JPH0954030A - フィルムの耐衝撃性測定装置及び測定方法 - Google Patents

フィルムの耐衝撃性測定装置及び測定方法

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JPH0954030A
JPH0954030A JP20615495A JP20615495A JPH0954030A JP H0954030 A JPH0954030 A JP H0954030A JP 20615495 A JP20615495 A JP 20615495A JP 20615495 A JP20615495 A JP 20615495A JP H0954030 A JPH0954030 A JP H0954030A
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JP
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pendulum
film
impact resistance
cutting
cutting member
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JP20615495A
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Yoshiaki Takegawa
善紀 武川
Tadashi Tahoda
多保田  規
Koji Yamada
浩二 山田
Toshitake Suzuki
利武 鈴木
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィルム、特に耐衝撃性の低いフィルムの耐
衝撃性評価を、極めて少量のサンプルを用いて正確に行
ない得る測定装置及び測定方法を提供する。 【解決手段】 フィルム片6の支持部材5と、一端に水
平回転軸15を有し他端にフィルム切断部材2を保持し
た振子1とを備えた振子式耐衝撃性測定装置。切断部材
2がフィルム6を切断した直後の振子1の角速度又は一
定角度を通過する時間をフォトインタラプター及びヘッ
ドアンプユニット7とセクター8とによって測定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フィルムの耐衝撃
性を測定する方法及び装置に関するものであり、さらに
詳しくは、フィルムのように耐衝撃性の弱いものの耐衝
撃性を定量化し得る方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、フィルムの耐衝撃性試験には、落
錘試験法や一般的な振子式試験法が標準的に用いられて
きた。すなわち、落錘試験法は、試験すべきフィルムに
ある一定高さから錘を落下させ、その衝撃によるフィル
ムの破壊度を測定するものである。また、振子式試験法
は、JIS K-7110 (1984) 「硬質プラスチックのアイゾ
ット衝撃試験方法」に記載のように、試験片支持台と、
一端に水平回転軸を有し他端に衝撃刃を保持した振子
と、衝撃刃が試験片を切断した後の振子の残余エネルギ
ーを示す指示装置(指針と角度目盛)とから構成される
振子式耐衝撃性測定装置により、衝撃吸収エネルギーを
測定するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の方法は比較的耐衝撃性のあるフィルムにとって、等
級づけや測定に好適ではあっても、耐衝撃性の比較的小
さいフィルム、例えば極薄の未延伸ないし配向の少ない
フィルムや、一軸延伸フィルムの延伸と並行した方向の
耐衝撃性等の衝撃強度の低いものの測定には不向きであ
る。
【0004】なぜなら、落錘試験では、錘を軽くする必
要が生じ、これにより錘のフィルムへの当たりのバラツ
キが大きくなり、測定結果を左右してしまう。しかもこ
の方法では評価は等級づけ程度となり、測定値としての
精度に劣る。
【0005】また定量性に優れるとみなされてきた従来
の振子式の測定に於ても、耐衝撃性の低いフィルムの測
定には限界があることが分かった。その原因は、従来の
振子式耐衝撃性測定装置の構造上宿命的とも言える。す
なわち、この装置の構造は、「振りおろされた振子先端
の衝撃刃がフィルム片を切断した後、振子はその残余エ
ネルギーで指針と共に振り上がる。従って指針(振子)
が振上がった角度が小さい程、フィルム切断に多くのエ
ネルギーが費やされたことになる。」という原理に基づ
くものであるが、ここで、試験フィルム片が弱いものだ
とすると、重い振子ではフィルム切断後の振り上り角に
測定し得る程の有意差が生じない。そこで軽い振子を用
いる場合、フィルム切断後の振子の振上りにつれ添って
振上るべき指針は、極めて軽量でかつ軽い力で動く(振
上り時に摩擦が少ない)ものでなければならない。とこ
ろが、このような状況にて測定を行なったところで、現
実には指針の振上り角は振子の振上り角と等しくはなら
ない。場合によっては指針はその軸のまわりを1回転廻
り切ってしまうことが多い。この原因は振子と指針が完
全弾性衝突をしていると考えれば明白である。例えば、
1次元の完全弾性衝突の場合、静止している物体に、こ
れより相対的にかなり重たい物体が衝突した時、静止し
ていた物体は衝突した物体の倍の速度ではね飛ばされ
る。この静止していた物体が、ここでは指針に相当す
る。指針は軽いばかりでなく、すべり摩擦も低減してあ
るなら、一定角度速度で廻り続けることになる。このよ
うな現象を回避するために、実際の振子式試験機では指
針に相当な摩擦力を与え、衝突時の初速度をおさえてい
る。従って必要条件として、指針の摩擦力が無視できる
程、慣性力のある重い振子を用いなければならないので
ある。
【0006】以上のように、落錘試験法や従来の振子式
試験法では衝撃強度の低いフィルムの測定には不向きで
あり、これを測定するためには、大量のサンプルを使
い、それを束ね、又は積層して測定に用いてきた。この
ような測定では、実用上一枚づつ用いられるべきフィル
ムが有する、薄いがゆえの特有な物性を評価するには不
適当である。
【0007】本発明の目的は、かかる従来の方法及び装
置の課題を解決し、フィルム、特に耐衝撃性の低いフィ
ルムの耐衝撃性評価を、極めて少量のサンプルを用いて
正確に行ない得る測定装置及び測定方法を提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のフィルムの耐衝
撃性測定装置は、試験すべきフィルム片の支持部材と、
一端に水平回転軸を有し他端にフィルム切断部材を保持
した振子とを備えた振子式耐衝撃性測定装置において、
前記切断部材がフィルムを切断した直後の振子の角速度
又は一定角度を通過する時間を測定する手段が設けられ
ていることを特徴とするものである。
【0009】本発明の装置において、前記測定された振
子の角速度又は一定角度を通過する時間から、フィルム
片の切断に要したエネルギー量又はその比例量を算出す
るための手段を設けることができる。
【0010】本発明のフィルムの耐衝撃性測定方法は、
上記装置を用いるものであり、支持部材に固定された試
験すべきフィルム片を、一端に水平回転軸を有し他端に
フィルム切断部材を保持した振子の前記切断部材により
切断する振子式耐衝撃性測定方法において、前記切断部
材がフィルムを切断した直後の振子の角速度又は一定角
度を通過する時間を測定することを特徴とするものであ
る。
【0011】本発明の方法において、前記測定された振
子の角速度又は一定角度を通過する時間から、フィルム
片の切断に要したエネルギー量又はその比例量を算出す
ることができる。
【0012】以下、本発明について詳しく説明する。
【0013】請求項1に記載の本発明の測定装置におい
て、振子の角速度又は一定角度を通過する時間を測定す
る手段としては、例えばフォトインタラプターとセクタ
ーの組合せのような光透過型センサー、光反射型センサ
ーとミラーの組合せのようなもの、小型磁石とホールセ
ンサーの組合せのような磁気センサー等を挙げることが
できる。本発明の装置においては、このようなセンサー
を、フィルム切断部材がフィルムを切断した直後の振子
の角速度又は一定角度を通過する時間を少なくとも測定
できるように、少なくとも一ケ所に設けることができ
る。そして、このセンサーの出力を表示、又は計測する
装置を有している。
【0014】本発明の振子式測定装置は、振子の角速度
又は一定角度を通過する時間を測定する手段が設けられ
ているので、従来の振子式測定装置のようにフィルム切
断後の振子によって指針を動かす必要がなく、振子はフ
ィルム切断用のみにそのエネルギーを費やされ、従来の
ように指針を動かすために生ずるエネルギーロスがなく
なる。その結果、より正確な測定データが得られると共
に、フィルム切断部材を含めた振子全体を軽量化するこ
とにより、耐衝撃性の低いフィルムの耐衝撃性評価を
も、一枚のフィルム試験片を用いて極めて正確に行なう
ことができる。
【0015】耐衝撃性の低いフィルムの測定を行なう場
合の本発明の装置では、従来の振子式測定装置に比べ、
フィルム切断部材を含めた振子全体を軽量化している。
もしこの軽量化された振子で従来装置の指針を用いた場
合、前述の理由により測定できない。本発明者らは、軽
量化された振子の重さでも測定できるような指針も作成
したが、極めて脆弱であり、日常的測定には耐久性に懸
念があり不向きである。すなわち、請求項2に記載の本
発明装置においては、前記測定された振子の角速度又は
一定角度を通過する時間から、フィルム片の切断に要し
たエネルギー量又はその比例量を算出するための手段と
して、指針と角度目盛板とを含む指示装置が設けられて
いるものであるが、この指示装置は装置較正用に専ら用
いられるものである。このような指針と角度目盛とを含
む指示装置は、実際の試験フィルム片の測定を行なう場
合には、本装置本体から取り外されている方が操作上好
ましい。
【0016】請求項3及び4に記載の本発明のフィルム
の耐衝撃性測定方法は、上記請求項1または2項に記載
の装置を用いるものである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
【0018】図1は、本発明の装置の一部切り欠き全体
斜視図である。図2は、図1の装置のII−II線に沿う部
分縦断面図である。なお、図面の説明において、図2の
左右をそれぞれ装置の前後、図2紙面の手前側および向
こう側をそれぞれ装置の右、左とする。
【0019】図1および図2において、フィルムの耐衝
撃性測定装置は、試験すべきフィルム片(6) の支持部材
(5) と、一端に水平回転軸(15)を有し他端にフィルム切
断部材(2) を保持した振子(1) とを備え、フィルム切断
部材(2) がフィルム(6) を切断した直後の振子(1) の角
速度又は一定角度を通過する時間を測定する手段(7,8)
が設けられている。振子(1) は、回転体(17)に長さ調節
が可能なように取り付けられている。
【0020】フィルム切断部材(2) は振子(1) の先端に
位置するが、同部材(2) は測定の応用範囲が広がるよう
に、アタッチメント(2a)を介して様々なものに取り換え
可能なものである。例えば、切断部材(2) として丸棒(2
c)(図4参照)や角棒型のものを用いるとフィルムを引
きちぎるような破壊を行なうことができ、また、切断部
材(2) としてカッター刃(2b)やかみそり刃等を取りつけ
て、フィルムの高速切断を行なうこともできる。そして
切断部材(2) の重量を変えるか、又は追加ウェイトを同
部材(2) に取りつけることで、加える衝撃の強さを変え
ることができる。振子(1) は回転体(17)の上下取付け部
(17a)(17b)においてその長さを変えられるものであり、
長さ可変とすることで、加える衝撃のスピードを変化さ
せることができる。フィルム片支持部材(5) は、フィル
ムの様々な方向から衝撃を加えられるような自由度のあ
るものが良く、例えば、ネジ型ピンチコックである。ま
たサンプルのフィルム片(6) にもノッチを入れたり、一
定量たわめて支持部材(5) にセッティングすること等に
より、切断や伸長の効果を加えた切断様式とすることが
できる。このように様々な切断様式にすることで、フィ
ルムの特徴である切断様式による耐衝撃性の多様性(材
質、ポリマーブレンドの分散性、分子配向性、結晶性、
粘弾性、ガラス転移温度、添加剤、フィラー等によって
大きく変わる)に対応することができる。
【0021】フィルム切断部材(2) がフィルム(6) を切
断した直後の振子(1) の角速度又は一定角度を通過する
時間を測定する手段(7,8) としては、例えばフォトイン
タラプター(7) とセクター(8) の組合せのような光透過
型センサー、光反射型センサーとミラーの組合せのよう
なもの、小型磁石とホールセンサーの組合せのような磁
気センサー等を挙げることができる。本発明の装置にお
いては、このようなセンサーを、フィルム切断部材がフ
ィルムを切断した直後の振子の角速度又は一定角度を通
過する時間を少なくとも測定できるように、少なくとも
一ケ所に設けることができる。またこれらセンサーをア
レイ状に並べて振子運動を準連続量として検出し、振り
上り角を直読することも可能である。
【0022】図1および図2の例では、水平回転軸(15)
の後部にセクター(8) が取り付けられ、回転軸支持基板
(18)下部の水平板部(18a) 上にフォトインタラプター
(7) が取り付けられている。このように、振子(1) の回
転と共にセクター(8) が回転し、セクター(8) の角速度
又は一定角度を通過する時間をフォトインタラプター
(7) で検知することによって、振子(1) の角速度又は一
定角度を通過する時間を測定することができる。
【0023】この詳細を図3を用いて説明する。図3a
は、図1の装置におけるセクター(8) のフォトインタラ
プター(7) への入射の様子を示す部分透視正面図であ
り、図3bは、図1の装置におけるフィルム(6) の切断
の様子を示す部分正面図である。図3bは、振子(1) の
鉛直位置で切断部材(2) のカッター刃(2b)が、フィルム
(6) を切断しようとしている状態である。この後、振子
(1) がさらに左に振れてフィルム(6) を切断し終わった
時に、セクター(8) がフォトインタラプター(7)に入射
するようにセッティングすることができる。
【0024】そして、本発明の装置は、このセンサーの
出力を表示、又は計測する装置を有している。すなわ
ち、これらの出力を、必要に応じてバッファーアンプや
ゲインのあるヘッドアンプを介して計測機につなぐ。こ
の計測機としては、例えば、シグナルをデジタル回路で
適当なパルス列として処理することができる。振子の入
射、出射をパルス化し、その間をデジタルカウンターで
数えることができる、カウンター出力をBCDコードで
出力してもよい。また16進カウンターで出力し、コン
ピューターのポートに継ぐこともできる。一方センサー
をアナログ出力として、振子の入射又は出射の出力〜時
間の傾きを微分回路を通し、その出力を検出したり、デ
ジタル化してデーター処理してもよい。これら信号処理
はここに揚げた方法に限られるものではない。
【0025】また、本発明の装置においては、図1に示
したように、振子のスタート装置(13)を備えることもで
きる。図5はこのスタート装置(13)の詳細を示すもので
あり、図5aはスタート装置(13)の縦断面図であり、図
5bはスタート装置(13)の分解斜視図である。スタート
装置(13)は、振子保持溝(13e) が形成された固定軸(13
a) と、固定軸(13a) に外接する鍵型溝(13f) が形成さ
れた円筒体(13b) すなわちスタートボタン(13b) と、円
筒体(13b) を前方に付勢するスプリング(13c) と、固定
軸(13a) を固定するナット(13d) とにより構成される。
固定軸(13a) は、回転軸支持基板(18)の前方張出し垂直
板部(18b) に形成された固定軸支持孔(18c) にナット(1
3d) により水平状態に固定されている。図5aのように
振子(1) を水平状態に保持し、円筒体(13b) を後方に押
し込めば、振子(1) が重力により運動を開始する。
【0026】また、本発明の装置においては、図1に示
したように、板バネ体からなる振子キャッチャー(14)を
備えることもできる。すなわち、本発明装置では振子
(1) の振上り角度を直接測定するものではないので、装
置の較正時や、装置定数を求める時以外は、振子(1) は
振上り切る必要はなく、セクター(8) がフォトインタラ
プター(7) を通過した後にキャッチャー(14)でブレーキ
をかけ、更に振子(1) が逆方向に戻るのを止めることが
できる。これにより、セクター(8) がフォトインタラプ
ター(7) を逆向きに再度通過するのを防ぐことができ、
又測定能率が向上する。
【0027】上記装置において、振子(1) をスタート装
置(13)に保持し、スタートボタン(13b) を後方に押し込
めば、振子(1) が水平状態から運動を開始する。そし
て、フィルム切断部材(2) がフィルム(6) を切断した直
後の振子(1) の角速度又は一定角度を通過する時間を、
フォトインタラプター(7) とセクター(8) によって測定
する。振子(1) はキャッチャー(14)でブレーキをかけら
れる。このように、本発明装置では、振子(1) の角速度
又は一定角度を通過する時間を測定することにより、フ
ィルム(6) の耐衝撃性を測定することができる。
【0028】次に、測定された振子の角速度又は一定角
度を通過する時間から、フィルム片の切断に要したエネ
ルギー量又はその比例量を算出するための手段が設けら
れている、請求項2に記載の本発明装置について、図6
および図7を参照して説明する。
【0029】この装置は、上記図1の装置から、振子キ
ャッチャー(14)を取り外し、振子(1) の振り上がり角
(α)を示す指針(9) 、角度目盛板(10)、および指針の
角度読み取りの目の位置を決める鏡(11)が備えられてい
るものである。指針(9) は、振子(1) が取り付けられて
いる回転体(17)の後方面に形成された突条作用片(19)が
当たることにより振り上がり、ワッシャー(16)の作用に
より振り上がった角度位置に止まるように成されてい
る。
【0030】この装置は、以下に述べるように装置較正
用に専ら用いられるものである。実際の試験フィルム片
の測定を行なう場合には、上記請求項1記載の装置を用
いることが好ましい。
【0031】フィルムの切断に要したエネルギーの求め
方は、フィルムを切断した後の振子の振り上り角(α)
によって求められる。例えば、先端部にその重量のほと
んどを有する振子(1) を水平状態から自然に重力で振り
おろし、鉛直位置でフィルムを切断し終り、、そこを0
度として振上る角をαとすると、位置エネルギーからフ
ィルム切断エネルギーが費やされたことを考えると、フ
ィルム切断エネルギーEは、
【数1】 で表わされる。ここで、M;切断部のウエイト、g;重
力加速度、l;振子長さである。
【0032】従来の振子式試験機ではこのαを指針にて
直読していた。
【0033】本発明の振子式試験法は、振子がフィルム
を切断した後の振子の角速度や、一定角度内を通過する
時間、時刻をもとに振子の振上がり角を予測計算し、又
は較正曲線を用いることでフィルム切断エネルギーEを
求めるものである。
【0034】一般に複振子や、大振幅の単振子の運動方
程式は、
【数2】 で表わされる。ここで、θ;振幅角、ψ;振子の角度位
置である。従って、振子がフィルムを切断した後の沿直
位置(ψ=0)での振子の角速度ωψが求まれば、αす
なわち振上がり角も求まることになる。一方、運動方程
式(数式2)の解は、Jacobiの楕円関数を用いて
表わされる。
【0035】
【数3】 (ここではε=0)この数式よりある特定の振子の角度
位置ψを通過する時刻tを求めれば、αすなわち振上が
り角も求まることになる。これらの計算は別途計算によ
っても可能であるが、例えばセンサーからの出力をコン
ピューターに即時取り込み数値計算したり、コンピュー
ター内に数値表(例えば楕円関数表、較正曲線のデータ
表等)を入力しておき、取り込まれたデータから振子の
振上り角αやフィルム切断エネルギー値までを引き出し
ても良い。ここで√(g/l)の値を特定する方法とし
ては、フィルムサンプルをつけない空の状態で振子を振
らせて得られたωψ〜θ、ψ〜tの関係から求められ
る。また、フィルムをつけずに振子を小振幅の振動状態
とし、そのときの周期Tとすると、
【数4】 から求めてもよい。また、Bordaの振子の式から数
式4を更に高次項まで求めることもできる。
【0036】以上のように、本発明によれば、主に複振
子(大振幅の単振子)の式及び測定値を用いて計算及び
又は実験により、フィルム切断エネルギーを算出するこ
とができ、この耐衝撃性測定方法を用いることで従来の
振子式試験機の欠点であった指針を必要としなくなる。
【0037】
【実施例】さらに、本発明の実施例を示す。
【0038】[実施例1]図1および図2の装置におい
て、振子(1) として直径3mmの約350mm長のステ
ンレス棒を用いている。また、振子(1) の周囲にはテス
ト時の微小振動を低減するために、塩化ビニル製熱収縮
チューブを被せてある。振子(1) の水平回転軸(15)の軸
受として、極小ボールベアリング入り軸受け(レコード
プレーヤー用トーンアームの軸受け)を用いた。フィル
ム切断部材(2) として、アタッチメント(2a)を介してN
Tカッター刃(2b)を適当な角度で取り付けてある。この
刃(2b)はテスト時にねじれぬよう、犂(すき)型をして
いる。フィルム片支持部材(5) はネジ型ピンチコックで
あり、この間にサンドペーパーを滑り止めとして挾んで
ある。サンプルフィルム(6) は幅約30mm以下のもの
である。(7) はフォトインタラプターとヘッドアンプの
ユニットであり、このヘッドアンプはトランジスター1
石程度のもので、ゲインを持たせ、バッファーと波形整
形、インバーターの役割を兼ねている。セクター(8) は
振子(1) の水平回転軸(15)に固定され、振子(1) と共に
振れる。ここでは振子(1) がサンプルフィルム(6) を切
断した直後に、セクター(8) がフォトインタラプタ(7)
に入射するようにセッティングしている。この入射タイ
ミングや、セクター(8) の角度δは適当に変えることが
できる。セクター(8) の角度を小さくすると、振子(1)
の角速度を求めることができる。(12)はデジタルカウン
ターストップウォッチである。カウンター用IC555
の100KHzの発振をカウンター用LSIでカウント
する。IC555の種類によっては1MHzまで発振で
きる。このカウントのスタートとストップを、セクター
(8) がフォトインタラプター(7) を通過することで生ず
る信号の立上り、立下がりによって行なう。
【0039】この装置において、振子(1) をスタート装
置(13)に保持し、スタートボタン(13b) を後方に押し込
めば、振子(1) が水平状態から運動を開始する。そし
て、フィルム切断部材(2) のNTカッター刃(2b)がフィ
ルム(6) を切断した直後に、セクター(8) がフォトイン
タラプタ(7) に入射し、振子(1) の角速度又は一定角度
を通過する時間を測定することができる。その後、振子
(1) はキャッチャー(14)でブレーキをかけられる。
【0040】[実施例2]図6および図7の装置におい
て、指針(9) は、ヘラ鮒釣用浮子の極細トップのチュー
ブラー物か又はグラスファイバーコンポジット製のもの
である。また、指針(9) には、軸をはさんでモーメント
のつり合いをとるため、カウンターウエイト(9a)として
極小のプラスチック製ウェイトをつけてある。そしてテ
スト時の指針の初速を抑えるため、真鍮箔の極薄ワッシ
ャー(16)を重ねて水平回転軸(15)に取り付ける。ここで
は、振子キャッチャー(14)を取り外してある。
【0041】[実施例3]上記実施例2の装置を用い
て、実験的方法に基ずく本発明の方法により、耐衝撃性
測定を行なった結果を図8および図9を参照して例示す
る。
【0042】ここでは、耐衝撃性の異なる様々なフィル
ムを測定サンプルとして用いた。図8のグラフは、各フ
ィルムを切断し、その都度、セクター(8) のフォトイン
タラプタ(7) 通過時間及び指針(9) の振上り角(α)と
をプロットしている。図8のグラフは、図8のグラフの
各プロット点の振上り角(α)のcosαを計算し、フ
ィルム切断エネルギー比例量として再プロットしたもの
である。
【0043】従って、図9のグラフを一度作成すれば、
セクターの通過時間さえ測ればフィルム切断エネルギー
比例量が求まるので、フィルムの耐衝撃性の評価ができ
る。すなわち、フィルム切断エネルギー比例量としての
cosαに、その時の装置条件である実効的ウエイト;
Mおよび実効的振子長;lと、重力加速度gとを乗じ、
前記数式1よりフィルム切断エネルギーEを求めること
ができる。図9のグラフ作成後は、指針(9) 等の指示装
置を取り去り、すなわち、上記実施例1の装置を用い
て、セクター(8) の通過時間のみを測定することによ
り、耐衝撃性の評価を行うことができる。
【0044】[実施例4]計算的方法に基ずく本発明の
方法により、耐衝撃性測定を行なった例を示す。
【0045】まず、上記実施例1の装置を用いて、装置
定数を求めるため、フィルムサンプルを取付けずに空で
振子(1) を振らせ、セクター(8) の通過時間を求めた。
t=1.8525×10-2(sec)、ただしセクター
幅角δ12.9(deg)である。数式3に、θ=90
deg、ψ=δ=12.9deg、t=1.8525×
10-2secを代入して、
【数5】 次に、上記実施例1の装置を用いて、フィルムサンプル
を取り付け、フィルムの耐衝撃性測定を行ない、セクタ
ー(8) の通過時間が3×10-2(sec)であったとす
ると、
【数6】 となる。このcosαから、フィルム切断エネルギーE
を求めることができる。ここで、図8のcosαより大
きく見積られる原因としては、図8および図9のグラフ
を作成するのに用いた実施例2の装置の指針(9) のダン
ピングが不足気味で、振子(1) との衝突による飛び出し
が、αの中域のところで完全に防止されていないためだ
と考えられる。
【0046】[実施例5]また、別の計算法の例を示
す。実施例1の装置を用いて実施例4と同様の測定を行
なったとして、数式3を考える。ここでψ=δ=12.
9(deg)、t=3×10-2(sec)、√(g/
l)=8.583とすると
【数7】 と求めることができる。
【0047】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の測定装置及
び測定方法を用いれば、従来測定できなかったような耐
衝撃性の低いフィルムの耐衝撃性を、極めて少ない枚数
のサンプルを用いて測定することができる。また、測定
条件を統一してフィルムの品質評価を行なうばかりでな
く、フィルムの切断や破壊の様式を変えることで、フィ
ルムの破壊現象の研究や固体物性の研究に応用すること
ができる。そして、本発明の測定装置は、簡単な構造で
あり、極めて低コストで作成できるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の装置の一部切り欠き全体斜視図であ
る。
【図2】図1の装置のII−II線に沿う部分縦断面図であ
る。
【図3】図3aは、図1の装置におけるセクターのフォ
トインタラプターへの入射の様子を示す部分透視正面図
である。図3bは、図1の装置におけるフィルムの切断
の様子を示す部分正面図である。
【図4】本発明の装置における切断部材の変形例を示す
図である。
【図5】本発明の装置における振子のスタート装置を示
す図であり、図4aはスタート装置の縦断面図であり、
図4bはスタート装置の分解斜視図である。
【図6】本発明の装置の正面図である。
【図7】図5の装置のVII −VII 線に沿う縦断面図であ
る。
【図8】指針の振上り角(α)VS. セクターの通過時間
(×10−2秒)を表わすグラフである。
【図9】セクターの通過時間(×10−2秒)VS. co
sαを表わすグラフである。
【図10】楕円関数(JacobiのSn関数)を楕円
関数表からプロットしたグラフである。uが小さいと
き、Sn(u,k2 )はuにほぼ等しい。k2 =0〜
0.5で、Sn(u,k2 )は大きな変化なし。
【符号の説明】
(1) …振子 (2) …フィルム切断部材 (3) …フィルム切断部アタッチメント(丸棒) (5) …フィルム支持部材 (6) …フィルム片 (7) …フォトインタラプター及びヘッドアンプユニット (8) …セクター (9) …指針 (10)…角度目盛板 (11)…鏡 (12)…デジタルカウンターストップウォッチ (13)…振子スタート装置 (14)…振子キャッチャー (α)…振子の振上り角度 (ψ)…振子の角度位置 (δ)…セクターの幅角
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 利武 滋賀県大津市堅田2丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試験すべきフィルム片(6) の支持部材
    (5) と、一端に水平回転軸(15)を有し他端にフィルム切
    断部材(2) を保持した振子(1) とを備えた振子式耐衝撃
    性測定装置において、前記切断部材(2) がフィルム(6)
    を切断した直後の振子(1) の角速度又は一定角度を通過
    する時間を測定する手段(7,8) が設けられていることを
    特徴とする、フィルムの耐衝撃性測定装置。
  2. 【請求項2】 前記測定された振子の角速度又は一定角
    度を通過する時間から、フィルム片の切断に要したエネ
    ルギー量又はその比例量を算出するための手段が設けら
    れていることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
  3. 【請求項3】 支持部材(5) に固定された試験すべきフ
    ィルム片(6) を、一端に水平回転軸(15)を有し他端にフ
    ィルム切断部材(2) を保持した振子(1) の前記切断部材
    (2) により切断する振子式耐衝撃性測定方法において、
    前記切断部材(2) がフィルム(6) を切断した直後の振子
    (1) の角速度又は一定角度を通過する時間を測定(7,8)
    することを特徴とする、フィルムの耐衝撃性測定方法。
  4. 【請求項4】 前記測定された振子の角速度又は一定角
    度を通過する時間から、フィルム片の切断に要したエネ
    ルギー量又はその比例量を算出することを特徴とする、
    請求項3に記載の方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108387461A (zh) * 2018-03-22 2018-08-10 东北大学 一种落锤式动力冲击试验机及试验方法
KR20200130640A (ko) * 2019-05-10 2020-11-19 헝디엔 그룹 인누어보 일렉트릭 컴퍼니 리미티드 케이스 어셈블리 강도 테스트장치

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108387461A (zh) * 2018-03-22 2018-08-10 东北大学 一种落锤式动力冲击试验机及试验方法
CN108387461B (zh) * 2018-03-22 2024-05-07 东北大学 一种落锤式动力冲击试验机及试验方法
KR20200130640A (ko) * 2019-05-10 2020-11-19 헝디엔 그룹 인누어보 일렉트릭 컴퍼니 리미티드 케이스 어셈블리 강도 테스트장치

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