JPH0975719A - 有機塩素系化合物の吸着材 - Google Patents

有機塩素系化合物の吸着材

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JPH0975719A
JPH0975719A JP7235538A JP23553895A JPH0975719A JP H0975719 A JPH0975719 A JP H0975719A JP 7235538 A JP7235538 A JP 7235538A JP 23553895 A JP23553895 A JP 23553895A JP H0975719 A JPH0975719 A JP H0975719A
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adsorbent
coal ash
exhaust gas
dioxins
ash
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JP7235538A
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Hideo Kato
秀男 加藤
Masao Yashiro
正男 八代
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Sangyo Shinko Co Ltd
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Sangyo Shinko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】有機塩素系化合物等を吸着除去するための乾式
法に用いる吸着材に関して、上記課題を解決する吸着材
を提供する。 【解決手段】中空球状粒子表面に多孔質アルミノケイ酸
塩の結晶体を積層させて有機塩素系化合物の吸着材とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、排ガス中に含ま
れる有機塩素系化合物を効率良く分離除去する排ガス処
理用の吸着材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ゴミ焼却炉等から発生する排ガス
中には、酸化窒素、酸化硫黄、塩化水素、重金属等の有
害物質が含まれており、環境保護の観点からそれらの除
去技術が開発され、実用化されてきている。他方、近年
問題になってきた毒性の強いダイオキシン類等の極微量
な有機塩素系化合物の除去についても、乾式法、湿式法
又はその組み合わせ法が実用化されつつあるが、システ
ムが簡略で設備規模もコンパクトな乾式法が主流を占め
ているのが現状である。
【0003】乾式法には、例えば、特開平4−8762
4号公報に開示されるように、従来の消石灰粉添加バグ
フィルター集塵法を改善し、バグフィルター表面に粉末
状活性炭や活性白土の粉体層を形成させ、排ガスをこの
粉体層を通過させることにより、除去効率の向上を図る
方法がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例え
ば、バグフィルターの吸着材として現状では最も効果的
とされる消石灰と活性炭の併用方式にて実施した結果に
よれば、除去効率は97%前後となり改善されてきてい
るものの(特開平4−87624号公報)、世界的な許
容基準(排出規制濃度0.1ng−TEQ /m3 N )や国内
焼却炉におけるガイドライン(同0.5ng−TEQ /m3
N )の達成は困難な状況である。そこで、本発明は、有
機塩素系化合物等を吸着除去するための乾式法に用いる
吸着材に関して、上記課題を解決する吸着材を提供する
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、排ガス処理工程におけるダイオキシン類等の有機塩
素系化合物の生成等に関して鋭意検討した結果、排ガス
処理工程における有機塩素系化合物が生成される温度域
及び、排ガス処理工程における有機塩素系化合物の存在
形態に着目することにより、排ガス処理ラインにおける
有機塩素系化合物を効率的に吸着する吸着材を見いだ
し、以下の発明を完成した。
【0006】請求項1に記載の発明は、中空球状粒子表
面に多孔質アルミノケイ酸塩の結晶体を積層させたこと
を特徴とする有機塩素系化合物の吸着材である。また、
請求項2に記載の発明は、アルミナを10wt%以上含有
し、該アルミナにおける非晶質アルミナの比率が50wt
%以上である石炭灰に、1.5N以上の濃度のアルカリ
溶液を加えて水熱反応にて生成したことを特徴とする請
求項1の有機塩素系化合物の吸着材である。また、請求
項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の吸着材
を、無機質のバインダーを用いて顆粒状に成形したこと
を特徴とする有機塩素系化合物の吸着材である。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。図1及び
図2に示すように、ダイオキシン類に代表される有機塩
素系化合物は、特に、排ガス処理ライン中にて反応生成
され、その生成温度域はおおよそ300〜500℃とさ
れている。この温度域は、該化合物の融点と沸点の中間
に位置しているが、該物質の生成以後の排ガス処理工程
においては、徐々に工程温度は低下され(図2参照)、
生成以後の存在形態は、固相状態、液相状態及び気相状
態の混じり合ったものとなる。また、図3に示すよう
に、ダイオキシン類は、芳香族炭化水素等の飛灰上の前
駆体と、排ガス中の塩素ガス等のガス相の前駆体とから
生成される。さらに、その後、飛灰上から脱離して、ガ
ス状のダイオキシンを生成したり、飛灰上で脱塩素化さ
れて低塩素化ダイオキシン類を生成したり、飛灰上で分
解を受けたりする。また、一旦ガス化したダイオキシン
類も、液相状態あるいは固相状態になる場合もあり、ま
た、飛灰上のダイオキシン類もそのまま、液相あるいは
固相状態で脱離される場合もある。したがって、ダイオ
キシン類を効率よく吸着するためには、これらのいずれ
の存在形態においても吸着性能を有する吸着材が必要と
なる。
【0008】本発明者は、これらの知見を得るとともに
これらに基づいて、該化合物の吸着除去には、ガス吸着
に優れたマイクロポア(2nm以下)、液相状態の物質
の吸着に優れたメソポア(孔径2〜50nm)、マクロ
ポア(孔径50nm以上)を兼備し球形である吸着材が
有効であるとの結論に至り、本発明を完成した。
【0009】本発明に有用な吸着材は、中空球状粒子表
面に多孔質アルミノケイ酸塩の結晶体を積層させたもの
である。かかる吸着材としては、石炭灰をアルカリ熱水
処理することにより、石炭灰からSiO2 とAl2 3
を溶出させ、石炭灰表面においてアルミノケイ酸塩とし
て結晶化させたものがある。アルミノケイ酸塩の結晶体
は、結晶構造において直径0.4〜0.5nm程度のマ
イクロポアを有するとともに、図5に示すように、この
結晶体200は、1μm程度の層厚の3次元積層構造を
形成している。そして、これらの結晶体200が積層さ
れた結果、結晶体200の間に直径2〜50nmのメソ
ポアを有するため、2種類のポアサイズの分布を有する
ものとなっている。かかる吸着材のポアサイズの分布の
一例を図4に示す。
【0010】さらに、この吸着材の骨格部分は、原料で
ある石炭灰の中空球状粒子220からなり、かかる粒子
220の粒径は、2〜数十μmであるとともに、この粒
子220にはクラック・ピンホール240があるのが通
常であるために(図5参照)、この表層部には、粒子径
より小さいマクロポア(孔径50nm以上)を有し、粒
子220の中空内部の空胴部に油性・水性の液状物質を
貯蔵することができる。
【0011】この吸着材のマイクロポア・メソポアに
て、ガス化したダイオキシン類等の有機塩素系化合物を
吸着することができる。また、メソポア、さらにはマク
ロポアでは、液相状態の有機塩素系化合物を吸着し、さ
らに、該粉体吸着材層において、固相状態の有機塩素系
化合物を捕捉除去することができる。また、図5に示す
ように、このアルミノケイ酸塩の結晶体200の3次元
積層構造の表面は凹凸状となっているために、この凹凸
表面において、油性あるいは水性物質を吸着することも
できる。また、吸着材形状が球形であることから、通気
抵抗が少なくガス吸着処理材として優れている。
【0012】このように2ポアサイズを有する吸着材と
して、具体的には、特開昭59−86687号公報、同
61−90745号公報及び同61−178416号公
報に開示されている方法により得られる改質石炭灰があ
る。この改質石炭灰は、石炭灰に苛性ソーダなどのアル
カリ溶液を添加して70〜100℃にて熱処理すること
により得られる多孔質結晶物であり、陽イオン交換機能
及び吸着機能を有する。
【0013】さらに、石炭灰を原料に用いた場合には、
球状形状を確保するには、原料中に含まれるアルミナの
結晶形態配分( 非晶質アルミナ/ 全アルミナ) が50wt
%以上であることが必要である。この結晶形態配分が5
0wt%未満であると、破砕状の粒子の割合が増大するか
らである。また、高い吸着機能を保持させる為には、ア
ルミノケイ酸塩結晶化率を代表する陽イオン交換容量
(CEC)が十分に高い必要があり、表1に例示した如
く、原料の石炭灰中の全アルミナの比率が10wt%以上
であることが必要である。
【0014】
【表1】 なお、表1における石炭灰の改質条件は、後述する実施
例と同条件である。
【0015】そして、改質方法は、好ましくは、例え
ば、(1)石炭灰にアルカリ水溶液を添加し、熱水処理
して多孔質結晶物に改質するに際して、アルカリ水溶液
と石炭灰の反応固液比を0.5〜3.0リットル/kg
の範囲として攪拌、熱水処理することを特徴とする石炭
灰の改質方法(特願平5−107090号)、(2)熱
水処理後のスラリ−の固液比を2.5リットル/kg以
上に調整した後に、連続的に余剰のアルカリ水溶液と多
孔質結晶物を分離することを特徴とする石炭灰の改質方
法(特願平5−107090号)による改質石炭灰など
が挙げられる。
【0016】さらに、本発明において使用される吸着材
としては、これらの吸着材を適当な無機質バインダーで
造粒したものも好適である。かかる造粒吸着材として
は、例えば、石炭灰にアルカリ溶液を添加して熱水処理
にて改質してなる改質石炭灰および原料全体の乾燥重量
に対する配合量15重量%以上のセメントバインダーを
主原料とし、該原料に初期回転速度を付与して混合し、
加えた機械力により原料の改質石炭灰より水分を湧出さ
せてペ−スト状とした後に、初期回転速度より低い回転
速度にて混練、乾燥を行い、適性造粒水分になった時点
で、目標粒子径に適した回転速度にて造粒、乾燥を行う
ことを特徴とする改質石炭灰のイオン交換造粒法など特
願平5−115769号、特願平5−115770号に
記載の方法により得られた造粒物を挙げることができ
る。この造粒物は、ナトリウム型ゼオライトからカルシ
ウム型ゼオライトに置換されていたり、あるいはナトリ
ウムの一部がカルシウムに置換されてナトリウム型ゼオ
ライトとカルシウム型ゼオライトの双方が混在されてい
たりするものである。なお、この造粒物を、さらに微粉
砕することにより得られた改質石炭灰を用いてもよい。
【0017】このように改質石炭灰とは、石炭灰を処理
して得られた鉱物で、主成分は、SiO2 、Al
2 3 、CaO、Na2 O、K2 O等からなる多孔性物
質であり、陽イオン交換容量(CEC)が高い物質であ
る。以下に、典型的な吸着材の組成等を示す。
【0018】
【表2】 真比重: 約2.5 陽イオン交換容量: 約200meq/100g 嵩比重: 約0.7 比表面積 : 約 70m2/g 平均粒径:10 μm なお、陽イオン交換容量及び比表面積は、それぞれショ
ーレンベルガー法及びBET法を用いて測定した。
【0019】本発明においては、吸着材は、中空球状粒
子の形態を有している。中空球状粒子の形態を持つ吸着
材は、ろ布への脱着が容易である。本発明の吸着材は、
石炭灰からアルカリ熱水処理して得られるが、これは、
石炭灰中に含まれる非晶質構造を有するものが、アルカ
リ熱水処理にて溶出され、表面に析出、結晶化すること
によるものである、一般に化学組成が、MeO・Al2
3 ・mSiO2 ・nH2 O(Meは、Na2 、K2
Caなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属であっ
て、用いるアルカリ成分によって異なる。)で示される
ゼオライトを含有する改質石炭灰であり、ゼオライトの
結晶構造は、主としてP型(フィリップサイト)である
が、アルカリ水溶液の濃度などを変えることによりH型
(ハイドロキシソーダライト)の構造を持つものも製造
することができる。
【0020】なお、石炭灰を原料とした吸着材は、安価
であり、かつ不燃物であることから、吸着材としての活
性炭よりも、経済性及び安全性に優れており、はっ水性
である活性炭に比べて、該吸着材は親水性であり、液状
物質の吸着性にも優れており、機能的にも優位である。
【0021】この吸着材のマイクロポア・メソポアに
て、ガス化したダイオキシン類等の有機塩素系化合物を
吸着することができる。したがって、ダイオキシン類等
生成以後の排ガス処理工程において、この吸着材を配設
することにより、生成後ガス化した状態のダイオキシン
類を吸着して排ガスからダイオキシン類等を除去するこ
とができる。また、メソポアやマクロポアでは、液相状
態の有機塩素系化合物を吸着し、さらに、該粉体吸着材
層において、固相状態の有機塩素系化合物を捕捉除去す
ることができる。したがって、ダイオキシン類生成以後
の排ガス処理工程において、この吸着材を配設すること
により、液相あるいは固相状態のダイオキシン類を吸着
し、あるいは除去して、排ガスからダイオキシン類を除
去することができる。さらに、排ガス処理工程において
は、ダイオキシン類の前駆体であるベンゼン環を有する
芳香族化合物等は液相状態での存在比率が高いものであ
る。ここに、メソポアやマクロポアでは、芳香族化合物
等の油状物質を吸着することができ、さらに、前駆体と
なる塩素系物質は、マイクロポアにて吸着することがで
きる。したがって、ダイオキシン類生成前、あるいは生
成時の排ガス処理工程に、この吸着材を配設することに
より、前記した前駆体を吸着除去して、ダイオキシン類
の生成を抑制することができる。したがって、加えて、
ダイオキシン類生成後の工程にこの吸着材を配設して
も、未反応の芳香族化合物や塩素系化合物を吸着、除去
して、排ガスをより清浄化することができる。
【0022】ここに、有機塩素系化合物とは、ダイオキ
シン類であるポリクロロジベンゾ−p−ジオキシン(P
CDD)やジベンゾフラン類であるポリクロロジベンゾ
フラン(PCDF)等を挙げることができる。
【0023】また、アルカリ溶液で熱水処理する場合、
1.5N以上の濃度NaOH溶液が好ましい。なお、N
aOHは、安価で入手が容易なため、排ガス処理工程の
コストを低減できるという利点がある。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の吸着材に
よれば、排ガス処理工程におけるガス状態あるい液相状
態の有機塩素系化合物を吸着することができるため、効
率よく有機塩素系化合物を排ガスから除去することがで
きる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施の形態に基づ
き、より詳細に説明する。石炭灰とアルカリ溶液とを、
所定の固液比となるように、反応槽内に投入し、混合
し、所定温度にて、撹拌、煮沸し、石炭灰を多孔質結晶
物に改質する反応を行う。
【0026】ここに、本発明に用いられる原料の石炭灰
としては、特に限定されるものではなく、フライアッシ
ュ、クリンカアッシュ又は石炭燃料灰などを用いること
ができる。こうした石炭灰は、例えば、火力発電などで
微粉炭などを燃焼させた際に発生する石炭灰であり、煙
道の気流中等から採取される。したがって、採取した時
点での石炭灰の粒径はかなり細かく、そのまま用いるこ
ともできる。反応性を高めるためには、通常50μm以
下の粒子が98%以上、好ましくは20μm以下の粒子
が50%以上、より好ましくは10μm以下の粒子が4
0%以上となるように調整して用いることが好ましい。
該石炭灰が30μm以下の粒子が30%以下の場合に
は、アルカリ溶液との接触面積が低下し、反応効率が低
下するため、結晶化率が低くなるなど好ましくない。
【0027】また、本発明に用いられるアルカリ溶液
は、特に、制限されるものではないが、例えば、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウムなどの水溶液を用いること
ができる。
【0028】次に、濃度調整したアルカリ溶液の濃度と
しては、特に限定されるものでないが通常1〜4N、好
ましくは1.5〜3N、より好ましくは、1.8〜2.
3Nの範囲である。該アルカリ溶液の濃度が1N未満の
場合には、得られた多孔質結晶物の陽イオン交換容量
(CEC)が十分でなく、また、4Nを越える場合に
は、得られる多孔質結晶物のCECは十分であるが、多
孔質結晶物の結晶構造がフィリップサイト構造(有効最
小径4〜5オングストローム)のものが大幅に減少し、
ハイドロキシソーダライト構造(有効最小径2〜3オン
グストローム)のものが急増するため、分子サイズの大
きいガス吸着が困難となるため好ましくない。
【0029】また、本発明に用いられる石炭灰とアルカ
リ溶液との固液比としては、通常0.5〜3.0リット
ル/kg、好ましくは1.5〜2.5リットル/kg、
より好ましくは、2.0〜2.2リットル/kgの範囲
である。また、熱水反応時の温度は、通常90〜100
℃、好ましくは95〜100℃、より好ましくは98〜
100℃の範囲である。該温度が90℃未満の場合に
は、反応速度が大幅に低下し、反応に長時間要し、ま
た、100℃を越える場合には、大型の高圧設備を必要
として、加熱に要するコストに見合うだけの十分な効果
が得られず好ましくない。
【0030】反応後のスラリーは、脱液装置により固液
分離される。脱液されたスラリーのろ過ケーキは、さら
に洗浄水により撹拌洗浄を行う。洗浄後の多孔質結晶物
含有スラリーは、脱水され、得られた多孔質結晶物を含
有する固形物は、このまま風乾等により乾燥して、化学
組成が、MeO・Al23 ・mSiO2 ・nH2
(Meは、Na2 、K2 、Caなどのアルカリ金属また
はアルカリ土類金属であって、用いるアルカリ溶液の種
類によって異なる。)で示されるゼオライトを含有する
改質石炭灰とされ、本発明の吸着材とされる。さらに、
異なるカチオン水溶液を用いてイオン交換することによ
り、例えば、ナトリウム型をカルシウム型にする等、種
々のタイプのアルミノケイ酸塩の結晶構造体を有する吸
着材とすることができる。なお、イオン交換するカチオ
ンは、ナトリウムやカルシウムにかかわらず、陽イオン
交換可能なカチオンであればよい。また、この吸着材
は、無機質バインダーにより顆粒状に造粒することもで
きる。
【0031】このようにして得られた吸着材は、通気型
固定層方式あるいは移動層方式の排ガス処理工程におい
て用いることができる。固定層方式の場合、かかる吸着
材を付着させたろ材を、排ガス処理工程中に配置して、
有機塩素系化合物の除去を図ることができる。また、移
動層方式の場合、排ガス処理工程中において、排ガスの
通気方向に対して直交するように、吸着材を移動させ
て、移動する吸着材と排ガスとを接触させて、有機塩素
系化合物の除去を図ることができる。さらに、この吸着
材は、有機塩素系化合物の前駆体も吸着することができ
るので、有機塩素系化合物の生成前あるいは生成時にお
いて、固定層あるいは移動層にて排ガスを接触させるこ
とにより、有効に有機塩素系化合物の生成を抑制して、
その後の有機塩素系化合物の吸着除去を効率的に行うこ
とができる。
【0032】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。本
実施例で用いた、石炭灰は、全Al2 3 分が23wt%
であり、このうち、非晶質Al2 3 の比率は、70wt
%であり、粒径は、平均10μmであった。この石炭灰
100kgと100℃に調整した2N水酸化ナトリウム
水溶液210Lとを、反応槽に投入し、反応温度を10
0℃とし、反応槽の撹拌機により撹拌、煮沸を行い、石
炭灰から、化学組成が主に、Na2 O・Al2 3
3.5SiO2 ・4.5H2 Oで示されるP型(フィリ
ップサイト)の結晶構造を持つ多孔質結晶物たる改質石
炭灰とする反応を5時間行った。
【0033】この熱水処理後の多孔質結晶物含有スラリ
ーを、脱液し、得られたろ過ケーキは、水洗槽にて洗浄
した後に脱水し、この固形物に重量比で15wt%相当の
塩化カルシウムを添加、さらに、5倍の水を加えてスラ
リー状となし、撹拌・反応処理を2時間行った後に脱
液、水洗、脱水してCa型ゼオライトの結晶構造を有す
る多孔質結晶物含有固形物を得た。さらに、この固形物
を、130℃で乾燥し、Ca型ゼオライトの多孔質結晶
を表面に積層させた中空球状粒子の吸着材の粉末を得
た。
【0034】得られた粉末粒子は、直径約10μmの中
空球状粒子の表面に、カルシウム型のゼオライト(アル
ミノケイ酸カルシウム)の結晶が析出してなる3次元積
層構造を有していた。そして、中空球状粒子表面には、
クラック・ピンホールが発生しているとともに、ゼオラ
イト結晶粒子の積層構造で形成される直径2nmのメソ
ポアと、ゼオライトの結晶構造に基づく0.5nmのマ
イクロポアを有していた。この粉末につき、図6に概略
構成を示す装置により、実際にゴミ焼却を行い、焼却炉
の排ガスの一部を使ってPCDD及びPCDFの吸着試
験を行った。試験装置は、焼却炉10と、クーラー12
と、バグフィルター14と、吸引装置16と、試験機1
8とからなる排ガス処理装置であり、焼却炉10から排
出される高温の排ガスをクーラー12で冷却し、バグフ
ィルター14に送り、ダストを除去し、さらに、バグフ
ィルター14を通過した排ガスを試験機18において本
実施例の吸着材でPCDD(ポリクロロジベンゾ−p−
ジオキシン)及びPCDF(ポリクロロジベンゾフラ
ン)を吸着しようとするものである。試験機内には、筒
状のろ布が配設され、ろ布表面には、吸着材を吹き付け
することにより保持させた。なお、ろ布の材質は、耐熱
ナイロンであった。
【0035】吸着試験は以下の条件で行った 〔試験条件〕 試験機吸着層面積:10.8m2 吸着材の量 :20kg 処理風量 :10m3 /min なお、ガスの温度特性は以下のとおりであった。 〔ガス温度特性〕 バグフィルター入口:250℃ バグフィルター出口:120℃ 試験機入口 :100℃ 試験機出口 :ほぼ60℃で一定 なお、ダイオキシン類及びジベンゾフラン類の分析は、
(財)廃棄物研究財団発行「廃棄物処理におけるダイオ
キシン類測定分析マニュアル」に準じて行った。
【0036】試験の結果を表3に示す。
【表3】 N.D.: 検出限界以下(0.033ng/m3 N 以下) TEQ : 2,2,7,8-T4CDD 毒性等価濃度、換算係数は、前述の「廃棄物処理におけ るダイオキシン類測定分析マニュアル」による。
【0037】この結果からは以下のことが明らかであ
る。すなわち、この試験装置におけるバグフィルター1
4以後の排ガスにおいては、試験機入口では、PCDD
及びPCDFが検出されているが、試験機出口において
は、全種類の物質につき、検出限界以下であった。この
結果から、この試験装置におけるバグフィルター以後の
排ガスにおいては、PCDD及びPCDFはほぼ100 %
除去されていた。すなわち、図3に示したように、飛灰
上で生成され、付着したままのPCDD等及びその低塩
素化体、さらには分解物は、そのほとんどがバグフィル
ターに飛灰とともに付着され、排ガス中に分散しガス化
したPCDD等や、ガス化した後の液相状態のPCDD
等、さらには、一部の飛灰に付着したままのPCDD等
は、バグフィルターを通過して、試験機内におけるろ布
に付着させた吸着材により吸着除去されたのである。
【0038】また、この試験機において、排ガスの温度
が100℃となっており、この温度帯においては、ダイ
オキシン類は融点以下であるが、例えば、2,3,7,8-TCDD
の蒸気圧は10-4mmHgであり、工程中においては、液相や
固相状態だけでなく、ガス状態でも存在していることが
わかっている。すなわち、この吸着材によれば、どの存
在形態のダイオキシン類等をも吸着できるため、バグフ
ィルターを通過した排ガスから、かかる高効率でダイオ
キシン類等を除去することができる。
【0039】なお、本実施例では、バグフィルターによ
る集塵工程の後に試験機を設ける構成としたが、この吸
着材は、油状物質等を効率良く吸着できるマクロポアや
メソポアを有しているため、集塵とダイオキシン類等の
除去を同時に行い得る。また、本実施例では、吸着材と
して粉体を用いたが、本発明の吸着材を無機質バインダ
ーで造粒したものも使用することができる。造粒物にお
いては、固定層として用いるだでけでなく、移動層とし
て排ガスの通気方向と直交状に流通させて、バグフィル
ターで吸着材とともにダイオキシン類その外の物質を吸
着させて、捕捉するのに有効に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ゴミ焼却炉の概略及び、その排ガス処理工程で
の有機塩素系化合物の生成域を示した図である。
【図2】排ガス処理工程における有機塩素系化合物の生
成温度域を示す図である。
【図3】排ガス処理工程におけるダイオキシン類の生成
等のメカニズムを示す図である。
【図4】吸着材のポアサイズの分布を示す図である。
【図5】吸着材の構造を示す吸着材の一部断面図であ
る。
【図6】吸着試験の装置構成の概略を示す図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】中空球状粒子表面に多孔質アルミノケイ酸
    塩の結晶体を積層させたことを特徴とする有機塩素系化
    合物の吸着材。
  2. 【請求項2】アルミナを10wt%以上含有し、該アルミ
    ナにおける非晶質アルミナの比率が50wt%以上である
    石炭灰に、1.5N以上の濃度のアルカリ溶液を加えて
    水熱反応にて生成したことを特徴とする請求項1の有機
    塩素系化合物の吸着材。
  3. 【請求項3】請求項1又は2に記載の吸着材を、無機質
    のバインダーを用いて顆粒状に成形したことを特徴とす
    る有機塩素系化合物の吸着材。
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