JPH09632A - 肺系の中の最適開放圧力決定装置及び方法 - Google Patents

肺系の中の最適開放圧力決定装置及び方法

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JPH09632A JP8139179A JP13917996A JPH09632A JP H09632 A JPH09632 A JP H09632A JP 8139179 A JP8139179 A JP 8139179A JP 13917996 A JP13917996 A JP 13917996A JP H09632 A JPH09632 A JP H09632A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 肺系の最適開放圧力の決定装置及び方法を開
示する。 【解決手段】 本発明の装置では、調整ユニットが、所
定吸気パルスを供給し、所定吸気パルスは、開始圧力よ
り高い終了圧力を有する。暫定開放圧力を決定し、これ
を基礎にし、血液ガス酸素分圧を用いて最適開放圧力を
決定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、第1の発明では、
肺系に呼吸ガスを供給する調整ユニットを具備し、少な
くとも1つの呼吸ガスパラメータを測定する測定ユニッ
トを具備し、パラメータ測定値を基礎にして最適開放圧
力の決定制御ユニットを具備する、肺系の中の最適開放
圧力決定装置に関し、第2の発明では、肺系の中の最適
開放圧力決定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】健康な肺では空気は呼吸中に気道及び気
管支を通過して肺の中の肺胞に到達する。ガス換気は肺
胞の中で行われ、その際、血液は酸化され、同時に二酸
化炭素は肺胞の中の空気の中に移動する。呼気の間、二
酸化炭素を受取った吸気は、肺胞から呼気され、これに
より新鮮な空気が次の吸気の間に流入することが可能と
なる。健康な肺は大きいコンプライアンスを有するの
で、比較的大きい空気の気量が、その都度の呼吸毎に吸
気され、その際、肺の中の空気の気圧は過度に増加しな
い。
【0003】傷害又は疾患により肺の機能は、生命を脅
かす状態が発生する程度まで劣化することがある。例え
ば肺胞はつぶれることもあり、このつぶれることによ
り、肺胞の中の空気と、肺の毛細管の中の血液の中の空
気との間の本質的なガス交換が劣化ないし阻止されるこ
ともある。肺は不全拡張領域を有することもあり、これ
によりコンプライアンスは低減し、この低減は、不充分
な空気気量しかその都度の呼吸毎に吸気されない程にな
ることもある。
【0004】この場合、損傷された肺からベンチレータ
/呼吸器への接続が、患者の生命を維持するために必要
であることもあり、この接続は、損傷された肺が充分に
回復するまで継続される。ベンチレータ/呼吸器は、呼
吸ガスを肺に充分に高い圧力で供給する、すなわち充分
に高い圧力とは、つぶれた肺胞を開放すなわち開いて、
充分なガス交換を提供する程度に高い圧力のことであ
る。呼吸ガスは通常、通常の空気から成り、この空気は
酸素が濃厚化されていることもある。肺の開放の成功度
が高い程、呼吸ガスの中の酸素の濃厚化の必要度は低下
する。
【0005】つぶれた肺を開放するために必要な高い圧
力は、ラプラースの法則P=2γ/rにより求められ、
なおPは、肺胞を安定化するために必要な圧力であり、
γは空気と液体との間の界面における表面張力であり、
rは肺胞半径である。つぶれた肺は非常に小さい半径を
有し、この場合、前述の式の中の圧力は高くなる。一
方、開いている肺は、(比較的)大きい半径を有し、こ
の場合、開放状態を維持するために必要な圧力は低い。
健康な肺では肺胞は、自然の界面活性剤の層を有する。
自然の界面活性剤は、その表面張力を変化させる能力を
有し、これにより、健康な肺が、微細な肺胞さえ低い圧
力で開放状態に維持することが容易になる。例えばAR
DS(急性呼吸窮迫症候群)等を有する疾患又は傷害肺
では肺胞は、界面活性剤を欠乏することがあり、これに
より肺胞の中の表面張力は一定になる。このような界面
活性剤の欠乏は、自然発生的又は強制的な過剰換気の持
続時間が長いとその最中に発生することもある。
【0006】肺を開放し、肺を開放状態に維持すること
の重要性は、B Lachmann著の論文”肺を開放
し肺を開放状態に維持する”(Intensive C
are Medicine誌(1992),18:31
9ー321)に記載されている。この論文は、呼吸ガス
を比較的高い圧力で肺に供給して、肺胞を強制的に開放
する必要性を強調している。肺を適切に開放するには数
分かかることもあり、一旦肺が適切に開放されると、大
幅に低い圧力を使用して肺を開放状態に維持する。同時
に、強制的呼吸における肺外傷のリスクが、呼吸ガスの
圧力が大きい場合(圧力障害)及び/又は気量が大きい
場合(気量障害)に増加し、この増加はとりわけ、肺コ
ンプライアンスが小さいと顕著である。過剰圧力に関連
する別のリスクは、毛細管が、肺の中に発生する力のみ
により損傷されたり、毛細管が圧縮されて血液が毛細管
を貫流できず(過剰拡張)、これにより重要なガス交換
が阻止されることにある。
【0007】スウェーデン特許出願第501560号明
細書に開示されているベンチレータ/呼吸器は、患者に
供給される呼吸ガスの圧力測定値と気量測定値との間の
関係を基礎にして肺の開放圧力を決定できる。基本的に
ベンチレータは、吸気フェーズの間にわたり呼吸ガスを
一定流量で供給する。これにより肺に印加される圧力が
測定され、肺に流入する呼吸ガスの気量が計算される。
肺胞がつぶれている限り圧力は急速に増加し、これに対
して気量は緩慢にしか増加しない。肺胞が開放される
と、肺に流入する気量は、圧力に対してより急速に増加
し始める。次いで開放圧力が、屈曲点を識別することに
より決定される、すなわちこの屈曲点において気量の増
加は、より急速になる。
【0008】この決定方法は、患者の治療方法を決定す
るために使用できる開放圧力を提供するが、しかし、最
適開放圧力を決定するのに必要な感度は幾分低い。例え
ば圧力・気量線図においてより高い圧力において別の屈
曲点又は屈曲領域が存在することもあり、このような屈
曲点又は屈曲領域は、肺胞の中のより小さい部分領域が
開放されると発生する。
【0009】これらの”より高い”屈曲点又は領域は、
圧力・気量線図の中で直ちに識別することは不可能であ
る、何故ならば圧力・気量関係は、別の不規則性も示す
からである。更にこの方法は、すべてのつぶれた肺胞が
適切に開放されることを保証しない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、前述
の問題を解決する冒頭に記載の形式の装置を提供するこ
とにある。
【0011】本発明の別の課題は、肺の少なくとも1つ
の充分な部分を開放する最適開放圧力を得る方法を提供
することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題は本発明によ
り、第1の発明では、調整ユニットが、所定吸気パルス
を供給し、所定吸気パルスは、開始圧力より高い終了圧
力を有することにより解決され、第2の発明では、a)
開始圧力より高い終了圧力を有する所定吸気パルスを
肺系に供給するステップと、b) 少なくとも1つの呼
吸ガスパラメータを測定するステップと、c) 暫定開
放圧力を決定するステップと、d) 肺系に関連する血
液系から取出された血液標本の中の酸素の分圧を測定す
るステップと、e) 分圧測定値を所定閾値と比較する
ステップと、分圧測定値が閾値より低い場合には新しい
所定の吸気パルスを選択してステップa)〜e)を繰返
すステップと、g) 分圧測定値が閾値より高い場合に
は以前の最後の回に決定された開放圧力を最適開放圧力
として選択するステップとにより解決される。
【0013】呼吸ガスを一定流量で肺系に供給し、これ
により生じる気量及び圧力を測定する代りに、すなわち
スウェーデン特許出願第501560号明細書に開示さ
れているこのような方法の代りに、所定の圧力特性を有
する吸気パルスが肺系に供給される。とりわけ、所定吸
気パルスは、開始圧力より高い終了圧力を有する。これ
により、肺系に向かって圧力がより制御されて増加し、
これは肺系とってより好ましい、何故ならば肺の中に突
然過剰圧力が発生するリスクが、基本的に完全に除去さ
れるからである。制御された圧力変数を呼吸パラメータ
測定値に相関させるほうが、より容易である。更に、開
放圧力を求めるので、吸気パルスの適切な形状を選択し
て、最適開放圧力決定の感度を高めることができる。例
えば吸気パルスを選択する際にこの選択は圧力が、吸気
フェーズの開始において急速に増加し、推定最適開放圧
力の近傍では緩慢に増加するように行うことも可能であ
る。これにより発生する、この近傍での呼吸ガスパラメ
ータ測定値における反応を、より徹底的に評価できる。
【0014】本発明の有利な実施の形態は、その他の請
求項に記載されている。
【0015】本発明の1つの有利な実施の形態では、開
始圧力から終了圧力までの線形段階で圧力が増加する吸
気パルスが利用される。例えば9秒の持続時間を有する
吸気パルスが与えられ、最適開放圧力が約40cmH2
Oであるとする。この場合、吸気パルスは、圧力を0c
mH2Oから30cmH2Oまで2秒で高める第1の線形
圧力段階と、圧力を30cmH2Oから50cmH2Oま
で残りの7秒で高める第2の線形圧力段階とから成るこ
ともある。第2の線形圧力段階はより平たい、又、完全
につぶれた肺の最適開放圧力は30〜50cmH2Oの
領域内にあると推定されるので吸気パルスの後半部分の
間の緩慢な増加が、最適開放圧力を得る可能性を高め
る。別の圧力及びタイミング値を利用することも勿論で
き、このような利用は個別ケースに依存する。とりわ
け、圧力段階の数、それらのそれぞれの持続時間及び圧
力は、非常に多数の可能性の中から選択できる。
【0016】本発明の別の1つの有利な実施例では呼吸
ガス流量が、測定ユニットの中の流量計により測定さ
れ、制御ユニットが、呼吸ガス流量を基礎にして最適開
放圧力を決定する。流量曲線が記録されて、印加圧力に
相関されると、流量曲線は屈曲点又は屈曲領域を示し、
このような屈曲点又は屈曲領域では流量の増加が、肺胞
開放の後に生じる。開放肺胞の数量は流量増加の大きさ
に反映される。すなわち、肺胞の大部分が同時に開放さ
れると大きい流量増加が検出され、少数の肺胞しか開放
されないと流量増加は小さい。圧力ガスが吸気パルスの
間に増加するといくつかの屈曲領域が生じることがあ
る。これは、すべての肺胞が同時に開放されるのではな
い事実に起因する。肺胞の寸法が互いに異なり、肺の中
の異なる部分領域の中の圧力分布が互いに異なることに
より、肺の中の異なる領域が異なる圧力で開放される。
しかし流量は、例えば供給気量に比してより有効な手段
である。少数の肺胞が開放されただけでも、流量測定値
の変化は検出可能である。印加圧力は、調整ユニットか
ら直接に得るか、又は圧力計を肺系の中又は近傍に配置
して圧力を現場で測定することにより得ることもでき
る。
【0017】1つの列の連続的に順次に続く互いに同一
の吸気パルスを供給し、次いで、相応するパラメータ測
定値の平均値を計算すると有利である。肺系の反応は、
1つの呼吸周期から次の呼吸周期に移行しても急激に変
化せず、これにより最適開放圧力決定が改善される。
【0018】本発明の別の1つの有利な実施の形態では
調整ユニットが、このような吸気列の1つのシーケンス
を供給する。それぞれの列は、互いに異なる形状の1つ
の吸気パルスを有し、制御ユニットが、それぞれの列に
対して暫定開放圧力を決定できる。次いで最適開放圧力
は、暫定開放圧力から決定される。最適開放圧力は例え
ば、供給ガス気量を暫定開放圧力に相関させることによ
り決定できる。例えばそれぞれの暫定開放圧力を、吸気
パルスの開始から暫定開放圧力までの時間区間の中の供
給ガス気量により除算することにより得られる商は、最
小化できる。すなわち、できるだけ大きい気量を、でき
るだけ低い圧力で供給すべきである。
【0019】これに関連して、吸気パルスの1つの列の
ために決定された第1の暫定開放圧力を使用して、吸気
パルスの後続の列の圧力を決定すると有利である。例え
ば、10〜30cmH2Oの圧力ランプを有する吸気パ
ルスの1つの供給列の中で25cmH2Oの暫定開放圧
力が決定される。この場合、吸気パルスの次の列は22
〜35cmH2Oの圧力ランプを有する。
【0020】本発明の別の1つの有利な実施の形態では
血液ガス分析ユニットが、肺系に関連する血液系に接続
され、これにより血液ガス分析ユニットは、血液系の中
の酸素の分圧(PaO2)を測定できる。この場合、制
御ユニットは、呼吸ガスパラメータ測定値とPaO2
定値とを基礎にして最適開放圧力を決定できる。基本的
に、PaO2は、肺が充分に開放されている場合には所
定閾値より大きくなければならない。血液系が肺の状態
の変化に応答するには生理的応答時間が必要であるので
同一の吸気パルスを患者に数回供給しなければならな
い、何故ならばこれにより血液系は応答できるからであ
る。
【0021】この目的のために血液ガスを利用する場
合、まず初めに前述のように暫定開放圧力を決定し、次
いで通常の方形の圧力パルスの1つの列を患者に供給す
ると有利である。方形パルスは、開放された肺のための
有効吸気時間を増加するために利用される。開放圧力よ
り低い開始圧力を有し開放圧力より高い終了圧力を有す
る圧力ランプは、圧力が開放圧力に到達するまで肺を開
放せず、肺は、吸気パルスの残留パルス幅区間の間だけ
開放されている。すなわち有効吸気時間は、設定吸気時
間より短い。肺が最終的には開放されるにもかかわらず
残留有効吸気時間は、良好なガス交換を提供するために
は不充分であることがある。
【0022】これらの方形パルスのピーク圧力は、決定
された暫定開放圧力を関連付けされなければならない、
例えば同一の振幅、10%大きい振幅等である。1分又
は数分後、血液系は、(ガス交換が改善された場合に
は)このガス交換の改善に反応し、PaO2が測定可能
である。PaO2が閾値を超える場合には肺は充分に開
放されており、決定された暫定開放圧力は最適開放圧力
である。閾値に到達しない場合には暫定開放圧力は最適
でないか、又は肺の損傷の程度が、PaO2が閾値に到
達不可能である程高い。後者の場合、最適開放圧力を得
るための前述の決定方法が好適である。注意すべき点
は、過剰拡張及び外傷を回避することである。
【0023】本実施の形態では、PaO2を使用して最
適開放圧力を決定するのは、PaO2が所定閾値を越え
る第1の決定開放圧力を最適開放圧力として選択するこ
とにより行うか、又は、いくつかの暫定開放圧力が決定
された場合、PaO2測定値が所定閾値を越える暫定最
低開放圧力を最適開放圧力として選択することにより行
う。
【0024】肺系の中の最適開放圧力の決定方法は、 a) 開始圧力より高い終了圧力を有する所定吸気パル
スを肺系に供給するステップと、 b) 少なくとも1つの呼吸ガスパラメータ(P,Φ,
V)を測定するステップと、 c) 暫定開放圧力(Pio)を決定するステップと、 d) 肺系に関連する血液系から取出された血液標本の
中の酸素の分圧(PaO2)を測定するステップと、 e) PaO2測定値を所定閾値と比較するステップ
と、 f) PaO2測定値が閾値より低い場合には新しい所
定の吸気パルスを選択してステップa)〜e)を繰返す
ステップと、 g) PaO2測定値が閾値より高い場合には以前の最
後の回に決定された暫定開放圧力(Pio)を最適開放圧
力(Po)として選択するステップとを用いることによ
り実現される。
【0025】酸素分圧は、肺が充分に開放された時点、
すなわちつぶれた肺胞の大部分が開放されている時点を
決定するための重要な前提条件として使用される。1つ
の特定の吸気パルスのための決定された開放圧力は、こ
れにより生じるPaO2に関連付けできる。これにより
最適開放圧力は、PaO2が所定閾値より大きくなる開
放圧力として定められる。
【0026】本発明の方法の改善はステップb)を、 b1) 肺系に流れる呼吸ガス流量(Φ)を測定するサ
ブステップと、 b2) 肺系の中又は近傍の呼吸ガス圧力(P)を測定
するサブステップと、 c1) 呼吸ガス流量パラメータ測定値(Φ)の中の屈
曲点又は屈曲領域(30)を識別するサブステップと、 c2) 識別された前記屈曲点又は前記屈曲領域(3
0)を呼吸ガス圧力パラメータ測定値(P)に相関させ
るサブステップと、 c3) 識別された前記屈曲点又は前記屈曲領域に関連
する最高圧力を暫定開放圧力(Pio)として決定するサ
ブステップと、 c4) 決定された暫定開放圧力以上の開始圧力を有す
るいくつかの吸気パルスを供給するサブステップとに分
割することにより得られる。
【0027】
【実施の形態】次に本発明を実施の形態に基づき図を用
いて詳細に説明する。
【0028】本発明の装置の素子が図1に概略的に示さ
れている。注意すべき点は、機能ブロックが必ずしも別
個の物理的装置を示さないことである。機能ブロックは
数個の装置から成ることもあり、機能ブロックのうちの
いくつかは、1つの装置の中に含まれていることもあ
る。調整ユニット2は、ガス供給系6を介して患者4に
接続されている。調整ユニット2は呼吸ガスを患者に供
給でき、患者4から呼気ガスを除去できる。調整ユニッ
ト2は基本的に、任意の公知の構造のベンチレータ/呼
吸器であり、例えばServo Ventilator
300(スウェーデンのSiemens−Elma
AB社製)等がある。測定ユニット8は、圧力計10及
び流量計12を有し、測定ユニット8はガス供給系6に
接続され、これにより測定ユニット8は、呼吸ガス流量
及び圧力を測定することができる。測定値制御ユニット
14に供給され、制御ユニット14は開放圧力を計算
し、この計算は、呼吸ガス流量測定値と圧力値とを基礎
にして行われる。制御ユニット14は調整ユニット2に
信号を送ることができ、この信号伝送は例えば、最適な
開放圧力が決定された時に行われる。
【0029】血液ガス分析ユニット16は、患者4にも
接続されており、これにより血液ガス分析ユニット16
は、患者の血液系の中の酸素の分圧(PaO2)を測定
する。血液ガス分析ユニットで、この種類の分析に適す
るものは、米国特許第4841974号明細書及び米国
特許第5225063号明細書に開示されている。
【0030】血液ガス分析ユニット16と患者4の血液
系との間の相互接続は、いくつかの方法で実現可能であ
る。例えば血液標本を血液系から取出し、患者の外部に
ある分析プローブの中で分析することも可能であり、又
はプローブを患者4の血液系の中に挿入し、これにより
血液ガスの生体内測定を行うことも可能である。測定
は、異なる時間区間で行うことが可能である。PaO2
の測定を行う目的は、患者4の肺の最適開放圧力を決定
する際の重要なパラメータを得ることにある。
【0031】調整ユニット2は、圧力に関して任意の形
状の吸気パルスを供給できる。すなわち調整ユニット2
は、所定のように変化する制御されている圧力を有する
吸気パルスを供給できる。吸気パルス18はPEEPレ
ベルの開始圧力とPIPレベルの終了圧力とを有する。
PEEPは正の呼気終了圧力を意味し、大気圧に関して
であり、従って零以上の任意の数値になる。通常、PE
EPは、最適開放圧力を決める場合には20cmH2
より低い。PIPはピーク吸気圧力を意味し、この用途
においてはPIP圧力は、最適開放圧力を決定するため
には30〜60cmH2Oである。しかしPEEPもP
IPも、つぶれた肺を開放するために必要な場合には前
述の制限の外部の圧力から選択することが可能である。
【0032】吸気パルス18はtiの持続時間を有し、
この持続時間は吸気時間である。本用途においては5〜
10秒の吸気時間が使用される。しかし圧力の場合と同
様、より短い吸気時間又はより長い吸気時間も、必要な
場合には使用可能である。吸気時間tiの次には呼気時
間teとなり、次いで第2の吸気パルス20が供給され
る。図2に示されているようにいくつかの同一の吸気パ
ルス18,20,22が、開放圧力を決定する場合には
1つの列で供給可能である。いくつかの同一の吸気パル
ス18,20,22を供給する場合、呼吸ガス流量測定
値は平均化される。算出された流量平均値は、開放圧力
を決定する際に使用される。
【0033】開放圧力を決定する方法は図4に示されて
おり、図4には圧力軸と流量軸とを有する線図が示され
ている。曲線26は、圧力測定値に対する流量測定値を
示す(又は圧力に対する流量平均値を示す)。曲線26
において第1の屈曲領域28は、流量の突然増加として
検出される。この屈曲領域28は、患者4の肺系の中の
多数のつぶれた肺胞の開放を表す。第2の屈曲領域30
は、第1の屈曲領域28に比して大幅に小さいが、しか
しなおも、いくつかの肺胞の開放を表す。肺のできるだ
け大きい部分を開放することが好ましいので、第2の屈
曲領域30の圧力上限値が、開放圧力P0として選択さ
れる。
【0034】開放圧力が決定されると、次いでいくつか
の吸気パルス、すなわち所定開放圧力以上の開始圧力を
有するいくつかの吸気パルスが、患者に供給される。こ
れらのパルスは方形でもよく、これらのパルスを供給す
る目的は、肺が充分に開放するかどうか試験することに
ある。次いでPaO2が測定され、PaO2測定値が、所
定閾値を越えない場合、図4の所定開放圧力P0は充分
高くない、すなわち肺を充分に開放することを達成する
には充分高くない。この場合、1つの異なる吸気パルス
又は一連の吸気パルスが、患者4に供給される。新吸気
パルスは例えば、より高いPEEPを有することもあ
り、より高いPIPを有することもあり、PEEPとP
IPの双方を有することもある。これらの値は、前に決
定された開放圧力を基礎にして選択できる。
【0035】次の1つ又は複数の吸気パルスが有する吸
気時間と呼気時間との間の関係も、前述のものとは異な
ってよい。呼気時間teに対して変化する吸気時間t
iは、固有PEEPを形成するのに使用できる。別の呼
吸周波数も、固有PEEPを形成するために使用でき
る。これらのすべてのファクタは、異なる肺に対して異
なる仕方で相互作用し、従って、すべてのつぶれた肺を
開放することを保証する1つの特別の吸気パルスを得る
ことは不可能である。
【0036】吸気パルスの第2の列、すなわちより高い
PEEP及びより高いPIPの双方を有する吸気パルス
の第2の列により、PaO2測定値は所定閾値を越え
る。この場合、PaO2測定値が意味するのは、肺が充
分に開放したことであり、従ってこの吸気パルスのため
の所定開放圧力P0が、この特定の時間におけるこの特
定の患者のための最適開放圧力であることである。肺の
つぶれ及び肺収縮の原因に依存して、吸気パルスに対す
る個別の応答は、肺の状態が改善するにつれて異なるこ
ともある。
【0037】最適な開放圧力を決定する別の方法は、複
数の吸気パルスの1つの列を供給することにあり、この
場合、すべての吸気パルスは、選択されたPEEP、P
IP、te又は周波数に関して異なる。これらのすべて
の吸気パルスに対して、暫定開放圧力は、図4に示され
ているように決定される。次いで関係が、決定された暫
定開放圧力と、それぞれの呼吸における決定された暫定
開放圧力に到達するまでに供給された気量とを基礎にし
て計算される。すなわち図4の線図における曲線26
が、零からP0まで積分される。最適開放圧力を選択す
るためには、暫定開放圧力が、計算された気量により除
算されて得られる商を最小化しなければならない。最小
化が意味するのは、大きい気量が低い圧力で供給される
ことである。圧力と気量との間の別の数学的関係を用い
て、最適開放圧力を決定することもできる。例えば気量
の2乗値を、前述の商において使用して、低い圧力で充
分な気量を供給する重要性を高めることもできる。
【0038】図3は別の種類の吸気パルス24を示し、
この場合、圧力増加が、いくつかの線形圧力段階に分割
され、この場合には3つの線形圧力段階に分割される。
第1の圧力段階24Aは、時間区間t1にわたり開始圧
力PEEPから圧力P1に圧力を高め、第2の圧力段階
24Bは、時間区間t2にわたりP1からP2に圧力を
高め、第3の圧力段24Cは、時間区間t3にわたりP
2からPIPに圧力を高める。圧力レベルP1及びP2
は好適には、圧力P2が、最適圧力のための推定値より
僅かに低いか、又は以前の最後の回に決定された暫定開
放圧力より僅かに低いように選択される。時間区間t
1,t2,t3は好適には、第3の圧力段階24Cが少
なくとも、吸気時間ti全体の1/3より大きい部分を
占めるように選択される。吸気パルス24のこの構成に
起因して、第3の圧力段階24Cの間の圧力増加の峻度
は、図2の吸気パルス18における峻度に類似のランプ
勾配より低い。P2を適切に選択することにより開放圧
力を、第3の圧力段階24Cの中に入れることができ、
ひいては流量・圧力線図における曲線を、流量の微細な
変化におり敏感にすることができる。
【0039】図5は最適開放圧力を決定する方法のフロ
ーチャートを示し、この方法は図1の装置により実行で
きる。フローチャートは、最適開放圧力を得るのに必要
なステップを示しているにすぎない。第1のブロック3
2では吸気パルスが患者に供給される。次いでブロック
34で呼吸ガス流量及び呼吸ガス圧力が測定される。ブ
ロック32及び34に示されているステップは、同一の
吸気パルスを数回にわたり供給する場合に繰返すことが
でき、その際、呼吸ガス流量測定値の平均値が算出され
る。ブロック36に示されている次のステップで暫定開
放圧力が、図4の方法で決定される。ブロック38で
は、決定された暫定開放圧力以上のPIPを有する複数
の方形吸気パルスの1つの列が供給される。ブロック4
0でPaO2が測定され、ブロック42で測定値が所定
閾値と比較される。PaO2がこの閾値より小さい場
合、ブロック42でノーが出力され、ブロック46で新
形状の吸気パルスが選択される。ブロック32に示され
ているように新吸気パルスが供給され、暫定開放圧力を
決定することが繰返され、更にPaO2の測定が繰返さ
れる。
【0040】PaO2測定値が前述の閾値を越える場
合、ブロック42でイエスが出力され、ブロック44
で、以前の最後の回に決定された暫定開放圧力が、肺系
の最適開放圧力として選択される。
【0041】最適圧力を決定するためにPaO2を測定
する代りに、吸気パルスのいくつかの列を供給すること
も可能である。それぞれの列に対して暫定開放圧力Pio
と、暫定開放圧力に到達するまで供給された気量Vとが
決定され又は求められ、これらの値の商Pio/Vが計算
されて記憶される。すべてのこれらの列が供給される
と、算出された複数の商が互いに比較され、最小商値P
ioが最適開放圧力として選択される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の装置を概略的に示す機能ブロック回路
図である。
【図2】開放圧力を決定するために本発明の装置により
供給される第1の吸気パルスを示す線図である。
【図3】開放圧力を決定するために本発明の装置により
供給される第2の吸気パルスを示す線図である。
【図4】開放圧力を決定する方法を示す流量−圧力線図
である。
【図5】最適開放圧力を決定する方法を示すフローチャ
ートである。
【符号の説明】
2 調整ユニット 4 患者 6 ガス供給系 8 測定ユニット 10 圧力計 12 流量計 14 制御ユニット 18,20,22 吸気パルス 26 曲線 28 第1の屈曲領域 30 第2の屈曲領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 シュテファン ベーム ドイツ連邦共和国 ベルギッシュ グラー トバッハ プラッツァー ヘーエンヴェー ク 7アー

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 肺系(4)に呼吸ガスを供給する調整ユ
    ニット(2)を具備し、少なくとも1つの呼吸ガスパラ
    メータ(P,Φ,V)を測定する測定ユニット(8)を
    具備し、パラメータ測定値(P,Φ,V)を基礎にして
    最適開放圧力(P0)を決定する制御ユニット(14)
    を具備する、肺系の中の最適開放圧力決定装置におい
    て、前記調整ユニット(2)が、所定吸気パルス(1
    8,20,22:24)を供給し、前記所定吸気パルス
    (18,20,22:24)は、開始圧力(PEEP)
    より高い終了圧力(PIP)を有することを特徴とする
    肺系の中の最適開放圧力決定装置。
  2. 【請求項2】 調整ユニット(2)が呼吸ガスの供給を
    制御し、これにより呼吸ガス圧力は、線形段階(24
    A,24B,24C)の区間内で開始圧力(PEEP)
    から終了圧力(PIP)に増加することを特徴とする請
    求項1に記載の肺系の中の最適開放圧力決定装置。
  3. 【請求項3】 測定ユニット(8)が、肺系(4)へ流
    入する呼吸ガス流量(Φ)を測定する流量計(12)を
    具備し、制御ユニット(14)は、呼吸ガス流量(Φ)
    を基礎にして最適開放圧力(P0)を決定することを特
    徴とする請求項1又は請求項2に記載の肺系の中の最適
    開放圧力決定装置。
  4. 【請求項4】 測定ユニット(8)が、肺系(P)の中
    又は近傍の呼吸ガスの圧力(P)を測定する圧力計(1
    0)を具備し、制御ユニット(14)は、呼吸ガス流量
    (Φ)の測定値と圧力測定値(P)とを基礎にして最適
    開放圧力(P0)を決定することを特徴とする請求項3
    に記載の肺系の中の最適開放圧力決定装置。
  5. 【請求項5】 調整ユニット(2)が、連続的に順次に
    続く互いに同一の所定吸気パルス(18,20,22)
    の1つの列を供給し、制御ユニット(14)が、相応す
    るパラメータ値の平均値を計算することを特徴とする請
    求項1から請求項4のうちのいずれか1つの請求項に記
    載の肺系の中の最適開放圧力決定装置。
  6. 【請求項6】 調整ユニット(2)が、前記吸気パルス
    列(18,20,22)の1つのシーケンスを供給し、
    それぞれの前記吸気パルス列は、互いに異なるそれぞれ
    1つの所定吸気パルスを有し、制御ユニット(14)
    は、それぞれの前記吸気パルス列のための暫定開放圧力
    (Pio)を決定し、前記制御ユニット(14)は、決定
    された暫定開放圧力(Pio)を基礎にして開放圧力(P
    o)を決定することを特徴とする請求項5に記載の肺系
    の中の最適開放圧力決定装置。
  7. 【請求項7】 制御ユニット(14)が、供給ガス気量
    (V)と暫定開放圧力(Pio)との間の最適な関係を求
    めて、最適開放圧力(Po)を決定することを特徴とす
    る請求項6に記載の肺系の中の最適開放圧力決定装置。
  8. 【請求項8】 血液ガス分析ユニット(16)が設けら
    れ、前記血液ガス分析ユニット(16)は制御ユニット
    (14)に接続され、これにより前記血液ガス分析ユニ
    ット(16)は、肺系(4)に関連する血液系(4)の
    中の酸素分圧(PaO2)を測定し、前記制御ユニット
    (14)は、呼吸ガスパラメータ(P,Φ,V)測定値
    及びPaO2測定値を基礎にして最適開放圧力(Po)を
    決定することを特徴とする請求項1から請求項7のうち
    のいずれか1つの請求項に記載の肺系の中の最適開放圧
    力決定装置。
  9. 【請求項9】 制御ユニット(14)はPaO2測定値
    が所定閾値を越える第1の決定開放圧力を最適開放圧力
    (Po)として決定することを特徴とする請求項8に記
    載の肺系の中の最適開放圧力決定装置。
  10. 【請求項10】 制御ユニット(14)はPaO2測定
    値が所定閾値を超える暫定最低開放圧力を最適開放圧力
    (Po)として決定することを特徴とする請求項8に記
    載の肺系の中の最適開放圧力決定装置。
  11. 【請求項11】 a) 開始圧力より高い終了圧力を有
    する所定吸気パルスを肺系に供給するステップと、 b) 少なくとも1つの呼吸ガスパラメータ(P,Φ,
    V)を測定するステップと、 c) 暫定開放圧力(Pio)を決定するステップと、 d) 肺系に関連する血液系から取出された血液標本の
    中の酸素の分圧(PaO2)を測定するステップと、 e) PaO2測定値を所定閾値と比較するステップ
    と、 f) PaO2測定値が閾値より低い場合には新しい所
    定の吸気パルスを選択してステップa)〜e)を繰返す
    ステップと、 g) PaO2測定値が閾値より高い場合には以前の最
    後の回に決定された暫定開放圧力(Pio)を最適開放圧
    力(Po)として選択するステップとを特徴とする肺系
    の中の最適開放圧力決定方法。
  12. 【請求項12】 b1) 肺系に流れる呼吸ガス流量
    (Φ)を測定するサブステップと、 b2) 肺系の中又は近傍の呼吸ガス圧力(P)を測定
    するサブステップと、 c1) 呼吸ガス流量測定値(Φ)の中の屈曲点又は屈
    曲領域(30)を識別するサブステップと、 c2) 識別された前記屈曲点又は前記屈曲領域(3
    0)を呼吸ガス圧力測定値(P)に相関させるサブステ
    ップと、 c3) 識別された前記屈曲点又は前記屈曲領域に関連
    する最高圧力を暫定開放圧力(Pio)として決定するサ
    ブステップと、 c4) 決定暫定開放圧力以上の開始圧力を有するいく
    つかの吸気パルスを供給するサブステップとを有するこ
    とを特徴とする請求項11に記載の肺系の中の最適開放
    圧力決定方法。
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