JPH0959664A - 転がり軸受用グリース組成物 - Google Patents

転がり軸受用グリース組成物

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JPH0959664A
JPH0959664A JP23465795A JP23465795A JPH0959664A JP H0959664 A JPH0959664 A JP H0959664A JP 23465795 A JP23465795 A JP 23465795A JP 23465795 A JP23465795 A JP 23465795A JP H0959664 A JPH0959664 A JP H0959664A
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秀樹 小泉
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敦 横内
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道治 中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温での耐久性に加えて、錆止め性能にも優
れた転がり軸受用グリース組成物を提供する。 【解決手段】 シリコーン油系またはふっ素油系潤滑油
の少なくとも1種類を基油としたグリース組成物に、マ
グネシウム化合物および気化性防錆剤を必須成分とする
防錆剤を0.5〜10重量%の割合で配合したことを特
徴とする転がり軸受用グリース組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は転がり軸受用グリー
ス組成物に関し、特に自動車電装部品やOA機器等の高
温で使用される転がり軸受に封入するグリース組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】冷却
ファン用フルードカップリング、燃料噴射制御装置(I
SCV,EGR)、電動ファンモータ、パウダークラッ
チ等の自動車電装部品に使用される転がり軸受や、ハー
ドディスクドライブ(HDD)、レーザービームプリン
ター(LBP)、複写機等のOA機器に使用される転が
り軸受は、高温での耐久性や低温でのトルク性能を要求
されることが多く、耐熱性に優れたエーテル油系潤滑油
を基油に用いたグリース組成物が一般的に使用されてい
る。また、特に160℃以上の高温に晒される部位に
は、より耐熱性に優れたシリコーン油系やふっ素油系潤
滑油を基油に用いたグリース組成物が使用される。
【0003】ところで、グリース組成物を封入した転が
り軸受では、シール軸受やシールド軸受構造を採用し、
更にスリンガーを付設してグリース組成物の外部への漏
出を防止するとともに、外部からの物質の侵入を防止し
ている。しかし、転がり軸受はその構造上、前記の構造
や部材をもってしても完全な密封化は不可能であるた
め、外部からの物質の浸入は避けられない。これら外部
からの浸入物質の中には、錆の発生源となる物質や水分
も含まれ、また急激な温度変化により結露が生じる場合
もあることから、使用するグリース組成物は錆止め性能
を有することが不可欠となっている。
【0004】錆止め性能の付与のために、通常、防錆剤
がグリース組成物に添加される。防錆剤として種々の物
質が知られているが、特に錆止め性能に優れるものとし
て亜硝酸塩や有機スルホン酸金属塩が広範に使用されて
いる。しかし、亜硝酸塩は高温での使用時に発ガン性物
質であるアミンが生成するおそれがあるため好ましくな
く、また使用する場合でもその量が制限されることがあ
り、その錆止め性能が十分に発揮されない場合もある。
また、防錆剤は金属表面に防食性の被膜を形成すること
で防錆性を発現するものである。従って、軸受の軌道面
や転動体全体に亘り均質な防食性被膜を形成するために
は、防錆剤が基油に溶解することが必要であるが、高温
耐性に優れたシリコーン油系やふっ素油系潤滑油を基油
とするグリース組成物においては、これらの基油に有機
スルホン酸金属塩が不溶であるため使用できない。そこ
で、シリコーン油系やふっ素油系潤滑油を基油とするグ
リース組成物では、骨格中にカルボニル基やアルコール
基、エステル基等の官能基を有するふっ素化合物を添加
することで対処しているが、これらふっ素化合物は錆止
め性能が低く、実用に耐ええるとは言い難い。
【0005】このように、グリース組成物の耐熱性に対
する要望は高まる傾向にあり、それと共に高い耐熱性と
防錆性能との両方を兼ね備えた転がり軸受用グリース組
成物が待望されているが、十分に対応できていない状況
にある。従って、本発明は、高温での耐久性に加えて錆
止め性能にも優れた転がり軸受用グリース組成物を提供
することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
すべく鋭意検討した結果完成されたものであり、上記の
目的は、本発明の、シリコーン油系またはふっ素油系潤
滑油の少なくとも1種類を基油としたグリース組成物
に、マグネシウム化合物および気化性防錆剤を必須成分
とする防錆剤を0.5〜10重量%の割合で配合したこ
とを特徴とする転がり軸受用グリース組成物により達成
される。
【0007】
【作用】本発明は、基油をシリコーン油系またはふっ素
油系潤滑油の少なくとも1種類とすることで、グリース
組成物全体としての耐熱性を向上させるとともに、防錆
剤としてマグネシウム化合物と気化性防錆剤とを併用す
ることにより、錆止め性能に相乗効果が現れ、より高い
防錆性が得られる。この錆止め性能の相乗効果は、明確
ではないが、マグネシウム化合物が防食性被膜を形成し
て実質的な防錆作用を発現するとともに、気化性防錆剤
による防錆効果の付加に加えて、更に該気化性防錆剤が
前記防食性被膜の微細な亀裂や細孔中に浸入し、浸入部
でポリマーを生成して防食性被膜を補強することによる
ものと考えられる。従って、防食性被膜単独による場合
に比べて、錆止め性能並びにその持続性を格段に向上さ
せることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る転がり軸受用
グリース組成物を詳細に説明する。本発明に使用される
基油はシリコーン油系またはふっ素油系潤滑油の少なく
とも1種類から選択される。シリコーン油系潤滑油とし
ては、例えばアルキルシリコーン油、アルキルフェニル
シリコーン油、フェニルシリコーン油、フルオロシリコ
ーン油、シリケートエステル油等を挙げることができ
る。ふっ素油系潤滑油としては、例えば分岐状または直
鎖状のフルオロポリエーテル油を挙げることができる。
また、これらを2種類以上配合した混合油を基油とする
こともできる。基油の動粘度は特に制限されるものでは
なく、所謂ふっ素系グリースの基油として使用または市
販されているものと同等で構わない。
【0009】基油に配合される増ちょう剤としては、P
TFE(ポリテトラフロロエチレン)に代表されるふっ
素樹脂パウダーやサスペンジョン、またリチウム石けん
に代表される金属石けんを挙げることができ、基油との
相溶性を考慮して適宜選択して使用される。グリース組
成物は基油と増ちょう剤とを混合加熱することにより得
られるが、その際グリース組成物の流動性の観点から、
混和ちょう度としてNLGI(ASTM)に規定された
等級でNo.1〜2となるように、基油と増ちょう剤と
の混合比を選択することが好ましい。
【0010】本発明に係るグリース組成物は、防錆剤と
してマグネシウム化合物と気化性防錆剤とを必須成分と
して含有することを特徴とする。マグネシウム化合物は
無機系のマグネシウム化合物であり、マグネシウムの酸
化物、塩化物、ふっ化物、ほう化物、窒化物、硫化物等
を挙げることができる。具体的には、酸化マグネシウ
ム、モリブデン酸マグネシウム、スズ酸マグネシウム、
チタン酸マグネシウム、タングステン酸マグネシウム、
ジルコン酸マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、無
水塩化マグネシウム、無水ふっ化マグネシウム、ほう化
マグネシウム、窒化マグネシウム、硫化マグネシウム等
である。また、マグネシウム・鉄酸化物(例えば、マグ
ネシウム・フェライト)やドロマイト(MgCO3 ・C
aCO3 )のように他の元素との混合酸化物や混合塩化
物、混合ふっ化物、混合ほう化物、混合窒化物、混合硫
化物でも構わない。これらの中では、酸化マグネシウ
ム、ジルコン酸マグネシウムが、錆止め性能の観点から
特に好ましい。
【0011】また、気化性防錆剤としては、例えばベン
ゾトリアゾール、メチルベンゾトリアゾール、ジシクロ
ヘキシルアンモニウムナイトライト(DICHAN)、
シクロヘキシルアミンカーバメイト(CHC)、ジイソ
プロピルアンモニウムナイトライト(DIPAN)、ニ
トロナフタリンアンモニウムナイトライト(NITA
N)、ジシクロヘキシルアンモニウムカプリレート、シ
クロヘキシルアンモニウムラウレート等が挙げられ、特
にベンゾトリアゾール、メチルベンゾトリアゾール等の
トリアゾール系化合物並びにジシクロヘキシルアンモニ
ウムナイトライトが好ましい。
【0012】マグネシウム化合物は単独でも錆止め性能
を有するものの、気化性防錆剤を併用することで、より
一層の錆止め性能が得られる。これら防錆剤は、両者の
合計でグリース組成物全量に対して0.5〜10重量%
の割合で配合されることが好ましく、より好ましくは、
1〜6重量%である。防錆剤含有量が0.5重量%未満
では錆止め効果が充分でなく、一方含有量が10重量%
より多量の場合には、増量による錆止め効果の増加が見
られずコストメリットが無いばかりか、潤滑性能(例え
ば、音響性能)に悪影響を与えるため好ましくない。ま
た、マグネシウム化合物と気化性防錆剤との混合割合は
特に制限されるものではないが、錆止め効果は実質的に
マグネシウム化合物からなる防食性被膜が担い、気化性
防錆剤はそれ自身の防錆作用よりも前記防錆性被膜の補
強を行う作用の方が大きいと考えられることから、マグ
ネシウム化合物の割合が大きい方が好ましい。
【0013】更に、本発明に係るグリース組成物には、
本発明の効果を損なわない範囲で種々の物質を添加する
ことができ、例えば通常の軸受用グリース組成物に配合
される酸化防止剤や油性向上剤等を適量配合してもよ
い。
【0014】本発明に係るグリース組成物は、基油に増
ちょう剤を加え、加熱、攪拌して得られる半固体状の生
成物に、徐冷後、前記マグネシウム化合物並びに気化性
防錆剤を加え、ロールミル等により均一に混合すること
により得られる。加熱温度や攪拌・混合時間等の製造条
件は、使用する基油や増ちょう剤、防錆剤等により適宜
設定される。
【0015】
〔グリース組成物の製造〕
実施例1〜実施例12、比較例1〜比較例9 パーフルオロポリエーテル油(PFAE)またはフルオ
ロシリコーン油に、PTFE(ポリテトラフルオロエチ
レン)サスペンジョンを加え、攪拌加熱すると半固体状
になった。徐冷後、防錆剤を加え、ロールミルを通すこ
とでグリース組成物を得た。実施例および比較例に用い
た防錆剤の種類、添加量(単位:組成物全量に関する重
量%)は、表1および表2に示す通りである。
【0016】実施例13〜14 メチルフェニルシリコーン油にリチウム石けんを加え、
攪拌加熱すると半固体状になった。徐冷後、防錆剤を加
え、ロールミルを通すことでグリース組成物を得た。用
いた防錆剤の種類、添加量(単位:組成物全量に関する
重量%)は、表1に示す通りである。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】
【表3】
【0020】
【表4】
【0021】
【表5】
【0022】尚、比較例1〜3において記号A、Bおよ
びCで表される防錆剤は、基油に可溶な油溶性腐食防止
剤であり、Aはカルボキシル基を官能基とするフッ素化
合物誘導体、Bはアルコール基を官能基とするフッ素化
合物誘導体、Cはエステル基を官能基とするフッ素化合
物誘導体である。上記の如く作製した試験グリース組成
物を、下記に示す防錆試験並びに音響試験に供した。
【0023】〔防錆試験〕ゴムシール付き密封深溝玉軸
受(#6303)内に2.4gの試験グリース組成物を
封入し、1800rpm、30秒間ならし回転した。そ
の後、軸受内に0.1重量%塩水を0.1cc注入し、
再び1800rpm、30秒間ならし回転した。次い
で、軸受を80℃、100%RHに保持した恒温恒湿槽
内に48時間放置した後分解し、軸受軌道面の錆状況を
観察した。評価並びに判定基準は以下の通りであり、記
号#1乃至#7で表1および表2に示した。 評価(肉眼) #1:錆なし #2:しみ錆(しみ状の極小錆) #3:点錆 (φ0.3mm以下) #4:小錆 (φ1.0mm以下) #5:中錆 (φ5.0mm以下) #6:大錆 (φ10.0mm以下) #7:極大錆(ほぼ全面に錆発生) 良否の判定基準 良好:#1〜#4 不良:#5以上
【0024】〔音響試験〕ゴムシール付き密封深溝玉軸
受(#6303)内に2.4gの試験グリース組成物を
封入し、1800rpmで30秒間回転させた後の音響
を測定した。測定結果をアンデロン値(数値)で表1お
よび表2に示すとともに、通常の良否の判定基準である
7アンデロン以下を合格とした。ここで、7アンデロン
以下を合格としたのは、ふっ素油系市販グリースの音響
レベルと同等以上との判断からである。
【0025】表1から、本発明に係るグリース組成物
は、基油は同一であっても他の防錆剤を含有するグリー
ス組成物(比較例1〜3)や防錆剤を全く含有しないグ
リース組成物(比較例4)、防錆剤としてマグネシウム
化合物しか含まないグリース組成物(比較例5)、また
防錆剤としてマグネシウム化合物および気化性防錆剤の
両方を含むが、その含有量が本発明で規定した範囲外で
あるグリース組成物(比較例6、7)に比べて、錆止め
性能並びに音響特性とも優れていることが判る。また、
本発明に係るグリース組成物は、錆止め性能に優れるも
のの、発ガン性の点から好ましくない亜硝酸塩を防錆剤
として含有するグリース組成物(比較例8、9)と同等
以上の錆止め性能並びに音響特性が得られることが判
る。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るグリ
ース組成物は、高温耐久性能に優れるものの、錆止め性
能に問題があったふっ素系グリースの錆止め性能を格段
に向上させることができ、もって自動車電装部品やOA
機器等の高温で使用される転がり軸受等の、高温耐久性
能とともに錆止め性能が要求される転がり軸受に好適に
適用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 133:40) C10N 10:04 30:00 30:12 40:02

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコーン油系またはふっ素油系潤滑油
    の少なくとも1種類を基油としたグリース組成物に、マ
    グネシウム化合物および気化性防錆剤を必須成分とする
    防錆剤を0.5〜10重量%の割合で配合したことを特
    徴とする転がり軸受用グリース組成物。
JP23465795A 1995-08-22 1995-08-22 転がり軸受用グリース組成物及び転がり軸受 Expired - Lifetime JP3722379B2 (ja)

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