JPH0954036A - Cr濃度計 - Google Patents

Cr濃度計

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JPH0954036A
JPH0954036A JP20976995A JP20976995A JPH0954036A JP H0954036 A JPH0954036 A JP H0954036A JP 20976995 A JP20976995 A JP 20976995A JP 20976995 A JP20976995 A JP 20976995A JP H0954036 A JPH0954036 A JP H0954036A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の6価クロム濃度計の測定範囲は0〜1
ppm で、メッキ工場等での廃液処理設備における高濃度
廃液には直接オンラインで使用することができない。こ
のため、6価クロムを3価クロムに還元するための還元
剤の投入量等は廃液の色に基づく運転員の経験に頼って
おり、この結果、還元剤の過剰投入になりがちで、効率
的な廃液処理が行われない。 【解決手段】 吸光度検出方式を採用した6価クロム濃
度計30における光源35を、6価クロム溶液での吸光
度がピークになる近紫外領域での波長から、青色側に偏
倚した波長(450nm)を中心波長とする光を出射する青色
発光ダイオードで構成する。これにより、測定範囲を0
〜4000ppm の広い範囲とすることができ、廃液処理設備
に適用が可能となって廃液処理効率を向上することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばメッキ工場
における廃液処理設備で処理される廃液などに含まれる
6価クロム濃度を測定するためのCr濃度計に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】鉄鋼、自動車、電子産業等ではクロムメ
ッキが多用される。これらメッキ工場から排出される廃
液中の6価クロムは人体に有害なため、公共水域に放流
する際の濃度が、水質汚濁防止法により環境基準値0.05
mg/リットル(0.05ppm)以下に規制されている。
【0003】現在、上記の環境基準値近傍での6価クロ
ム濃度を測定するために、測定範囲が0〜1ppm の低濃
度領域の6価クロム濃度計(以下、Cr濃度計と略記す
る)が実用化されている。この濃度計は、図11に示すよ
うな吸光度測定方式に基づく構成を有し、廃液80が注入
されるガラス容器から成る光学セル81が設けられると共
に、この光学セル81を挟んで、例えば水銀ランプから成
る光源82と受光器83とが配置されている。そして、光学
セル81に注入される廃液80にジフェニルカルバジド試薬
を添加して発色反応を生じさせ、これに、中心波長540n
m の光を光源82から照射し、この光を光学セル81に透過
させたときの受光器83での受光強度から、廃液中の6価
クロム濃度を測定するようになっている。
【0004】一方、前記のメッキ工場等における廃液処
理設備での処理プロセスについて、本発明の説明図であ
る図2を参照して説明すると、各工場からの通常数百〜
数千ppm の高濃度の6価クロムを含む廃液がメッキ廃水
槽1・2に受け入れられ、その後、一次pH調整槽3に送
られて硫酸が添加されpHが調整される。次いで、還元槽
4に送られ、ここで、還元剤としての重亜硫酸ソーダが
注入されて6価クロムが無害な3価クロムに還元され
る。その後、二次・三次pH調整槽5・6にて注入される
水酸化ナトリウムで中和処理が行われ、3価クロムは水
に不溶性の水酸化クロムとなる。これが、次の沈澱槽7
にて沈降分離される。
【0005】分離されたクロムは、その他の亜鉛や鉄な
どの金属と共にスラッジ貯槽に回収される一方、沈澱槽
7の上澄水が次段の集合原水槽に送られ、濃度の確認を
行ったうえで放流される。このような廃液処理プロセス
において、前記のCr濃度計は、最終的な放流直前での濃
度測定に使用される。しかしながら、処理途中の廃液に
対しては、その濃度が測定範囲から大きく逸脱するた
め、上記のCr濃度計での直接的な測定は不可能である。
一方、高濃度領域の測定が可能なCr濃度計は現在まで実
用化されておらず、このため、廃液処理の途中のプロセ
スでは、化学分析などによる定期的な濃度測定が行われ
るものの、日常的な条件設定は、上記の濃度測定結果を
目安としながら運転員によって試行錯誤的に行われてい
る。例えば、廃液は6価クロム濃度に応じて黄色の色合
いを呈することから、一次pH調整槽3の廃液の色を目視
により観察して濃度を推定し、また、還元槽4での還元
処理後の液の状態から反応状態を観察して、単位時間当
たりの処理量や、還元槽4への重亜硫酸ソーダなどの薬
剤の注入量が調整されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように廃液処理のプロセス条件を運転員の目視観察に基
づいて行ったのでは、6価クロム濃度の正確な把握が困
難であるために、薬剤の過剰投入が行われがちになり、
このため、廃液処理コストが高くなるという問題を生じ
ている。
【0007】また、運転員にとっても、目視による監視
を度々行わなければならず、しかも、例えば強風時に廃
液飛散に対する注意も払いながら廃液槽を上方から覗き
込むという過酷な作業でもあり、その作業性の向上が望
まれている。そこで、例えば一次pH調整槽3での6価ク
ロム濃度を前記したCr濃度計で測定し、その測定結果に
応じてプロセス条件の設定を行うようにすることが考え
られる。しかしながら、この場合、上記のCr濃度計にお
ける0〜1ppm の測定範囲に入るように、予め測定対象
の廃液を希釈する前処理が必要となる。このとき、対象
廃液の濃度は大きく変動するために希釈度合いが不明で
あり、このため、例えば廃液サンプルを種々の希釈度で
希釈し、これらを順次測定するなどの作業が必要になっ
て長時間を要すると共に、作業が極めて煩雑になる。
【0008】また、上記Cr濃度計では、前記したよう
に、試薬を加え発色反応後測定する方式であるため、試
薬の管理費等も必要になって運用コストの高騰を招来す
る。本発明は、上記した従来の問題点に鑑みなされたも
ので、その目的は、前記した廃液処理設備などに容易に
適用し得るように、被測定対象液中の6価クロム濃度の
測定が高濃度領域まで可能であると共に、測定の信頼性
に優れ、また、取扱いが容易でコスト的にも有利なCr濃
度計を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の請求項1のCr濃度計は、6価クロム溶液
における吸光度がピークになる近紫外領域での波長から
青色側に偏倚した波長を中心波長とする光を出射する投
光手段と、投光手段から出射されて溶液を透過した光を
受光する受光手段と、受光手段から受光量に応じて出力
される強度信号に基づき溶液中の6価クロム濃度に応ず
る信号を出力する信号処理手段とを備えていることを特
徴としている。
【0010】このように溶液での吸光度から濃度を求め
る場合、透過光の強度は濃度と吸光度係数との積に対し
て指数関数的に低下する。つまり、吸光度係数が小さい
と、濃度が高くなっても透過光強度の低下の度合いが小
さくなる。そこで上記では、6価クロム溶液における吸
光度係数が適度に小さくなる波長の光、すなわち、吸光
度がピークになる近紫外領域での波長領域から青色側に
偏倚した波長の光を出射する投光手段を設け、この光に
対する6価クロム溶液の吸光度を検出する。これによっ
て、より高濃度域まで、濃度変化に応じた透過光強度の
変化を検出することが可能となる。この結果、例えば0
〜4000ppm の広い測定範囲を有するCr濃度計として構成
することができる。
【0011】請求項2のCr濃度計は、投光手段に設けら
れる光源が、450nmを中心波長とする光を出射する
青色発光ダイオードから成ることを特徴としている。こ
のように青色発光ダイオードを光源として用いることに
より、小形化や軽量化、さらに長寿命化が図れ、安価で
取扱いの容易な装置構成とすることができる。請求項3
のCr濃度計は、投光手段に設けられる光源に所定の周波
数の高周波電圧を印加して出射光を点滅させる高周波電
源が設けられると共に、受光手段からの強度信号から上
記周波数成分の信号を抽出するバンドパスフィルタが前
記信号処理手段に設けられていることを特徴としてい
る。
【0012】このように光源からの出射光を点滅させ、
この点滅光での吸光度に基づいてCr濃度の検出を行うこ
とにより、例えば屋外で使用する場合等における外乱光
の影響が防止され、この結果、より精度の高い検出を行
うことができる。請求項4のCr濃度計は、投光手段を収
納する投光ハウジングと受光手段を収納する受光ハウジ
ングとが所定の間隔で配置されると共に、これら両ハウ
ジングがそれぞれ水密構造で形成されていることを特徴
としている。
【0013】このように水密構造であることにより、両
ハウジングを例えば廃液処理槽中の廃液に直接浸漬させ
て連続測定することが可能になる。したがって、廃液処
理槽から廃液を別途測定用の光学セルに導いて測定する
ような構成とする必要はなく、従来の廃液処理槽等にそ
のまま適用できるので、運用コストが低減されると共に
操作性が向上する。特に、光源が発光ダイオードから成
る構成では、この光源を作動させるために高電圧を印加
する必要はないので、安全性も充分に確保される。
【0014】請求項5のCr濃度計は、前記受光手段から
の強度信号に基づく信号を検量線データと比較して濃度
値に変換し出力するデータ変換手段が前記信号処理手段
に設けられていることを特徴としている。このように、
濃度値に変換されて出力されることにより、溶液中の濃
度が直接的に把握できるので、例えば異常の発生などに
もすぐに対応でき、監視作業が容易になる。
【0015】請求項6のCr濃度計は、吸光度が6価クロ
ム濃度に影響されない波長の光を出射する参照光光源
と、この参照光光源から出射されて溶液を透過した後の
光を受光する参照光受光手段とがさらに設けられ、前記
信号処理手段が前記受光手段と参照光受光手段とから各
々出力される強度信号に基づいて溶液中の6価クロム濃
度に応ずる信号を出力することを特徴としている。
【0016】このように参照光を用いれば、溶液中の粉
塵等による光の散乱に基づく受光手段での強度信号の低
下も、上記の参照光との比較で補正でき、これによっ
て、前述の廃液処理設備等においても信頼性の高い測定
を行うことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態を説明する。初めに、廃液処理設備の一例につ
いて図2を参照して説明する。同図は、各種鋼材を製造
する鉄鋼製造場での廃液処理設備の構成を示している。
この廃液処理設備では、多くの表面処理工場や冷延工場
から排出される廃液を受け入れ、その中に含まれる有害
な6価クロムを無害な3価クロムに還元して沈澱させる
処理が行われる。このために、まず、受け入れ槽とし
て、6価クロム濃度が1000ppm を超える高濃度の廃液を
溜める濃厚メッキ廃水槽1と、6価クロム濃度が100ppm
程度の廃液を溜める一般メッキ廃水槽2とが設けられて
いる。濃厚メッキ廃水槽1中の廃液は、少量ずつ一般メ
ッキ廃水槽2に送られ、この廃水槽2の廃液で希釈され
て、この廃液と共に以降の処理が行われる。
【0018】一般メッキ廃水槽2からの廃液はまず一次
pH調整槽3に送られ、この槽3にて、後述する還元反応
促進のために硫酸が添加されてpHが2〜3程度に調整さ
れる。次いで、還元槽4に送られ、ここで、還元剤とし
ての重亜硫酸ソーダが注入され、下記の反応式に示す
ように、6価クロムが3価クロムに還元される。 4H2CrO4+6NaHSO3 +3H2SO4→2Cr2(SO4)3+3Na2SO4
+10H2O 還元後、二次・三次pH調整槽5・6にて注入される水酸
化ナトリウム等のアルカリ剤で中和処理が行われ、下記
式で示すように、3価クロムは水に不溶性の水酸化ク
ロムとなる。
【0019】 Cr2(SO4)3+6NaOH →2Cr(OH)3+3Na2SO4 この析出物を除去するために助剤をさらに注入して次の
沈澱槽7に送ることにより、上記の水酸化クロムはこの
沈澱槽7にて沈降分離される。沈降したクロム化合物
は、その他の亜鉛や鉄などの金属と共にスラッジ貯槽に
回収される一方、沈澱槽7の上澄水が次段の集合原水槽
に送られ、最終的な濃度の確認を行ったうえで放流され
る。
【0020】なお、上記の一次pH調整槽3と、二次・三
次pH調整槽5・6とにはそれぞれpH計8・9・10が設置
され、これらpH計8・9・10での検出値に応じて、一次
pH調整槽3への硫酸供給量、二次・三次pH調整槽5・6
へのアルカリ剤供給量が制御される。なお、還元槽4に
は還元電位計(ORP計)11が設置され、これにより、この
槽4内における還元反応の進行度合いを監視できるよう
になっている。
【0021】上記した一次pH調整槽3には、さらに、廃
液中の6価クロム濃度を検出するCr濃度計30が設置され
ている。この濃度計30での検出濃度に応じて、濃厚メッ
キ廃水槽1から一般メッキ廃水槽2への廃液の送り出し
量が流量調整弁12にて行われると共に、一般メッキ廃水
槽2から一次pH調整槽3への廃液の送り出し量、すなわ
ち、単位時間当たりの廃液処理量の調整が流量調節弁13
にて行われる。さらに、上記のCr濃度計30での検出濃度
に応じて、還元剤供給ラインに介設されている流量調節
弁14の開度調整が行われ、これによって、還元槽4への
重亜硫酸ソーダの注入量が制御されるようになってい
る。
【0022】上記の一次pH調整槽3に流入する廃液の6
価クロム濃度は千ppm を超える広い範囲で変動する。し
たがって、この槽3に設置された前記のCr濃度計30は広
い測定範囲を備えると共に、さらに、メッキ廃液に含ま
れる亜鉛や鉄などの他の金属イオンや錯イオン等に影響
されない検出の信頼性が必要となる。このような性能を
有するべく構成されている上記のCr濃度計30での検出方
式について、以下に説明する。
【0023】図3は、上記した一次pH調整槽3から還元
槽4に送られてくる廃水における光の吸光度の調査結果
を示すものである。これは、図4に示すように、厚さ寸
法(光路長)dが例えば5mmの所定形状のガラス製の測
定セル20に廃水21を入れ、この測定セル20に照射する光
の波長を変化させたときの透過光の強度変化を測定した
ものである。また、図3に示すように、還元剤を注入す
る前の受入れ廃水、すなわち、6価クロム濃度“大”の
廃水と、濃度“中”の還元処理中の廃水と、濃度“小”
の還元処理済みの廃水との三種についての測定結果であ
る。
【0024】同図のように、6価クロム濃度大の廃水で
は、波長 260nm近傍と、340 〜350nm の近紫外近傍とに
それぞれ吸光度のピークを有しているが、260nm 近傍の
波長の光では、6価クロム濃度が小さくなっても他の金
属イオン等の影響が大きく、6価クロム濃度に対する吸
光度の変化はあまり認められない。これに対し、340〜3
50nm にピークを有して 500nmまでの広がりをもつ吸収
帯では、この領域に吸収帯をもつ物質が前記した廃液処
理設備での廃液中には含まれないことから、6価クロム
濃度のみに対応した吸光度変化が現れている。
【0025】そこで、前記のCr濃度計30では、上記の吸
収帯での吸光度変化を検出してCr濃度を測定することを
前提に、さらに、測定濃度範囲を0から数千ppm まで広
げるために、ピーク波長域340 〜350nm からずらして、
波長450nm の青色光で廃水中の6価クロム濃度を検出す
る方式を採用し、上記波長にピークを有する高輝度の青
色発光ダイオードを第1光源(以下、青LED ともいう)
として用いている。
【0026】さらに、廃水中には粉塵等も含まれてお
り、これによって廃水中を透過する光が散乱し透過光強
度の低下が生じることから、これによる精度の低下を防
止するために、さらに参照光を別途照射する二色検出方
式を採用している。この参照光は、図3に示されている
ように、500nm 以上の波長の光では、6価クロム濃度の
変化に吸光度が影響されないことから、波長850nm の近
赤外域の光を参照光として採用し、この波長域にピーク
を有する発光ダイオードを第二光源(以下、赤LED とも
いう)として用いている。
【0027】図5に、上記した青LED と赤LED との各発
光スペクトル分布を示す。さらに、前記の廃水処理設備
ではCr濃度計30が屋外で使用されることが前提であり、
このとき、図6に示すように、さらに外乱光が上記各光
源からの光に混入するおそれがある。そこで、この外乱
光による検出精度の低下を防止するため、赤LED には10
kHz 、青LED には3kHz の高周波電源をそれぞれ印加し
て点滅させ、これら点滅光の透過光強度をそれぞれ検出
する方式を採用している。
【0028】図7に、上記各方式を採用して構成したCr
濃度計30のセンサヘッド部31を示している。このセンサ
ヘッド部31は、投光ハウジング32と受光ハウジング33と
を備え、両ハウジング32・33は、同図(b) に示すよう
に、略水平なベース板34上に所定の間隔を置いて固定さ
れている。直方体ブロック形状の投光ハウジング32に
は、受光ハウジング33側の外壁面から内方に略水平に凹
入する凹入穴32aが形成されており、この凹入穴32aの
内方端に、投光手段を構成する前記した第1光源(青LE
D)35と、参照光光源としての第2光源(赤LED)36とが配
設されている。
【0029】これら光源35・36は、各々の光の出射方向
を受光ハウジング33側に水平に向けて、相隣接させて固
定されている。そして、受光ハウジング33側の外壁面に
は、上記凹入穴32aの開口端を覆うように透明な石英ガ
ラス37が気密に取付けられている。さらに、上記凹入穴
32a内には、石英ガラス37の内側に集光レンズ38が配設
され、この集光レンズ38により、両光源35・36から出射
される光がほぼ平行光になって、受光ハウジング33側へ
と出射される。
【0030】一方、投光ハウジング32よりも形状を大き
くして形成されている受光ハウジング33は、同図(a) に
示すように、側壁板33aにシールパッキン33bを介して
箱形容器33cを組み付けて構成され、全体がほぼ直方体
形状をなすように形成されている。そして、同図(b) に
示すように、投光ハウジング32に対面する壁面には、そ
の底部側に、前記凹入穴32aと同軸状の貫通穴33dが穿
設されており、この貫通穴33dの開口端を覆うように上
記の壁面に沿って透明な石英ガラス39が気密に取付けら
れている。また、貫通穴33d内に、順次、散乱板40と集
光レンズ41とが配設されている。
【0031】受光ハウジング33の内部には、その底部側
に、上記の壁面に内側から接する受光部ブロック42が固
定されている。この受光部ブロック42には、上記貫通穴
33dと同軸上を水平に貫通する水平穴42aと、この水平
穴42aの中途位置から上方に貫通する垂直穴42bとが形
成されている。そして、両穴42a・42bの交差位置にハ
ーフミラー43が設けられると共に、両穴42a・42bの各
開口端に、それぞれホトダイオードから成る受光手段と
しての第1受光素子44と、参照光光源としての第2受光
素子45とが取付けられている。これにより、投光ハウジ
ング32側から石英ガラス39を通して受光ハウジング33内
に入射する光は、散乱板40と集光レンズ41とを順次透過
した後、ハーフミラー43を透過してそのまま水平に直進
する光と、ハーフミラー43で反射して上方に向かう光と
に分割され、一方の光は第1受光素子44に、他方の光は
第2受光素子45にそれぞれ入射するようになっている。
【0032】なお、第1受光素子44の前面には赤外光カ
ットフィルタ46が設けられており、これによって、第1
受光素子44には、前記青色発光ダイオードから成る第1
光源35からの光が入射し、その入射光の強度に応じた信
号を出力する。一方、第2受光素子45の前面には可視光
カットフィルタ47が設けられ、これにより、第2受光素
子45には赤外光発光ダイオードから成る第2光源36から
の光が入射し、その入射光の強度に応じた信号を出力す
る。
【0033】一方、受光ハウジング33内における上部側
には、後述する高周波電源等を構成する回路素子が組み
付けられた回路基板48が配設されている。なお、この受
光ハウジング33および前記投光ハウジング32の各上端面
にはそれぞれ防水コードコネクタ49・50が取付けられ、
これらコネクタ49・50を通して上方に延びる防水コード
51・52を介して、外部からの電源の供給や検出信号の出
力が行われる。また、受光ハウジング33における前記石
英ガラス39上部の壁面に、このセンサヘッド部31の全体
を、前記した一次pH調整槽3の廃液中に浸漬させ、所定
の高さ位置で保持するための上方に延びる操作パイプ53
が取付板54を介して固定されている。
【0034】このように、上記のセンサヘッド部31は、
その全体を廃液中に浸漬させて6価クロム濃度の測定を
行う浸漬型として構成されている。このため、各ハウジ
ング32・33はそれぞれ水密構造で作製され、さらに、内
蔵する各光学部品に結露を生じないように、シリカゲル
などの乾燥剤を封入して構成されている。なお、上記構
成のセンサヘッド部31の具体的な形状寸法を例示すれ
ば、図中Lで示す長さ寸法は 120mm、Wで示す幅寸法は
70mm、Hで示す高さ寸法は 135mmであり、また、前記し
た両石英ガラス37・39間の距離、すなわち、廃液中の光
路長dは5〜15mmに設定されている。
【0035】受光ハウジング33内の前記回路基板48に
は、図1に示すように、3kHz電源61や10kHz 電源62等を
構成する回路素子が組み付けられている。外部から供給
される商用電源が、これら高周波電源61・62により、各
々、所定の発光ダイオード動作電圧に降圧されると共に
高周波電圧に変換され、第1・第2光源35・36に印加さ
れる。これにより、前述したように、第1光源35からは
3kHzで点滅する青色光が、また、第2光源36からは10kH
z で点滅する赤外光がそれぞれ出射される。
【0036】これら出射光は、それぞれ第1受光素子44
・第2受光素子45に入射し、入射光の強度に応じた信号
が各受光素子44・45から出力される。そして、これら出
力信号は信号処理装置(信号処理手段)63に送られる。
この信号処理装置63には、第1・第2バンドパスフィル
タ64・65が設けられている。第1バンドパスフィルタ64
は、第1受光素子44からの出力信号における3kHzの周波
数成分を通過させるものであり、したがって、このフィ
ルタ64通過後の信号Aは、第1光源35から出射されて廃
液中を透過してきた光の強度に対応した信号となり、外
乱光の影響が除去されたものとなる。同様に、第2バン
ドパスフィルタ65は、第2受光素子45からの出力信号に
おける10kHz の周波数成分を通過させ、したがって、こ
のフィルタ65通過後の信号Bは、第2光源36から出射さ
れて廃液中を透過してきた光の強度に対応した信号とな
る。
【0037】これら両信号A・Bから、廃液中の6価ク
ロム濃度Cが算出される。すなわち、第1光源35から出
射される青色光の強度をS、廃液中の光路長をdとする
と、信号Aについては、 log(A/S)=−εCd ここで、ε:モル吸光係数 の関係が成立する。
【0038】一方、第2光源36から出射される赤外光の
強度Rと、これが廃液を通過後に第2受光素子45で検出
されるときの強度Bとの間には、廃液中の6価クロム濃
度Cには影響されずに、廃液中の光路長dに依存して減
衰する関係式が導かれ、これらから、結局、6価クロム
濃度Cが、 C=k1+k2・log(A/B) ……(1) 但し、k1,k2 は定数 で算出される。
【0039】上記(1) 式に基づく演算を行うように、前
記の信号処理装置63に、各フィルタ64・65を通過した信
号A・Bの比A/Bを演算する割算器66と、その出力信
号の対数を演算して(1) 式に基づく計算を行う対数変換
器67とが設けられている。この対数変換器67から、廃液
中の6価クロム濃度に対応した電圧信号Voが出力され
る。図8には、この電圧信号(以下、センサ出力とい
う)Voと、6価クロム濃度との関係を測定した結果を示
している。同図のように、センサ出力Voは、0ppmから5
00ppm程度まで急峻な変化を示した後、さらに濃度が上
昇すると変化勾配が徐々に緩やかになるが、4000ppm を
超えるまで、センサ出力Voは6価クロム濃度の上昇に伴
って漸増する。したがって、0〜4000ppm の広い範囲に
わたって、センサ出力Voから6価クロム濃度を一義的に
求めることが可能となっている。
【0040】そこで、図1に示すように、上記信号処理
装置63には、図8に示したセンサ出力−濃度曲線に対応
する検量線データを0〜4000ppm の範囲にわたって記憶
する記憶装置68と、データ変換手段としての濃度データ
換算器69とがさらに設けられている。この濃度データ換
算器69では、対数変換器67から出力されるセンサ出力Vo
を所定のサンプリング時間毎に上記の検量線データと比
較し、濃度値Cとしてデジタル値に変換して出力する。
【0041】なお、図9は、同一廃液、もしくは、各種
濃度で作製した6価クロム溶液について、上記のCr濃度
計30で測定し出力された濃度値Cと化学分析値(手分析
値)との関係を調べたもので、図中、■は前記一次pH調
整槽3の廃液中に浸漬して得られたオンラインデータ、
○は、特に高濃度の範囲にわたって作製した6価クロム
溶液について得られたオフラインデータである。図のよ
うに、高範囲にわたって良好な測定精度が得られてい
る。
【0042】一方、図10には、前記の信号処理装置63か
ら出力されるセンサ出力Voおよび濃度値Cに基づいて、
運転監視用のCRTに測定結果を表示させた一例を示し
ている。図中矢示するように、上段の表におけるNo.1の
欄に、上記の濃度値Cに基づくデジタル表示が行われ、
下段のチャートに、センサ出力Voに基づく測定結果が連
続して表示されている。
【0043】以上の説明のように、本実施形態における
Cr濃度計30は、高輝度の青色発光ダイオード(中心波
長:450nm)と、近赤外発光ダイオード(中心波長:850n
m)とを組合せた2波長吸光度測定方式を採用して構成さ
れ、特に、6価クロム溶液の吸光度がピークになる波長
からずらして測定波長を設定することにより、広範囲の
濃度測定が可能となっている。
【0044】また、光源として発光ダイオードを用いる
ことにより、軽量かつコンパクト化が可能であり、さら
に製作費の低減、耐久性の向上したものともなってい
る。すなわち、例えば紫外域近傍の波長を持つ光源とし
て通常用いられる水銀ランプでは、高電圧を必要とする
ために安全性の点から水中での使用が困難、発熱量が大
きくコンパクトにできない、光源の劣化対策が必要など
の問題が生じるが、本実施形態でのCr濃度計30ではこれ
らの問題点が解消され、特に、直接浸漬型として構成し
得ると共に、連続計測が可能となっている。さらに、光
源そのものを点滅させることで変調を行い、透過光を検
波することで外乱光の影響を除去し、精度の高い測定を
行うことが可能となっている。
【0045】このようなCr濃度計30が、前記の図2に示
した一次pH調整槽3に設置され、そして、Cr濃度計30で
の検出信号に基づいて、前述したように、還元槽4への
重亜硫酸ソーダの注入量が調整され、また、一次pH調整
槽3で検出される6価クロム濃度が低い場合には、例え
ば濃厚メッキ廃水槽1から一般メッキ廃水槽2への廃液
の送り出し量や、一般メッキ廃水槽2から一次pH調整槽
3への廃液の送り出し量を多くする制御、或いは逆に、
検出濃度が過大な場合には一般メッキ廃水槽2からの廃
液量を絞る制御を行う。
【0046】これにより、処理効率が向上し、しかも、
処理能力に見合った稼働状態を維持して運転を継続する
ことが可能になる。また、従来行われていた一次pH調整
槽3の廃液の色合いを目視により高頻度に監視する作業
が不要となり省力化を図ることができる。さらに、薬剤
の過剰投入によるコストアップを抑制することが可能に
なる。
【0047】なお、上記の実施形態は本発明を限定する
ものではなく、本発明の範囲内で種々の変更が可能であ
る。例えば上記では、青色発光ダイオードから成る第1
光源35で投光手段を構成した例を説明したが、請求項1
記載の範囲では、例えば波長域の広い白色光源に、450n
m 近傍の光を選択的に透過させるフィルターを組み合わ
せて投光手段を構成することも可能である。この場合、
上記の光源に850nm 近傍の光を透過させるフィルターを
さらに組み合わせて、参照光光源としての機能をも兼用
させる構成とすることもできる。
【0048】また、上記実施形態では、信号処理装置63
における濃度データ換算器69での濃度値Cへの換算が、
記憶手段68に記憶されている検量線データとの比較によ
り行われるように構成したが、例えば検量線データに対
応する基準電圧が入力されているオペアンプを濃度デー
タ換算器69に設け、濃度値Cに対応する信号をオペアン
プを通して出力させるなどのその他の構成とすることも
可能である。
【0049】また、上記のCr濃度計30は、例えば自動車
や家電部品メッキ工場などの廃液処理設備や、その他の
メッキプロセスなどにも利用することが可能であり、こ
のような場合でも、廃液処理の効率向上に大きく寄与す
ることができる。
【0050】
【発明の効果】以上の説明のように、本発明の請求項1
のCr濃度計は、6価クロム溶液における吸光度がピーク
になる近紫外領域での波長から、青色側に偏倚した波長
を中心波長とする光を照射し、溶液中の6価クロム濃度
の変化に応じた透過光強度を検出する。これによって、
より高濃度域までの測定が可能となり、例えば0〜4000
ppm の広い測定範囲を有するCr濃度計として構成するこ
とができる。
【0051】請求項2のCr濃度計は、青色発光ダイオー
ドから成る光源を設けて上記の光を照射させることか
ら、小形化や軽量化、さらに長寿命化が図れ、安価で取
扱いの容易な装置構成とすることができる。請求項3の
Cr濃度計は、光源からの出射光を点滅させ、この点滅光
での吸光度に基づいてCr濃度の検出を行うので、例えば
屋外で使用する場合等における外乱光の影響が防止さ
れ、この結果、より精度の高い検出を行うことができ
る。
【0052】請求項4のCr濃度計は、投光ハウジングと
受光ハウジングとがそれぞれ水密構造で形成されている
ので、両ハウジングを例えば廃液処理槽中の廃液に直接
浸漬させて連続測定することが可能である。したがっ
て、従来の廃液処理槽等にそのまま適用できるので、運
用コストが低減されると共に操作性が向上する。特に、
光源が発光ダイオードから成る構成では、この光源を作
動させるために高電圧を印加する必要はないので、安全
性も確保される。
【0053】請求項5のCr濃度計は、受光手段からの強
度信号に基づく信号がさらに濃度値に変換されて出力さ
れるので、溶液中の濃度が直接的に表示されることとな
り、これによって、例えば異常の発生などもすぐに把握
できるので監視作業が容易になる。請求項6のCr濃度計
は、参照光をさらに用いた濃度測定を行うので、例えば
溶液中の粉塵等による光の散乱に基づく受光手段での強
度信号の低下も、上記の参照光との比較で補正でき、こ
れによって、廃液処理設備等においても信頼性の高い測
定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態におけるCr濃度計の構成を
示すブロック図である。
【図2】上記Cr濃度計が設置された廃液処理設備の構成
を示す模式図である。
【図3】上記廃液処理設備での廃液における吸光度の測
定結果を示すグラフである。
【図4】上記吸光度の測定方法を示す模式図である。
【図5】上記Cr濃度計に用いられている光源としての青
LED と赤LED との発光スペクトル分布を示すグラフであ
る。
【図6】上記Cr濃度計における測定方式を説明するため
の説明図である。
【図7】上記Cr濃度計のセンサヘッド部を示すものであ
って、同図(a) は一部切欠側面図、同図(b) は一部切欠
正面図である。
【図8】上記Cr濃度計におけるセンサ出力と6価クロム
濃度との関係を示すグラフである。
【図9】上記Cr濃度計からの出力値と化学分析値(手分
析値)との関係を示すグラフである。
【図10】上記Cr濃度計からの出力に基づくCRTでの
表示例を示す説明図である。
【図11】従来の6価クロム濃度の測定方法を説明する
ための模式図である。
【符号の説明】
30 Cr濃度計 32 投光ハウジング 33 受光ハウジング 35 第1光源(投光手段) 36 第2光源(参照光光源) 44 第1受光素子(受光手段) 45 第2受光素子(参照光受光手段) 61 3kHz電源(高周波電源) 63 信号処理装置(信号処理手段) 64 第1バンドパスフィルタ 69 濃度データ換算器(データ変換手段)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 6価クロム溶液における吸光度がピーク
    になる近紫外領域での波長から青色側に偏倚した波長を
    中心波長とする光を出射する投光手段と、 投光手段から出射されて溶液を透過した光を受光する受
    光手段と、 受光手段から受光量に応じて出力される強度信号に基づ
    き溶液中の6価クロム濃度に応ずる信号を出力する信号
    処理手段とを備えていることを特徴とするCr濃度計。
  2. 【請求項2】 投光手段に設けられる光源が、450n
    mを中心波長とする光を出射する青色発光ダイオードか
    ら成ることを特徴とする請求項1記載のCr濃度計。
  3. 【請求項3】 投光手段に設けられる光源に所定の周波
    数の高周波電圧を印加して出射光を点滅させる高周波電
    源が設けられると共に、受光手段からの強度信号から上
    記周波数成分の信号を抽出するバンドパスフィルタが前
    記信号処理手段に設けられていることを特徴とする請求
    項1又は2記載のCr濃度計。
  4. 【請求項4】 投光手段を収納する投光ハウジングと受
    光手段を収納する受光ハウジングとが所定の間隔で配置
    されると共に、これら両ハウジングがそれぞれ水密構造
    で形成されていることを特徴とする請求項1、2又は3
    記載のCr濃度計。
  5. 【請求項5】 前記受光手段からの強度信号に基づく信
    号を検量線データと比較して濃度値に変換し出力するデ
    ータ変換手段が前記信号処理手段に設けられていること
    を特徴とする請求項1、2、3又は4記載のCr濃度
    計。
  6. 【請求項6】 吸光度が6価クロム濃度に影響されない
    波長の光を出射する参照光光源と、この参照光光源から
    出射されて溶液を透過した後の光を受光する参照光受光
    手段とがさらに設けられ、前記信号処理手段が前記受光
    手段と参照光受光手段とから各々出力される強度信号に
    基づいて溶液中の6価クロム濃度に応ずる信号を出力す
    ることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の
    Cr濃度計。
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