JPH0958567A - 補助動力アシスト式自転車 - Google Patents

補助動力アシスト式自転車

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JPH0958567A
JPH0958567A JP7220597A JP22059795A JPH0958567A JP H0958567 A JPH0958567 A JP H0958567A JP 7220597 A JP7220597 A JP 7220597A JP 22059795 A JP22059795 A JP 22059795A JP H0958567 A JPH0958567 A JP H0958567A
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JP
Japan
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clutch
auxiliary power
way clutch
gear
action
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JP7220597A
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Inventor
Kosaku Yamauchi
幸作 山内
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Suzuki Motor Corp
Original Assignee
Suzuki Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電動モータの逆転を防止するワンウェイクラッ
チのクラッチ作用をバック移動時において解除可能に
し、電動モータの逆転防止とバック移動とを両立させ
る。 【解決手段】電動モータ36の補助動力を合力装置(例え
ば差動装置55)に伝達する補助動力伝達系統95の途中に
電動モータ36の逆転を防止するワンウェイクラッチ96が
設けられた補助動力アシスト式自転車において、このワ
ンウェイクラッチ96に加わる逆転トルクが所定の強度に
達するまでワンウェイクラッチ96のクラッチ作用を解除
するクラッチ作用解除手段(レリーズ突起109 )を設け
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自転車の車体に電
動モータを搭載し、その補助動力でペダル踏力をアシス
トすることにより、登坂走行や向い風を受けながらの走
行を容易にした補助動力アシスト式自転車に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の補助動力アシスト式自転車に
は、電動モータとともに合力装置が搭載されており、こ
の合力装置によって人力(ペダル踏力)と電動モータの
補助動力とが合成され、その合力が駆動輪側に出力され
るようになっている。図10は、このような補助動力アシ
スト式自転車の構造例を示す断面図である。
【0003】この図において、車幅方向に延びるクラン
ク軸201 はペダル踏力により矢印Aで示す回転方向に駆
動される。このクランク軸201 には合力装置としての差
動装置202 が同軸的に設けられている。この差動装置20
2 は、例えば傘歯ギヤ状の人力入力ギヤ203 および補助
動力入力ギヤ204 と、これら両ギヤ203,204 に噛み合う
一対〜二対の遊星ギヤ205,206 と、この遊星ギヤ205,20
6 を回転自在に保持する差動キャリア207 とから構成さ
れており、差動キャリア207 にはドライブスプロケット
208 が回転一体に設けられている。
【0004】人力入力ギヤ203 はクランク軸201 に回転
一体であり、補助動力入力ギヤ204はクラッチスリーブ2
09 とともにクランク軸201 廻りに回転自在である。ま
た、差動キャリア207 は、その一側が補助動力入力ギヤ
204 の周りにワンウェイクラッチ210 を介して軸支さ
れ、他側がクランク軸201 に回転自在に軸支されてい
る。
【0005】このように構成された差動装置202 の近傍
には電動モータ211 が設置されており、この電動モータ
211 が発生する補助動力が補助動力伝達系統212 を経て
差動装置202 に伝達される。
【0006】上記補助動力伝達系統212 は、電動モータ
211 の主軸213 に回転一体に設けられて矢印Bで示す方
向に回転する一次ドライブギヤ214 と、この一次ドライ
ブギヤ214 に噛み合う大径な一次ドリブンギヤ215 と、
一次ドリブンギヤ215 に回転一体で小径な二次ドライブ
ギヤ216 と、クランク軸201 に回転自在に軸支されて二
次ドライブギヤ216 に噛み合い、前記クラッチスリーブ
209 に回転一体に接続された二次ドリブンギヤ217 とか
ら構成されている。
【0007】一次ドリブンギヤ215 および二次ドライブ
ギヤ216 は、電動モータ211 とクランク軸201 との間に
固定された中間軸218 の周りにワンウェイクラッチ219
を介して軸支されている。このワンウェイクラッチ219
により、一次ドリブンギヤ215 および二次ドライブギヤ
216 は矢印Cで示す方向に回転することのみを許されて
いる。
【0008】ペダル踏力によりクランク軸201 がA方向
に回転すると、人力入力ギヤ203 がクランク軸201 と同
一方向に回転する。また、電動モータ211 が作動する
と、その補助動力が減速ギヤ列212 により2段階に減速
されて前記クラッチスリーブ209 に伝えられ、補助動力
入力ギヤ204 もA方向に回転する。
【0009】このように、両ギヤ203,204 が同時にA方
向へ回転するので、遊星ギヤ205,206 がクランク軸201
の廻りをA方向に公転し、この公転により差動キャリア
207がドライブスプロケット208 と共にクランク軸201
の廻りを回転する。そして、ドライブスプロケット208
が図示しないチェーンを介して駆動輪(自転車の後輪)
を駆動する。
【0010】人力と補助動力との間に差がある場合に
は、人力入力ギヤ203 と補助動力入力ギヤ204 の回転速
度に差が生じ、遊星ギヤ205,206 が自転する(差動装置
202 が差動する)。このため、差動キャリア207 とドラ
イブスプロケット208 の回転速度が人力入力ギヤ203 と
補助動力入力ギヤ204 の回転速度を平均した速度にな
る。このように、差動装置202 を用いれば人力と補助動
力をスムーズに合成し、その合力を駆動輪側に出力する
ことができる。
【0011】なお、電動モータ211 に接続されている制
御装置221 により、人力と補助動力の比率(アシスト
比)が常に1対1となるように電動モータ211 の出力が
調整される。
【0012】ところで、この補助動力アシスト式自転車
によれば、電動モータ211 を作動させずにペダル踏力の
みで走行することも可能である。この場合、ペダル踏力
によりクランク軸201 がA方向に回転駆動されると、差
動装置202 の人力入力ギヤ203 もA方向に回転するが、
差動キャリア207 には駆動輪からの負荷が加わっている
ため、差動装置202 が差動して補助動力入力ギヤ204 を
反A方向に逆転させようとする。
【0013】しかし、ワンウェイクラッチ219 により補
助動力入力ギヤ204 の逆転が防止されているため、その
反作用で差動キャリア207 が人力入力ギヤ203 の2分の
1の速度でA方向に回転駆動される。このため、クラン
ク軸201 の回転が2分の1に減速されてドライブスプロ
ケット208 に伝達され、ペダル踏力のみで走行すること
ができる。なお、クランク軸201 の回転が2分の1に減
速されるのでペダル踏力が非常に軽くて済み、発進およ
び走行が容易になる。
【0014】差動キャリア207 の軸支部に設けられたワ
ンウェイクラッチ210 は、補助動力入力ギヤ204 のA方
向への回転のみを差動キャリア207 に伝達し、しかも補
助動力入力ギヤ204 の回転速度が差動キャリア207 の回
転速度を上回ることを阻止する機能を持つ。
【0015】このワンウェイクラッチ210 が無いと、例
えば定速走行中にペダルを急に強く踏み込んでクランク
軸の回転速度を上げ、その直後にペダルを停止あるいは
逆転させるというような運転(いわゆるシーソー漕ぎ)
を行った場合に次のような問題が起こる。
【0016】即ち、まずペダルが急に強く踏み込まれた
ことにより、前記制御装置221 がペダル踏力の急激な増
大を感知し、人力と補助動力の大きさを釣り合わせよう
として電動モータ211 の出力を急激に向上させる。とこ
ろが、これには若干の応答遅れが伴うため、実際に電動
モータ211 の出力が向上した頃にはペダルが停止あるい
は逆転している。
【0017】この瞬間、人力入力ギヤ203 が無負荷状態
となる一方、補助動力入力ギヤ204は電動モータ211 の
出力向上によりA方向へ急激に回転しようとする。そし
て、差動キャリア207 には駆動輪からの負荷が掛かって
いるため、補助動力入力ギヤ204 の回転速度上昇により
差動装置202 が差動し、人力入力ギヤ203 が反A方向へ
逆転しようとする。
【0018】したがって、人力入力ギヤ203 が逆転しよ
うとする力がクランク軸201 を経てペダルに伝わり、ペ
ダルを踏んでいる乗員の足にキックバックとして感じら
れる。このキックバックは、ペダルを止める度に感じら
れるので、これにより乗車感が大幅に損なわれてしま
う。
【0019】この問題は、ワンウェイクラッチ210 が設
けられたことで解決されている。つまり、前述の如く電
動モータ211 が補助動力入力ギヤ204 をA方向へ急激に
回転させようとしても、ワンウェイクラッチ210 によっ
て補助動力入力ギヤ204 と差動キャリア207 とが回転一
体となり、補助動力入力ギヤ204 の回転速度が差動キャ
リア207 の回転速度を上回ることができなくなるので、
結果的に差動装置202がロックされたことになり、補助
動力入力ギヤ204 の急激な回転上昇により差動装置202
が差動して人力入力ギヤ203 が逆転し、そのキックバッ
クがペダルに伝わるという事態が防止される。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに構成された補助動力アシスト式自転車を後方に引い
てバック移動させようとした場合、ドライブスプロケッ
ト208 は差動キャリア207 とともに反A方向へ逆転しよ
うとするが、差動キャリア207 はワンウェイクラッチ21
0 により補助動力入力ギヤ204 に対し回転一体となり、
補助動力入力ギヤ204 はワンウェイクラッチ219 により
逆転を阻止されるため、ドライブスプロケット208 が逆
転することはできず、したがってバック移動が不可能で
あるという問題点があった。
【0021】本発明は、この問題点を解決するためにな
されたもので、電動モータの逆転を防止するワンウェイ
クラッチのクラッチ作用をバック移動時において解除可
能にし、電動モータの逆転防止とバック移動とを両立さ
せることのできる補助動力アシスト式自転車を提供する
ことを目的とする。
【0022】また、本発明のもう一つの目的は、簡素な
構成で確実にワンウェイクラッチのクラッチ作用を解除
および復帰できるようにすることにある。
【0023】そして、本発明のもう一つ別の目的は、従
来から備えられている部品をワンウェイクラッチのクラ
ッチ作用解除用の部品として流用可能にし、部品点数の
削減とコストダウンを図ることにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る補助動力アシスト式自転車は、請求項
1に記載したように、電動モータの補助動力を合力装置
に伝達する補助動力伝達系統の途中に電動モータの逆転
を防止するワンウェイクラッチが設けられた補助動力ア
シスト式自転車において、ワンウェイクラッチに加わる
逆転トルクが所定の強度に達するまでワンウェイクラッ
チのクラッチ作用を解除するクラッチ作用解除手段を設
けた。
【0025】このように構成した場合、ワンウェイクラ
ッチに加わる逆転トルクが小さいうちは上記クラッチ作
用解除手段によりワンウェイクラッチのクラッチ作用が
解除された状態に保たれ、逆転トルクが所定の強度に達
するとワンウェイクラッチのクラッチ作用が復帰する。
この逆転トルクは、バック移動時には微小であり、人力
走行時には強大になるので、バック移動時の微小な逆転
トルクではワンウェイクラッチのクラッチ作用が復帰し
ないようにクラッチ作用解除手段の作動トルクを設定す
れば、電動モータの逆転防止とバック移動とを両立させ
ることができる。
【0026】また、本発明に係る補助動力アシスト式自
転車は、請求項2に記載したように、前記ワンウェイク
ラッチを、固定されたクラッチアウタの中心にクラッチ
軸が回転自在に挿通されて上記クラッチアウタの内周部
に設けられた楔室の内部にクラッチローラが内蔵され、
このクラッチローラの楔作用によりクラッチ軸の逆転が
阻止されるように構成された楔ローラ形式のものとする
一方、前記クラッチ作用解除手段を、逆転トルクが所定
の強度に達するまでは上記楔室内に挿入されてクラッチ
ローラをラジアル方向に押圧することによりクラッチロ
ーラの楔作用を解除させ、逆転トルクが所定の強度に達
すると同時にクラッチ軸の軸方向に移動して上記楔室内
から引き抜かれ、クラッチローラの楔作用を復帰させる
レリーズ突起とした。
【0027】このように構成した場合、合力装置からの
逆転トルクが所定の強度に達すると同時にクラッチ作用
解除手段であるレリーズ突起が軸方向に移動して楔室内
から引き抜かれ、クラッチローラの楔作用を復帰させる
ので、簡素な構成で確実にワンウェイクラッチのクラッ
チ作用を解除および復帰させることができる。
【0028】さらに、本発明に係る補助動力アシスト式
自転車は、請求項3に記載したように、前記補助動力伝
達系統の中間軸を前記クラッチ軸として用い、この中間
軸を前記レリーズ突起とともに軸方向に移動可能に軸支
し、中間軸に設けた補助動力伝達用のハス歯ギヤと、こ
のハス歯ギヤに噛み合う他のハス歯ギヤとが、逆転トル
クが所定の強度に達した時にスラスト荷重を発生させて
中間軸とレリーズ突起を反ワンウェイクラッチ側に移動
させ、レリーズ突起をクラッチアウタの楔室内から引き
抜いてワンウェイクラッチのクラッチ作用を復帰させる
構造とした。
【0029】このように構成すれば、従来から備えられ
ている部品である中間軸をワンウェイクラッチのクラッ
チ作用解除用の部品として流用できるので、部品点数の
削減とコストダウンを図ることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態につい
て図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る
補助動力アシスト式自転車の左側面図である。
【0031】この補助動力アシスト式自転車1は、例え
ば金属管製の車体フレーム2を備えており、この車体フ
レーム2の前頭部には前輪3を支持するフロントフォー
ク4がハンドルバー5やバスケット6等と共に左右回動
自在に設けられる一方、車体フレーム2の後部には後輪
7が軸支され、車体フレーム2の中央上部にはサドル8
が設置されている。
【0032】そして、車体フレーム2の中央下部には電
動モータが内蔵された補助動力アシスト装置10が搭載さ
れている。この補助動力アシスト装置10には車幅方向に
延びるクランク軸11が軸支されており、このクランク軸
11の両端部にクランク12Lおよびクランク12Rが回転一
体に固定され、両クランク12L,12Rの先端部にそれぞ
れペダル13が回転自在に設けられている。
【0033】また、クランク軸11には補助動力アシスト
装置10の右側に位置するドライブスプロケット15が軸装
されており、このドライブスプロケット15と、後輪7に
設けられたドリブンスプロケット16との間にチェーン17
が巻装されている。
【0034】クランク軸11は、サドル8に着座した乗員
が足でペダル13を踏むことにより矢印Aで示す前転方向
に回転駆動され、これとともにドライブスプロケット15
がクランク軸11と同一方向に回転し、この回転がチェー
ン17によりドリブンスプロケット16に伝達されて後輪7
が駆動される。
【0035】さらに、車体フレーム2の前半部には、補
助動力アシスト装置10に内蔵された電動モータを作動さ
せるためのバッテリユニット20が固定されている。この
バッテリユニット20は、例えば十数個の小型バッテリ21
と図示しない充電器とが合成樹脂製のバッテリケース22
の中に密封された構成となっている。なお、補助動力ア
シスト装置10の上部には上記電動モータの出力を制御す
る制御装置23が取り付けられている。
【0036】図2は、補助動力アシスト装置10の横断面
図であり、図3は図2のIII-III 矢視による補助動力ア
シスト装置10の左側面図である。また、図4は本発明の
一実施形態を示す補助動力アシスト装置10の機構概念斜
視図である。
【0037】補助動力アシスト装置10の外殻をなすケー
シング25は、例えばアルミ合金製であり、図2に示すよ
うに左側のケース半身26と右側のケース半身27とが数本
のボルト28で固定され、ケース半身26の左側開口部にア
ウターカバー29が数本のボルト30で固定される構造とな
っている。なお、図3にはアウターカバー29が取り外さ
れた状態が示されている。
【0038】前記クランク軸11はケーシング25の後部に
軸受31,32 を用いて回転自在に軸支されており、ケーシ
ング25から左右に突出するクランク軸11の両端部に前記
クランク12Lおよび12Rがボルト33で固定される。
【0039】ケーシング45の前部には電動モータ室35が
画成され、その内部に前述した電動モータ36が設置され
ている。この電動モータ36は補助動力を発生するもの
で、その外ケース37が数本のボルト38によりケース半身
26側に固定されており、その主軸39はクランク軸11に平
行している。
【0040】そして、電動モータ36の左側にはローラ式
の遊星減速機構41が設けられている。この遊星減速機構
41の太陽ローラ42は軸状に形成されており、その左端が
アウターカバー29側に設けられた軸受43に軸支され、右
端がケース半身26側に設けられた軸受44に軸支されると
ともに、電動モータ36の主軸39の左端にスプライン嵌合
されて回転一体に連結されている。
【0041】また、ケース半身26には環状のリングロー
ラ45がボルト46で固定され、このリングローラ45の左側
には減速キャリア47が軸受48を介して太陽ローラ42廻り
に回転自在に軸支されている。減速キャリア47には太陽
ローラ42に平行する4本のローラ軸49が固定されてお
り、これらのローラ軸49にそれぞれ遊星ローラ51が回転
自在に軸支されている。4個の遊星ローラ51の外周面は
リングローラ45の内周面と太陽ローラ42の外周面とに接
する。また、減速キャリア47の左側面には一次ドライブ
ギヤ52が回転一体に設けられている。
【0042】電動モータ36の主軸39が回転すると、遊星
減速機構41の太陽ローラ42も一体に回転し、固定された
リングローラ45と回転する太陽ローラ42との間で各遊星
ローラ51が自転しながら太陽ローラ42の廻りを公転し、
これにより減速キャリア47と一次ドライブギヤ52が減速
回転駆動される。なお、主軸39と太陽ローラ42は矢印B
で示す方向に回転し、減速キャリア47と一次ドライブギ
ヤ52も同一方向に回転する。
【0043】ところで、本実施例では遊星減速機構41が
ローラ式に構成されているが、例えば太陽ローラ42の外
周にピニオンギヤを設けるとともにリングローラ45をリ
ングギヤ(内歯ギヤ)に変更し、各遊星ローラ51を上記
ピニオンギヤおよびリングギヤに噛み合う遊星ギヤに変
更することにより、遊星減速機構41をギヤ式に構成して
もよい。
【0044】一方、ケーシング25の後部には合力装置室
54が画成され、ここに合力装置としての差動装置55が内
蔵されている。この差動装置55はクランク軸11と同軸的
に設けられており、例えば以下のように構成されてい
る。
【0045】まず、クランク軸11には人力入力ギヤ56が
ワンウェイクラッチ57を介して軸装されている。このワ
ンウェイクラッチ57は、クランク軸11がA方向に回転し
ている時には人力入力ギヤ56をクランク軸11に一体回転
させ、クランク軸11が反A方向に逆転した時には人力入
力ギヤ56への回転入力を断って人力入力ギヤ56の逆転を
防止するクラッチ機構である。
【0046】また、この人力入力ギヤ56の左側には補助
動力入力ギヤ58がクランク軸11に対して回転自在に軸支
されている。この補助動力入力ギヤ58の歯数は人力入力
ギヤ56の歯数と同一である。そして、この両ギヤ56,58
と共に差動キャリア60が設けられている。なお、図4中
には差動装置55全体の構造を解りやすくするために差動
キャリア60の一部を棒材状に簡略化して記入してある。
【0047】差動キャリア60は、左側のキャリア半身60
Lと右側のキャリア半身60Rとがボルト61で組み立てら
れており、キャリア半身60Lのボス62は補助動力入力ギ
ヤ58のボス63の外周に回転自在に軸支され、キャリア半
身60Rのボス64はクランク軸11に回転自在に軸支されて
いる。なお、上記ボス64はケース半身27から右外方に突
出しており、この部分に前記ドライブスプロケット15が
回転一体に設けられている。
【0048】キャリア半身60Lとキャリア半身60Rとの
間には4本のギヤ軸65が架設されており、これらのギヤ
軸65には、人力入力ギヤ56に噛み合う一対の第一遊星ギ
ヤ66と、この第一遊星ギヤ66に等しい歯数を持ち、第一
遊星ギヤ66に噛み合うとともに補助動力入力ギヤ58にも
噛み合う一対の第二遊星ギヤ67が回転自在に軸支されて
いる。
【0049】このように構成された差動装置55の左方に
は大径な二次ドリブンギヤ70がクランク軸11に対して回
転自在に軸支され、この二次ドリブンギヤ70のボス71が
差動装置55側に延ばされて補助動力入力ギヤ58のボス63
に突き合わされている。そして、両方のボス71と63の外
周に円筒状のスリーブ部材72が軸方向へ移動自在に環装
されている。
【0050】図5(A),(B) に示すように、補助動力入力
ギヤ58のボス63と二次ドリブンギヤ70のボス71の外周面
には、それぞれ外スプライン73,74 が刻設されており、
これらの外スプライン73,74 にスリーブ部材72の内周面
に刻設された内スプライン75が係合するようになってい
る。
【0051】また、キャリア半身60Lのボス62は左方へ
筒状に延びてスリーブ部材72の外周を覆い、ボス62の内
周面とスリーブ部材72の外周面との間にワンウェイクラ
ッチ76が設けられている。このワンウェイクラッチ76
は、補助動力入力ギヤ58のA方向への回転のみを差動キ
ャリア60に伝達し、しかも補助動力入力ギヤ58の回転速
度が差動キャリア60の回転速度を上回ることを阻止する
機能を持つ。
【0052】さらに、スリーブ部材72の外周には上記ワ
ンウェイクラッチ76の左側に隣接してフランジ78が形成
され、このフランジ78の外周部には外スプライン79が刻
設されている。一方、キャリア半身60Lのボス62の左端
部内周面には上記外スプライン79に係合可能な内スプラ
イン80が刻設されている。
【0053】図5(A) に示すようにスリーブ部材72が二
次ドリブンギヤ70寄り(左方)に位置した場合には、ス
リーブ部材72の内スプライン75が補助動力入力ギヤ58の
ボス63に形成された外スプライン73と二次ドリブンギヤ
70のボス71に形成された外スプライン74の両方に跨がっ
て係合し、二次ドリブンギヤ70と補助動力入力ギヤ58と
を回転一体にするため、二次ドリブンギヤ70の回転が補
助動力入力ギヤ58に伝達される。この時、スリーブ部材
72の外スプライン78はキャリア半身60Lのボス62に形成
された内スプライン80には係合されない。
【0054】また、図5(B) に示すようにスリーブ部材
72が差動装置55寄り(右方)に位置した時には、スリー
ブ部材72の内スプライン75が補助動力入力ギヤ58の外ス
プライン73のみに係合し、二次ドリブンギヤ70が補助動
力入力ギヤ58に対して分離される。同時に、スリーブ部
材72の外スプライン79とキャリア半身60Lの内スプライ
ン80とが係合し、これによって差動装置55の差動(人力
入力ギヤ56と補助動力入力ギヤ58との間の相対回転)が
ロックされる。
【0055】このようなスリーブ部材72の軸方向への移
動は、図2、図3および図5(A),(B) に示す移動機構82
により行われる。この移動機構82は円筒カムを使用した
機構で操作ケーブル83によって操作され、この操作ケー
ブル83の他端は前記ハンドルバー5等に設けられた図示
しない操作部に接続されており、この操作部を乗員が操
作することによってスリーブ部材72を任意にクランク軸
11の軸方向に移動させることができるようになってい
る。
【0056】なお、二次ドリブンギヤ70の左方には円盤
状のセンサプレート84がクランク軸11に対して回転一体
に設けられており、このセンサプレート84の外周部には
等間隔で凹凸形状85が形成されていて、この凹凸形状85
の動きを図示しない回転センサが読み取ることによって
クランク軸11の回転速度が検出され、そのデータが前記
制御装置23に入力される。
【0057】また、遊星減速機構41の減速キャリア47の
外周面にも等間隔で凹凸形状86が形成されており、電動
モータ36が作動して減速キャリア47が回転した際、減速
キャリア47の近傍に固定された回転センサ87が上記凹凸
形状86の動きを読み取ることによって電動モータ36の回
転速度が検出され、このデータも制御装置23に入力され
る。
【0058】ところで、遊星減速機構41の太陽ローラ42
とクランク軸11との間には中間軸90が軸受91,92 により
回転自在に軸支されている。この中間軸90には前記一次
ドライブギヤ52に噛み合う大径な一次ドリブンギヤ93
と、前記二次ドリブンギヤ70に噛み合う小径な二次ドラ
イブギヤ94とが回転一体に設けられており、中間軸90は
一次ドライブギヤ52に駆動されて矢印Cで示す方向に回
転駆動される。
【0059】図4に示すように、一次ドライブギヤ52と
一次ドリブンギヤ93にはハス歯ギヤが採用されており、
その歯の捩じれ方向は、一次ドライブギヤ52がB方向に
回転した際に一次ドリブンギヤ93および中間軸90に左方
へのスラスト荷重が加えられるように設定されている。
なお、二次ドライブギヤ94と二次ドリブンギヤ70は平歯
ギヤである。そして、一次ドライブギヤ52、一次ドリブ
ンギヤ93、二次ドライブギヤ94、二次ドリブンギヤ70に
よって補助動力伝達系統95が構成され、この補助動力伝
達系統95により電動モータ36の補助動力が差動装置55に
伝達されるようになっている。
【0060】この補助動力伝達系統95の途中には、差動
装置55から逆転トルクが加わった場合に電動モータ36が
逆転するのを防止するためにワンウェイクラッチ96が設
けられている。このワンウェイクラッチ96は、例えば中
間軸90上の二次ドライブギヤ94と軸受92との間に設けら
れている。
【0061】図6は、図2のVI-VI 線に沿うワンウェイ
クラッチ96の縦断面図であり、図7は図6のVII 部の拡
大図である。また、図8は図7のVIII-VIII 線に沿う横
断面図である。
【0062】このワンウェイクラッチ96は、3本のビス
98でケース半身26側に固定されたクラッチアウタ99の中
心孔100 に中間軸90がクラッチ軸として回転自在に挿通
され、上記中心孔100 の内周面に形成された3つの楔室
101 の内部にクラッチローラ102 が内蔵された楔ローラ
形式のものとなっている。3つの楔室101 は、それぞれ
中間軸90の回転方向Cに向かって高さが高くなる楔状に
形成されており、各クラッチローラ102 はプッシュピー
ス103 とプッシュスプリング104 とによって楔室101 の
高さが狭まる方向に押圧されている。
【0063】このワンウェイクラッチ96において、中間
軸90がC方向に回転した場合、各クラッチローラ102 が
楔室101 の高さの高まる方向(プッシュピース103 側)
に転動するので中間軸90の回転は妨げられないが、中間
軸90が反C方向に逆転しようとした場合には各クラッチ
ローラ102 が楔室101 の高さの低まる方向に転動して楔
室101 の天井部と中間軸90の外周面との間に食い込み、
その楔作用によって中間軸90の逆転が妨げられる。な
お、プッシュピース103 とプッシュスプリング104 は、
クラッチローラ102 を楔室101 の狭まる方向へ押圧する
ことによってクラッチローラ102 の楔作用の開始を早め
る働きをする。
【0064】中間軸90は一次ドリブンギヤ93および二次
ドライブギヤ94と共に軸方向へ移動可能に軸支されてお
り、スラストスプリング106 によって常に右方へ付勢さ
れている。そして、二次ドライブギヤ94の右側にはレリ
ーズ部材107 が中間軸90に対し回転自在かつ軸方向には
摺動一体に軸装されている。
【0065】このレリーズ部材107 は、図2、図4およ
び図8、図9に示すように、環状のレリーズリング108
に、ワンウェイクラッチ96側に延びる3本のレリーズ突
起109 と3本のレリーズガイド110 とが一体的に構成さ
れた部品であり、レリーズリング108 が中間軸90に環装
される。
【0066】図8に示すようにレリーズ突起109 の先端
部は斜めにカットされて斜面カム109aが形成されてお
り、この斜面カム109aの部分がクラッチアウタ99の楔室
101 内に挿入される。このレリーズ突起109 はワンウェ
イクラッチ96に加わる逆転トルクが所定の強度に達する
までワンウェイクラッチ96のクラッチ作用を解除するク
ラッチ作用解除手段となるものである。一方、レリーズ
ガイド110 は丸棒状に形成されてクラッチアウタ99に形
成された挿通孔111 内にガタなく摺動自在に挿入され、
レリーズ突起109 を楔室101 内の定位置に保持する働き
をする。
【0067】中間軸90が左方に位置している場合は、レ
リーズ突起109 が図8中に実線で示すように楔室101 か
ら半分程引き抜かれた状態にあり、レリーズ突起109 は
クラッチローラ102 に干渉しない。この状態で中間軸90
が反C方向に逆転しようとすれば、前述の如くクラッチ
ローラ102 の楔作用が生じて中間軸90の逆転が阻まれ
る。
【0068】しかし、中間軸90が右方に位置している場
合には、レリーズ突起109 が図8中に二点鎖線で示す位
置まで楔室101 内に押し込まれ、斜面カム109aがクラッ
チローラ102 をラジアル方向に押圧してプッシュピース
103 側に寄せる。このため、クラッチローラ102 が反プ
ッシュピース103 側に転動できなくなり、クラッチロー
ラ102 の楔作用、つまりワンウェイクラッチ96のクラッ
チ作用が解除されて中間軸90は正逆両方向に回転可能に
なる。
【0069】電動モータ36が停止した状態では、スラス
トスプリング106 の付勢力のみが中間軸90に作用するの
で、図9に示すように中間軸90は右方に押圧されてお
り、レリーズ突起109 が楔室101 内に深く挿入されてワ
ンウェイクラッチ96のクラッチ作用が解除されるが、電
動モータ36が作動すると、ハス歯ギヤである一次ドライ
ブギヤ52と一次ドリブンギヤ93とがスラスト荷重を発生
させ、このスラスト荷重がスラストスプリング106 の付
勢力に抗して一次ドリブンギヤ93を中間軸90と共に左方
に移動させるので(図4の状態となる)、ワンウェイク
ラッチ96のクラッチ作用が復帰して中間軸90の反C方向
への逆転が不可能となる。
【0070】以上のように構成された補助動力アシスト
式自転車1において、人力と電動モータ36の補助動力と
を併用しながら走行する場合は、前述の移動機構82を操
作してスリーブ部材72を二次ドリブンギヤ70側に位置さ
せ(図5(A) の状態にする)、電動モータ36を作動させ
ながらペダル13を漕ぐ。
【0071】この状態では、クランク軸11に加わるペダ
ル踏力によって差動装置55の人力入力ギヤ56がA方向に
回転駆動される一方、遊星減速機構41と補助動力伝達系
統95とで減速された電動モータ36の補助動力によって差
動装置55の補助動力入力ギヤ58もA方向に回転駆動され
る。
【0072】したがって、上記両ギヤ56,58 のA方向へ
の回転により第一および第二遊星ギヤ66,67 がクランク
軸11の廻りをA方向に公転する。このため、差動キャリ
ア60がドライブスプロケット15とともにA方向に回転駆
動され、チェーン17を介して後輪7が駆動される。
【0073】人力入力ギヤ56と補助動力入力ギヤ58の回
転速度の差は、第一および第二遊星ギヤ66,67 の自転
(差動装置55の差動)により吸収される。このため、人
力と補助動力とが常に円滑に合成され、その合力が効率
良く後輪7側に出力される。そして、ペダル13の踏力が
大幅に軽減され、登坂走行や向い風を受けながらの走行
が非常に楽になる。なお、クランク軸11を逆転させた時
にはワンウェイクラッチ57が作用して人力入力ギヤ56の
逆転が防止される。
【0074】制御装置23は、2つの回転センサから入力
されるクランク軸11の回転速度と電動モータ36の回転速
度のデータから差動装置55の人力入力ギヤ56と補助動力
入力ギヤ58の回転速度を割り出し、この2つのギヤ56,5
8 の回転速度が常に一致するように電動モータ36の出力
を調整する。これにより、人力と補助動力の比率(アシ
スト比)が常に1対1に保たれ、一段と効率良く、かつ
自然なフィーリングで走行することができる。
【0075】ここで、電動モータ36からのキックバック
が来るような運転、例えば定速走行中にペダル13を急に
強く踏み込み、その直後にペダル13を停止あるいは逆転
させるといった運転をしても、差動装置55に設けられた
ワンウェイクラッチ76の作用により、キックバックがペ
ダル13に伝達されることが防止される。
【0076】つまり、補助動力アシスト式自転車1の定
速走行中にペダル13が急に強く踏み込まれることによ
り、クランク軸11と人力入力ギヤ56の回転速度が急上昇
するため、制御装置23が補助動力入力ギヤ58の回転速度
を人力入力ギヤ56の回転速度に合わせるべく電動モータ
36の出力を向上させる。
【0077】ところが、これには若干の応答遅れが伴う
ため、電動モータ36の出力が向上した頃にはペダル13
(クランク軸11)の回転が停止あるいは逆転していて人
力入力ギヤ56が無負荷状態となっている。一方、補助動
力入力ギヤ58は電動モータ36の出力向上によりA方向へ
急激に回転しようとする。
【0078】この時、差動キャリア60には後輪7からの
負荷が掛かっているため、補助動力入力ギヤ58の回転速
度上昇により差動装置55が差動し、人力入力ギヤ56が反
A方向へ逆転しようとするが、ワンウェイクラッチ76に
よって補助動力入力ギヤ58と差動キャリア60とが回転一
体となり、補助動力入力ギヤ58の回転速度が差動キャリ
ア60の回転速度を上回ることができなくなるので、結果
的に差動装置55がロックされたことになり、補助動力入
力ギヤ58の急激な回転上昇により人力入力ギヤ56が逆転
してキックバックがペダル13に伝わるという事態が防止
されるのである。
【0079】ところで、電動モータ36を作動させずに人
力のみで走行する場合には、移動機構82を操作してスリ
ーブ部材72をクランク軸11の軸方向に移動させることに
よって2段変速が可能となっている。
【0080】即ち、図5(A) のようにスリーブ部材72を
二次ドリブンギヤ70側に寄せた状態でペダル13を漕いだ
場合(図9の状態で発進する)、差動装置55の人力入力
ギヤ56はクランク軸11とともにA方向に回転するが、差
動キャリア60は後輪7からの負荷により停止しようとし
ているので差動装置55が差動し、第一および第二遊星ギ
ヤ66,67 が補助動力入力ギヤ58を反A方向に逆転させよ
うとする。
【0081】この補助動力入力ギヤ58からの逆転トルク
により、中間軸90が反C方向に逆転して電動モータ36の
主軸を反B方向に逆転させようとするが、電動モータ36
の主軸には回転抵抗があるため、ハス歯ギヤである一次
ドライブギヤ52と一次ドリブンギヤ93との間には中間軸
90を左方へ押圧しようとするスラスト荷重が発生する。
【0082】中間軸90を右方に押圧しているスラストス
プリング106 の付勢力は上記スラスト荷重よりも小さく
なるように設定されているので、中間軸90はスラスト荷
重に押圧されてレリーズ部材107 と共に左方へ移動し、
図4の状態となってレリーズ部材107 のレリーズ突起10
9 がワンウェイクラッチ96から引き抜かれる。
【0083】このため、ワンウェイクラッチ96のクラッ
チ作用(クラッチローラ102 の楔作用)が生じ、このク
ラッチ作用によって中間軸90の反C方向への逆転が阻止
されて二次ドリブンギヤ70および補助動力入力ギヤ58が
反A方向に逆転できなくなる。したがって、その反作用
で差動キャリア60が人力入力ギヤ56の2分の1の速度で
A方向に回転駆動され、結果的にはクランク軸11の回転
が2分の1に減速されてドライブスプロケット15に伝達
される。この状態ではペダル13の踏力が非常に軽くな
り、発進や登坂走行等が容易になる。
【0084】また、図5(B) のようにスリーブ部材72を
差動装置55側に位置させた状態でペダル13を漕げば、前
述の如く二次ドリブンギヤ70が補助動力入力ギヤ58に対
して分離されると同時に、スリーブ部材72の外スプライ
ン79とキャリア半身60Lの内スプライン80とが係合して
差動装置55の差動がロックされるので、差動装置55全体
がクランク軸11と一体に回転し、クランク軸11の回転は
減速されることなくダイレクトにドライブスプロケット
15に伝達される。したがって、一般の自転車と同様に速
く軽快に走行することができる。
【0085】そして、図4、図5(A) および図9のよう
に補助動力伝達系統95がスリーブ部材72を介して差動装
置55側に接続されたままの状態で補助動力アシスト式自
転車1を後方に引いてバック移動させた場合には、ドラ
イブスプロケット15と差動キャリア60が反A方向に逆転
し、ワンウェイクラッチ76が補助動力入力ギヤ58を差動
キャリア60に回転一体にするので、補助動力入力ギヤ58
および二次ドリブンギヤ70も反A方向に逆転する。
【0086】そして、この補助動力入力ギヤ58からの逆
転トルクにより、中間軸90が反C方向に逆転しようとす
る。この時の逆転トルクは微小であるため、ハス歯ギヤ
である一次ドライブギヤ52と一次ドリブンギヤ93との間
に発生する僅かなスラスト荷重よりもスラストスプリン
グ106 の付勢力の方が勝り、中間軸90はスラストスプリ
ング106 により右方に付勢されたままの状態に保たれ
る。したがって、レリーズ部材107 のレリーズ突起109
がワンウェイクラッチ96側に挿入されてワンウェイクラ
ッチ96のクラッチ作用が解除された状態となり、中間軸
90が逆転可能に保たれるので容易に補助動力アシスト式
自転車1をバック移動させることができる。
【0087】このように、中間軸90に設けられたワンウ
ェイクラッチ96のクラッチ作用解除手段であるレリーズ
突起109 は、バック移動時のように合力装置からの逆転
トルクが微小な時にはワンウェイクラッチ96のクラッチ
作用を解除して中間軸90を逆転可能に保ち、人力走行時
のように逆転トルクが強大になった時にはワンウェイク
ラッチ96のクラッチ作用を復帰させて電動モータ36の逆
転を防止するため、バック移動と電動モータ36の逆転防
止とを両立させることができる。
【0088】また、ワンウェイクラッチ96が楔ローラ形
式のものであり、そのクラッチアウタ99の楔室101 内に
レリーズ突起109 が挿入または抜脱されることによりワ
ンウェイクラッチ96のクラッチ作用が解除および復帰さ
れるように構成されているため、簡素な構成で確実にワ
ンウェイクラッチ96のクラッチ作用を解除および復帰さ
せることができる。
【0089】さらに、従来から備えられている部品であ
る中間軸90をワンウェイクラッチ96のクラッチ軸として
用いたので、部品点数の削減とコストダウンを図ること
ができる。なお、この中間軸90にスラスト荷重を付与す
る一次ドリブンギヤ93および一次ドライブギヤ52は、従
来の平歯ギヤからハス歯ギヤに変更するだけであり、大
きなコストアップにはならない。
【0090】なお、この実施形態では合力装置として差
動装置55が用いられているが、他の形式の合力装置にす
ることも考えられる。また、この実施形態では一次ドラ
イブギヤ52と一次ドリブンギヤ93がハス歯ギヤである
が、二次ドライブギヤ94と二次ドリブンギヤ70をハス歯
ギヤにすることもできる。
【0091】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る補助
動力アシスト式自転車は、電動モータの補助動力を合力
装置に伝達する補助動力伝達系統の途中に電動モータの
逆転を防止するワンウェイクラッチが設けられた補助動
力アシスト式自転車において、ワンウェイクラッチに加
わる逆転トルクが所定の強度に達するまでワンウェイク
ラッチのクラッチ作用を解除するクラッチ作用解除手段
を設けたことを特徴とするものである。
【0092】このように構成した場合、ワンウェイクラ
ッチに加わる逆転トルクが小さいうちは上記クラッチ作
用解除手段によりワンウェイクラッチのクラッチ作用が
解除された状態に保たれ、逆転トルクが所定の強度に達
するとワンウェイクラッチのクラッチ作用が復帰する。
この逆転トルクは、バック移動時には微小であり、人力
走行時には強大になるので、バック移動時の微小な逆転
トルクではワンウェイクラッチのクラッチ作用が復帰し
ないようにクラッチ作用解除手段の作動トルクを設定す
れば、電動モータの逆転防止とバック移動とを両立させ
ることができる。
【0093】また、本発明に係る補助動力アシスト式自
転車は、前記ワンウェイクラッチを、固定されたクラッ
チアウタの中心にクラッチ軸が回転自在に挿通されて上
記クラッチアウタの内周部に設けられた楔室の内部にク
ラッチローラが内蔵され、このクラッチローラの楔作用
によりクラッチ軸の逆転が阻止されるように構成された
楔ローラ形式のものとする一方、前記クラッチ作用解除
手段を、逆転トルクが所定の強度に達するまでは上記楔
室内に挿入されてクラッチローラをラジアル方向に押圧
することによりクラッチローラの楔作用を解除させ、逆
転トルクが所定の強度に達すると同時にクラッチ軸の軸
方向に移動して上記楔室内から引き抜かれ、クラッチロ
ーラの楔作用を復帰させるレリーズ突起としたものであ
る。
【0094】このように構成した場合、合力装置からの
逆転トルクが所定の強度に達すると同時にクラッチ作用
解除手段であるレリーズ突起が軸方向に移動して楔室内
から引き抜かれ、クラッチローラの楔作用を復帰させる
ので、簡素な構成で確実にワンウェイクラッチのクラッ
チ作用を解除および復帰させることができる。
【0095】さらに、本発明に係る補助動力アシスト式
自転車は、前記補助動力伝達系統の中間軸を前記クラッ
チ軸として用い、この中間軸を前記レリーズ突起ととも
に軸方向に移動可能に軸支し、中間軸に設けた補助動力
伝達用のハス歯ギヤと、このハス歯ギヤに噛み合う他の
ハス歯ギヤとが、逆転トルクが所定の強度に達した時に
スラスト荷重を発生させて中間軸とレリーズ突起を反ワ
ンウェイクラッチ側に移動させ、レリーズ突起をクラッ
チアウタの楔室内から引き抜いてワンウェイクラッチの
クラッチ作用を復帰させる構造としたものである。
【0096】このように構成すれば、従来から備えられ
ている部品である中間軸をワンウェイクラッチのクラッ
チ作用解除用の部品として流用できるので、部品点数の
削減とコストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る補助動力アシスト式自転車の左側
面図。
【図2】補助動力アシスト装置の横断面図。
【図3】図2のIII-III 矢視による補助動力アシスト装
置の左側面図。
【図4】本発明の一実施形態を示す補助動力アシスト装
置の機構概念斜視図で、中間軸が左方に寄せられてワン
ウェイクラッチのクラッチ作用が復帰した状態を示す
図。
【図5】(A) はスリーブ部材が二次ドリブンギヤ寄りに
移動した状態を示す断面図、(B) はスリーブ部材が差動
装置寄りに移動した状態を示す断面図。
【図6】図2のVI-VI 線に沿うワンウェイクラッチの縦
断面図。
【図7】図6のVII 部拡大図。
【図8】図7のVIII-VIII 線に沿う横断面図。
【図9】補助動力アシスト装置の機構概念斜視図で、中
間軸が右方に寄せられてワンウェイクラッチのクラッチ
作用が解除された状態を示す図。
【図10】従来の技術である補助動力アシスト式自転車
の構造例を示す断面図。
【符号の説明】
1 補助動力アシスト式自転車 36 電動モータ 52 補助動力伝達用のハス歯ギヤである一次ドライブギ
ヤ 55 合力装置としての差動装置 90 クラッチ軸としての中間軸 93 補助動力伝達用のハス歯ギヤである一次ドリブンギ
ヤ 95 補助動力伝達系統 96 ワンウェイクラッチ 99 クラッチアウタ 101 楔室 102 クラッチローラ 109 クラッチ作用解除手段としてのレリーズ突起

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電動モータ36の補助動力を合力装置(例
    えば差動装置55)に伝達する補助動力伝達系統95の途中
    に電動モータ36の逆転を防止するワンウェイクラッチ96
    が設けられた補助動力アシスト式自転車において、この
    ワンウェイクラッチ96に加わる逆転トルクが所定の強度
    に達するまでワンウェイクラッチ96のクラッチ作用を解
    除するクラッチ作用解除手段を設けたことを特徴とする
    補助動力アシスト式自転車。
  2. 【請求項2】 前記ワンウェイクラッチ96を、固定され
    たクラッチアウタ99の中心にクラッチ軸が回転自在に挿
    通されて上記クラッチアウタ99の内周部に設けられた楔
    室101 の内部にクラッチローラ102 が内蔵され、このク
    ラッチローラ102 の楔作用によりクラッチ軸の逆転が阻
    止されるように構成された楔ローラ形式のものとする一
    方、前記クラッチ作用解除手段を、逆転トルクが所定の
    強度に達するまでは上記楔室101 内に挿入されてクラッ
    チローラ102 をラジアル方向に押圧することによりクラ
    ッチローラ102 の楔作用を解除させ、逆転トルクが所定
    の強度に達すると同時にクラッチ軸の軸方向に移動して
    上記楔室101 内から引き抜かれ、クラッチローラ102 の
    楔作用を復帰させるレリーズ突起109 とした請求項1に
    記載の補助動力アシスト式自転車。
  3. 【請求項3】 前記補助動力伝達系統95の中間軸90を前
    記クラッチ軸として用い、この中間軸90を前記レリーズ
    突起109 とともに軸方向に移動可能に軸支し、中間軸90
    に設けた補助動力伝達用のハス歯ギヤ(一次ドリブンギ
    ヤ93)と、このハス歯ギヤに噛み合う他のハス歯ギヤ
    (一次ドライブギヤ52)とが、逆転トルクが所定の強度
    に達した時にスラスト荷重を発生させて中間軸90とレリ
    ーズ突起109 を反ワンウェイクラッチ96側に移動させ、
    レリーズ突起109 をクラッチアウタ99の楔室101 内から
    引き抜いてワンウェイクラッチ96のクラッチ作用を復帰
    させる構造とした請求項1に記載の補助動力アシスト式
    自転車。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2423095A3 (en) * 2010-08-31 2014-05-07 Honda Motor Co., Ltd. Bicycle with auxiliary power unit
DE102020126079A1 (de) 2020-10-06 2022-06-02 Bio-Hybrid Gmbh Verfahren zum Betrieb eines muskelkraftunterstützten Fahrzeugs, Steuereinrichtung, muskelkraftunterstütztes Fahrzeug und Computerprogrammprodukt

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DE102020126079A1 (de) 2020-10-06 2022-06-02 Bio-Hybrid Gmbh Verfahren zum Betrieb eines muskelkraftunterstützten Fahrzeugs, Steuereinrichtung, muskelkraftunterstütztes Fahrzeug und Computerprogrammprodukt

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