JPH0970289A - ヒトcrf2レセプター蛋白質、その製造法および用途 - Google Patents

ヒトcrf2レセプター蛋白質、その製造法および用途

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JPH0970289A
JPH0970289A JP7237081A JP23708195A JPH0970289A JP H0970289 A JPH0970289 A JP H0970289A JP 7237081 A JP7237081 A JP 7237081A JP 23708195 A JP23708195 A JP 23708195A JP H0970289 A JPH0970289 A JP H0970289A
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receptor protein
dna
crf
receptor
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JP7237081A
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Kuniji Hinuma
州司 日沼
Yasuaki Ito
康明 伊藤
Masashi Fukuzumi
昌司 福住
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Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】G蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードする
DNA断片のスクリーニングに有用なDNAプライマー
の提供、さらにヒトCRF2レセプター蛋白質、その製
造法および用途の提供。 【解決手段】公知のG蛋白質共役型レセプター蛋白質の
第3膜貫通領域または第7膜貫通領域のアミノ酸配列を
コードする塩基配列に共通する塩基配列に相補的なDN
A、該DNAを増幅しスクリーニングにより得られるD
NAにコードされるG蛋白質共役型レセプター蛋白質ま
たはその部分ペプチド、さらに、新規なヒトCRF2
セプター蛋白質、をコードするDNAを含有するDN
A、該ヒトCRF2レセプター蛋白質の製造方法、及び
スクリーニング用キットで得られるヒトCRF2レセプ
ターアゴニストまたはアンタゴニスト、及び該レセプタ
ーアゴニストまたはアンタゴニストを含有する医薬組成
物、該レセプター蛋白質またはその部分ペプチドに対す
る抗体に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリメラーゼ・チ
ェーン・リアクション用のDNAプライマーとして有用
な新規DNA、該DNAを用いるG蛋白質共役型レセプ
ター蛋白質をコードするDNAの増幅方法、該DNAを
用いるG蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードするD
NAのスクリーニング方法、該スクリーニング方法で得
られるDNAおよびスクリーニング方法で得られたDN
AにコードされるG蛋白質共役型レセプター蛋白質また
はその部分ペプチドに関する。さらに、本発明は、新規
なCRF2レセプター蛋白質、該蛋白質をコードするD
NAを含有するDNA、該CRF2レセプター蛋白質の
製造方法、および該蛋白質ならびにDNAの用途に関す
る。
【0002】
【従来の技術】G蛋白質共役型レセプター蛋白質は生体
の機能を調節する分子、例えばホルモン、神経伝達物質
および生理活性物質等の標的として非常に重要な役割を
担っている。それぞれの分子に対して特異的なレセプタ
ー蛋白質が存在し、それによって個々の生理活性物質の
作用の特異性、すなわち標的細胞・臓器、薬理作用、作
用強度、作用時間等を決定している。したがって、G蛋
白質共役型レセプター遺伝子あるいはcDNAをクロー
ニングすることができれば、G蛋白質共役型レセプター
の構造、機能、生理作用等の解明に役立つばかりでな
く、レセプターに作用する物質を探索することにより、
医薬品を開発するためにも役に立つと考えられている。
これまでいくつかのG蛋白質共役型レセプター遺伝子あ
るいはcDNAがクローニングされているが、また未知
のG蛋白質共役型レセプター遺伝子が数多く存在すると
考えられている。
【0003】これまでに知られているG蛋白質共役型レ
セプター蛋白質の特徴として、一次構造上に疎水性アミ
ノ酸残基のクラスターが7個配置し、それぞれの部分で
細胞膜を貫通していることがあげられる。この構造は公
知のG蛋白質共役型レセプター蛋白質すべてに共通であ
り、また、この膜貫通領域およびその近傍のアミノ酸配
列はしばしばレセプター間で高度に保存されていること
が知られている。未知の蛋白質がこのような構造を有す
る場合、G蛋白質共役型レセプター蛋白質の範疇に入る
ことを強く示唆する。また、一部のアミノ酸残基の配置
には共通性があり、これらを特徴としてさらにG蛋白質
共役型レセプター蛋白質であることが強く示唆される。
公知のG蛋白質共役型レセプター蛋白質の比較から得た
共通のアミノ酸配列をもとに合成DNAプライマーを合
成し、ポリメラーゼ・チェーン・リアクション法(以
下、PCR法と略称する場合がある)によって新規レセ
プター遺伝子の単離を行う方法がLibert F.らによって
報告されている(Science 244: 569-572; 1989)。この
報文において、Libert F.らは第3膜貫通領域および第
6膜貫通領域の部分に相当する一組の合成DNAプライ
マーを用いている。しかし、一般にPCR法に用いるプ
ライマーのデザインによって、増幅されるDNAの分子
種が規定される。また、アミノ酸配列の類似性をもとに
すれば、コドンの使用が異なった場合、プライマーの結
合に影響を及ぼし、その結果、増幅効率の低下が引き起
こされる。そのため、該DNAプライマーを用いて各種
の新規レセプター蛋白質のDNAが得られてはいるが、
すべてのレセプター蛋白質のDNAを増幅できるわけで
はない。
【0004】また、74種のG蛋白質共役型レセプター
蛋白質の第1膜貫通領域〜第7膜貫通領域に共通するア
ミノ酸配列がWilliam C. Probstらによって報告されて
いる(DNA AND CELL BIOLOGY, Vol/11, No.1, 1992, pp
1-20)。しかし、これらアミノ酸配列をコードするDN
Aに相補的なDNAプライマーを用いるPCR法によっ
て、新規なG蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードす
るDNAをスクリーニングする方法については示唆され
ていない。したがって、G蛋白質共役型レセプター蛋白
質またはそれをコードするDNAの共通の配列を利用し
て、新規なG蛋白質共役型レセプター蛋白質のより全長
に近い領域をコードするDNAを選択的に、かつ効率よ
くスクリーニングするためのPCR用DNAプライマー
の開発が望まれていた。G蛋白質共役型レセプター蛋白
質は生体の機能を調節する物質を研究し、医薬品として
開発を進める対象として非常に重要である。G蛋白質共
役型レセプター蛋白質を用い、レセプター結合実験およ
び細胞内情報伝達系を指標としたアゴニスト・アンタゴ
ニストの評価実験等を行うことによって、新規医薬候補
化合物の発見・開発を効率的に進めることができる。特
に、新規G蛋白質共役型レセプター蛋白質の存在を明ら
かにすれば、それに対する特異的な作用物質の存在が示
唆される。新規G蛋白質共役型レセプター蛋白質をコー
ドするDNAを効率的にスクリーニングし単離すること
ができれば、全コード領域を有するDNAの単離、発現
系の構築、作用するリガンドのスクリーニングを効率的
に進めることが可能となる。
【0005】Corticotropin-Releasing Factor(以下、
CRFと略称する)は、はじめ1981年にヒツジ視床
下部から単離されたアミノ酸41個から成るペプチド
で、下垂体からACTH/β-endorphin 分泌を促進す
る活性を有する。その作用機構は、CRFが下垂体前葉
のACTH産生細胞(Corticotroph)などのCRF標的
細胞の細胞膜表面に存在するCRFレセプターに結合
後、guanine nucleotide regulatory protein (G蛋白
質)を介して adenylate cyclase-cyclic AMP-prote
in kinase 系を活性化することによることが明らかにさ
れている〔Vale, W.et al.、サイエンス(Science)213
巻、1394頁、1981年〕。臨床的にも、合成CRFが下垂
体機能低下症や Cushing 症候群の診断に広く応用され
ている。一方、CRFレセプターは下垂体のみならず、
大脳皮質灰白質、大脳基底核、視床下部室傍核、中央隆
起外層、脳幹大脳神経核、オリーブ核、小脳神経核、小
脳皮質、嗅索、前障、扁桃、脊髄角など中枢神経系内に
広く分布している〔Vale, W.、コルチコトロピン・リリ
ージング・ファクター(Corticotropin Releasing Fact
or)、172巻、1-21頁、1993年〕。この分布はCRFニ
ューロン終末の分布とほとんど一致しており、CRFが
これらの部分で neurotransmitter あるいは neuromodu
later として作用しているものと考えられている。その
他、CRFレセプターは、副腎髄質、交感神経節、前立
腺、脾臓、肝臓、腎臓、睾丸、赤血球膜、脾マクロファ
ージにも存在し、ストレス時には、下垂体ACTH/β
-endorphin 分泌促進作用のみならず、これらのレセプ
ターを介して、行動、自律神経あるいは免疫系の反応な
どすべてのストレス適応反応に関与しているものと推測
されている。
【0006】中枢神経系に存在するCRFレセプターの
性状については、よく研究されていて例えばヒトCRF
レセプターcDNAはクローニングされており、動物細
胞(COS 7細胞〔Natalio Vita et al.、フェブス・
レターズ(FEBS Letters)、335巻、1-5頁、1993年〕、
COS 6M細胞〔Ruoping Chen et al.、プロシージン
グ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエ
ンス・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA)、
90巻、8967-8971頁、1993年〕)での発現も報告されて
いる。しかし、本CRFレセプター(以下、CRF1
セプターと記す)の体内での分布は、必ずしもCRFが
作用する場所と一致していないことが判明していた。例
えば、視床下部、脳幹、小腸、胃、精巣、心臓、骨格筋
などには、CRFが作用することが示唆されていたが、
CRF1レセプターは、ごくわずかしか存在しないか、
全く存在しないことが示されていた〔Owens, M. J., Ne
meroff, C. B.、ファーマコロジカル・レビュー(Pharma
col. Rev.) 43巻、425頁、1991年〕、〔Grunt, M. et a
l.、アメリカン・ジャーナル・オブ・フィジオロジー(A
m. J. Physiol.) 264巻、H1124頁、1993年〕、〔Wei,
E. T., Gao, G. C.、レギュラトリー・ペプチド(Regul.
Pept.) 33巻、93頁、1991年〕、〔Lenz, H.J. et a
l.、アメリカン・ジャーナル・オブ・フィジオロジー
(Am. J. Physiol.) 249巻、R85頁、1985年〕。これらの
ことから、CRF1レセプター以外にもCRFをリガン
ドとするレセプターが存在する可能性が考えられてい
た。
【0007】最近、相次いで、CRF1レセプターとは
異なるCRFレセプター(以下、CRF2レセプターと
記す)が、ラットおよびマウスからクローニングされた
〔Lovenberg, T. W. et al.、プロシージング・オブ・
ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンス・ユー
エスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA) 92巻、836頁、
1995年〕、〔Kishimoto, T. et al. 、プロシージング
・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエン
ス・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA)92巻、
1108頁、1995年〕、〔Perrin, M. et al. 、プロシージ
ング・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイ
エンス・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA) 9
2巻、2969頁、1995年〕。これによると、ラットCRF2
レセプターcDNAは411個のアミノ酸をコードして
おり、CRF1レセプターとは約70%の相同性を有す
る7回膜貫通型のG蛋白質共役型レセプターである。ま
たマウスCRF2レセプターは、431個のアミノ酸か
らなることが判明した(上記のマウスCRF2レセプタ
ーに関する論文中では、本明細書のCRF2レセプター
をheart/muscle(HM)−CRFレセプターまたはCRF
−レセプターBの用語で記載されている)。一方、ラッ
トとマウスで明らかにされたCRF2レセプターがヒト
でも存在するかどうかについてはまだ分かっていなかっ
た。
【0008】CRFは多くの末梢組織(例えば胎盤、副
腎髄質、膵臓、肺、胃、十二指腸、肝臓)に存在してお
り、またCRFおよびCRF類似ペプチドのソイベジン
やウロテンシンIの投与により、末梢組織の全身性の反
応が引き起こされることが示されている〔Lenz, H. J.
et al.、アメリカン・ジャーナル・オブ・フィジオロジ
ー(Am. J. Physiol.) 249巻、R85頁、1985年〕。上記の
ラットおよびマウスのCRF2レセプターの研究から、
中枢神経系の局所および末梢組織に分布しているCRF
レセプターは、CRF2レセプターであることが強く示
唆されている。以上のことから、CRF2レセプターに
対するアゴニストあるいはアンタゴニストは、中枢神経
系や末梢組織に作用する有用な薬物になり得ると期待さ
れる。ヒトの中枢神経系や末梢組織などに作用するよう
な医薬としてのCRF2レセプターに対するアゴニスト
あるいはアンタゴニストをスクリーニングしようとする
場合は、1次スクリーニングとしてはヒトのCRF2
セプターを発現している組織あるいは細胞を使ってその
レセプターに結合する物質をスクリーニングすることが
考えられるが、ヒトのCRF2レセプターが未確認でそ
のようなヒトの組織を入手することは事実上ほとんど不
可能である。また、ヒトCRF2レセプターを発現して
いるような培養細胞も知られていない。一方、ラットや
マウスのCRF2レセプターを発現している組織あるい
は細胞を使ってスクリーニングすることは可能である
が、この場合には動物種間でのレセプターの特性の違
い、いわゆるレセプターの種特異性が問題となってく
る。以上に加えて、ヒトのCRF2レセプターのcDN
Aが取得されていなかったため、ヒトCRF2レセプタ
ーのシグナル伝達について調べる手段が全くなかった。
【0009】このような問題を解決する手段として、ヒ
トCRF2レセプターcDNAをクローニングすること
ができれば、それを使って適当な手段によりヒトCRF
2レセプターを昆虫細胞や動物細胞等に発現させること
ができるので、ヒトのCRF2レセプターアゴニストあ
るいはアンタゴニストの探索および研究を大きく前進さ
せることができるものと考えられるが、ヒトCRF2
セプター蛋白質のcDNAについての知見は全くなかっ
た。すなわち、ヒトCRF2レセプター蛋白質を使用し
てCRF2レセプターのアゴニスト/アンタゴニストを
スクリーニングすることができれば、実験動物を用いる
ことの欠点(例えば、種が異なることにより、ヒトに対
して効果を発揮できない化合物が得られる可能性がある
ことなど)を克服することができ、ヒトに対して有効な
医薬の開発が効率よく行えるようになると期待される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、PCR用の
DNAプライマーとして有用な新規DNA、該DNAを
用いるG蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードするD
NAの増幅方法、該DNAを用いるG蛋白質共役型レセ
プター蛋白質をコードするDNAのスクリーニング方
法、該スクリーニング方法で得られるDNAおよびスク
リーニング方法で得られたDNAにコードされるG蛋白
質共役型レセプター蛋白質またはその部分ペプチドを提
供するものである。さらに、本発明は、ヒトの中枢神経
系や末梢組織などに作用するヒトのCRF2レセプター
アゴニストあるいはアンタゴニストのスクリーニングな
どに有用な新規ヒトCRF2レセプター蛋白質、該蛋白
質をコードするDNAおよび該蛋白質の製造法およびそ
の用途を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、効率よく
G蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードするDNAを
採取することができれば、その中に新規レセプター蛋白
質をコードするDNAが含まれていた場合にそれを遺伝
子組み換え技術によって発現させ、今後の研究、医薬品
開発に多大な効果を奏することができると考え、鋭意研
究を重ねた結果、公知のG蛋白質共役型レセプター蛋白
質の第3膜貫通領域または第7膜貫通領域をコードする
塩基配列の類似性に基づいて新規なDNAプライマーを
合成することに成功した。そして、これらのDNAプラ
イマーを用いてPCRを行うことによって予想外にもG
蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードするDNA(断
片)を効率よく増幅することに成功した。すなわち、本
発明者らは、該DNAプライマーを用いて各種DNAの
増幅、解析を行うことによって新規G蛋白質共役型レセ
プター蛋白質をコードするDNAを得ることができるこ
とを見いだした。
【0012】より具体的には、本発明者らは、公知のG
蛋白質共役型レセプター蛋白質の第3膜貫通領域および
第7膜貫通領域付近に共通するアミノ酸配列を選び、第
3膜貫通領域に共通するアミノ酸配列をコードするDN
Aプライマー(配列番号:1)、および第7膜貫通領域
付近に共通するアミノ酸配列をコードする塩基配列に相
補的なDNAプライマー(配列番号:2)を設計した。
これらのDNAプライマーは、これまでに報告されてい
る類似のDNAプライマーとは塩基配列が異なってお
り、新規なDNAプライマーである。特に、PCRにお
いて伸長反応が効率的に行うことができるように、プラ
イマーの3’末端部分に多くのレセプター蛋白質におい
て共通している塩基配列を使用している。その他の部分
においても塩基配列の類似性を活かし、なるべく多くの
レセプター蛋白質のDNAと塩基配列が一致するように
混合塩基部分を設定した。そして、本発明者らは、上記
したDNAプライマーを用いてヒト胃由来のcDNAを
PCRにより増幅することに成功し、その解析を進め
た。その結果、本発明者らは、新規G蛋白質共役型レセ
プター蛋白質をコードするヒト由来のcDNAを単離
し、その部分的な構造を決定することに成功した。そし
て、このcDNAは、ラットおよびマウスのCRF2
セプター蛋白質とDNAおよびアミノ酸配列の高い相同
性が認められたことから、ヒトの胃で発現機能している
新規なCRF2レセプター蛋白質をコードしているDN
Aであることを見いだした。これらの知見から、このD
NAを用いれば、完全長の翻訳枠を持つcDNAを入手
することができ、該レセプター蛋白質を製造することも
できる。さらに、該ヒトCRF2レセプター蛋白質をコ
ードするcDNAを適当な手段で発現させることによっ
て得られる該レセプター蛋白質を用いれば、レセプター
結合実験または細胞内セカンドメッセンジャーの測定等
を指標に、生体内あるいは天然・非天然の化合物から該
レセプター蛋白質に対するリガンドをスクリーニングす
ることができ、さらには、リガンドとレセプター蛋白質
との結合を阻害する化合物のスクリーニングを行うこと
もできる。
【0013】より具体的には、本発明者らは、〔図3〕
に示すヒト胃由来の新規なcDNA断片をPCR法によ
って増幅し、プラスミドベクターにサブクローニングし
た(phs−AH1)。その部分配列の解析から、該c
DNAが新規レセプター蛋白質をコードしていることが
明らかになった。この配列をアミノ酸配列に翻訳したと
ころ〔図3〕、第3、第4、第5、第6および第7膜貫
通領域が疎水性プロット上で確認された〔図4〕。ま
た、増幅されたcDNAのサイズも、公知のG蛋白質共
役型レセプター蛋白質の第3膜貫通領域と第7膜貫通領
域の間の塩基数と比較して同程度の約0.5kbであっ
た。G蛋白質共役型レセプター蛋白質はそのアミノ酸配
列にある程度の共通性を示し、一つの蛋白質ファミリー
を形成している。そこで、本件の新規レセプター蛋白質
DNA(phs−AH1に含まれるcDNA)によって
コードされるアミノ酸配列を用いてホモロジー検索を行
ったところ、公知のG蛋白質共役型レセプター蛋白質で
あるラットCRF2レセプター蛋白質(U1623
5)、マウスCRFレセプターB蛋白質(U1785
8)とそれぞれ96.6%および93.9%の相同性が認
められ〔図5〕、本件の新規レセプター蛋白質DNA
が、ヒトCRF2レセプター蛋白質をコードしているこ
とが判明した。さらにこれを基にPCR法を用いてヒト
CRF2レセプター蛋白質の全長をコードするcDNA
断片を取得し、ヒトCRF2レセプター蛋白質の全アミ
ノ酸配列を明らかにした〔図6および図7〕。
【0014】すなわち、本発明は、(1)配列番号:1
または配列番号:2で表わされる塩基配列と実質的に同
一の塩基配列を有することを特徴とするDNA、(2)
DNAがG蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードする
DNAのポリメラーゼ・チェーン・リアクションに用い
られるDNAプライマーである第(1)項記載のDN
A、(3)鋳型となるG蛋白質共役型レセプター蛋白質
をコードするDNAと第(1)項記載のDNAを混合し
てポリメラーゼ・チェーン・リアクションを行なうこと
を特徴とする該G蛋白質共役型レセプター蛋白質をコー
ドするDNAを増幅する方法、(4)第(1)項記載の
DNAをDNAプライマーとしてポリメラーゼ・チェー
ン・リアクションに用いることを特徴とするG蛋白質共
役型レセプター蛋白質をコードするDNAを含有するD
NAライブラリーからG蛋白質共役型レセプター蛋白質
をコードするDNAをスクリーニングする方法、(5)
第(4)項記載のスクリーニング方法で得られるG蛋白
質共役型レセプター蛋白質をコードするDNA、(6)
第(5)項記載のDNAにコードされるG蛋白質共役型
レセプター蛋白質、その部分ペプチドまたはそれらの
塩、
【0015】(7)配列番号:3で表わされるアミノ酸
配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含有することを特
徴とするヒトCRF2レセプター蛋白質またはその塩、
(8)配列番号:14で表わされるアミノ酸配列と実質
的に同一のアミノ酸配列を含有することを特徴とするヒ
トCRF2レセプター蛋白質またはその塩、(9)第
(7)項あるいは第(8)項記載のヒトCRF2レセプ
ター蛋白質の部分ペプチドまたはその塩、(10)第
(7)項あるいは第(8)項記載のヒトCRF2レセプ
ター蛋白質をコードする塩基配列を有するDNAを含有
するDNA、(11)配列番号:4で表される塩基配列
を有する第(10)項記載のDNA、(12)配列番
号:15で表される塩基配列を有する第(10)項記載
のDNA、(13)第(10)項記載のDNAを含有す
ることを特徴とするベクター、(14)第(13)項記
載のベクターを保持する形質転換体、(15)第(1
4)項記載の形質転換体を培養し、形質転換体の細胞膜
にヒトCRF2レセプター蛋白質を生成せしめることを
特徴とする第(7)項あるいは第(8)項記載のヒトC
RF2レセプター蛋白質またはその塩の製造方法、(1
6)第(7)項あるいは第(8)項記載のヒトCRF2
レセプター蛋白質もしくはその塩または第(9)項記載
の部分ペプチドもしくはその塩を用いることを特徴とす
るCRF2レセプターを活性化するアゴニストもしくは
その塩またはCRF2レセプターとCRFとの結合を拮
抗阻害するアンタゴニストもしくはその塩のスクリーニ
ング方法、(17)(i)第(7)項あるいは第(8)
項記載のヒトCRF2レセプター蛋白質もしくはその塩
または第(9)項記載の部分ペプチドもしくはその塩
に、リガンドを接触させた場合と(ii)第(7)項ある
いは第(8)項記載のヒトCRF2レセプター蛋白質も
しくはその塩または第(9)項記載の部分ペプチドもし
くはその塩に、リガンドおよび試験化合物を接触させた
場合との比較を行なうことを特徴とする、リガンドと第
(7)項あるいは第(8)項記載のヒトCRF2レセプ
ター蛋白質との結合を阻害する化合物またはその塩をス
クリーニングする方法、(18)第(7)項あるいは第
(8)項記載のヒトCRF2レセプター蛋白質もしくは
その塩または第(9)項記載の部分ペプチドもしくはそ
の塩を含有することを特徴とする、リガンドと第(7)
項あるいは第(8)項記載のヒトCRF2レセプター蛋
白質との結合を阻害する化合物またはその塩のスクリー
ニング用キット、(19)第(16)項もしくは第(1
7)項記載のスクリーニング方法または第(18)項記
載のスクリーニング用キットを用いて得られるヒトCR
2レセプターアゴニストまたはその塩、(20)第
(16)項もしくは第(17)項記載のスクリーニング
方法または第(18)項記載のスクリーニング用キット
を用いて得られるヒトCRF2レセプターアンタゴニス
トまたはその塩、(21)第(19)項記載のヒトCR
2レセプターアゴニストまたはその塩を含有すること
を特徴とする痴呆症、肥満症の予防・治療剤、ストレス
に対する適応促進剤、ACTH,β−エンドルフィン,
β−リポトロピンもしくはα−MSFの分泌促進剤、血
圧降下剤、気分や行動の調節剤、胃腸機能の調節剤、自
律神経系の調節剤、または下垂体,心血管系,消化管も
しくは中枢神経の機能検査薬、(22)第(20)項記
載のヒトCRF2レセプターアンタゴニストまたはその
塩を含有することを特徴とするストレスからくる鬱病・
不安・頭痛、炎症性疾患、免疫抑制、AIDS、アルツ
ハイマー病、胃腸障害、食欲不振、出血性ストレス、薬
物・アルコールの禁断症状、薬物依存症、生殖障害、ク
ッシング病または低血圧症の予防・治療剤、および(2
3)第(7)項あるいは第(8)項記載のヒトCRF2
レセプター蛋白質もしくはその塩または第(9)項記載
の部分ペプチドもしくはその塩に対する抗体を提供す
る。
【0016】より具体的には、(24)DNAが、配列
番号:1または配列番号:2で表される塩基配列、配列
番号:1または配列番号:2で表される塩基配列中の1
又は2個以上のヌクレオチドが欠失した塩基配列、配列
番号:1または配列番号:2で表される塩基配列に1ま
たは2個以上のヌクレオチドが付加した塩基配列、ある
いは配列番号:1または配列番号:2で表される塩基配
列中の1または2個以上のヌクレオチドが他のヌクレオ
チドで置換された塩基配列を有するDNAである第
(1)項記載のDNA、(25)蛋白質が、配列番号:
3で表されるアミノ酸配列、配列番号:3で表されるア
ミノ酸配列中の1または2個以上のアミノ酸が欠失した
アミノ酸配列、配列番号:3で表されるアミノ酸配列に
1または2個以上のアミノ酸が付加したアミノ酸配列、
あるいは配列番号:3で表されるアミノ酸配列中の1ま
たは2個以上のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたア
ミノ酸配列を含有する蛋白質である第(7)項記載のヒ
トCRF2レセプター蛋白質またはその塩、(26)蛋
白質が、配列番号:14で表されるアミノ酸配列、配列
番号:14で表されるアミノ酸配列中の1または2個以
上のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、配列番号:14
で表されるアミノ酸配列に1または2個以上のアミノ酸
が付加したアミノ酸配列、あるいは配列番号:14で表
されるアミノ酸配列中の1または2個以上のアミノ酸が
他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列を含有する蛋白
質である第(8)項記載のヒトCRF2レセプター蛋白
質またはその塩、
【0017】(27)標識したリガンドを第(7)項あ
るいは第(8)項記載のヒトCRF2レセプター蛋白質
もしくはその塩または第(9)項記載の部分ペプチドも
しくはその塩に接触させた場合と、標識したリガンドお
よび試験化合物を第(7)項あるいは第(8)項記載の
ヒトCRF2レセプター蛋白質もしくはその塩または第
(9)項記載の部分ペプチドまたはその塩に接触させた
場合における、標識したリガンドの第(7)項あるいは
第(8)項記載のヒトCRF2レセプター蛋白質もしく
はその塩または第(9)項記載の部分ペプチドもしくは
その塩に対する結合量を測定し、比較することを特徴と
するリガンドと第(7)項あるいは第(8)項記載のヒ
トCRF2レセプター蛋白質との結合を阻害する化合物
またはその塩のスクリーニング方法、(28)標識した
リガンドを第(7)項あるいは第(8)項記載のヒトC
RF2レセプター蛋白質を含有する細胞に接触させた場
合と、標識したリガンドおよび試験化合物を第(7)項
あるいは第(8)項記載のヒトCRF2レセプター蛋白
質を含有する細胞に接触させた場合における、標識した
リガンドの該細胞に対する結合量を測定し、比較するこ
とを特徴とするリガンドと第(7)項あるいは第(8)
項記載のヒトCRF2レセプター蛋白質との結合を阻害
する化合物またはその塩のスクリーニング方法、(2
9)標識したリガンドを第(7)項あるいは第(8)項
記載のヒトCRF2レセプター蛋白質を含有する細胞の
膜画分に接触させた場合と、標識したリガンドおよび試
験化合物を第(7)項あるいは第(8)項記載のヒトC
RF2レセプター蛋白質を含有する細胞の膜画分に接触
させた場合における、標識したリガンドの該細胞の膜画
分に対する結合量を測定し、比較することを特徴とする
リガンドと第(7)項あるいは第(8)項記載のヒトC
RF2レセプター蛋白質との結合を阻害する化合物また
はその塩のスクリーニング方法、(30)標識したリガ
ンドを第(14)項記載の形質転換体を培養することに
よって該形質転換体の細胞膜に発現したヒトCRF2
セプター蛋白質に接触させた場合と、標識したリガンド
および試験化合物を第(14)項記載の形質転換体を培
養することによって該形質転換体の細胞膜に発現したヒ
トCRF2レセプター蛋白質に接触させた場合におけ
る、標識したリガンドの該ヒトCRF2レセプター蛋白
質に対する結合量を測定し、比較することを特徴とする
リガンドと第(7)項あるいは第(8)項記載のヒトC
RF2レセプター蛋白質との結合を阻害する化合物また
はその塩のスクリーニング方法、(31)第(7)項あ
るいは第(8)項記載のヒトCRF2レセプター蛋白質
を活性化する化合物を第(7)項あるいは第(8)項記
載のヒトCRF2レセプター蛋白質を含有する細胞に接
触させた場合と、第(7)項あるいは第(8)項記載の
ヒトCRF2レセプター蛋白質を活性化する化合物およ
び試験化合物を第(7)項あるいは第(8)項記載のヒ
トCRF2レセプター蛋白質を含有する細胞に接触させ
た場合における、ヒトCRF2レセプター蛋白質を介し
た細胞刺激活性を測定し、比較することを特徴とするリ
ガンドと第(7)項あるいは第(8)項記載のヒトCR
2レセプター蛋白質との結合を阻害する化合物または
その塩のスクリーニング方法、(32)第(7)項ある
いは第(8)項記載のヒトCRF2レセプター蛋白質を
活性化する化合物を第(14)項記載の形質転換体を培
養することによって該形質転換体の細胞膜に発現したヒ
トCRF2レセプター蛋白質に接触させた場合と、第
(7)項あるいは第(8)項記載のヒトCRF2レセプ
ター蛋白質を活性化する化合物および試験化合物を第
(14)項記載の形質転換体を培養することによって該
形質転換体の細胞膜に発現したヒトCRF2レセプター
蛋白質に接触させた場合における、ヒトCRF2レセプ
ター蛋白質を介する細胞刺激活性を測定し、比較するこ
とを特徴とするリガンドと第(7)項あるいは第(8)
項記載のヒトCRF2レセプター蛋白質との結合を阻害
する化合物またはその塩のスクリーニング方法、
【0018】(33)第(17)項、第(27)項〜第
(32)項記載のスクリーニング方法で得られる化合物
またはその塩、(34)第(33)項記載の化合物また
はその塩を含有することを特徴とする医薬組成物、(3
5)第(7)項あるいは第(8)項記載のヒトCRF2
レセプター蛋白質を含有する細胞を含有することを特徴
とする第(18)項記載のスクリーニング用キット、
(36)第(7)項あるいは第(8)項記載のヒトCR
2レセプター蛋白質を含有する細胞の膜画分を含有す
ることを特徴とする第(18)項記載のスクリーニング
用キット、(37)第(18)項、第(35)項または
第(36)項記載のスクリーニング用キットを用いて得
られる化合物またはその塩、(38)第(37)項記載
の化合物またはその塩を含有することを特徴とする医薬
組成物、および(39)第(23)項記載の抗体と、第
(7)項あるいは第(8)項記載のヒトCRF2レセプ
ター蛋白質もしくはその塩または第(9)項記載の部分
ペプチドもしくはその塩とを接触させることを特徴とす
る第(7)項あるいは第(8)項記載のヒトCRF2
セプター蛋白質もしくはその塩または第(9)項記載の
部分ペプチドもしくはその塩の定量法を提供する。
【発明の実施の形態】
【0019】本発明のDNAは、配列番号:1または配
列番号:2で表される塩基配列と実質的に同一の塩基配
列を有するDNAである。すなわち、配列番号:1で表
わされる塩基配列は、 5'−CATTAYTKGATSGYGRCCAACT
WCWNCTGG−3' 〔YはTまたはCを示し、KはGまたはTを示し、Sは
CまたはGを示し、RはAまたはGを示し、WはAまた
はTを示し、NはIを示す。〕である〔図1〕。配列番
号:2で表わされる塩基配列は、 5'−GTAGARRAYAGCCACMAMRARN
CCCTGRAA−3' 〔RはAまたはGを示し、YはTまたはCを示し、Mは
AまたはCを示し、NはIを示す。〕であり、これは 5'−TTYCAGGGNYTYKTKGTGGCTR
TYYTCTAC−3' 〔YはTまたはCを示し、NはIを示し、KはGまたは
Tを示し、RはAまたはGを示す。〕で表わされる塩基
配列〔図2〕に相補的な塩基配列である。
【0020】本発明のDNAとしては、配列番号:1ま
たは配列番号:2で表される塩基配列を有するDNAな
どの他に、配列番号:1または配列番号:2で表される
塩基配列と約70〜99.9%の相同性を有する塩基配
列を有し、配列番号:1または配列番号:2で表される
塩基配列を有するDNAと実質的に同質の機能を有する
DNAなどが挙げられる。実質的に同質の機能として
は、例えばDNAプライマーの結合機能、増幅効率など
が挙げられる。実質的に同質とは、DNAプライマーの
結合機能やプライマー活性が性質的に同質であることを
示す。より具体的には、本発明のDNAとしては、配列
番号:1または配列番号:2で表される塩基配列を有す
るDNAなどが挙げられる。また、本発明のDNAとし
ては、配列番号:1または配列番号:2で表される塩基
配列中の1または2個以上のヌクレオチドが欠失した塩
基配列、配列番号:1または配列番号:2で表される塩
基配列に1または2個以上のヌクレオチドが付加した塩
基配列、配列番号:1または配列番号:2で表される塩
基配列中の1または2個以上のヌクレオチドが他のヌク
レオチドで置換された塩基配列を有するDNAなども挙
げられる。さらに具体的には、本発明のDNAとして
は、配列番号:1または配列番号:2で表される塩基配
列を有するDNAなどの他に、配列番号:1または配列
番号:2で表される塩基配列中の1または2個以上(好
ましくは、2個以上9個以下、より好ましくは2個以上
6個以下)のヌクレオチドが欠失したもの、配列番号:
1または配列番号:2で表される塩基配列に1または2
個以上(好ましくは、2個以上9個以下、より好ましく
はDNA2個以上6個以下)のヌクレオチドが付加した
もの、配列番号:1または配列番号:2で表される塩基
配列に1または2個以上(好ましくは、2個以上9個以
下、より好ましくはDNA2個以上6個以下)のヌクレ
オチドが他のヌクレオチドで置換されたものなどが挙げ
られる。
【0021】配列番号:1および配列番号:2で表され
る塩基配列は、公知のG蛋白質共役型レセプター蛋白
質、すなわち、ヒトカルシトニンレセプター(X824
66)、ヒトパラチロイドホルモンレセプター(X68
596)、ヒトグルカゴンレセプター(U0346
9)、ヒトグルカゴン−ライクポリペプチド−1レセプ
ター(U01156)、ラットセクレチンレセプター
(X59132)、ヒトグロースホルモン放出ホルモン
レセプター(L01406)、ヒトピチュイタリーアデ
ニレートサイクレース−アクティベートポリペプチドレ
セプター(D17516)、ラットピチュイタリーアデ
ニレートサイクレース−アクティベートポリペプチドレ
セプター(Z23279)、ヒトバソアクティブインテ
スティナルペプチドレセプター(X75299)、ヒト
ビップ2レセプター(L36566)、ヒトコルチコト
ロピン放出ファクターレセプター(L23332)、お
よびラットコルチコトロピン放出ファクター2レセプタ
ー(U16253)などの第3および第7膜貫通領域付
近のアミノ酸配列をコードするDNAの塩基配列に共通
して存在する塩基配列である〔図1および図2〕。上記
の( )内の略語は、GenBank/EMBL Data Bankにデータ
として登録される際の整理番号であり、通常Accession
Numberと呼ばれているものである。
【0022】本発明のDNAは、それ自体公知のDNA
合成法あるいはそれに準じる方法に従って、製造するこ
とができる。たとえば、固相合成法、液相合成法のいず
れによってもよい。公知の合成法としてはたとえば、以
下の〜に記載された方法が挙げられる。 池原森男他、核酸有機化学、化学同人(1979年) G. H. BlackburnおよびM. J. Gait, Nucleic Acids i
n Chemistry and Biology, IRL Press, Oxford (1989
年) 大塚栄子および井上英夫、日本臨床、47巻、87頁 (19
89年) また、市販のDNA自動合成機を用いることもできる。
本発明のDNAのうち、配列番号:1で表わされる塩基
配列を有するDNAは前述の公知のG蛋白質共役型レセ
プター蛋白質の第3膜貫通領域付近のアミノ酸配列をコ
ードするDNAの塩基配列に共通して存在する塩基配列
であり、また配列番号:2で表わされる塩基配列を有す
るDNAは第7膜貫通領域付近のアミノ酸配列をコード
するDNAの塩基配列に共通して存在する塩基配列に相
補的な塩基配列であるので、該公知のG蛋白質共役型レ
セプター蛋白質をコードするDNA(ゲノムDNA、c
DNA)またはRNAに相補的に結合することができ
る。さらに、これらの公知のG蛋白質共役型レセプター
蛋白質をコードするDNA・RNAに限らず、本発明の
DNAの塩基配列に類似した塩基配列を有する他の公知
のG蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードするDNA
またはRNAや未知のG蛋白質共役型レセプター蛋白質
をコードするDNAまたはRNAにも相補的に結合する
ことができる。したがって、本発明のDNAはPCR用
のDNAプライマーとして用いることができる。例え
ば、鋳型となる微量のG蛋白質共役型レセプター蛋白質
をコードするDNA(断片)と本発明のDNAプライマ
ーを混合してPCRを行なうことによって、該レセプタ
ー蛋白質をコードするDNA(断片)を増幅することが
できる。具体的には、配列番号:1で表わされる塩基配
列を有するDNAプライマーを用いてPCR法を行なう
と、該DNAプライマーは鋳型となるG蛋白質共役型レ
セプター蛋白質をコードするDNA(断片)あるいはR
NAの第3膜貫通領域に相当する塩基配列に結合し、
5’側から3’側へDNAを伸長していく。一方、配列
番号:2で表わされる塩基配列を有するDNAプライマ
ーを用いてPCR法を行なうと、該DNAプライマーは
鋳型となるG蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードす
るDNA(断片)あるいはRNAの第7膜貫通領域に相
当する塩基配列に結合し、3’側から5’側へDNAを
伸長していく。すなわち、本発明の配列番号:1で表わ
される塩基配列を有するDNAプライマーおよび配列番
号:2で表わされる塩基配列を有するDNAプライマー
を用いることによって、G蛋白質共役型レセプター蛋白
質の第3膜貫通領域から第7膜貫通領域部分をコードす
るDNA(断片)を増幅することができる。
【0023】この増幅方法は、公知のPCR法に従って
実施することができる。例えば、Saiki R.K. et al. Sc
ience,239:487-491(1988)に記載の方法に従って実施す
ることができる。PCR法の温度、時間、バッファー、
サイクル数、DNAポリメラーゼなどの酵素、2'-deoxy
-7-deaza-guanosine triphosphateやInosineの添加など
は対象DNAの種類などに応じて適宜選択することがで
きる。またRNAを鋳型として用いる場合は、Saiki R.
K. et al. Science,239:487-491(1988)に記載の方法な
どに従って行なう。さらに、本発明のDNAは、G蛋白
質共役型レセプター蛋白質の第3膜貫通領域または第7
膜貫通領域付近のアミノ酸配列をコードするDNAの塩
基配列に相補的に結合することができるので、ある種の
DNAライブラリーからG蛋白質共役型レセプター蛋白
質をコードするDNA(断片)をスクリーニングするた
めのプローブとしても有用である。本発明のDNAをプ
ローブとして用いてDNAライブラリーからG蛋白質共
役型レセプター蛋白質をコードするDNA(断片)をス
クリーニングするには、それ自体公知の方法あるいはそ
れに準じる方法に従って行なうことができる。特に、本
発明のDNAをPCR法のDNAプライマーとして使用
すれば、G蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードする
DNA(断片)の増幅とスクリーニングとを一挙に行な
うことができる。すなわち、本発明のDNAをPCR用
のDNAプライマーとして使用すれば、該DNAプライ
マーはG蛋白質共役型レセプター蛋白質の第3膜貫通領
域から第7膜貫通領域のアミノ酸配列をコードするDN
A(断片)あるいはRNAに結合し、該DNAを増幅し
ていくことができるので、本発明のDNAプライマーは
DNAライブラリーの中からG蛋白質共役型レセプター
蛋白質の第3膜貫通領域から第7膜貫通領域のアミノ酸
配列をコードするDNA(断片)のみを選択的に増幅す
ることができる。そして、増幅されたG蛋白質共役型レ
セプター蛋白質の第3膜貫通領域から第7膜貫通領域部
分のアミノ酸配列をコードするDNA(断片)をプロー
ブとして用い、それ自体公知の方法に従って、DNAラ
イブラリーからG蛋白質共役型レセプター蛋白質を完全
にコードするDNAをスクリーニングすることができ
る。
【0024】すなわち、本発明は、本発明のDNAをP
CR用DNAプライマーとして用いることを特徴とする
レセプター蛋白質をコードするDNA(断片)を含有す
るDNAライブラリーあるいは組織・細胞由来のRNA
からG蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードするDN
A(断片)をスクリーニングする方法を提供する。具体
的には、本発明は、本発明のDNAをPCR用のDNA
プライマーとして用い、該DNAプライマーと鋳型とな
るG蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードするDNA
(断片)を含有するDNAライブラリーとを混合しPC
R法を行ない、G蛋白質共役型レセプター蛋白質の第3
膜貫通領域から第7膜貫通領域部分をコードするDNA
を増幅し選択し(すなわち、スクリーニングし)、これ
をプローブとして自体公知の方法を用いて、DNAライ
ブラリーから完全な長さを持つG蛋白質共役型レセプタ
ー蛋白質をコードするDNAをクローニングする方法を
提供する。クローニングされたDNAの解析はDNAシ
ークエンサーを用いて行なうことができる。本発明のD
NAを用いるPCR法による増幅およびスクリーニング
の対象となるG蛋白質共役型レセプター蛋白質をコード
するDNA(断片)またはRNAとしては、公知のG蛋
白質共役型レセプター蛋白質をコードするDNA(断
片)またはRNAであってもよいし、新規なG蛋白質共
役型レセプター蛋白質をコードするDNA(断片)また
はRNAであってもよい。例えば、脊椎動物(例えば、
マウス、ラット、ネコ、イヌ、ブタ、ウシ、ウマ、サ
ル、ヒトなど)のあらゆる組織(例えば、下垂体、脳、
膵臓、肺、副腎など)、昆虫もしくはその他の無脊椎動
物(例えば、ショウジョウバエ、カイコ、ヨトウガな
ど)、植物(例えば、イネ、コムギ、トマトなど)およ
びそれらに由来する培養細胞株由来のG蛋白質共役型レ
セプター蛋白質をコードするDNA(断片)またはRN
Aなどが挙げられる。具体的には、例えばカルシトニ
ン、パラチロイドホルモン(PTH)、グルカゴン、グ
ルカゴン−ライクポリペプチド−1、セクレチン、グロ
ースホルモン放出ホルモン(GHRH)、PACAP、
VIP、VIP2、CRFなどのG蛋白質共役型レセプ
ター蛋白質をコードするDNA(断片)またはRNAな
どが挙げられる。本発明のDNAを用いたPCR法によ
る増幅の鋳型とするDNA(断片)としては、上記の組
織・細胞由来のものであればいかなるものであってもよ
い。より具体的には、ゲノムDNA、ゲノムDNAライ
ブラリー、組織・細胞由来のcDNA、組織・細胞由来
のcDNAライブラリーのいずれでもよい。ライブラリ
ーに使用するベクターはバクテリオファージ、プラスミ
ド、コスミド、ファージミドなどいずれであってもよ
い。また、組織・細胞よりmRNA画分を調整したもの
を用いて直接にRT−PCR法によって増幅することも
できる。鋳型となるDNAは、G蛋白質共役型レセプタ
ー蛋白質を完全にコードするDNAであってもよいし、
そのDNA断片であってもよい。本明細書では、これら
をまとめてDNA(断片)と表記する場合がある。
【0025】DNAのクローニングの手段としては、該
DNAの部分塩基配列を有する合成DNAプライマーを
用いてPCR法によって増幅するか、または該DNAの
一部あるいは全領域を有するDNAもしくは合成DNA
を用いて標識したものとのハイブリダイゼーションによ
って選別する。ハイブリダイゼーションの方法は、例え
ば Molecular Cloning 2nd ed.; J. Sambrook et al.,
Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989 に記載の方法な
どに従って行われる。また、市販のライブラリーを使用
する場合、添付の使用説明書に記載の方法に従って行な
う。したがって、本発明のDNAを用いるスクリーニン
グ方法で得られるDNA(断片)は、DNAライブラリ
ーなどに含まれているG蛋白質共役型レセプター蛋白質
をコードするDNA(断片)である。すなわち、具体的
には、カルシトニン、PTH、グルカゴン、グルカゴン
−ライクポリペプチド−1、セクレチン、GHRH、P
ACAP、VIP、VIP2、CRFなどのG蛋白質共
役型レセプター蛋白質をコードするDNA(断片)であ
る。該スクリーニング方法で得られたDNA(断片)を
プローブとして用いることによって、適当なDNAライ
ブラリーからそれ自体公知のDNAのスクリーニング方
法に従って、G蛋白質共役型レセプター蛋白質を完全に
コードするDNAを単離することができる。
【0026】G蛋白質共役型レセプター蛋白質を完全に
コードするDNAは目的によりそのまま、または所望に
より制限酵素で消化したり、リンカーを付加したりして
使用することができる。該DNAはその5’末端側に翻
訳開始コドンとしてのATGを有し、また3’末端側に
は翻訳終止コドンとしてのTAA、TGAまたはTAG
を有していてよい。これらの翻訳開始コドンや翻訳終止
コドンは、適当な合成DNAアダプターを用いて付加す
ることもできる。また、該DNAをプローブとしてノザ
ンプローティングを行なって、該レセプター蛋白質が発
現している組織・細胞などを決定することができる。ま
た、全コード領域を有するDNAを適当なプロモーター
と連結して動物細胞に導入することによりレセプター蛋
白質を発現させることができる。本発明のスクリーニン
グ方法で得られるG蛋白質共役型レセプター蛋白質をコ
ードするDNAにコードされるG蛋白質共役型レセプタ
ー蛋白質は、具体的には、カルシトニン、PTH、グル
カゴン、グルカゴン−ライクポリペプチド−1、セクレ
チン、GHRH、PACAP、VIP、VIP2、CR
FなどのG蛋白質共役型レセプター蛋白質である。該G
蛋白質共役型レセプター蛋白質は、温血動物の組織また
は細胞から自体公知の蛋白質の精製方法によって製造す
ることもできるし、G蛋白質共役型レセプター蛋白質を
コードするDNAを含有する形質転換体を培養すること
によっても製造することができる。
【0027】該G蛋白質共役型レセプター蛋白質の部分
ペプチドとしては、例えば、G蛋白質共役型レセプター
蛋白質分子のうち、細胞膜の外に露出している部位など
が用いられる。具体的には、G蛋白質共役型レセプター
蛋白質の疎水性プロット解析において細胞外領域(親水
性(Hydrophilic)部位)であると分析された部分ペプ
チドである。また、疎水性(Hydtophobic)部位を一部
に含むペプチドも同様に用いることができる。さらに、
個々のドメインを個別に含むペプチドも用い得るが、複
数のドメインを同時に含む部分ペプチドでもよい。G蛋
白質共役型レセプター蛋白質の部分ペプチドは、自体公
知のペプチドの合成法に従って、あるいはG蛋白質共役
型レセプター蛋白質を適当なペプチダーゼで切断するこ
とによって製造することができる。ペプチドの合成法と
しては、例えば固相合成法、液相合成法のいずれによっ
ても良い。すなわち、本発明の蛋白質を構成し得る部分
ペプチドもしくはアミノ酸と残余部分とを縮合させ、生
成物が保護基を有する場合は保護基を脱離することによ
り目的のペプチドを製造することができる。公知の縮合
方法や保護基の脱離としてはたとえば、以下の〜に
記載された方法が挙げられる。 M. Bodanszky および M.A. Ondetti、
ペプチド シンセシス (Peptide Synthesis), Interscie
nce Publishers, New York (1966年) SchroederおよびLuebke、ザ ペプチド(The Peptide),
Academic Press, New York (1965年) 泉屋信夫他、ペプチド合成の基礎と実験、 丸善(株)
(1975年) 矢島治明 および榊原俊平、生化学実験講座 1、 タン
パク質の化学IV、 205、(1977年) 矢島治明監修、続医薬品の開発 第14巻 ペプチド合成
広川書店 また、反応後は通常の精製法、たとえば、溶媒抽出・蒸
留・カラムクロマトグラフィー・液体クロマトグラフィ
ー・再結晶などを組み合わせて本発明のタンパク質を精
製単離することができる。上記方法で得られる蛋白質が
遊離体である場合は、公知の方法によって適用な塩に変
換することができるし、逆に塩で得られた場合は、公知
の方法によって遊離体に変換することができる。さら
に、該部分ペプチドをコードするDNAを含有する形質
転換体を培養することによっても製造することができ
る。該G蛋白質共役型レセプター蛋白質またはその部分
ペプチドの塩としては、とりわけ生理学的に許容される
酸付加塩が好ましい。この様な塩としては、例えば無機
酸(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸)との
塩、あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン
酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン
酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベ
ンゼンスルホン酸)との塩などが用いられる。
【0028】本発明のDNAを用いた前述のスクリーニ
ング方法で得られるG蛋白質共役型レセプター蛋白質を
コードするDNA(断片)および該DNAにコードされ
るG蛋白質共役型レセプター蛋白質または部分ペプチド
は、例えば、該G蛋白質共役型レセプター蛋白質に対す
るリガンドの決定や該レセプター蛋白質とリガンドとの
結合を阻害する化合物のスクリーニングなどに使用する
ことができる。この場合、まずG蛋白質共役型レセプタ
ー蛋白質をコードするDNA(断片)の発現系を構築す
る。宿主として用いるものは動物細胞、昆虫細胞、酵
母、枯草菌、大腸菌などいずれでも良く、用いるプロモ
ーターとしては遺伝子の発現に用いる宿主に対応して適
切なプロモーターであればいかなるものであっても良
い。なお、発現にエンハンサーの利用も効果的である。
構築した発現細胞をそのまま、あるいはそれらより公知
の方法に従って膜画分を調製し、結合実験に供すること
ができる。用いるリガンドは、市販の放射性同位元素等
による標識化合物、また培養上清、組織抽出物等を直接
クロラミンT法やラクトペルオキシダーゼ法によって標
識化したものでもよい。結合・遊離のリガンドの分離
は、基質に接着している細胞を用いた場合はそのまま洗
浄によって行い、浮遊細胞あるいは膜画分の場合は遠心
分離あるいはろ過によって行っても良い。容器等への非
特異結合は、投入した標識リガンドに対して100倍程
度の濃い非標識リガンドの添加によって推定できる。
【0029】このような結合実験によって得られたリガ
ンドについて、アゴニスト・アンタゴニストの判別を行
なうことができる。具体的には、該レセプター蛋白質を
発現している細胞とリガンドであることが予想される天
然物・化合物をインキュベートし、その後培養上清を回
収あるいは細胞を抽出する。これらに含まれる成分の変
化を、例えば市販の測定キット(cAMP、ジアシルグ
リセロール、cGMP、プロテインキナーゼAなど)で
測定する。また公知の方法に従い、Fura−2、〔3
H〕アラキドン酸、〔3H〕イノシトールリン酸代謝物
の遊離等を測定することもできる。このようにスクリー
ニングして得た化合物、天然物は該レセプター蛋白質に
対するアゴニストあるいはアンタゴニストであり、該レ
セプターが分布する組織・細胞に作用することが予測さ
れる。そのため、ノーザンブロッティング等によって明
らかにした分布を参考にすることによって、よりその薬
効を効率的に探索することが可能である。また、例えば
中枢神経組織、循環系、腎臓、膵臓等において、新しい
薬効を持つ化合物が望まれる。組織より選択的にG蛋白
質共役型レセプター蛋白質をコードするDNAを増幅す
ることによって、これらを用いてより効率的に医薬の開
発を進めることができる。
【0030】以下に、本発明のG蛋白質共役型レセプタ
ー蛋白質をコードするDNAのスクリーニング方法で得
られるG蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードするD
NA(断片)および該DNAを発現させて得られるG蛋
白質共役型レセプター蛋白質、その部分ペプチドまたは
それらの塩(以下、塩を含めてG蛋白質共役型レセプタ
ー蛋白質またはその部分ペプチドと略称する)の有用性
について、以下に詳細に説明する。 (1)G蛋白質共役型レセプター蛋白質に対するリガン
ドの決定方法 G蛋白質共役型レセプター蛋白質またはその部分ペプチ
ドは、該G蛋白質共役型レセプター蛋白質に対するリガ
ンドを探索しまたは決定するための試薬として有用であ
る。すなわち、G蛋白質共役型レセプター蛋白質または
その部分ペプチドと、試験化合物とを接触させることを
特徴とするG蛋白質共役型レセプター蛋白質に対するリ
ガンドの決定方法を提供する。試験化合物としては、公
知のリガンド(例えば、アンギオテンシン、ボンベシ、
カナビノイド、コレシストキニン、グルタミン、セロト
ニン、メラトニン、ニューロペプチドY、オピオイド、
プリン、バソプレッシン、オキシトシン、VIP(バソ
アクティブ インテスティナル アンド リレイテッド
ペプチド)、ソマトスタチン、ドーパミン、モチリ
ン、アミリン、ブラジキニン、CGRP(カルシトニン
ジーンリレーティッドペプチド)、アドレノメジュリ
ン、ロイコトリエン、パンクレアスタチン、プロスタノ
イド、トロンボキサン、アデノシン、アドレナリン、α
およびβ−chemokine(IL−8、GROα、、GRO
β、GROγ、NAP−2、ENA−78、PF4、I
P10、GCP−2、MCP−1、HC14、MCP−
3、I−309、MIP1α、MIP−1β、RANT
ESなど)、エンドセリン、エンテロガストリン、ヒス
タミン、ニューロテンシン、TRH、パンクレアティッ
クポリペプタイド、ガラニン、カルシトニン、パラチロ
イドホルモン、グルカゴン、セクレチン、GHRH、P
ACAP、CRFなど)の他に、例えば温血動物(例え
ば、マウス、ラット、ブタ、ウシ、ヒツジ、サル、ヒト
など)の組織抽出物、細胞培養上清などが用いられる。
例えば、該組織抽出物、細胞培養上清などをG蛋白質共
役型レセプター蛋白質に添加し、細胞刺激活性などを測
定しながら分画し、最終的に単一のリガンドを得ること
ができる。
【0031】具体的には、該リガンド決定方法は、G蛋
白質共役型レセプター蛋白質またはその部分ペプチドを
用いるか、または組み替え型レセプター蛋白質の発現系
を構築し、該発現系を用いたレセプター結合アッセイ系
を用いることによって、G蛋白質共役型レセプター蛋白
質に結合して細胞刺激活性(例えば、アラキドン酸遊
離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内c
AMP生成、細胞内cGMP生成、イノシトールリン酸
産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化などを
促進する活性または抑制する活性)を有する化合物(例
えば、ペプチド、蛋白質、非ペプチド性化合物、合成化
合物、発酵生産物など)またはその塩を決定する方法で
ある。該リガンド決定方法においては、G蛋白質共役型
レセプター蛋白質または部分ペプチドと試験化合物とを
接触させた場合の、例えば該G蛋白質共役型レセプター
蛋白質または該部分ペプチドに対する試験化合物の結合
量、細胞刺激活性などを測定することを特徴とする。
【0032】より具体的には、 標識した試験化合物を、G蛋白質共役型レセプター蛋
白質またはその部分ペプチドもしくはその塩に接触させ
た場合における、標識した試験化合物の該蛋白質もしく
はその塩、または該部分ペプチドもしくはその塩に対す
る結合量を測定することを特徴とするG蛋白質共役型レ
セプター蛋白質に対するリガンドの決定方法、 標識した試験化合物を、G蛋白質共役型レセプター蛋
白質を含有する細胞または該細胞の膜画分に接触させた
場合における、標識した試験化合物の該細胞または該膜
画分に対する結合量を測定することを特徴とするG蛋白
質共役型レセプター蛋白質に対するリガンドの決定方
法、 標識した試験化合物を、G蛋白質共役型レセプター蛋
白質をコードするDNAを含有する形質転換体を培養す
ることによって細胞膜上に発現したG蛋白質共役型レセ
プター蛋白質に接触させた場合における、標識した試験
化合物の該G蛋白質共役型レセプター蛋白質に対する結
合量を測定しすることを特徴とするG蛋白質共役型レセ
プター蛋白質に対するリガンドの決定方法、 試験化合物を、G蛋白質共役型レセプター蛋白質を含
有する細胞に接触させた場合における、G蛋白質共役型
レセプター蛋白質を介した細胞刺激活性(例えば、アラ
キドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+
離、細胞内cAMP生成、細胞内cGMP生成、イノシ
トールリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリ
ン酸化、c−fosの活性化などを促進する活性または
抑制する活性など)を測定することを特徴とするG蛋白
質共役型レセプター蛋白質に対するリガンドの決定方
法、および 試験化合物を、G蛋白質共役型レセプター蛋白質をコ
ードするDNAを含有する形質転換体を培養することに
よって細胞膜上に発現したG蛋白質共役型レセプター蛋
白質に接触させた場合における、G蛋白質共役型レセプ
ター蛋白質を介する細胞刺激活性(例えば、アラキドン
酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞
内cAMP生成、細胞内cGMP生成、イノシトールリ
ン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、
c−fosの活性化などを促進する活性または抑制する
活性など)を測定することを特徴とするG蛋白質共役型
レセプター蛋白質に対するリガンドの決定方法を提供す
る。
【0033】リガンド決定方法の具体的な説明を以下に
する。まず、リガンド決定方法に用いるG蛋白質共役型
レセプター蛋白質としては、G蛋白質共役型レセプター
蛋白質またはその部分ペプチドを含有するものであれば
何れのものであってもよいが、動物細胞を用いて大量発
現させたG蛋白質共役型レセプター蛋白質が適してい
る。G蛋白質共役型レセプター蛋白質を製造するには、
前述の方法が用いられるが、該蛋白質をコードするDN
Aを哺乳動物細胞や昆虫細胞で発現することにより行う
ことができる。目的部分をコードするDNA断片には相
補DNAが用いられるが、必ずしもこれに制約されるも
のではない。例えば、遺伝子断片や合成DNAを用いて
もよい。G蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードする
DNA断片を宿主動物細胞に導入し、それらを効率よく
発現させるためには、該DNA断片を昆虫を宿主とする
バキュロウイルスに属する核多角体病ウイルス(nuclea
r polyhedrosis virus;NPV)のポリヘドリンプロモ
ーター、SV40由来のプロモーター、レトロウイルス
のプロモーター、メタロチオネインプロモーター、ヒト
ヒートショックプロモーター、サイトメガロウイルスプ
ロモーターなどの下流に組み込むのが好ましい。発現し
たレセプターの量と質の検査はそれ自体公知の方法で行
うことができる。例えば、文献〔Nambi,P.ら、ザ・ジ
ャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(J. B
iol. Chem.),267巻,19555〜19559頁,1992年〕に記載の
方法に従って行うことができる。
【0034】したがって、リガンド決定方法において、
G蛋白質共役型レセプター蛋白質またはその部分ペプチ
ドを含有するものとしては、それ自体公知の方法に従っ
て精製したG蛋白質共役型レセプター蛋白質または該G
蛋白質共役型レセプター蛋白質の部分ペプチドであって
もよいし、該蛋白質を含有する細胞を用いてもよく、ま
た該蛋白質を含有する細胞の膜画分を用いてもよい。リ
ガンド決定方法において、G蛋白質共役型レセプター蛋
白質を含有する細胞を用いる場合、該細胞をグルタルア
ルデヒド、ホルマリンなどで固定化してもよい。固定化
方法はそれ自体公知の方法に従って行うことができる。
G蛋白質共役型レセプター蛋白質を含有する細胞として
は、G蛋白質共役型レセプター蛋白質を発現した宿主細
胞をいうが、該宿主細胞としては、大腸菌、枯草菌、酵
母、昆虫細胞、動物細胞などが挙げられる。膜画分とし
ては、細胞を破砕した後、それ自体公知の方法で得られ
る細胞膜が多く含まれる画分のことをいう。細胞の破砕
方法としては、Potter−Elvehjem型ホモジナイザーで細
胞を押し潰す方法、ワーリングブレンダーやポリトロン
(Kinematica社製)による破砕、超音波による破砕、フ
レンチプレスなどで加圧しながら細胞を細いノズルから
噴出させることによる破砕などが挙げられる。細胞膜の
分画には、分画遠心分離法や密度勾配遠心分離法などの
遠心力による分画法が主として用いられる。例えば、細
胞破砕液を低速(500rpm〜3000rpm)で短
時間(通常、約1分〜10分)遠心し、上清をさらに高
速(15000rpm〜30000rpm)で通常30
分〜2時間遠心し、得られる沈澱を膜画分とする。該膜
画分中には、発現したG蛋白質共役型レセプター蛋白質
と細胞由来のリン脂質や膜蛋白質などの膜成分が多く含
まれる。該G蛋白質共役型レセプター蛋白質を含有する
細胞や膜画分中のG蛋白質共役型レセプター蛋白質の量
は、1細胞当たり103〜108分子であるのが好まし
く、105〜107分子であるのが好適である。なお、発
現量が多いほど膜画分当たりのリガンド結合活性(比活
性)が高くなり、高感度なスクリーニング系の構築が可
能になるばかりでなく、同一ロットで大量の試料を測定
できるようになる。
【0035】G蛋白質共役型レセプター蛋白質に結合す
るリガンドを決定する前記の〜の方法を実施するた
めには、適当なG蛋白質共役型レセプター画分と、標識
した試験化合物が必要である。G蛋白質共役型レセプタ
ー画分としては、天然型のG蛋白質共役型レセプター画
分か、またはそれと同等の活性を有する組換え型G蛋白
質共役型レセプター画分などが望ましい。ここで、同等
の活性とは、同等のリガンド結合活性などを示す。標識
した試験化合物としては、〔3H〕、〔125I〕、
14C〕、〔35S〕などで標識したアンギオテンシン、
ボンベシ、カナビノイド、コレシストキニン、グルタミ
ン、セロトニン、メラトニン、ニューロペプチドY、オ
ピオイド、プリン、バソプレッシン、オキシトシン、V
IP(バソアクティブ インテスティナルアンド リレ
イテッド ペプチド)、ソマトスタチン、ドーパミン
(D5ドーパミンなど)、モチリン、アミリン、ブラジ
キニン、CGRP(カルシトニンジーンリレーティッド
ペプチド)、アドレノメジュリン、ロイコトリエン、パ
ンクレアスタチン、プロスタノイド、トロンボキサン、
アデノシン、アドレナリン、αおよびβ−chemokine
(IL−8、GROα、、GROβ、GROγ、NAP
−2、ENA−78、PF4、IP10、GCP−2、
MCP−1、HC14、MCP−3、I−309、MI
P1α、MIP−1β、RANTESなど)、エンドセ
リン、エンテロガストリン、ヒスタミン、ニューロテン
シン、TRH、パンクレアティックポリペプタイド、ガ
ラニン、カルシトニン、パラチロイドホルモン、グルカ
ゴン、セクレチン、GHRH、PACAP、CRFなど
が好適である。
【0036】具体的には、G蛋白質共役型レセプター蛋
白質に結合するリガンドの決定方法を行うには、まずG
蛋白質共役型レセプター蛋白質を含有する細胞または細
胞の膜画分を、決定方法に適したバッファーに懸濁する
ことによりレセプター標品を調製する。バッファーに
は、pH4〜10(望ましくはpH6〜8)のリン酸バ
ッファー、トリス−塩酸バッファーなどのリガンドとレ
セプターとの結合を阻害しないバッファーであればいず
れでもよい。また、非特異的結合を低減させる目的で、
CHAPS、Tween−80TM(花王−アトラス
社)、ジギトニン、デオキシコレートなどの界面活性剤
やウシ血清アルブミンやゼラチンなどの各種蛋白質をバ
ッファーに加えることもできる。さらに、プロテアーゼ
によるリセプターやリガンドの分解を抑える目的でPM
SF、ロイペプチン、E−64(ペプチド研究所製)、
ペプスタチンなどのプロテアーゼ阻害剤を添加すること
もできる。0.01ml〜10mlの該レセプター溶液
に、一定量(5000cpm〜500000cpm)の
3H〕、〔125I〕、〔14C〕、〔35S〕などで標識し
た試験化合物を共存させる。非特異的結合量(NSB)
を知るために大過剰の未標識の試験化合物を加えた反応
チューブも用意する。反応は0℃から50℃、望ましく
は4℃から37℃で20分から24時間、望ましくは3
0分から3時間行う。反応後、ガラス繊維濾紙等で濾過
し、適量の同バッファーで洗浄した後、ガラス繊維濾紙
に残存する放射活性を液体シンチレーションカウンター
あるいはγ−カウンターで計測する。全結合(B)から
NSBを引いたカウント(B−NSB)が0cpmを越
える試験化合物を本発明のG蛋白質共役型レセプター蛋
白質に対するリガンドとして選択することができる。
【0037】G蛋白質共役型レセプター蛋白質に結合す
るリガンドを決定する前記の〜の方法を実施するた
めには、G蛋白質共役型レセプター蛋白質を介する細胞
刺激活性(例えば、アラキドン酸遊離、アセチルコリン
遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生成、細胞内
cGMP生成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変
動、細胞内蛋白質のリン酸化、c−fosの活性化など
を促進する活性または抑制する活性など)を公知の方法
または市販の測定用キットを用いて測定することができ
る。具体的には、まず、G蛋白質共役型レセプター蛋白
質を含有する細胞をマルチウェルプレート等に培養す
る。リガンド決定を行なうにあたっては前もって新鮮な
培地あるいは細胞に毒性を示さない適当なバッファーに
交換し、試験化合物などを添加して一定時間インキュベ
ートした後、細胞を抽出あるいは上清液を回収して、生
成した産物をそれぞれの方法に従って定量する。細胞刺
激活性の指標とする物質(例えば、アラキドン酸など)
の生成が、細胞が含有する分解酵素によって検定困難な
場合は、該分解酵素に対する阻害剤を添加してアッセイ
を行なってもよい。また、cAMP産生抑制などの活性
については、フォルスコリンなどで細胞の基礎的産生量
を増大させておいた細胞に対する産生抑制作用として検
出することができる。
【0038】G蛋白質共役型レセプター蛋白質に結合す
るリガンドの決定方法に用いるキットとしては、G蛋白
質共役型レセプター蛋白質またはその部分ペプチド、G
蛋白質共役型レセプター蛋白質を含有する細胞、または
G蛋白質共役型レセプター蛋白質を含有する細胞の膜画
分などを含有するものなどが挙げられる。リガンド決定
用キットの例としては、次のものが挙げられる。 1.リガンド決定用試薬 測定用緩衝液および洗浄用緩衝液 Hanks' Balanced Salt Solution(ギブコ社製)に、0.
05%のウシ血清アルブミン(シグマ社製)を加えたも
の。孔径0.45μmのフィルターで濾過滅菌し、4℃
で保存するか、あるいは用時調製しても良い。 G蛋白質共役型レセプター蛋白質標品 G蛋白質共役型レセプター蛋白質を発現させたCHO細
胞を、12穴プレートに5×105個/穴で継代し、3
7℃、5%CO295%airで2日間培養したもの。 標識試験化合物 市販の〔3H〕、〔125I〕、〔14C〕、〔35S〕などで
標識した化合物、または適当な方法で標識化したもの 水溶液の状態のものを4℃あるいは−20℃にて保存
し、用時に測定用緩衝液にて1μMに希釈する。水に難
溶性を示す試験化合物については、ジメチルホルムアミ
ド、DMSO、メタノール等に溶解する。 非標識試験化合物 標識化合物を同じものを100〜1000倍濃い濃度に
調製する。
【0039】2.測定法 12穴組織培養用プレートにて培養したG蛋白質共役
型レセプター蛋白質を発現させたCHO細胞を、測定用
緩衝液1mlで2回洗浄した後、490μlの測定用緩
衝液を各穴に加える。 標識試験化合物を5μl加え、室温にて1時間反応さ
せる。非特異的結合量を知るためには非標識試験化合物
を5μl加えておく。 反応液を除去し、1mlの洗浄用緩衝液で3回洗浄す
る。細胞に結合した標識試験化合物を0.2N NaO
H−1%SDSで溶解し、4mlの液体シンチレーター
A(和光純薬製)と混合する。 液体シンチレーションカウンター(ベックマン社製)
を用いて放射活性を測定する。 G蛋白質共役型レセプター蛋白質に結合することができ
るリガンドとしては、例えば脳、下垂体などに特異的に
存在する物質などが挙げられ、具体的にはアンギオテン
シン、ボンベシ、カナビノイド、コレシストキニン、グ
ルタミン、セロトニン、メラトニン、ニューロペプチド
Y、オピオイド、プリン、バソプレッシン、オキシトシ
ン、VIP(バソアクティブ インテスティナル アン
ド リレイテッド ペプチド)、ソマトスタチン、ドー
パミン(D5ドーパミンなど)、モチリン、アミリン、
ブラジキニン、CGRP(カルシトニンジーンリレーテ
ィッドペプチド)、アドレノメジュリン、ロイコトリエ
ン、パンクレアスタチン、プロスタノイド、トロンボキ
サン、アデノシン、アドレナリン、αおよびβ−chemok
ine(IL−8、GROα、、GROβ、GROγ、N
AP−2、ENA−78、PF4、IP10、GCP−
2、MCP−1、HC14、MCP−3、I−309、
MIP1α、MIP−1β、RANTESなど)、エン
ドセリン、エンテロガストリン、ヒスタミン、ニューロ
テンシン、TRH、パンクレアティックポリペプタイ
ド、ガラニン、カルシトニン、パラチロイドホルモン、
グルカゴン、セクレチン、GHRH、PACAP、CR
Fなどが挙げられる。
【0040】(2)G蛋白質共役型レセプター蛋白質欠
乏症の予防・治療剤 上記(1)の方法において、G蛋白質共役型レセプター
蛋白質に対するリガンドが明らかになれば、該リガンド
が有する作用に応じて、G蛋白質共役型レセプター蛋白
質をコードするDNAをG蛋白質共役型レセプター蛋白
質欠乏症の予防・治療剤として低毒性で安全に使用する
ことができる。例えば、生体内においてG蛋白質共役型
レセプター蛋白質が減少しているためにリガンドの生理
作用が期待できない患者がいる場合に、(イ)G蛋白質
共役型レセプター蛋白質をコードするDNAを該患者に
投与し発現させることによって、あるいは(ロ)脳細胞
などにG蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードするD
NAを挿入し発現させた後に、該脳細胞を該患者に移植
することなどによって、該患者の脳細胞におけるG蛋白
質共役型レセプター蛋白質の量を増加させ、リガンドの
作用を充分に発揮させることができる。したがって、G
蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードするDNAは、
安全で低毒性なG蛋白質共役型レセプター蛋白質欠乏症
の予防・治療剤などとして用いることができる。
【0041】G蛋白質共役型レセプター蛋白質をコード
するDNAを上記治療剤として使用する場合は、該DN
Aを単独あるいはレトロウイルスベクター、アデノウイ
ルスベクター、アデノウイルスアソシエーテッドウイル
スベクターなどの適当なベクターに挿入した後、常套手
段に従って実施することができる。例えば、必要に応じ
て糖衣を施した錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、マイ
クロカプセル剤などとして経口的に、あるいは水もしく
はそれ以外の薬学的に許容し得る液との無菌性溶液、ま
たは懸濁液剤などの注射剤の形で非経口的に使用でき
る。例えば、本発明のDNAを生理学的に認められる担
体、香味剤、賦形剤、ベヒクル、防腐剤、安定剤、結合
剤などとともに一般に認められた製薬実施に要求される
単位用量形態で混和することによって製造することがで
きる。これら製剤における有効成分量は指示された範囲
の適当な容量が得られるようにするものである。錠剤、
カプセル剤などに混和することができる添加剤として
は、例えばゼラチン、コーンスターチ、トラガント、ア
ラビアゴムのような結合剤、結晶性セルロースのような
賦形剤、コーンスターチ、ゼラチン、アルギン酸などの
ような膨化剤、ステアリン酸マグネシウムのような潤滑
剤、ショ糖、乳糖またはサッカリンのような甘味剤、ペ
パーミント、アカモノ油またはチェリーのような香味剤
などが用いられる。調剤単位形態がカプセルである場合
には、前記タイプの材料にさらに油脂のような液状担体
を含有することができる。注射のための無菌組成物は注
射用水のようなベヒクル中の活性物質、胡麻油、椰子油
などのような天然産出植物油などを溶解または懸濁させ
るなどの通常の製剤実施にしたがって処方することがで
きる。注射用の水性液としては生理食塩水、ブドウ糖や
その他の補助薬を含む等張液(例えば、D−ソルビトー
ル、D−マンニトール、塩化ナトリウムなど)などがあ
げられ、適当な溶解補助剤、たとえばアルコール(たと
えばエタノール)、ポリアルコール(たとえばプロピレ
ングリコール、ポリエチレングリコール)、非イオン性
界面活性剤(たとえばポリソルベート80(TM)、H
CO−50)などと併用してもよい。油性液としてはゴ
マ油、大豆油などがあげられ、溶解補助剤として安息香
酸ベンジル、ベンジルアルコールなどと併用してもよ
い。
【0042】また、緩衝剤(例えば、リン酸塩緩衝液、
酢酸ナトリウム緩衝液)、無痛化剤(例えば、塩化ベン
ザルコニウム、塩酸プロカインなど)、安定剤(例え
ば、ヒト血清アルブミン、ポリエチレングリコールな
ど)、保存剤(例えば、ベンジルアルコール、フェノー
ルなど)、酸化防止剤などと配合してもよい。調整され
た注射液は通常、適当なアンプルに充填される。このよ
うにして得られる製剤は安全で低毒性であるので、例え
ば温血哺乳動物(例えば、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブ
タ、ウシ、ネコ、イヌ、サル、ヒトなど)に対して投与
することができる。該DNAの投与量は、症状などによ
り差異はあるが、経口投与の場合、一般的に成人(60
kgとして)においては、一日につき約0.1mg〜1
00mg、好ましくは1.0〜50mg、より好ましく
は1.0〜20mgである。非経口的に投与する場合
は、その1回投与量は投与対象、対象臓器、症状、投与
方法などによっても異なるが、たとえば注射剤の形では
通常成人(60kgとして)においては、一日につき約
0.01〜30mg程度、好ましくは0.1〜20mg
程度、より好ましくは0.1〜10mg程度を静脈注射
により投与するのが好都合である。他の動物の場合も、
60kg当たりに換算した量を投与することができる。
【0043】(3)G蛋白質共役型レセプター蛋白質に
対するリガンドの定量法 G蛋白質共役型レセプター蛋白質またはその部分ペプチ
ドは、リガンドに対して結合性を有しているので、生体
内におけるリガンド濃度を感度良く定量することができ
る。この定量法は、例えば競合法と組み合わせることに
よって用いることができる。すなわち、被検体をG蛋白
質共役型レセプター蛋白質またはその部分ペプチドと接
触させることによって被検体中のリガンド濃度を測定す
ることができる。具体的には、例えば、以下のまたは
などに記載の方法あるいはそれに準じる方法に従って
用いることができる。 入江寛編「ラジオイムノアッセイ」(講談社、昭和4
9年発行) 入江寛編「続ラジオイムノアッセイ」(講談社、昭和
54年発行)
【0044】(4)G蛋白質共役型レセプター蛋白質と
リガンドの結合を阻害する化合物のスクリーニング方法 G蛋白質共役型レセプター蛋白質またはその部分ペプチ
ドを用いるか、または組換え型レセプター蛋白質の発現
系を構築し、該発現系を用いたレセプター結合アッセイ
系を用いることによって、リガンドとG蛋白質共役型レ
セプター蛋白質との結合を阻害する化合物(例えば、ペ
プチド、蛋白質、非ペプチド性化合物、合成化合物、発
酵生産物など)またはその塩をスクリーニングすること
ができる。このような化合物には、G蛋白質共役型レセ
プターを介して細胞刺激活性(例えば、アラキドン酸遊
離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内c
AMP生成、細胞内cGMP生成、イノシトールリン酸
産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化,c−
fosの活性化などを促進する活性または抑制する活性
など)を有する化合物(いわゆるG蛋白質共役型レセプ
ターアゴニスト)と該細胞刺激活性を有しない化合物
(いわゆるG蛋白質共役型レセプターアンタゴニスト)
などが含まれる。すなわち、(i)G蛋白質共役型レ
セプター蛋白質もしくはその塩または部分ペプチドもし
くはその塩およびリガンドを接触させた場合と(ii)
G蛋白質共役型レセプター蛋白質もしくはその塩また
は部分ペプチドもしくはその塩、リガンドおよび試
験化合物を接触させた場合との比較を行なうことを特徴
とするリガンドとG蛋白質共役型レセプター蛋白質との
結合を阻害する化合物またはその塩のスクリーニング方
法を提供する。該スクリーニング方法においては、
(i)G蛋白質共役型レセプター蛋白質または部分ペ
プチドおよびリガンドを接触させた場合と(ii)G
蛋白質共役型レセプター蛋白質または部分ペプチド、
リガンドおよび試験化合物を接触させた場合におけ
る、例えば該G蛋白質共役型レセプター蛋白質または該
部分ペプチドに対するリガンドの結合量、細胞刺激活性
などを測定して、比較することを特徴とする。
【0045】より具体的には、 標識したリガンドを、G蛋白質共役型レセプター蛋白
質またはその部分ペプチドに接触させた場合と、標識し
たリガンドおよび試験化合物をG蛋白質共役型レセプタ
ー蛋白質またはその部分ペプチドに接触させた場合にお
ける、標識リガンドの該蛋白質またはその部分ペプチド
もしくはその塩に対する結合量を測定し、比較すること
を特徴とするリガンドとG蛋白質共役型レセプター蛋白
質との結合を阻害する化合物またはその塩のスクリーニ
ング方法、 標識リガンドを、G蛋白質共役型レセプター蛋白質を
含有する細胞または該細胞の膜画分に接触させた場合
と、標識したリガンドおよび試験化合物をG蛋白質共役
型レセプター蛋白質を含有する細胞または該細胞の膜画
分に接触させた場合における、標識リガンドの該細胞ま
たは該膜画分に対する結合量を測定し、比較することを
特徴とするリガンドとG蛋白質共役型レセプター蛋白質
との結合を阻害する化合物またはその塩のスクリーニン
グ方法、 標識リガンドを、G蛋白質共役型レセプター蛋白質を
コードするDNAを含有する形質転換体を培養すること
によって細胞膜上に発現したG蛋白質共役型レセプター
蛋白質に接触させた場合と、標識したリガンドおよび試
験化合物をG蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードす
るDNAを含有する形質転換体を培養することによって
細胞膜上に発現したG蛋白質共役型レセプター蛋白質に
接触させた場合における、標識リガンドの該G蛋白質共
役型レセプター蛋白質に対する結合量を測定し、比較す
ることを特徴とするリガンドとG蛋白質共役型レセプタ
ー蛋白質との結合を阻害する化合物またはその塩のスク
リーニング方法、 G蛋白質共役型レセプター蛋白質を活性化する化合物
(例えば、G蛋白質共役型レセプター蛋白質に対するリ
ガンドなど)を、G蛋白質共役型レセプター蛋白質を含
有する細胞に接触させた場合と、G蛋白質共役型レセプ
ターを活性化する化合物および試験化合物をG蛋白質共
役型レセプター蛋白質を含有する細胞に接触させた場合
における、G蛋白質共役型レセプターを介した細胞刺激
活性(例えば、アラキドン酸遊離、アセチルコリン遊
離、細胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生成、細胞内c
GMP生成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変
動、細胞内蛋白質のリン酸化、c−fosの活性化など
を促進する活性または抑制する活性など)を測定し、比
較することを特徴とするリガンドとG蛋白質共役型レセ
プター蛋白質との結合を阻害する化合物またはその塩の
スクリーニング方法、および G蛋白質共役型レセプターを活性化する化合物(例え
ば、G蛋白質共役型レセプター蛋白質に対するリガンド
など)を、G蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードす
るDNAを含有する形質転換体を培養することによって
細胞膜上に発現したG蛋白質共役型レセプター蛋白質に
接触させた場合と、G蛋白質共役型レセプターを活性化
する化合物および試験化合物をG蛋白質共役型レセプタ
ー蛋白質をコードするDNAを含有する形質転換体を培
養することによって細胞膜上に発現したG蛋白質共役型
レセプター蛋白質に接触させた場合における、G蛋白質
共役型レセプターを介する細胞刺激活性(例えば、アラ
キドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+
離、細胞内cAMP生成、細胞内cGMP生成、イノシ
トールリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリ
ン酸化、c−fosの活性化などを促進する活性または
抑制する活性など)を測定し、比較することを特徴とす
るリガンドとG蛋白質共役型レセプター蛋白質との結合
を阻害する化合物またはその塩のスクリーニング方法を
提供する。
【0046】このスクリーニング方法の具体的な説明を
以下にする。まず、本発明のスクリーニング方法に用い
るG蛋白質共役型レセプター蛋白質としては、G蛋白質
共役型レセプター蛋白質またはその部分ペプチドを含有
するものであれば何れのものであってもよいが、温血動
物の臓器の膜画分が好適である。しかし、特にヒト由来
の臓器は入手が極めて困難なことから、スクリーニング
に用いられるものとしては、組換え体を用いて大量発現
させたG蛋白質共役型レセプター蛋白質が適している。
G蛋白質共役型レセプター蛋白質を製造するには、前述
の方法が用いられるが、該蛋白質をコードするDNAを
哺乳動物細胞や昆虫細胞で発現することにより行うこと
ができる。目的部分をコードするDNA断片には相補D
NAが用いられるが、必ずしもこれに制約されるもので
はない。例えば遺伝子断片や合成DNAを用いてもよ
い。G蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードするDN
A断片を宿主動物細胞に導入し、それらを効率よく発現
させるためには、該DNA断片を昆虫を宿主とするバキ
ュロウイルスに属する核多角体病ウイルス(nuclear po
lyhedrosis virus;NPV)のポリヘドリンプロモータ
ー、SV40由来のプロモーター、レトロウイルスのプ
ロモーター、メタロチオネインプロモーター、ヒトヒー
トショックプロモーター、サイトメガロウイルスプロモ
ーターなどの下流に組み込むのが好ましい。発現したレ
セプターの量と質の検査はそれ自体公知の方法で行うこ
とができる。例えば、文献〔Nambi,P.ら、ザ・ジャー
ナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(J. Biol.
Chem.),267巻,19555〜19559頁,1992年〕に記載の方法
に従って行うことができる。したがって、スクリーニン
グ方法において、G蛋白質共役型レセプター蛋白質また
はその部分ペプチドを含有するものとしては、それ自体
公知の方法に従って精製したG蛋白質共役型レセプター
蛋白質または該G蛋白質共役型レセプター蛋白質の部分
ペプチドであってもよいし、該蛋白質を含有する細胞を
用いてもよく、また該蛋白質を含有する細胞の膜画分を
用いてもよい。
【0047】スクリーニング方法において、G蛋白質共
役型レセプター蛋白質を含有する細胞を用いる場合、該
細胞をグルタルアルデヒド、ホルマリンなどで固定化し
てもよい。固定化方法はそれ自体公知の方法に従って行
うことができる。G蛋白質共役型レセプター蛋白質を含
有する細胞としては、G蛋白質共役型レセプター蛋白質
を発現した宿主細胞をいうが、該宿主細胞としては、大
腸菌、枯草菌、酵母、昆虫細胞、動物細胞などが挙げら
れる。膜画分としては、細胞を破砕した後、それ自体公
知の方法で得られる細胞膜が多く含まれる画分のことを
いう。細胞の破砕方法としては、Potter−Elvehjem型ホ
モジナイザーで細胞を押し潰す方法、ワーリングブレン
ダーやポリトロン(Kinematica社製)による破砕、超音
波による破砕、フレンチプレスなどで加圧しながら細胞
を細いノズルから噴出させることによる破砕などが挙げ
られる。細胞膜の分画には、分画遠心分離法や密度勾配
遠心分離法などの遠心力による分画法が主として用いら
れる。例えば、細胞破砕液を低速(500rpm〜30
00rpm)で短時間(通常、約1分〜10分)遠心
し、上清をさらに高速(15000rpm〜30000
rpm)で通常30分〜2時間遠心し、得られる沈澱を
膜画分とする。該膜画分中には、発現したG蛋白質共役
型レセプター蛋白質と細胞由来のリン脂質や膜蛋白質な
どの膜成分が多く含まれる。該G蛋白質共役型レセプタ
ー蛋白質を含有する細胞や膜画分中のG蛋白質共役型レ
セプター蛋白質の量は、1細胞当たり103〜108分子
であるのが好ましく、105〜107分子であるのが好適
である。なお、発現量が多いほど膜画分当たりのリガン
ド結合活性(比活性)が高くなり、高感度なスクリーニ
ング系の構築が可能になるばかりでなく、同一ロットで
大量の試料を測定できるようになる。
【0048】リガンドとG蛋白質共役型レセプターとの
結合を阻害する化合物をスクリーニングする前記の〜
を実施するためには、適当なG蛋白質共役型レセプタ
ー画分と、標識したリガンドが必要である。G蛋白質共
役型レセプター画分としては、天然型のG蛋白質共役型
レセプター画分か、またはそれと同等の活性を有する組
換え型G蛋白質共役型レセプター画分などが望ましい。
ここで、同等の活性とは、同等のリガンド結合活性など
を示す。標識したリガンドとしては、標識したリガン
ド、標識したリガンドアナログ化合物などが用いられ
る。例えば〔3H〕、〔125I〕、〔14C〕、〔35S〕な
どで標識されたリガンドなどを利用することができる。
具体的には、リガンドとG蛋白質共役型レセプター蛋白
質との結合を阻害する化合物のスクリーニングを行うに
は、まずG蛋白質共役型レセプター蛋白質を含有する細
胞または細胞の膜画分を、スクリーニングに適したバッ
ファーに懸濁することによりレセプター標品を調製す
る。バッファーには、pH4〜10(望ましくはpH6
〜8)のリン酸バッファー、トリス−塩酸バッファーな
どのリガンドXとレセプターとの結合を阻害しないバッ
ファーであればいずれでもよい。また、非特異的結合を
低減させる目的で、CHAPS、Tween−80
TM(花王−アトラス社)、ジギトニン、デオキシコレー
トなどの界面活性剤をバッファーに加えることもでき
る。さらに、プロテアーゼによるレセプターやリガンド
の分解を抑える目的でPMSF、ロイペプチン、E−6
4(ペプチド研究所製)、ペプスタチンなどのプロテア
ーゼ阻害剤を添加することもできる。0.01ml〜10m
lの該レセプター溶液に、一定量(5000cpm〜5
00000cpm)の標識したリガンドを添加し、同時
に10-4M〜10-10 Mの試験化合物を共存させる。非
特異的結合量(NSB)を知るために大過剰の未標識の
リガンドを加えた反応チューブも用意する。反応は0℃
から50℃、望ましくは4℃から37℃で20分から2
4時間、望ましくは30分から3時間行う。反応後、ガ
ラス繊維濾紙等で濾過し、適量の同バッファーで洗浄し
た後、ガラス繊維濾紙に残存する放射活性を液体シンチ
レーターまたはγ−カウンターで計測する。拮抗する物
質がない場合のカウント(B0)からNSBを引いたカウ
ント(B0−NSB)を100%とした時、特異的結合
量(B−NSB)が例えば50%以下になる試験化合物
を拮抗阻害能力のある候補物質として選択することがで
きる。
【0049】リガンドとG蛋白質共役型レセプター蛋白
質との結合を阻害する化合物スクリーニングする前記の
〜の方法を実施するためには、G蛋白質共役型レセ
プター蛋白質を介する細胞刺激活性(例えば、アラキド
ン酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca遊離、細胞
内cAMP生成、細胞内cGMP生成、イノシトールリ
ン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、
c−fosの活性化などを促進する活性または抑制する
活性など)を公知の方法または市販の測定用キットを用
いて測定することができる。具体的には、まず、G蛋白
質共役型レセプター蛋白質を含有する細胞をマルチウェ
ルプレート等に培養する。スクリーニングを行なうにあ
たっては前もって新鮮な培地あるいは細胞に毒性を示さ
ない適当なバッファーに交換し、試験化合物などを添加
して一定時間インキュベートした後、細胞を抽出あるい
は上清液を回収して、生成した産物をそれぞれの方法に
従って定量する。細胞刺激活性の指標とする物質(例え
ば、アラキドン酸など)の生成が、細胞が含有する分解
酵素によって検定困難な場合は、該分解酵素に対する阻
害剤を添加してアッセイを行なってもよい。また、cA
MP産生抑制などの活性については、フォルスコリンな
どで細胞の基礎的産生量を増大させておいた細胞に対す
る産生抑制作用として検出することができる。細胞刺激
活性を測定してスクリーニングを行なうには、適当なG
蛋白質共役型レセプター蛋白質を発現した細胞が必要で
ある。G蛋白質共役型レセプター蛋白質を発現した細胞
としては、天然型のG蛋白質共役型レセプター蛋白質を
有する細胞株(例えば、マウス膵臓β細胞株MIN6な
ど)、前述の組換え型G蛋白質共役型レセプター蛋白質
発現細胞株などが望ましい。試験化合物としては、例え
ばペプチド、タンパク、非ペプチド性化合物、合成化合
物、発酵生産物などが挙げられ、これら化合物は新規な
化合物であってもよいし、公知の化合物であってもよ
い。
【0050】リガンドとG蛋白質共役型レセプター蛋白
質との結合を阻害する化合物またはその塩のスクリーニ
ング用キットは、G蛋白質共役型レセプター蛋白質また
はその部分ペプチド、G蛋白質共役型レセプター蛋白質
を含有する細胞、あるいはG蛋白質共役型レセプター蛋
白質を含有する細胞の膜画分を含有するものである。ス
クリーニング用キットの例としては、次のものが挙げら
れる。 1.スクリーニング用試薬 測定用緩衝液および洗浄用緩衝液 Hanks' Balanced Salt Solution(ギブコ社製)に、0.
05%のウシ血清アルブミン(シグマ社製)を加えたも
の。孔径0.45μmのフィルターで濾過滅菌し、4℃
で保存するか、あるいは用時調製しても良い。 G蛋白質共役型レセプター標品 G蛋白質共役型レセプター蛋白質を発現させたCHO細
胞を、12穴プレートに5×105個/穴で継代し、3
7℃、5%CO2、95%airで2日間培養したも
の。 標識リガンド 市販の〔3H〕、〔125I〕、〔14C〕、〔35S〕などで
標識したリガンド 水溶液の状態のものを4℃あるいは−20℃にて保存
し、用時に測定用緩衝液にて1μMに希釈する。 リガンド標準液 リガンドを0.1%ウシ血清アルブミン(シグマ社製)
を含むPBSで1mMとなるように溶解し、−20℃で
保存する。
【0051】2.測定法 12穴組織培養用プレートにて培養したG蛋白質共役
型レセプター蛋白質を発現させたCHO細胞を、測定用
緩衝液1mlで2回洗浄した後、490μlの測定用緩
衝液を各穴に加える。 10-3〜10-10Mの試験化合物溶液を5μl加えた
後、標識リガンドを5μl加え、室温にて1時間反応さ
せる。非特異的結合量を知るためには試験化合物のかわ
りに10-3Mのリガンドを5μl加えておく。 反応液を除去し、1mlの洗浄用緩衝液で3回洗浄す
る。細胞に結合した標識リガンドを0.2N NaOH
−1%SDSで溶解し、4mlの液体シンチレーターA
(和光純薬製)と混合する。 液体シンチレーションカウンター(ベックマン社製)
を用いて放射活性を測定し、Percent Maximum Binding
(PMB)を次の式〔数1〕で求める。
【0052】
【数1】
【0053】PMB:Percent Maximum Binding B :検体を加えた時の値 NSB:Non-specific Binding(非特異的結合量) B0 :最大結合量 スクリーニング方法またはスクリーニング用キットを用
いて得られる化合物またはその塩は、リガンドとG蛋白
質共役型レセプターとの結合を阻害する化合物であり、
具体的にはG蛋白質共役型レセプターを介して細胞刺激
活性を有する化合物またはその塩(いわゆるG蛋白質共
役型レセプターアゴニスト)、あるいは該刺激活性を有
しない化合物(いわゆるG蛋白質共役型レセプターアン
タゴニスト)である。該化合物としては、ペプチド、タ
ンパク、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物
などが挙げられ、これら化合物は新規な化合物であって
もよいし、公知の化合物であってもよい。
【0054】該G蛋白質共役型レセプターアゴニスト
は、G蛋白質共役型レセプター蛋白質に対するリガンド
が有する生理活性と同様の作用を有しているので、該リ
ガンド活性に応じて安全で低毒性な医薬組成物として有
用である。逆に、G蛋白質共役型レセプターアンタゴニ
ストは、G蛋白質共役型レセプター蛋白質に対するリガ
ンドが有する生理活性を抑制することができるので、該
リガンド活性を抑制する安全で低毒性な医薬組成物とし
て有用である。スクリーニング方法またはスクリーニン
グ用キットを用いて得られる化合物またはその塩を上述
の医薬組成物として使用する場合、常套手段に従って実
施することができる。例えば、必要に応じて糖衣を施し
た錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、マイクロカプセル
剤などとして経口的に、あるいは水もしくはそれ以外の
薬学的に許容し得る液との無菌性溶液、または懸濁液剤
などの注射剤の形で非経口的に使用できる。例えば、該
化合物またはその塩を生理学的に認められる担体、香味
剤、賦形剤、ベヒクル、防腐剤、安定剤、結合剤などと
ともに一般に認められた製薬実施に要求される単位用量
形態で混和することによって製造することができる。こ
れら製剤における有効成分量は指示された範囲の適当な
容量が得られるようにするものである。
【0055】錠剤、カプセル剤などに混和することがで
きる添加剤としては、例えばゼラチン、コーンスター
チ、トラガント、アラビアゴムのような結合剤、結晶性
セルロースのような賦形剤、コーンスターチ、ゼラチ
ン、アルギン酸などのような膨化剤、ステアリン酸マグ
ネシウムのような潤滑剤、ショ糖、乳糖またはサッカリ
ンのような甘味剤、ペパーミント、アカモノ油またはチ
ェリーのような香味剤などが用いられる。調剤単位形態
がカプセルである場合には、前記タイプの材料にさらに
油脂のような液状担体を含有することができる。注射の
ための無菌組成物は注射用水のようなベヒクル中の活性
物質、胡麻油、椰子油などのような天然産出植物油など
を溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施にしたが
って処方することができる。注射用の水性液としては生
理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液(例
えば、D−ソルビトール、D−マンニトール、塩化ナト
リウムなど)などがあげられ、適当な溶解補助剤、たと
えばアルコール(たとえばエタノール)、ポリアルコー
ル(たとえばプロピレングリコール、ポリエチレングリ
コール)、非イオン性界面活性剤(たとえばポリソルベ
ート80(TM)、HCO−50)などと併用してもよ
い。油性液としてはゴマ油、大豆油などがあげられ、溶
解補助剤として安息香酸ベンジル、ベンジルアルコール
などと併用してもよい。また、緩衝剤(例えば、リン酸
塩緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝液)、無痛化剤(例え
ば、塩化ベンザルコニウム、塩酸プロカインなど)、安
定剤(例えば、ヒト血清アルブミン、ポリエチレングリ
コールなど)、保存剤(例えば、ベンジルアルコール、
フェノールなど)、酸化防止剤などと配合してもよい。
調整された注射液は通常、適当なアンプルに充填され
る。このようにして得られる製剤は安全で低毒性である
ので、例えば温血哺乳動物(例えば、ラット、ウサギ、
ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サル、ヒトなど)に
対して投与することができる。該化合物またはその塩の
投与量は、症状などにより差異はあるが、経口投与の場
合、一般的に成人(60kgとして)においては、一日
につき約0.1〜100mg、好ましくは1.0〜50
mg、より好ましくは1.0〜20mgである。非経口
的に投与する場合は、その1回投与量は投与対象、対象
臓器、症状、投与方法などによっても異なるが、たとえ
ば注射剤の形では通常成人(60kgとして)において
は、一日につき約0.01〜30mg程度、好ましくは
0.1〜20mg程度、より好ましくは0.1〜10m
g程度を静脈注射により投与するのが好都合である。他
の動物の場合も、60kg当たりに換算した量を投与す
ることができる。
【0056】(5)本発明のG蛋白質共役型レセプター
蛋白質もしくはその塩または本発明のG蛋白質共役型レ
セプター蛋白質の部分ペプチドもしくはその塩に対する
抗体または抗血清の製造 本発明のG蛋白質共役型レセプター蛋白質もしくはその
塩または本発明のG蛋白質共役型レセプター蛋白質の部
分ペプチドもしくはその塩に対する抗体または抗血清
は、本発明のG蛋白質共役型レセプター蛋白質もしくは
その塩または本発明のG蛋白質共役型レセプター蛋白質
の部分ペプチドもしくはその塩を抗原として用い、自体
公知の抗体の製造法に従って製造することができる。例
えば、モノクローナル抗体は、後述の方法に従って製造
することができる。
【0057】〔モノクローナル抗体の作製〕 (a)モノクロナール抗体産生細胞の作製 本発明のG蛋白質共役型レセプター蛋白質もしくはその
塩または本発明のG蛋白質共役型レセプター蛋白質の部
分ペプチドもしくはその塩(以下、G蛋白質共役型レセ
プターと略称する場合がある)は、温血動物に対して投
与により抗体産生が可能な部位にそれ自体あるいは担
体、希釈剤とともに投与される。投与に際して抗体産生
能を高めるため、完全フロイントアジュバントや不完全
フロイントアジュバントを投与してもよい。投与は通常
2〜6週毎に1回ずつ、計2〜10回程度行われる。用
いられる温血動物としては、たとえばサル、ウサギ、イ
ヌ、モルモット、マウス、ラット、ヒツジ、ヤギ、ニワ
トリがあげられるが、マウスおよびラットが好ましく用
いられる。モノクローナル抗体産生細胞の作製に際して
は、抗原を免疫された温血動物、たとえばマウスから抗
体価の認められた個体を選択し最終免疫の2〜5日後に
脾臓またはリンパ節を採取し、それらに含まれる抗体産
生細胞を骨髄腫細胞と融合させることにより、モノクロ
ーナル抗体産生ハイブリドーマを調製することができ
る。抗血清中の抗体価の測定は、例えば後記の標識化G
蛋白質共役型レセプターと抗血清とを反応させたのち、
抗体に結合した標識剤の活性を測定することによりなさ
れる。融合操作は既知の方法、たとえばケーラーとミル
スタインの方法〔ネイチャー(Nature)、256、495 (197
5)〕に従い実施できる。融合促進剤としてはポリエチレ
ングリコール(PEG)やセンダイウィルスなどが挙げ
られるが、好ましくはPEGが用いられる。骨髄腫細胞
としてはたとえばNS−1、P3U1、SP2/0、A
P−1などがあげられるが、P3U1が好ましく用いら
れる。用いられる抗体産生細胞(脾臓細胞)数と骨髄腫
細胞数との好ましい比率は1:1〜20:1程度であ
り、PEG(好ましくはPEG1000〜PEG600
0)が10〜80%程度の濃度で添加され、20〜40
℃、好ましくは30〜37℃で1〜10分間インキュベ
ートすることにより効率よく細胞融合を実施できる。抗
G蛋白質共役型レセプター抗体産生ハイブリドーマのス
クリーニングには種々の方法が使用できるが、たとえば
G蛋白質共役型レセプター抗原を直接あるいは担体とと
もに吸着させた固相(例、マイクロプレート)にハイブ
リドーマ培養上清を添加し、次に放射性物質や酵素など
で標識した抗免疫グロブリン抗体(細胞融合に用いられ
る細胞がマウスの場合、抗マウス免疫グロブリン抗体が
用いられる)またはプロテインAを加え、固相に結合し
た抗G蛋白質共役型レセプターモノクローナル抗体を検
出する方法、抗免疫グロブリン抗体またはプロテインA
を吸着させた固相にハイブリドーマ培養上清を添加し、
放射性物質や酵素などで標識したG蛋白質共役型レセプ
ターを加え、固相に結合した抗G蛋白質共役型レセプタ
ーモノクローナル抗体を検出する方法などがあげられ
る。抗G蛋白質共役型レセプターモノクローナル抗体の
選別は、自体公知あるいはそれに準じる方法に従って行
なうことができる。通常HAT(ヒポキサンチン、アミ
ノプテリン、チミジン)を添加した動物細胞用培地で行
なわれる。選別および育種用培地としては、ハイブリド
ーマが生育できるものならばどのような培地を用いても
良い。例えば、1〜20%、好ましくは10〜20%の
牛胎児血清を含むRPMI 1640培地、1〜10%
の牛胎児血清を含むGIT培地(和光純薬工業(株))
あるいはハイブリドーマ培養用無血清培地(SFM−1
01、日水製薬(株))などを用いることができる。培
養温度は、通常20〜40℃、好ましくは約37℃であ
る。培養時間は、通常5日〜3週間、好ましくは1週間
〜2週間である。培養は、通常5%炭酸ガス下で行なわ
れる。ハイブリドーマ培養上清の抗体価は、上記の抗血
清中の抗G蛋白質共役型レセプター抗体価の測定と同様
にして測定できる。
【0058】(b)モノクロナール抗体の精製 抗G蛋白質共役型レセプターモノクローナル抗体の分離
精製は通常のポリクローナル抗体の分離精製と同様に免
疫グロブリンの分離精製法〔例、塩析法、アルコール沈
殿法、等電点沈殿法、電気泳動法、イオン交換体(例、
DEAE)による吸脱着法、超遠心法、ゲルろ過法、抗
原結合固相あるいはプロテインAあるいはプロテインG
などの活性吸着剤により抗体のみを採取し、結合を解離
させて抗体を得る特異的精製法〕に従って行われる。以
上の(1)および(2)の方法に従って製造させる本発
明のG蛋白質共役型レセプター抗体は、G蛋白質共役型
レセプターを特異的に認識することができるので、被検
液中のG蛋白質共役型レセプターの定量、特にサンドイ
ッチ免疫測定法による定量などに使用することができ
る。すなわち、本発明は、例えば、
【0059】(i)本発明のG蛋白質共役型レセプター
に反応する抗体と、被検液および標識化G蛋白質共役型
レセプターとを競合的に反応させ、該抗体に結合した標
識化G蛋白質共役型レセプターの割合を測定することを
特徴とする被検液中のG蛋白質共役型レセプターの定量
法、(ii)被検液と担体上に不溶化した抗体および標識
化された抗体とを同時あるいは連続的に反応させたの
ち、不溶化担体上の標識剤の活性を測定することを特徴
とする被検液中のG蛋白質共役型レセプターの定量法に
おいて、一方の抗体がG蛋白質共役型レセプターのN端
部を認識する抗体で、他方の抗体がG蛋白質共役型レセ
プターのC端部に反応する抗体であることを特徴とする
被検液中のG蛋白質共役型レセプターの定量法を提供す
る。本発明のG蛋白質共役型レセプターを認識するモノ
クローナル抗体(以下、抗G蛋白質共役型レセプター抗
体と称する場合がある)を用いてG蛋白質共役型レセプ
ターの測定を行なえるほか、組織染色等による検出を行
なうこともできる。これらの目的には、抗体分子そのも
のを用いてもよく、また、抗体分子のF(ab')2 、F
ab'、あるいはFab画分を用いてもよい。本発明の
抗体を用いる測定法は、 特に制限されるべきものでは
なく、被測定液中の抗原量(例えばG蛋白質共役型レセ
プター量)に対応した抗体、抗原もしくは抗体−抗原複
合体の量を化学的または物理的手段により検出し、これ
を既知量の抗原を含む標準液を用いて作製した標準曲線
より算出する測定法であれば、いずれの測定法を用いて
もよい。例えば、ネフロメトリー、競合法、イムノメト
リック法およびサンドイッチ法が好適に用いられるが、
感度、特異性の点で、後述するサンドイッチ法を用いる
のが特に好ましい。
【0060】標識物質を用いる測定法に用いられる標識
剤としては、放射性同位元素、酵素、蛍光物質、発光物
質などが挙げられる。放射性同位元素としては、例えば
125I〕、〔131I〕、〔3H〕、〔14C〕などが、上
記酵素としては、安定で比活性の大きなものが好まし
く、例えばβ−ガラクトシダーゼ、β−グルコシダー
ゼ、アルカリフォスファターゼ、パーオキシダーゼ、リ
ンゴ酸脱水素酵素等が、蛍光物質としては、フルオレス
カミン、フルオレッセンイソチオシアネートなどが、発
光物質としては、ルミノール、ルミノール誘導体、ルシ
フェリン、ルシゲニンなどがそれぞれ挙げられる。さら
に、抗体あるいは抗原と標識剤との結合にビオチン−ア
ビジン系を用いることもできる。抗原あるいは抗体の不
溶化に当っては、物理吸着を用いてもよく、また通常蛋
白質あるいは酵素等を不溶化、固定化するのに用いられ
る化学結合を用いる方法でもよい。担体としては、アガ
ロース、デキストラン、セルロースなどの不溶性多糖
類、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、シリコン等の
合成樹脂、あるいはガラス等が挙げられる。サンドイッ
チ法においては不溶化した抗G蛋白質共役型レセプター
抗体に被検液を反応させ(1次反応)、さらに標識化抗
G蛋白質共役型レセプター抗体を反応させ(2次反応)
たのち、不溶化担体上の標識剤の活性を測定することに
より被検液中のG蛋白質共役型レセプター量を定量する
ことができる。1次反応と2次反応は逆の順序に行って
も、また、同時に行なってもよいし時間をずらして行な
ってもよい。標識化剤および不溶化の方法は前記のそれ
らに準じることができる。また、サンドイッチ法による
免疫測定法において、固相用抗体あるいは標識用抗体に
用いられる抗体は必ずしも1種類である必要はなく、測
定感度を向上させる等の目的で2種類以上の抗体の混合
物を用いてもよい。
【0061】本発明のサンドイッチ法によるG蛋白質共
役型レセプターの測定法においては、1次反応と2次反
応に用いられる抗G蛋白質共役型レセプター抗体はG蛋
白質共役型レセプターの結合する部位が相異なる抗体が
好ましく用いられる。即ち、1次反応および2次反応に
用いられる抗体は、例えば、2次反応で用いられる抗体
が、G蛋白質共役型レセプターのC端部を認識する場
合、1次反応で用いられる抗体は、好ましくはC端部以
外、例えばN端部を認識する抗体が用いられる。本発明
のG蛋白質共役型レセプター抗体をサンドイッチ法以外
の測定システム、例えば、競合法、イムノメトリック法
あるいはネフロメトリーなどに用いることができる。競
合法では、被検液中の抗原と標識抗原とを抗体に対して
競合的に反応させたのち、未反応の標識抗原と(F)と
抗体と結合した標識抗原(B)とを分離し(B/F分
離)、B,Fいずれかの標識量を測定し、被検液中の抗
原量を定量する。本反応法には、抗体として可溶性抗体
を用い、B/F分離をポリエチレングリコール、前記抗
体に対する第2抗体などを用いる液相法、および、第1
抗体として固相化抗体を用いるか、あるいは、第1抗体
は可溶性のものを用い第2抗体として固相化抗体を用い
る固相化法とが用いられる。イムノメトリック法では、
被検液中の抗原と固相化抗原とを一定量の標識化抗体に
対して競合反応させた後固相と液相を分離するか、ある
いは、被検液中の抗原と過剰量の標識化抗体とを反応さ
せ、次に固相化抗原を加え未反応の標識化抗体を固相に
結合させたのち、固相と液相を分離する。次に、いずれ
かの相の標識量を測定し被検液中の抗原量を定量する。
また、ネフロメトリーでは、ゲル内あるいは溶液中で抗
原抗体反応の結果生じた不溶性の沈降物の量を測定す
る。被検液中の抗原量が僅かであり、少量の沈降物しか
得られない場合にもレーザーの散乱を利用するレーザー
ネフロメトリーなどが好適に用いられる。これら個々の
免疫学的測定法を本発明の測定方法に適用するにあたっ
ては、特別の条件、操作等の設定は必要とされない。そ
れぞれの方法における通常の条件、操作法に当業者の通
常の技術的配慮を加えてG蛋白質共役型レセプターの測
定系を構築すればよい。これらの一般的な技術手段の詳
細については、総説、成書などを参照することができる
〔例えば、入江 寛編「ラジオイムノアッセイ〕(講談
社、昭和49年発行)、入江 寛編「続ラジオイムノア
ッセイ〕(講談社、昭和54年発行)、石川栄治ら編
「酵素免疫測定法」(医学書院、昭和53年発行)、石
川栄治ら編「酵素免疫測定法」(第2版)(医学書院、
昭和57年発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」
(第3版)(医学書院、昭和62年発行)、「Methods
in ENZYMOLOGY」 Vol. 70(Immunochemical Techniques(P
art A))、同書 Vol. 73(Immunochemical Techniques(Pa
rt B))、 同書 Vol. 74(Immunochemical Techniques(Pa
rt C))、 同書 Vol. 84(Immunochemical Techniques(Pa
rtD:Selected Immunoassays))、 同書 Vol. 92(Immunoc
hemical Techniques(PartE:Monoclonal Antibodies and
General Immunoassay Methods))、 同書 Vol. 121(Imm
unochemical Techniques(Part I:Hybridoma Technology
and Monoclonal Antibodies))(以上、アカデミックプ
レス社発行)など参照〕。以上のように、本発明のG蛋
白質共役型レセプター抗体を用いることによって、G蛋
白質共役型レセプターを感度良く定量することができ
る。
【0062】本発明のヒトCRF2レセプター蛋白質と
しては、配列番号:3または配列番号:14で表される
アミノ酸配列を有する蛋白質などの他に、配列番号:3
または配列番号:14で表されるアミノ酸配列と約97
〜99.9%の相同性を有するアミノ酸配列を有し、配
列番号:3または配列番号:14で表されるアミノ酸配
列を有する蛋白質と実質的に同質の活性を有する蛋白質
などが挙げられる。実質的に同質の活性としては、例え
ばリガンド結合活性、シグナル情報伝達などが挙げられ
る。実質的に同質とは、リガンド結合活性などが性質的
に同質であることを示す。したがって、リガンド結合活
性の強さなどの強弱、レセプター蛋白質の分子量などの
量的要素は異なっていてもよい。より具体的には、本発
明のヒトCRF2レセプター蛋白質としては、配列番
号:3または配列番号:14で表されるアミノ酸配列を
有するヒト胃由来のCRF2レセプター蛋白質などが挙
げられる。また、本発明のヒトCRF2レセプター蛋白
質としては、配列番号:3または配列番号:14で表さ
れるアミノ酸配列中の1または2個以上のアミノ酸が欠
失したアミノ酸配列、配列番号:3または配列番号:1
4で表されるアミノ酸配列に1または2個以上のアミノ
酸が付加したアミノ酸配列を含有する蛋白質なども挙げ
られる。さらに具体的には、本発明のヒトCRF2レセ
プター蛋白質としては、配列番号:3または配列番号:
14で表されるアミノ酸配列を有するヒト胃由来のCR
2レセプター蛋白質などの他に、配列番号:3または
配列番号:14で表されるアミノ酸配列中の1または2
個以上(好ましくは、2個以上30個以下、より好まし
くは2個以上10個以下)のアミノ酸が欠失したもの、
配列番号:3または配列番号:14で表されるアミノ酸
配列に1または2個以上(好ましくは、2個以上30個
以下、より好ましくは2個以上10個以下)のアミノ酸
が付加したもの、配列番号:3または配列番号:14で
表されるアミノ酸配列中の1または2個以上(好ましく
は、2個以上30個以下、より好ましくは2個以上10
個以下)のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたものな
どが挙げられる。さらに、本発明のヒトCRF2レセプ
ター蛋白質には、N末端のMetが保護基(例えば、ホル
ミル基、アセチル基などのC1-6アシル基など)で保護
されているもの、GluのN末端側が生体内で切断され、
該Gluがピログルタミン化したもの、分子内のアミノ酸
の側鎖が適当な保護基(例えば、ホルミル基、アセチル
基などのC1-6アシル基など)で保護されているもの、
あるいは糖鎖が結合したいわゆる糖蛋白質などの複合蛋
白質なども含まれる。
【0063】本発明のヒトCRF2レセプター蛋白質の
塩としては、とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が
好ましい。この様な塩としては、例えば無機酸(例え
ば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸)との塩、あるい
は有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル
酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ
酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスル
ホン酸)との塩などが用いられる。本発明のヒトCRF
2レセプター蛋白質またはその塩は、後述するヒトCR
2レセプター蛋白質をコードするDNAを含有する形
質転換体を培養することによっても製造することができ
る。また、後述のペプチド合成法に準じて製造すること
もできる。本発明のヒトCRF2レセプター蛋白質の部
分ペプチドとしては、例えば、本発明のヒトCRF2
セプター蛋白質分子のうち、細胞膜の外に露出している
部位などが用いられる。具体的には、〔図4〕または
〔図8〕で示される本発明のヒトCRF2レセプター蛋
白質の疎水性プロット解析において細胞外領域(親水性
(Hydrophilic)部位)であると分析された部分を含む
ペプチドである。また、疎水性(Hydrophobic)部位を
一部に含むペプチドも同様に用いることができる。個々
のドメインを個別に含むペプチドも用い得るが、複数の
ドメインを同時に含む部分のペプチドでも良い。本発明
のヒトCRF2レセプター蛋白質の部分ペプチドの塩と
しては、とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が好ま
しい。この様な塩としては、例えば無機酸(例えば、塩
酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸)との塩、あるいは有機
酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マ
レイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚
酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン
酸)との塩などが用いられる。
【0064】本発明のヒトCRF2レセプター蛋白質の
部分ペプチドまたはその塩は、自体公知のペプチドの合
成法に従って、あるいは本発明のヒトCRF2レセプタ
ー蛋白質を適当なペプチダーゼで切断することによって
製造することができる。ペプチドの合成法としては、例
えば固相合成法、液相合成法のいずれによっても良い。
すなわち、本発明の蛋白質を構成し得る部分ペプチドも
しくはアミノ酸と残余部分とを縮合させ、生成物が保護
基を有する場合は保護基を脱離することにより目的のペ
プチドを製造することができる。公知の縮合方法や保護
基の脱離としてはたとえば、以下の〜に記載された
方法が挙げられる。 M. Bodanszky および M.A. Ondetti、ペプチド シン
セシス (Peptide Synthesis), Interscience Publisher
s, New York (1966年) SchroederおよびLuebke、ザ ペプチド(The Peptide),
Academic Press, New York (1965年) 泉屋信夫他、ペプチド合成の基礎と実験、 丸善(株)
(1975年) 矢島治明 および榊原俊平、生化学実験講座 1、 タン
パク質の化学IV、 205、(1977年) 矢島治明監修、続医薬品の開発 第14巻 ペプチド合成
広川書店 また、反応後は通常の精製法、たとえば、溶媒抽出・蒸
留・カラムクロマトグラフィー・液体クロマトグラフィ
ー・再結晶などを組み合わせて本発明のタンパク質を精
製単離することができる。上記方法で得られる蛋白質が
遊離体である場合は、公知の方法によって適当な塩に変
換することができるし、逆に塩で得られた場合は、公知
の方法によって遊離体に変換することができる。
【0065】本発明のヒトCRF2レセプター蛋白質を
コードするDNAとしては、本発明の配列番号:3また
は配列番号:14のアミノ酸配列と実質的に同一のアミ
ノ酸配列を含有するヒトCRF2レセプター蛋白質をコ
ードする塩基配列を含有するものであればいかなるもの
であってもよい。また、ヒトゲノムDNA、ヒトゲノム
DNAライブラリー、ヒト組織・細胞由来のcDNA、
ヒト組織・細胞由来のcDNAライブラリー、合成DN
Aのいずれでもよい。ライブラリーに使用するベクター
はバクテリオファージ、プラスミド、コスミド、ファー
ジミドなどいずれであってもよい。また、組織・細胞よ
りmRNA画分を調製したものを用いて直接Reverse Tr
anscription Polymerase Chain Reaction(以下、RT-
PCR法と略称する。)によって増幅することもでき
る。RT−PCRは、より具体的には、DNAプライマ
ーとしては、配列番号:4または配列番号:15で表わ
される塩基配列(センス配列またはアンチセンス配列)
を有する合成DNAなどが用いられる。
【0066】本発明のヒトCRF2レセプター蛋白質を
完全にコードするDNAのクローニングの手段として
は、ヒトCRF2レセプター蛋白質の部分塩基配列を有
する合成DNAプライマーを用いてPCR法によって増
幅するか、または適当なベクターに組み込んだDNAを
ヒトヒトCRF2レセプター蛋白質の一部あるいは全領
域を有するDNA断片もしくは合成DNAを用いて標識
したものとのハイブリダイゼーションによって選別す
る。ハイブリダイゼーションの方法は、例えば Molecul
ar Cloning 2nd(ed.;J. Sambrook et al., Cold Spr
ing Harbor Lab. Press, 1989)に記載の方法などに従
って行われる。また、市販のライブラリーを使用する場
合、添付の使用説明書に記載の方法に従って行う。クロ
ーン化されたヒトCRF2レセプター蛋白質をコードす
るDNAは目的によりそのまま、または所望により制限
酵素で消化したり、リンカーを付加したりして使用する
ことができる。該DNAはその5’末端側に翻訳開始コ
ドンとしてのATGを有し、また3’末端側には翻訳終
止コドンとしてのTAA、TGAまたはTAGを有して
いてもよい。これらの翻訳開始コドンや翻訳終止コドン
は、適当な合成DNAアダプターを用いて付加すること
もできる。ヒトCRF2レセプター蛋白質の発現ベクタ
ーは、例えば、(イ)本発明のヒトCRF2レセプター
蛋白質をコードするDNAから目的とするDNA断片を
切り出し、(ロ)該DNA断片を適当な発現ベクター中
のプロモーターの下流に連結することにより製造するこ
とができる。
【0067】ベクターとしては、大腸菌由来のプラスミ
ド(例、pBR322,pBR325,pUC118,
pUC119)、枯草菌由来のプラスミド(例、pUB
110,pTP5,pC194)、酵母由来プラスミド
(例、pSH19,pSH15)、λファージなどのバ
クテリオファージ、レトロウイルス,ワクシニアウイル
ス,バキュロウイルスなどの動物ウイルスなどが用いら
れる。本発明で用いられるプロモーターとしては、遺伝
子の発現に用いる宿主に対応して適切なプロモーターで
あればいかなるものでもよい。形質転換する際の宿主が
エシェリヒア属菌である場合は、trp プロモーター、la
c プロモーター、recAプロモーター、λPLプロモー
ター、lpp プロモーターなどが、宿主がバチルス属菌で
ある場合は、SPO1プロモーター、SPO2プロモー
ター、penPプロモーターなど、宿主が酵母である場合
は、PHO5プロモーター、PGKプロモーター、GA
Pプロモーター、ADHプロモーターなどが好ましい。
宿主が動物細胞である場合には、SV40由来のプロモ
ーター、レトロウイルスのプロモーター、メタロチオネ
インプロモーター、ヒートショックプロモーター、サイ
トメガロウイルスプロモーター、SRαプロモーターな
どがそれぞれ利用できる。なお、発現にエンハンサーの
利用も効果的である。また、必要に応じて、宿主に合っ
たシグナル配列を、ヒトCRF2レセプター蛋白質のN
端末側に付加することもできる。宿主がエシェリヒア属
菌である場合は、アルカリフォスファターゼ・シグナル
配列、OmpA・シグナル配列などが、宿主がバチルス属
菌である場合は、α−アミラーゼ・シグナル配列、サブ
チリシン・シグナル配列などが、宿主が酵母である場合
は、メイテイングファクターα・シグナル配列、インベ
ルターゼ・シグナル配列など、宿主が動物細胞である場
合には、例えばインシュリン・シグナル配列、α−イン
ターフェロン・シグナル配列、抗体分子・シグナル配列
などがそれぞれ利用できる。
【0068】このようにして構築されたヒトCRF2
セプター蛋白質をコードするDNAを含有するベクター
を用いて、形質転換体を製造する。宿主としては、たと
えばエシェリヒア属菌、バチルス属菌、酵母、昆虫、動
物細胞などが用いられる。エシェリヒア属菌、バチルス
属菌の具体例としては、エシェリヒア・コリ(Escheric
hia coli)K12・DH1〔プロシージングズ・オブ・
ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・
オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. U
SA),60巻,160(1968)〕,JM103〔ヌ
クレイック・アシッズ・リサーチ,(Nucleic Acids Re
search),9巻,309(1981)〕,JA221〔ジ
ャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー(Journa
l ofMolecular Biology),120巻,517(197
8)〕,HB101〔ジャーナル・オブ・モレキュラー
・バイオロジー(Journal of Molecular Biology),4
1巻,459(1969)〕,C600〔ジェネティック
ス(Genetics),39巻,440(1954)〕などが用
いられる。バチルス属菌としては、たとえばバチルス・
サチルス(Bacillus subtilis)MI114〔ジーン(G
ene),24巻,255(1983)〕,207−21
〔ジャーナル・オブ・バイオケミストリー(Journal of
Biochemistry),95巻,87(1984)〕などが用
いられる。酵母としては、たとえばサッカロマイセス
セレビシエ(Saccaromyces cerevisiae)AH22,AH
22R-,NA87−11A,DKD−5D,20B−
12などが用いられる。昆虫としては、例えばカイコの
幼虫などが用いられる〔前田ら、ネイチャー(Natur
e),315巻,592(1985)〕。動物細胞として
は、たとえばサル細胞COS−7,Vero細胞,チャイニ
ーズハムスター細胞CHO,DHFR遺伝子欠損チャイ
ニーズハムスター細胞CHO(dhfr-CHO細
胞),CHO K−1細胞,ヒトFL細胞,293細
胞,L細胞,ミエローマ細胞,C127細胞,Balb
/c3T3細胞,Sp−2/0細胞などが用いられる。
【0069】エシェリヒア属菌を形質転換するには、た
とえばプロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカ
デミー・オブ・サイエンジイズ・オブ・ザ・ユーエスエ
ー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),69巻,21
10(1972)やジーン(Gene),17巻,107(1
982)などに記載の方法に従って行なわれる。バチル
ス属菌を形質転換するには、たとえばモレキュラー・ア
ンド・ジェネラル・ジェネティックス(Molecular & G
eneral Genetics),168巻,111(1979)など
に記載の方法に従って行われる。酵母を形質転換するに
は、たとえばプロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル
・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユー
エスエー(Proc. Natl.Acad. Sci. USA),75巻,
1929(1978)に記載の方法に従って行なわれる。
昆虫細胞を形質転換するには、たとえばバイオ/テクノ
ロジー(Bio/Technology),6, 47-55(1988))などに記
載の方法に従って行なわれる。動物細胞を形質転換する
には、たとえばヴィロロジー(Virology),52巻,4
56(1973)に記載の方法に従って行なわれる。以上
の宿主細胞の中でも、本発明のヒトCRF2レセプター
蛋白質DNAを含有する発現プラスミドの宿主細胞とし
ては、特に、動物細胞などが好ましく、例えば293細
胞、CHO細胞、Vero細胞、L細胞、ミエローマ細
胞、C127細胞、Balb/c3T3細胞、Sp-2
/O細胞などが挙げられ、なかでもCHO細胞または2
93細胞などが好ましく、特にCHO細胞〔ジャーナル
・オブ・エクスペリメント・オブ・メディソン(J. Ex
p. Med.)、108巻、945(1958)〕などが好
適である。さらに、CHO細胞のなかでも、dhfr遺
伝子が欠損しているCHO細胞(以下、CHO(dhf
-)細胞と略称する場合がある)〔プロシージングズ
・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエン
シイズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad.
Sci. USA)、77巻、4216−4220(198
0)〕、CHO K−1細胞〔プロシージングズ・オブ
・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ
・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci.
USA)、60巻、1275(1968)〕などが好ま
しい。発現プラスミド中に選択マーカーとしてdhfr
遺伝子が挿入されている場合は、CHO(dhfr-
細胞などが好適である。発現プラスミドの動物細胞への
導入方法としては、公知の方法、例えばリン酸カルシウ
ム法〔Graham, F. L. and van der Eb, A. J. ヴィロロ
ジー(Virology)52, 456-467 (1973)〕、電気穿孔法〔Ne
umann, E. et al. エンボ・ジャーナル(EMBO J.) 1, 84
1-845 (1982)〕等が用いられる。以上のようにしてヒト
CRF2レセプター蛋白質DNAを含有するベクターで
形質転換された形質転換体が得られる。また、ヒトCR
2レセプター蛋白質DNAを含有する発現プラスミド
で形質転換された形質転換体は、ヒトCRF2レセプタ
ー蛋白質を製造することができる。
【0070】ヒトCRF2レセプター蛋白質を高発現で
きる細胞は、前述の発現プラスミドが染色体に組込まれ
た細胞をクローン選択によって選択することによって得
ることができる。具体的には、まず、上記の選択マーカ
ーを指標として形質転換体を選択する。さらに、このよ
うに選択マーカーを用いて得られた形質転換体に対し
て、繰り返しクローン選択を行うことによりヒトCRF
2レセプター蛋白質の高発現能を安定に有する細胞株を
得ることができる。またdhfr遺伝子を選択マーカー
として用いた場合、メソトレキセート(MTX)の濃度
を漸次上げて培養して耐性細胞を選択することにより、
導入遺伝子を細胞内で増幅することにより、さらに高発
現の細胞株を得ることもできる。本発明のヒトCRF2
レセプター蛋白質および本発明のヒトCRF2レセプタ
ー蛋白質を含有する細胞は、本発明のヒトCRF2レセ
プター蛋白質DNAを含有するベクター(特に、発現プ
ラスミド)を含有する形質転換体を、ヒトCRF2レセ
プター蛋白質をコードするDNAの発現が可能な条件下
で培養することによっても製造することができる。宿主
細胞がエシェリヒア属菌、バチルス属菌である形質転換
体を培養する際、培養に使用される培地としては液体培
地が適当であり、その中には該形質転換体の生育に必要
な炭素源、窒素源、無機物その他が含有せしめられる。
炭素源としては、たとえばグルコース、デキストリン、
可溶性澱粉、ショ糖など、窒素源としては、たとえばア
ンモニウム塩類、硝酸塩類、コーンスチープ・リカー、
ペプトン、カゼイン、肉エキス、大豆粕、バレイショ抽
出液などの無機または有機物質、無機物としてはたとえ
ば塩化カルシウム、リン酸二水素ナトリウム、塩化マグ
ネシウムなどが挙げられる。また、酵母、ビタミン類、
生長促進因子などを添加してもよい。培地のpHは約5
〜8が望ましい。エシェリヒア属菌を培養する際の培地
としては、例えばグルコース、カザミノ酸を含むM9培
地〔ミラー(Miller),ジャーナル・オブ・エクスペリ
メンツ・イン・モレキュラー・ジェネティックス(Jour
nal of Experiments in Molecular Genetics),431−
433,Cold Spring Harbor Laboratory, New York
1972〕が好ましい。ここに必要によりプロモーター
を効率よく働かせるために、たとえば3β−インドリル
アクリル酸のような薬剤を加えることができる。宿主
細胞がエシェリヒア属菌の場合、培養は通常約15〜4
3℃で約3〜24時間行い、必要により、通気や撹拌を
加えることもできる。宿主がバチルス属菌の場合、培養
は通常約30〜40℃で約6〜24時間行ない、必要に
より通気や撹拌を加えることもできる。宿主が酵母であ
る形質転換体を培養する際、培地としては、たとえばバ
ークホールダー(Burkholder)最小培地〔Bostian, K.
L. ら、プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・ア
カデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエス
エー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),77巻,4
505(1980)〕や0.5%カザミノ酸を含有するS
D培地〔Bitter, G. A. ら、プロシージングズ・オブ・
ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・
オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. U
SA),81巻,5330(1984)〕が挙げられ
る。培地のpHは約5〜8に調整するのが好ましい。培
養は通常約20℃〜35℃で約24〜72時間行い、必
要に応じて通気や撹拌を加える。宿主細胞が昆虫である
形質転換体を培養する際、培地としては、Grace's Inse
ct Medium〔Grace, T.C.C.,ネイチャー(Nature),195,
788(1962)〕に非働化した10%ウシ血清等の添加物を
適宜加えたものなどが用いられる。培地のpHは約6.
2〜6.4に調整するのが好ましい。培養は通常約27
℃で約3〜5日間行い、必要に応じて通気や撹拌を加え
る。宿主が動物細胞である形質転換体を培養する際、培
地としては、たとえば約0.5〜20%の胎児牛血清を
含むEMEM培地〔サイエンス(Seience),122
巻,501(1952)〕,DMEM培地〔ヴィロロジー
(Virology),8巻,396(1959)〕,RPMI
1640培地〔ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・メ
ディカル・アソシエーション(The Jounal of the Amer
ican Medical Association)199巻,519(196
7)〕,199培地〔プロシージング・オブ・ザ・ソサ
イエティ・フォー・ザ・バイオロジカル・メディスン
(Proceeding of the Society for the Biological Med
icine),73巻,1(1950)〕,α−MEM培地な
どが用いられる。特に、CHO(dhfr-)細胞およ
びdhfr選択マーカー遺伝子を用いる場合、チミジン
をほとんど含まない透析ウシ胎児血清を含むDMEM培
地を用いるのが好ましい。pHは約6〜8であるのが好
ましい。培養は通常約30℃〜40℃で約15〜72時
間行い、必要に応じて培地の交換、通気、撹拌などを加
える。このようにして、ヒトCRF2レセプター蛋白質
をコードするDNAを含有するベクター(特に、発現プ
ラスミド)を保持する形質転換体からヒトCRF2レセ
プター蛋白質を含有する細胞を製造することができる。
【0071】上記したヒトCRF2レセプター蛋白質を
含有する細胞の培養物からヒトCRF2レセプター蛋白
質またはその部分ペプチドを分離精製するには、例えば
下記の方法により行なうことができる。まず、ヒトCR
2レセプター蛋白質を培養菌体あるいは細胞から抽出
するに際しては、培養後、公知の方法で菌体あるいは細
胞を集め、これを適当な緩衝液に懸濁し、超音波、リゾ
チームおよび/または凍結融解などによって菌体あるい
は細胞を破壊したのち、遠心分離やろ過によりヒトCR
2レセプター蛋白質の粗抽出液を得る方法などが適宜
用い得る。緩衝液の中に尿素や塩酸グアニジンなどのた
んぱく変性剤や、トリトンX−100(登録商標。以
下、TMと省略することがある。)などの界面活性剤が
含まれていてもよい。これらの公知の分離、精製法とし
ては、塩析や溶媒沈澱法などの溶解度を利用する方法、
透析法、限外ろ過法、ゲルろ過法、およびSDS−ポリ
アクリルアミドゲル電気泳動法などの主として分子量の
差を利用する方法、イオン交換クロマトグラフィーなど
の荷電の差を利用する方法、アフィニティークロマトグ
ラフィーなどの特異的新和性を利用する方法、逆相高速
液体クロマトグラフィーなどの疎水性の差を利用する方
法、等電点電気泳動法などの等電点の差を利用する方法
などが用いられる。かくして得られるヒトCRF2レセ
プター蛋白質が遊離体で得られた場合には、自体公知の
方法あるいはそれに準じる方法によって塩に変換するこ
とができ、逆に塩で得られた場合には自体公知の方法あ
るいはそれに準じる方法により、遊離体または他の塩に
変換することができる。なお、組換え体が産生するヒト
CRF2レセプター蛋白質を、精製前または精製後に適
当な蛋白修飾酵素を作用させることにより、任意に修飾
を加えたり、ポリペプチドを部分的に除去することもで
きる。蛋白修飾酵素としては、例えば、トリプシン、キ
モトリプシン、アルギニルエンドペプチダーゼ、プロテ
インキナーゼ、グリコシダーゼなどが用いられる。かく
して生成するヒトCRF2レセプター蛋白質の活性は標
識したCRFなどとの結合実験および特異抗体を用いた
エンザイムイムノアッセイなどにより測定することがで
きる。
【0072】本発明のヒトCRF2レセプター蛋白質を
含有する細胞の細胞膜画分は、上記のヒトCRF2レセ
プター蛋白質を含有する細胞を破砕した後、それ自体公
知の方法で得られる細胞膜が多く含まれる画分のことを
いう。細胞の破砕方法としては、例えば、Potter−Elve
hjem型ホモジナイザーで細胞を押し潰す方法、ワーリン
グブレンダーやポリトロン(Kinematica社)による破
砕、超音波による破砕、フレンチプレスなどで加圧しな
がら細胞を細いノズルから噴出させることによる破砕な
どが挙げられる。細胞膜の分画には、分画遠心分離法や
密度勾配遠心分離法などの遠心力による分画法が主とし
て用いられる。例えば細胞破砕液を低速(500rpm
〜3000rpm)で短時間(通常、約1分〜10分)
遠心し、上清をさらに高速(15000rpm〜300
00rpm)で通常30分〜2時間遠心し、得られる沈
澱を膜画分とする。該膜画分中には、発現したヒトCR
2レセプター蛋白質と細胞由来のリン脂質や膜蛋白質
などの膜成分が多く含まれる。本発明のヒトCRF2
セプター蛋白質を含有する細胞やその細胞膜画分中のヒ
トCRF2レセプター蛋白質の量は、1細胞当たり103
〜108分子であるのが好ましく、105〜107分子で
あるのが好適である。なお、発現量が多いほど膜画分当
たりのリガンド結合活性(比活性)が高くなり、高感度
なスクリーニング系の構築が可能になるばかりでなく、
同一ロットで大量の試料を測定できるようになる。本発
明のヒトCRF2レセプター蛋白質、ヒトCRF2レセプ
ター蛋白質の部分ペプチドおよびヒトCRF2レセプタ
ー蛋白質をコードするDNAは、抗体および抗血清の
入手、組換え型レセプター蛋白質の発現系の構築、
同発現系を用いたレセプター結合アッセイ系の開発と医
薬品候補化合物のスクリーニング、構造的に類似した
リガンド・レセプターとの比較にもとづいたドラッグデ
ザインの実施、遺伝子診断におけるプローブ、PCR
プライマーの作製、遺伝子治療などに用いることがで
きる。特に、本発明のヒトCRF2レセプター蛋白質の
発現系を用いたレセプター結合アッセイ系によって、温
血動物(特に、ヒト)に特異的なCRF2レセプターア
ゴニストまたはアンタゴニストをスクリーニングするこ
とができ、該アゴニストまたはアンタゴニストをCRF
に起因する各種疾病の予防・治療剤などとして使用する
ことができる。
【0073】以下に、本発明のヒトCRF2レセプター
蛋白質、ヒトCRF2レセプター蛋白質部分ペプチド、
ヒトCRF2レセプター蛋白質をコードするDNAの用
途について、具体的に説明する。 (1)CRF2レセプターアゴニストまたはアンタゴニ
ストのスクリーニング方法 CRF2レセプターアゴニストまたはアンタゴニストの
スクリーニング方法においては、ヒトCRF2レセプタ
ー蛋白質としてヒトの心臓や筋肉を用いることも考えら
れる。しかし、ヒト由来の組織は入手が極めて困難であ
るため、スクリーニングに用いるものとしては適当では
なく、実際には、細胞(特に、CHO細胞などの動物細
胞や昆虫細胞)に大量発現させた組換え型ヒトCRF2
レセプター蛋白質が適している。さらには、ヒトCRF
2レセプター蛋白質を持続的に安定発現している細胞株
を用いるのが最も好ましい。したがって、本発明のヒト
CRF2レセプター蛋白質もしくはその塩、本発明のヒ
トCRF2レセプター蛋白質の部分ペプチドもしくはそ
の塩、または本発明のヒトCRF2レセプター蛋白質を
含有する細胞またはその細胞膜画分は、CRF2レセプ
ターアゴニストまたはアンタゴニストのスクリーニング
用試薬として有用である。すなわち、本発明は、本発明
のヒトCRF2レセプター蛋白質もしくはその塩、本発
明のヒトCRF2レセプター蛋白質の部分ペプチドもし
くはその塩、または本発明のヒトCRF2レセプター蛋
白質を含有する細胞またはその細胞膜画分を用いること
を特徴とするCRF2レセプターアゴニストまたはアン
タゴニストのスクリーニング方法を提供する。
【0074】より具体的には、本発明は、 (I)(i)本発明のヒトCRF2レセプター蛋白質、
その部分ペプチドまたはそれらの塩に、CRFを接触さ
せた場合と(ii)本発明のヒトCRF2レセプター蛋白
質、その部分ペプチドまたはそれらの塩に、CRFおよ
び試験化合物を接触させた場合との比較を行なうことを
特徴とするCRF2レセプターアゴニストまたはアンタ
ゴニストのスクリーニング方法、および (II)(i)本発明のヒトCRF2レセプター蛋白質を
含有する細胞またはその細胞膜画分に、CRFを接触さ
せた場合と(ii)本発明のヒトCRF2レセプター蛋白
質を含有する細胞またはその細胞膜画分に、CRFおよ
び試験化合物を接触させた場合との比較を行なうことを
特徴とするCRF2レセプターアゴニストまたはアンタ
ゴニストのスクリーニング方法を提供する。 具体的には、本発明のスクリーニング方法(I)および
(II)においては、(i)と(ii)の場合における、例
えば該ヒトCRF2レセプター蛋白質、その部分ペプチ
ドもしくはそれらの塩、またはヒトCRF2レセプター
蛋白質を含有する細胞もしくはその細胞膜画分に対する
CRFの結合量、細胞刺激活性などを測定して、比較す
ることを特徴とするものである。
【0075】より具体的には、本発明は、 (Ia)(i)標識したCRFを、本発明のヒトCRF
2レセプター蛋白質、その部分ペプチドまたはそれらの
塩に接触させた場合と、(ii)標識したCRFおよび試
験化合物を、本発明のヒトCRF2レセプター蛋白質、
その部分ペプチドまたはそれらの塩に接触させた場合に
おける、標識したCRFの該レセプター蛋白質、その部
分ペプチドまたはそれらの塩に対する結合量を測定し、
比較することを特徴とするヒトCRF2レセプターアゴ
ニストまたはアンタゴニストのスクリーニング方法 (IIa)(i)標識したCRFを、本発明のヒトCRF
2レセプター蛋白質を含有する細胞またはその細胞膜画
分に接触させた場合と、(ii)標識したCRFおよび試
験化合物を、本発明のヒトCRF2レセプター蛋白質を
含有する細胞またはその細胞膜画分に接触させた場合に
おける、標識したCRFの該細胞またはその細胞膜画分
に対する結合量を測定し、比較することを特徴とするヒ
トCRF2レセプターアゴニストまたはアンタゴニスト
のスクリーニング方法、および (IIb)(i)CRFを、本発明のヒトCRF2レセプ
ター蛋白質を含有する細胞またはその細胞膜画分に接触
させた場合と、(ii)CRFおよび試験化合物を、本発
明のヒトCRF2レセプター蛋白質を含有する細胞また
はその細胞膜画分に接触させた場合における、ヒトCR
2レセプターを介した細胞刺激活性(例えば、K+チャ
ンネルの開放、N型Ca2+チャンネルの閉鎖、アラキド
ン酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+濃度の変
動、細胞内cAMP生成の促進または抑制、イノシトー
ルリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸
化、c−fosの活性化、pHの低下、細胞の遊走活
性、ホルモンの分泌、G蛋白質の活性化、細胞増殖など
を促進する活性または抑制する活性など)を測定し、比
較することを特徴とするヒトCRF2レセプターアゴニ
ストまたはアンタゴニストのスクリーニング方法を提供
する。
【0076】上記の(Ia)または(IIa)のスクリー
ニング方法において、ヒトCRF2レセプター蛋白質に
結合して、CRFとヒトCRF2レセプター蛋白質との
結合を阻害する化合物がヒトCRF2レセプターアゴニ
ストまたはアンタゴニストとして選択できる。さらに、
上記(IIb)のスクリーニング方法において、ヒトCR
2レセプターに結合し、該レセプターを介して細胞刺
激活性(例えば、K+チャンネルの開放、N型Ca2+
ャンネルの閉鎖、アラキドン酸遊離、アセチルコリン遊
離、細胞内Ca2+濃度の変動、細胞内cAMP生成、細
胞内cGMP生成の促進または抑制、イノシトールリン
酸産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、c
−fosの活性化、pHの低下、細胞の遊走活性、ホル
モン分泌、G蛋白質の活性化、細胞増殖などを促進する
活性または抑制する活性など)を有する化合物をヒトC
RF2レセプターアゴニストとして選択することができ
る。一方、上記の(Ia)または(IIa)のスクリーニ
ング方法において、CRFとヒトCRF2レセプター蛋
白質との結合を阻害する活性が認められた試験化合物の
中で、該細胞刺激活性を有しない化合物をヒトCRF2
レセプターアンタゴニストとして選択することができ
る。本発明のヒトCRF2レセプター蛋白質をコードす
るcDNAおよびヒトCRF2レセプター蛋白質を含有
する細胞が得られる以前は、ヒトCRF2レセプター蛋
白質を高発現できる細胞がなかったため、ヒトCRF2
レセプターアゴニストまたはアンタゴニストを効率よく
スクリーニングすることができなかった。
【0077】本発明のスクリーニング方法の具体的な説
明を以下にする。リガンドとして使用するCRFとして
は、市販のものなどを用いることができる。また、CR
Fの代わりに、公知のCRFレセプターアゴニストやア
ンタゴニストなどを使用することもできる。例えば、ソ
イベジンやウロテンシンIなどを使用することができ
る。標識したCRFとしては、例えば、〔3H〕、〔125
I〕、〔14C〕などで標識したCRFなどを用いること
ができ、さらには、〔3H〕、〔125I〕、〔14C〕など
で標識した公知のCRFアゴニストやアンタゴニストな
どを用いることもできる。例えば、〔125I〕で標識さ
れたヒツジCRF(NEN Research Products社、NEX
−217)やヒトCRF(NEN Research Products社、
NEX−216)などが好適である。試験化合物として
は、例えばペプチド、タンパク、非ペプチド性化合物、
合成化合物、発酵生産物、細胞抽出液、植物抽出液、動
物組織抽出液などが挙げられ、これら化合物は新規な化
合物であってもよいし、公知の化合物であってもよい。
【0078】具体的には、上記の(Ia)または(II
a)のスクリーニング方法を実施するには、まず、本発
明のヒトCRF2レセプター蛋白質を含有する細胞また
はその細胞膜画分、あるいはヒトCRF2レセプター蛋
白質またはその部分ペプチドを、スクリーニングに適し
た反応バッファーに懸濁することによりレセプター標品
を調製する。反応バッファーには、pH約4〜10(望
ましくは、pH約6〜8)のリン酸バッファー、トリス
−塩酸バッファーなどの、CRFとレセプターとの結合
を阻害しないバッファーであればいずれでもよい。ま
た、非特異的結合を低減させる目的で、CHAPS、T
ween−80TM(花王−アトラス社)、ジギトニン、
デオキシコレートなどの界面活性剤をバッファーに加え
ることもできる。さらに、プロテアーゼによるレセプタ
ーやリガンドの分解を抑える目的で、PMSF、ロイペ
プチン、バシトラシン、アプロチニン、E−64(ペプ
チド研究所製)、ペプスタチンなどのプロテアーゼ阻害
剤を添加することもできる。さらに、蛋白質成分とし
て、約0.01〜5%(好ましくは、0.1〜1%)のB
SA、約0.01〜5%(好ましくは、0.05〜0.5
%)のゼラチンなどを加えることもできる。従来、CR
Fは41個のアミノ酸からなる比較的分子量の大きいペ
プチドであるため、リガンド結合実験の際の反応容器や
ピペットなどに吸着しやすく、正確で感度の高い測定は
容易ではなかった。そこで、本発明の上記(Ia)およ
び(IIa)のスクリーニング方法において、CRFの特
異的結合量を測定するための反応条件としては、本発明
のヒトCRF2レセプター蛋白質またはその部分ペプチ
ド、あるいは本発明のヒトCRF2レセプター蛋白質を
含有する細胞またはその細胞膜画分にCRFを接触させ
る際の反応バッファーの組成、反応時間、反応温度など
をそれぞれ適切に設定することが望ましい。
【0079】反応バッファーの組成中に非特異的結合を
低減させる目的で、界面活性剤や蛋白質を添加すること
が効果的で、特に界面活性剤としては、例えば約0.0
1〜0.05%のCHAPS、約0.05%のジギトニン
を添加することが望ましい。また、蛋白質成分として
は、例えば、約0.2%のBSAまたは約0.3%のゼラ
チンを添加することが望ましい。また、反応温度と反応
時間としては、それぞれ約25℃、約2時間であること
が望ましい。一方、上記スクリーニング方法にヒトCR
2レセプター蛋白質を含有するCHO細胞を用いる場
合、培養器に付着させたまま、つまりCHO細胞を生育
させた状態で、あるいはグルタルアルデヒドやパラホル
ムアルデヒドで固定化した細胞を用いて、CRFとCR
2レセプター蛋白質を結合させることができる。この
場合、該反応バッファーとしては、例えば培地やハンク
ス液などが用いられる。そして、0.01ml〜10m
lの該レセプター溶液に、一定量(例えば、2200C
i/mmolの場合、約10000cpm〜10000
00cpm)の標識したCRF(例えば、〔125I〕C
RF)を添加し、同時に10-4M〜10-10Mの試験化
合物を共存させる。非特異的結合量(NSB)を知るた
めに大過剰の未標識のCRFを加えた反応チューブも用
意する。反応は0℃から50℃、望ましくは4℃から3
7℃で20分から24時間、望ましくは30分から3時
間行なう。反応後、ガラス繊維濾紙等で濾過し、適量の
洗浄用バッファーで洗浄した後、ガラス繊維濾紙に残存
する放射活性(例えば、〔125I〕の量)を液体シンチ
レーションカウンターまたはγ−カウンターで測定す
る。濾過には、マニホールドやセルハーベスターを用い
ることができるが、セルハーベスターを用いることが大
量の試験化合物を処理するためには望ましい。拮抗する
物質がない場合のカウント(B0)から非特異的結合量
(NSB)を引いたカウント(B0−NSB)を100
%とした時、試験化合物を入れた時の特異的結合量(B
−NSB)が、例えばカウント(B0−NSB)の50
%以下になる試験化合物をアゴニストまたはアンタゴニ
スト候補化合物として選択することができる。
【0080】また、上記(IIb)のスクリーニング方法
を実施するためには、ヒトCRF2レセプター蛋白質を
介する細胞刺激活性(例えば、アラキドン酸遊離、アセ
チルコリン遊離、細胞内Ca2+濃度の変動、細胞内cA
MP生成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変動、
細胞内蛋白質のリン酸化、c−fos活性化、pHの低
下、ホルモンの放出、細胞の遊走活性などを促進する活
性または抑制する活性など)を公知の方法または市販の
測定用キットを用いて測定することができる。具体的に
は、まず、ヒトCRF2レセプター蛋白質を含有するC
HO細胞をマルチウェルプレート等に培養する。スクリ
ーニングを行なうにあたっては前もって新鮮な培地ある
いは細胞に毒性を示さない適当なバッファーに交換し、
試験化合物などを添加して一定時間インキュベートした
後、細胞を抽出あるいは上清液を回収して、生成した産
物をそれぞれの方法に従って定量する。細胞刺激活性の
指標とする物質(例えば、cAMPやアラキドン酸な
ど)の生成が、細胞が含有する分解酵素によって検定困
難な場合は、該分解酵素に対する阻害剤を添加してアッ
セイを行なってもよい。
【0081】本発明のスクリーニング用キットは、本発
明のヒトCRF2レセプター蛋白質を含有するCHO細
胞またはその細胞膜画分、あるいは本発明のヒトCRF
2レセプター蛋白質、その部分ペプチドまたはその塩を
含有するものである。本発明のスクリーニング用キット
の例としては、次のものが挙げられる。 〔スクリーニング用試薬〕 測定用緩衝液および洗浄用緩衝液 Hanks' Balanced Salt Solution(ギブコ社製)に、0.
05%のウシ血清アルブミン(シグマ社製)を加えたも
の。孔径0.45μmのフィルターで濾過滅菌し、4℃
で保存するか、あるいは用時調製しても良い。 ヒトCRF2レセプター蛋白質標品 ヒトCRF2レセプター蛋白質を含有するCHO細胞
を、12穴プレートに5×105個/穴で継代し、37
℃、5%CO2、95%airで2日間培養したもの。 標識CRF 市販の〔3H〕、〔125I〕、〔14C〕、〔35S〕などで
標識したCRF 溶液の状態のものを4℃あるいは−20℃にて保存し、
用時に測定用緩衝液にて5nMに希釈する。 CRF標準液 CRFを0.1%ウシ血清アルブミン(シグマ社製)を
含むPBSで0.1mMとなるように溶解し、−20℃
で保存する。
【0082】〔測定法〕 12穴組織培養用プレートにて培養したヒトCRF2
レセプター蛋白質を含有するCHO細胞を、測定用緩衝
液1mlで2回洗浄した後、490μlの測定用緩衝液
を各穴に加える。 10-3〜10-10Mの試験化合物溶液を5μl加えた
後、5nM標識CRFを5μl加え、室温にて1時間反
応させる。非特異的結合量を知るためには試験化合物の
かわりに10-4MのCRFを5μl加えておく。 反応液を除去し、1mlの洗浄用緩衝液で3回洗浄す
る。細胞に結合した標識CRFを0.5mlの0.2N
NaOH−1%SDSで溶解し、4mlの液体シンチレ
ーターA(和光純薬製)と混合する。 液体シンチレーションカウンター(ベックマン社製)
を用いて放射活性を測定し、Percent Maximum Binding
(PMB)を次の式〔数2〕で求める。なお、
125I〕で標識されている場合は、液体シンチレータ
ーと混合することなしに直接ガンマーカウンターで測定
できる。
【0083】
【数2】
【0084】PMB:Percent Maximum Binding B :検体を加えた時の値 NSB:Non-specific Binding(非特異的結合量) B0 :最大結合量 本発明のスクリーニング方法またはスクリーニング用キ
ットを用いて得られる化合物またはその塩は、CRFと
本発明のヒトCRF2レセプター蛋白質との結合を阻害
する化合物であり、具体的には、ヒトCRF2レセプタ
ーを介して細胞刺激活性を有する化合物またはその塩
(いわゆる、ヒトCRF2レセプターアゴニスト)、あ
るいは該細胞刺激活性を有しない化合物またはその塩
(いわゆる、ヒトCRF2レセプターアンタゴニスト)
である。
【0085】ヒトCRF2レセプターアゴニストは、C
RFが有する生理活性の全部または一部を有しているの
で、該生理活性に応じて安全で低毒性な医薬組成物とし
て有用である。例えば、痴呆症、肥満症の予防・治療剤
として有用である他、例えば、ストレスに対する適応促
進剤、ACTH,β−エンドルフィン,β−リポトロピ
ンもしくはα−MSFの分泌促進剤、血圧降下剤、気分
や行動の調節剤、胃腸機能の調節剤、自律神経系の調節
剤、下垂体,心血管系,消化管もしくは中枢神経の機能
検査薬などとして有用である。一方、ヒトCRF2レセ
プターアンタゴニストは、CRFが有する生理活性の全
部または一部を抑制することができるので、該生理活性
を抑制する安全で低毒性な医薬組成物として有用であ
る。例えば、ストレスからくる鬱病・不安・頭痛、炎症
性疾患、免疫抑制、AIDS、アルツハイマー病、胃腸
障害、食欲不振、出血性ストレス、薬物・アルコール等
の禁断症状、薬物依存症、生殖障害、クッシング病、低
血圧症の予防・治療剤などとして有用である。さらに、
本発明のスクリーニング方法またはスクリーニング用キ
ットを用いて得られた該ヒトCRF2レセプターアゴニ
ストまたはアンタゴニストの構造式を化学修飾あるいは
置換したもの、また、該化合物の構造式を基にデザイン
化した化合物なども、本発明のスクリーニング方法また
はスクリーニング用キットを用いて得られたヒトCRF
2レセプターアゴニストまたはアンタゴニストに含まれ
る。該ヒトCRF2レセプターアゴニストまたはアンタ
ゴニストの塩としては、とりわけ生理学的に許容される
酸付加塩が好ましい。このような塩としては、例えば無
機塩(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸)との
塩、あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン
酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン
酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベ
ンゼンスルホン酸)との塩などが用いられる。
【0086】本発明のスクリーニング方法またはスクリ
ーニング用キットを用いて得られるアゴニストまたはア
ンタゴニストを上述の医薬組成物として使用する場合、
常套手段に従って低毒性で安全に使用することができ
る。例えば、必要に応じて糖衣を施した錠剤、カプセル
剤、エリキシル剤、マイクロカプセル剤などとして経口
的に、あるいは水もしくはそれ以外の薬学的に許容し得
る液との無菌性溶液、または懸濁液剤などの注射剤の形
で非経口的に使用できる。例えば、該化合物またはその
塩を生理学的に認められる担体、香味剤、賦形剤、ベヒ
クル、防腐剤、安定剤、結合剤などとともに一般に認め
られた製薬実施に要求される単位用量形態で混和するこ
とによって製造することができる。これら製剤における
有効成分量は指示された範囲の適当な容量が得られるよ
うにするものである。錠剤、カプセル剤などに混和する
ことができる添加剤としては、例えばゼラチン、コーン
スターチ、トラガント、アラビアゴムのような結合剤、
結晶性セルロースのような賦形剤、コーンスターチ、ゼ
ラチン、アルギン酸などのような膨化剤、ステアリン酸
マグネシウムのような潤滑剤、ショ糖、乳糖またはサッ
カリンのような甘味剤、ペパーミント、アカモノ油また
はチェリーのような香味剤などが用いられる。調剤単位
形態がカプセルである場合には、前記タイプの材料にさ
らに油脂のような液状担体を含有することができる。注
射のための無菌組成物は注射用水のようなベヒクル中の
活性物質、胡麻油、椰子油などのような天然産出植物油
などを溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施にし
たがって処方することができる。
【0087】注射用の水溶液としては、例えば生理食塩
水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液(例えば、
D−ソルビトール、D−マンニトール、塩化ナトリウム
など)などがあげられ、適当な溶解補助剤、たとえばア
ルコール(たとえばエタノール)、ポリアルコール(た
とえばプロピレングリコール、ポリエチレングリコー
ル)、非イオン性界面活性剤(たとえばポリソルベート
80(TM)、HCO−50)などと併用してもよい。
油性液としてはゴマ油、大豆油などがあげられ、溶解補
助剤として安息香酸ベンジル、ベンジルアルコールなど
と併用してもよい。また、緩衝剤(例えば、リン酸塩緩
衝液、酢酸ナトリウム緩衝液)、無痛化剤(例えば、塩
化ベンザルコニウム、塩酸プロカインなど)、安定剤
(例えば、ヒト血清アルブミン、ポリエチレングリコー
ルなど)、保存剤(例えば、ベンジルアルコール、フェ
ノールなど)、酸化防止剤などと配合してもよい。調整
された注射液は通常、適当なアンプルに充填される。こ
のようにして得られる製剤は安全で低毒性であるので、
例えば温血哺乳動物(例えば、ラット、ウサギ、ヒツ
ジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サル、ヒトなど、特にヒ
ト)に対して投与することができる。該化合物またはそ
の塩の投与量は、症状などにより差異はあるが、経口投
与の場合、一般的に成人(60kgとして)において
は、一日につき約0.1〜100mg、好ましくは約
1.0〜50mg、より好ましくは約1.0〜20mg
である。非経口的に投与する場合は、その1回投与量は
投与対象、対象臓器、症状、投与方法などによっても異
なるが、たとえば注射剤の形では通常成人(60kgと
して)においては、一日につき約0.01〜30mg程
度、好ましくは約0.1〜20mg程度、より好ましく
は約0.1〜10mg程度を静脈注射により投与するの
が好都合である。他の動物の場合も、60kg当たりに
換算した量を投与することができる。
【0088】(2)CRF2レセプター蛋白質欠乏症の
予防・治療剤 本発明のヒトCRF2レセプター蛋白質をコードするD
NAは、CRF2レセプター蛋白質欠乏症の予防・治療
剤として使用することができる。例えば、生体内におい
て本発明のヒトCRF2レセプター蛋白質が減少してい
るためにCRFの生理作用が期待できない患者がいる場
合に、(イ)本発明のヒトCRF2レセプター蛋白質を
コードするDNAを該患者に投与し、生体内で該ヒトC
RF2レセプター蛋白質を発現させることによって、あ
るいは(ロ)細胞に本発明のヒトCRF2レセプター蛋
白質をコードするDNAを挿入し、該ヒトCRF2レセ
プター蛋白質を発現させた後に、該細胞を該患者に移植
することなどによって、該患者のヒトCRF2レセプタ
ー蛋白質の量を増加させ、CRFの作用を充分に発揮さ
せることができる。したがって、本発明のヒトCRF2
レセプター蛋白質をコードするDNAは、安全で低毒性
なCRF2レセプター蛋白質欠乏症(例えば、高血圧、
自律神経失調症またはストレスなど)の予防・治療剤な
どとして用いることができる。本発明のDNAを上記の
予防・治療剤として使用する場合は、該DNAを単独あ
るいはレトロウイルスベクター、アデノウイルスベクタ
ー、アデノウイルスアソシエーテッドウイルスベクター
などの適当なベクターに挿入した後、常套手段に従って
実施することができる。例えば、必要に応じて糖衣を施
した錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、マイクロカプセ
ル剤などとして経口的に、あるいは水もしくはそれ以外
の薬学的に許容し得る液との無菌性溶液、または懸濁液
剤などの注射剤の形で非経口的に使用できる。例えば、
本発明のDNAを生理学的に認められる担体、香味剤、
賦形剤、ベヒクル、防腐剤、安定剤、結合剤などととも
に一般に認められた製薬実施に要求される単位用量形態
で混和することによって製造することができる。これら
製剤における有効成分量は指示された範囲の適当な容量
が得られるようにするものである。
【0089】錠剤、カプセル剤などに混和することがで
きる添加剤としては、例えばゼラチン、コーンスター
チ、トラガント、アラビアゴムのような結合剤、結晶性
セルロースのような賦形剤、コーンスターチ、ゼラチ
ン、アルギン酸などのような膨化剤、ステアリン酸マグ
ネシウムのような潤滑剤、ショ糖、乳糖またはサッカリ
ンのような甘味剤、ペパーミント、アカモノ油またはチ
ェリーのような香味剤などが用いられる。調剤単位形態
がカプセルである場合には、前記タイプの材料にさらに
油脂のような液状担体を含有することができる。注射の
ための無菌組成物は注射用水のようなベヒクル中の活性
物質、胡麻油、椰子油などのような天然産出植物油など
を溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施にしたが
って処方することができる。注射用の水性液としては生
理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液(例
えば、D−ソルビトール、D−マンニトール、塩化ナト
リウムなど)などがあげられ、適当な溶解補助剤、たと
えばアルコール(たとえばエタノール)、ポリアルコー
ル(たとえばプロピレングリコール、ポリエチレングリ
コール)、非イオン性界面活性剤(たとえばポリソルベ
ート80(TM)、HCO−50)などと併用してもよ
い。油性液としてはゴマ油、大豆油などがあげられ、溶
解補助剤として安息香酸ベンジル、ベンジルアルコール
などと併用してもよい。また、緩衝剤(例えば、リン酸
塩緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝液)、無痛化剤(例え
ば、塩化ベンザルコニウム、塩酸プロカインなど)、安
定剤(例えば、ヒト血清アルブミン、ポリエチレングリ
コールなど)、保存剤(例えば、ベンジルアルコール、
フェノールなど)、酸化防止剤などと配合してもよい。
調整された注射液は通常、適当なアンプルに充填され
る。このようにして得られる製剤は安全で低毒性である
ので、例えば温血哺乳動物(例えば、ラット、ウサギ、
ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サル、ヒトなど、特
にヒト)に対して投与することができる。該DNAの投
与量は、症状などにより差異はあるが、経口投与の場
合、一般的に成人(60kgとして)においては、一日
につき約0.1mg〜100mg、好ましくは約1.0〜
50mg、より好ましくは約1.0〜20mgである。
非経口的に投与する場合は、その1回投与量は投与対
象、対象臓器、症状、投与方法などによっても異なる
が、たとえば注射剤の形では通常成人(60kgとし
て)においては、一日につき約0.01〜30mg程
度、好ましくは約0.1〜20mg程度、より好ましく
は約0.1〜10mg程度を静脈注射により投与するの
が好都合である。他の動物の場合も、60kg当たりに
換算した量を投与することができる。また、本発明のD
NAを細胞に挿入し、該ヒトCRF2レセプター蛋白質
を発現させ、該細胞を患者に移植する方法は、それ自体
公知の方法あるいはそれに準じる方法を用いることがで
きる。
【0090】(3)CRFの定量法 本発明のヒトCRF2レセプター蛋白質もしくはその
塩、または本発明の部分ペプチドまたはその塩は、CR
Fに対して結合性を有しているので、生体内におけるC
RF濃度を感度良く定量する際の試薬として用いること
ができる。すなわち、本発明は、本発明のヒトCRF2
レセプター蛋白質もしくはその塩、または本発明の部分
ペプチドまたはその塩と、被検体とを接触させることを
特徴とする被検体中のCRF濃度の定量法を提供する。
本発明の定量法は、例えば競合法と組み合わせることに
よって用いることができる。具体的には、例えば、以下
のまたはなどに記載の方法あるいはそれに準じる方
法に従って用いることができる。 入江寛編「ラジオイムノアッセイ」(講談社、昭和4
9年発行) 入江寛編「続ラジオイムノアッセイ」(講談社、昭和
54年発行) さらに、本発明のCRFの定量法は、CRF濃度の増減
に起因する疾病(例えば、ストレス、炎症、アルツハイ
マー病、胃腸障害など)の診断方法としても使用でき
る。
【0091】(4)本発明のヒトCRF2レセプター蛋
白質もしくはその塩または本発明のヒトCRF2レセプ
ター蛋白質の部分ペプチドもしくはその塩に対する抗体
または抗血清の製造 本発明のヒトCRF2レセプター蛋白質もしくはその塩
または本発明のヒトCRF2レセプター蛋白質の部分ペ
プチドもしくはその塩に対する抗体(例えば、ポリクロ
ーナル抗体、モノクローナル抗体)または抗血清は、本
発明のヒトCRF2レセプター蛋白質もしくはその塩ま
たは本発明のヒトCRF2レセプター蛋白質の部分ペプ
チドもしくはその塩を抗原として用い、自体公知の抗体
または抗血清の製造法に従って製造することができる。
例えば、モノクローナル抗体は、後述の方法に従って製
造することができる。
【0092】〔モノクローナル抗体の作製〕 (a)モノクロナール抗体産生細胞の作製 本発明のヒトCRF2レセプター蛋白質もしくはその塩
または本発明のヒトCRF2レセプター蛋白質の部分ペ
プチドもしくはその塩(以下、ヒトCRF2レセプター
と略称する場合がある)は、温血動物に対して投与によ
り抗体産生が可能な部位にそれ自体あるいは担体、希釈
剤とともに投与される。投与に際して抗体産生能を高め
るため、完全フロイントアジュバントや不完全フロイン
トアジュバントを投与してもよい。投与は通常2〜6週
毎に1回ずつ、計2〜10回程度行われる。用いられる
温血動物としては、たとえばサル、ウサギ、イヌ、モル
モット、マウス、ラット、ヒツジ、ヤギ、ニワトリがあ
げられるが、マウスおよびラットが好ましく用いられ
る。モノクローナル抗体産生細胞の作製に際しては、抗
原を免疫された温血動物、たとえばマウスから抗体価の
認められた個体を選択し最終免疫の2〜5日後に脾臓ま
たはリンパ節を採取し、それらに含まれる抗体産生細胞
を骨髄腫細胞と融合させることにより、モノクローナル
抗体産生ハイブリドーマを調製することができる。抗血
清中の抗体価の測定は、例えば後記の標識化ヒトCRF
2レセプターと抗血清とを反応させたのち、抗体に結合
した標識剤の活性を測定することによりなされる。融合
操作は既知の方法、たとえばケーラーとミルスタインの
方法〔ネイチャー(Nature)、256、495 (1975)〕に従い
実施できる。融合促進剤としてはポリエチレングリコー
ル(PEG)やセンダイウィルスなどが挙げられるが、
好ましくはPEGが用いられる。骨髄腫細胞としてはた
とえばNS−1、P3U1、SP2/0、AP−1など
があげられるが、P3U1が好ましく用いられる。用い
られる抗体産生細胞(脾臓細胞)数と骨髄腫細胞数との
好ましい比率は1:1〜20:1程度であり、PEG
(好ましくはPEG1000〜PEG6000)が10
〜80%程度の濃度で添加され、20〜40℃、好まし
くは30〜37℃で1〜10分間インキュベートするこ
とにより効率よく細胞融合を実施できる。抗ヒトCRF
2レセプター抗体産生ハイブリドーマのスクリーニング
には種々の方法が使用できるが、たとえばヒトCRF2
レセプター抗原を直接あるいは担体とともに吸着させた
固相(例、マイクロプレート)にハイブリドーマ培養上
清を添加し、次に放射性物質や酵素などで標識した抗免
疫グロブリン抗体(細胞融合に用いられる細胞がマウス
の場合、抗マウス免疫グロブリン抗体が用いられる)ま
たはプロテインAを加え、固相に結合した抗ヒトCRF
2レセプターモノクローナル抗体を検出する方法、抗免
疫グロブリン抗体またはプロテインAを吸着させた固相
にハイブリドーマ培養上清を添加し、放射性物質や酵素
などで標識したヒトCRF2レセプターを加え、固相に
結合した抗ヒトCRF2レセプターモノクローナル抗体
を検出する方法などがあげられる。抗ヒトCRF2レセ
プターモノクローナル抗体の選別は、自体公知あるいは
それに準じる方法に従って行なうことができる。通常H
AT(ヒポキサンチン、アミノプテリン、チミジン)を
添加した動物細胞用培地で行なわれる。選別および育種
用培地としては、ハイビリドーマが生育できるものなら
ばどのような培地を用いても良い。例えば、1〜20
%、好ましくは10〜20%の牛胎児血清を含むRPM
I 1640培地、1〜10%の牛胎児血清を含むGI
T培地(和光純薬工業(株))あるいはハイブリドーマ
培養用無血清培地(SFM−101、日水製薬(株))
などを用いることができる。培養温度は、通常20〜4
0℃、好ましくは約37℃である。培養時間は、通常5
日〜3週間、好ましくは1週間〜2週間である。培養
は、通常5%炭酸ガス下で行なわれる。ハイブリドーマ
培養上清の抗体価は、上記の抗血清中の抗ヒトCRF2
レセプター抗体価の測定と同様にして測定できる。
【0093】(b)モノクロナール抗体の精製 抗ヒトCRF2レセプターモノクローナル抗体の分離精
製は通常のポリクローナル抗体の分離精製と同様に免疫
グロブリンの分離精製法〔例、塩析法、アルコール沈殿
法、等電点沈殿法、電気泳動法、イオン交換体(例、D
EAE)による吸脱着法、超遠心法、ゲルろ過法、抗原
結合固相あるいはプロテインAあるいはプロテインGな
どの活性吸着剤により抗体のみを採取し、結合を解離さ
せて抗体を得る特異的精製法〕に従って行われる。以上
の(1)および(2)の方法に従って製造させる本発明
のヒトCRF2レセプター抗体は、ヒトCRF2レセプタ
ーを特異的に認識することができるので、被検液中のヒ
トCRF2レセプターの定量、特にサンドイッチ免疫測
定法による定量などに使用することができる。すなわ
ち、本発明は、例えば、(i)本発明のヒトCRF2
セプターに反応する抗体と、被検液および標識化ヒトC
RF2レセプターとを競合的に反応させ、該抗体に結合
した標識化ヒトCRF2レセプターの割合を測定するこ
とを特徴とする被検液中のヒトCRF2レセプターの定
量法、(ii)被検液と担体上に不溶化した抗体および標
識化された抗体とを同時あるいは連続的に反応させたの
ち、不溶化担体上の標識剤の活性を測定することを特徴
とする被検液中のヒトCRF2レセプターの定量法にお
いて、一方の抗体がヒトCRF2レセプターのN端部を
認識する抗体で、他方の抗体がヒトCRF2レセプター
のC端部に反応する抗体であることを特徴とする被検液
中のヒトCRF2レセプターの定量法を提供する。本発
明のヒトCRF2レセプターを認識するモノクローナル
抗体(以下、抗ヒトCRF2レセプター抗体と称する場
合がある)を用いてヒトCRF2レセプターの測定を行
なえるほか、組織染色等による検出を行なうこともでき
る。これらの目的には、抗体分子そのものを用いてもよ
く、また、抗体分子のF(ab')2 、Fab'、あるいは
Fab画分を用いてもよい。本発明の抗体を用いる測定
法は、 特に制限されるべきものではなく、被測定液中
の抗原量(例えばヒトCRF2レセプター量)に対応し
た抗体、抗原もしくは抗体−抗原複合体の量を化学的ま
たは物理的手段により検出し、これを既知量の抗原を含
む標準液を用いて作製した標準曲線より算出する測定法
であれば、いずれの測定法を用いてもよい。例えば、ネ
フロメトリー、競合法、イムノメトリック法およびサン
ドイッチ法が好適に用いられるが、感度、特異性の点
で、後述するサンドイッチ法を用いるのが特に好まし
い。
【0094】標識物質を用いる測定法に用いられる標識
剤としては、放射性同位元素、酵素、蛍光物質、発光物
質などが挙げられる。放射性同位元素としては、例えば
125I〕、〔131I〕、〔3H〕、〔14C〕などが、上
記酵素としては、安定で比活性の大きなものが好まし
く、例えばβ−ガラクトシダーゼ、β−グルコシダー
ゼ、アルカリフォスファターゼ、パーオキシダーゼ、リ
ンゴ酸脱水素酵素等が、蛍光物質としては、フルオレス
カミン、フルオレッセンイソチオシアネートなどが、発
光物質としては、ルミノール、ルミノール誘導体、ルシ
フェリン、ルシゲニンなどがそれぞれ挙げられる。さら
に、抗体あるいは抗原と標識剤との結合にビオチン−ア
ビジン系を用いることもできる。抗原あるいは抗体の不
溶化に当っては、物理吸着を用いてもよく、また通常蛋
白質あるいは酵素等を不溶化、固定化するのに用いられ
る化学結合を用いる方法でもよい。担体としては、アガ
ロース、デキストラン、セルロースなどの不溶性多糖
類、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、シリコン等の
合成樹脂、あるいはガラス等が挙げられる。サンドイッ
チ法においては不溶化した抗ヒトCRF2レセプター抗
体に被検液を反応させ(1次反応)、さらに標識化抗ヒ
トCRF2レセプター抗体を反応させ(2次反応)たの
ち、不溶化担体上の標識剤の活性を測定することにより
被検液中のヒトCRF2レセプター量を定量することが
できる。1次反応と2次反応は逆の順序に行っても、ま
た、同時に行なってもよいし時間をずらして行なっても
よい。標識化剤および不溶化の方法は前記のそれらに準
じることができる。また、サンドイッチ法による免疫測
定法において、固相用抗体あるいは標識用抗体に用いら
れる抗体は必ずしも1種類である必要はなく、測定感度
を向上させる等の目的で2種類以上の抗体の混合物を用
いてもよい。
【0095】本発明のサンドイッチ法によるヒトCRF
2レセプターの測定法においては、1次反応と2次反応
に用いられる抗ヒトCRF2レセプター抗体はヒトCR
2レセプターの結合する部位が相異なる抗体が好まし
く用いられる。即ち、1次反応および2次反応に用いら
れる抗体は、例えば、2次反応で用いられる抗体が、ヒ
トCRF2レセプターのC端部を認識する場合、1次反
応で用いられる抗体は、好ましくはC端部以外、例えば
N端部を認識する抗体が用いられる。本発明のヒトCR
2レセプター抗体をサンドイッチ法以外の測定システ
ム、例えば、競合法、イムノメトリック法あるいはネフ
ロメトリーなどに用いることができる。競合法では、被
検液中の抗原と標識抗原とを抗体に対して競合的に反応
させたのち、未反応の標識抗原と(F)と抗体と結合し
た標識抗原(B)とを分離し(B/F分離)、B,Fい
ずれかの標識量を測定し、被検液中の抗原量を定量す
る。本反応法には、抗体として可溶性抗体を用い、B/
F分離をポリエチレングリコール、前記抗体に対する第
2抗体などを用いる液相法、および、第1抗体として固
相化抗体を用いるか、あるいは、第1抗体は可溶性のも
のを用い第2抗体として固相化抗体を用いる固相化法と
が用いられる。イムノメトリック法では、被検液中の抗
原と固相化抗原とを一定量の標識化抗体に対して競合反
応させた後固相と液相を分離するか、あるいは、被検液
中の抗原と過剰量の標識化抗体とを反応させ、次に固相
化抗原を加え未反応の標識化抗体を固相に結合させたの
ち、固相と液相を分離する。次に、いずれかの相の標識
量を測定し被検液中の抗原量を定量する。また、ネフロ
メトリーでは、ゲル内あるいは溶液中で抗原抗体反応の
結果生じた不溶性の沈降物の量を測定する。被検液中の
抗原量僅かであり、少量の沈降物しか得られない場合に
もレーザーの散乱を利用するレーザーネフロメトリーな
どが好適に用いられる。
【0096】これら個々の免疫学的測定法を本発明の測
定方法に適用するにあたっては、特別の条件、操作等の
設定は必要とされない。それぞれの方法における通常の
条件、操作法に当業者の通常の技術的配慮を加えてヒト
CRF2レセプターの測定系を構築すればよい。これら
の一般的な技術手段の詳細については、総説、成書など
を参照することができる〔例えば、入江 寛編「ラジオ
イムノアッセイ〕(講談社、昭和49年発行)、入江
寛編「続ラジオイムノアッセイ〕(講談社、昭和54年
発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(医学書院、
昭和53年発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」
(第2版)(医学書院、昭和57年発行)、石川栄治ら
編「酵素免疫測定法」(第3版)(医学書院、昭和62
年発行)、「Methods in ENZYMOLOGY」 Vol. 70(Immunoc
hemical Techniques(Part A))、 同書 Vol. 73(Immunoc
hemical Techniques(Part B))、 同書 Vol. 74(Immunoc
hemical Techniques(Part C))、 同書 Vol. 84(Immunoc
hemical Techniques(Part D:Selected Immunoassay
s))、 同書 Vol. 92(Immunochemical Techniques(Part
E:Monoclonal Antibodies and General Immunoassay Me
thods))、 同書 Vol. 121(Immunochemical Techniques
(Part I:Hybridoma Technology and Monoclonal Antibo
dies))(以上、アカデミックプレス社発行)など参照〕。
以上のように、本発明のヒトCRF2レセプター抗体を
用いることによって、ヒトCRF2レセプターを感度良
く定量することができる。
【0097】本明細書および図面において、塩基やアミ
ノ酸などを略号で表示する場合、IUPAC−IUB
Commision on Biochemical Nomenclature による略号あ
るいは当該分野における慣用略号に基づくものであり、
その例を下記する。またアミノ酸に関し光学異性体があ
り得る場合は、特に明示しなければL体を示すものとす
る。 DNA :デオキシリボ核酸 cDNA :相補的デオキシリボ核酸 A :アデニン T :チミン G :グアニン C :シトシン RNA :リボ核酸 mRNA :メッセンジャーリボ核酸 dATP :デオキシアデノシン三リン酸 dTTP :デオキシチミジン三リン酸 dGTP :デオキシグアノシン三リン酸 dCTP :デオキシシチジン三リン酸 ATP :アデノシン三リン酸 EDTA :エチレンジアミン四酢酸 SDS :ドデシル硫酸ナトリウム EIA :エンザイムイムノアッセイ Gly :グリシン Ala :アラニン Val :バリン Leu :ロイシン Ile :イソロイシン Ser :セリン Thr :スレオニン Cys :システイン Met :メチオニン Glu :グルタミン酸 Asp :アスパラギン酸 Lys :リジン Arg :アルギニン His :ヒスチジン Phe :フェニルアラニン Tyr :チロシン Trp :トリプトファン Pro :プロリン Asn :アスパラギン Gln :グルタミン pGlu :ピログルタミン酸 Me :メチル基 Et :エチル基 Bu :ブチル基 Ph :フェニル基 TC :チアゾリジン−4(R)−カルボキ
サミド基
【0098】本願明細書の配列表の配列番号は、以下の
配列を示す。 〔配列番号:1〕本発明のヒトCRF2レセプター蛋白
質をコードするcDNAのクローニングに使用した合成
DNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:2〕本発明のヒトCRF2レセプター蛋白
質をコードするcDNAのクローニングに使用した合成
DNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:3〕本発明のヒトCRF2レセプター蛋白
質のアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:4〕本発明のヒトCRF2レセプター蛋白
質をコードするcDNA断片の塩基配列を示す。 〔配列番号:5〕本発明のヒトCRF2レセプター蛋白
質をコードするcDNAのクローニングに使用した合成
DNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:6〕本発明のヒトCRF2レセプター蛋白
質をコードするcDNAのクローニングに使用した合成
DNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:7〕本発明のヒトCRF2レセプター蛋白
質をコードするcDNAのクローニングに使用した合成
DNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:8〕本発明のヒトCRF2レセプター蛋白
質をコードするcDNAのクローニングに使用した合成
DNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:9〕本発明のヒトCRF2レセプター蛋白
質をコードするcDNAのクローニングに使用した合成
DNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:10〕本発明のヒトCRF2レセプター蛋
白質をコードするcDNAのクローニングに使用した合
成DNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:11〕本発明のヒトCRF2レセプター蛋
白質をコードするcDNAのクローニングに使用した合
成DNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:12〕本発明のヒトCRF2レセプター蛋
白質をコードするcDNAのクローニングに使用した合
成DNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:13〕本発明のヒトCRF2レセプター蛋
白質をコードするcDNAのクローニングに使用した合
成DNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:14〕本発明のヒトCRF2レセプター蛋
白質の全アミノ酸配列を示す。 〔配列番号:15〕本発明のヒトCRF2レセプター蛋
白質の全長をコードするcDNA断片の塩基配列を示
す。 後述の実施例4で得られた形質転換体エシェリヒア コ
リ(Escherichia coli) JM109/phs−AH1
は、平成7年6月15日から通商産業省工業技術院生命
工学工業技術研究所(NIBH)に寄託番号FERM
BP−5136として寄託されており、また平成7年6
月12日から財団法人発酵研究所(IFO)にIFO
15827として寄託されている。また、後述の実施例
6で得られた形質転換体エシェリヒア コリ(Escheric
hia coli) JM109/pCRF2−10は、平成7年
9月5日から通商産業省工業技術院生命工学工業技術研
究所(NIBH)に寄託番号FERM BP−5226
として寄託されており、また平成7年8月29日から財
団法人発酵研究所(IFO)にIFO 15868とし
て寄託されている。
【0099】
【実施例】以下に実施例を示して、本発明をより詳細に
説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものでは
ない。
【実施例1】G蛋白質共役型レセプター蛋白質をコード
するDNAを増幅させるための合成DNAプライマーの
製造 公知のヒトカルシトニンレセプター(X82466)、
ヒトパラチロイドホルモンレセプター(X6859
6)、ヒトグルカゴンレセプター(U03469)、ヒ
トグルカゴン−ライクポリペプチド−1レセプター(U
01156)、ラットセクレチンレセプター(X591
32)、ヒトグロースホルモン放出ホルモンレセプター
(L01406)、ヒトピチュイタリーアデニレートサ
イクレース−アクティベートポリペプチドレセプター
(D17516)、ラットピチュイタリーアデニレート
サイクレース−アクティベートポリペプチドレセプター
(Z23279)、ヒトバソアクティブインテスティナ
ルペプチドレセプター(X75299)、ヒトビップ2
レセプター(L36566)、ヒトコルチコトロピン放
出ファクターレセプター(L23332)、およびラッ
トコルチコトロピン放出ファクター2レセプター(U1
6253)の第3および第7膜貫通領域付近のアミノ酸
配列をコードするcDNAの塩基配列をそれぞれ比較
し、それぞれの領域で類似性の高い部分を見いだした
〔図1および図2〕。上記の( )内の略語はDNASIS G
ene/Proteinシークエンスデータベース(CD019、
日立ソフトウエアエンジニアリング)を用いてGenBank/
EMBL Data Bankを検索した際に示される整理番号であ
り、通常Accession numberと呼ばれるものである。特
に、多くのレセプター蛋白質をコードするcDNAで一
致する塩基部分を基準とし、その他の部分においてもな
るべく多くのレセプターcDNAと配列の一致性を高め
るために混合塩基の導入を計画した。この配列をもと
に、共通する塩基配列に相補的である配列番号:1また
は配列番号:2で表わされる塩基配列を有する合成DN
A2本を作製した。 5'−CATTAYTKGATSGYGRCCAACT
WCWNCTGG−3' 〔YはTまたはCを示し、KはGまたはTを示し、Sは
CまたはGを示し、RはAまたはGを示し、WはAまた
はTを示し、NはIを示す。〕(配列番号:1) 5'−GTAGARRAYAGCCACMAMRARN
CCCTGRAA−3' 〔RはAまたはGを示し、YはTまたはCを示し、Mは
AまたはCを示し、NはIを示す。〕(配列番号:2) Y、K、S、R、WおよびMは、合成時に複数の塩基に
混合して合成する。
【0100】
【実施例2】ヒト胃由来poly(A)+RNA画分からのc
DNAの合成 ヒト胃poly(A)+RNA画分(クロンテック社、カタロ
グ番号6548-1)5μgにプライマーとしてランダムDN
Aヘキサマー(BRL社)を加え、モロニイマウス白血
病ウイルスの逆転写酵素(BRL社)により、添付バッ
ファーを用いて相補DNAを合成した。反応後の産物は
エタノール沈殿を行なった後、30μlのTEに溶解し
た。
【0101】
【実施例3】ヒト胃由来cDNAを用いたPCR法によ
る受容体cDNAの増幅 実施例2でヒト胃より調製したcDNA 1μlを鋳型
として使用し、実施例1で合成したDNAプライマーを
用いてPCRによる増幅を行なった。反応液の組成は、
合成DNAプライマー(配列:5'プライマー配列およ
び3'プライマー配列)各100pM、0.25mM dN
TPs(Deoxyribonucleoside triphosphate)、Taq
DNA polymerase 1μlおよび酵素に付属のバッフ
ァー10μlで、総反応溶液量は100μlとした。増
幅のためのサイクルはサーマルサイクラー(パーキン・
エルマー社)を用い、96℃・30秒、45℃・1分、
60℃・3分のサイクルを25回繰り返した。増幅産物
の確認は1.2%アガロースゲル電気泳動およびエチジ
ウムブロミド染色によって行なった。
【0102】
【実施例4】PCR産物のプラスミドベクターへのサブ
クローニングおよび挿入cDNA部分の塩基配列の解読
によるヒトCRF2レセプター候補クローンの選択 実施例3で行なったPCR後の反応産物は1.5%のア
ガロースゲルを用いて分離し、バンドの部分をカミソリ
で切り出した後、エレクトロエリューション、フェノー
ル抽出、エタノール沈殿を行ってDNAを回収した。T
Aクローニングキット(インビトロゲン社)の処方に従
い、回収したDNAをプラスミドベクターpCRTMIIへ
サブクローニングした。これを大腸菌JM109 compe
tent cell(宝酒造株式会社)に導入して形質転換した
のち、cDNA挿入断片を持つクローンをアンピシリ
ン、IPTG(isopropylthio-β-D-galactoside)および
X−gal(5-Bromo-4-chloro-3-indolyl-β-D-galacto
side)を含むLB寒天培地中で選択し、白色を呈するク
ローンのみを滅菌した爪楊枝を用いて分離し、形質転換
体を100クローン得た。個々のクローンをアンピシリ
ンを含むLB培地で一晩培養し、自動プラスミド抽出装
置PI−100(クラボウ)を用いてプラスミドDNA
を調製した。調製したDNAの一部を用いてEcoRI
による切断を行い、挿入されているcDNA断片の大き
さを確認した。残りのDNAの一部をさらにRNase
処理、フェノール・クロロフォルム抽出し、エタノール
沈殿によって濃縮した。塩基配列の決定のための反応は
DyeDeoxy Terminator Cycle Sequencing Kit(ABI
社)を用いて行い、蛍光式自動シーケンサーを用いて解
読した。得られた塩基配列を基に、DNASIS(日立
システムエンジニアリング社)を用いてホモロジー検索
を行なった結果、形質転換体エシェリヒア コリ(Esch
erichiacoli) JM109/phs−AH1の保有する
プラスミドに挿入されたcDNA断片が新規G蛋白質共
役型レセプター蛋白質をコードすることが分かった。該
cDNA断片の塩基配列を〔図3〕に示した。さらに確
認するために、DNASIS(日立システムエンジニア
リング社)を用い、塩基配列をアミノ酸配列に変換した
後〔図3〕、疎水性プロット〔図4〕を行なった結果、
G蛋白質共役型レセプター蛋白質であることを示す疎水
性ドメインが存在することが確認された。また、アミノ
酸配列に基づくホモロジー検索を行なった結果、ラット
CRF2レセプター蛋白質(U16235)と96.6
%、マウスCRF2(CRF−RB)レセプター蛋白質
(U17858)と93.9%、ヒトCRFレセプター
蛋白質(L23332)とは84.5%のホモロジーを
有していた。これは、本発明のcDNA断片が、これま
で報告されていないヒトCRF2レセプター蛋白質をコ
ードしていることを示すものである。上記の( )内の
略語はGenBankにデータとして登録される際の整理番号
であり、通常Accession numberと呼ばれるものである。
【0103】
【実施例5】PCR法によるヒトCRF2レセプターc
DNAの5'側および3'側配列の増幅 ヒト胃 poly(A)+RNA画分(クロンテック社、カタロ
グ番号6548−1)を材料にしてヒトCRF2レセプ
ターcDNAの5'側および3'側配列を増幅させるPC
Rを行った。はじめに Marathon cDNA amplification
キット(クロンテック社、カタログ番号 K1802-1)を用
いて、実施例4で取得したヒトCRF2レセプターcD
NA断片の5'側配列を持つcDNAを増幅させるため
のPCRを行った。プライマーとして実施例4で取得し
たヒトCRF2レセプターcDNA断片の配列(配列番
号:4)に相補的である配列番号:5または配列番号:
6で表される塩基配列を有する合成DNA2本を作製し
た。 N0 5'−ATGAAGAGGAAGAGGCACTTGCGCA−3’ (配列番号:5) N1 5’−CAGTGGAGTAGGTCATGACAATGGC−3’ (配列番号:6) 次にヒト胃 poly(A)+RNA画分 1μgを用いて Mara
thon cDNA amplification キットの方法に従って、鋳型
に用いるための二本鎖cDNAを合成した。続いてこれ
を材料にして1回目のPCRを行った。反応液の組成
は、二本鎖cDNA 5μl、合成DNAプライマー
(N0およびキットに付属しているAP1)各200n
M、200μM dNTP、ExTaq DNA polymerase
(宝酒造)0.5μl、および10×ExTaq用反応バッフ
ァー 5μlで、総反応液量は水を加えて50μlとし
た。増幅のための反応はサーマルサイクラー(パーキン
・エルマー社)を用い、94℃・30秒、60℃・30
秒、68℃・3分のサイクルを30回繰り返した。次に
該反応液0.1μlを鋳型にして2回目のPCRを行っ
た。反応液の組成は、合成プライマー(N1およびキッ
トに付属しているAP2)各200nM、200μM
dNTP、ExTaq DNA polymerase 0.5μl、10
×ExTaq用反応バッファー 5μlで、総反応液量は水を
加えて50μlとした。反応条件は94℃・30秒、6
8℃・3分を25回繰り返した。増幅産物の確認は1.
2%アガロースゲル電気泳動の後、エチジウムブロミド
染色によって行った。特異的に増幅されてきた約350
bpの長さのDNA断片をエレクトロエリューションで
ゲルから回収した。これを実施例4に記載の方法でプラ
スミドベクターpCRIIへクローニング後、塩基配列を
決定した。その結果、回収したDNA断片は、ヒトCR
2レセプターcDNA断片のプライマーN1の位置か
ら5'側に向かって約350bpを含んでいることが判
明した。以上の操作で得られたヒトCRF2レセプター
cDNAの塩基配列の情報を基に、さらに5'および3'
側のDNA断片の増幅を行った。5'側DNA断片の増
幅用には5'-AmpliFINDER RACE Kit(クローンテック
社、カタログ番号 K1800−1)を用いて以下のよ
うに行った。5’側を増幅させるためのプライマーとし
て新たに配列番号:7または配列番号:8で表される塩
基配列を有する合成DNA2本を作製した。 N11 5'−ATGATGGGGCCTTGGTAGATGTAGTCCA CC−3’ (配列番号:7) N12 5'−GCTCCTTGCCAAACCAGCACTGTTCATT CT−3’ (配列番号:8) 次にヒト胃 poly(A)+RNA画分 2μgを用いて5'-A
mpliFINDER RACE Kitの方法に従ってcDNA合成およ
びPCRを行った。cDNA合成の際のプライマーとし
てN11を用いた。また1回目のPCRには、プライマ
ーとしてN12およびキットに付属しているアンカープ
ライマーを使用し、2回目のPCRには先に合成したN
0およびアンカープライマーを使用した。PCR反応の
組成は、合成プライマー各200nM、200μM d
NTP、ExTaq DNA polymerase0.5μl、10×Ex
Taq用反応バッファー 5μlで、総反応液量は水を加え
て50μlとした。1回目のPCRは、94℃・45
秒、55℃・45秒、68℃・3分を30回繰り返し
た。また2回目のPCRは、94℃・45秒、60℃・
45秒、68℃・3分を25回繰り返した。増幅産物を
1.5%アガロースゲル電気泳動で確認した結果、約7
00bpのDNA断片が増幅されていたので、該DNA
断片をエレクトロエリューションでゲルから回収し、実
施例4に記載の方法でプラスミドベクターpCRIIへク
ローニングし、塩基配列を決定した。その結果、回収し
たDNA断片は、ヒトCRF2レセプターcDNA断片
のプライマーN0の位置から、5'側方向約700bp
を含んでいることが判明した。3'側DNA断片の増幅
用には3' RACE System(GIBCO BRL:カタログ番号 837
3SA)を用いて以下のように行った。3'側を増幅させる
ためのプライマーとして新たに配列番号:9、配列番
号:10、または配列番号:11で表される塩基配列を
有する合成DNA3本を作製した。 C1 5'−GAGGACGACCTGTCACAGATCATGT−3’ (配列番号:9) C11 5'−ATTCGCTGTCTGCGGAATGTGATTCACT
GG−3’ (配列番号:10) C12 5’−CTGGAACCTCATCACCACCTTTATCCTG CG−3’ (配列番号:11) 次にヒト胃 poly(A)+RNA画分 1μgを用いて3' R
ACE Systemの方法に従ってcDNAを合成した後、1回
目のPCRをC11およびキットに付属のアンカープラ
イマーを用いて行った。反応液の組成および反応条件
は、前述の5'側DNA断片の増幅と同様の方法で行っ
た。次に2回目のPCRをプライマーにC12およびア
ンカープライマーを用いて同様に行い、3回目のPCR
をプライマーにC1およびアンカープライマーを用いて
同様に行った。増幅産物を1.5%アガロースゲル電気
泳動で確認した結果、約1200bpのDNA断片が増
幅されていたので、該DNA断片を上記の方法で塩基配
列を解析した。その結果、回収したDNA断片は、ヒト
CRF2レセプターcDNA断片のプライマーC1の位
置から3'方向約1200bpを含んでいることが判明
した。以上の操作で配列番号:15で表されるヒトCR
2レセプターcDNAの全コード領域を取得した。こ
れにより、ヒトCRF2レセプターcDNAの全コード
領域の塩基配列が判明し、配列番号:14で表されるヒ
トCRF2レセプター蛋白質の全アミノ酸配列がはじめ
て明らかになった〔図6および図7〕。
【0104】
【実施例6】PCR法によるヒトCRF2レセプターc
DNAの全コード領域を含むDNA断片の増幅 実施例2で調製したヒト胃cDNAを鋳型としてヒトC
RF2レセプター蛋白質の全長をコードするcDNA断
片の増幅を行った。まず、実施例5で判明したヒトCR
2レセプターcDNAの配列を基に、配列番号:12
または配列番号:13で表される塩基配列を有する合成
DNA2本を作製した。 C2−F 5'−GTCGACACGCGGCTGCGGGACGCGATG GA−3’ (配列番号:12) C2−R 5'−GTCGACTGTGCAGGTGGGCGACCGAGG GGTCA−3’ (配列番号:13) C2−Fは、ヒトCRF2レセプターcDNAのスター
トコドンを含む−18〜+5(スタートコドンATGの
Aを+1とする)に対応するセンス配列で、C2−R
は、ヒトCRF2レセプターcDNAのストップコドン
を含む+1258〜+1283に対応するアンチセンス
配列である。また、両方のプライマーには5'末端に制
限酵素部位(SalI)を付加した。PCR反応液の組
成は、ヒト胃cDNA 1μl、合成DNAプライマー
(C2−FおよびC2−R)各200nM、200μM
dNTP、ExTaq DNA polymerase 0.5μl、およ
び10×ExTaq用反応バッファー 5μlで、総反応液量
は水を加えて50μlとした。反応条件は、95℃・3
0秒、70℃・4分を35回繰り返した。反応液を1%
アガロースゲル電気泳動で確認した結果、目的とする大
きさ(約1.3kb)のDNA断片が特異的に増幅され
ていた。該DNA断片をエレクトロエリューションでゲ
ルから回収し、前記の方法でプラスミドベクターpCR
IIへクローニング後、自動塩基配列解析装置370A
(アプライドバイオシステム社)で挿入DNA断片の塩
基配列を解析した。その結果、該DNA断片は、実施例
5で判明したヒトCRF2レセプターcDNAの全コー
ド領域を含有するDNA断片であることが確認された。
ここで得られた複数のクローンの中でpCRF2−10
を以後の実験に使用することとした。pCRF2−10
はヒトCRF2レセプターcDNAの全コード領域が制
限酵素SalIまたはEcoRIで切り出すことができ
るため、ヒトCRF2レセプター発現プラスミドの構
築、DNAプローブの調製等に好適である。
【0105】
【発明の効果】本発明の配列番号:1または配列番号:
2で表される塩基配列と実質的に同一の塩基配列を有す
ることを特徴とするDNAを用いることによって、G蛋
白質共役型レセプター蛋白質をコードするDNAを効率
よく増幅することができる。これによって、G蛋白質共
役型レセプター蛋白質をコードするDNAを効率よくス
クリーニングし、クローニングを行うことができる。本
発明のヒトCRF2レセプター蛋白質は、公知のヒトC
RFレセプター蛋白質のアミノ酸配列とは異なるアミノ
酸配列を有する新規な蛋白質である。本発明のヒトCR
2レセプター蛋白質をコードするDNAおよび該DN
AにコードされるヒトCRF2レセプター蛋白質、その
部分ペプチドまたはヒトCRF2レセプター蛋白質を含
有する細胞もしくはその細胞膜画分は、ヒトCRF2
セプターアゴニストまたはアンタゴニストを効率よくス
クリーニングすることができる。上記のスクリーニング
方法によれば、アゴニストまたはアンタゴニストを有利
に選択することができるので、医薬品を早期に開発する
ことができる。アゴニストは、例えば痴呆症、肥満症の
予防・治療剤、ストレスに対する適応促進剤、ACT
H,β−エンドルフィン,β−リポトロピンもしくはα
−MSFの分泌促進剤、血圧降下剤、気分や行動の調節
剤、胃腸機能の調節剤、自律神経系の調節剤、さらには
下垂体,心血管系,消化管もしくは中枢神経の機能検査
薬などとして有用である。一方、アンタゴニストは、例
えば、ストレスからくる鬱病・不安・頭痛、炎症性疾
患、免疫抑制、AIDS、アルツハイマー病、胃腸障
害、食欲不振、出血性ストレス、さらには薬物・アルコ
ールの禁断症状、薬物依存症、生殖障害、クッシング病
または低血圧症の予防・治療剤などとして有用である。
【0106】
【配列表】
【配列番号:1】 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴:NはIを示す。 配列 CATTAYTKGA TSGYGRCCAA CTWCWNCTGG 30
【0107】
【配列番号:2】 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴:NはIを示す。 配列 GTAGARRAYA GCCACMAMRA RNCCCTGRAA 30
【0108】
【配列番号:3】 配列の長さ:148 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Met Phe Val Glu Gly Cys Tyr Leu His Thr Ala Ile Val Met Thr Tyr 1 5 10 15 Ser Thr Glu Arg Leu Arg Lys Cys Leu Phe Leu Phe Ile Gly Trp Cys 20 25 30 Ile Pro Phe Pro Ile Ile Val Ala Trp Ala Ile Gly Lys Leu Tyr Tyr 35 40 45 Glu Asn Glu Gln Cys Trp Phe Gly Lys Glu Pro Gly Asp Leu Val Asp 50 55 60 Tyr Ile Tyr Gln Gly Pro Ile Ile Leu Val Leu Leu Ile Asn Phe Val 65 70 75 80 Phe Leu Phe Asn Ile Val Arg Ile Leu Met Thr Lys Leu Arg Ala Ser 85 90 95 Thr Thr Ser Glu Thr Ile Gln Tyr Arg Lys Ala Val Lys Ala Thr Leu 100 105 110 Val Leu Leu Pro Leu Leu Gly Ile Thr Tyr Met Leu Phe Phe Val Asn 115 120 125 Pro Gly Glu Asp Asp Leu Ser Gln Ile Met Phe Ile Tyr Phe Asn Ser 130 135 140 Phe Leu Gln Ser 145
【0109】
【配列番号:4】 配列の長さ:444 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 特徴を決定した方法:S 配列 ATGTTTGTGG AAGGCTGCTA CCTGCACACG GCCATTGTCA TGACCTACTC CACTGAGCGC 60 CTGCGCAAGT GCCTCTTCCT CTTCATCGGA TGGTGCATCC CCTTCCCCAT CATCGTCGCC 120 TGGGCCATCG GCAAGCTCTA CTATGAGAAT GAACAGTGCT GGTTTGGCAA GGAGCCTGGC 180 GACCTGGTGG ACTACATCTA CCAAGGCCCC ATCATTCTCG TGCTCCTGAT CAATTTCGTA 240 TTTCTGTTCA ACATCGTCAG GATCCTAATG ACAAAGTTAC GCGCGTCCAC CACATCCGAG 300 ACAATCCAGT ACAGGAAGGC AGTGAAGGCC ACCCTGGTGC TCCTGCCCCT CCTGGGCATC 360 ACCTACATGC TCTTCTTCGT CAATCCCGGG GAGGACGACC TGTCACAGAT CATGTTCATC 420 TATTTCAACT CCTTCCTGCA GTCG 444
【0110】
【配列番号:5】 配列の長さ:25 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 ATGAAGAGGA AGAGGCACTT GCG
CA 25
【0111】
【配列番号:6】 配列の長さ:25 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 CAGTGGAGTA GGTCATGACA ATG
GC 25
【0112】
【配列番号:7】 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 ATGATGGGGC CTTGGTAGAT GTAGTCCACC 30
【0113】
【配列番号:8】 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 GCTCCTTGCC AAACCAGCAC TGT
TCATTCT 30
【0114】
【配列番号:9】 配列の長さ:25 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 GAGGACGACC TGTCACAGAT CAT
GT 25
【0115】
【配列番号:10】 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 ATTCGCTGTC TGCGGAATGT GATTCACTGG 30
【0116】
【配列番号:11】 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 CTGGAACCTC ATCACCACCT TTA
TCCTGCG 30
【0117】
【配列番号:12】 配列の長さ:29 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 GTCGACACGC GGCTGCGGGA CGC
GATGGA 29
【0118】
【配列番号:13】 配列の長さ:32 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 GTCGACTGTG CAGGTGGGCG ACCGAGGGGT CA 32
【0119】
【配列番号:14】 配列の長さ:411 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Met Asp Ala Ala Leu Leu His Ser Leu Leu Glu Ala Asn Cys Ser Leu 1 5 10 15 Ala Leu Ala Glu Glu Leu Leu Leu Asp Gly Trp Gly Pro Pro Leu Asp 20 25 30 Pro Glu Gly Pro Tyr Ser Tyr Cys Asn Thr Thr Leu Asp Gln Ile Gly 35 40 45 Thr Cys Trp Pro Arg Ser Ala Ala Gly Ala Leu Val Glu Arg Pro Cys 50 55 60 Pro Glu Tyr Phe Asn Gly Val Lys Tyr Asn Thr Thr Arg Asn Ala Tyr 65 70 75 80 Arg Glu Cys Leu Glu Asn Gly Thr Trp Ala Ser Lys Ile Asn Tyr Ser 85 90 95 Gln Cys Glu Pro Ile Leu Asp Asp Lys Gln Arg Lys Tyr Asp Leu His 100 105 110 Tyr Arg Ile Ala Leu Val Val Asn Tyr Leu Gly His Cys Val Ser Val 115 120 125 Ala Ala Leu Val Ala Ala Phe Leu Leu Phe Leu Ala Leu Arg Ser Ile 130 135 140 Arg Cys Leu Arg Asn Val Ile His Trp Asn Leu Ile Thr Thr Phe Ile 145 150 155 160 Leu Arg Asn Val Met Trp Phe Leu Leu Gln Leu Val Asp His Glu Val 165 170 175 His Glu Ser Asn Glu Val Trp Cys Arg Cys Ile Thr Thr Ile Phe Asn 180 185 190 Tyr Phe Val Val Thr Asn Phe Phe Trp Met Phe Val Glu Gly Cys Tyr 195 200 205 Leu His Thr Ala Ile Val Met Thr Tyr Ser Thr Glu Arg Leu Arg Lys 210 215 220 Cys Leu Phe Leu Phe Ile Gly Trp Cys Ile Pro Phe Pro Ile Ile Val 225 230 235 240 Ala Trp Ala Ile Gly Lys Leu Tyr Tyr Glu Asn Glu Gln Cys Trp Phe 245 250 255 Gly Lys Glu Pro Gly Asp Leu Val Asp Tyr Ile Tyr Gln Gly Pro Ile 260 265 270 Ile Leu Val Leu Leu Ile Asn Phe Val Phe Leu Phe Asn Ile Val Arg 275 280 285 Ile Leu Met Thr Lys Leu Arg Ala Ser Thr Thr Ser Glu Thr Ile Gln 290 295 300 Tyr Arg Lys Ala Val Lys Ala Thr Leu Val Leu Leu Pro Leu Leu Gly 305 310 315 320 Ile Thr Tyr Met Leu Phe Phe Val Asn Pro Gly Glu Asp Asp Leu Ser 325 330 335 Gln Ile Met Phe Ile Tyr Phe Asn Ser Phe Leu Gln Ser Phe Gln Gly 340 345 350 Phe Phe Val Ser Val Phe Tyr Cys Phe Phe Asn Gly Glu Val Arg Ser 355 360 365 Ala Val Arg Lys Arg Trp His Arg Trp Gln Asp His His Ser Leu Arg 370 375 380 Val Pro Met Ala Arg Ala Met Ser Ile Pro Thr Ser Pro Thr Arg Ile 385 390 395 400 Ser Phe His Ser Ile Lys Gln Thr Ala Ala Val 405 410
【0120】
【配列番号:15】 配列の長さ:1277 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 特徴を決定した方法:S 配列 ACGCGGCTGC GGGACGCGAT GGACGCGGCA CTGCTCCACA GCCTGCTGGA GGCCAACTGC 60 AGCCTGGCGC TGGCTGAAGA GCTGCTCTTG GACGGCTGGG GGCCACCCCT GGACCCCGAG 120 GGTCCCTACT CCTACTGCAA CACGACCTTG GACCAGATCG GAACGTGCTG GCCCCGCAGC 180 GCTGCCGGAG CCCTCGTGGA GAGGCCGTGC CCCGAGTACT TCAACGGCGT CAAGTACAAC 240 ACGACCCGGA ATGCCTATCG AGAATGCTTG GAGAATGGGA CGTGGGCCTC AAAGATCAAC 300 TACTCACAGT GTGAGCCCAT TTTGGATGAC AAGCAGAGGA AGTATGACCT GCACTACCGC 360 ATCGCCCTTG TCGTCAACTA CCTGGGCCAC TGCGTATCTG TGGCAGCCCT GGTGGCCGCC 420 TTCCTGCTTT TCCTGGCCCT GCGGAGCATT CGCTGTCTGC GGAATGTGAT TCACTGGAAC 480 CTCATCACCA CCTTTATCCT GCGAAATGTC ATGTGGTTCC TGCTGCAGCT CGTTGACCAT 540 GAAGTGCACG AGAGCAATGA GGTCTGGTGC CGCTGCATCA CCACCATCTT CAACTACTTC 600 GTGGTGACCA ACTTCTTCTG GATGTTTGTG GAAGGCTGCT ACCTGCACAC GGCCATTGTC 660 ATGACCTACT CCACTGAGCG CCTGCGCAAG TGCCTCTTCC TCTTCATCGG ATGGTGCATC 720 CCCTTCCCCA TCATCGTCGC CTGGGCCATC GGCAAGCTCT ACTATGAGAA TGAACAGTGC 780 TGGTTTGGCA AGGAGCCTGG CGACCTGGTG GACTACATCT ACCAAGGCCC CATCATTCTC 840 GTGCTCCTGA TCAATTTCGT ATTTCTGTTC AACATCGTCA GGATCCTAAT GACAAAGTTA 900 CGCGCGTCCA CCACATCCGA GACAATCCAG TACAGGAAGG CAGTGAAGGC CACCCTGGTG 960 CTCCTGCCCC TCCTGGGCAT CACCTACATG CTCTTCTTCG TCAATCCCGG GGAGGACGAC 1020 CTGTCACAGA TCATGTTCAT CTATTTCAAC TCCTTCCTGC AGTCGTTCCA GGGTTTCTTC 1080 GTGTCTGTCT TCTACTGCTT CTTCAATGGA GAGGTGCGCT CAGCCGTGAG GAAGAGGTGG 1140 CACCGCTGGC AGGACCATCA CTCCCTTCGA GTCCCCATGG CCCGGGCCAT GTCCATCCCT 1200 ACATCACCCA CACGGATCAG CTTCCACAGC ATCAAGCAGA CGGCCGCTGT GTGACCCCTC 1260 GGTCGCCCAC CTGCACA 1277
【0121】
【図面の簡単な説明】
【図1】配列番号:1で表される塩基配列を有する5’
側の合成DNAプライマー(TM3−C)の配列と、他
のG蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードするcDN
Aあるいは遺伝子の塩基配列との共通性を示した図であ
る。
【図2】配列番号:2で表される塩基配列を有する3’
側の合成DNAプライマー(TM7−D)に相補的な塩
基配列と、他のG蛋白質共役型レセプター蛋白質をコー
ドするcDNAあるいは遺伝子の塩基配列との共通性を
示した図である。
【図3】本発明のヒトCRF2レセプターcDNA断片
の塩基配列およびそれにコードされるアミノ酸配列を示
す。塩基配列の5’端および3’端に示した下線部分
は、PCR増幅に用いた合成プライマーに相当する。
【図4】図3に示したアミノ酸配列をもとに作成した、
ヒトCRF2レセプター蛋白質cDNA断片にコードさ
れる蛋白質の疎水性プロットを示す。この図からTM3
〜TM7で示す疎水性ドメインの存在が明らかである。
【図5】図3に示したヒトCRF2レセプターcDNA
断片にコードされる蛋白質の部分アミノ酸配列(phs
−AH1)を、公知のラットCRF2レセプター蛋白質
(RNU16253)と比較した図を示す。黒く塗った
部分は一致しているアミノ酸残基を示す。下線部分は、
PCRで使用したプライマー部分を示す。
【図6】本発明のヒトCRF2レセプターcDNA断片
の塩基配列(スタートコドンATGのAを+1とした時
の−18〜+630)およびそれにコードされるアミノ
酸配列を示す。
【図7】本発明のヒトCRF2レセプターcDNA断片
の塩基配列(スタートコドンATGのAを+1とした時
の+631〜+1259)およびそれにコードされるア
ミノ酸配列を示す。
【図8】図6および図7に示したアミノ酸配列をもとに
作成した、ヒトCRF2レセプター蛋白質の疎水性プロ
ットを示す。この図から、TM1〜TM7で示す疎水性
ドメインの存在が明らかである。
【図9】図6および図7に示したアミノ酸配列を、公知
のラットCRF2レセプター蛋白質(RNU1625
3)と比較した図を示す。黒く塗った部分はアミノ酸残
基が両者で一致していることを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12N 1/21 C12N 1/21 C12P 21/02 C12P 21/02 C C12Q 1/68 9453−4B C12Q 1/68 Z G01N 33/566 G01N 33/566 // A61K 38/00 AAM A61K 37/02 AAM ABU ABU ADD ADD 38/04 AAT 37/43 AAT ACJ ACJ (C12N 1/21 C12R 1:19) (C12P 21/02 C12R 1:19)

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】配列番号:1または配列番号:2で表わさ
    れる塩基配列と実質的に同一の塩基配列を有することを
    特徴とするDNA。
  2. 【請求項2】DNAがG蛋白質共役型レセプター蛋白質
    をコードするDNAのポリメラーゼ・チェーン・リアク
    ションに用いられるDNAプライマーである請求項1記
    載のDNA。
  3. 【請求項3】鋳型となるG蛋白質共役型レセプター蛋白
    質をコードするDNAと請求項1記載のDNAを混合し
    てポリメラーゼ・チェーン・リアクションを行なうこと
    を特徴とする該G蛋白質共役型レセプター蛋白質をコー
    ドするDNAを増幅する方法。
  4. 【請求項4】請求項1記載のDNAをDNAプライマー
    としてポリメラーゼ・チェーン・リアクションに用いる
    ことを特徴とするG蛋白質共役型レセプター蛋白質をコ
    ードするDNAを含有するDNAライブラリーからG蛋
    白質共役型レセプター蛋白質をコードするDNAをスク
    リーニングする方法。
  5. 【請求項5】請求項4記載のスクリーニング方法で得ら
    れるG蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードするDN
    A。
  6. 【請求項6】請求項5記載のDNAにコードされるG蛋
    白質共役型レセプター蛋白質、その部分ペプチドまたは
    それらの塩。
  7. 【請求項7】配列番号:3で表わされるアミノ酸配列と
    実質的に同一のアミノ酸配列を含有することを特徴とす
    るヒトCRF2レセプター蛋白質またはその塩。
  8. 【請求項8】配列番号:14で表わされるアミノ酸配列
    と実質的に同一のアミノ酸配列を含有することを特徴と
    するヒトCRF2レセプター蛋白質またはその塩。
  9. 【請求項9】請求項7あるいは請求項8記載のヒトCR
    2レセプター蛋白質の部分ペプチドまたはその塩。
  10. 【請求項10】請求項7あるいは請求項8記載のヒトC
    RF2レセプター蛋白質をコードする塩基配列を有する
    DNAを含有するDNA。
  11. 【請求項11】配列番号:4で表される塩基配列を有す
    る請求項10記載のDNA。
  12. 【請求項12】配列番号:15で表される塩基配列を有
    する請求項10記載のDNA。
  13. 【請求項13】請求項10記載のDNAを含有すること
    を特徴とするベクター。
  14. 【請求項14】請求項13記載のベクターを保持する形
    質転換体。
  15. 【請求項15】請求項14記載の形質転換体を培養し、
    形質転換体の細胞膜にヒトCRF2レセプター蛋白質を
    生成せしめることを特徴とする請求項7あるいは請求項
    8記載のヒトCRF2レセプター蛋白質またはその塩の
    製造方法。
  16. 【請求項16】請求項7あるいは請求項8記載のヒトC
    RF2レセプター蛋白質もしくはその塩または請求項9
    記載の部分ペプチドもしくはその塩を用いることを特徴
    とするCRF2レセプターを活性化するアゴニストもし
    くはその塩またはCRF2レセプターとCRFとの結合
    を拮抗阻害するアンタゴニストもしくはその塩のスクリ
    ーニング方法。
  17. 【請求項17】(i)請求項7あるいは請求項8記載の
    ヒトCRF2レセプター蛋白質もしくはその塩または請
    求項9記載の部分ペプチドもしくはその塩に、リガンド
    を接触させた場合と(ii)請求項7あるいは請求項8記
    載のヒトCRF2レセプター蛋白質もしくはその塩また
    は請求項9記載の部分ペプチドもしくはその塩に、リガ
    ンドおよび試験化合物を接触させた場合との比較を行な
    うことを特徴とする、リガンドと請求項7あるいは請求
    項8記載のヒトCRF2レセプター蛋白質との結合を阻
    害する化合物またはその塩のスクリーニング方法。
  18. 【請求項18】請求項7あるいは請求項8記載のヒトC
    RF2レセプター蛋白質もしくはその塩または請求項9
    記載の部分ペプチドもしくはその塩を含有することを特
    徴とする、リガンドと請求項7あるいは請求項8記載の
    ヒトCRF2レセプター蛋白質との結合を阻害する化合
    物またはその塩のスクリーニング用キット。
  19. 【請求項19】請求項16もしくは請求項17記載のス
    クリーニング方法または請求項18記載のスクリーニン
    グ用キットを用いて得られるヒトCRF2レセプターア
    ゴニストまたはその塩。
  20. 【請求項20】請求項16もしくは請求項17記載のス
    クリーニング方法または請求項18記載のスクリーニン
    グ用キットを用いて得られるヒトCRF2レセプターア
    ンタゴニストまたはその塩。
  21. 【請求項21】請求項19記載のヒトCRF2レセプタ
    ーアゴニストまたはその塩を含有することを特徴とする
    痴呆症、肥満症の予防・治療剤、ストレスに対する適応
    促進剤、ACTH,β−エンドルフィン,β−リポトロ
    ピンもしくはα−MSFの分泌促進剤、血圧降下剤、気
    分や行動の調節剤、胃腸機能の調節剤、自律神経系の調
    節剤、または下垂体,心血管系,消化管もしくは中枢神
    経の機能検査薬。
  22. 【請求項22】請求項20記載のヒトCRF2レセプタ
    ーアンタゴニストまたはその塩を含有することを特徴と
    するストレスからくる鬱病・不安・頭痛、炎症性疾患、
    免疫抑制、AIDS、アルツハイマー病、胃腸障害、食
    欲不振、出血性ストレス、薬物・アルコールの禁断症
    状、薬物依存症、生殖障害、クッシング病または低血圧
    症の予防・治療剤。
  23. 【請求項23】請求項7あるいは請求項8記載のヒトC
    RF2レセプター蛋白質もしくはその塩または請求項9
    記載の部分ペプチドもしくはその塩に対する抗体。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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