JPH0984474A - 蒸留灌水方法 - Google Patents

蒸留灌水方法

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JPH0984474A
JPH0984474A JP7329758A JP32975895A JPH0984474A JP H0984474 A JPH0984474 A JP H0984474A JP 7329758 A JP7329758 A JP 7329758A JP 32975895 A JP32975895 A JP 32975895A JP H0984474 A JPH0984474 A JP H0984474A
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water
irrigation
distilling
soil
distillation
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JP7329758A
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Shoichi Ishimoto
正一 石本
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ISHIMOTO NOUGIKEN KK
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ISHIMOTO NOUGIKEN KK
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/10Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in agriculture
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  • Heat Treatment Of Water, Waste Water Or Sewage (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】農業用耕作地の灌漑、特に水の利用効率に優れ
た灌漑を行うことができる蒸留灌水方法を提供するこ
と。 【解決手段】灌漑用原水の流水路4を有する不透水性の
樋体2と、該樋体2の上部を覆う透光性の蓋体3とを有
し、該流水路4に存在する灌漑用原水を太陽熱で昇温し
て前記蓋体3下方の空間内の水蒸気密度を上昇させると
共に該水蒸気を前記蓋体3の内面17で凝縮させて水滴状
又は膜状の結露水を形成し、該結露水を該蓋体内面17か
ら外部に放出する放出部、例えば間隙19を設けた蒸留灌
水装置1を用いた蒸留灌水方法であって、該蒸留灌水装
置1の上部が露出するように土壌中に埋設すると共に、
保水材12を前記蒸留灌水装置1の周辺に埋設し、該保水
材12を介して前記間隙19から放出される水分を該装置1
の周辺土壌に供給する蒸留灌水方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、農業用耕作地の灌
漑、特に水の利用効率に優れた灌漑を行うことができる
蒸留灌水方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、全世界の人口は、急激に増加して
いる一方、農作物の単位当りの収穫量は頭打ちの状態に
あり、今後食糧問題は大きな課題となることが予想され
る。農作物の増収のためには、農耕地の拡大が必要とさ
れるが、今後開拓されるべき土地の条件は農耕にとって
は厳しいものとなると考えられる。例えば多雨地帯にお
ける森林伐採による焼畑農業は空気清浄化機能の低下、
特に二酸化炭素の濃度低下機能が損なわれるため好まし
くない。
【0003】従って、今後の開拓地は寡雨地帯の不毛の
土地に求めることが必要となる。寡雨地帯において農耕
を行うためには灌漑が必要となる。灌漑は一般に貯水池
から運河や側溝等を介して農耕地に水を通して冠水させ
る方法が採用されている。
【0004】しかしながら、かかる方法では、水の消費
量が多く、寡雨地帯では水の確保が難しい。また砂漠化
した不毛の地では土砂中の塩分含有量が多いため、多量
の水を灌水すると、土壌中に浸透した水が塩分を溶解
し、塩分を溶解した水は地表面が乾燥されると毛管現象
によって地表面に上昇し蒸散する。このため塩分が地表
面に濃縮されて塩害が生じる結果、農耕が不可能とな
る。
【0005】そこで、本発明者は、水の使用効率が高
く、少量の水で灌漑を可能にすると共に、溶解塩分の多
い水であっても灌水として用いることができる蒸留灌水
方法に関し鋭意研究を重ね、灌漑原水の流水路を有する
不透水性の樋体と、該樋体の上部を覆う透光性の蓋体と
を有し、前記樋体の縁部上端と蓋体間に間隙を設け、蒸
留灌水を得る技術を開発し、特願平7-159887号において
その方法を実施する装置について先に出願した。
【0006】この発明によれば、水が一旦蒸発して凝集
した水を利用するから、塩分の多い水を使用することが
でき、また目詰り等の問題も解消される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、蒸発した水分
を使用する方法においては、供給し得る水量が少なく、
水を有効に利用する必要が生じる。そこで、本発明は、
蒸留灌水として供給し得る水量が少なくても、水を有効
に利用できる蒸留灌水方法を提供することを課題とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を解
決すべく鋭意検討の結果、本発明に至った。即ち、本発
明に係る蒸留灌水方法は、灌漑用原水の流水路を有する
不透水性の樋体と、該樋体の上部を覆う透光性の蓋体と
を有し、該流水路に存在する灌漑用原水を太陽熱で昇温
して前記蓋体下方の空間内の水蒸気密度を上昇させると
共に該水蒸気を前記蓋体の内面で凝縮させて水滴状又は
膜状の結露水を形成し、該結露水を該蓋体内面から外部
に放出する放出部を設けた蒸留灌水装置を用いた蒸留灌
水方法であって、該蒸留灌水装置上部が露出するように
土壌中に埋設し、保水材を介して前記放出部から放出さ
れる水分を該装置周辺土壌に供給することを特徴とす
る。
【0009】さらに本発明の好ましい態様としては、上
記の方法において、該保水材が親水性及び又は吸水性を
有する樹脂製品又は天然繊維であり、より好ましくは、
親水性吸水性不織布、藁桿類(例えば稲わら、麦わら
等)、しゅろ、干し草、リンタ、バガス、ピートモスか
ら選ばれる少なくとも1種であることである。
【0010】更に該保水材は二層のシート状に形成さ
れ、上層が親水性吸水性不織布で、下層がピートモスで
あることも好ましい。
【0011】更に他の好ましい態様としては、樋体の少
なくとも内面が太陽光の吸収性のよい色彩を有している
ことであり、蒸留灌水装置の上部を透光フィルムで覆
い、該フィルムの両側縁部を土中に埋めたことである。
【0012】蒸留灌水装置を農耕地の畦に沿って敷設し
て、樋体に灌漑用原水、例えば灌漑用水を通すと、太陽
熱で蒸発した水蒸気は水面から上昇して蓋体内面に接触
して、その蓋体内面で凝縮し水滴状又は膜状の結露水と
なり、その結露水は保水材を介して土壌中に移動し、蒸
留灌水装置の周辺土壌に供給され、地下への無用な水の
浸透を防ぐことができる。このため蒸留灌水をして供給
し得る水量が少なくても水を有効利用できる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる蒸留灌水装置
は樋体と蓋体からなり、桶体の材料としては、不透水
性、耐水性を有するものであればいずれでも用いること
ができるが、一般には金属、コンクリート、陶器、セラ
ミック、プラスチック等が用いられ、プラスチックとし
てはポリ塩化ビニル、ポリエステル、高密度ポリエチレ
ン、ポリプロピレン等を用いることができる。また樋体
は少なくともその内面は太陽光の吸収性のよい色彩、一
般には黒色に着色されることが好ましい。樋体の外周は
周辺土壌によって断熱されているが別途断熱手段を付加
することもできる。
【0014】一方、蓋体は樋体の上を被覆するもので、
透光性の材料で形成される。透光性を有する材料として
は、プラスチックが好ましく、例えばポリ塩化ビニル、
ポリエステル、中低密度ポリエチレン、ポリプロピレン
等を用いることができる。
【0015】蓋体の内面に結露水が水滴状又は膜状に付
着して太陽光線の透過を低下させないようにするため
に、蓋体の内面に防曇性を付与することが好ましい。防
曇性を付与する方法としては、多価アルコール(例えば
ソルビトール、グリセリン、ペンタエリスリトール等)
の部分エステル化合物で代表される界面活性剤を蓋体成
形用プラスチック中に添加することによって行うことが
できる。また界面活性剤を蓋体の内面に塗布してもよ
く、特に、無機親水性コロイド物質と親水性有機化合物
を主体とする表面塗布型無滴剤をコーティングすること
が望ましい。無機親水性コロイド物質の例としては、コ
ロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、コロイド状のFe
(OH)2 、コロイド状のSn(OH)2 、コロイド状のTiO2、コ
ロイド状のBaSO4 およびコロイド状のリチウムシリケー
ト等を挙げることができる。特に好ましい物質はコロイ
ダルシリカ及びコロイダルアルミナである。親水性有機
化合物の例としては、各種の界面活性剤(ノニオン系、
アニオン系、カオチン系)や水酸基含有ビニル単量体成
分を主成分とし、酸基含有ビニル単量体成分を0.1〜40
%含有する共重合体またはその部分もしくは完全中和物
およびスルホン酸基含有ポリエステル樹脂等を挙げるこ
とができる。
【0016】本発明において、保水材をシート状に形成
して用いる場合には、保水材の一端は蒸留灌水装置に臨
設するように埋設し、他端は土中に延出して埋設され
る。埋設の際には、実質的に水平に埋設することが望ま
しい。ここで実質的に水平とは、厳密に水平であること
を要しない意味である。保水材のシートは、1枚だけ設
けられてもよいが、2枚を重ねてもよいし、また1枚を
水平に設け、他のシートを前記の水平のシートに傾斜さ
せて設けてもよい。
【0017】また、保水材の下面に不透水性のポリエチ
レン等の合成樹脂フィルムを積層することによって、保
水材に集められた灌水が、土壌下方へ無用に浸透するの
を防止でき、作物に効率的に供給することができる。シ
ート状の保水材の肉厚は特に限定されないが、0.1〜20m
m位が一般的である。シート状の保水材は、畦上面から
好ましくは5〜50cm、より好ましくは10〜30cm程度の深
さに埋設される。
【0018】保水材は土壌中に分散して用いてもよく、
この場合、蒸留灌水装置の周辺の土壌に好ましくは均一
に混合して用いる。また、前記シート状の保水材を土壌
中の上層に埋設し、その下層に保水材分散土壌を用いる
ことも好ましい。さらに該保水材分散土壌の下層に不透
水性のポリエチレン等の合成樹脂フィルムを敷設するこ
とも灌水の土壌下方への無用な浸透を防止し、灌水の損
失を減らす効果があり、好ましい。
【0019】本発明における保水材として用いられる親
水性及び又は吸水性を有する樹脂製品としては、耐蝕性
の高いポリエステル、ポリアミド等の合成樹脂を用いた
不織布に親水性処理を施した資材が望ましく、スポンバ
ンド紡糸等によって形成できる。また、表面を親水処理
したポリエチレン、ポリプロピレン繊維等を用いて形成
することもできる。
【0020】本発明においては保水材として天然繊維を
用いることができるが、かかる天然繊維は保水材全体を
構成していてもよいし、又保水材の一部に繊維質として
含有されていてもよい。
【0021】本発明において保水材として天然繊維を用
いる場合には、藁桿類(例えば稲わら、麦わら等)、し
ゅろ、干し草、リンタ、バガス、ピートモス等を用いる
ことができ、これらは単独で又は二種以上を混合して使
用することができる。中でも好ましいのはピートモス又
はピートモスと他の天然繊維の混合物である。
【0022】以下、ピートモスを保水材として用いる場
合について説明する。ピートモスとは、ヨシ、スゲ、カ
ヤ類、あるいはミズゴケ類などの浅い水中や湿地体に生
えた植物が年々枯死して水分飽和の状態で堆積し、比較
的低温でしかも酸素の供給が不充分な条件下で永年の間
に不完全に分解したものであり、泥炭又は草炭とも呼ば
れる。
【0023】そのピートモス層の表面には好気性菌が繁
殖し、20〜30cm深には通性嫌気性菌が繁殖しており、こ
れらの菌体の作り出す代謝産物が抗菌性を有するので、
植物の成育に有害な菌体を殺菌する役割を果たす。本発
明の蒸留灌水装置を砂漠地帯に設置したような場合に
は、殺菌や消毒を行うこと自体困難である問題がある
が、ピートモスの殺菌効果によってかかる困難な問題を
解消できる。
【0024】ピートモスは腐植質と繊維質から成り、そ
れ自体多量の水分を保持しているので、土中に分散して
使用すると土壌全体の保水力を増加させるので本発明に
おいては極めて有効である。
【0025】腐植質には天然の有機高分子であるフミン
酸を多量に含むため、アルカリ性土壌に対して中和作用
があり、又、フミン酸の酸性基が示すイオン交換能によ
って保肥性能を有する。従って、有機物が欠乏している
砂漠土壌に対しては、中和剤としての作用と、有機肥料
の供給という効果をもたらす。
【0026】更に本発明にピートモスを用いると、繊維
質は微生物群の食物として分解され得るので、土壌微生
物を増加する効果が期待され、砂漠土壌の腐植化を促進
し、有効な土壌を作ることができる。
【0027】またピートモスは植物遺体が分解しながら
逐次資化した物質なので、有機物の塊であり、ピートモ
スを砂漠化した不毛の地に供給することは、植物の育成
に必要な有機質肥料を供給することとなり、土壌の地力
増進効果をもたらす。
【0028】以上のようにピートモスを本発明の保水材
として用いることは、保水材としての作用のみならず、
アルカリ性土壌の中和作用、有機肥料の供給さらには土
壌自体の地力増進作用等がもたらされ、安全で、より効
率的な灌漑を行うことができる。
【0029】以下、本発明の実施の形態について、図面
に基き説明する。
【0030】図1は本発明の蒸留灌水方法に用いられる
蒸留灌水装置の一例を示す分解斜視図であり、同図にお
いて、1は蒸留灌水装置であり、該蒸留灌水装置1は主
として樋体2と蓋体3によって構成される。
【0031】樋体2は凹型の長尺体をなしており、中央
部に流水路4が形成されている。図示の例では樋体2の
外壁5上端にリブ6が外方に突出するように設けられて
いる。樋体2の形状は図示に限定されず、中央部に流水
路4を有する形状であればよく、例えば半円湾曲形状で
もよい。また流水路4は複数形成されていてもよく、そ
の複数の流路に原水を同方向に流してもよいし、反対方
向に流してもよい。
【0032】一方、蓋体3は樋体2の上を被覆するもの
で、透光性の材料で形成され、本実施例では、半球状の
天蓋部7(蓋体3)の両側に内部に膨出する段差8を有
する係合部9が形成されている。
【0033】蒸留灌水装置1を構成するには、複数の樋
体2、2の端部同士を密に連結して長尺状の樋体を形成
し、図2に示すように、これを農耕地の畦10に沿って埋
設し、その上部に蓋体3を被せる。
【0034】複数の樋体2、2の端部同士を密に連結す
るには、複数の樋体2、2の端部同士を突き合わせ、融
着あるいは同種樹脂または他のホットメルト剤で接着す
ることができるが、また端部同士をテープで漏水止めを
することによっても連結することができる。連結して長
尺状とした樋体2の先端には堰(図示せず)を設けて、
樋体2の流水部4にある程度の水深で灌漑用原水が留る
ようにすることも好ましい態様である。堰の形態として
は、特願平7-206490号の図1、図3及び図4に記載のよ
うに仕切壁を用いることができる。また上記の仕切壁に
代えて特願平7-242488号の図1及び図2に記載のような
格子状仕切壁、図3に記載のようなハニカム状仕切壁、
図4に記載のような円筒状仕切壁を用いることもでき
る。
【0035】図2に示す実施の形態では、蓋体連結部の
気密性を保ち、凝縮水を保水材に誘導するために蓋体3
の上部に透光性フィルム11が張設され、該透光性フィル
ム11の両側は土中に埋められる。なお、樋体2の内面に
も不透水性フィルム(図示せず)を添設し、樋体の連結
部の気密性を保つようにすることも好ましい(特願平7-
282654号参照)。かかる態様に用いられる不透水性フィ
ルムは太陽光の吸収性のよい色彩を有していることが好
ましい。
【0036】更に樋体と蓋体の形態及びそれらによって
形成される間隙の形態は上記に限定されず、例えば特願
平7-159887号の図1に記載のように凹型の樋体の外方に
リブを設け、半球状の蓋体の両側に係合部を設け、該リ
ブと係合部の間に間隙を形成するようにしてもよく、ま
た同7-159887号の図5に記載のように蓋体に代えてマル
チングフィルムを用い、該マルチングフィルムと樋体の
間に間隙を形成するようにしてもよい。また特願平7-20
6488号の図1及び図2に記載のように樋体カール部と蓋
体カール部を弾性的に嵌合させて、蓋体の最下端に設け
た凝縮水誘導用小孔より蒸留灌水を取り出すようにした
り、更には、同7-206488号の図3及び図4に記載のよう
に蓋体の両側縁を波状に形成し、あるいは、同7-206488
号の図5に記載のように樋体の上部両側縁を波状に形成
し、樋体と蓋体の間に凝縮水誘導間隙を設けてもよい。
更に特願平7-282653号の図1に記載のように樋体の流水
路の両側に水滴流路を形成し、土壌深部より蒸留灌水を
得るようにすることもできる。
【0037】畦10上にはマルチフィルム13が敷設され、
該マルチフィルム13の植生孔に作物14が植え付けられて
いる。
【0038】図2に示す蒸留灌水装置1の樋体2の流水
路4の一方の端から原水(例えば灌漑用水)を通水する
と、その灌漑用水は照射される太陽光15によって温めら
れる。流水路4は樋体2と蓋体3によって結果的に温室
状をなしているため、高温になり、蒸発した水蒸気によ
って水蒸気分圧が高くなる。上部蓋体3は外気に接触し
ているため流水路4上の温室空間より温度が低い。この
ため温室空間内の水蒸気が上部蓋体3の内面17に接触す
ると、凝縮し、水滴状又は膜状の結露水16を形成する。
蓋体3の内面17に形成された結露水16は蓋体3の内面17
を伝わって下方に流れ、樋体2の縁部上端部18と蓋体3
の内面17の間に形成された放出部、例えば間隙19を通っ
て畦10に灌水される。保水材12は間隙19から放出された
水分を効果的に保持し、作物14の必要に応じて、水分を
適宜供給することを可能にする。流水路4に残り、塩分
量の多くなった灌漑用水は、流水路4の他方の端から排
出することが好ましい。
【0039】この実施の形態において、流水路4の底部
幅は必要とされる灌漑用水量に見合って定められる。流
水路4を流れる原水の流速は太陽熱を十分利用する観点
から必要最小限の原水を補充する程度であればよい。
【0040】保水材12はシート状に形成して用いてもよ
く、又は土壌中に分散してもよい。図2には、保水材12
がシート状に形成して用いられる例が示されている。同
図に示すように、保水材12の一端は蒸留灌水装置1に臨
設するように埋設し、他端は土中に延出して埋設され
る。また、図3に示すように保水材12の下面に不透水性
のポリエチレン等の合成樹脂フィルム30を積層すること
も、灌水が畦10下方へ無用に浸透するのを防止でき、灌
水の損失を減らすことができ好ましい。
【0041】さらに保水材は図4に示すように、二層に
して用いてもよく、同図には、上層に親水性吸水性不織
布12a、下層にピートモス12bを用いた例が示されてい
る。ピートモス12bを親水性吸水性不織布12aの下層に
設けることにより、以下のような効果がある。即ち、砂
漠のような過酷な条件下では、太陽熱によるピートモス
12bの分解が促進されるので、親水性吸水性不織布12a
をピートモス12bの上部に設けることは、ピートモス12
bの熱分解を防ぎ、効果の持続時間を長くすることがで
きる。
【0042】次に、本発明における保水材の他の使用例
を図5に示す。同図には図2に示す例と同様にシート状
の保水材12を埋設し、その保水材12の下方に繊維状の保
水材12c、例えばピートモス等の天然繊維の一種又は二
種以上の混合物を分散した例が示されている。本実施の
形態において、シート状の保水材12は必ずしも設ける必
要はない。また本実施の形態においても、不透水性の合
成樹脂フィルム30を灌水の畦10下方への無用な浸透を防
止するために設けることができる。
【0043】本発明における保水材の設置態様は上記実
施形態に限定されることはなく、図5に示す保水材の分
散態様を樋体2の両側方、下方等のいずれか又はすべて
に採用することができ、また不透水性の合成樹脂フィル
ム30を樋体2の両側方、下方等のすべてに埋設すること
ができる。さらに本発明において保水材12としてピート
モスを用いる場合、粘土鉱物を混合して使用すること
は、ピートモス中に繁殖する有用微生物の増殖に効果が
あり、土壌改良の点から好ましいことである。
【0044】図2において、20はコンクリート、レンガ
等の重量体からなる覆土ブロックであり、同図の右側に
示すようにマルチフィルム13上に置く場合には、強風時
にマルチフィルム13と共同して乾燥防止効果を発揮す
る。覆土ブロック20としては、特願平7-158579号の明細
書及び図面に記載の覆土ブロックを用いることができ
る。また覆土ブッロクのみで乾燥防止効果を発揮させる
ためには、不透水性フィルムを底面に固着したブロック
を用いることが好ましい。かかるブロックとしては、特
願平7-264853号に記載の長尺覆土重量物を用いることが
できる。
【0045】
【発明の効果】以上の如く、本発明によれば、蒸留灌水
として供給し得る水量が少なくても、水を有効に利用で
きる蒸留灌水方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の蒸留灌水方法に用いられる蒸留灌水装
置の一例を示す分解斜視図
【図2】本発明の蒸留灌水方法の実施の形態を示す概略
断面図
【図3】保水材の他の例を示す要部断面図
【図4】保水材の他の例を示す要部断面図
【図5】保水材の他の使用例を示す概略断面図
【符号の説明】
1:蒸留灌水装置 2:樋体 3:蓋体 4:流水路 5:外壁 6:リブ 7:天蓋部 8:段差 9:係合部 10:畦 11:透光フィルム 12:保水材 12a:親水性吸水性不織布 12b:ピートモス 12c:繊維状の保水材 13:マルチフィルム 14:作物 15:太陽光 16:結露水 17:内面 18:縁部上端部 19:間隙 20:覆土ブロック 30:合成樹脂フィルム

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】灌漑用原水の流水路を有する不透水性の樋
    体と、該樋体の上部を覆う透光性の蓋体とを有し、該流
    水路に存在する灌漑用原水を太陽熱で昇温して前記蓋体
    下方の空間内の水蒸気密度を上昇させると共に該水蒸気
    を前記蓋体の内面で凝縮させて水滴状又は膜状の結露水
    を形成し、該結露水を該蓋体内面から外部に放出する放
    出部を設けた蒸留灌水装置を用いた蒸留灌水方法であっ
    て、該蒸留灌水装置の上部が露出するように土壌中に埋
    設すると共に、保水材を前記蒸留灌水装置の周辺に埋設
    し、該保水材を介して前記放出部から放出される水分を
    該装置周辺土壌に供給することを特徴とする蒸留灌水方
    法。
  2. 【請求項2】蒸留灌水装置を複数の畦の間に上部が露出
    するように土壌中に埋設し、該畦に育成される作物に保
    水材を介して水分補給することを特徴とする請求項1記
    載の蒸留灌水方法。
  3. 【請求項3】保水材が親水性及び又は吸水性を有する樹
    脂製品及び又は天然繊維であることを特徴とする請求項
    1又は2記載の蒸留灌水方法。
  4. 【請求項4】親水性及び又は吸水性を有する樹脂製品が
    親水性吸水性不織布であり、また天然繊維が藁桿類、し
    ゅろ、干し草、リンタ、バガス、ピートモスから選ばれ
    る少なくとも1種であることを特徴とする請求項3記載
    の蒸留灌水方法。
  5. 【請求項5】保水材が二層のシート状に形成され、上層
    が親水性吸水性不織布、下層がピートモスであることを
    特徴とする請求項4記載の蒸留灌水方法。
  6. 【請求項6】樋体の少なくとも内面が太陽光の吸収性の
    よい色彩を有していることを特徴とする請求項1、2、
    3、4又は5記載の蒸留灌水方法。
  7. 【請求項7】蒸留灌水装置の上部を透光フィルムで覆
    い、該フィルムの両側縁部を土中に埋めたことを特徴と
    する請求項1、2、3、4、5又は6記載の蒸留灌水方
    法。
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