JPH0965489A - 超音波探触子 - Google Patents

超音波探触子

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JPH0965489A
JPH0965489A JP7215949A JP21594995A JPH0965489A JP H0965489 A JPH0965489 A JP H0965489A JP 7215949 A JP7215949 A JP 7215949A JP 21594995 A JP21594995 A JP 21594995A JP H0965489 A JPH0965489 A JP H0965489A
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ultrasonic
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JP7215949A
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Katsuhiro Wakabayashi
勝裕 若林
Yukihiko Sawada
之彦 沢田
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 比較的簡単な電気回路で使用できるととも
に、音場を良好に整形して高分解能で至適観察距離が広
い超音波探触子を提供する。 【解決手段】 少なくとも音響整合層7、圧電素子5、
背面負荷材8から構成される超音波探触子において、前
記圧電素子5の自発分極の大きさがこの圧電素子5内で
位置により異なるようにし、前記音響整合層7若しくは
背面負荷材8のうち少なくとも一方の音響インピーダン
ス若しくは超音波の減衰率を部分的に変化させて、放射
される超音波の位相と音圧を制御して音場を良好に整形
し、高分解能で至適観察距離を広くするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超音波探触子に関
し、より詳しくは、医療用等で用いる超音波内視鏡用等
に適用される超音波探触子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の超音波探触子としては、図23に
示すように、背面負荷材51に対して両面に一対の電極
を形成したPZTで代表されるような圧電セラミックス
板からなる圧電素子52を接着し、さらに圧電素子52
に音響整合層53及び音響レンズ54を接着して構成し
たものが知られている(「医用超音波機器ハンドブッ
ク」コロナ社、p186、昭和60年4月20日発
行)。
【0003】この超音波探触子は、前記圧電素子52に
図示しないパルサから百乃至数百ボルト程度の圧電パル
スを印加し、圧電素子52の逆圧電効果により急速に変
形を起こさせ、この振動を音響整合層53及び音響レン
ズ54を通して効率よく被測定物の方へ超音波を放射さ
せる。
【0004】放射された超音波パルスは、医療用途に関
しては体内の各組織の界面において、また、非破壊検査
用に関しては被測定物内部の欠陥等の非連続部から反射
された後に、再び音響レンズ54及び音響整合層53を
通り圧電素子52に振動を加える。このような機械的振
動は圧電素子52の圧電効果により電気的な信号に変換
され、図示しない観測装置によって画像化される。
【0005】画像化された際の分解能を向上させるため
の方法としては、放射する超音波ビームを細くするため
に、前記音響レンズ54や圧電素子52の電極パターン
を工夫したり、圧電素子52自体を凹面化する方法が多
々ある。また、電極を数分割し印加する駆動電圧に差を
持たせた、アニュラアレイによる音場整形が試みられて
いる。
【0006】また本願出願人は、先に出願し、特開平4
−250799号公報により開示したように、前記背面
負荷材51中の音響インピーダンスの分布が、中央部に
最小で辺縁に行くにつれて大きくなって圧電素子52の
音響インピーダンスに近付くようにすることにより、超
音波振動子から発振される超音波ビームを、中心軸上が
強く、中心から離れるにつれて弱くなるシャープなビー
ムとする手法について提案した。
【0007】また、近年光学の分野で、波の伝搬方向と
直交する方向の強度分布を第0次ベッセル(Besse
l)関数に類似した分布とすることにより、波の中で回
折が生じず、長距離に亘って拡散しないビームを伝搬で
きることが報告された。さらに同様な手法を超音波の伝
搬についても適用しようとする試みがなされており、例
えば、円錐状凹面で同心円状に分割されたアニュラアレ
イ型で駆動時の印加電圧に重み付け駆動する手法を用い
ると、ハンケル(Hankel)関数型の有効な無回折
ビームを得られることが報告されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
分解能の向上方法ではそれぞれ一長一短があり、具体的
には、現在公知技術である音響レンズや凹型圧電素子を
使用した超音波探触子は、焦点近傍では超音波ビームが
絞られ分解能の高い画像を得ることが出来るが、焦点か
ら外れるに従い、ビーム幅は広くなり画像精度も悪くな
る。このため、実際に観察可能な至適観察距離は狭くな
ってしまうという課題があった。
【0009】また、アニュラアレイタイプの超音波探触
子を使用すると、パルサを数系統用意するか、回路を工
夫する等して、リング状の各電極に印加する電圧の位相
を制御することで、超音波ビームの集束点をダイナミッ
クに変化させることができることが知られている。しか
し、この方法では、圧電素子に複数のリード線を結線す
る必要が生じる。そして、複数のリード線間でノイズが
入らないようにするには、シールドを確実にする必要が
あり、医療用等で使用する超音波探触子に要請される細
径化という点で不向きである。また、前記の様に位相を
制御するための複雑な電気回路が必要で観測装置のコス
トが大幅に上がってしまうという課題がある。
【0010】さらに、アニュラアレイタイプの別な使用
法として、凹型振動子の場合は、送信時には全ての部分
を同時に駆動させて超音波を送信し、受信時は観測距離
に応じて受信する部分の面積を増やして分解能を上げる
という方法がある。しかし、この方法も前記場合と同様
で、配線が複雑になり製造が困難になるとともに、加算
回路をはじめとする電気回路が複雑になり、コスト的に
も高くなるとともに、信頼性も低くなるという課題があ
った。
【0011】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、比較的簡単な電気回路で使用できるとともに、
音場を良好に整形して高分解能で至適観察距離が広い超
音波探触子を提供するものである。
【0012】また、本発明は、比較的簡単な電気回路で
使用できるとともに、音場を良好に整形して高分解能で
至適観察距離が広く、しかも超音波ビームのラインフォ
ーカス化を図ることができる超音波探触子を提供するも
のである。
【0013】さらに、本発明は、非常に簡単な電気系で
圧電素子を駆動でき、小型、細径化に適した超音波探触
子を提供するものである。
【0014】さらに、本発明は、比較的簡単な電気回路
で使用できるとともに、音場を良好に整形してサイドロ
ーブを小さくすることができる超音波探触子を提供する
ものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
少なくとも音響整合層、圧電素子、背面負荷材から構成
される超音波探触子において、前記圧電素子は、自発分
極の大きさがこの圧電素子内で位置により異なるように
形成され、前記音響整合層若しくは背面負荷材のうち少
なくとも一方の音響インピーダンス若しくは超音波の減
衰率を部分的に変化させたことを特徴とするものであ
る。
【0016】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明における前記圧電素子の自発分極の状態及び音響整合
層若しくは背面負荷材のうち少なくとも一方の音響イン
ピーダンス若しくは超音波の減衰率を部分的に変化さ
せ、ベッセル関数又はこれに類する形状の音圧分布を持
つ超音波ビームを放射することを特徴とするものであ
る。
【0017】請求項3記載の発明は、自発分極の大きさ
が位置により異なるように形成された前記圧電素子に、
正負一対の導線を用いたケーブルにより駆動信号を伝達
するようにしたことを特徴とするものである。
【0018】請求項4記載の発明は、少なくとも音響整
合層、圧電素子、背面負荷材から構成される超音波探触
子において、前記圧電素子は、自発分極の大きさがこの
圧電素子内で位置により異なるように形成され、前記背
面負荷材の音響インピーダンスの減衰率を部分的に変化
させて、ガウス関数様の形状の音圧分布を持つ超音波ビ
ームを放射することを特徴とするものである。
【0019】請求項1の発明によれば、超音波探触子に
おける圧電素子自体の分極強度を位置により変化させる
ことにより分極の重み付けを行うとともに、音響整合層
若しくは背面負荷材のうち少なくとも一方の音響インピ
ーダンス若しくは超音波の減衰率を部分的に変化させる
構造としたので、比較的簡単な電気回路で駆動できると
ともに、この超音波探触子から放射される超音波の位相
と音圧を制御して音場を良好に整形し、高分解能で至適
観察距離が広い超音波画像を得ることができる。
【0020】請求項2記載の発明によれば、前記請求項
1の作用に加えて、音響整合層表面から放射する超音波
ビームを疑似的なベッセルビーム又はこれに類するビー
ムとし、これらのビームは非回折波であり、超音波探触
子から放射された超音波ビームもほとんど拡がることな
く伝搬していくことになり、比較的簡単な電気回路で駆
動できるとともに、音場を良好に整形して高分解能で至
適観察距離が広く、しかも超音波ビームのラインフォー
カス化を図ることができる。
【0021】請求項3記載の発明によれば、上述した超
音波探触子における圧電素子に対し、正負一対の導線を
用いたケーブルにより駆動信号を伝達し、超音波の音圧
及び位相を制御するものであるから、非常に簡単な電気
系で駆動し音場整形可能となり、超音波探触子の小型、
細径化を図れる。
【0022】請求項4記載の発明によれば、音響整合層
表面からガウス関数様の形状の音圧分布を持つ超音波ビ
ームを放射することができ、比較的簡単な電気回路で使
用できるとともに、音場を良好に整形してサイドローブ
を小さくすることが可能となる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を説明
する。
【0024】[実施の形態1]図1乃至図7を参照して
実施の形態1の超音波探触子について説明する。図1は
本実施の形態1における分割電極3を備えた圧電素子5
の断面とベッセル関数からなる音圧分布を示す説明図で
あり、図2は圧電素子5の分極の方向と強度4及び超音
波の強度分布を示す説明図である。また、図3、4は、
各々圧電素子5と背面負荷材8との接合方法を示す断面
図であり、図5は別な圧電素子5Aの断面及びベッセル
関数からなる音圧分布を示す説明図であり、図6は超音
波探触子のトランスデューサ部の断面図であり、図7は
図6の構成の試作品により音場整形された実際の超音波
の強度分布を示す特性図である。
【0025】次に、本実施の形態1の超音波探触子の構
造及びその製造方法について説明する。
【0026】まず、圧電素子5を構成する圧電セラミッ
クス1として、PZT系の材料で直径10mm、厚さ1
60μmのラッピングした素体を用意し、この素体に銀
ペーストで一面には全面に亘って、また、他面には多重
リング状の電極を印刷、焼付けし、全面電極2及び分割
電極3を形成する。
【0027】この多重リング状の分割電極3は、図1に
示すように、0次のベッセル関数を基にパターン化され
たもので、具体的にはX−Y座標系のY=0近傍に電極
がないような構成になっている。
【0028】前記多重リング状に分割した分割電極3を
備えた圧電素子5を、下記のような条件にて分極した。
即ち、ベッセル関数の分割電極3に相当する部分の平均
値を計算し、分極の割合を決定する。
【0029】そして、この計算値と等しくなるような圧
電定数d33となるように、各分割電極3により分極電圧
を変えて分極していく。分極は、80℃のシリコンバス
中で実施し、予め材料毎に求めておいた圧電定数d33と
分極電圧を基に分極した。尚、これも事前に実験して確
認済の結合係数K33と圧電定数d33との関係から、容易
に測定可能な結合係数K33から分極の状態を確認した。
尚、ベッセル関数が負の値を持つ領域は分極方向を図1
に示すように反転して分極を行った。
【0030】このようにして得られた圧電素子5の分割
電極3を導電性樹脂にてすべて結線した後、タングステ
ンをフィラーとしたエポキシ樹脂製の円筒体で、同心円
状に溝部18を設けた図3に示すような背面負荷材23
を用意し、エポキシ樹脂系の接着剤17を用いて圧電素
子5を接着する。このとき、溝部18にエポキシ樹脂の
接着剤17が充填されるように接着固定し、図4に示す
ような圧電素子5と背面負荷材8との接合体を作製し
た。つまり、前記背面負荷材8は、タングステンをフィ
ラーとしたエポキシ樹脂製の音響インピーダンスの高い
高音響インピーダンス部分23と、エポキシ樹脂系の接
着剤17からなる音響インピーダンスの低音響インピー
ダンス部22から構成される。
【0031】次いで、前記圧電素子5及び背面負荷材8
を、図4に示すように、絶縁筒13を介してSUS製の
ハウジング12内に固定し、一面側の全面電極2とハウ
ジング12とを導電性樹脂6を使用して接続する。この
後、一面側の全面電極2の表面にエポキシ樹脂からなる
厚さ60μmの音響整合層7を形成する。そして、リン
グ状に分割した分割電極3の一箇所とハウジング12内
に同軸ケーブル11の芯線9、周線10をそれぞれ半田
14により結線し、さらに、封止樹脂16により封止し
て図6に示すような超音波探触子のトランデューサ部1
6を作製した。
【0032】上述した圧電セラミックス1を用いること
により、図1に示すような分極方向と強度を備えた圧電
素子5となる。具体的には、分割分極3の中心付近の自
発分極4は大きく、外周に向かうにつれ分割分極3間の
自発分極4の強さは小さくなっていく。
【0033】このような圧電素子5に電圧を印加する
と、分極強度の大きい部分は変形量も多くなり、また、
分極方向と印加する電圧の極性により変形の方向が決定
される。
【0034】また、背面負荷材内8において音響インピ
ーダンスの分布が不均一であるため、発振される超音波
の出力分布は、音響インピーダンスが圧電素子5の音響
インピーダンスに近い部分については、両者の音響イン
ピーダンスが異なる部分よりも減衰が大きくなる。
【0035】以上二つの作用の結果として、分極強度の
分布及び音響インピーダンスの分布に応じた強度分布を
持った超音波ビームが発振されることになる。
【0036】本実施の形態1のように、ベッセル関数に
基づいて分割電極3の配置を決定し、分極強度に差を持
たせた圧電素子5を用いて、図6に示すようなトランス
デューサ部16を作製して、図示しないパルサーより電
圧パルスを圧電素子5に印加すると、音響整合層7近傍
では放射される超音波の音圧の分布はベッセル関数に近
似したもの(以下ベッセルビームと略す)となる。
【0037】尚、本実施の形態1では導電性樹脂を用い
て分割電極3の多重リング間を結線しているが、この結
線を行う際の温度条件は圧電素子5の分極が消極しない
温度範囲であればよく、導通さえ得られれば半田や熱圧
着等、他の手法を用いても同様に結線することができ
る。
【0038】また、本実施の形態1では0次のベッセル
関数で、中心を除く+側の山が片側1個、−側の谷が片
側1個のものを示したが、中心を除く+側の山が片側1
個、−側の谷が片側1個の以上であれば非回折ビームを
発振でき、本実施の形態1と同様な効果が得られる。図
5に示す圧電素子5Aは、同じく0次のベッセル関数よ
り求めた中心を除く+側の山が片側2個、−側の谷が片
側2個の例である。
【0039】尚、図6に示したトランスデューサ部16
の圧電素子5に、図示しないパルサーにより電圧パルス
を印加し、音響整合層7の近傍(距離約1mm)の超音波
の音圧の絶対値の分布をハイドロフォンで測定した結果
を図7に示す。
【0040】図7は、ベッセル関数(JO)と、ベッセ
ル関数形の音圧分布をハイドロフォンで測定した場合の
その理論的な出力電圧(JO average)及び実
際の放射音圧のY軸及びZ軸方向の測定結果とを、横軸
に位置X、縦軸に音圧をとった直交する2軸で表したも
のであり、実際のY軸及びZ軸方向の放射音圧が理論的
な出力電圧(JO average)に非常に近似して
いることが判る。
【0041】尚、本実施の形態1では、前記音響整合層
7はエポキシ樹脂の一層構造であるが、例えばアルミナ
等をフィラーとして混入させたエポキシ樹脂とエポキシ
樹脂との2層構造の音響整合層や、マシナブルセラミッ
クスとフィラーの入ったエポキシ樹脂、そしてポリエチ
レンというような3層構造の音響整合層を持つものでも
当然ながら同様な結果が得られる。
【0042】ベッセルビームは非回折ビームとして知ら
れているが、本実施の形態1によるトランスデューサ部
16の音場を測定し、ビーム幅(半値全幅)を測定して
みると、ビーム幅の狭い領域が非常に長く、従来には見
られない至適観測距離(焦点深度)の長い超音波探触子
を作製することが可能となる。このため、駆動用の同軸
ケーブル11が1本でパルサーが1系統でよく、電気回
路及びトランスデューサ部16の構成が簡易で安価な高
分解能の超音波振動子を提供できる。
【0043】また、本実施の形態1では、リング状の分
割電極3を付与後分極したが、導電ゴム等を用いて分極
を施し、その後スパッタや蒸着といった分極が消極しな
い温度範囲で成膜できる方法で全面に電極を形成する方
法や、全面を均一に分極後レーザー光等を部分的に当て
ることで部分的に消極してもリング状の分割電極3の場
合と同様な効果を得ることができる。
【0044】さらに、背面負荷材8の音響インピーダン
スの制御を併用することにより、音圧の低い領域の制御
が可能となり、所望の音圧分布を有する超音波探触子を
作製し易くなる。
【0045】また、背面負荷材8の音響インピーダンス
を部分的に変化させるためのこの背面負荷材8の形状と
しては、実施の形態1では図3に示す同心円状でかつ断
面が中心から周辺に至るに従い階段状に浅くなるものを
用いる他、図8に示す背面負荷材8の中心部に貫通穴2
4aを穿設し、周辺に至るに従い断面が階段状に浅くな
る同心円状の溝24bを形成したもの、図9に示す背面
負荷材8の中心部から周辺部に亘る同心円状でかつ断面
が鋸歯状の溝24bを形成したもの採用することもでき
る。
【0046】また圧電素子5の形状についても、実施の
形態1のような円板に代表される平板の他、円錐状又は
球状の殻の一部、又はこれらを組み合わせたもの等を使
用可能である。そして、一軸のみ音場を整形する場合
は、長方形等の振動子にも応用が可能で、各種アレイタ
イプへ適用することができる。
【0047】上述した背面負荷材8の各種材料のうち、
マトリックスとしては、エポキシ系、フェノール系等の
熱硬化性樹脂や、ABS(アクリルニトリルブタジエン
スチレン)、ポリエチレン、PMMA(ポリメチルメタ
クリレート)等の熱可塑性樹脂、シリコーンゴム、ブチ
ルゴム等のゴムが使用可能である。
【0048】また,フィラーとしてはタングステンの
他、ステンレス、銀、銅等の金属やその酸化物、アルミ
ナ、ジルコニア等のセラミックス粉体、Ba−フェライ
ト、サマリウムコバルト(SmCo5 、Sm2Co17)
等の磁性体粒子又は磁性体でコートした前記無機物粒子
等が使用可能である。
【0049】さらに、実施の形態1におていは、背面負
荷材8の低音響インピーダンス部22をフィラーが少な
い部分として記述したが、フィラーを皆無とすること
や、ガラス中空バルーン、シリコーンゴム粒子等の音響
インピーダンスがマトリックス部よりも更に低い部材を
分散させて音響インピーダンスを下げること等も可能で
ある。また、前記2種以上の粉体を混合して用いること
も可能である。
【0050】尚、ベッセル関数を基にした電極パターン
及び分極強度とし、そして音響整合層7、背面負荷材8
に重み付けを施すと、1系統のパルサでも非回折ビーム
の音場整形でき、焦点深度が長く、高分解能な超音波探
触子を容易に作製することができるようになる。
【0051】[実施の形態2]次に、実施の形態2につ
いて、図10乃至図13を参照して説明する。図10乃
至図13は、本実施の形態2における音響整合層20、
21の製造方法を示すものである。尚、本実施の形態2
の基本的な構成は前記実施の形態1と同様であり、同一
な構成部分には同一番号を付すとともに、相違点につい
てのみ述べる。
【0052】本実施の形態2では、前記実施の形態1と
同様に図1に示したような分極方向が部分的に異なり、
分極強度に重み付けをした圧電素子5を使用する。そし
て、前記実施の形態1では、音響インピーダンスの異な
る背面負荷材8を組み合わせて使用したが、本実施の形
態2では、超音波の減衰率の異なる音響整合層20、2
1を組み合わせて使用した超音波探触子用のトランスデ
ューサ部を作製した。
【0053】具体的には、分極強度と分極方向に差をも
たせた圧電素子5を作製し、この圧電素子5の外径に合
わせたシリコン製の円筒状の型19内に前記圧電素子5
を固定し、圧電素子5の上に超音波の減衰率の大きなア
ルミナフィラー入りの光硬化樹脂26aを約50μmの
厚さになるように入れ、所望の位置に光源25からの光
を当て同心円状の硬化層を形成する。硬化層が硬化した
後さらに超音波の減衰率の大きなアルミナフィラー入り
の光硬化樹脂26aを約50μmの厚さになるように入
れ、再び硬化させる。この工程を所望の厚さになるまで
繰り返し、図11に示すような同心円状の光硬化樹脂2
6aからなる音響整合層21を圧電素子5の上に付加す
る。
【0054】次に、図12に示すように超音波の減衰率
の小さなフィラーを含まない光硬化樹脂26bを音響整
合層21間の溝に流し込み、光源25からの光を当て硬
化させ、音響整合層20を作製する。このようにして、
2種類の音響整合層20、21を備えた図13に示す圧
電素子5を作製する。
【0055】このような音響整合層20、21を備えた
圧電素子5をハウジング内に固定し、結線した後エポキ
シ樹脂にタングステンを入れた背面負荷材を流し込み前
記実施の形態1と同様なトランスデューサ部を作製し
た。
【0056】上述のようにして作製した超音波探触子の
トランスデューサ部によれば、前記圧電素子5により実
施の形態1の場合と同様な機能を発揮させることができ
るが、これに加え、音響整合層20、21による超音波
の減衰率の大小により、トランスデューサ部から放射す
る超音波を制御することが可能となる。即ち、音響整合
層20、21による減衰率の大きな部分と小さな部分と
の音速を揃えると、放射される超音波は位相ずれがなく
ベッセル関数のように長い距離を非回折ビームとして直
進する。
【0057】圧電素子5のみの単独の制御では、圧電定
数d33の小さな部分は細かい調整が必要であったが圧電
素子5の特性を測定後、音響整合層20、21により減
衰率を場所により変化させることで、トランスデューサ
部から放射される音場をより厳密に整形することが可能
となる。
【0058】実施の形態2によれば、前記実施の形態1
と同様にベッセルビームを放射することができるため、
トランスデューサ部の音場を測定するとビーム幅の狭い
領域が非常に長く、従来には見られない至適観察距離
(焦点深度)の長い超音波探触子を作製することが可能
となる。
【0059】また、圧電素子5の分極状態により音響整
合層20、21の分布を変化させることで、容易に所望
のベッセルビームが正確に出せるようになる。このた
め、前記実施の形態1と同様に、電気回路及びトランス
デューサ部の構成が簡易で作製容易となり、安価な高分
解能の超音波探触子を提供できる。
【0060】[実施の形態3]図14乃至図21を参照
して実施の形態3を説明する。図14は本実施の形態3
に使用した電極構成及び分極状態を説明するための圧電
素子の断面並びに利用した2次のベッセル関数を示す説
明図である。図15乃至図17は背面負荷材の製造方法
を示す工程図、図18乃至図21は音響整合層20、2
1の製造方法を示す工程図である。
【0061】本実施の形態3の基本的な構成は前記実施
の形態1と同様であり、同一な構成部分には同一番号を
付すとともに、相違点についてのみ述べる。
【0062】本実施の形態3では、図14に示したよう
な2次のベッセル関数を基に圧電素子5の分割電極3の
位置を決定し、分極強度を決定した。
【0063】具体的には、前記実施の形態1と同様に、
放射される超音波ビームが目標のビームに近似するよう
に分割電極3を細分化した。
【0064】一方、背面負荷材8は、音響インピーダン
スの大きな高音響インピーダンス部23と、音響インピ
ーダンスの小さな低音響インピーダンス部22とを図1
5、図16に示すように組み合わせ接着したものを作製
し、図17に示すように硬化後スライスして、音響イン
ピーダンスに大小の分布を持たせた。
【0065】次に、圧電素子5を型19に取り付け、前
記実施の形態2と同様に超音波の減衰率の大きな光硬化
樹脂26aと超音波の減衰率の小さな光硬化樹脂26b
とを交互に滴下硬化させ、図18乃至図20に示すよう
に、超音波の減衰率の大きい音響整合層20及び超音波
の減衰率の小さい音響整合層21を圧電素子5上に半円
状を呈するように積層して、音響整合層20及び音響整
合層21の積層構造からなる音響整合層7が付いた圧電
素子5を得る。そして、前述した方法により形成した背
面負荷材8と接着しハウジングに収め、超音波探触子の
トランスデューサ部を作製した。
【0066】本実施の形態3の超音波探触子のトランス
デューサ部によれば、圧電素子5に分極強度の重み付け
が行われていることと、背面負荷材8の音響インピーダ
ンスに位置による大小の分布があること、そして、音響
整合層7の超音波の減衰率にも大小の分布があることか
ら、放射される超音波ビームを所望の状態に制御でき
る。
【0067】本実施の形態3のトランスデューサ部に電
圧パルスを印加すると、音響整合層7の表面から放射さ
れる超音波ビームは2次のベッセル関数に近似する。つ
まり、この超音波探触子も前記実施の形態と同様に非回
折ビームを放射することになる。
【0068】本実施の形態3の超音波探触子のトランス
デューサ部によれば、前記実施の形態1と同様にベッセ
ルビームを放射することができるため、トランスデュー
サ部の音場を測定するとビーム幅の狭い領域が非常に長
く、従来には見られない至適観察距離(焦点深度)の長
い超音波探触子を作製することが可能となる。
【0069】また、既述した場合と同様に、背面負荷材
8の音響インピーダンスに分布を持たせ、そして、音響
整合層7の超音波の減衰率に分布を持たせることから、
細かく放射される超音波ビームを制御することが容易に
出来る。さらに、前記実施の形態1、2と同様に、電気
回路及びトランスデューサ部の構成が簡易で作製容易と
なり、安価な高分解能の超音波探触子を提供できる。
【0070】[実施の形態4]次に、図22を参照して
実施の形態4を説明する。図22は、本実施の形態4に
使用したトランスデューサ部30の断面図で、分極状態
を説明するため圧電素子5の分極強度を図化し、背面負
荷材8の音響インピーダンスの違いを図化し、放射され
る超音波ビームの強度分布とともに表したものである。
【0071】本実施の形態4の基本的な構成は前記実施
の形態1と同様であり、同一な構成部分には同一番号を
付すとともに、相違点についてのみ述べる。
【0072】本実施の形態4の圧電素子5は、電極付与
前に導電ゴムを電極として用いて、圧電素子5の位置に
より分極電圧を変化させ分極を施し、その後スパッタリ
ングや蒸着といった消極しない温度範囲で成膜できる方
法により、圧電素子5の全面に電極を付与する方法で作
製したものである。具体的には、中心部の分極強度を最
も大きくし、周囲にいくほど分極強度をガウス関数的に
弱めた圧電素子5を作製した。
【0073】また、背面負荷材8は前記実施の形態2と
同様に円筒状のものを用い、組み合わせて接合したもの
をスライスして形成した。具体的には、中心部の音響イ
ンピーダンスが小さく、外周にいくほど音響インピーダ
ンスが大きくなるようにして作製した。
【0074】尚、本実施の形態4で使用した背面負荷材
8は、中心部をエポキシ樹脂にタングステンフィラーを
混ぜ音響インピーダンスが2.5Kg/m2 sとしたも
ので、外周部に行くほどタングステンの量を増やし最外
周部では20Kg/m2 sの背面負荷材8を作製し使用
した。そして、この圧電素子5と背面負荷材8とを、前
記実施の形態2で示したような方法で図22に示すよう
な積層体構造のトランスデューサ部30を作製した。
【0075】前記のような方法で作製したトランスデュ
ーサ部30は、圧電素子5が分極強度の重み付けが行わ
れていることと、背面負荷材8の音響インピーダンスに
位置による分布があることから、放射される超音波ビー
ムを制御することが可能となる。また、本実施の形態4
のトランスデューサ部30に電圧パルスを印加した場
あ、音響整合層7の表面から放射される超音波ビームの
強度分布として、図22に示したガウス関数に近似した
分布が得られる。
【0076】本実施の形態4のトランスデューサ部30
によれば、ガウス関数様超音波ビームを放射することが
できるため、このトランスデューサ部30の音場を測定
するとサイドローブが小さい超音波探触子を得ることが
可能である。
【0077】また、従来例のように、圧電素子5の分極
強度を変更することだけでは、精度を上げることが難し
かった小さな超音波放射領域でも、背面負荷材8との組
み合わせにより音場の制御が容易となる。
【0078】さらに、前記実施の形態1と同様に、電気
回路及びトランスデューサ部30の構成が簡易で作製容
易となり、安価な高分解能の超音波探触子を提供でき
る。
【0079】本実施の形態4では、音響整合層7の音響
インピーダンス若しくは超音波の減衰率には分布を持た
せなかったが、前記実施の形態1で示した様にして、音
響インピーダンスや超音波の減衰率に差を持たせた圧電
素子5の組み合わせでも同様な効果が得られる。
【0080】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、比較的簡
単な電気回路で駆動できるとともに、この超音波探触子
から放射される超音波の位相と音圧を制御して音場を良
好に整形し、高分解能で至適観察距離が広い超音波画像
を得ることができる超音波探触子を提供することができ
る。
【0081】請求項2記載の発明によれば、前記請求項
1の効果に加えて、超音波ビームのラインフォーカス化
を図ることができる超音波探触子を提供することができ
る。
【0082】請求項3記載の発明によれば、非常に簡単
な電気系で駆動し音場整形可能となり、小型、細径化を
図れる超音波探触子を提供することができる。
【0083】請求項4記載の発明によれば、比較的簡単
な電気回路で使用できるとともに、音場を良好に整形し
てサイドローブを小さくすることが可能な超音波探触子
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1における分割電極を備えた圧電素
子の断面とベッセル関数からなる音圧分布を示す説明図
である。
【図2】圧電素子の分極の方向と強度及び超音波の強度
分布を示す説明図である。
【図3】圧電素子と背面負荷材との接合方法を示す断面
図である。
【図4】圧電素子を背面負荷材に接合した状態を示す断
面図である。
【図5】実施の形態1における別な圧電素子の断面及び
ベッセル関数からなる音圧分布を示す説明図である。
【図6】実施の形態1における超音波探触子のトランス
デューサ部の断面図である。
【図7】図6に示すトランスデューサ部の音場整形され
た実際の超音波の強度分布を示す特性図である。
【図8】実施の形態1における背面負荷材の他例を示す
断面図である。
【図9】実施の形態1における背面負荷材のさらに他例
を示す断面図である。
【図10】実施の形態2における音響整合層の製造工程
を示す断面図である。
【図11】実施の形態2における音響整合層の製造工程
を示す斜視図である。
【図12】実施の形態2における音響整合層の製造工程
を示す断面図である。
【図13】実施の形態2における圧電素子及び音響整合
層を示す断面図である。
【図14】実施の形態3に使用した電極構成及び分極状
態を説明するための圧電素子の断面並びに利用した2次
のベッセル関数を示す説明図である。
【図15】実施の形態3における背面負荷材の製造方法
を示す工程図である。
【図16】実施の形態3における背面負荷材の製造方法
を示す工程図である。
【図17】実施の形態3における背面負荷材の斜視図で
ある。
【図18】実施の形態3における音響整合層の製造工程
を示す断面図である。
【図19】実施の形態3における音響整合層の製造工程
を示す断面図である。
【図20】実施の形態3における音響整合層の製造工程
を示す断面図である。
【図21】実施の形態3における圧電素子及び音響整合
層を示す断面図である。
【図22】実施の形態4におけるトランスデューサ部及
び超音波の強度分布を示す図式化した説明図である。
【図23】従来の超音波探触子を示す正面図である。
【符号の説明】
1 圧電セラミックス 2 全面電極 3 分割電極 5 圧電素子 6 導電性樹脂 7 音響整合層 8 背面負荷材 9 芯線 10 周線 11 同軸ケーブル 12 ハウジング 13 絶縁筒 16 トランスデューサ部 18 溝部 19 型 20 音響整合層 21 音響整合層 22 高音響インピーダンス部 23 低音響インピーダンス部 25 光源 26a 光硬化樹脂 26b 光硬化樹脂 30 トランスデューサ部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも音響整合層、圧電素子、背面
    負荷材から構成される超音波探触子において、 前記圧電素子は、自発分極の大きさがこの圧電素子内で
    位置により異なるように形成され、前記音響整合層若し
    くは背面負荷材のうち少なくとも一方の音響インピーダ
    ンス若しくは超音波の減衰率を部分的に変化させたこと
    を特徴とする超音波探触子。
  2. 【請求項2】 前記圧電素子の自発分極の状態及び音響
    整合層若しくは背面負荷材のうち少なくとも一方の音響
    インピーダンス若しくは超音波の減衰率を部分的に変化
    させ、ベッセル関数又はこれに類する形状の音圧分布を
    持つ超音波ビームを放射することを特徴とする請求項1
    記載の超音波探触子。
  3. 【請求項3】 自発分極の大きさが位置により異なるよ
    うに形成された前記圧電素子に、正負一対の導線を用い
    たケーブルにより駆動信号を伝達することを特徴とする
    請求項1又は2記載の超音波探触子。
  4. 【請求項4】 少なくとも音響整合層、圧電素子、背面
    負荷材から構成される超音波探触子において、 前記圧電素子は、自発分極の大きさがこの圧電素子内で
    位置により異なるように形成され、前記背面負荷材の音
    響インピーダンスの減衰率を部分的に変化させて、ガウ
    ス関数様の形状の音圧分布を持つ超音波ビームを放射す
    ることを特徴とする超音波探触子。
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