JPH0980206A - プラスチックレンズ - Google Patents

プラスチックレンズ

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JPH0980206A
JPH0980206A JP7238688A JP23868895A JPH0980206A JP H0980206 A JPH0980206 A JP H0980206A JP 7238688 A JP7238688 A JP 7238688A JP 23868895 A JP23868895 A JP 23868895A JP H0980206 A JPH0980206 A JP H0980206A
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JP
Japan
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plastic lens
hard coat
compound
primer
weight
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Application number
JP7238688A
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English (en)
Inventor
Osamu Abe
修 阿部
Sumuto Shimizu
澄人 清水
Michiko Seki
道子 関
Tomoya Shitsuin
智哉 執印
Hisashi Ogasawara
恒 小笠原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikon Corp
Nasu Nikon KK
Original Assignee
Nikon Corp
Nasu Nikon KK
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Publication date
Application filed by Nikon Corp, Nasu Nikon KK filed Critical Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラスチックレンズ基材とハードコート層と
の間にプライマー層を設け、耐衝撃性に優れたプラスチ
ックレンズを提供する。 【解決手段】プラスチックレンズ基材両表面上に、ハー
ドコート層を設けたプラスチックレンズにおいて、少な
くとも一方の前記プラスチックレンズ基材表面と前記ハ
ードコート層との間に、架橋されたポリビニルアセター
ル樹脂からなるプライマー層を設けたことを特徴とする
プラスチックレンズ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被覆膜の密着性が良好
で、耐衝撃性、耐擦傷性、耐薬品性、耐候性、反射防止
性に優れたプラスチックレンズに関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチックレンズは軽量、耐衝撃性、
簡易加工性、染色性などの長所があり、光学材料、特に
眼鏡レンズの分野で近年急速に普及している。しかし、
一般にプラスチックレンズは非常に傷つきやすいという
欠点を有する。そのため、通常は表面硬度の向上を目的
にレンズの表面にシリコン系のハードコート膜が設けら
れている。また、像のチラツキ(光の反射率の低下及び
光線透過率の向上をはかり像の重畳(フレア)によるコ
ントラストの低下あるいは二重結像(ゴースト))の原
因である表面反射を抑える目的で、ハードコート膜表面
上に無機物質を蒸着した反射防止膜を設けることによ
り、プラスチックレンズに高付加価値を付与している。
【0003】しかしながら、ハードコート膜と反射防止
膜双方を設けたプラスチックレンズは、膜を一切設けて
いないプラスチックレンズやハードコート膜のみを設け
たプラスチックレンズに比べてレンズの柔軟性、つまり
衝撃吸収性が急激に低下するために、耐衝撃性が著しく
低下するという欠点がある。米国では、眼鏡を含めた医
療機器や医薬品に対して安全基準を設けており、視力矯
正器具である眼鏡レンズについて、Food and Drag Admi
nistration(以下、「FDA」という)という安全基準
がある。FDA基準によると、プラスチックレンズの上
部50インチ(127cm)のところから、直径5/8インチ(1
6.3mm)、重さ0.56オンス(15.9g)の鉄球を落下させ、
破片が飛び散らないことが要求されている。それでも、
プラスレンズの場合は中心厚が十分に厚いため米国のF
DA規格に合格するが、マイナスレンズの場合は中心厚
が薄いためFDA規格には合格しない場合がでてくる。
特に最近の傾向は外観上の問題としてマイナスレンズの
中心厚は薄くする方向にあり、耐衝撃性の点では大きな
問題となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ハードコート及び反射
防止コート等の表面処理の行われたプラスチックレンズ
において、米国のFDA規格の耐衝撃性試験に合格させ
るためのいくつかの手法が既に提案されている。第一の
方法として、マイナスレンズの中心厚を厚くすることに
より耐衝撃性を向上させようとするものである。
【0005】しかしながら、これはレンズの縁厚を増加
させるため外観が損なわれるほか、レンズの重量も増加
するなど実用上も好ましくない。また、プラスチックレ
ンズの素材によっては、中心厚の増加だけではFDA規
格の耐衝撃性試験に合格するレンズを提供できない場合
もある。第二の方法として、ハードコート膜及び反射防
止膜双方を設けていることによる耐衝撃性の低下があっ
ても、米国FDA規格の耐衝撃性試験に合格する程度の
衝撃強度を有するプラスチックレンズ素材の提案がかな
りなされている。例えば、特開昭61−170701号
公報、特開平1−244401号公報、特開平2−36
216号公報、特開平4−159309号公報、特開平
4−161412号公報、特開平4−126710号公
報、特開平5−5011号公報、特開平4−14231
5号公報、特開平4−161410号公報、特開平4−
161411号公報、特開平4−202308号公報、
特開平4−202309号公報などである。
【0006】しかしながら、いずれの提案もハードコー
ト膜及び反射防止膜双方とも施していない状態でのFD
A規格合格であり、レンズの最低中心厚に関しても1.
5ミリメートルもしくは2ミリメートルと厚く、実用上
十分な耐衝撃性を示すプラスチックレンズ素材はまだ提
案されていないのが現状である。第三の方法として、プ
ラスチックレンズ基材とハードコート膜との間に樹脂組
成物よりなるプライマー層を設けるというものである。
【0007】元来プライマー層は、プラスチックレンズ
基材とハードコート膜との密着性改善の一手法として提
案されたものであり、ケン化、プラズマ処理などの表面
改質手法と同様、密着性の改善が主目的であった。この
目的で提案されているプライマー層の先行技術として
は、エポキシ化合物を用いる方法(特開昭60−214
301号公報)、アクリル系及び/又はメタクリル系化
合物と芳香族ビニル化合物を主成分とする方法(特開昭
60−214302号公報)、アクリルポリオールと多
官能有機イソシアネート化合物からなるプライマー組成
物を用いる方法(特開昭61−114203号公報)な
どがある。いずれの場合も主目的の密着性の改善は達成
され、耐薬品性等の特性も得られているものの、耐衝撃
性の向上はなされていない。
【0008】耐衝撃性の向上を目的としたプライマー層
としては、ポリウレタン樹脂を用いる方法が提案されて
いる。特開昭63−14001号公報、特開昭63−8
7223号公報に開示された方法は、ポリウレタン樹脂
溶液をプラスチックレンズに塗布した後、溶剤を揮発さ
せてポリウレタン樹脂層を得る方法で、得られるポリウ
レタン層は架橋構造を有していないいわゆる熱可塑性樹
脂の膜である。このポリウレタン層を有するプラスチッ
クレンズをハードコート膜を設けるためにレンズをハー
ドコート液に浸すと、プライマー層のポリウレタンがハ
ードコート液の溶剤に溶解し、ハードコート液中に溶出
してハードコート液をしばしば汚染する。また、溶剤に
より侵食を受けプライマー層の透明性が失われ、白濁化
することが多い。また、特開昭61−114203号公
報にはアクリルポリオールと多官能有機イソシアネート
化合物からなるプライマー組成物を塗布し、硬化させた
架橋構造をもつポリウレタン層を形成することが開示さ
れている。しかしながら、常温で活性水素と反応し得る
イソシアネート化合物を用いるため、ポリオールの水酸
基とイソシアネート基の反応がプライマー液の保存中に
も進行するため、プライマー液の使用可能時間はあまり
長くできない欠点を有する。
【0009】特開平3−109502号公報、特開平4
−366801号公報、特開平5−25299号公報に
おいては、ブロック型イソシアネートを用いることによ
り低温でのポリオールとの反応を抑制し、プライマー液
の使用可能時間を改善する方法が開示されている。しか
しながら、レンズに塗布後プライマー液を硬化するため
には、まずブロック剤の脱離が必要であり、そのために
120℃を越える高温が必要となる。このことにより、
軟化温度がそれほど高くないプラスチック基材にはこの
手法そのものが適用できないという制約が生じ、さらに
有機染料により染色したプラスチックレンズの色調を著
しく変化させてしまうという問題があった。
【0010】本発明はこのような従来の問題点に鑑みて
なされたもので、ハードコート膜、又はハードコート膜
及び反射防止膜を有するプラスチックレンズにおいて、
比較的低温かつ短時間で加熱処理することにより硬化可
能なプライマー層を、プラスチックレンズ基材とハード
コート膜との間に設けた、耐衝撃性に優れたプラスチッ
クレンズを提供することを目的とした。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記問題点の解決のため
に鋭意検討を重ねた結果、プラスチックレンズ基材両表
面上に、ハードコート層を設けたプラスチックレンズに
おいて、少なくとも一方の前記プラスチックレンズ基材
表面と前記ハードコート層との間に、架橋されたポリビ
ニルアセタール樹脂からなるプライマー層を設けたプラ
スチックレンズが優れた耐衝撃性を有し、米国のFDA
規格に十分合格する特性をもつことを見いだした。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明において、架橋されたポリ
ビニルアセタールからなるプライマー層の形成は、主成
分であるポリビニルアセタールと、加水分解性オルガノ
シラン化合物又はその加水分解縮合物、アルミニウム又
はチタニウムのアルコキシド化合物あるいはアルミニウ
ム又はチタニウムのアルコキシドジケトネート化合物及
び硬化触媒を溶解したプライマー組成物をプラスチック
レンズ表面に塗布し、加熱処理することにより可能であ
る。
【0013】さらに、前記プライマー組成物に無機酸化
物微粒子を分散させたプライマー組成物をプラスチック
レンズ表面に塗布し、加熱処理することにより、無機酸
化物微粒子を分散含有し、かつ架橋されたポリビニルア
セタール樹脂からなるプライマー層を形成することがで
きる。本発明におけるプライマー組成物の主成分であ
り、一般式(I)
【0014】
【化1】
【0015】で示されるポリビニルアセタールは、アセ
タール部のアルキル基の炭素数が0から20のものが利
用でき、好ましくは0から10のものであり、特に好ま
しくはアルキル基の炭素数が3であるポリビニルブチラ
ールである。アセタール化度は10から90%のものが
使用でき、好ましくは20から80%のアセタール化度
のポリビニルアセタールである。
【0016】アセタール化度が10%未満では衝撃強度
の改善が不十分であり、またアセタール化度が90%以
上のポリビニルアセタールは合成が困難であるほか、合
成できたとしてもプラスチック基材との密着性の低下が
予測される。ポリビニルアセタールの重合度は好ましく
は5,000以下のものであるが、より好ましくは10
0から3,000である。重合度が高すぎては溶媒に溶
解しにくくなるほか、最適アセタール化度のポリビニル
アセタールを合成するのが困難である。逆に、重合度が
低すぎては衝撃強度の改善が不十分となる。
【0017】なお、一般式(I)のポリビニルアセター
ル中のアセチル基は本発明においては必須成分ではない
が、ポリビニルアセタールの原料であるポリビニルアル
コールがポリ酢酸ビニルの加水分解によって合成される
ため、少量残存するものである。プライマー組成物中の
ポリビニルアセタールの添加量としては1〜20重量
%、好ましくは1〜10重量%である。ポリビニルアセ
タールの添加量が多すぎるとプライマー組成物の粘度が
高くなりすぎプラスチック光学部品への塗布が困難にな
るほか、プライマー塗布層が厚くなりすぎ塗布面の均一
性が失われる。逆にポリビニルアセタールの添加量が少
なすぎるとプライマー塗布層が薄くなりすぎ衝撃強度の
改善が不十分となる。
【0018】架橋剤として、一般式(II)
【0019】
【化2】
【0020】又は一般式(III)
【0021】
【化3】
【0022】のオルガノシラン化合物の有機金属アルコ
キシド化合物が用いられる。オルガノシラン化合物中の
加水分解基が加水分解してシラノール基を生成し、一般
式(IV)
【0023】
【化4】
【0024】有機金属アルコキシド化合物と反応する。
そして、さらに触媒の作用と熱によりポリビニルアセタ
ール中の水酸基と脱水縮合反応がおこり分子間又は分子
内で架橋が行われる。架橋にあずかる分子は、オルガノ
シラン化合物の加水分解物又はその縮合物である。オル
ガノシラン化合物はそのまま添加されてもよいし、あら
かじめ加水分解されたものが添加されてもよい。また、
1種類のオルガノシラン化合物を単独で用いてもよい
し、2種類以上のオルガノシラン化合物を混合して用い
てもよい。
【0025】オルガノシラン化合物としては、加水分解
基がハロゲン原子であるハロシラン化合物類、加水分解
基がアルコキシ基であるアルコキシシラン化合物類、加
水分解基がカルボキシ基であるカルボキシシラン化合物
類、又は加水分解基がケトオキシム基であるケトオキシ
ムシラン化合物類などを用いることができるが、好まし
くはアルコキシシラン化合物類である。
【0026】一般式(II)で示される加水分解性オルガ
ノシラン化合物の具体的な例としては、ジメチルジメト
キシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメ
トキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、フェニルメ
チルジメトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラ
ン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−
クロロプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリ
ロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリ
ロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプ
トプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプ
ロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルメ
チルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエ
トキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、メチル
ビニルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメ
チルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチ
ルジエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチ
ルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、
メチルトリブトキシシラン、メチルトリス(2−メトキ
シエトキシ)シラン、エチルトリメトキシシラン、エチ
ルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、
エチルトリブトキシシラン、エチルトリス(2−メトキ
シエトキシ)シラン、プロピルトリメトキシシラン、プ
ロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラ
ン、ブチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシ
シラン、ヘキシルトリエトキシシラン、ビニルトリメト
キシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス
(2−メトキシエトキシ)シラン、フェニルトリメトキ
シシラン、フェニルトリエトキシシラン、γ−クロロプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエ
トキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリ
メトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルト
リエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキ
シシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ
−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプト
プロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピル
トリエトキシシラン、クロロメチルトリメトキシシラ
ン、クロロメチルトリエトキシシラン、N−β−アミノ
エチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N
−β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、
(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)トリメトキ
シシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)
トリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘ
キシルエチル)トリメトキシシラン、β−(3,4−エ
ポキシシクロヘキシルエチル)トリエトキシシラン、テ
トラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプ
ロポキシシラン、テトラブトキシシラン、などがあげら
れる。
【0027】また、一般式(III)で示される加水分解
性オルガノシラン化合物の具体的な例としては、1,1
−ビス(トリメトキシシリル)エタン、1,1−ビス
(トリエトキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリメ
トキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリエトキシシ
リル)エタン、1,3−ビス(トリメトキシシリル)プ
ロパン、1,3−ビス(トリエトキシシリル)プロパ
ン、2,2−ビス(トリメトキシシリル)プロパン、
2,2−ビス(トリエトキシシリル)プロパン、などが
あげられる。
【0028】プライマー組成物中のオルガノシラン化合
物の添加量としては0.01〜10重量%、好ましくは
0.1〜5重量%である。一般式(IV)の有機金属アル
コキシド化合物としては、アルミニウムもしくはチタニ
ウムのアルコキシド又はアルコキシドジケトネート化合
物が用いられる。これらは1種類の化合物を単独で用い
てもよいし、2種類以上の化合物を混入して用いてもよ
い。有機金属アルコキシド化合物はオルガノシラン化合
物又はその加水分解縮合物と容易に反応し、その生成物
はポリビニルアセタール中の水酸基と触媒及び熱の作用
により反応する。有機金属アルコキシド化合物には、加
水分解で生じたオルガノシラン化合物中のシラノール基
とポリビニルアセタール中の水酸基との脱水縮合反応を
促進する触媒としての作用と、オルガノシラン化合物と
ともに加水分解縮合する架橋剤としての作用があるもの
と考えられる。
【0029】一般式(IV)で示される有機金属アルコキ
シド化合物の具体的な例としては、アルミニウムトリメ
トキシド、アルミニウムトリエトキシド、アルミニウム
トリプロポキシド、アルミニウムトリブトキシド、チタ
ニウムテトラメトキシド、チタニウムテトラエトキシ
ド、チタニウムテトラプロポキシド、チタニウムテトラ
ブトキシド、アルミニウムジプロポキシドアセチルアセ
トネート、アルミニウムジプロポキシドエチルアセトア
セテート、アルミニウムジブトキシドアセチルアセトネ
ート、アルミニウムジブトキシドエチルアセトアセテー
ト、チタニウムジメトキシドビス(アセチルアセトネー
ト)、チタニウムジエトキシドビス(アセチルアセトネ
ート)、チタニウムジプロポキシドビス(アセチルアセ
トネート)、チタニウムジブトキシドビス(アセチルア
セトネート)、チタニウムジプロポキシドビス(エチル
アセトアセテート)、チタニウムジブトキシドビス(エ
チルアセトアセテート)などがあげられる。この中でも
特にチタニウムアルコキシドが好ましい。
【0030】プライマー組成物中の有機金属アルコキシ
ド化合物の添加量としては、0.01〜10重量%、好
ましく0.1〜3重量%であるが、オルガノシラン化合
物の50モル%以下が好ましい。有機金属アルコキシド
化合物の添加量がオルガノシラン化合物の添加量の50
モル%を越えると耐衝撃性が低下する。
【0031】無機酸化物微粒子は、Al23、Ti
2、ZrO2、Fe23、Sb25、BeO、ZnO、
SnO2、CeO2、SiO2、WO3などの金属酸化物微
粒子又はそれらの複合体であり、単独で用いてもよい
し、2種類以上の金属酸化物微粒子又はそれらの複合体
を混合して用いることもできる。これら無機酸化物微粒
子としては、市販されている水又は有機溶媒に分散した
ゾルをそのまま用いることができる。
【0032】無機酸化物微粒子又はこれらの無機酸化物
の複合体の平均粒子径は1〜300nmであり、好まし
くは1〜50nmである。平均粒子径が300nmを越
えると光の散乱によるレンズの曇りが生ずる。プライマ
ー組成物中の無機酸化物微粒子の添加量は固形分濃度と
して0.1〜30重量%であるが、プライマー硬化膜の
屈折率がプラスチックレンズの屈折率に一致するかもし
くは極めて近くなるよう、無機酸化物微粒子の種類、添
加量が調整される。
【0033】屈折率が1.60以上の高屈折率プラスチ
ックレンズ基材の場合には、ポリビニルアセタール1重
量部にたいして、高屈折率であるTiO2、ZrO2、F
23、Sb25、SnO2、CeO2、WO3などの無
機酸化物微粒子又はそれらの複合体を1〜5重量部添加
するのが好ましい。硬化触媒としては、オルガノシラン
化合物と有機金属アルコキシド化合物の加水分解縮合物
とポリビニルアセタール中の水酸基との脱水縮合、及び
シラノール基間の脱水縮合反応を促進するものであれば
特に制限はない。
【0034】具体的には、ジブチルスズジラウレート、
ジブチルスズジオクテート、ジブチルスズジアセテート
などの有機スズ化合物、プロピルアミン、ブチルアミ
ン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、トリエタノー
ルアミン、テトラメチルグアニジン、メチルイミダゾー
ル、ジシアンジアミドなどの有機アミン類、アルミニウ
ムアセチルアセトネート、鉄アセチルアセトネートなど
の有機金属錯体を用いることができる。この中で特に好
ましいのは有機スズ化合物である。これらは単独で用い
てもよいし、2種類以上の触媒を混合して用いてもよ
い。
【0035】プライマー組成物中の硬化触媒の添加量と
しては、0.002〜1重量%、好ましくは0.005
〜1重量%である。プライマー組成物中の有機溶媒とし
ては、炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、アルコール
類、ケトン類、エステル類、エーテル類その他公知の溶
媒で、ポリビニルアセタールをよく溶解し、かつ無機酸
化物微粒子をよく分散するものが使用できる。特に好ま
しくはメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノ
ール、ヘキサノール、メチルセロソルブ、エチルセロソ
ルブであるが、これらは単独で用いてもよいし、2種類
以上の有機溶媒を混合して用いてもよい。
【0036】プライマー組成物中の水はオルガノシラン
化合物の加水分解に必要な成分として0.1〜20重量
%添加される。水の添加量が多すぎるとプライマー塗布
面の平滑性が失われ、逆に水の添加量が少なすぎるとプ
ライマー溶液の使用可能時間が短くなる。本発明におけ
るプライマー組成物はさらに、塗布性の改善を目的とし
た各種レベリング剤あるいは耐候性の向上を目的とした
紫外線吸収剤や酸化防止剤、さらに染料や顔料、フォト
クロミック染料やフォトクロミック顔料その他、膜性能
を高めたり機能を付加するための公知の添加剤を併用す
ることができる。
【0037】本発明におけるプライマー組成物のプラス
チック光学部品上への塗布方法は、スピンコート法、デ
ィッピング法など公知の方法であれば特に制限はない。
また、プラスチック光学部品の表面は必要に応じてアル
カリ処理、プラズマ処理、紫外線処理などの前処理を行
っておくことが好ましい。プライマー層の膜厚は、熱硬
化後の段階で0.1〜5μm、好ましくは0.2〜3μ
mである。プライマー層の膜厚が0.1μmより薄いと
耐衝撃性の改善が十分でなく、また5μmより厚いと耐
衝撃性の点では問題がないが、耐熱性と面精度が低下す
る。
【0038】プラスチック光学部品はその素材、成型方
法ともに特に制限はない。プラスチック光学部品表面に
塗布したプライマーコート膜を硬化させるには、50〜
120℃、好ましくは70〜110℃で1〜60分加熱
すればよい。加熱処理により塗布されたプライマー組成
物中の加水分解されたオルガノシラン化合物及びオルガ
ノチタネート化合物の加水分解縮合物とポリビニルアセ
タール中に含まれる水酸基とが脱水縮合してポリビニル
アセタール分子が架橋されるとともに、縮合反応により
生成した水及びあらかじめプライマー組成物中に含まれ
ていた有機溶媒と水が蒸発する。こうしてプラスチック
光学部品表面に3次元的に架橋されたポリビニルアセタ
ールのプライマー層が形成される。
【0039】硬化したプライマー膜を設けたプラスチッ
クレンズは、その表面硬度を向上させる目的でハードコ
ートを公知の方法で成膜することができる。ハードコー
ト膜の成膜方法としては、オルガノアルコキシシランの
加水分解物、無機酸化物微粒子、及び金属錯体触媒を溶
解したハードコート液を、ディッピングあるいはスピン
コートにより塗布した後加熱硬化する湿式法、プラズマ
CVDなどの乾式法など公知の方法を用いることができ
る。
【0040】湿式法で用いられるオルガノアルコキシシ
ランの具体的な化合物としては、γ−グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルト
リエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジ
エトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルト
リエトキシシラン、1,2−ビス(トリメトキシシリ
ル)エタンなどがあげられる。これらアルコキシシラン
の加水分解物は、前述のオルガノアルコキシシラン化合
物を単独又は2種類以上組み合わせ、塩酸などの酸性水
溶液で加水分解することによって調製される。
【0041】無機酸化物微粒子としては、市販の水又は
有機溶媒に分散した無機酸化物微粒子ゾルが用いられ
る。具体的な化合物としては、ZnO、SiO2、Al2
3、TiO2、ZrO2、SnO2、BeO、Fe23
Sb25、WO3、CeO2、などの微粒子状無機酸化物
あるいはこれらの無機酸化物の複合体のゾルがあげられ
る。また、BaTiO3、SrTiO3、BaZrO3
CoFe24、NiFe24、MnFe24などの化合
物酸化物微粒子や、(Ba,Sr)TiO3、Sr(T
i,Zr)O3、(Mn,Zn)Fe24などの固溶体
酸化物微粒子を用いることもできる。これらの酸化物微
粒子は、単独又は2種類以上を混合して用いることが可
能である。
【0042】金属錯体触媒としては、アセチルアセトン
金属塩、エチレンジアミン四酢酸金属塩などが用いられ
る。さらに必要に応じ、界面活性剤、着色剤、溶媒など
を添加してハードコート液が調製される。ハードコート
層の膜厚は、1μm以上、好ましくは2〜3μmであ
る。
【0043】さらにハードコートを設けた表面に反射防
止能を有する無機化合物の蒸着膜を公知の方法で成膜す
ることができる。反射防止膜は、光学理論に基づいた単
層もしくは多層構造膜が採用される。反射防止膜の形成
には、一般に真空蒸着、スパッタリング、イオンプレー
ティング、CVDなどの手法が利用される。用いられる
具体的な材料としては、SiO、SiO2、Al23
23、Yb23、CeO2、ZrO2、Ta23、Ti
2、MgF2などの無機誘電体をあげることができる。
【0044】さらに必要に応じて、反射防止膜の上に反
射防止膜の汚れ防止、水ヤケ防止を目的として、側鎖に
アルキル基、フェニル基、ポリフルオロアルキル基など
の疎水性基を有する有機ケイ素化合物又はフッ素含有炭
化水素化合物の超薄膜を形成することも可能である。本
発明におけるプライマー組成物の硬化被膜を設けたプラ
スチック光学部品の耐衝撃性が著しく向上する理由は必
ずしも明確ではないが、およそ次のように考えられる。
すなわち、本発明におけるプライマー組成物の硬化被膜
が高度な弾性率と高度な柔軟性を合わせ持つため、プラ
スチック光学部品にたいして何らかの衝撃があった際に
そのエネルギーを吸収する役割を担っているものと考え
られる。また、本発明におけるプライマー組成物の硬化
被膜が3次元的に架橋しているため、湿式法によるハー
ドコートを行う際にもポリビニルアセタールその他の物
質がハードコート液に溶解し、ハードコート液を汚染す
ることもない。さらに本発明におけるプライマー組成物
の主剤であるポリビニルアセタールが適度な水酸基を有
しているため、3次元架橋が可能であると同時にプライ
マー層とプラスチック光学部品及びプライマー層とハー
ドコート膜との十分な密着性を達成しているものと考え
られる。
【0045】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、本発明
はこれらによって限定されるものではない。 [A] プライマー組成物の調製 (1) プライマー組成物(A−1)の調製 回転子を備えた反応容器中にメチルトリメトキシシラン
2.2重量部とメタノール19.8重量部を仕込み、
0.001N塩酸0.9重量部を加え、1時間攪拌し加
水分解を行なった。
【0046】上記加水分解物に、チタニウムテトラn−
ブトキシド2.2重量部をn−プロパノール19.8重
量部に溶解した溶液を加え30分攪拌し、オルガノアル
コキシシラン/オルガノチタネート加水分解縮合物を得
た。得られた加水分解縮合物の溶液に、日産化学(株)
製SnO2/WO3複合微粒子分散メタノールゾル(HI
S−30M、平均粒子径25nm、固形分濃度30%)
133.3重量部、硬化触媒としてジブチルスズジラウ
レート2.0重量部、レベリング剤として住友スリーエ
ム(株)製フッ素系界面活性剤フロラードFC430
1.3重量部を順次加える。さらに、積水化学(株)製
ポリビニルブチラール樹脂エスレックBM−2(平均重
合度800、ブチラール化度68%)40重量部をメタ
ノール360重量部に溶解した溶液と、さらにメタノー
ル70.2重量部、n−プロパノール328.3重量
部、純水20重量部を加え1時間攪拌する。その後、3
μmのメンブランフィルターで濾過しプライマー組成物
を調製した。 (2) プライマー組成物(A−2)〜(A−20)の
調製 プライマー組成物(A−1)と同様の方法で表1〜表4
に示す配合で、プライマー組成物を調製した。なお、使
用した無機酸化物微粒子分散ゾル、ポリビニルブチラー
ル樹脂及び界面活性剤を以下に示した。
【0047】イ)無機酸化物微粒子分散ゾル HIS−30M 日産化学(株)製SnO2/WO3
合微粒子メタノール分散ゾル、平均粒子径25nm、固
形分濃度30% HIS−30MN 日産化学(株)製SnO2/WO3
合微粒子メタノール分散ゾル、平均粒子径30nm、固
形分濃度30% AMT−130S 日産化学(株)製Sb25微粒子メ
タノール分散ゾル、平均粒子径15〜20nm、固形分
濃度30% ロ)ポリビニルブチラール樹脂 エスレックBM−1 積水化学(株)製、平均重合度6
00、ブチラール化度65% エスレックBM−2 積水化学(株)製、平均重合度8
00、ブチラール化度68% エスレックBM−5 積水化学(株)製、平均重合度8
50、ブチラール化度65% エスレックBH−S 積水化学(株)製、平均重合度
1,000、ブチラール化度70% ハ)界面活性剤 フロラードFC430 住友スリーエム(株)製フッ素
系界面活性剤 SH30PA 東レダウコーニング(株)製シ
リコン系界面活性剤 L7001 日本ユニカー(株)製シリコン
系界面活性剤 [B] ハードコート液の調製 (1) シリコン系高屈折率ハードコート液(B−1)
の調製 回転子を備えた反応容器中に、γ−グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン180重量部を仕込み、マグネチ
ックスターラーを用いて激しく攪拌しながら,0.01
規定塩酸水溶液40重量部を一度に添加し、1時間加水
分解を続け、部分的に縮合した加水分解物を得た。
【0048】上記の加水分解物に、日産化学(株)製S
nO2/WO3複合微粒子分散メタノールゾル(HIS−
30M)を630重量部と、硬化触媒としてエチレンジ
アミン四酢酸アルミニウム4重量部と、レベリング剤と
して東レダウコーニング(株)製シリコン系界面活性剤
SH30PAを0.45重量部添加し、十分に攪拌混合
した後、3μmのメンブランフィルターで濾過しハード
コート液を調製した。 (2)シリコン系高屈折率ハードコート液(B−2)の
調製 ハードコート液(B−1)の調製手順において、日産化
学(株)製SnO2/WO3複合微粒子分散メタノールゾ
ル(HIS−30M)の代わりに日産化学(株)製Sn
2/WO3複合微粒子分散メタノールゾル(HIS−3
0MN)を用いること以外は、全く同様の手順でハード
コート液を調製した。 (3)シリコン系高屈折率ハードコート液(B−3)の
調製 回転子を備えた反応容器中に、γ−グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン210重量部を仕込み、マグネチ
ックスターラーを用いて激しく攪拌しながら,0.01
規定塩酸水溶液40重量部を一度に添加し、1時間加水
分解を続け、部分的に縮合した加水分解物を得た。
【0049】上記の加水分解物に、日産化学(株)製S
25微粒子分散メタノールゾル(AMT−130S)
を600重量部と、硬化触媒としてアルミニウムアセチ
ルアセトネート4重量部と、レベリング剤として日本ユ
ニカー(株)製シリコン系界面活性剤L7001を0.
5重量部添加し、十分に攪拌混合した後、3μ のメン
ブランフィルターで濾過しハードコート液を調製した。 [C] 複合膜を有するプラスチックレンズの作成と性
能評価 [実施例1] (1−1)プライマー組成物の塗布及び硬化 度数が−4.00ジオプタで、中心厚が1.0mm、屈
折率が1.66の熱硬化性ウレタン樹脂製眼鏡用プラス
チックレンズNLIVを、前処理として60℃の10%N
aOH水溶液に5分間浸し、温水で洗浄後乾燥した。こ
のプラスチックレンズの両面にディッピング法(引き上
げ速度5mm/秒)にてプライマー組成物(A−1)を
塗布し、90℃で30分間加熱処理してプライマーを硬
化させた。(1−2)シリコン系高屈折率ハードコート
液の塗布及び硬化 (1−1)で得られたプライマー層を有するプラスチッ
クレンズの両面に、シリコン系高屈折率ハードコート液
(B−1)をディッピング法(引き上げ速度5mm/
秒)にて塗布した。塗布したレンズを100℃で4時間
加熱処理してハードコート層を硬化させた。 (1−3)反射防止膜の形成 (1−2)で得られたプライマー層及びハードコート層
を有するプラスチックレンズの両面に、SiO2/Zr
2系の5層反射防止膜を真空蒸着法により形成させ
た。 (1−4)複合膜を有するプラスチックレンズの性能評
価 (1−3)で得られた複合膜を有するプラスチックレン
ズを用いて以下に示す試験に供し、性能評価を行った。
評価結果は表5に示す。 1)膜の密着性 膜の密着性を評価するために、クロスハッチテープテス
トを次の方法で実施した。コーティング層表面にカッタ
ーナイフで1mm角の碁盤目(100マス)を作り、そ
の後セロハン粘着テープ(商品名「セロテープ」ニチバ
ン(株)製)を強く張り付けた後、テープの一端を持
ち、90゜方向に勢いよく剥がすことを10回繰り返し
た。
【0050】その後、コーティング層表面の碁盤の目が
レンズから何個剥ぎ取られずに残っているかを調べ、剥
がれなかった碁盤の目の数をXとしてX/100で表し
た。この場合、Xか大きいほど密着性がよいということ
になる。即ち、クロスハッチテープテストの結果が「1
00/100」であれば、膜が全く剥がれなかったこと
を示している。 2)耐擦傷性 複合膜を有するプラスチックレンズの反射防止膜の表面
を、スチールウール(#0000)で600gの荷重を
作用させて30回こすったときの傷の入り具合を、次の
ような基準で評価した。
【0051】A:傷の入った面積が10%以内。 B:傷の入った面積が10%を越え30%以内。 C:傷の入った面積が30%を越える。 3)耐衝撃性 複合膜を有するプラスチックレンズの耐衝撃性は、剛球
落球試験により評価した。20.0gの剛球を127c
mの高さからプラスチックレンズの中心部に向かって自
然落下させ、プラスチックレンズが割れるか又はクラッ
クが入る一回前の回数をレンズの耐衝撃性とし、最高5
回まで落下させた。 4)耐熱性 複合膜を有するプラスチックレンズを100℃の恒温炉
中に10分間放置した後、常温環境下に取り出し、その
ときのクラックの発生の有無、及びクラックの太さと経
時変化を次のような基準で評価した。微細クラックと
は、クラックの発生は確認できるが、15分放置で消失
したもの、中太クラックとは、クラック発生確認後15
分放置しても消失しないものとした。
【0052】A:100℃10分間環境下でクラック発
生せず。 B:100℃10分間環境下で微細クラック発生。 C:100℃10分間環境下で中太クラック発生。 5)耐候性 複合膜を有するプラスチックレンズの耐候性は、紫外線
ロングライフフェードメーター(スガ試験機(株)製)
を用いて300時間の耐候性試験を行い、その後のレン
ズの黄変度を測定した。評価は次のような基準で行っ
た。
【0053】A:300時間後の黄変度 2.0未満。 B:300時間後の黄変度 2.0以上2.5未満。 C:300時間後の黄変度 2.5以上。 6)外観 複合膜を有するプラスチックレンズの外観は、暗室にて
蛍光灯の光を当て、目視で透明度を観察した。評価は次
のような基準で行った。
【0054】A:クモリなし。 B:クモリが少し目立つ。 C:クモリがはっきり目立つ。 7)干渉縞 複合膜を有するプラスチックレンズの干渉縞発生の有無
は、暗室にて蛍光灯の光をレンズ表面で反射させた時、
光の干渉による縞模様の発生を目視で観察した。評価は
次のような基準で行った。
【0055】A:縞模様は認められない。 B:わずかに縞模様が認められる。 C:縞模様が著しく認められる。 [実施例2]〜[実施例40]表5〜表7に示したプラ
イマー液及びハードコート液を用い、[実施例1]と同
様の手順で、複合膜を有するプラスチックレンズを得
た。なお、使用したプラスチックレンズ基材は、度数が
−4.00ジオプタで中心厚が1.0mmのNLIV、又
は度数が−4.00ジオプタで、中心厚が1.0mm、
NLEFであり、表5〜表7の中に示した。各性能評価
も実施例1と同様に行った。各評価結果を表5〜表7に
示す。
【0056】[比較例1] (1)プライマー組成物(C−1)の調製 ヘキサメチレンジイソシアネートタイプの非ブロック型
ポリイソシアネート(商品名「コロネートHX」日本ポ
リウレタン工業(株)製)100重量部と、ポリエステ
ルタイプのポリオール(商品名「ニッポラン125」日
本ポリウレタン工業(株)製)167重量部と、硬化触
媒としてオクチル酸亜鉛2重量部と、レベリング剤とし
てフロラードFC430を0.1重量部、溶媒として酢
酸エチル500重量部及びメチルエチルケトン250重
量部を均一に混合した。 (2)複合膜を有するプラスチックレンズの作成と性能
評価 プライマー組成物(C−1)用い、プライマーの硬化条
件が60℃で30分であること以外は、[実施例1]と
同様の手順で複合膜を有するプラスチックレンズを作成
した。なお、使用したプラスチックレンズ基材は、度数
が−4.00ジオプタで中心厚が1.0mmのNLIVで
ある。各性能評価も実施例1と同様に行った。各評価結
果を表7に示す。
【0057】[比較例2] (1)プライマー組成物(C−2)の調製 ブロック型ポリイソシアネート(商品名「コロネート2
529」日本ポリウレタン工業(株)製)250重量部
と、ポリエステルタイプのポリオール(商品名「ニッポ
ラン1100」日本ポリウレタン工業(株)製)180
重量部と、硬化触媒としてオクチル酸亜鉛2重量部と、
レベリング剤としてシリコン系界面活性剤1.5重量
部、溶媒としてエチルセロソルブ1000重量部及びメ
タノール1500重量部を均一に混合した。 (2)複合膜を有するプラスチックレンズの作成と性能
評価 プライマー組成物(C−2)を用い、プライマーの硬化
条件が130℃で60分であること以外は、[実施例
1]と同様の手順で複合膜を有するプラスチックレンズ
を作成した。なお、使用したプラスチックレンズ基材
は、度数が−4.00ジオプタで中心厚が1.0mmの
NLEFである。各性能評価も実施例1と同様に行っ
た。各評価結果を表7に示す。
【0058】[比較例3]度数が−4.00ジオプタで
中心厚が1.0mmのNLIVプラスチックレンズを用
い、プライマー層を形成せず、ハードコート層及び反射
防止コート層を有するプラスチックレンズを作成し、
[実施例1]と同様の性能評価を行った。評価結果を表
7に示す。
【0059】[比較例4]度数が−4.00ジオプタで
中心厚が1.0mmのNLEF プラスチックレンズを
用い、プライマー層を形成せず、ハードコート層及び反
射防止コート層を有するプラスチックレンズを作成し、
[実施例1]と同様の性能評価を行った。評価結果を表
7に示す。
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】
【表3】
【0063】
【表4】
【0064】
【表5】
【0065】
【表6】
【0066】
【表7】
【0067】
【発明の効果】本発明によれば、プラスチックレンズ基
材表面上にハードコート膜を設けたプラスチックレン
ズ、又はプラスチックレンズ基材表面上にハードコート
膜を設け、さらにその表面上に無機物質による単層又は
多層の反射防止膜が形成されたプラスチックレンズの、
少なくとも一方のプラスチックレンズ基材とハードコー
ト膜の間に、架橋されたポリビニルアセタールからなる
プライマー層を設けることにより、優れた耐衝撃性を有
し、米国のFDA規格に十分合格するプラスチックレン
ズの提供が可能となった。
【0068】また、本発明のプライマー層は、基板上へ
の形成が比較的低温かつ短時間で行うことができ、かつ
ハードコート膜形成時にプライマー層からの溶出物がほ
とんど無い非常に有用な特性をもつものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 関 道子 東京都千代田区丸の内3丁目2番3号 株 式会社ニコン内 (72)発明者 執印 智哉 栃木県那須郡烏山町大字興野1956番3 株 式会社那須ニコン内 (72)発明者 小笠原 恒 栃木県那須郡烏山町大字興野1956番3 株 式会社那須ニコン内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチックレンズ基材両表面上に、ハ
    ードコート層を設けたプラスチックレンズにおいて、 少なくとも一方の前記プラスチックレンズ基材表面と前
    記ハードコート層との間に、架橋されたポリビニルアセ
    タール樹脂からなるプライマー層を設けたことを特徴と
    するプラスチックレンズ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のプラスチックレンズにお
    いて、無機酸化物微粒子を分散含有されていることを特
    徴とするプラスチックレンズ。
  3. 【請求項3】 前記プライマー層が加水分解性オルガノ
    シラン化合物又はその加水分解縮合物及び有機金属アル
    コキシド化合物により架橋されたポリビニルアセタール
    樹脂からなることを特徴とする請求項1又は2記載のプ
    ラスチックレンズ。
  4. 【請求項4】 前記有機金属アルコキシド化合物がアル
    ミニウム若しくはチタニウムのアルコキシド化合物又は
    アルミニウム若しくはチタニウムのアルコキシドジケト
    ネート化合物であることを特徴とする請求項1〜3記載
    のプラスチックレンズ。
  5. 【請求項5】 前記ハードコート層上に反射防止膜を設
    けたことを特徴とする請求項1〜4記載のプラスチック
    レンズ。
  6. 【請求項6】 前記無機酸化物微粒子は、Al23、T
    iO2、ZrO2、Fe23、Sb25、BeO、Zn
    O、SnO2、CeO2、SiO2、WO3の中から選択さ
    れる1種類若しくは2種類以上の無機酸化物微粒子又は
    これらの無機酸化物微粒子の複合体であり、その平均粒
    子径が1〜300nmであることを特徴とする請求項1
    〜5記載のプラスチックレンズ。
  7. 【請求項7】 前記プライマー層の膜厚が、0.2〜5
    μmであることを特徴とする請求項1〜6記載のプラス
    チックレンズ。
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DE69617576T DE69617576T2 (de) 1995-09-18 1996-09-16 Grundierungszusammensetzung und optischer Gegenstand
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Cited By (2)

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