JPH0981979A - 光磁気記録媒体及びその再生方法 - Google Patents

光磁気記録媒体及びその再生方法

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JPH0981979A
JPH0981979A JP7234139A JP23413995A JPH0981979A JP H0981979 A JPH0981979 A JP H0981979A JP 7234139 A JP7234139 A JP 7234139A JP 23413995 A JP23413995 A JP 23413995A JP H0981979 A JPH0981979 A JP H0981979A
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    • G11B11/10582Record carriers characterised by the selection of the material or by the structure or form
    • G11B11/10586Record carriers characterised by the selection of the material or by the structure or form characterised by the selection of the material

Abstract

(57)【要約】 【課題】 再生層から検出される再生信号の立ち上がり
及び立ち下がりを急峻にすることにより、高密度の記録
再生を可能とする。 【解決手段】 垂直磁化膜からなる記録層4と再生層3
との間に、磁気的な交換相互作用を遮断するための非磁
性中間層9を設ける。このとき、再生層3は、情報の再
生時に外部磁界を印加したときにその磁化方向が、第1
温度範囲T1 では上記外部磁界の方向を向き、再生用の
光ビーム8を照射して第2温度範囲T2 となると上記記
録層4から発生される浮遊磁界の方向を向き、第3温度
範囲T3 では再び外部磁界の方向を向くように形成され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光磁気記録再生装
置に適用される光磁気ディスク、光磁気テープ、光磁気
カード等の光磁気記録媒体、及びその再生方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、書き換え可能な光記録媒体と
して、光磁気記録媒体が実用化されている。このような
光磁気記録媒体では、光磁気記録媒体上に集光された半
導体レーザから出射される光ビームのビーム径に対し
て、記録用磁区である記録ビット径及び記録ビット間隔
が小さくなってくると、再生特性が劣化してくるという
欠点が生じている。
【0003】このような欠点は、目的とする記録ビット
上に集光された光ビームのビーム径内に隣接する記録ビ
ットが入るために、個々の記録ビットを分離して再生す
ることができなくなることが原因である。
【0004】上記の欠点を解消するために、MORIS'94に
おいて磁気的超解像現象を利用した光磁気再生技術に関
する数件の発表が行われた。その発表の予稿集における
No.29-K-04"MSR Disks with Three Magnetic Layers Us
ing In-Plane MagnetizationFilms"(p.125)、及びNo.29
-K-05"Magnetically-induced Super Resolution Using
Magneto Static Coupling"(p.126)においては、光磁気
記録媒体として、室温で面内磁化状態であり、温度上昇
と共に垂直磁化状態となる再生層と記録層との間に、面
内磁化を有する中間層、又は非磁性中間層を設けたもの
が提案されている。
【0005】これにより、面内磁化状態にあるFront ma
sk( 前方マスク) とRear mask(後方マスク) が形成さ
れ、さらに後方マスクによる信号変化が急峻となること
が示されている。
【0006】また、No.29-K-06"New Readout Technique
using Domain Collapse on Magnetic Multilayer"(p.1
27) においては、後方マスクによる急峻な信号変化にお
いて良好なジッタ特性が得られること、及び再生信号を
微分することにより精度良く記録ビットの位置が検出さ
れることが開示されている。
【0007】また、本願出願人は、先に磁気的超解像現
象を利用した光磁気再生技術に関する他の提案を行って
いる(出願日:1994年12月27日、発明の名称:
光磁気記録媒体およびその再生方法、特願平6−326
387号)。図16は、その光磁気記録媒体の構成を示
す概略構成図である。この光磁気記録媒体は、基板10
1、透明誘電体層102、再生層103、非磁性中間層
109、記録層104、保護層105、オーバーコート
層106が、この順に積層されたディスク本体110を
有している。
【0008】上記基板101は、例えばポリカーボネー
ト等の透明な基材からなり、ディスク状に形成されてい
る。
【0009】上記記録層104は、反平行となる垂直な
磁化方向によってデジタル記録が記録される記録ビット
111・112を有するように形成されている。この記
録ビット111・112は情報を記録するための記録用
磁区である。
【0010】再生層103は、上記記録ビット111・
112から磁化方向が転写される再生ビットを有するよ
うに記録層104上に形成されている。この再生層10
3は、垂直磁化膜の補償温度がほぼ室温となるように、
さらに温度上昇に伴って飽和磁化が大きくなって再生温
度の近傍で極大となり、かつ室温から再生温度までの温
度上昇に伴って保磁力の低下が飽和磁化の増加と比べて
小さいものとなるように形成されている。具体的には再
生ビットにおける安定に存在し得る安定磁区幅が、室温
の場合には各記録ビット111・112の磁区幅104
aより大きくなり、再生ビットの磁化方向を検出するた
めの光ビーム108によって再生温度まで昇温された場
合には上記安定磁区幅が昇温にしたがって順次小さくな
り磁区幅104a以下となるように設定されている。
【0011】非磁性中間層109は、2つの磁性イオン
の磁気モーメント、即ちスピンの相対的な方向を決める
磁気的な結合力である交換相互作用を記録層104と再
生層103との間にて遮断するために設けられている。
【0012】上記構成により、室温では再生層103に
おける再生ビットの安定磁区幅が記録ビット111・1
12の磁区幅104aより大きいため、記録ビット11
1・112の幅にて再生ビットが存在し得ないようにな
っている。また、非磁性中間層109によって上記再生
層103と記録層104との間の交換相互作用が遮断さ
れているため、再生ビットの磁化方向が記録ビットの磁
化方向に揃わないようになっている。
【0013】そして、集光された光ビーム108が再生
層103に照射されると、光ビーム108の強度分布
(ほぼガウス分布)に対応して、再生層103及び記録
層104に同様な温度分布が形成される。この温度上昇
と共に、上記再生ビットの安定磁区幅が小さくなって記
録ビット111に対応する大きさの再生ビットが安定に
存在できるようになったとき、記録層104から発生す
る浮遊磁界109aによって磁化反転された再生ビット
103aが形成される。このとき、再生ビット103a
と異なる他の再生ビット103bは、記録層104との
磁気的な結合力が小さいため、再生ビット103aとは
分離されて外部磁界等により磁化方向が揃えられる。
【0014】従って、再生層103を上記のように設定
すれば、光ビーム108が照射された領域内の一部分の
みを磁化反転可能とすることができる。このため、記録
ビット111・112の大きさや間隔を従来より小さく
しても一つ一つの再生ビットを分離することができ、光
磁気記録媒体の記録密度を向上させることができる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
MORIS'94において発表された光磁気記録媒体では、再生
の際に形成される後方マスクにより再生信号の立ち下が
りは急峻となるが、再生信号の立ち上がりは、従来同
様、光ビームの移動や温度上昇に伴うなだらかなものと
なる。このため、再生信号波形の立ち上がり部分におい
て、正確な位置情報の検出ができず、光磁気記録媒体の
記録の高密度化を充分に行うことができないという問題
を有している。
【0016】また、上記特願平6−326387号の光
磁気記録媒体では、再生層103が昇温され安定磁区幅
が記録ビット111・112の磁区幅より小さくなった
時点で、再生層103において瞬間的に反転磁区が形成
されるため、再生信号の立ち上がりは急峻となるが、再
生層103の温度の下降過程が比較的緩やかであるた
め、再生信号の立ち下がりが緩やかになってしまい、光
磁気記録媒体の高密度記録化を充分に行うことができな
いという問題を有している。
【0017】本発明は、上記従来の問題点を解決するた
めになされたもので、その目的は、立ち上がり及び立ち
下がりの両方が急峻な再生信号を得て、画像情報などの
記録にも充分対応できる大容量の光磁気記録媒体を得る
と共に、上記光磁気記録媒体を効果的に再生し得る再生
方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の請求項1記載の光磁気記録媒体は、垂直
磁化膜からなり垂直な磁化方向によって情報が記録され
ると共に浮遊磁界を発生させる記録層と、垂直磁化膜か
らなり上記記録層の磁区情報が転写される再生層と、非
磁性膜からなり記録層と再生層との間に積層され記録層
と再生層との間の磁気的交換結合力を遮断する中間層
(例えば、非磁性中間層)とを有し、上記再生層は、情
報の再生時に所定の外部磁界を印加したときにその磁化
方向が、室温を含む第1温度範囲では上記外部磁界の方
向を向き、光ビームを照射することにより第1温度範囲
より高い第2温度範囲となると上記浮遊磁界の方向を向
き、第2温度範囲よりさらに高い第3温度範囲では再び
外部磁界の方向を向くように形成されることを特徴とし
ている。
【0019】上記構成によれば、垂直磁化膜からなる記
録層と再生層との間に非磁性膜からなる中間層が形成さ
れ、記録層と再生層との間には磁気的交換結合力が存在
しないので、再生層の磁化方向は、記録層から発生され
る浮遊磁界と、外部から印加される外部磁界とにより制
御される。
【0020】このとき、再生層は、情報の再生時に所定
の外部磁界を印加したときにその磁化方向が、第1温度
範囲及び第3温度範囲では外部磁界の方向を向き、光ビ
ームを照射することにより第1温度範囲と第3温度範囲
との間の温度である第2温度範囲となると浮遊磁界の方
向を向くように形成されている。このため、光ビームが
照射されていない第1温度範囲部分においては、記録層
の磁区情報が再生層に転写されず、再生出力は存在しな
い。一方、光ビームにより温度上昇した第2温度範囲部
分では、記録層の磁区情報が再生層に転写され再生出力
が得られる。そして、さらに昇温した第3温度範囲部分
では、再生層に転写された磁区情報が消滅する。
【0021】即ち、光ビームの温度分布はガウス分布に
従っているので、光ビームの照射により温度上昇し第2
温度範囲となった光ビームの一部分の記録層の磁区情報
のみを再生層に転写し、再生することが可能となる。こ
れにより、光ビームの径よりも小さい領域に記録された
情報を再生する超解像動作が可能となる。この結果、大
容量化に必要な記録の高密度化が充分に達せられ、大容
量の記録再生装置が必要とされる例えば画像情報記録等
に対応できる光磁気記録媒体の実現が可能となる。
【0022】請求項2記載の光磁気記録媒体は、垂直磁
化膜からなり垂直な磁化方向によって情報が記録される
と共に浮遊磁界を発生させる記録層と、垂直磁化膜から
なり上記記録層の磁区情報が転写される再生層と、面内
磁化膜からなり記録層と再生層との間に積層され記録層
と再生層との間の磁気的交換結合力を制御する中間層と
を有し、上記再生層は、情報の再生時に所定の外部磁界
を印加したときにその磁化方向が、室温を含む第1温度
範囲では上記外部磁界の方向を向き、光ビームを照射す
ることにより第1温度範囲より高い第2温度範囲となる
と上記浮遊磁界の方向を向き、第2温度範囲よりさらに
高い第3温度範囲では再び外部磁界の方向を向くように
形成されることを特徴としている。
【0023】上記構成によれば、垂直磁化膜からなる記
録層と再生層との間に面内磁化膜からなる中間層が形成
され、記録層と再生層との間には磁気的交換結合力が実
質的に弱められているので、再生層の磁化方向は、記録
層から発生される浮遊磁界と、外部から印加される外部
磁界とにより制御される。
【0024】このとき、再生層は、情報の再生時に所定
の外部磁界を印加したときにその磁化方向が、第1温度
範囲及び第3温度範囲では外部磁界の方向を向き、光ビ
ームを照射して第1温度範囲と第3温度範囲との間の温
度である第2温度範囲となると浮遊磁界の方向を向くよ
うに形成されている。従って、請求項1の構成による作
用効果と同様に、光ビームの照射により温度上昇し第2
温度範囲となった光ビームの一部分の記録層の磁区情報
のみを再生層に転写し、再生することが可能となる。こ
れにより、光ビームの径よりも小さい領域に記録された
情報を再生する超解像動作が可能となる。この結果、大
容量化に必要な記録の高密度化が充分に達せられ、大容
量の記録再生装置が必要とされる例えば画像情報記録等
に対応できる光磁気記録媒体の実現が可能となる。
【0025】請求項3記載の光磁気記録媒体の再生方法
は、請求項1または2記載の光磁気記録媒体に対し、第
1温度範囲では記録層から発生する浮遊磁界の強度より
大きく、第1温度範囲より高い第2温度範囲では浮遊磁
界の強度より小さく、第2温度範囲よりさらに高い第3
温度範囲では再び浮遊磁界の強度より大きくなるように
強度が設定された外部磁界を印加した状態で、光ビーム
を照射し第2温度範囲に昇温した再生層に記録層の磁区
情報を転写した後、上記光ビームによって情報を再生す
るための再生信号を検出することを特徴としている。
【0026】上記構成によれば、請求項1または2記載
の光磁気記録媒体に対して、第1及び第3温度範囲では
記録層から発生する浮遊磁界の強度より大きく、第1温
度範囲と第3温度範囲との間の温度である第2温度範囲
では浮遊磁界の強度より小さくなるように強度が設定さ
れた外部磁界を印加した状態で光ビームを照射すると、
第1及び第3温度範囲において再生層の磁化方向が外部
磁界の方向に向き、第2温度範囲において再生層の磁化
方向が浮遊磁界の方向に向く。
【0027】即ち、再生層において第2温度範囲に昇温
した部位にのみ記録層の磁区情報が転写される。その結
果、上記光ビームによって情報を再生するための再生信
号を安定して検出することができる。そして、この場
合、第1温度範囲から第2温度範囲へ移る過程における
再生層の磁区の生成と、第2温度範囲から第3温度範囲
へ移る過程における再生層の磁区の消滅とが瞬間的にな
されるので、得られる再生信号の波形は、急峻な立ち上
がりと立ち下がりとを示す矩形波形となる。従って、こ
の再生信号の立ち上がりと立ち下がりとを利用して、記
録磁区のエッジ位置を正確に検出することが可能とな
る。この結果、大容量化に必要な記録の高密度化が充分
に達せられ、大容量の記録再生装置が必要とされる例え
ば画像情報記録等に対応できる光磁気記録媒体の再生を
実現することができる。
【0028】請求項4記載の光磁気記録媒体の再生方法
は、請求項3記載の構成に加えて、上記再生信号を微分
処理して用いることを特徴としている。
【0029】上記構成によれば、情報を再生するための
再生信号を微分処理して用いているので、再生信号の急
峻な立ち上がりと立ち下がりとがさらに急峻なものとな
り、記録磁区の存在する位置、または、記録磁区のエッ
ジをより正確に検出できるようになる。従って、記録磁
区をさらに小さくして記録密度を高めても、記録磁区に
記録された情報を再生することができ、その結果、さら
に大容量の光磁気記録媒体の再生を実現することが可能
となる。
【0030】
【発明の実施の形態】
〔実施の形態1〕本発明の実施の形態について図1ない
し図12に基づいて説明すれば以下の通りである。本実
施の形態では、光磁気記録媒体として光磁気ディスクを
適用した場合について説明する。
【0031】本実施の形態に係る光磁気ディスクは、図
2に示すように、基板1、透明誘電体層2、再生層3、
非磁性中間層(中間層)9、記録層4、保護層5、オー
バーコート層6が、この順にて積層されたディスク本体
10を有している。
【0032】このような光磁気ディスクでは、その記録
方式としてキュリー温度記録方式が用いられており、半
導体レーザから出射される光ビーム8が対物レンズ7に
より再生層3に絞り込まれ、極カー効果として知られて
いる光磁気効果によって情報が記録再生されるようにな
っている。上記極カー効果とは、入射表面に垂直な磁化
を有し、その磁化方向によって反射光の偏光面の回転の
向きが逆方向となる現象である。
【0033】基板1は、例えばポリカーボネート等の透
明な基材からなり、ディスク状に形成される。
【0034】記録層4は、ほぼ室温に補償温度を持つ希
土類遷移金属合金の垂直磁化膜からなる。記録層4は、
反平行となる垂直な各磁化方向によってデジタル情報が
記録される記録磁区4aを有する。
【0035】また、記録層4の磁化の大きさは、室温近
傍において比較的小さく、温度上昇に伴い磁化が大きく
なり、ある極大値を示した後減少し、キュリー温度Tc
においてゼロとなる。従って、記録層4から発生する浮
遊磁界9aの強度は、図3に示すように、記録層4の磁
化の大きさに比例した温度変化となる。即ち、室温を含
む第1温度範囲T1 では温度上昇に伴い浮遊磁界強度が
増大し、再生温度である第2温度範囲T2 に極大値を有
し、第3温度範囲T3 では温度上昇に伴い減少し、キュ
リー温度Tcでゼロとなる。なお、上記記録層4の磁化
の大きさは、記録層4の飽和磁化Msを用いて4πMs
として表される。
【0036】再生層3は、希土類遷移金属合金の垂直磁
化膜からなり、図2に示すように、記録層4上に設けら
れる。再生層3は、記録層4から発生される浮遊磁界9
aにより記録磁区4aの磁化方向が転写される再生磁区
3aを有する。
【0037】また、再生層3は、その磁化の大きさが大
きいほど浮遊磁界9aの方向を向こうとする力が強くな
るため、再生層3の磁化も第2温度範囲T2 において極
大を示すことが望ましい。また、再生層3は、第1温度
範囲T1 及び第3温度範囲T3 において後述の再生磁界
11(図7参照)である外部磁界の方向を向く必要があ
るので、第1温度範囲T1 及び第3温度範囲T3 で少な
くとも外部磁界を感じることが可能な磁化を有するよう
に形成する。
【0038】即ち、上記再生層3は、情報の再生時に所
定の外部磁界を印加したときにその磁化方向が、第1温
度範囲T1 では上記外部磁界の方向を向き、光ビーム8
を照射して第1温度範囲T1 より高い第2温度範囲T2
となると上記浮遊磁界9aの方向を向き、第2温度範囲
2 よりさらに昇温した第3温度範囲T3 では再び外部
磁界の方向を向くように形成される。
【0039】上記第1ないし第3温度範囲T1 〜T
3 と、記録層4のキュリー温度Tcとは、
【0040】
【数1】
【0041】かつ、
【0042】
【数2】
【0043】かつ、
【0044】
【数3】
【0045】の関係を満たしている。即ち、第1ないし
第3温度範囲T1 〜T3 は、記録層4のキュリー温度T
cによって決定される。本実施の形態におけるキュリー
温度Tcは200℃〜300℃である。従って、Tc=
200℃の場合には、T1 <67℃、67℃≦T2 ≦1
33℃、133℃<T3 となり、Tc=300℃の場合
には、T1 <100℃、100℃≦T2 ≦200℃、2
00℃<T3 となる。
【0046】非磁性中間層9は、2つの磁性体の磁気モ
ーメント、即ちスピンの相対的な方向を決める磁気的な
結合力である交換相互作用を記録層4と再生層3との間
にて遮断するためのものである。これにより、記録層4
と再生層3との間には磁気的交換結合力が存在しないの
で、再生層3の磁化方向は記録層4から発生される浮遊
磁界9aと、外部から印加される外部磁界とにより制御
されることになる。
【0047】(1)光磁気ディスクの再生方法 上記光磁気ディスクを再生するためには、第1温度範囲
1 及び第3温度範囲T3 において、再生層3の磁化方
向と記録層4の未記録部分の磁化方向とを外部磁界方向
に向ける必要がある。
【0048】そこで、図7に示すように、光ビーム8に
よる再生と同時に所定の外部磁界としての再生磁界11
を加える再生磁界発生装置12を設ける。再生磁界11
は、第1温度範囲T1 及び第3温度範囲T3 において記
録層4の磁化反転が起こらず、記録層4から発生する浮
遊磁界9aに打ち勝って、再生層3の磁化方向を一方向
に揃え、かつ、第2温度範囲T2 において記録層4の磁
化反転が起こらず浮遊磁界9aに従って、再生層3の磁
化反転を起こす磁界である。即ち、再生磁界11は、再
生が行われる温度範囲(第2温度範囲T2 )にて常に記
録層4の保磁力より小さく、かつ、第1温度範囲T1
び第3温度範囲T3 で浮遊磁界9aより大きく、第2温
度範囲T2 で浮遊磁界9aより小さくなるように設定さ
れる。
【0049】なお、再生磁界11を発生する再生磁界発
生装置12を、記録磁界を発生する装置と共通化するこ
とにより、装置の大型化及びコストアップを招来するこ
となく、再生磁界11を発生させることができる。
【0050】次に、図1(a)〜(d)に基づいて上記
光磁気ディスクの再生動作を説明する。なお、光磁気デ
ィスクは、通常、基板1に形成された複数のトラック1
aに沿って記録層4に記録磁区4aが記録情報に対応し
て形成されているが、ここでは再生特性を分かりやすく
説明するために、記録磁区4aが一つだけ形成されてい
るものとする。
【0051】図1(a)は上記光磁気ディスクを上から
見た図であり、ここでは、再生層3の再生可能な状態で
転写された1つの記録磁区4aのみを示している。光磁
気ディスクの回転に伴うトラック1aの移動(図中では
右方向)により、前記光ビーム8のスポット8aも相対
的に移動するので、トラック1a上には移動速度に対応
した温度分布が発生する。そして、トラック1a上の最
も温度が高くなる部分はスポット8aの後方に位置する
ことになる。即ち、等温線21の内側領域が最も温度が
高い第3温度範囲T3 、等温線21と22との間の領域
が第2温度範囲T2 、等温線22の外側領域が第1温度
範囲T1 となる。
【0052】スポット8aが図1(a)の位置にくる
前、即ち、等温線22より温度の低い第1温度範囲T1
に記録磁区4aが存在する場合の各層の磁化の状態と浮
遊磁界の状態を図1(b)に示す。この場合、記録層4
から発生する浮遊磁界強度が一定磁界の外部磁界強度よ
り小さくなるので、再生層3の磁化方向は外部磁界方向
を向き、記録磁区4aの磁化方向は再生層3に転写され
ない。
【0053】次に、スポット8aが図1(a)の位置に
きたとき、即ち、等温線21と22との間の第2温度範
囲T2 に記録磁区4aが存在する場合の各層の磁化の状
態と浮遊磁界の状態を図1(c)に示す。このとき、浮
遊磁界強度が外部磁界強度より大きくなるので、再生層
3の磁化方向が浮遊磁界方向を向き、記録磁区4aの磁
化方向が再生層3に転写され、再生磁区3aが生成され
る。その後、再生層3の磁区情報は、光ビーム8により
再生出力として検出され、情報の読み出しが行われる。
【0054】次に、スポット8aが図1(a)の位置を
通り過ぎた後、即ち、等温線21より温度の高い第3温
度範囲T3 に記録磁区4aが存在する場合の各層の磁化
の状態と浮遊磁界の状態を図1(d)に示す。この場
合、再び、浮遊磁界強度が外部磁界強度より小さくなる
ので、再生層3の磁化方向は外部磁界方向を向き、形成
された再生磁区3aが消滅する。
【0055】このように、本光磁気ディスクの再生層3
の磁化方向が、温度分布により記録層4から発生される
浮遊磁界の方向と、外部から印加される外部磁界の方向
とのどちらかに向くように、再生層3が形成されている
ので、光ビーム8のスポット8aの径より充分に狭い第
2温度範囲T2 にある記録磁区4aのみが再生層3に転
写され、光ビーム8にて再生されるようになる。これに
より、記録層4の記録密度を高めても、光ビーム8によ
り各記録磁区4aの情報を安定に再生することが可能と
なり、大容量化に必要な記録の高密度化が充分に達せら
れるので、大容量化の記録再生装置が必要とされる例え
ば画像情報記録等を充分に行うことができる。
【0056】さらに、本実施の形態では、図1(b)の
状態から図1(c)の状態へと移る際、即ち記録磁区4
aが第1温度範囲T1 から第2温度範囲T2 へと移動す
る際に、再生層3に対する磁区の転写条件が満足された
瞬間に記録層4から再生層3への磁化転写が実現し、再
生層3における瞬間的な磁区転写に伴う再生信号の急峻
な立ち上がりが得られる。一方、図1(c)の状態から
図1(d)の状態へと移る際、即ち記録磁区4aが第2
温度範囲T2 から第3温度範囲T3 へと移動する際に、
再生層3に対する磁区の転写条件が満足されなくなった
瞬間に再生層3に転写されていた磁区が瞬間的に消滅
し、再生層3における瞬間的な磁区消滅に伴う再生信号
の急峻な立ち下がりが得られる。
【0057】(2)光磁気ディスクの形成方法 上記構成の光磁気ディスクの形成方法について説明す
る。なお、ここで形成された光磁気ディスクの試作をデ
ィスクAとする。
【0058】まず、Alターゲットと、GdFeCo合金ターゲ
ットと、DyFeCo合金ターゲットとをそれぞれ備えたスパ
ッタ装置内に、プリグルーブ及びプリピットを有しディ
スク状に形成されたポリカーボネート製の基板1を基板
ホルダーに配置する。スパッタ装置内を1×10-6Torrま
で真空排気した後、アルゴンと窒素の混合ガスを導入
し、Alターゲットに電力を供給して、ガス圧4×10-3To
rrの条件で、基板1にAlN からなる透明誘電体層2を形
成した。
【0059】ここで、透明誘電体層2の膜厚は、再生特
性を改善するため、再生光の波長の1/4を、透明誘電
体層2の屈折率で除した値程度に設定される。例えば再
生光の波長を 680nmとすると、10nm〜80nm程度の膜厚で
よい。本実施の形態においては、透明誘電体層2の膜厚
を50nmとした。
【0060】次に、再度、スパッタ装置内を1×10-6To
rrまで真空排気した後、アルゴンガスを導入し、GdFeCo
合金ターゲットに電力を供給して、ガス圧4×10-3Torr
とし、上記透明誘電体層2上に、Gd0.20(Fe0.80Co0.20)
0.80からなる再生層3を形成した。その再生層3は、ほ
ぼ室温に補償温度を持ち、そのキュリー点は280 ℃であ
った。
【0061】再生層3の膜厚は、記録層4に記録された
磁化情報が信号出力となって現れることをある程度防止
する必要があり10nm以上であることが望ましい。また、
再生層3の膜厚が厚くなり過ぎると温度上昇に必要とな
る光ビーム8のパワーが大きくなり、記録感度の低下の
原因となる。そのため、再生層3は、50nm以下であるこ
とが望ましい。本実施例においては、再生層3の膜厚を
40nmとした。
【0062】次に、スパッタ装置内にアルゴンと窒素の
混合ガスを導入し、Alターゲットに電力を供給して、ガ
ス圧4×10-3Torrの条件で、再生層3上にAlN からなる
非磁性中間層9を形成した。ここで、非磁性中間層9の
膜厚は、記録層4から発生する浮遊磁界を効果的に再生
層3に伝えるため、60nm以下であることが望ましい。ま
た、再生層3と記録層4との間に直接的な磁気的交換結
合が生じないようにするため、1nm以上であることが望
ましい。本実施の形態においては、非磁性中間層9の膜
厚を5nmとした。
【0063】次に、再度、スパッタ装置内を1×10-6To
rrまで真空排気した後、アルゴンガスを導入し、DyFeCo
合金ターゲットに電力を供給して、ガス圧4×10-3Torr
とし、上記非磁性中間層9上に、Dy0.23(Fe0.70Co0.30)
0.77からなる記録層4を形成した。その記録層4は、ほ
ぼ室温に補償点を有する垂直磁化膜であり、そのキュリ
ー点が 275℃であった。
【0064】記録層4の膜厚は、再生層3の再生磁区の
磁化反転に必要な浮遊磁界を発生させる必要があるた
め、20nm以上であることが望ましい。また、記録層4が
厚くなり過ぎると温度上昇に必要となる光ビーム8のパ
ワーが大きくなり、記録感度の低下の原因となるため、
記録層4は 200nm以下であることが望ましい。本実施の
形態においては、記録層4の膜厚を40nmとした。
【0065】次に、スパッタ装置内にアルゴンと窒素の
混合ガスを導入し、Alターゲットに電力を供給して、透
明誘電体層2の形成条件と同一条件で、記録層4上にAl
N からなる保護層5を形成した。
【0066】ここで、保護層5の膜厚は、記録層4を酸
化等の腐食から保護することが可能であればよく、5nm
以上であることが望ましい。本実施の形態においては、
保護層5の膜厚を20nmとした。
【0067】次に、上記保護層5上に、紫外線効果樹
脂、または熱硬化樹脂をスピンコートにより塗布して、
紫外線を照射するか、加熱するかによってオーバーコー
ト層6を形成した。
【0068】(3)ディスクAの記録再生特性 上記ディスクAにおけるCNR(信号対雑音比)のマー
ク長依存性を図4に示す。再生層3の磁化方向を記録層
4の初期化方向に揃えた後、線速5m/s で、記録磁界を
10kA/mとして6mWのパワーの光ビーム8をパルス照射し
て、異なるマーク長の記録磁区4aをマーク長の2倍の
ピッチで形成した後、5kA/m の外部磁界を加えた状態で
2mWの再生レーザパワーでCNRの測定を行った。
【0069】図4から、マーク長 0.3μm、マークピッ
チ 0.6μmの記録磁区4aで40dB以上のCNRが得られ
ていることがわかる。
【0070】本発明に関するCNRの測定には、波長 8
30nmのレーザを用いた光学系が用いられており、マーク
長 0.3μm、マークピッチ 0.6μmにて普通に記録され
た記録磁区4aに対して、再生すべき記録磁区4aと隣
接する各記録磁区4aとの分離が全くできなくなること
が知られている。即ち、マーク長 0.3μm、マークピッ
チ 0.6μmにて普通に記録された記録磁区4aを波長 8
30nmのレーザを用いて再生した場合、そのCNRはゼロ
となることが判っている。
【0071】このことから、本実施の形態の構成では、
波長 830nmのレーザを用いて再生した場合に、大きなC
NRが得られていることから、その再生時に磁気的超解
像現象が実現していることが判る。
【0072】比較のため、磁気的超解像現象を用いてい
ない通常の光磁気ディスクを同一の光学系を用いて評価
した結果を比較例として図4に示している。
【0073】また、ディスクAにおいて、マーク長 0.3
μm、マークピッチ 0.6μmで記録された磁区から得ら
れる再生信号波形を図5に示す。これにより、再生信号
の立ち上がりと立ち下がりとが急峻な再生波形となって
いることがわかる。これは、上述したように、光ビーム
8の再生パワーの上昇に伴い、図1に示すような温度分
布が実現し、再生層3において再生磁区の瞬間的な生成
と消滅が発生することにより、このような急激な立ち上
がりと立ち下がりとを有する再生波形を得ることが可能
となる。
【0074】次に、CNRの再生パワーへの依存性を調
べるために、マーク長 0.3μm、マークピッチ 0.6μm
に設定された記録磁区4aに対して、レーザの再生パワ
ーを種々に代えてCNRを測定した。それらの結果を図
6に示す。
【0075】これにより、光ビーム8の再生パワーが約
1.5mW のときCNRが急激に増加することがわかる。こ
れは、再生パワーの上昇に伴い図1に示すような再生層
3の温度分布が生じ、再生層3において再生磁区の瞬間
的な生成と消滅が発生することにより、このような急激
なCNRの上昇が起こる。
【0076】再生パワーをさらに大きくすると、CNR
が急激に低下する。これは、記録層4がそのキュリー温
度Tc近傍まで温度上昇することにより、記録層4に記
録された磁化情報自体が変化していることから生じる。
【0077】従って、本実施の形態の光磁気ディスクに
対する光ビーム8の再生パワーは、再生磁区の生成と消
滅が可能なパワー以上とし、かつ、記録磁区の良好な転
写が実現できなくなるパワーよりも小さく設定する。こ
の再生パワーの設定を行うことにより、良好な信号を再
生することができる。
【0078】(4)光磁気ディスクの膜厚特性 次に、再生層3、非磁性中間層9、及び記録層4の膜厚
を代えて、マーク長 0.3μm、マークピッチ 0.6μmに
設定された記録磁区4aにおけるCNRをそれぞれ測定
し、その結果を表1に示す。
【0079】
【表1】
【0080】ここにおけるCNRの測定も波長 830nmの
レーザを用いた光学系で行っており、マーク長 0.3μ
m、マークピッチ 0.6μmの記録磁区4aに対して、何
らかのCNRが得られるということは、前述と同様に、
本発明の構成では、磁気的超解像現象が実現しているこ
とを意味している。なお、表1において、図5に示す再
生波形と同様な矩形の再生波形が得られた光磁気ディス
クについては、表1における再生特性の欄を〇印にて示
した。
【0081】表1より、実施した膜厚領域においては、
CNRの大小の差が存在するものの、全ての光磁気ディ
スクにおいて、本発明の磁気的超解像現象が確認され
た。
【0082】この結果から、再生層3は5nm 以上60nm以
下であると良好な再生特性が得られるが、前述の光磁気
ディスクの形成方法の項で述べた理由により10nm以上50
nm以下が望ましい。また、再生層3は、CNRが40dB以
上となる30nm以上40nm以下がさらに好ましいことがわか
る。非磁性中間層9は1nm 以上60nm以下が望ましく、C
NRが40dB以上となる2nm 以上10nm以下がさらに好まし
いことがわかる。さらに、記録層4は5nm 以上120nm 以
下が望ましく、CNRが40dB以上となる40nm以上120nm
以下がさらに好ましいことがわかる。
【0083】次に、再生層3の組成を種々に代えて、マ
ーク長 0.3μm、マークピッチ 0.6μmの記録磁区4a
におけるCNRをそれぞれ測定し、それらの結果を表2
に示した。なお、表2では、X1 ,Y1 は、再生層3の
GdX1( FeY1 Co1-Y1)1-X1の組成比を表している。
【0084】
【表2】
【0085】上記CNRの測定では、波長 830nmのレー
ザを用いた光学系が用いられており、マーク長 0.3μ
m、マークピッチ 0.6μmで普通に記録された記録磁区
4aに対して、表2の結果から明らかなように、何らか
のCNRが得られるということは、前述と同様に、本発
明の構成では、磁気的超解像現象が実現していることを
意味している。なお、表2において、図5に示す再生波
形と同様な矩形の再生波形が得られた光磁気ディスクに
ついては、再生特性の欄に〇印にて示した。
【0086】表2より、本発明においては、再生層3の
GdX1( FeY1 Co1-Y1)1-X1して、Y1=0.80の場合、0.16
≦X1 ≦0.22の範囲内である必要があることが判る。こ
れは、X1 が0.16より小さくなると、室温において再生
層3の微小磁区が安定に存在し、第1温度範囲T1 にお
いて記録層4の磁化情報が再生層3へと転写されてしま
い、本発明の超解像動作を得ることができなくなる。ま
た、X1 が0.22より大きくなると、再生温度範囲、即ち
第2温度範囲T2 において、再生層3における微小磁区
が不安定になることにより、第2温度範囲T2 における
再生層3への磁区転写が起こらなくなり、本発明に係る
超解像動作を実現することができなくなる。
【0087】また、X1 =0.20の場合、0.74≦Y1 ≦1.
00の範囲内である必要があることが判る。Y1 <0.74の
範囲においては、Coの含有量が増えることにより、再生
層3の磁化状態の変化が大きくなり、第1温度範囲T1
及び第3温度範囲T3 において、同一の外部磁界で再生
層3の磁化方向を揃えることが困難になる。
【0088】次に、記録層4の組成を種々に代えて、マ
ーク長 0.3μm、マークピッチ 0.6μmの記録磁区4a
におけるCNRをそれぞれ測定し、それらの結果を表3
に示した。なお、表3では、X2 ,Y2 は、再生層3の
DyX2( FeY2 Co1-Y2)1-X2の組成比を表している。
【0089】
【表3】
【0090】なお、表3において、図5に示す再生波形
と同様な矩形の再生波形が得られた光磁気ディスクにつ
いては、再生特性の欄に〇印にて示した。
【0091】表3より、本発明においては、記録層4の
DyX2( FeY2 Co1-Y2)1-X2して、Y2=0.70の場合、0.18
≦X2 ≦0.25の範囲内である必要があることが判る。ま
た、X2 =0.23の場合、0.66≦Y2 ≦0.85の範囲内であ
る必要があることが判る。これは、X2 及びY2 が上記
組成範囲から外れることにより、図3に示すような記録
層4から発生する浮遊磁界強度を得ることができなくな
り、超解像動作を実現することができなくなるからであ
る。
【0092】(5)光磁気ディスクの再生信号処理 上述したように、光磁気ディスクにおいて検出される再
生信号は、再生信号の立ち上がりと立ち下がりとが共に
極めて急峻なものとなる。例えば、光磁気ディスクに
0.8μmピッチで直径 0.4μmの記録磁区4aを形成し
た場合、再生時に得られる再生出力の信号波形は、図8
に示すようになる。
【0093】これと比較するために、従来、一般に使用
されている単層の磁性層からなる光磁気ディスクから得
られる再生信号の一例を図9に示す。これによると、光
ビームの移動に伴い光ビームのスポット内の記録磁区が
移動することにより、サインカーブに近い再生信号が得
られる。
【0094】一般に、光磁気ディスクにおいては、差動
検出法が用いられるため、反射率変化による信号振幅の
変動がある程度抑制された形で再生信号が得られる。し
かし、差動検出で抑制できない複屈折変動等に起因する
信号振幅の変動が残り、再生信号は、図9に示すよう
に、ゆるやかな上下動を伴うことになる。この場合、定
電圧レベルをスライスレベルとすると、信号振幅のゆる
やかな上下動に伴い、記録磁区の正確な位置を検出する
ことができなくなる。
【0095】そこで、上記のような上下動による再生エ
ラーを抑制するために、包絡線検波によって最終信号を
得ることが一般に行われている。即ち、図10に示すよ
うに、包絡線検出回路24により再生信号の各包絡線を
検出し、スライスレベル形成回路25で上記各包絡線の
平均レベルに基づいてスライスレベルを設定することに
より、ゆるやかな上下動に伴う記録磁区の検出位置の変
動を抑制でき、マーク位置検出回路26で正確なマーク
位置を検出する構成となっている。
【0096】ここで、上記光磁気ディスクの図8に示す
再生信号においても、同様にゆるやかな信号振幅の上下
動を伴うことになる。このような上下動では、図9の従
来の再生信号と比べて、再生信号の立ち上がり及び立ち
下がりが急峻であるため、定電圧レベルでスライスした
場合、上記従来の場合よりもより正確な記録磁区4aの
位置検出が可能であるが、この場合も、図9と同様、再
生信号の包絡線検波を行って最終信号を得ることが望ま
しい。
【0097】ところが、このような包絡線検波を行っ
て、再生信号の処理を行った場合、図10のブロック図
に示すように、そのような包絡線検波による遅延によっ
て、上記再生信号も合わせて遅延させる必要があり、回
路が複雑化すると共に上記包絡線検波によるスライスレ
ベルと上記再生信号とを同期させるという手間を生じて
いる。
【0098】そこで、本実施の形態では、上記光磁気デ
ィスクから得られた再生信号を微分処理することによ
り、最終再生信号を得るようになっている。図8に示す
ような本実施の形態で得られた再生信号は、立ち上がり
及び立ち下がりが極めて急峻であるから、微分処理する
ことにより、図11に示すように、上記再生信号からゆ
るやか再生信号の振幅の変動を除去でき、再生信号の変
動が急峻な部分のみ、即ち再生信号の立ち上がり及び立
ち下がり部分のみを微分出力として得ることが可能とな
る。
【0099】このように、本実施の形態では、得られた
再生信号を微分処理することにより、ゆるやかな信号振
幅の上下動の悪影響を除去できて、記録磁区4aの正確
な位置を示す最終再生信号を得ることが可能となる。即
ち、図12に示すように、再生信号を微分処理する微分
回路27と、微分回路27からの微分出力が定電圧スラ
イスレベル以上となる位置を検出するマーク位置検出回
路26を設ける。これにより、従来のような遅延回路を
省くことができて、定電圧スライスレベルを用いた簡単
な回路構成で正確な再生信号の処理を行うことが可能と
なる。
【0100】上記定電圧スライスレベルは、例えば、図
11に示すように、2種類の定電圧スライスレベルを設
定することにより、再生信号の立ち上がり及び立ち下が
りの位置を別々に精度良く検出することができる。ま
た、図11に示す微分出力をさらに微分することによ
り、一つの定電圧スライスレベルにより、再生信号の立
ち上がり及び立ち下がりの位置を同時に精度良く検出す
ることも可能となる。
【0101】以上のように、再生信号を微分処理するこ
とにより、得られた再生信号のゆるやかな信号振幅の上
下動を除去できて、記録磁区4aの正確な位置を検出し
た最終再生信号を再生信号から得ることが可能となった
ことにより、再生信号に要求される信号品質を低く抑え
ることが可能となる。
【0102】即ち、従来では信号処理前の信号品質とし
て、CNRにて45dB以下の信号品質では、光磁気ディス
クとして要求される1×10-5以下のエラーレートを得る
ことが不可能であるとされてきたが、信号処理前に35dB
程度のより小さな信号品質でも、光磁気記録媒体として
の光磁気ディスクに要求されるエラーレートを実現する
ことが可能となり、さらに高密度な記録再生を実現する
ことができる。
【0103】なお、図9に示すように再生信号がサイン
カーブである場合、上記再生信号を微分処理しても再生
信号の位相が変化するだけであり、再生信号の波形に大
きな変化を発生させることは困難である。
【0104】次に、上記のような高密度な記録再生が可
能となったことを示す試験データを表4に示す。なお、
表中の比較例は図9に示す従来の再生信号に対する結果
を示し、実施例は図8に示す本実施の形態の再生信号に
対する結果を示している。
【0105】
【表4】
【0106】表4から明らかなように、比較例としての
CNR1では、ビット長が 0.6μm以上でないと、Er
1の欄に示すように、所望するエラーレート(1×10-5
以下)が得られなかったが、本実施の形態の構成による
CNR2では、再生信号に対して微分処理を施さない場
合でも、Er2の欄に示すように、ビット長 0.3μm以
上で所望するエラーレートが得られて、従来より高密度
化を図ることができることがわかる。さらに、再生信号
に対して微分処理を施した場合、Er3の欄に示すよう
に、ビット長 0.3μm以上で所望するエラーレートが得
られる上に、微分処理を施さない場合と比べて全体的に
エラーレートが減少している。
【0107】〔実施の形態2〕本発明の他の実施の形態
について図13ないし図15に基づくと共に、前記実施
の形態1の図面である図3ないし図6を参照して説明す
れば、以下の通りである。なお説明の便宜上、前記の実
施の形態の図面に示した部材と同一の部材には同一の符
号を付記し、その説明を省略する。
【0108】本実施の形態の光磁気ディスクは、図13
に示すように、実施の形態1の非磁性中間層9の代わり
に、面内磁化膜からなる中間層19を備えたディスク本
体20を有しており、その他の構成については実施の形
態1と同じである。
【0109】中間層19は、記録層4と再生層3との間
の磁気的交換結合力を制御するためのものである。これ
により、記録層4と再生層3との間の磁気的交換結合力
は実質的に弱められているので、再生層3の磁化方向
は、記録層4から発生される浮遊磁界と、外部から印加
される外部磁界とにより制御されることになる。
【0110】(1)光磁気ディスクの再生方法 上記光磁気ディスクを再生する場合においても、実施の
形態1の光磁気ディスクの場合と同様に、第1温度範囲
1 及び第3温度範囲T3 において、再生層3の磁化方
向と記録層4の未記録部分の磁化方向とを外部磁界方向
に向ける必要がある。
【0111】そこで、実施の形態1と同様に、記録層4
から発生する浮遊磁界強度の温度変化と、外部より加え
られる一定強度の外部磁界強度との関係が図3に示すよ
うになるように外部磁界を設定し、光磁気ディスクに印
加する。
【0112】次に、図15(a)〜(d)に基づいて上
記光磁気ディスクの再生動作を説明する。図15(a)
は上記光磁気ディスクを上から見た図であり、ここで
は、再生層3の再生可能な状態で転写された1つの記録
磁区4aのみを示している。図15(b)〜(d)は、
各層の磁化の状態と浮遊磁界の状態を示している。第1
ないし第3温度範囲T1 〜T3 における記録磁区4aの
再生層3への転写の状態は、実施の形態1と同様であ
る。
【0113】このように、中間層19を設けることによ
り、再生層3と記録層4との間に働く磁気的交換結合力
を小さくすることが可能なり、記録層4から発生する浮
遊磁界と再生層3の磁化との静磁結合状態により、光ビ
ーム8の温度上昇した一部分のみの記録磁区4aを再生
層3へ転写し再生する超解像再生か可能となる。
【0114】また、その再生信号波形も、実施の形態1
と同様に、急峻な立ち上がりと立ち下がりとが得られ
る。
【0115】なお、図14に示すように、中間層19が
存在しない場合には、再生層3と記録層4とが接するこ
とにより両者の間に強い磁気的交換結合力が働くため
に、記録層4の記録磁区4aは全て再生層3へ転写され
てしまう。これにより、超解像動作は実現しなくなる。
【0116】(2)光磁気ディスクの形成方法 上記構成の光磁気ディスクの形成方法について説明す
る。これにより形成された光磁気ディスクの試作をディ
スクBとする。
【0117】まず、Alターゲットと、第1及び第2のGd
FeCo合金ターゲットと、DyFeCo合金ターゲットとをそれ
ぞれ備えたスパッタ装置内に、プリグルーブ及びプリピ
ットを有しディスク状に形成されたポリカーボネート製
の基板1を基板ホルダーに配置する。実施の形態1と同
様に、スパッタ装置内を1×10-6Torrまで真空排気した
後、アルゴンと窒素の混合ガスを導入し、Alターゲット
に電力を供給して、ガス圧4×10-3Torrの条件で、基板
1に膜厚50nmのAlN からなる透明誘電体層2を形成し
た。
【0118】次に、再度、スパッタ装置内を1×10-6To
rrまで真空排気した後、アルゴンガスを導入し、第1の
GdFeCo合金ターゲットに電力を供給して、ガス圧4×10
-3Torrとし、上記透明誘電体層2上に、Gd0.20(Fe0.80C
o0.20)0.80からなる再生層3を形成した。その再生層3
は、実施の形態1と同様に、ほぼ室温に補償温度を持
ち、そのキュリー点は280 ℃であった。また、再生層3
の膜厚は40nmとした。
【0119】次に、第2のGdFeCo合金ターゲットに電力
を供給して、ガス圧4×10-3Torrとし、上記再生層3上
に、Gd0.10(Fe0.80Co0.20)0.90からなる中間層19を形
成した。ここで、中間層19の膜厚は、記録層4から発
生する浮遊磁界を効果的に再生層3に伝えるため、60nm
以下であることが望ましい。また、再生層3と記録層4
との間の磁気的交換結合が十分小さくなるようにするた
め、5nm 以上であることが望ましい。本実施の形態にお
いては、中間層19の膜厚を20nmとした。
【0120】次に、DyFeCo合金ターゲットに電力を供給
して、ガス圧4×10-3Torrとし、上記中間層19上に、
Dy0.23(Fe0.70Co0.30)0.77からなる記録層4を形成し
た。その記録層4は、実施の形態1と同様に、ほぼ室温
に補償点を有する垂直磁化膜であり、そのキュリー点が
275℃であった。また、記録層4の膜厚は40nmとした。
【0121】以下、実施の形態1と同様に、スパッタ装
置内にアルゴンと窒素の混合ガスを導入し、Alターゲッ
トに電力を供給して、透明誘電体層2の形成条件と同一
条件で、記録層4上にAlN からなる保護層5を形成し
た。
【0122】さらに、上記保護層5上に、紫外線効果樹
脂、または熱硬化樹脂をスピンコートにより塗布して、
紫外線を照射するか、加熱するかによってオーバーコー
ト層6を形成した。
【0123】(3)ディスクBの記録再生特性 実施の形態1のディスクAに対して行ったCNR(信号
対雑音比)のマーク長依存性の測定と同様の測定を行っ
た。なお、ディスクBに対しては、8kA/m の外部磁界を
加えた状態で1.5 mWの再生レーザパワーでCNRの測定
を行った。この条件以外は、実施の形態1と同様の条件
下で測定を行った。
【0124】その結果、ディスクBにおけるCNR(信
号対雑音比)のマーク長依存性は、図4に示すように、
ディスクAとほぼ同様の結果を得た。即ち、マーク長
0.3μm、マークピッチ 0.6μmの記録磁区4aで40dB
以上のCNRが得られていることがわかる。
【0125】また、ディスクBにおいて、マーク長 0.3
μm、マークピッチ 0.6μmで記録された磁区から得ら
れる再生信号波形は、図5に示すディスクAの再生信号
と同様に、再生信号の立ち上がりと立ち下がりとが急峻
な再生波形となっている。これは、ディスクAの場合と
同様に、再生パワーの上昇に伴い、図15に示すような
温度分布が実現し、再生層3において再生磁区の瞬間的
な生成と消滅が発生することにより、このような急激な
立ち上がりと立ち下がりとを有する再生波形を得ること
が可能となる。
【0126】次に、CNRの再生パワーへの依存性を調
べるために、マーク長 0.3μm、マークピッチ 0.6μm
に設定された記録磁区4aに対して、レーザの再生パワ
ーを種々に代えてCNRを測定した。その結果を図6に
示す。
【0127】これにより、再生パワーが約1.0mW のとき
CNRが急激に増加することがわかる。これは、再生パ
ワーの上昇に伴い図15に示すような再生層3の温度分
布が生じ、再生層3において再生磁区の瞬間的な生成と
消滅が発生することにより、このような急激なCNRの
上昇が起こる。
【0128】ここで、ディスクAに比べて、ディスクB
の方がより小さい再生パワーで急激なCNRの上昇が実
現しているが、これは中間層として非磁性膜を用いるか
面内磁化膜を用いるかにより、両者の間で再生層3と記
録層4との相互作用が異なるためであると考えられる。
【0129】再生パワーをさらに大きくすると、CNR
が急激に低下する。これは、記録層4がそのキュリー温
度近傍まで温度上昇することにより、記録層4に記録さ
れた磁化情報自体が変化していることから生じる。
【0130】従って、本実施の形態の光磁気ディスクに
対する再生パワーは、実施の形態1と同様に、再生磁区
の生成と消滅が可能なパワー以上とし、かつ、記録磁区
4aの良好な転写が実現できなくなるパワーよりも小さ
く設定する。この再生パワーの設定を行うことにより、
良好な信号を再生することができる。
【0131】(4)光磁気ディスクの膜厚特性 次に、再生層3、中間層19、及び記録層4の膜厚を代
えて、マーク長 0.3μm、マークピッチ 0.6μmに設定
された記録磁区4aにおけるCNRをそれぞれ測定し、
その結果を表5に示す。
【0132】
【表5】
【0133】表5の結果から明らかなように、マーク長
0.3μm、マークピッチ 0.6μmの記録磁区4aに対し
て、何らかのCNRが得られるということは、前述と同
様に、本発明の構成では、磁気的超解像現象が実現して
いることを意味している。
【0134】なお、表5において、図5に示す再生波形
と同様な矩形の再生波形が得られた光磁気ディスクにつ
いては、表5における再生特性の欄を〇印にて示した。
【0135】これにより、中間層19の膜厚が極めて薄
い2nm 及び5nm の場合には磁気的超解像動作が確認され
なかったが、それ以外の膜厚範囲においては磁気的超解
像動作が確認された。中間層19の膜厚が極めて薄くな
った場合、記録層4と再生層3との間に働く交換結合力
が強くなることにより、第1温度範囲T1 及び第3温度
範囲T3 で再生層3への記録磁区4aの転写が起こって
しまい、超解像動作を実現することができなくなる。
【0136】この結果から、再生層3は5nm 以上60nm以
下であると良好な再生特性が得られるが、実施の形態1
で述べた理由により10nm以上50nm以下が望ましい。ま
た、再生層3は、CNRが40dB以上となる場合も考慮に
入れると、30nm以上50nm以下がさらに好ましいことがわ
かる。中間層19は 10nm 以上60nm以下が望ましく、C
NRが40dB以上となる 20nm 以上40nm以下がさらに好ま
しいことがわかる。さらに、記録層4は5nm 以上120nm
以下が望ましく、CNRが40dB以上となる30nm以上80nm
以下がさらに好ましいことがわかる。
【0137】次に、中間層19の組成を種々に代えて、
マーク長 0.3μm、マークピッチ 0.6μmの記録磁区4
aにおけるCNRをそれぞれ測定し、それらの結果を表
6に示した。表6では、X3 ,Y3 は、中間層19のGd
X3( FeY3 Co1-Y3)1-X3の組成比を表している。
【0138】
【表6】
【0139】また、表6において、図5に示す再生波形
と同様な矩形の再生波形が得られた光磁気ディスクにつ
いては、再生特性の欄に〇印にて示した。
【0140】表6より、本発明においては、中間層19
のGdX3( FeY3 Co1-Y3)1-X3して、Y3 =0.80の場合、X
3 ≦0.12である必要があることが判る。X3 が0.12より
大きくなると、中間層19が垂直磁化膜となり、記録層
4と再生層3との間の交換結合力が強くなり、本発明の
超解像動作を得ることができなくなる。また、X3 =0.
10とした場合、0.55≦Y3 である必要があることが判
る。Y1 <0.55の範囲においては、Coの含有量が増え、
中間層19の磁化が大きくなることにより、記録層4と
再生層3との間の交換結合力が強くなり、超解像動作を
実現することができなくなる。
【0141】なお、光磁気ディスクの再生信号処理に関
しては、実施の形態1と同様であるので、ここでは説明
を省略する。
【0142】なお、以上の実施の形態1及び2では、透
明誘電体層2としてAlN を用いた例を挙げたが、SiN, M
gO, SiO, TaO等の透明誘電体を用いることが可能であ
る。但し、再生層3や記録層4を構成する希土類遷移金
属合金薄膜が酸化され易いため、酸素を含有しないAlN
やSiN を透明誘電体層として用いることが望ましい。
【0143】また、再生層3としてGdFeCo合金を用いた
例を挙げたが、上記再生層3としては、第1及び第3温
度範囲T1 ・T3 においてその磁化が外部磁界方向を向
き、第2温度範囲T2 でおいてその磁化が記録層4から
発生する浮遊磁界方向を向くものであればよく、GdFeCo
合金の他に、例えば、GdFe合金、GdDyFe合金、GdDyFeCo
合金等の希土類遷移金属合金薄膜を用いることが可能で
ある。
【0144】また、実施の形態1では、非磁性中間層9
としてAlN を用いた例を挙げたが、本発明によれば、非
磁性中間層9は磁性を示さない材料であればその機能を
果たすことが可能であり、AlN の他に、Al、Si、Ta、Ti
等の金属、及び、SiN 、SiO、TaO 等の誘電体を用いる
ことが可能である。
【0145】非磁性中間層9においても、透明誘電体層
2と同様に、酸素を含有しないAl、Si、Ta、Ti等の金
属、及び、SiN 、AlN を用いることが望ましい。さら
に、透明誘電体層2としてAlN を用いた場合に非磁性中
間層9としてAlまたはAlN を用いること、透明誘電体層
2としてSiN を用いた場合に非磁性中間層9としてSiま
たはSiN を用いることにより、非磁性中間層9を形成す
るために新たなスパッタ用ターゲットを省くことができ
るという効果を得ることができる。
【0146】また、実施の形態2では、中間層19とし
てGdFeCo合金を用いた例を挙げたが、記録層4と再生層
3との間に働く交換結合力を両者の間に働く静磁結合力
と同程度の大きさにすることができればよく、GdFeCo合
金の他に、例えば、GdFe合金、FeCo合金、Fe、Co等から
なる面内磁化膜を用いることが可能である。
【0147】また、実施の形態1及び2では、記録層4
としてDyFeCo合金を用いた例を挙げたが、本発明によれ
ば、再生時、再生層3に対して磁化反転に必要な浮遊磁
界を発生させることができればよく、DyFeCo合金の他
に、TbFeCo合金、TbDyFeCo合金、GdTbFeCo合金等の希土
類遷移金属合金薄膜を用いることが可能である。
【0148】
【発明の効果】以上のように、本発明の請求項1記載の
光磁気記録媒体は、垂直磁化膜からなり垂直な磁化方向
によって情報が記録されると共に浮遊磁界を発生させる
記録層と、垂直磁化膜からなり上記記録層の磁区情報が
転写される再生層と、非磁性膜からなり記録層と再生層
との間に積層され記録層と再生層との間の磁気的交換結
合力を遮断する中間層とを有し、上記再生層は、情報の
再生時に所定の外部磁界を印加したときにその磁化方向
が、室温を含む第1温度範囲では上記外部磁界の方向を
向き、光ビームを照射することにより第1温度範囲より
高い第2温度範囲となると上記浮遊磁界の方向を向き、
第2温度範囲よりさらに高い第3温度範囲では再び外部
磁界の方向を向くように形成される構成である。
【0149】これにより、光ビームの照射により温度上
昇し第2温度範囲となった光ビームの一部分の記録層の
磁区情報のみを再生層に転写し、再生することができる
ので、光ビームの径よりも小さい領域に記録された情報
を再生する超解像動作が可能となる。この結果、大容量
化に必要な記録の高密度化が充分に達せられ、大容量の
記録再生装置が必要とされる例えば画像情報記録等に対
応できる光磁気記録媒体の実現が可能となるという効果
を奏する。
【0150】請求項2記載の光磁気記録媒体は、垂直磁
化膜からなり垂直な磁化方向によって情報が記録される
と共に浮遊磁界を発生させる記録層と、垂直磁化膜から
なり上記記録層の磁区情報が転写される再生層と、面内
磁化膜からなり記録層と再生層との間に積層され記録層
と再生層との間の磁気的交換結合力を制御する中間層と
を有し、上記再生層は、情報の再生時に所定の外部磁界
を印加したときにその磁化方向が、室温を含む第1温度
範囲では上記外部磁界の方向を向き、光ビームを照射す
ることにより第1温度範囲より高い第2温度範囲となる
と上記浮遊磁界の方向を向き、第2温度範囲よりさらに
高い第3温度範囲では再び外部磁界の方向を向くように
形成される構成である。
【0151】これにより、請求項1の構成による作用効
果と同様に、光ビームの照射により温度上昇し第2温度
範囲となった光ビームの一部分の記録層の磁区情報のみ
を再生層に転写し、再生することができるので、光ビー
ムの径よりも小さい領域に記録された情報を再生する超
解像動作が可能となる。この結果、大容量化に必要な記
録の高密度化が充分に達せられ、大容量の記録再生装置
が必要とされる例えば画像情報記録等に対応できる光磁
気記録媒体の実現が可能となるという効果を奏する。
【0152】請求項3記載の光磁気記録媒体の再生方法
は、請求項1または2記載の光磁気記録媒体に対し、第
1温度範囲では記録層から発生する浮遊磁界の強度より
大きく、第1温度範囲より高い第2温度範囲では浮遊磁
界の強度より小さく、第2温度範囲よりさらに高い第3
温度範囲では再び浮遊磁界の強度より大きくなるように
強度が設定された外部磁界を印加した状態で、光ビーム
を照射し第2温度範囲に昇温した再生層に記録層の磁区
情報を転写した後、上記光ビームによって情報を再生す
るための再生信号を検出する構成である。
【0153】これにより、再生層において第2温度範囲
に昇温した部位にのみ記録層の磁区情報が転写されるの
で、上記光ビームによって情報を再生するための再生信
号を安定して検出することができる。また、得られる再
生信号の波形は急峻な立ち上がりと立ち下がりとを示す
矩形波形となるので、記録磁区のエッジ位置を正確に検
出することが可能となる。この結果、大容量化に必要な
記録の高密度化が充分に達せられ、大容量の記録再生装
置が必要とされる例えば画像情報記録等に対応できる光
磁気記録媒体の再生を実現することができるという効果
を奏する。
【0154】請求項4記載の光磁気記録媒体の再生方法
は、請求項3記載の構成に加えて、上記再生信号を微分
処理して用いる構成である。
【0155】これにより、再生信号の急峻な立ち上がり
と立ち下がりとがさらに急峻なものとなり、記録磁区の
存在する位置、または、記録磁区のエッジをより正確に
検出できるようになるので、記録磁区をさらに小さくし
て記録密度を高めても、記録磁区に記録された情報を再
生することができる。その結果、さらに大容量の光磁気
記録媒体の再生を実現することが可能となるという効果
を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る光磁気ディスクの再
生原理を示す説明図であり、(a)はトラック上の温度
分布、(b)は第1温度範囲に記録磁区が存在する場
合、(c)は第2温度範囲に記録磁区が存在する場合、
(d)は第3温度範囲に記録磁区が存在する場合をそれ
ぞれ示している。
【図2】上記光磁気ディスクの構成を示す説明図であ
る。
【図3】上記光磁気ディスクから発生する浮遊磁界の磁
気特性と、再生時に印加する一定強度の外部磁界とを示
すグラフである。
【図4】上記光磁気ディスクの再生特性を示すグラフで
ある。
【図5】上記光磁気ディスクの再生信号波形を示す波形
図である。
【図6】上記光磁気ディスクの再生特性を示すグラフで
ある。
【図7】再生磁界を発生させる再生磁界発生装置を備え
た光磁気ディスクの構成を示す説明図である。
【図8】上記光磁気ディスクの再生信号波形を示す波形
図である。
【図9】従来の光磁気ディスクの再生信号波形を示す波
形図である。
【図10】従来の光磁気ディスクの再生方法における波
形補正を行うための構成を示すブロック図である。
【図11】図8に示す再生信号を微分処理した波形を示
す波形図である。
【図12】本発明の光磁気ディスクの再生方法における
波形補正を行うための構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の他の実施の形態に係る光磁気ディス
クの構成を示す説明図である。
【図14】従来の光磁気ディスクの構成を示す説明図で
ある。
【図15】図13の光磁気ディスクの再生原理を示す説
明図であり、(a)はトラック上の温度分布、(b)は
第1温度範囲に記録磁区が存在する場合、(c)は第2
温度範囲に記録磁区が存在する場合、(d)は第3温度
範囲に記録磁区が存在する場合をそれぞれ示している。
【図16】従来の光磁気ディスクの構成を示す説明図で
ある。
【符号の説明】
3 再生層 3a 再生磁区 4 記録層 4a 記録磁区 8 光ビーム 9 非磁性中間層(中間層) 9a 浮遊磁界 19 中間層 T1 第1温度範囲 T2 第2温度範囲 T3 第3温度範囲

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】垂直磁化膜からなり垂直な磁化方向によっ
    て情報が記録されると共に、浮遊磁界を発生させる記録
    層と、 垂直磁化膜からなり、上記記録層の磁区情報が転写され
    る再生層と、 非磁性膜からなり、記録層と再生層との間に積層され、
    記録層と再生層との間の磁気的交換結合力を遮断する中
    間層とを有し、 上記再生層は、情報の再生時に所定の外部磁界を印加し
    たときにその磁化方向が、室温を含む第1温度範囲では
    上記外部磁界の方向を向き、光ビームを照射することに
    より第1温度範囲より高い第2温度範囲となると上記浮
    遊磁界の方向を向き、第2温度範囲よりさらに高い第3
    温度範囲では再び外部磁界の方向を向くように形成され
    ることを特徴とする光磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】垂直磁化膜からなり垂直な磁化方向によっ
    て情報が記録されると共に、浮遊磁界を発生させる記録
    層と、 垂直磁化膜からなり、上記記録層の磁区情報が転写され
    る再生層と、 面内磁化膜からなり、記録層と再生層との間に積層さ
    れ、記録層と再生層との間の磁気的交換結合力を制御す
    る中間層とを有し、 上記再生層は、情報の再生時に所定の外部磁界を印加し
    たときにその磁化方向が、室温を含む第1温度範囲では
    上記外部磁界の方向を向き、光ビームを照射することに
    より第1温度範囲より高い第2温度範囲となると上記浮
    遊磁界の方向を向き、第2温度範囲よりさらに高い第3
    温度範囲では再び外部磁界の方向を向くように形成され
    ることを特徴とする光磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の光磁気記録媒体に
    対し、第1温度範囲では記録層から発生する浮遊磁界の
    強度より大きく、第1温度範囲より高い第2温度範囲で
    は浮遊磁界の強度より小さく、第2温度範囲よりさらに
    高い第3温度範囲では再び浮遊磁界の強度より大きくな
    るように強度が設定された外部磁界を印加した状態で、 光ビームを照射し、第2温度範囲に昇温した再生層に記
    録層の磁区情報を転写した後、上記光ビームによって情
    報を再生するための再生信号を検出することを特徴とす
    る光磁気記録媒体の再生方法。
  4. 【請求項4】上記再生信号を微分処理して用いることを
    特徴とする請求項3記載の光磁気記録媒体の再生方法。
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