JPH0966464A - 研磨方法及び研磨装置 - Google Patents

研磨方法及び研磨装置

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JPH0966464A
JPH0966464A JP22522595A JP22522595A JPH0966464A JP H0966464 A JPH0966464 A JP H0966464A JP 22522595 A JP22522595 A JP 22522595A JP 22522595 A JP22522595 A JP 22522595A JP H0966464 A JPH0966464 A JP H0966464A
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Moriaki Koyama
守明 小山
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  • Constituent Portions Of Griding Lathes, Driving, Sensing And Control (AREA)
  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】研磨方法及び装置において、工具の滞留時間を
求める計算方法を簡略化して、計算時間を短縮し、計算
機の省力化、加工リードタイムの短縮化を図るととも
に、加工条件の制限をなくし、加工機の複雑化を防止
し、加工範囲の拡大、回転加工物への対応、加工条件の
精密化を図ることができるものとする。 【解決手段】研磨駆動手段101で被加工物を研磨する
に際して、減耗形状h(x)と、予め求めておいた研磨
工具の単位除去形状f(x,u)とから、研磨工具の被
加工物の各研磨点での滞留時間t(u)を演算手段10
3で求め、該滞留時間に基づいて研磨工具で被加工物の
研磨をおこなう研磨方法及び装置において、演算手段1
03は前記研磨工具を当接させる前記被加工物の加工面
を複数の領域に分割し(S1,S2)、プレストンの経
験則に基づいて、最小二乗法による演算で前記研磨工具
の滞留時間t(u)を求める(S3,S4)構成とし
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は研磨方法及び研磨装
置に係り、特に被加工物の加工面に研磨工具を接触させ
て、被加工物を所望の形状まで減耗させ、研磨する研磨
方法及び研磨装置に関する。
【0002】
【従来の技術】研磨加工においては、被加工物の表面粗
さを向上させることは比較的たやすいが、被加工物の形
状精度を向上させることが困難であり、このように被加
工物の形状精度を高いものとする加工は、従来から経験
と技能に依存していた。
【0003】ところで、被加工物の形状を高い精度で研
磨加工する技術として、例えば、砥粒学会誌VOL.38,NO.
2,1994,MAR.p16〜19, 「研磨による形状精度の創成原理
とその技術課題」に記載されているように、加工物より
も小さい研磨工具を用いて、圧力、相対速度を一定に保
ち、研磨工具の被加工物の所定個所への接触時間、即
ち、研磨工具の滞留時間を所定の演算により求め、減耗
形状を制御する種々の方法が提案されている。
【0004】そして、それらのうちの一方法として、被
加工物の面形状データと設計形状データとの差を除去形
状とし、予め求めた単位除去形状(研磨工具の単位時間
当たりの研磨除去形状)でこの除去形状をデコンボリュ
ーションし、滞留時間を求め、研磨加工を行い、再び面
形状データを計測し研磨加工を行うというルーチンを繰
り返す研磨方法がある(特開平5─57606号参
照)。
【0005】この研磨方法における滞留時間の計算は、
3回のフーリエ変換と1回の逆フーリエ変換を行い、コ
ンボリューションの定理を用い、さらに解の拘束条件を
十分に考慮するというものである。
【0006】以下にその解法を説明する。研磨における
減耗量Δhは、よく知られたプレストンの経験則によ
り、 Δh=η・p・v・t と表すことができる。ここで、ηは比例定数、pは圧
力、vは研磨工具と被加工面との相対速度、tは工具の
滞留時間を表す。
【0007】いま、減耗量Δhを加工面の位置xで表し
Δh(x)とし、単位除去形状をf(x)、uを工具が
滞留している位置とすると、減耗量Δh(x)は、 Δh(x)=f(x−u)・t(u) と表すことができる。
【0008】そして、研磨する被加工面の所定領域Aの
内で研磨工具が移動するとき、所定領域Aの全体の減耗
形状h(x)は、 h(x)=∫A Δh(x)du =∫A f(x,u)・t(u)du …式1 となる。そして、工具の位置uにおける滞留時間を求め
るには、この式1を、t(u)について解けばよいわけ
である。
【0009】ここで、 h(x)のフーリエ変換:
【数3】 f(x)のフーリエ変換:
【数4】 t(u)のフーリエ変換:
【数5】 とすると、式1は、Aを∞にとれば、f、tのコンボリ
ューションである。
【0010】そして、コンボリューションの定理に従
い、式2,式3,式4から、 H(ωx)=F(ωx)・T(ωu) …式5 と表すことができる。
【0011】よって、t(u)のフーリエ変換T(ω
u)は、 T(ωu)=H(ωx)/F(ωx) …式6 となる。
【0012】これを、T(ωu)について、逆フーリエ
変換すれば、工具の滞留時間t(u)を求めることがで
きる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、フーリ
エ変換による解法では、式1乃至式5のフーリエ変換及
び逆フーリエ変換等の計算を、計算機で行うと、膨大な
計算量が必要であり、計算時間が長時間必要になるとい
う問題がある。
【0014】また、フーリエ変換の性質上、計算に使用
する単位除去形状f(x,u)、減耗量h(x)、工具
の滞留時間t(u)及びそのフーリエ変換T(ωx)は
±∞で収束するような関数である必要があり、加工方法
が制限されてしまうという問題がある。
【0015】そこで、本発明は、工具の滞留時間を求め
る計算方法を簡略化して、計算時間を短縮し、計算機の
省力化、加工リードタイムの短縮化を図るとともに、加
工条件の制限をなくし、加工機の複雑化を防止し、加工
範囲の拡大、回転加工物への対応、加工条件の精密化を
図ることができる研磨方法および研磨装置を提供するこ
とを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明において、上記の
課題を解決するための研磨方法は、図1(1)に示すよ
うに、被加工物の加工面に研磨工具を接触させ、被加工
物を研磨するに際して、被加工物の面形状データと設計
形状データとの差である減耗形状h(x)と、予め求め
ておいた研磨工具の単位除去形状f(x,u)とから、
研磨工具の被加工物の各研磨点での滞留時間t(u)を
演算で求め、該滞留時間に基づいて研磨工具で被加工物
の研磨をおこなう研磨方法において、前記研磨工具を当
接させる前記被加工物の加工面を複数の領域に分割し
(S1,S2)、h=η・v・p・t(h:減耗量、
η:比例定数、v相対速度、p:圧力、t滞留時間)な
るプレストンの経験則に基づいて、最小二乗法による演
算で前記研磨工具の滞留時間t(u)を求める(S3,
S4)ことを特徴とする。
【0017】また、本発明の研磨方法は、上記研磨工具
の滞留時間t(u)を求める演算は、研磨における減耗
量Δhを加工面の位置xで表し、単位除去形状をf
(x,u)とし、工具が滞留している位置をuとしたと
き、 Δh(x)=f(x,u)・t(u) とし、研磨する所定領域Aのなかで工具が移動するとき
の減耗形状h(x)を、 h(x)=∫A Δh(x)du=∫A Δh(x−u)・
t(u)du とし、範囲Aにおけるx,uをm,nに分割し(m,n
は正の整数、m≧n)、位置x1 〜xm の減耗量を、
【数6】 とし、hに対応する行列をHm、fに対応する行列をF
m,n、tに対応する行列をTnとして、 Hm=Fm,n・Tn として、Fm,nの転置行列Ft n,mを両辺に乗じ、 Gn=En,n・Tn を得(ただし、Gn=Ft n,m・Hm、En,n=F
t n,m・Fm,n)、 Tn=E-1n,n・Gn からTnの要素t(u)を求めることを特徴とする。
【0018】本発明の研磨装置は、図1(2)に示すよ
うに、被加工物の加工面に研磨工具を接触させて、被加
工物を研磨する研磨駆動手段101と、被加工物の面形
状データと設計形状データとの差である減耗形状h
(x)と、予め求めておいた研磨工具の単位除去形状f
(x,u)とから、研磨工具の被加工物の各研磨点での
滞留時間tを演算で求める演算手段103と、上記演算
手段103が求めた該滞留時間t(u)に基づいて上記
研磨駆動手段101を駆動制御する駆動制御手段102
とを備えた研磨装置において、上記演算手段101は、
前記研磨工具を当接させる前記被加工物の加工面を複数
の領域に分割し、h=η・v・p・t(h:減耗量、
η:比例定数、v相対速度、p:圧力、t滞留時間)な
るプレストンの経験則に基づいて、最小二乗法による演
算で前記研磨工具の滞留時間tを求めることを特徴とす
る。
【0019】また、本発明の研磨装置は、上記研演算手
段は、研磨における減耗量Δhを加工面の位置xで表
し、単位除去形状をf(x,u)とし、工具が滞留して
いる位置をuとしたとき、 Δh(x)=f(x,u)・t(u) とし、研磨する所定領域Aのなかで工具が移動するとき
の減耗形状h(x)を、 h(x)=∫A Δh(x)du=∫A f(x,u)・t
(u)du とし、範囲Aにおけるx,uをm,nに分割し(m,n
は正の整数、m≧n)、位置x1 〜xm の減耗量を
【数7】 とし、hに対応する行列をHm、fに対応する行列をF
m,n、tに対応する行列をTnとして、 Hm=Fm,n・Tn として、Fm,nの転置行列Ft n,mを両辺に乗じ、 Gn=En,n・Tn を得(ただし、Gn=Ft n,m・Hm、En,n=F
t n,m・Fm,n)、 Tn=E-1n,n・Gn からTnの要素t(u)を求めることを特徴とする。
【0020】本発明によれば、工具の滞留時間t(u)
を求める演算は、行列についての計算であるし、その行
列の行数及び列数を適当に選択すれば、演算に要する計
算量はそれほど大量のものとはならず、計算機の計算時
間を短いものとすることができる。また、この計算で求
められた解は、最小二乗法による解であり、最も真値に
近いものとなる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明の
実施の形態を説明する。図2乃至図4に本発明を適用し
た研磨装置を示す。本例において研磨装置は、図2に示
すように、筐体7の上面に設けられたベースプレート8
にレンズホールドユニット9を設けると共に研磨駆動手
段である研磨工具駆動ユニット10を設けている。
【0022】前記ホールドユニット9は、被加工物であ
るレンズ2が固定されるレンズホルダ1を有し、該レン
ズホルダ1は鉛直軸心を中心に回転自在に設けられてお
り、該レンズホルダ1の回転軸下端には被駆動プーリ1
1が設けてある。又、筐体7の内部にはレンズホルダ1
の回転用のモータ12が設けてあり、該モータ12の出
力軸に設けた駆動プーリ13と前記被駆動プーリ11と
はベルト14により連結されている。
【0023】前記研磨工具駆動ユニット10はガイドロ
ッド15に沿って昇降自在に設けられていると共に該ガ
イドロッド15と平行に設けられた螺子ロッド16に螺
合している。該螺子ロッド16は前記ベースプレート8
を回転自在に貫通し、該螺子ロッド16の下端に 従動
傘歯車17が固着されている。
【0024】該螺子ロッド16と直交する手動回転軸1
8は前記筐体7の側面を貫通し、該手動回転軸18の内
端には前記従動傘歯車17と噛合する入力傘歯車19を
固着し、手動回転軸18の外端にはハンドル42を固着
してある。
【0025】以下、研磨工具駆動ユニット10について
説明する。前記ガイドロッド15に摺動自在に嵌合し、
且前記螺子ロッド16に螺合する軸箱20には減速機2
1を介してサーボモータ22が取付けられている。又、
該軸箱20には揺動軸23が水平に回転自在に設けら
れ、該揺動軸23のレンズホールドユニット1側端部に
揺動アーム24を固着する。該揺動アーム24と前記減
速機21の出力軸とは図示しない歯車列によって連結さ
れている。
【0026】前記揺動アーム24にはスライドガイド2
5を介してスライドプレート26が昇降自在に設けてあ
る。該スライドプレート26の上端には、軸受ブロック
27を介して調整螺子28を回転自在に取付け、該調整
螺子28は前記スライドプレート26に固着した図示し
ないナットブロックに螺合してある。又、該調整螺子2
8の上端には調整バンド41が嵌着されている。
【0027】前記スライドプレート26の前記レンズホ
ールドユニット9に対峙する面に、スライドガイド29
を介して浮動プレート30を昇降自在に取付ける。該浮
動プレート30にスピンドルユニット31を取付け、該
スピンドルユニット31は前記レンズホルダ1の回転軸
と直交するスピンドル軸32を有している。又、該スピ
ンドル軸32の先端には例えば円盤状の研磨工具33を
嵌着する。
【0028】前記浮動プレート30のスピンドルユニッ
ト31の上側にスピンドル駆動モータ34を取付け、該
スピンドル駆動モータ34の出力軸(図示せず)と前記
スピンドル軸32の基端とはベルト(図示せず)によっ
て連結する。
【0029】前記スライドプレート26の両側端面にそ
れぞれガイド35を設け、該ガイド35にバランスウェ
イト36を摺動自在に設け、又スライドプレート26の
上端には滑車37を回転自在に設ける。前記浮動プレー
ト30に一端を係着したワイヤ38を前記滑車37に掛
回し、該ワイヤ38の他端を前記バランスウェイト36
に係着する。而して、該バランスウェイト36と浮動プ
レート30及び該浮動プレート30に取付けられたユニ
ット等とを重量バランスさせる。
【0030】又、前記スライドプレート26の上端に浮
動プレート30側に張出す庇板39を設け、該庇板39
にエアシリンダ40を取付け、該エアシリンダ40のロ
ッド先端を前記浮動プレート30に固着する。
【0031】次に、図4に於いて研磨工具駆動ユニット
10の駆動制御を行なう駆動制御手段と、研磨工具の滞
留時間の演算を行なう演算手段について説明する。本実
施例では、研磨工具駆動ユニット10のサーボモータ2
2には、駆動制御手段であるモータ制御機44が接続さ
れ、このモータ制御機44には、研磨装置全体の制御を
行なうとともに、演算手段として作動する例えばコンピ
ュータからなる主制御機44が接続されている。
【0032】そして、サーボモータ22は主制御器43
からの指令により、モータ制御器44を介して駆動され
るようになっており、該モータ制御器44にはサーボモ
ータ22に設けた回転検出器45からの回転速度信号が
入力されると共に、揺動アーム24の揺動角を検出する
揺動角検出器46からの揺動角信号が入力されるように
なっている。
【0033】尚、図4中、47は研磨条件等を入力する
為の操作板、48は研磨条件あるいは研磨状態を表示す
るための表示器である。
【0034】以下、本例にかかる研磨装置の作用につい
て説明する。まず、研磨を開始する前に前記操作盤47
により、研磨条件を前記主制御器43に入力する。研磨
条件は、レンズの曲面形状、揺動角、エアシリンダ40
の空気圧、研磨前の測定により得られた仕上曲面に対す
る誤差即ち目標とする減耗形状h(x)、研磨工具33
の単位除去形状f(x,u)、加工面分割数(m,n)
等である。
【0035】レンズ2のセッティング後、調整ハンドル
41を回し、円盤研磨工具33の揺動半径、即ちレンズ
2の基準曲面半径に合わせてスライドプレート26と揺
動アーム24との位置関係を大体に合わせる。
【0036】前記モータ12により駆動プーリ13、ベ
ルト14、被駆動プーリ11を介してレンズ2を回転さ
せ、レンズ2が回転している状態で、又スピンドル駆動
モータ34を駆動し、スピンドル軸32を介して円盤研
磨工具33をレンズ2に当接させ、更に研磨工具駆動ユ
ニット10の高さ調整、即ちスピンドル軸32と揺動軸
23との距離を調整する。該スピンドル軸32と揺動軸
23との距離が、研磨工具33の揺動半径となる。
【0037】次に、エアシリンダ40に圧縮空気を供給
し、該エアシリンダ40によって円盤研磨工具33をレ
ンズ2に押圧させる。該円盤研磨工具33のレンズ2の
接触圧は、円盤研磨工具33を支持している支持機構物
がバランスウェイト36によってバランスされているた
め、前記エアシリンダ40の加圧力のみとなる。
【0038】ここで、前記支持機構物30、31、…と
バランスウェイト36との関係を、第4図において説明
する。
【0039】スライドプレート26が揺動し、揺動角θ
になったとする。この時、支持機構物30、31、…の
重量wとバランスウェイト36の重量Wのレンズ加工面
に対する直角方向の重量成分を考えると、それぞれwc
osθ、Wcosθとなる。更に、支持機構物30、3
1、…の揺動抵抗、バランスウェイト36の揺動抵抗の
差がないとすると、w=Wより、 wcosθ=Wcosθ
【0040】従って、スライドプレート26の揺動状態
の如何に拘らず、研磨工具33のレンズ2への接触圧
は、前記エアシリンダ40による接触圧のみとなる。
【0041】そして、前記サーボモータ22を駆動し、
揺動軸23、揺動アーム24を介してスライドプレート
26を揺動させる。該スライドプレート26の揺動によ
って前記円盤研磨工具33がレンズ2に当接しつつ揺動
し、研磨点が半径方向に移動することでレンズ2の加工
面を所望の曲面に研磨していく。この時にサーボモータ
22が主制御器43で演算された研磨工具滞留時間t
(u)に基づいて運動を停止し、研磨工具が所定の半径
位置に所定の時間だけ滞留してレンズ2の研磨をおこな
う。
【0042】次に、研磨における研磨工具の滞留時間の
演算について説明する。この演算は上述したように、主
制御器43で実行される。この演算の理論は以下の通り
である。
【0043】かかる研磨の過程でレンズ2の半径方向の
任意の点での、減耗量Δhは、上述したように公知のプ
レストンの経験則により、次式のように表される。 Δh=η・p・v・t (ここで、η:比例定数、p:圧力、v:工具と加工物
の相対速度、t:工具滞留時間)
【0044】加工物上の位置をx、工具が滞留している
位置をu、単位除去形状をf(x,u)とすると、上述
したように Δh=f(x,u)・t(u) である。
【0045】そして、工具が加工物上の範囲Aを走査し
たときの減耗分布h(x)は、 h(x)=∫A f(x,u)・t(u)du …式1 であり、範囲Aにおけるx,uを十分小さくm,n(m
≧n)に分割すると位置x1 〜xm の減耗量は、式1よ
り、
【数8】 となるから、hに対応する行列をHm、fに対応する行
列をFm,n、tに対応する行列をTnとすると、 Hm=Fm,n・Tn である。
【0046】Fm,nの転置行列Ft n,mを両辺に乗
じると、 Gn=En,n・Tn となる。ただし、Gn=Ft n,m・Hm、En,n=
t n,m・Fm,nである。
【0047】よって、Tn=E-1n,n・Gnとなるか
ら、Tnの要素t(u)を求めることができる。ここ
で、実際の計算では負の解も存在するが、その場合0に
解を拘束して、再度計算しなおせばよい。
【0048】この計算で求められた解は、最小二乗法に
よる解であり、最も真値に近いものである。
【0049】図5は、本例における研磨工具の滞留時間
t(u)の演算の手順を示すフローチャートである。ま
ず、入力された条件からf(x1-m ,u1-n )、即ち、
各研磨点における単位除去形状を与える。この値は実測
または計算によって予め求めておく(ST1)。
【0050】そして、このfを要素とする行列Fm,n
を作成し(ST2)、さらにこの行列Fm,nの転置行
列Ft n,mを計算する(ST3)。次に、ST4で与
えられた目標減耗形状h(xm )から、hを要素とした
行列Hmを作成し(ST5)、行列Fm,n、行列Hm
の左から、上記Ft n,mを乗じ(ST6)、Ft n,
m×Fn,mの逆行列Gnを計算する(ST7)。そし
てFt n,m×Hmの左から上記逆行列Gnを乗じるこ
とにより(ST8)、T(x1-m )即ち、各位置におけ
る研磨工具の滞留時間t(u)を得ることができる(S
T9)。
【0051】この時T(x1-m )に負の解が存在する時
には負解を与えるGnの要素を0に固定することによ
り、再びST8からST9を繰り返す(ST11)。
【0052】計算量に関しては、xとuの分割数(m,
n)が問題となるが、10〜100分割すれば十分精密
な解が得られることが実験上判明しており、また、市販
のパソコンによれば計算時間は数分程度であった。
【0053】従って、レンズ2の回転速度、円盤研磨工
具33の回転速度、エアシリンダ40の空気圧を所定の
値に保持しておけば、時間T(x1-m )を制御すること
で、レンズ曲面を所望の状態に研磨することができる。
【0054】なお、上記例では研磨工具の加圧手段とし
て、エアシリンダを用いたが、スプリング等を用いても
よい。また、ここでは回転対称加工物の断面形状(2次
元)に関して説明したが、行列の要素を増やすことによ
り、3次元形状にも対応可能である。また、研磨工具の
移動は、計算された時間だけ所定位置に滞留して、次の
場所へステップ移動するように制御してもよいし、ま
た、滞留時間を移動速度に換算して研磨工具を連続的に
変速移動させるように制御してもよい。
【0055】
【実施例】以下本発明に係る研磨方法及び研磨装置の第
1の実施例を説明する。図4乃至図9はこの本実施例の
設定条件及び結果を示すものである。この例は図6に示
すように、円盤状の回転研磨工具51(直径50mm)
の側面でガラスである被加工物52の研磨を行なうもの
である。
【0056】この例において単位除去形状の断面実測値
f(u)は、図7に示すようなものであった。尚、図7
に示した形状は研磨時間30秒のものであるので、単位
除去形状はこの減耗量を単位時間(1秒)に換算したも
のを使用した。
【0057】また、図8に回転加工物研磨減耗分布の断
面シミュレーション値を示す。図8において、は入力
したデータである形状の実測値、及び目標とする減耗形
状を示し、は最適として計算した研磨工具の滞留時間
による研磨後の最終的な総合減耗分布の予想値、は各
位置での減耗量の予想値である。図9に滞留時間計算値
を示す。
【0058】また、図10に実験結果を示している。こ
の例では、未研磨(ブランク)、研磨開始25分後、さ
らに10分後の2回の加工途中、さらに6分後の研磨完
了時の形状の理論曲線からの偏差で表示している。この
実施例によれば、演算に基づく研磨工具の滞留時間によ
り、満足すべき研磨結果を得た。
【0059】次に本発明の他の実施例を説明する。この
例では、図11(1)に示すように円盤状の回転研磨工
具61(直径10mm)の底面で被加工物62の研磨を
行なうものである。図11(2)はこの回転研磨工具6
2の被加工物62上での一点で回転させて研磨した単位
除去形状の概略を示すものである。なお、図11(2)
では、被加工物上での減耗量を0.5μmとする。そし
て、図12は、5.04μmの均等減耗を与える滞留時
間分布を示す。図13に減耗シミュレーション値で、被
加工物62上の各点での減耗分布(図13の、なお、
プリンタの印刷の結果をそのまま示したため、各点での
減耗分布の詳細は明瞭には表示されていない)を示して
いる。所定領域において積分した結果5.04μmの形
状変化(図13の)が達成されることを示している。
なお、被加工物62の有効範囲(15mm直径、図13
の)を確実に確保するために研磨する領域を21mm
としている。
【0060】
【発明の効果】以上説明した、本発明によれば、研磨工
具を当接させる被加工物加工面を所定の大きさで分割
し、研磨工具の単位除去形状と、目標とする減耗分布を
与えて、最小二乗法により研磨工具の滞留時間を求める
こととしたので、短い計算時間で十分に正確な滞留時間
についての解を得ることができ、精密な研磨加工を実現
できるという効果を奏する。
【0061】また、単位除去形状は任意のものでもよ
く、研磨機の回転数、速度、圧力、研磨時間等の制限を
緩和でき、回転加工物に対しても容易に適用できるとい
う効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理図説明図であり、(1)は研磨方
法の処理の流れを、(2)は研磨装置の基本構成を示
す。
【図2】本発明にかかる研磨装置の実施の形態の1例を
示す正面図である。
【図3】図2に示した研磨装置の前側面を示す側面図で
ある。
【図4】図2に示した研磨装置の制御系を示すブロック
図である。
【図5】図2に示した研磨装置の作動を示すフローチャ
ートである。
【図6】本発明の第1の実施例に使用した研磨工具を示
す図である。
【図7】図6に示した研磨工具による単位除去形状の測
定値を示す図である
【図8】図7に示した研磨工具での研磨の減耗分布の断
面シミュレーション値を示す図である。
【図9】図7に示した研磨工具での滞留時間の計算値を
示す図である。
【図10】図7に示した工具で図9に示した滞留時間で
行った研磨の状態を示す図である。
【図11】本発明の第2の実施例を示す図であり、
(1)はこの実施例に使用した研磨工具を、(2)は
(1)に示した研磨工具の単位除去形状を示す図であ
る。
【図12】図11(1)に示した研磨工具での滞留時間
の計算値を示す図である。
【図13】図11(1)に示した研磨工具での研磨の減
耗分布のシミュレーション値を示す図である。
【符号の説明】
101 研磨駆動手段 102 駆動制御手段 103 演算手段

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被加工物の加工面に研磨工具を接触さ
    せ、被加工物を研磨するに際して、被加工物の面形状デ
    ータと設計形状データとの差である減耗形状h(x)
    と、予め求めておいた研磨工具の単位除去形状f(x,
    u)とから、研磨工具の被加工物の各研磨点での滞留時
    間t(u)を演算で求め、該滞留時間に基づいて研磨工
    具で被加工物の研磨をおこなう研磨方法において、 前記研磨工具を当接させる前記被加工物の加工面を複数
    の領域に分割し、h=η・v・p・t(h:減耗量、
    η:比例定数、v相対速度、p:圧力、t滞留時間)な
    るプレストンの経験則に基づいて、 最小二乗法による演算で前記研磨工具の滞留時間t
    (u)を求めることを特徴とする研磨方法。
  2. 【請求項2】 上記研磨工具の滞留時間を求める演算
    は、研磨における減耗量Δhを加工面の位置xで表し、
    単位除去形状をf(x,u)とし、工具が滞留している
    位置をuとしたとき、 Δh(x)=f(x,u)・t(u) とし、 研磨する所定領域Aのなかで工具が移動するときの減耗
    形状h(x)を、 h(x)=∫A Δh(x)du=∫A f(x,u)・t
    (u)du とし、 範囲Aにおけるx,uをm,nに分割し(m,nは正の
    整数、m≧n)、 位置x1 〜xm の減耗量を 【数1】 とし、hに対応する行列をHm、fに対応する行列をF
    m,n、tに対応する行列をTnとして、 Hm=Fm,n・Tn として、 Fm,nの転置行列Ft n,mを両辺に乗じ、 Gn=En,n・Tn を得て(ただし、Gn=Ft n,m・Hm、En,n=
    t n,m・Fm,n)、 Tn=E-1n,n・Gn からTnの要素t(u)を求めることを特徴とする請求
    項1記載の研磨方法。
  3. 【請求項3】 被加工物の加工面に研磨工具を接触させ
    て、被加工物を研磨する研磨駆動手段と、被加工物の面
    形状データと設計形状データとの差である減耗形状h
    (x)と、予め求めておいた研磨工具の単位除去形状f
    (x,u)とから、研磨工具の被加工物の各研磨点での
    滞留時間t(u)を演算で求める演算手段と、上記演算
    手段が求めた該滞留時間に基づいて上記研磨駆動手段を
    駆動制御する駆動制御手段とを備えた研磨装置におい
    て、 上記演算手段は、前記研磨工具を当接させる前記被加工
    物の加工面を複数の領域に分割し、h=η・v・p・t
    (h:減耗量、η:比例定数、v相対速度、p:圧力、
    t滞留時間)なるプレストンの経験則に基づいて、 最小二乗法による演算で前記研磨工具の滞留時間t
    (u)を求めることを特徴とする研磨装置。
  4. 【請求項4】 上記研演算手段は、研磨における減耗量
    Δhを加工面の位置xで表し、単位除去形状をf(x,
    u)とし、工具が滞留している位置をuとしたとき、 Δh(x)=f(x,u)・t(u) とし、 研磨する所定領域Aのなかで工具が移動するときの減耗
    形状h(x)を、 h(x)=∫A Δh(x)du=∫A f(x,u)・t
    (u)du とし、 範囲Aにおけるx,uをm,nに分割し(m,nは正の
    整数、m≧n)、 位置x1 〜xm の減耗量を 【数2】 とし、hに対応する行列をHm、fに対応する行列をF
    m,n、tに対応する行列をTnとして、 Hm=Fm,n・Tn として、 Fm,nの転置行列Ft n,mを両辺に乗じ、 Gn=En,n・Tn を得て(ただし、Gn=Ft n,m・Hm、En,n=
    t n,m・Fm,n)、 Tn=E-1n,n・Gn からTnの要素t(u)を求めることを特徴とする請求
    項3記載の研磨装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003070427A3 (de) * 2002-02-21 2004-03-04 Asphericon Gmbh Verfahren zum nachschleifen und polieren von freiformflächen, insbesondere von rotationssymmetrischen asphärischen optischen linsen
DE19756960B4 (de) * 1997-12-20 2011-06-09 Asphericon Gmbh Verfahren zum Bearbeiten von rotationssymmetrischen Funktionsflächen
CN104493665A (zh) * 2014-12-30 2015-04-08 中国科学院长春光学精密机械与物理研究所 一种用于抛光的多路径融合方法

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