JPH0970841A - キャストフィルムの製造方法 - Google Patents

キャストフィルムの製造方法

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JPH0970841A
JPH0970841A JP22786695A JP22786695A JPH0970841A JP H0970841 A JPH0970841 A JP H0970841A JP 22786695 A JP22786695 A JP 22786695A JP 22786695 A JP22786695 A JP 22786695A JP H0970841 A JPH0970841 A JP H0970841A
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film
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coating
coating film
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Akihisa Miura
明久 三浦
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗膜の白化を防ぎ、平滑性、厚み精度、透明
性などに優れたキャストフィルムの製造方法を提供する
こと。 【解決手段】 塗布部において高分子材料の溶液を支持
体上に塗工した後、塗布部から一定の間隔をおいて配置
された乾燥ゾーンに搬送し、乾燥ゾーン内で溶媒を蒸発
させて製膜するキャストフィルムの製造方法において、
塗布部から乾燥ゾーン内の入口近傍までの間において、
支持体上の未乾燥塗膜の温度感知器を少なくとも1個配
置し、未乾燥塗膜の温度を測定しながら成形することを
特徴とするキャストフィルムの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術の分野】本発明は、キャストフィル
ムの製造方法に関し、さらに詳しくは、塗工時の白化を
防止して、透明性に優れたキャストフィルムを製造する
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高分子材料からフィルムを製造する方法
のひとつとして、高分子材料を有機溶媒に溶かした溶液
を支持体上に塗工して、溶媒を蒸発除去する溶液流延法
(キャスト法:casting method)があ
り、この方法により得られた薄膜をキャストフィルム
(cast film)という。従来、このキャストフ
ィルムの製造方法には、プラスチックフィルムやエンド
レスベルト等の支持体上に高分子材料の溶液(以下、樹
脂溶液という)を塗工し、熱風等により加熱された乾燥
ゾーン(以下、炉内乾燥ゾーンという)内を通過させる
ことによって溶媒の除去を行い、次いで、製膜されたキ
ャストフィルムを支持体から分離する方法があった。
【0003】キャスト法により生成するフィルムの物性
は、溶媒の蒸発速度、環境の温度や湿度、樹脂溶液の濃
度、塗工厚み、炉内の加熱温度、蒸発時間などによって
著しい影響を受ける。キャスト法では、樹脂溶液の塗布
部と炉内乾燥ゾーンとの間にある程度の間隔を設けて、
炉内乾燥ゾーンの高熱による影響が塗布部にまで及ばな
いようにしている。塗布部と炉内乾燥ゾーンとの間隔が
接近し過ぎると、炉内乾燥ゾーンの熱が塗布部にまで伝
わり、その結果、塗布部において樹脂溶液の乾燥固化が
進み、キャストフィルムに欠陥が発生する。また、この
ような間隔を設けると、塗布部から炉内乾燥ゾーンに搬
送するまでの間に、支持体上に塗布した樹脂溶液(未乾
燥塗膜)を平坦化させるレベリング効果も得られる。塗
布部と炉内乾燥ゾーンとの間隔が短すぎると、レベリン
グ時間が減少して、キャストフィルムの平滑性や厚み精
度が悪化する。そのため、支持体上に塗布された未乾燥
塗膜は、塗布部から炉内乾燥ゾーンに搬送するまでの
間、室内雰囲気中に一定時間曝されるのが通常である。
この塗布部と炉内乾燥ゾーンとの間の間隔は、通常、室
温(常温)に保持されており、ここでも未乾燥塗膜の蒸
発乾燥がある程度進行するため、この間隔を以下「室温
乾燥ゾーン」という。
【0004】キャスト法においては、高分子材料を溶解
させるための有機溶媒として、一般に、アセトンや塩化
メチレンなどの低沸点溶媒が用いられている。このよう
な低沸点溶媒を用いた樹脂溶液を塗布した場合、塗布部
と炉内乾燥ゾーンとの間の室温乾燥ゾーンにおいて、溶
媒の一部が蒸発し、その蒸発潜熱によって塗布した未乾
燥塗膜及び支持体の熱が奪われて温度が急激に低下す
る。この急激な温度低下のため、室内雰囲気中の水分が
未乾燥塗膜の表面に結露を生じる。この結果、塗膜の表
面は、スリガラス状になり、キャストフィルムの透明性
が損なわれるという問題点があった。
【0005】結露の発生を防ぐには、室内の絶対湿度を
0%に調節すればよいが、通常の空調設備では実現が困
難であるばかりではなく、このような低湿度下では静電
気が発生し易くなり、火災を招く危険が生じる。一方、
キャスト法では、生産性向上の観点から、できるだけ低
沸点の溶媒を用いることが望ましい。しかも、ポリカー
ボネート、ポリアリレート、ポリサルホンなどの高分子
材料は、塩化メチレンなどの低沸点溶媒が良溶媒である
ため、キャスト法においても、これらの低沸点溶媒の使
用が望ましい。したがって、高沸点溶媒を用いることに
より、結露の問題を回避することは実際的ではない。
【0006】結露に起因する白化を防ぐには、外部より
熱を供給し、溶媒の蒸発によって奪われる潜熱を補う方
法が考えられるが、熱の供給手段として、例えば、温風
を用いる方法では、支持体に振動を与え、厚み精度を悪
化させる。赤外線ヒーターを用いる方法では、ヒーター
部が高温となるため、有機溶媒を使用する部屋での使用
には防災上の問題があり、しかも正確な温度制御が困難
である。また、何れの加熱方法においても、加熱量は経
験的なものであるため、加熱し過ぎて未乾燥塗膜を発泡
させたり、加熱不足で白化させたり、非常に不安定な制
御しか行うことができず、かつ、制御に関する明確な基
準が無かった。
【0007】従来、この問題を解決する方法として、塗
布部から炉内乾燥ゾーンに至るまでの間の室温乾燥ゾー
ンにおいて、支持体の下側に面状発熱体を配置し、該面
状発熱体により熱量を供給する方法が提案されている
(特開平3−316380号公報)。しかし、この方法
によっても、加熱ムラによる塗膜の厚みムラや、下面か
らの強制的な加熱による発泡を十分に防ぐことは困難で
あった。このように、従来技術によるキャストフィルム
の製造方法では、例えば、光学的用途に供せられるよう
な平滑性、厚み精度、透明性などに優れたプラスチック
フィルムを得ることは、極めて困難であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、溶液
流延法によるキャストフィルムの製造方法において、塗
膜の白化を防ぎ、平滑性、厚み精度、透明性などに優れ
たキャストフィルムの製造方法を提供することにある。
本発明者は、溶液流延法によるキャストフィルムの製造
方法において、より詳細に白化の機構を観察したとこ
ろ、結露等により未乾燥塗膜中に混入した水の結晶化、
及び結晶化した水の蒸発による気泡の生成により、白化
が生じることが判明した。また、このような白化現象
は、必ずしも室温乾燥ゾーンのみで生じるのではなく、
炉内乾燥ゾーンの入口近傍においても生じることが判明
した。すなわち、白化は、塗工時から約1〜2分後に起
きることが多く、支持体上に塗布された未乾燥塗膜は既
に炉内乾燥ゾーン内に搬送されていることがある。白化
した未乾燥塗膜を炉内乾燥ゾーンで加熱乾燥すると、得
られる乾燥塗膜の表面がスリガラス状になり、平滑性及
び透明性が損なわれる。
【0009】そこで、本発明者は、更に研究を行った結
果、(1)塗膜の厚みムラや発泡を避けるために、塗布
部と炉内乾燥ゾーンとの間(室温乾燥ゾーン)では、強
制的な加熱を行わずに、室温乾燥を行うと共に、(2)
室温乾燥ゾーンから炉内乾燥ゾーン内までの間における
未乾燥塗膜の温度を測定し、結露を生じない温度に保持
するように成形条件を制御する方法が極めて有効である
ことを見出した。より具体的には、支持体上の未乾燥塗
膜の温度感知器を1個または複数個配置し、測定温度に
応じて、結露等により混入した水分が結晶化する0℃未
満の温度、好ましくは0℃以下の温度にならないよう
に、塗布する樹脂溶液の濃度、塗工厚み、炉内乾燥ゾー
ンでの熱風量などの成形条件を制御することにより、結
露に起因する白化を防止することができる。本発明は、
これらの知見に基づいて完成するに至ったものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、塗布部
において高分子材料の溶液を支持体上に塗工した後、塗
布部から一定の間隔をおいて配置された乾燥ゾーンに搬
送し、乾燥ゾーン内で溶媒を蒸発させて成形するキャス
トフィルムの製造方法において、塗布部から乾燥ゾーン
内の入口近傍までの間において、支持体上の未乾燥塗膜
の温度感知器を少なくとも1個配置し、未乾燥塗膜の温
度を測定しながら成形することを特徴とするキャストフ
ィルムの製造方法が提供される。また、本発明によれ
ば、温度感知器による測定温度に応じて、未乾燥塗膜の
温度が0℃未満に低下しないように成形条件を制御する
前記キャストフィルムの製造方法が提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明では、室内において塗布
部、ベルト(塗工液の支持体)、乾燥炉(炉内乾燥ゾー
ン)、及び樹脂溶液から構成され、かつ、塗布部にて高
分子材料の樹脂溶液を支持体上に塗工した後、炉内乾燥
ゾーンに搬送し、溶媒を蒸発させて成形するキャストフ
ィルムの製造方法において、室温乾燥ゾーンあるいは炉
内乾燥ゾーンあるいは各ゾーンの両方に必要数の温度感
知器を設置し、未乾燥塗膜の温度を測定して、未乾燥塗
膜が0℃未満、好ましくは0℃以下、更に好ましくは2
℃以下の低温にならないように成形条件を制御すること
により、白化を抑制した透明性の高いキャストフィルム
を提供することができる。
【0012】温度感知器の設置位置の具体例を図1に示
す。図1では、温度感知器として赤外線放射温度計を設
置した場合を示している。温度の測定は、塗膜端部等の
不使用部分を接触式温度計等で測定してもよい。塗布部
1において、支持体4の上に樹脂溶液5が塗工され、次
いで、箱形の炉内乾燥ゾーン2内へ搬送される。塗布部
1は、リップコーター、カンマコーター等、一般にキャ
ストフィルムの製造に使用されるものである。赤外線放
射温度計は、塗工する樹脂の種類によって測定波長を変
更する。例えば、ポリカーボネート樹脂では、赤外線の
吸収波長が約7.9〜8.3μmの範囲であるため(図
2参照)、この範囲内で測定するのが好ましい。この範
囲外では、透過領域を測定することになり、測定対象外
の温度、例えば、周辺の機材の温度や周囲の作業者の温
度などを感知してしまい、正確な温度を測定することが
できない。なお、図3に、ポリサルホン樹脂フィルムの
赤外線吸収スペクトルを示す。
【0013】塗工する高分子材料としては、キャスト法
により製膜可能な樹脂であれば特に限定されず、例え
ば、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアリレー
ト、ポリエーテルケトン、ポリサルホン等が挙げられ
る。これら樹脂は、溶媒に溶解し、通常のキャスト法に
よる製膜に使用可能な粘度である200〜20000c
psの範囲に調整する。樹脂溶液の粘度が200cps
未満では、液ダレによって厚み精度が悪化し、2000
0cpsを越えると、気泡の巻き込みによる欠陥の発生
が生じ易く、何れも好ましくない。支持体としては、ポ
リエチレンテレフタレート(PET)やポリイミドなど
のフィルムやシート、ステンレス等の金属ベルトなどが
挙げられる。溶媒は、樹脂を分解させずに溶解できるも
のであれば特に限定されないが、アセトンや塩化メチレ
ン、その他の通常キャスト法に用いられる低沸点の有機
溶媒が好ましい。
【0014】炉内乾燥ゾーンでの加熱手段としては、熱
風や赤外線などが挙げられる。乾燥塗膜の表面が荒れな
ければ、高周波加熱であってもよい。乾燥温度は、溶媒
の沸点以下あるいは沸点付近が好ましいが、急速に乾燥
させる場合には沸点以上でもよい。塗布部及び室温乾燥
ゾーンの室内湿度は、低い方が望ましいが、静電気の発
生を抑制するなどの安全面から、40%程度が望まし
い。構造上の制限等がある場合は60〜70%程度であ
ってもよい。樹脂の溶液濃度は、飽和濃度の80%より
小さくならない方が好ましい。例えば、樹脂の飽和濃度
が30重量%であれば、溶液濃度は、24重量%以上と
することが好ましい。塗工厚みは、薄い方が好ましい。
塗工厚みは、300μm以下が好ましいが、500μm
程度まで可能である。塗工厚みが1mm以上にもなる
と、白化を抑制しきれないばかりでなく、発泡を抑制で
きなくなり、平滑フィルムとして成形することができな
い。
【0015】環境としては、無風が好ましい。風がある
と、室温乾燥ゾーンでの溶媒の乾燥を促進し、通常では
白化しない条件下でも白化するようになる。ただし、予
め風を当てても白化しない条件を探し出しておけば、状
況が変化しても、風を停止することで白化を回避できる
方法もある。塗工時、白化が認められた場合は、樹脂溶
液の濃度や塗工厚みを制御するなど上記何れかの対応を
施すことで、白化を改善することができるが、塗工中樹
脂溶液の温度が徐々に下がった場合、下がり始めを温度
感知器で確認することができれば、上記対応で白化を未
然に防ぐことができる。また、炉内乾燥ゾーンでは、表
面を荒らさないような熱風量の範囲内で熱風量を増やす
ことにより、白化を抑制する方法もある。
【0016】未乾燥塗膜の白化は、塗工直後には起こら
ず、通常、約1〜2分後に起きるため、赤外線放射温度
計などの温度感知器は、樹脂溶液の塗工後1〜2分後に
未乾燥塗膜が到達する箇所に設置するのが好ましい。こ
の場合、未乾燥塗膜は、既に炉内乾燥ゾーン内にある場
合が多く、最低温度に達する時間が変化することもあ
る。従って、温度の測定箇所は、1箇所に限らず、間隔
を開けて複数箇所に設置するのが好ましく、その内の最
低温度を示す温度感知器に細心の注意を払う必要があ
る。温度感知器を炉内乾燥ゾーンの内側に設置する場
合、温度感知器の温度が加熱により上昇し、未乾燥塗膜
の温度を正確に計れない場合があるが、その場合は、温
度感知器を空冷もしくは水冷すればよい。
【0017】また、白化防止のために、未乾燥塗膜を外
部から強制加熱する方法が考えられるが、膜厚の均一
性、発泡の危険性を考慮すると、望ましくない。白化の
原因は、放射潜熱による樹脂内での水の結晶化、及び製
膜後結晶化した水の蒸発によるフィルム内の気泡の残留
によることが分かった。よって、本発明の製造方法によ
れば、0℃以上、好ましくは0℃を越える温度に未乾燥
塗膜の温度を保つことにより、白化を防止することがで
きるようになり、今まで無かった製膜時の制御の指針を
得ることができた。
【0018】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明に
ついてより具体的に説明する。
【0019】[実施例1]市販のポリカーボネート樹脂
(帝人化成(株)K−1285)を塩化メチレン(純正
化学(株)CH2Cl2特級)に溶解した。樹脂溶液の濃
度をいくつか変化させて樹脂溶液を作成し、図1のよう
に塗工機(塗布部)にて支持体上に塗工した。支持体と
なるベースフィルムとしては、帝人化成(株)製のPT
Eフィルム(グレードOX)を使用した。塗工の際、図
1のロールバー7にてベースフィルムとの間隙量を決定
した。塗布部に樹脂溶液を流し込み、ベースフィルム上
に塗工した。ロールバー7にて設定した塗工厚みは、3
20μmであった。ベースフィルムは、10cm/分の
速度で進行させた。室温乾燥ゾーンの長さ50cmで、
乾燥炉内温度100℃とした。
【0020】塗工したベースフィルムは、無風の室内を
走行させた。一方、未乾燥塗膜の上方200mmの位置
に、約8μmの波長を測定波長の中心とした赤外線放射
温度計9を設置して、未乾燥塗膜(塗工樹脂溶液)5の
温度を測定した。赤外線放射温度計9は、未乾燥塗膜の
200mm上方に、常温乾燥ゾーンに6ケ所、炉内乾燥
ゾーンに4ケ所、それぞれの間隔を5cmで設置し、塗
工後の未乾燥塗膜の温度低下が終了するまでを随時測定
できるようにした。炉内の赤外線放射温度計は水冷し
た。室内温度を室温測定用温度計10で測定したとこ
ろ、22℃であり、湿度は55%であった。
【0021】実験結果を表1に示し、未乾燥塗膜の最低
温度と白化との関係を示した。温度が0℃未満になった
未乾燥塗膜は、すべて白化した。すなわち、白化現象
が、結露等により混入した水や予め樹脂に含まれていた
水の結晶化に起因していることが分かる。表1の結果よ
り、樹脂溶液の濃度(重量濃度)が高いほど、未乾燥塗
膜の温度が低下していないことが分かる。また、溶解濃
度は、この場合30重量%がおおよその上限であるの
で、上限の約80%(この場合25重量%、正確には上
限の83%)程度の濃度があれば、白化しにくくなるこ
とが分かった。従って、塗工中に、未乾燥塗膜の測定温
度が0℃未満となって、白化が起きそうであれば、樹脂
溶液の濃度を上昇させればよい。
【0022】
【表1】 (脚注) (1)白化:未乾燥塗膜の白化の有無を目視にて観察
し、次の基準で判定した。 ○:透明、△:やや透明、×:白化。 (2)ヘーズ値:未乾燥塗膜の全光線透過率及び平行光
線透過率を測定し、次の式によりヘーズ値を算出した。
ヘーズ値は、数値が大きい程曇り度合いが大きいことを
示す。 ヘーズ値=〔(全光線透過率)−(平行光線透過率)〕
/(全光線透過率)
【0023】[実施例2]実施例1で作成した樹脂溶液
を用いて、実施例1と同様に塗工を行う際に、ロールバ
ー7の間隙を変更して、塗工膜厚を変化させた。樹脂溶
液の重量濃度は、25重量%で一定とした。結果を表2
に示した。赤外線放射温度計の設置位置、室温乾燥ゾー
ン、炉内温度などの成形条件は、実施例1と同じにし
た。結果を表2に示す。実施例1と同様に、未乾燥塗膜
の最低温度が0℃未満の場合には、すべて白化した。こ
の場合の塗工厚みは、642μmより大きかった。塗工
厚みが642μmの場合でも僅かに白化しているので、
透明性に優れたキャストフィルムを得るには、おおよそ
500μm程度が塗工厚みの上限と考えることができ
る。塗工厚みが140μmでは、未乾燥塗膜の温度は十
分に高く、樹脂溶液の濃度を低下させても使用できると
思われるが、140μm×25%=35μmと乾燥後の
膜厚が薄くなり、取扱いが難しい。なるべく厚く塗工し
た方が乾燥後の取扱いは容易である。以上の結果より、
白化し易い場合は(可能な範囲で)塗工厚みを薄くする
のが有効であることが分かった。
【0024】
【表2】 ○:透明、△:やや透明、×:白化。
【0025】[比較例1]実施例の樹脂溶液を用いて塗
工した。樹脂溶液の濃度25重量%、塗工厚み320μ
mで行った。ライン速度10cm/分、室温乾燥ゾーン
長50cm、炉内温度100℃であった。塗工直後か
ら、風速150mm/秒の風を当てて乾燥したところ、
未乾燥塗膜の温度が急速に低下し、白化してしまった。
従って、この結果から、室温乾燥ゾーンでは、溶媒の蒸
発速度を増加させるような行為は行わない方がよいこと
が分かる。すなわち、風を当てない方が好ましい。結果
を表3に示す。
【0026】
【表3】 ○:透明、△:やや透明、×:白化。
【0027】[比較例2]実施例1の樹脂溶液を用い
て、ガラス面上に塗工した。樹脂溶液の濃度25重量
%、塗工厚み320μmで行った。その他実施例1と同
様に設定した。塗工するガラス面の下側に加熱ヒーター
(コーニング社製−stirrer/Hotplat
e)を設置して、塗工後乾燥終了まで加熱した。室温2
2℃に対して30℃に加熱したが、変化は無かった。し
かし、50℃まで加熱したところ、未乾燥塗膜が発泡し
たため、平滑なフィルムは得られなかった。強制加熱す
る場合は、極力加熱面が均一になっていなければなら
ず、現実的に難しい。強制加熱は、極力行わない方が望
ましい。 <まとめ>実施例及び比較例の結果をまとめて表4に示
す。
【0028】
【表4】 ○:透明、△:やや透明、×:白化。 表4より、未乾燥塗膜が0℃より低温度になると完全に
白化してしまうことが分かる。白化させないためには、
0℃以上で成形する必要があり、0℃より高い温度で成
形することが望ましい。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、キャストフィルムの製
造方法において、塗膜の白化を防ぎ、平滑性、厚み精
度、透明性などに優れたキャストフィルムの製造方法が
提供される。従って、本発明の製造方法によれば、例え
ば、光学的用途に供せられるような平滑性、厚み精度、
透明性などに優れたプラスチックフィルムを得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のキャストフィルムの製造方法
に用いる装置及び赤外線放射温度計の設置の具体例を示
す断面図である。
【図2】図2は、ポリカーボネート樹脂フィルム(厚み
10μm)の赤外線吸収スペクトルである。
【図3】図3は、ポリサルホン樹脂フィルム(厚み10
μm)の赤外線吸収スペクトルである。
【符号の説明】
1:塗布部 2:乾燥ゾーン(炉内乾燥ゾーン) 3:乾燥ゾーン(炉内乾燥ゾーン) 4:支持体 5:塗工した樹脂溶液(未乾燥塗膜) 6:ロール 7:ロールバー 8:ロール 9:温度感知器(赤外線放射温度計) 10:室温測定用温度計

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塗布部において高分子材料の溶液を支持
    体上に塗工した後、塗布部から一定の間隔をおいて配置
    された乾燥ゾーンに搬送し、乾燥ゾーン内で溶媒を蒸発
    させて成形するキャストフィルムの製造方法において、
    塗布部から乾燥ゾーン内の入口近傍までの間において、
    支持体上の未乾燥塗膜の温度感知器を少なくとも1個配
    置し、未乾燥塗膜の温度を測定しながら成形することを
    特徴とするキャストフィルムの製造方法。
  2. 【請求項2】 温度感知器による測定温度に応じて、未
    乾燥塗膜の温度が0℃未満に低下しないように成形条件
    を制御する請求項1記載のキャストフィルムの製造方
    法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7611747B2 (en) 2000-03-30 2009-11-03 Zeon Corporation Insulating material, method for producing insulating material, method for manufacturing multilayer circuit board
CN114535012A (zh) * 2020-11-18 2022-05-27 日东电工株式会社 膜的制造系统和膜的制造方法

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