JPH0984881A - 体内埋込式薬剤投与装置 - Google Patents

体内埋込式薬剤投与装置

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JPH0984881A
JPH0984881A JP7298761A JP29876195A JPH0984881A JP H0984881 A JPH0984881 A JP H0984881A JP 7298761 A JP7298761 A JP 7298761A JP 29876195 A JP29876195 A JP 29876195A JP H0984881 A JPH0984881 A JP H0984881A
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JP
Japan
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drug
pump chamber
actuator
diaphragm
operating means
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP7298761A
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English (en)
Inventor
Yuichi Hirase
雄一 平瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
K & T kk
KATO SPRING SEISAKUSHO KK
Advanex Inc
Original Assignee
K & T kk
KATO SPRING SEISAKUSHO KK
Kato Spring Works Co Ltd
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Publication date
Application filed by K & T kk, KATO SPRING SEISAKUSHO KK, Kato Spring Works Co Ltd filed Critical K & T kk
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 徐放性の薬剤投与手段では、薬剤の投与量を
コントロールできず、通院によって定期的かつ継続的に
患部に薬剤を投与しなければならなかった。 【解決手段】 ダイヤフラム59により区画された駆動
室60とポンプ室61とを有し体内に埋め込まれる本体
容器51と、体外から本体容器51を遠隔操作によって
作動させる操作手段52とから構成し、本体容器51
を、駆動室60内において操作手段52により作動させ
られてダイヤフラム59を変位させるアクチュエータ6
4と、ポンプ室61に連通する出口室84内において薬
剤放出口78を開閉する弁体76と、ポンプ室61に供
給する薬剤Mを貯留する薬剤貯留室83とを具備し、操
作手段52を体外で操作することによって、薬剤Mを患
部に直接投与する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、適量の薬剤の投与
を継続的に実施し得る体内埋込式薬剤投与装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】同種組織移植後の拒絶反応を抑制するた
めの免疫抑制剤投与、癌等の症状の進行を抑制するため
の薬剤投与、高血圧に対する薬剤投与および糖尿病に対
する血糖値のコントロールのためのインシュリン投与、
さらに、避妊薬・副腎皮質ホルモン剤の投与等の治療
は、長期間にわたることが多い。また、このような治療
においては、薬剤の血中濃度を一定させておくことが重
要である。
【0003】したがって、内服による薬剤投与で一定の
血中濃度を維持させることが困難な場合や、万一、内服
が行われなかったことにより重篤な病状の悪化を招く場
合には、患者が通院・入院治療によって継続して注射等
により薬剤投与を受けてきた(糖尿病に限り患者自身に
よる注射が許されているが、毎日継続して行わなければ
ならない)。
【0004】しかしながら、このように定期的な薬剤の
投与を受けさえすれば、支障なく社会的活動を営むこと
ができる患者にとっては、頻繁な通院や入院により多大
な時間的拘束を受けることはきわめて煩わしいことであ
った。特に、入院せざるを得ない程度に頻繁かつ継続的
な薬剤の投与が必要である患者に対して、定期的な通院
により同様の治療を実施することができる手段の開発が
望まれている。
【0005】上記手段の一つとして、体内浸透式の薬剤
投与方法が提案されている。この方法は、例えば、投与
すべき薬剤をシートあるいはゲル状固形物等に滲み込ま
せたり、小容器に詰めて体内に埋め込んだり体表に貼付
したりする方法がある。これらの方法によれば、体内に
留置された薬剤がシートあるいは小容器等から徐々に溶
け出す性質(徐放性)を利用して、体内に放出されるの
で、比較的長期に亙って薬剤の投与を継続的に実施し得
ることになる。この方法は、既に避妊薬の投与法として
実用化されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような体内に薬剤を浸透させる投与方法では、体内ある
いは体表に留置された容器から血中に薬剤が溶出するよ
うにするものである。したがって、例えば、体温の高
低、血液の循環状態等の患者の体調の変化によって投与
される用量が変動してしまうという不都合が考えられ
る。
【0007】また、薬剤を体内に埋め込んだり体表に貼
付したりした直後には薬剤の投与量が多く、一定時間経
過した後には投与量が減少してしまうという不都合も考
えられる。このため、上記の薬剤投与方法は、薬剤が一
定量以上投与されていればよいという種類の薬剤の用
途、例えば、避妊薬の一投与法として考慮されるのみで
あり、他の用途に適用することは困難であった。すなわ
ち、例えば、臓器移植後の拒絶反応を抑制するための免
疫抑制剤の投与や糖尿病に対するインシュリン投与で
は、血中濃度が一定量を超えるだけでなく、一定濃度域
に留まっていないと副作用の発現の可能性があり(易感
染性、低血糖など)、従来方式の徐放性投与法は応用で
きなかった。
【0008】本発明は上述した事情に鑑みてなされたも
のであって、患者の全身状態に拘らず一定量の薬剤を定
期的に投与できあるいは症状の変化・患者の成長や体重
の変化に応じて薬剤の投与量を増減させることができ、
定期的かつ継続的な一定濃度の薬剤の投与が必要な種々
の疾患の治療に対応し得る体内埋込式薬剤投与装置を提
供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、以下の体内埋込式薬剤投与装置を提案し
ている。まず、請求項1に係る体内埋込式薬剤投与装置
は、体内に埋め込まれる本体容器と、体外に配される操
作手段とを基本構成としている。本体容器は、その内部
がダイヤフラムによって駆動室とポンプ室とに区画され
ている。
【0010】駆動室内には、アクチュエータが設けられ
ている。このアクチュエータは、前記操作手段を体外に
おいて作動させることによって遠隔操作により作動させ
られる種類のものであって、作動させられることによっ
てダイヤフラムを変位させることができるようになって
いる。
【0011】前記ポンプ室には、本体容器外部に連通す
る薬剤放出口が設けられているとともに、操作手段によ
り作動させられて薬剤放出口を開閉する弁体が設けられ
ている。また、前記ポンプ室には、薬剤を貯留する薬剤
貯留室が連通されていて、適宜ポンプ室内に薬剤を供給
するようになっている。
【0012】このように構成された体内埋込式薬剤投与
装置によれば、操作手段を体外において作動させる前の
状態では、ポンプ室内は薬剤貯留室から供給された薬剤
が充填され、弁体は本体容器の薬剤放出口を閉鎖して、
該薬剤放出口からの薬剤の放出を停止している。この状
態で、操作手段を体外において作動させると、体内の本
体容器の駆動室内に配されているアクチュエータが作動
させられて本体容器内を区画しているダイヤフラムを変
位させる。
【0013】例えば、ダイヤフラムが、ポンプ室の内容
積を増大させる方向に変位させられると、薬剤貯留室か
らポンプ室内に薬剤が取り入れられる。そして、ダイヤ
フラムがポンプ室の内容積を減少させる方向に変位させ
られるときに、薬剤放出口を閉鎖していた弁体を操作手
段の作動に応じて移動させ、薬剤放出口を開口させるこ
とにより、ポンプ室内の薬剤が薬剤放出口から体内に放
出されることになる。
【0014】この後に、操作手段の作動を停止しあるい
は切り替えることによって、弁体が薬剤放出口を閉鎖
し、アクチュエータがダイヤフラムをポンプ室の内容積
を拡大させるように変位させることによって、薬剤貯留
室から次回の放出のための薬剤がポンプ室内に取り入れ
られることになる。
【0015】これにより、体外において操作手段を遠隔
操作するだけで、ポンプ室の容積とアクチュエータの作
動回数等に応じて適量の薬剤が体内に放出され、患部に
向けて投与されることになる。
【0016】次に、請求項2に係る体内埋込式薬剤投与
装置は、上記請求項1の体内埋込式薬剤投与装置におい
て、操作手段を電磁石とし、アクチュエータを操作手段
の磁極と同一極性の磁極を体表面方向に配した永久磁石
とし、かつ、アクチュエータを常時体表面の方向に付勢
する付勢手段と該付勢手段によって付勢されたアクチュ
エータを突き当てるストッパとを設けたものである。
【0017】この体内埋込式薬剤投与装置によれば、操
作手段を体外から近接させない状態において、永久磁石
よりなるアクチュエータは、付勢手段の作動によって体
表面方向に付勢され、ストッパに突き当てられている。
この状態では、例えば、ポンプ室の内容積は増大させら
れていて、該ポンプ室内には所定量の薬剤が取り入れら
れている。しかし、弁体は薬剤放出口を閉鎖して体内へ
の薬剤の投与は行われない。
【0018】この状態で、操作手段を体外に近接させ
る。操作手段は電磁石であるため、非作動時には、磁力
は発生していないので、体表面に近接させただけではア
クチュエータ等は作動させられない。ただ、該電磁石は
通常、磁性体よりなる鉄心を有しているために、永久磁
石よりなるアクチュエータとの間に磁着力を生じる。し
かしながら、請求項2の発明によれば、アクチュエータ
はストッパに当接させられているので、操作手段との間
に生じた磁着力によって変位させられることが回避さ
れ、体内の本体容器の状態は変化しないように維持され
ることになる。
【0019】次いで、操作手段を作動させる。すなわ
ち、電磁石に通電して磁力を発生させる。この場合、本
体容器内のアクチュエータは、電磁石の発生する磁極と
同一極性の磁極を体表面側に近接配置しているため、操
作手段との間に磁気反発力を発生し、付勢手段の付勢力
に抗して体内方向、すなわち、ポンプ室の内容積を収縮
させる方向に変位させられることになる。これにより、
請求項1の発明と同様に、所定量の薬剤が体内に投与さ
れることになる。
【0020】また、請求項3に係る発明は、請求項1の
発明において、弁体をダイヤフラムに取り付け、該ダイ
ヤフラムの変位に応じて薬剤放出口を開閉するように構
成したものである。このように構成された体内埋込式薬
剤投与装置によれば、操作手段を体外において作動させ
る前の状態では、ポンプ室内は薬剤貯留室から供給され
た薬剤が充填され、弁体は本体容器の薬剤放出口を閉鎖
して、該薬剤放出口からの薬剤の放出を停止している。
この状態で、操作手段を体外において作動させると、体
内の本体容器の駆動室内に配されているアクチュエータ
が作動させられて本体容器内を区画しているダイヤフラ
ムを変位させる。
【0021】例えば、ダイヤフラムが、ポンプ室の内容
積を増大させる方向に変位させられると、薬剤貯留室か
らポンプ室内に薬剤が取り入れられる。このとき、同時
に薬剤放出口を閉鎖していた弁体がダイヤフラムに伴っ
て移動させられて、薬剤放出口を開口させる。
【0022】この状態で、操作手段の作動を停止しある
いはアクチュエータを逆方向に変位させるように作動さ
せることによって、ダイヤフラムがポンプ室の内容積を
収縮させるように変位させられて、薬剤放出口から薬剤
が体内に投与される。そして、これとともに、弁体も移
動させられて薬剤放出口を閉鎖する。
【0023】これにより、体外において操作手段を遠隔
操作するだけで、ポンプ室の容積とアクチュエータの作
動回数等に応じて適量の薬剤が体内に放出され、患部に
向けて投与されることになる。
【0024】また、請求項4に係る体内埋込式薬剤投与
装置は、上記請求項1の体内埋込式薬剤投与装置におい
て、操作手段を磁石とし、アクチュエータを操作手段の
磁力によって変位させられる磁性体としたものである。
【0025】この体内埋込式薬剤投与装置によれば、操
作手段を体表面に近づけると、その磁力線が体内に浸透
し、体内に配されているアクチュエータに作用する。ア
クチュエータは磁性体により構成されているので、操作
手段の磁力によって磁化され、磁着力が生ずる。このた
め、アクチュエータは、本体容器内において、体表面に
向けて変位させられることになり、ポンプ室の内容積を
変化させて、上述と同様に、薬剤を患部に適切に投与す
ることが可能となる。
【0026】また、請求項5に係る体内埋込式薬剤投与
装置は、上記請求項4の体内埋込式薬剤投与装置におい
て、操作手段が、永久磁石と電磁石とを組み合わせて構
成されているものである。永久磁石は、その周囲に一定
の磁場を形成している一方、電磁石は、電源のON・O
FFによって、その周囲の磁場を変化させる。
【0027】これら永久磁石と電磁石とを組み合わせる
と、アクチュエータに対して永久磁石による磁力に電磁
石の磁力を加えて作用させることが可能となる。その結
果、電磁石に印加する電圧を低減することが可能とな
り、操作手段の小型化が図られることになる。
【0028】さらに、請求項6に係る体内埋込式薬剤投
与装置は、上記請求項4または上記請求項5記載の体内
埋込式薬剤投与装置において、アクチュエータが永久磁
石により構成されているものである。この場合に、この
アクチュエータにおいては、体表面に近接させられる操
作手段の磁極と異なる磁極を体表面に向けて配すること
としている。
【0029】これにより、体外において操作手段を作動
させると、操作手段とアクチュエータとは、異磁極どう
しを対向させることになるので、磁着力が増大させられ
る。したがって、アクチュエータを単に磁性体とした場
合と比較して、操作手段によって発生させられる磁力は
少なくて済み、上記と同様操作手段に印加する電圧低減
および操作手段の小型化を図ることが可能となる。
【0030】また、請求項7に係る体内埋込式薬剤投与
装置は、上記請求項3から請求項6記載の体内埋込式薬
剤投与装置において、ダイヤフラムに付勢手段を設けた
ものである。この付勢手段は、アクチュエータの非作動
時に、弁体が薬剤放出口を閉鎖する方向にダイヤフラム
を付勢するようになっている。
【0031】これにより、操作手段の作動による薬剤投
与が終了した時点で、操作手段の作動が停止されあるい
は操作手段が体表面から遠ざけられると、付勢手段がダ
イヤフラムに作用して、弁体が薬剤放出口を閉鎖するま
でダイヤフラムを変位させる。その結果、患部への薬剤
投与が停止された状態に保持されることになる。
【0032】さらに、請求項8に係る体内埋込式薬剤投
与装置は、上記請求項1から請求項7記載の体内埋込式
薬剤投与装置において、薬剤放出口に弁座が設けられ、
弁体が弁座にポンプ室内側から接離させられるように配
されているものである。これによれば、弁体が弁座に着
座させられて薬剤放出口が閉塞されると、ポンプ室の内
圧によって弁体は弁座に押し付けられ、弁体と弁座との
液密性が向上させられて、薬剤の漏洩が抑止されること
になる。
【0033】また、請求項9に係る体内埋込式薬剤投与
装置は、上記請求項1から請求項8記載の体内埋込式薬
剤投与装置において、薬剤放出口にポンプ室から本体容
器外への薬剤の流通のみを許容する逆止弁が設けられて
いるものである。これにより、ダイヤフラムの変位によ
って、ポンプ室の容積が増大させられるときに、弁体に
よる薬剤放出口の閉塞状態が解除されても、薬剤放出口
からポンプ室内への体液等の流入が逆止弁によって防止
されることになる。
【0034】さらに、請求項10に係る体内埋込式薬剤
投与装置は、上記請求項9記載の体内埋込式薬剤投与装
置において、薬剤貯留室とポンプ室との間に、薬剤貯留
室からポンプ室への薬剤の流通のみを許容する逆止弁が
設けられているものである。これにより、ダイヤフラム
の変位によって、ポンプ室の容積が増大させられてポン
プ室の内圧が下がった場合には、逆止弁を介して薬剤貯
留室からポンプ室に薬剤が供給される。
【0035】逆に、ポンプ室の容積が縮小させられてポ
ンプ室の内圧が上がった場合であっても、逆止弁によっ
てポンプ室から薬剤貯留室への薬剤の逆流が防止される
ことになる。この場合には、薬剤放出口に設けられた逆
止弁を介してポンプ室から薬剤が体内に放出される。し
たがって、薬剤貯留室の薬剤が効率よく患部に投与され
ることになる。
【0036】また、請求項11に係る体内埋込式薬剤投
与装置は、上記請求項1から請求項10のいずれかに記
載の体内埋込式薬剤投与装置において、駆動室に、ダイ
ヤフラムの変位に伴う駆動室内の圧力変動を緩和する圧
力緩和手段が設けられているものである。これによれ
ば、圧力緩和手段の作動によって、駆動室の内圧変動が
緩和されるので、ダイヤフラムの変位が駆動室内の圧力
によって妨害されることが回避される。したがって、ダ
イヤフラムは操作手段の作動に応じて、アクチュエータ
によって迅速に変位させられて、適量の薬剤を患部に投
与することが可能となる。
【0037】さらに、請求項12に係る体内埋込式薬剤
投与装置は、上記請求項1から請求項11記載の体内埋
込式薬剤投与装置において、薬剤貯留室が内容積可変の
弾性材料により形成されているものである。これによれ
ば、薬剤貯留室自体の弾性力によって、薬剤は、常にポ
ンプ室に補給されるように付勢される。また、薬剤の投
与が継続して行なわれることによって、薬剤貯留室内の
薬剤の量が減少しても、それに応じて薬剤貯留室の容積
が収縮するので、薬剤貯留室の内圧が低下することが回
避され、ポンプ室への薬剤供給がスムーズに行なわれる
ことになる。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る体内埋込式薬
剤投与装置の一実施形態について、図1から図4を参照
して説明する。本実施形態に係る体内埋込式薬剤投与装
置1は、体表面Bの内側、すなわち、体内の患部に薬剤
Mを投与するためのものであって、患者の体内の体表面
B近傍に埋込式に配される本体容器2と、体外において
操作される操作手段3とを具備している。
【0039】前記本体容器2は、図1に示すように、例
えば、ポリプロピレンのような抗血栓性ポリマー等の人
体無害な材料よりなる2つのケーシング4・5により構
成されている。第1ケーシング4は、略有底円筒容器状
に形成されており、その開口端の内周部にテーパ状の面
取部4aが形成されている。第2ケーシング5は、第1
ケーシングの開口端を閉塞する蓋状に形成されており、
上記第1ケーシング4の面取部4aに対向するように配
される同様の面取部5aを有している。これらのケーシ
ング4・5は、相互に組み合わせられた状態で、例え
ば、接着されることにより一体的に構成されている。
【0040】これらケーシング4・5の間には、例え
ば、シリコンのような弾性材料よりなる薄膜状のダイヤ
フラム6がその周縁を挟持されており、本体容器2内部
を2つの部屋、すなわち、駆動室7とポンプ室8とに液
密状態に区画している。また、このダイヤフラム6は、
その中央部分が、上記ケーシング4・5の面取部4a・
5aにより形成された空間に配置されており、後述する
アクチュエータの作動によって弾性変形することができ
るようになっている。
【0041】前記駆動室7は、前記第1ケーシング4の
開口端をダイヤフラム6により閉塞することにより形成
されている。この駆動室7内には、アクチュエータ9が
挿入されている。このアクチュエータ9は、第1ケーシ
ング4の内径より若干小さい外径寸法を有する円柱状の
永久磁石よりなり、第1ケーシング4内をその長手方向
に沿って直線移動することができるようになっている。
アクチュエータ9の一端は、前記ダイヤフラム6に接触
するように配置され、他端と第1ケーシング4の内底部
との間には、圧縮コイルバネのような付勢手段10が配
設されている。
【0042】また、第1ケーシング4の内底部近傍の側
壁には、半径方向に貫通する貫通孔11が設けられてお
り、該貫通孔11に接続パイプ12が挿入状態に固着さ
れている。この接続パイプ12の一端は、本体容器2の
外部に突出状態に設けられ、その先端に、抗血栓性ポリ
マー等の弾性材料よりなり内容積可変のバルーン(圧力
緩和手段)13が被せられている。すなわち、このバル
ーン13内部と本体容器2の駆動室7内とは連通状態と
されて、内部の気体が相互に自由に流通することができ
るようになっている。
【0043】一方、ポンプ室8は、前記第2ケーシング
5の開口端をダイヤフラム6により閉塞することにより
形成されている。このポンプ室8には、前記開口端に対
して正反対の端部に、該ポンプ室8内を本体容器2の外
部に連通させる薬剤放出口14が設けられている。
【0044】この薬剤放出口14には、図1に示すよう
に、逆止弁15が設けられている。該逆止弁15は、先
端に向かって漸次近接し先端において接触状態に配され
る2枚の弾性片15a・15bにより構成されており、
薬剤放出口14を介したポンプ室8内からの流出のみを
許容し、ポンプ室8内への流入を禁止するようになって
いる。
【0045】また、逆止弁15の内側には、例えば、O
リングよりなる弁座16が設けられている。さらに、該
弁座16よりポンプ室8の内方側には、図1に示す例で
は、球状の弁体17が配されている。
【0046】この弁体17と前記ダイヤフラム6との間
には、例えば、圧縮コイルバネよりなる付勢手段18が
配設されている。この付勢手段18は、前記ダイヤフラ
ム6および弁体17に両端を固定されており、ダイヤフ
ラム6が所定位置に配されたときに、弁体17を弁座1
6にポンプ室8の内方から着座させ、薬剤放出口14を
閉鎖するようになっている。
【0047】また、この付勢手段18は、ダイヤフラム
6が薬剤放出口14から遠ざかる方向に変位させられる
途中で、自由長に達し、以降は、弁体17を弁座16か
ら離間させる方向に付勢する付勢力を発生するような寸
法に形成されている。
【0048】なお、図1中、符号19は、付勢手段18
をダイヤフラム6に取付状態に保持するためのホルダで
ある。ホルダ19は、ダイヤフラム6に接着され、ある
いは、ダイヤフラム6を貫通して作用するアクチュエー
タ9の磁力によってダイヤフラム6を挟んで磁着状態に
保持されているものである。これらホルダ19、付勢手
段18、接続パイプ12等の薬液等と接触する金属製部
材は、腐食を避けるために、例えば、ステンレス鋼によ
り製造されるとともに、その表面に四フッ化エチレン樹
脂等の耐食性に優れた被膜によるコーティング(図示
略)が施されたものが使用される。
【0049】また、ポンプ室8の側壁には、半径方向に
貫通する貫通孔20が設けられ、該貫通孔20に接続パ
イプ21が挿入状態に固定されている。この接続パイプ
21の一端は、本体容器2の外部に突出状態に設けら
れ、その先端に抗血栓性ポリマー等の弾性材料よりなる
チューブ22を介して、同様の弾性材料よりなる薬剤容
器(薬剤貯留室)23が取り付けられている。
【0050】すなわち、薬剤容器23の内部はチューブ
22を介してポンプ室8内に連通状態とされている。ま
た、この薬剤容器23内には、例えば、ゲル状の薬剤M
が充填されている。薬剤を充填された薬剤容器が膨張さ
せられることにより、薬剤は一定の圧力で加圧される。
【0051】また、ポンプ室8と薬剤容器23とを連絡
するチューブ22の途中位置には、薬剤容器23からポ
ンプ室8への薬剤Mの流通のみを許容するための逆止弁
24が取り付けられている。この逆止弁24は、上述の
逆止弁15と同様のものであってもよく、また、異なる
形式のものでもよい。
【0052】前記操作手段3は、例えば、円環状の永久
磁石3aの中心に円柱状の電磁石3bを組み合わせたも
のである。これにより、電磁石3bの電源をON・OF
Fすれば、電磁石3bと永久磁石3aとを合わせた強さ
の磁場を形成することができるようになっている。ここ
で、永久磁石3aおよび電磁石3bは、体表面Bに近接
させる磁極が、上記アクチュエータ9の第1ケーシング
4底部に配されている磁極とは極性が逆になるように設
定されている。
【0053】このように構成された本実施形態の体内埋
込式薬剤投与装置1の作用について、以下に説明する。
まず、薬剤Mが充填された薬剤容器23および本体容器
2は、患者の体内に手術によって埋め込まれる。この場
合に、本体容器2は、第1ケーシング4の底部を体表面
B側に向け、薬剤放出口14を患者の体内の患部に向け
て埋め込まれる。
【0054】この状態では、アクチュエータ9は、付勢
手段10によってダイヤフラム6方向に変位させられて
おり、付勢手段18は圧縮され、弁体17は弁座16に
着座させられて薬剤放出口14は閉塞されている。この
状態における各部材の位置を原位置とする。また、この
状態では、薬剤容器23からチューブ22を介してポン
プ室8内に亙る全領域には、薬剤Mが充満されている。
さらに、アクチュエータ9の磁極方向は、N極、S極の
いずれでもよいが、以下、説明のために、N極を体表面
B側に向けて配されているものとする。
【0055】次に、本実施形態の体内埋込式薬剤投与装
置1によって、患者の体内に薬剤Mを投与する場合につ
いて説明する。薬剤Mを投与するには、体外において操
作手段3を操作する。すなわち、操作者は、操作手段3
を本体容器2が埋め込まれている位置近傍の体表面Bに
当てがう。そして、電磁石3bの電源をONとすること
によって、体表面Bに近接あるいは接触している面にS
極を発生させる。
【0056】これにより、電磁石3bおよび永久磁石3
aの磁力線が体内に浸透し、体内の本体容器2内のアク
チュエータ9に作用する。すなわち、電磁石3bおよび
永久磁石3aのS極と、アクチュエータ9のN極とが対
向させられることになるので、アクチュエータ9には磁
着力が作用する。
【0057】その結果、アクチュエータ9は、図2に示
すように、付勢手段10の付勢力に抗して、体表面Bに
近接する方向に変位させられる。また、アクチュエータ
9の変位とともに、アクチュエータ9の一端に固定され
ているダイヤフラム6も、同一方向に変位させられる。
したがって、この場合には、ポンプ室8の内容積が増大
させられ、駆動室7の内容積が収縮させられることにな
る。
【0058】このようにして、ポンプ室8の内容積が増
大させられると、ポンプ室8の内圧が低下するので、チ
ューブ22に設けた逆止弁24が開いて、薬剤Mが薬剤
容器23からポンプ室8に取り込まれる。一方、付勢手
段18は、ダイヤフラム6の変位途中において自由長に
達するため、弁体17は弁座16から離間して薬剤放出
口14が開かれるが、該薬剤放出口14には逆止弁15
が設けられているので、本体容器2外部からの体液等の
流入は回避される。
【0059】一方、内容積を収縮させられた駆動室7に
は、内容積可変のバルーン13が接続されているので、
駆動室7内の気体はバルーン13に退避させられて、バ
ルーン13が膨張する。その結果、駆動室7内の圧力上
昇が回避され、アクチュエータ9およびダイヤフラム6
の移動に際しての抵抗が少なくて済む。したがって、ポ
ンプ室8への薬剤Mの流入がスムーズに行なわれること
になる。
【0060】次に、電磁石3bの電源をOFFにするこ
とにより、電磁石3bの磁極を消滅させる。これによ
り、アクチュエータ9に作用していた磁着力が弱めら
れ、アクチュエータ9は、図3に示すように、付勢手段
10の付勢力によって原位置方向に変位させられる。し
たがって、アクチュエータ9の移動とともに変位するダ
イヤフラム6によりポンプ室8内の内容積が収縮する。
【0061】この収縮によってポンプ室8の内圧が上昇
すると、チューブ22に設けられていた逆止弁24が閉
鎖され、薬剤容器23からポンプ室8への薬剤Mの流入
が停止するとともに、ポンプ室8から薬剤容器23への
薬剤Mの逆流も防止される。そして、ポンプ室8内から
は、離間している弁体17と弁座16との間から薬剤放
出口14に薬剤Mが流通するとともに、ポンプ室8の内
圧によって逆止弁15が開かれて、薬剤Mが体内に放出
され、患部に投与されることになる。
【0062】また、ポンプ室8のこの収縮過程における
ダイヤフラム6の変位の途中位置において、まず、弁体
17が弁座16に着座して薬剤放出口14が閉鎖され、
薬剤Mの投与が停止する。この状態から、ダイヤフラム
6の変位はさらに進行して、付勢手段18が圧縮される
とともに、ポンプ室8の内圧が上昇する。
【0063】一方、駆動室7は、内容積が膨張するの
で、バルーン13に退避させられていた気体が駆動室7
内に引き戻され、バルーン13は収縮する。この際にお
いても、駆動室7内の過度の圧力低下が回避され、アク
チュエータ9およびダイヤフラム6はその動作を阻害さ
れることなくスムーズに変位する。
【0064】このように、本実施形態の体内埋込式薬剤
投与装置1によれば、アクチュエータ9の一往復動作に
よって、ポンプ室8の容積変動に応じた薬剤Mが体内に
放出されることになる。したがって、操作者は、薬剤M
の投与予定量に応じた回数だけ電磁石3bをON・OF
Fさせることにより、適量の薬剤Mを患部に正確に投与
することができることになる。
【0065】また、患者自身が操作手段3を操作する場
合には、電磁石3bのON・OFF回数をあらかじめ設
定し得る適当な制御装置(図示略)を用いて、自動的に
実施することも可能である。したがって、病院における
治療・診断の回数を必要最小限のものとして、通院回数
を減らすことができる。また、短い間隔で頻繁に薬剤M
投与を実施しなければならない治療の場合であっても、
入院することなく、通院によって継続的な治療を行うこ
とができる。
【0066】また、本実施形態に係る体内埋込式薬剤投
与装置1によれば、操作手段3を磁石として、体内に埋
め込まれたアクチュエータ9を磁力によって変位させる
ものであるから、構成を簡易なものとすることができ、
かつ、確実にダイヤフラム6を変位させて薬剤Mを投与
することができる。
【0067】加えて、操作手段3自体は、皮下に配され
るアクチュエータ9に磁力を作用させることができる程
度に強い磁界を発生させる必要がある。しかし、電磁石
3bのみによって強い磁界を発生させるには、かなりの
高い電圧を供給することが必要であり、電力発生装置と
して大型のものが必要となる。
【0068】これに対して、本実施形態のように、一定
の磁界を発生させる永久磁石3aと電磁石3bとを組み
合わせれば、電磁石3b自体の発生する磁界は小さくて
済み、電力発生装置の小型化、延いては、装置自体の小
型化を図り、携帯に適した操作手段3を提供することが
できる。さらに、アクチュエータ9として永久磁石を用
いれば、電磁石3bの発生すべき磁界をさらに小さくす
ることができるので、装置の小型化を容易に図ることが
できる。
【0069】また、弁体17は、ダイヤフラム6の移動
途中においてポンプ室8側から弁座16に着座するの
で、弁体17による薬剤放出口14の閉鎖後にポンプ室
8内を加圧状態に保持することができる。したがって、
弁体17は、ポンプ室8の内圧および付勢手段18の付
勢力によって、弁座16に押し付けられた状態に保持さ
れ、アクチュエータ9の非作動時にポンプ室8内の薬剤
Mが本体容器2外部に漏洩することを確実に回避するこ
とができる。
【0070】さらに、駆動室7に連通する内容積可変の
バルーン13を設けたので、ダイヤフラム6の変位に伴
う駆動室7内の圧力上昇、圧力低下を緩和することがで
きる。したがって、ダイヤフラム6等のスムーズな変位
を可能とし、操作手段3の操作に正確に対応した適量の
薬剤投与を実施することができる。
【0071】また、本実施形態では、薬剤容器23が内
容積可変の弾性材料により形成されているので、薬剤M
の消費に応じて薬剤容器23を収縮させることができ
る。したがって、薬剤Mの消費に伴う薬剤容器23の内
圧の低下を防止することができ、薬剤容器23からポン
プ室8への薬剤Mのスムーズな供給を図ることができ
る。
【0072】さらに、薬剤放出口14およびチューブ2
2にそれぞれ逆止弁15・24を設けたので、本体容器
2内に体液その他が流入したり、ポンプ室8の薬剤Mが
薬剤容器23の方向に逆流したりすることを防止して、
薬剤Mの適正な流通方向を確保することができる。
【0073】ところで、上記体内埋込式薬剤投与装置1
においては、さらに実用性を高めるために、以下の技術
を採用することができる。
【0074】 薬剤容器23内の薬剤Mが減少したと
きには、例えば、注射器(図示略)によって薬剤容器2
3内に薬剤Mを補充することとしてもよい。この場合
に、薬剤容器23の一部に注射針を引き抜いた後に射し
た跡が自然に閉塞する構造、例えば、ボール等の注気
部、あるいは、チューブレスのタイヤの構造等を応用し
た部分を設けることとしてもよい。また、この場合に、
注射針を射す部分の薬剤容器23を体外に露出させるこ
ととしてもよい。さらにこの場合に、注射針による薬剤
容器23の不要な貫通を防止すべく、薬剤容器23内部
の体表面Bに対して奥側に、注射針の貫通を防止する貫
通防止板(図示略)を設けることとしてもよい。
【0075】 操作手段3として、永久磁石3aと電
磁石3bとを組み合わせた磁石を採用することとした
が、これに代えて、単に、永久磁石3aのみあるいは電
磁石3bのみを採用することも可能である。この場合、
上述した弊害が発生することが考えられるが、その弊害
が他の手段によって解決される場合には、上記実施形態
と同様に有効な手段となる。また、永久磁石3a、電磁
石3b等の形状も任意で良い。また、同様の理由によ
り、永久磁石よりなるアクチュエータ9を単に磁性体よ
りなるものに置き換えることとしてもよい。
【0076】 なお、本実施形態の体内埋込式薬剤投
与装置1は、患者が自ら操作手段3を操作して、薬剤M
の投与を行うものであるから、その投与回数、投与間隔
等は患者自身がある程度の管理を行わなければならな
い。しかし、過剰投与を回避するためには、操作手段3
内に、例えば、タイマを設けることにより、一定期間経
過後でなければ、次回の投与を実施することができない
ようにすることも考えられる。また、電磁石のON・O
FFの回数も、医師のみが調整できることとする必要が
ある。
【0077】 さらに、患者の操作によって、適量の
薬剤M投与を確実に実施するために、投与が確実に行わ
れたか否かを検出する手段を操作手段3内に設けること
としてもよい。そして、ダイヤフラムの予定複動回数に
満たない回数分だけ薬剤M投与を実施すべきことをLE
D点灯、ブザー等によって患者に警告し、その回数分だ
けの追加の薬剤M投与を実施可能とすればよい。
【0078】 また、操作手段3として磁石、アクチ
ュエータ9として磁石あるいは磁性体を採用することと
したが、これに代えて、アクチュエータ9を形状記憶合
金よりなるものとし、操作手段3を、例えば、電磁誘導
等によって該アクチュエータ9を発熱させる手段とする
こともできる。また、アクチュエータをピエゾ素子のよ
うな圧電素子によって構成することとしてもよい。
【0079】 また、駆動室7に連通するバルーン1
3によって駆動室7内の圧力変動を緩和することとした
が、これに代えて、駆動室7の一部に弾性膜を張り、該
弾性膜を弾性変形させることにより圧力変動を吸収する
こととしてもよい。
【0080】 さらに、弁体17、アクチュエータ
9、ケーシング1・2等の形状には何等限定されるもの
はなく、必要に応じて適宜設計変更することとしてもよ
い。また、本体容器2と薬剤容器23とを接続するチュ
ーブ22を廃して、これらを一体的に構成することとし
てもよい。また、付勢手段10・18として圧縮コイル
バネを採用したが、これに限られることなく、他の弾性
部材、例えば、トーションバー、皿バネ等のバネあるい
はゴム等の任意の弾性材料を採用することとしてもよ
い。
【0081】 また、患部が体表面Bから離れた位置
に配される場合においては、本体容器2もこれに応じて
深い位置に埋め込まれることになる。この場合には、操
作手段3の磁界が本体容器2に達しないこともあるの
で、図4に示すように、体表面Bと本体容器2との間に
磁力伝達手段30を配置することとしてもよい。
【0082】すなわち、磁力伝達手段30は、例えば、
純鉄等の材料よりなる線材をチタン等の耐食性材料でコ
ーティングしたものにシリコン樹脂等を被覆してなり、
その一端を患者の体表面B近傍に配されるとともに、他
端を本体容器2の近傍に配するように設けられる。これ
により、操作手段3を体表面B近傍において操作すれ
ば、該操作手段3の磁界を磁力伝達手段30を介して本
体容器2のアクチュエータ9に作用させることができ
る。
【0083】この体内埋込式薬剤投与装置1によれば、
例えば肝癌等の場合に、癌のある部位に接して配置する
ことにより、その部位だけ高濃度に高癌剤を投与するこ
とも可能である。
【0084】次に、本発明に係る体内埋込式薬剤投与装
置の第2の実施形態について、図5から図7を参照して
説明する。本実施形態に係る体内埋込式薬剤投与装置5
0も、図6および図7に示すように、患者の体内の体表
面B近傍に埋込式に配される本体容器51と、体外にお
いて操作される操作手段52とを具備している。
【0085】前記本体容器51も、図5に示すように、
上記第1実施形態と同様に、例えば、ポリプロピレンの
ような抗血栓性ポリマー等の人体無害な材料よりなる2
つのケーシング53・54により主として構成されてい
る。第1ケーシング53は、並列に配される2つの円柱
状の凹部55・56を有する容器状に形成されており、
一方の凹部55の開口端の内周部にテーパ状の面取部5
5aを有している。
【0086】また、第2ケーシング54は、前記第1ケ
ーシング53の2つの凹部55・56の開口を閉鎖する
ように配置される蓋状に形成されている。この第2ケー
シング54には、上記第1ケーシング53の凹部55・
56に対向する位置に、それぞれ凹部57・58が形成
されているとともに、前記第1ケーシング53の面取部
55aに対向する位置に同様の面取部57aが設けられ
ている。これらのケーシング53・54は、相互に組み
合わせられた状態で、例えば、接着されることにより一
体的に構成されるようになっている。
【0087】これらケーシング53・54の凹部55・
56の内、前記面取部55aが設けられた凹部55に
は、第1ケーシング53と第2ケーシング54との間
に、例えば、シリコンのような弾性材料よりなる薄膜状
のダイヤフラム59がその周縁を挟持された状態で配置
されており、本体容器51内部を、第1駆動室60とポ
ンプ室61とに液密状態に区画している。また、このダ
イヤフラム59は、その中央部分が、上記ケーシング5
3・54の面取部55a・57aにより形成された空間
に配置されており、後述するアクチュエータの作動によ
って弾性変形することができるようになっている。
【0088】また、ケーシング53・54の凹部55・
56の内、面取部55aが設けられていない他の凹部5
6内も、同様に、シリコンのような弾性材料よりなる薄
膜部材62によって第1ケーシング53側の第2駆動室
63と第2ケーシング54側の出口室84とに区画され
ている。これらダイヤフラム59および薄膜部材62に
よって区画された第1ケーシング53側の2つの駆動室
60・63には、それぞれアクチュエータ64・65が
挿入されている。
【0089】これらアクチュエータ64・65は、第1
ケーシング53の凹部55・56内径より若干小さい外
径寸法を有する円柱状の永久磁石よりなり、第1ケーシ
ング53内をその長手方向に沿って直線移動することが
できるようになっている。第1駆動室60内のアクチュ
エータ64は、その一端を前記ダイヤフラム59に接触
状態とされている。第2駆動室63のアクチュエータ6
5は、その一端に、後述する弁体を前記薄膜部材62を
介して押圧するための押圧部材66を固定されており、
かつ、前記第2ケーシング54との間に配したコイルス
プリング等の付勢手段67によって、第1ケーシング5
3の凹部56底面56aに向けて付勢されている。
【0090】また、第1ケーシング53の2つの凹部5
5・56の内底部あるいはその近傍の側壁には、第1実
施形態と同様のバルーンが設けられている(図示略)。
すなわち、このバルーン内部と本体容器51の駆動室6
0・63内とは連通状態とされて、内部の気体が相互に
自由に流通することができるようになっている。
【0091】一方、前記ポンプ室61は、第2ケーシン
グ54の面取部57aが設けられた凹部57の開口端を
ダイヤフラム59により閉塞することにより形成されて
いる。また、前記出口室84も、第2ケーシング54の
他の凹部58の開口端を薄膜部材62によって閉塞する
ことにより区画形成されている。これらポンプ室61お
よび出口室84は、チューブ68によって連通されてい
る。
【0092】前記ポンプ室61には、図5に示すよう
に、チューブ68との間に上記第1実施例と同様の逆止
弁69が設けられている。この逆止弁69も、先端に向
かって漸次近接し先端において接触状態に配される2枚
の弾性片(図示略)により構成されており、前記チュー
ブ68を介したポンプ室61内からの薬剤Mの流出のみ
を許容し、チューブ68からのポンプ室61内への薬剤
Mの流入を禁止するようになっている。
【0093】また、ポンプ室61内には、該ポンプ室6
1より若干小さい外径寸法を有するカップ状の支持部材
70が摺動可能に挿入されている。この支持部材70
は、例えば磁性体よりなり、前記駆動室60内において
ダイヤフラム59に接触させられるアクチュエータ64
によって磁着され、該アクチュエータ64との間にダイ
ヤフラム59を挟持するようになっている。あるいは、
支持部材70を他の材質により形成し、接着材等によっ
てダイヤフラム59およびアクチュエータ64と一体化
することとしてもよい。
【0094】さらに、この支持部材70の摺動範囲にお
けるポンプ室61の側壁には、後述する薬剤容器に連通
するチューブ71の接続口72が開口されており、支持
部材70がアクチュエータ64側に変位させられると該
接続口72が開かれる一方、その逆方向に変位させられ
ると、該接続口72が支持部材70によって閉塞される
ようになっている。
【0095】また、前記第2ケーシング54とこの支持
部材70との間には、コイルスプリングのような付勢手
段73が配置されており、該付勢手段73の弾発力によ
って支持部材70、ダイヤフラム59およびアクチュエ
ータ64が第1ケーシング53の凹部55底面55b方
向に向けて常時付勢されるようになっている。この場合
において、アクチュエータ64は、後述する操作手段5
2の作動していない状態で、付勢手段73の付勢力によ
り、第1ケーシング53の凹部55底面55b(ストッ
パ)に当接状態に保持されるようになっている。
【0096】さらに、ポンプ室61の側壁に設けられた
接続口72には、チューブ71が接続されている。この
チューブ71は、例えば、抗血栓性ポリマー等の弾性材
料により構成されており、このチューブ71を介して、
第1実施形態と同様の薬剤容器(薬剤貯留室)83が取
り付けられている。すなわち、薬剤容器83の内部はチ
ューブ71を介してポンプ室61内に連通状態とされて
いる。
【0097】また、ポンプ室61と薬剤容器83とを連
絡するチューブ71の途中位置には、薬剤容器83から
ポンプ室61への薬剤Mの流通のみを許容するための逆
止弁74が取り付けられている。この逆止弁74は、上
述の逆止弁69と同様のものであってもよく、また、異
なる形式のものでもよい。
【0098】一方、出口室84は、前記第2アクチュエ
ータ65の移動方向に沿うシリンダ状に形成されている
とともに、その周壁に形成された周溝内に、例えばOリ
ングのようなシール部材75が取り付けられている。該
シール部材75は、その内径寸法が前記周壁より小さく
形成されており、周壁の内面から内方に突出させられて
いる。
【0099】また、該シール部材75よりもチューブ6
8側の空間には、前記周壁より若干小さい外径寸法の球
体よりなる弁体76が配置されている。この弁体76
は、コイルスプリング77によって、前記第2アクチュ
エータ65に向けて付勢されており、前記押圧部材66
が弁体76に接触しない状態では、コイルスプリング7
7の付勢力によって前記シール部材75に圧接させられ
て、出口室84内を液密状態に閉鎖するようになってい
る。
【0100】さらに、出口室84の前記シール部材75
よりも第2アクチュエータ65側の空間には、出口室8
4内を本体容器51の外部に連通させる薬剤放出口78
が設けられている。この薬剤放出口に78は、図1に示
すように、上述の逆止弁69・74と同様の逆止弁79
が設けられており、出口室84から本体容器51外部に
向けての薬剤Mの流通のみを許容するようになってい
る。
【0101】前記操作手段52は、通電によって磁場を
発生させる2つの電磁石80・81を並列に配列した構
造のものである。この場合において、各電磁石80・8
1は、体表面Bに近接させる磁極が、上記2つのアクチ
ュエータ64・65の第1ケーシング53底部側に配さ
れている磁極と同一極性となるように設定されている。
【0102】このように構成された本実施形態の体内埋
込式薬剤投与装置50の作用について、以下に説明す
る。まず、薬剤Mが充填された薬剤容器83および本体
容器51は、患者の体内に手術によって埋め込まれる。
この場合に、本体容器51は、図6に示されるように、
第1ケーシング53の底部が体表面B側に向かうように
配置され、かつ、薬剤放出口78が患者の体内の患部に
向かうように埋め込まれる。薬剤放出口の方向は、出口
チューブ82の方向によって任意に設定することができ
る。
【0103】この状態では、アクチュエータ64・65
は、図6に示すように、付勢手段73・67によって第
1ケーシング53の凹部55・56の底面55b・56
aに当接状態に保持されている。すなわち、ダイヤフラ
ム59は、ポンプ室61の内容積を拡大する方向に変位
させられており、かつ、弁体76は、押圧部材66が離
間させられることによってコイルスプリング77の付勢
力によりシール部材75に圧接させられて薬剤放出口7
8を閉塞している。
【0104】次に、本実施形態の体内埋込式薬剤投与装
置50によって、患者の体内に薬剤Mを投与する場合に
ついて説明する。薬剤Mを投与するには、体外において
操作手段52を操作する。すなわち、操作者は、操作手
段52を本体容器51が埋め込まれている位置近傍の体
表面Bに当てがう。本実施形態では、アクチュエータ6
4・65は並列に2個設けられているので、操作手段5
2の2つの電磁石80・81によって確実に両アクチュ
エータ64・65が作動させられるように、例えば、体
表面Bにマーク等を付しておく必要がある。あるいは、
両アクチュエータ64・65の第1ケーシング53底部
側に配される磁極を異ならせておくことにより、操作手
段52の電磁石80・81を入れ違えることによる誤動
作を回避することとしてもよい。いずれにしても、操作
手段52の2つの電磁石80・81を予め対応づけられ
た本体容器51の2つのアクチュエータ64・65に対
向配置する。
【0105】この場合において、操作手段52は、電磁
石80・81であって、鉄心80a・81aの周囲にコ
イル80b・81bを巻回した構造を有しているため、
電源がOFF状態であっても、アクチュエータ64・6
5の形成している磁場の影響を磁性体として受けること
になる。すなわち、体表面Bに近接させられた操作手段
52とアクチュエータ64・65との間には、アクチュ
エータ64・65の磁場による磁着力が発生する。しか
し、本実施形態の体内埋込式薬剤投与装置50では、ア
クチュエータ64・65は付勢手段73・67によって
第1ケーシング53の凹部55・56底面55b・56
aに底突き状態に配置されているので、磁着力が作用し
てもそれ以上の変位を生じることがない。したがって、
ポンプ室61内に薬剤Mが追加吸引されることが防止さ
れ、薬剤投与量の変動を効果的に回避することができる
ことになる。
【0106】次に、操作手段52の各電磁石80・81
の電源をON状態とする。これにより、体表面Bに近接
あるいは接触している面に磁極を発生させ、電磁石80
・81の磁力線を体内に透過させて本体容器51のアク
チュエータ64・65に作用させる。すなわち、各電磁
石80・81と対応するアクチュエータ64・65とが
対向する磁極を同一極性とすることによって、磁気反発
力が発生し、アクチュエータ64・65が、図7に示す
ように、付勢手段73・67の付勢力に抗して第2ケー
シング54方向に変位させられることになる。
【0107】両アクチュエータ64・65は、ほぼ同時
に変位させられることとしてもよいが、体内の2つのア
クチュエータ64・65を明確に判別できる場合には、
両者に時間差を設けて作動させることとしてもよい。説
明上、例えば、両アクチュエータ64・65が同時に作
動させられる場合について説明する。
【0108】第1のアクチュエータ64は、ポンプ室6
1の内容積を収縮させる方向に変位させられる。したが
って、ポンプ室61内の薬剤Mは加圧される。そして、
第2のアクチュエータ65が変位させられることによっ
て、該アクチュエータ65に取り付けた押圧部材66が
弁体76を押圧するようになると、該弁体76とシール
部材75との圧接状態が解除され、両者間から流出した
薬剤Mが薬剤放出口78から体内の患部に向けて放出さ
れることになる。
【0109】この場合において、第1のアクチュエータ
64によって変位させられた支持部材70は、薬剤容器
83からの接続口72を閉鎖するようになるので、第2
のアクチュエータ65が弁体76を押圧し続けることに
よって薬剤放出口78が解放状態とされても、薬剤Mの
放出量は、ポンプ室61の容積によって定まる一定量に
制限され、過剰投与が防止されることになる。また、こ
の場合に、ポンプ室61内の圧力が薬剤容器83の内圧
より高くなる場合もあるが、該薬剤容器83とポンプ室
61との間には逆止弁74が設けられているので、ポン
プ室61から薬剤容器83への薬剤Mの逆流は効果的に
防止され、薬剤Mは、ポンプ室61からチューブ68お
よび出口室84を介して薬剤放出口78に向かう一方向
にのみ流通させられることになる。
【0110】また、この場合に、アクチュエータ64・
65の変位に伴い内容積を増大させられる2つの駆動室
60・63には、内容積可変のバルーンが接続されてい
るので、該バルーンを収縮させることによってバルーン
内の気体が駆動室60・63内に供給される。その結
果、駆動室60・63内の圧力低下が回避され、アクチ
ュエータ64・65およびダイヤフラム59の移動に際
しての抵抗は少なくてすむ。したがって、ポンプ室61
から体内への薬剤Mの流通がスムーズに行われることに
なる。
【0111】次いで、電磁石80・81の電源をOFF
状態とすることにより、電磁石80・81による磁場を
消滅させる。これにより、アクチュエータ64・65に
作用していた磁気反発力が除去され、アクチュエータ6
4・65は、図6に示すように、付勢手段73・67の
付勢力によって第1ケーシング53の凹部55・56底
面55b・56aに当接する位置まで戻されることにな
る。したがって、第1のアクチュエータ64の移動に伴
って変位するダイヤフラム59によって、ポンプ室61
の内容積が膨張させられるとともに、第2のアクチュエ
ータ65の移動によって弁体76がシール部材75に圧
接させられて薬剤放出口78が閉鎖される。
【0112】ポンプ室61の内容積が膨張すると、該ポ
ンプ室61の内圧は低下するので、逆止弁69は閉鎖さ
れ、チューブ68からの薬剤Mの逆流が停止されるとと
もに、支持部材70が薬剤容器83への接続口72を解
放することによって、薬剤容器83から追加の薬剤Mが
供給されることになる。また、薬剤放出口78に設けた
逆止弁79によって、体内からの薬剤Mおよび体液等の
流入が防止されることになる。
【0113】なお、この場合においても、駆動室60・
63に設けたバルーンの作用によって、アクチュエータ
64・65およびダイヤフラム59の動作の抵抗が低減
されるので、ポンプ室61への薬剤供給Mはスムーズに
行われることになる。また、弁体76は、付勢手段77
によってポンプ室61側からシール部材75に圧接させ
られるので、万一、何らかの原因によってポンプ室61
の内圧が増大しても、出口室84内おける薬剤Mの流通
は完全に密閉され、薬剤放出口78からの余分の薬剤M
の放出を確実に防止することが可能となる。
【0114】このように、本実施形態の体内埋込式薬剤
投与装置50によれば、第1実施形態の体内埋込式薬剤
投与装置1と同様に、薬剤Mの投与予定量に応じた回数
だけ電磁石80・81をON・OFFさせることによっ
て、適量の薬剤Mを患部に正確に投与することができる
ことになる。
【0115】なお、本実施形態においては、操作手段5
2によって、アクチュエータ64・65が同時に変位さ
せられる場合について説明した。したがって、この場合
には、アクチュエータを単一のものとして、ダイヤフラ
ムおよび弁体を変位を実現することもできる。
【0116】また、本実施形態のようにアクチュエータ
64・65を2つ設けることにより、上述したように、
両アクチュエータ64・65の動作に時間差を設けるこ
ととしてもよい。これによれば、さらにきめ細かいアク
チュエータ64・65の作動により、薬剤投与量の適正
化等を図ることができる。また、上記第1実施形態にお
ける種々の変形例を本実施形態の体内埋込式薬剤投与装
置50に適用することとしてもよい。
【0117】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1記載の発
明に係る体内埋込式薬剤投与装置によれば、体外におい
て操作手段を作動させるだけで、遠隔操作により体内に
埋め込まれたアクチュエータを作動させ、ダイヤフラム
を変位させることによる薬剤のポンピング動作を実施す
ることができるので、きわめて簡易な構成で、所望の時
期に、適量の薬剤を正確に患部に投与することができる
という効果を奏する。
【0118】また、請求項2の発明に係る体内埋込式薬
剤投与装置によれば、磁力を利用してダイヤフラムを変
位させることができるので、上記効果に加えて、装置構
成をきわめて簡易なものとすることができる。しかも、
アクチュエータを永久磁石とし、操作手段の非作動持に
は、そのアクチュエータを体表面方向に付勢した状態で
ストッパに当接させておくので、磁気反発力以外の磁力
で装置が作動することを確実に防止することができる。
したがって、操作手段の作動時以外に薬剤がポンプ室に
供給され、あるいは、ポンプ室から放出されることを確
実に回避することができるという効果を奏する。
【0119】さらに、請求項3の発明に係る体内埋込式
薬剤投与装置によれば、体外において操作手段を作動さ
せるだけで、体内に埋め込まれたアクチュエータを作動
させ、ダイヤフラムを変位させることによる薬剤のポン
ピング動作と、弁体の開閉動作とを生じさせることがで
きるので、簡易な構成で、所望の時期に、適量の薬剤を
正確に患部に投与することができるという効果を奏す
る。
【0120】また、請求項4の発明に係る体内埋込式薬
剤投与装置によれば、磁力を利用してダイヤフラムを変
位させることができるので、上記効果に加えて、装置構
成をきわめて簡易なものとすることができるという効果
を奏する。
【0121】請求項5の発明に係る体内埋込式薬剤投与
装置によれば、電磁石により発生されるべき磁界の強さ
を弱めることができるので、電磁石への電力源を小型化
することができ、携帯に適した体内埋込式薬剤投与装置
を提供することができるという効果を奏する。また、請
求項6の発明に係る体内埋込式薬剤投与装置によれば、
電磁石の発生すべき磁界の強さを請求項3記載の発明に
係る体内埋込式薬剤投与装置の場合よりもさらに小さく
することができる。
【0122】請求項7の発明に係る体内埋込式薬剤投与
装置によれば、アクチュエータが作動させられない場合
に、付勢手段によって弁体が薬剤放出口を閉鎖するよう
に付勢されるので、非作動時における薬剤の体内への漏
洩を確実に防止することができるという効果を奏する。
【0123】さらに、請求項8の発明に係る体内埋込式
薬剤投与装置によれば、ポンプ室内側から弁座に接離さ
せられる弁体は、薬剤によって弁座に押し付けられる方
向に付勢されるので、弁体と弁座との液密性を向上し、
薬剤の漏洩を確実に抑制することができるという効果を
奏する。
【0124】請求項9の発明に係る体内埋込式薬剤投与
装置によれば、薬剤放出口に設けられた逆止弁によっ
て、体液等が本体容器内に流入することを防止すること
ができる。また、請求項10の発明に係る体内埋込式薬
剤投与装置によれば、本体容器から薬剤貯留室への薬剤
の逆流を防止することができ、薬剤貯留室からポンプ室
へ、ポンプ室から体内へという薬剤の安定した流通経路
を確保することができるという効果を奏する。その結
果、患部への薬剤の投与量を正確なものとすることがで
きる。
【0125】さらに、請求項11の発明に係る体内埋込
式薬剤投与装置によれば、圧力緩和手段の作動によっ
て、アクチュエータおよびダイヤフラムのスムーズな動
作が確保され、適正な薬剤の投与が妨げられることを回
避することができるという効果を奏する。また、請求項
12の発明に係る体内埋込式薬剤投与装置によれば、薬
剤の消費量に応じて薬剤貯留室を収縮させることによ
り、薬剤貯留室の内圧低下によって薬剤の流通が滞るこ
とを防止することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る体内埋込式薬剤投与装置の一実施
形態を示す縦断面図である。
【図2】図1の体内埋込式薬剤投与装置において、アク
チュエータが体表面方向に変位した状態を示す縦断面図
である。
【図3】図1の体内埋込式薬剤投与装置において、アク
チュエータがポンプ室の内容積を収縮させる方向に変位
した状態を示す縦断面図である。
【図4】本発明に係る体内埋込式薬剤投与装置を体内の
深い位置に埋め込む場合の変形例を示す縦断面図であ
る。
【図5】本発明に係る体内埋込式薬剤投与装置の第2の
実施形態を示す縦断面図である。
【図6】図5の体内埋込式薬剤投与装置において、体内
に配した本体容器に対して、体外に配した操作手段を作
動させた状態を示す縦断面図である。
【図7】図5の体内埋込式薬剤投与装置において、操作
手段を作動させた状態を示す縦断面図である。
【符号の説明】
M 薬剤 1,50 体内埋込式薬剤投与装置 2,51 本体容器 3,52 操作手段 3a 永久磁石 3b,80・81 電磁石 6,59 ダイヤフラム 7 駆動室 8 ポンプ室 9,64・65 アクチュエータ 13 バルーン(圧力緩和手段) 14,78 薬剤放出口 15,69・79 逆止弁 16,75 シール部材(弁座) 17,76 弁体 18,67・73 付勢手段 23,83 薬剤貯留室 24,74 逆止弁 55b・56a 底面(ストッパ) 60 第1駆動室(駆動室) 63 第2駆動室(駆動室)

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダイヤフラムにより区画された駆動室と
    ポンプ室とを有し体内に埋め込まれる本体容器と、体外
    に配され前記本体容器を遠隔操作によって作動させる操
    作手段とからなり、 前記本体容器が、前記駆動室内に配置され操作手段によ
    り作動させられて前記ダイヤフラムを変位させるアクチ
    ュエータと、前記ポンプ室内に配置されかつ前記操作手
    段により作動させられてポンプ室に連通する薬剤放出口
    を開閉する弁体と、前記ポンプ室に連通され該ポンプ室
    内に供給する薬剤を貯留する薬剤貯留室とを具備するこ
    とを特徴とする体内埋込式薬剤投与装置。
  2. 【請求項2】 操作手段が、電磁石よりなり、 アクチュエータが、体表面に近接させられる操作手段の
    磁極と同一極性の磁極を体表面方向に配した永久磁石よ
    りなるとともに、 該アクチュエータを体表面方向に常時付勢する付勢手段
    と、前記操作手段の非作動時に前記付勢手段により体表
    面方向に付勢されたアクチュエータを突き当てるストッ
    パとが設けられていることを特徴とする請求項2記載の
    体内埋込式薬剤投与装置。
  3. 【請求項3】 弁体が、ダイヤフラムに取り付けられ、
    アクチュエータの作動によるダイヤフラムの変位に応じ
    て薬剤放出口を開閉することを特徴とする請求項1記載
    の体内埋込式薬剤投与装置。
  4. 【請求項4】 操作手段が、磁石よりなり、 アクチュエータが、前記操作手段からの磁力によって変
    位させられる磁性体よりなることを特徴とする請求項3
    記載の体内埋込式薬剤投与装置。
  5. 【請求項5】 操作手段が、一定の磁場を形成する永久
    磁石と、電磁石とを組み合わせて構成されていることを
    特徴とする請求項4記載の体内埋込式薬剤投与装置。
  6. 【請求項6】 アクチュエータが、体表面に近接させら
    れる操作手段の磁極と異なる磁極を体表面方向に配した
    永久磁石よりなることを特徴とする請求項4または請求
    項5記載の体内埋込式薬剤投与装置。
  7. 【請求項7】 ダイヤフラムに、アクチュエータの非作
    動時に、弁体が薬剤放出口を閉鎖するように弁体を付勢
    する付勢手段が設けられていることを特徴とする請求項
    3から請求項6のいずれかに記載の体内埋込式薬剤投与
    装置。
  8. 【請求項8】 薬剤放出口に弁座が設けられ、 弁体が、前記弁座にポンプ室内側から接離させられるよ
    うに配されていることを特徴とする請求項1から請求項
    7のいずれかに記載の体内埋込式薬剤投与装置。
  9. 【請求項9】 薬剤放出口にポンプ室から本体容器外へ
    の薬剤の流通のみを許容する逆止弁が設けられているこ
    とを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載
    の体内埋込式薬剤投与装置。
  10. 【請求項10】 薬剤貯留室とポンプ室との間に、薬剤
    貯留室からポンプ室への薬剤の流通のみを許容する逆止
    弁が設けられていることを特徴とする請求項9記載の体
    内埋込式薬剤投与装置。
  11. 【請求項11】 駆動室に、ダイヤフラムの変位に伴う
    駆動室内の圧力変動を緩和する圧力緩和手段が設けられ
    ていることを特徴とする請求項1から請求項10のいず
    れかに記載の体内埋込式薬剤投与装置。
  12. 【請求項12】 薬剤貯留室が内容積可変の弾性材料に
    より形成されていることを特徴とする請求項1から請求
    項11のいずれかに記載の体内埋込式薬剤投与装置。
JP7298761A 1995-07-20 1995-11-16 体内埋込式薬剤投与装置 Withdrawn JPH0984881A (ja)

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