JPH0971296A - 水ジェット推進機 - Google Patents

水ジェット推進機

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JPH0971296A
JPH0971296A JP26196195A JP26196195A JPH0971296A JP H0971296 A JPH0971296 A JP H0971296A JP 26196195 A JP26196195 A JP 26196195A JP 26196195 A JP26196195 A JP 26196195A JP H0971296 A JPH0971296 A JP H0971296A
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JP
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water
spiral
spiral element
movable
groove
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JP26196195A
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Tetsuya Arata
哲哉 荒田
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  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目 的】本発明は回転体を外部に露出しない密閉構造
にして安全性を高めると同時にキャビテーションの発生
を大幅に軽減して効率や静粛性を高め,さらには水の大
気中噴出により推進効率を高め,排気ガスで大気汚染さ
れることのない電動機使用を可能にした水ジェット推進
機を提供することを目的とする。 【構 成】厚板に渦巻き状溝を設けた固定渦巻き要素と
端板に渦巻き状突起を設けた可動渦巻き要素を互いに噛
み合わせてポンプ部を形成し,固定渦巻き要素に噴出口
と吸入口及び導水用ダクトを設けて水路とし,電動機に
直結した駆動軸と自転防止機構により可動渦巻き要素を
旋回運動させて水を大気中に噴出させると同時に,端板
外周にシール機構を設けて摺動部側に水が侵入するのを
防止し,さらに液圧縮防止機構を設けて信頼性を高め,
これらをハウジング等で被って密封構造として船尾に装
着したことを特徴とする水ジェット推進機。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,液体に圧力または運動
エネルギーを与える水力機械としての容積式液体ポンプ
に係わり,特に水面及び水中で水力を利用して船舶を推
進する水ジェット推進機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来,船舶の推進機としてはプロペラを
用いた推進機が最も一般的であった。大半の船舶が船尾
下部の船外に露出させて設けたプロペラを回転させて推
進していた。その他の従来例として,船底と船尾外面に
連通させて開口するダクトを設け,そのダクト内に設け
たプロペラで水を後方に噴出させて推進する水ジェット
推進機があった。プロペラを船外に設けた推進機の公知
例として,特公平5−21798や特公平5−2323
8などが挙げられる。これらの公知例が示すように,船
体後部に設けた船外機に露出させたプロペラをエンジン
等を駆動源として軸を介して水中で回転させ,プロペラ
から得られる推進力により船を推進していた。船の進路
変更は方向舵またレバーにより船外機を回転させてプロ
ペラの向きを直接変更して行なわれていた。次にプロペ
ラをダクト内に設けた水ジェット推進機の公知例とし
て,特公平1−50639や特開平4−55192など
が挙げられる。これらの公知例が示すように,船底と船
尾に開口した太くて長いダクトが船内後部に設けられ,
そのダクト内に噴流を発生させるプロペラとその流れを
整流するための固定翼が設置され,そしてダクト出口近
傍には船の進路方向を操作する舵機が設けられている。
そして,船底のダクト開口部から水を導入し,プロペラ
を通過した後船尾の開口部から水を噴出して船を推進し
ていた。進路変更は噴流の出口に設けたノズルの方向を
変えるかノズル部のカバー等を回転させて噴流の方向を
変更して行っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】プロペラを船尾の船外
で水中に露出させて取り付け推進する装置の場合,付近
に浮遊している物体又は水の底にある物体が回転してい
るプロペラに接触して,その物体を破損させるか,プロ
ペラが破損して航行不能となることがあった。その物体
が人間のような生物の場合,その生物がプロペラの先端
に接触もしくは巻き込まれて大怪我ないしは死亡するこ
ともあり,極めて危険性が高い推進機であった。一方プ
ロペラをダクト内に設け,水を導入して噴流を発生させ
て推進する水ジェット推進機の場合には,プロペラや整
流用の固定翼などを収納し水を導入するための太くて長
いダクトが水中に必要となる。この場合危険なプロペラ
が露出しない替わりに多くの設置スペースが必要となる
とともに設置の自由度が大幅に制約されまた水の抵抗が
増大していた。プロペラを用いた推進機共通の課題とし
て,速度が最も早くなるプロペラ外周でのキャビテーシ
ョン発生による推進効率の大幅な低下や騒音振動の増大
などの問題もあり,高速化が大幅に制約されていた。ま
た,プロペラ式の軸トルクは回転数の2乗に比例して増
加するので,高速時駆動源に大きな負担を強いることに
なり電動機駆動を困難にしていた。このため大半がエン
ジン駆動であり,排気ガスによる大気汚染や大きな騒音
が問題となっていた。さらに,プロペラ式では公知例に
記載されているように,水中でのプロペラ単独の損失,
プロペラと船体間での流れの干渉に伴う損失など多くの
損失があり推進効率が低下する問題や船体設計の自由度
が制約される問題等があった。本発明が解決しようとし
ている課題として,プロペラを外部に露出した危険な構
造,ダクトを水中に設けることによる船体内の有効スペ
ースの減少と設置自由度の大幅な制約及び水中での抵抗
やプロペラの回転に伴う損失やキャビテーション発生に
伴う推進効率低下や騒音振動の増大などがある。加え
て,排気ガスによる大気汚染や騒音の問題が解消できる
電動機の使用を容易するなどがある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記従来例の課題を解決
するために船の推進機として水または海水の噴流による
ジェット推進力を利用した渦巻き式水ジェット推進機を
用いる。これは容積式ポンプを用いた推進機であり,回
転体を外部に露出させない密閉構造になっている。本発
明の水ジェット推進機の容積式ポンプ部は厚板に渦巻き
状溝を設けた固定渦巻き要素と端板に渦巻き状突起を設
けた可動渦巻き要素の互いの渦巻き形状部を噛み合わせ
てポンプ部を形成する渦巻き式を用いている。固定渦巻
き要素は推進機本体に固定され,可動渦巻き要素は軸の
回転に連動して公転運動する仕組みになっている。回転
体などの可動部分は装置本体に固定されたハウジング等
で被われて露出しておらず,ポンプ内に水を導く吸入口
と噴出口は固定渦巻き要素に直接設けて構成した水ジェ
ット推進機は水面上に設置され,前記吸入口に連通する
水を導く導水用ダクトが設けられ,水上に噴出口を開口
させて噴流の抵抗を大幅に減らすと同時に流体抵抗をも
大幅に低減した構造になっている。本発明は,このよう
に回転体が船外に露出しない密閉構造で大気中で水を噴
出させる容積式ポンプを用いた渦巻き式水ジェット推進
機を提供することを目的とする。
【0005】
【作 用】本発明の渦巻き式水ジェット推進機のポンプ
部は前記の如く固定渦巻き要素に設けた渦巻き状溝に外
周から水を吸い込み可動渦巻き要素の渦巻き状突起との
間に封じ込めて回転させ,強制的に中央へと移動させて
固定渦巻き要素のほぼ中央に設けた噴出口から大気中に
噴出させ,その噴流のジェット推進力により船舶を推進
させる。この水の噴流エネルギーの減少は水中に比べて
大気中では遥かに少ないので,その推進力を十分に利用
することができる。また,水中には水を吸い上げる導水
用ダクトの入口部分があるのみであり,水の抵抗が大幅
に減少して高い推進効率が得られる。回転体である可動
渦巻き要素の旋回速度はどの場所でも同じで,その速度
は自転軸中心に対する旋回軸中心の偏心量に軸回転数を
掛けて求められる。その大きさは自転するプロペラ先端
の速度に比べると極めて小さい。従って,高速回転時で
も摺動摩擦損失は大きくはならない。駆動軸のトルクは
噴流の速度や摺動部損失により多少変動するが,ポンプ
内の2ケ所できる最大密閉空間の大きさにほぼ比例する
ので,軸回転数が増大しても軸トルクが大きく増すこと
はない。よって,プロペラ式の軸トルクが軸回転数の2
乗に比例して急激に増加するのに比べて渦巻き式の場合
ほとんど変化しない。このように渦巻き式のトルクは電
動機のトルクに近い特性を示すので電動機駆動が容易と
なる。エンジン駆動の場合にはエンジンの小型化が図れ
る。また,駆動軸や可動渦巻き要素等の可動部分は全て
大気中にある推進機本体内に収納されており,水中の浮
遊物が回転部等に直接触れることはない。船舶を停止ま
たは後進する場合には推進機本体に格納していた逆走用
ダクトを噴出口に設置した後駆動軸の回転方向を逆転さ
せて,噴流を逆噴射させれば良い。また船の速度を上げ
るには噴出速度を早くすれば良い。
【0006】
【実施例】水面や海面に浮かび水力を用いて推進する船
舶の推進機に本発明を適用した場合について説明する。
特に本発明の渦巻き式水ジェット推進機は安全性や効率
が高くて低騒音でしかも排気ガスもでないので,海岸近
辺や河川または湖などを航行する小型船舶の推進装置に
適している。以下実施例に基づき具体的に説明する。本
発明の水ジェット推進機を水面上を航行する小型の船
の船尾3aに装着した実施例の外観図を図1に示
す。図1の側面図となるA視図を図2に示す。水ジェッ
ト推進機は導水用ダクト8を一体固定した推進機装着
上に固定され,図3の船尾平面図に示すように,水
ジェット推進機及び推進機装着台を除いた旋回台
のみが船尾に固定されている。この旋回台に水ジェッ
ト推進機を固定した推進機装着台が回転自由にして
装着されている。旋回台には船尾3a内側平坦部に垂
直に円筒6aが固定され,その円筒6a内に推進機装着
に固定された軸7aが挿入されているので,この軸
7a回りに水ジェット推進機は回転可能となる。また
導水用ダクト8を船尾3a下部で支えている回転支持枠
11は前記軸7aの下方に取り付けられているので,こ
の軸と同期して回転可能となる。水ジェット推進機
は噴流を発生させるポンプ部とそれを駆動する動力源こ
こでは電動機が一体収納されている。この電動機に別置
した発電機ないしはバッテリー(図示せず)から電気を
導くために電源用タンシ箱13が設けられている。この
電動機を用いて水ジェット推進機のポンプ部を作動さ
せ水を噴出させて推力を発生させる。発生した推力は推
進機装着台から旋回台を経て船体に伝達されて船
舶が推進される。進行方向の変更は水ジェット推進機
からでる噴流の方向を変更して行う。その変更には推進
機装着台に固定された旋回レバー12を手で持って左
右に動かして推進機装着台を旋回台の円筒6aに挿
入した軸7a回りに回転させることにより噴流の向きを
変える。同時に推進機装着台に固定された導水用ダクト
8も回転支持枠11回りに回転して,水の取り入れ口も
進路方向を向くことになる。また導水用ダクトの形状を
一般の方向舵と同様の機能を持たせると旋回性能はさら
に向上する。水ジェット推進機の上部に固定したダク
ト台10の上に設置した逆走用ダクト9は前進時には図
1の如く収納されているが,船舶を停止または後退させ
る場合は,水ジェット推進機本体と逆走用ダクト9と
を接続するアーム9aを用いて逆走用ダクト9を図4に
示すように設置する。設置後電動機を逆転すれば,逆走
用ダクト9下部に開けた穴からポンプ部の噴出口へ水が
吸い上げられ,ポンプ内を経て導水用ダクト8の下部か
ら噴出するので,船舶には逆推力が生じて停止または後
退する。逆走用ダクト9下部にステーを用いて支持すれ
ばさらに安定性は良くなる。次に図5〜図15を用いて
水ジェット推進機の構造及びポンプの動作原理につい
て説明する。図5は水ジェット推進機の断面構造図で
ある。右方にポンプ部,左方に電動機部が配置されてい
る。ポンプ部の主要な構成要素はハウジング14に固定
された固定渦巻き要素2と大半がハウジング14内に運
動可能にして収納された可動渦巻き要素1の2点であ
る。図5のA−A断面図である図6と固定渦巻き要素2
の平面図である図8に示すように,固定渦巻き要素2は
外周に設けた4ケ所の突部2eにボルトを挿入してハウ
ジング14と同時にケーシング15に固定され,内部に
はおよそ1.4巻きの渦巻き状溝2aとその溝内の巻き
始め側に開口する噴出口2dと巻き終わり側に開口する
吸入口2cが設けられている。そして,前記渦巻き状溝
2a内におよそ1巻きの可動渦巻き要素1の渦巻き状突
起1aが挿入されている。一方,固定渦巻き要素2の渦
巻き状溝2aの底部にはおよそ1巻き強の渦巻き状をし
て溝底部を被う薄いFスラスト板19,端面にはおよそ
1と3/4巻きした細長いチップシール溝2fを設けて
その溝中に矩形状のFチップシール21を装着してい
る。可動渦巻き要素1は,駆動軸17で駆動されるが,
可動渦巻き要素1背面とハウジング14との間に配置さ
れたオルダムリング18とでその自転運動が規制されて
いる。詳細は後述する。また可動渦巻き要素の端板1b
は固定渦巻き要素2とハウジング14の間に微小隙間を
設けて挟まれており,可動渦巻き要素1の軸方向は前記
微小隙間内での移動が可能となっている。図5のB−B
断面図である図7と可動渦巻き要素1の平面図である図
9及びその背面側から見た図10に示すように,可動渦
巻き要素1は円板状の端板1b上におよそ1巻きの渦巻
き状突起1aが一体成形され,その突起の先端にはおよ
そ3/4巻きした細長いチップシール溝1dを設けてそ
の溝中に矩形状のMチップシール22を装着し,さらに
は端板1b上に渦巻き状突起1aを挿入する孔を設けた
薄いMスラスト板20が装着されている。そして,背面
側には中央に円柱状をした可動軸1cが端板1bに一体
成形され,その外側にキー溝1fが180度対向して2
本掘り込まれるとともに端板1bの外周には1本又は複
数本の弾性体であるOリングA27とそれをカバーする
スラストリング26が装着されている。ハウジング14
の平面図を図11に示すように,その外周のリング壁1
4aにボルト穴を設けた4個の突起14hがあり,下側
には内側と外側を連通する排出孔14gが1ケ所か複数
開口し,中央には軸穴14dと裏面側に軸受取付穴14
eを設けるとともにその軸穴14dの端部からスラスト
受面14bに向けて可動渦巻き要素のキー溝1fに対し
90度回転した位置迄にキー溝14cが180度対向し
て2本掘り込まれている。可動渦巻き要素1とハウジン
グ14の間に設置されたオルダムリング18の形状は図
12に示すように,断面が矩形の環状のリング部18a
の片面に180度対向してMキー18bが2ケ所,その
反対の面で90度回転した位置にHキー18cが180
度対向して2ケ所設けられている。Mキー18bは可動
渦巻き要素の2ケ所のキー溝1fに嵌合され,Hキー1
8cはハウジングの2ケ所のキー溝14cに嵌合され
る。従って,オルダムリング18はハウジング14に対
して回転出来ないので可動渦巻き要素1の自転が防止さ
れる。ハウジングの軸受取付穴14eに主軸受29が設
けられ,その中に図13に示す駆動軸17の太い径の軸
部B17bがつば17dまで嵌め込まれる。軸部B17
bには可動軸受31が取り付けられ,その中に可動渦巻
き要素の可動軸1cが回転自由にして挿入される。一
方,図5左方の電動機部の主要な構成要素はケーシング
の円筒部15a内に固定されたステータと回転部である
ロータで構成された電動機32である。ロータの回転中
心には駆動軸17が固定され,ロータ端部左右にはバラ
ンスウエイト33と34を取り付けて低振動化を図って
いる。ケーシングの側面カバー15b内に収納された給
油ポンプ35は,駆動軸17の端部に設けたポンプ軸1
7cにより駆動され,ケーシング15の下部に封入され
た潤滑油36を給油通路15dから吸い上げ,駆動軸内
に設けた給油孔A17eへ油を送り込んだ後,旋回軸受
31や軸部B内に開けた給油孔B17fから油を送り各
摺動部の潤滑を行う。さらに,可動渦巻き要素1の詳し
い構造を図14の分解図を用いて説明する。図9で示し
たように渦巻き状突起1aの巻き始め側にはラップ弁2
3が装着されている。その構成を図14の分解図に示
す。渦巻き状突起1aの巻き始め側にある切欠き部1g
に下部に設けた取付穴1hに復帰バネ25のストッパB
側と回転ピン24の下方が挿入され,その上から復帰バ
ネ25のストッパA側と回転ピン24の上方がラップ弁
取付穴23aに挿入して取り付けられる。さらには,ラ
ップ弁23と切欠き部1gにそれぞれ設けた磁石23
b,1jによりラップ弁全体が構成される。ラップ弁2
3に流体が作用しないときは復帰バネ25と磁石23
b,1jにより,図9に示すように渦巻き状突起1aと
同じプロフィル上に収まっている。そして端板1bの下
部にある外周段差1eに弾性シール材ここでは2本のO
リング27を取り付けその上からスラストリング26を
嵌め込んで可動渦巻き要素1を構成している。またハウ
ジング14とケーシング15の間はOリングB28にて
シールしているのでケーシング15内に水が流入するこ
とはない。図6,7では固定渦巻き要素2,ハウジング
14及びケーシング15はボルトで一体固定されている
が,ボルトを用いないでそれぞれを推進機装着台にガ
イドを設けて位置合わによって合体して固定する方法ま
たは推進機装着台側からボルト固定する方法もある。以
上の如く構成された水ジェット推進機の働きについて
以下説明する。渦巻き式流体機械の動作原理は特公昭6
3−59032や(社)日本冷凍協会発行の月刊誌「冷
凍」の1987年10月号(VOL.62 No.72
0)の表題「密閉スクロール」にも詳しく述べられてい
るので,ここでの説明は簡単にする。駆動軸17の回転
に伴い,オルダムリング18によって自転ができない可
動渦巻き要素1は公転のみの旋回運動をする。その旋回
半径は駆動軸と可動軸1cの軸心の偏心量に等しくな
る。図6に示すように,固定渦巻き要素の渦巻き状溝2
a内である吸入口2cから噴出口2dへと連通している
断面が矩形状の空間は可動渦巻き要素の渦巻き状突起1
aによって仕切られて3つの空間に分割されている。そ
して,可動渦巻き要素1の旋回運動に伴う移動とともに
これら空間に充満した水も同様に移動する。図6の可動
渦巻き要素の渦巻き状突起外壁と固定渦巻き要素の渦巻
き状溝外壁との間で形成される空間はおよそ密閉状態に
あり,気体を吸引する力も十分にある。従って,水面が
水ジェット推進機のポンプ部より下方にあっても吸入
口内を負圧状態にして下から水を吸い上げることができ
る。船舶を前進させるときは,導水用ダクトを経て吸入
口から流入したを外側から中央に向かって移動させて噴
出口2dから噴出させる。停止または後進させるときは
逆走用ダクトを経て噴出口から流入させて,逆に中央か
ら外側に向かって移動して水が導水口ダクト8側から噴
出させる。前記空間内の水が下流側の他の空間に流出す
ると推進能力が低下するので,可動渦巻き要素1や固定
渦巻き要素2に装着したFスラスト板19とMスラスト
板20及びFチップシール21とMチップシール22と
でシールしてこれを防止する。一方,可動渦巻き要素の
背面に多数存在する摺動部にポンプ部の水が侵入しない
ように,端板1b外周の空間に水が侵入した場合には,
ハウジングのリング壁14aの下部に設けた排出孔14
gから外部に排出すると同時に端板1b背面外周側にス
ラストリング26を設けてハウジング14との間をシー
ルしている。ポンプ部の流体圧力で可動渦巻き要素はハ
ウジング側に押されその力をスラストリング部で受けて
シールしているが,その力が無い場合でもOリングA2
7の弾性力でスラストリング26を押し付けてシールす
るのでハウジング14内の摺動部に水が流入することは
ない。可動渦巻き要素1の旋回中心は駆動軸の回転中心
に対して偏心しているので遠心力は発生するが,電動機
15のロータに設けた2個のバランスウエイトにより慣
性力とモーメントの釣り合いが保たれるので大きな振動
は発生しない。本発明の水ジェット推進機のポンプ部に
容積式を用いているために水をポンプ内に閉じ込めた後
さらに駆動軸を回転するとポンプ内で液圧縮が発生する
危険性がある。この液圧縮を防止する目的から可動渦巻
き要素の渦巻き状突起1aにラップ弁23を設けてい
る。ラップ弁の構成は既に図14で説明済みである。こ
こでは図15を用いてその動作について説明する。図1
5は固定渦巻き要素の渦巻き状溝2aと可動渦巻き要素
の渦巻き状突起1aが噛み合った状態を示している。
(a)〜(d)の4枚の図は可動渦巻き要素が旋回して
噛み合いの状態がそれぞれ変化している。(a)図は渦
巻き状溝2aの外壁と渦巻き状突起1aの外壁との間で
形成される空間Qは密閉状態にある。この状態から駆動
軸が回転し可動渦巻き要素が旋回すると空間Qは渦巻き
状溝に沿って中に移動するとともにその空間の容積も縮
小する。そして,渦巻き状突起の巻き始め側の渦巻き状
溝壁面との隙間が大きくなり空間Q内の水を空間P側に
排出することになる。しかし,その隙間は当初小さい為
にその隙間のみでは空間Q内で液圧縮による異常圧力が
発生することがある。この液圧縮を防止するのがラップ
弁23である。その作動状態は(b)図に示すように,
空間Qの圧力が空間Pより大きくなると,その差圧がラ
ップ弁23に作用して空間P側に押し開けて,空間Q内
の水を空間P側に十分に排出できるので,空間Q内の圧
力が異常上昇することはない。次に,(c)図に示す渦
巻き状溝の内壁と渦巻き状突起内側で形成される空間R
の場合について説明する。この空間Rも密閉状態あり,
さらに駆動軸の回転に伴う可動渦巻き要素の旋回運動に
より,(d)図に示す状態に移行して空間R内の圧力が
上昇するが,その圧力が空間Qより上昇してその差圧が
ラップ弁に作用すると空間Q側に押し開けて隙間を大き
くし空間R内の水を空間Q側に十分に排出できるので,
(b)図同様,空間R内の圧力が異常に上昇することは
ない。
【0007】
【発明の効果】以上の如く構成された船舶の推進に用い
られる水ジェット推進機は回転体などの可動部が固定渦
巻き要素やハウジングなどの容器内に収められて外部に
露出しておらず,回転体が物体に接触して破損したり,
近くにいる人間に接触して危害を加える心配もなく安全
性が極めて高い。また推進機は水面上に設置して,水面
下に設けたダクトの水の取り入れ口から吸い上げて水を
大気中に噴出させて推進させる為に水中での抵抗が極め
て少ない上に水の噴出抵抗が少ないので高い推進効率が
得られる。さらには,FやMスラスト板のようなシール
機構を有した容積式ポンプ機構のために漏れ損失が少な
いのと可動渦巻き要素の動きが旋回運動であるためにそ
の摺動速度は小さくキャビテーションの発生もほとんど
無く高効率が達成できると同時に低振動低騒音が達成で
きる効果がある。また,駆動軸に作用するトルクは軸回
転数に殆ど依存しないので,電動機の使用が容易となり
エンジンのように排気ガスを出すこともなく環境保護の
効果もある。船の進路は水ジェット推進機のポンプ部
から出る水の噴流の向きを直接換えて行う。また,船を
停止,逆進させる場合には逆走用ダウトを設置した後,
駆動軸を逆転させて水を噴出口側から吸い込み吸込みガ
イドから噴出させることにより達成できるなど機動性が
高まる効果がある。高速航行すると,前が浮き上がり不
安定になるが,そのような場合は水ジェット推進機の噴
出口を下方に向けるか,ガイドを用いて下方に噴出させ
れば船尾を持ち上げる力が発生するので安定した高速航
行ができ,一層の高速航行が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 船舶全体の外観図
【図2】 図1のA視図
【図3】 推進機装着台取付状態の平面図
【図4】 逆走ダクト装着図
【図5】 水ジェット推進機の断面図
【図6】 図5のA−A断面図
【図7】 図5のB−B断面図
【図8】 固定渦巻き要素の平面図
【図9】 可動渦巻き要素の平面図
【図10】 ハウジングの平面図
【図11】 可動渦巻き要素背面側平面図
【図12】 オルダムリングの平面図
【図13】 主軸の外観図
【図14】 可動渦巻き要素の分解図
【図15】 ラップ弁の作動状態説明図
【符号の説明】
1は可動渦巻き要素 1aは渦巻き状突起 1bは
端板 1cは可動軸 1dはチップシール溝 1eは外周
段差 1fはキー溝 1gは切欠き部 1hは取付穴
1jは磁石 2は固定渦巻き要素 2aは渦巻き状溝 2bは球
根状突起 2cは吸入口 2dは噴出口 2eは突部 2f
はチップシール溝 は船体 aは船尾 は船外機 は水ジェ
ット推進機 は旋回台 6aは円筒 は推進機装着台 7
aは軸 8は導水用ダクト 9は逆走用ダクト 10はダク
ト台 11は回転支持枠 12は旋回レバー 13は電源
用タンシ箱 14はハウジング 14aはリング壁 14bはス
ラスト受面 14cはキー溝 14dは軸穴 14eは軸受取付
穴 14fはOリング溝 14gは排出孔 14hは突
起 15はケーシング 15aは円筒部 15bは側面
カバー部 15cは軸受ボス 15dは給油通路 16はダク
ト用旋回ステー 17は駆動軸 17aは軸部A 17bは軸部B
17cはポンプ軸 17dはつば 17eは給油孔A 17fは給油孔B 18はオルダムリング 18aはリング部 18b
はMキー 18cはHキー 19はFスラスト板 20はMス
ラスト板 21はFチップシール 22はMチップシール 2
3はラップ弁 23aは取付穴 23bは磁石 24は回転ピン
25は復帰バネ 25aはストッパA 25bはストッパB 26は
スラストリング 27はOリングA 28はOリングB 29は主軸
受 30は副軸受 31は旋回軸受 32は電動機 33はMバランス
ウエイト 34はSバランスウエイト 35は給油ポンプ 3
6は潤滑油

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水力を利用した船舶を推進する装置におい
    て, (1) 厚板に渦巻き状溝2aを設け,その厚板の中央
    部に前記溝2aの反対側からこの溝2aの巻き始め側に
    連通する噴出口と溝2aの巻き終わり側から外周壁へ連
    通する吸入口を設けた固定渦巻き要素2と端板に渦巻き
    状突起1aを設けた可動渦巻き要素1の渦巻き形状部を
    互いに噛み合わせて形成したポンプ構造。 (2)渦巻き状溝2aの噴出口の反対側端面及び渦巻き
    状突起1a先端それぞれに細長い溝を設けてチップシー
    ルを嵌合させ,さらには渦巻き状溝2a底部及び可動渦
    巻き要素端板1b上にそれぞれスラスト板を設けて形成
    したポンプ室のシール機構。 (3) 矩形断面リングの片面に180度対向した2ケ
    所のキーと前記キーより90度回転させた位置の反対面
    のリング上にやはり180度対向した位置に2ケ所キー
    を設け,これらのキーをそれぞれ可動渦巻き要素1のキ
    ー溝とハウジングのキー溝に嵌合して形成した自転防止
    機構。 (4) ハウジング中央に設けた主軸受に支えられ電動
    機に直結された駆動軸の一方の端面に偏心して開けた穴
    に可動渦巻き要素1の旋回軸を挿入して形成した動力伝
    達機構。 (5) 可動渦巻き要素端板1bのハウジング側に弾性
    体とスラストリングとで構成されるスラスト軸受を兼ね
    るスラストシール機構及びハウジングのリング壁部に内
    外を貫通する穴を設けて駆動軸を内蔵した空間内に水が
    侵入するのを防止した構造。 (6) ケーシング側面カバー側の駆動軸端面に設けた
    給油ポンプを用いて,ケーシング内の潤滑油を給油通路
    や駆動軸内給油孔を介して各摺動部に給油して再びケー
    シング内に油を戻す給油構造。 (7) 可動渦巻き要素渦巻き状突起1aの巻き始め側
    に設けたラップ弁23,復帰バネ,回転ピン及び磁石で
    構成される液圧縮防止機構。 (8) 電動機及び駆動軸等を内蔵したケーシングに固
    定渦巻き要素2とハウジングを複数のボルトを介して一
    体固定して可動渦巻き要素1等で構成される回転部を外
    部に露出させない密閉構造。 以上の如く構成されたことを特徴とする水ジェット推進
    機。
  2. 【請求項2】請求項1を用いた船舶の推進装置におい
    て, (1) 逆走用ダクトを収納し,電動機に直結する電源
    タンシを設けた請求項1の水ジェット推進機,水ジェ
    ット推進機の吸入口に連通する導水用ダクト及び旋回
    レバーを固定し,下面に円柱状の棒7aを設けた推進機
    装着台。 (2) 船尾に固定され,下面に円筒6aを装着すると
    ともにこの円筒内に前記推進機装着台の棒7aを回転自
    由にして挿入して水ジェット推進機本体を乗せた旋回
    台を船尾の水面上に固定した構造。 以上の如く構成されたことを特徴とする船舶の推進装
    置。
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