JPH0957979A - 静電式インクジェット記録ヘッド及びその製造方法 - Google Patents

静電式インクジェット記録ヘッド及びその製造方法

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JPH0957979A
JPH0957979A JP21877995A JP21877995A JPH0957979A JP H0957979 A JPH0957979 A JP H0957979A JP 21877995 A JP21877995 A JP 21877995A JP 21877995 A JP21877995 A JP 21877995A JP H0957979 A JPH0957979 A JP H0957979A
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良介 上松
Junichi Suetsugu
淳一 末次
Kazuo Shima
和男 島
Hitoshi Minemoto
仁史 峯本
Yoshihiro Hagiwara
良広 萩原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工製造が容易で安価に提供できる静電式イ
ンクジェット記録ヘッドを提供すること。 【解決手段】 基板1と、この基板1の表面に平行に複
数形成されインク噴射用の電界を発生させる帯状の記録
電極2と、この複数の記録電極2上にそれぞれ配置され
隣合う記録電極2間の上方に複数のインク引出孔9を画
する複数の隔壁10とを備えている。また、この隔壁1
0上に設けられ基板1と所定間隔を隔てて対向し複数の
インク引出孔9及びこれらインク引出孔9と一体的に連
通されたインク室11を形成するカバー部材6を備えて
いる。そして、隔壁10を、当該隔壁10の先端部が記
録電極2の先端部及びカバー部材6の先端部よりもイン
ク噴射側に突出するように配置した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、静電式インクジェ
ット記録ヘッドに係り、特に、静電力により色材粒子を
飛翔させて記録紙に印字を行う静電式インクジェット記
録ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】ノンインパクト記録法は、記録時におけ
る騒音の発生が無視し得る程度に極めて小さいという点
において、最近関心を集めている。特に、簡単な機構で
普通紙に高速記録を行うことができるインクジェット記
録法は極めて有力な記録法であって、これまでにも様々
な方式が提案されている。例えば、記録紙背面に設けた
電極と、これに対向した針状電極間に電圧を印加し、こ
れにより発生した電界の静電力によりインク等の色材を
飛翔せしめ、記録を行う方式がある。
【0003】この種の従来例を図5に示す。図5におい
て、基板52の表面はカバー54に覆われ、これにより
インクを保持するスリット状のインク噴射口55が設け
られている。また、基板52の表面には、インク噴射方
向に沿って複数本の記録電極53が平行に配置されてい
る。これらの記録電極53は、図示しない電圧駆動部に
接続されており、記録時には当該記録電極53に選択的
に高電圧パルスが印加されるようになっている。一方、
記録電極53の延長上には記録紙Pを介し接地された対
向電極51が配設されており、記録時には、記録電極5
3との間に電界を発生する。ここで、記録電極53は針
状であるため、記録時には記録電極53の先端に電界が
集中し、記録電極近傍のインクに電荷が蓄積されるよう
になっている。
【0004】この電荷が蓄積されるプロセスはインクの
種類によって異なり、導電性インクでは静電誘導、誘電
性インクでは誘電分極による。また、色材粒子(トナー
等)を分散させたインクでは、ゼータ電位により色材粒
子自身が見かけ上の電荷を有し、上記電界により、荷電
した色材の泳動が付勢される。
【0005】記録に用いるインクの種類は上述のいずれ
をも用いることができる。しかし、液体インクそのもの
の噴射による記録では、記録紙上にインクのにじみを生
じ、フェザリングや多色記録特有のカラーブリードが発
生して印字品質を低下させる不都合がある。かかる場
合、にじみ具合が記録紙によって異なるため、記録紙の
違いにより印字結果が異なる不都合もある。更に、イン
クの乾燥時間が必要なために記録速度が制限される等の
不都合を伴う。一方、色材粒子を分散させたインクを用
い、色材粒子を噴射することで記録を行う場合には、記
録紙によらず、にじみのない記録を行うことができる。
このため、色材粒子を分散させたインクを用いることが
望ましい。
【0006】これらのインク又はインク中の色材粒子
は、蓄積された電荷に働くクーロン力により対向電極5
1側、即ち記録紙Pの方向に引力を受け、このクーロン
力がインクの表面張力に打ち勝つと、インクが飛翔し、
記録紙P上に付着する。そして、記録したい画像に応じ
て、記録電極に印加する高電圧パルスを制御することに
より、所望の記録を行うことができるようになってい
る。
【0007】しかし、記録に用いるインクの導電度や誘
電率は空気の導電度、誘電率よりも大きいため、厳密に
は、電界が集中する場所は記録電極の配置のみでは決ま
らず、インク噴射口に形成されるインクメニスカスの形
状に影響を受ける。図5に示す記録ヘッド50では、イ
ンクメニスカスがインク噴射口長手方向に一様となるこ
とが望ましい。しかし、実際には、開口部の加工精度,
インク噴射を行ったメニスカスの振動やメニスカスの自
然な揺らぎ等により、インクメニスカスの表面には微小
な凹凸を生ずる。
【0008】かかる場合、インクの導電性及び誘電性と
の関係により、記録電極近傍で生じた微小なメニスカス
凸部に電界が集中する。そして、クーロン力によりメニ
スカスが変形を始めると、電界の集中が更に強まるの
で、初期の微小なメニスカスの凹凸により、インクの飛
翔部位にずれを生じる。これによると、ある記録電極に
高電圧パルスを印加しても、当該記録電極とずれた位置
からインクが飛翔するため、所望の位置に記録を行えな
い場合があり、印字品質の低下を招く不都合があった。
【0009】一方、特開昭60−228162号公報に
は、上記問題の解決方策の一例が開示されている。この
公報記載のものは、図5に示すように、基板62先端部
の記録電極63と対応する位置に凸部66を設けること
により、インクメニスカスに予め凹凸を付与し、これに
より、記録電極63から発散される電界を所望の位置に
集中せしめる、という方式を採っている。
【0010】このような方式において、色材粒子を含有
するインクを用いた場合には、インク中の帯電した色材
粒子が、インク中の電界に従いメニスカスの先端に移動
してはじめて噴射が行われる。
【0011】
【発明を解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報記載の従来例にあっては、例えばプリンタの解像度を
300dpiにする場合、記録電極の配置ピッチを約8
5μm程度に設定する必要がある。かかる場合、このよ
うな微細ピッチの記録電極に対応して微細な凹凸を加工
するためには、基板材料や加工プロセスが制限され、製
造費用の増大を招くという不都合があった。また、基板
が十分な機械的強度を有するには、百μm以上の厚みを
要するのに対し、加工すべき凹凸のピッチはこの厚みの
数分の一以下となるため、加工が困難を極め、やはり製
造費用の増大につながる不都合があった。
【0012】上記公報には、図6に示すように、記録電
極63を仕切る位置に補強板67を配設することによ
り、基板62を薄く柔軟な材料で形成することについて
も開示されている。しかし、これにより基板先端の凸部
の強度が低下するため、ヘッド先端部のクリーニングを
行う際や、記録紙の紙詰まりが発生した際に基板先端の
凸部を傷つけ易いという不都合があった。
【0013】
【発明の目的】本発明は、上記従来例の有する不都合を
改善し、特に、加工製造が容易で安価に提供できる静電
式インクジェット記録ヘッドを提供することをその目的
とする。
【0014】
【発明を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
基板と、この基板の表面に平行に複数形成されインク噴
射用の電界を発生させる帯状の記録電極と、この複数の
記録電極上にそれぞれ配置され隣合う記録電極間の上方
に複数のインク引出孔を画する複数の隔壁とを備えてい
る。また、この隔壁上に設けられ基板と所定間隔を隔て
て対向し複数のインク引出孔及びこれらインク引出孔と
一体的に連通されたインク室を形成するカバー部材を備
えている。そして、隔壁を、当該隔壁の先端部が記録電
極の先端部及びカバー部材の先端部よりもインク噴射側
に突出するように配置した、という構成を採っている。
【0015】本発明では、インク引出孔を画する隔壁の
先端部に、当該隔壁の先端形状に応じたインクメニスカ
スが形成される。ここで、隔壁は記録電極上に配置され
ているので、各記録電極ごとに凸部を有するインクメニ
スカスが形成される。
【0016】請求項2記載の発明では、隔壁が、基板側
に設けられた第1の隔壁部材とカバー部材側に設けられ
た第2の隔壁部材との連結により形成され、第2の隔壁
部材の先端部が第1の隔壁部材の先端部よりもインク噴
射側に突出している、という構成を採っている。
【0017】本発明では、図4に示すように、縦断面形
状が凹状のインクメニスカスが形成される。ここで、イ
ンクIは帯電したトナー粒子による導電性と空気より大
きな誘電率とを有するので、記録電極の先端部から発散
される電界は第2の隔壁部材5の先端部下方に突き出た
メニスカス部mに集中する。
【0018】請求項3記載の発明では、第2の隔壁部材
の先端部に基板面方向の丸みが形成されている、という
構成を採っている。
【0019】本発明では、図3に示すように、平面形状
が波状のインクメニスカスが形成され、記録電極から発
散された電界はメニスカス凸部の頂点に集中する。
【0020】請求項4記載の発明では、カバー部材に複
数のインク循環口を設けた、という構成を採っている。
【0021】本発明では、インク循環口からチューブを
介して外部のインクタンクに接続され、例えば、インク
室内のインクに1cmH2O程度の負圧が付勢された状
態で、強制的なインク循環が行われる。
【0022】請求項5記載の発明では、カバー部材上の
インク引出孔とは反対側に泳動電極を設けた、という構
成を採っている。
【0023】本発明では、インク中の帯電したトナー粒
子がインク室内からインク引出孔に向かって移動する。
【0024】請求項6記載の発明では、記録電極のイン
ク噴射側先端部を絶縁体層で覆った、という構成を採っ
ている。
【0025】本発明では、記録紙ジャム等の発生により
記録電極と対向電極とが電気的に短絡される事態が生じ
ても、過電流が抑制される。
【0026】請求項7記載の発明では、基板表面の全面
に導電性材料をスパッタした後フォトリソグラフィによ
り記録電極をパターン形成する第1工程と、絶縁性部材
をスピンコートした後フォトリソグラフィにより絶縁体
層を形成する第2工程と、アクリル系感光性ドライフィ
ルムをラミネートした後フォトリソグラフィにより隔壁
をパターン形成する第3工程と、カバー部材を予め所定
の形状に加工した後隔壁上に取り付ける第4工程とを備
えた、という製造方法を採っている。
【0027】本発明では、一貫したフォトリソグラフィ
技術により記録ヘッドの製造が行われる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態を図
1乃至図5に基づいて説明する。
【0029】まず図1乃至図4において、基板1の表面
には、複数の記録電極2が形成されている。各記録電極
2は、細帯状に形成され、そのインク噴射側先端は滑ら
かに尖らせた形状になっている(図5(a)参照)。こ
のように形成された各記録電極2は、一定間隔を隔て、
インク噴射方向(矢印A)に沿って平行に配置されてい
る。ここで、各記録電極2のインク噴射側先端位置は、
基板1の先端よりも幾分後退した位置に設定されてい
る。各記録電極2は、外部の電圧駆動部(図示略)より
個別的に所定の正電圧が印加されるようになっている。
本実施形態では、長時間の非記録時を除き、記録待機時
には常時1kV程度のバイアス電圧が印加され、記録時
にはこのバイアスに重畳して70V程度の駆動パルスが
印加されるようになっている。
【0030】また、これら各記録電極2のインク噴射側
先端部は、絶縁体層3によって一体的に覆われている。
基板1上において絶縁体層3の占める割合は、当該基板
1表面のおよそ4〜5分の1程度である。更に、絶縁体
層3の上方には、基板1上に複数のインク引出孔9を画
する複数の隔壁10が設けられている。この複数の隔壁
10は、それぞれ記録電極2の真上に配置されている。
【0031】本実施形態において、各隔壁10は、2種
類の隔壁部材4,5を積層することにより形成されてい
る。絶縁体層3に接する第1の隔壁部材4は、記録電極
2の先端から絶縁体層3の後端までの長さを有し、幅は
記録電極2の幅よりも幾分広く設定されている。一方、
第1の隔壁部材4上に積層された第2の隔壁部材5は、
基板1の先端から第1の隔壁部材4の後端までの長さを
有し、幅は第1の隔壁部材4と同一に設定されている。
第1及び第2の隔壁部材4,5の全体形状は、角材形状
のインク噴射側先端部に基板面方向の丸みを形成した形
状となっている。
【0032】ここで、一番外側に設けられた隔壁10U
は、図2に示すように、平面がコ字状に形成され、イン
ク室11の外郭を成している。
【0033】これら隔壁10,10Uの上方には、基板
1と対向してインク室11及び複数のインク引出孔9を
形成するカバー部材6が設けられている。カバー部材6
は、インク引出孔9の側よりもインク室11側の方が上
に堀り込まれており、このため、インク引出孔9はスリ
ット状に形成され、インク室11はインク引出孔9より
も幾分天井が高くなっている。また、カバー部材6のイ
ンク噴射側先端は、第2の隔壁部材5の先端よりも3分
の1程度後退した位置に設定されている。一方、カバー
部材6の側方及び後方は一番外側の隔壁10Uと対応す
る位置に設定されている。
【0034】カバー部材6の上部には、2つのインク循
環口8が設けられている。また、カバー部材6の上部最
後方には、平板状の泳動電極7が装備されている。
【0035】インク循環口8は、チューブを介しインク
タンクに接続されている(図示略)。これにより、イン
ク室11内のインクには、1cmH2O程度の負圧を付
与された状態で、強制的なインク循環が行われるように
なっている。ここで、用いられるインクは、石油系有機
溶媒(イソパラフィン)にトナーを含有させたものであ
り、当該トナーは正のゼータ電位に見かけ上帯電されて
いる。
【0036】泳動電極7は、外部の電圧駆動部(図示
略)より所定の正電圧が印加されるように構成され、本
実施形態では、記録電極2に印加されるバイアス電圧よ
りも高い2kVが印加されるようになっている。
【0037】ここで、対向電極等その他の構成は、前述
した従来例と同一となっている。
【0038】次に、上述した静電式インクジェット記録
ヘッドの製造方法を図5に基づいて説明する。
【0039】まず、図5(a)に示すように、ガラス等
の絶縁体である基板1上に複数の記録電極2を形成し、
その後、この記録電極2の先端部を覆うように絶縁体層
3を形成する。ここで、図5(a)では、記録電極2の
先端形状を明らかにするため絶縁体層3の一部を切り欠
いて示している。この記録電極2は基板全面にスパッタ
したニッケル、クロム等の導電性材料をフォトリソグラ
フィによりパターン形成したもので、300dpiピッ
チ、すなわち約85μm間隔で配置されている。記録電
極2の先端部は、電界が集中し易いように滑らかに尖ら
せた形状となっている。
【0040】一方、絶縁体層3は感光性ポリイミド等の
絶縁性部材をスピンコート後、フォトリソグラフィによ
り加工したもので、記録電極2の先端部のみを帯状に覆
っている。
【0041】続いて、図5(b)に示すように、絶縁体
層3の上方に第1の隔壁部材4を積層形成する。この第
1の隔壁部材4は、約30μm厚のアクリル系感光性ド
ライフィルムをラミネートし、フォトリソグラフィによ
りパターン形成して形成する。
【0042】続いて、図5(c)に示すように、第1の
隔壁部材4の上方に第2の隔壁部材5を積層形成する。
この第2の隔壁部材5も、上述の第1の隔壁部材4と同
様に、約30μm厚のアクリル系感光性ドライフィルム
に対しフォトリソグラフィを施すことによって形成す
る。これにより、すべての隔壁10,10Uが同時に形
成される。ここで、第2の隔壁部材5の先端部は、第1
の隔壁部材4の先端部よりもインク噴射側に30μm程
度飛び出している。
【0043】続いて、図5(d)に示すように、隔壁1
0,10U上にカバー部材6を接着する。カバー部材6
の素材には合成樹脂を用い、第2の隔壁部材5に全体的
に接着する。これにより、インク室11及び複数のイン
ク引出孔9が形成され、当該インク引出孔以外からはイ
ンク室11内のインクが漏れ出さないようになってい
る。
【0044】ここで、カバー部材6には、インク循環口
8及び金属性の泳動電極7を予め設けておく。カバー部
材6は、図4に一部示すように、インク室11に対応す
る部分が上向きに堀込まれており、これにより、インク
室11内におけるインクの流動抵抗を下げることができ
る。
【0045】次に、上記実施形態における全体動作を図
3乃至図4に基づいて説明する。
【0046】インク室11内にインクIが充填される
と、インクIはその表面張力によりインク引出孔9乃至
隔壁10の周囲にインクメニスカスMを形成する。イン
ク室11内のインクIには負圧が付勢されていながらも
当該インクIの濡れ性のため、隔壁10の先端形状に沿
って緩やかに飛び出したメニスカスMが形成される。隔
壁部材5の先端部下方では、図4に示すように、立体的
に突き出したメニスカス部mが形成される。ここで、第
2の隔壁部材5は、記録電極2と対応する位置に配設さ
れているため、記録電極2の位置に対応したインクメニ
スカスMが形成される。
【0047】次に、泳動電極7に電圧が印加されると、
記録待機時には、泳動電極7と記録電極2又は対向電極
(図示略)との間に生じる電位差により、インク中の帯
電したトナー粒子が電気泳動し、インク引出孔9の周辺
に集められる。続いて、任意の記録電極2に駆動パルス
が印加されると、当該記録電極2より対向電極に向かう
電界が発散される。
【0048】ここで、インクIは帯電したトナー粒子に
よる導電性と空気より大きな誘電率とを有するので、記
録電極2より発散された電界の方向はインクメニスカス
Mの表面形状に影響を受ける。このため、記録電極2よ
り発散された電界は、インクメニスカスMの頂点方向に
向かい、特に第2の隔壁部材5の先端部下方に突き出た
メニスカス部mに集中する。これにより、インク引出孔
9周辺のトナー粒子がメニスカス部mに集められる。
【0049】そして、メニスカス部mに一定量のトナー
が集まると、当該トナーはインクメニスカスMから対向
電極側に引き出され、トナー群Tとなつて対向電極方向
に飛翔する。このように飛翔したトナー群Tは、対向電
極との間に配設された記録紙に付着し、図示しないヒー
ターにより加熱され、定着される。これにより、記録紙
への記録が行われる。
【0050】また、トナー群Tの放出によりインク引出
孔9周辺で不足したトナー粒子は、インク室11内のト
ナー粒子が泳動電極7と記録電極2又は対向電極との電
位差に付勢されてインク引出孔9側に移動することによ
り補給される。そして、以後は以上説明したプロセスが
繰り返され、継続して記録が行われる。
【0051】このように、本実施の形態によれば、隔壁
10を記録電極2の先端部及びカバー部材6の先端部よ
りもインク噴射側に突出させて配置したので、記録電極
2の形成位置ごとに凸部を有するインクメニスカスMを
有効に形成することができ、これがため、従来例のよう
に基板に鋸波状の凹凸を加工する必要がないので、従来
例と同等以上のインク噴射精度を維持しつつ比較的容易
に製造することができ、高解像度の記録ヘッドを安価に
提供することができる。
【0052】また、隔壁10を第1及び第2の隔壁部材
4,5を連結することにより形成し、カバー部材6側に
設けられた第2の隔壁部材5の先端を基板1側に設けら
れた第1の隔壁部材4よりもインク噴射側に突出させた
ことから、基板1との間の凹部に縦断面凹状のインクメ
ニスカスMを形成することができ、第2の隔壁部材5の
先端下方のメニスカス部mに記録電極2からの発散電界
を集中させることができるので、インクI中の帯電トナ
ー粒子を当該メニスカス部mに迅速に供給することがで
き、これがため、高速印字に対応することができる。
【0053】更に、第2の隔壁部材5の先端には基板面
方向の丸みを形成したので、当該隔壁部材5の先端に頂
点を有するインクメニスカスMを形成することができ、
記録電極2からの発散電界を当該頂点部分に集中せしめ
ることができ、これがため、インク噴射方向の精度を向
上することができる。
【0054】これらに加え、カバー部材6には複数のイ
ンク循環口8を設け、インク室11内のインクIに負圧
を付勢すると共に強制的なインク循環を行うので、イン
クI中のトナー粒子のみを容易に噴射させることがで
き、また、インク室11内にトナー粒子を適宜供給する
ことができ、更に、インク室11内でインクが固まると
いった不都合をも防止することができる。
【0055】また、カバー部材6上のインク引出孔9と
は反対側に泳動電極7を設けたので、インク室11内の
トナー粒子をインク引出孔9の周辺に容易に供給するこ
とができる。
【0056】更に、記録電極2の先端部を絶縁対層3で
覆ったので、記録紙ジャムの発生により記録電極2と対
向電極が短絡された場合でも、過電流の発生を抑制する
ことができ、これにより、記録電極2に接続された電圧
駆動部等を保護することができる。
【0057】これに加え、本記録ヘッドの製造は、一貫
したフォトリソグラフィによるパターン形成で行うこと
ができるので、製造公差の蓄積がなく、ラインヘッドの
ように多数の記録電極を有する長尺のヘッドにおいて
も、短尺のヘッドと同様に高解像度ヘッドを安価に製造
することができる。
【0058】
【発明の効果】本発明は、以上のように構成され機能す
るので、これによると、隔壁を記録電極の先端部及びカ
バー部材の先端部よりもインク噴射側に突出させて配置
したので、記録電極の形成位置ごとに凸部を有するイン
クメニスカスを有効に形成することができ、これがた
め、従来例のように基板に鋸波状の凹凸を加工する必要
がないので、従来例と同等以上のインク噴射精度を維持
しつつ比較的容易に製造することができ、高解像度の記
録ヘッドを安価に提供することができる。
【0059】請求項2記載の発明では、インク引出孔の
隔壁を第1及び第2の隔壁部材を連結することにより形
成し、カバー部材側に設けられた第2の隔壁部材の先端
を基板側に設けられた第1の隔壁部材よりもインク噴射
側に突出させたことから、基板との間の凹部に縦断面凹
状のインクメニスカスを形成することができ、第2の隔
壁部材の先端下方のメニスカス凸部に記録電極からの発
散電界を集中させることができるので、インク中の帯電
トナー粒子を当該メニスカス凸部に迅速に供給すること
ができ、これがため、高速印字に対応することができ
る。
【0060】請求項3記載の発明では、第2の隔壁部材
の先端には基板面方向の丸みを形成したので、当該隔壁
部材の先端に頂点を有するインクメニスカスを形成する
ことができ、記録電極からの発散電界を頂点部分に集中
せしめることができ、これがため、インク噴射方向の精
度を向上することができる。
【0061】請求項4記載の発明では、カバー部材には
複数のインク循環口を設けたので、このインク循環口を
介してインク室内のインクに負圧を付勢すると共に強制
的なインク循環を行うことにより、インク中のトナー粒
子のみを容易に噴射させることができ、また、インク室
内にトナー粒子を適宜供給することができ、更に、イン
ク室内でインクが固まるといった不都合をも防止するこ
とができる。
【0062】請求項5記載の発明では、カバー部材上の
インク引出孔とは反対側に泳動電極を設けたので、イン
ク室内のトナー粒子をインク引出孔の周辺に容易に供給
することができる。
【0063】請求項6記載の発明では、記録電極の先端
部を絶縁対層で覆ったので、記録紙ジャムの発生により
記録電極と対向電極が短絡された場合でも、過電流の発
生を抑制することができ、これにより、記録電極に接続
された電圧駆動部等を保護することができる。
【0064】請求項7記載の発明では、本記録ヘッドの
製造は、一貫したフォトリソグラフィによるパターン形
成で行うことができるので、製造公差の蓄積がなく、ラ
インヘッドのように多数の記録電極を有する長尺のヘッ
ドにおいても、短尺のヘッドと同様に高解像度ヘッドを
安価に製造することができる。
【0065】このように、本発明によれば従来にない優
れた静電式インクジェット記録ヘッド及びその製造方法
を提供することができる。
【0066】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示す斜視図である。
【図2】図1に示す実施形態において、カバー部材の図
示を省略した平面図である。
【図3】図1に示す実施形態のインク引出孔周辺を示す
要部平面図である。
【図4】図3に示すB−B線における断面図である。
【図5】図1に示す実施形態の製造工程を示す一部省略
した平面図であり、図5(a)から図5(b),図5
(c),図5(d)へと順に製造工程が進行する。
【図6】従来例を示す要部斜視図である。
【図7】他の従来例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 基板 2 記録電極 3 絶縁体層 4 第1の隔壁部材 5 第2の隔壁部材 6 カバー部材 7 泳動電極 8 インク循環口 9 インク引出孔 10,10U 隔壁 11 インク室 A インク噴射方向 I インク M インクメニスカス m メニスカス部 T トナー群
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 峯本 仁史 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内 (72)発明者 萩原 良広 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と、この基板の表面に平行に複数形
    成されインク噴射用の電界を発生させる帯状の記録電極
    と、この複数の記録電極上にそれぞれ配置され隣合う記
    録電極間の上方に複数のインク引出孔を画する複数の隔
    壁と、この隔壁上に設けられ前記基板と所定間隔を隔て
    て対向し前記複数のインク引出孔及びこれらインク引出
    孔と一体的に連通されたインク室を形成するカバー部材
    とを備えた静電式インクジェット記録ヘッドにおいて、 前記隔壁を、当該隔壁の先端部が前記記録電極の先端部
    及び前記カバー部材の先端部よりもインク噴射側に突出
    するように配置したことを特徴とする静電式インクジェ
    ット記録ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記隔壁が、前記基板側に設けられた第
    1の隔壁部材と前記カバー部材側に設けられた第2の隔
    壁部材との連結により形成され、 前記第2の隔壁部材の先端部が前記第1の隔壁部材の先
    端部よりもインク噴射側に突出していることを特徴とし
    た請求項1記載の静電式インクジェット記録ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記第2の隔壁部材の先端部に前記基板
    面方向の丸みが形成されていることを特徴とした請求項
    2記載の静電式インクジェット記録ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記カバー部材に複数のインク循環口を
    設けたことを特徴とした請求項1記載の静電式インクジ
    ェット記録ヘッド。
  5. 【請求項5】 前記カバー部材上の前記インク引出孔と
    は反対側に泳動電極を設けたことを特徴とする請求項1
    記載の静電式インクジェット記録ヘッド。
  6. 【請求項6】 前記記録電極のインク噴射側先端部を絶
    縁体層で覆ったことを特徴とした請求項1記載の静電式
    インクジェット記録ヘッド。
  7. 【請求項7】 前記基板表面の全面に導電性材料をスパ
    ッタした後フォトリソグラフィにより前記記録電極をパ
    ターン形成する第1工程と、絶縁性部材をスピンコート
    した後フォトリソグラフィにより前記絶縁体層を形成す
    る第2工程と、アクリル系感光性ドライフィルムをラミ
    ネートした後フォトリソグラフィにより前記隔壁をパタ
    ーン形成する第3工程と、前記カバー部材を予め所定の
    形状に加工した後前記隔壁上に取り付ける第4工程とを
    備えたことを特徴とした請求項6記載の静電式インクジ
    ェット記録ヘッドの製造方法。
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EP19960113658 EP0761442B1 (en) 1995-08-28 1996-08-26 Electrostatic ink-jet recording head having a plurality of partitions in the direction of ink ejection

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US6102522A (en) * 1996-11-19 2000-08-15 Nec Corporation Electrostatic ink jet recording apparatus and method of producing the same

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