JPH0982637A - 非晶質半導体薄膜の製造方法 - Google Patents

非晶質半導体薄膜の製造方法

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JPH0982637A
JPH0982637A JP7231204A JP23120495A JPH0982637A JP H0982637 A JPH0982637 A JP H0982637A JP 7231204 A JP7231204 A JP 7231204A JP 23120495 A JP23120495 A JP 23120495A JP H0982637 A JPH0982637 A JP H0982637A
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thin film
hydrogen
film
semiconductor thin
amorphous semiconductor
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JP7231204A
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English (en)
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Mitsuru Sadamoto
満 貞本
Hirobumi Tanaka
博文 田中
Noriyuki Yanagawa
紀行 柳川
Shin Fukuda
福田  伸
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 水素もしくは不活性ガスを含む水素化
シリコン化合物ガスを用いた化学気相蒸着法によりなる
半導体薄膜の形成工程と、水素ガスからなる放電により
該薄膜を暴露する工程を繰り返すことによりなる非晶質
半導体薄膜を形成する方法。 【効果】 本発明により、欠陥密度の低い高品質の非
晶質半導体薄膜の形成ができるようになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非晶質太陽電池の
高性能化に関し、とくに、その構成する非晶質半導体薄
膜の高品質化を図る技術に関する。
【0002】
【従来の技術】非晶質シリコン太陽電池は、電卓や時計
および自動車の換気扇を駆動するための、出力の小さい
エネルギー供給源としてすでに実用化されている。しか
しながら、太陽光発電用途のように、10W以上のよう
な出力の大きいエネルギー供給源としては、その発電性
能および安定性に関しては十分と言えない状態にある。
そのためにエネルギー供給の要素として極めて重要な発
電コスト低減化が十分に図られず、このことが非晶質シ
リコン太陽電池の電力用として普及を妨げている最大の
要件である。
【0003】非晶質太陽電池の製造に用いられているの
は、シラン等の水素化金属化合物を用いたプラズマCV
Dによる成膜方法である。これは、シラン等の水素化金
属化合物を圧力10mTorr 〜1Torrに制御した成膜用の
真空チャンバーに流すとともに、プラズマにて分解を生
じせしめるとともに、成膜用の真空チャンバーに設置さ
れた基体上に薄膜の形成を行うものであり、大面積に対
し均一に成膜を行うことができる利点を持つ。また、太
陽光に対し吸収係数の高い光学特性を有する非晶質シリ
コン等の薄膜の形成がこの方法にて行われるために、必
要な膜厚が少なくて済むものに対しては、最適な成膜方
法であると言える。
【0004】また、異なる光学的性質、電気的性質を有
するものからなる積層薄膜を、同じくプラズマCVDと
いう同様の成膜手法により行えることから、ガス種や成
膜条件を変更することにより、用意に形成することが可
能である。また、同様の成膜用の真空チャンバーを備え
た装置を直列に配置することにより、連続して形成する
ことも可能である。
【0005】このように、プラズマCVDによる成膜
は、非晶質シリコン薄膜の形成に、優れた手法ではある
が、これらの薄膜の性能を決定づける因子として、大き
な役割を占めるものが、膜中に含まれる水素である。そ
して、この水素の膜中の含有量や結合形態により、その
光学的バンドギャップが大きく影響されるとともに、キ
ャリアの輸送特性に大きな影響を与える。また、膜中の
水素の存在が欠陥密度の低減に大きな役割を担っている
ことは知られているが、欠陥密度の低減を意図しての水
素量そのものを制御することはできていないのが現実で
あった。そのために、膜中の水素含有量や水素結合形態
を制御することがこれまでの重要な課題であった。
【0006】しかしながら、一般にプラズマCVDによ
る成膜方法では、ガスの流量や成膜時の圧力、温度や希
釈ガスの濃度などによって、間接的に膜中の水素含有量
や、水素結合形態を制御しているために、二次的な成膜
方法によらざるを得ないのが現実であった。また、非晶
質シリコンのみならず、非晶質シリコンゲルマニウム
や、非晶質シリコンカーボンについても、その膜中に含
まれる水素含有量や、水素結合形態の制御は十分に行わ
れておらず、これらの膜室の品質向上のためにも、重要
な課題となっている。特に、光学的バンドギャップ1.
8eV以上の非晶質シリコン薄膜については、これまで
は、水素希釈による方法が取られてきた。その結果、従
来の1.77eV付近の膜に比較して、0.6eV程度高い
光学的バンドギャップを有するものが得られ、かつ得ら
れた膜を非晶質太陽電池に適用してきた結果、高い開放
端電圧を得るものを得ることができた。しかしながら、
さらに高い開放端電圧を得るためには、より高い光学的
バンドギャップを有する膜を得ることが必要である。さ
らに、これらの膜の欠陥密度も低いものであることが要
請される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、化学気相蒸
着法により、膜中の水素含有量や水素結合形態を直接制
御することによって、非晶質薄膜の光学的バンドギャッ
プを自由に設計できることを可能にするとともに、欠陥
の低減による薄膜の高品質化を達成するためのものであ
り、薄膜太陽電池の変換効率、特に開放端電圧と曲線因
子の向上させるための材料を形成する方法を提案するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、以下の事項に
より特定される。 (1)薄膜原料ガスを用いた化学気相蒸着法によりなる
半導体半導体薄膜の形成工程と、水素ガスからなるプラ
ズマにより該薄膜を暴露する工程を繰り返すことにより
なる非晶質半導体薄膜の製造方法であって、該水素ガス
からなるプラズマにより該薄膜を暴露する工程により、
該半導体薄膜表面へ供給される原子状水素量を1×10
15ケ/cm2 以上5×1015ケ/cm2 以下とすることを特
徴とする非晶質半導体薄膜の製造方法。 (2)薄膜原料ガスを用いた化学気相蒸着法によりなる
半導体薄膜の結合水素量が25原子%以下5原子%以上
含むことを特徴とした(1)記載の非晶質半導体薄膜の
製造方法。 (3)薄膜原料ガスを用いた化学気相蒸着法によりなる
半導体薄膜の厚みが、1nm以上6nm以下であること
を特徴とした(1)または(2)記載の非晶質半導体薄
膜の製造方法。 (4) 該非晶質半導体薄膜が、水素化シリコン非晶質
薄膜、水素化ゲルマニム非晶質薄膜、水素化炭素非晶質
薄膜、水素化シリコンゲルマニウム非晶質薄膜または水
素化炭化シリコン非晶質薄膜であることを特徴とする
(1)ないし(3)の何れかに記載の非晶質半導体薄膜
の製造方法。 (5) 該化学気相蒸着法が、光CVD法、熱CVD
法、プラズマエンハンストCVD法、レーザーエンハン
ストCVD法、または、反応性スパッタ法であることを
特徴とする(1)ないし(4)の何れかに記載の非晶質
半導体薄膜の製造方法。 (6) 該原料薄膜ガスが、水素化シリコン化合物Sin
2m+2、水素化ゲルマン化合物Gen 2m+2、炭化水素C
n 2m+2、もしくは、これら化合物の水素が塩素原子ま
たはフッ素原子によって置換された化合物ないし誘導体
であることを特徴とする(1)ないし(5)の何れかに
記載の非晶質半導体薄膜の製造方法。 (7) 原料ガスが水素もしくは不活性ガスを含む
(2)ないし(6)のいずれかに記載の非晶質半導体薄
膜の製造方法。 (8) 該不活性ガスがHe,Ne,Ar,Krまたは
Xeから選択される希ガスであることを特徴とする
(7)に記載の非晶質半導体薄膜の製造方法。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。本発明は、高品質の水素を含む非晶質半導
体薄膜を形成するために、基本的には単独の、好ましく
は水素もしくは不活性ガス等の希釈ガスを含む、水素化
金属化合物ガスを用いた化学気相蒸着法により所定膜厚
を形成する工程と、形成した非晶質半導体薄膜を水素プ
ラズマに曝すことによりなる工程を繰り返すに際し、水
素ガスからなる放電中に発生、基体表面に供給される原
子状水素の量を、1×1015ケ/cm2 以上5×1015
/cm2 以下とするものである。
【0010】本方法は、一般に次に示す手順によって形
成される。すなわち、まず、好ましくは水素もしくは不
活性ガスを含む水素化金属化合物ガスを用いた化学気相
蒸着法により、所定の膜厚が形成される。ここで用いら
れる化学気相蒸着法は、光CVD法、熱CVD法、プラ
ズマエンハンストCVD法、レーザーエンハンストCV
D法や反応性スパッタ法などである。水素化金属化合物
ガスには、水素化シリコン化合物Sin 2m+2、水素化
ゲルマン化合物Gen 2m+2,水素化錫化合物Snn
2m+2及びCn 2m+2がある。また、これら水素化金属化
合物の材料として、水素原子が塩素原子やフッ素原子に
よって置換された化合物やその誘導体を用いることも可
能である。また、電気的性質の異なる半導体形成のため
の不純物として、水素化硼素化合物Bn 2m+2水素化燐
化合物Pn 2m+2および水素化砒素化合物Asn 2m+2
も水素化金属化合物ガスと共に用いることができる。
【0011】なお、原料ガスは、希釈せず単独で用いる
ことも出来るが、水素または不活性ガスで希釈してもよ
い。これらの水素等希釈ガスの場合、最大100倍程度
( 例えばシラン1sccm、水素等100sccmの流量を使用
)である。さらに、水素と同様に用いられる不活性ガス
はHe,Ne,Ar,Kr,Xe等の希ガスがある。な
お、これらのガスによる希釈率の割合については特に規
制するものではない。
【0012】これらのガスを含む系において、化学気相
蒸着法により、非晶質半導体薄膜が形成される工程が終
了した段階から、水素プラズマに曝す工程に移行する間
において、真空引きを行う。このことにより、成膜工程
終了後に水素プラズマに曝す工程に入る前に成膜用のガ
スの残留の影響をできるだけ小さくすることができるの
である。
【0013】逆に、この真空引きを成膜工程と水素プラ
ズマに曝す工程の間に挿入しない場合においては、成膜
工程において流した成膜用のガスがその滞在時間分だけ
残留するともに、多量の水素ガスによって希釈された状
態になるために、結晶化を生じやすくなってしまう。そ
のため、目的とする高品質の非晶質半導体薄膜の製造の
目的から離れた結果になってしまう。
【0014】成膜工程において形成する非晶質半導体薄
膜の水素含有量は、25原子%未満5原子%以上である
ことが好ましい。水素含有量が5%未満である非晶質半
導体薄膜を形成する代表的な場合としては、下記に示す
2つの場合がある。すなわち、膜中に含まれる水素が離
脱していくに十分な高い温度、具体的には基板温度38
5℃以上で成膜を行った場合である。また、過剰の水素
を含む水素希釈状態であの成膜を行った場合であり、こ
の場合、非晶質半導体薄膜が膜中の結合形態が大きく変
化し、かつ結合水素量が大きく低下した結果、微結晶化
してしまう。
【0015】まず、基板温度が高い場合、すなわち、基
板温度が385℃以上である場合においては、膜形成過
程において水素の侵入よりも水素の離脱の方が強くなっ
ている。そのために、成膜と同温度条件での水素プラズ
マに曝すことがもはや有効な役割を成しえないことにな
ってしまう。また、微結晶化を生ずる場合においては、
膜中の結合水素量が大きく低減し、通常3原子%程度に
なってしまう。また、微結晶化を生じた膜については、
膜中の水素の動きが制限されるために、水素プラズマに
曝すことによる構造的な変化が期待できなくなってしま
う。
【0016】さらに、膜中の水素量が25原子%を越え
る場合においては、室温に近いような低温の状態で膜を
化学気相蒸着法によって非晶質半導体薄膜を形成する場
合と、イオン注入装置等にとって、強制的に膜中に水素
を打ち込むことが必要となるので好ましくない。なお、
室温に近いような状態では、条件により膜中含有水素量
が25原子%を越えるような薄膜を形成することも可能
であるが、膜成長過程において、膜形成を行うための成
膜ラジカルが十分に表面で泳動することができない。こ
の場合においては、既に膜中に多量の水素が存在してい
るために、もはや水素プラズマに曝すことによる膜中に
水素を侵入させることによる、欠陥の補償のような効果
はもはや期待できなくなってしまうのである。従って、
水素もしくは不活性ガスを含む水素化金属化合物ガスを
用いた化学気相蒸着法により膜を形成する方法において
形成する膜の膜中結合水素量は25原子%未満5原子%
以上であることが好ましいのである。
【0017】なお、非晶質シリコン薄膜を形成する場合
においては、その適する成膜温度範囲が限定されてしま
う。化学気相蒸着法によって形成する非晶質半導体の膜
中結合水素量が25原子%未満5原子%以上であるため
には、その成膜温度範囲が、385℃未満100℃以上
であることが好ましい。
【0018】さらに、これらの化学気相蒸着法によっ
て、1回の成膜工程にて形成される薄膜の厚みは1nm
以上6nm以下であることが好ましく、さらに好ましく
は、2nm以上5nm以下である。1回の成膜工程によ
って形成される膜厚があまり薄く1nm未満の場合にお
いては、膜中に過剰の水素が供給され、目的とする高品
質の非晶質半導体薄膜の形成を行うことができない。ま
た、1回の成膜工程によって形成される膜厚が6nmよ
りあまり厚い場合においては、水素プラズマに曝すこと
により工程において、もはや供給される原子状水素の浸
透が十分に行われない結果になってしまう。本発明にお
いては、水素ガスからなる放電中に発生、基体表面に供
給される原子状水素の量は、1×1015ケ/cm2 以上5
×1015ケ/cm2 以下であることが望ましい。
【0019】さて、図1は、原子状水素の供給量の違い
に応じて得られた膜の導電率及び光感度を観察したもの
である。原子状水素の供給量が1×1015ケ/cm2 未満
の場合には、光感度が低いことがわかる。これに対し
て、原子状水素の供給量が6×1015ケ/cm2 より多い
場合においては、非晶質薄膜の導電率の急激な増加が確
認され、結晶化が生じていることと判断される。このよ
うに、本発明における方法の重要な点は、原子状水素の
供給量自体が重要であることである。水素プラズマに曝
すことによる水素の浸透が、原子状水素の拡散により行
われているのであれば、成膜温度により大きく影響を受
けるはずである。図2は、W.Beyer J.Appl.Phys. 53, 8
735(1982) ,M.Reinelt J.Non-Cryst. Solid59 & 60, 1
69(1983)によって測定された、水素の拡散係数を絶対温
度の逆数としてプロットしたものである。
【0020】しかして、本方法による最も好適な薄膜形
成温度範囲は、160℃から200℃の範囲であり、こ
の範囲における水素の拡散定数は2×10-20cm2/s以上2
×10 -18cm2/s以下である。例えば、本開示の方法におけ
る好適な温度範囲における、水素の拡散定数2×10-18c
m2/sの場合においては、この値が極めて小さいために、
表面より4nm深い位置における表面水素からの20秒
後における水素濃度は、表面水素濃度に対して、極めて
低くなることが予想される。従って水素の拡散がこの方
法の本質的な効果ではないことは明白である。そこで、
考えられるのが、成膜表面から数nmの深さにおいて
は、膜構造を構成する構成分子のネットワークが十分に
固まっておらず混沌とした状態にあるのではないかとい
うことである。このような領域においては成膜表面から
与えられた原子状水素が容易に浸透し、膜構造を変質さ
せてしまったのではないかと考えられるのである。な
お、成膜工程における供給エネルギー密度や成膜圧力条
件と、水素プラズマに曝す工程におけるRF出力密度や
成膜圧力条件とは、異なっていてもかまわない。
【0021】すなわち、成膜工程においては、通常の非
晶質半導体を形成するための条件であればよい。例え
ば、RFプラズマを用いた成膜方法の場合、好適な供給
エネルギー密度は、0.01W/cm2 以上1W/cm2 以下で
あることが望ましく、その成膜圧力は、10mTorr 以上
1Torr以下であることが望ましい。一方、水素プラズマ
に曝す工程においては、そのRF出力密度は、0.01
W/cm2 以上1W/cm2 以下であることが望ましく、その成
膜圧力は、10mTorr 以上1Torr以下であることが望ま
しい。
【0022】本発明において、水素ガスからなる放電中
に発生し、期待表面に供給される原子状水素の量は、1
×1015ケ/cm2 以上5×1015ケ/cm2 以下であるこ
とが望ましい。基板表面に供給される原子状水素量の測
定は次のように行われる。すなわち、ガラス基板上に、
電子ビ−ム蒸着法を用いて酸化タングステン薄膜を形成
する。この酸化タングステン薄膜を水素プラズマ中に挿
入させると、原子状水素により水素化反応により吸光度
が変化する。この変化を分光光度計により評価し、その
吸収スペクトルの吸光度と半値幅を下記のSMAKRA
の式、 Nf=0.87×1017n(n2 +2)-2(kmaxL)W1/2 に代入することにより、基板表面に到達した原子状水素
量を見積もることができる。ここで、Nは色中心数(cm
-2)であり、nは酸化タングステンの屈折率(=2.5)で
あり、kmaxLはピ−クの吸光度、W1/2 はピ−クの半値
幅、fは0.1 である。
【0023】図3に示したのは、水素流量10sccm、圧
力0.15Torr、RF出力密度0.64W/cm 2 の条件で形成した
水素プラズマ中に上記、酸化タングステン薄膜を曝すこ
とによる時間変化をプロットしたものである。図3よ
り、水素プラズマ暴露時間10分まではほぼ直線的に原
子状水素量が増加していることがわかる。さらに長時間
曝すことにより、その増加量は飽和するが、これは酸化
タングステンの水素化反応が飽和するのであって、原子
状水素量が飽和するのではない。従って、直線部分の傾
きより単位時間中に供給される原子状水素量を求めるこ
とができるのである。
【0024】図3の直線部分より求められた原子状水素
の供給速度は、上記条件であるRF出力密度0.64W/cm2
の条件において、1×1014ケ/cm2 /秒となった。さ
らに、水素流量10sccm、圧力0.15Torr、RF出力密度
0.13W/cm2 の条件で形成した水素プラズマに曝した場合
において、同様に原子状水素供給速度を求めたところ、
4×1013ケ/cm2 /秒となった。そこで、RF出力密
度の平方根を横軸にして、原子状水素供給速度をプロッ
トしたのが、図4である。2つのRF出力密度において
得られた原子状水素の供給速度は、原点を通過する直線
により近似することができる。このように、供給される
原子状水素供給量は、RF出力密度の平方根により一義
的に決定する事ができる。図3および図4の結果より、
供給される原子状水素の量はそのRF出力密度および時
間により制御できることが明らかになった。
【0025】次に、本発明を実施するために好ましい装
置の基本構成を図5に示す。すなわち、この装置は、成
膜室1及び基板仕込み室2の2室構成になっている。成
膜室1と基板仕込み室2は、ゲートバルブ8によって接
続している。基板仕込み室は、基体を加熱するためヒー
ター5と、そのヒーターに電力を投入するための電源、
および真空排気のためのターボ分子ポンプ21およびロー
タリーポンプ22によって形成される。この排気系によっ
て、基板仕込みに設置された基板は、ヒーターによって
加熱されるとともに、真空排気されることにより、成膜
に必要な準備が行われる。
【0026】成膜室1にはRF電極3があり、基板加熱
ヒーター4上との間に放電を形成する。RF電極3は、
高周波電源31によって電力を印加される。また、ヒータ
ー4は、ヒーター電源41によって電力を印加される。基
板9はヒーターの上に設置され、ヒーターによって加熱
昇温される。また、この成膜室1はターボ分子ポンプ11
およびロータリーポンプ12によって真空排気されるが、
この成膜室の圧力は、コンダクタンスバルブ13によって
調圧できる構成となっている。成膜用のガスはマスフロ
ーコントローラー71、72、73によって、流量を制御され
たガスが供給されるとともに制御される。
【0027】本装置における重要な点は、成膜用の機構
とは別に、水素プラズマを形成するためのRF放電電極
を有していることである。図3における成膜装置の場合
には、成膜においてもRF放電電極を用いた成膜手法に
よるために、同一のシステムにより成膜工程と水素プラ
ズマに曝す工程を行うことができる。この方法を行うこ
とにより、膜中に存在する結合水素量は増加する傾向に
ある。これに伴い、例えば、水素化非晶質シリコン薄膜
の場合、膜中の結合水素量が増加するとともに、その光
学的バンドギャップが広くする傾向にある。これは、活
性な原子状水素が膜中に有効に供給されるためであり、
この方法により、通常の成膜方法ではその発生を制御す
る方法のなかった膜中の未結合手に、有効に水素を供給
することができ、その結果欠陥密度を大きく低減させる
ことができる。図6は、この水素プラズマに曝すことに
より増加する膜中結合水素量の変化値と欠陥密度の低減
の度合いを比較したものである。この結果、膜中結合水
素量の増加の大きい場合程、より欠陥密度の低減に効果
のあることが認められる。
【0028】このように、水素膜中の水素含有量や水素
結合形態を直接制御することによって、非晶質薄膜の光
学的バンドギャップを自由に設計できることを可能にす
るとともに、欠陥の低減による薄膜の高品質化を達成す
ることができるようになるものである。そして、ひいて
は薄膜太陽電池の変換効率、特に開放端電圧と曲線因子
の向上を生じせしめる結果に至るのである。以下、実施
例により本発明の実施の態様の一例を説明する。
【0029】
【実施例】
(実施例1)薄膜の形成に用いた装置は、図5に示す装
置と同じものである。実施例1において、成膜用の原料
ガスとして、モノシランガスを用いた。モノシランガス
の流量は10sccmであり、図3におけるマスフローコン
トローラー71を介して流されている。この系における成
膜温度は175℃である。そして、所定の膜厚になるよ
うに成膜を実行するが、本実施例においては、1回あた
りの膜厚は4nmとした。RF放電の終了とともに成膜を
中断し、チャンバーに供給するガスを停止する。そし
て、主弁開状態にて真空引きを開始し10-6Torr以下に
する。
【0030】次に、水素プラズマに曝す工程に入る。ま
ず、水素を供給するとともに、圧力制御を行い、成膜と
同じく150mTorr に調整を行う。そして、RFの放電
を行う。この時のRF出力密度は0.64W/cm2 であ
る。所定の時間、水素プラズマに曝す操作を行い、再び
放電の停止とともに、水素ガスの流量を停止し、成膜工
程終了時と同様に、10-6Torr以下になるまで真空引き
を行った。これらの一連の工程を繰り返すことにより、
所定の膜厚(300nm以上)になるまでこの操作を繰
り返し行った。
【0031】図7は原子状水素の供給量を横軸にして欠
陥密度の低下の様子を示したものである。この結果か
ら、原子状水素の供給量によって、その膜特性が大きく
変化していることが認められる。RFの放電出力密度は
0.64W/cm2 であり、このときの原子場水素の供給
速度は1×1014ケ/cm2 /sである。この検討の結果、
水素プラズマに曝す時間が増加に依存してその膜特性が
大きく変化していることが認められる。水素プラズマに
曝す時間を増加させていくにつれて、膜中の欠陥密度が
低下している。さらに、この水素プラズマに曝す時間が
60秒を越えると、結晶化が生じ、暗導電率の著しい増
加が始まっていることが認められた。この時は、原子状
水素の供給量が6×1015ケ/cm2 に達した時である。
図7より欠陥密度の低減に効果のある原子状水素の供給
量は、2×1015ケ/cm2 以上4×1015ケ/cm2 以下
であることがわかる。以上のように、本開示の方法によ
り非晶質シリコン薄膜の高品質化がなされたことが確認
された。
【0032】(実施例2)薄膜の形成に用いた装置は、
図5に示す装置と同じものである。実施例2においても
実施例1と同様に、成膜用の原料ガスとして、モノシラ
ンガスを用いた。モノシランガスの流量は10sccmであ
り、その成膜の手順は全て実施例1の場合と同様であ
る。但し、実施例2においては、成膜の温度を変化させ
た時の膜特性の変化を示している。
【0033】図8および図9は成膜温度の違いによる、
膜特性の差を比較したものである。なお、比較のため
に、各温度において通常の成膜方法にて形成した膜と特
性を比較のために示している。この結果、成膜温度の違
いに依存して特性の変化が大きく異なっていることが認
められる。温度が高くなるにつれて、膜中の結合水素量
の増加量が少なくなってきている。水素の成膜表面から
の離脱については、温度の関数であり、温度の高い方が
水素の離脱速度が大きくなる。この結果、385℃の場
合の成膜表面からの水素の離脱速度は、175℃の場合
に比較して非常に大きいことが予想され、そのため水素
プラズマにより発生した原子状水素の供給が、水素の離
脱に追いつかない結果であると考えられる。
【0034】また、逆に温度の低い場合においては、既
に多くの結合水素が膜中に存在し、水素プラズマによる
結合水素の増加が小さくなってしまう。この結果、欠陥
密度の減少分も小さく、結合水素素量の増加と欠陥密度
の低減の度合いには、ほぼ比例した関係のあることが認
められる。
【0035】(実施例3)薄膜の形成に用いた装置は、
図5に示す装置と同じものである。実施例1において、
成膜用の原料ガスとして、モノシランガスとモノゲルマ
ンガスを用いた。モノシランガスの流量は5sccmであ
り、モノゲルマンガスの流量は、異なる光学的バンドギ
ャッップのものを形成する目的で、その流量条件を変更
した。希釈用ガスとして水素を20sccm用いた。本実施
例においては、モノゲルマンガスは図5におけるマスフ
ローコントローラー71を介して1sccmの流量にて流し、
モノシランガスはマスフローコントローラー72を介して
5sccmを流した。用いた成膜条件は基板温度として17
5℃であり、その成膜圧力は150mTorr であった。R
F出力密度は0.04W/cm2 である。
【0036】次に水素プラズマに曝す工程において、R
F出力密度0.16W/cm2 とし、同じく150mTorr に
おいて行った。このとき、図4より求められる原子状水
素の供給速度5×1013ケ/cm2 /秒であった。そし
て、水素プラズマに曝す時間を0秒から120秒まで検
討した。これを、原子状水素の供給量を横軸にして導電
率および光感度の低下の様子を示したのが図10であ
る。この結果から、原子状水素の供給量によって、その
膜特性が大きく変化していることが認められる。図10
より欠陥密度の低減に効果のある原子状水素の供給量
は、2×1015ケ/cm2 以上4×1015ケ/cm2 以下で
あることがわかる。以上のように、本発明の提案する方
法により非晶質シリコン薄膜の高品質化がなされたこと
が確認された。
【0037】
【発明の効果】成膜工程と水素プラズマに曝す工程を繰
り返すことにより、非晶質半導体薄膜の水素含有量や水
素結合形態を直接制御することによって、非晶質薄膜の
光学的バンドギャップを自由に設計できることを可能に
するとともに、欠陥の低減による薄膜の高品質化を達成
することができるようになるものである。そして、ひい
ては薄膜太陽電池の変換効率、特に開放端電圧と曲線因
子の向上を生じせしめることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】原子状水素の供給量と導電率及び光感度の変化
を示すグラフ
【図2】非晶質シリコン薄膜中の水素原子の拡散係数を
グラフ
【図3】水素プラズマ時間による原子状水素量の変化を
示すグラフ
【図4】RF出力密度と原子状水素供給量の関係を示す
グラフ
【図5】本発明を実施するための装置の説明図
【図6】結合水素の変化量と欠陥密度の関係すグラフ
【図7】実施例1中における原子状水素供給量と欠陥密
度の関係を示すグラフ
【図8】実施例2中における成膜温度と結合水素量の関
係を示すグラフ
【図9】実施例2中における成膜温度と欠陥密度の関係
を示すグラフ
【図10】実施例3中における原子状水素供給量と導電
率及び光感度の関係すグラフ
【符号の説明】
1 成膜室 2 基板仕込み室 3 カソード電極 4 基板加熱ヒーター(成膜室用) 5 基板加熱ヒーター(基板仕込み室用) 6 覗き窓 8 ゲート弁 9 基板 11 ターボ分子ポンプ 12 ロータリーポンプ 13 コンダクタンスバルブ 21 ターボ分子ポンプ 22 ロータリーポンプ 31 RF電源 41 ヒーター電源 51 ヒーター電源 61 集光装置(発光分析装置) 62 光ファイバー(発光分析装置) 63 解析装置(発光分析装置) 71 マスフローコントローラー 72 マスフローコントローラー 73 マスフローコントローラー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福田 伸 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄膜原料ガスを用いた化学気相蒸着法に
    よりなる半導体薄膜の形成工程と、水素ガスからなるプ
    ラズマにより該薄膜を暴露する工程を繰り返すことによ
    りなる非晶質半導体薄膜の製造方法であって、該水素ガ
    スからなるプラズマにより該薄膜を暴露する工程によ
    り、該半導体薄膜表面へ供給される原子状水素量を1×
    1015ケ/cm2 以上5×1015ケ/cm2 以下とすること
    を特徴とする非晶質半導体薄膜の製造方法。
  2. 【請求項2】 薄膜原料ガスを用いた化学気相蒸着法に
    よりなる半導体薄膜の結合水素量が25原子%以下5原
    子%以上含むことを特徴とした請求項1記載の非晶質半
    導体薄膜の製造方法。
  3. 【請求項3】 薄膜原料ガスを用いた化学気相蒸着法に
    よりなる半導体薄膜の厚みが、1nm以上6nm以下で
    あることを特徴とした請求項1または2記載の非晶質半
    導体薄膜の製造方法。
  4. 【請求項4】 該非晶質半導体薄膜が、水素化シリコン
    非晶質薄膜、水素化ゲルマニム非晶質薄膜、水素化炭素
    非晶質薄膜、水素化シリコンゲルマニウム非晶質薄膜ま
    たは水素化炭化シリコン非晶質薄膜であることを特徴と
    する請求項1ないし3の何れかに記載の非晶質半導体薄
    膜の製造方法。
  5. 【請求項5】 該化学気相蒸着法が、光CVD法、熱C
    VD法、プラズマエンハンストCVD法、レーザーエン
    ハンストCVD法、または、反応性スパッタ法であるこ
    とを特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載の非晶
    質半導体薄膜の製造方法。
  6. 【請求項6】 該原料薄膜ガスが、水素化シリコン化合
    物Sin 2m+2、水素化ゲルマン化合物Gen 2m+2、炭化
    水素Cn 2m+2、もしくは、これら化合物の水素が塩素
    原子またはフッ素原子によって置換された化合物ないし
    誘導体であることを特徴とする請求項1ないし5の何れ
    かに記載の非晶質半導体薄膜の製造方法。
  7. 【請求項7】 原料ガスが水素もしくは不活性ガスを含
    む請求項2ないし6のいずれかに記載の非晶質半導体薄
    膜の製造方法。
  8. 【請求項8】 該不活性ガスがHe,Ne,Ar,Kr
    またはXeから選択される希ガスであることを特徴とす
    る請求項7に記載の非晶質半導体薄膜の製造方法。
JP7231204A 1995-09-08 1995-09-08 非晶質半導体薄膜の製造方法 Pending JPH0982637A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003068663A (ja) * 2001-06-14 2003-03-07 Matsushita Electric Ind Co Ltd 半導体結晶膜の製造方法
JP2016526282A (ja) * 2013-05-09 2016-09-01 アプライド マテリアルズ インコーポレイテッドApplied Materials,Incorporated エキシマレーザアニーリング後にポリシリコン品質を向上させる多層アモルファスシリコン構造
US9455152B2 (en) 2011-07-25 2016-09-27 Nissan Chemical Industries, Ltd. Hydrogenation method and hydrogenation apparatus

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