JPH0959116A - 抗微生物性防水剤および抗微生物性防水方法 - Google Patents

抗微生物性防水剤および抗微生物性防水方法

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JPH0959116A
JPH0959116A JP7237681A JP23768195A JPH0959116A JP H0959116 A JPH0959116 A JP H0959116A JP 7237681 A JP7237681 A JP 7237681A JP 23768195 A JP23768195 A JP 23768195A JP H0959116 A JPH0959116 A JP H0959116A
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antimicrobial
formula
treated
partial hydrolysis
condensation reaction
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JP7237681A
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Yoshinori Yamada
芳範 山田
Masayoshi Harada
勝可 原田
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Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被処理材料に高い抗微生物性と防水性の両方
を発現し、なおかつそれが長期間継続する事のできる抗
微生物性防水効果を、安価で簡便な方法で付与すること
のできる抗微生物性防水剤の提供。 【解決手段】 トリアルコキシシランまたはその部分加
水分解縮合反応物と、特定のアルコキシシリル基含有第
4級アンモニウム塩またはその部分加水分解縮合反応物
とからなる抗微生物性防水剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、木材、パルプ、
紙または繊維等のセルロース系の材料等(以下「被処理
材料」と称する。)に、含浸または塗布することによっ
て、これら材料の持つ質感を損なうことなく抗微生物性
と防水性の両方を付与することができる抗微生物性防水
剤、およびそれを用いた抗微生物性防水方法に関する。
本発明の抗微生物性防水剤は、木材および紙、特に木材
用途に好適である。なお、ここで抗微生物性とは、抗菌
性および防かび性等の性能を指す。
【0002】
【従来の技術】木材、パルプ、紙、或いは木綿等の天然
繊維等のセルロース系の材料は、本来水分を吸い易く、
また微生物が繁殖し易いことから、腐朽、変色または不
衛生等の問題が起き易いため、古くから様々な方法で抗
微生物処理や防水処理が試みられてきた。
【0003】例えばDDAC(ジデシルジメチルアンモ
ニウムクロライド)に代表される一連の4級アルキルア
ンモニウム化合物は、抗菌および防かびの効果が高く、
しかも人体に対する毒性が低い事から、木材、繊維また
は紙等の抗微生物剤として近年注目を集めている。しか
し、これら一連のアルキルアンモニウム類は、いずれも
水溶性であるために、被処理材料を水分や湿気のある条
件で使用したとき、容易に溶脱してしまって効果が無く
なるという欠点を有していた。
【0004】この問題に対して特開平4-178302は、アル
キルアンモニウム陽イオンに対する陰イオンとして重合
性ビニル基を有する酸の残基を使用した木材用抗菌防か
び剤に関するもので、該薬剤のアルコール溶液を木材に
含浸後、酸残基を重合させることによりアルキルアンモ
ニウムの溶脱を防ぐ方法を開示している。しかしなが
ら、この方法は本質的に重合性ビニル基を応用した木材
処理剤に共通の問題点を持っていた。
【0005】すなわち、重合性薬剤の濃度が低いと重合
が十分進まず、溶脱が改善されないばかりか残モノマー
の毒性の問題も起きた。また、重合性薬剤の濃度が高い
と重合の際の硬化収縮により被処理材料との間に無数の
隙間が出来てしまい、かえって水分や菌類を保持し易い
状態を引き起こしてしまった。
【0006】一方、特開平3-200793は、アルキルアンモ
ニウムのアルキル基の一つに加水分解性のアルコキシシ
リル基を結合させた化合物と、アルキルアルコキシシラ
ンとを混合して使用する事により、岩、コンクリート等
の無機材料に防水性と抗微生物性の両方を付与する方法
を開示している。しかしながら、この方法は、アルキル
アルコキシシランを使用するときの特有な問題点を持っ
ていた。
【0007】すなわち、アルキルアルコキシシランは加
水分解速度が非常に遅いため、酸、アルカリまたは金属
化合物等の加水分解触媒を使用する必要があり、処理方
法が煩雑で高価になる上、これらの触媒が処理する材料
に変色および強度低下等の悪影響を与える可能性があっ
た。また、アルキルアルコキシシランを使用した場合、
処理後の材料が油を吸ったような色に変色してしまうと
いう欠点があった。更に特開平3-200793は無機材料を対
象としているように、アルキルアルコキシシランは、木
材、パルプ、紙または繊維等のセルロース系の材料等の
被処理材料とは反応し難いという欠点を有していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】この発明はかゝる現状
に鑑み、被処理材料に高い抗微生物性と防水性の両方を
発現し、なおかつそれが長期間継続する事のできる抗微
生物性防水効果を、安価で簡便な方法で付与することの
できる抗微生物性防水剤を提供せんとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記の問題に
対して鋭意検討した結果、下記式(1)で表されるアル
コキシシランまたはその部分加水分解縮合反応物と、下
記式(2)で表される第4級アンモニウム塩またはその
部分加水分解縮合反応物とからなる抗微生物性防水剤
を、被処理材料に使用した場合、高い抗微生物性と防水
性の両方を発現し、なおかつそれが長期間継続する事を
見出した。
【0010】
【式3】
【0011】
【式4】
【0012】
【発明の実施の形態】前記式(1)中のR1 の具体例
は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブ
チル、i−ブチルまたはt−ブチル基である。R1 は1
分子中に2または3個あるが、これらは同じでも違う種
類でもよいが、製造が容易なことから同じ種類の方が好
ましい。また、R1 の異なる複数種類のアルコキシシラ
ンを混合使用することもできるが、加水分解縮合反応時
或いは被処理材料と反応・硬化させる際に副生するアル
コールを回収するときは、R1 が同じ方が好ましい。R
1 は炭素数の少ないものほど加水分解反応が起き易いた
め、被処理材料と反応させたときに加水分解・縮合反応
が早く進み、t−ブチルのように嵩高い場合は、加水分
解反応が起き難く、被処理材料と反応させる時に時間が
かかる反面、後述の水系エマルジョン化したときの安定
性が高まるという傾向がある。
【0013】被処理材料との反応性を考慮すると、R1
としては炭素数1〜3個を有するアルキル基が好まし
く、更に反応副成物が無害なエタノールであるという点
で、特に好ましいのはエチル基である。また、nとして
は、n=2の場合は、部分加水分解縮合反応を起こす前
のモノマーは化学的に不安定であり工業的に取扱いが難
しいことから、n=1のアルコキシシラン、すなわちト
リアルコキシシランが好ましい。
【0014】本発明で用いるアルコキシシランは、既に
知られている適当な条件で水に混合攪拌することで、容
易に部分加水分解縮合反応物を得ることができ、部分加
水分解縮合反応物の方が、臭気も小さくなる上、取扱い
易く、被処理材料中での硬化も早いという点から、アル
コキシシランモノマーそのものよりも好ましく使用でき
る。該部分加水分解縮合反応物は、単独のアルコキシシ
ランを用いても2種以上を用いても構わない。部分加水
分解縮合反応物の重合鎖は、分岐状でも直線状でも良
く、そのどちらでも本発明に使用することができる。
【0015】部分加水分解縮合反応物の平均重合度は、
2量体から100量体までが好ましい。重合度が高くな
るほど該反応物の燃焼性が小さくなり、臭気も小さくな
る上、被処理材料中での硬化も早くなるが、あまり大き
くなると粘度が高くなる等の理由により被処理材料への
含浸性が悪くなる傾向がある。そこで、より好ましく
は、2量体から10量体であり、更に好ましくは2量体
から5量体である。
【0016】次に、前記式(2)で表される第4級アン
モニウム塩について説明する。ここで、R2 およびR4
はそれぞれC1 〜C6 のアルキル基を表す。これらは互
いに同じでも異なっていても良いが、製造が容易な点か
ら同じ種類の方が好ましい。また炭素数が多くなり過ぎ
ると立体障害でこの化合物自体が不安定になるので、好
ましい炭素数は、C1 〜C3 であり、経済的に最も好ま
しいのは、C1のメチル基である。
【0017】R3 はC3 〜C20のアルキル基を表す。第
4級アンモニウム基の中心のN+ イオンの保護のため、
ある程度アルキル鎖が長い方が好ましく、逆に長過ぎる
とアルキル鎖自体が不安定になるので、好ましい炭素数
は、C10〜C18である。
【0018】R5 はC1 〜C9 のアルキレン基、或いは
該アルキレン基とフェニレン基を含む基、具体的には
〔Si側〕−(CH2 p −PH−(CH2 q −〔N
側〕(ここでPHはフェニレン基を表す。p=1〜4。
q=1〜7。p+q=2〜8。)。
【0019】R6 は、炭素数1〜4のアルキル基で、1
分子中の複数のR6 は同じでも異なっていてもよい。R
6 は炭素数の少ないものほど加水分解反応が起き易いた
め、被処理材料と反応させたときに加水分解・縮合反応
が早く進む。t−ブチルのように嵩高い場合は、加水分
解反応が起き難く、被処理材料と反応させる時に時間が
かかる反面、水系エマルジョン化したときの安定性が高
まるという傾向がある。
【0020】被処理材料との反応性を考慮すると、R6
としては炭素数1〜3個を有するアルキル基が好まし
い。加水分解縮合反応時或いは被処理材料と反応・硬化
させる際に副生するアルコールを回収するときは、前記
式(1)の化合物中のR1 と一致させると、回収するア
ルコールが同一になるので好ましい。
【0021】Xm-の具体例としてはハロゲンイオン、硫
酸イオン、亜硫酸イオン、硝酸イオン、亜硝酸イオン、
炭酸イオン、炭酸水素イオンおよび酢酸イオンが挙げら
れるが、この中では容易に製造でき、得られる化合物の
安定性が高い点で、ハロゲンイオンが好ましく、より好
ましくは塩素イオンである。
【0022】前記式(2)で表される第4級アンモニウ
ム塩の具体例としては、トリエトキシシリルプロピルジ
メチルオクタデシルアンモニウムクロライド、トリメト
キシシリルプロピルジメチルオクタデシルアンモニウム
クロライド、{4−(3−トリメトキシシリルプロピ
ル)ベンジル}ジメチルドデシルアンモニウムクロライ
ド、トリエトキシシリルプロピルジメチルウンデシルア
ンモニウムブロマイド等が挙げられ、安定性の高さや入
手の容易性等から、トリエトキシシリルプロピルジメチ
ルオクタデシルアンモニウムクロライドおよびトリメト
キシシリルプロピルジメチルオクタデシルアンモニウム
クロライドが好ましい。前記式(2)の化合物も前記式
(1)の化合物と同様に、既に知られている方法で部分
加水分解縮合反応物を容易に得ることができるが、前記
式(1)の化合物に比べ使用量が極少ないので、該反応
物と前記式(2)の化合物自体との使用上の優劣は殆ど
ない。
【0023】本発明の抗微生物性防水剤において、前記
式(1)の化合物は、被処理材料に浸透して硬化させる
事により、防水性を発現すると共に前記式(2)の化合
物を強固に固定する役割を果たす。これにより、前記式
(2)の化合物を単独で使用したときには得られない高
い抗微生物性とその効果の長期間の維持が発現される。
また前記式(2)の化合物の存在により、防水効果も前
記式(1)の化合物単独よりも向上し、共に予期せぬ相
乗効果が得られるのである。
【0024】前記式(1)の化合物100重量部に対し
て、前記式(2)の化合物の使用量は0.1〜100重
量部が効果の上から好ましい。なお、前記式(2)の化
合物は前記式(1)の化合物に比べて高価であることを
考慮すると、更に好ましくは前記式(2)の化合物の使
用量は0.1〜30重量部、特に好ましくは0.1〜1
0重量部である。
【0025】前記式(1)の化合物と前記式(2)の化
合物とは、予め混合して使用しても別々に使用してもよ
いが、まず前記式(1)の化合物を被処理材料に浸透さ
せた後、引き続いて前記式(2)の化合物を浸透させる
方法(以下「A方法」と称する。)か、或いは、処理す
る混合液中の前記式(2)の化合物の濃度を次第に高く
しながら浸透させた後に硬化処理を行う方法(以下「B
方法」と称する。)が好ましい。これにより、前記式
(1)の化合物が表面から深い層までを防水処理し、前
記式(2)の化合物は少ない絶対量ながら表面付近の濃
度が高く、表面付近での高い抗微生物性を発現させる事
が可能となる。
【0026】浸透の時間は、被処理材料の種類、形状お
よび大きさ、並びに防水剤の濃度によって異なるが、合
計として1分〜24時間が好ましい。あまり長時間をか
けても浸透量には限度があり、また経済的でない。好ま
しくは5分〜2時間である。具体的には、A方法におい
て、全浸透時間の終了前の1/10〜1/2の時間を、
前記式(2)で表される第4級アンモニウム塩またはそ
の部分加水分解縮合反応物による浸透にあてるか、或い
はB方法において、全浸透時間の終了前の1/10〜1
/2の時間は、前記混合液中の前記式(2)で表される
第4級アンモニウム塩の濃度を、その前の時間の濃度よ
りも高くすることがより好ましい。
【0027】被処理材料に浸透させる方法としては、含
浸および塗布による浸透等が挙げられる。含浸させる方
法としては、常温常圧で被処理材料に浸すだけでもよい
が、減圧含浸、加圧含浸または木材に対する公知の薬液
注入法等の他に、気相による薬剤蒸気で含浸させてもよ
い。塗布により浸透させる場合は、被処理材料の表面に
スプレー、コーターまたは刷毛塗り等公知の方法で塗布
した後、しばらく放置すればよい。
【0028】塗布浸透または含浸後、被処理材料を常温
で風乾するだけで、本発明の抗微生物性防水剤は硬化を
起こし、高い抗微生物性と防水性を呈するが、該硬化は
加熱する事により早める事ができる。この場合の好まし
い加熱温度としては被処理材料によっても異なるが、前
記式(2)の化合物は125℃以上では分解し易くなる
ため、あまり高くはできず、好ましくは室温〜120
℃、更に好ましくは50℃〜110℃である。
【0029】従来技術(特開平3-200793)には、アルキ
ルアルコキシシランを硬化させる為に、触媒としてジブ
チルジラウリン酸スズまたはテトラブチルチタン酸塩等
を、0.1〜10重量%配合する事が開示されている。
疎水性が強くて加水分解縮合が遅いアルキルアルコキシ
シランを用いる時は、硬化を速めるために加水分解触媒
を添加する事が常識になっているが、前述のとおりその
ために被処理材料の変色や劣化が引き起こされ易いとい
う問題点があった。これに比べて本発明の式(1)のア
ルコキシシランやその部分加水分解縮合反応物を使用す
る場合は、加水分解が容易に起きるので触媒を使用する
必要がないことが特長である。
【0030】しかし、硬化を特に早めたい場合には、下
記のような触媒を作用させることも可能である。該触媒
としては、例えば塩酸、リン酸等の無機酸、ギ酸、酢
酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸、更にジブチル
錫ジラウリレート、ナフテン酸鉛、ジルコノセンクロリ
ド、チタノセンクロリド等の有機金属化合物や、アミノ
シラン、アミン、アミン塩等が挙げられ、これらは単独
でも2種以上を使用しても良い。該触媒の使用時の濃度
は、前記式(1)の化合物に対して0.001〜0.0
1重量%程度の低濃度にする事が好ましく、この程度の
低濃度であれば、変色や劣化を引き起こす恐れは殆どな
い。元々、前記式(1)のアルコキシシランまたはその
部分加水分解縮合反応物は、被処理材料を油を塗ったよ
うに変色させるアルキル基を持たないために、処理後の
被処理材料の色が処理前と変化する恐れは殆どない。
【0031】本発明の抗微生物性防水剤は、そのまま使
用しても良いが、溶剤で希釈しても良い。好ましい希釈
濃度(抗微生物性防水剤/(抗微生物性防水剤+溶剤)
(%)は、溶媒の種類や含浸方法によって異なるが、一
般的には1〜100重量%、好ましくは10〜100重
量%である。本発明の抗微生物性防水剤を、前記式
(1)で表される化合物と前記式(2)で表される第4
級アンモニウム塩を別々に使用する場合の各々の成分の
好ましい濃度は、上記混合液と同様、一般的には1〜1
00重量%、好ましくは10〜100重量%である。
【0032】使用できる溶剤としては、メタノール、エ
タノール、イソプロパノール等のアルコール類や、エー
テル、メチルエチルケトン、トルエン、ベンゼン、ヘキ
サン等の一般的な有機溶剤が挙げられ、これらの1種ま
たは2種以上を混合して使用する事ができる。好ましい
溶剤の種類は被処理材料によって異なるが、当該抗微生
物性防水剤を被処理材料と反応・硬化させる時にアルコ
ールが副生するので、この副生アルコールを工業的に回
収して再使用するようなプロセスを考える場合は、副生
アルコールと同じアルコールを溶剤に使用すると回収再
利用が容易になるという利点がある。
【0033】本発明の抗微生物性防水剤或いは、前記式
(1)または(2)の化合物は、適当な乳化剤やpH調
整剤等を用いることによって水系溶媒とも安定なエマル
ジョンを形成することができるので、水系の処理剤とす
ることも可能であるが、保存安定性が良い点から溶剤溶
液の方が好ましい。
【0034】本発明の抗微生物性防水剤には溶剤の他、
必要に応じて染料、顔料、樹脂またはフィラー等を配合
する事もできる。
【0035】本発明の抗微生物性防水剤を、被処理材料
に使用するときの好ましい使用量は、被処理材料によっ
て大きく異なるために一概には言えないが、木材、パル
プ、繊維または紙等の浸透性の材料に対して含浸させて
使用するときは、被処理材料の重量に対する前記式
(1)のアルコキシシランまたはその部分加水分解縮合
反応物の重量で0.1%以上を使用したとき明らかな効
果が表れ、100%以上まで使用することが出来るが、
効果の大きさと経済的な面とを考え併せると好ましいの
は0.1%〜50%である。
【0036】更に、木材、パルプ、繊維または紙等の前
述の浸透性を有する被処理材料の他、金属やプラスチッ
ク、ガラス等の浸透性の無い材料でも、本発明の抗微生
物性防水剤を、表面に塗布処理する事によって、透明で
硬い抗微生物性防水膜を形成することができ、例えば光
学レンズやコンタクトレンズの防菌防かび性の反射防止
やすり傷防止処理として使用する事もできる。
【0037】浸透性のない材料に使用したときの、使用
量は表面に形成する膜厚により求める。即ち出来た膜厚
が0.01μm以上の時、明らかな効果が表れ、膜厚が
増すと抗菌性、耐久性が上昇するが、経済的な面も考え
併せると好ましい膜厚は0.01μm〜0.1mmであ
る。
【0038】
【実施例】以下、実施例および比較例を掲げてこの発明
をより具体的に説明する。 実施例1 トリエトキシシラン1000gに対して水50gを加
え、撹拌して平均重合度2.3のトリエトキシシラン部
分加水分解縮合反応物を得た。部分加水分解縮合反応物
の生成はガスクロマトグラフィーの分析により確認され
た。これにトリエトキシシリルプロピルジメチルオクタ
デシルアンモニウムクロライドを5g加えた上、50%
アセトン溶液としたものを実施例1の処理剤とした。
【0039】木口縦30mm×横30mm×長さ5mm
の2方まさ木取スギ辺材(気乾材)6個を、常温常圧で
前記処理剤に10分間浸漬した後、常温で24時間乾燥
し、実施例1の6個の試験片を得た。処理前木材重量に
対する処理後の重量増加率は6個の試験片の平均で1
1.8%であり、材色は処理前と全く変化していなかっ
た。
【0040】これらの試験片について、下記の吸水試験
を実施した。前記試験片の繊維方向が水面と平行になる
ように深さ5cmの水中に沈め、24時間後に取り出し
て下記の計算式(1)で吸水率を測定し、6つの試験片
の平均値をもって代表値とした。 計算式(1) 吸水率=(W−Wo)/Wo×100 (%) Wo;水浸漬前の試験片の重量(g) W ;水浸漬完了直後の試験片の重量(g) 次に、吸水試験終了後の6個の試験片の内の3個を水流
が循環する屋外水槽の中に3ヶ月間浸漬した後、外観を
調べた。
【0041】実施例2 トリメトキシシラン1000gに対して水74gを加
え、撹拌して平均重合度2.7のトリメトキシシラン部
分加水分解縮合反応物を得た。この生成はガスクロマト
グラフィーの分析により確認された。これにトリメトキ
シシリルプロピルジメチルオクタデシルアンモニウムク
ロライドを5g加えた上、50%アセトン溶液としたも
のを実施例2の処理剤とした。実施例1と同じ方法で試
験片6個を作製したところ、処理後の重量増加率は6個
の平均で12.1%であり、材色は処理前と全く変化し
ていなかった。その後、実施例1と同じく、吸水試験お
よび水槽浸漬後の外観試験を行った。
【0042】実施例3 トリエトキシシラン1000gに、トリエトキシシリル
プロピルジメチルウンデシルアンモニウムブロマイドを
5g加えた上、50%エタノール溶液としたものを実施
例3の処理剤とした。実施例1と同じ方法で試験片6個
を作製したところ、処理後の重量増加率は6個の平均で
8.1%であり、材色は処理前と全く変化していなかっ
た。その後、実施例1と同じく、吸水試験および水槽浸
漬後の外観試験を行った。
【0043】比較例1〜3 比較例1は、実施例1で使用したものと同寸法の無処理
のスギ辺材6個を試験片とした。比較例2として、テト
ラエトキシシランの部分加水分解縮合反応物1000g
に、トリエトキシシリルプロピルジメチルオクタデシル
アンモニウムクロライドを5g加えた後、50%アセト
ン溶液にしたものを、比較例2の処理剤として用い、実
施例1と同じ方法で試験片6個を作製したところ、処理
後の重量増加率は6個の平均で2.0%であり、材色は
処理前と全く変化していなかった。その後、実施例1と
同じく、吸水試験および水槽浸漬後の外観試験を行っ
た。
【0044】比較例3として、メチルトリメトキシシラ
ン1000gに対して水65gと触媒量のアンモニアを
加え、攪拌して平均重合度1.6のメチルトリエメキシ
シラン部分加水分解縮合反応物を得た。この生成はガス
クロマトグラフィーの分析により確認された。これにト
リメトキシシリルプロピルジメチルオクタデシルアンモ
ニウムクロライドを5g加えた上、50%アセトン溶液
としたものを比較例3の処理液とした。実施例1と同様
の方法で試験片6個を作製したところ、処理後の重量増
加率は6個の平均で1.7%であり、材色は黄色く、油
を染み込ませたように変化していた。その後、実施例1
と同じく、吸水試験および水槽浸漬後の外観試験を行っ
た。
【0045】これら実施例1〜3および比較例1〜3の
試験片の吸水試験における吸水率(%)を表1に、水槽
浸漬後の外観試験の結果を表2に示す。
【0046】
【表1】
【0047】これらの結果は、加水分解反応し難いテト
ラエトキシシランやメチルトリメトキシシランを用いた
比較例2および3では、無触媒で木材に使用した場合処
理後の重量増加率すなわち薬剤の定着量は少なく、防水
効果も少ない事を示している。
【0048】
【表2】
【0049】これらの結果は、比較例2および3では、
長期間流水の中に漬けておくと抗菌成分が溶出して抗菌
効果が無くなってしまうのに対し、実施例1〜3では抗
菌成分の溶出は無く、効果が持続する事を示している。
【0050】実施例4 トリエトキシシラン1000gに対して、トリエトキシ
シリルプロピルジメチルオクタデシルアンモニウムクロ
ライドを5g加えた上、50%エタノール溶液としたも
のを実施例4の処理剤とした。縦10cm×横10cm
の分析用濾紙6枚に、処理剤溶液をスプレーし、常温で
24時間乾燥し6枚の試験片を得た。処理前の濾紙重量
に対する処理後の重量増加率は6枚の試験片の平均で
1.3%であり、濾紙の色は処理前と全く変化していな
かった。
【0051】これらの試験片について、まず、下記の吸
水試験を実施した。すなわち、前記試験片を水面と平行
になるように深さ5cmの水中に沈め、24時間後に取
り出して下記の計算式(1)で吸水率を、計算式(2)
で寸法安定性値を測定し、6つの試験片の平均値をもっ
て代表値とした。 計算式(1) 吸水率=(W−Wo)/Wo×100 (%) Wo;水浸漬前の試験片の重量(g) W ;水浸漬完了直後の試験片の重量(g) 計算式(2) 寸法安定性値=(Sc−St)/Sc×100 (%) Sc;無処理紙の面積膨潤率(%) St;処理紙の面積膨潤率(%)
【0052】更に吸水試験の終わった試験片を直径1c
mの円形に打ち抜き、黄色ブドウ球菌を植種した寒天培
地の中心上に置いて、37℃で24時間菌の培養を行っ
て試験片周辺の細菌の生育を調べた(抗菌性試験)。
【0053】実施例5 トリメトキシシラン1000gにトリメトキシシリルプ
ロピルジメチルオクタデシルアンモニウムクロライドを
5g加えた上、50%メタノール溶液としたものを実施
例5の処理剤とした。実施例4と同様に試験片6枚を作
製したところ、処理後の重量増加率は6枚の平均で2.
2%であり、濾紙の色は処理前と全く変化していなかっ
た。その後、実施例4と同様に吸水試験および抗菌性試
験を行った。
【0054】比較例4〜6 比較例4は、実施例4と同じ種類の無処理の濾紙6枚を
試験片とした。比較例5として、テトラエトキシシラン
1000gに対して、トリエトキシシリルプロピルジメ
チルオクタデシルアンモニウムクロライドを5g加えた
後、50%エタノール溶液にしたものを比較例5の処理
剤として用いた。実施例4と同じ方法で試験片6枚を作
製したところ、処理後の重量増加率は6枚の平均で0.
1%であり、材色は処理前と全く変化していなかった。
その後、実施例3と同様に吸水試験および抗菌性試験を
行った。
【0055】比較例6として、メチルトリメトキシシラ
ン1000gにトリメトキシシリルプロピルジメチルオ
クタデシルアンモニウムクロライドを5g加えた上、5
0%メタノール溶液としたものを比較例6の処理剤とし
た。実施例4と同じ方法で試験片6枚を作製したとこ
ろ、処理後の重量増加率は6枚の平均で0.2であり、
濾紙の色は黄色く、油を染み込ませたように変化してい
た。その後、実施例3と同様に吸水試験および抗菌性試
験を行った。
【0056】これら実施例4、5および比較例4〜6の
試験片の吸水試験における吸水率(%)および寸法安定
性値を表3に、黄色ブドウ球菌を用いた抗菌性試験の結
果を表4に示す。
【0057】
【表3】
【0058】これらの結果は、加水分解反応しにくいテ
トラエトキシシランやメチルトリメトキシシランを用い
た比較例5および6では、無触媒で木材に使用した場合
処理後の重量増加率すなわち薬剤の定着量は少なく、防
水効果も少ない事を示している。
【0059】
【表4】
【0060】これらの結果は、比較例5および6では、
24時間の吸水試験により抗菌成分が溶出して抗菌効果
が無くなってしまうのに対し、実施例4および5では抗
菌成分の溶出は無く、効果が持続する事を示している。
【0061】
【発明の効果】本発明の抗微生物性防水剤は、木材、パ
ルプ、繊維または紙等の材料に、含浸または塗布するこ
とによって、材料の持つ質感を損なうことなく抗微生物
性と防水性の両方の優れた性質を付与することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D21H 19/32 D21H 1/34 P 21/36 5/22 // B27K 3/50 D06M 13/50

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1)で表されるアルコキシシラ
    ンまたはその部分加水分解縮合反応物と、下記式(2)
    で表される第4級アンモニウム塩またはその部分加水分
    解縮合反応物とからなる抗微生物性防水剤。 【式1】 【式2】
  2. 【請求項2】 前記式(1)で表されるアルコキシシラ
    ンまたはその部分加水分解縮合反応物が、n=1、R1
    が炭素数1〜3のアルキル基で表されるトリアルコキシ
    シランの部分加水分解縮合反応物であり、前記式(2)
    で表される第4級アンモニウム塩が、Xm-がハロゲンイ
    オンである第4級アンモニウム塩であることを特徴とす
    る請求項1の抗微生物性防水剤。
  3. 【請求項3】 前記式(1)で表されるアルコキシシラ
    ンまたはその部分加水分解縮合反応物を被処理材料に浸
    透させた後、前記式(2)で表される第4級アンモニウ
    ム塩またはその部分加水分解縮合反応物を、該被処理材
    料に浸透させ、その際に全浸透時間の合計が1分〜24
    時間であり、かつ全浸透時間の終了前の1/10〜1/
    2の時間を、前記式(2)で表される第4級アンモニウ
    ム塩またはその部分加水分解縮合反応物による浸透にあ
    てることを特徴とする抗微生物性防水方法。
  4. 【請求項4】 前記式(1)で表されるアルコキシシラ
    ンまたはその部分加水分解縮合反応物と、前記式(2)
    で表される第4級アンモニウム塩またはその部分加水分
    解縮合反応物との混合液を、被処理材料に1分〜24時
    間浸透させ、その際に全浸透時間の終了前の1/10〜
    1/2の時間は、前記混合液中の前記式(2)で表され
    る第4級アンモニウム塩の濃度を、その前の時間の濃度
    よりも高くすることを特徴とする抗微生物性防水方法。
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