JPH0977905A - ポリエチレンテレフタレートからの原料モノマーの回収装置及び回収方法 - Google Patents

ポリエチレンテレフタレートからの原料モノマーの回収装置及び回収方法

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JPH0977905A
JPH0977905A JP23419095A JP23419095A JPH0977905A JP H0977905 A JPH0977905 A JP H0977905A JP 23419095 A JP23419095 A JP 23419095A JP 23419095 A JP23419095 A JP 23419095A JP H0977905 A JPH0977905 A JP H0977905A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 廃ポリエチレンテレフタレート(PET)を
加水分解し、その反応生成物として原料モノマーを回収
するに際し、水分率が低くても、PETの加水分解反応
生成物の取り扱いを容易にし得、しかも充分な加水分解
率が得られ、原料モノマーを高率で回収し得る回収装置
及び回収方法を提供する。 【解決手段】 内部にスクリューを有する高温高圧反応
容器4に、PETを溶融状態で高圧下に供給する高圧ポ
ンプ3と水を加圧下に供給する高圧ポンプ6を接続し、
反応生成物の出口に絞り弁9を設け、該容器4の加熱手
段を設けた装置、及び、該容器4内においてPETの融
点以上の温度で且つ該温度での飽和水蒸気圧以上の圧力
でPETを加水分解反応させると共にスクリューにより
連続的に攪拌しながら移送し、反応生成物を絞り弁9か
ら該容器外に排出し回収する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエチレンテレ
フタレートからの原料モノマーの回収装置及び回収方法
に関し、詳細には廃ポリエチレンテレフタレート(以
降、PETという)からPETの原料モノマーに相当す
るテレフタル酸及びエチレングリコールを回収する装置
及び方法に関する技術分野に属し、広義には、PETの
ケミカルリサイクル技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】近年、増大するプラスチック廃棄物の問
題が深刻化してきている。従来、プラスチック廃棄物は
埋め立てにより処分されてきたが、埋め立て地の確保が
今後ますます困難になることから、プラスチック廃棄物
をリサイクルすることにより有効利用する方法が模索さ
れている。
【0003】プラスチック廃棄物のリサイクル方法は大
きく分類すると、(A) 物理的処理により材料としての形
態を変えて再利用するマテリアルリサイクル、(B) 焼却
することにより発生する熱エネルギーを利用するサーマ
ルリサイクル、(C) 化学的処理により燃料油や原料モノ
マーを回収するケミカルリサイクルの3つの方法があ
る。
【0004】これらの中、(A) の方法は、不純物が混入
し易いため再生品が元の製品プラスチックよりも純度が
低く、又、強度や耐熱性も低下しているため、その用途
が限られてくるという欠点がある。(B) の方法にも問題
点が残されている。即ち、プラスチックは燃焼時のカロ
リーが高いため、焼却温度が高くなることや溶融したプ
ラスチックが炉壁面に付着すること等により焼却炉を傷
めることが指摘されている。
【0005】これに対して、ケミカルリサイクル、その
中でもプラスチックを化学的に分解することにより原料
モノマーを生成物として回収する方法は、クローズドシ
ステムで行える可能性があり、再生品の付加価値も高い
ことから最も理想的なリサイクル方法といえる。
【0006】かかるケミカルリサイクル方法によりPE
Tを化学的に分解して再生品を得る技術として、PET
を加溶媒分解し、原料モノマー或いはオリゴマーを回収
するリサイクル方法が知られている。
【0007】例えば、アルコールを用いる加溶媒分解反
応によりPETを分解し、生成物としてPETの原料モ
ノマーであるテレフタル酸(又はその誘導体のテレフタ
ル酸ジメチル)とエチレングリコール等を回収する方法
が報告されている。
【0008】この方法の例をより詳細に説明すると、米
国特許公報3403115 号には、PETをメタノールを用い
て加溶媒分解し、テレフタル酸ジメチルを生成物として
回収する方法が示されている。但し、本法ではエチレン
グリコールの回収は行われていない。米国特許公報3776
945 号には、PETを酸触媒の存在下にメタノールによ
り加溶媒分解し、テレフタル酸ジメチルとエチレングリ
コールを生成物として得る方法が示されている。米国特
許公報3037050 、3321510 、3488298 、5051528 号等に
は、PETのメタノールによる加溶媒分解により、生成
物として原料モノマーを回収する方法が示されている。
これらの方法は、それぞれに特徴を有しているものの、
基本的な原理は同様である。
【0009】又、メタノール以外にもグリコール類によ
りPETを加溶媒分解し、原料モノマー或いはオリゴマ
ーを回収するリサイクル方法が公開されている。例え
ば、米国特許公報3222299 号には、テレフタル酸系のポ
リエステルをグリコールにより加溶媒分解し、テレフタ
ル酸のジグリコールエステルを得る方法が示されてい
る。米国特許公報3907868 号には、PETを先ずエチレ
ングリコール、次いで触媒の存在下でメタノールにより
加溶媒分解し、テレフタル酸ジメチルとエチレングリコ
ールを得る方法が示されている。又、アミン、アルコキ
シド、酢酸金属塩等を触媒として用い、プロピレングリ
コールにより、PETを低分子化し、生成物としてオリ
ゴマーを得る方法も報告されている(Ind.Eng.Chem.Re
s.,26,194(1987))。
【0010】上記のアルコール加溶媒分解法の他に、加
水分解法に関する技術も報告されている。例えば、米国
特許公報4542239 号には、硫酸等の酸又は水酸化アンモ
ニウム等のアルカリを触媒として、高温の水によりPE
Tを加水分解する方法が示されている。米国特許公報46
05762 号には、同様に酸触媒により100 ℃以下でPET
を加水分解する方法が示されている。又、特公平3-1632
8 号公報、特開平6-72922 号公報には、高温高圧下にP
ETを加水分解して得た生成物からの不純物の除去技術
が記載されている。更に、Kamal らは、2軸押出機を用
いたPETの加水分解方法を報告している(ANTEC. pp.
2896-2900(1994) )。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述のPETのアルコ
ール加溶媒分解法については、既に実用化プラントの稼
働が報じられている。ところが、アルコールを試薬とし
て大量に使用することによるコスト高、アルコールの引
火性に伴う危険性、触媒が必要とされることによるコス
ト高などがなお問題点として残されている。
【0012】PETの加水分解法は、これら諸問題を一
気に解決する可能性を持っている。即ち、アルコール加
溶媒分解法での如き試薬のコスト高と引火性を回避で
き、更に高温高圧状態の水を用いれば、水そのもの(水
の電離に伴う水素イオン及び水酸イオン)が触媒として
機能することから、触媒の添加も不要となる。それにも
かかわらず、PETの加水分解法は実用化されていな
い。その理由としては、加水分解反応生成物であるテレ
フタル酸が常温常圧で固体であり、しかも常温常圧水へ
の溶解度が極めて小さいため、流動性に乏しく、その取
り扱いが容易でないことが一因とされている。
【0013】かかる事情に鑑み、加水分解反応生成物の
流動性を高めてその取り扱いを容易にする目的で水分率
(PET及び水に含まれる水分の割合、単位質量当たり
の水分量、又は、水分とPETとの比率)が高められた
が、この場合には単位質量当たりの水分量が高くなるの
で、水の加熱に多くのエネルギーを費やし、加熱コスト
が高くなるという問題点がある。即ち、水分率を高め、
単位質量当たりの水分量を高めるほど、加水分解反応生
成物の取り扱いは容易になる反面、PET及び水をPE
Tの加水分解に必要な高温にするための加熱に多くのエ
ネルギーを費やし、コスト的に不利になるという欠点が
ある。
【0014】そこで、水分率を高めることなく、加水分
解反応生成物の取り扱いを容易にする手段として、2軸
押出機が利用された。即ち、2軸押出機を用いたPET
の加水分解方法が Kamalらによって提案された。しかし
ながら、この方法においては、使用される2軸押出機と
いう装置上の制約から、加水分解反応に最適な条件で運
転することができていないため、即ち、2軸押出機のバ
レル内を充分な高圧にすることができないため、充分な
加水分解率が得られないという問題点があり、実用化に
は至っていない。
【0015】本発明はかかる事情に着目してなされたも
のであって、その目的は、前記従来の加水分解法による
PETからの原料モノマーの回収技術の有する問題点を
解消し、水分率を高めることなく、加水分解反応生成物
の取り扱いを容易にすることができ、しかも充分な加水
分解率が得られ、原料モノマーを高率で回収することが
可能となるPETからの原料モノマーの回収装置及び回
収方法、即ち、2軸押出機を用いたPETの加水分解方
法の場合に比較して、加水分解率が高く、原料モノマー
の回収率を高くすることができるPETからの原料モノ
マーの回収装置及び回収方法を提供しようとするもので
ある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は次のような構成のPET(ポリエチレンテ
レフタレート)からの原料モノマーの回収装置及び回収
方法としている。
【0017】即ち、本発明に係るPETからの原料モノ
マーの回収装置は、PET及び水の導入口を有する筒状
容器の内部にスクリューを有し、該スクリューの回転に
よりPET及び水を連続的に攪拌しながら移送すると共
に、高温高圧下で反応させ、反応生成物の導出口及び該
導出口に接続された絞り弁を介して反応生成物を筒状容
器外に排出する高温高圧反応容器と、該高温高圧反応容
器を加熱する手段と、前記水の導入口に管接続され、高
温高圧反応容器内に水を加圧下に供給する高圧ポンプ
と、前記PETの導入口に管接続され、高温高圧反応容
器にPETを溶融状態で高温高圧下に供給する高圧ポン
プとを有することを特徴とするPETからの原料モノマ
ーの回収装置である。
【0018】本発明に係るPETからの原料モノマーの
回収方法は、高温高圧反応容器内に溶融状態のPETを
高温高圧下に供給すると共に水を加圧下に供給し、PE
T及び水をPETの融点以上の温度で且つ該温度におけ
る飽和水蒸気圧以上の圧力で反応させ、PETを加水分
解反応させると共に、高温高圧反応容器内のスクリュー
の回転により連続的に攪拌しながら移送し、PETの原
料モノマーであるテレフタル酸及びエチレングリコール
を含む反応生成物を反応生成物の導出口及び該導出口に
接続された絞り弁を介して高温高圧反応容器外に排出し
て回収することを特徴とするPETからの原料モノマー
の回収方法である。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明に係るPETからの原料モ
ノマーの回収装置は、例えば次のようにして作ることが
できる。筒状容器の一端近傍にPET及び水の導入口を
設け、他端に反応生成物の導出口を設け、該導出口に絞
り弁を接続する。この筒状容器を水平に設置し、筒状容
器内にスクリューを挿入し、そのスクリュー軸を筒状容
器外のモータ等の回転手段と連結する。そして、筒状容
器に外部加熱手段を取り付け、高温高圧反応容器とな
す。この反応容器に対し、水を加圧下に供給する高圧ポ
ンプAを前記水の導入口に管接続する一方、PETを溶
融状態で高温高圧下に供給する高圧ポンプBを前記PE
Tの導入口に管接続し、PETからの原料モノマーの回
収装置となす。
【0020】かかる回収装置によれば、例えば次のよう
にしてPETからの原料モノマーの回収をすることがで
きる。スクリューを回転させた状態にし、連続的に、高
温高圧反応容器に対し、高圧ポンプAにより水を加圧下
に供給すると共に高圧ポンプBによりPETを溶融状態
で高温高圧下に供給する一方、外部加熱手段により高温
高圧反応容器を加熱する。そうすると、連続的に、高温
高圧反応容器内においてPET及び水はスクリューの回
転により攪拌されながら移送されると共に高温高圧下で
反応し、PETの原料モノマーであるテレフタル酸及び
エチレングリコールを含む反応生成物となり、その反応
生成物は反応生成物の導出口及び該導出口に接続された
絞り弁を介して高温高圧反応容器外に次々と排出され、
そして回収される。
【0021】ここで、反応生成物はスクリューの回転に
より移送され、排出、回収されるので、水分率が低くて
もよく、従って、水分率を高めなくても、反応生成物の
移送、排出、回収という取り扱いを容易に行うことがで
きる。又、上記の如き高温高圧反応容器は、2軸押出機
とは異なり、装置上の制約が少ないため、反応容器内を
充分な高温高圧条件、特に必要な高圧条件にすることが
でき、従って、2軸押出機を用いたPETの加水分解
方法の場合に比較して、加水分解率を高くでき、その結
果、原料モノマーの回収率を高くすることができる。
【0022】本発明に係るPETからの原料モノマーの
回収方法は、上記の如きPETからの原料モノマーの回
収装置を用いて、PETからの原料モノマーの回収を行
う方法であるが、特に、高温高圧反応容器内をPETの
融点以上の温度にすると共に該温度における飽和水蒸気
圧以上の圧力にし、この温度及び圧力下でPET及び水
を反応させ、PETを加水分解反応させることを特徴と
するものである。
【0023】このような温度及び圧力下においては、P
ETは溶融状態にあり、水は液体状態にあるので、極め
て、水によるPETの加水分解反応が進み易く、加水分
解率が高くなり、ひいては原料モノマーの回収率を高く
することができる。又、反応生成物はスクリューの回転
により移送され、排出、回収されるので、前記の如く、
水分率を高めなくても、それらの反応生成物の取り扱い
を容易に行うことができる。
【0024】以上のことからわかる如く、本発明によれ
ば、PETを加水分解し、その反応生成物として原料モ
ノマーを回収するに際し、水分率を高めることなく、加
水分解反応生成物の取り扱いを容易にすることができ、
しかも充分な加水分解率が得られ、原料モノマーを高率
で回収することが可能となる。即ち、2軸押出機を用い
たPETの加水分解方法の場合に比較して、加水分解率
が高く、原料モノマーの回収率を高くすることができる
ようになる。
【0025】この詳細を以下説明する。
【0026】PETは、原料モノマーであるテレフタル
酸とエチレングリコールが脱水縮重合(即ち、エステル
化)して合成されたポリエステル樹脂である。かかる化
学結合様式を有するPETは、高温高圧水との間でエス
テル化反応の逆反応、即ち加水分解反応を起こし、原料
モノマーであるテレフタル酸とエチレングリコールに分
解される。これは、高温高圧下において、加水分解反応
速度が大幅に増大することに加えて、水のイオン積が著
しく増大し、それに伴って水素イオン及び水酸イオンの
濃度が増大することにより、上記の加水分解反応が促進
されるためである。
【0027】本発明者は、かかるPETの加水分解反応
に関する実験を行い、PETの加水分解率、ひいては原
料モノマーの回収率を高めるためには、PETの融点
(245℃)以上の温度で且つ該温度における水の飽和水
蒸気圧以上の圧力で加水分解反応させる必要があること
を見出した。即ち、PETの融点未満の温度では、PE
Tが非溶融状態にあるので、加水分解反応が進み難く、
PETの融点以上の温度にしても該温度での飽和水蒸気
圧より低い圧力では、水は気体(水蒸気)であるので、
実質的には加水分解反応が殆ど進まないことを確認する
と共に、原料モノマーの回収率を高めるには、PETの
融点以上の温度にすると共に該温度での飽和水蒸気圧以
上の圧力にする必要があることを確認した。
【0028】一方、コストの観点から反応を効率的に進
めるには、単位PET質量当たりに添加する水の質量を
できるだけ低くする必要がある。そうすると、水の加熱
に要するエネルギーを低減できるからである。しかし、
下記のような問題がある。即ち、加水分解反応生成物に
含まれる原料モノマーの中のテレフタル酸は、常温常圧
で固体であり、しかも水への溶解度が極めて小さく、高
温高圧水へはある程度溶解するが、それでも充分な量は
溶解しない。従って、水の質量分率を低くするほど、固
体テレフタル酸の比率が増加し、そのため反応生成物の
流動性が低下する。これは、反応を通常の管型や槽型の
反応器で連続的に行い、反応生成物を連続的に取り出す
ような方式では、配管やバルブ等での閉塞の発生という
致命的な問題点を起こす。
【0029】これを避けるため、 KamalらはPETの加
水分解に2軸押出機を適用しているが、この場合、2軸
押出機のバレル内を充分な高圧状態(即ち、PETの融
点以上の温度における飽和水蒸気圧以上の圧力)に維持
することができないため、原料モノマーの回収率は低
い。
【0030】そこで、本発明においては、前記の如きP
ETからの原料モノマーの回収装置及び方法を開発し発
明した。この回収装置は、高温高圧反応容器内におい
て、通常の管型反応器のピストンフローではなく、スク
リューにより強制的に反応生成物が移送されるため、水
分率を高めなくても(PETの比率が高くても)、加水
分解反応生成物に含まれるテレフタル酸が原因となる閉
塞の発生という問題点を回避することができる。又、高
温高圧反応容器を加熱する手段により該容器内を充分に
高い反応温度(加水分解反応を促進するに必要な温度)
にし得、同時に、高圧ポンプにより原料物質である水及
びPETを該容器内に供給し得ること、及び、反応生成
物の導出口に接続された絞り弁の開度を調整することに
より、該容器内を充分に高い反応圧力(加水分解反応を
促進するに必要な圧力)に維持し得、従って、2軸押出
機を用いたPETの加水分解方法の場合に比較して、加
水分解率を高くでき、その結果、原料モノマーの回収率
を高くすることができる。
【0031】尚、反応生成物の導出口に絞り弁を接続し
ているのは、絞り弁の開度を調整することにより高温高
圧反応容器内が加水分解反応に必要な背圧を保ち得るよ
うにすると共に反応生成物を排出、回収し得るようにす
るためである。
【0032】本発明において、スクリューの本数は特に
限定されるものではなく、1本(1軸)でもよいし、2
本以上を並列に設けた2軸以上とすることができる。
【0033】
【実施例】本発明の実施例に用いた装置を図1に示す。
図1において4は高温高圧反応容器であり、該反応容器
4の断面形状を図2に示す。該反応容器4はかかる断面
形状を有する長尺の筒状体であり、その内部にはスクリ
ュー(図示していない)を2本(2軸)並列に有し、そ
のスクリュー軸を容器4外に設置されたモータと連結し
ている。又、該反応容器4の反応生成物の導出口に絞り
弁9を有する。このような装置を用い、下記の如くして
PETからの原料モノマーの回収処理を行った。
【0034】PETをフィーダ1に供給し、ヒータ2に
より加熱して融解し、高圧ポンプ3により加圧し高温高
圧反応容器4に供給する。一方、水を水タンク5から高
圧ポンプ6により加圧し、必要に応じてチェック弁7を
介して熱交換器8に送り、ここで加熱して高温高圧水と
なし、高温高圧反応容器4に供給する。ここで、該反応
容器4内は外部加熱手段(図示していない)によりPE
Tの融点(245℃)以上の温度T1に保たれ、同時に、該温
度T1での飽和水蒸気圧以上の圧力P1に保たれている。
又、スクリューはモータにより回転している。
【0035】そうすると、前記反応容器4に供給された
PET及び水は、スクリューにより攪拌されつつ温度
T1、圧力P1で反応し、PETの原料モノマーであるテレ
フタル酸及びエチレングリコールを含む反応生成物にな
ると共に、スクリューにより絞り弁9の方に向けて移送
され、その反応生成物は絞り弁9を介して管10から排出
され回収される。
【0036】本実施例では、更に、この反応生成物から
のテレフタル酸とエチレングリコールとの分離を下記の
如くして行った。即ち、前記管10から反応生成物を回収
器11内の水中に排出し、冷却した。そして、回収器11の
底部に沈降した固体状のテレフタル酸を抜き出し手段12
により取り出し、これを乾燥洗浄操作により洗浄乾燥
し、再生品として回収した。一方、エチレングリコール
を溶解している水溶液を流出孔13からフィルター14を介
して蒸留塔15に送り、ここでエチレングリコールを水と
分離し、再生品として回収した。
【0037】その結果、水分率を高めなくても(PET
の比率が高くても)、配管等の閉塞を生じることなく、
PETからの原料モノマーの回収処理運転を連続して行
うことができ、しかも原料モノマーを高率で回収するこ
とができた。即ち、2軸押出機を用いたPETの加水分
解方法の場合よりも、原料モノマーの回収率を大幅に向
上することができた。
【0038】本発明の実施例としての典型的な運転条件
については、PETと水の供給質量比=1:1、加水分
解反応温度T1=300 ℃、加水分解反応圧力P1=10 MPa、
高温高圧反応容器内平均滞留時間(PET及び水の供給
時点からその反応生成物の排出時点までの時間)=30分
という条件である。尚、T1=300 ℃での飽和水蒸気圧は
8.6MPaであるので、これに比べて上記P1は高圧である。
【0039】通常の管型や槽型反応器を用いる場合に、
反応生成物の取り扱いを容易にして配管等の閉塞を防止
するために水分率を高めたとき、PETと水の供給質量
比=1:10程度であるので、この場合に比べて上記本発
明の実施例としての典型的な運転条件での水分率は1/10
程度であり、極めて低い。このことからも、本発明によ
れば、水分率を高める必要がなく、水分率が低くても
(PETの比率が高くても)、反応生成物の取り扱いが
容易であり、配管等の閉塞を生じることなく、運転を連
続して行うことができることがわかる。
【0040】尚、上記実施例ではPETの加熱手段とし
て外部加熱式ヒータを用いたが、内部加熱式ヒータ、或
いはヒータ以外の加熱手段を用いてもよい。高温高圧反
応容器4への高温高圧水の供給位置は、溶融PETの供
給位置に比べ、絞り弁9から遠い個所にしたが、その逆
でもよい。回収器11の底部を円錐状にしたが、これは沈
降した固体状のテレフタル酸を集積し易くし、ひいては
取り出し易くするためであり、かかる点を考慮して形状
を選定することが望ましい。回収器11には水温を一定に
保つための冷却手段を取り付けることが望ましい。フィ
ルター14には目詰まりを防止するための逆洗手段を取り
付けることが望ましい。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、PETを加水分解し、
その反応生成物として原料モノマーを回収するに際し、
水分率を高める必要がなく、水分率が低くても(PET
の比率が高くても)、反応生成物の取り扱いを容易にし
得、配管等の閉塞を生じることなく、原料モノマー回収
の運転を連続して行うことができ、しかも充分な加水分
解率が得られ、原料モノマーを高率で回収することがで
きるようになる。即ち、2軸押出機を用いたPETの加
水分解方法の場合に比較して、加水分解率が高く、原料
モノマーの回収率を高くすることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例に係るポリエチレンテレフタ
レートからの原料モノマーの回収装置の概要図である。
【図2】 本発明の実施例に係るポリエチレンテレフタ
レートからの原料モノマーの回収装置の中の高温高圧反
応容器の断面形状を説明する図である。
【符号の説明】
1--フィーダ、2--ヒータ、3--高圧ポンプ、4--高温
高圧反応容器、5--水タンク、6--高圧ポンプ、7--チ
ェック弁、8--熱交換器、9--絞り弁、10--管、11--回
収器、12--抜き出し手段、13--流出孔、14--フィルタ
ー、15--蒸留塔。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 67:02

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエチレンテレフタレート及び水の導
    入口を有する筒状容器の内部にスクリューを有し、該ス
    クリューの回転によりポリエチレンテレフタレート及び
    水を連続的に攪拌しながら移送すると共に、高温高圧下
    で反応させ、反応生成物の導出口及び該導出口に接続さ
    れた絞り弁を介して反応生成物を筒状容器外に排出する
    高温高圧反応容器と、該高温高圧反応容器を加熱する手
    段と、前記水の導入口に管接続され、高温高圧反応容器
    内に水を加圧下に供給する高圧ポンプと、前記ポリエチ
    レンテレフタレートの導入口に管接続され、高温高圧反
    応容器にポリエチレンテレフタレートを溶融状態で高温
    高圧下に供給する高圧ポンプとを有することを特徴とす
    るポリエチレンテレフタレートからの原料モノマーの回
    収装置。
  2. 【請求項2】 高温高圧反応容器内に溶融状態のポリエ
    チレンテレフタレートを高温高圧下に供給すると共に水
    を加圧下に供給し、ポリエチレンテレフタレート及び水
    をポリエチレンテレフタレートの融点以上の温度で且つ
    該温度における飽和水蒸気圧以上の圧力で反応させ、ポ
    リエチレンテレフタレートを加水分解反応させると共
    に、高温高圧反応容器内のスクリューの回転により連続
    的に攪拌しながら移送し、ポリエチレンテレフタレート
    の原料モノマーであるテレフタル酸及びエチレングリコ
    ールを含む反応生成物を反応生成物の導出口及び該導出
    口に接続された絞り弁を介して高温高圧反応容器外に排
    出して回収することを特徴とするポリエチレンテレフタ
    レートからの原料モノマーの回収方法。
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