JPH0979129A - アクチュエータ素子 - Google Patents

アクチュエータ素子

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JPH0979129A
JPH0979129A JP25933595A JP25933595A JPH0979129A JP H0979129 A JPH0979129 A JP H0979129A JP 25933595 A JP25933595 A JP 25933595A JP 25933595 A JP25933595 A JP 25933595A JP H0979129 A JPH0979129 A JP H0979129A
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JP
Japan
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exchange resin
actuator element
cation exchange
resin layer
ion
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Application number
JP25933595A
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English (en)
Inventor
Yoshihiko Abe
吉彦 阿部
Haruhisa Miyake
晴久 三宅
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Terumo Corp
AGC Inc
Original Assignee
Terumo Corp
Asahi Glass Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】同じ電位差を与え続けたとき、湾曲変形した状
態を保持することができるアクチュエータ素子を提供す
る。 【解決手段】−COOM基(ただし、Mは、金属または
アンモニウムイオン)を有する含水状態の陽イオン交換
樹脂層2と、この層2を介して対向配置された一対の電
極体3、4とで構成される。電極体3、4間に電位差を
与えると、アクチュエータ素子1Aは、陽極方向に突出
するように湾曲変形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アクチュエータ素
子に関し、特に、含水状態のイオン交換樹脂に電位差を
与えることにより湾曲変形するアクチュエータ素子に関
する。
【0002】
【従来の技術】スルホン基を有する膜状の陽イオン交換
樹脂(デュポン社製:ナフィオン(登録商標)117)
の両面に白金電極を形成した構成のアクチュエータ素子
が知られている(文献:精密制御用ニューアクチュエー
タ便覧,日本工業技術振興協会固体アクチュエータ研究
会編,フジ・テクノシステム、第19節;高分子電解質
膜アクチュエータ,215〜219頁)。
【0003】このアクチュエータ素子は、陽イオン交換
樹脂を含水状態とした上で、両白金電極に電位差を与え
ると、瞬時に湾曲または屈曲変形し、アクチュエータ素
子の先端(自由端)側が陽極方向に移動するように作動
する。
【0004】しかしながら、このアクチュエータ素子で
は、同文献に記載されているように、同じ電位差をかけ
続けても、瞬時に湾曲変形が最大値に達した後、ごく短
時間、例えば1秒以内にその湾曲変形が減衰し、元の直
線状態に戻るという現象が起こる。従って、アクチュエ
ータ素子の変形の度合を電位差のみによって自由にコン
トロールすることができないという問題がある。
【0005】また、前記アクチュエータ素子における陽
イオン交換樹脂中のスルホン酸基の対イオンは、水素イ
オン(H+ )であるが、このようなアクチュエータ素子
を例えば食塩水中で使用すると、水素イオンがナトリウ
ムイオンにイオン交換されてしまう。このように、従来
のアクチュエータ素子では、使用環境に応じて陽イオン
交換樹脂中の対イオン(可動イオン)が変化し、変形特
性が不安定であるという問題もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、電位
差を与え続けたときに、変形状態を維持することができ
る特性を有するアクチュエータ素子を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(5)の本発明により達成される。
【0008】(1) 含水状態の陽イオン交換樹脂と、
該陽イオン交換樹脂を介して配置された複数の電極体と
からなり、前記電極体間に電位差を与えている間、変形
状態を保持するよう作動することを特徴とするアクチュ
エータ素子。
【0009】(2) −COOM基(ただし、Mは、金
属またはアンモニウムイオン)を有する含水状態の陽イ
オン交換樹脂と、該陽イオン交換樹脂を介して配置され
た複数の電極体とからなることを特徴とするアクチュエ
ータ素子。
【0010】(3) 前記金属イオンは、アルカリ金属
またはアルカリ土類金属の金属イオンである上記(2)
に記載のアクチュエータ素子。
【0011】(4) 前記陽イオン交換樹脂は、下記化
2で示す一般式I(ただし、mは、0または1、nは、
1〜5の整数、Mは、金属またはアンモニウムイオン)
で表される繰り返し単位を含む含フッ素共重合体からな
るフッ素系陽イオン交換樹脂である上記(1)ないし
(3)のいずれかに記載のアクチュエータ素子。
【0012】
【化2】
【0013】(5) 表面が水不透過性材料で被覆され
ている上記(1)ないし(4)のいずれかに記載のアク
チュエータ素子。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明のアクチュエータ素
子を図示の好適実施例に基づいて詳細に説明する。
【0015】図1は、本発明のアクチュエータ素子の構
成例を示す斜視図、図2は、図1中のII−II線での断面
図である。これらの図に示すように、本発明のアクチュ
エータ素子1Aは、陽イオン交換樹脂層2と、この陽イ
オン交換樹脂層2を介して対向するように配置された一
対(一組)の電極体3、4とで構成されている。
【0016】陽イオン交換樹脂層2は、−COOM基
(Mは、金属またはアンモニウムイオン)を有する陽イ
オン交換樹脂で構成されている。この場合、使用し得る
−COOM基を有する陽イオン交換樹脂としては、アク
チュエータ素子の変形性能が優れるという点から、フッ
素系陽イオン交換樹脂を用いるのが好ましい。
【0017】このような−COOM基を有する陽イオン
交換樹脂層2は、含水状態とされ、これにより、電位差
を与えることによるアクチュエータ素子1Aの変形が得
られる。ここで、「含水状態」とは、陽イオン交換樹脂
が少しでも水を含んだ状態であることを意味する。すな
わち、陽イオン交換樹脂層2が予め水分を含んでいる場
合の他、陽イオン交換樹脂層2を水性雰囲気下、例えば
水中や高湿度の大気中においた場合も含水状態となる。
【0018】電極体間に電位差を与えている間、変形状
態を保持するとは、電位差を与えた時、陽極方向に変形
してそれが最大値に達した後、少なくとも5秒間以上最
大値の90%の変形を保持し続けることを言う。
【0019】陽イオン交換樹脂層の有する−COOM基
のM+ 、すなわち陽イオン(可動イオン)は、金属また
はアンモニウムイオンであるのが好ましい。特にアルカ
リ金属(Li、K、Rb、Cs)またはアルカリ土類金
属(Be、Mg、Ca、Sr、Ba)の金属イオンであ
るのが好ましい。
【0020】これらのうちでも、アクチュエータ素子1
Aに電位差を与え続けたときの変形状態の保持性(以下
「形状保持性」という)が特に優れている点で、金属イ
オンは、カリウムイオン、ルビジウムイオン、セシウム
イオン、カルシウムイオン、ストロンチウムイオン、バ
リウムイオンのうちの少なくとも1種が好ましい。
【0021】陽イオン交換樹脂としては、上記のよう
に、アクチュエータ素子の変形性能が優れるという点か
ら、フッ素系陽イオン交換樹脂、なかでも、下記化3で
示す一般式I(ただし、mは、0または1、nは、1〜
5の整数、Mは、金属またはアンモニウムイオン)で表
される繰り返し単位を含む含フッ素共重合体からなるも
のが好ましい。
【0022】
【化3】
【0023】上記含フッ素共重合体は、テトラフルオロ
エチレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニルなどのフッ
素化オレフィンと、下記化4で示す一般式II(ただし、
m、n、Mは上記一般式Iと同じ)を有するパーフルオ
ロビニルエーテルとの共重合体が好ましい。この共重合
体には、更に必要により、エチレン、プロピレン、パー
フルオロアセトンなどの第3成分を共重合させたもので
もよい。
【0024】
【化4】
【0025】陽イオン交換樹脂層2におけるカルボキシ
ル基の当量重量数(EW値)は、特に限定されないが、
EW値が450〜1700程度であるのが好ましく、5
50〜1100程度であるのがより好ましい。このよう
な範囲において、特に優れた形状保持性が得られる。陽
イオン交換樹脂層2の厚さは、特に限定されないが、1
0〜1000μm 程度とするのが好ましく、30〜30
0μm 程度とするのがより好ましい。
【0026】電極体3、4としては、導電性および耐食
性を有する物質が好適に使用され、特に、その存在位置
や変形状態をX線透視下で確認できるように、X線不透
過性(X線造影性)を有する物質が好ましい。このよう
な物質としては、例えば、白金、金、ルテニウム、イリ
ジウム、パラジウム等の貴金属、ポリアニリン、ポリチ
オフェン、ポリピロール等の導電性高分子材料、黒鉛等
の炭素材料が挙げられるが、そのなかでも貴金属が好ま
しく、特に白金が好ましい。
【0027】電極体3、4と陽イオン交換樹脂層2との
接合方法としては、例えば、化学めっき法(無電解めっ
き法)、電気めっき法等の各種めっき法や、イオン蒸着
薄膜形成法、スパッタリング法、真空蒸着法、イオン注
入法、塗布法、圧着法、溶接法等の各種方法が挙げられ
るが、湿式条件下でめっきが可能であり、イオン交換樹
脂層2との密着度が高い電極体3、4が接合可能な化学
めっき法(無電解めっき法)が好ましく、吸着還元成長
法である化学めっき法(文献:ソーダと塩素・1986
年8号,15〜29頁)が特に好ましい。
【0028】なお、化学めっき法による電極体3、4の
形成の容易性および電極体3、4の陽イオン交換樹脂層
2に対する密着性を向上するために、陽イオン交換樹脂
層2の電極体3、4との接合表面は、粗面化されている
のが好ましい。粗面化の方法としては、例えば、サンド
ブラスト処理、耐水研磨紙による研磨、低温プラズマ処
理等が挙げられる。
【0029】粗面化された陽イオン交換樹脂層2の表面
に対しては、塩酸等の強酸液に浸漬する等により、粗面
化工程で生じた金属粉末を溶解除去し、洗浄するのが好
ましい(このとき、陽イオン交換樹脂のカルボキシル基
の対イオンはH+ イオンである)。
【0030】次に、化学めっき法の一例である吸着還元
成長法を用いて陽イオン交換樹脂層2の表面に電極体を
設ける方法の一例について説明する。陽イオン交換樹脂
層2を例えば水酸化リチウム水溶液中に浸漬、洗浄する
ことにより、陽イオン交換樹脂層2中の対イオンをリチ
ウムイオンにし、次いで、例えば塩化ヘキサアンミン白
金塩水溶液中に浸漬し、リチウムイオンの一部を4価ヘ
キサアンミン白金錯イオン([Pt(NH364+
に交換吸着する。
【0031】洗浄後、例えば水素化ホウ素ナトリウム水
溶液中に浸漬することにより、陽イオン交換樹脂層2中
に吸着されていた([Pt(NH364+)が還元さ
れ、陽イオン交換樹脂層2の表面が黒色になり白金核が
析出する。再び陽イオン交換樹脂層2を、塩化ヘキサア
ンミン白金塩水溶液中に浸漬し、pH調製剤および還元
剤を添加することにより、還元過程で析出した白金核の
自己触媒作用により、陽イオン交換樹脂層2の表面に白
金層を成長、形成させる。
【0032】このアクチュエータ素子1Aを例えば水酸
化カリウム水溶液中に浸漬した後、中性になるまで洗浄
することにより、陽イオン交換樹脂層2中のカルボキシ
ル基の対イオンを例えばカリウムイオンに置換すること
ができる。
【0033】以上のように、化学めっき(無電解めっ
き)法、例えば吸着還元成長法により、カルボキシル基
を有する陽イオン交換樹脂層2と、その表面に形成され
た電極体3、4からなるアクチュエータ素子1Aを製造
することができる。
【0034】電極体3、4には、以下に述べるような電
力供給手段11により電力が供給され、電位差が与えら
れる。電極体3、4には、それぞれ、リード線(導電
体)14、15が接続されている。この場合、電極体
3、4と電源16からのリード線(導電体)14、15
とが、レーザー溶接法、超音波溶接法、高周波溶接法等
により固定されているか、導電性接着剤等の導電性材料
12、13を介して接着固定またはろう接法により固定
されているのが好ましい。これにより、アクチュエータ
素子1Aに、より再現性ある安定した変形性能を発現さ
せることができる。なお、電源16は、直流電源、交流
電源のいずれでもよい。
【0035】以上のようなアクチュエータ素子1Aは、
両電極体3、4間にリード線を介して電位差(水の電気
分解が生じない程度の低電圧であり、例えば1.5V以
下)を与えると、電極体3、4のうちの陽極側に突出す
るように湾曲変形する。そして、前述した陽イオン交換
樹脂層2の構成から、前記電位差を与え続けている間、
アクチュエータ素子1Aの変形状態は保持される。ま
た、電極体3、4への電位差を0にすると、アクチュエ
ータ素子1Aは、即座に元の形状に戻る。
【0036】図3は、本発明のアクチュエータ素子の他
の構成例を示す横断面図である。同図に示すアクチュエ
ータ素子1Bは、横断面が四角形の陽イオン交換樹脂5
と、この陽イオン交換樹脂5の対向する面にそれぞれ接
合された二組の電極体6a、6bおよび電極体7a、7
bとで構成されている。陽イオン交換樹脂5および電極
体6a、6b、7a、7bは、それぞれ、前記と同様の
材料で構成されている。
【0037】このアクチュエータ素子1Bでは、図3中
の上下方向と左右方向の2方向に湾曲変形させることが
できる。すなわち、電極体6a、6bのうちの陽極側、
電極体7a、7bのうちの陽極側にそれぞれ突出するよ
うに湾曲変形する。なお、イオン交換樹脂層を介して配
置される電極体は、三組以上であってもよい。
【0038】図4は、本発明のアクチュエータ素子の他
の構成例を示す横断面図である。同図に示すアクチュエ
ータ素子1Cは、横断面が円形の陽イオン交換樹脂8
と、この陽イオン交換樹脂8の表面に中心角120°間
隔で接合された3つの電極体9a、9b、9cとで構成
されている。陽イオン交換樹脂8および電極体9a、9
b、9cは、それぞれ、前記と同様の材料で構成されて
いる。
【0039】このアクチュエータ素子1Cでは、例え
ば、電極体9a、9b、9cのそれぞれに三相交流を印
加することにより、アクチュエータ素子1Cの先端部を
旋回させることができる。
【0040】図5は、本発明のアクチュエータ素子の他
の構成例を示す縦断面図である。同図に示すアクチュエ
ータ素子1Dは、図1に示すアクチュエータ素子1Aと
同様のアクチュエータ素子の表面に、水不透過性材料よ
りなる被覆層10が形成されたものである。
【0041】このような被覆層10を設けることによ
り、陽イオン交換樹脂層2におけるイオン交換が阻止さ
れ、アクチュエータ素子1Dの使用環境にかかわらず、
陽イオン交換樹脂層2中の陽イオンを安定的に維持する
ことができる。このようなことから、アクチュエータ素
子1Dの変形特性や、形状保持性が一定に保たれる。な
お、このような被覆層10は、前記アクチュエータ素子
1B、1Cの表面に形成することもできる。
【0042】被覆層10を構成する水不透過性材料とし
ては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリ
オレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリアミ
ド、ポリエーテルアミド、ポリウレタン、フッ素樹脂、
シリコーンゴム等が挙げられる。被覆層10の厚さは、
特に限定されないが、0.1〜100μm 程度とするの
が好ましく、1〜10μm 程度とするのがより好まし
い。
【0043】
【実施例】以下、本発明を具体的実施例に基づきさらに
詳細に説明する。
【0044】(実施例1)カルボキシル基を有する膜状
のフッ素系陽イオン交換樹脂(旭硝子社製、フレミオン
C−800(登録商標)、EW値=800、湿潤時膜厚
100μm )の両表面を、サンドブラスターとしてサハ
ラ(積水化学工業社製)、サンドとして平均粒径約20
0μm のガラスパウダーGP105A(東芝バロティー
ニ社製)を用いて、噴射圧2kg/cm2 、噴射距離10cm
の条件でブラスト処理を行い、粗面化した。
【0045】次に、超音波洗浄により、陽イオン交換樹
脂中に付着したガラスビーズを取り除き、1Nの塩酸に
浸漬し、サンドブラスター内壁より発生した金属粉末を
除去し、純水で洗浄した。
【0046】得られた陽イオン交換樹脂を1Nの水酸化
リチウム水溶液に室温で15時間浸漬した後、純水で中
性になるまで十分に洗浄することにより、陽イオン交換
樹脂の有するカルボキシル基の対イオン(以下、陽イオ
ンという場合がある)をリチウムイオンにした。
【0047】さらにこの陽イオン交換樹脂を無電解めっ
き用の塩化ヘキサアンミン白金塩水溶液(石福金属興業
社製、Pt:2mg/ml)に70℃で15時間浸漬し、リ
チウムイオンの一部を4価ヘキサアンミン白金錯イオン
([Pt(NH364+)に交換吸着した。
【0048】この陽イオン交換樹脂膜を純水で十分に洗
浄した後、40〜60℃の水素化ホウ素ナトリウム水溶
液中に浸漬させることにより、陽イオン交換樹脂中に吸
着されていた4価ヘキサアンミン白金錯イオン([Pt
(NH364+)が還元され、陽イオン交換樹脂の両
表面が黒色になり白金核の析出が確認された。
【0049】続いてこの陽イオン交換樹脂を、40〜6
0℃で前記と同様の塩化ヘキサアンミン白金塩水溶液中
に浸漬し、pH調製剤として塩化ヒドロキシルアンモニ
ウム水溶液、還元剤としてヒドラジン水溶液をそれぞれ
添加することにより、還元過程で析出した白金核の自己
触媒作用により、樹脂表面に約3mg/cm2 の白金層を成
長形成させた。
【0050】以上の吸着還元成長法である化学めっき
(無電解めっき)法により、カルボキシル基を有する陽
イオン交換樹脂層2と、その陽イオン交換樹脂層を介し
て対向配置された電極体3、4とからなるアクチュエー
タ素子1Aを製造した。
【0051】このアクチュエータ素子1Aを1Nの水酸
化カリウム水溶液に室温で15時間浸漬した後、純水で
中性になるまで十分に洗浄することにより、陽イオン交
換樹脂層2中の陽イオンをカリウムイオンに交換した。
【0052】<実験>下記の変位測定法に従い、アクチ
ュエータ素子の両電極間に方形波電圧1Vを印加する
と、陽極方向に約1.6mm変形して、その場において変
形状態を保持した。また、24時間、1Vを印加し続け
ても、変形状態を保持していた。印加電圧を0Vにする
と、元の位置に戻った。同操作を数回〜数十回繰り返し
ても、同様の変形状態を保持しており、形状保持性の再
現性も確認された。
【0053】(アクチュエータ素子の変位測定法)幅1
mm、長さ15mmの短冊形状のアクチュエータ素子の片端
3mmを給電体である白金ブロックで挟み、37℃の純水
中に吊り下げて保持し、ポテンシオスタット2000
(東方技研社製)とファンクション・ジェネレータ(任
意関数発生装置)FG−02(東方技研社製)とを用
い、方形波電圧を印加してアクチュエータ素子を湾曲変
形させ、アクチュエータ素子の固定端から10mmの位置
の陽極方向への変位をレーザー反射式変位計LC210
0(キーエンス社製)で測定し、印加電圧、電流と変位
とをデジタルオシロスコープDL2240(横河電機社
製)で同時にモニターした。
【0054】(実施例2)実施例1におけるアクチュエ
ータ素子を1Nの水酸化カリウム水溶液中に浸漬して、
陽イオン交換樹脂層中の陽イオンをカリウムイオンにす
る操作を、0.5Nの水酸化ルビジウム水溶液中に浸漬
して、陽イオン交換樹脂層中の陽イオンをルビジウムイ
オンにする操作に変更した以外は、実施例1と同様にし
てアクチュエータ素子を製造した。
【0055】<実験>前記変位測定法に従い、アクチュ
エータ素子の両電極間に方形波電圧1Vを印加すると、
陽極方向に約1.8mm変形して、その場において変形状
態を保持した。また、24時間、1Vを印加し続けて
も、変形状態を保持していた。印加電圧を0Vにする
と、元の位置に戻った。同操作を数回〜数十回繰り返し
ても、同様の変形状態を保持しており、形状保持性の再
現性も確認された。
【0056】(実施例3)実施例1におけるアクチュエ
ータ素子を1Nの水酸化カリウム水溶液中に浸漬して、
陽イオン交換樹脂層中の陽イオンをカリウムイオンにす
る操作を、0.5Nの水酸化セシウム水溶液中に浸漬し
て、陽イオン交換樹脂層中の陽イオンをセシウムイオン
にする操作に変更した以外は、実施例1と同様にしてア
クチュエータ素子を製造した。
【0057】<実験>前記変位測定法に従い、アクチュ
エータ素子の両電極間に方形波電圧1Vを印加すると、
陽極方向に約2.0mm変形して、その場において変形状
態を保持した。また、24時間、1Vを印加し続けて
も、変形状態を保持していた。印加電圧を0Vにする
と、元の位置に戻った。同操作を数回〜数十回繰り返し
ても、同様の変形状態を保持しており、形状保持性の再
現性も確認された。
【0058】(実施例4)実施例1におけるアクチュエ
ータ素子を1Nの水酸化カリウム水溶液中に浸漬して、
陽イオン交換樹脂層中の陽イオンをカリウムイオンにす
る操作を、飽和炭酸水素カルシウム水溶液中に浸漬し
て、陽イオン交換樹脂層中の陽イオンをカルシウムイオ
ンにする操作に変更した以外は、実施例1と同様にして
アクチュエータ素子を製造した。
【0059】<実験>前記変位測定法に従い、アクチュ
エータ素子の両電極間に方形波電圧1Vを印加すると、
陽極方向に約0.9mm変形して、その場において変形状
態を保持した。また、24時間、1Vを印加し続けて
も、変形状態を保持していた。印加電圧を0Vにする
と、元の位置に戻った。同操作を数回〜数十回繰り返し
ても、同様の変形状態を保持しており、形状保持性の再
現性も確認された。
【0060】(実施例5)実施例1におけるアクチュエ
ータ素子を1Nの水酸化カリウム水溶液中に浸漬して、
陽イオン交換樹脂層中の陽イオンをカリウムイオンにす
る操作を、飽和水酸化バリウム水溶液中に浸漬して、陽
イオン交換樹脂層中の陽イオンをバリウムイオンにする
操作に変更した以外は、実施例1と同様にしてアクチュ
エータ素子を製造した。
【0061】<実験>前記変位測定法に従い、アクチュ
エータ素子の両電極間に方形波電圧1Vを印加すると、
陽極方向に約0.7mm変形して、その場において変形状
態を保持した。また、24時間、1Vを印加し続けて
も、変形状態を保持していた。印加電圧を0Vにする
と、元の位置に戻った。同操作を数回〜数十回繰り返し
ても、同様の変形状態を保持しており、形状保持性の再
現性も確認された。
【0062】(実施例6)実施例1におけるアクチュエ
ータ素子を1Nの水酸化カリウム水溶液中に浸漬して、
陽イオン交換樹脂層中の陽イオンをカリウムイオンにす
る操作を、飽和アンモニア水(28%アンモニア水)中
に浸漬して、陽イオン交換樹脂層中の陽イオンをアンモ
ニアイオンにする操作に変更した以外は、実施例1と同
様にしてアクチュエータ素子を製造した。
【0063】<実験>前記変位測定法に従い、アクチュ
エータ素子の両電極間に方形波電圧1Vを印加すると、
陽極方向に約1.3mm変形して、その場において変形状
態を保持した。また、24時間、1Vを印加し続けて
も、変形状態を保持していた。印加電圧を0Vにする
と、元の位置に戻った。同操作を数回〜数十回繰り返し
ても、同様の変形状態を保持しており、形状保持性の再
現性も確認された。
【0064】(実施例7)実施例1で製造されたアクチ
ュエータ素子の表面を、水不透過性の接着性シリコーン
TSE382−C(東芝シリコーン社製)の薄膜(膜厚
10μm )で被覆し、図5に示すアクチュエータ素子1
Dを製造した。なお、陽イオン交換樹脂層は、予め純水
で含水状態に保持しておいた。
【0065】<実験1>前記と同様の変位測定法(ただ
し飽和食塩水中で測定)に従い、アクチュエータ素子の
両電極間に方形波電圧1Vを印加すると、陽極方向に約
1.1mm変形して、その場において変形状態を保持し
た。また、24時間、1Vを印加し続けても、変形状態
を保持していた。印加電圧を0Vにすると、元の位置に
戻った。同操作を数回〜数十回繰り返しても、同様の変
形状態を保持しており、形状保持性の再現性も確認され
た。
【0066】<実験2>前記実験1に供されたアクチュ
エータ素子の陽イオン交換樹脂層中の陽イオンを定量す
るため、アクチュエータ素子を純水中で洗浄し、60℃
で15時間真空乾燥し、白金るつぼを用いて灰化した。
次いで、るつぼに6Nの塩酸を加え、灰分を溶解させ、
放冷後、塩酸で定溶した。これを、ICP発光分光分析
装置SPS1200VR(セイコー電子工業社製)を用
い、アクチュエータ素子の陽イオン交換樹脂層中のカリ
ウムを定量したところ、陽イオン交換樹脂層中の陽イオ
ンがカリウムイオンのまま変化していないことが確認さ
れた。
【0067】(実施例8〜12)実施例2〜6で製造さ
れた各アクチュエータ素子の表面に実施例7と同様の被
覆層を形成して、図5に示すアクチュエータ素子1Dを
製造した。これらのアクチュエータ素子に対し、前記実
験1および実験2を行ったところ、いずれも、前記実施
例7と同様の結果が得られた。
【0068】(比較例1)陽イオン交換樹脂層として、
膜状のスルホン基を有するフッ素系陽イオン交換樹脂
(デュポン社製、ナフィオン117(登録商標)、EW
値=1100、湿潤時膜厚200μm )を用い、さら
に、アクチュエータ素子を1Nの水酸化カリウム水溶液
中に浸漬して、陽イオン交換樹脂層中の陽イオンをカリ
ウムイオンにする操作を、1Nの塩酸中に浸漬して、陽
イオン交換樹脂層中の陽イオンを水素イオンにする操作
に変更した以外は、実施例1と同様にしてアクチュエー
タ素子を製造した。
【0069】<実験>前記変位測定法に従い、アクチュ
エータ素子の両電極間に方形波電圧1Vを印加すると、
陽極方向に瞬時に約0.1mm変形したが、1秒以内に、
変形が減衰して元の位置(形状)に戻った。同操作を数
回繰り返したが、同様の陽極方向に瞬時に変形した後に
変形が減衰して元の位置に戻る現象が生じた。
【0070】(比較例2)アクチュエータ素子を1Nの
塩酸中に浸漬して、陽イオン交換樹脂層中の陽イオンを
水素イオンにする操作を、1Nの塩化ナトリウム水溶液
中に浸漬して、陽イオン交換樹脂層中の陽イオンをナト
リウムイオンにする操作に変更した以外は、比較例1と
同様にしてアクチュエータ素子を製造した。
【0071】<実験>前記変位測定法に従い、アクチュ
エータ素子の両電極間に方形波電圧1Vを印加すると、
陽極方向に瞬時に約0.8mm変形したが、1秒以内に、
変形が減衰して元の位置(形状)に戻った。同操作を数
回繰り返したが、同様の陽極方向に瞬時に変形した後に
変形が減衰して元の位置に戻る現象が生じた。
【0072】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のアクチュエ
ータ素子によれば、同じ電位差を与え続けたときに、そ
の変形状態を保持することができる。
【0073】陽イオン交換樹脂の有するカルボキシル基
の対イオン、すなわち−COOM基のM+ イオンが、ア
ルカリ金属またはアルカリ土類金属の金属イオンである
場合には、上記効果がより顕著に生じる。
【0074】また、アクチュエータ素子の表面が水不透
過性材料で被覆されている場合には、使用環境にかかわ
らず、陽イオン交換樹脂中の陽イオンや水分を安定的に
維持することができ、一定の変形特性、形状保持性が得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアクチュエータ素子の構成例を示す斜
視図である。
【図2】図1中のII−II線での断面図である。
【図3】本発明のアクチュエータ素子の他の構成例を示
す横断面図である。
【図4】本発明のアクチュエータ素子の他の構成例を示
す横断面図である。
【図5】本発明のアクチュエータ素子の他の構成例を示
す縦断面図である。
【符号の説明】
1A〜1D アクチュエータ素子 2 陽イオン交換樹脂層 3、4 電極体 5 陽イオン交換樹脂 6a、6b 電極体 7a、7b 電極体 8 陽イオン交換樹脂 9a〜9c 電極体 10 被覆層 11 電力供給手段 12、13 導電性材料 14、15 リード線 16 電源

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 含水状態の陽イオン交換樹脂と、該陽イ
    オン交換樹脂を介して配置された複数の電極体とからな
    り、前記電極体間に電位差を与えている間、変形状態を
    保持するよう作動することを特徴とするアクチュエータ
    素子。
  2. 【請求項2】 −COOM基(ただし、Mは、金属また
    はアンモニウムイオン)を有する含水状態の陽イオン交
    換樹脂と、該陽イオン交換樹脂を介して配置された複数
    の電極体とからなることを特徴とするアクチュエータ素
    子。
  3. 【請求項3】 前記金属イオンは、アルカリ金属または
    アルカリ土類金属の金属イオンである請求項2に記載の
    アクチュエータ素子。
  4. 【請求項4】 前記陽イオン交換樹脂は、下記化1で示
    す一般式I(ただし、mは、0または1、nは、1〜5
    の整数、Mは、金属またはアンモニウムイオン)で表さ
    れる繰り返し単位を含む含フッ素共重合体からなるフッ
    素系陽イオン交換樹脂である請求項1ないし3のいずれ
    かに記載のアクチュエータ素子。 【化1】
  5. 【請求項5】 表面が水不透過性材料で被覆されている
    請求項1ないし4のいずれかに記載のアクチュエータ素
    子。
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