JPH096456A - 算 盤 - Google Patents
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- JPH096456A JPH096456A JP17545595A JP17545595A JPH096456A JP H096456 A JPH096456 A JP H096456A JP 17545595 A JP17545595 A JP 17545595A JP 17545595 A JP17545595 A JP 17545595A JP H096456 A JPH096456 A JP H096456A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】従来の算盤では演算できなかった、新しい記数
法である(2n+1)進数を置数し、又は、(2n+
1)進法の演算が可能な算盤を提供する。 【構成】算盤は、それぞれの桁に、置かれている珠の個
数によって1〜nの正の整数を表わす正領域と、置かれ
ている珠の個数によって−1〜−nの負の整数を表わす
負領域と、珠が何個置かれていても零だけを表わす零領
域とを設けて、その桁に置かれている珠の配置でもって
−n〜nの整数のいずれかを表わし、nは1以上の正の
整数である1桁乃至複数桁の(2n+1)進数を表わす
ことができる。
法である(2n+1)進数を置数し、又は、(2n+
1)進法の演算が可能な算盤を提供する。 【構成】算盤は、それぞれの桁に、置かれている珠の個
数によって1〜nの正の整数を表わす正領域と、置かれ
ている珠の個数によって−1〜−nの負の整数を表わす
負領域と、珠が何個置かれていても零だけを表わす零領
域とを設けて、その桁に置かれている珠の配置でもって
−n〜nの整数のいずれかを表わし、nは1以上の正の
整数である1桁乃至複数桁の(2n+1)進数を表わす
ことができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、算盤に係り、詳しく
は、(2n+1)進数を置数し、又は(2n+1)進法
によって演算する算盤に関する。
は、(2n+1)進数を置数し、又は(2n+1)進法
によって演算する算盤に関する。
【0002】
【従来の技術】計算の道具としての算盤が古来使われて
きたことは、周知である。現在、我が国で使われている
算盤は、中国から伝来したものを改良して、1桁の数を
表わすのに、1を表わす珠4個を地に置き、5を表わす
珠1個を天に置いて、天と地との間は梁で隔てる。天と
地共に枠と梁が珠の移動できる範囲を規制する一方、枠
と梁との間には珠が移動できるように隙間が設けられて
いる。この隙間が、正領域と零領域の境界になり、天と
地共に梁に接している珠は正領域に含まれるのでその珠
の個数でもって正の整数を表わし、枠に接している珠は
いずれも零領域に含まれるので零を表わす。このように
して、1桁の数を表わす桁を左右に複数個並べて、複数
桁の数を表わし、演算するのに用いられる。
きたことは、周知である。現在、我が国で使われている
算盤は、中国から伝来したものを改良して、1桁の数を
表わすのに、1を表わす珠4個を地に置き、5を表わす
珠1個を天に置いて、天と地との間は梁で隔てる。天と
地共に枠と梁が珠の移動できる範囲を規制する一方、枠
と梁との間には珠が移動できるように隙間が設けられて
いる。この隙間が、正領域と零領域の境界になり、天と
地共に梁に接している珠は正領域に含まれるのでその珠
の個数でもって正の整数を表わし、枠に接している珠は
いずれも零領域に含まれるので零を表わす。このように
して、1桁の数を表わす桁を左右に複数個並べて、複数
桁の数を表わし、演算するのに用いられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の算盤はいずれ
も、十進法又はそれに類似の従来の記数法の演算用に作
られており、正の数を表わすことに重点が置かれてい
る。それ故、負の数を用いて乗除算をする場合、負を表
わす符号を外した値を絶対値として求め、これを用いて
演算した後、改めて必要に応じて負を表わす符号を付与
するなどしなければならない。又、減算のときにも、被
減数と求められた差の正負の符号が異なるときには、正
負の符号反転に対応しづらく演算が面倒である。
も、十進法又はそれに類似の従来の記数法の演算用に作
られており、正の数を表わすことに重点が置かれてい
る。それ故、負の数を用いて乗除算をする場合、負を表
わす符号を外した値を絶対値として求め、これを用いて
演算した後、改めて必要に応じて負を表わす符号を付与
するなどしなければならない。又、減算のときにも、被
減数と求められた差の正負の符号が異なるときには、正
負の符号反転に対応しづらく演算が面倒である。
【0004】又、本件発明者が先に特願平6−2904
74において詳述した(2n+1)進法は、1桁の数を
表わすのに、nを1以上の正の整数としたとき、1〜n
のn個の正の整数を表わすn個の記号と、−1〜−nの
n個の負の整数を表わすn個の記号と、零を表わす1個
の記号の合計(2n+1)個の記号を用いるが、従来の
算盤では、−1〜−nのn個の負の整数を表わすn個の
記号に相当する珠を置くことができない。それ故、従来
の算盤は(2n+1)進法の演算には使えない、と言う
問題があった。
74において詳述した(2n+1)進法は、1桁の数を
表わすのに、nを1以上の正の整数としたとき、1〜n
のn個の正の整数を表わすn個の記号と、−1〜−nの
n個の負の整数を表わすn個の記号と、零を表わす1個
の記号の合計(2n+1)個の記号を用いるが、従来の
算盤では、−1〜−nのn個の負の整数を表わすn個の
記号に相当する珠を置くことができない。それ故、従来
の算盤は(2n+1)進法の演算には使えない、と言う
問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、請求項1記載の発明の算盤は、珠を置くことのでき
る領域を、少なくとも、置かれている珠の個数によって
正の整数を表わす正領域と、置かれている珠の個数によ
って負の整数を表わす負領域と、珠が何個置かれていて
も零だけを表わす零領域とに分割して、前記正領域及び
前記零領域、前記負領域のそれぞれに置かれている珠の
個数によって、又は、前記正領域と前記負領域とに置か
れている珠の個数から同じ個数を相殺した残りの珠の個
数によって、1桁の数を表わし、nは1以上の正の整数
である1桁乃至複数桁の(2n+1)進数を表わすこと
を特徴としている。
に、請求項1記載の発明の算盤は、珠を置くことのでき
る領域を、少なくとも、置かれている珠の個数によって
正の整数を表わす正領域と、置かれている珠の個数によ
って負の整数を表わす負領域と、珠が何個置かれていて
も零だけを表わす零領域とに分割して、前記正領域及び
前記零領域、前記負領域のそれぞれに置かれている珠の
個数によって、又は、前記正領域と前記負領域とに置か
れている珠の個数から同じ個数を相殺した残りの珠の個
数によって、1桁の数を表わし、nは1以上の正の整数
である1桁乃至複数桁の(2n+1)進数を表わすこと
を特徴としている。
【0006】請求項2記載の発明の算盤は、少なくと
も、前記正領域と前記零領域との間及び前記零領域と前
記負領域との間で両方向に珠の移動を可能にし、珠を移
動させることによって、nは1以上の正の整数である1
桁乃至複数桁の(2n+1)進法で演算することを特徴
としている。
も、前記正領域と前記零領域との間及び前記零領域と前
記負領域との間で両方向に珠の移動を可能にし、珠を移
動させることによって、nは1以上の正の整数である1
桁乃至複数桁の(2n+1)進法で演算することを特徴
としている。
【0007】請求項3記載の発明の算盤は、前記正領域
と前記負領域の少なくとも一方を1以上n以下の正の整
数を表わすm個の領域に分割し、それぞれの領域に置か
れている珠の個数に重みづけをしたことを特徴としてい
る。
と前記負領域の少なくとも一方を1以上n以下の正の整
数を表わすm個の領域に分割し、それぞれの領域に置か
れている珠の個数に重みづけをしたことを特徴としてい
る。
【0008】請求項4記載の発明の算盤は、前記正領域
及び前記零領域、前記負領域と共に格納領域を設けて、
使用する珠以外の珠は格納領域に収納可能にしたことを
特徴としている。
及び前記零領域、前記負領域と共に格納領域を設けて、
使用する珠以外の珠は格納領域に収納可能にしたことを
特徴としている。
【0009】
【作用】請求項1記載の発明の算盤は、珠を置くことの
できる領域を、少なくとも、置かれている珠の個数によ
って正の整数を表わす正領域と、置かれている珠の個数
によって負の整数を表わす負領域と、珠が何個置かれて
いても零だけを表わす零領域とに分割して、前記正領域
及び前記零領域、前記負領域のそれぞれに置かれている
珠の個数によって、又は、前記正領域と前記負領域とに
置かれている珠の個数から同じ個数を相殺した残りの珠
の個数によって、1桁の数を表わし、nは1以上の正の
整数である1桁乃至複数桁の(2n+1)進数を置くこ
とのできる、従来存在しなかった全く新しい算盤を提供
する。
できる領域を、少なくとも、置かれている珠の個数によ
って正の整数を表わす正領域と、置かれている珠の個数
によって負の整数を表わす負領域と、珠が何個置かれて
いても零だけを表わす零領域とに分割して、前記正領域
及び前記零領域、前記負領域のそれぞれに置かれている
珠の個数によって、又は、前記正領域と前記負領域とに
置かれている珠の個数から同じ個数を相殺した残りの珠
の個数によって、1桁の数を表わし、nは1以上の正の
整数である1桁乃至複数桁の(2n+1)進数を置くこ
とのできる、従来存在しなかった全く新しい算盤を提供
する。
【0010】請求項2記載の発明の算盤は、少なくと
も、前記正領域と前記零領域との間及び前記零領域と前
記負領域との間で両方向に珠の移動を可能にし、珠を移
動させることによって、nは1以上の正の整数である1
桁乃至複数桁の(2n+1)進法で演算することのでき
る、従来存在しなかった全く新しい算盤を提供する。
も、前記正領域と前記零領域との間及び前記零領域と前
記負領域との間で両方向に珠の移動を可能にし、珠を移
動させることによって、nは1以上の正の整数である1
桁乃至複数桁の(2n+1)進法で演算することのでき
る、従来存在しなかった全く新しい算盤を提供する。
【0011】請求項3記載の発明の算盤は、前記正領域
と前記負領域の少なくとも一方を1以上n以下の正の整
数を表わすm個の領域に分割し、それぞれの領域に置か
れている珠の個数に重みづけをしたので、少ない個数の
珠でもって、大きな値のnに対応する(2n+1)進数
を置数し、又は(2n+1)進法を用いて演算すること
ができる。
と前記負領域の少なくとも一方を1以上n以下の正の整
数を表わすm個の領域に分割し、それぞれの領域に置か
れている珠の個数に重みづけをしたので、少ない個数の
珠でもって、大きな値のnに対応する(2n+1)進数
を置数し、又は(2n+1)進法を用いて演算すること
ができる。
【0012】請求項4記載の発明の算盤は、前記正領域
及び前記零領域、前記負領域と共に格納領域を設けて、
使用する珠以外の珠は格納領域に収納可能にしたので、
枠の中の珠の個数が固定されていても、nの値が異なる
種々の(2n+1)進数を置数し、又は(2n+1)進
法の演算をすることができる。
及び前記零領域、前記負領域と共に格納領域を設けて、
使用する珠以外の珠は格納領域に収納可能にしたので、
枠の中の珠の個数が固定されていても、nの値が異なる
種々の(2n+1)進数を置数し、又は(2n+1)進
法の演算をすることができる。
【0013】
【実施例】以下、本件発明者が創出し、特願平6−29
0474において詳述した、(2n+1)進数並びに
(2n+1)進法について補足説明し、更にこの発明の
算盤の実施例について詳細に説明する。
0474において詳述した、(2n+1)進数並びに
(2n+1)進法について補足説明し、更にこの発明の
算盤の実施例について詳細に説明する。
【0014】『(2n+1)進法』とは、nを1以上の
正の整数とするとき、(1〜n)のn個の正の整数を表
わすn個の記号と、(−1〜−n)のn個の負の整数を
表わすn個の記号と、零を表わす1個の記号の合計(2
n+1)個の記号の中から選ばれた1個の記号でもって
1桁の数を表わす1桁乃至複数桁の数の表記方法並びに
演算方法である。この(2n+1)進法を『天進法』
(HENs)と言うことにする。又、(2n+1)進法
で表記された数を『(2n+1)進数』と言うが、これ
を『天進数』と言うことにする。nは1以上の正の整数
であるから、(2n+1)は3以上の奇数である。だ
が、従来の記数法にも、三進法や五進法などがあり、紛
らわしいので、天進法の場合、いずれも『天』の一字を
冠して『天三進法』(tritシステム)『天三進数』
『天五進法』(pentitシステム)『天五進数』
『天七進法』(hepitシステム)『天七進数』『天
九進法』(ninitシステム)『天九進数』などと言
うことにする。又、nの値が5以上の場合、(2n+
1)の値は11以上になるが、慣用的に用いられている
十進数を利用して、『天11進法』(elevitシス
テム:HEN11システム)『天11進数』『天13進
法』(HEN13システム)『天13進数』・・・『天
27進法』(ALBitシステム:HEN27システ
ム)『天27進数』・・・などと、言うことにする。
正の整数とするとき、(1〜n)のn個の正の整数を表
わすn個の記号と、(−1〜−n)のn個の負の整数を
表わすn個の記号と、零を表わす1個の記号の合計(2
n+1)個の記号の中から選ばれた1個の記号でもって
1桁の数を表わす1桁乃至複数桁の数の表記方法並びに
演算方法である。この(2n+1)進法を『天進法』
(HENs)と言うことにする。又、(2n+1)進法
で表記された数を『(2n+1)進数』と言うが、これ
を『天進数』と言うことにする。nは1以上の正の整数
であるから、(2n+1)は3以上の奇数である。だ
が、従来の記数法にも、三進法や五進法などがあり、紛
らわしいので、天進法の場合、いずれも『天』の一字を
冠して『天三進法』(tritシステム)『天三進数』
『天五進法』(pentitシステム)『天五進数』
『天七進法』(hepitシステム)『天七進数』『天
九進法』(ninitシステム)『天九進数』などと言
うことにする。又、nの値が5以上の場合、(2n+
1)の値は11以上になるが、慣用的に用いられている
十進数を利用して、『天11進法』(elevitシス
テム:HEN11システム)『天11進数』『天13進
法』(HEN13システム)『天13進数』・・・『天
27進法』(ALBitシステム:HEN27システ
ム)『天27進数』・・・などと、言うことにする。
【0015】天進法の事例として、nが1のときの天三
進法を事例1、nが2のときの天五進法を事例2、nが
3のときの天七進法を事例3、nが4のときの天九進法
を事例4、nが5のときの天11進法を事例5、nが1
3のときの天27進法を事例6として示す。nはこれら
の値に限られることはなく、1以上の正の整数であれば
良い。即ち、(2n+1)は3以上の正の奇数であれば
良く、組合せは、無限に考えられる。
進法を事例1、nが2のときの天五進法を事例2、nが
3のときの天七進法を事例3、nが4のときの天九進法
を事例4、nが5のときの天11進法を事例5、nが1
3のときの天27進法を事例6として示す。nはこれら
の値に限られることはなく、1以上の正の整数であれば
良い。即ち、(2n+1)は3以上の正の奇数であれば
良く、組合せは、無限に考えられる。
【0016】図1に各事例で用いる記号を、図2には、
これらを用いて十進数の(−20〜20)の整数を表わ
したときの表記例を示す。(a)は事例1の天三進法、
天三進数であり、(b)は事例2の天五進法、天五進数
であり、(c)は事例3の天七進法、天七進数であり、
(d)は事例4の天九進法、天九進数であり、(e)は
事例5の天11進法、天11進数であり、(f)は事例
6の天27進法、天27進数である。
これらを用いて十進数の(−20〜20)の整数を表わ
したときの表記例を示す。(a)は事例1の天三進法、
天三進数であり、(b)は事例2の天五進法、天五進数
であり、(c)は事例3の天七進法、天七進数であり、
(d)は事例4の天九進法、天九進数であり、(e)は
事例5の天11進法、天11進数であり、(f)は事例
6の天27進法、天27進数である。
【0017】天進法ではいずれの桁においても、−n〜
nを表わす記号が、この順番に繰返し出現するが、図2
では左の零を表わす記号の桁は省略して有効桁のみを表
示してある。天進法では、有効桁のうち最上位の桁の記
号が、正の整数を表わすn個の記号のうちの1個である
ときには、その数は正であり、負の整数を表わすn個の
記号のうちの1個であるときには負である。又、全部の
桁が零を表わす記号、又は、それらの零を表わす記号の
内のいくつかを省略したものであるとき、その数は零で
ある。図2からも分かるが、天進法はいずれも、nを表
わす記号の数に1を加えると、その桁の記号は−nを表
わす記号になり、1が桁上がりする。又、−nを表わす
記号の数から1を引くか、−1を加えるとその桁の記号
はnを表わす記号になり、−1が桁上がりする。
nを表わす記号が、この順番に繰返し出現するが、図2
では左の零を表わす記号の桁は省略して有効桁のみを表
示してある。天進法では、有効桁のうち最上位の桁の記
号が、正の整数を表わすn個の記号のうちの1個である
ときには、その数は正であり、負の整数を表わすn個の
記号のうちの1個であるときには負である。又、全部の
桁が零を表わす記号、又は、それらの零を表わす記号の
内のいくつかを省略したものであるとき、その数は零で
ある。図2からも分かるが、天進法はいずれも、nを表
わす記号の数に1を加えると、その桁の記号は−nを表
わす記号になり、1が桁上がりする。又、−nを表わす
記号の数から1を引くか、−1を加えるとその桁の記号
はnを表わす記号になり、−1が桁上がりする。
【0018】或る数の、正と負の符号を変えて得られる
数を、もとの数の反数という。十進法の表記では、5の
反数は−5であり、−7の反数は7である。天進法の表
記で反数にするには、その数の表記に使用されている全
部の桁の記号を、その記号の反数を表わす記号に置換え
る。但し、零の反数は零であるからこれは置換える必要
がない。図2に示す各事例は、零を中心に作表されてい
るので、絶対値が等しい正と負の値の表記例を見較べる
ことができる。
数を、もとの数の反数という。十進法の表記では、5の
反数は−5であり、−7の反数は7である。天進法の表
記で反数にするには、その数の表記に使用されている全
部の桁の記号を、その記号の反数を表わす記号に置換え
る。但し、零の反数は零であるからこれは置換える必要
がない。図2に示す各事例は、零を中心に作表されてい
るので、絶対値が等しい正と負の値の表記例を見較べる
ことができる。
【0019】天進法の演算では正の数と負の数を区別す
ることなく、対等に取扱うことができる。それ故、天進
法の四則演算は、すべて加算と、反数を求めることに置
換えることができる。その具体例として事例5(n=
5)の天11進法を用いて説明する。図3に、天11進
法の、いずれも1桁の2数(31)(32)とその和
(33)の関係を示す。得られた和(33)の2桁のう
ち、右側の桁(34)はその桁の数を、左側の桁(3
5)は桁上がりの数を示す。加算の筆算の方法は十進法
と似ていて、小数点の位置を合せて、右側の桁から桁ご
との和を求めて、桁上がりの処理をすれば良い。だが、
天進法の加算では1桁ずつの記号が正の値だけでなく負
の値を示す場合がある。それ故、桁ごとの和を求めたと
き、正と負で相殺することがあり、それだけ桁上がりの
頻度が少なくなる。又、減算は減数の反数を求めて、加
算を行なう。
ることなく、対等に取扱うことができる。それ故、天進
法の四則演算は、すべて加算と、反数を求めることに置
換えることができる。その具体例として事例5(n=
5)の天11進法を用いて説明する。図3に、天11進
法の、いずれも1桁の2数(31)(32)とその和
(33)の関係を示す。得られた和(33)の2桁のう
ち、右側の桁(34)はその桁の数を、左側の桁(3
5)は桁上がりの数を示す。加算の筆算の方法は十進法
と似ていて、小数点の位置を合せて、右側の桁から桁ご
との和を求めて、桁上がりの処理をすれば良い。だが、
天進法の加算では1桁ずつの記号が正の値だけでなく負
の値を示す場合がある。それ故、桁ごとの和を求めたと
き、正と負で相殺することがあり、それだけ桁上がりの
頻度が少なくなる。又、減算は減数の反数を求めて、加
算を行なう。
【0020】図4は天11進法の乗算の例として、十進
法の(−345)×119=(−41055)を筆算で
求めた場合であり、被乗数2(41)は、負の値の
ままで演算できる。乗数10(42)の整数第1桁の
は−2を表わす記号であるが、−2を掛けた部分積を
求める代わりに、−1を掛けた値を2度足すことにす
る。被乗数(41)に−1を掛けた値は、被乗数の正負
の符号を反転したものであり、被乗数の反数に外ならな
い。被乗数2(41)の反数34(43)(4
4)を求めてこれらの和を求めると、部分積が得られ
る。次に乗数(42)の整数第2桁は零を表わす記号で
あるから、部分積も零になる。このようなときには、十
進法の乗算の筆算と同様に、部分積の記述を省略する。
次に乗数(42)の整数第3桁は1であるから、部分積
(45)は被乗数(41)と同じになるので、桁位置を
合せて記述する。以上により得られた部分積の和を求め
ると、積22(46)を得る。
法の(−345)×119=(−41055)を筆算で
求めた場合であり、被乗数2(41)は、負の値の
ままで演算できる。乗数10(42)の整数第1桁の
は−2を表わす記号であるが、−2を掛けた部分積を
求める代わりに、−1を掛けた値を2度足すことにす
る。被乗数(41)に−1を掛けた値は、被乗数の正負
の符号を反転したものであり、被乗数の反数に外ならな
い。被乗数2(41)の反数34(43)(4
4)を求めてこれらの和を求めると、部分積が得られ
る。次に乗数(42)の整数第2桁は零を表わす記号で
あるから、部分積も零になる。このようなときには、十
進法の乗算の筆算と同様に、部分積の記述を省略する。
次に乗数(42)の整数第3桁は1であるから、部分積
(45)は被乗数(41)と同じになるので、桁位置を
合せて記述する。以上により得られた部分積の和を求め
ると、積22(46)を得る。
【0021】このように天進法では、乗数の1桁を取出
してそれと被乗数の積を部分積として求める代わりに、
被乗数又は被乗数の反数を、乗数の1桁の絶対値が示す
個数分、加算することによって部分積が求められる。そ
の場合、加算する被乗数又は被乗数の反数の個数は、最
大でもn個であり、天進法の基底の(2n+1)の半分
以下になる。同様の演算方法を利用すると、従来の記数
法である十進法では、最大9個になることを考えれば、
天進法の演算がいかに容易であるかが分かる。このこと
は、後述の算盤を使用するとき、掛け算の九九を覚えな
くても、単に加算のみを行なえば演算できることを意味
する。
してそれと被乗数の積を部分積として求める代わりに、
被乗数又は被乗数の反数を、乗数の1桁の絶対値が示す
個数分、加算することによって部分積が求められる。そ
の場合、加算する被乗数又は被乗数の反数の個数は、最
大でもn個であり、天進法の基底の(2n+1)の半分
以下になる。同様の演算方法を利用すると、従来の記数
法である十進法では、最大9個になることを考えれば、
天進法の演算がいかに容易であるかが分かる。このこと
は、後述の算盤を使用するとき、掛け算の九九を覚えな
くても、単に加算のみを行なえば演算できることを意味
する。
【0022】次に天11進法の除算の筆算の例を図5に
示す。図4で求めた積(46)と同じ値を被除数(5
1)とし、被乗数(41)と同じ値を除数(52)とし
て演算した例を示す。従来の記数法である十進法の除算
は、商の1桁である部分商と除数の積である部分積を部
分被除数から引いた剰余が負にならない最大のものを部
分商として求めることである。天進法の除算では、商
(53)の1桁である部分商(54)(55)も、除数
(52)や被除数(51)と同様に、正の場合も負の場
合もある。当然ながら、部分商(54)(55)と除数
(52)の積である部分積を、部分被除数から引いた差
も、正の場合も負の場合もある。それ故、除算の方法
は、十進法の場合と異なる。天進法では、商の1桁であ
る部分商は、商の真の値から、その桁以下の部分を丸め
たとき得られる値であるから、天進法の除算は、商の真
の値に最も近い1桁ずつの値を、部分商として逐次求め
ることである、と言うことができる。それ故、各桁共に
その桁の記号が持つ(2n+1)の羃乗の値の1/2が
境界になるので、これを求め易くするために、最初に被
除数(51)の2倍を求めて、即ち、被除数(51)に
それと同じ値を加えて、これを最初の部分被除数(5
6)とする。
示す。図4で求めた積(46)と同じ値を被除数(5
1)とし、被乗数(41)と同じ値を除数(52)とし
て演算した例を示す。従来の記数法である十進法の除算
は、商の1桁である部分商と除数の積である部分積を部
分被除数から引いた剰余が負にならない最大のものを部
分商として求めることである。天進法の除算では、商
(53)の1桁である部分商(54)(55)も、除数
(52)や被除数(51)と同様に、正の場合も負の場
合もある。当然ながら、部分商(54)(55)と除数
(52)の積である部分積を、部分被除数から引いた差
も、正の場合も負の場合もある。それ故、除算の方法
は、十進法の場合と異なる。天進法では、商の1桁であ
る部分商は、商の真の値から、その桁以下の部分を丸め
たとき得られる値であるから、天進法の除算は、商の真
の値に最も近い1桁ずつの値を、部分商として逐次求め
ることである、と言うことができる。それ故、各桁共に
その桁の記号が持つ(2n+1)の羃乗の値の1/2が
境界になるので、これを求め易くするために、最初に被
除数(51)の2倍を求めて、即ち、被除数(51)に
それと同じ値を加えて、これを最初の部分被除数(5
6)とする。
【0023】除数(52)と部分被除数(56)の正負
の符号が、同じときには部分商(54)は正に、異なる
ときには部分商(55)は負になる。部分商(54)が
正のときには除数の反数(57)を、部分商(55)が
負のときには除数と同じ値(58)を、部分被除数(5
6)に加算して、部分和(59)を求める。この部分和
(59)の正負の符号は部分被除数(56)と同じでな
ければならない。もしこの部分和(59)の符号が部分
被除数(56)と異なるとき、又は零になったときに
は、部分商(54)(55)の桁位置が不適当であるこ
とを示しており、部分商(54)(55)はもっと下位
の桁に修正されなければならない。この部分和(59)
に先程と同じ除数の反数(57)、又は除数と同じ値
(58)を、加算すると、次の部分被除数(56)が得
られる。この部分被除数(50)が零になったとき、除
算は割り切れたことを意味する。商(53)の1桁であ
る部分商(55)の絶対値が2以上になる場合、乗算で
行なったと同様に、部分積を求める代わりに、同じ桁位
置で繰返して加算を行なう方が、演算が簡単になる。
の符号が、同じときには部分商(54)は正に、異なる
ときには部分商(55)は負になる。部分商(54)が
正のときには除数の反数(57)を、部分商(55)が
負のときには除数と同じ値(58)を、部分被除数(5
6)に加算して、部分和(59)を求める。この部分和
(59)の正負の符号は部分被除数(56)と同じでな
ければならない。もしこの部分和(59)の符号が部分
被除数(56)と異なるとき、又は零になったときに
は、部分商(54)(55)の桁位置が不適当であるこ
とを示しており、部分商(54)(55)はもっと下位
の桁に修正されなければならない。この部分和(59)
に先程と同じ除数の反数(57)、又は除数と同じ値
(58)を、加算すると、次の部分被除数(56)が得
られる。この部分被除数(50)が零になったとき、除
算は割り切れたことを意味する。商(53)の1桁であ
る部分商(55)の絶対値が2以上になる場合、乗算で
行なったと同様に、部分積を求める代わりに、同じ桁位
置で繰返して加算を行なう方が、演算が簡単になる。
【0024】次に添付図面に基き、この発明の実施例を
詳細に説明する。
詳細に説明する。
【0025】図6乃至図9は、この発明の第一の実施例
を示す算盤であり、図10及び図11は、この発明の第
一の実施例の算盤を用いて、先に図4及び図5で示した
天11進法の演算をこの算盤上で行なったときの珠の移
動後の状態を途中経過と共に示した図である。図12乃
至図14は、この発明の第二の実施例を示す算盤であ
る。図15及び図16は、この発明の第三の実施例を示
す算盤である。
を示す算盤であり、図10及び図11は、この発明の第
一の実施例の算盤を用いて、先に図4及び図5で示した
天11進法の演算をこの算盤上で行なったときの珠の移
動後の状態を途中経過と共に示した図である。図12乃
至図14は、この発明の第二の実施例を示す算盤であ
る。図15及び図16は、この発明の第三の実施例を示
す算盤である。
【0026】図6に示す第一の実施例の算盤(1)は、
枠(2)の中にそれぞれ同数の珠(3)を貫いた棒
(4)が、複数本平行に固定されている。これらの棒
(4)と直交する方向に、1本の隔壁(5)と複数本の
堰(7)がいずれも着脱可能に取りつけられている。
尚、隔壁(5)と堰(7)は、裏蓋(8)に取りつけら
れており、この裏蓋(8)を開けて、隔壁(5)と堰
(7)の位置や本数を変更して、再び裏蓋(8)を閉じ
れば、例えば図6及び図7から図8及び図9への如く、
変更が可能である。隔壁(5)は、図7に示すごとく装
着状態では、珠(3)の移動を阻止する一方、着脱が容
易なように、棒(4)が貫通する部分には切込み(6)
が設けられている。堰(7)の先端は可撓性であり、図
7に示すごとく、棒(4)に沿って珠(3)を移動させ
るときに、堰(7)の先端と珠(3)の外周部が触れ
て、わずかながら抵抗感を感じながら珠(3)を移動さ
せて、堰(7)を乗越えさせることができるようになっ
ている。
枠(2)の中にそれぞれ同数の珠(3)を貫いた棒
(4)が、複数本平行に固定されている。これらの棒
(4)と直交する方向に、1本の隔壁(5)と複数本の
堰(7)がいずれも着脱可能に取りつけられている。
尚、隔壁(5)と堰(7)は、裏蓋(8)に取りつけら
れており、この裏蓋(8)を開けて、隔壁(5)と堰
(7)の位置や本数を変更して、再び裏蓋(8)を閉じ
れば、例えば図6及び図7から図8及び図9への如く、
変更が可能である。隔壁(5)は、図7に示すごとく装
着状態では、珠(3)の移動を阻止する一方、着脱が容
易なように、棒(4)が貫通する部分には切込み(6)
が設けられている。堰(7)の先端は可撓性であり、図
7に示すごとく、棒(4)に沿って珠(3)を移動させ
るときに、堰(7)の先端と珠(3)の外周部が触れ
て、わずかながら抵抗感を感じながら珠(3)を移動さ
せて、堰(7)を乗越えさせることができるようになっ
ている。
【0027】演算領域(15)は正領域(11)及び零
領域(12)、負領域(13)からなり、この演算領域
(15)に有る珠(3)が、演算に用いられる。隔壁
(5)は、演算領域(15)と格納領域(14)を隔て
る位置に配置されている。又、堰(7)は、正領域(1
1)と零領域(12)を隔てる位置及び零領域(12)
と負領域(13)を隔てる位置に配置されている。図6
に示すように隔壁(5)と2本の堰(7)を配置すると
正領域(11)と零領域(12)と負領域(13)は、
いずれも珠(3)を5個ずつを収容できる大きさになっ
ているので、n=5の天11進法の演算に用いることが
できる。この隔壁(5)と堰(7)の配置を変えて、そ
れぞれの領域の大きさを変えるとともに、演算領域(1
5)にある珠(3)の個数も変えて、珠(3)の個数を
1個にすると、n=1の天三進法の演算に、又、演算領
域(15)にある珠(3)の個数を8個にすると、n=
8の天17進法の演算に用いることができる。
領域(12)、負領域(13)からなり、この演算領域
(15)に有る珠(3)が、演算に用いられる。隔壁
(5)は、演算領域(15)と格納領域(14)を隔て
る位置に配置されている。又、堰(7)は、正領域(1
1)と零領域(12)を隔てる位置及び零領域(12)
と負領域(13)を隔てる位置に配置されている。図6
に示すように隔壁(5)と2本の堰(7)を配置すると
正領域(11)と零領域(12)と負領域(13)は、
いずれも珠(3)を5個ずつを収容できる大きさになっ
ているので、n=5の天11進法の演算に用いることが
できる。この隔壁(5)と堰(7)の配置を変えて、そ
れぞれの領域の大きさを変えるとともに、演算領域(1
5)にある珠(3)の個数も変えて、珠(3)の個数を
1個にすると、n=1の天三進法の演算に、又、演算領
域(15)にある珠(3)の個数を8個にすると、n=
8の天17進法の演算に用いることができる。
【0028】図8及び図9に示す算盤(1)は堰(7)
の本数を4本にして、正領域(11)と負領域(13)
をそれぞれ2個の領域に分割してある。即ち、正領域
(11)は正1領域(16)と正2領域(17)に、負
領域(13)は負1領域(18)と負2領域(19)に
分割されている。そして正2領域(17)と負2領域
(19)にはいずれも珠(3)を2個ずつ収容できるよ
うに、又、正1領域(16)及び零領域(12)、負1
領域(18)には、いずれも珠(3)を1個ずつ収容で
きるように堰(7)及び隔壁(5)が配置されている。
このように正領域(11)及び負領域(13)の少なく
ともいずれか一方を堰(7)でもって複数の領域に分割
したとき、零領域(12)から堰(7)を1つ乗越えた
領域は掛ける1を、零領域(12)から堰(7)を2つ
乗越えた領域は掛ける2の如く、堰(7)を乗越えるた
びに掛けるべき重みづけが変更されるのを表わすことに
する。
の本数を4本にして、正領域(11)と負領域(13)
をそれぞれ2個の領域に分割してある。即ち、正領域
(11)は正1領域(16)と正2領域(17)に、負
領域(13)は負1領域(18)と負2領域(19)に
分割されている。そして正2領域(17)と負2領域
(19)にはいずれも珠(3)を2個ずつ収容できるよ
うに、又、正1領域(16)及び零領域(12)、負1
領域(18)には、いずれも珠(3)を1個ずつ収容で
きるように堰(7)及び隔壁(5)が配置されている。
このように正領域(11)及び負領域(13)の少なく
ともいずれか一方を堰(7)でもって複数の領域に分割
したとき、零領域(12)から堰(7)を1つ乗越えた
領域は掛ける1を、零領域(12)から堰(7)を2つ
乗越えた領域は掛ける2の如く、堰(7)を乗越えるた
びに掛けるべき重みづけが変更されるのを表わすことに
する。
【0029】図6及び図8に示すように、珠(3)を貫
いた棒(4)の1本ずつが1桁を表わし、枠(2)と隔
壁(5)には、桁位置を見易くするために、一定の間隔
で定位点(9)が付けられていて、小数点位置や桁数を
示すコンマの位置に対応される。図6及び図8に示す珠
(3)の配置はいずれも左から1桁目(21)(21
a)は数5を表わし、次の桁(22)(22a)は数4
の如く、1ずつ小さい値を表わし、6桁目(24)(2
4a)は数0を、11桁目(25)(25a)は数−
5、即ち天11進法のを表わす。又11桁目(25)
(25a)よりも右の桁はいずれも零を表わす。即ち、
図8の左端の桁(21a)は、正2領域(17)に2個
の珠(3)が有り、この2個に掛ける2の重みづけをし
て、2個×2=4個を表わし、正1領域(16)に有る
1個の珠との合計でもって数5を表わす。又、左から3
桁目(23a)は、正2領域(17)と正1領域(1
6)、零領域(12)に1個ずつの珠(3)が置かれて
いるので、1個×2+1個×1+1個×0=3個を表わ
す。更に、負1領域(18)に置かれている珠(3)は
1個でもって数−1を、負2領域(19)に置かれてい
る珠(3)は1個でもって数−2を表わす。だから右端
の桁(26a)の場合には、1個×2+1個×0+1個
×(−2)=0の如く、正領域(11)と負領域(1
3)の珠(3)に重みづけした個数から同じ珠の個数を
相殺する。これは図6に示すごとく、重みづけをしない
場合でも同様であり、図6の右端の桁(26)では、2
個×1+1個×0+2個×(−1)=0でもって零を表
わす。
いた棒(4)の1本ずつが1桁を表わし、枠(2)と隔
壁(5)には、桁位置を見易くするために、一定の間隔
で定位点(9)が付けられていて、小数点位置や桁数を
示すコンマの位置に対応される。図6及び図8に示す珠
(3)の配置はいずれも左から1桁目(21)(21
a)は数5を表わし、次の桁(22)(22a)は数4
の如く、1ずつ小さい値を表わし、6桁目(24)(2
4a)は数0を、11桁目(25)(25a)は数−
5、即ち天11進法のを表わす。又11桁目(25)
(25a)よりも右の桁はいずれも零を表わす。即ち、
図8の左端の桁(21a)は、正2領域(17)に2個
の珠(3)が有り、この2個に掛ける2の重みづけをし
て、2個×2=4個を表わし、正1領域(16)に有る
1個の珠との合計でもって数5を表わす。又、左から3
桁目(23a)は、正2領域(17)と正1領域(1
6)、零領域(12)に1個ずつの珠(3)が置かれて
いるので、1個×2+1個×1+1個×0=3個を表わ
す。更に、負1領域(18)に置かれている珠(3)は
1個でもって数−1を、負2領域(19)に置かれてい
る珠(3)は1個でもって数−2を表わす。だから右端
の桁(26a)の場合には、1個×2+1個×0+1個
×(−2)=0の如く、正領域(11)と負領域(1
3)の珠(3)に重みづけした個数から同じ珠の個数を
相殺する。これは図6に示すごとく、重みづけをしない
場合でも同様であり、図6の右端の桁(26)では、2
個×1+1個×0+2個×(−1)=0でもって零を表
わす。
【0030】このように、堰(7)及び正領域(1
1)、零領域(12)、負領域(13)を配置すると、
珠(3)が、下から上に向かって移動して堰を1つ乗越
えると、+1したことを表わし、上から下に向かって移
動して堰(7)を1つ乗越えると−1したことを表わ
す。尚、珠(3)を移動しても堰(7)を乗越えなけれ
ば、値は変化しないので、図6に示すごとく正領域(1
1)及び負領域(13)が大きいときにも、これらの領
域の中の珠(3)の個数を数え、同じ珠の個数を相殺し
た残りの珠(3)の個数がその桁の数を表わす。又、図
2に示すごとくnを表わす記号に、1を加えるとその桁
は−nを表わす記号に代わり、+1が桁上がりするのと
同様に、この算盤(1)においても、nを表わす珠
(3)の状態に1を加える場合、その桁を−nを表わす
状態に変えて、+1を桁上がりすれば良い。これと反対
に、−nを表わす珠(3)の状態に−1を加える場合、
その桁はnを表わす珠(3)の状態に変えて、−1を桁
上がりすれば良い。
1)、零領域(12)、負領域(13)を配置すると、
珠(3)が、下から上に向かって移動して堰を1つ乗越
えると、+1したことを表わし、上から下に向かって移
動して堰(7)を1つ乗越えると−1したことを表わ
す。尚、珠(3)を移動しても堰(7)を乗越えなけれ
ば、値は変化しないので、図6に示すごとく正領域(1
1)及び負領域(13)が大きいときにも、これらの領
域の中の珠(3)の個数を数え、同じ珠の個数を相殺し
た残りの珠(3)の個数がその桁の数を表わす。又、図
2に示すごとくnを表わす記号に、1を加えるとその桁
は−nを表わす記号に代わり、+1が桁上がりするのと
同様に、この算盤(1)においても、nを表わす珠
(3)の状態に1を加える場合、その桁を−nを表わす
状態に変えて、+1を桁上がりすれば良い。これと反対
に、−nを表わす珠(3)の状態に−1を加える場合、
その桁はnを表わす珠(3)の状態に変えて、−1を桁
上がりすれば良い。
【0031】この算盤(1)では、隔壁(5)と堰
(7)が着脱可能に取りつけられているので、これらの
配置と演算領域(15)に置かれている珠(3)の個数
でもって種々のnの値に対応することができる。又、図
8の正2領域(17)や負2領域(19)の如く、nと
−nを表わす珠の状態を作り出したとき、それ以上の珠
(3)を収容できないようにすれば、nに1を加えたと
きや、−nに−1を加えたときにも演算間違いを防止で
きる。又、この算盤(1)を用いて演算するとき、御破
算にするには、全部の桁を零を表わす状態にすることで
あるのは言うまでもない。
(7)が着脱可能に取りつけられているので、これらの
配置と演算領域(15)に置かれている珠(3)の個数
でもって種々のnの値に対応することができる。又、図
8の正2領域(17)や負2領域(19)の如く、nと
−nを表わす珠の状態を作り出したとき、それ以上の珠
(3)を収容できないようにすれば、nに1を加えたと
きや、−nに−1を加えたときにも演算間違いを防止で
きる。又、この算盤(1)を用いて演算するとき、御破
算にするには、全部の桁を零を表わす状態にすることで
あるのは言うまでもない。
【0032】次に図6で示した算盤(1)でもって、図
4及び図5で示した筆算に相当する演算を行なったとき
の珠(3)の移動後の状態を途中経過と共に図10及び
図11に示す。図10は図4の乗算に対応しており、
(a)は御破算の状態を、(b)は被乗数(41)の反
数(43)を置いた状態、(c)は反数(43)と反数
(44)を加算した状態、即ち被乗数(41)に乗数
(42)の整数第1桁のを掛けた部分積の状態を表わ
し、(d)は積(46)が求められた状態を表わす。図
10の(a)(b)(c)(d)はいずれも右端の定位
点(9)を小数点位置に対応させており、この定位点
(9)の左隣の桁(61)が整数第1桁を、更に左隣の
桁(62)が整数第2桁に用いられる。(a)から
(b)を経て(c)にするとき、被乗数2(41)
に乗数10(42)の整数第1桁のを掛けた部分積
を求める代わりに、被乗数2(41)にを掛けた
値即ち被乗数2(41)の反数34(43)(4
4)を2回加えるのは、前述の通りである。つまり、被
乗数2(41)の整数第3桁のの反数3を算盤
(1)の整数第3桁(63)に置くには、その桁の珠
(3)3個に堰(7)を下から上へ向かって乗越えさせ
るように移動する。次に被乗数2(41)の整数第
2桁の2の反数を算盤の整数第2桁(62)に置くに
は、その桁の珠(3)2個に堰(7)を上から下へ向か
って乗越えさせる。同様に被乗数2(41)の整数
第1桁のの反数4を算盤の整数第1桁(61)に置く
には、その桁の珠(3)4個に堰(7)を下から上へ向
かって乗越えさせると(b)の状態になる。これに被乗
数2(41)の反数34(44)を加えるとき、
上位の桁即ち左側の桁からやってもよいし、又は、下位
の桁即ち右側の桁からやっても結果は同じであるが、こ
こでは上位の桁から加えた場合で説明する。算盤の整数
第3桁(63)に被乗数2(41)の反数34
(44)の整数第3桁の3を加えるには、(b)で分か
るように、その桁の珠(3)2個に堰(7)を下から上
へ向かって乗越えさせたところで、その桁の珠(3)の
5個全部が正領域(11)に入り、これ以上、上方向に
は上げられないので、更に1を加えるには、その桁の珠
(3)の全部を負領域(13)へ移して1を桁上がりす
る。その結果、(c)に示すごとく整数第3桁(63)
は−5を表わす状態になり記号に対応する。又、1が
桁上がりするので、整数第4桁(64)に1が置かれ
る。次に整数第2桁(62)は、その桁の珠(3)2個
に堰(7)を上から下へ向かって乗越えさせるので、負
領域(13)に珠(3)4個が置かれたの状態にな
る。更に整数第1桁(61)は、その桁の珠(3)1個
を零領域(12)から正領域(11)へ移動させたとこ
ろで、その桁の全部の珠(3)が正領域(11)に入る
ので、整数第1桁(61)の珠(3)を全部負領域(1
3)へ移すとともに整数第2桁(62)へ1を桁上がり
する。つまり整数第2桁(62)は、負領域(13)の
珠(3)4個のうちの1個を零領域(12)へ移して
の状態になる。一方、整数第1桁(61)は4を加算す
べきところ、これまでに2を加えた状態なので、更に2
を加えるには、その桁の珠(3)2個を負領域(13)
から零領域(12)へ移動させる。これによって(c)
に示す状態になり、天11進数1を表わす。ここ
では、解り易く説明するために、2を加えるとき珠
(3)2個を負領域(13)から零領域(12)へ移す
ように述べたが、2を加えるとき、珠(3)1個を負領
域(13)から零領域(12)を通り越して正領域(1
1)まで移動させてもよい。即ち、この場合、珠(3)
1個が、堰(7)を2回下から上へ向かって乗越えるの
で、2を加えたことになる。又、説明の過程で、1度n
を表わす珠の状態を作り出してから、それに1を加える
とき、−nを表わす珠の状態にして、1を桁上がりする
ように述べたが、慣れるに従ってこれらの状態を経るこ
となく、一挙に珠(3)を移動させても良いのは言うま
でもない。
4及び図5で示した筆算に相当する演算を行なったとき
の珠(3)の移動後の状態を途中経過と共に図10及び
図11に示す。図10は図4の乗算に対応しており、
(a)は御破算の状態を、(b)は被乗数(41)の反
数(43)を置いた状態、(c)は反数(43)と反数
(44)を加算した状態、即ち被乗数(41)に乗数
(42)の整数第1桁のを掛けた部分積の状態を表わ
し、(d)は積(46)が求められた状態を表わす。図
10の(a)(b)(c)(d)はいずれも右端の定位
点(9)を小数点位置に対応させており、この定位点
(9)の左隣の桁(61)が整数第1桁を、更に左隣の
桁(62)が整数第2桁に用いられる。(a)から
(b)を経て(c)にするとき、被乗数2(41)
に乗数10(42)の整数第1桁のを掛けた部分積
を求める代わりに、被乗数2(41)にを掛けた
値即ち被乗数2(41)の反数34(43)(4
4)を2回加えるのは、前述の通りである。つまり、被
乗数2(41)の整数第3桁のの反数3を算盤
(1)の整数第3桁(63)に置くには、その桁の珠
(3)3個に堰(7)を下から上へ向かって乗越えさせ
るように移動する。次に被乗数2(41)の整数第
2桁の2の反数を算盤の整数第2桁(62)に置くに
は、その桁の珠(3)2個に堰(7)を上から下へ向か
って乗越えさせる。同様に被乗数2(41)の整数
第1桁のの反数4を算盤の整数第1桁(61)に置く
には、その桁の珠(3)4個に堰(7)を下から上へ向
かって乗越えさせると(b)の状態になる。これに被乗
数2(41)の反数34(44)を加えるとき、
上位の桁即ち左側の桁からやってもよいし、又は、下位
の桁即ち右側の桁からやっても結果は同じであるが、こ
こでは上位の桁から加えた場合で説明する。算盤の整数
第3桁(63)に被乗数2(41)の反数34
(44)の整数第3桁の3を加えるには、(b)で分か
るように、その桁の珠(3)2個に堰(7)を下から上
へ向かって乗越えさせたところで、その桁の珠(3)の
5個全部が正領域(11)に入り、これ以上、上方向に
は上げられないので、更に1を加えるには、その桁の珠
(3)の全部を負領域(13)へ移して1を桁上がりす
る。その結果、(c)に示すごとく整数第3桁(63)
は−5を表わす状態になり記号に対応する。又、1が
桁上がりするので、整数第4桁(64)に1が置かれ
る。次に整数第2桁(62)は、その桁の珠(3)2個
に堰(7)を上から下へ向かって乗越えさせるので、負
領域(13)に珠(3)4個が置かれたの状態にな
る。更に整数第1桁(61)は、その桁の珠(3)1個
を零領域(12)から正領域(11)へ移動させたとこ
ろで、その桁の全部の珠(3)が正領域(11)に入る
ので、整数第1桁(61)の珠(3)を全部負領域(1
3)へ移すとともに整数第2桁(62)へ1を桁上がり
する。つまり整数第2桁(62)は、負領域(13)の
珠(3)4個のうちの1個を零領域(12)へ移して
の状態になる。一方、整数第1桁(61)は4を加算す
べきところ、これまでに2を加えた状態なので、更に2
を加えるには、その桁の珠(3)2個を負領域(13)
から零領域(12)へ移動させる。これによって(c)
に示す状態になり、天11進数1を表わす。ここ
では、解り易く説明するために、2を加えるとき珠
(3)2個を負領域(13)から零領域(12)へ移す
ように述べたが、2を加えるとき、珠(3)1個を負領
域(13)から零領域(12)を通り越して正領域(1
1)まで移動させてもよい。即ち、この場合、珠(3)
1個が、堰(7)を2回下から上へ向かって乗越えるの
で、2を加えたことになる。又、説明の過程で、1度n
を表わす珠の状態を作り出してから、それに1を加える
とき、−nを表わす珠の状態にして、1を桁上がりする
ように述べたが、慣れるに従ってこれらの状態を経るこ
となく、一挙に珠(3)を移動させても良いのは言うま
でもない。
【0033】次に、被乗数2(41)に乗数10
(42)の整数第3桁の1を掛けた部分積(45)即ち
被乗数2(41)と同じ数2を加えると、算盤
の整数第5桁(65)は、負領域(13)に珠(3)が
3個置かれたの状態に、整数第4桁(64)は、正領
域(11)に珠(3)が3個置かれた3の状態に一時的
になるが、整数第3桁(63)にを加えるとき−1が
桁上がりしてくるので、整数第4桁は正領域(11)に
珠(3)2個が置かれた数2の状態になる。又、整数第
3桁(63)は、の状態にを加えるので、正領域
(11)に珠(3)が2個置かれた2の状態になり、−
1が桁上がりするのは前に述べた通りである。その結
果、(d)の状態が作り出されて、図4に示す筆算の積
(46)の天11進数22を示す珠(3)の状態
になる。
(42)の整数第3桁の1を掛けた部分積(45)即ち
被乗数2(41)と同じ数2を加えると、算盤
の整数第5桁(65)は、負領域(13)に珠(3)が
3個置かれたの状態に、整数第4桁(64)は、正領
域(11)に珠(3)が3個置かれた3の状態に一時的
になるが、整数第3桁(63)にを加えるとき−1が
桁上がりしてくるので、整数第4桁は正領域(11)に
珠(3)2個が置かれた数2の状態になる。又、整数第
3桁(63)は、の状態にを加えるので、正領域
(11)に珠(3)が2個置かれた2の状態になり、−
1が桁上がりするのは前に述べた通りである。その結
果、(d)の状態が作り出されて、図4に示す筆算の積
(46)の天11進数22を示す珠(3)の状態
になる。
【0034】次に、図5に示す筆算の除算を、この算盤
(1)を用いて演算する様子を図11の(a)乃至
(h)に示すが、珠(3)の移動とそれの意味する演算
の対応は、前述と同様であるので、詳細は省略する。
(a)乃至(h)はいずれも右端の定位点(9)が小数
点に対応し、そのすぐ左隣の桁が整数第1桁(61)
に、更にその左隣の桁が整数第2桁(62)に、更に、
順に左の桁が、整数第3桁(63)、整数第4桁(6
4)、整数第5桁(65)と、整数第6桁(66)まで
がこの演算に使われる。尚、図11の(a)乃至(h)
はいずれも被除数(51)及び部分被除数(56)の演
算の様子を示しており、除数(52)及び商(53)は
従来の算盤と同様に、図示されていない他の桁に置かれ
る。だが、この第一の実施例の算盤では、格納領域(1
4)にも珠(3)が有るので、部分商(54)(55)
を求めるとき、1又はの何倍になるかの回数のカウン
ト及び桁位置の覚えに、これら格納領域(14)の珠
(3)を利用してもよい。
(1)を用いて演算する様子を図11の(a)乃至
(h)に示すが、珠(3)の移動とそれの意味する演算
の対応は、前述と同様であるので、詳細は省略する。
(a)乃至(h)はいずれも右端の定位点(9)が小数
点に対応し、そのすぐ左隣の桁が整数第1桁(61)
に、更にその左隣の桁が整数第2桁(62)に、更に、
順に左の桁が、整数第3桁(63)、整数第4桁(6
4)、整数第5桁(65)と、整数第6桁(66)まで
がこの演算に使われる。尚、図11の(a)乃至(h)
はいずれも被除数(51)及び部分被除数(56)の演
算の様子を示しており、除数(52)及び商(53)は
従来の算盤と同様に、図示されていない他の桁に置かれ
る。だが、この第一の実施例の算盤では、格納領域(1
4)にも珠(3)が有るので、部分商(54)(55)
を求めるとき、1又はの何倍になるかの回数のカウン
ト及び桁位置の覚えに、これら格納領域(14)の珠
(3)を利用してもよい。
【0035】図11の(a)は、被除数(51)を置い
た状態、(b)は被除数(51)の2倍の天11進数
54345を求めた状態、(c)は(b)に除数(5
2)の反数34(57)を一度加算した部分和(5
9)の数03の状態であるが、筆算のときには、記
入を省略した末尾2桁の数45も、算盤(1)では、桁
(62)(61)に表われている。(d)は(c)に除
数(52)の反数34(57)を更にもう一度加算し
て、次の部分被除数(56)の数01045を求めた状
態、(e)は(d)に除数(52)と同じ数(58)
2を一度加算した部分和(59)の数11の状
態、(f)は除数(52)と同じ数2(58)を更
にもう一度加算して、次の部分被除数(56)の天11
進数1を求めた状態、(g)は(e)と同じ桁に
除数(52)と同じ数2(58)を加えた状態であ
って、(e)及び(f)が、部分商(55)の一回目に
相当してが得られ、更に(g)が部分商(55)の二
回目に相当して、これでもって部分商(55)のが得
られる。(h)は(g)に除数(52)と同じ数2
(58)を、更にもう一度加算した結果、全部の桁が零
になった状態を示す。
た状態、(b)は被除数(51)の2倍の天11進数
54345を求めた状態、(c)は(b)に除数(5
2)の反数34(57)を一度加算した部分和(5
9)の数03の状態であるが、筆算のときには、記
入を省略した末尾2桁の数45も、算盤(1)では、桁
(62)(61)に表われている。(d)は(c)に除
数(52)の反数34(57)を更にもう一度加算し
て、次の部分被除数(56)の数01045を求めた状
態、(e)は(d)に除数(52)と同じ数(58)
2を一度加算した部分和(59)の数11の状
態、(f)は除数(52)と同じ数2(58)を更
にもう一度加算して、次の部分被除数(56)の天11
進数1を求めた状態、(g)は(e)と同じ桁に
除数(52)と同じ数2(58)を加えた状態であ
って、(e)及び(f)が、部分商(55)の一回目に
相当してが得られ、更に(g)が部分商(55)の二
回目に相当して、これでもって部分商(55)のが得
られる。(h)は(g)に除数(52)と同じ数2
(58)を、更にもう一度加算した結果、全部の桁が零
になった状態を示す。
【0036】図12乃至図14は、この発明の第二の実
施例の算盤であり、図12は算盤の平面図、図13は図
12のXIII−XIII線に沿う拡大断面図、図14は図12
のXIV−XIV線に沿う拡大断面図である。この第二の実施
例の算盤(71)は、枠(72)と蓋板(73)が接着
されていて、蓋板(73)には、平行なスリット(7
4)が複数本、蓋板(73)の表裏を貫通するように刻
まれている。それぞれのスリット(74)に沿って、正
領域(11)及び零領域(12)、負領域(13)とな
る溝(75)が形成されており、正領域(11)と零領
域(12)の間及び零領域(12)と負領域(13)の
間には、スリット(74)は連続しているが、溝(7
5)が不連続になっていて土手(76)が形成されてい
る。前記スリット(74)には、天進法の演算に用いら
れる、それぞれn個の球形の珠(77)が、蓋板(7
3)の上面に置かれていて、蓋板(73)の下面から、
抜け止め(78)がこの珠(77)にネジ込まれている
ので、珠(77)は、スリット(74)に沿って移動で
きるようになっている。この算盤(71)を、蓋板(7
3)がほぼ水平になるように置いて、珠(77)をスリ
ット(74)に沿って、正領域(11)、零領域(1
2)、負領域(13)の間に設けられた土手(76)を
乗越えて移動させることによって、天進法の演算を行な
うのは、第一の実施例で説明した堰(7)を乗越えて移
動させることに似ている。
施例の算盤であり、図12は算盤の平面図、図13は図
12のXIII−XIII線に沿う拡大断面図、図14は図12
のXIV−XIV線に沿う拡大断面図である。この第二の実施
例の算盤(71)は、枠(72)と蓋板(73)が接着
されていて、蓋板(73)には、平行なスリット(7
4)が複数本、蓋板(73)の表裏を貫通するように刻
まれている。それぞれのスリット(74)に沿って、正
領域(11)及び零領域(12)、負領域(13)とな
る溝(75)が形成されており、正領域(11)と零領
域(12)の間及び零領域(12)と負領域(13)の
間には、スリット(74)は連続しているが、溝(7
5)が不連続になっていて土手(76)が形成されてい
る。前記スリット(74)には、天進法の演算に用いら
れる、それぞれn個の球形の珠(77)が、蓋板(7
3)の上面に置かれていて、蓋板(73)の下面から、
抜け止め(78)がこの珠(77)にネジ込まれている
ので、珠(77)は、スリット(74)に沿って移動で
きるようになっている。この算盤(71)を、蓋板(7
3)がほぼ水平になるように置いて、珠(77)をスリ
ット(74)に沿って、正領域(11)、零領域(1
2)、負領域(13)の間に設けられた土手(76)を
乗越えて移動させることによって、天進法の演算を行な
うのは、第一の実施例で説明した堰(7)を乗越えて移
動させることに似ている。
【0037】図12に示す算盤(71)は、正領域(1
1)及び負領域(13)は珠(77)を4個ずつ収容で
きる大きさであり、零領域(12)は珠(77)1個を
収容できる大きさになっており、それぞれのスリット
(74)に置かれている珠(77)の個数を着脱するこ
とによって、n=1の天三進法から、n=4の天九進法
の演算に利用できる。各スリット(74)は、それぞれ
1桁を表わし、図12に示す珠(77)の配置の場合、
左から1桁目(81)は、数4を、2桁目(82)は数
3の如く、1ずつ小さい値を表わし、左から5番目の桁
(83)は数0を表わし、次の桁(84)は数−1を表
わす。このようにして、左から9番目の桁(85)は数
−4を表わし、前記9番目の桁(85)よりも右の桁は
いずれも数0を表わす、珠(77)の配置を示す。又、
スリット(74)とスリット(74)の間の土手(7
6)に相当する位置には、一定の桁数の間隔に対応し
て、定位点(79)が付けられている。
1)及び負領域(13)は珠(77)を4個ずつ収容で
きる大きさであり、零領域(12)は珠(77)1個を
収容できる大きさになっており、それぞれのスリット
(74)に置かれている珠(77)の個数を着脱するこ
とによって、n=1の天三進法から、n=4の天九進法
の演算に利用できる。各スリット(74)は、それぞれ
1桁を表わし、図12に示す珠(77)の配置の場合、
左から1桁目(81)は、数4を、2桁目(82)は数
3の如く、1ずつ小さい値を表わし、左から5番目の桁
(83)は数0を表わし、次の桁(84)は数−1を表
わす。このようにして、左から9番目の桁(85)は数
−4を表わし、前記9番目の桁(85)よりも右の桁は
いずれも数0を表わす、珠(77)の配置を示す。又、
スリット(74)とスリット(74)の間の土手(7
6)に相当する位置には、一定の桁数の間隔に対応し
て、定位点(79)が付けられている。
【0038】この第二の実施例の算盤(71)では、正
領域(11)及び零領域(12)、負領域(13)を形
成する溝(75)が土手(76)の部分でつながってい
ないが、これを溝(75)を正領域(11)及び零領域
(12)、負領域(13)全体に亙って連続に形成し
て、土手(76)の部分は溝(75)をやや浅くして、
又は、溝(75)の幅を狭くするなどして、珠(77)
を移動して、土手(76)を通過するときに抵抗感を変
えるだけでも良いのは言うまでもない。又、この第二の
実施例の算盤(71)では、正領域(11)及び負領域
(13)の溝(75)の幅及び深さは一定であるが、こ
の途中にも前記と同様の土手(76)を設けて、正領域
(11)及び負領域(13)の少なくとも一方を複数の
領域に分割しておいて、それぞれの領域に置かれた珠
(77)に重みづけをしてもよい。
領域(11)及び零領域(12)、負領域(13)を形
成する溝(75)が土手(76)の部分でつながってい
ないが、これを溝(75)を正領域(11)及び零領域
(12)、負領域(13)全体に亙って連続に形成し
て、土手(76)の部分は溝(75)をやや浅くして、
又は、溝(75)の幅を狭くするなどして、珠(77)
を移動して、土手(76)を通過するときに抵抗感を変
えるだけでも良いのは言うまでもない。又、この第二の
実施例の算盤(71)では、正領域(11)及び負領域
(13)の溝(75)の幅及び深さは一定であるが、こ
の途中にも前記と同様の土手(76)を設けて、正領域
(11)及び負領域(13)の少なくとも一方を複数の
領域に分割しておいて、それぞれの領域に置かれた珠
(77)に重みづけをしてもよい。
【0039】図15及び図16は、この発明の第三の実
施例の算盤であり、図15は算盤の平面図、図16は、
図15のXVI−XVI線に沿う拡大断面図である。この第三
の実施例の算盤(91)は、枠(92)と蓋板(93)
が接着されている。蓋板(93)の上面には、横方向に
細い板状の土手(96)が複数本接着されていて、これ
らの土手(96)に直交する方向に、複数本のスリット
(94)が、細い板状の土手(96)と蓋板(93)を
上下に貫通するように刻まれている。これらのスリット
(94)の上に球形の珠(97)を置き、蓋板(93)
の下からスリット(94)を貫通して、抜け止め(9
8)が、この珠(97)にネジ込まれているので、珠
(97)をスリット(94)に沿って動かしたとき、土
手(96)を乗越えながら移動する。図15に示す算盤
(91)では、土手(96)が、8本形成されており、
正領域(11)及び負領域(13)をそれぞれ4個の領
域、即ち、正1領域(101)、正2領域(102)、
正3領域(103)、正4領域(104)及び負1領域
(105)、負2領域(106)、負3領域(10
7)、負4領域(108)に分割し、それぞれの領域に
置かれている珠(97)に重みづけがされる。それ故、
図15に示すように、それぞれ1桁を表わす各スリット
(94)に、配置された珠(97)の表わす値は、図1
2に示す第二の実施例の場合に対応している。又、スリ
ット(94)とスリット(94)の間には、一定の桁数
の間隔に対応して定位点(99)が付けられている。
尚、図15及び図16に示すように、零領域(12)は
他の領域よりも、土手(96)の間隔を広くして、他と
は見分け易いようにしてある。この第三の実施例の算盤
では、使用する領域を限定して、又は、各スリットに置
く珠の個数を変更して、nの値の異なる種々の天進法の
演算に利用することができる。
施例の算盤であり、図15は算盤の平面図、図16は、
図15のXVI−XVI線に沿う拡大断面図である。この第三
の実施例の算盤(91)は、枠(92)と蓋板(93)
が接着されている。蓋板(93)の上面には、横方向に
細い板状の土手(96)が複数本接着されていて、これ
らの土手(96)に直交する方向に、複数本のスリット
(94)が、細い板状の土手(96)と蓋板(93)を
上下に貫通するように刻まれている。これらのスリット
(94)の上に球形の珠(97)を置き、蓋板(93)
の下からスリット(94)を貫通して、抜け止め(9
8)が、この珠(97)にネジ込まれているので、珠
(97)をスリット(94)に沿って動かしたとき、土
手(96)を乗越えながら移動する。図15に示す算盤
(91)では、土手(96)が、8本形成されており、
正領域(11)及び負領域(13)をそれぞれ4個の領
域、即ち、正1領域(101)、正2領域(102)、
正3領域(103)、正4領域(104)及び負1領域
(105)、負2領域(106)、負3領域(10
7)、負4領域(108)に分割し、それぞれの領域に
置かれている珠(97)に重みづけがされる。それ故、
図15に示すように、それぞれ1桁を表わす各スリット
(94)に、配置された珠(97)の表わす値は、図1
2に示す第二の実施例の場合に対応している。又、スリ
ット(94)とスリット(94)の間には、一定の桁数
の間隔に対応して定位点(99)が付けられている。
尚、図15及び図16に示すように、零領域(12)は
他の領域よりも、土手(96)の間隔を広くして、他と
は見分け易いようにしてある。この第三の実施例の算盤
では、使用する領域を限定して、又は、各スリットに置
く珠の個数を変更して、nの値の異なる種々の天進法の
演算に利用することができる。
【0040】
【発明の効果】請求項1記載の発明の算盤は、珠を置く
ことのできる領域を、少なくとも、置かれている珠の個
数によって正の整数を表わす正領域と、置かれている珠
の個数によって負の整数を表わす負領域と、珠が何個置
かれていても零だけを表わす零領域とに分割して、前記
正領域及び前記零領域、前記負領域のそれぞれに置かれ
ている珠の個数によって、又は、前記正領域と前記負領
域とに置かれている珠の個数から同じ個数を相殺した残
りの珠の個数によって、1桁の数を表わし、nは1以上
の正の整数である1桁乃至複数桁の(2n+1)進数を
置くことのできる、従来存在しなかった全く新しい算盤
を提供する。
ことのできる領域を、少なくとも、置かれている珠の個
数によって正の整数を表わす正領域と、置かれている珠
の個数によって負の整数を表わす負領域と、珠が何個置
かれていても零だけを表わす零領域とに分割して、前記
正領域及び前記零領域、前記負領域のそれぞれに置かれ
ている珠の個数によって、又は、前記正領域と前記負領
域とに置かれている珠の個数から同じ個数を相殺した残
りの珠の個数によって、1桁の数を表わし、nは1以上
の正の整数である1桁乃至複数桁の(2n+1)進数を
置くことのできる、従来存在しなかった全く新しい算盤
を提供する。
【0041】請求項2記載の発明の算盤は、少なくと
も、前記正領域と前記零領域との間及び前記零領域と前
記負領域との間で両方向に珠の移動を可能にし、珠を移
動させることによって、nは1以上の正の整数である1
桁乃至複数桁の(2n+1)進法で演算する、従来存在
しなかった全く新しい算盤を提供する。
も、前記正領域と前記零領域との間及び前記零領域と前
記負領域との間で両方向に珠の移動を可能にし、珠を移
動させることによって、nは1以上の正の整数である1
桁乃至複数桁の(2n+1)進法で演算する、従来存在
しなかった全く新しい算盤を提供する。
【0042】請求項3記載の発明の算盤は、前記正領域
と前記負領域の少なくとも一方を1以上n以下の正の整
数を表わすm個の領域に分割し、それぞれの領域に置か
れている珠の個数に重みづけをしたので、少ない個数の
珠でもって、大きな値のnに対応する、(2n+1)進
数を置数し、又は(2n+1)進法を用いて演算するこ
とができる。
と前記負領域の少なくとも一方を1以上n以下の正の整
数を表わすm個の領域に分割し、それぞれの領域に置か
れている珠の個数に重みづけをしたので、少ない個数の
珠でもって、大きな値のnに対応する、(2n+1)進
数を置数し、又は(2n+1)進法を用いて演算するこ
とができる。
【0043】請求項4記載の発明の算盤は、前記正領域
及び前記零領域、前記負領域と共に格納領域を設けて、
使用する珠以外の珠は格納領域に収納可能にしたので、
枠の中の珠の個数が固定されていても、nの値が異なる
種々の(2n+1)進数を置数し、又は(2n+1)進
法の演算をすることができる。
及び前記零領域、前記負領域と共に格納領域を設けて、
使用する珠以外の珠は格納領域に収納可能にしたので、
枠の中の珠の個数が固定されていても、nの値が異なる
種々の(2n+1)進数を置数し、又は(2n+1)進
法の演算をすることができる。
【図1】(2n+1)進法の表記に用いる記号を示す図
である。
である。
【図2】(2n+1)進法の表記例を示す図である。
【図3】天11進法1桁の2数の値とそれら2数の和の
関係を示す図である。
関係を示す図である。
【図4】天11進法の乗算の筆算の例を示す図である。
【図5】天11進法の除算の筆算の例を示す図である。
【図6】第一の実施例の算盤の平面図である。
【図7】図6のVII−VII線に沿う断面図である。
【図8】第一の実施例の算盤の正領域及び負領域をそれ
ぞれ、m=2に分割したときの平面図である。
ぞれ、m=2に分割したときの平面図である。
【図9】図8のIX−IX線に沿う断面図である。
【図10】第一の実施例の算盤を用いて、天11進法の
乗算を演算したときの、珠の移動の経過を示す図であ
る。
乗算を演算したときの、珠の移動の経過を示す図であ
る。
【図11】第一の実施例の算盤を用いて、天11進法の
除算を演算したときの、珠の移動の経過を示す図であ
る。
除算を演算したときの、珠の移動の経過を示す図であ
る。
【図12】第二の実施例の算盤の平面図である。
【図13】図12のXIII−XIII線に沿う拡大断面図であ
る。
る。
【図14】図12のXIV−XIV線に沿う拡大断面図であ
る。
る。
【図15】第三の実施例の算盤の平面図である。
【図16】図15のXVI−XVI線に沿う拡大断面図であ
る。
る。
1 算盤 3 珠 5 隔壁 7 堰 11 正領域 12 零領域 13 負領域 71、91 算盤 74、94 スリット 76、96 土手 77、97 珠
Claims (4)
- 【請求項1】珠を置くことのできる領域を、少なくと
も、置かれている珠の個数によって正の整数を表わす正
領域と、置かれている珠の個数によって負の整数を表わ
す負領域と、珠が何個置かれていても零だけを表わす零
領域とに分割して、前記正領域及び前記零領域、前記負
領域のそれぞれに置かれている珠の個数によって、又
は、前記正領域と前記負領域とに置かれている珠の個数
から同じ個数を相殺した残りの珠の個数によって、1桁
の数を表わし、nは1以上の正の整数である1桁乃至複
数桁の(2n+1)進数を表わすことを特徴とする算
盤。 - 【請求項2】少なくとも、前記正領域と前記零領域との
間及び前記零領域と前記負領域との間で両方向に珠の移
動を可能にし、珠を移動させることによって、nは1以
上の正の整数である1桁乃至複数桁の(2n+1)進法
で演算することを特徴とする特許請求項1記載の算盤。 - 【請求項3】前記正領域と前記負領域の少なくとも一方
を1以上n以下の正の整数を表わすm個の領域に分割
し、それぞれの領域に置かれている珠の個数に重みづけ
をしたことを特徴とする特許請求項1又は2記載の算
盤。 - 【請求項4】前記正領域及び前記零領域、前記負領域と
共に格納領域を設けて、使用する珠以外の珠は格納領域
に収納可能にしたことを特徴とする特許請求項1乃至3
記載の算盤。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP17545595A JPH096456A (ja) | 1995-06-19 | 1995-06-19 | 算 盤 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP17545595A JPH096456A (ja) | 1995-06-19 | 1995-06-19 | 算 盤 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH096456A true JPH096456A (ja) | 1997-01-10 |
Family
ID=15996378
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP17545595A Pending JPH096456A (ja) | 1995-06-19 | 1995-06-19 | 算 盤 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH096456A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2007043739A1 (en) * | 2005-10-13 | 2007-04-19 | Han-Cheun Lee | A multipurpose abacus |
-
1995
- 1995-06-19 JP JP17545595A patent/JPH096456A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2007043739A1 (en) * | 2005-10-13 | 2007-04-19 | Han-Cheun Lee | A multipurpose abacus |
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