JPH09512827A - 抗腫瘍活性を有する半合成タキサン - Google Patents

抗腫瘍活性を有する半合成タキサン

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JPH09512827A JP8505456A JP50545696A JPH09512827A JP H09512827 A JPH09512827 A JP H09512827A JP 8505456 A JP8505456 A JP 8505456A JP 50545696 A JP50545696 A JP 50545696A JP H09512827 A JPH09512827 A JP H09512827A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、10−デアセチルバッカチンIIIの酸化及び立体特異的な還元、続いて、種々に置換したイソセリン鎖でのエステル化によりタキソール類似体を調製することで得られる新規な誘導体に関する。本発明の生成物は、細胞毒性及び抗腫瘍活性を有し、適切に処方して、注射及び/又は経口投与することができる。

Description

【発明の詳細な説明】 抗腫瘍活性を有する半合成タキサン タキサン骨格を有するジテルペン、及び特にタキソールは、多くのヒト腫瘍に 対して抗腫瘍活性を有することが知られている。しかし、これらの薬剤、特にタ キソールの使用は、望ましくない副作用による幾つかの欠点を有する。この理由 から、そして、これらの抗腫瘍剤による治療が速やかに耐性を誘導することから 、臨床使用において観察される問題を解消する新規な分子の開発が注目されてい る。 本発明は、半合成により得られ、強力な抗腫瘍活性を有する、新規なタキサン 骨格誘導体に関する。本発明の誘導体は、式(1): を有する。 これらは、2つの系列に分類することができる: a)11,12−位にオレフィン二重結合、そして10α−位にヒドロキシ又は アシルオキシ基を有する、タキサン誘導体(式(1a)のタキサン)、及び b)11及び12位の炭素原子間に単結合を含有し、12位のメチルがα−配置 を有し、そして10β位にヒドロキシ又はアシルオキシ基を有する、タキサン誘 導体(式(1b)のタキサン)。 一般式(1)のタキサンにおいて、R1及びR2は、同一であるか又は異なって 、C1−C8アルキル、C2−C8アルケニル、アリール(好適にはフェニル)又は ヘテロアリール基である。R2はまた、tert−ブトキシ基であることもできる。 式(1a)の化合物において、R3は、水素であり、そしてR4は、ヒドロキシ 又はC2−C8アシルオキシ基である。 式(1b)の化合物において、R3は、ヒドロキシ又はC2−C8アシルオキシ 基であり、そしてR4は、水素である。 式(1)のタキサンは、タキソール及びその類似体の半合成に関する文献に報 告されるように、適切に活性化したイソセリン鎖をアシル化剤として使用して、 式(2)の新規なシントンを13−位でエステル化することにより調製される( 例えば、EP-A-400971,1992,Fr.Dem.86,10400; E.Didier ら,Tetrahedron Letters 35,2349,1994; E.Didier ら,同文献 35,3063,1994を参照)。 式(2) において、11,12−位にオレフィン二重結合が存在する場合、R3は、水素 原子であり、R4及びR5は、ヒドロキシ、C2−C8アシルオキシ、アルキルシリ ルオキシ又は2,2,2−トリクロロエトキシカルボニルオキシ基であり; 11,12−位にオレフィン二重結合が存在しない場合、12−位のメチルは 、α−配置を有し、R4は、水素原子であり、R3及びR5は、ヒドロキシ、C2− C8アシルオキシ、アルキルシリルオキシ又は2,2,2−トリクロロエトキシ カルボニルオキシ基である。 特に、式(2a)のシントンが、式(1a)の新規なタキサンの合成に使用さ れる。一方、式(2b)のシントンは、式(1b)の新規なタキサンの合成に利 用される。 シントン(2a)においては、オレフィン二重結合が、11,12−位に存在 し、そしてC2−C8アシルオキシ基、又は場合により保護されたヒドロキシ基が 、10α−位に存在する。したがって、シントン(2a)においては、R3は、 水素であり、R4及びR5は、ヒドロキシ、アシルオキシ、アルキルシリルオキシ (トリエチルシリルオキシ、O−TESなど)又は2,2,2−トリクロロエト キシカルボニルオキシ(O−CO−O−CH2CCl3、O−TROC)基である 。 シントン(2b)においては、11−及び12−位の炭素原子は、単結合によ り結合し、12−位のメチルは、α−配置を有し、そしてアシルオキシ基、又は 場合により保護されたヒドロキシ基が、10α−位に存在する。したがって、シ ントン(2b)においては、R4は、水素であり、 R3及びR5は、ヒドロキシ、アシルオキシ、アルキルシリルオキシ(トリエチル シリルオキシ、O−TESなど)又は2,2,2−トリクロロエトキシカルボニ ルオキシ(O−CO−O−CH2CCl3、O−TROC)基である。 イソセリン鎖でシントン(2)を13−位でエステル化後、文献で既知の従来 法により保護基を脱離して、式(1)の新規なタキサンを得る。 タキサス・バッカータ(Taxus Baccata)の葉から単離することができる10− デアセチルバッカチンIII(10-Deacetylbaccatine III)(3)(G.Chauviere ら,C.R.Acad.Sc.Ser.III,293; 591(1981))は、シントン(2a)及び(2 b)の調製のための単一の出発物質として使用される。 文献上知られていない式(2a)のシントンは、酢酸銅(II)での10−位の 酸化により(3)からジケトン(4)を得て、次にセリウム(III)塩の存在下 で水素化ホウ素ナトリウムで還元することにより得られる(反応式1)。 (3)の10−位におけるエピマーである生じた生成物(2a、R3=H、R4 =R5=OH)は、適切には7−及び10−位で保護して、タキサン(1a)の 合成に使用される。 新規なセコタキサン(5)は、反応式1に示される一連の反応の副生成物とし て得られる。 セコタキサン(5)は、強力な抗腫瘍活性を有する別のタキサンの合成に使用 することができる。 本発明はまた、半合成により調製される、強力な抗腫瘍活性を有する、 新規なセコタキサン−骨格誘導体に関する。この誘導体は、式(5a): 〔式中、R1及びR2は、同一であるか又は異なって、C1−C20アルキル、C2− C8アルケニル、アリール(好適にはフェニル)又はヘテロアリール基である〕 を有する。R2はまた、tert−ブトキシであることもできる。 式(5a)のタキサンは、タキソール及びその類似体の半合成に関する文献に 報告されるように、適切に活性化したイソセリン鎖をアシル化剤として使用して 、式(5)の化合物を13−位でエステル化することにより調製される(例えば 、EP-A-400,971; E.Didier ら,Tetrahedron Letters 35,2349,1994; E.Did ier ら,同文献 35,3063,1994 を参照)。化合物(5)のヒドロキシ基は、場 合により、従来法により適切な保護基で保護することができる。 イソセリン鎖で化合物(5)を13−位でエステル化後、文献で既知の従来法 により保護基を脱離して、式(5a)のセコタキサンを得る。 文献上知られていない式(2b)のシントンも、10−デアセチルバッカチン III(3)から得られる(反応式2)。m−クロロ過安息香酸(MCPBA)に よる(3)の酸化により、対応する13−ケト誘導体(6)が 得られることが認められている。塩化トリエチルシリル(TESC1)による7 −位のヒドロキシルの保護後、セリウム(III)塩の存在下で水素化ホウ素ナト リウムで還元することにより、(6)から、式(1b)のタキサンの合成に有用 なシントン(2b)(R3=OH、R4=H、R5=O−TES)を得る。シント ン(2b)の12−位のメチルのα−配置は、核磁気共鳴を用いて検討すること によって推定された。 本発明の生成物は、種々の腫瘍細胞株に対する細胞毒性効果について、タキソ ールの作用と比較しながらスクリーニングした。表1は、タキソールで得られた IC50と比較した、化合物13−[(2R,3S)−3−フェニル−2−ヒドロ キシ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロパノイル]−10−エピ−1 0−デアセチルバッカチンIII(1a、R1=Ph、R2=tBuO、R3=H、R4 =OH)、13− 〔(2R,3S)−3−フェニル−2−ヒドロキシ−3−tert−ブトキシカルボ ニルアミノ−プロパノイル]−10−デアセチル−11,12−ジヒドロバッカ チンIII(1b)R1=Ph、R2=tBuO、R3=OH、R4=H)、13−[ (2R,3S)−3−フェニル−2−ヒドロキシ−3−tert−ブトキシカルボニ ルアミノ−プロパノイル]−C−セコ−10−デアセチルバッカチンIII(5a 、R1=Ph、R2=tBuO)及び13−[(2R,3S)−3−イソブチル− 2−ヒドロキシ−3−カプロイルアミノ−プロパノイル〕−C−セコ−10−デ アセチルバッカチン(5a、R1=イソブチル、R2=カプロイル)のIC50のデ ータを示す。 イソセリン鎖に種々の置換基を有する化合物は、同様の挙動を示す。本化合物 は、アドリアマイシン及びcis−プラチナなどの他の抗腫瘍物質に耐性である 細胞株に対して、タキソールを超える驚くべき利点を示す。タキソールとこれら の生成物の差は、ヒト腫瘍を移植した胸腺欠損ヌードマウスなどの、in vivoモ デルにおいてもより明らかである。また、R2が、アルキル又はアルケニル基で ある本発明の化合物は、タキソールやその既知の誘導体とは異なり、驚くべきこ とに心毒性を有さないことが認められ、したがってタキソールやその既知の誘導 体で治療することのできない心疾患患者に好都合に使用することができる。 本発明の化合物は、非経口及び経口投与用の適切な医薬処方物への配合に適し ている。静脈内投与のためには、ポリエトキシル化ヒマシ油及びエタノールの混 合物、又は天然ホスファチジルコリンもしくは天然リン脂質の混合物からコレス テロールの存在下で調製されたリポソーム製剤が主に使用される。 以下に示す実施例により、更に本発明を説明する。 実施例1:10−デヒドロ−10−デアセチルバッカチンIII(4)の調製 10−デアセチルバッカチンIII(3)10gを、Cu(OAc)265gを添 加したメタノール350mlに懸濁した。この懸濁液を室温で120時間連続して 撹拌した。塩を濾去し、溶液をシリカゲル100gのクロマトグラフィーに付し 、6:4のヘキサン/酢酸エチル混合物で溶出した。リグロインから結晶化させ て、(4)(M+(m/z)542)9.5gを得た。 実施例2:10−デアセチル−10−エピバッカチンIII(2a、R3=H、R4 =R5=OH)及びC−セコ−10−デアセチルバッカチンIII (5)の調製 メタノール5mlに(4)300mgを含む溶液に、CeCl3・3H2O1当量を 添加し、室温で5分間撹拌し、次にNaBH480mgを添加した。この溶液をN H4Cl溶液で処理し、酢酸エチルで抽出し、シリカゲルクロマトグラフィーに 付し、3:7のヘキサン/酢酸エチル混合物で溶出した。(2a)(M+(m/z) 544)98mg及び(5)(M+(m/z)546)120mgを得た。 10−デアセチル−10−エピバッカチンIIIは、以下の1H−NMRスペクト ル(CDCl3)を有していた:H2,d 5.68 J 6.8; H3,d 4.26 J 6.8; H5,d 5 .03 J 7.1; H7/13,m 4.76; H10,br s 5.20; 10 OH,br s 3.44; H16,s 1.14; H17,s 1.68; H18,s 2.22; H19,s 1.13; H20a,d 4.33; H20b,d 4.18; Ac, s 2.31; Bnz,br 8.12 J 8,br t 7.60 J 8,br t 17.49 J 8。 実施例3:10−デアセチル−13−デヒドロバッカチンIII(6)の調製 メタ−クロロ過安息香酸3g及び酢酸ナトリウム1gを、CH2Cl2100ml に10−デアセチルバッカチンIII(3)1gを含む懸濁液に添加した。この懸 濁液を室温で120時間連続して撹拌し、次に5%Na2CO3水溶液で希釈した 。有機相を5%Na2CO3で洗浄し、蒸発乾固した。残渣を、シリカゲルで3: 7のヘキサン/酢酸エチル混合物で溶出して精製した。(6)(M+(m/z)54 2)789mgを得た。 実施例4:10−デアセチル−11,12−ジヒドロ−7−トリエチルシリル− バッカチンIII(2b、R3=OH、R4=H、R5=O−TES)の調製 (6)1.6gを塩化メチレンに溶解し、4−ジメチルアミノピリジン 370mg及び塩化トリエチルシリル2.5mlを添加した。室温で2時間後、この 反応混合物を塩化メチレンで希釈し、水で洗浄した。有機相を濃縮して乾固した 。残渣1.72gを得、これを95%エタノール150mlにとり、NaBH49 gで処理した。3時間後、この混合物をNH4Cl溶液で希釈し、生成物を酢酸 エチルで抽出した。7:3のヘキサン/酢酸エチル混合物を使用するシリカゲル クロマトグラフィーに付した後、(2b)(R3=OH、R4=H、R5=O−T ES)800mgを得た。 実施例5:11,12−ジヒドロ−7−TES−バッカチンIII(2b、R3=O H、R4=H、R5=O−TES)及び11,12−ジヒドロバッカチンIII(2 b.R3=OAc、R4=H、R5=OH)の調製 10−デアセチル−11,12−ジヒドロ−7−トリエチルシリルバッカチン III(2b、R3=OH、R4=H、R5=O−TES)500mgを無水ピリジン中 で塩化アセチル3当量と0℃で6時間反応させた。この反応混合物を水で希釈し 、塩化メチレンで抽出した。溶媒の留去後、残渣をアセトン/ヘキサンから結晶 化した。11,12−ジヒドロ−7−TES−バッカチンIII(M+(m/z)702 )510mgを得た。生成物をメタノールに溶解し、完全に脱シリル化するまで希 HClで処理した。この反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出し、水性メ タノールから結晶化した。11,12−ジヒドロバッカチンIII(M+(m/z)58 8)400mgを得た。 実施例6:13−[(2R,3S)−3−フェニル−2−ヒドロキシ−3−tert −ブトキシカルボニルアミノ−プロパノイル〕−11,12−ジヒドロバッカチ ンIII(1b)R1=Ph、R2=tBuO、R3=OAc、R4=H)の調製 11,12−ジヒドロバッカチンIII(2b、R3=OAc、R4=H、R5=O −TES)500mgを、(4S,5R)−N−tert−ブトキシカルボニル−2, 2−ジメチルフェニル−5−オキサゾリジンカルボン酸0.45g、ジシクロヘ キシルカルボジイミド(1.03当量)及びN,N−ジメチルアミノピリジン( 0.2当量)と共に80℃で2時間トルエン20mlに溶解した。この反応混合物 を、過剰の試薬が除去されるまで水で洗浄し、次に濃縮して乾固した。残渣を、 1%ギ酸を含有するメタノールで、室温で4時間処理した。このメタノール溶液 を水で希釈し、中和し、酢酸エチルで抽出した。有機相を濃縮して乾固し、残渣 を、テトラヒドロフラン15mlに炭酸ジ−tert−ブチル及び重炭酸ナトリウム1 .5当量を含有する溶液で処理した。この反応混合物を水で希釈し、酢酸エチル で抽出し、ヘテロ酢酸相を濃縮して乾固した。完全に脱シリル化するように、残 渣を塩酸酸性メタノールにとった。次にこの溶液を水で希釈し、酢酸エチルで抽 出した。ヘテロ酢酸相の蒸発により得られた残渣を、シリカゲルのクロマトグラ フィーに付し、1:1のアセトン/ヘキサン混合物で溶出して、反応不純物を除 去した。生成物(M+(m/z)851)580mgを得た。 実施例7:13−[(2R,3S)−3−ベンゾイルアミノ−3−フェニル−2 −ヒドロキシプロパノイル〕−11,12−ジヒドロバッカチンIII(1b、R1 =R2=Ph、R3=OAc、R4=H)の調製 11,12−ジヒドロ−7−TES−バッカチン(2b、R3=OAc、R4= H、R5=O−TES)500mgを、(4S,5R)−N−ベンゾイル−2,2 −ジメチル−4−フェニル−5−オキサゾリジンカルボン酸1.5g、ジシクロ ヘキシルカルボジイミド(1.03当量)及びN,N−ジメチルアミノピリジン (0.2当量)と共に、トルエン 20mlに80℃で2時間溶解した。この反応混合物を、過剰の試薬が除去される まで水で洗浄し、次に濃縮して乾固した。残渣を、1%ギ酸を含有するメタノー ルで、室温で4時間処理した。このメタノール溶液を水で希釈し、中和し、酢酸 エチルで抽出した。有機相を濃縮して乾固し、完全に脱シリル化するように、残 渣を塩酸酸性メタノールにとった。次にこの溶液を水で希釈し、酢酸エチルで抽 出した。ヘテロ酢酸相の蒸発により得られた残渣を、シリカゲルクロマトグラフ ィーに付し、1:1のアセトン/ヘキサン混合物で溶出して、反応不純物を除去 した。生成物(M+(m/z)855)530mgを得た。 実施例8:13−〔(2R,3S)−3−フェニル−2−ヒドロキシ−3−tert −ブトキシカルボニルアミノ−プロパノイル]−10−エピ−10−デアセチル バッカチンIII(1a、R1=Ph、R2=tBuO、R3=H、R4=OH)の調 製 10−デアセチル−10−エピバッカチンIII(2a、R3=H、R4=R5=O H)500mgを無水ピリジン15mlに溶解し、塩化トリクロロエトキシカルボニ ル(TROC−C1)3当量で、80℃で5分間処理し、次に室温に冷却した。 過剰のTROC−C1を分解するために、メタノール1mlを添加した。この溶液 を氷水で希釈し、クロロホルムで抽出し、有機相を希塩酸溶液で洗浄した。有機 相を蒸発乾固し、残渣を、(4S,5R)−N−tert−ブトキシカルボニル−2 ,2−ジメチル−4−フェニル−5−オキサゾリジンカルボン酸3当量、ジシク ロヘキシルカルボジイミド3当量及びN,N−ジメチルアミノピリジン0.2当 量を含有するトルエン溶液で、室温で24時間処理した。この反応混合物を水で 洗浄し、有機相を真空下で蒸発乾固した。残渣をメタノールにとり、p−トルエ ンスルホン酸1当量で48時間処理し、次に水で希釈し、酢酸エチルで抽出 した。有機相を真空下で蒸発させ、残渣を1:1の酢酸/酢酸エチル混合物20 0mlにとり、亜鉛粉末11当量で30℃で3時間処理した。この固体物質を濾去 し、溶液を水で希釈し、酢酸エチルで抽出し、シリカゲルクロマトグラフィーに 付し、1:4の酢酸エチル/ヘキサン混合物で溶出した。生成物(1a)(M+ (m/z)807)512mgを得た。 実施例9:7,9−ジトリエチルシリル−C−セコ−10−デアセチルバッカチ ンIIIの調製 無水ジメチルホルムアミド(DMF)(5ml)に(5)(200mg、0.37 mmol)を含む溶液に、イミダゾール(75mg、1.11mmol、3mol当量)及び 塩化トリエチルシリル(TES)(186ml、167.3mg、1.11mmol、3 mol当量)を添加し、反応混合物を室温で10分間撹拌した。反応をTLC(3 :7のヘキサン−酢酸エチル、出発物質のRf0.10、生成物のRf0.80 )によりチェックした。水及びセライト(登録商標)の添加により反応を停止さ せ、沈殿物を濾過し、水で洗浄してDMFを除去し、次にCHCl3で洗浄して 生成物をとり出した。カラムクロマトグラフィー(9:1のヘキサン/酢酸エチ ルでシラノールを溶出し、次に6:4のヘキサン/酢酸エチルで生成物を溶出す る)による精製後、標題生成物146mg(51%)を得た。 実施例10:13−〔(2R,3S)−3−フェニル−2−ヒドロキシ−3−te rt−ブトキシカルボニルアミノ−プロパノイル]−C−セコ−10−デアセチル バッカチンIII(5a、R1=Ph、R2=tBuO)の調製 無水トルエン(5ml)に実施例9で得られた生成物(126mg、0.16mmol )を含む溶液に、ジシクロヘキシルカルボジイミド67.5mg(0.327mmol 、2mol当量)、(4S,5R)−N− Boc−2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4−フェニル−5−オキサゾリ ジンカルボン酸105mg(0.327mmol、2mol当量)及び4−ジメチルアミ ノピリジン5mgを添加した。この混合物を60℃に24時間加熱し、NaHCO3 飽和水溶液及び酢酸エチルで希釈した。残渣をカラムクロマトグラフィー(8 :2のヘキサン−酢酸エチル)により精製して、13−エステル175mg(95 %)を得た。残渣をメタノール/HCl(0.01%)50mlにとり、反応混合 物を室温で1時間放置した。この溶液をpH5までアルカリ性にし、真空下で濃縮 して乾固した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、98:2の 塩化メチレン−メタノール混合物で溶出した。酢酸エチルから結晶化後、標題化 合物85mgを得た。 実施例11:13−[(2R,3S)−3−イソブチル−2−ヒドロキシ−3− カプロイルアミノ−プロパノイル〕−C−セコ−10−デアセチルバッカチンII I(5a、R1=Ph,R2=カプロイル)の調製 無水トルエン(5ml)に実施例9で得られた生成物(126mg、0.16mmol )を含む溶液に、ジシクロヘキシルカルボジイミド67.5mg(0.327mmol 、2mol当量)、(4S,5R)−N−カプロイル−2−(2,4−ジメトキシ フェニル)−4−イソブチル−5−オキサゾリジンカルボン酸140mg(0.3 27mmol、2mol当量)及び4−ジメチルアミノピリジン5mgを添加した。この 混合物を60℃に24時間加熱し、NaHCO3飽和水溶液及び酢酸エチルで希 釈した。残渣をカラムクロマトグラフィー(8:2のヘキサン−酢酸エチル)に より精製して、13−エステル175mg(95%)を得た。残渣をメタノール/ HCl(0.01%)50mlにとり、反応混合物を室温で1時間放置した。この 溶液をpH5までアルカリ性にし、真空下で濃縮して乾固した。残 渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、98:2の塩化メチレン−メ タノール混合物で溶出した。酢酸エチルから結晶化後、標題化合物88mgを得た 。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】1996年7月8日 【補正内容】 明細書 抗腫瘍活性を有する半合成タキサン タキサン骨格を有するジテルペン、及び特にタキソールは、多くのヒト腫瘍に 対して抗腫瘍活性を有することが知られている。しかし、これらの薬剤、特にタ キソールの使用は、望ましくない副作用による幾つかの欠点を有する。この理由 から、そして、これらの抗腫瘍剤による治療が速やかに耐性を誘導することから 、臨床使用において観察される問題を解消する新規な分子の開発が注目されてい る。 1993年2月4日付のWO93/02067号(Nippon Steel)は、例えば、顕著な 細胞毒性活性を有するTaxus種の胚乳の組織培養物から抽出した10−α−アセ チル−タキソールを開示している。 本発明は、半合成により得られ、強力な抗腫瘍活性を有する、新規なタキサン 骨格誘導体に関する。本発明の誘導体は、式(1): を有する。 これらは、2つの系列に分類することができる: a)11,12−位にオレフィン二重結合、そして10α−位にヒドロキシ又は アシルオキシ基を有する、タキサン誘導体(式(1a)のタキサン)、及び 得られることが認められている。塩化トリエチルシリル(TESC1)による7 −位のヒドロキシルの保護後、セリウム(III)塩の存在下で水素化ホウ素ナト リウムで還元することにより、(6)から、式(1b)のタキサンの合成に有用 なシントン(2b)(R3=OH、R4=H、R5=O−TES)を得る。シント ン(2b)の12−位のメチルのα−配置は、核磁気共鳴を用いて検討すること によって推定された。 本発明の生成物は、種々の腫瘍細胞株に対する細胞毒性効果について、タキソ ールの作用と比較しながらスクリーニングした。表1は、タキソールで得られた IC50と比較した、化合物13−[(2R,3S)−3−フェニル−2−ヒドロ キシ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロパノイル〕−10−エピ−1 0−デアセチルバッカチンIII(1a、R1=Ph、R2=tBuO、R3=H、R4 =OH)、13− 〔(2R,3S)−3−フェニル−2−ヒドロキシ−3−tert−ブトキシカルボ ニルアミノ−プロパノイル]−10−デアセチル−11,12−ジヒドロバッカ チンIII(1b、R1=Ph、R2=tBuO、R3=OH、R4=H)、13−[ (2R,3S)−3−フェニル−2−ヒドロキシ−3−tert−ブトキシカルボニ ルアミノ−プロパノイル]−C−セコ−10−デアセチルバッカチンIII(5a 、R1=Ph、R2=tBuO)及び13−〔(2R,3S)−3−イソブチル− 2−ヒドロキシ−3−カプロイルアミノ−プロパノイル]−C−セコ−10−デ アセチルバッカチン(5a、R1=イソブチル、R 2 =ペンチル)のIC50のデー タを示す。 Boc−2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4−フェニル−5−オキサゾリ ジンカルボン酸105mg(0.327mmol、2mol当量)及び4−ジメチルアミ ノピリジン5mgを添加した。この混合物を60℃に24時間加熱し、NaHCO3 飽和水溶液及び酢酸エチルで希釈した。残渣をカラムクロマトグラフィー(8 :2のヘキサン−酢酸エチル)により精製して、13−エステル175mg(95 %)を得た。残渣をメタノール/HCl(0.01%)50mlにとり、反応混 合物を室温で1時間放置した。この溶液をpH5までアルカリ性にし、真空下で濃 縮して乾固した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、98:2 の塩化メチレン−メタノール混合物で溶出した。酢酸エチルから結晶化後、標題 化合物85mgを得た。 実施例11:13−〔(2R,3S)−3−イソブチル−2−ヒドロキシ−3− カプロイルアミノ−プロパノイル〕−C−セコ−10−デアセチルバッカチンII I(5a、R1=Ph、R2ペンチル)の調製 無水トルエン(5ml)に実施例9で得られた生成物(126mg、0.16mmol )を含む溶液に、ジシクロヘキシルカルボジイミド67.5mg(0.327mmol 、2mol当量)、(4S,5R)−N−カプロイル−2−(2,4−ジメトキシ フェニル)−4−イソブチル−5−オキサゾリジンカルボン酸140mg(0.3 27mmol、2mol当量)及び4−ジメチルアミノピリジン5mgを添加した。この 混合物を60℃に24時間加熱し、NaHCO3飽和水溶液及び酢酸エチルで希 釈した。残渣をカラムクロマトグラフィー(8:2のヘキサン−酢酸エチル)に より精製して、13−エステル175mg(95%)を得た。残渣をメタノール/ HCl(0.01%)500mlにとり、反混合物を室温で1時間放置した。この 溶液をpH5までアルカリ性にし、真空下で濃縮して乾固した。残 渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、98:2の塩化メチレン−メ タノール混合物で溶出した。酢酸エチルから結晶化後、標題化合物88mgを得た 。 請求の範囲 1.式(1): [式中、 R1及びR2は、同一であるか又は異なって、C1−C8アルキル、C2−C8アル ケニル、アリール又はヘテロアリール基であり;R2は、tert−ブトキシ基であ ることもでき; 11、12位にオレフィン二重結合が存在する場合、R3は、水素原子であり 、R4は、ヒドロキシ又はC2−C8−アシルオキシ基であり; 11、12位にオレフィン二重結合が存在しない場合、12位のメチルは、α −配置を有し、R3は、ヒドロキシ又はC2−C8−アシルオキシ基であり、そし てR4は、水素である。ただし、R1及びR2がフェニルであり、11位と12位 が二重結合で接続されている場合、R4は、アセチルではない]で示される半合 成タキサン。 2.式(1a): 〔式中、R1=フェニル、R2=tert−ブトキシ、R3=H、R4=OH〕で示され る、13−[(2R,3S)−3−フェニル−2−ヒドロキシ−3−tert−ブト キシカルボニルアミノ−プロパノイル]−10−エピ−10−デアセチルバッカ チンIIIである、請求項1記載の化合物。 3.式(1b): 〔式中、R1=フェニル、R2=tert−ブトキシ、R3=アセトキシ、そしてR4= H〕で示される、13−〔(2R,3S)−3−フェニル−2−ヒドロキシ−3 −tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロパノイル〕−11,12−ジヒドロバ ッカチンIIIである、請求項1記載の化合物。 4.請求項1記載の化合物の製造方法であって、式(2): 〔式中、 7.式(5a): 〔式中、 R1及びR2は、同一であるか又は異なって、C1−C20アルキル、C2−C8ア ルケニル、アリール又はヘテロアリール基であり、R2は、tert−ブトキシ基で あることもできる〕で示される半合成セコタキサン。 8.式(5a): 〔式中、R1=フェニル、R2=tert−ブトキシ〕で示される、13−[(2R, 3S)−3−フェニル−2−ヒドロキシ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ −プロパノイル〕−C−セコ−10−デアセチルバッカチンIIIである、請求項 7記載の化合物。 9.式(5a)[式中、R1=イソブチル、R2=ペンチル〕で示される、13− [(2R,3S)−3−イソブチル−2−ヒドロキシ−3−カプロイルアミノ− プロパノイル〕−C−セコ−10−デアセチルバッカチンIIIである、請求項7 記載の化合物。 10.請求項7記載の化合物の製造方法であって、式(5): で示される化合物を、従来法により、イソセリン鎖を適切に活性化及び/又は保 護した誘導体でエステル化して、13−位にアシル基: (式中、R1及びR2は、請求項7と同義である)を導入し、次に従来法により保 護基を脱離することを特徴とする方法。 11.請求項1〜3及び7〜9記載のタキサンを含有する、医薬組成物。 12.抗腫瘍活性を有する、請求項11記載の医薬組成物。 13.ガンの治療に有用な医薬の製造のための、請求項1〜3及び7〜9記載の タキサンの用途。
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Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.式(1): 〔式中、 R1及びR2は、同一であるか又は異なって、C1−C8アルキル、C2−C8アル ケニル、アリール又はヘテロアリール基であり;R2は、tert−ブトキシ基であ ることもでき; 11.12位にオレフィン二重結合が存在する場合、R3は、水素原子であり 、R4は、ヒドロキシ又はC2−C8−アシルオキシ基であり; 11、12位にオレフィン二重結合が存在しない場合、12位のメチルは、α −配置を有し、R3は、ヒドロキシ又はC2−C8−アシルオキシ基であり、そし てR4は、水素である]で示される半合成タキサン。 2.式(1a): 〔式中、R1=フェニル、R2=tert−ブトキシ、R3=H、R4=OH]で示され る、13−[(2R,3S)−3−フェニル−2−ヒドロキシ−3−tert−ブト キシカルボニルアミノ−プロパノイル〕−10−エピ−10−デアセチルバッカ チンIIIである、請求項1記載の化合物。 3.式(1b): 〔式中、R1=フェニル、R2=tert−ブトキシ、R3=アセトキシ、そしてR4= H]で示される、13−〔(2R,3S)−3−フェニル−2−ヒドロキシ−3 −tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロパノイル〕−11,12−ジヒドロバ ッカチンIIIである、請求項1記載の化合物。 4.請求項1記載の化合物の製造方法であって、式(2): 〔式中、 11、12位にオレフィン二重結合が存在する場合、R3は、水素であり、R4 及びR5は、ヒドロキシ、C2−C8−アシルオキシ、アルキルシリルオキシ又は 2,2,2−トリクロロエトキシカルボニルオキシ基であり; 11、12位にオレフィン二重結合が存在しない場合、12位のメチルは、α −配置を有し、R4は、水素であり、R3及びR5は、ヒドロキシ、C2−C8−ア シルオキシ、アルキルシリルオキシ又は2,2,2−トリクロロエトキシカルボ ニルオキシ基である〕で示されるシントンを、既知の方法により、適切に活性化 及び/又は保護したイソセリン誘導体でエステル化して、13位にアシル基: (式中、R1及びR2は、請求項1と同義である)を導入し、次に既知の方法によ り保護基を脱離することを特徴とする方法。 5.中間体としての、式(2): [式中、 11、12位にオレフィン二重結合が存在する場合、R3は、水素であり、R4 及びR5は、ヒドロキシ、C2−C8−アシルオキシ、アルキルシリルオキシ又は 2,2,2−トリクロロエトキシカルボニルオキシ基であり; 11、12位にオレフィン二重結合が存在しない場合、12位のメチルは、α −配置を有し、R4は、水素原子であり、R3及びR5は、ヒドロキシ、C2−C8 −アシルオキシ、アルキルシリルオキシ又は2,2,2−トリクロロエトキシカ ルボニルオキシ基である]で示される化合物。 6.中間体としての、式(5): で示される化合物。 7.式(5a): 〔式中、 R1及びR2は、同一であるか又は異なって、C1−C20アルキル、C2−C8ア ルケニル、アリール又はヘテロアリール基であり、R2は、tert−ブトキシ基で あることもできる〕で示される半合成セコタキサン。 8.式(5a): 〔式中、R1=フェニル、R2=tert−ブトキシ〕で示される、13−〔(2R, 3S)−3−フェニル−2−ヒドロキシ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ −プロパノイル]−C−セコ−10−デアセチルバッカチンIIIである、請求項 7記載の化合物。 9.式(5a)〔式中、R1=イソブチル、R2=カプロイル〕で示される、13 −〔(2R,3S)−3−イソブチル−2−ヒドロキシ−3−カプロイルアミノ −プロパノイル〕−C−セコ−10−デアセチルバッカチンIIIである、請求項 7記載の化合物。 10.請求項7記載の化合物の製造方法であって、式(5): で示される化合物を、従来法により、イソセリン鎖を適切に活性化及び/又は保 護した誘導体でエステル化して、13−位にアシル基: (式中、R1及びR2は、請求項7と同義である)を導入し、次に従来法により保 護基を脱離することを特徴とする方法。 11.請求項1〜3及び7〜9記載のタキサンを含有する、医薬組成物。 12.抗腫瘍活性を有する、請求項11記載の医薬組成物。 13.ガンの治療に有用な医薬の製造のための、請求項1〜3及び7〜9記載の タキサンの用途。 14.心疾患患者のガンの治療に有用な医薬の製造のための、R2が、アルキル 又はアルケニル基である、請求項1又は7記載のタキサンの用途。
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