JPH0977945A - 熱可塑性樹脂組成物及びその用途 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物及びその用途

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JPH0977945A
JPH0977945A JP23442395A JP23442395A JPH0977945A JP H0977945 A JPH0977945 A JP H0977945A JP 23442395 A JP23442395 A JP 23442395A JP 23442395 A JP23442395 A JP 23442395A JP H0977945 A JPH0977945 A JP H0977945A
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ethylene
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ionomer
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Hitoshi Tateno
均 舘野
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Du Pont Mitsui Polychemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガスバリヤー性、耐衝撃性、耐ピンホール
性、延伸性、絞り性、透明性、熱安定性等の組み合わせ
に優れた熱可塑性樹脂組成物及びその用途を提供する。 【解決手段】 エチレン・ビニルアルコール共重合体
(A)50〜85重量部、不飽和カルボン酸含有量が4
〜15モル%のエチレン・不飽和カルボン酸共重合体の
アイオノマー(B)10〜40重量部及びポリアミド
(C)1〜25重量部とからなる樹脂成分100重量部
に対し、脂肪酸金属塩を0.01〜3重量部配合したこ
とを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスバリヤー性、
耐衝撃性、耐ピンホール性、延伸性、絞り性、透明性、
熱安定性等に優れた熱可塑性樹脂組成物及びその用途に
関する。
【0002】
【従来の技術及びその問題点】ビニルアルコール含有量
の高いエチレン・ビニルアルコール共重合体は、透明
性、ガスバリヤー性等に優れているところから、食品包
装材料として広く使用されている。しかしながら該共重
合体は、柔軟性、加工性、延展性等に乏しいため、単層
フィルムとして使用されることは少ない。例えばこの共
重合体をインフレーション法によりフィルム成形する場
合、ピンチロール前後で縦しわが入りやすく、満足すべ
き製品を得るための成形条件の許容範囲が狭いという欠
点がある。またフィルムに繰り返し折り曲げ等の変形を
受けた場合、ピンポールを生じやすいという欠点も有し
ている。このような欠点は、柔軟性、加工性に優れたエ
チレン重合体等を配合することによって改善できるが、
多くの場合、エチレン・ビニルアルコール共重合体が有
する透明性を大きく損なう結果となり、広く採用される
までには至っていない。
【0003】例えば特開昭49−107351号公報に
は、エチレン・ビニルアルコール共重合体にアイオノマ
ーを配合することにより柔軟性が改良されることが開示
されている。そしてこの提案の目的は、該共重合体のポ
リオレフィンへの接着性の改良にあるため、さらに相当
量のポリアミドを配合する技術を開示している。この提
案では、透明性に関する配慮は全くなされておらず、ま
たアイオノマーの組成についても全く言及されていな
い。
【0004】同様にポリオレフィンとの接着性に着目し
た発明が、特開昭50−103582号公報に開示され
ており、先の提案よりもポリアミドの配合量が少ない以
外は同様の組成物とポリオレフィンとの積層容器を開示
している。同様に透明性に関する配慮は全くなされてお
らず、またアイオノマーについても、亜鉛アイオノマー
やナトリウムアイオノマーが使用可能としているもの
の、その詳細についての開示はされていない。具体的に
はサーリン1652を使用した例が示されているにすぎ
ない。
【0005】出願人は特願平6−310239号におい
て、エチレン・ビニルアルコール共重合体にアイオノマ
ーを配合すれば、柔軟性、加工性は改良されるが透明性
が著しく損なわれること、また特開昭50−10358
2号公報の具体例として示されているように、エチレン
・ビニルアルコール共重合体にサーリン1652とポリ
アミドを配合した系においても、柔軟性、加工性は改良
されるが透明性が著しく損なわれることを明らかにする
とともに、エチレン・ビニルアルコール共重合体の上記
欠点を改善し、しかも透明性をそれ程損なうことのない
処方として、不飽和カルボン酸含有量の高いエチレン・
不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマーとポリアミド
を所定量配合する方法につき提案した。
【0006】その後この組成物の溶融成形につきさらに
詳細に検討したところ、成形温度を高く設定したり、あ
るいはこの組成物が成形装置の一部に滞留して高温で長
時間保持されると、ゲルの生成が認められたりあるいは
着色するなどの欠点があることが判明した。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明者らは、
この先願組成物の熱安定性を改良すべく、検討を行っ
た。その結果、脂肪酸金属塩を添加する処方が有効なこ
とを見出すに至り、本発明に到達した。
【0008】即ち、本発明の目的は、ガスバリヤー性、
耐衝撃性、耐ピンホール性、延伸性、絞り性、透明性、
熱安定性等の組み合わせに優れた熱可塑性樹脂組成物及
びその用途を提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、エチレン・ビ
ニルアルコール共重合体(A)50〜85重量部、不飽
和カルボン酸含有量が4〜15モル%のエチレン・不飽
和カルボン酸共重合体のアイオノマー(B)10〜40
重量部及びポリアミド(C)1〜25重量部とからなる
樹脂成分100重量部に対し、脂肪酸金属塩を0.01
〜3重量部配合したことを特徴とする熱可塑性樹脂組成
物に関する。
【0010】本発明はまた、上記熱可塑性樹脂組成物か
ら成る層を少なくとも一層備えて成ることを特徴とする
包装材料にも関する。
【0011】本発明の樹脂組成物は、エチレン・ビニル
アルコール共重合体(A)50〜85重量部、不飽和カ
ルボン酸含有量が4〜15モル%のエチレン・不飽和カ
ルボン酸共重合体のアイオノマー(B)10〜40重量
部及びポリアミド(C)1〜25重量部とから成るが、
この樹脂成分100重量部に対し、脂肪酸金属塩を0.
01〜3重量部配合したことが特徴である。
【0012】即ち、エチレン・ビニルアルコール共重合
体(A)に上記樹脂成分(B)及び(C)を配合するこ
とにより、エチレン・ビニルアルコール共重合体が有す
る優れたガスバリアー性及び透明性をあまり低下させる
ことなく、柔軟性、耐衝撃性、加工性、耐ピンホール
性、深絞り性等を改善することができると共に、脂肪酸
金属塩を配合することにより、この組成物の耐熱性を顕
著に改善することができる。
【0013】後述する例に示すとおり、上記樹脂成分
(A)、(B)及び(C)から成る組成物は、溶融混練
時のトルクの上昇が著しい(比較例1参照)が、本発明
に従い脂肪酸金属塩を配合すると、トルク上昇を有効に
抑制することができる(実施例1乃至4参照)。
【0014】このトルク上昇は、樹脂組成物の溶融混練
時に重合体成分の熱劣化(熱減成、水素或いは水酸基の
引き抜き)を経由して、重合体成分の架橋を生じるのが
その原因と考えられるが、本発明に用いる脂肪酸金属塩
は、重合体同士或いは重合体と器壁との摩擦を軽減させ
ると同時に熱安定化作用を示すことにより、トルク上昇
を抑制しているものと推察される。
【0015】本発明で用いるアイオノマーは、不飽和カ
ルボン酸含有量が4〜15モル%の範囲内にあること
が、優れた透明性を維持し、耐衝撃性を向上させる上で
特に重要である。不飽和カルボン酸含有量が上記範囲よ
りも低いと、透明性や耐衝撃性が低下する傾向があり
(後述する参考比較例1及び2参照)、また不飽和カル
ボン酸含有量があまり高くなるとやはり耐衝撃性が低下
する傾向がある。
【0016】一方、本発明で用いるポリアミドは、エチ
レン・ビニルアルコール共重合体とアイオノマーとを相
溶化させるための成分であり、アイオノマーとポリアミ
ドとの組み合わせにより、透明性等の光学的性質をあま
り低下させることなく、柔軟性、耐衝撃性、加工性等を
向上させることができる。
【0017】即ち、エチレン・ビニルアルコール共重合
体にアイオノマー単独を配合した場合(後述する参考比
較例6参照)には、未配合のものに比して、透明性や耐
衝撃性の低下が大きく、また、ポリアミド単独を配合し
た場合(後述する参考比較例7参照)には、耐衝撃性や
加工性も殆ど改善されないが、両者を組み合わせで配合
することにより(後述する参考例1〜9参照)、透明性
を大きく低下させずに機械的特性や加工性の顕著な改善
が可能となるのである。
【0018】本発明では、エチレン・ビニルアルコール
共重合体を50〜85重量部、アイオノマーを10〜4
0重量部及びポリアミドを1〜25重量部の量で用いる
ことも重要であり、アイオノマーの使用量が上記範囲よ
りも少ない場合(後述する参考比較例3参照)には、耐
衝撃性や加工性の改善が不十分であり、一方上記範囲よ
りも多い場合(後述する参考比較例4参照)には耐気体
透過性が低下する。また、ポリアミドの使用量が上記範
囲よりも少ない場合(後述する参考比較例3又は6参
照)には、耐衝撃性が低下し、一方上記範囲よりも多い
場合(後述する参考比較例5参照)には組成物の加工が
困難となる外、熱安定性が悪くなるという欠点が生ず
る。
【0019】本発明によれば、以上のように、エチレン
・ビニルアルコール共重合体に特定のアイオノマーとポ
リアミドを所定量配合することにより、該共重合体の有
する優れたガスバリヤー性、透明性等をそれ程犠牲にし
ないで、耐衝撃性、柔軟性、加工性、耐ピンホール性、
深絞り性等を改善することができると共に、脂肪酸金属
塩を所定量配合することにより、熱安定性を向上させる
ことができる。
【0020】
【発明の好適態様】本発明で用いるエチレン・ビニルア
ルコール共重合体(A)は、ビニルアルコール含有量が
40〜85モル%、好ましくは50〜75モル%の割合
で含有するものであり、他の単量体は10モル%以下程
度であれば含有されていてもよい。かかる共重合体を得
る最善の方法は、酢酸ビニル含有量が40〜85モル
%、好ましくは50〜75モル%のエチレン・酢酸ビニ
ル共重合体を95%以上、好ましくは98%以上のケン
化度となるようにケン化を行う方法である。共重合体中
のビニルアルコール含有量が前記範囲より多くなると、
耐熱性、加工性が悪くなり、また前記範囲より少なくな
るとガスバリヤー性が低下するので好ましくない。エチ
レン・ビニルアルコール共重合体としてはまた、210
℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが0.
5〜50g/10分、とくに1〜20g/10分のもの
を用いるのが好ましい。
【0021】本発明で用いられるアイオノマー(B)
は、組成物の透明性を考慮すると、ベースとなるエチレ
ン・不飽和カルボン酸共重合体の不飽和カルボン酸含有
量が4〜15モル%、好ましくは5〜12モル%、一層
好ましくは6〜10モル%である。不飽和カルボン酸含
有量が上記範囲より少ないものを用いた場合には、透明
性、耐衝撃性に優れた組成物を得ることは難しい。不飽
和カルボン酸含有量が高いものを用いるほど組成物の透
明性は向上する傾向にあるが、耐衝撃性が若干低下する
場合があるので、上記のような酸含有量のものを用いる
のが好ましい。このような共重合体中には、12モル%
以下、好ましくは8モル%以下程度の他の単量体が共重
合されたものであってもよい。
【0022】不飽和カルボン酸としては、例えば、アク
リル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、マレイン酸、マ
レイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、無水マレ
イン酸などであり、とくにアクリル酸もしくはメタクリ
ル酸が好ましい。また共重合体に含有されていてもよい
他の単量体としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル
のようなビニルエステル、アクリル酸メチル、アクリル
酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸イソブ
チル、アクリル酸nブチル、アクリル酸2−エチルヘキ
シル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸イソブチル、
マレイン酸ジエチルのような不飽和カルボン酸エステ
ル、一酸化炭素などである。
【0023】アイオノマーにおける金属イオンとして
は、リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金
属、亜鉛、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土
類金属であり、とくに亜鉛を用いた場合には、透明性と
耐衝撃性のバランスがよく好ましい。アイオノマーにお
ける中和度は、5〜100%、とくに10〜90%、と
くに30〜70%の範囲が望ましい。アイオノマーとし
てはまた、190℃、2160g荷重におけるメルトフ
ローレートが、0.05〜50g/10分、とくに0.
5〜5g/10分のものを使用するのがよい。
【0024】本発明で用いられるポリアミド(C)とし
ては、例えばナイロン6、ナイロン66、ナイロン61
0、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナ
イロン6・66共重合体、ナイロン6・12共重合体、
ナイロン66・12共重合体、ナイロン6・610共重
合体、ナイロン66・610共重合体、ナイロン6・6
Tなどを例示することができる。これらはフィルム成形
可能な程度の分子量を有していればよい。これらの中で
は、融点が240℃以下、とくに160〜230℃のも
のを用いるのが好ましい。すなわちポリアミドの融点が
高くなりすぎると、成形温度を高くすることが必要とな
り、その結果、組成物の熱劣化を増長する可能性が高ま
るからである。コポリアミドの使用は、融点を低く押さ
える点で有効である。
【0025】本発明においては、エチレン・ビニルアル
コール共重合体(A)、アイオノマー(B)及びポリア
ミド(C)の合計量を100重量部としたときに、エチ
レン・ビニルアルコール共重合体(A)が、50〜85
重量部、好ましくは60〜80重量部、アイオノマー
(B)が、10〜40重量部、好ましくは15〜35重
量部、ポリアミド(C)が1〜25重量部、好ましくは
3〜15重量部である。アイオノマーの使用割合が上記
範囲より少なくなると、柔軟性、耐ピンホール性の改良
効果が小さく、一方その配合量が上記範囲より多くなる
と、ガスバリヤー性の低下が無視できなくなるので好ま
しくない。ポリアミドは、エチレン・ビニルアルコール
共重合体とアイオノマーの相容化剤として働き、透明性
低下を最小に抑えるものであるが、あまり多量に用いる
と組成物の成形性や熱安定性を損なうことになるので、
25重量部以下とされる。
【0026】本発明においては、(A)、(B)、
(C)からなる樹脂成分100重量部に対して、脂肪酸
金属塩0.01〜3重量部、好ましくは0.03〜2重
量部配合することにより、樹脂組成物の熱安定性が顕著
に改良される。
【0027】脂肪酸金属塩としては、炭素数が12〜2
4程度、とくに16〜20程度の脂肪酸の金属塩、例え
ばアルカリ金属、アルカリ土類金属、亜鉛などの塩が好
適に用いられる。より具体的には、パルミチン酸、ステ
アリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸、エルカ酸、ヒドロ
キシステアリン酸などのナトリウム、カリウム、カルシ
ウム、マグネシウム、亜鉛などの塩の1種又は2種以上
が使用される。もっとも好ましいのは安価でしかも添加
効果の高いステアリン酸カルシウムである。
【0028】本発明の組成物には、必要に応じその他の
各種添加剤を配合することができる。このような添加剤
の例としては、フェノール系酸化防止剤、リン系安定
剤、耐候安定剤、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止
剤などを挙げることができる。本発明の組成物にはま
た、性質を損なわない範囲内において、他の重合体を配
合することもできる。
【0029】本発明の組成物は、通常の溶融混練装置に
より各成分を溶融混練することにより容易に得ることが
できる。本発明の組成物の成形品を得るには、各成分を
ドライブレンドし、溶融混練して直接成形することがで
きる。しかしながら混練不足の場合には、透明性、その
他物性が損なわれることがあるので、予め組成物を溶融
混練してペレット状にしておき、これを各種成形に用い
れば安定した性状の成形品を得ることができるので好ま
しい。
【0030】本発明の組成物は、前述した特性を活かし
て各種包装材料に使用することができる。このような包
装材料は、フィルム(未延伸フィルム、シュリンクフィ
ルム、その他)、シート、カップ、トレイ、ボトル、チ
ューブ、缶、紙カートン、バッグインボックスなどの形
で使用することができる。これら成形品は周知の成形方
法、例えば押出成形、射出成形、中空成形、圧空成形な
どの成形方法により、容易に製造することができる。こ
れらの成形温度は、使用原料によっても異なるが、通
常、190〜240℃、とくに200〜230℃の範囲
が好ましい。
【0031】かかる成形品においては、本発明の組成物
のみで構成されていてもよく、また他の各種基材と2層
以上の多層構成になっていてもよい。積層しうる他の基
材としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテンの
ようなポリオレフィン類、エチレン・酢酸ビニル共重合
体、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体、
エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体もしくはそのア
イオノマー、エチレン・(メタ)アクリル酸・(メタ)
アクリル酸エステル共重合体もしくはそのアイオノマ
ー、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル・無水マレ
イン酸共重合体のようなエチレン共重合体類、ポリアミ
ド、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリスチレン、紙、アルミニウム箔、アルミ蒸着フ
ィルムなどを例示することができる。これらの中では、
上記ポリオレフィン類やエチレン共重合体類などのオレ
フィン重合体を少なくとも1層とする基材との積層包装
材料が、とくに有用である。オレフィン重合体の積層に
際し、オレフィン重合体の一部または全部を予め無水マ
レイン酸のような接着性付与モノマーでグラフト変性さ
せておいてもよく、またこのようなグラフト変性オレフ
ィン重合体を接着層に用いて未変性のオレフィン重合体
を積層させてもよい。本発明の樹脂組成物を中間層と
し、オレフィン系樹脂等の耐湿性樹脂を内層及び外層と
してサンドイッチさせた積層体は、この樹脂組成物が吸
湿することによる悪影響(ガスバリアー性の低下)を回
避できるので、特に有望なものである。
【0032】より具体的には、本発明の組成物をC、上
記オレフィン重合体をPO、変性オレフィン重合体を変
性PO、ポリアミドをPA、ポリエチレンテレフタレー
トをPET、ポリスチレンをPS、ポリ塩化ビニルをP
VCとそれぞれ表示するときに、PO/C、PO/変性
PO/C、PO/C/PO、PO/変性PO/C/変性
PO/PO、PET/C/PET、PS/C/PS、P
O/PA/C、PO/C/PA/PO、PO/紙/PO
/C/POのごとき積層構成とすることができる。
【0033】
【実施例】以下に実施例を用いて本発明の効果を説明す
る。尚、本発明に用いた原料は表1の通りである。
【0034】
【表1】
【0035】実施例1〜4、比較例1 東洋精機(株)製ラボプラストミル(100ml容量)
に、エチレン・ビニルアルコール共重合体(EVO
H)、エチレン・メタクリル酸ランダム共重合体のアイ
オノマー(アイオノマー)、ナイロン、ステアリン酸カ
ルシウム、及び、酸化防止剤を表2記載の配合で添加
し、乾燥窒素雰囲気下、ブロック温度240℃、ロータ
ー回転数60rpmで60分間混練し、トルクの経時変
化を調べることにより樹脂組成物の熱安定性を評価し
た。
【0036】
【表2】
【0037】結果を表2に記載した。ステアリン酸カル
シウムを0.1−1.0重量部添加した実施例1−4で
は、ステアリン酸カルシウムを添加しない比較例1に比
べてトルクの上昇が著しく低減されている。これは、ス
テアリン酸カルシウムが樹脂組成物の熱架橋や熱劣化を
抑制する効果を持つものと推定され、樹脂組成物の熱安
定性が改良されている。
【0038】本発明の樹脂組成物における各樹脂成分の
配合比の臨界性を示すため、次の参考例及び参考比較例
を示す。まず、樹脂組成物の調製方法、フィルム加工方
法、フィルム物性評価方法について以下に説明する。
【0039】(1)樹脂組成物調製方法 表3及び表4に記載した各組成樹脂を表5記載の組成比
に従いブレンドした。そのブレンド方法としては、各樹
脂ペレットを常温度下、固体状態のままブレンダー等に
より均一に混ぜ合わせる方法(以下、ドライブレンドと
称する)、または各樹脂を一軸スクリュー混練機を用い
て加熱混練混合しながら押出し、ペレット化する方法
(以下、メルトブレンドと称する)をとった。尚、上記
メルトブレンドの際の樹脂押出条件は下記のとおりであ
る。 押出機口径:40mmφ,樹脂温度:230℃,樹脂押
出量:10kg/hr
【0040】(2)フィルム加工方法 上記(1)の方法によってブレンドした各組成物を押出
機口径30mmまたは50mmのインフレーションフィ
ルム加工法によって作成した。尚、インフレーション加
工は下記の条件で行った。 ・加工機−1 30mm口径押出機,50mm径丸ダイ 加工樹脂温度:230℃,フィルム厚み:50μm, フィルム膨比:2.3, 引取速度:3m/min ・加工機−2 50mm口径押出機,150mm径丸ダ
イ 加工樹脂温度:230℃,フィルム厚み:50μm, フィルム膨比:2.4, 引取速度:6m/min
【0041】(3)フィルム物性評価方法 前記(2)の方法によって作成したフィルムを用いて、
下記諸物性を各々の方法、規格に従い測定した。尚、下
記評価はすべて23℃、50%相対温度雰囲気条件下で
行っており、各測定結果は表5にまとめて記載した。 測定項目 測定方法/規格 光学性 ヘイズ(曇度) JIS K−6714 グロス(光沢) JIS Z−8741 トランス(光透過性) ASTM D−1709 酸素透過度 JIS Z−1707 フィルムインパクト 水平に張った一定面積の円形フィルムの中央 に、先端に取付けた直径0.6インチの反球 を突き当て、フィルムが破壊した時の力を読 みとる。(使用機器:東洋精機(株)フィル ムインパクトテスター) 耐ピンホール性 捻り角度440度、ストローク152.4m mの条件でフィルムを所定回数屈曲した時の ピンホール数を測定する。(使用機器:東洋 精機(株)ゲルボフレックス測定機) 真空深絞り加工性 大森化成(株)真空深絞り試験機を用い、溶 融延伸加工性を評価した。 フィルム加熱時間:2秒、真空絞り時間:3 秒 絞り深さ:60mm,フィルム加熱温度 :140℃ モデュラス JIS K6301 JIS 1号ダンベルでフィルム試料を打ち 抜き、引張速度300mm/minにて2% の伸び率にした時の、フィルム縦/横方向の 応力を測定。(使用機器:島津製作所万能試 験機)
【0042】参考例1、参考比較例8 参考例1では、表3及び表4に示す各種アイオノマー、
EVOH、ポリアミドをそれぞれ重量で21%、70
%、9%の組成比で、(1)の樹脂組成物調製方法に記
載のメルトブレンド法によって調製した組成物を、
(2)のフィルム加工方法(加工機−1条件)に従いフ
ィルムを作成した。そのものの光学性(ヘイズ、グロ
ス、トランス)、酸素透過度、フィルムインパクト、真
空深絞り加工性、モデュラスについて、(3)のフィル
ム物性評価方法に従って測定した。一方、参考比較例8
では、表4に示したEVOH樹脂単身を上記参考例1と
同一の方法で評価した。得られた結果を表5に示す。そ
の結果、参考例1の樹脂組成フィルムは、参考比較例8
のEVOH単身フィルムとほぼ同一の光学特性及び酸素
透過度を示しつつ、フィルムインパクト、真空深絞り加
工性、モデュラス(柔軟性)に於いて大幅な改良効果が
認められた。
【0043】参考例3,5,6、参考比較例1,2 組成アイオノマー種類を表5に示したように変えた他は
すべて上記参考例1と同一の方法によって評価した。参
考例3,5,6では、参考例1と同様の各改良効果がみ
られる一方で、参考比較例1,2では、フィルム光学特
性あるいはフィルムインパクトが悪かった。
【0044】参考例2,4 各樹脂組成物をドライブレンド法によって調製した以外
は、参考例2は参考例1に、参考例4は参考例3に全く
同じである。フィルムインパクト、酸素透過度、真空深
絞り加工性、モデュラスは参考例1と同様な改良効果が
みられるが、光学特性がメルトブレンド法で調製したも
のと比較してやや悪い傾向にある。
【0045】参考例7 各樹脂組成比を表5のとおり変更した他はすべて参考例
1と同一である。
【0046】
【表3】
【0047】
【表4】
【0048】参考比較例3〜5 各樹脂組成比を表5記載の様に変更し、参考例1と同一
の評価を実施した。EVOHに対し、アイオノマー及び
ポリアミド組成量が少な過ぎると、参考比較例3のごと
く溶融延伸性及びフィルムインパクトが低下し、それと
は逆にアイオノマー及びポリアミド組成量割合が多くな
ってくると、参考比較例5のごとくフィルム成形性が低
下と加工不能状態になったり、さらにアイオノマー及び
ポリアミド組成量割合が多くなると、参考比較例4のご
とく酸素透過度が大幅に増加してしまい、好ましくない
結果となった。
【0049】参考比較例6 ポリアミドを組成樹脂から除外し、EVOHとアイオノ
マーの2成分組成物とした。その結果、光学特性及びフ
ィルムインパクトが大幅に低下し、好ましくない結果と
なった。
【0050】参考比較例7 アイオノマーを組成樹脂から除外し、EVOHとポリア
ミドの2者組成物とした。その結果、フィルムインパク
トが低下、真空深絞り加工性が不能、モデュラスがEV
OHよりも増加した。
【0051】参考例8 参考例1と全く同一の樹脂組成物を、押出機口径50m
mのインフレーション加工機を使用し、(2)フィルム
加工方法(加工機−2)に従い、フィルムを作成した。
押出機スケールが大きくなってもフィルム諸物性は参考
例1と同一のレベルを示し、良好なインフレーションフ
ィルム加工性及び物性が認められた。
【0052】参考例9 参考例2と全く同一の樹脂組成物を、参考例8のフィル
ム加工方法と同一の方法で行った。押出機スケールが大
きくなってもフィルム諸物性は参考例2と同一のレベル
を示し、良好なインフレーションフィルム加工性が認め
られた。
【0053】参考比較例9 比較用として、表4記載のEVOH樹脂を参考例8と同
一のフィルム加工方法で作成しフィルム諸物性を評価し
た。
【0054】尚、参考例8,9及び参考比較例9では、
耐ピンホール性の測定を、(3)フィルム物性評価方法
欄記載の方法に従って実施した。その結果、参考比較例
9と比較し、参考例8,9ではピンホール発生屈曲回数
が大幅に増加し、耐ピンホール性の改良効果が確認され
た。
【0055】
【表5】
【0056】
【発明の効果】本発明によれば、エチレン・ビニルアル
コール共重合体に特定のアイオノマーとポリアミドを所
定量配合するとともに、所定量の脂肪酸金属塩を配合す
ることにより、該共重合体の有する優れたガスバリヤー
性、透明性等をそれ程犠牲にしないで、耐衝撃性、柔軟
性、加工性、耐ピンホール性、深絞り性等が改善され、
しかも熱安定性の優れた組成物を提供することができ
る。本発明の組成物は、かかる特性を活かし、押出成
形、射出成形、中空成形、真空成形、圧空成形等の各種
成形方法により、フィルム、シート、容器等に成形する
ことができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン・ビニルアルコール共重合体
    (A)50〜85重量部、不飽和カルボン酸含有量が4
    〜15モル%のエチレン・不飽和カルボン酸共重合体の
    アイオノマー(B)10〜40重量部及びポリアミド
    (C)1〜25重量部とからなる樹脂成分100重量部
    に対し、脂肪酸金属塩を0.01〜3重量部配合したこ
    とを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 エチレン・ビニルアルコール共重合体
    が、ビニルアルコール含有量が40〜85モル%のエチ
    レン・ビニルアルコール共重合体である請求項1記載の
    熱可塑性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 ポリアミドが、融点が240℃以下であ
    るポリアミドまたはコポリアミドである請求項1または
    2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 アイオノマーが、金属種が亜鉛、アルカ
    リ金属またはアルカリ土類金属から選ばれ且つ中和度が
    10乃至90%のアイオノマーである請求項1乃至3の
    何れかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4の何れかに記載の熱可塑
    性樹脂組成物から成る少なくとも1層を有することを特
    徴とする包装材料。
  6. 【請求項6】 少なくとも1層のオレフィン重合体層を
    含む請求項5記載の包装材料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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