JPH0976436A - 一軸配向体、積層体、不織布および織布ならびにそれらを用いた強化積層体 - Google Patents

一軸配向体、積層体、不織布および織布ならびにそれらを用いた強化積層体

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JPH0976436A
JPH0976436A JP26073095A JP26073095A JPH0976436A JP H0976436 A JPH0976436 A JP H0976436A JP 26073095 A JP26073095 A JP 26073095A JP 26073095 A JP26073095 A JP 26073095A JP H0976436 A JPH0976436 A JP H0976436A
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JP
Japan
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uniaxially oriented
woven fabric
ethylene
adhesive layer
film
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Application number
JP26073095A
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English (en)
Inventor
Masato Kimura
正人 木村
Katsumi Yano
勝美 矢野
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Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Petrochemicals Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐引裂性、接着強度等に優れ、また製造時に
おいて支障の発生がなくかつ高速化が可能である一軸配
向体、その積層体、不織布および織布ならびにそれらを
用いた強化積層体を提供する。 【解決手段】 熱可塑性樹脂層(I)2の少なくとも片
面に、樹脂層(I)の熱可塑性樹脂より低い融点を有す
る特定の組成からなる接着層(II)3を積層して形成し
た一軸配向体1、またはその一軸配向体を相互に接着層
(II)を介して複数枚積層してなる積層体、不織布もし
くは織布、およびそれらを基材と積層してなる強化積層
体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、接着強度および低
温ヒートシール性に優れ、かつ引裂強度等の機械的強度
が高い積層体、不織布および織布ならびにそれらを用い
た強化積層体に関し、特に、縦横繊維の接着強度、低温
ヒートシール性、成形性等に優れた積層体、不織布およ
び織布ならびにそれらと紙、他のプラスチック、箔等の
基材とを含む強化積層体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、熱可塑性樹脂の一軸延伸フィルム
またはそれを経緯積層した強化フィルムに低密度ポリエ
チレンを押出ラミネーションにより積層した強化シー
ト、あるいは上記強化フィルムと紙、発泡シート、およ
びアルミニウム箔などの金属箔等の基材とを積層した強
化積層体が、レジャー用下敷シート、車両等の保護シー
ト(幌)、農業用被覆材、合成樹脂ペレット袋、セメン
ト袋などとして活用されている。また、縦または横一軸
延伸フィルムを割繊してなる不織布、あるいは縦一軸延
伸テープを経緯積層または織成した不織布または織布と
しては、高密度ポリエチレンの両面に高圧ラジカル重合
法による低密度ポリエチレンを積層したフィルムを延伸
した後、割繊して得られる網状フィルムを配向軸が交差
するように経緯積層して熱融着したポリエチレン製不織
布または織布が開発されており、農業用被覆材、ゴルフ
場グリーンカバー、フイルター、水切り袋、各種袋類、
油吸着材、フラワーラップ、ハウスラップ等の農・園芸
用資材や建築用資材等に利用されている。しかし、昨今
では、延伸フィルムと他基材とを貼合した複合品の接着
強度を高めることが望まれ、また複合品あるいは単体品
を袋として使用する場合には、製袋の高速化に伴い、よ
り優れた低温ヒートシール性やシール部の接着強度等に
ついて改良が強く望まれている。また、不織布および織
布においては、上記の諸物性の改良と共に、不織布や織
布の縦横繊維の交点の接着強度を向上させることも要望
されている。さらに、近年これらの不織布や織布自体が
台所の水切りゴミ袋や農業資材等として広く使用される
に伴い、積層体、不織布および織布等を着色したり耐候
性を付与するなどの機能化が要望されている。しかし、
不織布等に顔料や耐候剤を添加した場合には、割繊(ス
プリット)時に割繊具に目ヤニが蓄積し、割繊不良部の
発生や白粉が生じるという問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点を解決するために鋭意検討した結果、結晶性の高い配
向性樹脂をベースとして形成する多層フィルムの接着層
に改良を加えることにより、不織布の製造時における製
膜工程、割繊工程等のトラブルが解消され、かつ耐引裂
性や接着強度等に優れ、十分に上記の要求を満足し得る
材料が得られることを見出して、本発明を完成するに至
ったものである。すなわち、本発明の第1目的は、耐引
裂性、接着強度等に優れた、一軸配向体、その積層体、
不織布および織布を提供することにある。本発明の第2
の目的は、積層体の積層時、不織布の製造時、または積
層体、不織布もしくは織布に着色したり耐侯性を付与す
る際などに、製膜、延伸、割繊、積層熱圧着等の各工程
においてトラブルを防ぎ、積層体、不織布または織布の
縦横繊維の接着強度を向上させ、かつ低温ヒートシール
性等に優れた積層体、不織布および織布を提供すること
にある。すなわち、製膜工程においてはバブルの安定性
等の製膜性に関する問題、配向工程においては配向むら
や配向切れ等の問題、スプリットまたはスリット工程に
おいてはスプリット不良部の生成や枝繊維切れ等の割繊
性に関する問題、また顔料や耐候剤を添加した場合に
は、割繊(スプリット)時に割繊具に目ヤニが蓄積する
ことによる割繊不良部の発生や白粉の発生、あるいは製
品不織布等の接着強度の低下等の各種のトラブルを解消
することにある。本発明の第3の目的は、一軸配向体、
積層体、不織布または織布の各単体あるいは他の基材と
の複合品を製袋する際の高速化等を達成することにあ
る。本発明の第4の目的は、上記一軸配向体、それを用
いた不織布または織布と基材との接着強度が高い強化積
層体を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1は、熱
可塑性樹脂層(I)の少なくとも片面に、樹脂層(I)の
熱可塑性樹脂より低い融点を有する下記接着層(II)を
積層して形成した一軸配向体、または上記一軸配向体を
相互に接着層(II)を介して複数枚積層してなる積層体
である。 [接着層(II)] (1)以下の性状を有するエチレン・α−オレフィン共
重合体(A)100〜20重量% (イ)密度(d) 0.86〜0.94g/cm3 (ロ)メルトフローレート(MFR) 0.01〜100g/10min (ハ)分子量分布(Mw/Mn) 1.8〜3.5 (ニ)組成分布パラメーター(Cb) 1.10〜2.00 (2)他のオレフィン系重合体(B)80重量%以下を
含む組成物
【0005】本発明の請求項2は、前記エチレン・α−
オレフィン共重合体(A)が、25℃におけるo−ジク
ロロベンゼン(ODCB)可溶分の量(X、重量%)
と、dおよびMFRとの間に次の式〔I〕または〔II〕
で表される関係を有するものであることを特徴とする請
求項1に記載の積層体である。
【数2】
【0006】本発明の請求項3は、前記エチレン・α−
オレフィン共重合体(A)が、連続昇温溶出分別法(T
REF)による溶出温度−溶出量曲線において複数個の
ピークを示すものであることを特徴とする請求項2に記
載の積層体である。
【0007】本発明の請求項4は、前記オレフィン系重
合体(B)が、下記のエチレン系重合体から選ばれる少
なくとも1種であることを特徴とする請求項1から3の
いずれかに記載の積層体である。 [エチレン系重合体] (1)チーグラー型触媒を用いて重合した密度0.86
〜0.95g/cm3のエチレン・α−オレフイン共重合体
(B1) (2)高圧ラジカル重合による低密度ポリエチレン、エ
チレン・ビニルエステル共重合体、またはエチレンと
α,β−不飽和カルボン酸もしくはその誘導体との共重
合体(B2
【0008】本発明の請求項5は、前記一軸配向体の配
向倍率が1.1〜15である請求項1から4のいずれか
に記載の積層体である。
【0009】本発明の請求項6は、前記一軸配向体の熱
可塑性樹脂層(I)の厚みが20〜100μmであり、
接着層(II)の厚みが3〜60μmである請求項1から
5のいずれかに記載の積層体である。
【0010】本発明の請求項7は、熱可塑性樹脂層
(I)の少なくとも片面に、樹脂層(I)の熱可塑性樹脂
より低い融点を有する下記接着層(II)を積層して形成
した、縦一軸配向網状フィルム(a)、横一軸配向網状
フィルム(b)および一軸配向多層テープ(c)から選
ばれる少なくとも1種の一軸配向体、または上記一軸配
向体を相互に接着層(II)を介して複数枚積層してなる
不織布もしくは織布である。 [接着層(II)] (1)以下の性状を有するエチレン・α−オレフィン共
重合体(A)100〜20重量% (イ)密度(d) 0.86〜0.94g/cm3 (ロ)メルトフローレート(MFR) 0.01〜100g/10min (ハ)分子量分布(Mw/Mn) 1.8〜3.5 (ニ)組成分布パラメーター(Cb) 1.10〜2.00 (2)他のオレフィン系重合体(B)80重量%以下を
含む組成物
【0011】本発明の請求項8は、前記縦一軸配向網状
フィルム(a)、横一軸配向網状フィルム(b)および
一軸配向多層テープ(c)から選ばれる少なくとも1種
の一軸配向体を相互に接着層(II)を介して配向軸が交
差するように積層または織成してなることを特徴とする
請求項7に記載の不織布または織布である。
【0012】本発明の請求項9は、前記一軸配向体の熱
可塑性樹脂層(I)に、充填剤、顔料および耐候剤から
選ばれる少なくとも1種の添加剤を配合したことを特徴
とする請求項1から8のいずれかに記載の一軸配向体、
積層体、不織布または織布である。
【0013】本発明の請求項10は、熱可塑性樹脂層
(I)の少なくとも片面に、樹脂層(I)の熱可塑性樹脂
より低い融点を有する下記接着層(II)を積層して形成
した一軸配向体、または上記一軸配向体を相互に接着層
(II)を介して複数枚積層してなる積層体、不織布およ
び織布から選ばれる少なくとも1種の配向材料と、基材
とを含む強化積層体である。 [接着層(II)] (1)以下の性状を有するエチレン・α−オレフィン共
重合体(A)100〜20重量% (イ)密度(d) 0.86〜0.94g/cm3 (ロ)メルトフローレート(MFR) 0.01〜100g/10min (ハ)分子量分布(Mw/Mn) 1.8〜3.5 (ニ)組成分布パラメーター(Cb) 1.10〜2.00 (2)他のオレフィン系重合体(B)80重量%以下を
含む組成物
【0014】以下本発明をさらに詳述する。本発明にお
いて熱可塑性樹脂層(I)に用いる樹脂は、配向性を有
する結晶性の熱可塑性樹脂であって、高、中、低密度ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリ−
4−メチルペンテン−1、ポリヘキセン−1等のα−オ
レフィンの単独重合体;エチレンと他のα−オレフィン
との共重合体、プロピレンとエチレン等の他のα−オレ
フィンとの共重合体等のα−オレフィン相互の共重合体
などのポリオレフィン;およびポリアミド、ポリエステ
ル、ポリビニルアルコール等の結晶性を有する配向性樹
脂類が挙げられる。これらの中でも、特に、プロピレン
単独重合体、プロピレンを主成分とする他のα−オレフ
ィンとの共重合体などのプロピレン系重合体、および密
度0.94〜0.98g/cm3のエチレン単独重合体やエチ
レンを主成分とする他のα−オレフィンとの共重合体な
どのエチレン系重合体、またはこれらの混合物が好まし
い。上記α−オレフィンとしては、エチレン、プロピレ
ン、ブテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−
1等の炭素数2〜10のものが好ましい。特に、密度
0.94〜0.98g/cm3のエチレン単独重合体、エチレ
ンを主成分とする他のα−オレフィンとの共重合体など
のエチレン系重合体が好ましい。これらのコモノマーの
含有量は3〜15モル%の範囲から選択される。また、
プロピレン系重合体および/または密度0.94〜0.9
8g/cm3のエチレン系重合体のメルトフローレート(M
FR)は、0.01〜30g/10分、好ましくは0.1〜2
0g/10分、さらに好ましくは0.2〜10g/10分の範囲
から選択される。
【0015】本発明における接着層(II)に使用される
エチレン・α−オレフイン共重合体(A)とは、エチレ
ンと1種以上の炭素数3〜20のα−オレフィンとの共
重合体である。α−オレフィンの炭素数は、好ましくは
3〜12であり、具体的にはプロピレン、ブテン−1、
4−メチル−ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−
1、デセン−1、ドデセン−1などが挙げられる。ま
た、これらのα−オレフインの含有量は、合計で通常3
0モル%以下、好ましくは3〜20モル%の範囲から選
択する。
【0016】本発明に用いるエチレン・α−オレフイン
共重合体(A)の密度は、0.86〜0.94g/cm3、好
ましくは0.89〜0.93g/cm3の範囲である。密度が
0.86g/cm3未満では、得られた積層体、不織布または
織布が抗ブロッキング性に劣り、耐熱性も損なわれ、か
つ基材との接着強度も低くなる懸念がある。また、0.
94g/cm3を超える場合には低温ヒートシール性に劣
る。
【0017】エチレン・α−オレフイン共重合体(A)
のMFRは、0.01〜100g/10min、好ましくは0.
1〜50g/10min の範囲である。MFRが0.01g/10m
in未満のものは溶融粘度が高く、成形性に劣り、100
g/10min を超えるものは、成形性や機械的強度が劣る。
【0018】エチレン・α−オレフイン共重合体(A)
の分子量分布Mw/Mnは、ゲルパーミエーションクロマ
トグラフィー(GPC)により重量平均分子量(Mw)
および数平均分子量(Mn)を求め、両者の比として算
出する。本発明において、上記Mw/Mn は1.8〜3.
5であり、好ましくは2.0〜3.0、さらに好ましくは
2.2〜2.8の範囲である。Mw/Mn が1.8未満では
成形加工性が劣り、3.5を超えるときは機械的強度が
劣る。
【0019】また、本発明で用いるエチレン・α−オレ
フイン共重合体(A)の組成分布パラメーター(Cb)
は、1.10〜2.00であり、好ましくは1.12〜1.
70、さらに好ましくは1.15〜1.50の範囲であ
る。Cb が1.10未満ではホットタック特性が劣り、
2.00を超えるときは成形品に高分子ゲルを生じる等
の懸念がある。
【0020】上記組成分布パラメーター(Cb)の測定
法は下記の通りである。 (1)分別溶出 試料を熱安定剤と共に、試料濃度が0.2重量%となる
ようにODCBに加えて、135℃で加熱溶解する。こ
の加熱溶液を、珪藻土(セライト545)を充填したカ
ラム内へ移送してカラムを充満した後、0.1℃/min
の冷却速度で25℃まで冷却し、試料をセライト表面に
析出沈着させる。次に、このカラムにODCBを一定流
量で流し、かつカラム温度を5℃間隔で120℃まで段
階的に昇温しながら、各温度において、試料を溶解した
溶液を採取する。これらの溶液を冷却した後、メタノー
ルで試料を再沈澱させ、ろ過および乾燥を行って各溶出
温度における試料を得る。分別された試料について、重
量分率および分岐度(炭素数 1000個あたりの分
岐数)を求める。分岐度の測定は13C−NMRにより行
う。
【0021】(2)分岐度の補正 上記の方法により30℃から90℃までの温度範囲で採
取した各フラクションについて、溶出温度に対して分岐
度をプロットし、相関関係を最小自乗法により直線で近
似して検量線を作成する。この近似の相関係数は十分に
大きい。この検量線を用いて溶出温度から求めた値を、
各フラクションの分岐度として以下の計算に用いる。な
お、溶出温度95℃以上で採取したフラクションについ
ては、溶出温度と分岐度との間に必ずしも直線関係が成
立しないため、上記の補正を行わない。
【0022】(3)Cb の算出 次に、各フラクションの重量分率(wi)を、溶出温度
間隔5℃当たりの分岐度biの変化量(bi−bi-1)で
割って相対濃度ciを求め、分岐度に対して相対濃度を
プロットし、組成分布曲線を得る。この組成分布曲線を
一定の幅で分割し、次式〔III〕によりCb を算出す
る。
【数3】 ここで、cjとbjはそれぞれj番目のフラクションの相
対濃度と分岐度である。Cb は、試料の組成が均一であ
る場合に1.0となり、組成分布が広がるに従って値が
大きくなる。
【0023】なお、エチレン・α−オレフィン共重合体
の組成分布を記述する方法については多くの提案がなさ
れている。例えば特開昭60−88016号公報におい
ては、試料を溶剤分別して得た各分別試料の分岐数に対
して、累積重量分率が特定の分布(対数正規分布)を示
すと仮定して数値処理を行い、重量平均分岐度(Cw)
と数平均分岐度(Cn)との比を求めている。この近似
計算は、試料の分岐数と累積重量分率が対数正規分布か
ら離れると精度が下がり、例えば市販のLLDPEにつ
いて測定を行うと相関係数R2はかなり低く、精度が不
十分である。本発明の Cb は、このCw/Cnとは定義
および測定方法が異なるものである。
【0024】本発明で用いるエチレン・α−オレフィン
共重体(A)の25℃におけるODCB可溶分の量
(X、重量%)は、エチレン・α−オレフィン共重合体
に含まれる高分岐度成分および低分子量成分の含有割合
を示すものであり、それらは耐熱性の低下や成形品表面
のベタツキの原因となるため、少ないことが望ましい。
一方、Xは、共重合体全体のα−オレフィンの含有量お
よび平均分子量、従って密度(d)およびMFRと相関
関係を有するものである。本発明においては、dおよび
MFRの値がd−0.008×log〔MFR〕≧0.93
の関係を満たす場合には、Xは2重量%未満が適当であ
り、好ましくは1重量%未満、さらに好ましくは0.5
重量%未満である。また、dおよびMFRの値がd−
0.008×log〔MFR〕<0.93を満たす場合に
は、X<9.8×103×(0.9300−d+0.008
×log〔MFR〕)2+2.0の関係を満足するXの範囲が
適当であり、好ましくはX<7.4×103×(0.930
0−d+0.008×log〔MFR〕)2+1.0、さらに
好ましくは、X<5.6×103×(0.9300−d+
0.008×log〔MFR〕)2+0.5の関係を満足する
範囲である。d、MFRおよびXが上記の関係を満たす
ことは、高分岐度成分の量が過大でないこと、すなわち
共重合体全体に含まれているα−オレフィンが遍在して
いないことを示している。
【0025】なお、前記25℃におけるODCB可溶分
の量(X)は、下記の方法により測定する。すなわち、
試料0.5gを20mlのODCBに加え、135℃で
2時間加熱して試料を完全に溶解した後、25℃まで冷
却する。この溶液を25℃で一晩放置した後、テフロン
製フィルターでろ過してろ液を採取する。ろ液を試料溶
液として、赤外分光器によりメチレンの非対称伸縮振動
による波数2925cm-1付近の吸収ピークの強度を測定
し、あらかじめ作成した検量線によりろ液中の試料濃度
を算出する。この値からXを求める。
【0026】本発明に用いるエチレン・α−オレフィン
共重合体(A)は、連続昇温溶出分別法(TREF)に
より求めた溶出温度−溶出量曲線(TREF曲線)にお
いて、複数個のピークを示すものであることが好まし
く、さらにその高温側のピークが85℃から100℃の
間に存在することが特に好ましい。このようなピークが
存在するものは融点が高く、また結晶化度が高く、従っ
てこれを用いた成形体は耐熱性および剛性が優れたもの
となる。
【0027】本発明で用いるTREFの測定方法は下記
の通りである。試料を熱安定剤と共に、試料濃度が0.
05重量%となるようにODCBに加えて、135℃で
加熱溶解する。この加熱溶液5mlを、ガラスビーズを
充填したカラムに注入した後、0.1℃/min の冷却速度
で25℃まで冷却し、試料をガラスビーズ表面に沈着さ
せる。次に、このカラムにODCBを一定流量で流しな
がら、カラム温度を50℃/hr の一定速度で昇温し、各
温度において溶液に溶解可能な試料を順次溶出させる。
この際、メチレンの非対称伸縮振動による波数2925
cm-1における吸収を赤外検出器で連続的に測定すること
により、溶出温度−IR吸収曲線を得ることができる。
さらにあらかじめ作成した検量線により、ろ液中の試料
濃度を求めれば、溶出温度−溶出量曲線が得られる。T
REF分析によれば、極少量の試料で温度変化に対する
溶出速度の変化を連続的に測定することができるため、
分別法では検出できない比較的細かいピークの検出が可
能である。図1に複数のピークを有するエチレン・α−
オレフィン共重合体(A)の溶出温度−IR吸収曲線の
例を示し、また比較のため、図2にいわゆるメタロセン
触媒による共重合体の溶出温度−IR吸収曲線の例を示
した。
【0028】本発明に用いる特定のエチレン・α−オレ
フイン共重合体(A)は、前記(イ)〜(ホ)ないし
(ヘ)の性状を満足するものであればよく、チーグラー
触媒、フイリップス触媒、メタロセン触媒等により重合
することができるが、好ましくは以下の成分(C1)か
ら(C5)を相互に接触させて得られる触媒を用いるこ
とが望ましい。 (C1):一般式Me11 p(OR2)q1 4-p-qで表される
化合物(式中、Me1はZr、Ti またはHf を示し、R1
およびR2は炭素数1〜24の炭化水素基、X1はハロゲ
ン原子を示し、pおよびqは0≦p<4、0≦q<4お
よび0≦p+q≦4の関係を満たす整数である) (C2):一般式Me23 m(OR4)n2 z-m-nで表される
化合物(式中、Me2は周期律表第I〜III族の元素、R3
およびR4は炭素数1〜24の炭化水素基、X2はハロゲ
ン原子または水素原子(ただし、X2が水素原子である
のはMe2が周期律表第 III族元素の場合に限る)を示
し、zはMe2の原子価数を示し、mおよびnは0≦m≦
z、0≦n≦zおよび0≦m+n≦zの関係を満たす整
数である) (C3):共役二重結合を有する有機環状化合物 (C4):有機アルミニウム化合物と水との反応によっ
て得られるAl−O−Al結合を含む変性有機アルミニウ
ム化合物 (C5):無機物担体および/または粒子状ポリマー担
【0029】上記触媒成分(C1)の一般式Me11 p(O
2)q1 4-p-qで表される化合物において、式中のMe1
は前記の通りZr、Ti またはHf を示す。これらの遷
移金属は1種類に限定されるものではなく、複数種を用
いることもできるが、耐候性に優れた共重合体が得られ
る点において、Zr を含むことが特に好ましい。R1
よびR2は炭素数1〜24の炭化水素基であり、好まし
くは炭素数が1〜12、さらに好ましくは1〜8であ
り、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソ
プロピル基、ブチル基などのアルキル基;ビニル基、ア
リル基などのアルケニル基;フェニル基、トリル基、キ
シリル基、メシチル基、インデニル基、ナフチル基など
のアリール基;ベンジル基、トリチル基、フェネチル
基、スチリル基、ベンズヒドリル基、フェニルブチル
基、ネオフイル基などのアラルキル基などが挙げられ
る。これらは分岐があってもよい。X1はフッ素、ヨウ
素、塩素および臭素などのハロゲン原子を示し、pおよ
びqは0≦p<4、0≦q<4および0≦p+q≦4の
関係を満たす。
【0030】上記触媒成分(C1)の化合物の例として
は、テトラメチルジルコニウム、テトラエチルジルコニ
ウム、テトラベンジルジルコニウム、テトラプロポキシ
ジルコニウム、トリプロポキシモノクロロジルコニウ
ム、ジプロポキシジクロロジルコニウム、テトラブトキ
シジルコニウム、トリブトキシモノクロロジルコニウ
ム、ジブトキシジクロロジルコニウム、テトラブトキシ
チタン、テトラブトキシハフニウムなどが挙げられ、こ
れらを2種以上混合して用いても差し支えない。
【0031】上記触媒成分(C2)の一般式Me23 m(O
4)n2 z-m-nで表される化合物において、式中のMe2
は周期律表第I〜III族の元素を示し、具体的にはリチウ
ム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウ
ム、亜鉛、ホウ素、アルミニウムなどである。R3およ
びR4は炭素数1〜24の炭化水素基であり、好ましく
は炭素数が1〜12、さらに好ましくは1〜8であり、
具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロ
ピル基、ブチル基などのアルキル基;ビニル基、アリル
基などのアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリ
ル基、メシチル基、インデニル基、ナフチル基などのア
リール基;ベンジル基、トリチル基、フェネチル基、ス
チリル基、ベンズヒドリル基、フェニルブチル基、ネオ
フイル基などのアラルキル基などが挙げられる。これら
は分岐があってもよい。X2はフッ素、ヨウ素、塩素お
よび臭素などのハロゲン原子または水素原子を示すもの
である。ただし、X2が水素原子であるのは、Me2がホ
ウ素、アルミニウムなどに例示される周期律表第III族
元素の場合に限られる。また、zはMe2の原子価数を示
し、mおよびnは0≦m≦z、0≦n≦zおよび0≦m
+n≦zの関係を満たす整数である。
【0032】上記触媒成分(C2)の化合物の例として
は、メチルリチウム、エチルリチウムなどの有機リチウ
ム化合物;ジメチルマグネシウム、ジエチルマグネシウ
ム、メチルマグネシウムクロライド、エチルマグネシウ
ムクロライドなどの有機マグネシウム化合物;ジメチル
亜鉛、ジエチル亜鉛などの有機亜鉛化合物;トリメチル
ボロン、トリエチルボロンなどの有機ボロン化合物;ト
リメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ
イソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、
トリデシルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロラ
イド、エチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミ
ニウムセスキクロライド、ジエチルアルミニウムエトキ
サイド、ジエチルアルミニウムハイドライドなどの有機
アルミニウム化合物の誘導体等が挙げられる。
【0033】上記触媒成分(C3)の共役二重結合を有
する有機環状化合物としては、共役二重結合を2個以
上、好ましくは2〜4個、さらに好ましくは2〜3個有
する環を1個または2個以上有し、全炭素数が4〜2
4、好ましくは4〜12である環状炭化水素化合物;前
記環状炭化水素化合物が部分的に1〜6個の炭化水素残
基(典型的には、炭素数1〜12のアルキル基またはア
ラルキル基)で置換された環状炭化水素化合物;共役二
重結合を2個以上、好ましくは2〜4個、さらに好まし
くは2〜3個有する環を1個または2個以上有し、全炭
素数が4〜24、好ましくは4〜12である環状炭化水
素基を有する有機ケイ素化合物;前記環状炭化水素基が
部分的に1〜6個の炭化水素残基またはアルカリ金属塩
(ナトリウムまたはリチウム塩)で置換された有機ケイ
素化合物が挙げられる。特に分子中にシクロペンタジエ
ン構造を有するものが望ましい。
【0034】上記触媒成分(C3)の好適な化合物とし
ては、シクロペンタジエン、インデン、アズレンまたは
これらのアルキル、アリール、アラルキル、アルコキシ
またはアリールオキシなどの置換基による誘導体が挙げ
られる。また、これらの化合物がアルキレン基(炭素数
が通常2〜8、好ましくは2〜3)を介して結合(架
橋)した化合物も好適に用いられる。
【0035】上記環状炭化水素基を有する有機ケイ素化
合物は、下記一般式で表示することができる。 ALSiR4-L ここで、Aはシクロペンタジエニル基、置換シクロペン
タジエニル基、インデニル基、置換インデニル基で例示
される前記環状炭化水素基を示し、Rはメチル基、エチ
ル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基などのア
ルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブ
トキシ基などのアルコキシ基;フェニル基などのアリー
ル基;フェノキシ基などのアリールオキシ基;ベンジル
基などのアラルキル基で例示される炭素数1〜24、好
ましくは1〜12の炭化水素残基または水素を示し、L
は1≦L≦4、好ましくは1≦L≦3の範囲である。
【0036】上記触媒成分(C3)の有機環状炭化水素
化合物の具体例としては、シクロペンタジエン、メチル
シクロペンタジエン、エチルシクロペンタジエン、1,
3−ジメチルシクロペンタジエン、インデン、4−メチ
ル−1−インデン、4,7−ジメチルインデン、シクロ
ヘプタトリエン、メチルシクロヘプタトリエン、シクロ
オクタテトラエン、アズレン、フルオレン、メチルフル
オレンのような炭素数5〜 24のシクロポリエンまた
は置換シクロポリエン;モノシクロペンタジエニルシラ
ン、ビスシクロペンタジエニルシラン、トリスシクロペ
ンタジエニルシラン、モノインデニルシラン、ビスイン
デニルシラン、トリスインデニルシラン等が挙げられ
る。
【0037】上記触媒成分(C4)の有機アルミニウム
化合物と水との反応によって得られるAl−O−Al 結
合を含む変性有機アルミニウム化合物とは、アルキルア
ルミニウム化合物と水とを反応させることにより得られ
る、通常アルミノキサンと称される変性有機アルミニウ
ムであり、分子中に通常1〜100個、好ましくは1〜
50個のAl−O−Al 結合を含有する。なお、変性
有機アルミニウム化合物は、線状および環状のいずれで
もよい。
【0038】上記において、有機アルミニウムと水との
反応は、通常不活性炭化水素中で行われる。不活性炭化
水素としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロ
ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の脂肪族、
脂環族または芳香族炭化水素が好ましい。水と有機アル
ミニウム化合物との反応比(水/Alモル比)は、通常
0.25/1〜1.2/1、好ましくは0.5/1〜1/
1である。
【0039】上記触媒成分(C5)の無機物担体および
/または粒子状ポリマー担体としては、炭素質物質、金
属、金属酸化物、金属塩化物、金属炭酸塩もしくはこれ
らの混合物、または熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等が挙
げられる。無機物担体に用いることができる好適な金属
としては、鉄、アルミニウム、ニッケルなどが挙げられ
る。具体的にはSiO2、Al23、MgO、ZrO2、Ti
2、B23、CaO、ZnO、BaO、ThO2等またはこ
れらの混合物、およびSiO2−Al23、SiO2−V2
5、SiO2−TiO2、SiO2−V25、SiO2−MgO、
SiO2−Cr23等が挙げられる。これらの中でもSiO
2およびAl23から選択される少なくとも1種を主成分
とするものが好ましい。また、粒子状ポリマー担体に用
いる有機化合物としては、熱可塑性樹脂および熱硬化性
樹脂のいずれも使用することができ、具体的には、粒子
状のポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリ
塩化ビニル、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸
メチル、ポリスチレン、ポリノルボルネン、各種天然高
分子およびこれらの混合物等が挙げられる。
【0040】上記無機物担体および/または粒子状ポリ
マー担体は、そのまま使用することもできるが、好まし
くは、予備処理としてこれらの担体を有機アルミニウム
化合物やAl−O−Al 結合を含む変性有機アルミニウ
ム化合物などに接触させた後に用いる。
【0041】本発明に用いるエチレン・α−オレフイン
共重合体(A)の製造方法としては、気相法、スラリー
法、溶液法等のいずれも用いられ、また一段重合法、多
段重合法などのいずれを用いてもよく、特に限定される
ものではない。
【0042】本発明に用いる他のオレフィン系重合体
(B)の第1は、従来のイオン重合法によるチーグラー
系触媒またはフイリップス触媒等(以下、総称して「チ
ーグラー型触媒」という)を用いて得られるエチレン系
重合体であり、好ましくは密度0.86〜0.95g/cm3
のエチレン・α−オレフイン共重合体(B1)であっ
て、具体的には線状中密度ポリエチレン(MDPE)、
線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超低密度ポリ
エチレン(VLDPE)等が挙げられる。
【0043】上記線状中密度ポリエチレンおよび線状低
密度ポリエチレン(MDPEおよびLLDPE)とは、
密度が0.91〜0.95g/cm3の範囲であり、好ましく
は0.91〜0.94g/cm3(LLDPE)が用いられ、
MFRは0.1〜20g/10分、好ましくは0.5〜15g/
10分、さらに好ましくは0.7〜10g/10分の範囲から
選択される。溶融張力は0.3〜5.0g、好ましくは
0.4〜4.0g、さらに好ましくは0.5〜3.5gであ
る。分子量分布(Mw/Mn)は2.5〜5、好ましくは
3〜4.5である。なお、Mw/Mn はGPC分析による
重量平均分子量/数平均分子量である。
【0044】上記超低密度ポリエチレン(VLDPE)
とは、密度が0.86〜0.91g/cm3、好ましくは0.8
8〜0.905g/cm3であり、MFRは0.1〜20g/10
分、好ましくは0.5〜10g/10分の範囲から選択され
る。VLDPEは、LLDPEとエチレン・α−オレフ
ィン共重合体ゴム(EPR、EPDMなど)との中間の
性状を有しており、好ましくは密度0.86〜0.91g/
cm3、示差走査熱量測定法(DSC)による最高融点
(Tm)60℃以上、かつ好ましくは沸騰n−ヘキサン
不溶分10重量%以上の性状を有する特定のエチレン・
α−オレフィン共重合体である。少なくともチタンおよ
び/またはバナジウムを含有する固体触媒成分と有機ア
ルミニウム化合物とからなる触媒を用いて重合され、L
LDPEが有する高結晶部分と、エチレン・α−オレフ
ィン共重合体ゴムが有する非晶部分とを併せ持つ樹脂で
あって、前者の特徴である機械的強度、耐熱性などと、
後者の特徴であるゴム状弾性、耐低温衝撃性などとがバ
ランスよく共存している。
【0045】上記エチレン・α−オレフィン共重合体
(B1)のα−オレフィンは、炭素数3〜12、好まし
くは3〜10の範囲のものであり、具体的にはプロピレ
ン、ブテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−
1、オクテン−1、デセン−1、ドデセン−1等を挙げ
ることができる。これらのα−オレフィンの含有量は、
3〜40モル%の範囲から選択することが好ましい。
【0046】本発明に用いる他のオレフィン系重合体
(B)の第2としては、高圧ラジカル重合による低密度
ポリエチレン、エチレン・ビニルエステル共重合体、お
よびエチレンとα,β−不飽和カルボン酸またはその誘
導体との共重合体(B2)が挙げられる。
【0047】上記低密度ポリエチレン(LDPE)は、
MFRが0.1〜20g/10分、好ましくは0.5〜15g/
10分、さらに好ましくは1.0〜10g/10分である。M
FRがこの範囲内であれば、組成物の溶融張力が適切な
範囲となる。また密度は0.91〜0.94g/cm3、好ま
しくは0.912〜0.935g/cm3、さらに好ましくは
0.912〜0.930g/cm3であり、溶融張力は1.5〜
25g、好ましくは3〜20g、さらに好ましくは3〜
15gである。溶融張力は樹脂の弾性を示す物性であ
り、上記の範囲であればフィルムの成形が容易である。
また、Mw/Mn は3.0〜10、好ましくは4.0〜8.
0である。
【0048】上記エチレン・ビニルエステル共重合体と
は、高圧ラジカル重合法で製造される、エチレンとプロ
ピオン酸ビニル、酢酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプ
リル酸ビニル、ラウリル酸ビニル、ステアリン酸ビニ
ル、トリフルオロ酢酸ビニルなどのビニルエステル単量
体との共重合体である。これらのビニルエステルの中で
特に好ましいものとしては、酢酸ビニルを挙げることが
できる。上記エチレン・ビニルエステル共重合体として
は、エチレン50〜99.5重量%、ビニルエステル0.
5〜50重量%、他の共重合可能な不飽和単量体0〜4
9.5重量%からなる共重合体が好ましい。ビニルエス
テル含有量は3〜20重量%、好ましくは5〜15重量
%の範囲である。これら共重合体のMFRは0.1〜2
0g/10分、好ましくは0.3〜10g/10分であり、溶融
張力は2.0〜25g、好ましくは3〜20gである。
【0049】上記エチレンとα,β−不飽和カルボン酸
またはその誘導体との共重合体の代表的なものとして
は、エチレンとアクリル酸もしくはメタクリル酸または
それらのアルキルエステルとの共重合体が挙げられる。
アクリル酸およびメタクリル酸のアルキルエステルとし
ては、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリ
ル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸プロピ
ル、メタクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、
メタクリル酸イソプロピル、アクリル酸−n−ブチル、
メタクリル酸−n−ブチル、アクリル酸シクロヘキシ
ル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ラウリ
ル、メタクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、メ
タクリル酸ステアリル、アクリル酸グリシジル、メタク
リル酸グリシジル等を挙げることができる。この中でも
特に好ましいものとして、アクリル酸およびメタクリル
酸のメチルエステルまたはエチルエステルを挙げること
ができる。アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エス
テルの含有量は3〜20重量%、好ましくは5〜15重
量%の範囲である。これら共重合体のMFRは0.1〜
20g/10分、好ましくは0.3〜10g/10分であり、溶
融張力は2.0〜25g、好ましくは3〜20gであ
る。
【0050】上記(A)成分と(B)成分との配合割合
は、(A)成分が100〜20重量%、および(B)成
分が80重量%以下、好ましくは50重量%以下であ
る。特に縦横繊維の接着強度、低温ヒートシール性等を
重視する場合には、(A)成分を主成分とすることが好
ましいが、縦横繊維の接着強度および低温ヒートシール
性をある程度確保し、かつ加工性および経済性も考慮す
る場合には、(B)成分を80重量%まで配合すること
ができる。上記(A)成分の配合量が20重量%未満で
あり、(B)成分の配合量が80重量%を超える場合に
は、縦横繊維の接着強度、低温ヒートシール性等の特性
が発揮されない懸念が生じる。
【0051】本願の第1発明における一軸配向体は、一
軸配向フィルム、一軸配向網状体、一軸配向テープ、フ
ラットヤーン等を包含する。これらの一軸配向体は、目
的や用途により、単独であるいはそれらの複数枚を積層
して用いることができ、配向軸を交差させて積層しても
よい。
【0052】また、本願の第2発明における不織布や織
布は、熱可塑性樹脂層(I)と接着層(II)からなる多
層構造の一軸配向体として、縦一軸配向網状フィルム
(a)、横一軸配向網状フィルム(b)および一軸配向
多層テープ(c)から少なくとも1種を選び、一軸配向
体の接着層(II)を介して配向軸が交差するように積層
または織成して形成したものである。
【0053】上記一軸配向体の配向倍率は1.1〜1
5、好ましくは3〜10の範囲から選択する。配向倍率
が1.1未満では、配向体の機械的強度が十分でない。
一方、配向倍率が15を超える場合は、通常の方法で配
向させることが困難であり、高価な装置を必要とするな
どの問題が生ずる。
【0054】本発明における配向の方法は、圧延法また
は延伸法を包含するものであり、延伸法においては、ロ
ール延伸法(自由一軸延伸法)、熱板延伸法、シリンダ
ー延伸法、熱風延伸法等を使用することができる。特に
自由一軸延伸法が好ましい。上記自由一軸延伸法とは、
熱可塑性樹脂フィルムの幅に対して延伸間距離(低速ロ
ールと高速ロールとの間の距離)を十分に長くし、フィ
ルムを幅方向に自由に収縮させながら延伸する方法であ
る。
【0055】本発明でいう圧延法とは、熱可塑性樹脂フ
ィルムを、その厚みより小さい間隙を有する2本の加熱
ロールの間を通過させ、樹脂フィルムの融点(軟化点)
より低い温度において挟圧して、厚みが減少した割合だ
け長さを伸長する方法をいう。
【0056】上記多層フィルムの熱可塑性樹脂層(I)
と接着層(II)との厚み比率は、特に限定されないが、
一般的には接着層(II)を多層フィルム全体の厚みの5
0%以下、好ましくは40%以下とすることが、機械的
強度等を維持するために好ましい。また、配向後の多層
フィルムまたは多層テープの熱可塑性樹脂層(I)の厚
みは、20〜100μm程度が望ましい。また、接着層
(II)の厚みは3μm以上であれば熱融着時の接着強度
等の所要物性を満足するが、通例は3〜60μm、好ま
しくは5〜40μmの範囲から選択される。
【0057】また、接着層(II)の樹脂の融点と、上記
熱可塑性樹脂層(I)の樹脂の融点とは、5℃以上、特
に10〜50℃以上の温度差を有することが、製造にお
いても、機械的強度を維持するためにも好ましい。
【0058】本発明において、着色したり耐候性等の機
能を付与した不織布または織布を支障なく得るために
は、添加剤を内層の熱可塑性樹脂層(I)に添加するこ
とが肝要である。このように内層の熱可塑性樹脂層
(I)に添加剤を配合することにより、製膜時のダイリ
ップの汚れが激減し、その清掃を行う頻度が減少する。
また、割繊時においても、スプリッター部に添加剤粉や
樹脂等が目ヤニなどとして蓄積する量が少なく、その除
去作業の頻度が減少する。従来、汚れが増大すると、ス
プリッターの歯にこれらの汚れが詰まり、歯が切れなく
なって、配向フィルムの縦割れや割繊工程における不規
則な割れが多くなり、規則的によく揃った網状体が得ら
れないなどの問題が生じている。また、このような汚れ
から製品中へ不純物が大量に混入したり、不織布の網状
体が不規則にんることによって製品価値が低下するばか
りでなく、不織布の強度低下を招くこともある。本願発
明を用いることにより、これらの問題点が解消される。
上記添加剤としては、耐光剤、紫外線吸収剤、着色剤、
顔料、無機充填剤などが挙げられる。
【0059】上記耐光剤とは、ベンゾトリアゾール系、
ベンゾフェノン誘導体、置換アクリロニトリル系、サリ
チル酸系、ニッケル錯塩系、ヒンダードアミン系等の各
種化合物からなる紫外線吸収剤および光安定剤である。
【0060】上記ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤
としては、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−5'−
tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、アルキル
化ヒドロキシベンゾトリアゾール等が挙げられる。
【0061】ベンゾフェノン誘導体の紫外線吸収剤とし
ては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、
2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ
−4−オクトキシベンゾフェノン、4−ドデシロキシ−
2−ヒドロキシベンゾフェノン等が挙げられる。
【0062】アクリロニトリル系の紫外線吸収剤として
は、2−エチル−ヘキシル−2−シアノ−3,3'−ジフ
ェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3'−ジ
フェニルアクリレート等が挙げられる。
【0063】サリチル酸系の紫外線吸収剤としては、フ
ェニルサリチレート、p−tert−ブチルフエニルサリチ
レート、p−オクチルフェニルサリチレート等が挙げら
れる。
【0064】ニッケル錯塩系の紫外線吸収剤としては、
ニッケル−ビス(オクチルフェニルサルファィド)、
[2,2'−チオ−ビス(4−tert−オクチルフェノラー
ト)]−n−ブチルアミンニッケル等が挙げられる。
【0065】ヒンダードアミン系の光安定剤としては、
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セ
バケートなどが挙げられる。上記の各種耐光剤の中で
は、ヒンダードアミン系光安定剤が最も好ましい。
【0066】耐光剤の配合量は、不織布または織布の用
途、使用環境、目的等によって異なり、所要量を適宜配
合すればよいが、一般的には内層の熱可塑性樹脂に対し
て300ppm以上、好ましくは300〜10,000
ppmの範囲で配合することが望ましい。上記配合量が
300ppm未満では、耐光性の持続期間が短いか、あ
るいは効果が発現しない懸念がある。10,000pp
mを超える場合には、耐光性の持続期間は長くなるが、
コストが上昇するので望ましくない。
【0067】本発明における着色剤または顔料として
は、有機顔料および無機顔料が用いられる。有機顔料と
しては、アゾ系、アントラキノン系、フタロシアニン
系、キナクリドン系、イソインドリノン系、ジオキサン
系、ペリレン系、キノフタロン系、ペリノン系などのも
のが挙げられ、具体的には、食品添加物公定書に登載さ
れている食用黄色4号(タートラジン)、食用黄色5号
(サンセットイエローFCF)、食用緑色3号(ファー
ストグリーンFCF)、銅クロロフィル、および鉄クロ
ロフィリンナトリウムなどの他、合成樹脂の着色に使用
される通常の顔料、例えばフタロシアニンブルー、フタ
ロシアニングリーン、ファーストイエロー、ジアゾイエ
ローなどの有機顔料を適宜使用することができる。ま
た、無機顔料としては、二酸化チタン、鉛白、亜鉛華、
リトポン、バライト、沈降性硫酸バリウム、炭酸カルシ
ウム、石膏、沈降性シリカなどの白色顔料や硫化カドミ
ウム、セレン化カドニウム、群青、酸化鉄、酸化クロ
ム、カーボンブラックなどが挙げられる。
【0068】本発明における酸化防止剤としては、通常
の酸化防止剤を使用することが可能であるが、特にフェ
ノール系、リン系およびイオウ系の酸化防止剤が好適で
ある。上記フェノール系酸化防止剤としては、ヒンダー
ドフェノール系化合物が用いられ、具体的には、2,2'
−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノ
ール)、4,4'−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert
−ブチルフェノール)、4,4'−チオビス(3−メチル−
6−tert−ブチルフェノール)、テトラキス[メチレン
3−(4'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−tert−ブチルフ
ェニル)プロピオネート]メタン、n−オクタデシル3
−(4'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−tert−ブチルフェ
ニル)プロピオネート、2,4−ビスオクチルチオ−6−
(4'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−tert−ブチルアニリ
ノ)−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(4'−
ヒドロキシ−3',5'−ジ−tert−ブチルベンジル)−
1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−ト
リオン、1,3,5−トリス(3'−ヒドロキシ−2',6'
−ジメチル−4'−tert−ブチルベンジル)−1,3,5−
トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、
1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(4'−ヒドロ
キシ−3',5'−ジ−tert−ブチルベンジル)ベンゼンな
どが挙げられる。
【0069】リン系酸化防止剤としては、亜リン酸エス
テル、ホスホナイトおよびホスファフェナンスレンなど
の化合物が用いられ、具体的には、ジオクタデシルペン
タエリスリチルジホスファィト、トリオクタデシルホス
ファィト、トリス(ノニルフェニル)ホスファィト、トリ
ス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファィト、
9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェ
ナンスレン−10−オキサイド、テトラキス(2,4−ジ
−tert−ブチルフェニル)4,4'−ビフェニレンジホス
ホナイトなどが挙げられる。
【0070】また、イオウ系酸化防止剤としては、チオ
ールやスルフィドなどが用いられ、具体的には、3,3'
−チオジプロピオン酸、ジドデシル3,3'−チオジプロ
ピオネート、ジオクタデシル3,3'−チオジプロピオネ
ート、ペンタエリスチリルテトラキス(3−ドデシルチ
オプロピオネート)、ペンタエリスリチルテトラキス(3
−オクタデシルチオプロピオネート)などが挙げられ
る。
【0071】これらの酸化防止剤は、樹脂100重量部
に対して通常0.02〜1.0重量部、好ましくは0.0
3〜0.5重量部の範囲で用いられる。配合量が0.02
重量部未満では酸化防止効果が発揮されず、また1.0
重量部を超える量を用いてもより大きな効果は望めな
い。酸化防止剤および紫外線吸収剤は、それぞれ1種ま
たは2種以上を組み合わせて使用することができる。特
にフェノール系酸化防止剤とリン系酸化防止剤とを組み
合わせると飛躍的に効果が向上するので好ましい。 す
なわち、これらの併用により、押出加工時の樹脂の熱劣
化および紫外線等による色相の経時変化や褪色を防止す
ることができる。従って、初期の段階から顔料等と共に
併用することが望ましい。
【0072】遮光剤の代表的なものとしては、アルミニ
ウム粉等が挙げられる。上記アルミニウム粉を添加した
フィルムは、光を反射して作物等を保護し育成する上で
は効果的であるが、樹脂の光劣化を促進する作用を有す
ることが一般的に知られている。顔料なども同様に光劣
化を促進する作用を示す。前記耐光剤、または耐光剤と
フェノール系、リン系、イオウ系等の酸化防止剤とを用
いることにより、遮光剤、顔料等が表面層の光劣化を促
進する作用を著しく抑制することができ、耐候性にも相
乗効果を発揮するため、耐光剤や酸化防止剤を併用する
ことが望ましい。
【0073】本発明の不織布および織布においては、熱
可塑性樹脂層(I)と接着層(II)からなる多層構造の
縦一軸配向網状フィルム(a)、横一軸配向網状フィル
ム(b)および一軸配向多層テープ(c)から選ばれる
少なくとも1種の一軸配向体を前記接着層(II)を介し
て配向軸が交差するように積層または織成して形成す
る。以下これらの不織布および織布その製造例を図面に
基づいて詳述する。
【0074】図3は、本発明の一実施態様である、多層
フィルムを長さ方向に一軸配向しスプリット(割繊)し
てなる縦一軸配向網状フィルム(a)の斜視図である。
図において縦一軸配向網状フィルム1は、フィルムの長
さ方向に一軸配向した熱可塑性樹脂層(I)2の両面
に、特定のエチレン・α−オレフィン共重合体を含む接
着層(II)3が積層されており、幹繊維4と枝繊維5か
らなるものである。
【0075】図4は、本発明の一実施態様である、多層
フィルムをスリットして横一軸に配向した横一軸配向網
状フィルム(b)の斜視図である。図において、横一軸
配向網状フィルム6は、フィルムの長さ方向に対して直
角(横方向)に一軸配向した熱可塑性樹脂層(I)2の
両面に、特定のエチレン・α−オレフィン共重合体を含
む接着層(II)3が積層されている。
【0076】上記一軸配向多層テープ(c)は、多層イ
ンフレーション法、多層Tダイ法等の押出成形により製
造した2層以上の多層フィルムを、裁断前および/また
は後に、縦または横方向に配向倍率1.1〜15、好ま
しくは3〜10に一軸配向したものである。図5は、本
発明の一実施態様である、一軸配向多層テープ(c)の
斜視図である。図において一軸配向多層テープ7は、上
記配向網状フィルムと同様に、一軸配向された熱可塑性
樹脂層(I)2の両面に、特定のエチレン・α−オレフ
ィン共重合体を含む接着層(II)3を積層したテープで
ある。
【0077】本発明の不織布または織布は、上記の少な
くとも1種の一軸配向体を、接着層(II)を介して配向
軸が交差するように経緯積層し、または織成したもので
ある。上記一軸配向体の具体的な組合せは、(1)図6に
示す縦一軸配向網状フィルム(a)を2枚積層(a/
a)した不織布(A)、(2)縦一軸配向網状フィルム
(a)と横一軸配向網状フィルム(b)とを積層(a/
b)した不織布(B)、(3)図7に示す一軸配向多層テ
ープ(c)を2組積層(c/c)した不織布(C)、(4)
図8に示す一軸配向多層テープ(c)を織成した織布
(D)、(5)不織布(A)/不織布(B)(以下、(A/
B)と略す、その他同様)、(A/C)または(A/D)
の積層構成からなる不織布、(6)(B/C)または(B/
D)の不織布、(7)(C/D)の不織布、(8)(a/C)ま
たは(a/D)の不織布、(b/C/b)または(b/D/
b)の不織布、(9)(C/a/C)または(C/b/C)の
不織布、(D/a/D)または(D/b/D)の不織布、(1
0)(A/C/A)または(A/D/A)の不織布、(B/C/
B)または(B/D/B)の不織布、(11)(A/C/B)ま
たは(A/D/B)の不織布等が挙げられる。
【0078】図9は本発明の一実施態様である縦一軸配
向網状フィルム(a)の製造方法を示す概略図である。
図9に示すように、縦一軸配向網状フィルム(a)は、
主として(1)多層フィルムの製膜工程、(2)多層フ
ィルムの配向工程、(3)配向多層フィルムを配向軸と
平行にスプリットするスプリット工程および(4)スプ
リットしたフィルムを巻き取る巻取工程等を経て製造さ
れる。
【0079】以下各工程を説明する。図9において、
(1)多層フィルムの製膜工程では、主押出機11に高
密度ポリエチレン、ポリプロピレン 等の高配向性の樹
脂層(I)に用いる熱可塑性樹脂を供給し、2台の副押
出機12、12に接着層樹脂として特定のエチレン・α
−オレフィン共重合体またはその混合物を供給して、主
押出機11から押出される熱可塑性樹脂を中心層(配向
層)とし、2台の副押出機12、12から押出される接
着層樹脂を内層および外層として、インフレーション成
形により多層フィルムを作製する。図9は、3台の押出
機を用いて多層環状ダイ13を通して下吹出し水冷イン
フレーション14により製膜する場合の例を示したが、
多層フィルムの製造方法としては、多層インフレーショ
ン法、多層Tダイ法などを用いることができ、特に限定
されない。これらの成形法の中では、厚手のフィルムを
急冷し、透明性を保持することができるなどの長所を有
する点で、水冷インフレーション法が好ましい。
【0080】(2)配向工程では、上記製膜した環状多
層フイルムを2枚のフイルムF、F'に切り裂き、赤外
線ヒーター、熱風送入機等を備えたオーブン15内を通
過させ、所定温度に加熱しながら、初期寸法に対し配向
倍率1.1〜15、好ましくは5〜12、さらに好まし
くは6〜10でロール配向を行う。上記配向温度は、中
心層の熱可塑性樹脂の融点以下であり、通常20〜16
0℃、好ましくは60〜150℃、さらに好ましくは9
0〜140℃の範囲であり、多段で行うことが好まし
い。
【0081】(3)スプリット(割繊)工程では、上記
配向した多層フィルムを高速で回転するスプリッター
(回転刃)16に摺動接触させて、フィルムにスプリッ
ト処理(割繊化)を行う。スプリット方法としては、上
記のほか、多層一軸配向フィルムを叩打する方法、捻転
する方法、摺動擦過(摩擦)する方法、ブラッシュする
方法等の機械的方法、あるいはエアージェット法、超音
波法、レーザー法等により無数の微細な切れ目を形成方
してもよい。これらの中でも特に回転式機械的方法が好
ましい。このような回転式機械的方法としては、タップ
ネジ式スプリッター、ヤスリ状粗面体スプリッター、針
ロール状スプリッター等の各種形状のスプリッターが挙
げられる。例えば、タップネジ式スプリッターとして
は、通常、5角あるいは6角の角形であって、1インチ
あたり10〜40、好ましくは15〜35のネジ山を有
するものが用いられる。またヤスリ状粗面体スプリッタ
ーとしては、実公昭51−38980号公報に記載され
たものが好適である。ヤスリ状粗面体スプリッターは、
円形断面軸の表面を鉄工用丸ヤスリ目またはこれに類似
の粗面体に加工し、その面に2条の螺旋溝を等ピッチに
付与したものである。これらの具体的なものとしては、
米国特許第3,662,935号、同第3,693,851
号等に開示されたものが挙げられる。
【0082】上記網状フィルムを製造する方法は、特に
限定されないが、好ましくは、ニップロール間にスプリ
ッターを配置し、多層一軸配向フイルムに張力をかけつ
つ移動させ、高速で回転するスプリッターに摺動接触さ
せてスプリットし網状化する方法が挙げられる。
【0083】上記スプリット工程におけるフイルムの移
動速度は、通常1〜1,000m/分、好ましくは10〜
500m/分である。また、スプリッターの回転速度
(周速度)は、フイルムの物性、移動速度、目的とする
網状フイルムの性状などにより適宜選択することができ
るが、通常、10〜3,000m/分、好ましくは50〜
1,000m/分である。
【0084】このように割繊して形成した縦一軸配向網
状フィルム(a)は、所望により拡幅した後、熱処理1
7を経て、(4)巻取工程18において所定の長さに巻
き取り、不織布用原反として供給する。
【0085】図10は、本発明の縦一軸配向網状フィル
ム(a)を2枚積層(a/a)した不織布(A)の製造
工程を示す概略図である。図10おいて、上記のように
して製造した縦一軸配向網状フィルム(a)110(以
下、「縦ウエブ」という)を、原反繰出しロールから繰
出し、所定の供給速度で走行させて拡幅工程111に送
り、拡幅機(実公平4−35154号、図示せず)によ
り数倍に拡幅し、必要により熱処理を行う。別の縦一軸
配向網状フィルム(a)210(以下、「横ウエブ」と
いう)を、縦ウエブと同様に原反繰出しロールから繰出
し、所定の供給速度で走行させて拡幅工程211に送
り、拡幅機(縦ウエブの場合と同じ)により数倍に拡幅
し、必要により熱処理した後、縦ウエブ110の幅に等
しい長さに切断し、縦ウエブの走行フイルムに対し直角
の方向から供給して、積層工程112において接着層
(II)を介して配向軸が直交するように経緯積層して搬
送する。熱圧着工程113において、熱シリンダーによ
り、配向した中心層の熱可塑性樹脂層(I)の融点以
下、接着層(II)の融点以上の温度で熱融着し、巻取工
程114において製品の経緯積層不織布として卷き取
る。
【0086】図11は、本願の実施態様である、縦一軸
配向網状フィルム(a)と横一軸配向網状フィルム
(b)を積層(a/b)した不織布(B)の製造工程を
示す概略図である。図11に示すように、主として
(1)多層フィルムの製膜工程、(2)多層フィルムの
長手方向に対して直角にスリット処理を行うスリット工
程、(3)多層スリットフィルムの横一軸配向工程およ
び(4)横一軸配向スリットフィルムに縦ウエブを重層
して熱圧着する圧着工程を含むものである。
【0087】以下各工程を説明する。図11において、
(1)多層フィルムの製膜工程では、主押出機311に
樹脂層(I)に用いる熱可塑性樹脂を供給し、副押出機
312に接着層樹脂として特定のエチレン・α−オレフ
ィン共重合体またはその混合物を供給して、主押出機3
11から押出される熱可塑性樹脂を内層とし、副押出機
312から押出される接着層樹脂を外層として、インフ
レーション成形により2層フィルムを作製する。図11
には、2台の押出機を用いて多層環状ダイ313を通し
て下吹出し水冷インフレーション314により製膜する
場合の例を示した。多層フィルムの製造方法としては、
前記図9の例と同様に、多層インフレーション法、多層
Tダイ法などを用いることができ、特に限定されない。
これらの成形法の中では、厚手のフィルムを急冷し、透
明性等を保持することができるなどの長所を有する点
で、水冷インフレーション法が好ましい。また、インフ
レーション成形したフィルムは、そのままロール間で、
所望により微配向した後、押し潰すことにより接着層
(II)/熱可塑性樹脂層(I)/接着層(II)の3層構
造のシートが得られ、前記図9の例ににおける縦フィル
ム用の3台の押出機を2台に省略することができるため
経済的効果が大きい。
【0088】(2)スリット工程では、上記製膜した環
状多層フイルムをピンチして偏平化し、次いで圧延によ
り微配向し、3層構造としたフイルムに、走行方向に対
して直角に、千鳥掛けに横スリット315を入れる。上
記スリット方法としては、カミソリ刃または高速回転刃
のような鋭利な刃先で切り裂く方法、スコアーカッタ
ー、シアーカッター等でスリットを形成する方法などが
挙げられるが、特に熱刃(ヒートカッター)によるスリ
ット方法が最も好ましい。このような熱刃の例として
は、特公昭61−11757号、米国特許第4,489,
630号、同第2,728,950号等に開示されてい
る。熱刃によるスリット方法は、前段で圧延により微配
向されたフイルムの切口の縁を盛り上げる効果を有し、
後続の横配向工程において配向の際に切口が裂けて伝播
することを防止することができる。
【0089】(3)配向工程では、上記スリット処理を
行ったフイルムに横配向316を施す。横配向方法とし
ては、テンター法、プーリー法等が挙げられるが、装置
が小型であり経済的であることからプーリー法が好まし
い。プーリー法としては、英国特許第849,436号
および特公昭57−30368号に開示された方法が挙
げられる。配向温度等の条件は前記図9の例の場合と同
様である。
【0090】上記で得られた横一軸配向網状フィルム
(横ウエブ)は、(4)熱圧着工程317に搬送され
る。一方、前記と同様の縦ウエブ410を原反繰出しロ
ールから繰出して、所定の供給速度で走行させて拡幅工
程411に送り、前述の拡幅機により数倍に拡幅し、必
要により熱処理を行う。この縦ウエブを、上記の横ウエ
ブに重層して熱圧着工程317に送り、ここで縦ウエブ
と横ウエブを配向軸が交差するように積層して熱圧着
し、目飛びなどの不良検査を経た後、巻取工程318に
搬送して経緯積層不織布の製品とする。
【0091】本願の第3発明は、熱可塑性樹脂層(I)
の少なくとも片面に、樹脂層(I)の熱可塑性樹脂より
低い融点を有する下記接着層(II)を積層して形成した
一軸配向体、または一軸配向体を相互に接着層(II)を
介して複数枚積層してなる積層体、不織布および織布か
ら選ばれる少なくとも1種の配向材料と、基材とを含む
強化積層体である。
【0092】本発明に用いる基材とは、紙、合成樹脂フ
イルムまたは合成樹脂シート、発泡フイルムまたは発泡
シート、ゴムシート、多孔フイルム、ランダム不織布、
織布および金属箔等の中から選択される少なくとも1種
である。
【0093】紙としては、クラフト紙、和紙、グラシン
紙、板紙等が挙げられ、これらは印刷されていてもよ
い。
【0094】合成樹脂フイルムまたは合成樹脂シートと
しては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフ
イン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミド、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリビニアルコー
ル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボ
ネート、アクリル樹脂等から成形されたフイルムまたは
シートが挙げられる。これらの中でもポリオレフイン、
特にポリプロピレンのフイルムまたはシートは、経済
性、耐熱性、機械的強度等の点で最も汎用に適してい
る。これらのフィルムまたはシートは、Tダイ法等によ
り直接不織布等と貼合してもよく、積層方法は特に限定
されない。
【0095】発泡フイルムまたは発泡シートとしては、
特に限定されるものではないが、一般にポリエチレン、
ポリプロピレン等のポリオレフイン、ポリスチレン、ポ
リエステル、ポリアミド等の熱可塑性樹脂を用いたもの
が挙げられる。これらの中でもポリオレフイン、特にポ
リプロピレンからなる発泡フイルムまたは発泡シートが
経済性、耐熱性、機械的強度等の点で好ましい。
【0096】ゴムシートとしては、エチレン−プロピレ
ン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合
体ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、アクリロ
ニトリル−スチレン共重合体ゴム、SIS(スチレン−
イソプレン−スチレンブロック共重合体)、SBS(ス
チレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体)、ポ
リウレタン等を用いたものが挙げられ、Tダイ法等で直
接不織布等と貼合してもよく、積層方法は特に限定され
ない。
【0097】多孔フイルムは、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン等のポリオレフイン、ポリスチレン、ポリエステ
ル、ポリアミド、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化
物、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボ
ネート等から製造されるが、特にポリプロピレンからな
る多孔フイルムが経済性、耐熱性、機械的強度等の点で
好ましい。多孔フィルムの製造は、上記樹脂にフィラー
等を配合し、製膜後延伸する方法、あるいはフィルムを
溶剤で抽出する方法等により適宜に行うことができ、特
に限定されるものではない。
【0098】ランダム不織布とは、マルチフィラメント
を集積したもの、ステープルファイバーを集積したもの
等を包含する。より好ましくは、高融点の第1の繊維と
低融点の第2の繊維とを使用した繊維状ランダム不織布
である。繊維状ランダム不織布の具体例は以下の通りで
ある。 (1)高融点の第1の繊維またはそのフィルムと、低融点
の第2の繊維もしくはそのフィルムまたは熱接着性樹脂
との混合物を集積して得られるランダム不織布、(2)芯
成分を形成する高融点の第1の繊維と、鞘成分を形成す
る低融点の第2の繊維とからなる複合繊維を集積して得
られるランダム不織布、(3)高融点の第1の繊維と低融
点の第2の繊維とからなる並列型複合繊維を集積して得
られるランダム不織布、(4)メルトブローフィラメント
を集積して得られるランダム不織布、(5)高融点の合成
パルプおよび/または繊維またはそのウエブと、低融点
の合成パルプおよび/または繊維またはそのウエブとを
抄紙して得られるランダム不織布等が挙げられる。
【0099】上記高融点の第1の繊維としては、高密度
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリア
ミド、アクリル樹脂等の合成繊維、綿、羊毛、麻等の天
然繊維等が挙げられる。また必要によりロックウール、
金属繊維、ガラス繊維、ウィスカー等の鉱物繊維を併用
してもよい。
【0100】上記芯型または並列型複合繊維の具体的な
例としては、高密度ポリエチレン(HDPE)/低密度
ポリエチレン(LDPE)、HDPE/エチレン−酢酸
ビニル共重合体(EVA)、LDPE/ポリビニルアル
コール(PVA)、ポリプロピレン(PP)/プロピレ
ン−エチレン共重合体(PEC)、PP/HDPE、P
P/PVA、ポリエステル(PEs)/共重合ポリエステ
ル(CPEs)、PEs/HDPE、PEs/PP、ポリア
ミド(PA)/PP、PA/HDPE等の種々の組合せの
ものが挙げられる。商品としては「NBF」(商標、大
和紡績(株)製)、「ESファイバー」(商標、チッソ
(株)製)、「UCファイバー」(商標、宇部日東化成
(株)製)、「エルベス」(商標、ユニチカ(株)製)、
「サンモア」(商標、三和製紙(株)製)等が挙げられ
る。
【0101】上記メルトブローフィラメントからなる不
織布としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリ
オレフイン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミ
ド、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリ塩化
ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート等の熱
可塑性樹脂から製造されるメルトブロー不織布が挙げら
れる。これらの中でもポリオレフイン、特にポリプロピ
レンを用いたものが経済性、耐熱性、機械的強度等の点
で好ましい。
【0102】前記基材に用いる織布とは、合成樹脂のフ
ラットヤーンやマルチフイラメント、天然繊維、合成繊
維、ガラス繊維、カーボン繊維等の有機および無機繊維
の織布を包含し、特に限定されるものではない。
【0103】また、基材に用いる前記金属箔としては、
アルミニウム、鉄、ニッケル、金、銀等の箔が挙げられ
る。これらの中でも、特にアルミニウム箔が経済性、機
械的強度等の点で好ましい。
【0104】本発明における強化積層体の製造方法とし
ては、押出ラミネーション法やドライラミネーション
法、あるいは前記基材および/または不織布もしくは織
布にコロナ放電処理等の物理的表面処理を施した後に熱
接着する方法等が挙げられる。他の方法としては、本発
明の一軸配向体、不織布または織布を支持体とし、その
上に上記芯型または並列型の複合繊維からなるランダム
不織布等を直接メルトブローして支持体と一体化させて
もよい。
【0105】本発明の強化積層体の例としては、S/
F、F/S'/F、S'/Al、A/K、A/MP、A/HS、
A/MFなどが挙げられる。なお、上記の記号は以下の
ものを表す。 S: 高密度ポリエチレン(HDPE)/接着層からな
る2層一軸配向フイルム S': 接着層/HDPE/接着層の3層一軸配向フィルム F: 高圧ラジカル法低密度ポリエチレン(LDPE)
フィルム Al: アルミニウム箔 A: 接着層/HDPE/接着層の3層一軸配向フィルム
からなる不織布 K: クラフト紙 MP:多孔質フィルム HS:発泡シート MF:メルトブローン不織布
【0106】本発明の強化積層体は、レジャー用シー
ト、自動車用幌、農業用被覆材、セメント袋、アスファ
ルト袋、合成樹脂ペレット袋、粘着テープ用基材、マス
キングフィルム等に利用され、不織布および織布は、農
業用被覆材、ゴルフ場グリーンカバー、フイルター、水
切り袋、各種袋類、油吸着材、フラワーラップ、ハウス
ラップ、マット、ワイパー、ウエス等の農・園芸用資
材、建築用資材、家庭用品等に利用される。
【0107】
【発明の実施の形態】熱可塑性樹脂層(I)の少なくと
も片面に、その熱可塑性樹脂より低い融点を有する特定
の組成からなる接着層(II)を積層して一軸配向体を形
成し、またその一軸配向体を相互に接着層(II)を介し
て積層して積層体とし、特定の上記一軸配向体を積層す
ることにより不織布または織布を形成し、さらにそれら
を基材と積層して強化積層体とすることにより、耐引裂
性、接着強度等に優れた各種材料を容易かつ高速に製造
することができる。
【0108】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳述す
る。使用して試験法は以下の通りである。 (1)メルトフローレート ASTM D1238−57T(190℃、2.16kg荷
重)に基づき測定した。 (2)密度 ASTM D1505−68に準拠して測定した。 (3)DSCによる測定 厚さ0.2mmのシートを熱プレスで成形し、約5mg
の試料を打ち抜いて、230℃で10分保持した後、2
℃/分の速度で0℃まで冷却し、再び10℃/分の速度で
170℃まで昇温して、その間に現れる最大ピークの頂
点に対応する温度を最高融点(Tm)とする。 (4)分子量分布(Mw/Mn) ウォーターズ社製のGPC装置を使用し、溶媒としてo
−ジクロロベンゼンを用い、温度135℃で測定を行っ
た。 (5)縦横繊維の接着強度 テンシロン(商品名、東洋測器(株)製)を用い、試験片
(縦200mm×横150mm)の上部から中央部にテ
ンシロンのロードセルに連結したU字型器具を掛けて、
試験片の底部をテンシロンに固定する。引張速度500
mm/min およびチャート速度50mm/min で引張り、試験
片の網目が破損したときの荷重指示値 (kg)の変動の
平均値を求める。 (6)低温ヒートシール性 ヒートシール試験機を用い、シール幅5mm、シール時
間1秒およびシール圧力2kg/cm2でシール温度を変えて
ヒートシールを行う。テンシロンを用い、25mm幅の
試験片について引張速度300mm/min で180°剥離
試験を行い、剥離強度が150g/25mm幅以上になる最低
温度を求める。 (7)引張強度および伸び 低速緊張型引張試験機(ショッパー型)を使用し、試験
機の掴み具の上部および下部の間隔を100mmに設定
して、試験片(長さ200mm×幅50mm)の両端を
固定し、引張速度200mm/min で引張り、試験片が切
断したときの荷重(kg/5cm幅)および伸び(%)を求め
る。 (8)強化積層体の接着強度 積層体から試験片(長さ100mm×幅20mm)を切
り出し、試験片の一端を長さ30mm程度あらかじめ手
で剥しておき、試験片の端部をテンシロンの上下の掴み
具に装着し、引張速度300mm/min で引張り、試験片
の180°剥離強度を測定する。
【0109】<エチレン・α−オレフィン共重合体
(A)の重合> (固体触媒の調製)窒素下において電磁誘導攪拌機付き
触媒調製器(1)に精製トルエンを入れ、次いでジプロポ
キシジクロロジルコニウム(Zr(OC37)2Cl2)28
gおよびメチルシクロペンタジエン48gを加え、0℃
に系を保持しながらトリデシルアルミニウムを45gを
滴下し、滴下終了後、反応系を50℃に保持して16時
間攪拌した。この溶液をA液とする。次に窒素下で別の
攪拌器付き触媒調製器(2)に精製トルエンを入れ、これ
に前記A溶液を、次いでメチルアルミノキサン6.4m
olのトルエン溶液を添加して反応させた。これをB液
とする。次に窒素下で攪拌器付き調製器(1)に精製トル
エンを入れ、次いであらかじめ400℃で焼成処理した
シリカ(グレード#952、表面積300m2/g;富士デ
ヴィソン化学(株)製)1400gを加えた後、前記B液
の全量を添加し、室温で攪拌した。次いで窒素ブローに
より溶媒を除去して、流動性の良い固体触媒粉末を得
た。これを触媒Cとする。
【0110】(試料A1の重合)連続式の流動床気相法
重合装置を用い、重合温度70℃、全圧20kgf/cm2Gで
エチレンと4−メチル−ペンテン−1の共重合を行っ
た。系内のガス組成は、4−メチル−ペンテン−1/エ
チレンのモル比0.12、エチレン濃度60mol%とし
た。前記触媒Cを連続的に供給して重合を行ない、系内
のガス組成を一定に保つため、各ガスを連続的に供給し
た。生成した共重合体の物性は以下の通りであった。な
お、dとlog〔MFR〕との関係は条件(ヘ)を満足す
る。 MFR: 1.5g/10分 密度(d): 0.918g/cm3 最高融点(Tm): 118℃ 分子量分布(Mw/Mn): 2.4 Cb: 1.34 ODCB可溶分(X): 1.8wt% 式〔II〕の右辺の値: 3.8wt% TREF曲線のピーク数:複数
【0111】(試料A2の重合)コモノマーを1−ブテ
ンとした以外は、試料A1の場合と同様の操作を行って
重合した。共重合体の物性は以下の通りであった。dと
log〔MFR〕との関係は条件(ヘ)を満足する。 MFR: 1.4g/10分 密度(d): 0.911g/cm3 最高融点(Tm): 115℃ 分子量分布(Mw/Mn): 2.3 Cb: 1.16 ODCB可溶分(X): 2.7wt% 式〔II〕の右辺の値: 6.0wt% TREF曲線のピーク数:複数
【0112】(試料A3の重合)コモノマーを1−ヘキ
センとした以外は、試料A1の場合と同様の操作を行っ
て重合した。共重合体の物性は以下の通りであった。d
とlog〔MFR〕との関係は条件(ヘ)を満足する。 MFR: 1.4g/10分 密度(d): 0.920g/cm3 最高融点(Tm): 119℃ 分子量分布(Mw/Mn): 2.6 Cb: 1.38 ODCB可溶分(X): 1.6wt% 式〔II〕の右辺の値: 3.2wt% TREF曲線のピーク数:複数
【0113】使用したオレフィン系重合体(IIB)は以
下の通りである。(B1)エチレン・ブテン−1共重合
体(商品名:日石リニレックス BF3310、日本石
油化学(株)製) MFR(g/10分):2.0 密度(g/cm3): 0.925 融点(℃): 122(ピーク1個) (B2)超低密度ポリエチレン(商品名:日石ソフトレ
ックス D9510、日本石油化学(株)製) MFR(g/10分):1.0 密度(g/cm3): 0.905 融点(℃): 121(ピーク1個) (B3)高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレン(商品
名:日石レクスロン F30EE、日本石油化学(株)
製) MFR(g/10分):3.0 密度(g/cm3): 0.924 (B4)エチレン−酢酸ビニル共重合体(商品名:日石
レクスロン V270、日本石油化学(株)製) MFR(g/10分): 1.5 酢酸ビニル含量(重量%):15 (B5)エチレン−アクリル酸エチル共重合体(商品
名:日石レクスロンEEAA2100、日本石油化学
(株)製) MFR(g/10分): 1.5 アクリル酸エチル含量(重量%):10
【0114】<実験例1〜14> (不織布の製造)図9に示す製膜工程において、高密度
ポリエチレン(密度=0.956g/cm3、MFR=1.0g
/10分、商品名:日石スタフレン E710、日本石油化
学(株)製、以下「HDPE」という)を芯層とし、その
両面に接着層として、表1および表2に示す(共)重合
体またはその組成物を配し、多層水冷インフレーション
法により、厚みが接着層25μm/芯層100μm/接
着層25μmの3層構造からなる、幅1mの多層フィル
ムを製造した。次いで配向工程において、上記多層フィ
ルムを走行させながら、配向倍率8まで配向した。次い
でスプリット工程において、実公昭51−38979号
公報に示されている割繊具を回転させながらフィルムを
当接して、長手方向に千鳥掛けにスプリット処理を施
し、縦一軸配向網状フィルム(a)を作製した。次い
で、拡幅工程において、上記縦一軸配向網状フィルムを
横方向に2.5倍に拡幅し、積層工程において、上記拡
幅した縦一軸配向網状フィルムを配向軸が交差するよう
に経緯積層し、接着温度120℃で熱融着し、不織布
(A)を作製した。縦横繊維の接着強度および低温ヒー
トシール性を測定した結果を表1および表2に示す。
【0115】
【表1】
【0116】
【表2】
【0117】(実験例の評価)上記表1および表2に示
されるように、本発明による特定のエチレン・α−オレ
フィン共重合体またはその組成物からなる接着剤を用い
た実験例1〜3、8、9、11、12および14で得ら
れた不織布は、接着性および低温ヒートシール性が共に
良好である。一方、本発明の範囲外の組成からなる接着
層を用いた実験例4の不織布は、ヒートシール温度が高
く、かつ接着性が低く、また、実験例5〜7、10およ
び13の不織布は、ヒートシール温度はあまり高くない
が、接着性が低いことが判る。
【0118】<実験例15>上記実験例1で用いた(A
1)/HDPE/(A1)の層構成の3層フィルムからなる
縦一軸配向網状フィルム(a)に、これと同じ層構成か
らなる横一軸配向網状フィルム(b)を図11の方法に
従って経緯積層し、不織布(B)を得た。その引張強度
は25kg/5cm幅、伸びは15%および接着強度は6kg
であり、いずれも良好な結果であった。
【0119】<実験例16>図9に示す製膜工程におい
て、HDPEに顔料マスターバッチ(グリーン系顔料濃
度60%)を1%添加した組成物を芯層とし、その両面
に接着層として実験例1と同様に共重合体(A1)を配
し、多層水冷インフレーション法により、厚みが接着層
25μm//芯層100μm/接着層25μmの3層構
造からなる、幅1mの多層フィルムを製造し、その際に
おけるダイリップの汚染度を観察した。次いで配向工程
で、上記多層フィルムを走行させながら、配向倍率8ま
で配向した。次いでスプリット工程おいて、実公昭51
−38979号公報に示されている割繊具を回転させな
がら、走行速度80m/min でフィルムを当接して、長手
方向に千鳥掛けにスプリット処理を施した長さ20,0
00mの縦一軸配向網状フィルムを作製し、その間に割
繊性を観察した。その結果、ダイスの清掃は3〜4回/
250hr であり、割繊時の小割れまたは目飛びが0
〜1個/5000m程度であった。なお、「目飛び」と
は縦一軸配向網状フィルムの枝繊維に5cm以下の枝切
れが生じたもの、「小割れ」とは上記枝繊維に5cmを
超え10cm以下の枝切れが生じたものであり、それ以
上の枝切れが生じたものを「大割れ」と呼ぶ。
【0120】<実験例17>顔料マスターバッチ(グリ
ーン系顔料濃度60%)を共重合体(A1)からな接着
層に添加したほかは実験例16と同様に行って割繊性を
観察した結果、ダイスの清掃は8時間に1回を必要と
し、かつ割繊時の小割れまたは目飛びが全面に無数あ
り、大割れも認められて製品にすることができなかっ
た。
【0121】<実験例18、19>上記実験例16にお
いて、顔料マスターバッチの代わりにヒンダードアミン
系の耐候剤1,000ppmを添加し、得られた縦一軸
配向網状フィルムについて、耐候剤の効果をサンシャイ
ンカーボンアーク灯式耐候性試験(JIS B7753
−1977)により評価した。その結果を実験例18と
して表3に示す。実験例19は無添加の状態で耐候性を
評価したものであり、結果を表3に示す。
【0122】
【表3】
【0123】表から明らかなように、芯層のHDPEに
耐候剤を1,000ppm添加した実験例18の場合に
は、1800時間経過後においても各種強度や伸びの残
率は50%以上であるが、無添加の実験例19の場合に
は、900時間経過後に著しく低下している。
【0124】<実験例20〜25>実験例1〜14と同
様にして、HDPE層の両面に表4に示す組成の接着層
を配した3層フィルムを用いて不織布(A)を作製し、
これらの不織布と各種基材とを加熱シリンダー温度12
0℃で積層接着して強化積層体を得た。積層体の接着強
度を測定した結果を表4に示す。本発明による接着層を
用いた実験例20、23および24は、優れた接着強度
を示すことが判る。
【0125】
【表4】
【0126】
【発明の効果】本発明の一軸配向体は、融点の高い熱可
塑性樹脂層(I)をベースとして多層フィルムを形成す
る際に、接着層(II)として特定のエチレン・α−オレ
フィン共重合体を用いているために、接着強度および低
温ヒートシール性に優れ、かつ引裂強度等の機械的強度
が良好であり、またこれを用いて形成した積層体、不織
布および織布も同様に優れた性状を有する。特に不織布
および織布は、それらを構成する縦横繊維の接着強度が
高く、かつ製造時における製膜、割繊、積層熱圧着等の
各工程においてトラブルを生ずることがなく、また製品
は低温ヒートシール性等に優れているため、製袋や強化
積層体製造において高速化を図ることができる。また、
耐光剤、着色剤等の添加剤を不織布等の内層の熱可塑性
樹脂層(I)に配合することにより、製膜時における成
形性を向上し、配向後の割繊時における割繊不良部の発
生を防止することができる。さらに他の基材と一軸配向
体、不織布または織布とからなる強化積層体の接着強度
を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】TREFによる溶出温度−IR吸収曲線の例を
示すグラフである。
【図2】TREFによる溶出温度−IR吸収曲線の他の
例を示すグラフである。
【図3】(a)縦一軸配向網状フィルムの例の部分拡大
斜視図である。
【図4】(b)横一軸配向網状フィルムの例の部分拡大
斜視図である。
【図5】(c)一軸配向多層テープの例の部分拡大斜視
図である。
【図6】不織布(A)(a/a)の部分平面図である。
【図7】不織布(C)(c/c)の部分平面図である。
【図8】織布(D)の部分斜視図である。
【図9】(a)縦一軸配向網状フィルムの製造工程の例
の概略図である。
【図10】不織布(A)の製造工程の例の概略図であ
る。
【図11】不織布(B)の製造工程の例の概略図であ
る。
【符号の説明】
1 (a)縦一軸配向網状フィルム 2 熱可塑性樹脂層(I) 3 接着層(II) 4 幹繊維 5 枝繊維 6 (b)横一軸配向網状フィルム 7 (c)一軸配向多層テープ 11、311 主押出機 12、312 副押出機 13、313 多層環状ダイ 14、314 水冷インフレーション 15 オーブン 16 スプリッター 17 熱処理 18、114、318 卷取 110、410 縦ウエブ 111、211、411 拡幅 112 積層 113 熱圧着 210 横ウエブ 315 横スリット 316 横配向 317 積層熱圧着 A (a/a)の積層構成からなる不織布 C (c/c)の積層構成からなる不織布 D (c)を織成した織布

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂層(I)の少なくとも片面
    に、該樹脂層(I)の熱可塑性樹脂より低い融点を有す
    る下記接着層(II)を積層して形成した一軸配向体、ま
    たは該一軸配向体を相互に該接着層(II)を介して複数
    枚積層してなる積層体、 [接着層(II)] (1)以下の性状を有するエチレン・α−オレフィン共
    重合体(A)100〜20重量% (イ)密度(d) 0.86〜0.94g/cm3 (ロ)メルトフローレート(MFR) 0.01〜100g/10min (ハ)分子量分布(Mw/Mn) 1.8〜3.5 (ニ)組成分布パラメーター(Cb) 1.10〜2.00 (2)他のオレフィン系重合体(B)80重量%以下を
    含む組成物。
  2. 【請求項2】 前記エチレン・α−オレフィン共重合体
    (A)が、25℃におけるo−ジクロロベンゼン(OD
    CB)可溶分の量(X、重量%)と、dおよびMFRと
    の間に次の式〔I〕または〔II〕で表される関係を有す
    るものであることを特徴とする請求項1に記載の積層
    体。 【数1】
  3. 【請求項3】 前記エチレン・α−オレフィン共重合体
    (A)が、連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出
    温度−溶出量曲線において複数個のピークを示すもので
    あることを特徴とする請求項2に記載の積層体。
  4. 【請求項4】 前記オレフィン系重合体(B)が、下記
    のエチレン系重合体から選ばれる少なくとも1種である
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の積
    層体、 [エチレン系重合体] (1)チーグラー型触媒を用いて重合した密度0.86
    〜0.95g/cm3のエチレン・α−オレフイン共重合体
    (B1) (2)高圧ラジカル重合による低密度ポリエチレン、エ
    チレン・ビニルエステル共重合体、またはエチレンと
    α,β−不飽和カルボン酸もしくはその誘導体との共重
    合体(B2)。
  5. 【請求項5】 前記一軸配向体の配向倍率が1.1〜1
    5である請求項1から4のいずれかに記載の積層体。
  6. 【請求項6】 前記一軸配向体の熱可塑性樹脂層(I)
    の厚みが20〜100μmであり、接着層(II)の厚み
    が3〜60μmである請求項1から5のいずれかに記載
    の積層体。
  7. 【請求項7】 熱可塑性樹脂層(I)の少なくとも片面
    に、該樹脂層(I)の熱可塑性樹脂より低い融点を有す
    る下記接着層(II)を積層して形成した、縦一軸配向網
    状フィルム(a)、横一軸配向網状フィルム(b)およ
    び一軸配向多層テープ(c)から選ばれる少なくとも1
    種の一軸配向体、または該一軸配向体を相互に該接着層
    (II)を介して複数枚積層してなる不織布もしくは織
    布、 [接着層(II)] (1)以下の性状を有するエチレン・α−オレフィン共
    重合体(A)100〜20重量% (イ)密度(d) 0.86〜0.94g/cm3 (ロ)メルトフローレート(MFR) 0.01〜100g/10min (ハ)分子量分布(Mw/Mn) 1.8〜3.5 (ニ)組成分布パラメーター(Cb) 1.10〜2.00 (2)他のオレフィン系重合体(B)80重量%以下を
    含む組成物。
  8. 【請求項8】 前記縦一軸配向網状フィルム(a)、横
    一軸配向網状フィルム(b)および一軸配向多層テープ
    (c)から選ばれる少なくとも1種の一軸配向体を相互
    に接着層(II)を介して配向軸が交差するように積層ま
    たは織成してなることを特徴とする請求項7に記載の不
    織布または織布。
  9. 【請求項9】 前記一軸配向体の熱可塑性樹脂層(I)
    に、充填剤、顔料および耐候剤から選ばれる少なくとも
    1種の添加剤を配合したことを特徴とする請求項1から
    8のいずれかに記載の一軸配向体、積層体、不織布また
    は織布。
  10. 【請求項10】 熱可塑性樹脂層(I)の少なくとも片
    面に、該樹脂層(I)の熱可塑性樹脂より低い融点を有
    する下記接着層(II)を積層して形成した一軸配向体、
    または該一軸配向体を相互に該接着層(II)を介して複
    数枚積層してなる積層体、不織布および織布から選ばれ
    る少なくとも1種の配向材料と、基材とを含む強化積層
    体、 [接着層(II)] (1)以下の性状を有するエチレン・α−オレフィン共
    重合体(A)100〜20重量% (イ)密度(d) 0.86〜0.94g/cm3 (ロ)メルトフローレート(MFR) 0.01〜100g/10min (ハ)分子量分布(Mw/Mn) 1.8〜3.5 (ニ)組成分布パラメーター(Cb) 1.10〜2.00 (2)他のオレフィン系重合体(B)80重量%以下を
    含む組成物。
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