JPH0986407A - 鉄道車両及びその製作方法 - Google Patents

鉄道車両及びその製作方法

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JPH0986407A
JPH0986407A JP7244390A JP24439095A JPH0986407A JP H0986407 A JPH0986407 A JP H0986407A JP 7244390 A JP7244390 A JP 7244390A JP 24439095 A JP24439095 A JP 24439095A JP H0986407 A JPH0986407 A JP H0986407A
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孝光 佐々
Shoichi Tanaka
章一 田中
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鉄道車両を効率よく製作できるようにするこ
とを目的とし、併せて経済性の向上や柔軟な材料選択を
可能ならしめることを目的とする。 【解決手段】 床ブロック、側ブロック、妻ブロック及
び屋根ブロックを組み立ててなる構体構造を備えた鉄道
車両において、各ブロック同士を、縁部同士を重ね合わ
せた上で、ロックボルト又はブラインドボルトのよう
に、軸部分とスリーブ部分とを備え、軸部分を引きちぎ
りながらスリーブ部分を変形させることにより所定の締
結力を発生するタイプの締結体で固定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄道車両及びその
製作方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
鉄道車両は、床ブロック、側ブロック、妻ブロック及び
屋根ブロックから構成される構体構造を有し、各ブロッ
クの縁部同士を重ね合わせて溶接にて組み立てられたも
のであった。
【0003】そして、溶接歪の修正のための熱処理やハ
ンマリング等を行い、その後で艤装品や内装品を取り付
けていた。このため、従来は、構体構造内の狭い空間内
で艤装・内装作業を行わねばならず、艤装品・内装品の
搬入や位置合わせ、取付に手間取るという問題があっ
た。特に、屋根ブロック及び床ブロックへの艤装品・内
装品の取り付け作業は上向き作業となり、作業性が悪か
った。この結果、従来は、効率よく鉄道車両を製作する
ことができないという問題があった。
【0004】また、車両のモデルチェンジなどの際に
は、床ブロックのように流用できる部分があってもこれ
を使用できず、不経済であるという問題もあった。さら
に、溶接構造であるため、各ブロックには溶接に適する
材料しか使用できないとか、各ブロックを同一材料にて
構成しなければならずハイブリッドな構体構造を採用す
ることができないなど、柔軟な材料選択ができないとい
う問題があった。
【0005】そこで、本発明は、新規な組み立て構造に
より、鉄道車両を効率よく製作できるようにすることを
目的とし、併せて経済性の向上や柔軟な材料選択を可能
ならしめることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段、発明の実施の形態及び発
明の効果】本発明の鉄道車両は、床ブロック、側ブロッ
ク、妻ブロック及び屋根ブロックを組み立ててなる構体
構造を備えた鉄道車両において、各ブロック同士が、縁
部の重なり部分を締結体にて固定されていることを特徴
とする。ここで、前記締結体としては、ボルト・ナット
を用いてもよいが、ロックボルト又はブラインドボルト
若しくはブラインドリベット(以下、「ロックボルト又
はブラインドボルト」とのみいう。)のように、軸部分
とスリーブ若しくはカラー部分とを備え、軸部分を引き
ちぎりながらスリーブ若しくはカラー部分を変形させる
ことにより所定の締結力を発生するタイプの締結体を用
いるとよい。さらに、前記各ブロックの少なくとも一つ
については他のブロックと異なる材料にて構成したハイ
ブリッド構造とすることができる。
【0007】本発明の鉄道車両によれば、構体構造を組
み立てるに当り、熱歪が加わらないので歪取りを行う必
要がない。よって、各ブロックには例えば配管や配線と
いった艤装品はもちろん、吊手棒,灯具,空調ファン,
スピーカ,荷棚,座席などといった内装品を予め取り付
けておくことができる。
【0008】また、ブロック同士が溶着している訳では
ないので、締結体を破壊するなどしてやれば、ブロック
毎に分解することができる。よって、モデルチェンジ等
の際に、モデルチェンジに影響のないブロックはそのま
ま再利用することもでき、経済性が向上する。なお、モ
デルチェンジ以外にも部分的にブロックを取り替えると
いった修理方法が容易に行えるという効果もある。
【0009】さらに、ハイブリッド構造とすることで、
車両の軽量化や性能アップ等を一層推進することができ
るようになる。一方、本発明の鉄道車両の製作方法は、
床ブロック、側ブロック、妻ブロック及び屋根ブロック
を組み立ててなる構体構造を備えた鉄道車両の製作方法
において、各ブロックの縁部に重なりを形成するように
ブロックを設置し、該重なり部分を貫通する締結体にて
ブロック同士を締結するようにしたことを特徴とする。
【0010】この場合、各重なり部分には、予め一方の
ブロックに対して孔を形成しておき、重ねた状態にて当
該孔に一致するようにもう一方のブロックに孔を形成
し、こうして形成した重なり部分の貫通孔に締結体を貫
通させるようにするとよい。重ねるだけで貫通孔となる
ように予め各ブロックに孔を形成しておいてもよいので
あるが、鉄道車両は長尺な製品であることから、製作誤
差などが積み重なると孔同士がうまく一致しなくなるお
それがあるからである。従って、むしろ、このように片
方にだけ孔を開けておいてもう一方については現場合わ
せとする方がかえって作業性を向上させるからである。
【0011】ここでもまた、前記締結体としてロックボ
ルト又はブラインドボルトのように軸部分とスリーブ若
しくはカラー部分とを備える締結体を貫通させ、該締結
体の軸部分を引きちぎりながらスリーブ若しくはカラー
部分を変形させることにより所定の締結力にてブロック
同士を締結するようにするとよい。これらロックボルト
又はブラインドボルトのような締結体は、軸部が設計荷
重にて引きちぎられるので、締結力が設計条件に一致
し、信頼性の高い締結が期待できる点で有利だからであ
る。即ち、継手強度を設計条件通りに施工することがで
きるという利点がある。
【0012】なお、締結体としては、ロックボルトやブ
ラインドボルトに限らず、通常のボルト・ナットを用い
ることもできる。しかし、締結体としてボルト・ナット
を用いた場合には、締結作業に当たってトルクレンチな
どにより締め付けトルクを確認しながら作業を行う必要
があるが、ロックボルトやブラインドボルトを用いた場
合には、締結力の確認作業が不要となる点で、他の締結
体を用いる場合よりも有利となる。これは、特に、多数
の締結体を使用する鉄道車両の組立においては工期・工
数の短縮に大いに寄与するところである。
【0013】ところで、ロックボルトは一方から頭部付
きの軸部を挿入し、他方からカラーをセットして軸部先
端を引っ張りながらカラーを圧縮変形させる形式である
ため、重なり部分の両側がある程度の開放空間を有する
箇所に使用する。そのような空間が両方に確保できない
場合には、ブラインドボルトを使用するとよい。逆の見
方をすれば、ブラインドボルトを使用することにより、
締結部分近くの艤装・内装作業をより一層進めることが
できるようになる。即ち、ブラインドボルトを使用し、
車体の外側から締結作業を行う様にすれば、より一層作
業の効率化を図ることができる。なお、ブラインドボル
トと同様なものとして、例えば、プルステムタイプのリ
ベットを使用することもできる。
【0014】本発明の鉄道車両の製作方法においては、
特に、少なくとも一部のブロックについては、艤装品及
び内装品の全部又は一部を取り付けた状態にてブロック
の設置及びブロック同士の締結を行うようにする。こう
した先行艤装により、例えば、屋根ブロック及び床ブロ
ックに対する艤装・内装作業を下向き又は横向きで実行
することができ、作業性が格段に向上する。また、艤装
・内装作業をオープンスペースで実行できるので、艤装
品・内装品の搬入やセッティングも容易となる。屋根ブ
ロック、床ブロックに限らず、側ブロックにも予め艤装
等を施しておくようにするとよいことはもちろんであ
る。
【0015】本発明の鉄道車両の製作方法においては、
また、側ブロックを長手方向複数個の小ブロックに分割
し、この内、妻ブロックと締結される部分の小ブロック
以外の小ブロックの内の少なくとも一部については、屋
根ブロックを搭載した後で設置及び締結を行うようにす
るとよい。この方法によれば、屋根ブロックを搭載する
際に、側ブロックの一部がオープンとなっているので、
この部分を介して支え治具等をセットし、屋根ブロック
を下から支えながら搭載するといったことができるから
である。
【0016】
【実施例】以下、本発明を適用した鉄道車両の実施例に
ついて説明する。実施例の鉄道車両10は、図1に示す
様に、1両に左右4箇所の出入口11を備え、車内に対
面式の座席13,15を配置したものである。この鉄道
車両10は、窓として、下降窓17と固定窓19とを備
えている。また、出入口11の扉は両開きの引戸方式と
なっており、開扉時には側壁部分に設けた戸袋内に扉が
収納されるようになっている。
【0017】この実施例の鉄道車両10の構体構造は、
図2に示す様に、床ブロック20、側ブロック30、妻
ブロック40及び屋根ブロック50を組み立てて構成さ
れている。側ブロック30は、さらに、図2,図3に示
す様に、窓の部分の小ブロック(以下、「窓ブロック」
という。)31〜35と、出入口の部分の小ブロック
(以下、「出入口ブロック」という。)36〜39の各
9個に分割されている。
【0018】各ブロックは、板材から切り出したパネル
に対して、骨組みとなる部材をスポット溶接にて固定し
た構造となっている。これ自体は、従来の鉄道車両と同
様である。しかし、従来と違って、妻ブロック40以外
の各ブロックには、さらに、組み立て前に、配管や電線
などの艤装品を取り付けた上で、可能な限りの内装品も
取り付けておく。
【0019】より具体的には、屋根ブロック50には、
図4に示す様に、天井パネル61,吊手棒62,灯具6
3,空調ファン64,スピーカ65等が取り付けられ
る。これらの内装品の取付は、屋根ブロック50を天地
反転するか、治具に立てかけた状態にて、下向き又は横
向きの作業にて実施される。窓ブロック31〜35に
は、図5及び図6に示す様に、荷棚71,座席72など
といった内装品が、やはり、下向き又は横向き作業にて
予め取り付けられる。また、床ブロック20には、床材
も貼付けておく。さらに、妻ブロック40を含めて各ブ
ロック20〜50には、塗装も施しておく。この塗装も
下向き又は横向きの姿勢にて施される。
【0020】また、側ブロック30及び妻ブロック40
の縁部には、図5〜図8に示す様に、隣合うブロックに
対する重ね合わせ代81及びブラケット82が設けら
れ、これら重ね合わせ代81及びブラケット82には、
図中に小さな×印(・点にしか見えない部分もある)で
示した様に、多数の貫通孔83が設けられている。この
貫通孔83は、後述する締結具(ロックボルト110及
びブラインドボルト120)を挿入できる大きさとされ
ている。
【0021】各ブロックは、図2に丸数字で示す順番に
設置され、締結具110,120にて締結されて組み立
てられる。以下に、その組み立て手順を詳しく説明す
る。まず、床ブロック20をキャンバ付きの治具(図示
略)の上に設置する。次に、側ブロック30の内の、車
両前端及び後端の窓ブロック31,35を設置する。こ
のとき、窓ブロック31,35の重ね代81が床ブロッ
ク20の外側になるように設置する。そして、窓ブロッ
ク31,35の下縁の重ね代に設けた貫通孔83から床
ブロック20側へと、現場合わせにて通し孔85(図9
参照)を貫通させる。
【0022】次に、この通し孔85に、図10(A)及
び図11(A)に示す様に、ロックボルト110又はブ
ラインドボルト120を挿入し、図10(B)及び図1
1(B)に示す様な状態に締結する。まず、ロックボル
ト110について説明する。
【0023】ロックボルト110は、図10(A)に示
す様に、軸部111とカラー113とから構成される。
カラー113は、軸部111を挿入できる大きさの孔を
有する円筒状のものである。軸部111の中ほどには、
細径のくびれ部分115が設けられており、これより先
端側にチャッキング用の凹凸(以下、「チャッキング
部」という。)117が、これより元側にカラー食い込
み用の凹凸(以下、「食い込み部」という。)119が
設けられている。
【0024】締結作業に当たっては、通し孔85に対し
て、車体外側から軸部111を挿入し、反対側からカラ
ー113を装着する。カラー113は、食い込み部11
9の部分に装着される。こうしてロックボルト110を
セットしたら、図10(C)に示すように、工具T10
を用いて、チャッキング部117をチャッキング爪T1
1にてチャッキングすると共に、ノーズT12にてカラ
ー113の先端を外から押さえる。そして、チャッキン
グ爪T11を後退させながらノーズT12を前進させ
る。すると、軸部111は、図10(A)に矢印X1で
示す方向に相対的に引っ張られる格好となり、カラー1
13は軸矢印X2方向に圧縮されて塑性変形し、その内
面113aが軸部111の食い込み部119に食い込ま
されながら潰されていく。そして、軸部111に対する
引っ張り応力が、くびれ部分115の破断応力以上にな
ると、軸部111は引きちぎれ、同図(B)の状態にな
る。これにより、側ブロックのパネル30aと床ブロッ
ク側のパネル20aとが強固に締結される。この締結力
は、ロックボルト110のくびれ部分115の段面積に
応じた一定の力となる。
【0025】大部分の位置は、このようにしてロックボ
ルト110で締結が行われるが、後述の出入口ブロック
36,39については、一部にブラインドボルト120
が使用される。その使用位置は、図2に矢印Pで示す。
この部分には、床ブロック20と台車との連結のための
ボルスタケース(図示略)があるため、車体の外側から
しか作業ができない。そこで、この部分には、ブライン
ドボルト120が使用される。組み立て手順を説明する
前に、ブラインドボルト120及びこれによる締結方法
について説明しておく。
【0026】ブラインドボルト120は、図11に示す
様に、軸部121とスリーブ123とロッキングカラー
124とから構成される。軸部121の一端には、チャ
ッキング用の凹凸(以下、「チャッキング部」とい
う。)125と、スリーブ圧縮用の段部127とが設け
られている。スリーブ123には、この段部127と反
対の側に膨出部129が形成されている。
【0027】締結作業に当たっては、通し孔85に対し
て、車体外側からスリーブ123及び軸部121を挿入
し、膨出部129を外側のパネル30aに当接させる。
こうしてブラインドボルト120をセットしたら、図1
1(C)に示す様に、工具T20を用いて、ノーズT2
2にてスリーブ123の膨出部129及びロッキングカ
ラー124をパネル30aに押し付けつつ、チャッキン
グ爪T21にてチャッキング部125をチャッキングし
て軸部121だけを外へ向かって引っ張る。この結果、
スリーブ123は軸部121の段部127と床ブロック
側のパネル20aとの間に挟まれて圧縮荷重を受け、外
側へ向かって座屈変形する。そして、軸部121に作用
する引っ張り応力が設計応力に達すると破断し、図示
(B)の状態になる。このとき、ロッキングカラー12
4が膨出部129に食い込み、残っている軸部121を
膨出部129に対して固定する。これにより、側ブロッ
クのパネル30aと床ブロック側のパネル20aとが強
固に締結される。
【0028】なお、このようなロックボルト110及び
ブラインドボルト120としては、例えば、米国のHU
CK INTERNATINAL,INC製の商品名
「C6Lファスナ」及び「UBPファスナ」を使用する
ことができる。もちろん、同社の製品に限らない。
【0029】再び、構体構造の製作方法の説明に戻る。
上述の様に、窓ブロック31,35の取り付けが終った
ら、次に、図2にと示す様に、妻ブロック40をセッ
トし、現場合わせによる通し孔を施工した後、上述と同
様にロックボルト110にて床ブロック20及び窓ブロ
ック31,35との締結作業を実施する。なお、窓ブロ
ック31,35には、図6に示す様に折り返し部31
a,35aが設けられており、妻ブロック40の重ね代
はここに重なるようになっている。
【0030】こうして、床ブロック20に対して4隅の
窓ブロック31,35及び妻ブロック40の取り付けが
完了したら、図2にで示す様に、残りの窓ブロック3
2〜34を同様の手順で設置、通し孔加工、ロックボル
ト締結を行う。そして、図示の中2枚の出入口ブロッ
ク37,38を床ブロック20及び窓ブロック32〜3
4に対してセッティングし、重ね合わせ部分に通し孔加
工を行い、ロックボルトによる締結を行う。
【0031】こうして、床ブロック20に対して、前後
の出入口ブロック36,39を除いて側ブロック30及
び妻ブロック40を取り付けたら、図2にで示す様
に、屋根ブロック50を上からセッティングし、通し孔
加工、ロックボルト締結作業を行う。このとき、屋根ブ
ロック50は、図示しない治具を未だ取り付けの完了し
ていない前後の出入口部分(図2のの部分)にセット
し、この治具で下から支えた状態にてゆっくりと下降さ
せて位置合わせを行う。前後の出入口部分がオープンと
なっているので、車幅以上の長さを有する腕を備えた治
具にて屋根ブロック50を下から支持することができ、
クレーン吊りによるセッティングをしなくてもよくなっ
ている。なお、屋根ブロック50は、図9に示す様に、
側ブロック30の外側に重ね合わされ、通し孔85を加
工される。そして、ロックボルト締結にて固定される。
【0032】そして、最後に、残りの出入口ブロック3
6,39をセッティングし、これまでの説明と同様に、
通し孔加工、ロックボルト締結を経て、構体構造が完成
する。なお、この後、各締結箇所には、シーラントによ
るシールを施す。こうして完成した構体構造において
は、ブロック同士の固定が溶接でないので、歪を除去す
るための熱処理やハンマリング等の必要がない。この効
果により、上述の如く、妻ブロック40を除く各ブロッ
クに対して、必要な艤装品及び内装品をブロックの組立
に先行して取り付けておくことができるのである。
【0033】なお、妻ブロック40など、艤装品や内装
品を取り付けてないブロックについては、この後、艤装
・内装工事を行う。また、ブロック同士の継目部分の内
張りや、残っている内装品の取り付けも、この後で行
う。以上説明した様に、本実施例では、構体構造の組立
に当たって、ブロック同士を溶接方式とせず、ロックボ
ルト110やブラインドボルト120による締結方式を
採用したことにより、各ブロックへの艤装品や内装品の
取り付け作業を、面倒な上向き作業にしなくてよくなっ
た。また、艤装品や内装品はブロック段階で取り付ける
ことができるので、作業をオープンスペースで実行で
き、これによっても艤装・内装作業に要する時間を節減
することができる。しかも、オープンスペースで各ブロ
ックに対する艤装・内装作業を平行して実施することが
できるので、作業待ちといった無駄も低減することがで
きる。この結果、鉄道車両の製作時間を大幅に短縮する
ことができる。即ち、工期・工数の面からの経済性向上
を期待することができる。また、安全作業が確保でき
る。
【0034】また、ロックボルト110やブラインドボ
ルト120を破壊してやれば、ブロック単位に分解する
ことができる。そして、これら分解されたブロックは、
可能であれば、再利用することができる。この結果、モ
デルチェンジや修理の際に、無駄がなくなる。即ち、材
料面からの経済性向上を期待することができる。
【0035】さらに、側ブロック30の一部を最後に組
み付けることとし、屋根ブロック50の設置に当たって
クレーン作業を排除することができるので、これによっ
ても組立作業を簡単にすることができる。これもまた、
工期・工数の面での経済性向上に寄与している。
【0036】次に、第2実施例について説明する。第2
実施例は、図12に示す様に、戸袋を廃止して、扉を車
体外部に露出させた状態で開扉する構造の鉄道車両につ
いて本発明の思想を適用したものである。使用するロッ
クボルトやブラインドボルトは先に説明した実施例(以
下、「第1実施例」という。)と同じであるが、図13
の様に、側ブロック130の分割方法を変更した点で相
違している。
【0037】側ブロック130は、5個の窓ブロック1
31〜135と、2個の矩形板136,137とから構
成される。各窓ブロック131〜135には、第1実施
例と同様に、荷棚71,座席72などといった内装品
が、やはり、下向き又は横向き作業にて予め取り付けら
れる。
【0038】そして、組立手順は、図14に示す通りと
なり、側ブロック130の一部136,137を取り付
けない状態にて屋根ブロック50を取り付けるようにし
ている。これにより、第1実施例と同様に、クレーン作
業によらず屋根ブロック50をセッティングすることが
可能になっている。
【0039】この第2実施例も、第1実施例と全く同様
の効果を発揮する。なお、戸袋なしの構造にして車体側
壁を薄型構造としたため、下降窓を採用できず、引き窓
にした点で第1実施例と相違しているが、第3実施例の
様に、窓ブロック141〜145を一部厚壁構造として
やれば、下降窓方式を採用することができる(図15参
照)。
【0040】次に、第4実施例を説明する。ここまで説
明してきた各実施例は、各ブロックの材質については特
に言及して来なかったが、この第4実施例では、各ブロ
ックの材料を意図的に変更したものとして説明する。な
お、図面上特徴が現れないので、文章のみで説明する。
【0041】第4実施例では、屋根ブロックをアルミ合
金製とし、その他のブロックをステンレス製とする。こ
のような材料選定をしても、ブロック同士の締結が溶接
によらないので、全く問題なく組立を行うことができ
る。そして、屋根ブロックをアルミ合金製とすることで
車体の軽量化が図れるとともに、重心位置を低下させる
ことができ、これによって、上述の各実施例の効果に加
えてさらに車両の安定走行に有利な効果が発揮される。
【0042】以上、本発明の実施例を説明したが、本発
明は、上記実施例に限定されるものではなく、本発明の
要旨を逸脱しない限り種々なる態様に変形することが可
能である。例えば、ロックボルト等により締結する部分
の重ね合わせ方としては、図16に示す様に、各ブロッ
ク151,152の縁部を折り返してアングル状として
おき、ブロック同士を突き合わせることでこのアングル
部分151a,152aで重なりを形成し、ここをロッ
クボルト110で締結するようにしてもよい等、種々の
態様に変形することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例の鉄道車両の全体構成を示し、
(A)は車内の平面図、(B)は車両全体の側面図であ
る。
【図2】 第1実施例の組立手順を示す分解斜視図であ
る。
【図3】 第1実施例におけるブロック分割状態の説明
図である。
【図4】 第1実施例における屋根ブロックを車内から
見た図である。
【図5】 第1実施例における窓ブロックを車内から見
た図である。
【図6】 第1実施例における窓ブロックを車内から見
た図である。
【図7】 第1実施例における出入口ブロックを車内か
ら見た図である。
【図8】 第1実施例における妻ブロックを車内から見
た図である。
【図9】 第1実施例の車両の横断面図である。
【図10】 ロックボルトによる締結状態を示す断面図
である。
【図11】 ブラインドボルトによる締結状態を示す断
面図である。
【図12】 第2実施例の鉄道車両の全体構成を示し、
(A)は車内の平面図、(B)は車両全体の側面図であ
る。
【図13】 第2実施例におけるブロック分割状態の説
明図である。
【図14】 第2実施例の組立手順を示す分解斜視図で
ある。
【図15】 第3実施例の鉄道車両の全体構成を示し、
(A)は車内の平面図、(B)は車両全体の側面図であ
る。
【図16】 変形例の要部の断面図である。
【符号の説明】
10・・・鉄道車両、11・・・出入口、13,15・
・・座席、17・・・下降窓、19・・・固定窓、20
・・・床ブロック、30・・・側ブロック、31〜35
・・・窓ブロック、36〜39・・・出入口ブロック、
40・・・妻ブロック、50・・・屋根ブロック、61
・・・天井パネル、62・・・吊手棒、63・・・灯
具、64・・・空調ファン、65・・・スピーカ、71
・・・荷棚、72・・・座席、81・・・重ね合わせ
代、83・・・貫通孔、85・・・通し孔、110・・
・ロックボルト、120・・・ブラインドボルト、13
0・・・側ブロック、131・・・窓ブロック、136
・・・矩形板、141・・・窓ブロック。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 床ブロック、側ブロック、妻ブロック及
    び屋根ブロックを組み立ててなる構体構造を備えた鉄道
    車両において、各ブロック同士が、縁部の重なり部分を
    締結体にて固定されていることを特徴とする鉄道車両。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の鉄道車両において、前記
    締結体が、ロックボルト又はブラインドボルト若しくは
    ブラインドリベットのように、軸部分とスリーブ若しく
    はカラー部分とを備え、軸部分を引きちぎりながらスリ
    ーブ若しくはカラー部分を変形させることにより所定の
    締結力を発生するタイプの締結体であることを特徴とす
    る鉄道車両。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の鉄道車両におい
    て、前記各ブロックの少なくとも一つについては他のブ
    ロックと異なる材料にて構成することを特徴とする鉄道
    車両。
  4. 【請求項4】 床ブロック、側ブロック、妻ブロック及
    び屋根ブロックを組み立ててなる構体構造を備えた鉄道
    車両の製作方法において、各ブロックの縁部に重なりを
    形成するようにブロックを設置し、該重なり部分を貫通
    する締結体にてブロック同士を締結するようにしたこと
    を特徴とする鉄道車両の製作方法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の鉄道車両の製作方法にお
    いて、各重なり部分には、予め一方のブロックに対して
    孔を形成しておき、重ねた状態にて当該孔に一致するよ
    うにもう一方のブロックに孔を形成し、こうして形成し
    た重なり部分の貫通孔に締結体を貫通させるようにした
    ことを特徴とする鉄道車両の製作方法。
  6. 【請求項6】 請求項4又は5記載の鉄道車両の製作方
    法において、前記締結体としてロックボルト又はブライ
    ンドボルト若しくはブラインドリベットのように軸部分
    とスリーブ若しくはカラー部分とを備える締結体を貫通
    させ、該締結体の軸部分を引きちぎりながらスリーブ若
    しくはカラー部分を変形させることにより所定の締結力
    にてブロック同士を締結するようにしたことを特徴とす
    る鉄道車両の製作方法。
  7. 【請求項7】 請求項4〜6のいずれか記載の鉄道車両
    の製作方法において、少なくとも一部のブロックについ
    ては、艤装品及び内装品の全部又は一部を取り付けた状
    態にてブロックの設置及びブロック同士の締結を行うよ
    うにしたことを特徴とする鉄道車両の製作方法。
  8. 【請求項8】 請求項4〜7のいずれか記載の鉄道車両
    の製作方法において、側ブロックを長手方向複数個の小
    ブロックに分割し、この内、妻ブロックと締結される部
    分の小ブロック以外の小ブロックの内の少なくとも一部
    については、屋根ブロックを搭載した後で設置及び締結
    を行うようにしたことを特徴とする鉄道車両の製作方
    法。
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