JPH0967185A - 高粘度・高成分ペースト状肥料 - Google Patents

高粘度・高成分ペースト状肥料

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JPH0967185A
JPH0967185A JP8158676A JP15867696A JPH0967185A JP H0967185 A JPH0967185 A JP H0967185A JP 8158676 A JP8158676 A JP 8158676A JP 15867696 A JP15867696 A JP 15867696A JP H0967185 A JPH0967185 A JP H0967185A
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JP8158676A
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Koji Taguchi
浩司 田口
Toshiharu Aibe
俊治 相部
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Katakura and Co Op Agri Corp
Original Assignee
Katakura Chikkarin Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 天然の有機物質及び/又は繊維形状をしたタ
ンパク分解物、ならびに合成高分子及び/又は天然高分
子の添加剤を含み、窒素、リン酸及びカリの三成分の合
計含有量が40%以上であり、かつ粘度が10万cp以
上であることを特徴とする高粘度・高成分ペースト状肥
料。 【解決手段】 土中での拡散、流亡が少なく、肥効の持
続性が高く、なおかつ長期保管中の結晶や析出物の発生
が防止され、粘性の経時的変化も抑制された高粘度・高
成分ペースト状肥料が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、性状の変化が少な
く、また、緩効的肥効を有し、窒素、リン酸及びカリの
三成分を高濃度で含有するとともに、水稲の側条施肥栽
培を始め、畑作物の局所施肥に有用な高粘度のペースト
状肥料に関する。
【0002】
【従来の技術】肥料の有効利用や、環境の保全の面から
局所施肥技術が注目され、施肥機によって所定の位置に
容易かつ正確に施肥する水稲の側条施肥法や、畑作物へ
の局所施肥法が普及されつつある。これらの施肥法に用
いられる肥料としては、低粘性(1000cp〜300
0cp程度)で、窒素、リン酸及びカリの三成分の合計
含有量が30〜38%のペースト状肥料が主体となって
いる。
【0003】ペースト状肥料は、液体肥料とは異なり、
肥料原料を完全に溶解させたものではなく、廃糖蜜アル
コール発酵廃液濃縮物又はその類似液に、肥料固体原料
を分散、懸濁させた複合肥料であるが、貯蔵や輸送中に
固液分離、結晶析出、粘性の変化等が起こり、その性状
の不安定さが問題になっている。また、現行のペースト
状肥料は低粘性であり、成分含量が低いため、袋詰めし
た場合等にハンドリングに難点があったり、機械施肥時
に肥料補給を頻繁に行なわなければならない等の問題が
ある。
【0004】さらには、近年、施肥技術及び施肥機の進
歩に伴って、追肥を省略した基肥中心の技術が要望され
ているが、従来のペースト状肥料は速効性であり、かつ
低粘性のため、土中で容易に拡散、流亡し、肥料の利用
効率の低下とともに、環境への影響が懸念されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、土中
での拡散、流亡が少なく、肥効の持続性が高く、さらに
は施肥機への肥料補給も省力化できる、性状の安定した
高粘度・高成分ペースト状肥料を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者らは、窒素、リン酸及びカリの三成分
の合計含有量を40%以上とするとともに、粘性を10
万cp以上のマヨネーズ状〜軟らかいあんこ状の高粘度
とし、即ち機械施肥が可能な程度まで粘性を極力高め、
遊離水分を減少させることによって、長期保管中の結晶
や析出物の発生が防止されるとともに、粘性の経時的変
化も抑制されたペースト状肥料が得られることを見出す
とともに、該ペースト状肥料は、土中での拡散、流亡が
少なく、肥効の持続性が高く、さらには施肥機への肥料
補給も省力化できることを見出し、本発明を完成した。
【0007】即ち、本発明は、天然の有機物質及び/又
は繊維形状をしたタンパク分解物、ならびに合成高分子
及び/又は天然高分子の添加剤を含み、窒素、リン酸及
びカリの三成分の合計含有量が40%以上であり、かつ
粘度が10万cp以上であることを特徴とする高粘度・
高成分ペースト状肥料である。以下、本発明を詳細に説
明する。
【0008】本発明の高粘度・高成分ペースト状肥料が
含み得る天然の有機物質としては、タンパク質、アミノ
酸、糖類、ガム質などが挙げられる。タンパク質として
は、動物由来のタンパク質であるゼラチン、ニカワ、皮
革、魚鱗等の膠質タンパクや、魚粕、肉粕に代表される
筋繊維性のタンパク質があり、植物由来のタンパク質と
しては、大豆タンパクやトウモロコシタンパク、その他
に発酵菌体由来のタンパク質などが挙げられる。アミノ
酸としては、自然界に広く存在するL型のアミノ酸の他
に、微生物細胞壁に多く含まれるD−アラニン、D−グ
リシンなどのアミノ酸が挙げられる。糖類としては、単
糖類のグルコース、フルクトース等の他に、二糖類のシ
ュークロース、さらには各種の発酵及び醸造過程で増殖
する発酵菌が菌体外に分泌する菌体外粘質多糖などが例
示される。
【0009】これらが合成あるいは天然の高分子とファ
ンデルワールス力や水素結合等で相互に作用し、該肥料
組成物の状態維持に貢献すると推察される。それらは単
独で又は適宜混合して用いることができるが、好ましく
はゼラチン、大豆タンパク、発酵菌体外多糖又は発酵菌
体タンパクを使用する。本発明の高粘度・高成分ペース
ト状肥料が含み得る、繊維形状をしたタンパク分解物
は、例えばタンパク質含有原料をアルカリ分解して得ら
れる。以下、その製造方法の一例を具体的に説明する。
【0010】使用することのできるタンパク質含有原料
としては、アルカリ分解によって繊維形状をしたタンパ
ク分解物が得られるものであればいかなるものであって
もよいが、その中でもゼラチン、ニカワ、大豆乳などの
高タンパク含有物や、廃糖蜜アルコール発酵廃液濃縮
物、ウイスキー醸造廃液濃縮物、トウモロコシ澱粉製造
廃液(CSL)、各種抗生物質抽出廃液、農産物製造カ
ス類、その他羊毛、絹、羽毛、カゼイン、大豆タンパク
なども挙げられる。これら原料は1種又は2種以上を併
用することもできる。
【0011】上記タンパク質含有原料中のタンパク濃度
を所定値に調整した後、アルカリ溶液により、pH12〜
13、温度40〜50℃で12〜24時間アルカリ分解
することによって、螺旋構造を有するポリペプチド鎖の
繊維形状をしたタンパク質分解物含有液が得られる。ア
ルカリ分解に使用するアルカリ剤としては、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム、アンモニアなどの強アルカリ
剤が効果的である。上記条件の中でも特に分解時間が重
要であり、pH12〜13、温度40〜50℃の範囲内で
あっても分解時間が12時間未満では、分解液の粘性は
高まるが、螺旋構造を有する繊維形状をしたタンパク分
解物は生成され難い。一方、24時間を超えると、繊維
形状をしたタンパク分解物の生成は飽和状態となるた
め、それ以上の時間をかけるのは経済的に得策ではな
い。また、分解時間が12〜24時間の範囲内であって
も、pH12〜13、温度40〜50℃の範囲を外れてア
ルカリ分解を行うと、得られる繊維形状をしたタンパク
分解物は僅少である。
【0012】本発明の高粘度・高成分ペースト状肥料
は、上記天然の有機物質及び繊維形状をしたタンパク分
解物の少なくとも一方を含有していればよく、両方を含
有していてもよい。また、本発明の高粘度・高成分ペー
スト状肥料は、合成高分子及び/又は天然高分子の添加
剤を含む。合成高分子には、例えばカルボキシメチルセ
ルロース(CMC)、ポリアクリルアミド、ポリアクリ
ル酸ナトリウム、ポリビニルアルコールなどがあり、ま
た、天然高分子には、例えば小麦澱粉、トウモロコシ澱
粉、タピオカ澱粉、サゴ澱粉、サイリウムシードガム、
コンニャクマンナン等の植物澱粉、グアガム、ローカス
トビーンガム、アルギン酸ナトリウム等があり、目的と
する粘性度によって種類、添加量が選択される。この
際、合成高分子及び天然高分子が水溶性のものであれ
ば、それらを単独で、又は2種以上を適切な比率で組み
合わせて使用することにより、所望の粘度及び性状を有
するペースト状肥料を容易に得ることができる。
【0013】本発明の高粘度・高成分ペースト状肥料
は、窒素、リン酸及びカリの三成分の合計含有量が40
%以上、好ましくは40〜48%であるが、そのような
含有量とするには、以上説明した天然の有機物質、繊維
形状をしたタンパク分解物及び高分子添加剤に対して、
尿素、リン酸アンモニウム、IBDU、ジシアンジアミ
ド、CDU、ウレアホルム、塩化カリウム等の肥料原料
を適切な比率で混合すればよい。窒素、リン酸及びカリ
の三成分の合計含有量が40%以上となる態様として
は、窒素:リン酸:カリが18:12:12で合計42
%、12:18:12で合計42%、16:10:16
で合計42%、15:15:15で合計45%等があ
る。なお、三成分をこのような比率で含有する試作品の
pHは5.5〜7.2の範囲にあった。
【0014】また、本発明の高粘度・高成分ペースト状
肥料の粘度は10万cp以上であり、好ましくは50万
〜250万cpである。本発明における粘度の測定値
は、ヘリパススタンド及びT字形スピンドルを着装した
回転粘度計によって得られる値である。このような粘度
にするには、該ペースト状肥料に対して、高分子添加剤
を適切な比率で混合すればよい。具体的な例としては、
50万cpを得るには高分子添加剤を0.1〜1.0重
量%添加すればよく、250万cpを得るには高分子添
加剤を0.5〜3.0重量%添加すればよい。
【0015】本発明の高粘度・高成分ペースト状肥料の
製造は、常法によって行えばよいが、連続的に良好なペ
ースト状肥料を得るには、特公平2-29640 号公報記載の
方法によって行うのが好ましい。以下、具体的に説明す
る。まず、肥料原料である尿素、リン酸アンモニウム、
IBDU、ジシアンジアミド、CDU、ウレアホルム、
塩化カリウム等を、所定の肥料成分を与えるように配合
する。これらの肥料原料は、粉砕して粉状で用いるのが
好ましい。次に、天然の有機物質及び/又は繊維形状を
したタンパク分解物を含むアルカリ分解液を有機液体原
料として、上記肥料原料とともに湿式粉砕機で連続的に
微粉砕してペースト状とする。合成高分子の添加剤はい
ずれの段階で添加してもよいが、天然高分子の添加剤
は、系が中性ないしは酸性の条件下で添加する。これら
の添加剤は、得られるペースト状肥料の粘度が10万c
p以上、好ましくは50万〜250万cpとなるような
量を添加する。性状的には、マヨネーズ状〜軟らかいあ
んこ状となる。
【0016】以上のようにして得られる本発明の高粘度
・高成分ペースト状肥料は、以下のような利点を有す
る。 窒素、リン酸及びカリの三成分の合計含有量が40%
以上の高含量であるため、従来の肥料に比較して少量の
施用で多量の肥料成分を供給することができる。 高成分でありながら、固液分離及び結晶発生がなく、
経時的な変化の少ない安定した性状及び粘性を有し、機
械施肥にも適応する。 粘性が高いため、水田に施用した場合には溶脱、流亡
等による損失が少なく、肥効が持続する。また、施肥部
分に長く留まるだけでなく、徐々に放出され、緩効的肥
効発現をも特徴とする。 畑地に施用した場合にも、肥料成分が作物根圏の局所
に留まり、作物根圏全体の浸透圧や電気伝導度を一律に
増加させることがないため、肥料成分の供給量が多いに
もかかわらず、根圏を健全に保つことができる。 上記のような直接的な効果とあいまって、施肥成分が
いたずらに拡散しないので地下水や河川の汚染軽減に資
する等の間接的な効果を有する。
【0017】上記のとおり、本発明の肥料は我が国の食
料生産の基盤である水田はもとより、畑地においても卓
越した効果を発揮する。
【0018】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定される
ものではない。 (実施例1)尿素26.5部、リン酸一アンモニウム2
7.5部及び塩化カリウム21.5部を配合し、肥料原
料とした。一方、廃糖蜜アルコール発酵廃液濃縮物1
9.5部を水酸化カリウム4.5部によりアルカリ分解
し、有機液体原料とした。この有機液体原料と上記肥料
原料とを湿式粉砕機で連続的に微粉砕し、得られたペー
スト状肥料の中間産物に合成高分子(ポリアクリル酸ナ
トリウム)0.5部を混合して、ペースト状肥料(15
−15−15)を製造した。得られたペースト状肥料の
粘度は約100万cpであった。
【0019】(実施例2)尿素26.5部、リン酸一ア
ンモニウム27.5部及び塩化カリウム21.5部を配
合し、肥料原料とした。一方、廃糖蜜アルコール発酵廃
液濃縮物19.0部を水酸化カリウム4.5部によりア
ルカリ分解し、有機液体原料とした。この有機液体原料
と上記肥料原料とを湿式粉砕機で連続的に微粉砕し、弱
酸性のペースト状肥料の中間産物を得た。この中間産物
に、更に合成高分子(ポリアクリル酸ナトリウム)0.
5部及び天然高分子(小麦澱粉)0.5部を混合し、ペ
ースト状肥料(15−15−15)を製造した。得られ
たペースト状肥料の粘度は約170万cpであった。
【0020】(実施例3)尿素20.0部、ウレアホル
ム7.5部、リン酸一アンモニウム27.5部、塩化カ
リウム21.5部、水酸化カリウム4.5部、廃糖蜜ア
ルコール発酵廃液濃縮物18.5部及び合成高分子(C
MC)0.5部を用い、実施例1と同様にしてペースト
状肥料(15−15−15)を製造した。得られたペー
スト状肥料の粘度は約150万cpであった。
【0021】(実施例4)尿素20.0部、ウレアホル
ム7.5部、リン酸一アンモニウム27.5部、塩化カ
リウム21.5部、水酸化カリウム4.5部及び廃糖蜜
アルコール発酵廃液濃縮物18.0部を用い、実施例2
と同様にして弱酸性のペースト状肥料の中間産物を得
た。この中間産物に、更に合成高分子(CMC)0.3
部及び天然高分子(タピオカ澱粉)0.7部を混合し、
ペースト状肥料(15−15−15)を製造した。得ら
れたペースト状肥料の粘度は約200万cpであった。
【0022】(実施例5)尿素19.5部、ウレアホル
ム7.5部、リン酸一アンモニウム27.5部、塩化カ
リウム22.0部、水酸化カリウム4.5部、廃糖蜜ア
ルコール発酵廃液濃縮物9.0部及びトウモロコシ澱粉
製造廃液9.5部を用い、実施例2と同様にして弱酸性
のペースト状肥料の中間産物を得た。この中間産物に、
更に合成高分子(CMC)0.1部及び天然高分子(タ
ピオカ澱粉)0.4部を混合し、ペースト状肥料(15
−15−15)を製造した。得られたペースト状肥料の
粘度は約250万cpであった。
【0023】(実施例6)尿素19.8部、ウレアホル
ム7.5部、リン酸一アンモニウム27.5部、塩化カ
リウム21.5部、水酸化カリウム4.5部、廃糖蜜ア
ルコール発酵廃液濃縮物9.2部及び大豆乳漿9.3部
を用い、実施例2と同様にして弱酸性のペースト状肥料
の中間産物を得た。この中間産物に、更に合成高分子
(CMC)0.1部及び天然高分子(タピオカ澱粉)
0.6部を混合し、ペースト状肥料(15−15−1
5)を製造した。得られたペースト状肥料の粘度は約2
10万cpであった。
【0024】(実施例7)尿素20.7部、ウレアホル
ム5.0部、リン酸一アンモニウム27.0部、塩化カ
リウム21.5部、水酸化カリウム4.5部、廃糖蜜ア
ルコール発酵廃液濃縮物16.9部及びゼラチン4.0
部を用い、実施例2と同様にして弱酸性のペースト状肥
料の中間産物を得た。この中間産物に、更に合成高分子
(CMC)0.1部及び天然高分子(タピオカ澱粉)
0.3部を混合し、ペースト状肥料(15−15−1
5)を製造した。得られたペースト状肥料の粘度は約2
30万cpであった。
【0025】(実施例8)尿素21.3部、ウレアホル
ム5.0部、リン酸一アンモニウム27.0部、塩化カ
リウム21.5部、水酸化カリウム4.5部、廃糖蜜ア
ルコール発酵廃液濃縮物16.3部及びフェザーミール
4.0部を用い、実施例2と同様にして弱酸性のペース
ト状肥料の中間産物を得た。この中間産物に、更に合成
高分子(CMC)0.1部及び天然高分子(タピオカ澱
粉)0.3部を混合し、ペースト状肥料(15−15−
15)を製造した。得られたペースト状肥料の粘度は約
250万cpであった。
【0026】(比較例1)尿素26.5部、リン酸一ア
ンモニウム27.5部及び塩化カリウム21.5部を配
合し、肥料原料とした。一方、廃糖蜜アルコール発酵廃
液濃縮物20.0部を水酸化カリウム4.5部によりア
ルカリ分解し、有機液体原料とした。この有機液体原料
と上記肥料原料とを湿式粉砕機で連続的に微粉砕し、ペ
ースト状肥料(15−15−15)を製造した。得られ
たペースト状肥料の粘度は約7万cpであった。
【0027】(比較例2)尿素26.5部、リン酸一ア
ンモニウム27.5部、塩化カリウム21.5部、水酸
化カリウム4.5部、廃糖蜜アルコール発酵廃液濃縮物
19.0部及びCa型ベントナイト1.0部を用い、実
施例1と同様にしてペースト状肥料(15−15−1
5)を製造した。得られたペースト状肥料の粘度は約9
万cpであった。
【0028】〔試験例1〕実施例1〜8で得られた高粘
度・高成分ペースト状肥料の物理的性状を、比較例1〜
2で得られたペースト状肥料の物理的性状と比較検討し
た。具体的には、変温条件(−5℃18hr、10℃6
hr)下で30日間保存し、保存中の性状変化を調査し
た。結果を表1に示す。
【0029】
【表1】 表1から明らかなように、合成高分子又は天然高分子を
未添加の比較例1のペースト状肥料は粘性が不足し、時
間経過とともに固液分離が著しくなり、それにともなっ
て結晶が発生した。また、無機鉱物を添加した比較例2
のペースト状肥料も、時間経過とともに固液分離が発生
し、それにともなって結晶が発生した。一方、合成高分
子及び/又は天然高分子を適切な組み合わせで適量添加
した実施例1〜8のペースト状肥料は、性状がマヨネー
ズ状〜軟らかいあんこ状で、保存試験後の固液分離や結
晶発生等もなく、良好であった。
【0030】〔試験例2〕本発明の高粘度・高成分ペー
スト状肥料(実施例4)と低粘度ペースト状肥料(比較
例2)の水田状態での浸透水中への溶出性について、以
下の方法で試験した。内径9.2cmのカラムに、深さ
10cmになるように荒木田水田土壌を詰め、これに実
施例4及び比較例2の肥料を、表面より深さ2cmの位
置に、各々窒素量にして300mg相当量条施肥した。
このカラムに、土壌表面より3cm上部まで水を充満さ
せるとともに、下部から浸透水が100ml/日浸出す
るようにし、浸透水中の全窒素含量を経時的に定量し
た。結果を図1に示す。
【0031】図1から明らかなように、実施例4の高粘
度・高成分ペースト状肥料における試験開始後8日目ま
での浸透水中の積算全窒素含量は、比較例2のペースト
状肥料の積算全窒素含量に比べて著しく少ない。このよ
うに、本発明の高粘度・高成分ペースト状肥料は、湛水
条件下でも下方浸透による溶脱、流亡が著しく抑制され
るので、緩効的な肥効が期待される。
【0032】〔試験例3〕本発明の高粘度・高成分ペー
スト状肥料の緩効性を確認するため、以下の条件で水稲
を栽培し、肥効の特徴を比較検討した。1/560アー
ル容のボックス型ポットに、荒木田水田土壌を45.0
kg入れ、実施例4及び比較例2の肥料を5.0gN相
当量、稲体から横2cm、深さ5cmの位置に条施肥し
た。生育経過における茎数を図2に、葉色を図3に示
し、移植90日目の収量調査結果を表2に示す。
【0033】
【表2】 図2から明らかなように、比較例2の肥料区の茎数は栽
培初期に急激に増大し、栽培中期から茎数が減少して無
効茎数が多かった。一方、実施例4の肥料区では栽培初
期の茎数の増加は顕著ではなかったが、増加傾向は栽培
中期まで持続し、無効茎数が少なかった。また、図3か
ら明らかなように、比較例2の粘性の低いペースト状肥
料区の葉色は、移植20日後に最高値に達した後、緩や
かに低下した。それに対し、実施例4の高粘度ペースト
状肥料区では、移植30日後位まで高い葉色値が維持さ
れ、栽培後期においても低粘度肥料区より高かった。
【0034】また、収量は表2に示すように、実施例4
の肥料区が約30.3%優れていた。さらに各試験区と
も田面水には藻類の繁殖が観察されたが、比較例2の肥
料区では、田面水が濃緑色になる程藻類が増殖した。こ
れに対して実施例4の肥料区には、肉眼では藻類の発生
が認められなかった。このことから、比較例2の肥料区
では、肥料が田面水に拡散して、富栄養化し、藻類の増
殖が旺盛となったものと考えられる。
【0035】以上の結果より、本発明の高粘度・高成分
ペースト状肥料は、肥効が緩やかに発現し、かつ長期間
持続すること、さらに作物に対する肥料の利用率も高い
ことが判明した。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、土中での拡散、流亡が
少なく、肥効の持続性が高く、なおかつ長期保管中の結
晶や析出物の発生が防止され、粘性の経時的変化も抑制
された高粘度・高成分ペースト状肥料が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】カラム浸透水中の積算全窒素含量の推移を示す
グラフである。
【図2】水稲栽培試験における各区の茎数の推移を示す
グラフである。
【図3】水稲栽培試験における各区の葉色の推移を示す
グラフである。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天然の有機物質及び/又は繊維形状をし
    たタンパク分解物、ならびに合成高分子及び/又は天然
    高分子の添加剤を含み、窒素、リン酸及びカリの三成分
    の合計含有量が40%以上であり、かつ粘度が10万c
    p以上であることを特徴とする高粘度・高成分ペースト
    状肥料。
  2. 【請求項2】 前記天然の有機物質がタンパク質、アミ
    ノ酸及び糖類からなる群から選択される少なくとも1種
    であることを特徴とする請求項1記載の高粘度・高成分
    ペースト状肥料。
  3. 【請求項3】 前記繊維形状をしたタンパク分解物が、
    タンパク質含有原料をアルカリ分解してなるものである
    ことを特徴とする請求項1記載の高粘度・高成分ペース
    ト状肥料。
  4. 【請求項4】 前記合成高分子の添加剤が、カルボキシ
    メチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリアクリル
    酸ナトリウム及びポリビニルアルコールからなる群から
    選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求
    項1記載の高粘度・高成分ペースト状肥料。
  5. 【請求項5】 前記天然高分子の添加剤が、植物澱粉、
    グアガム、ローカストビーンガム及びアルギン酸ナトリ
    ウムからなる群から選択される少なくとも1種であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の高粘度・高成分ペースト
    状肥料。
  6. 【請求項6】 前記植物澱粉が、小麦澱粉、トウモロコ
    シ澱粉、タピオカ澱粉、サゴ澱粉、サイリウムシードガ
    ム及びコンニャクマンナンからなる群から選択される少
    なくとも1種であることを特徴とする請求項5記載の高
    粘度・高成分ペースト状肥料。
JP8158676A 1995-06-20 1996-06-19 高粘度・高成分ペースト状肥料 Pending JPH0967185A (ja)

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JP8158676A JPH0967185A (ja) 1995-06-20 1996-06-19 高粘度・高成分ペースト状肥料

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1108201C (zh) * 1998-08-07 2003-05-14 浙江大学 利用污泥热能烧制轻质砖的方法
JP2007326767A (ja) * 2006-05-12 2007-12-20 Daiichi Seimou Co Ltd メチオニン高濃度含有肥料
JP2009195830A (ja) * 2008-02-21 2009-09-03 Kurita Water Ind Ltd 重金属含有固体廃棄物の重金属固定化剤及び重金属固定化方法
CN104973980A (zh) * 2015-07-15 2015-10-14 黄冈师范学院 一种适用于山区栽培甜柿的配方基肥及施用方法
CN108821909A (zh) * 2018-07-02 2018-11-16 南宁市英德肥业有限责任公司 利用糖蜜腐殖酸生产有机无机花生专用肥及其制备方法

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