JPH0985028A - 排ガス中の炭素系微粒子処理用フィルタ及びこれを用いた炭素系微粒子処理装置 - Google Patents

排ガス中の炭素系微粒子処理用フィルタ及びこれを用いた炭素系微粒子処理装置

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JPH0985028A
JPH0985028A JP7270483A JP27048395A JPH0985028A JP H0985028 A JPH0985028 A JP H0985028A JP 7270483 A JP7270483 A JP 7270483A JP 27048395 A JP27048395 A JP 27048395A JP H0985028 A JPH0985028 A JP H0985028A
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Tatsuhiko Kato
龍彦 加藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ディーゼル内燃機関などから排出される排ガス
中の炭素系微粒子の処理能力が高いとともにすぐれた耐
久性を備え、また経済性やメンテナンス性も良好なフィ
ルタと再生操作が容易でかつ炭素系微粒子処理能力が高
い当該処理装置を提供する。 【解決手段】排ガス中の炭素系微粒子を処理するための
フィルタとこれを用いた炭素系微粒子処理装置であり、
フィルタは、抵抗発熱性を有する高温耐熱性ステンレス
鋼の薄板コイル材を端面切削して製造した繊維を集積し
てウエブにし、それを焼結および熱処理して焼結繊維表
面にアルミナ皮膜を形成した高温耐熱性ステンレス鋼繊
維焼結体からなっていて、かつアルミナ皮膜が触媒を担
持している。排ガス中の炭素系微粒子処理装置は、フィ
ルタの自由端に電極を取り付けており、通電装置により
要時に前記電極に通電してフィルタを自己発熱させるよ
うになっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はディーゼル内燃機関
や加熱炉、ボイラなどの燃焼装置から排出される排気ガ
ス中の炭素系微粒子を処理するためのフィルタ及びこれ
を用いた少なくとも1つ以上の炭素系微粒子処理ユニッ
トからなる排ガス中の炭素系微粒子処理装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】ディーゼル内燃機関は、エネルギー効率
が高く、また耐久性が優れているため、自動車などの輸
送機用、一般動力用、発電用などに汎用されているが、
排ガス中に主としてスート,カーボンミスト等からなる
炭素系微粒子が含まれているため、環境上大きな問題と
なっている。この対策として、自動車などの輸送機では
エンジンの改良、燃料噴射系の改良などが行われ、これ
によりディーゼル内燃機関より排出される炭素系微粒子
をある程度低減することができている。しかしながら、
これらの方法による炭素系微粒子の低減ではまだ十分で
はないため、さらに炭素系微粒子を低減する方法とし
て、酸化(燃焼)触媒を利用したり、セラミック製フィル
タで炭素系微粒子を捕集した後、炭素系微粒子を電気ヒ
ータ,バーナなどで着火させ、炭素系微粒子自体の燃焼
熱で伝播燃焼させて除去する方法などが検討されてい
る。一方、定置式や産業用のディーゼルエンジン、加熱
炉、コージェネレーションシステム,ヒートポンプ、ボ
イラ等の燃焼装置では、排ガス対策としてサイクロン,
バグフィルタなどの集塵装置を用いる方法がとられてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、酸化
(燃焼)触媒を用いる方法やセラミック製フィルタで炭素
微粒子を捕集し燃焼除去する方法では性能、耐久性およ
び経済性に問題がある。特に、セラミック製フィルタを
用いる方法は、炭素系微粒子の捕集率は高いものの、再
生の際に炭素系微粒子の燃焼に伴う発熱がフィルタ内で
一様でなく高低の差があることや炭素系微粒子の燃焼温
度が高いことにより、フィルタが破損したり溶解する問
題や、排ガス中の灰分がフィルタ内に堆積し長時間使用
できない問題などがある。また、定置式や産業用のディ
ーゼルエンジンや加熱炉やボイラ等の燃焼装置で用いら
れているサイクロン,バグフィルタなどの集塵装置は、
処理能力が低かったり装置が高価であったり、捕集した
炭素系微粒子を廃棄処理しなければならなかったりする
などの問題がある。
【0004】本発明は上記問題点を解消するために研究
して創案されたもので、その第1の目的は、ディーゼル
内燃機関や燃焼装置から排出される排ガス中の炭素系微
粒子の処理能力が高いとともにすぐれた耐久性を備え、
また経済性やメンテナンス性も良好な排ガス中の炭素系
微粒子処理用フィルタを提供することにある。また、本
発明の他の目的は、上記目的に加え、再生操作が容易で
かつ炭素系微粒子処理能力が高い排ガス中の炭素系微粒
子処理装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決する手段】上記第1の目的を達成するため
本発明は、抵抗発熱性を有する高温耐熱性ステンレス鋼
の薄板を巻回したコイル材を端面切削して製造した繊維
を集積してウエブにし、それを焼結および熱処理して焼
結繊維表面にアルミナ皮膜を形成した高温耐熱性ステン
レス鋼繊維焼結体からなり、しかも該高温耐熱性ステン
レス鋼繊維焼結体が触媒を担持している構成としたもの
である。また第2の目的を達成するため本発明は、排ガ
スの導入部と排出部を有する器体と、抵抗発熱性を有す
る高温耐熱性ステンレス鋼の薄板を巻回したコイル材を
端面切削して製造した繊維を集積してウエブにしそれを
焼結および熱処理して焼結繊維表面にアルミナ皮膜を形
成ししかもその上に触媒を担持し、かつ自由端に電極を
取り付けた高温耐熱性ステンレス鋼繊維焼結体からなる
炭素系微粒子処理用フィルタと、要時に前記電極に通電
して炭素系微粒子処理用フィルタを自己発熱させるため
の通電装置を備えた構成としたものである。本発明の炭
素系微粒子処理装置は、前記第2発明の構成を備えたも
のを1つの処理ユニットとしこれを複数配した形態を含
む。
【0006】
【発明の実施の形態】以下本発明を添付図面に基いて説
明する。図1ないし図3は本発明による炭素系微粒子処
理用フィルタの実施例を示している。1は炭素系微粒子
処理用フィルタであり、高温耐熱性ステンレス鋼繊維焼
結体2と、これの自由端部に溶接などにより固着された
電極3とを備えている。前記高温耐熱性ステンレス鋼繊
維焼結体2は、図1(a)では帯板状をなしこれを所要の
間隔ごとに波状に屈曲した形状となっている。(b)では
周方向の一部が分離された円筒状をなしており、(c)で
は周方向の一部が分離した断面星形類似の筒状をなして
いる。もとよりこれら形状に限定されるものではなく、
平板状、閉鎖断面の筒状、カップ状、皿状など任意であ
る。電極3は自由端全体に設けられるかあるいは図1
(b)(c)のように自由端部に沿って固着される帯状部30
を有している。なお、目詰りの再生法として通電方式に
よらない場合には電極3は設けられなくてもよい。
【0007】前記高温耐熱性ステンレス鋼繊維焼結体2
は、通電により抵抗発熱する材質のもの、たとえばFe-C
r-Al-REM系のステンレス鋼を用いることが望ましい。具
体的には、重量比でCr:17〜21%、Al:2.5〜6.0%、RE
MとしてはLa,Y,Ceの一種または2種以上が用いられ、添
加量は0.02〜0.25%である。CrとAlが下限未満では後述
する耐熱のためのアルミナ皮膜厚さが不十分なものとな
り、上限を超える含有量では結晶構造が不安定になる。
また、REMはアルミナ皮膜の安定性に寄与し、これが下
限を下回る添加量では前記機能を発揮できず、上限を超
える添加量は経済性を損なうため不適当である。なお、
他の組成として、C:0.008%以下、Si:1.0%以下、Mn:1.0%
以下を含有していてもよい。
【0008】前記高温耐熱性ステンレス鋼繊維焼結体2
は、図2(a)のように高温耐熱性ステンレス鋼繊維2
0をランダムに配向して接触部を融着した多孔構造から
なり、焼結されている各高温耐熱性ステンレス鋼繊維2
0は、図2(b)のように軸方向と直角の断面が略四角
形状をなし、表面には均一な厚さの薄いアルミナ皮膜2
1が析出されている。このアルミナ皮膜21は図2
(c)のように高温耐熱性ステンレス鋼繊維20,20
の交差接触部分200ではこれを囲むように形成され、
交差接触部分200はメタルタッチとなっている。この
ように交差接触部分がメタルタッチであることにより高
温耐熱性ステンレス鋼繊維焼結体2は全体として均一な
抵抗発熱回路状態が構成されている。
【0009】さらに、前記アルミナ皮膜21の表面には
触媒層4が設けられている。この触媒層4は触媒担体と
活性金属からなる。触媒担体としては、アルミナ,シリ
カ・アルミナ,ジルコニア・アルミナ,チタニア,モル
デナイト,ZSM-5などのゼオライト類から選ばれる少な
くとも1種が用いられる。その触媒担体の粒径としては
0.5μmから20μmが好ましく、1μmから10μmがさら
に好ましい。この理由は、触媒担体の粒径が0.5μm未
満では触媒担体の製造が困難となり、20μmを超える粒
径では高温耐熱性ステンレス鋼繊維焼結体2の細かい通
気孔22を閉塞する問題や触媒が剥離する問題が生じる
からである。担体に担持する活性金属としては、周期律
表第1族金属、2族金属、3b族金属、4b族金属、5
b族金属、6b族金属、7b族金属および8族金属から
選ばれる少なくとも1種が好ましく用いられる。第1族
金属としてLi、Na、K、Rb、Cs、Cu、2族金
属としてはMg、Ca、Ba、Zn、3b族金属として
はLa、Ce、4b族金属としてはZr、5b族金属と
してはV、6b族金属としてはMo、7b族金属として
はMn、8族金属としてはFe、Co、Ni、Pd、P
tが好ましい。活性金属の高温耐熱性ステンレス鋼繊維
焼結体への担持量は、高温耐熱性ステンレス鋼繊維焼結
体1g当たり0.1〜15mgが好ましく、1〜10mgがさら
には好ましい。この理由は、15mg超であると高温耐熱
性ステンレス鋼繊維焼結体の細径孔を閉塞させてしまう
からである。
【0010】各高温耐熱性ステンレス鋼繊維20は、長
さが10〜300mm、軸方向と直角の断面の1辺の長さ(幅
tまたは厚さw)が5〜200μm、より好適には10〜100
μmが好ましい。長さが10mm未満では繊維同士の絡み合
いが少なくなり、300mmを超える長さでは不均一にかた
まってしまい均一な通気孔を形成しにくくなる。また、
断面の1辺が5μm未満では、炭素系微粒子中や排ガス
中の灰分が堆積して通気孔22の目詰まりを起こしやす
く、また機械的強度や耐熱性が低くなる不都合がある。
しかし、200μmを超える太さとした場合には、排ガス
中の炭素系微粒子がほどんど通過してしまい、フィルタ
としての基本機能が発揮されなくなるため不可である。
高温耐熱性ステンレス鋼繊維焼結体2は、上記高温耐熱
性ステンレス鋼繊維20を目付け重量で300〜5000g/m2
有している。これは、目付重量が300g/m2以下であると
気孔率が高すぎ、排ガス中の炭素系微粒子をほとんど処
理できずに通過させてしまい、5000g/m2以上にした場合
には、排ガス中の炭素系微粒子の処理能力はそれ以上変
化せず、かえって高温耐熱性ステンレス鋼繊維20を大
量に使用するので経済性が悪くなるからである。
【0011】前記諸元の高温耐熱性ステンレス鋼繊維2
0は、原料としての高温耐熱性ステンレス鋼がフェライ
ト系であるため常温加工性が悪く、したがって、引抜き
法による細線化が困難であるため、従来では実際上存在
しなかった。また、溶融紡糸法でも高温耐熱性ステンレ
ス鋼の繊維化が困難であり、ワイヤー切削法では繊維形
状が特定できなく、歩止まりも悪い問題があり、びびり
振動切削法も短繊維しか製造できない問題がある。そこ
で本発明はこれを解消すべく、コイル材切削法にて高温
耐熱性ステンレス鋼繊維20を得るのである。すなわ
ち、図3のように、板厚がたとえば5〜150μmの高
温耐熱性ステンレス鋼の薄板(箔)11を旋削主軸12
にタイトにコイル状に巻回し、このコイル材11の端面
110を旋削主軸12と平行な送りを与えた工具13に
より所定の切り込みで切削することにより製造するので
ある。これにより三次元的に適度にカールした高温耐熱
性ステンレス長繊維束20”が工具すくい面に沿って後
方に流出し、とぎれなく連続的に創成される。そして前
記繊維束を幅方向に展張し、10mm〜300mmの長さに切断
することで高温耐熱性ステンレス鋼繊維20’とされ
る。図4(a)(b)は上記方法で得られた1本の高温耐熱性
ステンレス鋼繊維20’を示しており、断面は四角形状
をなし、一辺201はしわ状の粗面となっている。上記
コイル材端面切削法によれば、高温耐熱性ステンレス鋼
繊維20’は、一辺(繊維幅W)が板厚に一致し、一辺
(繊維厚さt)が工具送り量sによって決定される。し
たがって、高温耐熱性ステンレス鋼薄板11の厚さと切
込み(工具送り量)を調整することで様々な寸法の繊維
を製造することができる。上記繊維製造条件としては、
工具すくい角:15〜45°とし、切削速度:30〜95m/min、
送り量s:5〜40μm/minなどから採用すればよい。
【0012】本発明による高温耐熱性ステンレス鋼繊維
焼結体2は、前記高温耐熱性ステンレス鋼繊維20を原
料として、一般的に、ウエブ化-焼結-成形-熱処理-触媒
担持の工程で製造される。すなわち、まず、前記高温耐
熱性ステンレス鋼繊維20’を目付け重量300g/m2〜500
0g/m2に集積し、所望形状たとえば板状のウェブに成形
する。次に、前記ウェブを真空または非酸化性雰囲気中
で800〜1250℃の範囲で10分〜10時間加熱して焼結
する。この焼結時に荷重をかけることも好適である。こ
うして得られた焼結体から必要寸法のフィルタを切り出
す。フィルタ形状が図1のようなものである場合には、
この時点で曲げ加工などを施す。しかし、場合によって
は、ウェブ成形時に図1に例示するようなフィルタ形状
にしてもよい。その後、空気などの酸化性雰囲気中にて
600〜1100℃で1〜20時間の条件で熱処理する。この
熱処理は焼結体の抵抗発熱性を利用して通電加熱によっ
て行うこともできる。この熱処理により図2(b)(c)に示
すようなアルミナ被膜21が焼結繊維表面に析出され
る。熱処理温度が600℃以下ではアルミナ被膜21が十
分に析出せず、1100℃を超える高温では異常酸化により
アルミナが剥離、飛散してしまう問題がある。上記温度
範囲では、700℃以下では2(Fe,Cr,Al)+4.5O2→Fe2O3
+Cr2O3+Al2O3の反応により、また、700℃以上では、
Fe2O3+2Al→Al2O3+2Feの反応により各々耐久性被膜が生
成される。しかも、組成としてREMが添加されているた
め、高温でのアルミナ皮膜の安定性が向上させられ、し
たがって、900℃以下の使用温度で良好な機械的特性
を示す。そして、この熱処理の後、高温耐熱性ステンレ
ス鋼繊維焼結体2に触媒を担持させる。触媒の担持方法
としては、通常の方法が用いられるが、たとえば活性金
属を触媒担体に含浸させて調製したスラリーをウォッシ
ュコートする方法や、活性金属を触媒担体に沈着させて
調製したスラリーをウォッシュコートする方法、あるい
は触媒担体をウォッシュコートした後に活性金属を含浸
する方法などがあげられる。
【0013】本発明の炭素系微粒子処理用フィルタ1
は、高温耐熱性ステンレス鋼のコイル材11を端面切削
することによって低コストで製造される繊維を基材とし
ているため、均一な形状寸法と高温耐熱性がありながら
これを低コストで製造できという特徴を有している。ま
た、高温耐熱性ステンレス鋼繊維20’を集積してウェ
ブにして焼結するだけでなく、焼結後に熱処理して繊維
表面にアルミナ被膜21を生成させているので、高温耐
久性、耐酸化性、機械強度が高い。さらにアルミナ被膜
21の外側に触媒層4を有しており、アルミナ被膜21
が触媒担体に対し親和性があるため、触媒層4の密着性
を良好なものにすることができる。そしてこの触媒によ
り炭素系微粒子の燃焼を促進することができる。また、
製造される繊維の径や集積してウェブにする際の集積す
る量や触媒の担持量を自由に変化させることで細孔径を
調整できるため、排ガス中の炭素系微粒子の処理率を任
意に変えることができるとともに、炭素系微粒子中や排
ガス中の灰分を堆積しないようにすることができる。さ
らに、高温耐熱性ステンレス鋼繊維20は寸法形状が揃
っている上に表面積が大きく、かつ断面が四角形状であ
るため、排ガス中の炭素系微粒子を各辺のエッジで確実
に捕捉することができる。
【0014】次に本発明による排ガス中の炭素系微粒子
処理装置の実施態様を説明する。本発明による炭素系微
粒子処理装置は、図5ないし図7に例示するような炭素
系微粒子処理ユニット(以下単に処理ユニットと称す)5
の少なくとも1つから構成される。図8は処理ユニット
5を複数用いた炭素系微粒子処理装置を例示しており、
(a)は排ガス流路に複数の処理ユニット5を並列に接続
し、処理ユニット5の上流と下流に切換弁8を設けて排
ガスを選択的に処理ユニット5に送って処理するように
したものである。(b)は排ガス流路に複数の処理ユニッ
ト5を直列に接続し、排ガスを多段処理するようにした
ものである。図5は図1(a)に示す炭素系微粒子処理
用フィルタ1を使用した例を示している。50はステン
レス鋼などの耐熱性材料からなる器体であり、長手方向
一端にはガス導入部500が、他端には排出部501を
有している。器体50には電気絶縁性と断熱性を有する
内張り9が施されており、炭素系微粒子処理用フィルタ
1は自由端の電極3,3が器体50から突出するように
ガス導入部500と排出部501間の排ガス通路502
に配置されている。実際上は器体は電極3,3を取り付
けるため上下2分割されているが、図面では簡略化して
いる。Eは前記炭素系微粒子処理用フィルタ1を自己発
熱させるための通電装置であり、電源6とコントローラ
7とを備えている。電源6から給電線60,60が前記
電極3,3に接続され、電源6にはコントローラ7が電
気的に接続される。このコントローラ7は所定の時間ご
とに電源6を作動させるタイマでもよいが、この実施例
ではマイクロコンピュータが用いられ、ガス導入部50
0と排出部501の排ガス圧力検出器70,71の出力
側を接続することにより、導入排ガスの圧力P1と排出
ガスの圧力P2の差圧P3を検出し、その差圧P3が設定
値に達したときに電源6を作動させ、あるいはさらに通
電量を自動制御するようにしている。
【0015】図6は図1(c)に示す炭素系微粒子処理
用フィルタ1を使用した例を示し、図7は図1(b)に
示す炭素系微粒子処理用フィルタ1を使用した例を示し
ている。これらの例においては、排ガスGを側方に流通
して炭素系微粒子を捕集するため炭素系微粒子処理用フ
ィルタ1の下端外径側が閉止される一方、上端には耐熱
電気絶縁性の蓋部材10が固着されている。その他の構
成は前記図5と同様であるから、説明は省略する。本発
明における炭素系微粒子処理用フィルタ1は形状を自由
に設定できるため、処理ユニット単位体積当たりの炭素
系微粒子処理用フィルタ1の表面積を任意に変化させる
ことができる。そのため、図8のように排ガス流路に前
記処理ユニット5を複数連結した排ガス処理装置におい
ても、ディーゼル内燃機関や燃焼装置に高い背圧をかけ
たり、燃焼状態が悪化するのを防ぐことができる。この
ように排ガス中の炭素系微粒子処理装置が複数の処理ユ
ニット5,5から構成される場合には、各処理ユニット
5,5に対する通電タイミングを処理ユニット毎にずら
してもよく、これにより一度に過大な電力を使わないよ
うにすることができる。なお、本発明における処理ユニ
ット5への炭素系微粒子処理用フィルタ1の設置方法は
前記した例に限られず、たとえば器体50中に多段に設
置するなど任意である。
【0016】次に本発明の排ガス中の炭素系微粒子処理
装置の作用を説明する。ディーゼル内燃機関や燃焼装置
から排出され炭素系微粒子cを含む高温の排ガスGは排
ガス導入部500から排ガス通路502を通り、図5な
いし図7の矢印のように炭素系微粒子処理用フィルタ1
を通過し、その間に炭素系微粒子cが捕集され、浄化さ
れた排ガスは排出部501から排出される。本発明の排
ガス処理用触媒フィルタ1は高温耐熱性ステンレス鋼繊
維を焼結した多孔性の高温耐熱性ステンレス鋼繊維焼結
体2によって構成されており、しかも高温耐熱性ステン
レス鋼繊維20の母地表面が安定したアルミナ皮膜21
でコーティングされている。したがって、酸化性雰囲気
においても機械的強度が高いとともにすぐれた耐熱性を
発揮する。また、高温耐熱性ステンレス鋼繊維20は前
記製造法の特徴から表面積が大きく、かつ断面形状が四
角であるためそのエッジに炭素系微粒子cが引掛かりや
すく、確実に炭素系微粒子cを捕集することができる。
【0017】しかも、アルミナ皮膜21の上に活性金属
を含む触媒層4を有している。このため、炭素系微粒子
処理用フィルタ1が炭素系微粒子cを燃焼できる温度よ
りも排ガスGの温度が高い場合には、排ガス中の炭素系
微粒子cは常に炭素系微粒子処理用フィルタ1上で確実
に燃焼処理される。排ガスGの温度が炭素系微粒子処理
用フィルタ1が炭素系微粒子cを燃焼できる温度より低
い場合には、徐々に炭素系微粒子cが炭素系微粒子処理
用フィルタ1に捕集され、高温耐熱性ステンレス鋼繊維
焼結体2の通気孔22を埋めるように堆積していく。こ
れが図9(a)の状態であり、これにより通気抵抗が増
して炭素系微粒子処理用フィルタ1の前後の差圧が上昇
し、ディーゼル内燃機関や燃焼装置の燃焼状態が悪くな
る。したがって、炭素系微粒子処理用フィルタ1に捕集
した炭素系微粒子cを処理し、炭素系微粒子処理用フィ
ルタ1を再生しなければならない。炭素系微粒子処理用
フィルタ1の再生は、前述のようにフィルタに付着して
いる炭素系微粒子を電気ヒータやバーナにより着火させ
て伝播燃焼させる方法や、排ガス流れと逆方向から圧縮
空気を送り、炭素系微粒子を払い落とす方法などを用い
ることができるが、いずれも煩雑であるうえに確実性に
乏しかったり、処理に時間がかかる。
【0018】しかし、本発明においては高温耐熱性ステ
ンレス鋼繊維焼結体2が良好な熱伝導率を有することに
加えて通電による抵抗発熱性を有している。しかも高温
耐熱性ステンレス鋼繊維20は繊維交差部200が母地
同士接合しているから、高温耐熱性ステンレス鋼繊維焼
結体2は全体で均一な抵抗発熱性を有している。そこ
で、上記のように差圧が高くなったときに通電装置Eの
電源6から電極3,3を通して炭素系微粒子処理用フィ
ルタ1に電気を流せば、図9(b)のように炭素系微粒
子処理用フィルタ1自体がジュール熱により全体が均一
に発熱し、その熱により高温耐熱性ステンレス鋼繊維2
0の目に捕集されている炭素系微粒子cが確実に着火さ
れ、燃焼除去させられる。これにより炭素系微粒子処理
用フィルタ1の前後の差圧は初期の状態に戻る。この場
合、高温耐熱性ステンレス鋼繊維20には触媒が担持さ
れていることから炭素系微粒子cの燃焼が促進され、通
電電力量を低下することができる。このように、炭素系
微粒子処理用フィルタ1へ通電し、それ自体の発熱によ
り再生を行うため炭素系微粒子の燃え残りは生じず、か
つ高温耐熱性ステンレス鋼繊維20は上記したように表
面のアルミナ皮膜21によりすぐれた耐熱性があるため
炭素系微粒子処理用フィルタ1の破損や溶融が起こらな
い。前記再生操作は、コントローラ7がタイマである場
合には、あらかじめ実験などで測定した結果に基いて設
定した時間間隔で自動的に電源6が作動することによっ
て行われ、また、差圧検出系を有している場合には、排
ガス圧力検出器70,71からの信号から差圧を求め、
それがある設定した差圧Psになったときに自動的に電
源6が作動することによって行われる。
【0019】
〔具体例1〕
1)C:0.004%、Si:0.14%、Mn:0.13%、Cr:20.02%、Al:4.
9%、La:0.08%残部鉄及び不可避的不純物からなる厚さ20
μmのFe-Cr-Al-REM系ステンレス薄板を主軸にコイル状
に巻き、回転させながら工具の送り量を10μm/minで切
削して、断面が30μm×15μmのFe-Cr-Al-REM系ステン
レス長繊維を製作した。その長繊維を長さ150mmに切断
した後、2000g/m2になるように集積してウェブを作っ
た。このウェブを非酸化性雰囲気で1120℃、2時間で40g
/m2の荷重をかけて焼成した。その後、空気雰囲気で100
0℃で6時間熱処理し、形状が長方形で寸法が500×900
×0.8mmの炭素系微粒子処理用フィルタ素体を得た。粒
径1μmのアルミナ粒子に硫酸銅を含浸させた後、粉
砕、乾燥し、500℃で焼成した後に水と混合し、ボール
ミルで粉砕して5%のスラリーを調製した。このスラリ
ーを炭素系微粒子処理用フィルタ素体にウォッシュコー
トして110℃で乾燥した後、500℃で焼成する操作を炭素
系微粒子処理用フィルタ素体1g当たり3mgの銅が担
持されるまで繰り返し、実施例1の炭素系微粒子処理用
フィルタを得た。 2)また、前記炭素系微粒子処理用フィルタ素体を用
い、触媒として粒径1μmのアルミナ粒子に塩化白金酸
を含浸させた後、粉砕、乾燥し、500℃で焼成した後に
水と混合し、ボールミルで粉砕して5%のスラリーを調
製した。このスラリーを炭素系微粒子処理用フィルタ素
体にウォッシュコートして110℃で乾燥した後、500℃で
焼成する操作を炭素系微粒子処理用フィルタ素体1g当
たり3mgの白金が担持されるまで繰り返し、実施例2
の炭素系微粒子処理用フィルタを得た。
【0020】4)得られたフィルタの性能を試験するた
め、実施例1および実施例2のフィルタを直噴式ディー
ゼルエンジンの排ガス配管の途中に取り付け、それぞれ
のフィルタの差圧が水柱で200mmになるまで、排ガス中
の炭素系微粒子を捕集させた。この結果を表1に示す。
また、それぞれのフィルタに10%酸素と90%窒素を混合
したガスを20℃/minの速度で昇温させながら通過さ
せ、フィルタの温度とフィルタの差圧からフィルタに捕
集した炭素系微粒子の着火温度と燃え切り温度を測定し
た。その結果を表2に示す。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】表1から本発明は捕集効率が高いことがわ
かる。また、表2から実施例1及び実施例2の炭素系微
粒子処理用フィルタが着火温度、燃え切り温度ともに低
いことがわかる。
【0024】〔具体例2〕 1)具体例1の方法によって厚さ0.8mm、幅25mm、長さ9
00mmの平面帯状の焼結体を作り、これを波付け加工した
後、前記条件で熱処理し、さらに実施例1,2のように
触媒を担持させて図5(a)のような形状の炭素系微粒子
処理用フィルタ本体を製作し、これの両端に銅製の電極
を取り付けて炭素系微粒子処理用フィルタを得た。この
炭素系微粒子処理用フィルタをステンレス製の容器に絶
縁材及び断熱材を介して配置し、電極には制御回路と電
源からなる通電装置を取り付けて炭素系微粒子処理装置
を作り、制御回路には排ガス入口と出口の差圧を計測す
る差圧計を接続した。
【0025】2)上記のように作製した炭素系微粒子処
理装置を直噴式ディーゼルエンジンの排ガス配管の途中
に取り付け、排ガスを処理する試験を行った。実施例1
のフィルタを設けた炭素系微粒子処理装置を用いて、排
ガス温度が550℃以上の場合に行った試験の結果を図1
0に示す。図10に示したように、炭素系微粒子処理装
置の装置差圧は上昇せず、初期差圧で一定であった。こ
のときの炭素系微粒子の処理率は70〜80%であっ
た。
【0026】3)排ガス温度が350℃のときに、実施例
1のフィルタを設けた炭素系微粒子処理装置を用いて行
った試験の結果を図11に示す。図11に示したよう
に、炭素系微粒子処理用フィルタが排ガス中の炭素系微
粒子を捕集するにつれて、炭素系微粒子処理装置の装置
差圧は次第に上昇し、装置差圧が設定差圧に達したとき
に、制御回路から電極を通じて炭素系微粒子処理用フィ
ルタへ100Aの電流を印加したところ、炭素系微粒子処
理装置の装置差圧は初期の差圧近くまで減少した。この
操作を1000回繰り返し行ったが、同様の差圧の変化を示
した。このとき、炭素系微粒子の処理率は70〜80%であ
った。また、炭素系微粒子処理用フィルタは溶融や破損
などが何ら生じなかった。なお、同じ排ガス温度のとき
に比較例1のフィルタを設けた炭素系微粒子処理装置で
試験を行った場合には、炭素系微粒子処理装置の差圧を
初期差圧に戻すのに必要な電力量が実施例1のフィルタ
を設けた炭素系微粒子処理装置よりも多く必要であっ
た。このことから本発明は炭素系微粒子を含む排ガス処
理能力が高く、耐久性も良好であるこことがわかる。
【0027】
【発明の効果】以上説明した本発明の請求項1によれ
ば、排ガス中の炭素系微粒子処理用フィルタが高温耐熱
性ステンレス鋼のコイル材を切削して低コストに製造さ
れた繊維を集積してウェブにした後に、焼結、熱処理し
さらに触媒を担持させた高温耐熱性ステンレス鋼繊維焼
結体からなっており、高温耐熱性ステンレス鋼繊維焼結
体の繊維表面にアルミナ皮膜を有しているため、機械的
強度が良好である上にすぐれた高温耐熱性と高い熱伝導
率を備え、かつ高温耐熱性ステンレス鋼繊維は断面形状
にエッジを有している。したがって、ディーゼル内燃機
関や燃焼装置から排出される高温の排ガス中の炭素系微
粒子を効率よく捕集することができる。しかも、繊維表
面にアルミナ皮膜を有しているため触媒の密着性が良
く、この触媒により炭素系微粒子の燃焼を促進すること
ができるいうすぐれた効果が得られる。請求項2と請求
項3によれば、高温の排ガス中の炭素系微粒子を効率よ
く捕集することができるうえに、炭素系微粒子処理用フ
ィルタ自体に通電して自己発熱させることで炭素系微粒
子を燃焼除去することができ、したがって、短時間で簡
単、確実に再生を行うことができる。しかも炭素系微粒
子処理用フィルタが表面に触媒を担持しているため通電
電力量を低下させることができ、処理コストを低減する
ことが可能となるというすぐれた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による炭素系微粒子処理用フィルタを例
示する斜視図である。
【図2】(a)は本発明による炭素系微粒子処理用フィル
タの部分的拡大図、(b)(c)は高温耐熱性ステンレス鋼繊
維焼結体の拡大断面図である。
【図3】高温耐熱性ステンレス鋼繊維の製造法を示す説
明図である。
【図4】(a)は図3の方法で得られた高温耐熱性ステン
レス鋼繊維の拡大斜視図、(b)はその拡大断面図であ
る。
【図5】(a)は本発明による排ガス中の炭素系微粒子処
理装置の実施例を示す縦断側面図、(b)はその横断面図
である。
【図6】(a)は本発明による炭素系微粒子処理装置の実
施例を示す縦断側面図、(b)はその横断面図である。
【図7】(a)は本発明による炭素系微粒子処理装置の実
施例を示す縦断側面図、(b)はその横断面図である。
【図8】(a)(b)は複数の炭素系微粒子処理ユニットを使
用した本発明装置の実施例を示す縦断側面図である。
【図9】本発明の作用を模式的に示す説明図である。
【図10】本発明による炭素系微粒子処理装置の実験結
果を示す線図である。
【図11】本発明による炭素系微粒子処理装置の実験結
果を示す線図である。
【符号の説明】
1 炭素系微粒子処理用フィルタ 2 高温耐熱性ステンレス鋼繊維焼結体 3 電極 4 触媒層 5 炭素系微粒子処理ユニット 6 電源 20 高温耐熱性ステンレス鋼繊維 21 アルミナ皮膜 E 通電装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F01N 3/02 321 F01N 3/02 341L 341 B01D 53/36 103C (72)発明者 神道 克美 愛知県豊川市国府町豊成44 (72)発明者 浅見 登志雄 愛知県豊川市諏訪3−123 (72)発明者 加藤 龍彦 愛知県新城市緑が丘5−6−5 (72)発明者 後夷 光一 愛知県岡崎市上地3−23−26 (72)発明者 相澤 幸雄 神奈川県川崎市中原区木月大町203 (72)発明者 関戸 容夫 神奈川県横浜市磯子区洋光台6−28−7 (72)発明者 後藤 晃 神奈川県横浜市鶴見区栄町通3−32−1 (72)発明者 小宮山 知成 神奈川県川崎市幸区南幸町2−46−2

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】抵抗発熱性を有する高温耐熱性ステンレス
    鋼の薄板を巻回したコイル材を端面切削して製造した繊
    維を集積してウエブにし、それを焼結および熱処理して
    焼結繊維表面にアルミナ皮膜を形成した高温耐熱性ステ
    ンレス鋼繊維焼結体からなり、かつ該高温耐熱性ステン
    レス鋼繊維焼結体が触媒を担持していることを特徴とす
    る排ガス中の炭素系微粒子処理用フィルタ。
  2. 【請求項2】排ガスの導入部と排出部を有する器体と、 抵抗発熱性を有する高温耐熱性ステンレス鋼の薄板を巻
    回したコイル材を端面切削して製造した繊維を集積して
    ウエブにしそれを焼結および熱処理して焼結繊維表面に
    アルミナ皮膜を形成ししかもその上に触媒を担持し、か
    つ自由端に電極を取り付けた高温耐熱性ステンレス鋼繊
    維焼結体からなる炭素系微粒子処理用フィルタと、 要時に前記電極に通電して炭素系微粒子処理用フィルタ
    を自己発熱させるための通電装置を備えていることを特
    徴とする排ガス中の炭素系微粒子処理装置。
  3. 【請求項3】排ガスの導入部と排出部を有する器体と、 抵抗発熱性を有する高温耐熱性ステンレス鋼の薄板を巻
    回したコイル材を端面切削して製造した繊維を集積して
    ウエブにしそれを焼結および熱処理して焼結繊維表面に
    アルミナ皮膜を形成ししかもその上に触媒を担持し、か
    つ自由端に電極を取り付けた高温耐熱性ステンレス鋼繊
    維焼結体からなる炭素系微粒子処理用フィルタと、 要時に前記電極に通電して炭素系微粒子処理用フィルタ
    を自己発熱させるための通電装置を備えた処理ユニット
    を複数備えていることを特徴とする排ガス中の炭素系微
    粒子処理装置。
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