で洗浄し、次いで30〜50% n-プロパノール、0 .1M酢酸アンモニウム(pH6.0)の線形勾配で溶出した。 mKL生物活性は、実施例2に記載の細胞株MO7eの増殖を促進する能力について 測定したところ、2つのピークにおいて溶出する;図2Aに示したように、非共有 結合で結合されたmKL(KL-NC)は約38% n-プロパノールで溶出し、KL-CDは約45% n-プロパノールで溶出する。非常に低い活性を有する異なる形態のKL-CDを含有 する第3のピークは、図2Aに示したように生物学的に活性なKL-CDピークの後に 溶出する。 KL-NCのピークおよびKL-CDのピークを均一になるまで精製した。C18カラムに 再度適用し、そしてより狭い勾配で溶出することにより精製した。KL-NCは32〜4 5%のn-プロパノールの勾配を使用することにより精製した。活性型および不活 性型のKL-CDを、35〜45%のn-プロパノールの2時間の勾配を使用することによ り精製した。2回目のC18カラムの後、NC型およびCD型は非常に精製された状態 であり、そして低レベルのE.coli由来エンドトキシンを含有していた(BioWhitl aker Inc.Amebocyte Lysate Assayによりアッセイしたところ、1mgタンパク質 あたり1E.U.未満である)。これらの手段によって調製すると、再フォールディ ングされて、約15%のmKLが活性なKL-CDに、15%が不活性なKL-CDに、そして70 %がKL-NCになる。 KL-NC型および2つのKL-CD型の間の差異は、C18カラムにおけるそれらの異な る保持時間のみならず、図2Bに見られるように、還元/非還元条件下でのSDS-PA GEによっても見られ得る。還元条件下では、KL-NCならびに2つの型のKL-CDは約 18kDaの見かけの分子量で移動する。非還元条件下では、KL-NCは約18kDaの見か けの分子量で移動し、一方2つの異なる型のKL-CDは36kDaの見かけの分子量で移 動する。非還元条件下のSDS-PAGEにより評価したところ、活性型のKL-CDは不活 性型のKL-CDよりもわずかに大きい見かけの分子量を有する。非還元条件下でのK L-NCと比較してのKL-CDのより高い見かけの分子量は、少なくとも1つのジスル フィド結合による2つのKL単量体の共有結合を示す。 KL-CDおよびKL-NCの性質は、レーザー脱着/飛行時間質量分析測定により確か められた。この方法によると、KL-NCは18,440ダルトンの質量を有する。活性型 および不活性型KL-CDは両方とも36,860ダルトンの質量を有していた;これらの 型は、明らかにジスルフィド結合でのみ異なり、不活性なKL-CDは、非常に活性 を減少させるジスルフィド結合配置を含有している。 実施例2:ジスルフィド再配置によるKL-NCからのKL-CDの形成 KL-CDはまた、ジスルフィド結合の再配置に関わる非酵素反応を通して純粋なK L-NCから誘導され得る。この反応物は、純粋な正確にフォールディングされた1 mg/mlのKL-NC、50mM Tris(pH9.0)、2M グアニジン-HCl(KL-NCを部分的に変性 させるために添加)、および還元型および酸化型のグルタチオン(それぞれ500 μMおよび125μMの最終濃度)からなる。反応混合液を22℃にて20時間インキュ ベートし、次いで0.1M酢酸アンモニウムに対して4℃にて透析し、グアニジンを 除去し、フォールディングを可能にし、そしてジスルフィド交換を停止させた。 再配置反応は非還元条件下でのSDS-PAGEによりモニターした。 活性型および不活性型KL-CDの分子量を有するタンパク質が、KL-NCジスルフィ ドの再配置により形成された。この再配置は、2Mグアニジン-HClの存在を必要 とした。さらに、いくつかの他のKL種が形成され、これはKL-CDの不活性型であ り得た。KL-NCのジスルフィドの再配置により得られたタンパク質の混合物を、 実施例1に記載のようにC18逆相クロマトグラフィーにより精製した。 図3Aは、グルタチオンの存在下または非存在下においてKL-NCから再フォール ディングされたKL-CDおよびKL-NCのSDS-PAGEの写真である。図3Bは、図3Aで示し たように再フォールディングされた物質のC18逆相HPLC分離のクロマトグラムで ある。図3Cは、図3bで示したクロマトグラム由来の画分のKL生物活性のグラフで ある。 生物学的に活性なKLの2つのピークを同定した:第2のピークはKL-CDからな る。このKL-CDは、還元条件下でのSDS-PAGEにおいて実施例1のように精製したK L-CDの見かけの分子量と同じだけ移動した。これは、増大された生物学的活性を 有するKL-CDがジスルフィドの再配置によってKL-NCから形成され得ることを示す 。 ジスルフィド再配置条件は、KL-CD形成を最大にするように確立され得る。し かし、組換えKLを完全に脱フォールディングされた状態でC18逆相HPLCにより純 化し、次いでタンパク質を上記のジスルフィド再配置条件を使用してCD-KL型お よびNC-KL型にフォールディングすることが好ましいとされ得る。 実施例3:インビトロでの生物学的アッセイにおけるKL-CDの生物学的活性 a.細胞増殖 KLは、種々の増殖因子依存性細胞株の増殖を支持する。マウスKLは、ヒトおよ びマウスの細胞に対して同等に有効であり、一方ヒトKLはヒト細胞には活性であ るがマウス細胞には最小の活性を示す。ヒト巨核細胞株MO7eは、GM-CSFの存在下 で維持されるが、ヒトおよびマウスKLを評価するために使用される。マウス骨髄 由来マスト細胞(BMMC)は、IL-3の存在下で確立され、次いで3ヶ月まで維持され る(Yung,Y.P.ら(1982)J.Immunol. 129,1256-1261)が、これもまたマウスKL の活性を評価するために使用される(Nocka,K.ら(1990))。 細胞をそれらの維持増殖因子を欠く培地で洗浄し、そして再懸濁し、そして96 ウェルプレートにプレートする。KLサンプルのカラム画分を添加し、そして連続 希釈を行い、そして細胞を37℃にて24時間インキュベートする。次いで細胞を2. 5μCi/mlの(3)H−チミジンで6〜12時間パルス標識し、ガラス繊維フィルター 上に採集し、そしてフィルター上の3H−チミジンの量をPackard TopCpountTMシ ンチレーションカウンターで測定する。データは、KLの濃度に対してDNA中に取 り込まれた3H CPMをプロットすることにより分析する。 より大量のKL-NCがジスルフィド再配置後に存在したが、KL-NCまたはKL-CDを 含有するC18画分は、図4に示されるように細胞増殖を促進することにおいて同 等の活性を有していた。 b.マスト細胞感作活性 骨髄に由来し、そしてIL-3において培養したマウスマスト細胞の1次培養物(B MMC)は、上記のように増殖アッセイに利用され得るのみならず、サイトカインの 感作能または活性化能の量的および感受性の尺度としても使用され得る。ヒトマ スト細胞については、KLはインビトロにおいて有意なマスト細胞感作活性を有す ると今日までに同定された最も強力なサイトカインである(BischoffおよびDahin den(1992)J.Exp.Med.,175,237-244)。トリニトロフェノール(TNP)に免疫応 答性であるIgE(IGELa2に由来する腹水症、ACTT#TIB142)で感作したマウスBMMC は、特異的抗原(TNP-BSA)で刺激された場合に非感作細胞と比較してメディエー ターの放出の有意な増大を示すように、KLにより感作され得る。マウスのC57/B1 6×DBA2 F1(BDF1)系統に由来するBMMCが生理緩衝液中の低細胞密度(1×105細 胞/ml)で活性化される場合、低レベルの前炎症メディエーターおよび分泌性顆 粒酵素、代表的には10〜25%のその顆粒性ヘキソサミニダーゼが、IgEおよび抗 原単独での刺激により放出される。KLでの短い感作期間(0〜10分)の後に、40 〜60%の酵素放出の範囲で最大の顆粒酵素放出が観察される。図5は、濃度の関 数として精製KL-NCおよびKL-CDによるマスト細胞活性化のグラフである。天然の KLのマスト細胞感作活性はこのアッセイにおいて0.5〜1ngのED50を有する。 実施例4:KL応答に対するマスト細胞の脱感作 ヒト肺およびマウス骨髄に由来するマスト細胞は、BischoffおよびDahinden(1 992)に記載されるように、非常に速い速度論で、種々の感作剤に曝すことに応 答する。実施例3で明記した感作アッセイは、5〜10分の感作期間、その後のさ らに10分間の抗原添加で代表的に実施される。以下に示すように、抗原が30分間 かそれより長く与えられなかった場合、KLの感作効果はなくなり、そして脱顆粒 レベルは抗原単独で見られるのと同様である。さらに、BMMCは、既に脱感作され ている場合、もはや2回目のKLでの処理には応答し得ない。KLの効果が一旦失わ れると、マスト細胞は1〜2時間の間はKLの2回目の投与に応答し得ない。従っ て、この脱感作は続いてのKLの治療用量に対する応答を最小にするために用いら れ得る。 a.KLでの感作の速度論 既にIgE(抗TNP)で感作されたBMMCをコントロールの希釈液またはKLで種々の 時間(0、2、5、7、10、20、30、40、50、および60分)インキュベートし、 次いで抗原(TNP-BSA)で活性化した。ヘキソサミニダーゼの放出パーセントを抗 原添加10分後に測定した。 細胞を抗原の前に最大10分間までKLに曝すと、図6に示されるように最大の活 性化がもたらされた。細胞をKLに20分間以上曝すと、抗原単独について見られる より有意に上回る放出は観察されなかった。 b.KLでのマスト細胞の脱感作 感作BMMCをKLの存在下または非存在下で45分間インキュベートした(第1期) 。このインキュベーション期間の後、細胞を洗浄し、そしてBMMCをコントロール の希釈液またはKLで10分間感作した(第2期)。次いで、細胞をさらに10分間抗 原を添加することにより活性化した。コントロール培地において45分間培養した 細胞は、抗原に応答し、そして第2の薬剤としてKLで、次いで抗原で処理した場 合に、有意な増強を示した。しかし、KLで予め処理した細胞は、抗原単独で見ら れたレベルにしか活性化されなかった。KLでの2回目の刺激は、図7に示したよ うに、増強された脱顆粒を導かなかった。 実施例5:造血前駆細胞コロニーアッセイ 比較的成熟したならびに未熟な骨髄前駆細胞の増殖および分化を支持するマウ スKL-CD対KL-NCの能力を、成熟前駆細胞に対する標準的なコロニー形成単位−顆 粒球/マクロファージ(CFU-GM)アッセイおよび未熟前駆細胞に対する高増殖能コ ロニー形成細胞(HPP-CFC)アッセイにより評価した。KLは両方のアッセイにおい てマウス骨髄細胞について活性であると以前に示されている。 a.CFU-GMアッセイ マウス骨髄細胞をC57Bl/6×DBA2 F1(BDF1)雌マウスから単離し、そして75,000 細胞/mlの濃度で0.3%寒天を含む標準的な半固体培地にプレートした。37℃での 培養物のインキュベーション7日後に、倒立顕微鏡下でコロニーに点数を付けた 。 マウスKL-CDおよびKL-NCを50ng/ml(1250pM)で開始して試験し、そして0.09ng/ ml(2.44pM)まで2倍連続希釈液で滴定した。両方の型のKLは、マウス骨髄細胞に 由来するコロニーの増殖を刺激した。増殖アッセイにおいて観察されたのと同様 に、低濃度のKL-CDが、コロニー形成の刺激に必要とされた(図8Aおよび8B)。 最大コロニー形成の50%を刺激するために必要とされる用量は、KL-CDについて は約43pMであり、それに対してKL-NCは347pMであった。最大用量のKL-CDで観察 されたコロニーの総数はまた、試験した最大用量(50ng/ml)のKL-NCで観察された よりも有意に高かった。このコロニー数の増大は、KL-CDが、KL-NCによりその増 殖が支持されない別の前駆細胞集団の増殖をもたらし得ることを示唆している。 実施例6:マウスのインビボマスト細胞活性化:皮膚過敏症 マウスの耳に経皮的にKLを注射した場合、第2の活性化シグナル(すなわちIg E)を必要とせずにマスト細胞の活性化が導かれる。マスト細胞の活性化は、KL の注射の5〜30分後に形成される浮腫を測定することにより定量される。この浮 腫は、耳における色素エバンスブルーの蓄積により可視化した。このエバンスブ ルーはKLの60分前に腹腔内注射した。 KLを25μlの容量でCD-1マウスの右耳に注射し、そしてPBSをコントロールとし て供するために左耳に注射した。60分後、動物を屠殺し、そして撮影した。KL-N Cを60、30、10、3、1、0.1μg/kgで試験した。KL-CDを10、3、1、0.3、0.1 μg/kgで試験した。結果を以下の表1に示す。 最大の活性化は、30、10、3μg/kgのKL-NCで観察された。KL-CDもまた、10お よび3μg/kgで最大の活性化が観察された。KL-NCおよびKL-CDの低用量では、マ スト細胞活性化への影響は類似して滴定され、KL-CDおよびKL-NC(0.1μg/kg)の 両方について、試験された最も低い濃度で最小の浮腫形成のみが生じた。これら の結果は、KL-NCと比較して、インビボにおいてマスト細胞の活性化を引き起こ すKL-CDの能力が増大しないことを示した。 実施例7:KL-Ig融合タンパク質の構築、発現、および生物学的活性 ヒトおよびマウスKL cDNAを、ジスルフィド結合された二量体KL融合タンパク 質を生成するために免疫グロブリンH鎖遺伝子のフラグメントに融合させた。マ ウスKLシグナル配列、マウスKLのアミノ酸1〜165、およびマウス免疫グロブリ ンH鎖(γ2aイソタイプ)のアミノ酸237〜469からなる融合タンパク質(配列 番号8)をコードするcDNA(配列番号7)をPCRクローニングにより作製した。 クローニング戦略の結果、IgH鎖のアミノ酸237、通常はグルタミン酸残基がア スパラギン酸に変えられた。哺乳動物細胞で発現させた場合、シグナル配列はプ ロセシングされて成熟融合タンパク質(配列番号8のアミノ酸1〜400)が生成 される。 ヒトKL-Ig融合タンパク質構築物を、KLシグナルペプチド配列およびヒトKL cD NAクローンに由来するアミノ酸1〜165を含有するhKLフラグメントのPCR増幅に より作製した。「センス」鎖PCRプライマーは配列番号9:5'GACTCGAGCCACCAATG AAGAAGACACAAACTTGG3'であり、これはXhoI制限酵素部位をコードする。「アンチ センス」鎖PCRプライマーは配列番号10:5'TCAGGGATCCGCTGCAACAGGGGGTAACATAAA 3'であり、これはBamHI部位をコードする。PCR産物をPCRクローニングベクターP CRIIベクター(Invitrogen)にクローン化した。このプラスミドをXhoIおよびBamH Iで消化し、シグナル配列およびアミノ酸1〜165を含有するhKLフラグメントを 生成した。このフラグメントを、Ig融合ベクターCD5-IgG1(Aruffoら,Cell,61, 1303-1313頁(1990))のXhoI/BamHI制限酵素部位にクローン化した。この融合タ ンパク質をコードするDNA配列を配列番号11に示す。プロセシングされていない 発現産物を配列番号12に示す。COS細胞中で発現され、そしてプロセスされた場 合、ヒトKLのアミノ酸1〜165にヒトIgG1H鎖の234アミノ酸を融合させたもの( 配列番号12のアミノ酸1〜399)を含む融合タンパク質が生産される。 ヒトKL-Ig構築物のDNA配列決定は、アミノ酸#38のコドンの変異(GTT→ATT)を 明らかにし、これはバリン→イソロイシンの変異をもたらした。さらに、サイレ ント変異が以下のコドンで見出された:アミノ酸#24 AAA→AAG、アミノ酸#83G TC→GTG、アミノ酸#90 GTC→GTG、アミノ酸#165 GCC→GCG。アミノ酸#38での Val→Ile変異を野生型に戻すために、hKL cDNAでの部位特異的変異誘発を行った 。訂正された配列を含むヒトkitリガンドcDNA由来の151bpのAatII-SspI DNAフラ グメント(配列番号1のヌクレオチド45〜195)を単離し、そしてhKL/PCRIIプラ スミド由来の変異を含む対応するDNAフラグメントで「取り換え」た。次いで、 訂正された配列を含有するXhoI/BamHIフラグメントをIg融合ベクターにクローン 化した。訂正されたhKL-Ig構築物(配列番号13)をCOS細胞において一過的に発 現させ、次いでKL-Igタンパク質(配列番号14のアミノ酸1〜399)をプロテイン Aセファロースでのクロマトグラフィーで単離した。変異hKL-Igタンパク質およ び訂正されたhKL-Igタンパク質のインビトロおよびインビボの活性は等価であっ た。 a.KL-Ig融合タンパク質の精製 これらのKL-Igタンパク質を、CDM8ベクター(B.Seed,Nature,329,840-42頁( 1987))中のヒトおよびマウスKL-Ig構築物でエレクトロポレーションによりトラ ンスフェクトしたCos-7細胞において一過的に発現させた。無血清上清をトラン スフェクション後10日まで毎日Cos-7細胞から採集し、そして生物学的活性を試 験した。活性な採集物をプールし、そしてKL-IgをプロテインAセファロースで 精製した。タンパク質をBCAタンパク質アッセイ試薬(Pierce,Rockford,IL)なら びに抗ヒトまたは抗マウスKL-ELISAにより定量した。活性なタンパク質をヒトお よびマウスKL-Ig融合タンパク質の両方について検出した。 b.代謝標識および免疫沈降によるKL-Ig融合タンパク質の同定 KL-muIgおよびKL-huIgの発現を、プラスミドDNAで一過的にトランスフェクト したCOS-7細胞から採集した上清を使用して評価した。トランスフェクトした細 胞をメチオニンおよびシステインを欠いている標識培地(Earl塩、ビタミン、必 須および非必須アミノ酸、2%透析ウシ胎児血清)で前培養(37℃にて30分間) し、次いで[35S]-メチオニン、[35S]-システイン(Expre35S-35Sラベリング ミックス,New England Nuclear,Wilmington,DE)を100μCi/mlで5%CO2の加 湿雰囲気において37℃にて4時間、添加した。次いで馴化培地を採集し、そして 回転ミキサー上で抗マウスIgGセファロースまたはプロテインGセファロースの いずれかで4℃にて12時間反応させた。セファロースビーズを、還元SDS-PAGEサ ンプル緩衝液を添加する前に、続けて3回洗浄(0.1% NP-40,150mM NaCl,20mM Tris,pH7.4)した。サンプルを100℃に5分間加熱し、そして上清をSDS-ポリア クリルアミドゲル電気泳動(4〜12%勾配)、その後オートラジオグラフィーに より分析した。この分析によりKL-muIg構築物の58KDaのバンドおよびKL-huIg融 合タンパク質の53KDa/58KDaダブレットが明らかになった。非還元条件下でのマ ウスIg融合タンパク質の分析から130〜140KDaのバンドが明らかになった。この バンドは、おそらく58KDaの単量体バンドからなるジスルフィド結合二量体を示 す。 c.KL-Ig融合タンパク質の生物学的特徴付け 還元条件下でSDS-PAGEにより分析する場合、精製マウスおよびヒトKL-Ig融合 タンパク質は約55〜60kDaの3つの異なるバンドの「クラスター」として移動す る。タンパク質分解フラグメントであると思われる30〜40kDaの間のいくつかの バンドもまた存在する。非還元条件下では、約120kDaの2つの顕著なバンドが観 察され、これはこれらのタンパク質が2つのジスルフィド結合した60kDaの単量 体からなるという考えと一致する。より量の少ない60〜80kDaバンド(ジスルフ ィド結合タンパク質分解フラグメント)、ならびに完全長の二量体の集合体と思 われる200kDaバンドもまた存在する。 マウスおよびヒトKL-Ig融合のグリコシル化状態を、エンドグリコシダーゼで あるN-グリコシダーゼF、O-グリカナーゼ、およびエキソグリコシダーゼである シアリダーゼでの消化後のSDS-PAGEにより研究した。3つの全ての酵素での消化 により、55〜60kDaのクラスター(還元条件下)は50kDaの単一のバンドに減少し た。さらに、これらの実験は、a)N-結合グリコシル化が存在すること、およびb) 55〜60kDaクラスターの分子量の不均一性がO-結合グリコシル化の量またはシア ル酸の付加の量のいずれかの不均一性によることを示す。 HPLCゲル濾過および溶出画分の分析により評価したところ、mKL-IgおよびhKL- Igは生物学的に活性な(MO7e増殖アッセイで測定)集合体を溶液中に形成した。 約50%のhKL-Igが、約200kDaの見かけの分子量で移動し、残りのタンパク質は、 400〜2,000kDaの範囲の分子量を有する異なるピークとして溶出する。約25%のm KL-Igが200kDa種として移動し、残りは400〜2,000kDaとして移動する。 d.KL-Ig融合タンパク質の生物学的活性 KL-Ig融合の比活性を、ヒト因子依存性細胞株MO7eの増殖アッセイにおいてmKL -NCおよびmKL-CDと比較した(図9)。マウスおよびヒトの両KL-Ig分子の比活性 は、KL-CDの活性のレベル(0.5〜1.0ng/ml)と匹敵し、そしてKL-NCの比活性(6〜 15ng/ml)よりも有意に高かった。モルに基づくと、両融合タンパク質ともmKL-NC およびmKL-CDよりもずっと大きく、これらの効力はKL-CDについて観察された比 活性と非常に類似している。 マウスKL-Igをまた、次に脱顆粒についてIgE+抗原で引き起こされる、BMMCを 感作する能力について試験した。KL-Ig、KL-NC、およびKL-CDの滴定により、重 量(ng/ml)に基づいて比較した場合、KL-IgはKL-CDおよびKL-NCよりもわずかに活 性が低いことが示された(図10)。しかし、モルに基づくと、mKL-IgはKL-NCと 同等に強力である。 実施例8:マウスKL-CDのジスルフィド結合 ペプチドマッピングを、KL-CDの活性型および不活性型ならびにKL-NCのジスル フィド結合対を決定するために行った。タンパク質は、エンドプロテイナーゼAs p-N(これはアスパラギン酸残基をN末端とするようにペプチド結合を切断する )で酵素的に消化した。消化後、サンプルのいくつかを15mMジチオトレイトール (DTT)とともにインキュベートし、ジスルフィド結合を還元し、次いで20mMヨー ドアセトアミドで処理し、遊離のスルフヒドリル基をアルキル化してジスルフィ ドの再形成を防いだ。次いで、完全に還元されたまたは非還元のタンパク質消化 物のペプチドマップを、C18カラムおよびアセトニトリル/TFA勾配を使用する逆 相HPLCにより分析した。 以前に報告されたように(Langleyら,(1992)Arch.Bioch.Biophys.295, 21 -28)、E.coliおよびCHO細胞において発現された組換えヒトKLおよび組換えラッ トKLは、アミノ酸4と89のシステインの間、および43と138のシステインの間に 鎖内ジスルフィド結合を有する。KL-NCのペプチドマップは2つのピークを明ら かにした。これを図11AにおいてXおよびYと標識する。これらは、非還元消化 物には存在するが、しかし完全に還元された/アルキル化された消化物からは欠 失している。ピークXおよびYはそれぞれ、2つのジスルフィド結合したペプチ ドを含んでいる。単離した場合、ピークXは非還元条件下で単一のピークとして 分解するが、しかし、DTTで還元した場合にはX1およびX2と標識される2つの新 たなピークを生じる(図11B)。ピークX1の最初の8アミノ酸は、mKLのアミノ酸 137〜144に対応する配列DCVLSSTL(配列番号4のアミノ酸137〜144)を含有し、 一方ピークX2の最初の8アミノ酸は、アミノ酸37〜44に対応する配列DVLPSHCW( 配列番号4のアミノ酸37〜44)を含有する。 同様に、単離されたピークYは、還元によりY1と標識される新しいピークを生 じる;Y2と標識されたピークは、Y1にジスルフィド結合したペプチドと思われる が(図11B)、しかしこのピークは単離および配列決定されていない。ペプチドY 1の最初の8アミノ酸の配列MKEICGNP(配列番号4のアミノ酸1〜7+N末端メ チオニン)は付加されたメチオニンおよびアミノ酸1〜7に対応する。このデー タは、ピークXがシステイン43および138を介して結合したジペプチドであり、 そしてピークYはシステイン4および89を介して結合したジペプチドであること を示す。従って、KL-NCはヒトKLおよびラットKLに見出されるのと同一のジスル フィド対を有する。 活性型KL-CDの還元/非還元ペプチドマップはKL-NCのものと同一である(図11 Cおよび12D)。このことは、活性KL-CDもまたCys4-Cys89およびCys43-Cys138ジ スルフィド対を有することを示す。活性KL-CDが分子間配置に1または両方のジ スルフィド対を有するか否かを決定するためには、さらなる実験が必要である。 不活性型KL-CDのペプチドマッピングは、この型はCys43-138ジスルフィド対を 有するがピークY(Cys4-89ジスルフィド)を欠くことを示す(図11E)。非還元条件 下でのペプチドマップ(図11E)において見られるように、この型は別のジスル フィド(ピークZ)、およびおそらくは第3のタイプのジスルフィド(ピークZZ )を有するようである。還元条件下では、不活性型のペプチドマップは、KL-NC および活性型KL-CDのペプチドマップと同一であり(図11F)、これは、不活性型 KL-CDは完全長のKLタンパク質からなることを示す。不活性KL-CDの共有結合的性 質は、2つのKL単量体間のCys4-Cys4および/またはCys89-Cys89ジスルフィド( おそらくペプチドマップのピークZおよびピークZZに対応する)による。 実施例9:ヒトKL-CDの形成および活性 ヒトKLが鎖間ジスルフィド結合を有する生物学的に活性なタンパク質を形成し 得るか否か決定するために、本発明者らはヒトKL-NCを再フォールディングし、K L-CDにすることを試みた。配列番号1に示す配列+5’ATG開始コドンを有するD NAからE.coliにおいて発現されたタンパク質に由来するアミノ酸1〜165(配列 番号2)を含有する精製ヒトKLを10mM DTTとともに50℃にて15分間インキュベー トし、ジスルフィド結合を還元した。還元タンパク質を再フォールディング緩衝 液(50mM Tris-HCl pH9.0,2M グアニジンHCl,0.5mM還元グルタチオン,0.125mM 酸化グルタチオン,1mg/ml KL)において24時間インキュベートし、ジスルフィ ド結合形成させ、そして20mM Tris-HCl(pH8.0)に対して透析し、完全に再フォー ルディングさせた。 次いで、再フォールディングしたヒトKLサンプルおよび出発ヒトKLサンプルを 、25%から70%のn-プロパノール/0.1M酢酸アンモニウム(pH6.0)の勾配を使用 するC18逆相HPLC(15分〜105分;図12、パネルA)により精製し、そして画分をMO 7e細胞株の増殖を促進する画分の能力(図12、パネルB)および非還元条件下で のSDS-PAGEによるタンパク質含量(図12、パネルC)について分析した。出発ヒ トKLサンプルは増殖刺激活性の単一のピークとして分離したが、しかし、再フォ ールディングされたサンプルは増殖刺激活性の2つのピークとして分離した(図 12、パネルB)。活性の最初のピークは非還元条件下で18kDaのタンパク質とし て移動するヒトKLを含み(図12、パネルC、レーン3;クロマトグラムから46分 )、そして活性の第2のピークはマウスKL-CD(活性)とともに同時に移動する3 6kDaのタンパク質を含む(図12、パネルCレーン7;クロマトグラムから54分) 。さらに、増殖促進活性を欠くが、しかし不活性なマウスKL-CDとともに同時に 移動するタンパク質を含む画分が、再フォールディング反応において検出された (図12、パネルC、レーン9;クロマトグラムから60分)。 これらのデータは、ヒトKLが鎖間ジスルフィド結合を含む生物学的に活性なタ ンパク質(KL-CD)に再フォールディングされ得ることを示す。活性の最初のピー ク(KL-NC)および第2のピーク(KL-CD)のA260で判断すると、ヒトKL-CDはヒトKL -NCよりもMO7eの増殖刺激においてより活性であるようである(約10倍)。マウ スKLの場合と同様に、ヒトKLはKL-CDの活性型および不活性型の両方を形成する ようである。 実施例10:マウスにおけるインビボの造血前駆細胞の動員 a.KL-CD 骨髄から末梢血および脾臓への前駆細胞の動員および拡張は、インビボにおけ るkitリガンドの相対的強度または活性を決定するために使用され得る薬学的活 性の1つである。マウスには、10、30、または100μgKL/BDF1マウス体重kgで5 日間、KL-NCまたはKL-CDまたはPBSコントロールを皮下注射により注射した。6 日目に、動物を屠殺し、心臓穿刺により抜血し、そして脾臓を摘出し、そしてば らばらにした。末梢血または脾臓細胞を標準的なCFU-GMアッセイに準備し、そし てコロニーを培養7日後に定量した。この投与レジュメでは、前駆細胞数に対す る有意な効果は試験したKL-NCのいずれの用量でも観察されなかった。対照的に 、KL-CDは30μg/kgで中位のレベルの活性を示し、これは100μg/kgで有意となっ た(図13)。 同じ実験を、24時間を通してKLのレベルを維持するために、KL-NCまたはKL-CD の連続的な注入を使用して繰り返した。Alza浸透ミニポンプに、6日間、30また は100μg/kgを送達するような濃度でKL-NCまたはKL-CDを満たした。ポンプを皮 下に移植し、そして動物を6日目に屠殺し、そして脾臓および末梢血細胞をCFU- GMアッセイに準備した。1日に1回皮下注射するよりもずっと大きなKL-NCおよ びKL-CDの効果が観察された。図14に見られるように、KL-NCが30μg/kg/日では ほとんどから全く効果が観察されなかった;しかし、100μg/kg/日では血液およ び脾臓において、それぞれ5倍および38倍のCFU-GMの増大が示された。KL-CDの 効果はまた有意により大きく、30μg/kg/日で末梢血および脾臓において、それ ぞれ7倍および19倍増大した。100μg/kg/日では、28倍の増大が末梢血に見られ 、そして115倍の増大が脾臓において観察された。この実験は、明らかにインビ ボにおいてKL-NCよりも増大したKL-CDの活性を示す。 b.KL-Ig融合タンパク質 マウスKL-Ig融合タンパク質もまた、インビボの活性について試験した。KL-Ig の比較的大きなサイズのために、皮下投与後のKL-Igの吸収は制限され得ると予 想されるので、KL-Igは静脈注射により10、30、100、および200μg/kg/日で投与 した。KL-NCをコントロールとして100および200μg/kg/日で与えた。動物を6日 目に屠殺し、前駆細胞を定量した。図15に示されるように、KL-Igは30、100、お よび200μg/kg/日で脾臓および血液中の前駆細胞の有意な増大を刺激した。KL-N Cは100μg/kgで活性であったが、しかし200μg/kg/日ではほとんど活性を有しな かった。 実施例11:付加的なシステインを含有するKL二量体の形成 付加的なシステインを含有するkitリガンド二量体をコードするDNAを標準的な 部位特異的変異誘発技術を使用して作製した。 配列番号1に示すヒトKL cDNAをアンチセンスプライマー、5'-GAGGGTTATCATGC AGTCTTTTGGAAG-3'(配列番号15)を使用する部位特異的変異誘発によって変異さ せてアミノ酸26でのチロシン−システイン置換を作製した。同じ出発ヒトKL cDN Aをまた、アンチセンスプライマー、5'-GAGGGTTATCATGCAGTGTCTTTTGG-3'(配列 番号16)を使用してアミノ酸26(チロシン)と27(メチオニン)との間に付加的 なシステインを加えるように変異させた。 得られたcDNA(配列番号17および配列番号19)をPLプロモーターの制御下で 発現コントロールにクローン化し、そして実施例1に記載のように発現させた。 組換え細菌中で形成された封入体を単離し、変性し、再フォールディングし、そ して共有結合二量体を逆相HPLCで上記のように単離した。HPLCカラム由来の画分 を生物学的活性についてアッセイし、そして共有結合したKL二量体の活性型と不 活性型の間で区別した。還元および非還元の両条件下での活性画分のSDS-PAGEを 使用して、所望の共有結合二量体から鎖内ジスルフィド結合単量体形態を区別す る。 単離された共有結合KL二量体(配列番号18および20)は、単量体形態よりも大 きな細胞増殖活性を示すが、しかしマスト細胞活性化の増加を伴わない。 実施例12:リンカー連結KL融合二量体の形成 12または22アミノ酸リンカーで互いに連結したヒトkitリガンドアミノ酸1〜1 65の2つの分子をコードするDNA分子を以下のように構築した。 XbaI部位およびKpnI部位を、それぞれヒトkitリガンドのアミノ酸1〜165(配 列番号1)をコードするDNAの開始点および終点に、PCRおよび以下のプライマー を使用して加えた:(配列番号21);5'-TCTAGAGTCCATATGGAAGGGATCTGC-3'およ び(配列番号22):5'-CGGGGTACCGGCTGCAACAGGGGGTAACAT-3'。配列番号1の前方 および後方にそれぞれHindIII部位およびBamHI部位を含有する第2の構築物をPC Rおよび以下のプライマーを使用して作製した:(配列番号23):5'-AAGCTTGAAG GGATCAGGAATCGT-3'および(配列番号24):5'-GGATCCTTACTAGGCTGCAACAGGGGG-3' 。 上記の2つの構築物を別々にTベクター(Novagen T7 Blue)にクローン化し、 そして配列決定した。次いでKL配列を適切な制限酵素(XbaI/KpnIまたはHindIII/ BamHI)での消化により取り出し、同じpGEM72f+ベクター(Promega)の適切な部位 にクローン化した。次いで得られたベクターをKpnIおよびHindIIIで切断し、ク ローン化された挿入物の間の配列を取り出し、そして以下のアニールしたリンカ ーの対と連結し、配列番号27に示すcDNAを生成した:(配列番号25):5'-CGGTG GCGGAGGGTCAGGTGGCGGAGGGTCGA-3'および(配列番号26):5'-AGCTTAGACCCTCCGCC ACCTGACCCTCCGCCACCGGTC-3'。上記のリンカーはアミノ酸配列Gly-Thr-(Gly4-Ser )2-Lys-Leu(配列番号28のアミノ酸166〜179)をコードする。 より長いリンカーを作製するために本発明者らは以下のアニールしたリンカー をKpnI/HindIII切断ベクターに連結し、配列番号31に記載のcDNAを生成した(配 列番号29):5'CGGTGGCGGAGGGTCTGGTGGCGGAGGGTCCGGTGGAGGGTCAGGTGGCGGAGGGTCT A-3'および(配列番号30):5'AGCTTAGACCCTCCGCCACCTGACCCTGACCCTCCGCCACCGGA CCCTCCGCCACCAGACCCTCCGCCACCGGTAC-3'。上記のリンカーはアミノ酸配列Gly-Thr -(Gly4-Ser)4-Lys-Leu(配列番号32のアミノ酸166〜189)をコードする。 適切なアニールしたリンカーに連結した後、リンカーで連結した二量体をコー ドするDNAをNdeIおよびSacIでベクターから切り出し、そして発現ベクターpKK22 3-3にサブクローン化した。適切な細菌宿主の形質転換後、タンパク質の発現を 対数期培養物へのIPTGの添加により誘導する。1〜4時間後、細菌を単離し、そ して超音波処理により溶解した。存在する場合は封入体もまた回収した。溶解物 および封入体に存在する二量体を実施例1に既に記載したように別々にさらに精 製した。 単離された、リンカー連結したKL二量体(配列番号28および32)は、単量体形 態よりも大きな細胞増殖活性を示すが、しかしマスト細胞活性化の増加を伴わな い。 実施例13:システインを欠失したKLヘテロ二量体の形成 Cys43→SerまたはCys138→Ser変異を有するmet-hKL cDNAを、実施例11に記載 の技術および適切なオリゴヌクレオチドを使用して作製した。得られたcDNA(配 列番号33および35)をPLプロモーターの制御下で発現ベクターにクローン化し た。適切な細菌宿主への形質転換後、タンパク質を発現させ、単離し、そして尿 素の 存在下でのイオン交換クロマトグラフィーにより精製する。次いで、単離された Cys43→Ser KL単量体およびCys138→Ser KL単量体(配列番号34および36)を尿 素の存在下で組み合わせ、完全に還元し、そしてマウスKLについて実施例1に記 載の条件下で復元した。再フォールディング開始後12、24、36、および72時間で サンプルを採取し、そして逆相HPLCカラムでクロマトグラフした。画分を生物学 的活性およびジスルフィド結合した二量体の形成について還元および非還元SDS PAGEにより分析する。 単離された、生物学的に活性なKL二量体は、天然の単量体形態またはCys欠失 単量体形態よりも大きな細胞増殖活性を示すが、しかしマスト細胞活性化の増加 を伴わない。 本発明の改変および変形は前述の詳細な説明から当業者には明らかである。こ のような改変および変形は請求の範囲の範囲内に包含される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI A61K 39/395 9356−4H C07K 19/00 C07H 21/04 9282−4B C12N 1/21 C07K 14/52 9637−4B C12P 21/02 C 19/00 9051−4C A61K 37/02 ACC C12N 1/21 ABF C12P 21/02 ADS //(C12N 1/21 C12R 1:19) (C12P 21/02 C12R 1:19) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG), AM,AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,C H,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB ,GE,HU,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LK,LR,LT,LU,LV,MD,MG,M N,MW,MX,NL,NO,NZ,PL,PT,RO ,RU,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM, TT,UA,UG,US,UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.2つの単量体からなるkitリガンドの共有結合的に架橋された生物学的に活 性な二量体であって、該単量体のそれぞれがkitリガンドアミノ酸配列を含有し 、該二量体が、kitリガンドの単量体の形態およびkitリガンドの不活性な二量体 を本質的に含まない、二量体。 2.前記単量体のそれぞれがさらに非kitリガンドアミノ酸配列を含有する、請 求項1に記載の二量体。 3.前記非kitリガンドアミノ酸配列が、免疫グロブリン、ClqおよびC4bp結合タ ンパク質からなる群より選択されるタンパク質に由来する、請求項2に記載の二 量体。 4.前記単量体が、それらのそれぞれのアミノ酸の少なくとも1つの側基を介し て互いに共有結合的に架橋されている、請求項1〜3のいずれかに記載の二量体 。 5.共有結合連結がジスルフィド結合である、請求項4に記載の二量体。 6.前記単量体が、一方の単量体のN末端および他方の単量体のC末端に結合す るアミノ酸リンカーを介して、互いに直接的に共有結合的に連結されている、請 求項1〜3のいずれかに記載の二量体。 7.前記単量体のそれぞれにおける前記kitリガンドアミノ酸配列が、kitリガン ドアミノ酸1〜138、kitリガンドアミノ酸1〜162、kitリガンドアミノ酸1〜16 4、およびkitリガンドアミノ酸1〜165からなる群より独立して選択される、請 求項1〜6のいずれかに記載の二量体。 8.前記単量体のそれぞれが配列番号2または配列番号4から選択されるアミノ 酸配列を有し:そして各単量体がCys4とCys89との間またはCys43とCys138との間 に鎖内ジスルフィド結合を含む、請求項4に記載の二量体。 9.前記非kitリガンドアミノ酸配列が免疫グロブリンH鎖に由来する、請求項 4に記載の二量体。 10.前記単量体が、配列番号8、配列番号12、または配列番号14から選択 される、請求項9に記載の二量体。 11.各単量体中の前記KLアミノ酸配列が、配列番号18または配列番号20か ら選択される、請求項4に記載の二量体。 12.配列番号28または配列番号32から選択されるアミノ酸配列を有する、 請求項6に記載の二量体。 13.各単量体中の前記KLアミノ酸配列が配列番号34または配列番号36から 独立して選択される、請求項4に記載の二量体。 14.2つの単量体からなるFLT-3/FLK-2リガンドの共有結合的に架橋された生 物学的に活性な二量体であって、該単量体のそれぞれがFLT-3/FLK-2リガンドア ミノ酸配列を含み、該二量体が、FLT-3/FLK-2リガンドの単量体形態およびFLT-3 /FLK-2リガンドの不活性な二量体を本質的に含まない、二量体。 15.前記単量体のそれぞれが、さらに非FLT-3/FLK-2リガンドアミノ酸配列を 含有するが、但し該非FLT-3/FLK-2リガンドアミノ酸配列が免疫グロブリンに由 来しない、請求項14に記載の二量体。 16.前記非FLT-3/FLK-2リガンドアミノ酸配列が、ClqおよびC4bp結合タンパク 質からなる群より選択されるタンパク質に由来する、請求項15に記載の二量体 。 17.前記単量体が、それらのそれぞれのアミノ酸の少なくとも1つの側基を介 して、互いに共有結合的に架橋されている、請求項14〜16のいずれかに記載 の二量体。 18.前記共有結合連結がジスルフィド結合である、請求項17に記載の二量体 。 19.前記単量体が、一方の単量体のN末端および他方の単量体のC末端に結合 するアミノ酸リンカーを介して、互いに直接的に共有結合的に連結されている、 請求項14〜16のいずれかに記載の二量体。 20.前記単量体のそれぞれにおける前記FLT-3/FLK-2リガンドアミノ酸配列が 、FLT-3/FLK-2リガンドアミノ酸1〜135およびFLT-3/FLK-2リガンドアミノ酸1 〜163からなる群より独立して選択される、請求項14〜19のいずれかに記載 の二量体。 21.非kitリガンドアミノ酸配列に融合されたkitリガンドアミノ酸配列を含む 融合タンパク質をコードする核酸配列により特徴づけられる組換えDNA分子であ って、適切な宿主において該核酸配列を発現する場合に、該融合タンパク質が請 求項2におけるようなkitリガンドの共有結合的に架橋された生物学的に活性な 二量体を形成する、組換えDNA分子。 22.前記非KLアミノ酸配列が、免疫グロブリン、免疫グロブリンフラグメント 、ClqおよびC4bp結合タンパク質からなる群より選択されるタンパク質に由来す る、請求項21に記載の組換えDNA分子。 23.前記核酸配列が配列番号7、配列番号11、または配列番号13より選択 される、請求項22に記載の組換えDNA分子。 24.式:KL1-リンカー-KL2を含むポリペプチドをコードする核酸配列により特 徴づけられる組換えDNA分子であって、ここでKL1およびKL2が、独立してkitリガ ンドアミノ酸配列であり;そしてリンカーが3〜50個の独立して選択されたアミ ノ酸である、組換えDNA分子。 25.前記リンカーが式:(Gly4-Ser)nを含み、ここでnが1〜9の整数であ る、請求項24に記載の組換えDNA分子。 26.前記核酸配列が、配列番号27および配列番号31から選択される、請求 項25に記載の組換えDNA分子。 27.請求項21〜26のいずれかに記載の組換えDNA分子で形質転換される、 宿主。 28.細菌、酵母、昆虫、哺乳動物細胞、およびトランスジェニック動物からな る群より選択される、請求項27に記載の宿主。 29.kitリガンドの共有結合的に架橋された生物学的に活性な二量体を作製す るための方法であって、以下の工程 (a)kitリガンドアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするDNA配列によ り特徴づけられる組換えDNA分子を用いて、適切な宿主細胞を形質転換またはト ランスフェクトする工程; (b)該ポリペプチドの発現を引き起こす条件下で、該宿主細胞をインキュベ ートする工程; (c)該kitリガンドアミノ酸を含まない混入ポリペプチドから該ポリペプチ ドを単離する工程; (d)該単離されたポリペプチド分子の少なくとも一部分を、共有結合的に架 橋されたkitリガンドの二量体に転化するために、必要に応じて架橋手段を用い る工程;および (e)該共有結合的に架橋されたkitリガンドの二量体を、kitリガンドの単量 体形態およびkitリガンドの不活性二量体から分離する工程、 を包含する、方法。 30.前記架橋手段が以下の工程: (a)前記ポリペプチドを変性させる工程;および (b)pH約8と約9との間で該ポリペプチドを再フォールディングする工程、 を包含する、請求項29に記載の方法。 31.前記組換えDNA分子が、請求項21〜26のいずれかに記載の組換えDNA分 子または配列番号1、3、17、19、33、または35のいずれかに記載の核 酸配列により特徴づけられる組換えDNA分子から選択される、請求項29に記載 の方法。 32.薬学的に受容可能な組成物であって、 (a)造血細胞の増殖活性を増強するために有効な量の請求項1〜13のいず れかに記載のkitリガンドの共有結合的に架橋された二量体;および (b)薬学的に受容可能なキャリア、 を含む、組成物。 33.薬学的に受容可能な組成物であって、 (a)造血細胞の増殖活性を増強するために有効な量の請求項14〜20のい ずれかに記載のFLT-3/FLK-2リガンドの共有結合的に架橋された二量体;および (b)薬学的に受容可能なキャリア、 を含む、組成物。 34.細胞に請求項32または請求項33に記載の組成物を投与する工程を包含 する、造血細胞の増殖活性を増強するための方法。 35.患者における造血回復を増強するか、あるいは前駆細胞または幹細胞を末 梢血に動員する治療用量のkitリガンドで処置される患者のマスト細胞を脱感作 するための方法であって、該方法が、請求項32に記載の組成物を該患者に投与 する工程を包含する、方法。 36.前記組成物が0.1μg/kg体重と25μg/kg体重との間の投与量で投与される 、請求項35に記載の方法。 37.前記治療用量のkitリガンドで処置する前に、30分間と3時間との間で、 前記組成物が前記患者に投与される、請求項35に記載の方法。
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