JPH0957449A - 金属部材の溶接補修方法及び肉盛り溶接装置 - Google Patents
金属部材の溶接補修方法及び肉盛り溶接装置Info
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- JPH0957449A JPH0957449A JP21617495A JP21617495A JPH0957449A JP H0957449 A JPH0957449 A JP H0957449A JP 21617495 A JP21617495 A JP 21617495A JP 21617495 A JP21617495 A JP 21617495A JP H0957449 A JPH0957449 A JP H0957449A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 成形用金型等の金属部材の補修を溶着機及び
アーク溶融機により、確実に行なう。 【解決手段】 金属部材の補修箇所の上に微粒粉末状の
溶接パウダーを適量載せるか又は薄板状の溶接材を当て
がい、溶着機の1次電極を前記溶接パウダー又は溶着材
へ局部的に押し付けて300〜1500アンペアの大電
流を1/1000〜4/1000秒の短時間内にパルス
状に通電し金属部材上に点状の溶着金属を形成する。こ
の溶着金属を多数連続させ又は重複させて補修箇所に点
状又は線状又は面状の肉盛り溶接を行なう。こうして金
属部材の補修箇所に形成された肉盛り溶接部を不活性ガ
ス雰囲気中に置き、アーク溶融機の1次電極を肉盛り溶
接部へ接近させてアークを短時間放射し溶着金属を再溶
融する。前記肉盛り溶接部が凝固した後に余肉を削除
し、その跡を研磨して仕上げる。
アーク溶融機により、確実に行なう。 【解決手段】 金属部材の補修箇所の上に微粒粉末状の
溶接パウダーを適量載せるか又は薄板状の溶接材を当て
がい、溶着機の1次電極を前記溶接パウダー又は溶着材
へ局部的に押し付けて300〜1500アンペアの大電
流を1/1000〜4/1000秒の短時間内にパルス
状に通電し金属部材上に点状の溶着金属を形成する。こ
の溶着金属を多数連続させ又は重複させて補修箇所に点
状又は線状又は面状の肉盛り溶接を行なう。こうして金
属部材の補修箇所に形成された肉盛り溶接部を不活性ガ
ス雰囲気中に置き、アーク溶融機の1次電極を肉盛り溶
接部へ接近させてアークを短時間放射し溶着金属を再溶
融する。前記肉盛り溶接部が凝固した後に余肉を削除
し、その跡を研磨して仕上げる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴム製品あるいは
合成樹脂製品などの成形用金型に代表される金属部材に
生じた比較的微細な損傷や寸法ミス等を、肉盛り溶接を
して補修、補正する方法と、前記方法の実施に使用され
る肉盛り溶接装置に関する。
合成樹脂製品などの成形用金型に代表される金属部材に
生じた比較的微細な損傷や寸法ミス等を、肉盛り溶接を
して補修、補正する方法と、前記方法の実施に使用され
る肉盛り溶接装置に関する。
【0002】
【従来の技術】成形用金型には、その製作段階や使用過
程において損傷を受けたり、寸法ミス等が日常的に生じ
ている。損傷や寸法ミスを補正、補修して金型の再生利
用を図る必要性は、特にコスト面から甚大である。従来
の補正、補修方法としては、アルゴン溶接による肉盛り
が一般的に実施されている。この方法はアルゴンガス雰
囲気中でアークにより溶接棒を連続的に溶かし、金属部
材の補修箇所に形成した溶融池へ肉盛り溶接を施し、凝
固後に余肉を削除し、研磨して仕上げる。しかし、上述
したアルゴン溶接による肉盛りは、6000℃乃至80
00℃と高温のアーク熱を連続的に発生させて溶接棒を
溶かすため、金属部材に、ひけ、変形、変色等の熱的悪
影響を及ぼす欠陥があり、これらの影響を被り易い比較
的微細な補修箇所に適用できないのが実情である。
程において損傷を受けたり、寸法ミス等が日常的に生じ
ている。損傷や寸法ミスを補正、補修して金型の再生利
用を図る必要性は、特にコスト面から甚大である。従来
の補正、補修方法としては、アルゴン溶接による肉盛り
が一般的に実施されている。この方法はアルゴンガス雰
囲気中でアークにより溶接棒を連続的に溶かし、金属部
材の補修箇所に形成した溶融池へ肉盛り溶接を施し、凝
固後に余肉を削除し、研磨して仕上げる。しかし、上述
したアルゴン溶接による肉盛りは、6000℃乃至80
00℃と高温のアーク熱を連続的に発生させて溶接棒を
溶かすため、金属部材に、ひけ、変形、変色等の熱的悪
影響を及ぼす欠陥があり、これらの影響を被り易い比較
的微細な補修箇所に適用できないのが実情である。
【0003】その他の補正、補修方法として、(a)銀
ろう付け、(b)メッキ肉盛り、(c)たたき出し、
(d)入れ子の埋め込み等の応用が知られている。これ
らの方法はそれぞれ利点はあるものの、種々の問題点を
包含しており、金型の補正、補修に対する積極的な実施
を制限されている。例えば、前記(a),(b),
(c)の補修方法は、仕上がりの耐久性が悪い。前記
(b),(d)の補修方法は、作業に時間が掛かり過ぎ
る。更に、前記(c)の補修方法を実施するためには熟
練した技術を要する、等々の問題がある。そして、前記
(a)〜(d)の補修方法も微細な補修箇所への実施は
不向きである。
ろう付け、(b)メッキ肉盛り、(c)たたき出し、
(d)入れ子の埋め込み等の応用が知られている。これ
らの方法はそれぞれ利点はあるものの、種々の問題点を
包含しており、金型の補正、補修に対する積極的な実施
を制限されている。例えば、前記(a),(b),
(c)の補修方法は、仕上がりの耐久性が悪い。前記
(b),(d)の補修方法は、作業に時間が掛かり過ぎ
る。更に、前記(c)の補修方法を実施するためには熟
練した技術を要する、等々の問題がある。そして、前記
(a)〜(d)の補修方法も微細な補修箇所への実施は
不向きである。
【0004】次に、特開平5−261585号及び特開
平5−261586号公報(米国特許第5378867
号明細書及び図面)に、合成樹脂成形用金型に代表され
る金属部材の比較的微細なつぶれやキズ、寸法補正など
を目的として、その金属部材に2次電極を接続し、該金
属部材の補修箇所の上に微粒粉末状の溶接パウダーを適
量載せ、又は薄板状の溶接材を当てがい、1次電極を前
記溶接パウダー又は溶接材へ局部的に押し付けて300
〜1500アンペア程度の大電流をおよそ1/1000
〜4/1000秒程度の短時間内にパルス状に通電して
金属部材の表面に点状の溶着金属(ナゲット)を形成し
て、補修箇所の上に溶着金属を点状又は線状又は面状に
肉盛りする溶接を行ない、凝固後に前記肉盛り溶接の不
要部分(余肉)を切除し、その跡を研磨して仕上げる、
金属部材の溶接補修方法及び肉盛り溶接装置が開示され
ている。この溶接補修方法及び肉盛り溶接装置によれ
ば、溶着金属の溶接力(合金化度)が強く、耐久性があ
り、剥離せず、本来の金属部材に近い耐久性のある合金
の溶接ができる。
平5−261586号公報(米国特許第5378867
号明細書及び図面)に、合成樹脂成形用金型に代表され
る金属部材の比較的微細なつぶれやキズ、寸法補正など
を目的として、その金属部材に2次電極を接続し、該金
属部材の補修箇所の上に微粒粉末状の溶接パウダーを適
量載せ、又は薄板状の溶接材を当てがい、1次電極を前
記溶接パウダー又は溶接材へ局部的に押し付けて300
〜1500アンペア程度の大電流をおよそ1/1000
〜4/1000秒程度の短時間内にパルス状に通電して
金属部材の表面に点状の溶着金属(ナゲット)を形成し
て、補修箇所の上に溶着金属を点状又は線状又は面状に
肉盛りする溶接を行ない、凝固後に前記肉盛り溶接の不
要部分(余肉)を切除し、その跡を研磨して仕上げる、
金属部材の溶接補修方法及び肉盛り溶接装置が開示され
ている。この溶接補修方法及び肉盛り溶接装置によれ
ば、溶着金属の溶接力(合金化度)が強く、耐久性があ
り、剥離せず、本来の金属部材に近い耐久性のある合金
の溶接ができる。
【0005】しかしながら、前記の肉盛り溶接部(溶着
金属)を顕微鏡写真などで拡大し詳細に観察したとこ
ろ、その溶着度(合金化度)はおよそ95%ぐらいまで
に及んでいるが、100%ではないことが明らかになっ
た。また、施工者の技能の優劣によって前記溶着度は上
下する。と云うのも、前記肉盛り溶接装置の1次電極で
1パルスの通電により形成できる溶着金属(ナゲット)
の大きさは、直径0.6〜1mm程度の微細な点状であ
り、該点状のナゲットを連続させ、又は層状に積み重ね
ることにより肉盛り溶接が行なわれるので、1次電極の
送り(移動)操作の若干の狂いでナゲットは非連続の溶
着状態となるからである。前記のように溶着度が不十分
であると、肉盛りした溶接部(溶着金属)が剥離を起す
おそれがあり、せっかく補修したものが台無しになる心
配がある。
金属)を顕微鏡写真などで拡大し詳細に観察したとこ
ろ、その溶着度(合金化度)はおよそ95%ぐらいまで
に及んでいるが、100%ではないことが明らかになっ
た。また、施工者の技能の優劣によって前記溶着度は上
下する。と云うのも、前記肉盛り溶接装置の1次電極で
1パルスの通電により形成できる溶着金属(ナゲット)
の大きさは、直径0.6〜1mm程度の微細な点状であ
り、該点状のナゲットを連続させ、又は層状に積み重ね
ることにより肉盛り溶接が行なわれるので、1次電極の
送り(移動)操作の若干の狂いでナゲットは非連続の溶
着状態となるからである。前記のように溶着度が不十分
であると、肉盛りした溶接部(溶着金属)が剥離を起す
おそれがあり、せっかく補修したものが台無しになる心
配がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、金属部材に熱的悪影響を一切与えることなく、微細
な補正、補修箇所に好適に実施可能な肉盛り溶接をして
補修、補正する方法、及び肉盛り溶接装置を提供するこ
とである。本発明の究極の目的は、肉盛り溶接部(溶着
金属)溶着度が100%に近く高品質で剥離の心配がな
く、よって補修箇所の耐久性に優れ、しかも補正、補修
に要する作業時間が短く、熟練した技術を必要としない
補修、補正の方法と、前記方法の実施に使用される肉盛
り溶接装置を提供することである。
は、金属部材に熱的悪影響を一切与えることなく、微細
な補正、補修箇所に好適に実施可能な肉盛り溶接をして
補修、補正する方法、及び肉盛り溶接装置を提供するこ
とである。本発明の究極の目的は、肉盛り溶接部(溶着
金属)溶着度が100%に近く高品質で剥離の心配がな
く、よって補修箇所の耐久性に優れ、しかも補正、補修
に要する作業時間が短く、熟練した技術を必要としない
補修、補正の方法と、前記方法の実施に使用される肉盛
り溶接装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの手段として、請求項1の発明に係る溶接補修方法
は、金属部材の補修箇所の上に微粒粉末状の溶接パウダ
ーを適量載せるか又は薄板状の溶接材を当てがい、溶着
機の1次電極を前記溶接パウダー又は溶着材へ局部的に
押し付けて300〜1500アンペアの大電流を1/1
000〜4/1000秒の短時間内にパルス状に通電し
金属部材上に点状の溶着金属を形成すると共に、この溶
着金属を多数連続させ又は重複させることによって補修
箇所の必要な範囲に必要な厚さの点状又は線状又は面状
の肉盛り溶接を行なう段階と、前記のようにして金属部
材の補修箇所に形成された肉盛り溶接部を不活性ガス雰
囲気中に置き、アーク溶融機の1次電極を肉盛り溶接部
へ接近させてアークを短時間放射し溶着金属を再溶融す
る段階と、前記肉盛り溶接部が凝固した後に余肉を削除
し、その跡を研磨して仕上げる段階とから成ることを特
徴とする。
めの手段として、請求項1の発明に係る溶接補修方法
は、金属部材の補修箇所の上に微粒粉末状の溶接パウダ
ーを適量載せるか又は薄板状の溶接材を当てがい、溶着
機の1次電極を前記溶接パウダー又は溶着材へ局部的に
押し付けて300〜1500アンペアの大電流を1/1
000〜4/1000秒の短時間内にパルス状に通電し
金属部材上に点状の溶着金属を形成すると共に、この溶
着金属を多数連続させ又は重複させることによって補修
箇所の必要な範囲に必要な厚さの点状又は線状又は面状
の肉盛り溶接を行なう段階と、前記のようにして金属部
材の補修箇所に形成された肉盛り溶接部を不活性ガス雰
囲気中に置き、アーク溶融機の1次電極を肉盛り溶接部
へ接近させてアークを短時間放射し溶着金属を再溶融す
る段階と、前記肉盛り溶接部が凝固した後に余肉を削除
し、その跡を研磨して仕上げる段階とから成ることを特
徴とする。
【0008】請求項2の発明に係る肉盛り溶接装置は、
金属部材に溶接材を肉盛り溶接する溶着機と、前記肉盛
り溶接部をアークで再溶融するアーク溶融機との組合せ
から成り、溶着機は、金属部材と電気的に接続される2
次電極と、金属部材の補修箇所の上に載せられた微粒粉
末状の溶接パウダー又は補修箇所へ当てがった薄板状の
溶接材へ局部的に押し付けることが可能な強度及び形状
を持つ1次電極と、前記1次電極と2次電極の間に30
0〜1500アンペアの大電流を1/1000〜4/1
000秒の短時間内にパルス状に通電する電源装置とで
構成され、アーク溶融機は、金属部材の上に形成された
肉盛り溶接部へ接近させる1次電極と、金属部材と電気
的に接続される2次電極と、前記2次電極と前記肉盛り
溶接部へ近接させた前記1次電極との間に導電性を付与
し、当該1次電極から前記肉盛り溶接部へアークを所定
範囲の電流値にて短時間発生させる電源装置と、及びア
ークを発生させる前後に前記肉盛り溶接部を不活性ガス
雰囲気下に置く不活性ガス供給機構とで構成されている
ことを特徴とする。
金属部材に溶接材を肉盛り溶接する溶着機と、前記肉盛
り溶接部をアークで再溶融するアーク溶融機との組合せ
から成り、溶着機は、金属部材と電気的に接続される2
次電極と、金属部材の補修箇所の上に載せられた微粒粉
末状の溶接パウダー又は補修箇所へ当てがった薄板状の
溶接材へ局部的に押し付けることが可能な強度及び形状
を持つ1次電極と、前記1次電極と2次電極の間に30
0〜1500アンペアの大電流を1/1000〜4/1
000秒の短時間内にパルス状に通電する電源装置とで
構成され、アーク溶融機は、金属部材の上に形成された
肉盛り溶接部へ接近させる1次電極と、金属部材と電気
的に接続される2次電極と、前記2次電極と前記肉盛り
溶接部へ近接させた前記1次電極との間に導電性を付与
し、当該1次電極から前記肉盛り溶接部へアークを所定
範囲の電流値にて短時間発生させる電源装置と、及びア
ークを発生させる前後に前記肉盛り溶接部を不活性ガス
雰囲気下に置く不活性ガス供給機構とで構成されている
ことを特徴とする。
【0009】前記請求項2に記載した溶着機が、金属部
材の補修箇所を粉末状の溶接パウダーで肉盛り溶接する
場合に、永久磁石を内蔵した1次電極を使用し、磁性の
微粒粉末状溶接パウダーを電極外周面に付着させること
を特徴とする。前記請求項2に記載した溶着機と、アー
ク溶融機とは、各々の電源回路を併合した一体型の構成
とされていることを特徴とする。
材の補修箇所を粉末状の溶接パウダーで肉盛り溶接する
場合に、永久磁石を内蔵した1次電極を使用し、磁性の
微粒粉末状溶接パウダーを電極外周面に付着させること
を特徴とする。前記請求項2に記載した溶着機と、アー
ク溶融機とは、各々の電源回路を併合した一体型の構成
とされていることを特徴とする。
【0010】前記請求項2に記載した溶着機と、アーク
溶融機とは、各々の電源回路を独立させた分離型の構成
とされていることを特徴とする。
溶融機とは、各々の電源回路を独立させた分離型の構成
とされていることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】請求項1の発明に係る溶接補修方
法は、簡単に云えば、特開平5−261585号及び特
開平5−261586号公報(米国特許第537886
7号明細書及び図面)に開示されて公知の肉盛り溶接装
置(以下、これを溶着機と云う)により、金属部材の補
修箇所を溶着金属で埋めて必要な厚さの肉盛りを行な
い、更に余肉を盛った状態にし、つづいて、新しく開発
した「アーク溶融機」により、前記のようにして金属部
材の補修箇所に固着した溶着金属を不活性ガス雰囲気中
に置いて、アークを短時間放射し、溶着金属を再溶融し
て溶融池を形成する手順で実施される。かくすると、前
記溶着機による肉盛り溶接により金属部材の補修箇所に
溶着されたが、部分的に溶着度が不十分(例えば95%
ぐらいまでの溶着度)の溶着金属が、アーク溶融機のア
ーク熱により100%完全に溶解して溶融池を形成す
る。こうして100%合金化したナゲット(盛り肉)
を、その凝固後に余分な部分(余肉)を切除し研磨して
仕上げることにより完ぺきな溶接補修を達成する。
法は、簡単に云えば、特開平5−261585号及び特
開平5−261586号公報(米国特許第537886
7号明細書及び図面)に開示されて公知の肉盛り溶接装
置(以下、これを溶着機と云う)により、金属部材の補
修箇所を溶着金属で埋めて必要な厚さの肉盛りを行な
い、更に余肉を盛った状態にし、つづいて、新しく開発
した「アーク溶融機」により、前記のようにして金属部
材の補修箇所に固着した溶着金属を不活性ガス雰囲気中
に置いて、アークを短時間放射し、溶着金属を再溶融し
て溶融池を形成する手順で実施される。かくすると、前
記溶着機による肉盛り溶接により金属部材の補修箇所に
溶着されたが、部分的に溶着度が不十分(例えば95%
ぐらいまでの溶着度)の溶着金属が、アーク溶融機のア
ーク熱により100%完全に溶解して溶融池を形成す
る。こうして100%合金化したナゲット(盛り肉)
を、その凝固後に余分な部分(余肉)を切除し研磨して
仕上げることにより完ぺきな溶接補修を達成する。
【0012】請求項2の発明に係る肉盛り溶接装置は、
溶着金属を金属部材へ肉盛り溶接する「溶着機」と、肉
盛り溶接された溶着金属をアーク熱で再溶融する「アー
ク溶融機」との組合せで実施される。溶着機の1次電極
が1パルスの通電により0.6〜1.0mmの大きさの
点状に溶着金属を形成するのに対し、アーク溶融機の1
放電のアークは、前記溶着金属の5〜10個分、即ち、
直径にして3〜5mm、厚さにして0.5〜1mm程度
を広く瞬間的に溶融化させる。従って、肉盛り溶接部へ
前記アークを均一に放射することによって溶着金属は1
00%完全に溶融して合金化する。溶着機で形成したナ
ゲットの大きさに対し、アーク溶融機のアークで再溶融
させ凝固したナゲットは略5〜10倍の大きさの団子状
に一体化する。
溶着金属を金属部材へ肉盛り溶接する「溶着機」と、肉
盛り溶接された溶着金属をアーク熱で再溶融する「アー
ク溶融機」との組合せで実施される。溶着機の1次電極
が1パルスの通電により0.6〜1.0mmの大きさの
点状に溶着金属を形成するのに対し、アーク溶融機の1
放電のアークは、前記溶着金属の5〜10個分、即ち、
直径にして3〜5mm、厚さにして0.5〜1mm程度
を広く瞬間的に溶融化させる。従って、肉盛り溶接部へ
前記アークを均一に放射することによって溶着金属は1
00%完全に溶融して合金化する。溶着機で形成したナ
ゲットの大きさに対し、アーク溶融機のアークで再溶融
させ凝固したナゲットは略5〜10倍の大きさの団子状
に一体化する。
【0013】前記溶着機は、金属部材に電気的に接続さ
れる2次電極と、金属部材の補修箇所の上に載せられた
微粒粉末状の溶接パウダー、又は薄板状の溶接材へ局部
的に押し付けることが可能な強度及び形状の1次電極
と、前記1次及び2次電極間に300〜1500アンペ
アの大電流を1/1000〜4/1000秒の短時間内
にパルス状に通電する電源装置とから成る。必要に応じ
て、前記微粒粉末状の溶接パウダーを1次電極の好適位
置に限定して付着させるように磁石片を電極の中に装着
した構成の1次電極が使用される。このような1次電極
は、実公平7−19667号公報に記載されて公知であ
る。
れる2次電極と、金属部材の補修箇所の上に載せられた
微粒粉末状の溶接パウダー、又は薄板状の溶接材へ局部
的に押し付けることが可能な強度及び形状の1次電極
と、前記1次及び2次電極間に300〜1500アンペ
アの大電流を1/1000〜4/1000秒の短時間内
にパルス状に通電する電源装置とから成る。必要に応じ
て、前記微粒粉末状の溶接パウダーを1次電極の好適位
置に限定して付着させるように磁石片を電極の中に装着
した構成の1次電極が使用される。このような1次電極
は、実公平7−19667号公報に記載されて公知であ
る。
【0014】次に、アーク溶融機は、金属部材の溶着金
属(肉盛り溶接)へ接近させアークを飛ばす1次電極
と、前記金属部材に電気的に接続される2次電極と、前
記金属部材に盛肉り溶接した溶着金属(ナゲット)とこ
れに近接させた前記1次電極との間に導電性を付与し、
当該1次電極から溶着金属(ナゲット)へアークを所定
範囲の電流値にて短時間発生させる電源装置とで構成さ
れている。金属部材の補修箇所にアークを発生させる電
流値は、0〜100A、前記アークの発生時間は0.0
1〜1.0秒ぐらい、特に好ましくは0.1〜0.2秒
である。前記1次電極は先細り形状とされる。アーク溶
融機の1次電極は絶縁材質のホルダー、例えば硬質ゴム
で形成した把手を介して手に持つか、又はロボットハン
ドに支持させる。アーク溶融機の1次電極は、それ自体
溶融しないタングステン電極等であり、アークに指向性
を付与できるように先細り形状とする。溶着金属に前記
1次電極を近接させる距離は、0.5mm程度が最も効
果的である。電流値としては、0〜70A、特に0〜6
5Aが最も望ましい。アーク溶融機には、溶着金属を不
活性ガス雰囲気にして酸化等を防ぐための不活性ガス供
給機構が付帯される。
属(肉盛り溶接)へ接近させアークを飛ばす1次電極
と、前記金属部材に電気的に接続される2次電極と、前
記金属部材に盛肉り溶接した溶着金属(ナゲット)とこ
れに近接させた前記1次電極との間に導電性を付与し、
当該1次電極から溶着金属(ナゲット)へアークを所定
範囲の電流値にて短時間発生させる電源装置とで構成さ
れている。金属部材の補修箇所にアークを発生させる電
流値は、0〜100A、前記アークの発生時間は0.0
1〜1.0秒ぐらい、特に好ましくは0.1〜0.2秒
である。前記1次電極は先細り形状とされる。アーク溶
融機の1次電極は絶縁材質のホルダー、例えば硬質ゴム
で形成した把手を介して手に持つか、又はロボットハン
ドに支持させる。アーク溶融機の1次電極は、それ自体
溶融しないタングステン電極等であり、アークに指向性
を付与できるように先細り形状とする。溶着金属に前記
1次電極を近接させる距離は、0.5mm程度が最も効
果的である。電流値としては、0〜70A、特に0〜6
5Aが最も望ましい。アーク溶融機には、溶着金属を不
活性ガス雰囲気にして酸化等を防ぐための不活性ガス供
給機構が付帯される。
【0015】上記溶着機とアーク溶融機は、電源入力及
び制御用プリント基板などを共通にする電気回路(電源
回路)で構成した併合型と、電気回路を独立に構成した
分離型の2種類が提案される。本発明の溶接補修方法が
適用される金属部材は、合成樹脂成形用金型、ゴム成形
用金型、ダイカスト金型、ガラス金型等の金属部材であ
り、その材質はベリウム、銅合金、アルミニウム合金、
鉄鋼、ステンレス鋼等であっても適用可能である。
び制御用プリント基板などを共通にする電気回路(電源
回路)で構成した併合型と、電気回路を独立に構成した
分離型の2種類が提案される。本発明の溶接補修方法が
適用される金属部材は、合成樹脂成形用金型、ゴム成形
用金型、ダイカスト金型、ガラス金型等の金属部材であ
り、その材質はベリウム、銅合金、アルミニウム合金、
鉄鋼、ステンレス鋼等であっても適用可能である。
【0016】また、本発明が適用される補修箇所は、前
記金属部材に発生した、摩耗、ダレ、つぶれ等を生じた
パーティングライン、三頂点の角、エッジ等のほか、設
計変更で小さなRにする内隅、アルゴン溶接後の二次ひ
け、アンダーカット、プロホール、ピット、ピンホール
等である。本発明の実施に採用される溶接材は、粉末合
金(溶接パウダー)、薄板材、細線材、球状材、ペース
ト等の態様とされる。これらは補修箇所の大きさ、形
状、その他の条件に応じて適宜選択して使用される。溶
接材として粉末合金(溶接パウダー)を選択すると、三
頂点の角やエッジ等の補修を容易化できる。
記金属部材に発生した、摩耗、ダレ、つぶれ等を生じた
パーティングライン、三頂点の角、エッジ等のほか、設
計変更で小さなRにする内隅、アルゴン溶接後の二次ひ
け、アンダーカット、プロホール、ピット、ピンホール
等である。本発明の実施に採用される溶接材は、粉末合
金(溶接パウダー)、薄板材、細線材、球状材、ペース
ト等の態様とされる。これらは補修箇所の大きさ、形
状、その他の条件に応じて適宜選択して使用される。溶
接材として粉末合金(溶接パウダー)を選択すると、三
頂点の角やエッジ等の補修を容易化できる。
【0017】前記不活性ガス供給機構で供給される不活
性ガスとしては、金属部材や溶着材の酸化や窒化を防ぐ
ため従来から用いられているアルゴンガス、ヘリウムガ
ス等が好適である。
性ガスとしては、金属部材や溶着材の酸化や窒化を防ぐ
ため従来から用いられているアルゴンガス、ヘリウムガ
ス等が好適である。
【0018】
【実施例】以下に、本発明の実施例を添付図面に基づき
説明する。図1は溶着機と溶融機とを併合した肉盛り溶
接装置の電源回路を示している。図中Pが溶着機の電源
回路であり、Qがアーク溶融機の電源回路である。この
肉盛り溶接装置は、家庭用のAC100Vを電源とし、
全ての制御を担当する制御回路用プリント基板41を具
備している。
説明する。図1は溶着機と溶融機とを併合した肉盛り溶
接装置の電源回路を示している。図中Pが溶着機の電源
回路であり、Qがアーク溶融機の電源回路である。この
肉盛り溶接装置は、家庭用のAC100Vを電源とし、
全ての制御を担当する制御回路用プリント基板41を具
備している。
【0019】まず、溶着機Pについて説明する。先細状
に尖った1次電極8、及び金属部材へ貼り付けるなどの
手段で電気的に接続される2次電極20(これはアーク
溶融機と共通)へ通電する電源回路は、電源スイッチ5
をオンすると溶接材の溶接作業が可能となる。作業者が
足踏みスイッチ50を1回踏む度に1通電(1パルス)
の溶接が行なわれる。溶接電圧の大きさは、両端がスイ
ッチ50を介してACラインに接続された単一コイル・
トランスである電圧調整器14により交流0V〜10V
ぐらいの範囲で調整が行なわれる。足踏みスイッチ50
を1回踏む(スイッチオンする)と、制御回路41によ
りソリッド・ステート・リレー15がオンになり、コン
デンサC1、C2、C3、C4に充電が行なわれる。つ
づいて制御回路41のトリガ動作でサイリスター16に
よりこれらコンデンサの放電が行なわれ、放電電流がト
ランス17の1次側に流れるので、トランス17の2次
側に低圧、大電流(300A〜1500A)が流れ、こ
れが1次電極8から2次電極20へと一瞬に流れて溶接
が行なわれる。このとき1次電極8へパルス状に一瞬に
流れる電流波形は、図1中に併記したとおりで、通電時
間(1/1000〜4/1000)と電流値(300A
〜1500A)とは反比例の関係になる。足踏みスイッ
チ50を踏みつづけると、前記の充電と放電の動作が間
欠的に繰り返し行なわれ、連続溶接ができる。充電と放
電の間欠動作の周期は、制御回路41のリレー制御間隔
を調整するデジタルタイマー18により0.3秒〜1.
5秒の範囲で調整される。図1の電源回路は軽量小形の
携帯式装置として製作される。
に尖った1次電極8、及び金属部材へ貼り付けるなどの
手段で電気的に接続される2次電極20(これはアーク
溶融機と共通)へ通電する電源回路は、電源スイッチ5
をオンすると溶接材の溶接作業が可能となる。作業者が
足踏みスイッチ50を1回踏む度に1通電(1パルス)
の溶接が行なわれる。溶接電圧の大きさは、両端がスイ
ッチ50を介してACラインに接続された単一コイル・
トランスである電圧調整器14により交流0V〜10V
ぐらいの範囲で調整が行なわれる。足踏みスイッチ50
を1回踏む(スイッチオンする)と、制御回路41によ
りソリッド・ステート・リレー15がオンになり、コン
デンサC1、C2、C3、C4に充電が行なわれる。つ
づいて制御回路41のトリガ動作でサイリスター16に
よりこれらコンデンサの放電が行なわれ、放電電流がト
ランス17の1次側に流れるので、トランス17の2次
側に低圧、大電流(300A〜1500A)が流れ、こ
れが1次電極8から2次電極20へと一瞬に流れて溶接
が行なわれる。このとき1次電極8へパルス状に一瞬に
流れる電流波形は、図1中に併記したとおりで、通電時
間(1/1000〜4/1000)と電流値(300A
〜1500A)とは反比例の関係になる。足踏みスイッ
チ50を踏みつづけると、前記の充電と放電の動作が間
欠的に繰り返し行なわれ、連続溶接ができる。充電と放
電の間欠動作の周期は、制御回路41のリレー制御間隔
を調整するデジタルタイマー18により0.3秒〜1.
5秒の範囲で調整される。図1の電源回路は軽量小形の
携帯式装置として製作される。
【0020】金属部材の補修箇所へ肉盛り溶接を手作業
で行なうときは、1次電極8を図2のように絶縁性の電
極ホルダ19に装着する。図3のように金属部材1の補
修箇所3の上に薄板状の溶接材4を当てがい、電極ホル
ダを手に握って1次電極8の尖端を溶接材4へ押し付け
て図3A〜Cのように動かすことにより薄板状の溶接材
を補修箇所3のへこみになじませ、且つ電源装置の足踏
みスイッチ50をスイッチオンして300A〜1000
Aの大電流をパルス状に通電して点状の溶着金属(ナゲ
ット)を補修箇所の上に形成する。通電により溶けた溶
接材の点状の一部が、同様に点状に溶けた金属部材へ合
金化するのである。更には1次電極5を、その直径相当
のピッチずつ前進させ溶着金属を多数連続させ又は多層
に重複させることにより、補修箇所の必要な範囲にわた
り、必要な厚さの点状又は線状又は面状の肉盛り溶接を
行なう。溶接作業を機械化するときは、1次電極8をロ
ボットハンド等に装着し、電源装置に併設したオートス
イッチ51を使用する。
で行なうときは、1次電極8を図2のように絶縁性の電
極ホルダ19に装着する。図3のように金属部材1の補
修箇所3の上に薄板状の溶接材4を当てがい、電極ホル
ダを手に握って1次電極8の尖端を溶接材4へ押し付け
て図3A〜Cのように動かすことにより薄板状の溶接材
を補修箇所3のへこみになじませ、且つ電源装置の足踏
みスイッチ50をスイッチオンして300A〜1000
Aの大電流をパルス状に通電して点状の溶着金属(ナゲ
ット)を補修箇所の上に形成する。通電により溶けた溶
接材の点状の一部が、同様に点状に溶けた金属部材へ合
金化するのである。更には1次電極5を、その直径相当
のピッチずつ前進させ溶着金属を多数連続させ又は多層
に重複させることにより、補修箇所の必要な範囲にわた
り、必要な厚さの点状又は線状又は面状の肉盛り溶接を
行なう。溶接作業を機械化するときは、1次電極8をロ
ボットハンド等に装着し、電源装置に併設したオートス
イッチ51を使用する。
【0021】図9A〜Cは、金属部材1の三頂点の角が
摩耗、ダレ、つぶれの原因で発生した補修箇所3(図9
A)を補修する工程を示している。まず補修箇所3の修
復に必要な範囲に、必要充分な大きさの団子状をなす肉
盛り溶接6を行なう(図9B)。前記三頂点の角の肉盛
り溶接には、図4に示した角棒状(又は平板状)の1次
電極8を使用するのが好都合である。厚さ0.2mm、
幅5mm程度の薄板状の溶接材4を、補修箇所を横断す
る方向に当てがい、1次電極8の先端角部を押し付けて
点状の仮付け溶接をして溶接材の位置決めを行なう。つ
づいて1次電極8を上下左右に動かしつつ溶接材4の点
状の溶接をくり返し行ない、溶着金属(ナゲット)を多
数連続させて肉盛り溶接6が行なわれる。肉盛り溶接6
の厚さが不足するときは、溶接材4を折り返してその上
に1次電極を押し付けナゲットを上下に重複させる要領
で溶接をつづける。しかる後に前記肉盛り溶接部6をア
ーク溶融機により再溶融化し、凝固後に、余肉を、きさ
げ等の工具を使用して削り落とし、グラインダー又はや
すり等で研磨して仕上げて三頂点の角13を元通りに復
元する(図9C)。
摩耗、ダレ、つぶれの原因で発生した補修箇所3(図9
A)を補修する工程を示している。まず補修箇所3の修
復に必要な範囲に、必要充分な大きさの団子状をなす肉
盛り溶接6を行なう(図9B)。前記三頂点の角の肉盛
り溶接には、図4に示した角棒状(又は平板状)の1次
電極8を使用するのが好都合である。厚さ0.2mm、
幅5mm程度の薄板状の溶接材4を、補修箇所を横断す
る方向に当てがい、1次電極8の先端角部を押し付けて
点状の仮付け溶接をして溶接材の位置決めを行なう。つ
づいて1次電極8を上下左右に動かしつつ溶接材4の点
状の溶接をくり返し行ない、溶着金属(ナゲット)を多
数連続させて肉盛り溶接6が行なわれる。肉盛り溶接6
の厚さが不足するときは、溶接材4を折り返してその上
に1次電極を押し付けナゲットを上下に重複させる要領
で溶接をつづける。しかる後に前記肉盛り溶接部6をア
ーク溶融機により再溶融化し、凝固後に、余肉を、きさ
げ等の工具を使用して削り落とし、グラインダー又はや
すり等で研磨して仕上げて三頂点の角13を元通りに復
元する(図9C)。
【0022】金属部材1の稜線の溶接補修をする場合
は、薄板状の溶接材を金属部材1の補修すべき稜線に沿
って当てがい、丸棒による1次電極8を転がしながら溶
接作業を進めるのが便利である(図5)。図6と図7は
溶接材に微粒粉末状の溶接パウダー4’を使用し、1次
電極8には永久磁石24を内蔵させ、電極外周面にパウ
ダーを付着させて肉盛り溶接する場合を示している。前
記1次電極8は、溶接パウダー4’を付着させ溶接を行
なう部位に永久磁石24(又は電磁石でも可)を設けて
いる。磁石を設けた1次電極のうち溶接パウダー2を付
着させ溶接を行なう部位以外は非磁性材料25で構成し
ている。溶接パウダー4’を付着させ溶接を行なう部位
に永久磁石24が設けられているから、溶接補修に必要
な磁性の溶接パウダー4’に近付けるだけで、磁気作用
によってその溶接パウダーを電極外周面に適量付着せし
められる。よって1次電極8を金属部材1の溶接補修箇
所3へ移して溶接を行なうことができる。永久磁石24
を設けられた1次電極8のうち溶接パウダー4’を付着
させて溶接を行なう部位以外を非磁性材料25で構成す
ると電極のうち溶接に必要な部分にのみ必要量の溶接パ
ウダー4’が付着し、無用の部分に溶接パウダーが余計
に付着しないから、溶接作業を迅速に確実に行なうこと
ができる。図7のように1次電極8を転がしつつ動かし
て溶接パウダー4’の溶接をくり返し行ない、点状の溶
着金属(ナゲット)を多数連続させ、かつ多層に重複さ
せることによって肉盛り溶接が行なわれる。肉盛り溶接
の厚さが不足するときは、溶接パウダー4’を適量追加
して行なう。
は、薄板状の溶接材を金属部材1の補修すべき稜線に沿
って当てがい、丸棒による1次電極8を転がしながら溶
接作業を進めるのが便利である(図5)。図6と図7は
溶接材に微粒粉末状の溶接パウダー4’を使用し、1次
電極8には永久磁石24を内蔵させ、電極外周面にパウ
ダーを付着させて肉盛り溶接する場合を示している。前
記1次電極8は、溶接パウダー4’を付着させ溶接を行
なう部位に永久磁石24(又は電磁石でも可)を設けて
いる。磁石を設けた1次電極のうち溶接パウダー2を付
着させ溶接を行なう部位以外は非磁性材料25で構成し
ている。溶接パウダー4’を付着させ溶接を行なう部位
に永久磁石24が設けられているから、溶接補修に必要
な磁性の溶接パウダー4’に近付けるだけで、磁気作用
によってその溶接パウダーを電極外周面に適量付着せし
められる。よって1次電極8を金属部材1の溶接補修箇
所3へ移して溶接を行なうことができる。永久磁石24
を設けられた1次電極8のうち溶接パウダー4’を付着
させて溶接を行なう部位以外を非磁性材料25で構成す
ると電極のうち溶接に必要な部分にのみ必要量の溶接パ
ウダー4’が付着し、無用の部分に溶接パウダーが余計
に付着しないから、溶接作業を迅速に確実に行なうこと
ができる。図7のように1次電極8を転がしつつ動かし
て溶接パウダー4’の溶接をくり返し行ない、点状の溶
着金属(ナゲット)を多数連続させ、かつ多層に重複さ
せることによって肉盛り溶接が行なわれる。肉盛り溶接
の厚さが不足するときは、溶接パウダー4’を適量追加
して行なう。
【0023】次に、アーク溶融機Qについて説明する。
アーク溶融機の1次電極10及び2次電極20は、それ
ぞれケーブル12、21(図8参照)を介して図1の電
源装置の出力端子に着脱自在に接続されている。1次電
極10は、アークに指向性を与えるため先細りのピン形
状とされ、コレットを介するなどしてホルダー11に装
着されている(図8)。
アーク溶融機の1次電極10及び2次電極20は、それ
ぞれケーブル12、21(図8参照)を介して図1の電
源装置の出力端子に着脱自在に接続されている。1次電
極10は、アークに指向性を与えるため先細りのピン形
状とされ、コレットを介するなどしてホルダー11に装
着されている(図8)。
【0024】先に溶着機Pによって金属部材1の補修箇
所3に肉盛りされた溶着金属6を、当該アーク溶融機Q
で再溶融化する作業の準備として、まず2次電極20を
金属部材1の適所に貼り付ける等して電気的に接続す
る。図1中の電源スイッチ5をオン操作して電源回路を
稼動状態とした後、アークの電流値はAC電源電圧を受
ける単一巻線トランスである電流調整器42により0〜
65Aに調整する。次に、1次電極10を、金属部材1
の補修箇所3に肉盛り溶接された溶着金属6に対し、
0.5mmまで近接させ、フットスイッチ52を1回踏
む。するとプリント基板41の指令によって、まず不活
性ガス供給管30に設置した自動開閉弁31が開かれ、
アルゴンガスが流出して補修箇所3の近辺はアルゴンガ
スによりアルゴンガス雰囲気とされる。アルゴンガス供
給管30は1次電極10のホルダー11に一体化した構
成で実施することもよい。つづいて、スイッチング素子
であるソリッド・ステート・リレー43が作動し、メイ
ントランス44の入力側44’に、電流が、設定した短
時間(0.01〜1.0秒)だけ流れる。次いでメイン
トランス44の電磁誘導により出力側44”に生じた電
流が、整流器45により直流に変換されコンデンサC
5、C6で平滑される。その後、制御器41の制御で高
周波発生器47が高周波を発生し、この高周波が高周波
カップリングトランス48を介して昇圧されて、直流電
流に重畳する。よって1次電極10と金属部材1との間
に高周波(0.1〜2MHz程度)が加わる。すなわ
ち、前記フットスイッチ52を踏んで(オンさせて)か
ら約0.8秒後に、1次電極10と溶着材3との間に導
電性が付与され、1次電極10からアークがノータッチ
スタートする。そして、前記アークの終了時点から約
2.5秒間、やはり自動開閉弁31が開いてアルゴンガ
ス(アフターガス)が流出し、前記アークによって溶融
された肉盛り溶接部6を不活性ガス雰囲気下に保つ。こ
れら動作は制御器41が制御する。図1中の符号49は
コンデンサC5、C6による高周波のバイパスである。
尚、オートスイッチ51を踏んだ状態を保つと、前記の
各動作が一定の周期で繰り返され、肉盛り溶接部のアー
クによる再溶融化を連続的に遂行できる。なお、制御器
41は、スイッチ5、ヒューズF及びトランスT1を介
して交流電圧を駆動電圧として受ける。
所3に肉盛りされた溶着金属6を、当該アーク溶融機Q
で再溶融化する作業の準備として、まず2次電極20を
金属部材1の適所に貼り付ける等して電気的に接続す
る。図1中の電源スイッチ5をオン操作して電源回路を
稼動状態とした後、アークの電流値はAC電源電圧を受
ける単一巻線トランスである電流調整器42により0〜
65Aに調整する。次に、1次電極10を、金属部材1
の補修箇所3に肉盛り溶接された溶着金属6に対し、
0.5mmまで近接させ、フットスイッチ52を1回踏
む。するとプリント基板41の指令によって、まず不活
性ガス供給管30に設置した自動開閉弁31が開かれ、
アルゴンガスが流出して補修箇所3の近辺はアルゴンガ
スによりアルゴンガス雰囲気とされる。アルゴンガス供
給管30は1次電極10のホルダー11に一体化した構
成で実施することもよい。つづいて、スイッチング素子
であるソリッド・ステート・リレー43が作動し、メイ
ントランス44の入力側44’に、電流が、設定した短
時間(0.01〜1.0秒)だけ流れる。次いでメイン
トランス44の電磁誘導により出力側44”に生じた電
流が、整流器45により直流に変換されコンデンサC
5、C6で平滑される。その後、制御器41の制御で高
周波発生器47が高周波を発生し、この高周波が高周波
カップリングトランス48を介して昇圧されて、直流電
流に重畳する。よって1次電極10と金属部材1との間
に高周波(0.1〜2MHz程度)が加わる。すなわ
ち、前記フットスイッチ52を踏んで(オンさせて)か
ら約0.8秒後に、1次電極10と溶着材3との間に導
電性が付与され、1次電極10からアークがノータッチ
スタートする。そして、前記アークの終了時点から約
2.5秒間、やはり自動開閉弁31が開いてアルゴンガ
ス(アフターガス)が流出し、前記アークによって溶融
された肉盛り溶接部6を不活性ガス雰囲気下に保つ。こ
れら動作は制御器41が制御する。図1中の符号49は
コンデンサC5、C6による高周波のバイパスである。
尚、オートスイッチ51を踏んだ状態を保つと、前記の
各動作が一定の周期で繰り返され、肉盛り溶接部のアー
クによる再溶融化を連続的に遂行できる。なお、制御器
41は、スイッチ5、ヒューズF及びトランスT1を介
して交流電圧を駆動電圧として受ける。
【0025】1回のアークの放射により、金属部材1の
補修箇所3に溶着機で肉盛り溶接されたナゲットの5〜
10個分が完全に溶融され、その後凝固して、隆起した
1個の団子状をなす肉盛り溶接部6が再形成される。図
8には、3回アークを発生させて形成された3個の肉盛
り溶接部6が示されいる。それぞれアークは1/3程度
ずつ重複させて肉盛りの途切れ(不連続性の発生)を防
ぐようにする。こうして肉盛り溶接部6が補修箇所3の
全域を覆うまで同様の作業を繰り返す。その後、余肉を
削除し、研磨して仕上げる。
補修箇所3に溶着機で肉盛り溶接されたナゲットの5〜
10個分が完全に溶融され、その後凝固して、隆起した
1個の団子状をなす肉盛り溶接部6が再形成される。図
8には、3回アークを発生させて形成された3個の肉盛
り溶接部6が示されいる。それぞれアークは1/3程度
ずつ重複させて肉盛りの途切れ(不連続性の発生)を防
ぐようにする。こうして肉盛り溶接部6が補修箇所3の
全域を覆うまで同様の作業を繰り返す。その後、余肉を
削除し、研磨して仕上げる。
【0026】アーク溶融機の電源回路を単独の構成にす
ると、図10のようになる。これは、図1のQの部分の
みを独立させたものである。なお、図10の場合、整流
器45とトランス48との間に電流検出器46を挿入し
て、制御器41がアーク用電流の値を監視している。よ
って、制御器41は、アーク電流が所望値でない場合
に、補正をできる。その他は、図1と同じなので、説明
を省略する。
ると、図10のようになる。これは、図1のQの部分の
みを独立させたものである。なお、図10の場合、整流
器45とトランス48との間に電流検出器46を挿入し
て、制御器41がアーク用電流の値を監視している。よ
って、制御器41は、アーク電流が所望値でない場合
に、補正をできる。その他は、図1と同じなので、説明
を省略する。
【0027】上述は本発明の好適実施例について説明し
たが、本発明の要旨を逸脱することなく種々の変更が可
能である。
たが、本発明の要旨を逸脱することなく種々の変更が可
能である。
【0028】
【発明の効果】本発明によると、溶着機で金属部材の補
修箇所に溶接材を肉盛り溶接した後に、前記肉盛り溶接
部(溶着金属)にアーク溶融機の1次電極を近接させ、
電源装置を作動させて溶着金属へアークを所定電流値に
て短時間放射することにより、同溶着金属を瞬間的に再
溶融して溶融池を作り凝固させるので、組織的に100
%再溶融化(合金化)して高安定の肉盛り溶接部を形成
できる。溶着機による溶着金属の肉盛り溶接と、これに
対するアーク溶融機によるアークの放射作業(再溶融)
を繰り返すことにより、補修箇所の全域に、必要な高品
質、高安定の肉盛り溶接部を得ることができる。その
後、余肉を削除し、研磨して仕上げることにより、高品
質、高安定の補修、補正を達成できる。
修箇所に溶接材を肉盛り溶接した後に、前記肉盛り溶接
部(溶着金属)にアーク溶融機の1次電極を近接させ、
電源装置を作動させて溶着金属へアークを所定電流値に
て短時間放射することにより、同溶着金属を瞬間的に再
溶融して溶融池を作り凝固させるので、組織的に100
%再溶融化(合金化)して高安定の肉盛り溶接部を形成
できる。溶着機による溶着金属の肉盛り溶接と、これに
対するアーク溶融機によるアークの放射作業(再溶融)
を繰り返すことにより、補修箇所の全域に、必要な高品
質、高安定の肉盛り溶接部を得ることができる。その
後、余肉を削除し、研磨して仕上げることにより、高品
質、高安定の補修、補正を達成できる。
【0029】溶着材の肉盛り溶接及びアークの放射は極
めて短時間内に行なわれ、金属部材にひけ、歪み、変
形、曲がり、変色等の熱的悪影響を与えることはない。
金属部材に合金化して一体化した肉盛り溶接が行なわれ
るため、1/100mm単位の研磨でも剥離せず、仕上
がりの耐久性が良好であり、補修作業に面倒な操作が一
切ない。このため、作業に長時間を要さず、熟練技術も
全く不要であるし、作業者の技能の優劣も結果的には品
質、仕上がりにさしたる差異をもたらさない。更に、有
毒ガスを発生せず安全であるし、削除する余肉を最少量
に抑えて仕上げを簡単化でき、長年の宿願であった成形
用金型等の金属部材の再生を簡易、且つ、確実に達成す
るのである。
めて短時間内に行なわれ、金属部材にひけ、歪み、変
形、曲がり、変色等の熱的悪影響を与えることはない。
金属部材に合金化して一体化した肉盛り溶接が行なわれ
るため、1/100mm単位の研磨でも剥離せず、仕上
がりの耐久性が良好であり、補修作業に面倒な操作が一
切ない。このため、作業に長時間を要さず、熟練技術も
全く不要であるし、作業者の技能の優劣も結果的には品
質、仕上がりにさしたる差異をもたらさない。更に、有
毒ガスを発生せず安全であるし、削除する余肉を最少量
に抑えて仕上げを簡単化でき、長年の宿願であった成形
用金型等の金属部材の再生を簡易、且つ、確実に達成す
るのである。
【図1】溶着機とアーク溶融機を併合した肉盛り溶接装
置の電源回路図である。
置の電源回路図である。
【図2】溶着機の1次電極を手作業用に構成した正面図
である。
である。
【図3】A,B,Cは、前記1次電極で薄板状の溶接材
を用いて肉盛り溶接する要領を示した立面図である。
を用いて肉盛り溶接する要領を示した立面図である。
【図4】金属部材の三頂点角部の肉盛り溶接の要領を示
した斜視図である。
した斜視図である。
【図5】金属部材の稜線の肉盛り溶接の要領を示した斜
視図である。
視図である。
【図6】溶接パウダーを付着させる磁石を内蔵した1次
電極の要部を破断した側面図である。
電極の要部を破断した側面図である。
【図7】前記1次電極を用いて金属部材の稜線に肉盛り
溶接する要領を示した斜視図である。
溶接する要領を示した斜視図である。
【図8】アーク溶融機の1次電極で肉盛り溶接部の再溶
融化を行なう要領を示した斜視図である。
融化を行なう要領を示した斜視図である。
【図9】A〜Cは、金属部材の三頂点角部の溶接補修方
法の工程を示した斜視図である。
法の工程を示した斜視図である。
【図10】単独型として構成したアーク溶融機の電源回
路図である。
路図である。
1 金属部材 3 補修箇所 4 溶接材 4’溶接パウダー 6 肉盛り溶接部 8 1次電極 10 1次電極 20 2次電極 24 永久磁石 P 溶着機 Q アーク溶融機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B23K 9/04 8315−4E B23K 9/04 K
Claims (5)
- 【請求項1】 金属部材の補修箇所の上に微粒粉末状の
溶接パウダーを適量載せるか又は薄板状の溶接材を当て
がい、溶着機の1次電極を前記溶接パウダー又は溶着材
へ局部的に押し付けて300〜1500アンペアの大電
流を1/1000〜4/1000秒の短時間内にパルス
状に通電し金属部材上に点状の溶着金属を形成すると共
に、この溶着金属を多数連続させ又は重複させることに
よって補修箇所の必要な範囲に必要な厚さの点状又は線
状又は面状の肉盛り溶接を行なう段階と、 前記のようにして金属部材の補修箇所に形成された肉盛
り溶接部を不活性ガス雰囲気中に置き、アーク溶融機の
1次電極を肉盛り溶接部へ接近させてアークを短時間放
射し溶着金属を再溶融する段階と、 前記肉盛り溶接部が凝固した後に余肉を削除し、その跡
を研磨して仕上げることを特徴とする、金属部材の溶接
補修方法。 - 【請求項2】 金属部材に溶接材を肉盛り溶接する溶着
機と、前記肉盛り溶接部をアークで再溶融するアーク溶
融機との組合せから成り、 溶着機は、金属部材と電気的に接続される2次電極と、
金属部材の補修箇所の上に載せられた微粒粉末状の溶接
パウダー又は補修箇所へ当てがった薄板状の溶接材へ局
部的に押し付けることが可能な強度及び形状を持つ1次
電極と、前記1次電極と2次電極の間に300〜150
0アンペアの大電流を1/1000〜4/1000秒の
短時間内にパルス状に通電する電源装置とで構成され、 アーク溶融機は、金属部材の上に形成された肉盛り溶接
部へ接近させる1次電極と、金属部材と電気的に接続さ
れる2次電極と、前記2次電極と前記肉盛り溶接部へ近
接させた前記1次電極との間に導電性を付与し、当該1
次電極から前記肉盛り溶接部へアークを所定範囲の電流
値にて短時間発生させる電源装置と、及びアークを発生
させる前後に前記肉盛り溶接部を不活性ガス雰囲気下に
置く不活性ガス供給機構とで構成されていることを特徴
とする肉盛り溶接装置。 - 【請求項3】 請求項2に記載した溶着機が、金属部材
の補修箇所を粉末状の溶接パウダーで肉盛り溶接する場
合に、永久磁石を内蔵した1次電極を使用し、磁性の微
粒粉末状溶接パウダーを電極外周面に付着させることを
特徴とする肉盛り溶接装置。 - 【請求項4】 請求項2に記載した溶着機と、アーク溶
融機とは、各々の電源回路を併合した一体型の構成とさ
れていることを特徴とする肉盛り溶接装置。 - 【請求項5】 請求項2に記載した溶着機と、アーク溶
融機とは、各々の電源回路を独立させた分離型の構成と
されていることを特徴とする肉盛り溶接装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21617495A JPH0957449A (ja) | 1995-08-24 | 1995-08-24 | 金属部材の溶接補修方法及び肉盛り溶接装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21617495A JPH0957449A (ja) | 1995-08-24 | 1995-08-24 | 金属部材の溶接補修方法及び肉盛り溶接装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0957449A true JPH0957449A (ja) | 1997-03-04 |
Family
ID=16684453
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP21617495A Pending JPH0957449A (ja) | 1995-08-24 | 1995-08-24 | 金属部材の溶接補修方法及び肉盛り溶接装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0957449A (ja) |
-
1995
- 1995-08-24 JP JP21617495A patent/JPH0957449A/ja active Pending
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