JPH0972993A - 中空糸膜を用いるろ過塔のスクラビング方法 - Google Patents

中空糸膜を用いるろ過塔のスクラビング方法

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JPH0972993A
JPH0972993A JP25563795A JP25563795A JPH0972993A JP H0972993 A JPH0972993 A JP H0972993A JP 25563795 A JP25563795 A JP 25563795A JP 25563795 A JP25563795 A JP 25563795A JP H0972993 A JPH0972993 A JP H0972993A
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scrubbing
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悟 津田
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伸一 大橋
Yoshio Sunaoka
好夫 砂岡
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 中空糸膜を用いたろ過塔において、最適洗浄
気体流量又はこれと洗浄時間を規定することでスクラビ
ング工程中の中空糸膜表面の肌荒れを極小化し、さらに
膜表面に捕捉された不純物の微粒子を効果的に剥離、除
去する。 【解決手段】 多数本の中空糸膜とこれを収容した保護
筒からなる中空糸膜モジュール1を設置したろ過塔9を
用い、不純物として主に酸化鉄からなる微粒子を含む原
水を上記中空糸膜の外側から内側に通水してろ過する中
空糸膜を用いたろ過方法のスクラビング工程において、
保護筒内に気液混合状態を形成し中空糸膜を振動させる
ことにより中空糸膜の外側に付着した微粒子を剥離する
に当たり、該保護筒内に導入する気体の流量を保護筒内
の有効断面積に対し 290〜 700m/hに設定するスクラ
ビング方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は原子力発電所や火力
発電所の復水処理や産業廃水処理等において使用され
る、中空糸膜モジュールを用いるろ過塔のスクラビング
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】中空糸膜を用いるろ過塔は、微細孔を多
数有する中空糸膜を多本数束ねて中空糸膜モジュールを
形成し、当該中空糸膜モジュールの多本数をろ過塔内に
横設した仕切板に対し鉛直方向に懸架したもので、ろ過
工程は仕切板で区画した下室に原水を供給することによ
り、当該中空糸膜の外側から内側へ原水を通過させて各
中空糸膜の外側で原水中の不純物の微粒子を捕捉し、中
空糸膜の内側から得られるろ過水を仕切板で区画した上
室に集合させてろ過塔から流出させるものである。
【0003】このようなろ過工程を長期継続して行うこ
とにより中空糸膜外面に微粒子が蓄積することによりろ
過塔の差圧が上昇してしまう。そこで従来より水中に存
する各中空糸膜の近傍の水に気体を供給して各中空糸膜
を振動させて、各中空糸膜の外側で捕捉した前記微粒子
を剥離するスクラビング工程を行い、次いで剥離した微
粒子を含む洗浄廃液を下室から排出するブロー工程を行
い、前記ろ過工程とスクラビング工程とブロー工程を順
次くり返して処理を行っていた。なお、スクラビング工
程の前あるいは後あるいはスクラビング工程中に、中空
糸膜の内側から外側に洗浄水を逆流する逆洗工程を行う
こともある。
【0004】このように中空糸膜を用いるろ過塔は基本
的にはろ過工程とスクラビング工程とブロー工程をくり
返し行って操作するものである為、ろ過工程で中空糸膜
に捕捉された微粒子が蓄積してろ過塔の差圧が上昇し、
ろ過の継続が不能にならないように充分な配慮をする必
要がある。このため、従来から微粒子の蓄積を防止する
為に、中空糸膜モジュールの構造、塔構造、スクラビン
グ方法を含む中空糸膜の洗浄方法等の検討、試験、開発
が進められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等も上述のよ
うに、より効果的な中空糸膜の洗浄方法を開発すべく努
力してきた。しかし、原水不純物としての微粒子として
主に酸化鉄を含む、例えば沸騰水型原子力発電所の復水
(一次冷却水)などを原水とした場合、ろ過工程によっ
て差圧が上昇した中空糸膜モジュールに対して前記スク
ラビング工程や逆洗工程を実施しても差圧が元に戻ら
ず、さらに、酸で中空糸膜を洗浄して膜外面に付着して
いる酸化鉄を溶解、除去しても差圧が元に戻らないケー
スがあることが判明した。
【0006】この原因として以下のことが明らかとなっ
た。即ち、差圧が元に戻らない理由は、膜自体の透水性
が低下している為であり、膜の内外間の差圧により膜が
圧密化したものでも、膜がつぶれたものでもなく、膜の
外表面の、極めて表面のみが肌荒れ状態になっており、
当該肌荒れ部分にもともと存在していた微細孔が閉塞さ
れており、その結果中空糸膜全体の微細孔が少なくなっ
た為であり、その状態は酸、酸化剤、還元剤等の洗浄剤
を用いて洗浄しても変化がなく、中空糸膜の引張り強
度、引張り伸度、破裂強度等の機械的強度の低下として
現れる物性劣化ではないことが判明した。
【0007】即ち、膜外表面の肌荒れは、膜表面に酸化
鉄等の微粒子が衝突することで発生し、中空糸膜が振動
しているときに前記微粒子が中空糸膜相互の間に存在す
るときに発生し、中空糸膜のスクラビング工程中に最も
発生しやすいものであることが判明した。また、スクラ
ビング時の気体流量及びスクラビング時間長さに伴い促
進されることが判明した。
【0008】従って、上述のような膜の外面肌荒れを防
止する為には、スクラビング工程における中空糸膜と酸
化鉄微粒子の接触時の気体流量の最小化、及びスクラビ
ング時間の短縮化、極端な例としてはスクラビングを実
施しないことが効果的と考えられるが、ろ過工程で膜に
捕捉された微粒子の蓄積を容認すると、ろ過器本来の使
用方法から逸脱し、膜外面での微粒子蓄積による差圧上
昇を引き起こし、ろ過工程の継続が不能となる。
【0009】本発明はこのような背景のもとになされた
ものであり、膜の透水性能低下を引き起こす膜面の肌荒
れを極力抑制し、しかも中空糸膜に捕捉された微粒子を
剥離できる、中空糸膜を用いたろ過塔の最適スクラビン
グ方法を提案することを目的としたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する為に
なされた本発明よりなる中空糸膜を用いるろ過塔のスク
ラビング方法は、ろ過塔内を上室と下室とに区画する仕
切板に保護筒内に中空糸膜を多本数束ね、中空糸膜の両
端を固定し、且、中空糸膜と、中空糸膜を保護する外筒
が一体型として構成された中空糸膜モジュールを、仕切
板と鉛直方向に懸架してなるろ過塔の前記下室内に、不
純物として主に酸化鉄からなる微粒子を含む原水を流入
して、各中空糸膜の外側から内側に原水を通過させるこ
とにより、各中空糸膜の外側で当該微粒子を捕捉すると
共に、各中空糸膜の内側に得られるろ過水を前記上室か
ら流出させるろ過工程と、中空糸膜が液体内に浸漬した
状態で中空糸膜モジュール下部から保護筒内に気体を導
入して、保護筒内に気液混合状態を形成し、中空糸膜を
振動させることにより中空糸膜の外側に付着した前記微
粒子を剥離するスクラビング工程と、剥離した微粒子を
含む洗浄廃液を下室から排出するブロー工程を含む中空
糸膜を用いるろ過方法において、上記のスクラビング工
程における中空糸膜モジュール保護筒内に導入する気体
流量を、保護筒内の有効断面積に対して 290〜 700m/
hに設定することを特徴とするものであり、前記のスク
ラビング操作を最適化するものである。
【0011】ここで有効断面積とは、中空糸膜モジュー
ル保護筒内の中空糸膜の有効ろ過面が存する領域におい
て気体が通過可能な断面積を示し、保護筒の内側断面積
から保護筒内に設けられた中空糸膜等の構成部品の断面
積を除いたものをいう。また、気体流量は有効断面積1
2 当たりに中空糸膜モジュールに導入した気体の流量
を示し、いわば中空糸膜モジュール保護筒内の通過可能
な空間を気体が上昇する平均的な流速である。尚、気体
には圧縮性がある為、液体内での深さにより流量が変化
するので、ここでいう気体流量は中空糸膜モジュール保
護筒内の中空糸膜の有効ろ過面が存する領域の上端部で
の流量を示す。
【0012】本発明の作用は、最適洗浄気体流量又は最
適洗浄流量と洗浄時間を規定することで、スクラビング
工程中の膜表面の肌荒れを極小化し、さらに膜表面に捕
捉された微粒子を効果的に剥離、除去するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に本発明を図を用いて説明す
る図1は本発明に用いる中空糸膜モジュールを示す断面
図であり、図2は本発明に用いるろ過塔のフローを示す
説明図である。
【0014】本発明に用いる中空糸膜モジュール(1)
を図1に示す実施例によって説明するが、本発明はこの
範囲に限定されるものではない。図1に示したごとく、
0.01μm〜 0.3μmの微細孔を有する外径 0.2〜7mm、
内径 0.2〜5mmの中空糸膜(2A,2B)を 100〜 500
00本前後、保護筒(3A)に収納したもので、当該中空
糸膜(2A,2B)の両端をその中空部を閉塞すること
なく接合部(4A,4B)で接着し、下部接合部には集
水室(5)を形成すべくキャップ(3B)を液密状態に
設け、また保護筒(3A)の下方部、上方部にそれぞれ
気体流入口(6A,6B)を設けると共に、下部接合部
(4A)近傍に気体流入口(7)を設け、さらに保護筒
(3A)の下方にスカート部(8)を設けたものであ
る。
【0015】当該中空糸膜(2A,2B)は専ら被処理
液のろ過を行う細い中空糸膜(2A)と被処理液のろ過
と同時に集水管としての作用も行う太い中空糸膜(2
B)で構成され、中空糸膜(2A)の外側よりろ過され
て中空糸内を流れた透過水の一部は上端面上に送られる
とともに、他部は下端面から集水室(5)に集り、次い
で中空糸膜(2B)の中空糸内を通って上端面上に送ら
れて、上端に流れた前記透過水と合流する。尚、中空糸
膜モジュールには、中空糸膜(2B)の替りに管状の取
水管を用いる場合や、取水管を中空糸膜モジュールの外
側に設ける場合や、中空糸膜(2A)の下端を閉止して
透過水を上端面のみから取水する場合など様々なタイプ
がある。また、使用する中空糸膜の材質もポリオレフィ
ン系の材質やポリスルホン等様々な材質がある。
【0016】当該中空糸膜モジュール(1)をろ過塔に
配置するにあたっては、図2に示したごとく、ろ過塔
(9)の上方部に仕切板(10)を設け、ろ過塔(9)内
を上室Fと下室Rに区画し、当該仕切板(10)に多数本
の中空糸膜モジュール(1)を仕切板(10)の下方に鉛
直方向に懸架する。またろ過塔(9)内に気泡分配機構
(11)を配置する。当該気泡分配機構(11)は気泡受け
(12)と当該気泡受け(12)を貫通する気泡分配管(1
3)より構成されるもので、中空糸膜モジュール(1)
のスカート(8)の直下に当該気泡分配管(13)を対応
させるものとする。
【0017】なお、ろ過塔(9)の上部にろ過水流出管
(14)の一端と圧縮空気流入管(15A)の一端を連通
し、またろ過塔(9)の下部に原水流入管(16)の一端
及び圧縮空気流入管(15B)の一端、及びドレン管(1
8)の一端をそれぞれ連通し、さらに前記仕切板(10)
の直下の側胴部に空気抜き管(17)の一端を連通する。
なお、(19)〜(24)はそれぞれ弁を示し、(25)はバ
ッフルプレートである。
【0018】当該ろ過塔(9)を用いて、本発明の処理
対象として酸化鉄を含む復水を例として説明する。ろ過
工程においては、原水は弁(19)及び(23)を開として
原水流入管(16)からろ過塔(9)の下室Rに流入し、
中空糸膜モジュール(1)により原水中の酸化鉄微粒子
をろ過し、ろ過水は上室Fで集合し、ろ過水流出管(1
4)から流出する。ろ過を継続することによりろ過塔
(9)の差圧は上昇し、規定の差圧に到達した時点でス
クラビング工程が実施される。
【0019】即ち、中空糸膜表面に付着した酸化鉄微粒
子を除去する為、弁(19)及び(23)を閉じ下室Rに原
水を、また上室Fにろ過水を満たしたまま、弁(21)及
び(22)を開弁し圧縮空気流入管(15B)から圧縮空気
を流入する。当該圧縮空気は気泡受け(12)の下面で一
端受けられ、次いで気泡分配管(13)の側部に設けられ
た孔(図示せず)から空気分配管(13)の内部を気泡と
なって中空糸膜モジュール(1)のスカート(8)内に
流入し、次いで気体流入口(7)を介して各中空糸膜モ
ジュール(1)内に流入する。当該気泡の上昇により各
中空糸膜(2A,2B)は振動すると共に中空糸膜モジ
ュール(1)内の水が攪拌され各中空糸膜(2A,2
B)の表面に捕捉された酸化鉄微粒子が剥離し、ろ過塔
(9)の下室R中に分散する。なお気泡は中空糸膜モジ
ュール(1)の流通口(6B)から当該中空糸膜モジュ
ール(1)外に流出し、ついで空気抜き管(17)からろ
過塔(9)外に排出する。
【0020】酸化鉄微粒子を剥離する為のスクラビング
空気流量は、その流量を大きくすると、剥離した酸化鉄
微粒子が中空糸膜(2A,2B)の膜表面に衝突する機
会が多くなり、膜外面肌荒れの原因となり、また少ない
と剥離した酸化鉄微粒子が中空糸膜(2A,2B)の膜
表面に衝突する機会が少なくなり、膜外面肌荒れは抑制
されるが、酸化鉄微粒子の剥離効果が低下する。本発明
の請求項1ないし4で示す最適洗浄空気流量スクラビン
グを実施すれば、スクラビング工程中の膜表面の肌荒れ
を極小化し、さらに膜表面に捕捉された酸化鉄微粒子を
効果的に剥離、除去することが可能となる。
【0021】以上のスクラビングにより剥離し、ろ過塔
(9)の下室R内の水中に分散した酸化鉄微粒子はスク
ラビング工程終了後、ろ過塔外にブローする。すなわち
弁(22)を開弁したまま弁(21)を閉弁し弁(20)を開
弁して酸化鉄微粒子が分散している洗浄廃液をドレン管
(18)から流出させる。なお、洗浄廃液を流出させる当
該工程は水頭差を用いるものであるが、空気抜き管(1
7)あるいは圧縮空気流入管(15B)から圧縮空気を流
入して当該空気圧を用いた急速流出を行うこともでき
る。なお上記ブローと同時に、又はブロー終了後圧縮空
気流入管(15A)から圧縮空気を流入し、上室Fに存在
する透過水を中空糸膜(2A,2B)内を逆流させる逆
洗工程を行うこともある。
【0022】
【発明の効果】本発明はスクラビング工程でのスクラビ
ング空気流量の最適化により、中空糸膜の透水性能低下
防止及び中空糸膜の汚染蓄積防止をすることで、中空糸
膜モジュールの差圧上昇を極小化し、中空糸膜モジュー
ルの交換寿命延長効果を得るものである。
【0023】
【実施例】本発明の効果をより明確に説明する為に以下
に本発明例を示す。0.1μm前後の微細孔を有する外径
1.22mm、内径 0.7mm、長さ2200mmの中空糸膜4200本と外
径 5.4mm、内径4mm、長さ2200mmの中空糸膜75本を、内
径 123.4mmの保護筒内に束ねた図1に示したような中空
糸膜モジュールを、ろ過塔に1本配置して図2に示した
フローに準じて小型実験ろ過塔を形成し、以下の実験を
行った。尚中空糸膜の材質はポリエチレンであった。
【0024】まず、中空糸膜の外面肌荒れ、即ち膜透水
性能低下を極小化するスクラビング空気流量条件につい
て説明する。10〜20μmの粒子径のα−Fe2 3 を主
成分とする酸化鉄微粒子を中空糸膜1m2 当たりの付着
量が10gとなるように調整した原水を中空糸膜モジュー
ル(1)でろ過させ、その後スクラビング工程に移行し
た。スクラビングは水温40℃で実施した。比較的大きな
粒径の酸化鉄微粒子を使用した理由はスクラビング工程
時に中空糸膜の外面肌荒れを確実に発生させ、実機を模
擬する為である。
【0025】図3にスクラビング空気流量と膜透水性低
下率の関係を示す。ここで、膜透水性低下率はろ過面積
の大部分を占める外径1.22mmの中空糸膜についての測定
結果で代表した。膜透水性低下率はスクラビング空気流
量の増加と共に 700m/h程度まではなだらかな勾配で
増大するものの、それ以上の空気流量範囲では膜透水性
低下率は空気流量の増加と共に急激に増加する。
【0026】700m/h以上のスクラビング空気流量で
は膜透水性低下を加速し、スクラビング条件としては不
適当であることが示された。図3より、スクラビング空
気流量は 700m/h以下に設定する。
【0027】次に中空糸膜表面に捕捉された主に酸化鉄
からなる微粒子を効果的に剥離、除去する為のスクラビ
ング空気流量条件について説明する。1〜3μmの粒子
径のα−Fe2 3 を主成分とする酸化鉄微粒子を中空
糸膜1m2 当たりの付着量が50gとなるように調整した
原水を中空糸膜モジュール(1)でろ過させ、差圧上昇
を約 0.3kg/cm2 程度とし、その後スクラビング工程に
移行した。スクラビングは水温40℃で実施した。1〜3
μmの粒子径の酸化鉄を使用した理由は、スクラビング
中の膜外面肌荒れを発生しにくい粒径を選定し、スクラ
ビング洗浄後の差圧回復率を酸化鉄微粒子剥離効果とし
て認識する為である。
【0028】図4に酸化鉄微粒子除去率と差圧回復率の
関係を示す。図4より、従来より一般的に差圧回復率良
好と判断される80%以上の差圧回復率を得るには酸化鉄
微粒子除去率70%を確保すればよいことが示された。
【0029】図5に70%の酸化鉄除去率を得るスクラビ
ング空気流量とスクラビング時間の関係を示し(図5中
にBラインで示す)、以下に実験式(2)で示す。
【0030】実験式(2) Y=スクラビング時間(min) X=スクラビング空気流量(m/h) Y=600/(X−265)+3.5
【0031】実験式(2)と図5からスクラビング空気
流量を 265m/h近傍に低下させると必要となるスクラ
ビング時間は顕著に増加することが示された。このた
め、実用上意味のあるスクラビング空気流量は余裕をみ
て 290m/h以上に設定する必要がある。そこで、最小
スクラビング空気流量を 290m/hに設定し、図5にラ
インCで示す。また、スクラビング空気流量が 290m/
h〜 700m/h(図3における上限流量設定値であり図
5にラインAで示す)の間で、酸化鉄微粒子除去率70%
以上を確保できる領域を図中にハッチングで示す。
【0032】図6に、従来のスクラビング条件:空気流
量 940m/h、時間5分と同等以下の透水性能低下とな
る範囲を示す。 まず、従来のスクラビング条件:空気流量 940m/h、
時間5分における膜透水性低下率と同じ値となるスクラ
ビング時間とスクラビング空気流量の関係を以下の実験
式(3)で示し、図6中にラインDで示す。
【0033】実験式(3) Y=スクラビング時間(min) X=スクラビング空気流量(m/h) Y=2292.9X-0.7541
【0034】従来技術よりも膜透水性低下率が抑制され
る範囲は図6のラインA、C、Dで包囲された範囲であ
る。
【0035】図5、図6の条件により、図7を作図し
た。図7で示す領域Eは、酸化鉄除去率70%以上、即ち
差圧回復率80%以上が確保されるスクラビング空気流量
290〜 700m/hの範囲であり、かつ従来技術よりも膜
透水性低下率が抑制される範囲であり、ラインA、B、
C、Dで包囲される範囲である。
【0036】上述の実施例により、スクラビング工程で
の空気流量を 290〜 700m/hに設定し、設定スクラビ
ング空気流量や、処理水中の酸化鉄微粒子の剥離性の難
易度、装置運用上での停止時間の制約等に付随する形で
スクラビング工程時間を設定することで、中空糸膜の外
面肌荒れによる透水性能低下抑制及び膜面に付着した酸
化鉄微粒子除去効果を得ることが可能となる。
【0037】<比較例>上記本発明例と同じろ過塔を使
用して10〜20μmの粒子径のα−Fe2 3 を中空糸膜
1m2 当たりの付着量が10gとなるように調整した原水
を中空糸膜モジュール(1)でろ過させ、その後スクラ
ビング工程に移行した。スクラビングは水温40℃で実施
した。スクラビング空気流量を一方は最適スクラビング
流量範囲内の 560m/hで、他方は最適流量範囲外の 9
40m/hで10分間のスクラビングを10回実施した後の中
空糸膜モジュール差圧の変化を比較した。差圧上昇巾の
比較を図8に示す。最適スクラビング空気流量範囲内で
スクラビングを実施した方が差圧上昇が抑制されている
ことがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる中空糸膜モジュールを示す断面
図。
【図2】本発明に用いるろ過塔のフローを示す説明図。
【図3】スクラビング空気流量と膜透水性低下率の関係
を示した線図。
【図4】差圧回復率と酸化鉄微粒子除去率の関係を示し
た線図。
【図5】酸化鉄除去率有効範囲を示した線図。
【図6】透水性能低下抑制範囲を示した線図。
【図7】最適洗浄条件範囲を示した線図。
【図8】スクラビング空気流量設定による中空糸膜モジ
ュール差圧上昇の比較例を示した線図。
【符号の説明】
1 中空糸膜モジュール 2A 細い中空糸膜 2B 太い中空糸膜 3A 保護筒 3B キャップ 4A 上部接合部 4B 下部接合部 5 集水室 6A 上部流通口 6B 下部流通口 7 気体流入口 8 スカート部 9 ろ過塔 10 仕切板 11 気泡分配機構 12 気泡受け 13 気泡分配管 14 ろ過水流出管 15 圧縮空気流入管 16 原水流入管 17 空気抜き管 18 ドレン管 19〜24 弁 25 バッフルプレート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森田 利夫 埼玉県戸田市川岸1丁目4番9号 オルガ ノ株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ろ過塔内を上室と下室に区画する仕切板
    に、保護筒内に中空糸膜を多本数束ね、中空糸膜の両端
    を固定し、且、中空糸膜と、中空糸膜を保護する外筒が
    一体型として構成された中空糸膜モジュールを、仕切板
    と鉛直方向に懸架してなるろ過塔の前記下室内に、不純
    物として主に酸化鉄からなる微粒子を含む原水を流入し
    て、各中空糸膜の外側から内側に原水を通過させること
    により、各中空糸膜の外側で当該微粒子を捕捉すると共
    に、各中空糸膜の内側に得られるろ過水を前記上室から
    流出させるろ過工程と、中空糸膜が液体内に浸漬した状
    態で中空糸膜モジュール下部から保護筒内に気体を導入
    して、保護筒内に気液混合状態を形成し、中空糸膜を振
    動させることにより中空糸膜の外側に付着した前記微粒
    子を剥離するスクラビング工程を含む中空糸膜を用いた
    ろ過方法において、上記のスクラビング工程における中
    空糸膜モジュール保護筒内に導入する気体流量を、保護
    筒内の有効断面積に対して 290〜 700m/hに設定する
    ことを特徴とする中空糸膜を用いるろ過塔のスクラビン
    グ方法。
  2. 【請求項2】 スクラビング空気流量(m/h)をX、
    該スクラビング時間(min) をYとしたとき、添付の図5
    においてXとYの値を夫々 Y=600/(X−265)+3.5 (式I) で表わされる酸化鉄微粒子除去率70%以上の領域を示す
    曲線Bより上方の斜線の範囲内に設定する請求項1記載
    のスクラビング方法。
  3. 【請求項3】 スクラビング空気流量(m/h)をX、
    該スクラビング時間(min) をYとしたとき、添付の図6
    において、XとYの値を夫々 Y=2292.9X-0.7541 (式II) で表わされる膜透水性低下が抑制される領域を示す曲線
    Dより下方の斜線の範囲内に設定する請求項1記載のス
    クラビング方法。
  4. 【請求項4】 スクラビング空気流量(m/h)をX、
    該スクラビング時間(min) をYとしたとき、添付の図7
    において、XとYの値を夫々 直線A(X=700) 直線C(X=290) 曲線B(式I … X=600/(X−265)+3.
    5) 曲線D(式II … Y=2292.9X-0.7541 ) で囲まれた略斜線の領域E内に設定する請求項1記載の
    スクラビング方法。
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