JPH0987273A - ε−カプロラクトンの精製方法 - Google Patents

ε−カプロラクトンの精製方法

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JPH0987273A
JPH0987273A JP24426795A JP24426795A JPH0987273A JP H0987273 A JPH0987273 A JP H0987273A JP 24426795 A JP24426795 A JP 24426795A JP 24426795 A JP24426795 A JP 24426795A JP H0987273 A JPH0987273 A JP H0987273A
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JP
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caprolactone
distillation
rectification column
film evaporator
thin film
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JP24426795A
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Kazuo Tanaka
一夫 田中
Takaki Ikebe
貴樹 池邉
Sachihiro Yamane
祥弘 山根
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】シクロヘキサノンと芳香族アルデヒドの共酸化
によって得た反応混合物を蒸留により不純物を分離する
ε−カプロラクトンの精製方法において、蒸留工程での
重合損失を防止し、且つ蒸留効率を高める工業的に有利
な精製方法を提供する。 【解決手段】ε−カプロラクトン精留塔において、加熱
源として循環式リボイラを用い、塔底液の一部を単通式
の薄膜蒸発器にて濃縮し、高沸成分を連続的に排出す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】本発明はε−カプロラクトンの精
製方法に関する。ε−カプロラクトンはナイロン樹脂の
原料となるε−カプロラクタムやポリウレタン樹脂の原
料として有用である。
【0002】
【従来の技術】ε−カプロラクトンはシクロヘキサノン
の酸化により製造され、アルデヒドとの共酸化法と酸化
剤に有機過酸を用いる酸化法がある。このようなシクロ
ヘキサノンの酸化によって得た反応混合物から目的物を
分離するために、慣用的な蒸留法を用いるとε−カプロ
ラクトンの重合損失が多く、収率が低下する。
【0003】このような蒸留工程におけるε−カプロラ
クトンの損失の原因は反応混合物中に含まれる高沸ハル
ツに起因するものであり、特公昭60−16436号に
はこの損失を防ぐために、未反応シクロヘキサノンの蒸
留工程よりも前に高沸ハルツを除去する方法が記載され
ている。しかしこの方法では蒸留塔付属の加熱蒸発器の
他に特設の蒸発器を必要とし、装置およびエネルギーの
コストが増大する。また特開昭57−42684号には
シクロヘキサノンの有機過酸酸化によって得た反応混合
物から低沸物を留去した後、単通薄膜式蒸発器を備えた
装置で蒸留することが記載されている。しかしながらこ
の方法は、共酸化法により精留時の重合の著しくない有
機過酸により酸化で行う必要があり、また高価な単通式
薄膜蒸発器をリボイラーとして用いる必要があるので、
経済面での負担が大きい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、シク
ロヘキサノンと芳香族アルデヒドを共酸化によって得た
反応混合物を蒸留により不純物を分離するε−カプロラ
クトンの精製方法において、蒸留工程での重合損失を防
止し、且つ蒸留効率を高める工業的に有利な精製方法を
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】発明者等は上記の如き課
題を有するε−カプロラクトンの精製方法について鋭意
検討した結果、ε−カプロラクトンの損失が蒸留塔の塔
底部で生じ、特にε−カプロラクトンと共に高沸成分が
濃縮されて存在すると重合損失が加速度的に増加するこ
と、従って蒸留塔の塔底部の高沸成分がε−カプロラク
トンの重合速度に影響を与えない程度まで通常の加熱方
式で濃縮し、高沸成分が濃縮された液を滞留時間の短い
薄膜式蒸発器で更に濃縮を図り、高沸成分を除去するこ
とにより、ε−カプロラクトンの重合損失を防止し、且
つ蒸留効率を高める工業的に有利な方法が得られること
を見出し、本発明に到達した。
【0006】即ち本発明は、シクロヘキサノンと芳香族
アルデヒドを共酸化して得たε−カプロラクトンを蒸留
により精製する精留塔において、加熱源として循環式リ
ボイラを用い、塔底液の一部を単通式の薄膜蒸発器にて
濃縮し、高沸成分を連続的に排出することを特徴とする
ε−カプロラクトンの精製方法である。特にこの単通式
の薄膜蒸発器に導入する塔底液の高沸成分の濃度が5〜
30重量%とする。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の精製方法に適用されるε
−カプロラクトンの製造法はシクロヘキサノンと芳香族
アルデヒドを共酸化する方法である。この場合の芳香族
アルデヒドは、ベンズアルデヒド、トルアルデヒド、ジ
メチルベンズアルデヒド、トリメチルベンズアルデヒ
ド、エチルベンズアルデヒド、クミンアルデヒド、ブチ
ルベンズアルデヒド、メトキシベンズアルデヒド、フェ
ノキシベンズアルデヒド、シクロヘキシルベンズアルデ
ヒド、ビフェニルベンズアルデヒドなどである。
【0008】シクロヘキサノンと芳香族アルデヒドの共
酸化反応により得られたε−カプロラクトンを含有する
反応混合物より不純物を除去して精製ε−カプロラクト
ンが得られるが、例えばシクロヘキサノンを2,4-ジメチ
ルベンズアルデヒドと共酸化して得た反応混合物は通
常、ε−カプロラクトンのほか、2,4-ジメチル安息香
酸、シクロヘキサノン、2,4-ジメチルベンズアルデヒド
と、その他構造不明の副生物などの不純成分を含んでい
る。これらの不純成分は蒸留により除去される。例えば
先ずシクロヘキサノン(沸点 155.6℃) 、次いで2,4-ジ
メチル安息香酸(沸点 267℃) 、2,4-ジメチルベンズア
ルデヒド(沸点 225℃) と除去し、最後にε−カプロラ
クトン(沸点 235.3℃) を蒸留により分離回収する。
【0009】シクロヘキサノンと芳香族アルデヒドの共
酸化反応により得られたε−カプロラクトンを含有する
反応混合物には、例えばカプロラクトンオリゴマー、カ
プロラクトンポリマー、ヒドロキシカプロン酸、その他
構造不明の高沸成分が含まれている。これらの高沸成分
は、通常、上記の2,4-ジメチル安息香酸を除去する過程
で分離されるが、次の2,4-ジメチルベンズアルデヒドな
どの低沸成分を蒸留除去する過程で熱変質して高沸成分
が微量生成する。ε−カプロラクトンの精製収率を高め
るために供給液中の微量の高沸成分を除去するために精
留塔底部の高沸成分を高濃度とすることが必要となる
が、濃縮を高めるとε−カプロラクトンの重合損失が増
大する。また高沸成分の濃縮を抑えるため、連続的に排
出する量を多くした場合には高沸成分に同伴されるε−
カプロラクトンが増大し、結果的に精製収率が低下す
る。
【0010】本発明の方法により加熱源として通常の循
環式のリボイラーで重合速度が容認できる高沸成分濃度
まで濃縮しながら、塔底液の一部を滞留時間の短い単通
式の薄膜蒸発器で排出することにより、高沸成分の濃度
が一定となり、重合損失が最小限に抑えられる。すなわ
ち本発明の方法により経済的にも安価な通常のリボイラ
で大部分の濃縮を図り、塔底液の一部を単通式の薄膜蒸
発器にて濃縮して高沸成分を連続的に排出することによ
り、精製収率の向上が図られると共に、建設費用が削減
されるので、最大の効果が得られる。
【0011】精留塔では重合損失を抑えるために、でき
るだけ温度を低くすることが好ましく、また塔底部での
滞留時間を短くすることが好ましい。循環式のリボイラ
ーとしては、通常のケトル型またはサーモサイホン型が
適用されるが、勿論、滞留時間の短い上昇薄膜型蒸発器
あるいは流下膜蒸発器を用いても良い。精留塔塔底液の
高沸成分濃度は、30重量%以上で加速度的に重合損失が
多くなることから、 5〜30重量%とする必要があり、好
ましくは10〜20重量%に維持することが必要である。こ
のような濃度に高沸成分を維持することで重合損失が最
小限に抑えられる。精留塔塔底液の高沸成分とε−カプ
ロラクトンの分離は単蒸留程度の蒸留で行うことができ
るので滞留時間の短い単通式の蒸発器が適用され、例え
ば上昇薄膜蒸発器、流下膜蒸発器、攪拌薄膜蒸発器など
が好ましい。
【0012】本発明のε−カプロラクトン精製法のフロ
ーの一例を図1に示す。以下、具体的にシクロヘキサノ
ンと2,4-ジメチルベンズアルデヒドで共酸化して得られ
た反応混合物を蒸留する場合について説明する。まず該
反応混合物を配管2 により脱低沸塔1 に供給し、未反応
シクロヘキサノンおよび2,4-ジメチルベンズアルデヒド
と、その他低沸不純物を配管3 より回収する。この脱低
沸塔1 の操作条件は、圧力が通常 5〜150mmHg 、好まし
くは 5〜80mmHgであり、塔頂温度60〜130 ℃である。脱
低沸塔1 の塔底成分は循環式のリボイラ5 を備えたε−
カプロラクトン精留塔4 に供給され、塔底液の一部を単
通式の攪拌型薄膜蒸発器6 に供給し、カプロラクトンオ
リゴマー等の高沸成分を除去する。該薄膜蒸発器6 で蒸
発したε−カプロラクトンは配管8 によりε−カプロラ
クトン精留塔4 の塔底部に戻される。高沸成分は配管6
より分離され、製品のε−カプロラクトンは塔頂の配管
10より得られる。このε−カプロラクトン精留塔4 の操
作条件は塔頂圧力 5〜20mmHg程度で、還流比は 1〜2 で
ある。
【0013】
【実施例】参考例および実施例により本発明を更に具体
的に説明するが、本発明は以下の実施例により制限され
るものではない。
【0014】参考例1(ε−カプロラクトンの製造) 内容積2Lの攪拌機付流通式オートクレーブにシクロヘ
キサノン80重量% 、2,4-ジメチルベンズアルデヒド20重
量% 、触媒としてナフテン酸コバルトをコバルトとして
1ppm 含む混合液を 3000g/hの割合で供給し、オフガス
中の空気濃度を10vol%となるようにしながら、反応温度
35℃、圧力25kg/cm2 Gで連続反応を行った。得られた反
応混合物を分析したところ、ε−カプロラクトン12.3重
量% 、2,4-ジメチル安息香酸18.1重量% 、2,4-ジメチル
ベンズアルデヒド 2.7重量% 、シクロヘキサノン66.1重
量% 、その他成分 0.8重量% であった。
【0015】参考例2(シクロヘキサノンおよび2,4-ジ
メチル安息香酸の除去) 参考例1で得られた反応混合物を流下膜蒸発器に 8000g
/hで連続供給し、25mmHgで供給液に対し 55%を蒸発分離
した。留出液中のシクロヘキサノンの純度は 95.6%であ
った。濃縮液を更に10mmHgで理論段10段の蒸留塔に供給
し、2,4-ジメチル安息香酸を蒸留塔塔底液として抜き出
した。蒸留塔塔頂より留出液が 2097g/h得られた。該蒸
留塔留出液の組成はε−カプロラクトン39.8重量% 、2,
4-ジメチルベンズアルデヒド 8.2重量% 、シクロヘキサ
ノン51.6重量% 、その他成分 0.4重量% であった。
【0016】比較例1 参考例2で得られた蒸留塔留出液を図1に示す精製装置
を用いて精製した。まず配管2より該留出液を 2500g/h
の割合で脱低沸塔1 に供給し、配管3 よりシクロヘキサ
ノン、2,4-ジメチルベンズアルデヒド、その他低沸成分
を留出させ、塔底より粗ε−カプロラクトンを精留塔4
に 985g/h の割合で供給した。精留塔塔底液は単通式薄
膜蒸発器への供給は行わなかったが、精留塔ボトム温度
が上昇したため、抜出量 150g/h として安定化を図っ
た。定常状態になった時点で精留塔ボトムの高沸成分濃
度を測定したところ 51.2 重量% であった。また精留塔
塔頂からのε−カプロラクトンの留出量は835g/hであっ
た。これより精製収率 (精留塔供給液中のε−カプロラ
クトンに対する取得精製ε−カプロラクトン) は 85.6%
である。脱低沸塔および精留塔の操作条件を表1に示
す。また精留塔でのε−カプロラクトンの変質率および
同伴損失を表2に示す。
【0017】
【表1】 脱低沸塔 精留塔 塔頂温度(℃) 88 118 塔底温度(℃) 125 126 塔頂圧力(Torr) 15 15 還流比 2.0 2.0 蒸発器ボトム温度 (℃) 170
【0018】比較例2 比較例1と同様に精留塔塔底液は単通式薄膜蒸発器への
供給は行わず、抜出量を200g/hとした。定常状態になっ
た時点で精留塔ボトムの高沸成分濃度を測定したところ
10.2 重量% であった。また精留塔塔頂からのε−カプ
ロラクトンの留出量は785g/hであり、精製収率は 80.5%
であった。脱低沸塔および精留塔の操作条件は比較例1
と同様であり、精留塔でのε−カプロラクトンの変質率
および同伴損失を表2に示す。
【0019】実施例1 比較例1において精留塔塔底液200g/hを配管7 から単通
式薄膜蒸発器6 に供給し、配管9 より高沸物を20g/h 抜
き出した。単通式薄膜蒸発器のボトム温度を 170℃とし
た。この結果、定常状態での精留塔塔底の高沸成分濃度
は10.2重量% であり、配管9 よりの高沸物中のε−カプ
ロラクトンはトレースであった。また精留塔塔頂からの
ε−カプロラクトンの留出量は965g/hであり、精製収率
は 98.9%であった。脱低沸塔および精留塔の操作条件は
比較例1と同様であり、精留塔でのε−カプロラクトン
の変質率および同伴損失を表2に示す。
【0020】実施例2 比較例1において精留塔塔底液175g/hを配管7 から単通
式薄膜蒸発器6 に供給し、配管9 より高沸物を35g/h 抜
き出した。単通式薄膜蒸発器のボトム温度を 170℃とし
た。この結果、定常状態での精留塔塔底の高沸成分濃度
は21.1重量% であり、配管9 よりの高沸物中のε−カプ
ロラクトンはトレースであった。また精留塔塔頂からの
ε−カプロラクトンの留出量は950g/hであり、精製収率
は 97.4%であった。脱低沸塔および精留塔の操作条件は
比較例1と同様であり、精留塔でのε−カプロラクトン
の変質率および同伴損失を表2に示す。
【0021】
【表2】 比較例1 比較例2 実施例1 実施例2 精留塔塔底の 高沸成分濃度(重量%) 51.2 10.2 10.2 21.1精製収率 (%) 85.6 80.5 98.9 97.4 ε−カプロラクトンの 変質率 (%) 6.9 1.1 1.1 2.6 同伴損失 (%) 7.5 18.4 0.0 0.0 合計損失率 (%) 14.4 19.5 1.1 2.6
【0022】
【発明の効果】以上の実施例に示される如く本発明の方
法により、ε−カプロラクトンの精製における精留塔で
高沸成分を加速度的に重合が行われる以内の濃度まで通
常の循環式リボイラで濃縮を行い、この濃縮液を単通式
薄膜蒸発器により短い滞留時間で加熱するようにするこ
とにより、ε−カプロラクトンの損失が著しく削減さ
れ、精製収率が向上する。本発明によれば小容量の薄膜
蒸発器を用いることになるので経済的にも有利であり、
本発明は工業的に極めて有利な方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のε−カプロラクトン精製法のフローの
一例を示す。
【符号の説明】
1 脱低沸塔 4 ε−カプロラクトン精留塔 5 循環式リボイラ 6 単通式薄膜蒸発器

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シクロヘキサノンと芳香族アルデヒドを共
    酸化して得たε−カプロラクトンを蒸留により精製する
    精留塔において、加熱源として循環式リボイラを用い、
    塔底液の一部を単通式の薄膜蒸発器にて濃縮し、高沸成
    分を連続的に排出することを特徴とするε−カプロラク
    トンの精製方法。
  2. 【請求項2】単通式の薄膜蒸発器に導入する塔底液の高
    沸成分の濃度が5〜30重量%である請求項1記載のε
    −カプロラクトンの精製方法。
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