JPH0953148A - 高靭性肌焼き鋼製機械部品およびその製法 - Google Patents
高靭性肌焼き鋼製機械部品およびその製法Info
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- JPH0953148A JPH0953148A JP20631095A JP20631095A JPH0953148A JP H0953148 A JPH0953148 A JP H0953148A JP 20631095 A JP20631095 A JP 20631095A JP 20631095 A JP20631095 A JP 20631095A JP H0953148 A JPH0953148 A JP H0953148A
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Abstract
高靭性肌焼き鋼製機械部品を提供すること。 【解決手段】 C,Mn,Al,N等の含有量が規定さ
れた鋼材よりなる機械部品に浸炭焼入れ若しくは浸炭・
窒化焼入れ処理してなり、芯部におけるマルテンサイト
とベイナイトの総面積率が95%以上、マルテンサイト
面積率が90%以下、初析フェライト面積率が5%を超
えて生成させず、浸炭層若しくは浸炭・窒化層のオース
テナイト結晶粒の結晶粒度番号が8番以上で、且つ表面
から0.05mmの深さ位置までの浸炭層若しくは浸炭
・窒化層における残留オーステナイト量が10〜50%
である高靭性肌焼き鋼製機械部品とその製法を開示す
る。
Description
しくは浸炭・窒化焼入れ処理により肌焼きの行なわれた
鋼製機械部品の改質技術に関し、特に耐摩耗性および耐
疲労特性を高め、自動車などの歯車、シャフト、等速ジ
ョイント等の機械部品として優れた靭性を有する肌焼き
鋼製機械部品およびその製法に関するものである。
て説明を進めるが、本発明の適用対象は勿論歯車に限定
される訳ではなく、浸炭焼入れ処理もしくは浸炭・窒化
焼入れ処理による高レベルの表面硬度と耐衝撃特性、耐
疲労特性を必要とする様々の機械構造用部品に広く適用
することができる。
る様々の輸送機械などから放出される排ガスによる大気
汚染は大きな社会問題となっており、こうした問題を軽
減すると共に燃費低減を図るための車体軽量化対策の一
環として、歯車やシャフト等の機械部品の小型軽量化が
進められており、それに伴ってそれらの部品に対する高
強度化や高疲労強度化の要求は一段と高まっている。
労特性の向上に加えて衝撃特性も高める必要があり、衝
撃特性の向上対策としては、例えば特開平1−2475
61号公報に記載されている様に、PやSなどの不純物
元素を極力低減すると共にMoやV等の合金元素を含有
せしめることによって耐衝撃性を高め、且つ表面に浸炭
あるいは浸炭・窒化等の肌焼き処理を施すことによって
表面強度を高める方法が知られている。また特開昭62
−1843号公報には、原料鋼材中にMoやSi等を添
加することによって浸炭処理後の芯部組織を結晶粒度番
号で9番以上の微細なフェライト+マルテンサイト二層
組織とすると共に、浸炭層の結晶粒度番号も9番以上と
することにより、衝撃特性を高めた高靭性浸炭用鋼も開
示されている。
減したり合金元素を添加するだけでは高強度化と衝撃特
性に対する最近の要望を満たすことはできず、また結晶
粒度を制御する方法にしても、必ずしも満足のいく性能
のものが得られているとはいえず、更には高価な合金元
素の多量添加によってコスト高になるという問題も指摘
される。
情に着目してなされたものであって、その目的は、高価
な合金元素を多量添加することなく、低コストで且つ耐
摩耗性、疲労特性、耐衝撃性等に優れ、歯車やシャフト
等の機械部品として優れた性能を示す高靭性肌焼き鋼製
機械部品およびその製法を提供しようとするものであ
る。
のできた本発明に係る高靭性肌焼き鋼製機械部品の構成
は、 C:0.1〜0.25%(以下、特記しない限りmas
s%を意味する) Si:0.15%以下 Mn:1.20%超、2.0%以下 P:0.02%以下 S:0.02%以下 Cr:0.70超、1.50%以下 Al:0.015〜0.060% N:0.005〜0.030% 残部:Feおよび不可避的不純物 よりなる鋼材を用いた機械部品に浸炭焼入れ処理もしく
は浸炭・窒化焼入れ処理を施してなり、芯部におけるマ
ルテンサイトとベイナイトの総面積率が95%以上、マ
ルテンサイト面積率が90%以下で、初析フェライトは
5%を超える面積率で生成しておらず、浸炭層もしくは
浸炭・窒化層のオーステナイト結晶粒の結晶粒度番号が
8番以上で、且つ表面から0.05mmの深さ位置まで
の浸炭層もしくは浸炭・窒化層における残留オーステナ
イト量が10〜50%を満足するものである。上記本発
明においては、鋼材中に他の元素としてMo:0.08
〜0.6%および/またはNi:0.2〜3.75%を
含有せしめ、更にはCu:0.3〜2.0%を含有さ
せ、あるいは更に他の元素としてV:0.03〜0.5
%、Ti:0.005〜0.1%およびNb:0.00
5〜0.1%よりなる群から選択される少なくとも1種
の元素を含有させ、更にはCa:0.0005〜0.0
8%および/もしくはZr:0.002〜0.08%を
含有させることによってその物性を一段と改質すること
が可能である。
いては、浸炭焼入れ処理もしくは浸炭・窒化焼入れ処理
の後、その表面に圧縮残留応力を付与し、表層部に30
0N/mm2 以上の圧縮残留応力を与えたものは、一段
と優れた耐疲労特性を示し、この様な圧縮残留応力は、
例えば、浸炭焼入れ処理もしくは浸炭・窒化焼入れ処理
の後、その表面に、硬さがHRC45以上で且つ粒子径
が0.04〜1mmである硬質微粒子を用いて60m/
sの投射速度で少なくとも1回のショットピーニング処
理を施すことによって与えることができる。
組成の要件を満足する鋼材よりなる機械部品に浸炭処理
もしくは浸炭・窒化処理を施した後の焼入れに際し、当
該鋼材のジョミニー焼入性曲線における硬さが、浸炭焼
入れ処理もしくは浸炭・窒化焼入れ処理後の機械部品の
芯部強度に相当する硬さを示すジョミニー位置Jeq(m
m)を求めると共に、初析フェライトが5%を超える面
積率で生成しない臨界冷却速度VC1(℃/秒)とマルテ
ンサイト面積率が90%となる臨界冷却速度V C2(℃/
秒)を、当該鋼材の成分組成から下記(1),(2)式
によって求め、前記ジョミニー位置Jeq(mm)を下記
(3)式に代入することにより求められる冷却速度V
を、上記臨界冷却速度VC1(℃/秒)とVC2(℃/秒)
の範囲内として焼入れ処理を行なうところに要旨を有す
るものである。 VC1=10k1……(1) 式中、k1 =3.62-7.17[C%]-0.43[Mn%]-0.64[Cr%]-1.18
[Mo%]-3.86[P%]-0.20[Ni%] VC2=10k2……(2) 式中、k2 =4.01-5.96[C%]-0.33[Mn%]-0.33[Cr%]-0.66
[Mo%]-9.45[P%]-0.33[Ni%] V=390Jeq -1.35 ……(3)
しくは浸炭・窒化焼入れ処理を行なったの後、その表面
に、硬さがHRC45以上で且つ粒子径が0.04〜1
mmである硬質微粒子を使用し、60m/sの投射速度
で少なくとも1回ショットピーニング処理を施せば、表
面硬度の一層高められた高靭性肌焼き鋼製機械部品を得
ることができる。
の特定された鋼材よりなる機械部品を浸炭焼入れ若しく
は浸炭・窒化焼入れ処理物における非浸炭若しくは非浸
炭・窒化層である芯部の金属組織を規定すると共に、浸
炭若しくは浸炭・窒化層におけるオーステナイト結晶粒
のサイズと残留オーステナイト量を規定したものであ
り、それにより、従来の肌焼き鋼製部品に比べて卓越し
た耐疲労特性と耐衝撃特性を兼ね備えた高強度肌焼き鋼
製機械部品を得ることに成功したものである。
は、浸炭若しくは浸炭・窒化焼入れ処理後の芯部の硬さ
が高いほど、耐衝撃特性は低下すると考えられている。
ところが本発明者らが種々検討を行ったところによる
と、芯部の金属組織がマルテンサイトとベイナイト主体
であっても、それらの面積率を適正に調節してやれば、
マルテンサイトまたはベイナイト主体の芯部組織を有す
るものを上回る衝撃特性が与えられることをつきとめ
た。
いが、次の様に考えられる。即ち、芯部組織がマルテン
サイトあるいはベイナイトである場合、旧オーステナイ
ト結晶粒内においてラス方向が揃っている単位が大きい
ため、オーステナイト結晶粒を微細化するのと同様の耐
衝撃特性改善効果を得ることはできない。ところが芯部
組織をマルテンサイトとベイナイトの混合組織とする
と、旧オーステナイト粒内において前記ラス方向の揃っ
た単位が非常に微細なものとなり、微細なオーステナイ
ト結晶粒を有する芯部組織の機械部品に匹敵する優れた
衝撃特性を示すこと、そしてこの様な衝撃特性を確保す
るには、芯部の金属組織をマルテンサイトとベイナイト
主体の混合組織とすると共にそれらの面積率を95%以
上、マルテンサイトの面積率を90%以下とし、且つ初
析フェライトを面積率で5%を超えて生成させなければ
よい、という事実をつきとめた。尚、マルテンサイト面
積率を90%以下、初析フェライト面積率を5%を超え
て生成させないことにより、残りの部分はベイナイト組
織となり、その結果優れた衝撃特性を得ることができ
る。
は、従来は残留オーステナイト量が多くなるにつれて表
面硬さが低下し、疲労特性は低下すると考えられてい
た。ところが本発明者らが研究を進めたところによる
と、必ずしも残留オーステナイト量が多くなるほど疲労
特性が低下するとは限らず、高レベルの疲労特性を確保
するには、浸炭若しくは浸炭・窒化層内に適量の残留オ
ーステナイトを存在させるべきであること、そして表面
から0.05mmの深さ位置までの浸炭層若しくは浸炭
・窒化層における該残留オーステナイト量を10〜50
%の範囲に設定してやれば、衝撃疲労破壊時に表面から
発生する亀裂に伴う応力が緩和され、優れた衝撃疲労特
性が発揮されることをつきとめた。
規定した理由、更には浸炭焼入れ処理もしくは浸炭・窒
化焼入れ処理後の金属組織などを定めた理由を詳細に説
明する。まず鋼材の化学成分を定めた理由を明らかにす
る。
ことのできない元素であり、0.1%未満では十分な強
度が得られなくなる。しかし、過剰に含有させると靭性
が劣化するほか、被削性や冷間鍛造性が低下して加工性
を損なうので0.25%を上限とする。Cのより好まし
い含有量は0.12〜0.25%の範囲である。
を高める作用を有すると共に、Mn自身の作用によって
浸炭あるいは浸炭・窒化層のMs点を低下させて浸炭
(または浸炭・窒化)焼入れ処理後の浸炭(または浸炭
・窒化)層の残留オーステナイトを増大させる作用を有
しており、更には溶鋼の脱酸にも有効に作用する。こう
した効果を有効に発揮させるには1.2%を超えて含有
させなければならないが、過度に含有させると、冷間加
工性や被削性に悪影響を与えると共に、結晶粒界への偏
析量の増大によって粒界強度を低下させ、衝撃特性に悪
影響を及ぼす様になるので、2.0%以下に抑えなけれ
ばならない。Mnのより好ましい含有量は1.4〜1.
8%の範囲である。
効果を有効に発揮させるには0.7%を超えて含有させ
ることが必須であるが、1.5%を超えるとCrあるい
はその炭化物の粒界への偏析が起こって粒界強度を低下
させ、靭性に悪影響を及ぼす様になるので、それ以下に
抑えなければならない。Crのより好ましい含有量は
1.0〜1.3%の範囲である。
り、鋼中のNと結合してAlNを生成し、結晶粒の粗大
化を防止する作用を有している。こうした効果を有効に
発揮させるには0.015%以上含有させなければなら
ないが、その効果は0.06%程度で飽和し、それを超
えると酸素と結合して非金属系介在物となり、衝撃特性
等に悪影響を及ぼす様になるので、0.06%を上限と
定めた。
生成し、結晶粒の粗大化を抑制する作用を有しており、
その効果は0.005%以上含有させることによって有
効に発揮される。しかし、それらの効果は約0.030
%で飽和し、それ以上に含有させると窒化物が介在物と
なって物性に悪影響を及ぼす様になるので、それ以上の
添加は避けなければならない。
する反面、粒界酸化を助長して曲げ疲労特性を劣化させ
ると共に冷間鍛造性にも悪影響を及ぼす。従ってこうし
た障害をなくすにはその含有量を0.15%以下に抑え
なければならず、特に高レベルの曲げ疲労特性が求めら
れるときは、その含有量を0.10%以下に抑えること
が望まれる。こうした観点から、Siのより好ましい含
有量は0.02〜0.10%の範囲である。
限は0.02%と定めた。Pのより好ましい含有量は
0.015%以下、更に好ましくは0.010%以下で
ある。
を歯車等に適用する場合は、縦目の衝撃特性だけでなく
横目の衝撃特性も重要であり、横目の衝撃特性向上には
異方性の低減が必要となり、そのためにはS含有量を
0.02%以下に抑えなければならない。Sのより好ま
しい含有量は0.017%以下、更に好ましくは0.0
15%以下である。
須元素に加えて下記の様な元素を適量含有せしめ、肌焼
き鋼製機械部品としての特性を一段と高めることも有効
である。
Ni:0.2〜3.75% これらの元素は、焼入性を高めあるいは焼入れ組織を微
細化する作用を有する点で同効元素であり、特にMoは
不完全焼入れ組織の低減と焼入性の向上、更には粒界強
度の向上に有効に作用し、更にNiは焼入れ後の組織を
微細化して耐衝撃性の向上に寄与する。こうした効果
は、Mo:0.08%以上、Ni:0.2%以上を含有
させることによって有効に発揮されるが、Moの上記効
果は約0.6%で飽和し、またNiの前記効果も3.7
5%で飽和するので、それ以上の添加は経済的に全く無
駄である。
効果は0.3%以上含有させることによって有効に発揮
されるが、その効果は2.0%で飽和するのでそれ以上
の含有は無駄である。尚Cuを単独で含有させると、鋼
材の熱間加工性が悪くなる傾向があるので、こうした弊
害を回避するには、熱間加工性向上効果を有するNiを
前記含有量の範囲で併用することが望ましい。
5〜0.1%およびNb:0.005〜0.1%よりな
る群から選択される少なくとも1種の元素 これらの元素はCやNと結合して炭化物や窒化物を生成
し、結晶粒を微細化して靭性(耐衝撃性)の向上に寄与
する。こうした効果は、夫々上記下限値以上含有させる
ことによって有効に発揮されるが、夫々上限値付近でそ
の効果は飽和し、被削性や冷間加工性に悪影響を及ぼす
恐れがでてくるので、夫々上限値以下に抑えなければな
らない。
もしくはZr:0.002〜0.08% Caは、硬質の介在物を柔軟な介在物で包み込み、また
ZrはMnSを球状化させ、いずれも被削性の向上に寄
与するほか、両元素ともMnSの球状化による異方性の
低減によって横目の衝撃特性を高める作用を有してお
り、それらの作用は夫々上記下限値以上含有させること
によって有効に発揮される。しかし、それらの効果は夫
々0.08%で飽和する。
は、上記成分組成を満足する鋼材よりなる機械部品に浸
炭(または浸炭・窒化)焼入れ処理を施すことによって
得られるものであるが、本発明においては上記成分組成
の要件に加えて、浸炭(または浸炭・窒化)焼入れ処理
後の芯部および浸炭(または浸炭・窒化)層の金属組織
や結晶粒度を規定する点に大きな特徴を有しているの
で、以下それらについて詳述する。
混合組織で且つ芯部のマルテンサイト+ベイナイト面積
率が95%以上、マルテンサイト面積率が90%以下、
初析フェライト面積率が5%を超えて生成しない 本発明においては、芯部組織をマルテンサイトとベイナ
イト主体の混合組織とすることによって、前述の如く従
来法でオーステナイト結晶粒を微細化するのと同様の効
果を得ることができ、芯部の靭性向上により耐衝撃性を
高めることが可能となる。こうした効果は、上記混合組
織を有する芯部の衝撃破断面における破面単位が極めて
微細なものとなっていることによって確認することがで
きる。しかも芯部の金属組織をこの様な混合組織にする
と、Hv250以上の芯部硬さを確保することができ、
ケースクラッシングの発生も抑制される。尚ケースクラ
ッシングとは、浸炭層(または浸炭・窒化層)と芯部と
の境界部または少し芯部側寄りの位置にクラックが発生
し、該クラックが表面に対し平行方向に進展してついに
は表面とつながり、浸炭層(または浸炭・窒化層)が剥
離する現象をいう。
発揮させるには、該芯部の(マルテンサイト+ベイナイ
ト)面積率を95%以上、マルテンサイト面積率を90
%以下、初析フェライトを5%超える面積率で生成させ
ないことが必須となる。ちなみに芯部の(マルテンサイ
ト+ベイナイト)面積率が95%未満、マルテンサイト
面積率が90%超、初析フェライト面積率が5%超にな
ると、2層混合による組織微細化が不充分となって衝撃
特性改善効果が得られなくなる。
は、浸炭(または浸炭・窒化)処理後の冷却速度によっ
て変わり、該冷却速度は部品の形状や寸法、焼入れ剤の
種類等によって変わってくるが、上記の様な芯部組織を
得るための好適条件等については後述する。マルテンサ
イト、ベイナイト、初析フェライトの面積率は、たとえ
ば走査型電子顕微鏡を使用し1500倍で芯部組織を撮
影し、画像解析によって測定できる。
イト結晶粒度番号が8番以上 オーステナイト結晶粒の微細化によって衝撃特性が向上
すること自体は公知である。そこで本発明でも、結晶粒
の微細化作用を狙って鋼材中にN,Al,Nb,Ti,
V等を含有させているが、高温・長時間の浸炭(または
浸炭・窒化)処理を行ない、あるいは冷間加工の後に浸
炭(または浸炭・窒化)処理を行なった場合、浸炭(ま
たは浸炭・窒化)層のオーステナイト結晶粒は粗大とな
って衝撃特性は著しく低下してくる。従って、こうした
結晶粒の粗大化による衝撃特性の低下を阻止するには、
浸炭(または浸炭・窒化)焼入れ処理後における浸炭
(または浸炭・窒化)層のオーステナイト結晶粒を粒度
番号8以上(JIS G 0551の結晶粒度試験法に
よる)とすることが必須の要件となる。
0.05mmの深さ位置までの残留オーステナイト量が
10〜50% 前述の如く従来は、浸炭(または浸炭・窒化)層の残留
オーステナイト量が多くなるにつれて表面硬さが低下
し、疲労特性は低下すると考えられていた。ところが本
発明者らが研究を進めたところによると、必ずしも残留
オーステナイト量が多くなるほど疲労特性が低下すると
は限らず、残留オーステナイト量を適正な範囲に制御し
てやれば、衝撃疲労特性が著しく高められることを知っ
た。即ち浸炭(または浸炭・窒化)層中の残留オーステ
ナイトは、衝撃疲労破壊時に表面から発生する亀裂に伴
う応力を緩和する作用を有しており、こうした作用を有
効に発揮させるには、表面から0.05mmの深さ位置
までの残留オーステナイト量を10%以上にすればよい
ことをつきとめた。但し、この部分の残留オーステナイ
ト量が多くなりすぎると、表面硬さが過度に低くなって
疲労強度の低下による衝撃疲労特性の向上効果が有効に
発揮されなくなるので、残留オーステナイト量(表面か
ら0.05mmを電解研磨した後、X線回折により測
定)は50%以下に抑えなければならない。該残留オー
ステナイト量のより好ましい範囲は20〜40%の範囲
である。
品は、鋼材の成分組成と芯部および浸炭(または浸炭・
窒化)層の金属組織や結晶粒度を規定することによっ
て、優れた衝撃特性と疲労特性を兼備させたものである
が、この様な特性を備えた肌焼き鋼製機械部品は、下記
の様な方法を採用することによって容易に得ることがで
きる。
よりなる機械部品に浸炭処理もしくは浸炭・窒化処理を
施した後の焼入れに際し、当該鋼材のジョミニー焼入性
曲線における硬さが、浸炭焼入れ処理もしくは浸炭・窒
化焼入れ処理後の機械部品の芯部強度に相当する硬さを
示すジョミニー位置Jeq(mm)を求めると共に、初析
フェライトが面積率で5%を超えて生成しない臨界冷却
速度VC1(℃/秒)とマルテンサイト面積率が90%と
なる臨界冷却速度VC2(℃/秒)を、当該鋼材の成分組
成から前記(1),(2)式によって求め、前記ジョミ
ニー位置Jeq(mm)を前記(3)式に代入することに
より求められる冷却速度Vが、上記臨界冷却速度V
C1(℃/秒)とVC2(℃/秒)の範囲内となる様な冷却
速度Vで焼入れ処理を行なう方法である。
%以下、初析フェライト面積率を5%を超えて生成させ
ないためには浸炭(または浸炭・窒化)後の焼入れ時に
おける冷却速度を適正に制御することが有効であり、浸
炭(または浸炭・窒化)処理後の焼入れ時における90
0〜300℃の間の芯部の平均冷却速度V(℃/秒)
が、初析フェライト面積率が5%を超えない臨界冷却速
度VC1(℃/秒)以上で且つ90%マルテンサイトが生
成する臨界冷却速度VC2(℃/秒)以下にすることが有
効となる。
は、部品の形状や寸法、焼入剤の種類等によって変化す
るため、通常は予め実測により適正な冷却条件を割り出
して標準的な冷却条件の設定が行なわれるが、実際には
操業時に焼入れ槽内にある部品内部の冷却速度を実測す
ることは容易でない。そこで、当該機械部品の成分組成
をジョミニー焼入性曲線と対応せしめ、該成分組成から
浸炭(もしくは浸炭・窒化)部品の芯部の冷却速度を割
り出すことはできないかと考え、その線に沿って研究を
進めた結果、上記臨界冷却速度VC1およびVC2を、鋼材
の成分組成から下記k1 ,k2 によって算出することが
でき、それらの計算値から下記式により適正な冷却速度
Vが求められることを知った。 VC1≦V≦VC2 VC1=10k1……(1) 式中、k1 =3.62-7.17[C%]-0.43[Mn%]-0.64[Cr%]-1.18
[Mo%]-3.86[P%]-0.20[Ni%] VC2=10k2……(2) 式中、k2 =4.01-5.96[C%]-0.33[Mn%]-0.33[Cr%]-0.66
[Mo%]-9.45[P%]-0.33[Ni%] V=390Jeq -1.35 ……(3)
る。部品芯部における冷却速度の算出法は、まず図1に
示す如く浸炭(または浸炭・窒化)焼入れ後の部品の芯
部硬度(Hc)を測定し、ジョミニー焼入性曲線におい
て、硬さがHcに相当するジョミニー位置Jeq(mm)
を求める。一方、本発明者らが種々の成分組成および寸
法サイズの鋼材について、各ジョミニー位置Jeqと、9
00〜300℃間における平均冷却速度Vの関係を調べ
たところ、図2に示す如く両者の間には一定の相関関係
があり、前記式(3)で規定する様に「V=390Jeq
-1.35 」の関係が成立することを確認した。そして、上
記で求められるジョミニー位置Jeqをこの関係式に代入
すれば、焼入れ時における芯部の適正な冷却速度Vが求
められることを知った。即ち「V=390Jeq -1.35 」
は、部品の焼入れ時の芯部硬度に相当するジョミニー位
置における900〜300℃の芯部の平均冷却速度(℃
/秒)に相当するものである。
意の鋼材を実際の機械部品に加工し、焼入れ後の芯部硬
度Hcを測定すると、焼入れ時の芯部の平均冷却速度V
を求めることができ、また前述の如く初析フェライト面
積率が5%を超えない臨界冷却速度VC1と、90%マル
テンサイトが生成する臨界冷却速度VC2とは、夫々当該
鋼材の化学組成から求められるk1,k2を元に、前記
式(1),(2)で示した様に10k1,10k2の計算値
として求めることができるので、浸炭(または浸炭・窒
化)処理後の900〜300℃の部品の芯部平均冷却速
度Vが、上記V C1とVC2の間に納まる様に制御すれば、
得られる肌焼き鋼製部品の芯部組織を前述の如く適正な
マルテンサイト・ベイナイト主体の混合組織とすること
ができるのである。
オーステナイト結晶粒については、先に示した鋼材の成
分組成や浸炭(または浸炭・窒化)後の焼入れ条件にも
影響を受けるが、上記の様な焼入れ条件の下で該結晶粒
を十分に微細化してその結晶粒度番号を8番以上とする
には、NおよびAl量が前記要件を満足する鋼材では高
温圧延を施した後、またNbやTiを含有する鋼材の場
合は低温圧延を施した後、浸炭(あるいは浸炭・窒化)
焼入れ処理を施す方法等を採用すればよい。
る表面から0.05mmの深さ位置の残留オーステナイ
ト量を、上記の様な焼入れ条件の下で適正な10〜50
%の範囲に納めるには、残留オーステナイト生成元素で
ある合金元素(Mn,Cr,Ni,Mo)等の含有量を
適正に調整すると共に、浸炭(あるいは浸炭・窒化)処
理雰囲気中の炭素濃度やNH3 流量等を適正に調整する
方法を採用すればよい。
は浸炭・窒化)焼入れ処理を施した後、その表面に適正
な条件でショットピーニング処理等を施して表層部に3
00N/mm2 以上の圧縮残留応力(X線回折により測
定)を付与してやれば、衝撃特性を全く損なうことなく
疲労特性を一段と高めることができる。その様な改質効
果は、粒子径が0.04〜1mmで且つHRC45以上
の硬質微粒子を使用し、60m/s以上の投射速度で1
回以上のショットピーニング処理を施すことによって得
られる。
満、粒子径が0.04mm未満あるいは投射速度が60
m/s未満では、ショットピーニング処理による前述の
様な圧縮残留応力付与効果が有意に発揮され難くなる。
ショット粒の硬さや投射速度の上限は特に限定されない
が、実用性を加味するとそれらの好ましい上限はHRC
65程度および150m/s程度である。また硬質微粒
子の粒子径が1mmを超える粗大なものでは表面荒れの
問題がでてくるので、この様な問題を生じることなくシ
ョットピーニング効果をより効果的に発揮させるうえで
は、ショット粒の粒子径を0.3〜1.0mm程度にす
るのがよい。ショットピーニング処理は1回で十分であ
るが、必要によっては2回以上施すことも勿論可能であ
る。
・窒化)法には一切制限がなく、従来から知られた例え
ばガス浸炭(または浸炭・窒化)法、固体浸炭(または
浸炭・窒化)法、液体浸炭(または浸炭・窒化)法、プ
ラズマ浸炭(または浸炭・窒化)法、真空浸炭(または
浸炭・窒化)法などを全て採用することが可能である。
効果をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記
実施例によって制限を受けるものではなく、前後記の趣
旨に適合し得る範囲で変更を加えて実施することも勿論
可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含
まれる。
0kgの真空溶解炉で溶製し鋳造した後直径30mmに
熱間鍛造し、溶体化処理(1250℃×1時間→空冷)
および焼きならし処理(850℃×1時間→空冷)を行
なった後、機械加工によって図3に示すシャルピー衝撃
試験片を作製し、また、表1,2におけるNo.4,
6,10,29,36については更に上記と同様にして
溶製、熱間鍛造、溶体化処理、焼きならし処理を行なっ
た後、機械加工によって図4に示す衝撃曲げ疲労試験片
を作製した。次いで夫々の試験片について、表3,4お
よび図5に示す条件で浸炭焼入れを行なった後、室温で
の衝撃試験および松村式繰り返し衝撃曲げ疲労試験を行
なった。尚、浸炭焼入れ後の衝撃試験片および衝撃曲げ
疲労試験片の芯部硬さを測定し、ジョミニー焼入れ性曲
線に基づいて焼入れ時の芯部の冷却速度に相当するジョ
ミニー位置Jeqを求め、冷却速度Vを算出したところ、
それぞれJeqは5mmおよび5.5mmであり、シャル
ピー衝撃試験片および衝撃曲げ疲労試験片を製造する際
における浸炭焼入れ処理時の冷却速度Vは44(℃/
秒)および39(℃/秒)であった。
成から求められる10%または90%マルテンサイトが
生成する臨界冷却速度VC1,VC2、浸炭処理温度、浸炭
処理時のCP値(カーボンポテンシャル)、浸炭処理後
のマルテンサイト+ベイナイト面積率、浸炭層の結晶粒
度番号、浸炭層の残留オーステナイト量、芯部硬さ、衝
撃特性を表3,4に、また繰り返し衝撃曲げ疲労試験結
果を図6に示す。
25は化学成分、浸炭層の残留オーステナイト量、浸炭
層の結晶粒度番号、マルテンサイト+ベイナイト面積率
等の全てにおいて本発明の規定要件を満足するものであ
り、また浸炭焼入れ時の冷却速度V=44(℃/秒)が
初析フェライト面積率が5%を超えない臨界冷却速度V
C1(℃/秒)以上で且つ90%マルテンサイトが生成す
る臨界冷却速度VC2(℃/秒)以下であるため、50J
/cm2 以上の高い衝撃値が得られている。
テンサイト面積率、マルテンサイト+ベイナイト面積率
がいずれも規定範囲外であるにもかかわらず、非常に優
れた衝撃特性を示している。しかしながら、芯部硬さが
HV250以下であるためケースクラッシングが発生し
易く、疲労強度の低下が懸念される。また比較鋼28,
29の化学成分や結晶粒度番号、残留オーステナイト量
などは規定要件を満たしているが、冷却速度が不適正で
あるため芯部のマルテンサイト面積率が規定範囲を外れ
ており、満足な衝撃値が得られていない。比較鋼30,
31は、残留オーステナイト量が規定範囲を超えている
ため、疲労強度に問題を生じる可能性が高い。
規定範囲を超えており、また冷却速度も不適正で焼入性
不足であるため、マルテンサイト面積率、マルテンサイ
ト+ベイナイト面積率が規定範囲を外れている。それに
もかかわらず非常に優れた衝撃特性を示しているが、反
面芯部硬さがHV250以下と極端に低いためケースク
ラッシングが発生し、疲労強度が低下する可能性が高
い。比較鋼34,35は、化学成分は適正であるもの
の、浸炭処理後夫浸炭層の結晶粒度番号が小さく規定範
囲を外れているため、衝撃特性が低い。比較鋼36,3
7は、それぞれAl量、N量が規定範囲を外れるもので
あり、浸炭層の結晶粒度番号が規定範囲を外れて小さく
なっているため、衝撃特性が劣悪になっている。
の規定要件を全て満足する鋼種4,6,10は、いずれ
も比較鋼29,36に比べて格段に優れた衝撃曲げ疲労
特性を有していることが分かる。即ち比較鋼29では、
化学成分は本発明の要件を満足しているものの、冷却速
度Vが規定要件を外れているため浸炭処理後の芯部のマ
ルテンサイト面積率が高く、また比較鋼36では、浸炭
処理後の浸炭層の結晶粒度番号が小さく、本発明の規定
要件を外れているため、満足のいく衝撃曲げ疲労特性が
得られない。
験片(浸炭焼入れ処理前のもの)のうち鋼種1〜5につ
いて、表5および図7に示す条件で浸炭・窒化焼入れ処
理を施した後、得られた各試験片について室温での衝撃
試験を行なった。結果は表5に示す通りであり、各鋼材
の成分組成や浸炭・窒化焼入れ処理時の冷却速度は適正
で、浸炭・窒化焼入れ処理後のマルテンサイト+ベイナ
イト面積率、マルテンサイト面積率、浸炭層の結晶粒度
番号と残留オーステナイト量などは全て規定要件を満足
しているため、50J/cm2 以上の高い衝撃値が得ら
れている。
験片(浸炭焼入れ処理後のもの)のうち鋼種1〜5につ
いて、図5に示したのと同じ条件で浸炭焼入れ・焼戻し
処理を施し、表6に示す条件でショットピーニング処理
を施した後、前記と同様にして室温での衝撃試験を行な
い、表7に示す結果を得た。
試材はいずれも本発明の規定要件を充足し、且つショッ
トピーニング処理によって表層部に300N/mm2 以
上の圧縮残留応力を与えたものであって、表3に示した
ショットピーニングなしのものに比べて何れも衝撃値が
一層高められていることが分かる。
材の化学成分を特定すると共に、浸炭(または浸炭・窒
化)焼入れ処理後における芯部の金属組織を、所定量の
マルテンサイト面積率を有するマルテンサイト+ベイナ
イト主体の混合組織とすると共に、浸炭(または浸炭・
窒化)層については残留オーステナイト量と結晶粒度番
号を規定することによって、優れた衝撃強度と衝撃曲げ
疲労特性を備えた高靭性肌焼き鋼製機械部品を提供し得
ることになった。またこの部品に更に適正な条件でショ
ットピーニング処理を施して表層部に圧縮残留応力を付
与してやれば、衝撃疲労特性の一段と優れた機械部品を
得ることができる。
織等の要件を満足する肌焼き鋼製機械部品を得るための
焼入れ条件を、当該機械部品を構成する鋼材の成分組成
とそのジョミニー焼入性曲線を元にしてほぼ正確に割り
出すことができ、焼入れ条件の標準化を推進することが
できる。
却速度の関係を示すグラフである。
る。
状を示す図である。
示す図である。
力について、実施例と比較例の実験結果を対比して示す
グラフである。
す図である。
Claims (9)
- 【請求項1】C:0.1〜0.25%(以下、特記しな
い限りmass%を意味する) Si:0.15%以下 Mn:1.20%超、2.0%以下 P:0.02%以下 S:0.02%以下 Cr:0.70超、1.50%以下 Al:0.015〜0.060% N:0.005〜0.030% 残部:Feおよび不可避的不純物 よりなる鋼材を用いた機械部品に浸炭焼入れ処理もしく
は浸炭・窒化焼入れ処理を施してなり、 芯部におけるマルテンサイトとベイナイトの総面積率が
95%以上、マルテンサイト面積率が90%以下で、初
析フェライトは5%を超える面積率で生成しておらず、 浸炭層もしくは浸炭・窒化層のオーステナイト結晶粒の
結晶粒度番号が8番以上で、且つ表面から0.05mm
の深さ位置までの浸炭層もしくは浸炭・窒化層における
残留オーステナイト量が10〜50%であることを特徴
とする高靭性肌焼き鋼製機械部品。 - 【請求項2】 鋼材が、他の元素としてMo:0.08
〜0.6%および/またはNi:0.2〜3.75%を
含有するものである請求項1に記載の高靭性肌焼き鋼製
機械部品。 - 【請求項3】 鋼材が、更に他の元素としてCu:0.
3〜2.0%を含有するものである請求項2に記載の高
靭性肌焼き鋼製機械部品。 - 【請求項4】 鋼材が、更に他の元素としてV:0.0
3〜0.5%、Ti:0.005〜0.1%およびN
b:0.005〜0.1%よりなる群から選択される少
なくとも1種の元素を含有するものである請求項1〜3
のいずれかに記載の高靭性肌焼き鋼製機械部品。 - 【請求項5】 鋼材が、更に他の元素としてCa:0.
0005〜0.08%および/もしくはZr:0.00
2〜0.08%を含有するものである請求項1〜4のい
ずれかに記載の高靭性肌焼き鋼製機械部品。 - 【請求項6】 浸炭焼入れ処理もしくは浸炭・窒化焼入
れ処理の後、その表面に圧縮残留応力を付与してなり、
表層部の圧縮残留応力が300N/mm2 以上である請
求項1〜5のいずれかに記載の高靭性肌焼き鋼製機械部
品。 - 【請求項7】 浸炭焼入れ処理もしくは浸炭・窒化焼入
れ処理の後、その表面に、硬さがHRC45以上で且つ
粒子径が0.04〜1mmである硬質微粒子を使用し、
60m/sの投射速度で少なくとも1回ショットピーニ
ング処理を施したものである請求項6に記載の高靭性肌
焼き鋼製機械部品。 - 【請求項8】 請求項1〜5のいずれかに記載の成分組
成の要件を満足する鋼材よりなる機械部品に浸炭処理も
しくは浸炭・窒化処理を施した後の焼入れに際し、当該
鋼材のジョミニー焼入性曲線における硬さが、浸炭焼入
れ処理もしくは浸炭・窒化焼入れ処理後の機械部品の芯
部強度に相当する硬さを示すジョミニー位置Jeq(m
m)を求めると共に、初析フェライトが5%を超える面
積率で生成しない臨界冷却速度VC1(℃/秒)とマルテ
ンサイト面積率が90%となる臨界冷却速度VC2(℃/
秒)を、当該鋼材の成分組成から下記(1),(2)式
によって求め、前記ジョミニー位置Jeq(mm)を下記
(3)式に代入することにより求められる冷却速度V
を、上記臨界冷却速度VC1(℃/秒)とVC2(℃/秒)
の範囲内として焼入れ処理を行なうことにより、請求項
1〜5のいずれかに記載の金属組織を得ることを特徴と
する高靭性肌焼き鋼製機械部品の製法。 VC1=10k1……(1) 式中、k1 =3.62-7.17[C%]-0.43[Mn%]-0.64[Cr%]-1.18
[Mo%]-3.86[P%]-0.20[Ni%] VC2=10k2……(2) 式中、k2 =4.01-5.96[C%]-0.33[Mn%]-0.33[Cr%]-0.66
[Mo%]-9.45[P%]-0.33[Ni%] V=390Jeq -1.35 ……(3) - 【請求項9】 請求項8に記載の方法により浸炭焼入れ
処理もしくは浸炭・窒化焼入れ処理を行なったの後、そ
の表面に、硬さがHRC45以上で且つ粒子径が0.0
4〜1mmである硬質微粒子を使用し、60m/sの投
射速度で少なくとも1回ショットピーニング処理を施す
ことを特徴とする、表面硬度の高められた高靭性肌焼き
鋼製機械部品の製法。
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