JPH0978314A - 着 物 - Google Patents

着 物

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JPH0978314A
JPH0978314A JP25826995A JP25826995A JPH0978314A JP H0978314 A JPH0978314 A JP H0978314A JP 25826995 A JP25826995 A JP 25826995A JP 25826995 A JP25826995 A JP 25826995A JP H0978314 A JPH0978314 A JP H0978314A
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kimono
sleeve
width
shoulder
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JP25826995A
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Akiko Takahashi
昭子 高橋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 身八つ口の開口を閉じても、腕の動きが制約
されることがない着物を提供する。 【解決手段】 着物のヒップ回りの後ろ幅Aを、実寸の
ヒップ回りの寸法をa、ヒップ回りの基本のゆるみをy
としたときに、A=a/4+y/4から求める。この後
ろ幅Aにより定められる脇線17は、体の脇のほぼ中心
を通り、脇線17の延長線上の肩先21も、肩関節に近
付く。従って、身八つ口の開口を閉じても腕の動きが制
約されない着物とすることができ、身八つ口から下着が
見えることがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、着物の特徴をいか
しながら、洋服の特徴を取り入れた着物に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来の普通一般の女物の着物は図11に
示すように構成されている。この図に示すように、身頃
は後ろ身頃1と前身頃2は続けて裁断している。前身頃
2には、前を打ち合せて着用するために、前面には前打
ち合わせ分のおくみが付く。この図に示すように着物の
各幅寸法は、図中に示す後ろ幅寸法A´が基準となって
いる。
【0003】この後ろ幅A´は、裄丈(バックネックポ
イントから手首までの長さ)Uを実寸から求め、裄丈U
から袖幅Sを差し引いて肩幅Kとし、肩幅Kから更に2
及至3cm程度差し引いて求めている。通常この後ろ幅
A´は、28及至31cm程度となり、実寸のヒップ回
りに対しては、かなり幅広の寸法となっている。従っ
て、着物を着た状態で脇線が体の厚みの中心よりも前側
に回り、後ろ身頃が背や尻部を覆うような寸法となって
いる。
【0004】図12に示すように、後ろ中心15から肩
山20に水平に肩幅Kである30及至33cm測り肩先
21とし、この肩先21から袖10を付ける。又、肩先
21から下方に袖つけ12の幅を21及至23cmと
り、更に下方に、身八つ口14の幅を13cm前後とっ
た位置に、後ろ中心線15から後ろ幅A´を28及至3
1cm測る。
【0005】この後ろ幅A´寸法を測った印と肩先21
を結び、袖つけ12と身八つ口14のラインを引く。身
八つ口14は、袖付け12と脇線17の間の腋の下の開
き口である。
【0006】袖の形や袖丈寸法は若い人の着る振り袖か
ら年代の人の着る礼装用の袖、家庭着、仕事着、街着と
しての袖までいろいろあるが、このようにいずれも袖の
振りの袖付け側が開く仕立てである。
【0007】図12には、JIS規格13ARのサイズ
を基にして体のラインを2点鎖線で示し、上記従来の着
物の寸法と体形との関係を表しているが、同図に示すよ
うに従来の着物は、肩先21が肩関節から腕側に下が
り、袖付け12が腕の付け値から離れ、脇線も体側から
大分離れるようになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】第一に、上述のように
従来の着物は後ろ幅A´が広いため、着用時には脇線が
体の厚みの中心よりも前側に廻る。そのため、円筒状に
体の起伏を押さえ気味に着用するには美しく着られる
が、バストやヒップの自然な体形を強調することができ
ない。
【0009】また、繰り返して着用すると尻の部分の布
地に疲労が生じる為に、着丈の短い着物では、後ろ布が
前方に歪み、尻部が落ちて見え美感を損なうという問題
が生じる。
【0010】第二に、肩幅Kを裄丈Uから袖幅Sを差し
引いて求めているため、実際の肩幅より広く、肩先21
が肩関節から離れ腕側に落ち、肩関節を覆い腕の動きを
妨げる。このため、図12に示すように、袖の袖付け1
2寸法を少なくするとともに袖付け下の振り13と身八
つ口14をそれぞれ開口させ、更に袖口11を広くして
いる。これらは腕を上げるときには袖付けが少ないこと
に加えて、広い袖口から袖が腕付け根側に落ちるために
腕を挙げ易く、腕の動きに伴う腕付け根回りの皮膚面の
変化に対しては身八つ口や袖の振りの開口部がマチとし
て働き、腕の動きに伴う袖や脇のつれを防ぐように作用
する。
【0011】しかしながら、これら開口部は腋の下の開
き口であるので下に着る衣類が見え、洋装の下着等が兼
用できず不便なばかりでなく身体の動きの面でも制限さ
れるという問題がある。また、袖口11を広くとるため
に、旅館などでの配膳作業では、袖10がじゃまになる
という問題がある。
【0012】第三に、袖つけの位置が腕の付け根から離
れるために、腕の付け根回りを採寸し、腕の付け根の形
状から袖を作図する洋服のような袖が付けられず、デザ
インの自由度が制限される。
【0013】この発明は上記のような問題点に鑑み、従
来の着物の基本構成を保ちつつ、自然な体の動きや動作
を抑制せず、しかも洋服の下着等で着用できる着物を提
供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】以上の問題点を解決する
ために請求項1の着物は、着物のヒップ回りの後ろ幅A
を、実寸のヒップ回りの寸法をa、ヒップ回りの基本の
ゆるみをyとしたときに、A=a/4+y/4から求め
たことを特徴とする。
【0015】後ろ幅Aは、洋服のタイトスカ−トのヒッ
プラインの寸法の割り出し方を利用して算出したもの
で、実寸のヒップ回りの寸法をaのほぼ1/4であるの
で、脇線が体の脇のほぼ中心を通る。従って、バストや
ヒップの自然な体形を強調することができ、また、着丈
の短い着物を繰り返してきても、後ろ布が前方に歪み、
尻部が落ちて見えることがない。更に、脇線がほぼ体の
脇の中心となるので、その脇線の延長線上の肩先も、肩
関節に近付く。従って、着物によって腕の動きが制約さ
れない。
【0016】基本のゆるみyは、座ったり歩いたりする
基本的な動作に必要最小限のゆるみであり、後ろ幅A
に、基本のゆるみyの1/4を加えることによって、こ
れらの動作においても布地がつれることがない。
【0017】請求項2の着物は、着物のバストラインの
背後ろ幅Bを、実寸の背幅をb、着物特有のゆるみをy
´としたときに、B=b/2+y´で求め、洋服用の身
頃原型図の袖ぐり線をバストライン上の後ろ中心線から
背後ろ幅B離れた基準点p1を通るように平行移動して
着物用の身頃原型図の袖ぐり線とし、該着物用の身頃原
型図の袖ぐり線をもとに身頃に袖を付けたことを特徴と
する。
【0018】基準点p1は、バストライン上で、ほぼ体
の脇の中央位置となるので、この基準点p1を通る着物
用の袖ぐり線をもとに作図した肩先は、肩関節に近付
く。従って、腕の動きが制約されず、袖付け下の振りと
身八つ口に開口を設けたり袖口11を広くすることな
く、自由な腕の上げ下ろしが可能となる。
【0019】又、袖付け位置が腕の付け根に近付くの
で、腕の付け根回りの形状に対応した洋服用の身頃原型
図の袖ぐり線の線図を利用できる。更に洋服用の身頃原
型図の袖ぐり線の線図を利用することで袖に方向性を与
え、袖や胸部にできるたるみを処理する袖や従来の袖に
とらわれない袖をデザインをすることができる。
【0020】実寸の背幅bの1/2に着物特有のゆるみ
y´を加えて背後ろ幅Bとしたので、バストライン上の
背や胸に体と僅かな隙間が生じ、着物を着たときに保温
と涼しさを得ることができる。
【0021】請求項3の着物は、後ろ中心線と平行で、
後ろ中心線より後ろ幅A又は背後ろ幅B隔てた前身頃と
の脇線を、脇線の延長線上にある肩先が肩関節上に近接
するように屈曲させ、身八つ口の開口を閉じたことを特
徴とする。
【0022】後ろ幅Aや背後ろ幅Bを実寸から求めるの
で、脇線を大きく屈曲させずに、脇線の延長線上にある
肩先を腕の付け根の肩関節に近付けることができる。従
って、身八つ口の開口を閉じても、腕の動きが制約され
ることがない。身八つ口を閉じることで身八つ口の開口
を通して下着などが見えることがなく、洋装の下着と兼
用することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の1実施形態を図1
及至図7で説明する。
【0024】図1は本発明に係る着物を作製するための
着物用の身頃原型図の説明図、図2は後ろ身頃の身頃原
型図、図3は前身頃の身頃原型図、図4は身頃に続けて
作図した袖図、図5は前身頃原型図に続けて作図した襟
図、図6は襟おくみと前身頃との関係を示す説明図、図
7は本発明に係る着物の正面図(a)、背面図(b)で
ある。
【0025】本発明においては、着物においても、洋服
用の身頃原型図に相当する着物用の身頃原型図を作図
し、この着物用の身頃原型図をもとに着物を製作するも
のである。
【0026】着物用の身頃原型図の基準になる後ろ幅寸
法Aは、洋服のタイトスカ−トの後ろ幅寸法の割り出し
方を取り入れて算出する。すなわち、ヒップ回りの実寸
をa、ヒップ回りの基本のゆるみをyとしたときに、後
ろ幅寸法AをA=a/4+y/4により求める。
【0027】基本のゆるみyは、座ったり歩いたりする
ときにその動きに制約がないように、ヒップ回りに入れ
る必要最小限の幅であり、一般に、この基本のゆるみy
は、着物の材質や着用目的によって増減するが4cm乃
至6cmである。
【0028】このようにして求めた後ろ幅Aは、従来の
着物の後ろ幅A´と比較して、5乃至8cm程度短くな
り、着物を着たときに後ろ身頃と前身頃との脇縫い線
(以下脇線という)は、ほぼ体の脇の中央を通るように
なる。
【0029】次に、バストライン回りの背後ろ幅Bを算
出する。実寸の背幅b、バストラインに入れる着物特有
のゆるみをy´として、背後ろ幅BをB=b/2+y´
により求める。
【0030】着物のゆるみy´は、背や胸部に適当な隙
間を得る目的で加えるものであり、この隙間によって、
袷の着物では保温の働きをし、夏物の単衣では肌に着か
ず風を通し涼しさをもたらす。
【0031】着物のゆるみy´は、経験的には1、5及
至2cmであるが、バストがヒップに比べて相対的に小
さい人では背幅bの1/2に1、5及至2cmを加えて
も背後ろ幅Bが後ろ幅Aより小さい場合がある。その場
合には背後ろ幅Bを後ろ幅Aに合わせることとするの
で、着物のゆるみy´は、後ろ幅寸法A−b/2であ
る。
【0032】逆に、バストに比較してヒップの小さい人
では背幅bの1/2に着物のゆるみy´を加えると背後
ろ幅Bが後ろ幅Aより大きくなるので、着物のゆるみy
´は、1、5及至2cmである。
【0033】着物のゆるみy´は前身頃にも同じように
入る。
【0034】このようにして、後ろ幅Aと背後ろ幅Bを
決定し、図1及至図3の身頃原型図を作成する。
【0035】この後ろ身頃原型図の作図を図1で説明す
る。
【0036】図1中に、破線で洋服の身頃原型図とスカ
−トの原型図を示した。
【0037】始めに、洋服の身頃原型の背幅線22を、
後ろ中心線15から離れる方向に着物のゆるみy´の幅
分平行移動して、着物用身頃原型図の背幅線23とす
る。同様の作図は、前身頃においても行い、胸幅線を後
ろ中心線15から離れる方向に着物のゆるみy´の幅分
平行移動して、着物用身頃原型図の胸幅線とする。
【0038】これらの着物のゆるみy´は、上述の範囲
内で、着る季節や年令、着る目的、材質等によって適宜
定める。
【0039】次に、背幅線とともに移動した着物用の身
頃原型図の袖ぐり線28とバストライン25との交点を
基準点p1とする。また、着物用の身頃原型図の袖ぐり
線28上のサイドネックポイントp2を通り水平線20
を引く。この水平線が着物の肩山20となり、肩山20
と後ろ中心線15との交点から着丈に後ろ襟のくり下が
り分の3cm前後を加えて測る。
【0040】ウエストライン26に後ろ中心線15から
後ろ幅Aを測り、p3とする。p3から後ろ中心線に平行
に脇線17を引き下ろし、更に、この脇線17と直交
し、肩山20から着丈分の長さをとって後ろ身頃裾線1
8を引く。
【0041】p3からp1を通るように脇線17を屈曲さ
せ、この脇線17の延長線とサイドネックポイントp2
を通る水平な肩山20との交点を結ぶ。この交点は、肩
先21となる。
【0042】本実施の形態では、後ろ幅Aで定まる脇線
17を、バストラインの基準点p1を通るように、ウエ
ストラインの位置で屈曲させているが、脇線17をバス
トラインの背後ろ幅Bをもとに定めてもよく、又、屈曲
位置は、背肩先21の位置を調整するために他の位置例
えば袖つけ下としてもよい。
【0043】このようにしてできた着物の後ろ身頃原型
図が図2である。
【0044】図3は着物の前身頃原型図である。
【0045】洋服の前身頃原型図を基に後ろ身頃と同じ
方法で作図する。前身頃裾線19の幅は、着物の全体の
裾幅をヒップ寸法の1、4及至1、45倍くらいで計算
して、この総裾幅から後ろ幅A寸法を差し引き、残りを
1/2にした寸法である。
【0046】q1は、p3を通って引き下ろした脇線17
の下端から水平に前身頃裾線19の幅を測り、その位置
から垂線をたて、サイドネックポイントp2の水平線
(肩山)20と結んだ交点である。
【0047】q2はサイドネックポイントp2で前身頃を
前中心線に平行に分割した袖ぐり側の一方である。q3
はサイドネックポイントp2で分割して間にプリ−ツ部
を挟んだ他方である。
【0048】サイドネックポイントp2で分割したq3
頂点とする前身頃の襟おくみ切り替え線41で前身頃か
ら襟おくみ部を分割する。
【0049】従って、q1,q3はおくみ部であるので幅
は15cm前後とする。q2とq3の間がプリ−ツ部にな
る。q2とq3の間のプリ−ツ部はq1とq3の幅のとり方
で変化する。プリ−ツ部は着用時には2点鎖線で囲った
斜線部分が折り込まれるようになる。
【0050】次いで、このように作図した着物の身頃原
型図に袖図を作図する。
【0051】図4は、図7(a)(b)の袖の作図を示
すもので、身頃原型の横に真っすぐな肩山20を利用し
て袖付けを行い、着物の発想を残しつつ、洋服用の袖ぐ
り線を平行移動した線図28、29を利用し、洋服の手
法による袖の作図を行うものである。
【0052】すなわち、水平な肩山20をそのまま延長
し、肩山20上の肩先21から1、5cm程内側の位置
を起点とし、脇線17上で身頃原型のそれぞれの着物用
の袖ぐり線28、29より更に6cm下方の位置p4
終点とし、この両者を内側に膨らむ曲線の袖ぐり線33
で結ぶ。袖ぐり線33が着物用の身頃原型図のそれぞれ
の袖ぐり線28、29より更に6cm下方に繰り下げら
れても腕の動きに支障がないようにその起点を肩先21
から内側にずらしているものである。
【0053】この袖ぐり線33を基に袖作図線34を引
くが、図4(a)、(b)を比較して明らかなように、
後ろ袖10aの袖作図線34aの基端側が円弧状である
のに対して前袖10bの袖作図線34bの基端側は緩や
かなS字状の曲線となっている。後ろ袖側の布地の分量
を前袖側に比べて多くすることによって袖の全体を前方
へ傾斜するように取り付けるものである。
【0054】図4の肩先21から上に出ている部分31
は、袖山側に寄せるギャザ−またはタック分で先端側に
もギャザ−またはタックを寄せ袖口にカフス32を付け
る。カフス32は手の平回りから割り出し、手を挙げた
ときカフス32が滑って肘でとまるくらいの寸法であ
る。
【0055】このよううに着物の身頃原型図に当たるも
のを作成する際に基にした洋服用の身頃原型図の袖ぐり
線の線図を利用したため、袖や襟の作図が可能になる。
従って、洋服用の袖を応用した着物の袖や変形した襟を
作図するなどが可能になり、着物の要素とよさを残しな
がらデザインの可能性を広げることができる。
【0056】尚、本実施の形態において水平な肩山20
を延長して袖10を取り付ける場合には、特に身頃原型
図の袖ぐり線33を利用せず、袖のくりはなくても不都
合ではないが、このように袖ぐりをつくることで、袖付
けに不自然なしわをつくらずに、袖10の取り付け方向
(本実施の形態では、前方)を定めることができる。
【0057】図5は身頃原型図に、後ろ側は着物の襟を
残し、前側は前打ち合せを残しながら襟なしのように襟
をくる襟の作図である。出来上がりは図7のようにな
る。
【0058】後ろ襟6の幅は普通一般の着物襟より狭め
てある。後ろ襟の襟付け寸法は後ろ襟ぐりの襟付け寸法
線の2倍である。前襟部はq1から50及至60cm下
げた位置と後ろ襟幅をq2から測ったq4を結んでつく
る。
【0059】2点鎖線で入れた着用時襟移動線38は前
襟をくる場合の見当を付けるための補助線である。着用
時襟移動線のi点はプリ−ツ部のq3をq2に重ねて合わ
せた襟付け根点から作図の襟を首に沿わせた襟線を垂直
に下ろした位置になる。
【0060】前身頃の前打ち合せを補うおくみから図6
のように後ろ襟と前襟を形成し前打ち合せを補うおくみ
としても用をなすようにしたものが襟おくみである。図
6ではプリ−ツ部は前身頃と続けるが、プリ−ツ部をお
くみに入れることもできる。
【0061】図7(a)、(b)はこのようにして仕上
げたJISサイズ13AR(バスト回り88cm、ヒッ
プ回り93cm)の本発明に係わる着物の背面図と前面
図である。
【0062】図に示すように従来の着物が胸やヒップの
起伏を押さえ体を巻き込むように着用することを前提に
仕立てるのに対して、本実施の形態に係わる着物はヒッ
プ回りの実寸を基に割り出すので、自然な体の線を失わ
ないような着物となる。
【0063】従来の普通一般の仕立ての着物の後ろ幅A
´が28及至31cm位であるのに対して、本着物はそ
れより3及至5cm狭まる。また、従来の普通仕立ての
着物より肩幅Kは3、5及至6cm狭まる。この狭まっ
た分が肩先から腕側に落ちる肩幅の減少分となる。
【0064】後ろ幅A´を狭めた分を、前身頃のおくみ
部を含めた幅に入れてある。襟は従来の襟のように襟布
を付けるのではなく、おくみを後ろ襟分も入れて左右続
けて裁ち、おくみから襟を形成する。図7の(a)
(b)は前襟7をくって洋服の襟なしのような雰囲気に
した。
【0065】脇線17は後ろ身頃1、前身頃2とも同じ
に袖付け12下からウエスト26にかけて絞り、更にカ
−ブを付けてヒップライン27につなげている。図のよ
うに袖付け12下には従来の着物のような身八つ口の開
口を設けていない。
【0066】図1のように後ろ幅A寸法をスカ−トのヒ
ップ寸法から割り出したために図7(a)(b)の脇線
17が体側の中央を通る。そのため本着物は洋服のよう
な着方が可能になり着物丈を従来の着物丈に縛られず自
在に選ぶことができる。
【0067】特に、裾にスリット36を入れることによ
って実質的に裾が高い位置に移動して足裁きが楽になり
靴のような履物が使用できる。
【0068】また、ウエストのゆるみから脇線17での
カット分を差し引いた残りを背でダ−ツ35としてい
る。
【0069】身頃の背側にダ−ツ35を入れ体にフイッ
トさせることでウエストの布余り分の調節が少なくなく
なり着やすくなる。また、おはしょりを折り込んで着丈
を調節する着方の場合もおはしょり部分のボリュウム感
が減少するためにベルト等に馴染みやすくなる。さらに
おはしょりが上着の裾のような役目も果たす。
【0070】襟は着物の襟の変形であるが、後ろ襟6は
着物の襟をそのまま残し、前襟7は洋服の襟なしのよう
にくり、着物の雰囲気と一緒に洋服の雰囲気をもってい
る。襟元からウエストにかけてプリ−ツ30が広がる。
【0071】袖10は少しだが袂を残し、肩にタックを
とり袖口11にもカフス32を付けてタックがとってあ
る。袖10はパットを入れても不自然でない位置に付け
てある。袖付け12寸法は袖付け12の縫い目が腋の下
から適当に離れているので洋服の袖でなく、朝鮮半島で
知られるチョゴリでもない着物のイメ−ジが残る。
【0072】図8は、本発明の更に異なる実施の形態に
係る袖を示したものである。脇線17とウエストライン
との交点p3からバストラインと着物用の身頃原型図の
袖ぐり線28との交点p1を通る脇線17の延長線上と
肩山20との交点(肩先21)に袖を付けたものであ
る。
【0073】図のように身頃原型図の袖ぐり線28と脇
線17との交点p1から下方にp4をとり、肩先21から
4までを袖付け部とする。袖ぐり線33は、図のよう
に脇線17と一致し直線であるが、後ろ袖10aは、同
図(a)のように袖付け部を内側に膨らむ曲線として袖
作図線34aを描き、前袖10bは、逆に図(b)のよ
うに外側に膨らむように袖作図線34bを描き袖の方向
性をつくり着やすい袖にしている。
【0074】図9及至図10も更に異なる実施の形態を
示すもので、洋服のスクェア−スリ−ブに類似した袖1
0である。
【0075】図9は着物用身頃原型図の肩線40の肩先
を2、5cm程上げ、肩上にゆるみを入れ修正し、修正
した肩線41を基に袖10を作図している。袖作図線3
4は肩山20を肩線41に置き換えた点を除き、第1の
実施例と同様であるのでその説明を省略する。図10
(a)(b)はこのようにして作図した袖10を取り付
けた着物の正面図と背面図である。
【0076】図10のスクェア−スリ−ブは袖下に三角
形のマチを付けたような形となり腕の動かしやすい袖で
ある。これら実施の形態のように腕の動きを考慮した機
能的でデザイン性のある袖を作図することができる。
【0077】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載するような効果をもたらす。
【0078】請求項1の発明によれば、ヒップ部で脇線
17が体の脇の中心に位置し、脇線を脇の中心を通るよ
うに着用できるため体を巻き込み、体の線を押さえる着
方からヒップやバストの自然な起伏を強調する着方をす
ることができる。更に、後ろ幅Aが狭まることで、繰り
返しの着用で尻部の布地の疲労によってできる布地のた
るみの前側への歪みが少なく押さえられるため、着丈の
短い着物であっても美感を損なうことがない。
【0079】肩幅Kも後ろ幅Aを基に求めるために狭ま
る。従って、肩先21が肩関節の上方に近付き、腕付け
根に袖をに近付けて付けることができる。その結果、身
八つ口の開きや袖の振りの開きをなくし、袖口を広くと
らなくても、腕の動きが妨げられないため、袖の振りや
振りの開き、さらには袂をなくし、身八つ口を閉じ、袖
口を狭めて袖の振りや袂、広い袖口のじゃまにならない
袖を作ることができる。
【0080】請求項2の発明によれば、基準点p1は、
実寸の背幅をbをもとに求めた位置であるので、基準点
1通る着物用の身頃原型図の袖ぐり線は、着る者の肩
関節に近付いた位置での作図線となる。従って、着物用
の身頃原型図の袖ぐり線をもとに袖付け線を作図する
と、腕の動きが制約されない袖を付けることができる。
この為、従来の着物のように袖付け下の振りと身八つ口
に開口を設けたり、袖口11を広くする必要がないの
で、下着が見えることがなく、又、旅館での配膳作業等
において、袖口がじゃまにならない機能的な着物とする
ことができる。
【0081】又、洋服用の身頃原型図の袖ぐり線の線図
を利用して、身頃に袖を付けるので、腕回りの形状に対
応した洋服用の身頃原型図の袖ぐり線を利用できるため
従来の袖にとらわれない機能的でデザイン性の高い袖を
付けることができる。
【0082】袖付けが実際の肩や腕の付け根に近付くた
め肩パットを付けることもできる。袖下の脇線17を肩
パットで引き上げ、脇をすっきりさせ、洋服の着こなし
で着ることができる。
【0083】請求項3の発明は、身八つ口に開きを作ら
ないので、腕の上げ下げなどで腋の下を気にしない動作
ができる。
【0084】また、身八つ口の開口を通して、下に着る
衣類が見えないために着物の下に着るものとしていた襦
袢類を着る必要がなくなる。従って、上に着る衣類を保
護し、汗をとり保温を目的とするものならどのようなも
のでも着用でき、洋服の下着と兼用できる。
【0085】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る着物を製作するための着物用の身
頃原型の説明図である。
【図2】後ろ身頃の身頃原型図である。
【図3】前身頃の身頃原型図である。
【図4】身頃原型図に続けて作図した袖図であり、
(a)は後ろ身頃の袖図、(b)は前身頃の袖図であ
る。
【図5】前身頃原型図に続けて作図した襟図である。
【図6】襟おくみと前身頃との関係を示す説明図であ
る。
【図7】本発明に係わる着物を示し、(a)は正面図、
(b)は背面図である。
【図8】本発明の他の実施例の形態に係わる着物の袖を
身頃原型図に続けて作図した袖図であり、(a)は後ろ
身頃の袖図、(b)は前身頃の袖図である。
【図9】更に他の実施の形態に係わる袖を身頃原型に続
けて作図した袖図であり、(a)は後身頃の袖図、
(b)は前身頃の袖図である。
【図10】図9で作図の袖を身頃に付けた状態を示す部
分図であり、(a)は右後ろ身頃と袖の、(b)は左前
身頃と袖の部分図である。
【図11】従来の着物の構成を示す説明図である。
【図12】従来の着物の寸法と体形との関係を表した着
物の部分背面図である。
【符号の説明】
1 後ろ身頃 2 前身頃 3 従来の着物のおくみ 4 従来の着物の襟 5 襟・おくみ部 6 後ろ襟部 7 前襟部 8 後ろ襟ぐり線 9 後ろ襟付け寸法線 10 袖 11 袖口 12 従来の着物の袖付け 13 袖の振りの開き部 14 身八つ口 15 後ろ中心線 16 前中心線 17 脇線 18 後ろ身頃裾線 19 前身頃裾線 20 肩山 21 肩先 22 洋服の身頃原型図の背幅線 23 着物の身頃原型用に修正した背幅線 24 着物の身頃原型用に修正した胸幅線 25 バストライン 26 ウエストライン 27 ヒップライン 28 着物の身頃原型用に修正した後ろ身頃袖ぐり線 29 着物の身頃原型用に修正した前身頃袖ぐり線 30 前身頃プリ−ツ部 31 袖ギャザ−分 32 カフス 33 袖ぐり作図線 34 袖作図線 35 ダ−ツ 36 スリット 37 襟作図線 38 襟着用時移動線 39 後ろ襟付け線 40 肩線 41 修正した肩線 A 本発明に係わる着物の後ろ幅 A´ 従来の着物の後ろ幅 U 裄丈 S 袖幅 K 肩幅 B 背後ろ幅 p1 袖ぐり線とバストラインとの交点 p2 サイドネックポイント p3 後ろ幅寸法Aをウエストラインに入れたウエスト
ラインと脇線との接点 p4 袖ぐり作図線と脇線との接点 q1 前身頃の裾幅線から前中心線に平行に引き上げた
前身頃の前線とネックポイントの水平線との交点 q2 前身頃をネックポイントp2で分割して袖ぐり側
に残した一方の点 q3 前身頃をネックポイントで分割して間にプリ−ツ
部を挟んだ前側の一方の点 q4 点q3 から襟おくみ部に後ろ襟幅寸法を測った位

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 着物のヒップ回りの後ろ幅Aを、実寸の
    ヒップ回りの寸法をa、ヒップ回りの基本のゆるみをy
    としたときに、A=a/4+y/4から求めたことを特
    徴とする着物。
  2. 【請求項2】 着物のバストラインの背後ろ幅Bを、実
    寸の背幅をb、着物特有のゆるみをy´としたときに、
    B=b/2+y´で求め、 洋服用の身頃原型図の袖ぐり線をバストライン上の後ろ
    中心線から背後ろ幅B離れた基準点p1を通るように平
    行移動して着物用の身頃原型図の袖ぐり線とし、該着物
    用の身頃原型図の袖ぐり線をもとに身頃に袖を付けたこ
    とを特徴とする着物。
  3. 【請求項3】 後ろ中心線と平行で、後ろ中心線より後
    ろ幅A又は背後ろ幅B隔てた前身頃との脇線を、脇線の
    延長線上にある肩先が肩関節上に近接するように屈曲さ
    せ、身八つ口の開口を閉じたことを特徴とする請求項1
    又は2記載の着物。
JP25826995A 1995-09-12 1995-09-12 着 物 Pending JPH0978314A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007231479A (ja) * 2006-03-02 2007-09-13 Hideko Ito 羽織の再生方法
CN109259370A (zh) * 2018-11-09 2019-01-25 潍坊尚德服饰有限公司 用于学生制服的旋转袖窿配袖法及旋转袖窿配袖衣身结构

Cited By (3)

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CN109259370B (zh) * 2018-11-09 2024-02-20 潍坊尚德服饰有限公司 用于学生制服的旋转袖窿配袖法及旋转袖窿配袖衣身结构

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