JPH0953138A - ディーゼルエンジン用バルブとその製造方法 - Google Patents

ディーゼルエンジン用バルブとその製造方法

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JPH0953138A
JPH0953138A JP20950995A JP20950995A JPH0953138A JP H0953138 A JPH0953138 A JP H0953138A JP 20950995 A JP20950995 A JP 20950995A JP 20950995 A JP20950995 A JP 20950995A JP H0953138 A JPH0953138 A JP H0953138A
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JP20950995A
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Akihiro Suzuki
昭弘 鈴木
Tomohiko Sato
友彦 佐藤
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Daido Steel Co Ltd
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Daido Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ナイモニック80Aのバルブに比べて、傘表
の耐食性,フェイス面の硬度が優れている新規なディー
ゼルエンジン用バルブとその製造方法を提供する。 【解決手段】 このバルブは、C:0.01〜0.10重量
%,Si:1.0重量%以下,Mn:1.0重量%以下,N
iまたはNiとCo:45〜60重量%(ただし、Co
は5.0重量%以下とする)、Cr:17〜25重量%,
Mo,MoとW,MoとV,またはMoとWとV:2.5
〜4.0重量%(ただし、W,Vはいずれも1.0重量%以
下とする),NbまたはNbとTa:4.5〜6.0重量%
(ただし、Taは2.0重量%以下とする),Ti:0.5
〜1.5重量%,Al:0.2〜1.5重量%,残部はFeか
ら成り、上記組成の合金に分塊鍛造,荒地鍛造を行い、
ついで、鍛造開始温度:850〜1050℃,鍛造終止
温度:700〜900℃,加工率:10%以上の仕上げ
鍛造を行って傘部を形成し、最後に、温度:670〜7
50℃で8時間以上の時効処理を行って製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はディーゼルエンジン
用バルブとその製造方法に関し、更に詳しくは、高温耐
食性が優れ、高硬度で耐摩耗性も優れている新規なディ
ーゼルエンジン用バルブとそれを製造する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】発電所や船舶などの主機関として稼働し
ているディーゼルエンジンのバルブは、エンジン作動中
は腐食性の高温燃焼ガスに曝されるので、高温耐食性と
耐熱性を備えていなければならない。図1で示したバル
ブAにおいて、とりわけ、傘表1の個所は直接腐食性の
高温燃焼ガスと接触するので、耐熱性は勿論のこと、優
れた耐食性を備えることが要求される。
【0003】また、バルブAのフェイス面2は、バルブ
の動作中は図示しないバルブシートとの衝突を反復す
る。したがって、このフェイス面2の個所は、耐食性に
加え、高硬度で耐摩耗性に優れていることが要求され
る。このような厳しい条件が要求されるバルブの材料と
しては、従来から、Ni基超合金であるナイモニック8
0A(Nimonic 80A)が広く用いられてきた。しかし
ながら、船舶の大型化と高速化に伴い、ディーゼルエン
ジンのバルブの仕様条件は益々過酷となり、それに耐え
得る材料の開発が求められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記したナイモニック
80Aは、耐熱性と強度特性が優れ、そのヴィッカース
硬度(Hv)も室温下で420程度,温度500℃で3
40程度と良好な値を示し、優れたバルブ材料というこ
とができる。しかしながら、硫黄成分に対する高温耐食
性はあまり良好とはいえず、例えば、硫黄含有量が多い
低品質の油種を燃料とするディーゼルエンジンのバルブ
として使用した場合には、Sアタックと呼ばれる腐食を
受けることが多い。
【0005】本発明者らは、ディーゼルエンジンのバル
ブ材料に関する上記した問題を検討する過程で、使用材
料としてナイモニック80Aに代えてインコネル718
を選定してそのバルブ材料への適用を研究した。そし
て、その成分組成に検討を加え、かつ後述する製造条件
を採用することにより、耐Sアタック性と耐Vアタック
性とがナイモニック80Aよりも優れていて、しかもH
vが450以上であり、耐食性と耐摩耗性のいずれもが
ナイモニック80Aを凌駕する材料から成るバルブを開
発するに至った。
【0006】すなわち、本発明は、インコネル718に
代表されるFe基合金を用いるバルブであって、従来の
ナイモニック80Aから成るバルブに比べて耐食性,耐
摩耗性が優れている新規なディーゼルエンジン用バルブ
とその製造方法の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明においては、C:0.01〜0.10重量
%,Si:1.0重量%以下,Mn:1.0重量%以下,N
iまたはNiとCo:45〜60重量%(ただし、Co
は5.0重量%以下とする)、Cr:17〜25重量%,
Mo,MoとW,MoとV,またはMoとWとV:2.5
〜4.0重量%(ただし、W,Vはいずれも1.0重量%以
下とする),NbまたはNbとTa:4.5〜6.0重量%
(ただし、Taは2.0重量%以下とする),Ti:0.5
〜1.5重量%,Al:0.2〜1.5重量%,残部はFeか
ら成る組成を有することを特徴とするディーゼルエンジ
ン用バルブが提供され、また、前記した組成を有する合
金を調製し、前記合金に熱間加工を行って軸部を形成
し、ついで、加工開始温度:850〜1050℃,加工
終止温度:700〜900℃,加工率:10%以上の仕
上げ加工を行って傘部を形成し、最後に、温度:670
〜750℃で8時間以上の時効処理を行うことを特徴と
するディーゼルエンジン用バルブの製造方法が提供され
る。
【0008】
【発明の実施の形態】まず、本発明のバルブは、上記し
た成分組成を必須とする。ここで、Cは、Cr,Nb,
Ta,Tiなどと微細な炭化物を形成して材料に分布
し、そのことによって材料の高温強度を高めるために資
する成分であり、その含有量は、0.01〜0.10重量%
に設定される。含有量が0.01重量%より少なくなると
上記した効果は充分に発揮されず、また0.10重量%よ
り多くなると、炭化物の生成量が多くなりすぎて、この
場合も高温強度は向上しなくなり、逆に低下してしま
う。好ましくは0.02〜0.07重量%、とくに好ましく
は0.02〜0.05重量%に設定する。
【0009】Siは、脱酸剤として材料を溶製する過程
で不可避的に含有されてくるが、その含有量は1.0重量
%以下に設定される。この含有量が1.0重量%より多く
なると、材料の高温強度と靱延性の低下が引き起こさ
れ、高温下における硬度と耐摩耗性が低下する。好まし
くは0.4重量%以下、とくに好ましくは0.2重量%以下
にする。
【0010】Mnも脱酸剤として材料を溶製する過程で
不可避的に含有されてくるが、その含有量はSiと同様
に1.0重量%以下に設定される。この含有量が1.0重量
%より多くなると、高温下における材料の耐酸化性が低
下する。好ましくは0.4重量%以下、とくに好ましくは
0.2重量%以下にする。NiとCo、とりわけNiは材
料の基地であるオーステナイト相の安定化に寄与する成
分であると同時に、後述する時効処理時に、Al,Ti
と一緒になってγ’相(Ni3(Al,Ti))として析
出することにより材料の高温強度を向上させ、材料の高
温下における硬度と耐摩耗性の向上に資する。また、C
oも、材料の高温下における硬度の耐摩耗性の向上に寄
与する。
【0011】これら成分の含有量は、Ni単独であって
も、NiとCoを一緒に含有させた場合であっても、全
体として、45〜60重量%に設定される。この含有量
が45重量%より少なくなると、上記した効果が発現し
ないだけではなく、σ相などの脆化相が析出して高温強
度の低下が引き起こされ、また60重量%より多くして
も、上記した効果は飽和に達し、徒に材料コストを高め
ることになる。好ましくは、47〜55重量%、とくに
好ましくは50〜55重量%である。
【0012】NiとCoを一緒に含有させた場合は、、
Coの含有量は5重量%以下に制限することが必要であ
る。5重量%より多い場合は基地のマテンサイト化が進
み、オーステナイト相の安定化が崩れるからである。C
rは、材料の耐酸化性と耐食性を確保するために必要な
成分であり、その含有量は17〜25重量%に設定され
る。含有量が17重量%より少なくなると、上記した効
果が充分に発揮されず、材料の耐食性は悪くなり、また
25重量%より多くなると、基地のオーステナイト相が
不安定となり、σ相などの脆化相が析出しはじめて、材
料の高温強度と高温下における靱延性は低下する。好ま
しくは17〜21重量%、とくに好ましくは17.5〜2
0重量%である。
【0013】Mo,W,Vは、いずれも、基地のオース
テナイト相に固溶して固溶強化作用を発揮することによ
り材料の高温強度の向上に寄与する。とくに、Moは上
記作用を好適に発揮するとともに材料の耐Sアタック性
の向上に寄与する成分である。これらの成分は、Mo単
独,MoとW,MoとV,またはMoとWとVのいずれ
かの状態で材料に含有せしめられる。
【0014】その含有量は、Mo単独であっても、また
MoとW,Vとが一緒であっても、全体として2.5〜4.
0重量%に設定される。この含有量が2.5重量%より少
なくなると上記した効果が充分に発揮されなくなり、ま
た4.0重量%より多くなると、Crの場合と同様に、脆
化相の析出が起こりはじめて高温強度の低下が引き起こ
される。好ましくは2.8〜3.5重量%、とくに好ましく
は3.0〜3.3重量%である。
【0015】なお、Moの外にW,Vも一緒に含有させ
る場合には、W,Vはいずれも1.0重量%以下に制限す
ることが必要である。W,Vの含有量が1.0重量%より
多くなると、Moの含有量が少なくなって材料の耐Sア
タック性の低下傾向が起こるようになるからである。好
ましくは0.7重量%以下、とくに好ましくは0.5重量%
以下に制限する。
【0016】Nb,Taは、後述する時効処理時に炭化
物やγ’相を析出して材料の高温強度の向上に資する成
分である。これらの成分は、Nb単独、またはNbとT
aを一緒にした状態で含有せしめられるが、上記した効
果との関係ではNbが支配的な働きをする。Nb単独で
あっても、またNbとTaとが一緒に含有されている場
合であっても、これら成分の含有量は4.5〜6.0重量%
に設定される。含有量が4.5重量%より少なくなると、
上記した効果が充分に得られなくなり、また、6.0重量
%より多くなると、例えばNbの場合、δ相(Ni3
b)やラーベス相(Fe2 Nb)などが析出し、高温強
度と高温下における靱延性が低下するだけではなく、耐
酸化性と耐食性も劣化するようになるからである。な
お、NbとTaを一緒に含有させた場合、Taの含有量
は2.0重量%以下に制限されることが必要である。Ta
の含有量が2.0重量%より多くなると、Nb含有量は相
対的に減少することになり、Nbによって支配的にもた
らされる上記効果が低減するようになるからである。好
ましくは1.0重量%以下、とくに好ましくは0.5重量%
以下に制限する。
【0017】Tiは、時効処理時にNiと結合してγ’
相を析出することにより材料の高温強度の向上に資する
成分であり、その含有量は0.5〜1.5重量%に設定され
る。含有量が0.5重量%より少なくなると上記した効果
が充分に得られず、また、1.5重量%より多くなると、
時効処理時にη相(Ni3 Ti)が析出して高温強度の
低下か引き起こされるからである。好ましくは0.6〜1.
2重量%、とくに好ましくは0.8〜1.2重量%である。
【0018】Alは、NbやTiと同じように、時効処
理時にγ’相を析出して材料の高温強度の向上に資する
成分で、その含有量は0.2〜1.5重量%に設定される。
含有量が0.2重量%より少なくなると、γ’相が不安定
となって前記したη相が析出しはじめるため材料の高温
強度の低下が起こり、また1.5重量%よりも多くなる
と、熱間加工性の低下が引き起こされるとともに、γ’
相と基地との整合性が高まって整合歪みが減少するため
同じく材料の高温強度の低下を招く。好ましくは0.2〜
0.8重量%、とくに好ましくは0.4〜0.7重量%であ
る。
【0019】そして、残部はFeである。本発明の材料
の場合、Feをバランス成分とすることにより、従来に
比べて低温域で材料の熱間加工(例えば鍛造)が可能と
なり、そのため、熱間加工後の材料に蓄積される加工歪
みは少なくなる。本発明の材料は、上記した成分組成を
必須とするが、更に、次のような成分が含有されていて
もよい。
【0020】まず、B,Ca,Mgが含有されていても
よい。このうち、Bは結晶粒界に偏析して材料のクリー
プ破断強度を高めるとともに粒界へのη相の析出を抑制
する働きをする成分として有用である。しかし、あまり
多く含有されていると、材料の熱間加工性が低下してく
るので、その含有量は0.1重量%以下に制限される。ま
た、Ca,Mgは、いずれも、材料の溶製時に脱酸,脱
硫作用を発揮し、残留硫硫を固定して材料の熱間加工性
を著しく向上させるとともに、材料のクリープ破断強度
と破断伸びを向上させる。しかし、その含有量が多すぎ
ると、逆に、材料の熱間加工性が著しく損なわれるた
め、その含有量は、いずれも、0.1重量%以下に制限さ
れる。
【0021】なお、B,Ca,Mg,Hfの含有量は、
これらの合量で0.1重量%以下に制限される。合量が0.
1重量%より多くなった場合には、材料の熱間加工性が
低下するからである。また、Yと希土類元素が含有され
ていてもよい。Yや希土類元素は、B,Ca,Mgと同
じような効果を発揮するが、更に材料の耐酸化性を向上
させるので有用である。しかし、含有量が多すぎると、
材料コストが高くなるとともに、材料の熱間加工性が低
下してくるので、その含有量は、Yの場合は0.3重量%
以下,希土類元素の場合は0.2重量%以下に制限され、
かつ両者を含有させた場合は、合量で0.5重量%以下に
制限される。なお、希土類元素としては、La,Ceな
どを用いることができる。
【0022】更に、Zrは、Bなどと同様、粒界強度を
高める成分として含有させてもよい。しかし、その含有
量が多くなりすぎると、逆に粒界偏析を助長し、耐食性
を阻害するような問題が生じてくるので、含有量は0.5
重量%以下に制限される。Cuは基地のオーステナイト
相を固溶強化する成分として含有させることができる
が、あまり多く含有していると、耐食性を阻害するよう
な問題が生じてくるので、その含有量は1.0重量%以下
に制限される。
【0023】Reは基地のオーステナイト相を固溶強化
し、耐食性を改善する成分として含有させることができ
る。しかし、あまり多く含有されていると、コストアッ
プを招くような問題が生じてくるので、その含有量は1.
0重量%以下に制限される。本発明のバルブは、上記し
た成分組成を有しているが、下記する条件で製造するこ
とによってはじめて目的とする高温耐食性や高温下にお
ける高硬度が得られる。
【0024】まず、上記した成分組成を有するFe基合
金が溶製され、その溶湯を鋳造して合金インゴットが調
製される。このときの溶製法は格別限定されるものでは
なく、例えば、電気炉溶解,誘導炉溶解,真空アーク溶
解またはエレクトロスラグ溶解などの各種の方法を採用
することができる。
【0025】得られた合金インゴットに分塊鍛造を行っ
て所定形状のビレットにし、ついで、そのビレットに荒
地鍛造を行って、所望形状のバルブにする。このときの
荒地鍛造に際しては、例えば四面高速鍛造機を用いて鍛
造開始温度を900〜1080℃に設定し、鍛伸率が1
0%以上である条件を採用することが好ましい。
【0026】この荒地鍛造により、バルブの軸部が成形
される。ついで、傘部に対して次のような条件で仕上げ
鍛造と時効処理を行って、傘部のフェイス面の硬度(H
v)と耐Vアタック性が高められる。この仕上げ鍛造に
おいて、鍛造開始温度は850〜1050℃に設定さ
れ、その終止温度は700〜900℃に設定され、そし
てこの過程における加工率は10〜40%に設定され
る。
【0027】鍛造開始温度を850℃より低い温度に設
定すると、鍛造の過程で、材料に割れや欠けが多発する
ようになる。また、鍛造開始温度を1050℃より高い
温度に設定すると、後述する時効処理を行っても、得ら
れたバルブにおけるフェイス面の硬度はそれほど高くな
らず、しかも耐Vアタック性の向上は認められない。鍛
造終止温度を700℃より低い温度に設定する、すなわ
ち、材料温度が700℃より低温になるまで鍛造を行う
と、材料に割れや欠けが発生してくるので不都合であ
る。また、終止温度を900℃より高い温度にすると、
やはり、後述の時効処理後にあっても、フェイス面は低
硬度でしかも耐Vアタック性は改善されない。
【0028】この仕上げ鍛造の過程における加工率を1
0%より低くすると、時効処理後に得られたバルブのフ
ェイス面の硬度と耐Vアタック性が低下してくるので避
けるべきである。上記した仕上げ鍛造を行って正規形状
のバルブにしたのち、当該バルブに時効処理が施され
る。時効処理は、670〜750℃の温度域で8時間以
上行われる。
【0029】処理温度が670℃より低い場合や処理時
間が短すぎると、材料の時効析出強化が充分に進まない
のでフェイス面の硬度は低くなり、また750℃より高
い温度や処理時間を長くしすぎた時効処理を行うと、強
度低下が引き起こされるようになる。このように、前記
した成分組成のFe基合金に対し、前記した条件の仕上
げ鍛造と時効処理を順次行うことによってはじめて、耐
Sアタック性と耐Vアタック性、またフェイス面の硬度
のいずれもが、ナイモニック80Aから成るバルブより
も優れているバルブを得ることができる。
【0030】
【実施例】
実施例1〜8,比較例1〜4 表1に示した成分組成の各種合金インゴットを調製し
た。
【0031】
【表1】
【0032】なお、比較材Fは、現在使用されているナ
イモニック80Aと同等品である。これら6種類の合金
インゴットを分塊鍛造したのち、鍛造開始温度1000
℃,鍛造終止温度800℃で加工率80%の荒地鍛造を
行い軸部を成形した。ついで、得られた成形品につき表
2〜3で示した条件の仕上げ鍛造と時効処理を行って、
図1で示した形状のバルブAを製造した。
【0033】各バルブの傘表1とフェイス面2から試料
(ASTM3号(φ6.25×25mm))を切出し、その0.
2%耐力(N/mm2),引張強さ(N/mm2),伸び
(%),絞り(%)を測定した。また、傘表1から切り
出した試料については、下記のような仕様で耐Sアタッ
ク性を調べ、フェイス面から切り出した試料について
は、下記の仕様で耐Vアタック性と硬度を測定した。
【0034】耐Sアタック性:試料の表面に、Na2
4 −10%NaCl液を塗布したのち温度800℃で
20時間放置し、そのときの試料の減量(mg)を測定
し、その値を試料の表面積(cm2)で除算して腐食減量
(mg/cm2)を算出。この値が小さいほど耐Sアタック性
は優れている。 耐Vアタック性:試料の表面に、V2 5 −15%Na
2 SO4 液を塗布したのち温度800℃で20時間放置
し、そのときの減量(mg)を試料表面積(cm2)で除算し
て腐食減量(mg/cm2)を算出。この値が小さいほど耐V
アタック性は優れている。
【0035】硬度:試料のヴィッカース硬さ(Hv)を
室温,400℃,500℃の各温度で測定。 以上の結果を一括して表2〜3に示した。
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】表から明らかなように、本発明のバルブの
機械特性は従来のバルブ(比較例4)に比べて同等以上
であり、強度的には充分にバルブ材として採用すること
ができる。表中、比較例4は、材料F(ナイモニック8
0A)に対し、本発明で規定する条件範囲の仕上げ鍛造
と時効処理を行って製造したバルブである。この比較例
4と実施例1(材料A)を比べると明らかなように、実
施例1のバルブは、耐食性と硬度のいずれにおいても、
比較例4を凌駕している。とくに耐Sアタック性は比較
例4の10倍近い特性を示し、非常に優れていることが
わかる。このことから、本発明の成分組成のFe基合金
は、上記した条件の仕上げ鍛造と時効処理を行うことに
より、従来のナイモニック80Aに代わるバルブ材とし
て使用できることが判明した。
【0039】また、表中の実施例4と比較例1から明ら
かなように、材料が同じ成分組成の材料Aであっても、
仕上げ鍛造と時効処理時に本発明で規定する条件を採用
しないと、フェイス面の硬度は低下し、しかも耐Vアタ
ック性も大幅に劣化してしまう。このように、本発明の
バルブは、前記した成分組成のFe基合金に対し、前記
した条件の仕上げ鍛造と時効処理を施すことによって、
耐食性,高温強度は従来のナイモニック80Aから成る
バルブよりも優れたものになる。
【0040】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
バルブは、従来のナイモニック80Aから成るバルブに
比べて、その機械特性は同等もしくは同等以上であり、
傘表の高温耐食性、とりわけ耐Sアタック性が優れ、更
に、フェイス面の硬度と耐Vアタック性も同等もしくは
同等以上である。したがって、本発明のバルブは新規な
ディーゼルエンジン用バルブとして有用であるというこ
とができる。
【0041】このことは、前記した成分組成のFe基合
金(インコネル718に相当)対し、仕上げ鍛造時に、
鍛造開始温度:850〜1050℃,鍛造終止温度:7
00〜900℃,加工率:10%以上の条件を採用し、
また時効処理時に、温度:670〜750℃,時間:8
時間以上の条件を採用したことによって得られた効果で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】バルブの斜視図である。
【符号の説明】 1 傘表 2 フェイス面

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 C:0.01〜0.10重量%,Si:1.0
    重量%以下,Mn:1.0重量%以下,NiまたはNiと
    Co:45〜60重量%(ただし、Coは5.0重量%以
    下とする)、Cr:17〜25重量%,Mo,Moと
    W,MoとV,またはMoとWとV:2.5〜4.0重量%
    (ただし、W,Vはいずれも1.0重量%以下とする),
    NbまたはNbとTa:4.5〜6.0重量%(ただし、T
    aは2.0重量%以下とする),Ti:0.5〜1.5重量
    %,Al:0.2〜1.5重量%,残部はFeから成る組成
    を有することを特徴とするディーゼルエンジン用バル
    ブ。
  2. 【請求項2】 更に、B:0.1重量%以下,Mg:0.1
    重量%以下,Ca:0.1重量%以下,Zr:0.5重量%
    以下,Cu:1.0重量%以下,Y:0.3重量%以下,希
    土類元素:0.2重量%以下,Re:1.0重量%以下,H
    f:0.1重量%以下を含み、かつ、B,Mg,Caの合
    量は0.1重量%以下,Yと希土類元素の合量は0.5重量
    %以下である請求項1のディーゼルエンジン用バルブ。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の組成を
    有する合金を調製し、前記合金を熱間加工して軸部を形
    成し、ついで、加工開始温度:850〜1050℃,加
    工終止温度:700〜900℃,加工率:10%以上の
    仕上げ加工を行って傘部を形成し、最後に、温度:67
    0〜750℃で8時間以上の時効処理を行うことを特徴
    とするディーゼルエンジン用バルブの製造方法。
JP20950995A 1995-08-17 1995-08-17 ディーゼルエンジン用バルブとその製造方法 Pending JPH0953138A (ja)

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JP (1) JPH0953138A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112921162A (zh) * 2019-12-06 2021-06-08 现代自动车株式会社 发动机阀及其制备方法、发动机、车辆
WO2025178553A1 (en) * 2024-02-22 2025-08-28 Alleima Emea Ab Nickel-based alloy of high mechanical strength

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