JPH095325A - 免疫凝集反応試薬および免疫分析方法 - Google Patents

免疫凝集反応試薬および免疫分析方法

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JPH095325A
JPH095325A JP17541395A JP17541395A JPH095325A JP H095325 A JPH095325 A JP H095325A JP 17541395 A JP17541395 A JP 17541395A JP 17541395 A JP17541395 A JP 17541395A JP H095325 A JPH095325 A JP H095325A
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JP
Japan
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reagent
antibody
polymerized
liposome
polymerizable
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JP17541395A
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English (en)
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Takahisa Ueno
貴久 上野
Seiji Tanaka
誠司 田中
Mamoru Umeda
衞 梅田
Masato Mori
真人 森
Masashige Taniguchi
昌繁 谷口
Yoshiro Nakano
善郎 中野
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Nissui Pharmacetuical Co Ltd
NOF Corp
Original Assignee
Nissui Pharmacetuical Co Ltd
Nippon Oil and Fats Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 短波長域での測定が可能で、測定装置のセル
汚染性が低く、被測定物質が低濃度でも高感度で測定で
き、さらに、従来の凝集量を測定するためのリポソーム
凝集反応試薬にみられない実用上充分に大きい物理化学
的安定性を有する免疫凝集反応試薬およびそれを用いた
免疫分析方法を提供する。 【構成】 本発明の免疫凝集反応試薬は、抗原抗体反応
で生じた凝集物の量を測定するための免疫凝集反応試薬
であり、その免疫凝集反応試薬には重合リン脂質を膜構
成成分として含有する重合リポソームが担体として使用
され、該重合リポソームの表面に抗体または抗原が固定
化されていることを特徴とする。この免疫凝集反応試薬
を被測定試料に作用させて、抗原抗体反応を行わせ、生
じたリポソームの凝集量を測定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗原抗体反応で生じた
凝集量を測定するための免疫凝集反応試薬に関し、更に
詳細には被測定試料中に存在する被測定物質の濃度が低
濃度域から高濃度域までの広い範囲でも測定可能で、簡
単な操作で、目視または自動分析機を用いて、感度よく
測定することのできる免疫凝集反応試薬およびこれを用
いた免疫分析方法に関する。
【0002】
【従来の技術】抗原抗体反応を利用する免疫測定法は、
各種疾患の臨床診断等において極めて重要であり、従来
種々の免疫測定法が知られている。
【0003】その中でも、抗原性物質または抗体を結合
させた担体からなる免疫凝集反応試薬を被測定試料中の
抗体または抗原性物質と反応させ、この抗原−抗体反応
により生じた凝集量を目視により、または分光光度計に
より、濁度として測定し、その結果を予め作成しておい
た標準検量線と照合させて、抗体または抗原性物質を定
量する免疫測定法が知られている。
【0004】このような凝集量を測定する免疫測定法に
用いられる免疫凝集反応試薬の担体としては、従来、主
としてポリスチレン等の合成ラテックス粒子が用いられ
ている。従来の合成ラテックス粒子を担体として用いた
凝集量を測定するための免疫凝集反応試薬はその表面が
疎水性であるために、抗原−抗体反応を起こすための好
適な水溶液中のpH7〜7.5では、特に、疎水結合に
よる凝集が起こりやすく、抗原−抗体反応によらない、
いわゆる非特異凝集を起こす傾向があり、分析精度にお
いて安定性に欠けるきらいがあった。このために合成ラ
テックス粒子を担体として用いた凝集量を測定するため
の免疫凝集反応試薬には、このような非特異凝集を抑え
るために種々の添加剤を加える技術が、既に特許出願
(例えば、特開平3−142360号公報等)されてい
る。
【0005】また、合成ラテックス粒子に固定した抗原
または抗体は、その結合が物理吸着によるものであるた
め、このような固定化抗原または固定化抗体を用いた抗
原−抗体反応による凝集を利用して凝集量を測定するた
めの試薬、即ち、ラテックス凝集試薬は、長期保存中に
その抗原や抗体が担体である合成ラテックス粒子から遊
離して測定感度の低下を引き起こすことがあった。さら
に最近では、このようなラテックス凝集反応試薬を汎用
生化学自動分析機に適用し、被測定試料中の抗原または
抗体の凝集量を測定することが行われているが、合成ラ
テックス粒子を担体として用いた免疫凝集反応試薬が自
動分析機の反応セルに付着して汚染し、測定精度に影響
を与えることが問題となっている。
【0006】これらの問題点を解決すべく、前記ラテッ
クス粒子に替えてリポソームを担体として用いた凝集量
を測定するためのリポソーム凝集反応試薬(例えば、特
開平6−3358号公報、特開平6−230010号公
報)が提案されている。前記特開平6−3358号公報
では、リポソームがリン脂質由来の親水性表面を有する
ために蛋白質の非特異吸着が低減されるので、リポソー
ム凝集反応試薬はラテックス凝集反応試薬に比べて測定
試薬の高感度化が可能であるとされている。また、リポ
ソームを凝集量を測定するための凝集反応試薬の担体と
して用いると、担体の濁度が小さいことからラテックス
凝集反応試薬では不可能な340nm程度の短波長域で
の測定が可能となるので、リポソーム凝集反応試薬はラ
テックス凝集反応試薬に比べて広範囲な濃度の被測定物
質に対応が可能となる。また、リポソーム凝集反応試薬
は自動分析機の反応セルに付着して反応セルを汚染する
ことが少ないとされている。
【0007】しかしこのような反面、リポソーム凝集反
応試薬はリポソーム担体自体の濁度が小さすぎるために
低濃度域の被測定物質の測定には測定感度が不充分であ
る問題を有する。このような被測定物質の低濃度域での
測定感度の不足に対して、特開平6−230010号公
報では、リポソーム担体に内包されている水相に特定の
水溶性有機化合物を含有させることにより、担体の濁度
増加と測定試薬の高感度化の提案がなされている。
【0008】しかしながら、前記従来の凝集量を測定す
るためのリポソーム凝集反応試薬は、以上のように、短
波長域での測定が可能で、セル汚染の低減などラテック
ス凝集反応試薬における問題点は解決しているものの、
被測定物質濃度がより低い場合には測定感度が満足でき
る程度ではなく、被測定物質の広い濃度域において充分
な測定感度を兼ね備えた測定試薬を提供するに至ってい
ない。
【0009】さらに、前記従来の凝集量を測定するため
のリポソーム凝集反応試薬は、リポソームからなる担体
の主構造がリン脂質分子の配列からなる二重膜であるた
め、合成高分子化合物からなるラテックスに比べて物理
化学的強度が著しく低く、実用化に耐え得る安定性を満
足していないという問題点がある。
【0010】以上2件のリポソーム凝集反応試薬の提案
の他に、特開昭63−27480号公報でも類似技術を
提案している。該公報の技術は、重合性界面活性剤ある
いは重合性脂質と特定な分子鎖によって化学修飾された
抗体を用いる抗体感作重合リポソームおよびミセルを形
成する方法を規定するもので、更にこれを用いて抗原抗
体凝集体を形成させ、その大きさを測定することによっ
て、試料中の抗原濃度を測定する方法を提示している。
この提案では、リポソームの凍結保存性向上を目的に重
合性化合物を用いており、限られた製造方法によって満
足する抗体感作重合リポソームおよびミセルが得られる
ことを示している。即ち、ここでは、凍結保存性の向上
の課題を解決すべく、抗体感作重合リポソーム分散液の
抗原濃度測定への応用を試みているが、ある特定の製造
方法によって得た特定の分散液が凍結保存性の向上の課
題を解決することを開示したに過ぎず、ラテックス免疫
反応凝集試薬に見られる実用上の多くの前記問題点に対
する解決策は何等提示していない。むしろこの提案は、
その明細書の実施例に記載されるように、レーザー光源
を有する測定装置を使用するなど特殊な応用が多く見ら
れ、実用化に対するあらたな問題点を明らかにしたもの
である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、様々な
リポソームを免疫凝集反応試薬に応用する提案がなされ
ているが、何れも、汎用的な自動生化学分析装置におい
て充分な実用性能を有する試薬を提供していない。
【0012】そこで本発明の目的は、汎用自動生化学分
析装置で用いることができる試薬で、短波長域での測定
が可能で、測定装置のセル汚染性が低く、被測定物質が
低濃度域でも高感度で測定でき、さらに、従来のリポソ
ーム凝集反応試薬にみられない実用上充分に大きい物理
化学的安定性を有する凝集量を測定するための免疫凝集
反応試薬およびそれを用いた免疫分析方法を提供するこ
とである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記の課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、短波長域での
測定が可能な試薬で、測定装置のセル汚染性が低く、加
えて、低濃度被測定物質の測定に充分な高感度と実用上
充分な物理化学的安定性を有する凝集量を測定するため
の免疫凝集反応試薬を発明するに至った。
【0014】すなわち、本発明の免疫凝集反応試薬は、
抗原抗体反応で生じる凝集量を測定するための免疫凝集
反応試薬において、重合リン脂質を膜構成成分として含
有する重合リポソームに対し、抗体または抗原が固定化
されてなる抗体固定化重合リポソームまたは抗原固定化
重合リポソームを含むことを特徴とする。
【0015】本明細書において「免疫学的活性物質」と
は、抗体および/または抗原をいう。
【0016】本明細書において「重合性」とは、重合で
きる能力を持ち、未だ重合していない状態をいう。
【0017】本明細書において「重合リン脂質」とは、
重合性リン脂質が重合したものをいう。
【0018】本明細書において「重合リポソーム」と
は、重合リン脂質を膜構成成分として含有するリポソー
ムをいう。
【0019】本発明の免疫凝集反応試薬における担体で
ある重合リポソームには、重合リン脂質が含有される。
該重合リン脂質は、下記の式(1)に示される重合性リ
ン脂質を重合して得られるものであり、式(1)中、R
1 、R2 またはX1 は下記に定義され、R1 、R2 また
はX1 の何れか1つ以上が重合性基であればよい。
【0020】
【化1】 1 :重合性あるいは非重合性のリン酸極性基 R1 ,R2 :炭素数6から24の重合性あるいは非重合
性の脂肪酸残基または炭化水素基
【0021】前記X1 で示されるリン酸極性基として
は、例えば、ホスホコリン基、ホスホエタノールアミン
基、ホスホ−N−メチルエタノールアミン基、ホスホ−
N,N−ジメチルエタノールアミン基、ホスホセリン
基、ホスホイノシトール基、ホスホイノシトール二リン
酸基、ホスホグリセロール基、ホスホ−o−アミノアシ
ルグリセロール基、ホスホグリセロリン酸基、ホスホン
酸またはリン酸基などが挙げられる。
【0022】これらのリン酸極性基のうち重合性を有す
る基の具体例として、例えば、ホスホ−N−重合性アル
ケニルエタノールアミン基、ホスホ−N−重合性アルケ
ノイルエタノールアミン基、ホスホ−N−重合性アルケ
ニルセリン基、ホスホ−N−重合性アルケノイルセリン
基、ホスホ−重合性アルケノイルエステルセリン基など
が挙げられる。また、特開平6−157561号公報等
に開示されているような重合性のリン酸極性基を有する
化合物も本発明に利用可能である。
【0023】前記R1 またはR2 で示される、炭素数6
から24の重合性あるいは非重合性脂肪酸残基または炭
化水素基において、重合性を有する基の具体例として、
例えば、ビニルアルキル基、スチリルアルキル基、(メ
タ)アクリロイルオキシアルキル基、共役ジエンアルキ
ル基、共役ジインアルキル基からなるものである。具体
的には2,4−オクタデカジエン酸、2,4−ヘキサデ
カジエン酸、8,10,12−オクタデカトリエン酸、
9−(p−ビニルベンゾイル)ノナニル酸、1,2−メ
タクリロイルオキシドデカン酸、10−ウンデシン酸、
16−ヘプタデシン酸、22−トリコシン酸、トリコサ
−10,12−ジイン酸、トリコサ−2,4−ジイン
酸、ノナデカ−2,4−ジイン酸などからなるものが挙
げられる。本発明の免疫凝集反応試薬における担体とし
ての重合リポソームの製造原料となる前記式(1)で示
される重合性リン脂質の具体的な化合物名を列挙する
と、1,2−ビス(2,4−オクタデカジエノイル)−
sn−グリセロ−3−ホスホコリン(略語:DODP
C)、1,2−ビス(2,4−ヘキサデカジエノイル)
−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(略語:DHDP
C)、1−(オクタデカノイル)−2−(2,4−オク
タデカジエノイル)−sn−グリセロ−3−ホスホコリ
ン(略語:OODPC)、1−(ヘキサデカノイル)−
2−(2,4−オクタデカジエノイル)−sn−グリセ
ロ−3−ホスホコリン(略語:HODPC)、1−(オ
クタデカノイル)−2−(2,4−ヘキサデカジエノイ
ル)−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(略語:OH
DPC)、1−(ヘキサデカノイル)−2−(2,4−
ヘキサデカジエノイル)−sn−グリセロ−3−ホスホ
コリン(略語:HHDPC)、1−(2,4−オクタデ
カジエノイル)−2−(オクタデカノイル)−sn−グ
リセロ−3−ホスホコリン(略語:ODOPC)、1−
(2,4−ヘキサデカジエノイル)−2−(ヘキサデカ
ノイル)−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(略語:
HDHPC)、1,2−ビス−(8,10,12−オク
タデカトリエノイル)−sn−グリセロ−3−ホスホコ
リン、1,2−ビス(12−メタクリロイルオキシドデ
カノイル)−sn−グリセロ−3−ホスホコリン、1,
2−ビス(9−(p−ビニルベンゾイル)ノナノイル)
−sn−グリセロ−3−ホスホコリンなどのコリン誘導
体が挙げられる。
【0024】また、1,2−ビス(2,4−オクタデカ
ジエノイル)−sn−グリセロ−3−ホスホエタノール
アミン(略語:DODPE)、1,2−ビス(2,4−
ヘキサデカジエノイル)−sn−グリセロ−3−ホスホ
エタノールアミン(略語:DHDPE)、1−(オクタ
デカノイル)−2−(2,4−オクタデカジエノイル)
−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン(略
語:OODPE)、1−(ヘキサデカノイル)−2−
(2,4−オクタデカジエノイル)−sn−グリセロ−
3−ホスホエタノールアミン(略語:HODPE)、1
−(オクタデカノイル)−2−(2,4−ヘキサデカジ
エノイル)−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールア
ミン(略語:OHDPE)、1−(ヘキサデカノイル)
−2−(2,4−ヘキサデカジエノイル)−sn−グリ
セロ−3−ホスホエタノールアミン(略語:HHDP
E)、1−(2,4−オクタデカジエノイル)−2−
(オクタデカノイル)−sn−グリセロ−3−ホスホエ
タノールアミン(略語:ODOPE)、1−(2,4−
ヘキサデカジエノイル)−2−(ヘキサデカノイル)−
sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン(略語:
HDHPE)、1,2−ビス−(8,10,12−オク
タデカトリエノイル)−sn−グリセロ−3−ホスホエ
タノールアミン、1,2−ビス(12−メタクリロイル
オキシドデカノイル)−sn−グリセロ−3−ホスホエ
タノールアミン、1,2−ビス(9−(p−ビニルベン
ゾイル)ノナノイル)−sn−グリセロ−3−ホスホエ
タノールアミンなどのアミン誘導体が挙げられる。
【0025】さらに、1,2−ビス(2,4−オクタデ
カジエノイル)−sn−グリセロ−3−リン酸(略語:
DODPA)、1,2−ビス(2,4−ヘキサデカジエ
ノイル)−sn−グリセロ−3−リン酸(略語:DHD
PA)、1−(オクタデカノイル)−2−(2,4−オ
クタデカジエノイル)−sn−グリセロ−3−ホスホン
酸(略語:OODPA)、1−(ヘキサデカノイル)−
2−(2,4−オクタデカジエノイル)−sn−グリセ
ロ−3−リン酸(略語:HODPA)、1−(オクタデ
カノイル)−2−(2,4−ヘキサデカジエノイル)−
sn−グリセロ−3−リン酸(略語:OHDPA)、1
−(ヘキサデカノイル)−2−(2,4−ヘキサデカジ
エノイル)−sn−グリセロ−3−リン酸(略語:HH
DPA)、1−(2,4−オクタデカジエノイル)−2
−(オクタデカノイル)−sn−グリセロ−3−リン酸
(略語:ODOPA)、1−(2,4−ヘキサデカジエ
ノイル)−2−(ヘキサデカノイル)−sn−グリセロ
−3−リン酸(略語:HDHPA)、1,2−ビス−
(8,10,12−オクタデカトリエノイル)−sn−
グリセロ−3−リン酸、1,2−ビス(12−メタクリ
ロイルオキシドデカノイル)−sn−グリセロ−3−リ
ン酸、1,2−ビス(9−(p−ビニルベンゾイル)ノ
ナノイル)−sn−グリセロ−3−リン酸などのリン酸
誘導体あるいはその塩などが挙げられる。
【0026】上記に列挙した重合性リン脂質に含まれる
好ましい重合性基は、ジエン、トリエンであり、更に好
ましくは共役ジエンである。これらの重合性リン脂質の
分子中には、これらの重合性基の他に、非重合性基が含
有されていてもよく、このような非重合性基には、炭素
数2から24の直鎖あるいは分岐鎖のアルキル基、アシ
ル基、非重合性アルケニル基、非重合性アルケノイル基
またはアルキレン基等が挙げられる。
【0027】本発明の免疫凝集反応試薬に用いられる担
体は、上記に列挙した重合性リン脂質を原料とし、その
原料を重合して得られる重合リン脂質の少なくとも1種
以上が、担体を構成する重合リポソームの構成成分とし
て含有されていることを特徴とする。
【0028】前記重合リポソームの構成材料として、重
合性リン脂質に加えて、非重合性化合物を必要に応じて
用いることも可能である。このような非重合性化合物と
しては、例えば、、非重合性リン脂質、コレステロール
類、トコフェロール類、非重合性脂肪酸および非重合性
脂肪族アミンなどが挙げられる。
【0029】本発明の免疫凝集反応試薬における担体と
しての重合リポソームの構成成分に使用可能な前記非重
合性リン脂質を具体的に列挙すれば、卵黄レシチン、大
豆レシチン、水添卵黄レシチン、水添大豆レシチンなど
の天然系リン脂質およびその誘導体、また、ジミリスト
イルホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチ
ジルコリン、ジステアリルホスファチジルコリン、ジオ
レイルホスファチジルコリン、ジミリストイルホスファ
チジルエタノールアミン、ジパルミトイルホスファチジ
ルエタノールアミン、ジステアリルホスファチジルエタ
ノールアミン、ジオレイルホスファチジルエタノールア
ミン、ジミリストイルホスファチジン酸、ジパルミトイ
ルホスファチジン酸、ジステアリルホスファチジン酸、
ジオレイルホスファチジン酸、ジミリストイルホスファ
チジルグリセロール、ジパルミトイルホスファチジルグ
リセロール、ジステアリルホスファチジルグリセロー
ル、ジオレイルホスファチジルグリセロールなどのアシ
ル基組成を操作した合成系のリン脂質、更に、ホスファ
チジルセリン、ホスファチジルイノシトールなどが挙げ
られるが、本発明はこれらに特に限定されるものではな
い。
【0030】本発明の免疫凝集反応試薬における担体と
しての重合リポソームの構成成分にさらに機能性付与剤
を添加してもよく、このような機能性付与剤には、例え
ば、膜安定剤、膜表面の親水性調整剤、曲率調整剤、抗
酸化剤、電荷付与剤等が挙げられる。コレステロール類
は、膜安定化剤、膜表面の親水性調整剤あるいはリポソ
ームの曲率調整剤などとして、トコフェロール類は、膜
安定化剤あるいは抗酸化剤などとして使用可能である。
非重合性脂肪酸および非重合性脂肪族アミンはリポソー
ムに電荷を与えるためなどに用い、炭素数10から24
の直鎖あるいは分岐鎖のものが利用可能である。
【0031】本発明においては、前記した重合リポソー
ムの表面に抗体または抗原が固定化されることにより免
疫凝集反応試薬となる。抗体または抗原を重合リポソー
ム表面へ固定化する方法、あるいは固定化する様式は特
に限定されるものではないが、例えば、架橋剤を用いる
方法、過ヨウ素酸法、Passive法、物理的吸着法
等が挙げられる。
【0032】架橋剤を用いて重合リポソームと抗体また
は抗原を化学結合させる場合、両者を結合する官能基と
しては、アミノ基、イミノ基、カルボキシル基、水酸
基、フェノール基、チオール基、イミドエステル基、ニ
トロアリールハライド基、チオフタルイミド基、活性ハ
ロゲン基、サクシンイミド基、マレイミド基、ジチオピ
リジル基、アリールアジド基あるいはジアゾアルカン基
などが挙げられ、特に、サクシンイミド基、ジチオピリ
ジル基、マレイミド基、アリールアジド基、活性ハロゲ
ン基、ジアゾアルカン基が好ましい。
【0033】これらの官能基を介して重合リポソーム表
面と抗体または抗原を固定化する方法には、例えば、ホ
スファチジルエタノールアミンのアミノ基に好ましい官
能基を架橋剤を介して化学結合させる方法が挙げられ、
具体的には片方にリン脂質のアミノ基と結合可能なサク
シンイミジル基を、もう一方に本発明で好ましい官能基
を有する架橋剤を用いることで可能となる。このような
反応は公知の方法で可能であり、本発明で好ましい架橋
剤としては、例えば、次の2官能化合物が挙げられる。
【0034】2官能化合物の例としては、N−サクシン
イミジル−3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネート
(略語:SPDP)、スルホサクシンイミジル−6−
(3−(2−ピリジルジチオ)プロピオンアミド)ヘキ
サノエート、サクシンイミジル−6−(3−(2−ピリ
ジルジチオ)プロピオンアミド)ヘキサノエート、N−
サクシンイミジル−4−(p−マレイミドフェニル)ブ
チレート(略語:SMPB)、スルホサクシンイミジル
−4−(p−マレイミドフェニル)ブチレート(略語:
Sulfo−SMPB)、N−サクシンイミジル−4−
(p−マレイミドフェニル)アセテート(略語:SMP
A)、N−サクシンイミジル−4−(p−マレイミドフ
ェニル)プロピオネート(略語:SMPP)、4−サク
シンイミジルオキシカルボニル−α−メチル−α−(2
−ピリジルジチオ)−トルエン(略語:SMPT)、サ
クシンイミジル−4−(N−マレイミドエチル)−シク
ロヘキサン−1−カルボキシレート(略語:SMC
C)、スルホサクシンイミジル−4−(N−マレイミド
エチル)−シクロヘキサン−1−カルボキシレート(略
語:Sulfo−SMCC)、N−(γ−マレイミドブ
チリルオキシ)サクシンイミド(略語:GMBS)、N
−(ε−マレイミドカプロイルオキシ)サクシンイミド
(略語:EMCS)、N−サクシンイミジル−6−
(4’−アジド−2’−ニトロフェニルアミノ)ヘキサ
ノエート、スルホサクシンイミジル−2−(m−アジド
−O−ニトロベンズアミド)−エチル−1,3’−ジチ
オプロピオネート、N−サクシンイミジル−(4−ヨ−
ドアセチル)アミノベンゾエート、スルホサクシンイミ
ジル−4−(p−アジドフェニル)ブチレート、N−サ
クシンイミジル−(4−アジドフェニル)−1,3’−
ジチオプロピオネート、スルホサクシンイミジル−2−
(7−アジド−4−メチルコウマリン−3−アセタミ
ド)−エチル−1,3’−ジチオプロピオネート、ジチ
オビス(サクシンイミジルプロピオネート)、エチレン
グリコールビス(サクシンイミジルサクシネート)など
が挙げられる。
【0035】前記に、本発明に用いられる重合リポソー
ムの表面にホスファチジルエタノールアミンのアミノ基
を介して抗体または抗原を固定化する方法を例示した
が、本発明の免疫凝集反応試薬は、この方法により得た
ものに特に限定されるものではない。尚、架橋剤として
官能基を有する化合物が重合性リン脂質であれば、リポ
ソームからの官能基の遊離が少なくなり更に好ましい。
【0036】本発明に用いられる重合リポソームにおい
て、重合性リン脂質の全脂質に占める割合を5モル%以
上とすることが、重合リポソームの物理化学的強度を高
めるために好ましい。より好ましくは重合性リン脂質が
20モル%以上、また最も好ましくは30モル%以上で
ある。
【0037】さらに、本発明に用いられる重合リポソー
ムにおいて、重合性リン脂質の全リン脂質に占める割合
を10モル%以上とすることが、物理化学的強度を高め
るために好ましい。より好ましくは重合性リン脂質が4
0モル%以上、さらに好ましくは60モル%以上、最も
好ましくは80モル%以上である。
【0038】本発明に用いられる重合性リン脂質として
は、脂肪酸残基あるいは炭化水素基の炭素数が14から
18が好ましい。重合性リン脂質の脂肪酸残基の重合性
基は、モノエン、ジエン、トリエンが好ましく、更に好
ましくは共役ジエン基を重合性基とする場合である。
【0039】本発明に用いられる重合リポソームにおい
て、その膜に内包される水相(以下、内水相という)の
組成は特に限定されるものではないが、免疫凝集反応試
薬としての感度を向上させる目的からは、水の屈折率よ
りも高い高屈折率化合物が内水相に含有されることが好
ましい。一方、免疫凝集反応試薬として用いられるリポ
ソームの物理化学的強度を向上させる目的からは、高分
子化合物あるいはゲル化処理された化合物が内水相に含
有されることが好ましい。さらに、免疫凝集反応試薬の
感度向上とリポソームの物理化学的強度向上を同時に満
足するためには、高屈折率化合物の重合性単量体から得
られる高分子化合物あるいはそのゲル化処理された化合
物が内水相に含有されることが好ましい。
【0040】前記内水相に含まれる上記以外の成分とし
て、免疫凝集反応試薬の性能あるいは重合リポソームの
安定性に悪影響を与えない範囲において、生理活性物
質、免疫活性物質、薬理活性物質、有機顔料、無機顔
料、染料などを含有させることは自由に行うことができ
る。
【0041】本発明に用いられる重合リポソームにおい
て、重合性単量体である、アリル基、ビニル基、イソプ
ロペニル基、ビニレン基などを有する化合物を内水相に
含有させることができる。これらの重合性単量体は特に
限定されるものではないが、疎水性の高い重合性単量体
あるいは界面活性能の高い重合性単量体を用いると、重
合性リポソームに内包させる際の作業性を低下させる欠
点、或いは重合性リポソームを不安定にする欠点が生ず
る場合があり、一般的に好ましくない。このような問題
点に対して、重合性リポソームの内水相に含有させるこ
とのできる重合性単量体としては、親水性を有する重合
性単量体が重合性リポソームに内包させる作業性が良好
であり、しかも重合性リポソームを安定にする点におい
て好ましい。内水相に含有させる重合性単量体におい
て、全重合性単量体に占める親水性を有する重合性単量
体の割合は40モル%以上が好ましく、より好ましくは
50モル%以上、最も好ましくは70モル%以上であ
る。
【0042】重合リポソームの内水相に含有させること
のできる、アリル基、ビニル基、イソプロペニル基、ビ
ニレン基などを含有する親水性の重合性単量体の例とし
ては、ベンジルアクリレート、エチルアクリレート、イ
ソブチルアクリレート、メチルアクリレート、2−ヒド
ロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタ
クリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレ
ート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、グリセ
ロールメタクリレート、ジメチルマレート、ジエチルマ
レート、ジエチルフマレート、ジ−t−ブチルフマレー
ト、酢酸アリル、アリルアルコール、3−メチルアリル
アルコール、アリルアミン、N,N−ジメチルアクリル
アミド、N−メチルアクリルアミド、メタクリルアミ
ド、ジメチルメタクリルアミド、N−プロピルアクリル
アミド、N−プロピルメタクリルアミド、アクリロニト
リル、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルピペリ
ドン、N−ビニルカプロラクタム、酢酸ビニル、ビニル
イソブチルエーテル、ビニルイソプロピルエーテル、ビ
ニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、2−ビニ
ルピリジン、ビニルスルフィド、o−ヒドロキシスチレ
ン、2−ニトロスチレン、グリコシルメタクリレート、
ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリエチ
レングリコールモノアクリレート、トリエチレングリコ
ールモノメタクリレート、トリエチレングリコールモノ
アクリレート、テトラエチレングリコールモノメタクリ
レート、テトラエチレングリコールモノアクリレート、
テトラエチレングリコールモノアリルエーテル、メトキ
シポリエチレングリコールメタクリレート、メトキシポ
リエチレングリコールアクリレート、フェノキシポリエ
チレングリコールメタクリレート、フェノキシポリエチ
レングリコールアクリレートなど、また、アクリル酸、
メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、p−スチレン
スルホン酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、メ
タリルスルホン酸、α−メチルスルホン酸、ビニルトル
エンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロ
パンスルホン酸およびそのアルカリ金属またはアンモニ
ウム等の塩等が挙げられる。
【0043】さらに親水性の重合性単量体であって、一
分子内に2つの重合性基を有する化合物として、アリル
メタクリレート、アリルアクリレート、ジアリルアミ
ン、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、ジビニル
エーテル、ジアリルエーテル、マレイン酸ビニル、マレ
イン酸ジビニル、グリセリンジメタクリレート、グリセ
リンジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリ
レート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ト
リエチレングリコールジアクリレート、トリエチレング
リコールジメタクリレート、テトラエチレングリコール
ジメタクリレート、テトラエチレングリコールジアクリ
レート、テトラエチレングリコールジアリルエーテルな
どが挙げられ、これらの化合物は架橋剤としても用いる
ことができる。
【0044】本発明に使用される重合リポソームの内水
相に含有させることのできる、上記以外の化合物として
は、セルロース誘導体ではカルボキシメチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピル
セルロース等が挙げられる。ホモ多糖類では、アラビナ
ン、スクレロタン、デキストラン、アガロース、ガラク
タン、カラゲナン、マンナン、イヌリン、レバン等が挙
げられる。ヘテロ多糖類では、ケラト硫酸、コンドロイ
チン硫酸、ヘパリン、アラビアゴム、カーヤゴム、メス
キートゴム等が挙げられる。
【0045】以上に述べた重合リポソーム原料物質から
本発明の免疫凝集反応試薬に使用する重合リポソームを
作成する方法は、特に限定されるものではないが、例え
ば「リポソーム」南光堂出版(1988年)に記載され
ているような、薄膜法、超音波処理法、エタノール注入
法、フレンチプレス法、押し出し法、透析法、凍結融解
法、逆相蒸発法あるいは高圧突出式乳化機等による方法
が可能である。
【0046】要求される粒径あるいは多重膜性(ラメラ
リティー)等の品質に応じて、上記の方法を選択してリ
ポソームの作成を行うことが可能で、リポソームの粒径
は、直径が5nm〜5μmが用いられ、好ましくは10
〜600nm、更に好ましくは10〜300nmであ
る。
【0047】所定の手順にしたがってリポソームを作成
した後、場合によっては外水相の重合性単量体などの化
合物をゲル濾過、限外濾過、透析等の公知の方法で排除
する。その後、開始剤重合法、紫外線重合法、γ線重合
法、X線重合法、電子線重合法などの公知の重合方法
で、リポソームの膜、場合によっては内水相に含まれる
重合性単量体を重合させ、本発明の免疫凝集反応試薬に
用いる重合リポソームを得ることができる。
【0048】尚、これらの重合方法は特に限定されるも
のではないが、例えば、開始剤重合法では開始剤として
アゾ系化合物、有機過酸化物、無機系過酸化物などを用
いることができる。このようなアゾ系開始剤としては、
疎水性の2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、
アゾビス(シクロヘキサンニトリル)、フェニルアゾト
リフェニルメタン、親水性の2,2’−アゾビス(2−
アミジノプロパン)二塩酸塩(略語:AAPD)、有機
系過酸化物系としては、t−ブチルパーオキサイド、p
−メンタンヒドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキ
シマレイックアシッド、2,5−ジメチルヘキサン−
2,5−ジヒドロパーオキサイドあるいはサクシニック
アシッドパーオキサイド、無機系過酸化物の過硫酸カリ
ウム、過硫酸アンモニウムなどが挙げられる。
【0049】またγ線重合法の例としては、60Coを線
源とするγ線照射で重合反応を進めることが可能で、線
量率は0.5kGy/時間から15kGy/時間が、照
射時間は15分から6時間等が可能である。
【0050】また電子線重合法の例としては、電子加速
器から発生する電子線を用い、500〜10,000k
Gy/時間の線量率により可能である。反応温度特に制
限を受けないが0から80℃等、好ましくは0から60
℃で行われる。
【0051】本発明で用いる重合リポソームの重合解析
の方法は、特に限定されるものではないが、例えば、重
合性基に由来する特有のUV、IR吸収を利用する方
法、重合性基に隣接する 1Hの核磁気共鳴を追跡する方
法、リポソーム内相の重合物中の未重合物を抽出し液体
クロマトグラフィーで定量する方法、重合リン脂質を加
水分解しポリカルボン酸を得、ゲルパーミエーションク
ロマトグラフィーで分子量を測定する方法等が挙げられ
る。
【0052】重合性リン脂質の重合解析を更に詳しく述
べると、1,2−ビス(2,4−オクタデカジエノイ
ル)−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(略語:DO
DPC)を原料とした重合リポソーム分散液に2N水酸
化ナトリウム溶液を添加し、80℃で48時間加水分解
した後、塩酸で中和する。ポリオクタジエン酸は沈澱物
として得られるので、メンブランフィルターで濾過し残
さとして重合物が得られる。これを洗浄・乾燥後、テト
ラヒドロキシフランに溶解してゲルパーミエーションク
ロマトグラフィーにて分子量測定を行うことができる。
【0053】次に、重合リポソーム表面に固定化する抗
体または抗原の修飾方法・修飾処方は特に制限されるも
のではないが、例えば前記架橋剤を抗原あるいは抗体と
化学結合させて官能基を導入する方法が挙げられる。官
能基を付与した抗体または抗原と、前記のホスファチジ
ルエタノールアミンのアミノ基を介して架橋剤を結合
し、表面に官能基を有した重合リポソームを混合して、
緩衝液中で反応せしめることで抗体または抗原を重合リ
ポソーム表面に固定化することができる。
【0054】本発明において重合リポソーム表面に固定
化される抗体は、被測定抗原性物質を認識するモノクロ
ーナル抗体またはポリクローナル抗体が使用できる。免
疫凝集反応試薬に用いる際の重合リポソームと重合リポ
ソームに固定化させる抗体の処方は、特に限定されるも
のではないが、例えば、モノクローナル抗体を重合リポ
ソーム表面に固定化する処方、ポリクローナル抗体を重
合リポソーム表面に固定化する処方、モノクローナル抗
体とポリクローナル抗体を同一の重合リポソーム表面に
固定化する処方、モノクローナル抗体を固定化した重合
リポソームとポリクローナル抗体を固定化した別の重合
リポソームを抗体固定化後に混合する処方などが挙げら
れる。
【0055】前記のように、ポリクローナル抗体とモノ
クローナル抗体を併用した免疫凝集反応試薬では、抗原
との親和力の強いモノクローナル抗体がポリクローナル
抗体の低親和力を補うことができる。同時に、凝集特性
に優れたポリクローナル抗体が、凝集活性を高めるため
にモノクローナル抗体を選択して組み合わせなければな
らないという煩雑を回避できる特徴を有する。この重合
リポソーム表面に固定化される抗体は、例えば、IgG
分画のまま用いてもよいし、そのフラグメントであるF
(ab’)2 化されたものを用いてもよい。
【0056】本発明において重合リポソーム表面に固定
化される抗原には、主に血漿タンパク質、ウイルス性タ
ンパク質等が挙げられる。本発明の免疫凝集反応試薬に
よる免疫分析方法に適用される被測定抗原物質には、ホ
ルモン(例えば、インシュリン、HCG−β、成長ホル
モン、TSH、LH、FSH、プロラクチン、サイロキ
シン、トリヨードサイロニン、ガストリン、グルカゴ
ン、ソマトスタチン等)、酵素(例えば、エラスター
ゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ、リボヌクレ
アーゼ、エノラーゼ、アルカリフォスファターゼ等)、
血清タンパク質(例えば、IgG、IgA、IgM、I
gE、IgD、CRP、マクログロブリン、TBG、糖
タンパク質、糖脂質、アポタンパク質)、腫瘍関連抗原
(例えば、CEA、α−フェトプロテイン、フェリチ
ン、CA19−9、CA125等)、DNA結合性タン
パク質因子、細菌、ウイルス、原虫等が挙げられる。こ
れらのうち、特に大量の被測定試料を短時間で測定する
必要のある血清タンパク質、腫瘍関連抗原、ウイルス等
が好適に適用できる。
【0057】被測定抗体物質には、例えば、ウイルスに
対する抗体(例えば、HIV、ATL、HB等)、AS
O、RF、各種自己抗体、抗核抗体等が挙げられる。
【0058】本発明の免疫凝集反応試薬を用いた免疫分
析法による被測定試料中の目的物質の定量は、例えば次
のようにして行われる。まず、本発明の免疫凝集反応試
薬および被測定試料を適当な緩衝液(例えば、TES緩
衝液)中で混合し、抗原抗体反応引き起こさせ、それに
伴う抗体あるいは抗原固定化重合リポソームの凝集を形
成させる。その凝集量を光の透過光、或いは光の散乱光
等による光学的測定、例えば、分光光度計または汎用生
化学自動分析機等による測定により、予め作成した検量
線との照合等により、試料中の被測定物質量を測定する
ことができる。
【0059】
【実施例】次の実施例は、C−反応性蛋白(以下CRP
と略す)抗原の濃度測定に本発明の免疫凝集反応試薬お
よび免疫分析方法を適用したものである。これらは単な
る例示であり、本発明を特に限定するものではない。
【0060】〔参考例1〕アクリルアミド2.376
g、N,N’−メチレン−ビス(アクリルアミド)0.
125gを精製水100mlに溶解し脂質水和用溶液と
した。
【0061】〔実施例1〕 (1)重合性リポソーム懸濁液の調製 1,2−ビス(2,4−オクタデカジエノイル)−sn
−グリセロ−3−ホスホコリン39mg(50μ mo
l)、コレステロール19mg(50μ mol)、
1,2−ビス(ヘキサデカノイル)−sn−グリセロ−
3−ホスホ−N−(1−オキソ−3−(2−ピリジルジ
チオ)プロピル)エタノールアミン2mg(2.5μ
mol)をクロロホルム20mlに溶解した。100m
l容ガラス製ナス型フラスコに移し室温でロータリーエ
バポレーターを用いて溶媒を留去した。更に、1時間減
圧下に保ち溶媒を完全に留去した。
【0062】これに前記参考例1の脂質水和用溶液2m
lとガラスビーズ2gを加えた後、激しく振とうして脂
質原料を懸濁させた。ガラスビーズを濾別した脂質懸濁
液を、エクストルーダーに組み込んだポリカーボネート
メンブランフィルターを通過させてサイジングを行っ
た。ポリカーボネートメンブランフィルターとしては最
終的に口径0.2μmのものを通過させてサイジングを
終了とした。続いて、サイジング後の懸濁液を分画分子
量6,000−8,000の透析膜中に移し、100倍
量のpH7.5に調整した10mM TES緩衝液
(0.15M NaCl含有)で24時間透析し外水相
を置換し、重合性リポソーム懸濁液を得た。
【0063】(2)重合性リポソームの重合 本実施例1の前項(1)で得た重合性リポソーム懸濁液
を透析し、さらに透析後の懸濁液をアルゴンガスで5分
間バブリングしてガス置換した後、密封した。この試料
60Coを線源とする線量率5kGrey/時間のγ線
を1時間照射してリポソームの膜と内水相に含有されて
いるアクリルアミドを重合させた。重合後の懸濁液のリ
ン濃度を測定し、所定濃度に希釈して重合リポソーム懸
濁液を得た。
【0064】(3)抗体固定化重合リポソーム懸濁液の
調製 抗CRP抗体に2官能化合物であるN−サクシンイミジ
ル−3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネイト(以下
SPDPと略す)を結合するため、SPDPを30mM
となるようエタノールで溶解し、これを抗体10mgに
対し30μl添加し25℃で30分反応させた。次い
で、リン酸緩衝液(0.15M NaCl含有、pH
6.0)で平衡化したセファデックスG−25カラムを
使用し、抗体溶液から未反応SPDPの除去を行った。
得られた抗体溶液にジチオスレイトール(以下DTTと
略す)を終濃度10mMとなるよう添加し、25℃で3
0分反応させた。次いで、TES緩衝液(0.15M
NaCl含有、pH7.5)で平衡化したセファデック
スG−25カラムを使用し、抗体溶液からDTTの除去
を行った。こうして得られた抗体溶液を抗体濃度3mg
/mlとなるよう調製し、本実施例1の前項(2)で得
た重合リポソームと等量で混合して4℃で3日間反応さ
せた。その後、未反応の抗体を除去するため、リン酸緩
衝液(0.3MNaCl含有、pH5.5)で平衡化し
たセファロースCL4Bカラムを使用し、抗体固定化重
合リポソーム懸濁液を得た。
【0065】(4)免疫凝集反応試薬の調製 本実施例1の前項(3)で得た抗体固定化重合リポソー
ム懸濁液の340nmでの吸光度測定を行い、吸光度
2.4となるようにリン酸緩衝液(0.3M NaCl
含有、pH5.5)で希釈して、本実施例1のCRP濃
度測定用免疫凝集反応試薬を得た。
【0066】〔実施例2〕 (1)重合リポソーム懸濁液の調製 前記参考例1の脂質水和用溶液に替えて精製水を用い、
前記実施例1の(1)〜(2)と同様にして重合リポソ
ーム懸濁液を調製した。
【0067】(2)抗体固定化重合リポソーム懸濁液の
調製 本実施例2の前項(1)で得た重合リポソーム懸濁液を
用い、前記実施例1の(3)と同様に重合リポソームの
表面に抗体を固定化し、抗体固定化重合リポソーム懸濁
液を得た。
【0068】(3)免疫凝集反応試薬の調製 本実施例2の前項(2)で得た抗体固定化重合リポソー
ム懸濁液の340nmでの吸光度測定を行い、吸光度
2.4となるようにリン酸緩衝液(0.3M NaCl
含有、pH5.5)で希釈して、本実施例2のCRP濃
度測定用免疫凝集反応試薬を得た。
【0069】〔比較例1〕 (1)非重合リポソーム懸濁液の調製 ジパルミトイルフォスファチジルコリン37mg(50
μ mol)、コレステロール19mg(50μ mo
l)、1,2−ビス(ヘキサデカノイル)−sn−グリ
セロ−3−ホスホ−N−(1−オキソ−3−(2−ピリ
ジルジチオ)プロピル)エタノールアミン2mg(2.
5μ mol)をクロロホルム20mlに溶解した。1
00ml容ガラス製ナス型フラスコに移し、室温でロー
タリーエバポレーターを用いて溶媒を留去した。更に、
1時間減圧下に保ちながら溶媒を完全に留去した。
【0070】これに前記参考例1の脂質水和用溶液2m
lとガラスビーズ2gを加えた後、激しく振とうして脂
質原料を懸濁させた。ガラスビーズを濾別した脂質懸濁
液を、エクストルーダーに組み込んだポリカーボネート
メンブランフィルターを通過させてサイジングを行っ
た。ポリカーボネートメンブランフィルターとしては最
終的に口径0.2μmのものを通過させてサイジングを
終了とした。
【0071】続いて、サイジング後の懸濁液を分画分子
量6,000〜8,000の透析膜中に移し、100倍
量のpH7.5に調整した10mM TES緩衝液
(0.15M NaCl含有)で24時間透析し外水相
を置換した。その後、10%となるように溶解した過硫
酸アンモニウム33μl、N,N,N’,N’−テトラ
メチルエチレンジアミン14μlを添加し、室温で4〜
16時間反応させ、内包物を重合させた。反応後の過硫
酸アンモニウム、N,N,N’,N’−テトラメチルエ
チレンジアミンを透析により除去した後、懸濁液のリン
濃度を測定して所定濃度に希釈したものを非重合リポソ
ーム懸濁液とした。
【0072】(2)抗体固定化非重合リポソーム懸濁液
の調製 この比較例1の前項(1)で調製した非重合リポソーム
懸濁液を用い、前記実施例1の(3)と同様の方法で非
重合リポソームの表面に抗体を固定化し、抗体固定化非
重合リポソーム懸濁液を得た。
【0073】(3)免疫凝集反応試薬の調製 この比較例1の前項(2)で得た抗体固定化非重合リポ
ソーム懸濁液の340nmでの吸光度測定を行い、吸光
度2.4となるようにリン酸緩衝液(0.3MNaCl
含有、pH5.5)で希釈して、この比較例1のCRP
濃度測定用免疫凝集反応試薬を得た。
【0074】〔比較例2〕 (1)重合性リポソーム懸濁液の調製 前記実施例1(1)と同様の方法で重合性リポソーム懸
濁液を得た。
【0075】(2)抗体固定化重合リポソーム懸濁液の
調製 本比較例2の前項(1)で得た重合性リポソーム懸濁液
を用い、前記実施例1の(3)と同様の方法で、表面に
抗体を固定化した抗体固定化重合性リポソーム懸濁液を
得た。
【0076】(3)抗体固定化重合リポソーム懸濁液の
調製 本比較例2の前項(2)で得た抗体固定化重合性リポソ
ーム懸濁液を、アルゴンガスでガス置換した後に密封
し、60Coを線源とする線量率5kGry/時間のγ線
を1時間照射してリポソームの膜を重合させた。重合後
の懸濁液のリン濃度を測定し、所定濃度に希釈して抗体
固定化重合リポソーム懸濁液を得た。
【0077】(4)免疫凝集反応試薬の調製 本比較例2の前項(3)で得た抗体固定化重合リポソー
ム懸濁液の340nmでの吸光度測定を行い、吸光度
2.4となるようにリン酸緩衝液(0.3MNaCl含
有、pH5.5)で希釈して、本比較例2のCRP濃度
測定用免疫凝集反応試薬を得た。
【0078】〔実施例3〕CRP濃度測定感度の評価 日立7150形自動分析装置(商品名:(株)日立製作
所製)を使用して、次に示した測定条件でCRP濃度測
定を行い、前記実施例1および2、並びに前記比較例1
および2で得られた各CRP濃度測定用免疫凝集反応試
薬の測定感度評価を以下の測定条件で行った。
【0079】被測定試料量は7μlとし、CRP濃度が
既知の血清を使用し、0mg/dl〜2mg/dl濃度
の各試料を調製して用いた。
【0080】第1試薬の量は200μlとし、100m
Mトリス緩衝液(0.15M NaCl含有、pH8.
0)を用いた。
【0081】第2試薬の量は100μlとし、前記実施
例1および2、並びに前記比較例1および2で得られた
各CRP濃度測定用免疫凝集反応試薬を用いた。
【0082】測定波長は主波長340nm、副波長70
0nmとし、測定ポイントを28ポイントと50ポイン
トの2ポイント分析により約5分間の吸光度変化量を求
めた。
【0083】測定感度の評価結果を横軸にCRP濃度を
とり、縦軸に吸光度の変化量をとったグラフにして図1
(実施例1と比較例1の対比)、図2(実施例2と比較
例1の対比)および図3(実施例2と比較例2の対比)
に示す。
【0084】図1および図2のグラフによれば、前記実
施例1および2の抗体固定化重合リポソームからなるC
RP濃度測定用免疫凝集反応試薬を用いた測定は、比較
例1のもの(抗体固定化非重合リポソーム)と比べて8
〜16倍と著しく高い測定感度があることが分かり、こ
のことはCRPの低濃度測定が可能であることを示す。
【0085】図3によれば、前記実施例2の方法で得た
抗体固定化重合リポソーム(重合性リポソームを重合し
た後に抗体を固定化したもの)からなるCRP濃度測定
用免疫凝集反応試薬が、比較例2の方法で得たもの(重
合性リポソームに抗体を固定化した後に、リポソームを
重合したもの)と比べて200倍以上高い測定感度があ
ることが分かり、このことはCRPの低濃度測定が可能
であることを示す。
【0086】物理化学的安定性の評価 前記実施例1および2と前記比較例1の重合リポソーム
懸濁液あるいは非重合リポソーム懸濁液を、リン濃度2
50μMになるようにpH7.5に調整した10mM
TES緩衝液(0.15M NaCl含有)で希釈して
各試料とした。
【0087】各試料をプローブ型超音波処理機で、15
分間、水冷しつつ超音波処理した。処理前後の各リポソ
ームの粒径と標準偏差を粒度分布計(Coulter Counter
NS 4D )で測定した。その評価を初期粒径に対する処理
後粒径の変化率として現した。その結果を下記の表1に
示す。
【0088】
【表1】
【0089】表1によれば、本実施例1および2は比較
例1に比べて、粒径変化率は非常に小さく、また、粒度
分布標準偏差値の増加も著しく小さい。このことより、
本実施例1および2では物理化学的安定性が非常に大き
いことが分かる。
【0090】
【発明の効果】本発明の免疫凝集反応試薬によれば、そ
の担体として、重合リン脂質を膜構成成分として含有す
る重合リポソームが使用され、且つこの重合リポソーム
に対して抗体または抗原が固定化されているので、この
免疫凝集反応試薬を免疫分析に用いれば被測定物質濃度
が低い場合でも測定可能な充分に高い感度を有すととも
に、且つ本発明の免疫凝集反応試薬は物理化学的安定性
が大きい。
【0091】また、本発明の免疫凝集反応試薬は、その
担体として用いる重合リポソームが抗原性の少ない親水
性表面を有しているため、免疫凝集反応試薬の感度低下
を招くような非特異的な凝集反応が起こりにくく、更
に、分析機の反応セル汚染性が著しく小さく、汎用自動
分析機による大量検体の短時間測定が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1と比較例1で得られた各免疫
凝集反応試薬のCRPに対する反応曲線。
【図2】本発明の実施例2と比較例1で得られた各免疫
凝集反応試薬のCRPに対する反応曲線。
【図3】本発明の実施例2と比較例2で得られた各免疫
凝集反応試薬のCRPに対する反応曲線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 梅田 衞 茨城県結城市北南茂呂1075−2 日水製薬 株式会社診断薬研究所内 (72)発明者 森 真人 茨城県つくば市春日2−17−14 (72)発明者 谷口 昌繁 茨城県つくば市春日2−17−14 (72)発明者 中野 善郎 茨城県つくば市梅園2−15−5

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抗原抗体反応で生じる凝集量を測定する
    ための免疫凝集反応試薬において、 重合リン脂質を膜構成成分として含有する重合リポソー
    ムに対し免疫学的活性物質が固定化されてなる免疫学的
    活性物質固定化重合リポソームを含むことを特徴とする
    免疫凝集反応試薬。
  2. 【請求項2】 前記固定化が化学結合により行われてい
    ることを特徴とする請求項1記載の免疫凝集反応試薬。
  3. 【請求項3】 前記重合リポソームには、高屈折率化合
    物、高分子化合物またはゲル化処理された化合物の1種
    以上を含有する水相が内包されていることを特徴とする
    請求項1または2記載の免疫凝集反応試薬。
  4. 【請求項4】 請求項1、2または3記載の免疫凝集反
    応試薬を被測定試料に作用せしめ、抗原抗体反応により
    生じた免疫学的活性物質固定化重合リポソームの凝集量
    を測定することを特徴とする免疫分析方法。
JP17541395A 1995-06-19 1995-06-19 免疫凝集反応試薬および免疫分析方法 Pending JPH095325A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009054538A1 (ja) 2007-10-22 2009-04-30 Alfresa Pharma Corporation 免疫学的微小粒子の凝集反応を用いる検体のアクロレイン付加体の測定方法および測定用キット
JP2009533339A (ja) * 2006-04-07 2009-09-17 モドプロ アーベー C−反応性タンパク質についての結合剤

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JP2009533339A (ja) * 2006-04-07 2009-09-17 モドプロ アーベー C−反応性タンパク質についての結合剤
WO2009054538A1 (ja) 2007-10-22 2009-04-30 Alfresa Pharma Corporation 免疫学的微小粒子の凝集反応を用いる検体のアクロレイン付加体の測定方法および測定用キット

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