JPH0977854A - 長鎖アルキル基を有するポリ(2,2′−ビチアゾール−5,5′−ジイル)重合体、その製造法及び利用法 - Google Patents
長鎖アルキル基を有するポリ(2,2′−ビチアゾール−5,5′−ジイル)重合体、その製造法及び利用法Info
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- JPH0977854A JPH0977854A JP7235561A JP23556195A JPH0977854A JP H0977854 A JPH0977854 A JP H0977854A JP 7235561 A JP7235561 A JP 7235561A JP 23556195 A JP23556195 A JP 23556195A JP H0977854 A JPH0977854 A JP H0977854A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 充分に分子量が高く優れた耐熱性を有しかつ
有機溶媒に可溶で、偏光解消度、電気化学的酸化還元電
位がコントロール可能で、金属原子に対して有効に配位
子となる新規な長鎖アルキル置換基を有するポリ(2,
2′−ビチアゾール−5,5′−ジイル)重合体を提供
し、その重合体を、繊維、フィルム等の成形体、n型導
電体等の導電材料、バッテリー用材料、エレクトロクロ
ミック素子材料等として利用する。 【解決手段】 2つのチオゾール基の長鎖アルキル基を
置換基として有し、重合度nが10以上であるアルキル
置換基を有するポリ(2,2′−ビチアゾール−5,
5′−ジイル)重合体。この重合体は、長鎖アルキル基
を有するジハロゲン化芳香族化合物を、脱ハロゲン化能
を有する金属又は金属化合物と反応させ、ハロゲン原子
を脱ハロゲン化して重合することにより得られる。
有機溶媒に可溶で、偏光解消度、電気化学的酸化還元電
位がコントロール可能で、金属原子に対して有効に配位
子となる新規な長鎖アルキル置換基を有するポリ(2,
2′−ビチアゾール−5,5′−ジイル)重合体を提供
し、その重合体を、繊維、フィルム等の成形体、n型導
電体等の導電材料、バッテリー用材料、エレクトロクロ
ミック素子材料等として利用する。 【解決手段】 2つのチオゾール基の長鎖アルキル基を
置換基として有し、重合度nが10以上であるアルキル
置換基を有するポリ(2,2′−ビチアゾール−5,
5′−ジイル)重合体。この重合体は、長鎖アルキル基
を有するジハロゲン化芳香族化合物を、脱ハロゲン化能
を有する金属又は金属化合物と反応させ、ハロゲン原子
を脱ハロゲン化して重合することにより得られる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、長鎖アルキル基を
置換基として有するジハロゲン化芳香族化合物、例えば
5,5′−ジハロゲン化−2,2′−ビチアゾール、
2,2′−ジハロゲン化−5,5′−ビチアゾールか
ら、2ケ所のハロゲン原子を除いた2価の残基を反復構
成単位としてなり、主鎖に沿ったπ共役系を有し、電気
化学的ドーピンドにより導電化され、空気中において高
い安定性を示し、有機溶媒に溶解性を有し、金属元素に
対して配位子となる新規なアルキル置換基を有するポリ
(2,2′−ビチアゾール−5,5′−ジイル)重合体
及びその製造法並びに利用に関する。
置換基として有するジハロゲン化芳香族化合物、例えば
5,5′−ジハロゲン化−2,2′−ビチアゾール、
2,2′−ジハロゲン化−5,5′−ビチアゾールか
ら、2ケ所のハロゲン原子を除いた2価の残基を反復構
成単位としてなり、主鎖に沿ったπ共役系を有し、電気
化学的ドーピンドにより導電化され、空気中において高
い安定性を示し、有機溶媒に溶解性を有し、金属元素に
対して配位子となる新規なアルキル置換基を有するポリ
(2,2′−ビチアゾール−5,5′−ジイル)重合体
及びその製造法並びに利用に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、π共役系高分子化合物は、電気
的、光学的機能材料として注目されている。これらのπ
共役系高分子化合物は、主鎖に沿った1次元的なπ電子
の拡がりを有し、このため主鎖に沿った方向と、その直
角方向との間で電気的・光学的異方性が見られる。この
異方性を有効に発揮させるために、高分子の主鎖を配向
させることが重要であるが、一次元的なπ電子の広がり
は、これらの高分子を剛直にし、不溶不融なものとする
ため、任意な形状に制御し配向させることは困難であ
る。これらの導電性高分子として、主鎖に沿ってπ共役
系を有する物質には、例えば次の化17に示されたもの
が種々知られている。
的、光学的機能材料として注目されている。これらのπ
共役系高分子化合物は、主鎖に沿った1次元的なπ電子
の拡がりを有し、このため主鎖に沿った方向と、その直
角方向との間で電気的・光学的異方性が見られる。この
異方性を有効に発揮させるために、高分子の主鎖を配向
させることが重要であるが、一次元的なπ電子の広がり
は、これらの高分子を剛直にし、不溶不融なものとする
ため、任意な形状に制御し配向させることは困難であ
る。これらの導電性高分子として、主鎖に沿ってπ共役
系を有する物質には、例えば次の化17に示されたもの
が種々知られている。
【0003】
【化17】
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来提案され
た殆どのπ共役導電性高分子は、剛直構造を有し、有機
溶剤等に対する溶解性が小さくかつ不融である場合が多
いため、有効な加工手段がない。従って成形性、賦形性
の乏しく、その利用法も限られ、それらの特徴ある機能
を引き出すうえにおける問題点となっている。このため
に、ポリチオフェン、ポリ−p−フェニレン、ポリピロ
ール等について、置換基を導入して、有機溶剤に対する
その溶解性を向上させる試みが行なわれてきた。
た殆どのπ共役導電性高分子は、剛直構造を有し、有機
溶剤等に対する溶解性が小さくかつ不融である場合が多
いため、有効な加工手段がない。従って成形性、賦形性
の乏しく、その利用法も限られ、それらの特徴ある機能
を引き出すうえにおける問題点となっている。このため
に、ポリチオフェン、ポリ−p−フェニレン、ポリピロ
ール等について、置換基を導入して、有機溶剤に対する
その溶解性を向上させる試みが行なわれてきた。
【0005】しかし、これらの物質は主として酸化によ
りp型導電体となるのみである。従って、分子構造を工
夫することにより、従来の導電性高分子にはない物性を
備えた物質の開発が望まれている。例えば,従来の導電
性高分子とは異なり、p型導電体と併せてn型導電体と
なり易いπ共役導電性高分子を得ることができれば、そ
れを半導体デバイス用材料等として用いることができ
る。
りp型導電体となるのみである。従って、分子構造を工
夫することにより、従来の導電性高分子にはない物性を
備えた物質の開発が望まれている。例えば,従来の導電
性高分子とは異なり、p型導電体と併せてn型導電体と
なり易いπ共役導電性高分子を得ることができれば、そ
れを半導体デバイス用材料等として用いることができ
る。
【0006】また、主鎖がπ共役導電性を有し、剛直な
構造を示す高分子が配位子として金属元素に作用した場
合には、例えば配位子が半導体的バンド構造を有する等
のような従来には存在しない電子状態、及び例えば配位
子の剛直性により容易に配位不飽和状態を示す等の従来
には存在しない配位状態を有する高分子金属錯体が得ら
れる。
構造を示す高分子が配位子として金属元素に作用した場
合には、例えば配位子が半導体的バンド構造を有する等
のような従来には存在しない電子状態、及び例えば配位
子の剛直性により容易に配位不飽和状態を示す等の従来
には存在しない配位状態を有する高分子金属錯体が得ら
れる。
【0007】例えば、次の化18
【化18】
【0008】で表わされるポリ(2,2′−ビピリジン
−5,5′−ジイル)は、還元によりn型導電体になり
易い物質であり、また反復構成単位として2,2′−ビ
ピリジンのようなキレート配位子構造を有するため金属
元素に対して配位能を有しているが、ギ酸又は濃硫酸の
ような特定の溶媒にしか溶解せず、利用範囲が極めて狭
く、更に従来のポリピリジンは充分に高い分子量を有さ
ないため、丈夫なフィルム等が得られず、その利用範囲
が狭くなっているという問題がある。
−5,5′−ジイル)は、還元によりn型導電体になり
易い物質であり、また反復構成単位として2,2′−ビ
ピリジンのようなキレート配位子構造を有するため金属
元素に対して配位能を有しているが、ギ酸又は濃硫酸の
ような特定の溶媒にしか溶解せず、利用範囲が極めて狭
く、更に従来のポリピリジンは充分に高い分子量を有さ
ないため、丈夫なフィルム等が得られず、その利用範囲
が狭くなっているという問題がある。
【0009】また、上記化17で示したポリアルキルピ
リジンは、十分に高い分子量を有し、クロロホルム等の
一般の有機溶媒に高い溶解性を示し、還元によりn型導
電体になり易い物質ではあるが、反復構成単位としてア
ルキルピリジン構造を有し、主として頭一尾結合により
構成されているため、金属イオン等に配位する能力は全
体としてかなり劣るという問題がある。
リジンは、十分に高い分子量を有し、クロロホルム等の
一般の有機溶媒に高い溶解性を示し、還元によりn型導
電体になり易い物質ではあるが、反復構成単位としてア
ルキルピリジン構造を有し、主として頭一尾結合により
構成されているため、金属イオン等に配位する能力は全
体としてかなり劣るという問題がある。
【0010】本発明は、これらの状況のもと、新しい分
子構造を有する導電性高分子を探索し、上記問題を解決
すべく鋭意研究の結果完成したものである。
子構造を有する導電性高分子を探索し、上記問題を解決
すべく鋭意研究の結果完成したものである。
【0011】本発明の目的は、充分に分子量が高く優れ
た耐熱性を有しかつ有機溶媒に可溶で、偏光解消度、電
気化学的酸化還元電位がコントロール可能で、金属原子
に対して有効に配位子となる新規なアルキル置換基を有
するポリ(2,2′−ビチアゾール−5,5′−ジイ
ル)重合体及びその製造法を提供するにある。
た耐熱性を有しかつ有機溶媒に可溶で、偏光解消度、電
気化学的酸化還元電位がコントロール可能で、金属原子
に対して有効に配位子となる新規なアルキル置換基を有
するポリ(2,2′−ビチアゾール−5,5′−ジイ
ル)重合体及びその製造法を提供するにある。
【0012】本発明の別の目的は、このような新規なア
ルキル置換基を有するポリ(2,2′−ビチアゾール−
5,5′−ジイル)重合体を、繊維、フィルム等の成形
体、n型導電体等の導電材料、バッテリー用材料、エレ
クトロクロミック素子材料、トランジスタ又はダイオー
ド等の電子素子用材料、更には、金属元素に対する有効
な配位子等として利用するにある。
ルキル置換基を有するポリ(2,2′−ビチアゾール−
5,5′−ジイル)重合体を、繊維、フィルム等の成形
体、n型導電体等の導電材料、バッテリー用材料、エレ
クトロクロミック素子材料、トランジスタ又はダイオー
ド等の電子素子用材料、更には、金属元素に対する有効
な配位子等として利用するにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、ジハロゲン化
芳香族化合物である、2つのチアゾール基の4位に長鎖
アルキル基を置換基として有する5,5′−ジハロゲン
化−2,2′−ビチアゾール又は4位に長鎖アルキル基
を置換基として有する2,2′−ジハロゲン化−5,
5′−ビチアゾールから2ケ所のハロゲン原子を除いて
誘導される次の化19又は化20
芳香族化合物である、2つのチアゾール基の4位に長鎖
アルキル基を置換基として有する5,5′−ジハロゲン
化−2,2′−ビチアゾール又は4位に長鎖アルキル基
を置換基として有する2,2′−ジハロゲン化−5,
5′−ビチアゾールから2ケ所のハロゲン原子を除いて
誘導される次の化19又は化20
【0014】
【化19】
【0015】
【化20】
【0016】(式中、R,R′は、H又は炭素数1以上
のアルキル基を示すが、R,R′のうち少なくとも一方
は炭素数が4以上の長鎖アルキル基を示す)で表される
2価の基を反復構成単位とし、且つ重合度(n)が10
以上であるアルキル置換ポリ(2,2′−ビチアゾール
−5,5′−ジイル)重合体によって達成される。ここ
で、重合度(n)が10未満ではポリマーとしての充分
な機能を発揮することができない場合がある。また、本
発明者等は、後述の製造法によって本発明重合体のその
優れた特性並びに有用性とを実験的に一応確認したが本
発明の重合体は、実施例に限定されるものではない。
のアルキル基を示すが、R,R′のうち少なくとも一方
は炭素数が4以上の長鎖アルキル基を示す)で表される
2価の基を反復構成単位とし、且つ重合度(n)が10
以上であるアルキル置換ポリ(2,2′−ビチアゾール
−5,5′−ジイル)重合体によって達成される。ここ
で、重合度(n)が10未満ではポリマーとしての充分
な機能を発揮することができない場合がある。また、本
発明者等は、後述の製造法によって本発明重合体のその
優れた特性並びに有用性とを実験的に一応確認したが本
発明の重合体は、実施例に限定されるものではない。
【0017】更に、アルキル基(R,R′)は、その少
なくとも一方が炭素数が4以上の長鎖アルキル基、例え
ばヘキシル基、ペンチル基、オクチル基、デシル基、ド
デシル基等である。R,R′は両方とも炭素数が4以上
の長鎖アルキル基であってもよく、又は一方のみが炭素
数が4以上の長鎖アルキル基であってもよい。R,R′
のうち一方のみが炭素数4以上の長鎖アルキル基である
場合には、他方はH又は炭素数が1又は2の短鎖アルキ
ル基でもよい。R,R′の両者の炭素数が4未満である
と有機溶媒に溶解しにくくなるため好ましくない。また
本発明の化合物は、かかる長鎖アルキル基をその構造中
に有するため、分子量が充分に高くなる。また、ジハロ
ゲン化芳香族化合物は、例えば次の方法により得ること
ができる。次の化21
なくとも一方が炭素数が4以上の長鎖アルキル基、例え
ばヘキシル基、ペンチル基、オクチル基、デシル基、ド
デシル基等である。R,R′は両方とも炭素数が4以上
の長鎖アルキル基であってもよく、又は一方のみが炭素
数が4以上の長鎖アルキル基であってもよい。R,R′
のうち一方のみが炭素数4以上の長鎖アルキル基である
場合には、他方はH又は炭素数が1又は2の短鎖アルキ
ル基でもよい。R,R′の両者の炭素数が4未満である
と有機溶媒に溶解しにくくなるため好ましくない。また
本発明の化合物は、かかる長鎖アルキル基をその構造中
に有するため、分子量が充分に高くなる。また、ジハロ
ゲン化芳香族化合物は、例えば次の方法により得ること
ができる。次の化21
【0018】
【化21】 で表わされるアセト酢酸メチル(東京化成(株)製)を
テトラヒドロフラン溶液中で水素化ナトリウム、n−ブ
チルリチウム及びハロゲン化アルキル(アルキル基中の
炭素数は3以上である)と反応させてアルキル化し、化
22式で表わされる化合物を製造する。
テトラヒドロフラン溶液中で水素化ナトリウム、n−ブ
チルリチウム及びハロゲン化アルキル(アルキル基中の
炭素数は3以上である)と反応させてアルキル化し、化
22式で表わされる化合物を製造する。
【0019】
【化22】 (式中のRは炭素数4以上のアルキル基を示す。)上記
化22で表わされる化合物を塩化スルフリルで塩素化し
化23で示される化合物を得、
化22で表わされる化合物を塩化スルフリルで塩素化し
化23で示される化合物を得、
【0020】
【化23】 次いで硫酸水溶液中で還流することにより化24で表わ
される1−クロロケトンを製造する。
される1−クロロケトンを製造する。
【0021】
【化24】 この1−クロロケトンのエタノール溶液にジチオオキサ
アミドを加え、還流しながら反応させて化25で示され
る4,4′−ジアルキル−2,2′−ビチアゾールを得
ることができる。
アミドを加え、還流しながら反応させて化25で示され
る4,4′−ジアルキル−2,2′−ビチアゾールを得
ることができる。
【0022】
【化25】 次いでこの4,4′−ジアルキル−2,2′−ビチアゾ
ールとハロゲンをクロロホルム中、還流することにより
化26で示されるジハロゲン化芳香族化合物を得、これ
をゼロ化ニッケル化合物と反応させることにより本発明
の重合体が製造される。
ールとハロゲンをクロロホルム中、還流することにより
化26で示されるジハロゲン化芳香族化合物を得、これ
をゼロ化ニッケル化合物と反応させることにより本発明
の重合体が製造される。
【0023】
【化26】
【0024】本発明の新規なアルキル置換ポリ(2,
2′−ビチアゾール−5,5′−ジイル)重合体は、そ
の優れた特性を利用して、有機溶媒に溶かした後に良好
な繊維またはフィルムとして成形でき、又この重合体を
還元剤又は化学的・電気化学的ドーピングにより還元し
てバッテリー用材料、エレクトロクロミック素子材料、
トランジスタ又はダイオード等の電子素子用材料、n型
導電体等の導電材料、金属元素に対する配位子として利
用することができる。
2′−ビチアゾール−5,5′−ジイル)重合体は、そ
の優れた特性を利用して、有機溶媒に溶かした後に良好
な繊維またはフィルムとして成形でき、又この重合体を
還元剤又は化学的・電気化学的ドーピングにより還元し
てバッテリー用材料、エレクトロクロミック素子材料、
トランジスタ又はダイオード等の電子素子用材料、n型
導電体等の導電材料、金属元素に対する配位子として利
用することができる。
【0025】本発明にかかるアルキル置換ポリ(2,
2′−ビチアゾール−5,5′−ジイル)重合体は、化
28で示されるジハロゲン化芳香族化合物、例えばアル
キル置換5,5′−ジハロゲン化−2,2′−ビチアゾ
ールに有機溶媒中において等モル以上のゼロ価ニッケル
化合物を加えて反応させ、脱ハロゲン化することによっ
て取得される。好適な反応温度は室温〜溶媒沸点の間に
あり、約1〜48時間程度で反応は完結する。上記有機
溶媒としては例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、
アセトニトリル、トルエン、テトラヒドロフラン等が適
用可能である。
2′−ビチアゾール−5,5′−ジイル)重合体は、化
28で示されるジハロゲン化芳香族化合物、例えばアル
キル置換5,5′−ジハロゲン化−2,2′−ビチアゾ
ールに有機溶媒中において等モル以上のゼロ価ニッケル
化合物を加えて反応させ、脱ハロゲン化することによっ
て取得される。好適な反応温度は室温〜溶媒沸点の間に
あり、約1〜48時間程度で反応は完結する。上記有機
溶媒としては例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、
アセトニトリル、トルエン、テトラヒドロフラン等が適
用可能である。
【0026】ゼロ価ニッケル化合物はハロゲン化芳香族
化合物よりハロゲンをとり、芳香族基間のカップリッグ
反応を起こさせる〔例えば「シンセシス」(Synthesis),
736頁(1984)参照〕。この反応は次の化29で表わされ
る。
化合物よりハロゲンをとり、芳香族基間のカップリッグ
反応を起こさせる〔例えば「シンセシス」(Synthesis),
736頁(1984)参照〕。この反応は次の化29で表わされ
る。
【0027】
【化27】 (ここで、ArおよびAr′は芳香族基を、Xはハロゲ
ン原子を、Lは中性配位子を表し、従って、NiLmはゼロ
価ニッケル化合物を表す。)
ン原子を、Lは中性配位子を表し、従って、NiLmはゼロ
価ニッケル化合物を表す。)
【0028】従って、分子内に2個のハロゲンを有する
芳香族化合物、例えばアルキル置換5,5′−ジハロゲ
ン化−2,2′−ビチアゾールに等モル以上のゼロ価ニ
ッケル化合物を反応させると、次の化28及び化29に
示す脱ハロゲン化反応によって重合体が得られるのであ
る。
芳香族化合物、例えばアルキル置換5,5′−ジハロゲ
ン化−2,2′−ビチアゾールに等モル以上のゼロ価ニ
ッケル化合物を反応させると、次の化28及び化29に
示す脱ハロゲン化反応によって重合体が得られるのであ
る。
【0029】
【化28】
【0030】
【化29】
【0031】ここで、
【外1】 はアルキル置換5,5′−ジハロゲン化−2,2′−ビ
チアゾール(R,R′はH又は炭素数1以上のアルキル
基を示すがR,R′のうち少なくとも一方は炭素数が4
以上の長鎖アルキル基であり、Xはハロゲン)を示す。
チアゾール(R,R′はH又は炭素数1以上のアルキル
基を示すがR,R′のうち少なくとも一方は炭素数が4
以上の長鎖アルキル基であり、Xはハロゲン)を示す。
【0032】上述の反応において、ゼロ価ニッケル化合
物は、重合反応を行う直前に反応系で(いわゆるin sit
u で) 合成したものをそのまま用いることも、又は予め
合成単離したものを用いることもできる。かかるゼロ価
ニッケル化合物は例えば、中性配位子存在下での還元反
応又は配位子交換反応によって生成するニッケル錯体で
あり、その中性配位子としては、1,5−シクロオクタ
ジエン、2,2′−ビピリジン、トリフェニルホスフィ
ン等を例示することができる。
物は、重合反応を行う直前に反応系で(いわゆるin sit
u で) 合成したものをそのまま用いることも、又は予め
合成単離したものを用いることもできる。かかるゼロ価
ニッケル化合物は例えば、中性配位子存在下での還元反
応又は配位子交換反応によって生成するニッケル錯体で
あり、その中性配位子としては、1,5−シクロオクタ
ジエン、2,2′−ビピリジン、トリフェニルホスフィ
ン等を例示することができる。
【実施例】以下、本発明を次の実施例及び比較例により
更に具体的かつ詳細に説明する。
更に具体的かつ詳細に説明する。
【0033】(実施例1)0.40gのビス(1,5−
シクロオクタジエン)ニッケル錯体(Ni(cod)2)( 1.
4mmol) と0.22gの2,2′−ビピリジン(bpy)
(1.4mmol) を60mlのN,N−ジメチルホルムアミ
ド(DMF)に加え、さらに0.50gの5,5′ジプ
ロモ−4,4′−ジヘプチル−2,2′−ビチアゾール
(0.96mmol) を加えた。この溶液を60℃の反応温
度で48時間反応させ、重合を行った。重合の進行とと
もに、アルキル置換ポリ(2,2′−ビチアゾール−
5,5′−ジイル)重合体の茶褐色の沈殿物が生成し
た。反応終了後、沈殿物を濾別回収し、下記の(イ)〜
(ホ)の物質を用いて下記の順に各々数回洗浄し、この
重合体の精製を行った。
シクロオクタジエン)ニッケル錯体(Ni(cod)2)( 1.
4mmol) と0.22gの2,2′−ビピリジン(bpy)
(1.4mmol) を60mlのN,N−ジメチルホルムアミ
ド(DMF)に加え、さらに0.50gの5,5′ジプ
ロモ−4,4′−ジヘプチル−2,2′−ビチアゾール
(0.96mmol) を加えた。この溶液を60℃の反応温
度で48時間反応させ、重合を行った。重合の進行とと
もに、アルキル置換ポリ(2,2′−ビチアゾール−
5,5′−ジイル)重合体の茶褐色の沈殿物が生成し
た。反応終了後、沈殿物を濾別回収し、下記の(イ)〜
(ホ)の物質を用いて下記の順に各々数回洗浄し、この
重合体の精製を行った。
【0034】(イ)アンモニア水(28%)、(ロ)メ
チルアルコール、(ハ)エチレンジアミン四酢酸二ナト
リウムの温水溶液、(ニ)蒸留水、(ホ)メチルアルコ
ール洗浄後、真空乾燥し、茶褐色の粉末0.30gのア
ルキル置換ポリ(2,2′−ビチアゾール−5,5′−
ジイル)重合体を得た。重合体の収率は90%であっ
た。
チルアルコール、(ハ)エチレンジアミン四酢酸二ナト
リウムの温水溶液、(ニ)蒸留水、(ホ)メチルアルコ
ール洗浄後、真空乾燥し、茶褐色の粉末0.30gのア
ルキル置換ポリ(2,2′−ビチアゾール−5,5′−
ジイル)重合体を得た。重合体の収率は90%であっ
た。
【0035】この重合体の赤外吸収スペクトルを図1に
示した。2840〜2960cm-1に側鎖のヘプチル基に
よるC−H伸縮振動、1370〜1480cm-1にはチア
ゾール環の骨格振動及び、側鎖メチレン基の変角振動に
由来する吸収が見られる。
示した。2840〜2960cm-1に側鎖のヘプチル基に
よるC−H伸縮振動、1370〜1480cm-1にはチア
ゾール環の骨格振動及び、側鎖メチレン基の変角振動に
由来する吸収が見られる。
【0036】また、重合体の重クロロホルム中における
1H−NMRを図2に示す。δ=0.8〜3.0ppm
(内部標準:テトラメチルシラン)には側鎖のヘプチル
基、δ=7.0ppm には末端のチアゾール環水素に由来
するピークが観測された。また、得られた重合体の元素
分析値は炭素64.1%、水素8.6%、窒素7.7%
であった。
1H−NMRを図2に示す。δ=0.8〜3.0ppm
(内部標準:テトラメチルシラン)には側鎖のヘプチル
基、δ=7.0ppm には末端のチアゾール環水素に由来
するピークが観測された。また、得られた重合体の元素
分析値は炭素64.1%、水素8.6%、窒素7.7%
であった。
【0037】赤外吸収スペクトル、 1H−NMR、元素
分析の結果は重合体が下記化30に示した構造を有する
ことを支持するものである。なお、化30に基づく(C
20H 30N2 S2)n の元素分析の計算値は炭素66.2
%、水素8.4%、窒素7.7%である。
分析の結果は重合体が下記化30に示した構造を有する
ことを支持するものである。なお、化30に基づく(C
20H 30N2 S2)n の元素分析の計算値は炭素66.2
%、水素8.4%、窒素7.7%である。
【化30】
【0038】上記重合体は側鎖として長鎖アルキル基を
有するため、トリフルオロ酢酸やジクロロ酢酸などの酸
系溶媒だけでなく、クロロホルムにも可溶であった(溶
解量約1mg/ml)。また、トルエンやテトラヒドロフラ
ン、エーテルなどにも一部可溶であった(溶液が黄色に
着色する程度)。ゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィー法により、上記重合体は1100の重合平均分子量
(ポリスチレン基準)を有することが分かった。
有するため、トリフルオロ酢酸やジクロロ酢酸などの酸
系溶媒だけでなく、クロロホルムにも可溶であった(溶
解量約1mg/ml)。また、トルエンやテトラヒドロフラ
ン、エーテルなどにも一部可溶であった(溶液が黄色に
着色する程度)。ゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィー法により、上記重合体は1100の重合平均分子量
(ポリスチレン基準)を有することが分かった。
【0039】ポリ(4,4′−ジヘプチル−2,2′−
ビチアゾール−5,5′−ジイル)の紫外可視吸収スペ
クトルはトリフルオロ酢酸中において約420nm、クロ
ロホルム中において約410nmにπ−π* 遷移に由来す
る吸収ピークを示した。
ビチアゾール−5,5′−ジイル)の紫外可視吸収スペ
クトルはトリフルオロ酢酸中において約420nm、クロ
ロホルム中において約410nmにπ−π* 遷移に由来す
る吸収ピークを示した。
【0040】(実施例2)0.94gのビス(1,5−
シクロオクタジエン)ニッケル錯体(Ni(cod)2)(3.
4mmol) と0.53gの2,2′−ビピリジン(bpy)
(3.4mmol)を60mlのN,N−ジメチルホルムアミ
ド(DMF)に加え、さらに1.0gの5,5′−ジブ
ロモ−4,4′−ジブチル−2,2′−ビチアゾール
(2.3mmol)を加えた。この溶液を60℃の反応温度
で48時間反応させ、重合を行った。重合の進行ととも
に、アルキル置換ポリ(2,2′−ビチアゾール−5,
5′−ジイル)重合体の茶褐色の沈殿物が生成した。反
応終了後、沈殿物を濾別回収し、下記の(イ)〜(ホ)
の物質を用いて下記の順に各々数回洗浄し、この重合体
の精製を行った。
シクロオクタジエン)ニッケル錯体(Ni(cod)2)(3.
4mmol) と0.53gの2,2′−ビピリジン(bpy)
(3.4mmol)を60mlのN,N−ジメチルホルムアミ
ド(DMF)に加え、さらに1.0gの5,5′−ジブ
ロモ−4,4′−ジブチル−2,2′−ビチアゾール
(2.3mmol)を加えた。この溶液を60℃の反応温度
で48時間反応させ、重合を行った。重合の進行ととも
に、アルキル置換ポリ(2,2′−ビチアゾール−5,
5′−ジイル)重合体の茶褐色の沈殿物が生成した。反
応終了後、沈殿物を濾別回収し、下記の(イ)〜(ホ)
の物質を用いて下記の順に各々数回洗浄し、この重合体
の精製を行った。
【0041】(イ)アンモニア水(28%)、(ロ)メ
チルアルコール、(ハ)エチレンジアミン四酢酸二ナト
リウムの温水溶液、(ニ)蒸留水、(ホ)メチルアルコ
ール洗浄後、真空乾燥し、茶褐色の粉末0.50gのア
ルキル置換ポリ(2,2′−ビチアゾール−5,5′−
ジイル)重合体を得た。重合体の収率は80%であっ
た。
チルアルコール、(ハ)エチレンジアミン四酢酸二ナト
リウムの温水溶液、(ニ)蒸留水、(ホ)メチルアルコ
ール洗浄後、真空乾燥し、茶褐色の粉末0.50gのア
ルキル置換ポリ(2,2′−ビチアゾール−5,5′−
ジイル)重合体を得た。重合体の収率は80%であっ
た。
【0042】この重合体の赤外吸収スペクトルを図3に
示した。2840〜2980cm-1に側鎖のブチル基によ
るC−H伸縮振動、1370〜1560cm-1にはチアゾ
ール環の骨格振動及び、側鎖メチレン基の変角振動に由
来する吸収が見られる。
示した。2840〜2980cm-1に側鎖のブチル基によ
るC−H伸縮振動、1370〜1560cm-1にはチアゾ
ール環の骨格振動及び、側鎖メチレン基の変角振動に由
来する吸収が見られる。
【0043】また、重合体の重トリフルオロ酢酸中にお
ける 1H−NMRを図4に示す。δ=0.6〜3.3pp
m には側鎖のブチル基、δ=7.8ppm には末端のチア
ゾール環水素に由来するピークが観測された。また、得
られた重合体の元素分析値は炭素59.5%、水素6.
7%、窒素9.8%であった。
ける 1H−NMRを図4に示す。δ=0.6〜3.3pp
m には側鎖のブチル基、δ=7.8ppm には末端のチア
ゾール環水素に由来するピークが観測された。また、得
られた重合体の元素分析値は炭素59.5%、水素6.
7%、窒素9.8%であった。
【0044】赤外吸収スペクトル、 1H−NMR、元素
分析の結果は重合体が下記化31に示した構造を有する
ことを支持するものである。なお、化31の繰り返し単
位に0.3分子の水が水和水として含まれる(C14H18
N2 S2 ・0.3H2 O)nの元素分析の計算値は炭素
59.4%、水素6.6%、窒素9.9%である。
分析の結果は重合体が下記化31に示した構造を有する
ことを支持するものである。なお、化31の繰り返し単
位に0.3分子の水が水和水として含まれる(C14H18
N2 S2 ・0.3H2 O)nの元素分析の計算値は炭素
59.4%、水素6.6%、窒素9.9%である。
【化31】
【0045】上記重合体は側鎖として長鎖アルキル基を
有するため、トリフルオロ酢酸やジクロロ酢酸などの酸
系溶媒に可溶であるだけでなく、クロロホルムやトルエ
ン、テトラヒドロフラン、エーテルなどにも一部可溶で
あった(溶液が黄色に着色する程度)。
有するため、トリフルオロ酢酸やジクロロ酢酸などの酸
系溶媒に可溶であるだけでなく、クロロホルムやトルエ
ン、テトラヒドロフラン、エーテルなどにも一部可溶で
あった(溶液が黄色に着色する程度)。
【0046】ポリ(4,4′−ジブチル−2,2′−ビ
チアゾール−5,5′−ジイル)の分子量をトリフルオ
ロ酢酸中、光散乱法により測定したところ、重量平均分
子量が21000(重合度75)であった。
チアゾール−5,5′−ジイル)の分子量をトリフルオ
ロ酢酸中、光散乱法により測定したところ、重量平均分
子量が21000(重合度75)であった。
【0047】ポリ(4,4′−ジブチル−2,2′−ビ
チアゾール−5,5′−ジイル)の紫外可視吸収スペク
トルはトリフルオロ酢酸中において約420nmにπ−π
* 遷移に由来する吸収ピークを示した。
チアゾール−5,5′−ジイル)の紫外可視吸収スペク
トルはトリフルオロ酢酸中において約420nmにπ−π
* 遷移に由来する吸収ピークを示した。
【0048】(実施例3)実施例1及び2で得たポリ
(4,4′−ジアルキル−2,2′−ビチアゾール−
5,5′−ジイル)重合体のクロロホルム溶液またはト
リフルオロ酢酸溶液を白金電極に塗布し、溶媒を除去す
ることにより重合体のフィルムを作製した。これらのフ
ィルムには溶媒が実質的に残存していないことを赤外分
光法により確認した。この重合体フィルムについて、と
もに0.1mol /1の(C2 H5)4 NBF4 を含むアセ
トニトリル溶液中でサイクリックボルタモグラムの測定
を行った。その結果、本重合体はいずれもAg/Ag+
に対して約−2.1Vでカチオンがドーピング(n型ド
ーピング)され、逆方向の掃引においては約−1.9V
(Ag/Ag+ に対して)でカチオンが脱ドーピングさ
れることが分かった。ドーピングに際して、いずれも重
合フィルムの色が、赤褐色から黒色に変色し、脱ドーピ
ング時ではこの逆の変色が見られた。このようにして本
重合体はともに電気化学的な還元すなわち電気化学的な
n型ドーピングが可能であり、ドーピングとともにエレ
クトロクロミック特性を示した。このことから、本重合
体はn型導電特性を示し、バッテリー用電極材料及びエ
レクトロクロミック素子材料として使用可能なことを示
している。
(4,4′−ジアルキル−2,2′−ビチアゾール−
5,5′−ジイル)重合体のクロロホルム溶液またはト
リフルオロ酢酸溶液を白金電極に塗布し、溶媒を除去す
ることにより重合体のフィルムを作製した。これらのフ
ィルムには溶媒が実質的に残存していないことを赤外分
光法により確認した。この重合体フィルムについて、と
もに0.1mol /1の(C2 H5)4 NBF4 を含むアセ
トニトリル溶液中でサイクリックボルタモグラムの測定
を行った。その結果、本重合体はいずれもAg/Ag+
に対して約−2.1Vでカチオンがドーピング(n型ド
ーピング)され、逆方向の掃引においては約−1.9V
(Ag/Ag+ に対して)でカチオンが脱ドーピングさ
れることが分かった。ドーピングに際して、いずれも重
合フィルムの色が、赤褐色から黒色に変色し、脱ドーピ
ング時ではこの逆の変色が見られた。このようにして本
重合体はともに電気化学的な還元すなわち電気化学的な
n型ドーピングが可能であり、ドーピングとともにエレ
クトロクロミック特性を示した。このことから、本重合
体はn型導電特性を示し、バッテリー用電極材料及びエ
レクトロクロミック素子材料として使用可能なことを示
している。
【0049】実施例1で得たポリ(4,4′−ジヘプチ
ル−2,2′−ビチアゾール−5,5′−ジイル)重合
体のトリフルオロ酢酸溶液およびクロロホルム溶液を単
位構造あたり1.0×10-5 mol/1の濃度で調製し
た。この溶液についてそれぞれ励起波長を440nm、4
20nmで蛍光スペクトルの測定を行った。その結果、ト
リフルオロ酢酸溶液中で570nm、クロロホルム溶液中
で560nmにそれぞれ発光が見られた。また、実施例2
で得たポリ(4,4′−ジブチル−2,2′−ビチアゾ
ール−5,5′−ジイル)重合体のトリフルオロ酢酸溶
液(単位構造あたり1.0×10-5 mol/1)におい
て、励起波長を430nmとして蛍光スペクトルの測定を
行った。その結果570nmに発光が見られた。
ル−2,2′−ビチアゾール−5,5′−ジイル)重合
体のトリフルオロ酢酸溶液およびクロロホルム溶液を単
位構造あたり1.0×10-5 mol/1の濃度で調製し
た。この溶液についてそれぞれ励起波長を440nm、4
20nmで蛍光スペクトルの測定を行った。その結果、ト
リフルオロ酢酸溶液中で570nm、クロロホルム溶液中
で560nmにそれぞれ発光が見られた。また、実施例2
で得たポリ(4,4′−ジブチル−2,2′−ビチアゾ
ール−5,5′−ジイル)重合体のトリフルオロ酢酸溶
液(単位構造あたり1.0×10-5 mol/1)におい
て、励起波長を430nmとして蛍光スペクトルの測定を
行った。その結果570nmに発光が見られた。
【0050】このように本重合体は蛍光発光能を有する
物質である。このことから、本重合体は基本的にエレク
トロルミネッセンス用材料としても使用可能なことを示
している。
物質である。このことから、本重合体は基本的にエレク
トロルミネッセンス用材料としても使用可能なことを示
している。
【0051】(比較例1)モノマーとして5,5′−ジ
ブチル−4,4′−ジメチル−2,2′−ビチアゾール
を用いる他は、実施例1,2と同様にして下記化32に
示したポリ(4,4′−ジメチル−2,2′−ビチアゾ
ール−5,5′−ジイル)重合体(光散乱法による重量
平均分子量は3200)を得た。この重合体はトリフル
オロ酢酸やジクロロ酢酸などの酸系溶媒には溶解性を示
すが、側鎖がメチル基であるため、一般の有機溶媒には
ほぼ不溶であった。これに対し側鎖にブチル基などの長
鎖アルキル基を導入するとトリフルオロ酢酸やジクロロ
酢酸などの酸系溶媒に可溶であるだけでなく、一般の有
機溶媒に対する溶解性の向上が顕著に見られた。
ブチル−4,4′−ジメチル−2,2′−ビチアゾール
を用いる他は、実施例1,2と同様にして下記化32に
示したポリ(4,4′−ジメチル−2,2′−ビチアゾ
ール−5,5′−ジイル)重合体(光散乱法による重量
平均分子量は3200)を得た。この重合体はトリフル
オロ酢酸やジクロロ酢酸などの酸系溶媒には溶解性を示
すが、側鎖がメチル基であるため、一般の有機溶媒には
ほぼ不溶であった。これに対し側鎖にブチル基などの長
鎖アルキル基を導入するとトリフルオロ酢酸やジクロロ
酢酸などの酸系溶媒に可溶であるだけでなく、一般の有
機溶媒に対する溶解性の向上が顕著に見られた。
【化32】
【0052】
【発明の効果】本発明の新規なアルキル置換ポリ(2,
2′−ビチアゾール−5,5′−ジイル)重合体はその
構造中に長鎖アルキル基を導入しているため、分子量が
充分に高く、優れた耐熱性を有し、空気中における高い
安定性を示し、多くの有機溶媒に可溶であることから、
その利用分野・用途が拡大し、これらの適宜な溶媒に溶
かして得られる溶液を利用して繊維、膜等への乾式成形
が可能である。更に、化学的・電気化学的還元により、
明瞭な色の変化を示し、またn型導電体となり、エレク
トロクロミック、フォトルミネッセンス、エレクトロル
ミネッセンス材料となる従来の導電性高分子にはないす
ぐれた特性を有し、更に金属元素に対して配位子となり
得る。本発明により得られる膜又は糸状物質は、容易に
導電性膜及び導電性繊維と応用でき、また、膜又は糸状
物質にすることによりエレクトロクロミズ、エレクトロ
ルミネッセンス素子への応用展開が可能となる。また、
本発明の方法によれば、p型導電体と併せてn型導電体
となり易いπ共役導電性高分子が、容易にかつ安価に合
成することできる。
2′−ビチアゾール−5,5′−ジイル)重合体はその
構造中に長鎖アルキル基を導入しているため、分子量が
充分に高く、優れた耐熱性を有し、空気中における高い
安定性を示し、多くの有機溶媒に可溶であることから、
その利用分野・用途が拡大し、これらの適宜な溶媒に溶
かして得られる溶液を利用して繊維、膜等への乾式成形
が可能である。更に、化学的・電気化学的還元により、
明瞭な色の変化を示し、またn型導電体となり、エレク
トロクロミック、フォトルミネッセンス、エレクトロル
ミネッセンス材料となる従来の導電性高分子にはないす
ぐれた特性を有し、更に金属元素に対して配位子となり
得る。本発明により得られる膜又は糸状物質は、容易に
導電性膜及び導電性繊維と応用でき、また、膜又は糸状
物質にすることによりエレクトロクロミズ、エレクトロ
ルミネッセンス素子への応用展開が可能となる。また、
本発明の方法によれば、p型導電体と併せてn型導電体
となり易いπ共役導電性高分子が、容易にかつ安価に合
成することできる。
【図1】本発明の重合体の一例の赤外吸収スペクトルを
示す線図である。
示す線図である。
【図2】本発明の重合体の一例のプロトンNMRスペク
トルを示す線図である。
トルを示す線図である。
【図3】本発明の重合体の他の一例の赤外吸収スペクト
ルを示す線図である。
ルを示す線図である。
【図4】本発明の重合体の他の一例のプロトンNMRス
ペクトルを示す線図である。
ペクトルを示す線図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 2つのチアゾールジイル基の4位に長鎖
アルキル基を置換基として有するジハロゲン化芳香族化
合物から2ケ所のハロゲン原子を除いて誘導される次の
化1又は化2 【化1】 【化2】 (式中、R,R′はH又は炭素数が1以上のアルキル基
を示すが、R,R′のうち少なくとも一方は炭素数が4
以上の長鎖アルキル基を示す。)で表わされる2価の基
を反復構成単位とし、且つ重合度nが10以上であるアル
キル置換基を有するポリ(2,2′−ビチアゾール−
5,5′−ジイル)重合体。 - 【請求項2】 次の化3又は化4 【化3】 【化4】 (式中、R,R′はH又は炭素数が1以上のアルキル基
を示すがR,R′のうち少なくとも一方は炭素数が4以
上の長鎖アルキル基であり、Xはハロゲンを示す。)で
表わされるジハロゲン化芳香族化合物を、ニッケル化合
物の存在下、脱ハロゲン化能を有する金属又は金属化合
物と反応させ、2ケ所のハロゲン原子を脱ハロゲン化し
て重合することを特徴とする化5又は化6 【化5】 【化6】 (式中、R,R′はH又は炭素数が1以上のアルキル基
を示すがR,R′のうち少なくとも一方は炭素数が4以
上の長鎖アルキル基であり、nは10以上を示す。)で表
わされるアルキル置換基を有するポリ(2,2′−ビチ
アゾール−5,5′−ジイル)重合体の製造法。 - 【請求項3】 2つのチアゾール基の4位に長鎖アルキ
ル基を置換基として有するジハロゲン化芳香族化合物か
ら2ケ所のハロゲン原子を除いて誘導される次の化7又
は化8 【化7】 【化8】 (式中、R,R′はH又は炭素数が1以上のアルキル基
を示すが、R,R′のうち少なくとも一方は炭素数が4
以上の長鎖アルキル基を示す。)で表わされる2価の基
を反復構成単位とし、且つ重合度nが10以上であるアル
キル置換基を有するポリ(2,2′−ビチアゾール−
5,5′−ジイル)重合体を、クロロホルム、トルエ
ン、テトラヒドロフラン等の一般の有機溶媒に溶解させ
て得る、前記重合体よりなる膜又は糸状物質。 - 【請求項4】 2つのチアゾール基の4位に長鎖アルキ
ル基を置換基として有するジハロゲン化芳香族化合物か
ら2ケ所のハロゲン原子を除いて誘導される次の化9又
は化10 【化9】 【化10】 (式中、R,R′はH又は炭素数が1以上のアルキル基
を示すが、R,R′のうち少なくとも一方は炭素数が4
以上の長鎖アルキル基を示す。)で表わされる2価の基
を反復構成単位とし、且つ重合度nが10以上であるアル
キル置換基を有するポリ(2,2′−ビチアゾール−
5,5′−ジイル)重合体よりなるエレクトロクロミッ
ク素子。 - 【請求項5】 2つのチアゾール基の3位、4位または
6位に長鎖アルキル基を置換基として有するジハロゲン
化芳香族化合物から2ケ所のハロゲン原子を除いて誘導
される次の化11又は化12 【化11】 【化12】 (式中、R,R′はH又は炭素数が1以上のアルキル基
を示すが、R,R′のうち少なくとも一方は炭素数が4
以上の長鎖アルキル基を示す。)で表わされる2価の基
を反復構成単位とし、且つ重合度nが10以上であるア
ルキル置換基を有するポリ(2,2′−ビチアゾール−
5,5′−ジイル)重合体よりなるフォトルミネッセン
ス。 - 【請求項6】 2つのチアゾール基の4位に長鎖アルキ
ル基を置換基として有するジハロゲン化芳香族化合物か
ら2ケ所のハロゲン原子を除いて誘導される次の化13
又は化14 【化13】 【化14】 (式中、R,R′はH又は炭素数が1以上のアルキル基
を示すが、R,R′のうち少なくとも一方は炭素数が4
以上の長鎖アルキル基を示す。)で表わされる2価の基
を反復構成単位とし、且つ重合度nが10以上であるア
ルキル置換基を有するポリ(2,2′−ビチアゾール−
5,5′−ジイル)重合体よりなるn型半導体デバイス
用材料。 - 【請求項7】 2つのチアゾール基の4位に長鎖アルキ
ル基を置換基として有するジハロゲン化芳香族化合物か
ら2ケ所のハロゲン原子を除いて誘導される次の化15
又は化16 【化15】 【化16】 (式中、R,R′はH又は炭素数が1以上のアルキル基
を示すが、R,R′のうち少なくとも一方は炭素数が4
以上の長鎖アルキル基を示す。)で表わされる2価の基
を反復構成単位とし、且つ重合度nが10以上であるア
ルキル置換基を有するポリ(2,2′−ビチアゾール−
5,5′−ジイル)重合体よりなる金属元素に対する配
位子。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7235561A JP2713361B2 (ja) | 1995-09-13 | 1995-09-13 | 長鎖アルキル基を有するポリ(2,2′−ビチアゾール−5,5′−ジイル)重合体、その製造法及び利用法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7235561A JP2713361B2 (ja) | 1995-09-13 | 1995-09-13 | 長鎖アルキル基を有するポリ(2,2′−ビチアゾール−5,5′−ジイル)重合体、その製造法及び利用法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0977854A true JPH0977854A (ja) | 1997-03-25 |
| JP2713361B2 JP2713361B2 (ja) | 1998-02-16 |
Family
ID=16987820
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7235561A Expired - Lifetime JP2713361B2 (ja) | 1995-09-13 | 1995-09-13 | 長鎖アルキル基を有するポリ(2,2′−ビチアゾール−5,5′−ジイル)重合体、その製造法及び利用法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2713361B2 (ja) |
Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2003013055A (ja) * | 2001-06-26 | 2003-01-15 | Sumitomo Chem Co Ltd | 高分子蛍光体の製造方法及び高分子発光素子 |
| WO2005070994A1 (ja) * | 2004-01-26 | 2005-08-04 | Konica Minolta Holdings, Inc. | 有機半導体材料、有機トランジスタ、電界効果トランジスタ、スイッチング素子及びチアゾール化合物 |
| JP2006193743A (ja) * | 2005-01-07 | 2006-07-27 | Samsung Electronics Co Ltd | チオフェン−チアゾール誘導体およびこれらを用いた有機薄膜トランジスタ |
| US7357989B2 (en) | 2000-08-07 | 2008-04-15 | Osram Opto Semiconductors Gmbh | Di(het)arylaminothiazole derivatives and their use in organic light-emitting diodes(OLEDs) and organic photovoltaic components |
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| WO2012070390A1 (ja) * | 2010-11-26 | 2012-05-31 | 住友化学株式会社 | 有機光電変換素子 |
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